JP4036076B2 - 液晶性フルオレン誘導体およびその重合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、重合性と液晶性を兼ね備えたフルオレン誘導体、その組成物およびその重合体に関する。これらは、液晶表示素子の構成要素である位相差フィルム、偏光板、液晶配向膜、反射防止膜、視野角補償膜などに利用できる。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平8−3111号公報
【特許文献2】
特開平7−17910号公報
【特許文献3】
特開平9−316032号公報
重合性を示す液晶化合物を、配向させた状態で光重合させると、均一な配向状態が固定化され、光学異方性を示す重合体が得られることが特許文献1に記載されている。そして、特許文献2または特許文献3によれば、反応性の高さや得られる重合体の透明性などの点から、重合性を示す液晶化合物としてアクリレート化合物が用いられている。重合性の液晶性アクリレート化合物の好ましい例は、シクロヘキサン環およびベンゼン環によって構成される化合物(a)〜(c)である。
【0003】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、公知のアクリレート化合物の重合体を用いた光学異方性薄膜は、耐熱性、表面硬度などの機械的物性において十分な特性を持っていなかった。本発明の課題は、この従来技術の問題点を解決することであり、そのために用いることができる新規な液晶性化合物を提供することである。即ち、本発明の第1の目的は、液晶相の広い温度範囲、高い透明点、大きい光学異方性、小さい粘度、他の液晶性化合物との高い相溶解性、優れた配向性、高い光重合性、有機溶媒への高い溶解度などの物性の多くを充足する重合性の液晶性化合物を提供することである。そして、本発明の第2の目的は、この化合物から調製され、そして耐熱性、表面硬度、大きな光学異方性、低い透水性(高い吸湿寸法安定性)、高いガスバリアー性、最適な熱収縮性(最適な熱膨張係数)、小さなヘイズ値、高い透明性、好適な屈折率、高い耐溶媒性、高い耐候性、高いガラス転移点、大きな光透過度(低い光損失)、高いぬれ性、最適な熱弾性などの物性の多くを充足する重合体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の各項によって構成される。
[1]式(1)で表されるフルオレン誘導体。
式(1)において、A1、A2およびA3は独立して、式(2)で表される基、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロへキセニレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ジオキサン−2,5−ジイル、任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、または任意の水素がフッ素および/または塩素で置き換えられた1,4−フェニレンであり、A1、A2およびA3 の1つは式(2)で表される基である;m、nおよびpは独立して0または1であり、これらの合計は1〜3であるが、A 1 が式(2)で表される基であるときmは1であり、A 2 が式(2)で表される基であるときnは1であり、そしてA 3 が式(2)で表される基であるときpは1である;R1は−CN、−CF3、−CF2H、−CFH2、−OCF3、−OCF2H、−N=C=O、−N=C=S、−F、−Clまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、1つの水素は(メタ)アクリロイルオキシまたはビニルオキシで置き換えられてもよく、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−CF2−、−CH=CH−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよい;R2は水素またはメチルである;Z1、Z2およびZ3は独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−であるが、Z 1 、Z 2 およびZ 3 の2つ以上が−C≡C−であることはない;qは0〜10の整数である;rは0または1である。
式(2)中の2つのX1は、独立して水素、フッ素または炭素数1〜8のアルキルである。
[2]式(2)における2つのX1が共に水素である、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
[3]式(2)における2つのX1が共にフッ素である、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
[4]式(1)におけるR2が水素である、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
[5]式(1)におけるR2がメチルである、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
[6]式(1)において、R1がアルキルまたはアルコキシであり、R2が水素である、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
[7]式(1)において、R1がアルキルまたはアルコキシであり、R2がメチルである、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
[8]式(1)において、R1がアルキルまたはアルコキシであり、R2が水素であり、式(2)における2つのX1が共に水素である、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
[9]式(1)において、R1がアルキルまたはアルコキシであり、R2がメチルであり、式(2)における2つのX1が共にフッ素である、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
[10]式(2)において、少なくとも1つのX1がメチルである、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
[11]式(1)中のA1、A2およびA3において、これらの1つが式(2)で表される基であり、その他が独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、または任意の水素がフッ素および/または塩素で置き換えられた1,4−フェニレンである、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
[12]R1が(メタ)アクリロイルオキシまたはビニルオキシを有する基である、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
[13]式(1)中のA1、A2およびA3において、これらの1つが式(2)で表される基であり、その他が独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、または任意の水素がフッ素および/または塩素で置き換えられた1,4−フェニレンであり、R1が(メタ)アクリロイルオキシまたはビニルオキシを有する基である、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
[14]式(1)において、A2が式(2)で表される基であり、A1およびA3が独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、または任意の水素がフッ素および/または塩素で置き換えられた1,4−フェニレンであり、R1が式(LT)で表される基であり、Z3が−O−であり、qが2〜10の整数である、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
式(LT)において、R3は水素またはメチルであり、r1は0または1であり、q1は2〜10の整数である。
[15]式(1)において、A2が式(2)で表される基であり、A1およびA3が独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、または任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンであり、R1が式(LT−1)で表される基であり、R2が水素であり、Z1およびZ2が独立して単結合、−CH2CH2−、−COO−または−OCO−であり、Z3が−O−であり、rが1であり、qが2〜10の整数である、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
式(LT−1)において、q1は2〜10の整数である。
[16]式(1)において、A2が式(2)で表される基であり、A1およびA3が独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、または任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンであり、R1が式(LT−2)で表される基であり、R2が水素であり、Z1およびZ2が独立して単結合、−CH2CH2−、−COO−または−OCO−であり、Z3が−O−であり、rが0であり、qが2〜10の整数である、[1]項に記載のフルオレン誘導体。
式(LT−2)において、q1は2〜10の整数である。
[17][1]項に記載の式(1)においてZ1およびZ2が共に単結合であり、[1]項に記載の式(2)において2つのX1が独立して水素またはメチルである、[15]または[16]項に記載のフルオレン誘導体。
[18][1]項に記載の式(1)においてZ1およびZ2が共に−CH2CH2−であり、[1]項に記載の式(2)において2つのX1が独立して水素またはメチルである、[15]または[16]項に記載のフルオレン誘導体。
[19][1]項に記載の式(1)においてZ1が−COO−であり、Z2が−OCO−であり、[1]項に記載の式(2)において2つのX1が独立して水素またはメチルである、[15]または[16]項に記載のフルオレン誘導体。
[20][1]〜[19]のいずれか1項に記載のフルオレン誘導体の少なくとも1つと他の液晶性化合物の少なくとも1つとを含有する液晶組成物。
[21][1]〜[19]のいずれか1項に記載のフルオレン誘導体の少なくとも1つと他の単量体の少なくとも1つとを含有する重合性組成物。
[22]式(3)で表される構成単位を有する重合体。
式(3)中のA1、A2、A3、m、n、p、R1、R2、Z1、Z2、Z3、qおよびrは、請求項1に記載の式(1)におけるこれらの記号とそれぞれ同様に定義される。
[23][21]項に記載の重合性組成物から得られる、[22]項に記載の重合体。
[24][22]項に記載の重合体を用いて得られる光学異方体フィルム。
[25][22]項に記載の重合体を用いて得られる配向膜。
[26][22]項に記載の重合体を用いて得られる反射防止フィルム。
[27][22]項に記載の重合体を用いて得られる位相差フィルム。
[28][22]項に記載の重合体を用いて得られる視野角補償フィルム。
[29][22]項に記載の重合体を用いて得られる偏光素子。
[30][22]項に記載の重合体を含有する液晶表示素子。
[31][23]項に記載の重合体を含有する液晶表示素子。
[32][20]項に記載の液晶組成物、[24]項に記載の光学異方体フィルム、[25]項に記載の配向膜、[26]項に記載の反射防止フィルム、[27]項に記載の位相差フィルム、[28]項に記載の視野角補償フィルムおよび[29]項に記載の偏光素子の少なくとも1つを含有する液晶表示素子。
【0006】
【発明の実施の形態】
まず始めに、本発明で用いる用語について説明する。本発明における用語「液晶性」の意味は、液晶相を有することだけに限定されない。それ自体は液晶相を持たなくても、他の液晶化合物と混合したときに、液晶組成物の成分として使用できる特性も、液晶性の意味に含まれる。「任意の」は、位置だけではなく個数についても任意であることを示す。但し、個数が0である場合を含まない。アルキルおよびアルコキシは、どちらも直鎖の基であってもよく、分岐された基であってもよい。このことは、これらの基において任意の−CH2−が−O−、−CH=CH−などで置き換えられた場合も同様である。(メタ)アクリロイルオキシは、アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシを意味する。(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。(メタ)アクリル酸は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。式(1)で表される化合物を化合物(1)で表記することがある。他の式で表される化合物についても同様である。
【0007】
本発明の化合物は式(1)で表される。化合物(1)の第1の特徴は、フルオレン骨格をその化学構造中に有することである。フルオレン骨格を有することにより、化合物(1)を用いて得られる重合体は、機械的強度や耐熱性などにおいて極めて高い特性を示す。化合物(1)の第2の特徴は高い液晶性を示すことである。フルオレン骨格は、化合物(1)が液晶相の広い温度範囲および他の液晶性化合物との好適な相溶性を有することに寄与していると考えられる。
【0008】
式(1)において、A1、A2およびA3の1つは、式(2)で表されるフルオレン基である。そして、m、nおよびpは独立して0または1であり、そしてこれらの合計は1〜3であるが、A 1 が式(2)で表される基であるときmは1であり、A 2 が式(2)で表される基であるときnは1であり、そしてA 3 が式(2)で表される基であるときpは1である。
式(2)中の2つのX1は、独立して水素、フッ素または炭素数1〜8のアルキルである。
【0009】
従って、化合物(1)は、より具体的には式(1−1)〜式(1−6)で示される。
これらの式において、A1〜A3、R1、R2、Z1〜Z3、qおよびrは、式(1)におけるこれらの記号とそれぞれ同様に定義され、X1は式(2)におけるX1と同様に定義される。
【0010】
式(1)中のA1、A2およびA3は、式(2)で表されるフルオレン基でない場合は、独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロへキセニレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ジオキサン−2,5−ジイル、任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、または任意の水素がフッ素および/または塩素で置き換えられた1,4−フェニレンである。
【0011】
フルオレン基以外のA1、A2またはA3の好ましい例は、1,4−シクロへキシレン、2,2−ジフルオロ−1,4−シクロへキシレン、3,3−ジフルオロ−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイルなどである。これらのうち更に好ましい例は、1,4−シクロへキシレン、2,2−ジフルオロ−1,4−シクロへキシレン、3,3−ジフルオロ−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、および3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。
【0012】
式(1)中のR2は水素またはメチルであり、rは0または1である。即ち、式(1)の右側の末端基は、rが0のときビニルオキシまたはイソプロペニルオキシであり、rが1のときアクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシである。重合反応性を考慮した場合、R2が水素であることが好ましい。
【0013】
式(1)中のZ1、Z2およびZ3は独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−である。しかしながら、Z 1 、Z 2 およびZ 3 の2つ以上が−C≡C−であることはない。Z1、Z2またはZ3が−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、または−C≡C−であるときには、化合物(1)は広い温度範囲で液晶相を示す。Z1、Z2またはZ3が−CF2O−または−OCF2−であるときには、化合物(1)は比較的小さい粘度を有する。そして、式(1)中のqは0〜10の整数である。qが0のとき、式(1)中の末端基(RT)に接続するZ1、Z2またはZ3は単結合である。
【0014】
式(1)中のR1は、−CN、−CF3、−CF2H、−CFH2、−OCF3、−OCF2H、−N=C=O、−N=C=S、−F、−Cl、または炭素数1〜20のアルキルである。このアルキルにおいて、1つの水素は(メタ)アクリロイルオキシまたはビニルオキシで置き換えられてもよく、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−CF2−、−CH=CH−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよい。但し、連続する複数の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられた基は好ましくない。R1の好ましい例は、−CN、−CF3、−CF2H、−CFH2、−OCF3、−OCF2H、炭素数1〜10の直鎖のアルキル、炭素数1〜10の直鎖のアルコキシ、炭素数2〜10の直鎖のアルコキシアルキル、およびこれらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおいて1つの水素が(メタ)アクリロイルオキシまたはビニルオキシで置き換えられた基である。この1つの水素が(メタ)アクリロイルオキシまたはビニルオキシで置き換えられた基の例は、式(LT)で示される基である。
式(LT)において、R3は水素またはメチルであり、r1は0または1であり、q1は2〜10の整数である。
【0015】
R1の更に好ましい具体例は、−CN、−CF3、−CF2H、−CFH2、−OCF3、−OCF2H、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、式(LT−1)で表される基、式(LT−2)で表される基などである。これらの中で特に好ましい基は、アルキル、アルコキシ、式(LT−1)で表される基および式(LT−2)で表される基である。
これらの式におけるq1は2〜10の整数である。
【0016】
R1が式(LT)で表される基である化合物の好ましい例は、下記の式で表される化合物である。
この式において、A1およびA3は、独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、または任意の水素がフッ素および/または塩素で置き換えられた1,4−フェニレンである;R2およびR3は独立して水素またはメチルである;Z1およびZ2は、独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−であるが、Z 1 およびZ 2 が共に−C≡C−であることはない;qおよびq1は独立して2〜10の整数である;rおよびr1は独立して0または1である;2つのX1は独立して水素またはメチルである。
【0017】
R1が式(LT−1)で表される基である化合物の好ましい例、およびR1が式(LT−2)で表される基である化合物の好ましい例を次に示す。
これらの式において、A1およびA3は、独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、または任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンである;qおよびq1は独立して2〜10の整数である;2つのX1は独立して水素またはメチルである。
【0018】
次に、式(1)で表されるフルオレン誘導体の製造方法について説明する。
化合物(1)は、ホーベン−ワイル(Houben-Wyle, Methods of Organic Chemistry, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック・シンセシーズ(Organic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wily & Sons Inc.)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載の公知の反応方法を適時組み合わせることによって容易に製造することができる。その際、2−ブロモフルオレン、2,7−ジブロモフルオレン、2−ブロモ−7−ペンチルフルオレン、2−アミノ−7−ブロモフルオレンなどについては、市販品を利用することができる。また、2−ブロモ−7−ヒドロキシフルオレンや7−ブロモフルオレン−2−カルボン酸については、その製造方法が報告されている(Mol. Cryst. Liq. Cryst., 1987, 150B, 361-73)。これらの化合物を原料とする製造方法を具体的に説明する。
【0019】
式(1)において、A1がフルオレン−2,7−ジイルであり、Z1が単結合であり、rが1であるフルオレン誘導体は、スキーム1によって合成することができる。
<スキーム1>
【0020】
2−アミノ−7−ブロモフルオレン(4)に、アルキル等の置換基R1を導入し、2−置換−7−アミノフルオレン(5)を得る。化合物(5)をジアゾニウム塩にしてから、臭素等のハロゲンを作用させることによって、2−置換−7−ブロモフルオレン(6)が得られる。化合物(6)と臭化物(7)とのクロス・カップリング反応により化合物(8)が得られる。水酸基の保護基はTHP(テトラヒドロピラニルオキシ)基等、有機合成化学において一般的に用いられているものでよいが、クロス・カップリング反応の条件に最適な保護基を選択する必要がある。酸性条件下で化合物(8)から保護基を外すことによって、化合物(9)が得られる。化合物(9)を種々のアクリル酸化合物と脱水縮合させることにより、化合物(1−11)が得られる。脱水縮合反応においては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等の縮合剤を用いることができる。アクリル酸化合物の酸クロリドが入手可能な場合は、塩基性条件下で化合物(9)と酸クロリドを反応させることによって、エステル化してもよい。
【0021】
式(1)において、A1がフルオレン−2,7−ジイルであり、Z1が−COO−であり、rが1であるフルオレン誘導体は、スキーム2によって合成することができる。
<スキーム2>
【0022】
前記のスキーム1に記載の方法により、7−ブロモフルオレン−2−カルボン酸 エチルエステル(10)に置換基R1を導入する。得られた化合物(11)を塩基性条件下で加水分解することにより、対応する化合物(12)が得られる。スキーム1に記載の方法を用いて、化合物(12)と化合物(13)とを脱水縮合させると化合物(14)が得られる。化合物(14)の保護基を除去することにより化合物(15)が得られる。化合物(15)は、アクリル酸化合物と反応させることにより、化合物(1−12)へ誘導される。
【0023】
式(1)において、A1がフルオレン−2,7−ジイルであり、Z1が−OCO−であり、rが1であるフルオレン誘導体は、スキーム3によって合成することができる。
<スキーム3>
【0024】
前述の方法でブロミド(16)に置換基R1を導入した後、化合物(18)と反応させて化合物(19)とする。化合物(19)の保護基を外して化合物(20)とした後、これとアクリル酸化合物とを脱水縮合させることによって化合物(1−13)が得られる。化合物(17)のような水酸基を持つフルオレン誘導体は、フリーデル・クラフツ反応によってフルオレンをアセチル化し、ついで過酸化物によるバイヤー・ビリガー反応を行い、最後に加水分解するよっても製造することができる。この方法の一例を、後述の実施例1で説明した。
【0025】
式(1)において、A1がフルオレン−2,7−ジイルであり、Z1が−CF2O−であり、rが1であるフルオレン誘導体は、スキーム4によって合成することができる。
<スキーム4>
【0026】
前記のカルボン酸(12)を、文献(Angew. Chem. Int. Engl., 2001, 40(8), 1480)の方法に従い、1,3−プロパンジチオールおよびトリフルオロメタンスルホン酸と反応させることにより、室温で安定な中間体(21)が得られる。これを塩基性条件下で化合物(13)と反応させ、得られたジチアン化合物をDAST((ジエチルアミノ)サルファー トリフルオリド)またはHF/トリエチルアミン錯体等の求核性のフッ素化剤と反応させることにより、化合物(22)が得られる。この化合物の保護基を外して化合物(23)としたのち、この化合物とアクリル酸化合物とを脱水縮合させることにより、化合物(1−14)が得られる。
【0027】
式(1)において、A1がフルオレン−2,7−ジイルであり、Z1が−OCF2−であり、rが1であるフルオレン誘導体は、スキーム5によって合成することができる。
<スキーム5>
【0028】
塩基性条件下で、前記の化合物(17)と化合物(24)とを反応させて化合物(25)とする。酸性条件下で化合物(25)の保護基を外し、得られた化合物(26)とアクリル酸化合物と反応させることにより、化合物(1−15)が得られる。
【0029】
式(1)において、A1がフルオレン−2,7−ジイルであり、Z1が−CH2O−であり、rが1であるフルオレン誘導体は、スキーム6によって合成することができる。
<スキーム6>
【0030】
水素化リチウムアルミニウム等の還元剤により、前記の化合物(11)を化合物(27)に誘導する。化合物(27)の水酸基をハロゲン化剤を用いてハロゲン化する。ハロゲン化剤として例えば臭化水素を用いれば、化合物(28)が得られる。化合物(28)を化合物(13)と塩基性条件下で反応させて、化合物(29)とする。化合物(29)は、保護基を外した後アクリル酸化合物と脱水縮合させることにより、化合物(1−16)へ誘導される。
【0031】
式(1)において、A1がフルオレン−2,7−ジイルであり、Z1が−OCH2−であり、rが1であるフルオレン誘導体は、スキーム7によって合成することができる。
<スキーム7>
【0032】
前記の化合物(17)と化合物(31)を塩基性条件下で反応させると、化合物(32)が得られる。化合物(32)から酸性条件下で保護基を外した後、得られた化合物(33)とアクリル酸化合物との脱水縮合により、化合物(1−17)が得られる。
【0033】
式(1)において、A1がフルオレン−2,7−ジイルであり、Z1が−CH=CH−であり、rが1であるフルオレン誘導体は、スキーム8によって合成することができる。
<スキーム8>
【0034】
DIBAL(水素化ジイソブチルアルミニウム)等の還元剤により、前記の化合物(11)を還元すると化合物(34)が得られる。化合物(34)を化合物(35)と反応させると、化合物(36)が得られる。酸性条件下で、化合物(36)の保護基を外すとアルコール(37)が得られる。化合物(37)とアクリル酸化合物との脱水縮合によって、化合物(1−18)が得られる。
【0035】
式(1)において、A1がフルオレン−2,7−ジイルであり、Z1が−CF=CF−であり、rが1であるフルオレン誘導体は、スキーム9によって合成することができる。
<スキーム9>
【0036】
前記のブロミド(6)をn−BuLiで処理して対応するリチウム化合物とした後、テトラフルオロエチレンを反応させると、化合物(38)が得られる。化合物(7)をn−BuLiで処理して対応するリチウム化合物とした後、化合物(38)と反応させると、化合物(39)が得られる。酸性条件下で化合物(39)の保護基を外して化合物(40)とする。化合物(40)とアクリル酸化合物との脱水縮合により、化合物(1−19)が得られる。
【0037】
式(1)において、A1がフルオレン−2,7−ジイルであり、Z1が−C≡C−であり、rが1であるフルオレン誘導体は、スキーム10によって合成することができる。
<スキーム10>
【0038】
先に合成方法を示した化合物(34)にトリフェニルホスフィンと四臭化炭素とを反応させると、化合物(41)が得られる。化合物(41)をn−BuLi等の塩基で処理することにより、化合物(42)が得られる。化合物(42)と化合物(7)とを、例えばCastro反応またはSonogashira反応等を利用してクロスカップリングさせることにより、化合物(43)が得られる。酸性条件下で化合物(43)の保護基を外し、得られた化合物(44)とアクリル酸化合物とを脱水縮合させることによって、化合物(1−20)が得られる。フルオレン環への連結基−C≡C−の導入はまた、対応するフルオレンブロミド体と一方の水素原子がTMS(トリメチルシリル)等で保護されたアセチレンとをカップリング反応させ、次いで保護基を外すことによっても可能である。
【0039】
式(2)におけるX1がフッ素であり、式(1)におけるrが1であるフルオレン誘導体は、スキーム11によって合成することができる。
<スキーム11>
【0040】
塩基性条件下、化合物(45)を酸素で酸化することにより、化合物(46)が得られる。化合物(46)は、エタンジチオールを反応させることにより化合物(47)に誘導される。化合物(47)を求核的フッ素化剤でフッ素化することにより、化合物(48)が得られる。酸性条件下で化合物(48)の保護基を外し、得られた化合物(49)とアクリル酸化合物とを脱水縮合させることにより、化合物(1−21)が得られる。なお、式(2)のX1がアルキルであるフルオレン誘導体は、化合物(46)に2当量のアルキルハライドを反応させることによって得られる。
【0041】
式(2)におけるX1が共にメチルであるフルオレン誘導体は、スキーム12によって合成することができる。
<スキーム12>
【0042】
前述のフルオレノン誘導体(46)に塩基、特にラジカルアニオンの存在下で、2当量以上のヨウ化メチルを反応させることにより化合物(50)を製造することができる。反応が遅いときには、超音波場の照射が有効である。この製造方法については、文献Terahedron Lett., 1990, 31(43), 6155を参照できる。メチルの導入は如何なる段階でも行うことができる。例えば、市販のフルオレノンに上記の条件でメチルを導入し、その後フルオレン環の2および7位を修飾して、化合物(1)を製造することもできる。式(2)のX1が炭素数2以上のアルキルである化合物(1)は、ヨウ化メチルの代わりに炭素数2以上のヨウ化アルキルを使用することにより製造することができる。
【0043】
式(2)におけるX1の一方がメチル、他方が水素である化合物は、スキーム13によって合成することができる。
<スキーム13>
【0044】
前述のフルオレン誘導体(45)に塩基、次いでヨウ化メチルを反応させることにより、化合物(51)を製造することができる。フルオレンの9位の水素原子は酸性度が高く、n−ブチルリチウム等の塩基で容易に脱プロトン化されるので、如何なる段階でもメチルを導入することができる。例えば、市販のフルオレンに上記の条件でメチルを導入し、その後フルオレン環の2および7位を修飾して化合物(1)を製造することもできる。X1が炭素数2以上のアルキルである化合物(1)は、ヨウ化メチルの代わりに炭素数2以上のヨウ化アルキルを使用することにより製造することができる。この方法においては、2当量のnーブチルリチウムを用いることにより、X1が共にアルキルのフルオレン誘導体に導くことができる。
【0045】
式(1)におけるrが0であるフルオレン誘導体は、ビニルエーテルである。金属触媒の存在下で、化合物(52)にビニルエーテルを作用させることにより、化合物(1−22)を製造することができる。
<スキーム14>
【0046】
式(1)において、A2がフルオレン−2,7−ジイルであるフルオレン誘導体物は、スキーム15によって合成することができる。
<スキーム15>
【0047】
市販のフルオレン誘導体(53)(YがBr、OHまたはCOOHである化合物)を用いて、スキーム1〜10に記載の方法を応用すれば、環A1を有する化合物(54)が得られる。化合物(54)のフルオレン環の9位にFを導入するには、スキーム11に記載の方法を応用すればよい。化合物(54)のフルオレン環の7位に、アミノ基、エトキシカルボニル基、ヒドロキシル基、またはヒドロカルボニル基を導入することによって、化合物(55)が得られる。アミノ基、エトキシカルボニル基、ヒドロキシル基、およびヒドロカルボニル基は、公知の一般的な手法で導入できる。例えば、発煙硝酸によるニトロ化とそれに続く還元反応によりアミノ基が導入できる。フリーデル・クラフツ反応によるアセチル化、次亜塩素酸ナトリウムによる酸化およびエステル化を順に実施することにより、エトキシカルボニル基が導入できる。アミノ基の亜硝酸ナトリウムによるジアゾニウム化とそれに続く硫酸による加水分解によりヒドロキシル基が導入できる。エトキシアルボニ基の水素化それに続くジイソブチルアルミニウムによる還元によりヒドロカルボニル基が導入できる。得られた化合物(55)は、スキーム1〜14に記載の方法を応用することにより、化合物(1)へ誘導できる。なお、A3がフルオレン環である化合物(1)も、スキーム1〜14に記載の方法を応用することにより合成することができる。
【0048】
これらの製造方法によって得られるフルオレン誘導体のうち、特に好ましい特性を示す化合物を具体的に例示する。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
化合物(1)は、液晶相の広い温度範囲や他の液晶性化合物との好適な相溶性など、液晶としての高い特性を示す。従って、化合物(1)の少なくとも1つと他の液晶性化合物とを組み合わせて、そのまま液晶組成物として表示素子に用いることができる。このとき他の液晶性化合物として重合性の化合物を用いることもできる。化合物(1)は、液晶組成物の複屈折率や低温における相溶性などを改善するために有用である。また、目的に応じてこの組成物を重合させることもできる。本発明の組成物のもう一つは、化合物(1)の少なくとも1つとその他の単量体とを含有する重合性組成物である。重合性組成物は液晶相を示すことが好ましいが、目的によっては液晶相を示さなくてもよい。この重合性組成物に関する説明は、次の重合体に関する説明に含まれる。
【0061】
本発明の重合体は、式(3)で表される構成単位の少なくとも1つの種類を含む重合体である。
式(3)で表される構成単位は、化合物(1)の末端の二重結合が開いた化学構造を有する。従って、式(3)中の記号の意味は、式(1)における場合と全く同じである。重合の容易性の観点からは、式(3)におけるR2は、メチルであるよりも水素である方が好ましい。
【0062】
そして、R1が(メタ)アクリロイルオキシまたはビニルオキシを有する基である場合の構成単位の例は、式(3−1)で表される構成単位である。
式(3−1)において、A1〜A3、m、n、p、R2、Z1、Z2およびrの意味は式(1)における場合と同じであり、qおよびq1は独立して2〜10の整数であり、R3は水素またはメチルであり、r1は0または1である。
【0063】
化合物(1)は、単独重合によってホモポリマーとすることができる。また、種類の異なる複数の化合物(1)を用いて共重合させることができる。更に、化合物(1)の少なくとも1つと他の単量体とを含有する重合性組成物を重合させて共重合体としてもよい。他の単量体は、皮膜形成性および機械的強度を低下させず、化合物(1)と共重合しうるものであれば特に限定されない。他の単量体は液晶性を示しても示さなくてもよい。
【0064】
液晶性を示さない単量体の例は、ビニルエステル、芳香族系ビニル化合物、α−置換スチレン化合物、ハロゲン核置換スチレン、ビニルエーテル、アルキルビニルケトン、(メタ)アクリル酸エステル、オレフィン、ジエン、アルキルイタコナート、N−ビニルアセトアミド、α、β−ビニルナフタレンなどである。ビニルエステルの具体例は、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニルなどである。芳香族系ビニル化合物の具体例は、p−tert−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニルなどである。α−置換スチレン化合物の具体例は、スチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、α−メチルスチレンおよびその核置換体などである。ハロゲン核置換スチレンの具体例は、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレンなどである。ビニルエーテルの具体例は、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルモノビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールメチルビニルエーテルなどである。アルキルビニルケトンの具体例は、メチルビニルケトン、イソブチルビニルケトンなどである。(メタ)アクリル酸エステルの具体例は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートなどである。オレフィンの具体例は、プロペン、塩化ビニル、フッ化ビニルなどである。ジエンの具体例は、ブタジエン、イソプレンなどである。アルキルイタコナートの具体例は、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコナート、ジブチルイタコナート、ジイソプロピルイタコナートなどである。
【0065】
他の単量体のうち液晶性を示す化合物の具体例は、前記の化合物(a)〜(c)のような液晶性のアクリル酸誘導体である。アクリル酸誘導体は透明で機械的強度の大きいポリマーを与えるので好適である。液晶性のアクリル酸誘導体は、重合性組成物の液晶相の温度範囲を調製するために用いることもできる。化合物(1)の少なくとも1つを含む重合性組成物から得られる共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれであってもよい。
【0066】
熱重合による重合体は、各種の保護膜や液晶配向膜などへの応用が可能である。光重合においては、偏光、特に偏光UV光を用いることにより、重合性分子を偏光の方向に揃えた状態で重合することができる。従って、光重合による重合体は、各種の保護膜や液晶配向膜などの他、ラビングを必要としない配向膜などへの応用も可能である。本発明の重合体は光学異方性を有するため、単独で位相差フィルムとして使用するか、または他の位相差フィルムと組み合わせることにより、偏光素子、円偏光素子、楕円偏光素子、反射防止膜、色補償板、視野角補償板等への応用が可能である。
【0067】
位相差フィルムは、化合物(1)に適量の光学活性化合物を添加して得られた組成物を、配向処理した基板上に塗布し、重合することによって得られる。光学活性化合物の添加により、化合物(1)を含む組成物の組織はらせん構造を示す。化合物(1)の重合によってこのらせん構造が固定され、位相差フィルムが形成される。位相差フィルムの特性は、得られたらせん構造のピッチ長に依存する。このピッチ長は、光学活性化合物の種類および添加量により調整できる。この添加量は、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。添加する光学活性化合物は1つでもよい。ピッチ長の温度依存性を相殺する目的で複数の光学活性化合物を添加してもよい。また、この化合物(1)と光学活性化合物の他に、化合物(1)以外の単量体が含まれてもよい。
【0068】
本発明の重合体を製造するには、その用途に適した重合法を選択することが好ましい。例えば、位相差フィルムや偏光素子などの光学異方性膜を製造するには、液晶状態を保持した状態で敏速に重合させることが必要なため、紫外線あるいは電子線等のエネルギーを照射する重合法が好ましい。その際には、化合物(1)と任意成分である他の単量体とを、光ラジカル重合開始剤の存在下で重合させる。光ラジカル重合開始剤の例は、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、および2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、2,4−ジエチルキサントンとp−ジメチルアミノ安息香酸メチルとの混合物などである。
【0069】
配向膜、反射防止膜、視野角補償膜などを製造するには熱重合が好ましい。熱重合に際しては、化合物(1)と任意成分である他の単量体とを、ラジカル重合開始剤の存在下、0〜150℃の反応温度で1〜100時間程度重合させる。重合開始剤の例は、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル(MAIB)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、およびアゾビスシクロヘキサンカルボニトリル(ACN)等である。
【0070】
この熱重合に際しては溶剤を用いることができる。溶剤は熱重合において一般的に用いられるものでよい。好ましい溶剤は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、テトラヒドロフラン、、N−メチルピロリドン等である。なお、重合時の溶剤の使用割合を限定することにはあまり意味がない。重合体の用途によって必要とされる重合体濃度が異なるし、この濃度は重合後の希釈によって調節することもできるからである。重合時の溶剤の使用割合は、重合効率、溶剤コスト、エネルギーコスト等の経済的観点を考慮して、個々のケースごとに決定されればよい。なお、これらの溶剤は光重合に際して用いることもできる。配向膜、反射防止膜、視野角補償膜などの製造を光重合によって行う場合には、溶剤に化合物(1)または重合性組成物を溶解したものを基板上にスピンコートにより塗布し、溶剤を除去したのち光を照射して重合を行うのが好ましい。
【0071】
【実施例】
実施例により本発明を更に詳細を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されない。
実施例中に記載した相転移温度において、Cは融点、SmAはスメクチックA相、Nは液晶相、そしてIは等方性液体を示す。相転移温度の単位は℃である。
重量平均分子量と数平均分子量の測定には、島津製作所製の島津LC−9A型ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)、昭和電工製のカラムShodex GF−7M HQを用いた。このとき、展開溶剤にはジメチルホルムアミド(DMF)またはテトラヒドロフラン(THF)を用いた。
鉛筆硬度はJIS規格「JIS−K−5400 8.4 鉛筆引掻試験」の方法に従って求めた。
単位リットルおよびミリリットルを、それぞれLおよびmLで表記した。
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを記号EDCで表記した。4−ジメチルアミノピリジンを記号DMAPで表記した。
【0072】
実施例1
<2−ペンチルオキシ−7−(2−(3−フルオロ−4−アクリロイルオキシフェニル)エチル)フルオレン(化合物No.36)の製造>
(第1段階)2−アセチルフルオレンの製造
フルオレン(150g)のジクロロメタン(1L)溶液を0℃まで冷却し、無水塩化アルミニウム(126g)を少しづつ加えた。つぎに、塩化アセチル(74g)のジクロロメタン(400mL)溶液を滴下し、0℃を保ちながら1時間攪拌した。反応混合物を氷の入った6M塩酸(1L)にそそぎ、析出した固形物を減圧濾過により集めた。このものを乾燥した後、トルエンから再結晶して無色針状結晶の2−アセチルフルオレン(165g)を得た。このものの融点は129℃であった。
【0073】
(第2段階)2−アセトキシフルオレンの製造
2−アセチルフルオレン(165g)、ギ酸(320g)、無水酢酸(120g)、ジクロロメタン(1L)の混合物に硫酸(40mL)を加え、つぎに、過酸化水素水(120mL)を滴下した。室温で30分攪拌したのち、40℃まで加熱して更に5時間攪拌した。反応混合物に水(1L)を加え、ジクロロメタン層を分液した。ジクロロメタン層を飽和炭酸ナトリウム水、亜硫酸水素ナトリウム水、および水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して固形物を得た。このものをヘプタン−酢酸エチル(1:1)の混合溶剤から再結晶して、無色針状結晶の2−アセトキシフルオレン(149g)を得た。融点は130℃であった。
【0074】
(第3段階)2−ブロモ−7−アセトキシフルオレンの製造
酢酸(330mL)と無水酢酸(110mL)の混合物に2−アセトキシフルオレン(70g)を加え、65℃まで加熱して均一な溶液を得た。そこへ40分かけて臭素(125g)を滴下し、さらに1時間攪拌した。反応溶液を水(1L)に注いで析出した結晶を減圧濾過により集めた。乾燥した結晶をエタノール(400mL)と酢酸エチル(300mL)の混合溶液から再結晶を行い無色針状の2−ブロモ−7−アセトキシフルオレン(69g)を得た。このものの融点は130℃であった。
【0075】
(第4段階)2−ブロモ−7−ヒドロキシフルオレンの製造
2−ブロモ−7−アセトキシフルオレン(69g)、水酸化リチウム(9g)、およびエチレングルコール(350mL)の混合物を、還流させながら1時間加熱した。反応混合物を6M塩酸(300mL)に注いで反応を終了させ、生成物を酢酸エチル(350mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和炭酸ナトリウム水で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧蒸留により溶剤を留去した残留物から、クロロホルムを用いた再結晶によって、無色針状結晶の2−ブロモ−7−ヒドロキシフルオレン(40g)を得た。融点は183〜184℃であった。
【0076】
(第5段階)2−ブロモ−7−ペンチルオキシフルオレンの製造
2−ブロモ−7−ヒドロキシフルオレン(18g)、臭化ペンチル(15.1g)、炭酸カリウム(26.6g)、およびジメチルホルムアミド(200mL)の混合物を還流させながら3時間加熱した。反応液に6M塩酸(100mL)を加え、トルエンで抽出した。トルエン層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。この濃縮物から、アセトンを用いた再結晶によって、無色針状結晶の2−ブロモ−7−ペンチルオキシフルオレン(20g)を得た。
【0077】
(第6段階)2−ペンチルオキシ−7−エチニルフルオレンの製造
2−ブロモ−7−ペンチルオキシフルオレン(12g)、トリメチルシリルアセチレン(7.1g)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.3g)、ヨウ化銅(0.08g)、トリフェニルホスフィン(0.2g)、およびトリエチルアミン(200mL)の混合物を、還流させながら3時間加熱した。反応混合物から濾過により不溶物を取り除き、減圧下でトリエチルアミンを留去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出溶剤トルエン)で精製して、6.5gの2−ペンチルオキシ−7−トリメチルシリルエチニルフルオレンを得た。これをテトラヒドロフラン(100mL)に溶解して−60℃までドライアイス−アセトンバスで冷却した。そこへテトラエチルアンモニウムフルオリドの1M溶液(46mL)を加えた後、ドライアイス−アセトンバスを外し、−10℃になるまで攪拌した。−10℃になった時点で水(30mL)加え、自然に室温になるまで攪拌した後、更に水を加えて反応を終了させた。生成物をトルエンで抽出し、トルエン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶剤を留去して得られた残留物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出溶剤:トルエン)で精製した。次いでエタノールから再結晶して、無色針状結晶の2−ペンチルオキシ−7−エチニルフルオレン(5g)を得た。このものの融点は108℃であった。
【0078】
(第7段階)2−ペンチルオキシ−7−(2−(3−フルオロ−4−ベンジルオキシフェニル)エチニル)フルオレンの製造
2−ペンチルオキシ−7−エチニルフルオレン(2.4g)、4−ブロモ−2−フルオロベンジルオキシベンゼン(2.5g)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.07g)、ヨウ化銅(0.02g)、トリフェニルホスフィン(0.05g)、およびトリエチルアミン(150mL)を仕込み、還流させながら3時間加熱した。反応混合物から濾過によって不溶物を取り除き、減圧下でトリエチルアミンを留去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製し、さらにアセトンからの再結晶を2回繰り返して、2−ペンチルオキシ−7−[2−(3−フルオロ−4−ベンジルオキシフェニル)エチニル]フルオレン(1g)を得た。このものは液晶相を示し、その相転移温度は下記のようであった。
C 143 SmA 190 N 224 I.
【0079】
(第8段階)2−ペンチルオキシ−7−(2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エチル)フルオレンの製造
2−ペンチルオキシ−7−(2−(3−フルオロ−4−ベンジルオキシフェニル)エチニル)フルオレン(1g)、およびパラジウム炭素(0.02g)をテロラヒドロフラン(30mL)中、水素雰囲気下常圧で攪拌した。2時間で水素の吸収が止まったので、反応混合物を濾過して触媒を取り除き溶剤を留去した。残留物をアセトンから2回再結晶して無色粉末状結晶の2−ペンチルオキシ−7−(2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エチル)フルオレン(0.7g)を得た。
【0080】
(第9段階)2−ペンチルオキシ−7−(2−(3−フルオロ−4−アクリロイルオキシフェニル)エチル)フルオレンの製造
2−ペンチルオキシ−7−(2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エチル)フルオレン(0.7g)、およびアクリル酸(0.14g)をクロロホルム(30mL)に溶解し、0℃まで冷却した。そこへ1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.44g)、および4−ジメチルアミノピリジン(0.01g)を加えた後、室温にもどして24時間攪拌した。水を加えて分液し、クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。クロロホルムを留去して得られた残査をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出溶剤:トルエン)で精製し、さらに再結晶して目的物の2−ペンチルオキシ−7−(2−(3−フルオロ−4−アクリロイルオキシフェニル)エチル)フルオレン(0.14g)を得た。
【0081】
この化合物の相転移温度およびNMR分析値を示す。
C 118 SmA 142.4 I.
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm);0.81−1.95(m,9H)、2.98(s,4H)、3.80(s,2H)、4.01(t,2H)、5.96−6.60(m,3H)、6.83−7.72(m,9H).
【0082】
実施例2
<2−ペンチルオキシ−7−(2−(4−アクリロイルオキシフェニル)エチル)−9,9−ジフルオロフルオレン(化合物No.63)の製造>
(第1段)酢酸 4−(2−(2−ペンチルオキシフルオレン−7−イル)エチル)フェニルの製造
実施例1の第1〜9段の工程に従い製造される4−(2−(2−ペンチルオキシフルオレン−7−イル)エチル)フェノール(5g)、およびピリジン(100mL)の混合物に、0℃を維持しながら、無水酢酸(5mL)をゆっくりと加え、同温度で2時間攪拌した。反応混合物を氷水(200mL)に投入し、生成物をトルエン(50mL)で抽出した。トルエン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧下で溶剤を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出溶剤:トルエン)で精製し、酢酸 4−(2−(2−ペンチルオキシフルオレン−7−イル)エチル)フェニル(5.1g)を得た。
【0083】
(第2段)酢酸 4−(2−(2−ペンチルオキシフルオレノン−7−イル)エチル)フェニルの製造
酢酸 4−(2−(2−ペンチルオキシフルオレン−7−イル)エチル)フェニル エステル(4.2g)、粉末状の水酸化カリウム(1.0g)、および2−ブタノン(80mL)からなる溶液を加熱還流しながら、溶液中に酸素を1時間吹き込み、さらに室温で1時間攪拌した。塩酸水を加えてから、クロロホルムで生成物を抽出し、クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から溶剤を留去して得られた残査をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出溶剤:トルエン)により精製し、酢酸 4−(2−(2−ペンチルオキシフルオレノン−7−イル)エチル)フェニル(2.3g)を得た。
【0084】
(第3段)酢酸 4−(2−(2−ペンチルオキシフルオレノン−7−イル)エチル)フェニル エステル エチレンジチオケタールの製造
酢酸 4−(2−(2−ペンチルオキシフルオレノン−7−イル)エチル)フェニル エステル(2.0g)とエタンジチオール(1mL)をジクロロメタン(35mL)に溶かした溶液を0℃まで冷やし、そこへ三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(2mL)を加えた。室温まで温度を上げて6時間攪拌した後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加えた。ジクロルメタン層を分液後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。トルエンを用いたカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製して、酢酸 4−(2−(2−ペンチルオキシフルオレノン−7−イル)エチル)フェニル エステル エチレンジチオケタール(1.5g)を得た。
【0085】
(第4段)酢酸 4−(2−(2−ペンチルオキシ−9,9−ジフルオロフルオレン−7−イル)エチル)フェニルの製造
NIS(N−ヨードスクシイミド、1.48g)のジクロロメタン(20mL)溶液を−70℃まで冷やし、70%フッ化水素・ピリジン錯体(3mL)を滴下した。−30℃まで内温を上げてから、酢酸 4−(2−(2−ペンチルオキシフルオレノン−7−イル)エチル)フェニル エステル エチレンジチオケタール(1.5g)のジクロロメタン(10mL)溶液を滴下した。−30℃で30分攪拌した後、反応混合物を飽和炭酸ナトリウム水に注いで反応を終了させた。生成物をジクロルメタンで抽出し、ジクロルメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から溶剤を留去して得られた残査をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出溶剤:トルエン)により精製し、さらに再結晶して、酢酸 4−(2−(2−ペンチルオキシ−9,9−ジフルオロフルオレン−7−イル)エチル)フェニル(1.1g)を得た。
【0086】
(第5段)2−ペンチルオキシ−7−(2−(4−アクリロイルオキシフェニル)エチル)−9,9−ジフルオロフルオレンの製造
酢酸 4−(2−(2−ペンチルオキシ−9,9−ジフルオロフルオレン−7−イル)エチル)フェニル(1.0g)とメタノール(30mL)の混合物に硫酸(3滴)を加え、混合物を50℃で5時間攪拌した。室温で減圧下にメタノールを除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出溶剤:トルエン)により精製して、4−(2−(2−ペンチルオキシ−9,9−ジフルロロフルオレン−7−イル)エチル)フェノール(0.65g)を得た。この化合物を実施例1の第9段の方法に従ってアクリル酸エステルに変換し、2−ペンチルオキシ−7−(2−(4−アクリロイルオキシフェニル)エチル)−9,9−ジフルオロフルオレン(0.44g)を得た。この化合物の相転移温度を示す。
C 118 SmA 142.4 I.
【0087】
実施例3
<2,7−ビス(4−(6−アクリロイルオキシヘキシル)オキシベンゾイルオキシ)フルオレン(化合物No.59)の製造>
(第1段)2−アセチル−7−アセトキシフルオレンの製造
2−アセチル−7−ヒドロキシフルオレン(50g)、ピリジン(200mL)、THF(200mL)の混合物に28℃で無水酢酸(50mL)を添加した。ゆっくりとした発熱によって61℃まで昇温し、黄色透明反応混合物が得られた。クロロホルムで抽出して得られた有機層を、3M−塩酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび水を順次用いてよく洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から減圧下で溶剤を除去して、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン)、および再結晶(エタノール/酢酸エチル)によって精製し、無色結晶の2−アセチル−7−アセトキシフルオレン(47.3g)を得た。融点:125.5〜127.6℃.
【0088】
(第2段)2,7−ジアセチルオキシフルオレンの製造
2−アセチル−7−アセトキシフルオレン(45g)と塩化メチレン(450mL)の混合物に無水酢酸(26.2g)、88%ギ酸(68g)を順次加えた。9℃で36M−硫酸(9mL)をゆっくり加え、次いで34%過酸化水素水(25.9g)を加えて、黄土色の反応混合物を得た。この反応混合物を9時間過熱還流させた後、室温まで冷却して水へ投入した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウムで中和した後、有機層を10%亜硫酸水素ナトリウムで十分に洗浄して未反応の過酸化物を除去した。分離した有機層を減圧下で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:酢酸エチル)で精製して、無色結晶の2,7−ジアセチルオキシフルオレン(22.5g)を得た。融点:167.6〜168.3℃.
【0089】
(第3段)2,7−ジヒドロキシフルオレンの製造
2,7−ジアセチルオキシフルオレン(5g)、水酸化リチウム(1.49g)、およびエチレングリコール(50mL)の混合物を、6時間加熱還流した後放冷した。得られた反応混合物を6M−塩酸(1L)に投入して、2,7−ジヒドロキシフルオレン(3.4g)を褐色固体として析出させた。融点:261.1〜265.4℃.
【0090】
(第4段)2,7−ビス(4−(6−アクリロイルオキシヘキシル)オキシベンゾイルオキシ)フルオレンの製造
2,7−ジヒドロキシフルオレン(0.5g)、4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸(1.62g)、EDC(1.06g)、DMAP(6.16mg)、および塩化メチレン(30mL)の混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物に水を加えて有機層を分離させ、得られた有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。これから減圧下で溶剤を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン/酢酸エチル[95/5])、および再結晶(エタノール/酢酸エチル/トルエン)によって精製して、無色結晶の2,7−ビス(4−(6−アクリロイルオキシヘキシル)オキシベンゾイルオキシ)フルオレン(0.42g)を得た。
【0091】
この化合物の相転移温度およびNMR分析値を示す。
C 133 N 280< I.
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm);1.47−1.54(m,8H)、1.72−1.75(m,4H)、1.83−1.86(m,4H)、3.95(s,2H)、4.06(t,4H)、4.19(t,4H)、5.82(dd,2H)、6.12(dd,2H)、6.40(dd,2H)、6.97(d,4H)、7.26(dd,2H)、7.39(d,2H)、7.78(dd,2H)、8.16(d,4H).
【0092】
実施例4
<2,7−ビス(4−(6−アクリロイルオキシヘキシル)オキシベンゾイルオキシ)−9−メチルフルオレン(化合物No.77)の製造>
(第1段)9−メチルフルオレンの製造
フルオレン(78.3g)およびTHF(700mL)の混合物を−70℃に冷却し、−60℃以下を保ちながらn−BuLi(300mL,0.47mol相当)を滴下した。次いで、ヨウ化メチル(66.8g)を加えて徐々に室温に戻した。再び0℃に冷却し、3M−塩酸(300mL)を加え、反応混合物をトルエンで抽出した。得られた有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和亜硫酸水素ナトリウムおよび水を順次用いてよく洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から減圧下で溶剤を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン/ヘプタン[40/60])および再結晶(エタノール)によって精製して、淡黄色結晶の9−メチルフルオレン(57.4g)を得た。融点:47.3〜48.8℃.
【0093】
(第2段)2,7−ジアセチル−9−メチルフルオレンの製造
0℃以下を保ちながら無水塩化アルミニウム(162.7g)を、9−メチルフルオレン(55g)および塩化メチレン(800mL)の混合物に加え、深緑色の反応混合物を得た。この混合物に、0℃を保ちながら塩化アセチル(47.9g)の塩化メチレン(200mL)溶液を滴下し、徐々に室温に戻して12時間攪拌した。反応混合物を6M−塩酸と氷の混合物に投入して、有機層を分離させた。この有機層を飽和炭酸水素ナトリウムおよび水を順次用いて十分に洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から減圧下で溶剤を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ヘプタン/酢酸エチル[7/3])および再結晶(エタノール)によって精製して、黄色結晶の2,7−ジアセチル−9−メチルフルオレン(30g)を得た。融点:127.9〜129.0℃.
【0094】
(第3段)2,7−ジアセチルオキシ−9−メチルフルオレンの製造
2,7−ジアセチル−9−メチルフルオレン(30g)、塩化メチレン(300mL)、無水酢酸(35g)、および34%過酸化水素水(34.6g)の混合物に、36M−硫酸(12mL)を3℃以下を保ちながらゆっくりと滴下した。得られた混合物を24℃で7時間攪拌し、水に投入した。分離した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、10%亜硫酸水素ナトリウムおよび水を順次用いて十分に洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から減圧下で溶剤を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ヘプタン/トルエン[6/4])および再結晶(エタノール)によって精製して、無色結晶の2,7−ジアセチルオキシ−9−メチルフルオレン(12.4g)を得た。融点:138.6〜139.7℃.
【0095】
(第4段)2,7−ジヒドロキシ−9−メチルフルオレンの製造
2,7−ジアセチルオキシ−9−メチルフルオレン(12g)、水酸化リチウム・1水和物(3.42g)、およびエチレングリコール(120mL)の混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を6M−塩酸に投入して、酢酸エチルで抽出した。有機層を十分水洗してから無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から減圧下で溶剤を除去して、淡褐色結晶の2,7−ジヒドロキシ−9−メチルフルオレン(7.24g)を得た。融点:191.5〜196.3℃.
【0096】
(第5段)2,7−ビス(4−(6−アクリロイルオキシヘキシル)オキシベンゾイルオキシ)−9−メチルフルオレンの製造
2,7−ジヒドロキシ−9−メチルフルオレン(0.5g)、4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸(1.52g)、EDC(0.99g)、DMAP(5.76mg)、および塩化メチレン(30mL)の混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物に水を加え、分離した有機層を水洗してから無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から減圧下で溶剤を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン/酢酸エチル[95/5])、および再結晶(エタノール/酢酸エチル)によって精製して、白色固体の2,7−ビス(4−(6−アクリロイルオキシヘキシル)オキシベンゾイルオキシ)−9−メチルフルオレン(0.19g)を得た。
【0097】
この化合物の相転移温度およびNMR分析値を示す。
C 74.7 N 280< I.
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm);1.47−1.54(m,8H)、1.58(s,3H)、1.72−1.75(m,4H)、1.83−1.86(m,4H)、4.05−4.07(m,5H)、4.18(t,4H)、5.82(dd,2H)、6.12(dd,2H)、6.40(dd,2H)、6.97(d,4H)、7.27(dd,2H)、7.35(d,2H)、7.75(dd,2H)、8.17(d,4H).
【0098】
実施例5
<2,7−ビス(4−(6−ビニルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ)−9−メチルフルオレン(化合物No.89の製造)>
(第1段)2,7−ビス(4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ)−9−メチルフルオレンの製造
2,7−ジヒドロキシ−9−メチルフルオレン(2.1g)、4−(6−ヒドロキシヘキシル)オキシ安息香酸(4.5g)、DCC(4.1g)、DMAP(125mg)、および塩化メチレン(100mL)の混合物を、室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾別除去し、濾液を濃縮した。残留物を再結晶(トルエン)して、無色結晶の2,7−ビス(4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ)−9−メチルフルオレン(4.9g)を得た。
【0099】
(第2段)2,7−ビス(4−(6−ビニルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ)−9−メチルフルオレンの製造
ブチルビニルエーテル(70mL)およびクロロホルム(15mL)の混合物に、ジアセト(1,10−フェナントロリン)パラジウム(0.19g)を加え、室温で10分間攪拌した。これに2,7−ビス(4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ)−9−メチルフルオレン(2.1g)を加え、反応混合物を65℃で24時間攪拌した。不溶物を濾別除去し、濾液を濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン)により精製し、無色結晶の2,7−ビス[4−(6−ビニルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ]−9−メチルフルオレン(1.04g)を得た。
【0100】
相転移温度およびNMR分析値を示す。
C 119 N 228 I.
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm);1.47−1.56(m,8H)、1.54(s,3H)、1.72−1.75(m,4H)、1.83−1.87(m,4H)、3.60−3.80(m,5H)、3.98(dd,2H)、4.20(t,4H)、4.17(dd,2H)、6.45(dd,2H)、6.98(d,4H)、7.25(dd,2H)、7.36(d,2H)、7.76(dd,2H)、8.19(d,4H).
【0101】
実施例6
<重合性組成物の調製と光学異方性フィルムの製造>
(第1段)
No.56の化合物を用いて、下記の組成物を調製した。
この組成物は、室温で液晶相を示した。
【0102】
(第2段)
上記組成物(100mg)にチバ・スペシャルティー・ケミカル(株)製イルガキュアー184(光重合開始剤、4mg)を加えて重合性組成物Aとした。ラビング処理した配向膜を有する2枚のガラス基板を、配向方向が平行であり、セル間隔が5μmとなるように張り合わせてセルを作製した。このセルに重合性組成物Aを40℃で注入した。組成物Aを注入したセルを室温に戻し偏光顕微鏡で観察したところ、液晶相の組織がラビング方向に配向していることが認められた。室温を保持したまま、波長365nmの4W紫外線ランプを用いて5分間紫外線を照射した。照射後ガラスを剥離して光学異方性フィルムを得た。偏光顕微鏡を用いた観察により、このフィルムでは良好なホモジニアス配向が得られていることが確認された。GPCによる重量平均分子量(Mw)は25,000、多分散度(Mw/Mn)は1.32であった。融点(Tm)は200℃以上であり耐熱性に優れていた。また、この薄膜の鉛筆硬度は3Hであった。
【0103】
実施例7
<重合性組成物の調製と位相差フィルムの製造>
(第1段)
No.56の化合物を用いて、下記の組成物を調製した。
この組成物は室温でカイラル液晶相を示し、らせんピッチは1.1μmであった。
【0104】
(第2段)
上記組成物(100mg)に前記のイルガキュアー184(4mg)を加えて重合性組成物Bとした。ラビング処理した配向膜を有する2枚のガラス基板を、配向方向が平行であり、セル間隔が5μmとなるように張り合わせてセルを作製した。このセルに重合性組成物Bを80℃で注入した。組成物Bを注入したセルを室温に戻して偏光顕微鏡で観察したところ、カイラル液晶相の組織がラビング方向に配向していることが認められた。室温に保持したまま、波長365nmの4W紫外線ランプを用いて5分間紫外線を照射した。照射後ガラスを剥離し、位相差フィルムを得た。偏光顕微鏡を用いた観察により、得られたフィルムではツイステッドネマチック配向が均一に固定されていることが確認された。GPCによる重量平均分子量(Mw)は31,000、多分散度(Mw/Mn)は1.22であった。融点(Tm)は200℃以上であり耐熱性に優れていた。また、この薄膜の鉛筆硬度は3Hであった。
【0105】
実施例8
<フルオレン誘導体のラジカル重合>
化合物No.36(0.2g)、前記のACN(0.01g)、およびベンゼン(1mL)をガラス製アンプルにとり、−60℃に冷却して真空ポンプで十分脱気を行い封管した。封管したアンプルを70℃の水浴で24時間加熱した後、メタノール(150mL)で3回再沈殿を行い、重合体(0.9g)を得た。GPCによる平均分子量(MW)は12,000であった。
【0106】
実施例9
<フルオレン誘導体の重合体を用いた配向膜>
実施例8で製造した重合体(0.5g)をNMP(N−メチルピロリドン、10mL)に溶解し、十分に洗浄した2枚のガラス板上に塗布し、スピンコート法により均一な厚さとした。これらのガラス板を150℃で3時間加熱し、溶剤を除去した。それぞれのガラス板上の重合体薄膜面をラビングし、2枚のガラス板をラビング方向が同一になるように組み合わせて、セル間隔が10μmの空のセルを製造した。このセルへ、毛細管現象を利用してメルクAG製の液晶組成物ZLI−1132を注入し、液晶セルを製造した。セル中の液晶が均一に配向していることが確認された。
【0107】
実施例10
<フルオレン誘導体の重合体>
化合物No.77(50mg)およびイルガキュアー184(2mg)の混合物をよく洗浄したガラス基板上に塗布した。このガラス基板に窒素気流下波長365nmの4W紫外線ランプにより紫外光を30秒間照射し重合体を得た。この薄膜の鉛筆硬度を測定したところ4Hであった。また、一部を剥離しGPC分析を行った。Mwおよび多分散度は、それぞれ9800および1.29であった。更に同サンプルの相転移点をDSCで測定したところTg点が220℃以上であることがわかった。
【0108】
実施例11
<フルオレン誘導体の重合体を用いた反射防止膜>
実施例10で製造した重合体(15mg)をクロロホルムに溶解し、濃度1重量%の溶液を調製した。よく洗浄したガラス基板をこの溶液に漬けてから、200mm/分の速度で引き上げ、120℃で10分間乾燥して、ガラス基板にフルオレン誘導体の重合体の薄膜を形成させた。アクリル酸1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシルエステルの重合体(Mw:11000)のトリフルオロ酢酸エチル溶液(2重量%)に、このガラス基板を漬け、同様にして二層薄膜を形成した。得られた積層薄膜の鉛筆硬度は、3Hであった。また、600nmにおける分光反射率は1%であった。
【0109】
実施例12
<フルオレン誘導体の重合体とそれを用いた偏光素子>
化合物No.77(50mg)、イルガキュアー184(2mg)、およびアントラキノン系ニ色性色素(2mg)の混合物を、配向膜を形成させてからラビング処理を施したガラス基板上に塗布した。偏光顕微鏡で観察したところ、ラビング方向に沿って均一にホモジニアス配向した液晶相が認められた。このガラス基板に窒素気流下波長365nmの4W紫外線ランプにより紫外光を30秒間照射し重合体を得た。重合体薄膜をガラス基板から剥離し偏光素子を得た。
【0110】
【発明の効果】
本発明の化合物であるフルオレン誘導体は、液晶相の広い温度範囲、高い透明点、大きな光学異方性、小さい粘度、他の液晶性化合物との高い相溶解性、優れた配向性、高い光重合性、有機溶媒への高い溶解度などの物性の多くを充足することができる。従って、本発明のフルオレン誘導体は液晶組成物の成分として用いられることができ、その液晶組成物の複屈折率値および低温における相溶解性を特に改善することができる。またその重合体は、耐熱性、表面硬度、大きな光学異方性、低い透水性(高い吸湿寸法安定性)、高いガスバリアー性、最適な熱収縮性(最適な熱膨張係数)、小さなヘイズ値、高い透明性、好適な屈折率、高い耐溶媒性、高い耐候性、高いガラス転移点、大きな光透過度(低い光損失)、高いぬれ性、最適な熱弾性などの物性の多くを充足することができる。そして、従来の重合体に比べ、機械的強度および耐熱性において特に優れている。本発明の化合物の単独重合体あるいは共重合体は、液晶表示素子の位相差板、配向膜、偏光素子、反射防止膜、視野角補償フィルムの材料として有用である。
Claims (32)
- 式(1)で表されるフルオレン誘導体。
式(1)において、A1、A2およびA3は独立して、式(2)で表される基、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロへキセニレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ジオキサン−2,5−ジイル、任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、または任意の水素がフッ素および/または塩素で置き換えられた1,4−フェニレンであり、A1、A2およびA3 の1つは式(2)で表される基である;m、nおよびpは独立して0または1であり、これらの合計は1〜3であるが、A 1 が式(2)で表される基であるときmは1であり、A 2 が式(2)で表される基であるときnは1であり、そしてA 3 が式(2)で表される基であるときpは1である;R1は−CN、−CF3、−CF2H、−CFH2、−OCF3、−OCF2H、−N=C=O、−N=C=S、−F、−Clまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、1つの水素は(メタ)アクリロイルオキシまたはビニルオキシで置き換えられてもよく、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−CF2−、−CH=CH−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよい;R2は水素またはメチルである;Z1、Z2およびZ3は独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−であるが、Z 1 、Z 2 およびZ 3 の2つ以上が−C≡C−であることはない;qは0〜10の整数である;rは0または1である。
式(2)中の2つのX1は、独立して水素、フッ素または炭素数1〜8のアルキルである。 - 式(2)における2つのX1が共に水素である、請求項1に記載のフルオレン誘導体。
- 式(2)における2つのX1が共にフッ素である、請求項1に記載のフルオレン誘導体。
- 式(1)におけるR2が水素である、請求項1に記載のフルオレン誘導体。
- 式(1)におけるR2がメチルである、請求項1に記載のフルオレン誘導体。
- 式(1)において、R1がアルキルまたはアルコキシであり、R2が水素である、請求項1に記載のフルオレン誘導体。
- 式(1)において、R1がアルキルまたはアルコキシであり、R2がメチルである、請求項1に記載のフルオレン誘導体。
- 式(1)において、R1がアルキルまたはアルコキシであり、R2が水素であり、式(2)における2つのX1が共に水素である、請求項1に記載のフルオレン誘導体。
- 式(1)において、R1がアルキルまたはアルコキシであり、R2がメチルであり、式(2)における2つのX1が共にフッ素である、請求項1に記載のフルオレン誘導体。
- 式(2)において、少なくとも1つのX1がメチルである、請求項1に記載のフルオレン誘導体。
- 式(1)中のA1、A2およびA3において、これらの1つが式(2)で表される基であり、その他が独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、または任意の水素がフッ素および/または塩素で置き換えられた1,4−フェニレンである、請求項1に記載のフルオレン誘導体。
- R1が(メタ)アクリロイルオキシまたはビニルオキシを有する基である、請求項1に記載のフルオレン誘導体。
- 式(1)中のA1、A2およびA3において、これらの1つが式(2)で表される基であり、その他が独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、または任意の水素がフッ素および/または塩素で置き換えられた1,4−フェニレンであり、R1が(メタ)アクリロイルオキシまたはビニルオキシを有する基である、請求項1に記載のフルオレン誘導体。
- 請求項1に記載の式(1)においてZ1およびZ2が共に単結合であり、請求項1に記載の式(2)において2つのX1が独立して水素またはメチルである、請求項15または16に記載のフルオレン誘導体。
- 請求項1に記載の式(1)においてZ1およびZ2が共に−CH2CH2−であり、請求項1に記載の式(2)において2つのX1が独立して水素またはメチルである、請求項15または16に記載のフルオレン誘導体。
- 請求項1に記載の式(1)においてZ1が−COO−であり、Z2が−OCO−であり、請求項1に記載の式(2)において2つのX1が独立して水素またはメチルである、請求項15または16に記載のフルオレン誘導体。
- 請求項1〜19のいずれか1項に記載のフルオレン誘導体の少なくとも1つと他の液晶性化合物の少なくとも1つとを含有する液晶組成物。
- 請求項1〜19のいずれか1項に記載のフルオレン誘導体の少なくとも1つと他の単量体の少なくとも1つとを含有する重合性組成物。
- 請求項21に記載の重合性組成物から得られる、請求項22に記載の重合体。
- 請求項22に記載の重合体を用いて得られる光学異方体フィルム。
- 請求項22に記載の重合体を用いて得られる配向膜。
- 請求項22に記載の重合体を用いて得られる反射防止フィルム。
- 請求項22に記載の重合体を用いて得られる位相差フィルム。
- 請求項22に記載の重合体を用いて得られる視野角補償フィルム。
- 請求項22に記載の重合体を用いて得られる偏光素子。
- 請求項22に記載の重合体を含有する液晶表示素子。
- 請求項23に記載の重合体を含有する液晶表示素子。
- 請求項20に記載の液晶組成物、請求項24に記載の光学異方体フィルム、請求項25に記載の配向膜、請求項26に記載の反射防止フィルム、請求項27に記載の位相差フィルム、請求項28に記載の視野角補償フィルムおよび請求項29に記載の偏光素子の少なくとも1つを含有する液晶表示素子。
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