JP4599948B2 - α−フルオロアクリレート化合物、組成物およびその重合体 - Google Patents

α−フルオロアクリレート化合物、組成物およびその重合体 Download PDF

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本発明は、重合性基であるα−フルオロアクリロイルオキシを有する化合物、この化合物を含有する組成物、この化合物の重合体、およびこれらの用途に関する。
液晶性を有する重合性化合物の分子を一定の方向に配向させて光重合させることによって分子配列が固定された重合体が得られる。この重合体は光学異方性を有する(特許文献1参照)。液晶性を有する重合性化合物の例は、下記のアクリレートである(特許文献2及び3参照)。これらのアクリレートは反応性が高く、そして得られる重合体の透明性は高いが、耐熱性や機械的強度等の特性の改良がさらに求められている。

Figure 0004599948
特開平8−3111号公報 特開平7−17910号公報 特開平9−316032号公報
本発明における第一の課題は、重合性基を有し、そして高い重合反応性、液晶相の広い温度範囲、良好な混和性(miscibility)等の性質を有する化合物である。第二の課題は、この化合物を含有し、そして良好な塗布性等を有する組成物である。第三の課題は、この組成物の重合によって得られ、そして良好な光学異方性、高い透明性、良好な化学的安定性、良好な耐熱性、低い透水性、低い吸水性、低いガス透過度、良好な硬度、良好な機械的強度等の特性を有する重合体である。機械的強度はヤング率、引っ張り強度、引き裂き強度、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度等である。第四の課題は、重合体の特性を利用した用途の探索である。
課題を解決するための本発明の態様は、下記の項に記載したとおりである。化合物(1)、(2)における末端基、環および結合基に関して好ましい例も述べる。
1.下記の式(1)または(2)で表される化合物。
P−Y−(A−Z)−R (1)
P−Y−(A−Z)−Y−P (2)
Figure 0004599948
式(1)、(2)において、PはCH=CFCOO−であり、Rは水素、ハロゲン、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−N=C=O、−N=C=S、または炭素数1〜20のアルキルであり、これらのアルキルにおいて任意の−CH2−は−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらのアルキルにおいて任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。
「アルキルにおいて任意の−CH−は−O−、−CH=CH−等で置き換えられてもよい」の句の意味を一例で示す。C−において任意の−CH−が−O−または−CH=CH−で置き換えられた基は、CO−、CH−O−(CH−、CH−O−CH−O−、HC=CH−(CH−、CH−CH=CH−(CH−、CH−CH=CH−CH−O−等である。このように「任意の」語は、「区別なく選択された少なくとも1つの」を意味する。化合物の安定性を考慮して、酸素と酸素とが隣接したCH−O−O−CH−よりも、酸素と酸素とが隣接しないCH−O−CH−O−の方が好ましい。
好ましいRaは、水素、塩素、フッ素、−CN、−N=C=O、−N=C=S、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、アルケニルオキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルキニル、アルキニルオキシ等である。少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられたこれらの基も好ましい。好ましいハロゲンはフッ素、塩素である。さらに好ましいハロゲンはフッ素である。具体的な例はモノフルオロアルキル、ポリフルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、モノフルオロアルコキシ、ポリフルオロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ等である。これらの基は分岐鎖よりも直鎖の方が好ましい。光学活性な化合物(1)または(2)を得るためには分岐したRaが好ましい。
さらに好ましいRaは、水素、フッ素、塩素、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、炭素数1〜10を有するアルキル、炭素数1〜10を有するアルコキシ、または炭素数2〜10を有するアルコキシアルキル等である。アルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、メトキシメチ、メトキシエチルである。特に好ましいRaは、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1〜10のアルコキシである。
Aは1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、または、式(3−1)〜(3−10)で表される2価基であり、これらの環において任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、これらの環において任意の水素はハロゲン、炭素数1〜5のアルキルまたは炭素数1〜5のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよい。
好ましいAは1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、2,2−ジフルオロ−1,4−シクロへキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチル−フルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9−フルオロフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルまたは式(3−1)、(3−2)、(3−6)、(3−8)若しくは(3−10)で表される2価基である。
1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置においてシスよりもトランスが好ましい。2−フルオロ−1,4−フェニレンおよび3−フルオロ−1,4−フェニレンは構造的に同一であるので、後者は例示しなかった。この規則は、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンおよび3,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンとの関係等にも適用される。mが2〜10の整数であるとき、任意に選んだ2つのAは、同一であってもよいし、またはお互いに異なってもよい。
さらに好ましいAは1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。
Zは単結合、または炭素数1〜20を有するアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。
好ましいZは、単結合、−(CH22−、−(CF22−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH24−、−(CH23O−、−O(CH23−である。さらに好ましいZは、単結合、−(CH22−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−C≡C−である。特に好ましいZは単結合、−(CH22−、−COO−または−OCO−である。mが2〜10の整数であるとき、任意に選んだ2つのZは、同一であってもよいし、またはお互いに異なってもよい。
Yは単結合、炭素数1〜20のアルキレンであり、これらのアルキレンにおいて任意の−CH2−は−O−、−S−、−COO−、−CH=CH−または−OCO−で置き換えられてもよい。
好ましいYは炭素数1〜10のアルキレンであり、これらのアルキレンにおいて−O−が隣接する場合を除いて任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよい。特に好ましいYは炭素数1〜10のアルキレン、またはその−(A−Z)−に隣接する−CH2−が−O−で置き換えられたアルキレンである。
mは独立して1〜10の整数であるが、mが2、2つのAが1,4−フェニレン、2つのZが単結合及びYが−(CHO−であるときRaは−OCH、−OC17及び−CNのいずれでもない。
好ましいmは、2〜7の整数である。さらに好ましいmは2〜4の整数である。
2.式(1)または(2)において、mが1〜7の整数である項1に記載の化合物。
3. 式(1)で表わされる項1または2に記載の化合物。
4.式(1)で表わされる化合物が下記の式(I)〜(IV)で表される化合物の何れかである項3に記載の化合物。
P−Y−A−Ra (I)
P−Y−A−Z−A−Ra (II)
P−Y−A−Z−A−Z−A−Ra (III)
P−Y−A−Z−A−Z−A−Z−A−Ra (IV)
ここで、P、Y、A、Z及びRaは前述の通りである。
5.式(1)または式(I)〜(IV)において、Raが水素、フッ素、塩素、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、炭素数1〜10を有するアルキル、炭素数1〜10を有するアルコキシまたは炭素数2〜10を有するアルコキシアルキルである項3または4に記載の化合物。
6.式(1)において、mが2であり、2つのZが単結合であり、Aのうち、少なくとも1つは1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル若しくはビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイルであり、これらの環において任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、これらの環において任意の水素はハロゲン、炭素数1〜5のアルキルまたは炭素数1〜5のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、または式(3−1)〜(3−10)で表される2価基である項1に記載の化合物。
7.式(2)で表わされる項1または2に記載の化合物。
8.式(2)で表わされる化合物が下記の式(V)〜(IX)で表される化合物の何れかである項3に記載の化合物。
P−Y−A−Y−P (V)
P−Y−A−Z−A−Y−P (VI)
P−Y−A−Z−A−Z−A−Y−P (VII)
P−Y−A−Z−A−Z−A−Z−A−Y−P (VIII)
P−Y−A−Z−A−Z−A−Z−A−Z−A−Y−P(IX)
ここで、P、Y、A及びZは前述の通りである。
9.式(1)、(2)または式(I)〜(IX)において、Aが独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル若しくはフルオレン−2,7−ジイルであり、これらの環において任意の水素はF、炭素数1若しくは2のアルキルまたは炭素数1若しくは2のフルオロアルキルで置き換えられてもよく、または式(3−1)〜(3−10)で表される2価基である項3、4、5、7または8の何れか1項に記載の化合物。
10.式(1)、(2)または式(I)〜(IX)において、Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2−ジフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ビストリフルオロメチル−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9−フルオロフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルまたは式(3−1)〜(3−10)で表される2価基である項9に記載の化合物。
11.式(1)、(2)または式(I)〜(IX)において、Zが独立して、単結合、−(CH22−、−(CF22−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH22COO−、−OCO(CH22−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−(CH24−、−(CH23O−または−O(CH23−である項9または10に記載の化合物。
12.式(1)または式(I)〜(IV)において、Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2−ジフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ビストリフルオロメチル−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル若しくはピリミジン−2,5ジイルまたは式(3−1)、(3−2)、(3−6)、(3−8)若しくは(3−10)で表される2価基である項11に記載の化合物。
13.式(1)または式(I)〜(IV)において、Zが独立して、単結合、−(CH22−、−(CF22−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH24−、−(CH23O−または−O(CH23−である項11または12に記載の化合物。
14.式(2)または式(V)〜(IX)において、Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2−ジフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ビストリフルオロメチル−1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9−フルオロフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルまたは式(3−1)〜(3−5)、(3−7)若しくは(3−9)で表される2価基である項11に記載の化合物。
15.式(2)または式(V)〜(IX)おいて、Zが独立して、単結合、−(CH22−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−(CH22COO−、−OCO(CH22−、−CH=CHCOO−または−OCOCH=CH−である項11または14に記載の化合物。
16.式(1)において、Rが−Cl、−Br、−I、−COOH、−COCl、−COBr、−CHO、−OH、−OSOCHまたは−OSOCHである項1に記載の化合物。
17.式(1)において、mが1または2である項16に記載の化合物。
18.式(1)において、Aが独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレンまたはナフタレン−2,6−ジイルである項16または17に記載の化合物。
19.式(1)において、Zが独立して単結合、炭素数1〜4のアルキル、−CH=CH−または−C≡C−である項16〜18の何れか1項に記載の化合物。
20.式(1)、(2)または式(I)〜(IX)において、Yが独立して、炭素数1〜10のアルキレン、またはそのアルキレンが−(A−Z)−に隣接するメチレンが−O−により置換された基である項1〜15の何れか1項に記載の化合物。
21.式(1)または(2)において、Raは、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1〜10のアルコキシであり、Aが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンまたは2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり、Zは独立して単結合、−(CH22−、−COO−または−OCO−であり、Yが独立して炭素数1〜10のアルキレン、またはその−(A−Z)−に隣接する−CH2−が−O−で置き換えられたアルキレンであり、mは2〜4の整数である項1に記載の化合物。
22.項1〜21の何れか1項に記載された光学活性化合物。
23.項1〜22の何れか1項に記載の化合物または式(II+)に示された化合物の何れか1つの化合物を含有する組成物。
CH=CFCOO−(CHO−A−A−Ra+ (II+)
式(II+)において、Aは1,4−フェニレン、Ra+は−OCH、−OC17または−CNである。
24.項1〜22の何れか1項に記載の化合物及び式(II+)に示された化合物から選択された2つの化合物を含有する組成物。
CH=CFCOO−(CHO−A−A−Ra+ (II+)
式(II+)において、Aは1,4−フェニレン、Ra+は−OCH、−OC17または−CNである。
25.項1〜22の何れか1項に記載された少なくとも1つの化合物および項1に記載された化合物とは異なる重合性化合物を含有する組成物。
26.少なくとも1つの非重合性の液晶性化合物を含有する項23〜25の何れか1項に記載の組成物。
27.少なくとも1つの項1に記載された化合物とは異なる重合性光学活性化合物を含有する項23〜25の何れか1項に記載の組成物。
28.少なくとも1つの項1に記載された化合物とは異なる非重合性光学活性化合物を含有する項23〜25の何れか1項に記載の組成物。
29.項23、24、25または27に記載の組成物を重合させることにより得られる重合体。
30.項26または28に記載の組成物を重合させることにより得られる重合体組成物。
31.重量平均分子量が500〜1,000,000である項29に記載の重合体。
32.重量平均分子量が1,000〜500,000である項29に記載の重合体。
33.重合体が光学活性化合物である項29、31または32に記載の重合体。
34.重合体が光学活性化合物である項30に記載の重合体組成物。
35.項29、31、32若しくは33に記載の重合体、または項30若しくは34に記載の重合体組成物から得られるフィルム。
36.項29、31、32若しくは33に記載の重合体、または項30若しくは34に記載の重合体組成物を含有する、光学異方性を有する成形体。
37.項29、31、32若しくは33に記載の重合体、または項30若しくは34に記載の重合体組成物を含有する位相差膜。
38.項29、31、32若しくは33に記載の重合体、または項30若しくは34に記載の重合体組成物を含有する液晶配向膜。
39.項29、31、32若しくは33に記載の重合体、または項30若しくは34に記載の重合体組成物を含有する反射防止膜。
40.項29、31、32若しくは33に記載の重合体、または項30若しくは34に記載の重合体組成物を含有する視野角補償膜。
41.項29、31、32若しくは33に記載の重合体、または項30若しくは34に記載の重合体組成物を含有する偏光素子。
42.項35〜41の何れか1項に記載のフィルム、光学異方性を有する成形体、位相差膜、液晶配向膜、反射防止膜、視野角補償膜、および偏光素子の少なくとも1つを含有する液晶表示素子。
43.項23〜28の何れか1項に記載の組成物を含有する液晶表示素子。
化合物(1)及び(2)は、高い重合反応性、液晶相の広い温度範囲、、良好な混和性(miscibility)等性質を有する。この化合物を含有する組成物は、良好な塗布性等を有する。この組成物の重合によって得られる重合体は、良好な光学異方性、高い透明性、良好な化学的安定性、良好な耐熱性、低い透水性、低い吸水性、低いガス透過度、良好な硬度、良好な機械的強度等の特性を有する。この重合体は、位相差膜、偏光素子、円偏光素子、楕円偏光素子、反射防止膜、選択反射膜、色補償膜、視野角補償膜、液晶配向膜等に適している。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。「液晶性化合物」は、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を有する化合物および液晶相を有さないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。「化合物(1)」「化合物(2)」は、それぞれ式(1)、式(2)で表わされる化合物を意味する。それは式(1)で表わされる化合物の少なくとも1つを意味することもある。「組成物(1)」は化合物(1)、化合物(2)及び化合物(II+)から選択される少なくとも1つの化合物を含有する組成物を意味する。「重合体(1)」は組成物(1)を重合させることによって得られる重合体を意味する。1つの化合物が複数のAを有するとき、任意の2つのAは同一であってもよいし、または異なってもよい。複数の化合物がAを有するとき、任意の2つのAは同一であってもよいし、または異なってもよい。この規則は、Y、Z等の記号、重合性基の用語、および基(3)等の表記にも適用される。また、「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシを意味する。「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
化合物(1)、(2)及び(II+)は、重合性基α−フルオロアクリロイルオキシを有し、そして高い重合反応性、液晶相の広い温度範囲、適切な光学異方性、良好な混和性等を有する。この化合物は液晶性化合物、その他の重合性化合物等と混合するとき、容易に均一になりやすい。化合物(1)、(2)及び(II+)の一部は、液晶性を有するという特徴を有する。化合物(1)、(2)及び(II+)の一部は光学異方性を有するという特徴を有する。化合物(1)、(2)及び(II+)の一部は液晶性および光学異方性の両者を有するという特徴を有する。
化合物(1)及び(II+)は片末端基のみにα−フルオロアクリロイルオキシを有する化合物である。化合物(2)は両末端基にα−フルオロアクリロイルオキシを有する化合物である。化合物(1)は(2)より液晶相発現領域が広い傾向にある。化合物(2)は(1)及び(II+)よりも高い重合反応性を有し、重合速度がより大きく、重合がより短時間で完了し、より大きな重合度を有する重合体を与える傾向にある。得られた重合体は、より高い耐熱性、より低い透水性、より低い吸水性、より低いガス透過性、より高い硬度、より高い機械的強度等を有する。
化合物(1)、(2)及び(II+)の末端基、環および結合基を適当に選択することによって、光学異方性等の物性を任意に調整することが可能である。末端基Ra、環A、および結合基Zの種類が、化合物(1)、(2)及び(II+)の物性に与える効果を以下に説明する。化合物(1)のRaが直鎖のアルキルであるときは液晶相の温度範囲が広く、そして粘度が小さい。Raが分岐のアルキルであるときは他の液晶性化合物との相溶性がよい。Raが−CN、ハロゲン、−CF、−OCFである場合においても、良好な液晶相温度範囲を示し、適度な相溶性を有しており、特に−CN基の場合大きな光学異方性値を有し、−F、−CFまたは−OCFの場合、小さな光学異方性値を有する。
化合物(1)、(2)及び(II+)において、環Aが1,4−フェニレン、任意の水素がフッ素で置き換えらた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイルまたはピリダジン−3,6−ジイルのときは光学異方性が大きい。この環が、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルのときは光学異方性が小さい。少なくとも2つの環が1,4−シクロヘキシレンであるときは、透明点が高く、光学異方性が小さく、そして粘度が小さい。少なくとも1つの環が1,4−フェニレンのときは、光学異方性が比較的大きく、そして配向秩序パラメーター(orientational order parameter)が大きい。少なくとも2つの環が1,4−フェニレンのときは、光学異方性が大きく、液晶相の温度範囲が広く、そして透明点が高い。基(3−1)〜(3−10)を有するとき、ねじれ誘起力が大きい。
化合物(1)及び(2)の結合基Zが単結合、−(CH22−、−CH2O−、−OCH2−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−または−(CH24−のときは粘度が小さい。この結合基が単結合、−(CH22−、−OCF−、−CFO−、−CH=CH−または−(CH24−のときは粘度がより小さい。結合基が−CH=CH−または−CF=CF−のときは液晶相の温度範囲が広く、そして弾性定数比が大きい。結合基が−C≡C−のときは光学異方性が大きい。
化合物(1)、(2)及び(II+)が3つ以下の環を有するときは粘度が低く、3つ以上の環を有するときは透明点が高い。ここでは、六員環等を環とみなし、三員環は環とみなさない。化合物(1)、(2)及び(II+)は、光学活性であってもよいし、または光学的に不活性でもよい。光学活性なとき、化合物(1)、(2)及び(II+)は不斉炭素を有する。不斉炭素の立体配置はRでもよいし、またはSでもよい。不斉炭素はRaまたはAに位置してよい。軸不斉を有する場合はねじれ誘起力が大きく好ましい。不斉炭素を有する場合は相溶性がよい。以上のように、末端基、環および結合基の種類、環の数を適当に選択することにより目的の物性を有する化合物を得ることができる。
また、化合物(1)が2つ以下の環を有し、Rが−Cl、−Br、−I、−COOH、−COCl、−COBr、−CHO、−OH、−OSOCHまたは−OSOCH−pである場合、合成中間体として特に有用である。例えばRが−COOH、−COCl、−COBrであれば対応するアルコール、フェノール誘導体を用いてエステル化合物へ誘導することができる。同様に−Cl、−Br、−I、−OH、−OSOCHまたは−OSOCH−pであればエーテル化合物に誘導できる。Rが−CHOではウィティッヒ試薬等により−CH=CH−への誘導できる。CH=CFCOO−基を安定的に存在させる範囲内で、有機合成化学の手法を組み合わせることによりこれらの化合物をさらに別の合成中間体へも誘導することが可能である。
好ましい化合物(1)及び(2)は、次の化合物(a−1)〜(g−21)である。
Figure 0004599948
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これらの式において、RaおよびYの意味は、本発明の態様の項に記載した式(1)及び(2)のそれらと同一である。Zは単結合、−(CH22−、−(CF22−、−(CH24−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH23O−、−O(CH23−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH22COO−、−OCO(CH22−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−C≡C−、−C≡C−COO−、−OCO−C≡C−、−C≡C−CH=CH−、−CH=CH−C≡C−、−OCF2−、または−CF2O−であり、Zは−(CH22−、−(CF22−、−(CH24−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH23O−、−O(CH23−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH22COO−、−OCO(CH22−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−C≡C−、−C≡C−COO−、−OCO−C≡C−、−C≡C−CH=CH−、−CH=CH−C≡C−、−OCF2−、または−CF2O−であり、Zは、単結合、−(CH22−、−(CH24−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH23O−、−O(CH23−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH22COO−、−OCO(CH22−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−C≡C−、−OCF2−または−CF2O−であり、複数のZおよびZは同一であってもなくてもよい。化合物中の(X)を有する1,4−フェニレンおよびフルオレン−2,7−ジイルにおいて、Xはハロゲン、アルキルまたはフッ化アルキルを表し、そのXは任意の水素がハロゲン、アルキル、フッ化アルキルで置き換えられてもよい1,4−フェニレンおよびフルオレン−2,7−ジイルの置換基に該当する。
化合物(1)及び(2)は、有機合成化学の手法を組み合わせることにより合成できる。出発物質に目的の末端基、環および結合基を導入する方法は、ホーベン−ワイル(Houben-Wyle, Methods of Organic Chemistry, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック・シンセシーズ(Organic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wily & Sons Inc.)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)等の成書に記載されている。
α−フルオロアクリロイルオキシの導入法には、α−フルオロアクリル酸、α−フルオロアクリル酸クロリドを用いることもできるが、α−フルオロアクリル酸フルオリド(CH=CFCOOF)を作用させる方法が有用である。J. Org. Chem., 1989, 54, 5640、特開昭60−158137号公報、特開昭61−85345号公報等にα−フルオロアクリル酸フルオリドの合成法が記載されており、それらの方法に準じて合成が可能である。報告されている。これらの化合物を出発物質として利用することにより化合物(1)及び(2)を合成する。
結合基Zの合成について、スキーム1〜12で説明する。このスキームにおいて、MSGまたはMSGは少なくとも一つの環を有する1価の有機基である。スキームで用いた複数のMSG(またはMSG)は、同一であってもよいし、または異なってもよい。化合物(1A)から(1M)は化合物(1)または(2)に相当する。これらの方法は、光学活性な化合物(1)及び(2)並びに光学的に不活性な化合物(1)及び(2)に適用できる。
スキーム1:Zが単結合の化合物

Figure 0004599948
アリールホウ酸(S1)と公知の方法で合成される化合物(S2)とを、炭酸塩水溶液とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で反応させて化合物(1A)を合成する。この化合物(1A)は、公知の方法で合成される化合物(S3)にn−ブチルリチウムを、次いで塩化亜鉛を反応させ、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で化合物(S2)を反応させることによっても合成される。
スキーム2:Zが−CH=CH−の化合物

Figure 0004599948
公知の方法で合成されるホスホニウム塩(S5)にカリウムt−ブトキシドのような塩基を作用して発生させたリンイリドを、アルデヒド(S4)に反応させて化合物(1B)を合成する。反応条件および基質によってはシス体が生成するので、必要に応じて公知の方法によりシス体をトランス体に異性化する。
スキーム3:Zが−(CH22−の化合物

Figure 0004599948
化合物(1B)をパラジウム炭素のような触媒の存在下で水素化することにより、化合物(1C)を合成する。
スキーム4:Zが−(CF22−の化合物

Figure 0004599948
J. Am. Chem. Soc., 2001, 123, 5414 に記載された方法に従い、ジケトン(S6)をフッ化水素触媒の存在下、四フッ化硫黄でフッ素化して−(CF22−を有する化合物(1D)を得る。
スキーム5:Zが−(CH24−の化合物

Figure 0004599948
ホスホニウム塩(S5)の代わりにホスホニウム塩(S7)を用い、スキーム2の方法に従って−(CH22−CH=CH−を有する化合物を得る。これを接触水素化して化合物(1E)を合成する。
スキーム6:Zが−CHO−または−OCH−の化合物

Figure 0004599948
化合物(S4)を水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で還元して化合物(S8)を得る。これを臭化水素酸等でハロゲン化して化合物(S9)を得る。炭酸カリウム等の存在下で、化合物(S9)を化合物(S10)と反応させて化合物(1F)を合成する。この方法によって−CH2O−を有する化合物も合成できる。
スキーム7:Zが−COO−と−OCO−の化合物

Figure 0004599948
化合物(S3)にn−ブチルリチウムを、続いて二酸化炭素を反応させてカルボン酸(S11)を得る。化合物(S11)とフェノール(S10)とをDDC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)とDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で脱水させて−COO−を有する化合物(1G)を合成する。この方法によって−OCO−を有する化合物も合成できる。
スキーム8:Zが−CF=CF−の化合物

Figure 0004599948
化合物(S3)をn−ブチルリチウムで処理したあと、テトラフルオロエチレンを反応させて化合物(S12)を得る。化合物(S2)をn−ブチルリチウムで処理したあと化合物(S12)と反応させて化合物(1H)を合成する。合成条件を選択する事で、シス体の化合物(1H)を製造する事も可能である。
スキーム9:Zが−C≡C−の化合物

Figure 0004599948
ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下、化合物(S13)を化合物(S2)と反応させて、化合物(1J)を合成する。
スキーム10:Zが−C≡C−COO−の化合物

Figure 0004599948
化合物(S13)をn−ブチルリチウムでリチオ化した後、二酸化炭素を作用しカルボン酸(S14)を得る。カルボン酸(S14)とフェノール(S10)とをDDCとDMAPの存在下で脱水させて−C≡C−COO−を有する化合物(1K)を合成する。この方法によって−OCO−C≡C−を有する化合物も合成できる。
スキーム11:Zが−C≡C−CH=CH−と−CH=CH−C≡C−の化合物

Figure 0004599948
化合物(S13)とビニルブロミド(S15)とのクロスカップリング反応により、−C≡C−CH=CH−を有する化合物(1L)を合成できる。シス体の化合物(S15)を使用すれば、シス体の(1L)を製造できる。
スキーム12:Zが−CFO−と−OCF−の化合物

Figure 0004599948
化合物(1G)をローソン試薬のような硫黄化剤で処理して化合物(S16)を得る。化合物(S16)をフッ化水素ピリジン錯体とNBS(N−ブロモスクシンイミド)でフッ素化し、−CFO−を有する化合物(1M)を合成する。化合物(1M)は化合物(S16)を(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(DAST)でフッ素化しても合成される。この方法によって−OCF−を有する化合物も合成できる。P. Kirsch et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 1480.に記載の方法によってこれらの結合基を生成させることも可能である。
本発明の組成物は、前述したように組成物(1)と表記するが良好な塗布性等を有する。この組成物の第一は、1つの化合物(1)、(2)または(II+)を含有する。この組成物の重合によって単独重合体が得られる。組成物(1)の第二は、化合物(1)、(2)及び(II+)から選択された少なくとも2つの化合物を含有する。この組成物の重合によって共重合体が得られる。これらの組成物は添加物をさらに含有してもよい。組成物(1)の第三は、少なくとも1つの化合物(1)、(2)または(II+)およびその他の重合性化合物を含有する。その他の重合性化合物は、重合性基を有する化合物ではあるが、化合物(1)、(2)及び(II+)とは異なる。この組成物の重合によっても共重合体が得られる。組成物(1)は、液晶性化合物、光学活性化合物、重合開始剤、溶媒等の添加物をさらに含有してもよい。これらの添加物を次の順で説明する。1)その他の重合性化合物、2)液晶性化合物、3)光学活性化合物、4)重合開始剤、5)溶媒。
1)その他の重合性化合物
組成物(1)は、その他の重合性化合物を含有してもよい。皮膜形成性および機械的強度を低下させない化合物が好ましい。この化合物は、液晶性を有しない化合物と液晶性を有する化合物とに分類される。液晶性を有しない重合性化合物は、ビニル誘導体、スチレン誘導体、(メタ)アクリル酸誘導体、ソルビン酸誘導体、フマル酸誘導体、イタコン酸誘導体等である。好ましいこれらの誘導体は次のとおりである。
好ましいビニル誘導体は、塩化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニル、N−ビニルアセトアミド、p−t−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニル、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルモノビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールメチルビニルエーテル、α、β−ビニルナフタレン、メチルビニルケトン、イソブチルビニルケトン等である。好ましいスチレン誘導体は、スチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン等である。
好ましい(メタ)アクリル酸誘導体は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールEO付加トリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ビスフェノールA EO付加ジアクリレート、ビスフェノールA グリジジルジアクリレート(商品名:大阪有機化学株式会社製、ビスコート700)、ポリエチレングリコールジアクリレートジメチルイタコネート等である。
好ましいソルビン酸誘導体は、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸リチウム、ソルビン酸1−ナフチルメチルアンモニウム、ソルビン酸ベンジルアンモニウム、ソルビン酸ドデシルアンモニウム、ソルビン酸オクタデシルアンモニウム、ソルビン酸メチル、ソルビン酸エチル、ソルビン酸プロピル、ソルビン酸イソプロピル、ソルビン酸ブチル、ソルビン酸t−ブチル、ソルビン酸ヘキシル、ソルビン酸オクチル、ソルビン酸オクタデシル、ソルビン酸シクロペンチル、ソルビン酸シクロヘキシル、ソルビン酸ビニル、ソルビン酸アリル、ソルビン酸プロパギル等である。
好ましいフマル酸誘導体は、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジシクロペンチル、フマル酸ジシクロヘキシル等である。好ましいイタコン酸誘導体は、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジイソプロピルイタコネート等である。この他、ブタジエン、イソプレン、マレイミド等、多くの重合性化合物を用いることができる。
液晶性を有するその他の重合性化合物は、液晶性基を有する不飽和カルボン酸、その誘導体等である。液晶性基は、液晶性化合物から水素を除いてできる一価基である。具体的な例は、アクリル酸、フマル酸、イタコン酸、ソルビン酸およびこれらのエステルである。その他の例はマレイミド等である。これらの中で、アクリル酸エステルは高い透明性および大きな機械的強度を有する重合体の生成に寄与するので好ましい。この化合物は、組成物(1)における液晶相の温度範囲を調整するのにも好ましい。アクリル酸エステルは高い反応性を有する。一方、その他の化合物は、アクリル酸エステルに比べ低い反応性を有することがある。低い反応性は、副生物の生成を抑制し、重合体の機械強度および熱安定性を向上させるので好ましい。
液晶性を有するその他の重合性化合物は、官能基としてアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、フマロイルオキシ基、マレイミジル基、オキシラン環、またはオキセタン環等を有する液晶性化合物であって、化合物(1)、(2)ではないものを挙げることができる。これらのうち液晶性アクリル酸誘導体は、透明で機械的強度の大きいポリマーを与えるので好ましい。この化合物は、重合性組成物の液晶相温度範囲を調製するために用いることもできる。
また、上記の液晶性を有するその他の重合性化合物のうち、液晶性アクリル酸誘導体を除く化合物においては、その重合に要する時間がアクリル酸誘導体より長い場合がある。しかしながら、これらの重合性化合物は、副生物の生成を抑制し、ポリマーの機械強度および熱安定性を向上させるので有用である。本発明の重合体の特徴を維持し、且つ、この様な共重合体の特徴を顕著に発現させるためには本発明の化合物以外の化合物に由来する構成単位を好ましくは5〜95モル%、より好ましくは60〜95モル%含有することが必要である。液晶性を有す構成単位及び液晶性を有さない構成単位それぞれについてはこの範囲内で自由に変更することができ、それらの合計量が上述する範囲内であれば良い。また、どちらか一方だけでも良い。
液晶性を有する式(1)及び(2)で表される化合物以外の重合性化合物として、例えば、式(BRM−1)〜(BRM−16)をあげる事ができる。
Figure 0004599948

Figure 0004599948

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Figure 0004599948


Figure 0004599948
式(BRM−1)〜(BRM−16)において、Pは、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、フマロイルオキシ基、マレイミジル基、オキシラン環またはオキセタン環を含む重合性基であり、γは、炭素数2〜15のアルキレンであり、δは0または1を示し、Xは、炭素数1〜15のアルキル若しくはアルコキシ、ハロゲン、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル若しくはアルコキシ、−CNまたは−O(CH2γであり、L、L、LおよびLは独立に、水素、ハロゲン、炭素数1〜15のアルキル若しくはアルコキシまたは炭素数1〜3のハロゲン化アルキル若しくはアルコキシを示す。
中でも特に好適な液晶性を有する式(1)及び(2)で表される化合物以外の重合性化合物を下記の式(BRM−a−1)〜(BRM−a−11)および式(BRM−b−1)〜(BRM−b−13)に例示するが、同様な物性を有する液晶性化合物であれば、いずれも好適に使用できるので、この例示が本発明の組成物の構成を制限するものではない。
Figure 0004599948

Figure 0004599948

Figure 0004599948

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2)液晶性化合物
組成物(1)は重合性基を有しない液晶性化合物を含有してもよい。この化合物の例は、液晶性化合物のデータベースであるリクリスト(LiqCryst, LCI Publisher GmbH, Hamburg, Germany)等に記載されている。化合物(1)及び(2)は、液晶相の広い温度範囲や他の液晶性化合物との良好な相溶性等を有する。したがって、液晶性化合物を含有する組成物(1)は、液晶表示素子に封入される液晶組成物として用いることができる。この組成物は、二色性色素等の添加物をさらに含有してもよい。光学活性である化合物(1)及び(2)は、高いねじれ誘起力を有するので、液晶組成物のらせんピッチを調整するのに有用である。液晶性化合物を含有する組成物(1)を重合させることによって、化合物(1)または(2)の重合体と液晶性化合物との複合材料(composite materials)を得ることができる。
3)光学活性化合物、
組成物(1)は光学活性化合物を含有してもよい。光学活性を有する化合物(1)または(2)を適当量含有した組成物、または光学活性でない化合物(1)または(2)に光学活性化合物を適当量添加して得られた組成物を、配向処理した基板上に塗布し、重合することによって、らせん構造(ツイスト構造)を示す位相差フィルムが得られる。化合物(1)または(2)の重合によって、このらせん構造が固定される。得られた光学異方性体の特性は、得られたらせん構造のらせんピッチに依存する。このらせんピッチ長は、光学活性化合物の種類および添加量により調整できる。添加する光学活性化合物は1つでもよいが、らせんピッチの温度依存性を相殺する目的で複数の光学活性化合物を用いてもよい。また、この化合物(1)または(2)と光学活性化合物の他に、化合物(1)及び(2)以外の重合性化合物が含まれてもよい。
この光学異方性体の特性である可視光の選択反射は、らせん構造が入射光に作用し、円偏光や楕円偏光を反射させるものである。選択反射特性はλ=n・Pitch(λは選択反射中心波長、nは平均屈折率、Pitchはらせんピッチ)で表されるため、nまたはPitchによりλ、およびその帯域(Δλ)を適宜調整することができる。色純度を良くするにはΔλを小さくすればよいし、広帯域の反射を所望する際にはΔλを大きくすればよい。さらにこの選択反射はセル厚の影響も大きく受ける。色純度を保つためには、セル厚が小さくなりすぎないようにしなければならない。配向の均一性を保つためには、セル厚が大きくなりすぎないようにしなければならない。従って、適度なセル厚の調整が必要であり、0.5から25μmが好ましく、0.5から5μmがより好ましい。
らせんピッチを可視光よりさらに短くする事で、W. H. de Jeu, Physical Properties of Liquid Crystalline Materials, Gordon and Breach, New York(1980)に記載されるネガティブ型cプレート(c−plate)を調製できる。らせんピッチを短くするためには、ねじり力(HTP:ヘリカル・ツイスティング・パワー)の大きな光学活性化合物を用い、さらにその添加量を増やすことで達成できる。
具体的にはλを350nm以下、好ましくは200nm以下とすることで、ネガティブ型cプレートを調製できる。このネガティブ型cプレートは液晶表示素子のうちVAN型、VAC型、OCB型等の表示素子に適した光学補償膜となる。
添加する光学活性化合物は、らせん構造を誘起し、ベースとなる重合性液晶組成物と適切に混合できればいずれの光学活性化合物を用いてもよい。例えば、下記の光学活性化合物(Op−1)〜(Op−19)が好適である。式中、Rbは炭素数1〜10のアルキルもしくはアルコキシを示し、鎖末端のCH基は−OCOCH=CHで置換されてもよい。また、Rは同一であってもなくてもよい。*が付与された炭素は不斉炭素である。添加する光学活性化合物は重合性化合物でも非重合性化合物のいずれでも良い。目的に応じて最適な化合物を添加することができる。耐熱性、耐溶媒性を考慮した場合、重合性化合物の方が好適である。さらに添加する光学活性化合物はねじり力(HTP:ヘリカル・ツイスティング・パワー)が大きい方がらせんピッチを短くする上で好適である。ねじり力の大きな化合物の代表例がGB2298202号明細書、DE10221751号明細書で開示されている。特に好適な化合物は下記の(Op−14)〜(Op−19)である。











































Figure 0004599948




Figure 0004599948

式中、Rbは炭素数1〜10のアルキルを示し、*が付与された炭素は不斉炭素である。
4)重合開始剤
組成物(1)は重合開始剤を含有してもよい。光ラジカル重合用の好ましい開始剤は、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:ダロキュアー1173)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュアー184)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名:イルガキュアー651)、イルガキュアー500(商品名)、イルガキュアー2959(商品名)、イルガキュアー907(商品名)、イルガキュアー369(商品名)、イルガキュアー1300(商品名)、イルガキュアー819(商品名)、イルガキュアー1700(商品名)、イルガキュアー1800(商品名)、イルガキュアー1850(商品名)、ダロキュアー4265(商品名)、イルガキュアー784(商品名)、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物等である。
熱ラジカル重合用の好ましい開始剤は、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−t−ブチルパーオキシド(DTBPO)、t−ブチルパーオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル(MAIB)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル(ACN)等である。
アニオン重合、配位重合およびリビング重合用の好ましい開始剤は、n−CLi、t−CLi−RAl等のアルカリ金属アルキル、アルミニウム化合物、遷移金属化合物等である。
5)溶媒
組成物(1)は溶媒を含有してもよい。重合は溶媒中で行なってもよいし、無溶媒で行なってもよい。溶媒を含有する組成物(1)を基板上に塗布し、次に溶媒を除去したあと光重合させてもよい。好ましい溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、PGMEA等である。少なくとも2つの溶媒を混合してもよい。配向膜、反射防止膜、視野角補償膜等の製造を光重合によって行う場合には、組成物の溶液を基板上にスピンコート法で塗布し、溶剤を除去したのち光を照射して重合させてもよい。基板上への組成物のコーティングには公知のコーター(ドクター・ブレード、コーティング装置等)を用いても良い。なお、重合時の溶剤の使用割合を限定することにはあまり意味がない。重合効率、溶剤コスト、エネルギーコスト等を考慮して、個々のケースごとに決定されればよい。
本発明の重合体は、式(1)、(2)及び(II+)から選択される少なくとも1つの化合物を含有する組成物(1)を重合させることによって得られる。この重合体を重合体(1)と表記する。この重合体は、良好な光学異方性、高い透明性、良好な化学的安定性、良好な耐熱性、低い吸水性、低いガス透過度、良好な硬度、良好な機械的強度等の特性を有する。機械的強度はヤング率、引っ張り強度、引き裂き強度、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度等である。この重合体は、化合物(1)、(2)または(II+)の重合性基に由来する構成単位を有する。
重合の種類は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等である。好ましい反応温度は0〜150℃の範囲である。好ましい反応時間は1〜100時間である。得られる重合体の種類は、単独重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等である。用途に適した重合法および重合体を選択するのが好ましい。重合体(1)は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂である。熱可塑性樹脂の好ましい重量平均分子量は500〜1,000,000の範囲である。さらに好ましい重量平均分子量の範囲は1,000〜500,000である。特に好ましい重量平均分子量の範囲は5,000〜100,000である。このような重合体(1)は溶媒に可溶であるので、用途に適した形状に成形するのが容易である。熱可塑性樹脂を得るには、片末端に重合性基を有する化合物(1)を用いるのがよい。一方、両末端が重合性基である化合物(2)を用いたときは、熱硬化性樹脂が得られやすい。熱硬化性樹脂は三次元の架橋構造を有する。このような重合体(1)は溶媒に不溶であるので、分子量を測定することができない。基板上に本発明の組成物を塗布重合し分子の配向を固定し光学異方性を得る場合、更に加工を施すことがないので、分子量の大小は問題とならない。使用環境において条件を満足すれば良い。より分子量を上げるために、架橋剤を添加することも可能である。分子量は無限大となり、耐薬品性および耐熱性に極めて優れた重合体を得る事が可能である。架橋剤として、当該業者に公知のものであればいずれのものでも使用できるが、例えば、トリス(3−メルカプトプロピオネート)があげられる。
本発明の化合物および組成物は高い重合性を有する。取扱いを容易にするために、安定剤を添加することも可能である。安定剤として、当該業者に公知のものであればいずれのものでも使用できるが、例えば、ハイドロキノン、4−エトキシフェノールおよび3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)があげられる。
得られた重合体(1)は、フィルム、繊維、成形体等の形状で使用する。好ましい形状はフィルムである。フィルムは、重合性組成物を基板に塗布して重合させることによって得られる。フィルムは、重合体の溶液を配向させた基板に塗布し、溶媒を除去することによっても得られる。フィルムは、重合体をプレス成形することによっても得られる。
基板上に光学異方性薄膜を形成する場合、基板として、当該業者に公知のものであればいずれのものも好適に使用できる。例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボナート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、およびゼオノア(登録商標:ゼオン社製)およびゼオネックス(登録商標:ゼオン社製)、およびアートン(登録商標:JSR製)等のノルボルネン系重合物があげられる。本発明の重合物はこれらの基板との密着性に優れ好適である。
基板上での本発明の組成物の配向は、基板上に塗布した配向膜をラビング処理し、その上に本発明の組成物を塗布することで得られる。配向を制御できるものであれば、当該業者にとり公知の配向膜のいずれを用いても目的を達成できるが、ポリイミド、ポリアミドおよびポリビニールアルコール系配向膜が好適である。あるいは、基板自体をラビング布等でラビングし、直接本発明の組成物を塗布する事でも配向を得ることができる。配向した組成物は、光照射等で重合し光学異方性体を与えるので工業的に有利な手法である。
重合体(1)は、分子配列の固定化という特徴を有する。固定化された分子配列によって、この重合体は光学異方性を有する。したがって、この重合体を光学異方性体ともいう。他の特徴はらせん構造の固定化である。化合物(1)、(2)または(II+)が光学活性であるとき、重合体(1)は固定化されたらせん構造(helical structure)を有する。化合物(1)、(2)または(II+)が光学的に不活性であるときには、この組成物に光学活性化合物を添加することによって、固定化されたらせん構造を有する重合体(1)を得ることができる
分子配列およびらせん構造の両方が固定化された重合体(1)は、位相差膜、偏光素子、円偏光素子、楕円偏光素子、反射防止膜、選択反射膜、色補償膜、視野角補償膜、液晶配向膜等の用途に適している。分子配列が固定化された重合体(1)は、位相差膜、円偏光素子、楕円偏光素子、選択反射膜、色補償膜、視野角補償膜等の用途に適している。らせん構造が固定化された重合体(1)は反射防止膜、色補償膜等に適している。分子配列およびらせん構造の両方が固定化されていない重合体(1)は反射防止膜、液晶配向膜等に適している。また、いずれの場合においても接着剤、機械的異方性を持つ合成高分子、化粧品、装飾品、非線型光学材料および情報記憶材料等としても利用できる。
分子配列を固定化したり、らせん構造を固定化するには熱重合や光重合が適している。熱重合はラジカル重合開始剤の存在下で行なうのが好ましい。光重合は光ラジカル重合開始剤の存在下で行なうのが好ましい。例えば、光ラジカル重合開始剤の存在下、紫外線または電子線等を照射する重合法によって、分子が偏光の方向に配列した重合体が得られる。このような重合体は、ラビング処理をしなくても液晶配向膜等に使用できる。
位相差膜は、光学活性な化合物(1)、(2)または(II+)を含有する組成物を重合することによって得られる。位相差膜は、光学的に不活性な化合物(1)、(2)および適当量の光学活性化合物を含有する組成物を重合することによっても得られる。これらの組成物は光学活性であるのでらせん構造を有する。配向処理をした基板上でこれらの組成物を重合するとき、らせん構造および分子配列が固定された重合体が得られる。位相差膜の特性は、らせん構造におけるピッチに依存する。このらせんピッチは、光学活性化合物の種類および添加量により調整できる。この添加量は、通常0.01〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。光学活性化合物は1つでもよいが、らせんピッチの温度依存性を相殺する目的で複数の光学活性化合物を添加してもよい。
単離した重合体は、溶媒に溶かしてフィルム等に加工することができる。2つの重合体を混合して加工してもよい。重合体を積層させてもよい。好ましい溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール、テトラヒドロフラン、クロロホルム、1,4−ジオキサン、ビス(メトキシエチル)エーテル、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸エチル、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等である。これらの溶媒は、アセトン、ベンゼン、トルエン、ヘプタン、塩化メチレン等一般的な有機溶媒と混合させてもよい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されない。実施例1、2および実施例4〜7においては、化合物(1)、(2)を、実施例3に記載した化合物の番号を用いて表記した。化合物の構造は核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル、質量スペクトル等で確認した。相転移温度の単位は℃であり、Cは結晶を、Iは等方性液体相を示す。以下に、物性値の測定法を示す。
1)らせんピッチ(helical pitch):下記の組成物(M−1)99重量%に、試料化合物1重量%を溶解した組成物を調製し、カノ(Cano)のくさび法(応用物理、1974, 43, 125)に準じ、25℃において測定した。

Figure 0004599948
2)重量平均分子量と数平均分子量:島津製作所製の島津LC−9A型ゲル浸透クロマトグラフ、昭和電工製のカラムShodex GF−7M HQを用いた。展開溶媒はDMFである。
3)鉛筆硬度:JIS規格「JIS−K−5400 8.4 鉛筆引掻試験」の方法に従って測定した。
4)機械的強度等の特性は、JIS規格等の方法に基づいて測定した。
下記の化合物(b−2−2)の合成

Figure 0004599948
(第1段)
窒素雰囲気下、化合物(ex 1−2)(36mmol)をテトラヒドロフラン(THF)(150ml)に加え、−20℃に冷却し、t−BuOK(36mmol)を加え30分間攪拌した。化合物(ex 1−1)(30mmol)のTHF(100ml)溶液を同温度で滴下し、3時間攪拌した。水を加え、トルエンで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去し、残査をカラムクロマトグラフィーによって精製し、(ex1−3)(28mmol)を得た。
(第2段)
化合物(ex 1−3)(28mmol)と希塩酸をアセトン(100ml)に加え、窒素雰囲気下、室温で5時間攪拌した。水を加え、トルエンで抽出した。水で洗浄し後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去し、粗製の(ex1−4)(25mmol)を得た。
(第3段)
窒素雰囲気下、氷浴上の水素化リチウムアルミニウム(LAH)(19mmol)のTHF(100ml)懸濁溶液に、粗製の化合物(ex 1−4)(25mmol)のTHF(100ml)溶液を滴下した。室温で1時間攪拌し、水および希塩酸を加えトルエンで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去し、再結晶で精製し(ex1−5)(10mmol)を得た。
(第4段)
窒素雰囲気下、(ex 1−5)(10mmol)のN,N−ジメチルホルミアミド(30ml)溶液を−20℃に冷却した。そこへ、α−フルオロアクリル酸フルオリド(30mmol)のトルエン(20ml)溶液を滴下した。室温で3時間攪拌し、水を加え、トルエンで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去し、残査をカラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製し、標題の化合物(5mmol)を得た。
C 63.5 I
下記の化合物(f−2−2)の合成
Figure 0004599948
(第1段)
(ex 2−1)(25mmol)、2−メチル−ヒドロキノン(10mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(6mmol)をジクロロメタン(75ml)に加え、窒素雰囲気下で撹拌した。そこへ、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(25mmol)のジクロロメタン(25ml)溶液を滴下した。滴下後、室温で10時間撹拌した。析出した沈殿物を濾別し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去し、残査をカラムクロマトグラフィーで精製し、粗製の(ex 2−2)(6mmol)を得た。
(第2段)
化合物(ex 2−2)(6mmol)と希塩酸をアセトン(50ml)に加え、窒素雰囲気下、室温で5時間攪拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。水で洗浄し後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去し、粗製の(ex 2−3)(6mmol)を得た。
(第3段)
窒素雰囲気下、(ex 2−3)(6mmol)のN,N−ジメチルホルミアミド(60ml)溶液を−20℃に冷却した。そこへ、α−フルオロアクリル酸フルオリド(36mmol)のN,N−ジメチルホルミアミド(30ml)溶液を滴下した。室温で3時間攪拌し、水を加え、トルエンで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去し、残査をカラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製し、標題の化合物(5mmol)を得た。
C 58.9 N 108.5 I
下記の化合物(f−2−4)の合成

Figure 0004599948
(第1段)
窒素雰囲気下、(ex 3−1)(30mmol)のN,N−ジメチルホルミアミド(100ml)溶液を−20℃に冷却した。そこへ、α−フルオロアクリル酸フルオリド(36mmol)のトルエン(30ml)溶液を滴下した。室温で3時間攪拌し、水を加え、トルエンで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去し、粗製の(ex3−2)(18mmol)を得た。
(第2段)
(ex3−2)(18mmol)、2−メチル−ヒドロキノン(7mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(4mmol)をジクロロメタン(50ml)に加え、窒素雰囲気下で撹拌した。そこへ、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(18mmol)のジクロロメタン(20ml)溶液を滴下した。滴下後、室温で10時間撹拌した。析出した沈殿物を濾別し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去し、残査をカラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製し、標題の化合物(3mmol)を得た。
C 82.0 N 85.6 I
実施例1〜3の方法に準じて、化合物(a−1−1)から(h−2−5)を合成する。これらの化合物を表にまとめた。
表中、(a−1−1)〜(e−12−1)、(g−1−1)〜(g−9−1)および(h−1−1)〜(h−2−5)については一般式(1)の構造を示す。(f−1−1)〜(f−14−2)および(g−10−1)〜(g−21−1)については一般式(2)の構造を示し、2つのYはそれぞれ同一の基を示している。

Figure 0004599948








Figure 0004599948
Figure 0004599948

Figure 0004599948
Figure 0004599948

Figure 0004599948

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Figure 0004599948

Figure 0004599948

Figure 0004599948

Figure 0004599948

Figure 0004599948
Figure 0004599948





















Figure 0004599948


Figure 0004599948





Figure 0004599948

Figure 0004599948










Figure 0004599948









Figure 0004599948









Figure 0004599948



Figure 0004599948
実施例1で製造した化合物(b−2−2)10重量部、化合物(OP−15)25重量部、1,4−ビス(4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ)ベンゼン35重量部、4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)シアノベンゼン27重量部からなる組成物に光重合開始剤イルガキュアー907(チバスペシャリティー・ケミカルズ製)3重量部を添加する。この光重合開始剤を含む重合性組成物100重量部をシクロペンタノン200重量部に溶解させ、約33重量%濃度の溶液を調製した。この溶液をラビング処理したポリイミド配向膜を有するガラス基板に塗布した。バーコーターで溶液の厚さを約12μmに調整した。このガラス基板を70℃に加熱したホットプレート上に120秒間置いて、溶媒を蒸発させた。この操作によって、分子配向が固定されたと思われる。次に、窒素雰囲気下、ホットプレートで70℃に加熱しながら、250Wの超高圧水銀灯を用いて、30mW/cm(中心波長365nm)の強度の光を20秒間照射して重合させた。得られた膜は、赤色の選択反射を呈した。
実施例1で製造した化合物(b−2−2)(10 mg)、重合開始剤アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル(0.1 mg)、およびベンゼン(100 μl)をガラスのアンプル入れた。これを−60℃に冷却して、真空ポンプで十分脱気した後に封管した。このアンプルを110℃ので24時間加熱した。得られた反応混合物を、メタノール(15 ml)から3回再沈殿して重合体(6.8 mg)を得た。GPCで測定した重量平均分子量(M)は31,000、であった。多分散度(Mw/Mn)は2.03であった。重合体(1.378mg)を純水(1 ml)に浸し10日間50 ℃で放置した。重合体を取り出し、よく乾燥して重量を測定したところ1.381 mgであった。この重合体の吸水率が低いことが分かった。
実施例6で製造した重合体5重量部をNMP100重量部に溶解した。この溶液を予め十分に洗浄した2枚のガラス基板にスピンコーターを用いてそれぞれ塗布した。これらのガラス基板を200 ℃で3時間加熱し、溶剤を除去することでガラス基板上に重合体の薄膜を作成した。これらのガラス基板上に形成された重合体の薄膜の表面をラビング布を装着したローラーで一方向に擦りラビング処理を施した。この2枚のガラス基板を重合体の薄膜が対面する向きで、厚み10 μmスペーサーを挟んでラビング方向が同一になるように貼り合せ、セルを作成した。このセルにメルク社製の液晶組成物ZLI−1132(商品名)を室温で注入した。液晶セル中の液晶組成物は均一なホモジニアス配向を示した。
本発明式(1)、(2)の化合物を用いて調製できる組成物の好適例を、組成例1〜組成例6として示す。いずれもUV光の照射により重合し、光学異方性を持つ重合体を与える。下記における(%)は重量%をあらわす。
組成例1

Figure 0004599948
組成例2

Figure 0004599948
組成例3

Figure 0004599948
組成例4

Figure 0004599948
組成例5

Figure 0004599948
組成例6

Figure 0004599948
本発明の組成物の用途は、液晶表示素子用の液晶組成物等である。重合体の用途は、位相差膜(retardation film)、偏光素子(polarizing element)、円偏光素子(circularly polarized light element)、楕円偏光素子(elliptically polarized light element)、反射防止膜(anti-reflection film)、選択反射膜(selective reflection film)、色補償膜(color compensator)、視野角補償膜(viewing angle compensator)、液晶配向膜(liquid crystal alignment film)等である。

Claims (35)

  1. 下記の式(1)または(2)で表される化合物。
    P−Y−(A−Z)m−Ra (1)
    P−Y−(A−Z)m−Y−P (2)
    式(1)、(2)において、PはCH=CFCOO−であり;Rは水素、ハロゲン、−CN、−CF −OCF または炭素数1〜10のアルキルであり、これらのアルキルにおいて任意の−CH2−は−O−−COO−、−OCO−、−CH=CH−置き換えられてもよくAは独立して、1,4−シクロヘキシレン1,4−フェニレン、またはフルオレン−2,7−ジイルありこれらの環において任意の水素はハロゲン、炭素数1〜5のアルキルまたは炭素数1〜5のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよくZは独立して、単結合、−(CH 2 2 −、−COO−、−OCO−、−CH 2 O−、−OCH 2 −、−CH=CH−、−C≡C−、−(CH 2 2 COO−、−OCO(CH 2 2 −、−CH=CHCOO−または−OCOCH=CH−であり;Yは独立して、単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、これらのアルキレンにおいて任意の−CH2−は−O−置き換えられてもよく;mはの整数であるが、mが2、2つのAが1,4−フェニレン、2つのZが単結合及びYが−(CHO−であるとき、Raは−OCH、−OC17及び−CNのいずれでもない。
  2. 式(1)で表わされる請求項1記載の化合物。
  3. 式(1)で表わされる化合物が下記の式(II)〜(IV)で表される化合物の何れかである請求項に記載の化合物
    P−Y−A−Z−A−Ra (II)
    P−Y−A−Z−A−Z−A−Ra (III)
    P−Y−A−Z−A−Z−A−Z−A−Ra (IV)
    ここで、P、Y、A、Z及びRaは前述の通りである。
  4. 式(1)または式(II)〜(IV)において、Raが水素、フッ素、塩素、−CN、−CF −OCF 炭素数1〜10を有するアルキル、炭素数1〜を有するアルコキシまたは炭素数2〜を有するアルコキシアルキルである請求項またはに記載の化合物。
  5. 式(1)において、mが2であり、2つのZが単結合であり、Aのうち、少なくとも1つは1,4−シクロヘキシレン1,4−フェニレンまたはフルオレン−2,7−ジイルでありこれらの環において任意の水素はハロゲン、炭素数1〜5のアルキルまたは炭素数1〜5のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよ、請求項1に記載の化合物。
  6. 式(2)で表わされる請求項1記載の化合物。
  7. 式(2)で表わされる化合物が下記の式(VI)(VIII)で表される化合物の何れかである請求項に記載の化合物
    P−Y−A−Z−A−Y−P (VI)
    P−Y−A−Z−A−Z−A−Y−P (VII)
    P−Y−A−Z−A−Z−A−Z−A−Y−P (VIII)
    こで、P、Y、A及びZは前述の通りである。
  8. 式(1)、(2)または式(II)〜(IV)および(VI)〜(VIII)において、Aが独立して1,4−シクロヘキシレン1,4−フェニレンしくはフルオレン−2,7−ジイルであり、これらの環において任意の水素はF、炭素数1若しくは2のアルキルまたは炭素数1若しくは2のフルオロアルキルで置き換えられてもよい、請求項2、3、4、6または7の何れか1項に記載の化合物。
  9. 式(1)、(2)または式(II)〜(IV)および(VI)〜(VIII)において、Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2−ジフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ビストリフルオロメチル−1,4−フェニレンフルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9−フルオロフルオレン−2,7−ジイルまたは9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルである請求項に記載の化合物。
  10. 式(1)において、Rが−Cl、−Br、−I、−COOH−CHOまたは−OHある請求項1に記載の化合物。
  11. 式(1)において、mがである請求項10に記載の化合物。
  12. 式(1)において、Aが独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレンまたは3−フルオロ−1,4−フェニレンある請求項10または11に記載の化合物。
  13. 式(1)において、Zが独立して単結合、炭素数1〜4のアルキル、−CH=CH−または−C≡C−である請求項1012の何れか1項に記載の化合物。
  14. 式(1)、(2)または式(II)〜(IV)および(VI)〜(VIII)において、Yが独立して、炭素数1〜10のアルキレン、またはそのアルキレンが−(A−Z)−に隣接するメチレンが−O−により置換された基である請求項1〜の何れか1項に記載の化合物。
  15. 請求項1〜14の何れか1項に記載の化合物または式(II+)に示された化合物の何れか1つの化合物を含有する組成物。
    CH=CFCOO−(CHO−A−A−Ra+ (II+)
    式(II+)において、Aは1,4−フェニレン、Ra+は−OCH、−OC17または−CNである。
  16. 請求項1〜14の何れか1項に記載の化合物及び式(II+)に示された化合物から選択された2つの化合物を含有する組成物。
    CH=CFCOO−(CHO−A−A−Ra+ (II+)
    式(II+)において、Aは1,4−フェニレン、Ra+は−OCH、−OC17または−CNである。
  17. 請求項1〜14の何れか1項に記載された少なくとも1つの化合物および請求項1に記載された化合物とは異なる重合性化合物を含有する組成物。
  18. 少なくとも1つの非重合性の液晶性化合物を含有する請求項1517の何れか1項に記載の組成物。
  19. 少なくとも1つの請求項1に記載された化合物とは異なる重合性光学活性化合物を含有する請求項1517の何れか1項に記載の組成物。
  20. 少なくとも1つの請求項1に記載された化合物とは異なる非重合性光学活性化合物を含有する請求項1517の何れか1項に記載の組成物。
  21. 請求項15、16、17または19に記載の組成物を重合させることにより得られる重合体。
  22. 請求項18または20に記載の組成物を重合させることにより得られる重合体組成物。
  23. 重量平均分子量が500〜1,000,000である請求項21に記載の重合体。
  24. 重量平均分子量が1,000〜500,000である請求項21に記載の重合体。
  25. 重合体が光学活性化合物である請求項21、23または24に記載の重合体。
  26. 重合体が光学活性化合物である請求項22に記載の重合体組成物。
  27. 請求項21、23、24若しくは25に記載の重合体、または請求項22若しくは26に記載の重合体組成物から得られるフィルム。
  28. 請求項21、23、24若しくは25に記載の重合体、または請求項22若しくは26に記載の重合体組成物を含有する、光学異方性を有する成形体。
  29. 請求項21、23、24若しくは25に記載の重合体、または請求項22若しくは26に記載の重合体組成物を含有する位相差膜。
  30. 請求項21、23、24若しくは25に記載の重合体、または請求項22若しくは26に記載の重合体組成物を含有する液晶配向膜。
  31. 請求項21、23、24若しくは25に記載の重合体、または請求項22若しくは26に記載の重合体組成物を含有する反射防止膜。
  32. 請求項21、23、24若しくは25に記載の重合体、または請求項22若しくは26に記載の重合体組成物を含有する視野角補償膜。
  33. 請求項21、23、24若しくは25に記載の重合体、または請求項22若しくは26に記載の重合体組成物を含有する偏光素子。
  34. 請求項2733の何れか1項に記載のフィルム、光学異方性を有する成形体、位相差膜、液晶配向膜、反射防止膜、視野角補償膜、および偏光素子の少なくとも1つを含有する液晶表示素子。
  35. 請求項1520の何れか1項に記載の組成物を含有する液晶表示素子。
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