JP4900688B2 - 光学活性な高分子化合物 - Google Patents

光学活性な高分子化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP4900688B2
JP4900688B2 JP2006284673A JP2006284673A JP4900688B2 JP 4900688 B2 JP4900688 B2 JP 4900688B2 JP 2006284673 A JP2006284673 A JP 2006284673A JP 2006284673 A JP2006284673 A JP 2006284673A JP 4900688 B2 JP4900688 B2 JP 4900688B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymer compound
general formula
independently
aromatic ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006284673A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008101102A (ja
Inventor
環 中野
秀之 東村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokkaido University NUC
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Hokkaido University NUC
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokkaido University NUC, Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Hokkaido University NUC
Priority to JP2006284673A priority Critical patent/JP4900688B2/ja
Publication of JP2008101102A publication Critical patent/JP2008101102A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4900688B2 publication Critical patent/JP4900688B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、光学活性な高分子化合物に関する。
光学活性な高分子化合物としては、光学活性なモノマーを重合して得られる光学活性な側鎖を有する高分子化合物や、光学活性な開始剤を用いて主鎖を光学活性ならせん構造とした高分子化合物等が知られている。より具体的には、非共役の芳香環を3個程度含む嵩高い側鎖が酸素原子又は−C(O)O-基を介してポリエチレン主鎖に結合した光学活性な高分子化合物(非特許文献1)が提案されているが、側鎖の共役が短く、発光性等の機能が十分発現できない。また、下記式:
Figure 0004900688

で表される、3個の芳香環が共役した側鎖がポリエチレン主鎖に直接結合した光学活性な高分子化合物(非特許文献2)が提案されているが、側鎖どうしが立体的に混み合っており、光学活性な開始剤を用いて主鎖を光学活性ならせん構造にすることが難しい。
Chem.Rev.101,4013(2001) Chem.Commun.974(2003)
そこで、本発明は、発光性に優れ、主鎖に光学活性ならせん構造を有する新規な光学活性高分子化合物を提供することを目的とする。
本発明は第一に、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する光学活性な高分子化合物(即ち、3個以上の芳香環が共役した側鎖が間接的に主鎖に結合した光学活性高分子化合物)を提供する。
Figure 0004900688
(I)
(式中、Arは芳香環を含む3価の有機基であり、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、直接結合、置換イミノ基、エテニレン基又はエチニレン基である。但し、R1及びR2はAr中の芳香環に結合する。Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、芳香環を含む2価の有機基である。但し、R1及びR3はAr1中の芳香環に結合し、R2及びR4はAr2中の芳香環に結合する。n1及びn2はそれぞれ独立に、1以上の整数である。R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、1価の炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビル二置換アミノ基又はヒドロカルビルメルカプト基である。R7は酸素原子、硫黄原子、置換イミノ基、カルボニル基及び2価の炭化水素基からなる群から選ばれる1〜3個を組み合わせた2価の基である。R8、R9及びR10はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の炭化水素基である。)
本発明は第二に、下記一般式(III)で表される化合物を光学活性な重合開始剤を用いて重合させる工程を有する前記高分子化合物の製造方法を提供する。
Figure 0004900688
(III)
(式中、Ar、Ar1、Ar2、R1〜R10、n1及びn2は、それぞれ独立に、前記と同じである。)
本発明は第三に、下記一般式(IV)で表される化合物を提供する。
Figure 0004900688
(IV)
(式中、Ar1、Ar2、R1〜R11、n1及びn2は、それぞれ独立に、前記と同じである。)
本発明は第四に、キラル分離に用いられる前記高分子化合物(キラル分離用高分子化合物)、キラル識別に用いられる前記高分子化合物(キラル識別用高分子化合物)、偏光発光に用いられる前記高分子化合物(偏光発光用高分子化合物)、及び偏光フィルタ(偏光フィルタ用高分子化合物)に用いられる前記高分子化合物を提供する。
本発明の高分子化合物は、光学活性であり、3個以上の芳香環が共役してなる側鎖を有し、該側鎖と主鎖とが間接的に(即ち、カルボニルオキシ基等のスペーサーを介して)結合したものである。また、本発明の製造方法を適用すると、重合時に光学活性な重合開始剤を少量用いるだけで光学活性ならせん構造を発現し、前記高分子化合物を合成することができる。
さらに、本発明の高分子化合物には、共役した側鎖の種類を選択することによって、分子認識、発光性、電荷輸送性、光学特性、液晶性等の機能性を付与することもできる。したがって、本発明の化合物は、特に、キラル分離材料、キラル識別材料、偏光発光材料、偏光フィルタ材料等に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「室温」とは、10〜40℃を意味する。また、本明細書において、芳香環の個数は、ベンゼン環、チオフェン環等であれば1個、ナフタレン環、フルオレン環等であれば2個のように、芳香環中の単環性芳香環を1個としてカウントする。
<高分子化合物>
本発明の高分子化合物は、光学活性であり、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するものである。本発明の高分子化合物において、繰り返し単位は、2個以上連結される。
前記一般式(I)中、Arは芳香環を含む3価の有機基である。「芳香環を含む3価の有機基」とは、基本骨格となる芳香環から3個の水素原子を取り除いてなる残基である。前記基本骨格となる芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ピリジン環、1,2−ジアジン環、1,3−ジアジン環、1,4−ジアジン環、1,3,5−トリアジン環、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環等の単環性芳香環;該単環性芳香環の中から選ばれる2つ以上を縮環した縮環性芳香環;該単環性芳香環及び/又は該縮環性芳香環の中から選ばれる2つ以上を、単結合、メチレン基、エチレン基、エテニレン基、エチニレン基、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、カルボニル基、スルホニル基で連結した多環性芳香環;該縮環性芳香環又は該多環性芳香環の隣り合う2つの芳香環をメチレン基、エチレン基、カルボニル基、スルホニル基で渡環した構造を1つ以上有する渡環性芳香環等が挙げられる。
前記縮環性芳香環において、縮環する単環性芳香環の数は、2〜4が好ましく、2〜3がより好ましく、2がさらに好ましい。前記多環性芳香環において、連結する単環性芳香環及び縮環性芳香環の数(合計)は、2〜4が好ましく、2〜3がより好ましく、2がさらに好ましい。前記渡環性芳香環において、渡環した単環性芳香環及び縮環性芳香環の数(合計)は、1〜4が好ましく、1〜2がより好ましく、1がさらに好ましい。
前記単環性芳香環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 0004900688
前記縮環性芳香環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 0004900688
前記多環性芳香環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 0004900688
前記渡環性芳香環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 0004900688
前記基本骨格としては、単環性芳香環、縮環性芳香環、渡環性芳香環が好ましく、単環性芳香環、渡環性芳香環がより好ましく、渡環性芳香環がさらに好ましく、フルオレンが特に好ましい。
前記基本骨格となる芳香環において、水素原子の結合した炭素原子及び/又は窒素原子の3つから、それぞれ水素原子を1つずつ取り除くことにより、芳香環を含む3価の有機基となる。但し、水素原子を取り除く炭素原子及び/又は窒素原子の3つのうち少なくとも2つは、芳香環を構成する炭素原子及び/又は窒素原子である。
前記芳香環を含む3価の有機基は、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子、1価の炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビル二置換アミノ基、ヒドロカルビルメルカプト基等の置換基で置換されていてもよく、窒素原子に結合した水素原子が、1価の炭化水素基等の置換基で置換されていてもよい。前記置換基が2つ以上存在する場合には、いずれか2つの置換基が連結して環を形成していてもよい。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子がより好ましく、フッ素原子がさらに好ましい。
前記1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペンチル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等のアルキル基(例えば、炭素数1〜50程度);シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基等のシクロアルキル基、ノルボニル基、アダマンチル基等の環状飽和炭化水素基(例えば、炭素数3〜50程度);エテニル基、プロペニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−ノネニル基、2−ドデセニル基等のアルケニル基(例えば、炭素数2〜50程度);フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基等のアリール基(例えば、炭素数6〜50程度);フェニルメチル基、1−フェニレンエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、3−フェニル−1−プロピル基、4−フェニル−1−ブチル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基等のアラルキル基(例えば、炭素数7〜50程度)等が挙げられ、1〜20の1価の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜15の1価の炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜10の1価の炭化水素基がさらに好ましい。
前記ヒドロカルビルオキシ基は、オキシ基に前記1価の炭化水素基1つが結合してなる基である。
前記ヒドロカルビルメルカプト基は、メルカプト基に前記1価の炭化水素基1つが結合してなる基である。
前記ヒドロカルビル二置換アミノ基は、アミノ基中の水素原子2つが前記1価の炭化水素基2つで置換されてなる基である。
前記芳香環を含む3価の有機基における置換基は、炭素原子に結合した水素原子については、1価の炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビル二置換アミノ基が好ましく、1価の炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基がより好ましく、1価の炭化水素基がさらに好ましい。窒素原子に結合した水素原子については、1価の炭化水素基が好ましい。
前記一般式(I)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、直接結合、置換イミノ基、エテニレン基又はエチニレン基であり、直接結合、置換イミノ基、エテニレン基が好ましく、直接結合、置換イミノ基がより好ましく、直接結合がさらに好ましい。但し、R1及びR2は、Ar中の芳香環に結合している(即ち、Arがフルオレンの場合は、R1及びR2の結合位置としては、1位〜8位が考えられる。)。高分子化合物中に複数存在するR1、R2、R3及びR4は、同一であっても異なっていてもよい。
前記置換イミノ基は、−N(Q)−(Qは置換基を表す)で表される基である。Qで表される置換基としては、1価の炭化水素基が挙げられる。Qで表される1価の炭化水素基は、前記で説明し例示したものと同じであるが、フェニル基等のアリール基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基等のアラルキル基が好ましい。
前記一般式(I)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、芳香環を含む2価の有機基である。「芳香環を含む2価の有機基」とは、基本骨格となる芳香環から2個の水素原子を取り除いてなる残基である。高分子化合物中に複数存在するAr1及びAr2は同一であっても異なっていてもよい。但し、R1及びR3は、Ar1中の芳香環に結合し、R2及びR4はAr2中の芳香環に結合する。
前記芳香環を含む2価の有機基において基本骨格となる芳香環は、前記芳香環を含む3価の有機基の項で基本骨格となる芳香環として説明例示したものと同様である。この基本骨格となる芳香環において、水素原子の結合した炭素原子及び/又は窒素原子の2つから、それぞれ、水素原子を1つずつ取り除くことにより、芳香環を含む2価の有機基となる。前記芳香環を含む2価の有機基としては、フェニレン基が好ましい。
前記一般式(I)中、n1及びn2はそれぞれ独立に、1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数、より好ましくは1〜5の整数、さらに好ましくは1又は2、特に好ましくは1である。高分子化合物中に複数存在するn1及びn2は、同一であっても異なっていてもよい。
前記一般式(I)中、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、1価の炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビル二置換アミノ基又はヒドロカルビルメルカプト基である。これらの原子及び基は、前記で説明し例示したものと同様であるが、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、1価の炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基であり、より好ましくは、水素原子、1価の炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基等の1価の炭化水素基であり、特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基である。高分子化合物中に複数存在するR5及びR6は、同一であっても異なっていてもよい。
前記一般式(I)中、R7は、酸素原子、硫黄原子、置換イミノ基、カルボニル基(−C(=O)−)及び2価の炭化水素基からなる群から選ばれる1〜3個を組み合わせた2価の基である。置換イミノ基は、前記で説明し例示したものと同様である。2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基等が挙げられる。R7としては、好ましくは、酸素原子、カルボニル基及び2価の炭化水素基からなる群から選ばれる1〜3個を組み合わせた2価の基であり、より好ましくは、カルボニルオキシ基(即ち、カルボニル基と酸素原子とを組み合わせたもの;−C(=O)O−、−OC(=O)−)と2価の炭化水素基とを組み合わせた2価の基、カルボニルオキシ基であり、特に好ましくはカルボニルオキシ基である。高分子化合物中に複数存在するR7は、同一であっても異なっていてもよい。
前記一般式(I)中、R8〜R10はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の炭化水素基である。1価の炭化水素基は、前記で説明し例示したものと同様である。R8は、好ましくは、水素原子、メチル基である。R9及びR10は、好ましくは水素原子である。高分子化合物中に複数存在するR8、R9及びR10は、同一であっても異なっていてもよい。
前記一般式(I)で表される繰り返し単位は、下記一般式(II):
Figure 0004900688
(II)
(式中、R11は水素原子又は1価の炭化水素基である。Ar1、Ar2、R1〜R10、n1及びn2は、それぞれ独立に、前記と同じである。)
で表される繰り返し単位であることが好ましい。
前記一般式(II)中、R11は水素原子又は1価の炭化水素基であり、好ましくは水素原子である。1価の炭化水素基は、前記で説明し例示したものと同様である。高分子化合物中に複数存在するR11は、同一であっても異なっていてもよい。
前記一般式(II)中、Ar1、Ar2、R1〜R10、n1及びn2は、それぞれ独立に、前記で説明し例示したものと同様である。
本発明の高分子化合物において、前記一般式(I)で表される繰り返し単位は、一種のみ含まれていても二種以上含まれていてもよい。また、前記一般式(I)で表される繰り返し単位以外に、下記一般式(V):
Figure 0004900688
(V)
(式中、R8〜R10はそれぞれ独立に、前記と同じである。R12は、直接結合、酸素原子、硫黄原子、置換イミノ基、カルボニル基及び2価の炭化水素基からなる群から選ばれる1〜3個を組み合わせた2価の基である。R13は、水素原子又は1価の炭化水素基である。)
で表される繰り返し単位を有していてもよく、分岐構造及び/又は架橋構造を有していてもよい。
前記一般式(V)中、R8〜R10はそれぞれ独立に、前記で説明し例示したものと同様である。
前記一般式(V)中、R12で表される置換イミノ基、2価の炭化水素基は、前記で説明し例示したものと同じである。R12は、好ましくは、直接結合、酸素原子、カルボニル基及び2価の炭化水素基からなる群から選ばれる1〜3個を組み合わせた2価の基であり、より好ましくは、直接結合、カルボニルオキシ基と2価の炭化水素基とを組み合わせた2価の基、カルボニルオキシ基であり、さらに好ましくは直接結合、カルボニルオキシ基である。高分子化合物中に複数存在するR12は、同一であっても異なっていてもよい。
前記一般式(V)中、R13で表される1価の炭化水素基は、前記で説明し例示したものと同様である。R13は、好ましくは、水素原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基である。高分子化合物中に複数存在するR13は、同一であっても異なっていてもよい。
本発明の高分子化合物が、前記一般式(I)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位(例えば、前記一般式(V)で表される繰り返し単位)を有する場合、その含有量は、該高分子化合物の物性を損なわない範囲で適宜定められるが、該高分子化合物中の全繰り返し単位に対して、前記一般式(I)で表される繰り返し単位が、50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。
本発明の高分子化合物は、光学活性である。換言すれば、前記一般式(I)で表される繰り返し単位中の一部が光学活性でもよいし、末端構造が光学活性でもよいし、主鎖のらせん構造に基づく光学活性でもよく、これらの組み合わせでもよい。
本発明の高分子化合物は、キラル分離・識別、偏光発光・フィルタ材料等へ利用する観点から、円二色性スペクトル及び旋光性の少なくとも一方を示すことが好ましく、円二色性スペクトルを示すことがより好ましい。円二色性スペクトルは、主として、左右の円偏光がらせん高分子を構成する発色団に吸収される際の吸光度の差分に対応するものであり、主鎖のらせん構造に基づくものである。また、一般に、円二色性スペクトルは主鎖のらせん構造に基づくことが多く、その強度が高いほど、らせん構造の左右の偏りが大きいものと考えられる。一方、旋光性は主鎖のらせん構造に基づくことが多く、直線偏光がらせん高分子を通過する際に偏光面を回転させる現象であり、回転の角度が旋光度に対応する。一般に、旋光度が大きいほどらせんの左右の偏りが大きいものと考えられる。
本発明の高分子化合物は、キラル分離・識別、偏光発光・フィルタ材料等の性能を十分に発現させる観点から、円二色性スペクトルの200〜500nmの波長領域内において、繰り返し単位モル当たりのモル楕円率の絶対値の最大値が100degree・cm2・dmol-1以上であることが好ましく、500degree・cm2・dmol-1以上であることがより好ましく、1,000degree・cm2・dmol-1以上であることがさらに好ましい。この値の上限は、特に制限されないが、通常、1,000,000degree・cm2・dmol-1であり、100,000degree・cm2・dmol-1であることがより好ましく、50,000degree・cm2・dmol-1であることがさらに好ましい。ここで、「円二色性スペクトルの200〜500nmの波長領域内」における「繰り返し単位モル当たりのモル楕円率の絶対値」とのパラメータを採用することにより、モル楕円率を、高分子化合物のモル当たりではなく、繰り返し単位構造のモル当たりで表すことができるので、高分子化合物の分子量の影響を排除することができる。
上記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する光学活性な高分子化合物における繰り返し単位モル当たりのモル楕円率[θ](degree・cm2・dmol-1)は次のとおり求められ、高分子のモル数当たりでなく、円二色性スペクトルにおいて、該高分子化合物の溶液濃度をC(g/cm3)、上記一般式(I)で表される繰り返し単位の1デシモル当たりの重量をM(g/dmol)、光路長をL(cm)としたときの楕円率θ(degree)から、[θ]=θM/(CL)として算出される。
本発明の高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量Mnは、通常、500〜1,000,000であるが、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000である。本発明の高分子化合物は、分子量の分散度(即ち、[ポリスチレン換算の重量平均分子量Mw]/[ポリスチレン換算の数平均分子量Mn]で規定される)は、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1〜3であり、さらに好ましくは1〜2である。
<製造方法>
本発明の高分子化合物の製造方法は、特に限定されないが、前記一般式(III)で表される化合物(即ち、単量体化合物)を光学活性な重合開始剤を用いて重合反応させる工程を有する方法が好ましい。さらに、前記一般式(III)で表される化合物が、前記一般式(IV)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(III)中、Ar、Ar1、Ar2、R1〜R10、n1及びn2は、前記一般式(I)の項で説明し例示したものと同様である。前記一般式(IV)中、Ar1、Ar2、R1〜R11、n1及びn2は、前記一般式(II)の項で説明し例示したものと同様である。
前記光学活性な重合開始剤としては、例えば、光学活性なアニオン重合開始剤、光学活性なカチオン重合開始剤、光学活性なラジカル重合開始剤等が挙げられるが、光学選択性を高度に制御する観点から、光学活性なアニオン重合開始剤が好ましく、光学活性アルキル基を有するアニオン重合開始剤、光学活性アルコキシ基を有するアニオン重合開始剤、キラルリガンドが配位した光学活性なアニオン重合開始剤がより好ましい。
前記光学活性アルキル基を有するアニオン重合開始剤としては、光学活性アルキル金属化合物が好ましく、光学活性アルキル−アルカリ金属化合物、光学活性アルキル−アルカリ土類金属化合物が好ましい。前記光学活性アルコキシ基を有するアニオン重合開始剤としては、光学活性アルコキシ金属化合物が好ましく、光学活性アルコキシ−アルカリ金属化合物、光学活性アルコキシ−アルカリ土類金属化合物が好ましい。これらの中では、光学活性アルコキシ−アルカリ金属化合物が特に好ましく、その具体例としては、(−)−メントキシカリウム、(+)−メントキシカリウム等が挙げられる。
前記キラルリガンドが配位したアニオン重合開始剤において、キラルリガンドとしては、光学活性基(即ち、光学活性な基)を有する二座リガンドが好ましく、光学活性なジアミノ化合物がより好ましい。その具体例としては、例えば、(+)−スパルテイン、(−)−スパルテイン、(+)−1,4−ビス(ジメチルアミノ)−2,3−ジメトキシブタン、(−)−1,4−ビス(ジメチルアミノ)−2,3−ジメトキシブタン、(+)−1−(2−ピロリジニルメチル)ピロリジン、(−)−1−(2−ピロリジニルメチル)ピロリジン、(+)−(4S)−2,2’−(1−エチルプロピリデン)ビス[4−(1−フェニルエチル)−4,5−ジハイドロオキサゾール]、(−)−(4S)−2,2’−(1−エチルプロピリデン)ビス[4−(1−フェニルエチル)−4,5−ジハイドロオキサゾール]等が挙げられる。これらの中でも、(+)−スパルテイン、(−)−スパルテイン、(+)−1,4−ビス(ジメチルアミノ)−2,3−ジメトキシブタン、(−)−1,4−ビス(ジメチルアミノ)−2,3−ジメトキシブタン、(+)−1−(2−ピロリジニルメチル)ピロリジン、(−)−1−(2−ピロリジニルメチル)ピロリジンが好ましい。
前記光学活性な重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、該光学活性な重合開始剤1モルに対して、前記一般式(III)で表される化合物(例えば、前記一般式(IV)で表される化合物)が、2〜5,000モルとなる量が好ましく、5〜500モルとなる量がより好ましく、10〜200モルとなる量がさらに好ましい。前記光学活性な重合開始剤は、一種単独で用いても二種以上併用してもよい。
前記重合反応は、反応溶媒を用いずに行ってもよいが、反応溶媒を用いることが好ましく、アニオン重合を行う場合には有機溶媒中で行うことがより好ましい。前記有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン等の鎖状脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の環状脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物類が挙げられ、芳香族炭化水素系、エーテル類が好ましい。これらの有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
この有機溶媒の使用量は、前記一般式(III)で表される化合物(例えば、前記一般式(IV)で表される化合物)1モルに対して、通常、0.01〜10,000Lであるが、好ましくは0.1〜1,000Lであり、より好ましくは1〜100Lである。
前記重合反応の反応温度は、特に限定されないが、-150〜150℃が好ましく、-120〜50℃がより好ましく、-100〜0℃がさらに好ましい。
前記重合反応を終了させる際には、アルコール、水等を加えて重合反応を停止した後、有機溶媒を蒸発させるか、又は貧溶媒を加えて高分子化合物を沈殿させて単離することが好ましい。前記貧溶媒としては、高分子化合物が溶けない溶媒を用いればよく、例えば、ヘプタン等の鎖状脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の環状脂肪族炭化水素;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;水等が挙げられ、好ましくはメタノールである。
本発明の高分子化合物が前記一般式(V)で表される繰り返し単位を有するものである場合には、前記一般式(III)で表される化合物と下記一般式(VI):
Figure 0004900688
(VI)
(式中、R8〜R10、R12及びR13はそれぞれ独立に、前記と同じである。)
で表される化合物とを共重合すればよいが、光学選択性を高度に制御する観点から、前記一般式(III)で表される化合物を重合した後に前記一般式(VI)で表される化合物をブロック共重合することが好ましい。それ以外の点については、上述の製造方法と同様にして、該高分子化合物を製造することができる。
前記一般式(VI)中、R8〜R10、R12及びR13はそれぞれ独立に、前記で説明し例示したものと同様である。
<組成物>
本発明の高分子化合物は、そのまま使用することもできるが、その他の成分と混合して組成物として使用してもよい。その他の成分としては、本発明の高分子化合物以外の高分子化合物、改質剤、溶媒等が挙げられる。前記組成物において、本発明の高分子化合物、その他の成分は、それぞれ、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の高分子化合物以外の高分子化合物としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル及びそれらの共重合体等のポリオレフィン類;ポリオキシメチレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)、ポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)及びそれらの共重合体等のポリエーテル類;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ジナフタレート)、ポリ(4−オキシベンゾエート)、ポリ(2−オキシ−6−ナフタレート)及びそれらの共重合体等のポリエステル類;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド類;ポリカーボネート;ポリフェニレンサルファイド;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性ポリマーが挙げられる。これらは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
改質剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール誘導体、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン類等の安定剤;ポリハロゲン化物、リン酸エステル等の難燃剤;界面活性剤;流動改質剤等が挙げられる。これらの改質剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<用途>
本発明の高分子化合物(組成物として調製する場合を含む)は、光学活性であることを利用して、例えば、光学活性化合物を分離するキラル分離、光学活性化合物を識別するキラル識別、光源から偏光のみを透過させる偏光フィルタ、光源自体が偏光を発する偏光発光等に有用である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
<合成例1>
2,7-ビス(4-tert-ブチルフェニル)-9-フルオレノンの合成
Figure 0004900688
フレームドライし窒素置換した還流管付きの1L3つ口フラスコにマグネシウム(10.5g、0.432mmol)と、水素化カルシウム上で乾燥し蒸留したTHF(500ml)とを加え、加熱還流した。これに、ヨウ素を5mg加えた後、1-ブロモ-4-tert-ブチルベンゼン(62.4ml)を少量ずつ1時間かけて滴下した。この間に、溶液は無色から緑色へ、さらに黒色へと変化した。その後、5時間還流温度で攪拌し、4-tert-ブチルフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を得た。
フレームドライし窒素置換した還流管付きの3L4つ口フラスコに、塩化亜鉛(60.2g、442mmol)と、水素化カルシウムで乾燥し蒸留したN,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、64.0ml、424mmol)と、水素化カルシウム上で乾燥し蒸留したTHF(500ml)と、4-tert-ブチルフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液(0.64M、530ml)とを入れ、20分間攪拌した。さらに、2,7-ジブロモフルオレノン(34.6g、102mmol)と、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム((Pd(PPh3)4、12.1g、10.5mmol)とを加え、17時間加熱還流した。反応系は不均一で黄色であった。その後、得られた反応混合物に水(100ml)と、1NのHCl(100ml)を少しずつ加えて反応を停止させた。得られた溶液を濃縮した後、グラスフィルターで濾過し、固形成分をメタノール(800ml)とヘキサン(400ml)で洗浄した。その後、この固形成分を塩化メチレンに溶解させてフロリジルでろ過し、濃縮して、橙色の固体を得た。この固体をクロロホルム(400ml)とヘキサン(300ml)との混合溶媒に加熱溶解させ、4℃で再結晶を行って、橙色の結晶(2,7-ビス(4-tert-ブチルフェニル)-9-フルオレノン、39.9g、収率80.9%)を得た。
<合成例2>
2,7-ビス(4-tert-ブチルフェニル)-9-フルオレノールの合成
Figure 0004900688
フレームドライし窒素置換した1L3つ口フラスコに、2,7-ビス(4-tert-ブチルフェニル)-9-フルオレノン(5.5015g、12.38mmol)と、水素化ホウ素ナトリウム(468.5mg、12.38mmol)と、THF(1L)を加え、室温で攪拝した。3時間後に原料が完全に消費されたことをTLCで確認した後、メタノールを加えて反応を停止させた。反応溶液が酸性になるまで、少量ずつ1NのHClを加えた後、生成物をクロロホルムで抽出した。得られた有機相を、まず飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。こうして得られた有機相を濃縮し、真空乾燥させて、肌色の固体(2,7-ビス(4-tert-ブチルフェニル)-9-フルオレノール、5.5025g、収率>99%)を得た。
<合成例3>
2,7-ビス(4-tert-ブチル)フェニルフルオレン-9-イルメタクリレートの合成
Figure 0004900688
フレームドライし窒素置換した還流管付きの1L3つ口フラスコに、2,7-ビス(4-tert-ブチルフェニル)-9-フルオレノール(10.0g、22.4mmol)を加え、20分間脱気した後、窒素置換した。これに、ナトリウムワイヤー上で乾燥し蒸留したトルエン(600ml)と、水素化カルシウム上で乾燥の上蒸留したメタクリル酸塩化物(3.75ml、33.6mmol)と、水素化カルシウム上で乾燥の上蒸留したトリエチルアミン(3.12ml、22.4ml)とを加え、45℃で攪拌した。43時間後、反応系の一部をサンプリングしてNMR分析し、原料のアルコールが完全に消費されたことを確認した後、系を室温に戻して、溶媒を溜去した。生成物を塩化メチレン(300ml)で抽出し、得られた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200ml×3回)、飽和塩化ナトリウム水溶液(200ml×2回)、水(200ml×1回)で洗浄した。得られた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮して粗生成物(黄色、11.6g)を得た。この粗生成物を、まずジエチルエーテルで再結晶し、さらにベンゼン−ヘキサン(容積比:1/1)混合溶媒で再結晶して、薄黄色の固体(2,7-ビス(4-tert-ブチル)フェニルフルオレン-9-イルメタクリレート、7.21g、収率62.7%、融点242.2-243.3℃)を得た。
<実施例1>
2,7-ビス(4-tert-ブチルフェニル)フルオレン-9-イルメタクリレートの不斉アニオン重合
Figure 0004900688
フレームドライし乾燥窒素置換した100ml重合用アンプルに、2,7-ビス(4-tert-ブチル)フェニルフルオレニルメタクリレート(0.100g、0.194mmol)を入れ、一時間真空脱気した後乾燥窒素で置換した。これにトルエン1.00mlを加え、モノマー(2,7-ビス(4-tert-ブチル)フェニルフルオレニルメタクリレート)をすべて溶解させた後、溶液を-78℃で20分間冷却した。その後、不斉配位子(+)-2,3-ジメトキシ-1,4-ビス(ジメチルアミノ)ブタン((+)-DDB)と9-フルオレニルリチウム(FlLi)の錯体の0.1Mトルエン溶液(0.194ml)を重合開始剤として加えた。24時間後、メタノール(0.2ml)を加えて重合を停止した。反応混合液の一部をサンプリングし、CDCl3で希釈して1H NMR測定を行い、表1に示すとおりのモノマー転化率を得た。得られた生成物をメタノール中に再沈殿させて遠心分離により回収し、真空乾燥し、さらに、メタノール不溶部をさらにジエチルエーテル:ヘキサン=8:2(容積比)混合溶媒中に再沈殿して遠心分離により回収した。こうして得られた生成物(高分子化合物)は、ポリ(メタクリル酸ビス-2,7-(4-t-ブチルフェニル)フルオレニル)であった。こうして得られた生成物(高分子化合物)のポリスチレン換算の数平均分子量Mn、及び分散度Mw/Mnは、表1に示すとおりであった。
<実施例2〜4>
実施例1において、モノマー濃度が同じになるようにモノマー重量に比例させて反応スケールを変え、重合開始剤、モノマー/重合開始剤(モル比)、及び反応時間を表1に示すとおりに変えた以外は、実施例1と同様にして、生成物(高分子化合物)を得た。こうして得られた生成物(高分子化合物)のポリスチレン換算の数平均分子量Mn、及び分散度Mw/Mnは、表1に示すとおりであった。
<表1>
2,7-ビス(4-tert-ブチルフェニル)フルオレン-9-イルメタクリレートの不斉アニオン重合(トルエン中-78oC)
Figure 0004900688

aモノマー 0.1g(実施例1)、0.05g(実施例2、3)、1.0g(実施例4)
b1H-NMRスペクトルにより決定。
cゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)(vs.ポリスチレン)により決定。
dポリマー重量により決定(収率)
*表1中、Mnは高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量を意味し、Mwは高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
*表1中の重合開始剤の欄において、略語で表される構造は、以下のとおりである。
Figure 0004900688

・FlLi : 9-フルオレニルリチウム
・(+)-DDB : (+)-2,3-ジメトキシ-1,4-ビス(ジメチルアミノ)ブタン
・(-)-Sp : (-)-スパルテイン
・(+)-PMP : (S)-(+)-1-(2-ピロリジニルメチル)ピロリジン
<合成例4>
2,7-ビス(4-tert-ブチル)フェニルフルオレン-9-イルアクリレートの合成
Figure 0004900688
フレームドライし窒素置換した還流管付き500mLの2つ口フラスコに、2,7-ビス(4-tert-ブチルフェニル)-9-フルオレノール(5.00g、11.2mmol)を入れ、15分間脱気した後、窒素置換した。これに、ベンゼン(300ml)と、トリエチルアミン(1.56ml、11.2mmol)と、アクリル酸塩化物(1.36ml、16.8mmol)とを加えて加熱還流した。原料のアルコールはベンゼンに完全には溶解しなかったが、生成物の溶解性は高く、時間とともに反応系中の固体物が減少した。10時間後、TLCで原料が完全に消費されたことを確認した後、反応混合物を室温に戻した。次に、反応溶液を濃縮し、得られた固体をグラスフィルター上で水(100mL)とメタノール(100mL)で洗浄した後、真空乾燥して、薄い肌色の固体(5.14g、収率91.6%)を得た。この固体を、まずジエチルエーテルで、次いでベンゼン:ヘキサン=1:1(容積比)混合溶媒で再結晶して、薄い肌色の固体(2,7-ビス(4-tert-ブチル)フェニルフルオレン-9-イルアクリレート、3.23g、収率57.5%)を得た。
<実施例5>
2,7-ビス(4-tert-ブチルフェニル)フルオレン-9-イルアクリレートの不斉アニオン重合
Figure 0004900688
フレームドライし乾燥窒素置換した25mLの重合用アンプルに、2,7-ビス(4-tert-ブチルフェニル)フルオレン-9-イルアクリレート(200mg、0.400mmol)を入れ、一時間真空脱気した後に該アンプル内を乾燥窒素で置換した。これに、乾燥トルエン(3.7ml)を加え、モノマー(2,7-ビス(4-tert-ブチルフェニル)フルオレン-9-イルアクリレート)をすべて溶解させ、溶液を-78℃で20分間冷却した。この溶液に、不斉配位子として、(S)-(+)-1-(2-ピロリジニルメチル)ピロリジン((+)-PMP)と9-フルオレニルリチウム(FlLi)の錯体の0.1Mトルエン溶液(0.10ml)を重合開始剤として加えた(モノマー/重合開始剤のモル比は40)。溶液の色は、薄い黄色から薄いピンク色へ変化した。反応溶液の粘度は徐々に高くなり、4時間後にはほぼ流動性のない状態となった。重合開始から40時間後に、反応溶液にメタノール(0.1ml)を加えて重合を停止した。重合中は反応溶液に流動性がなかったが、重合停止し反応溶液を室温にすると均一な溶液となった。次に、生成物をメタノールに注ぎ込んで再沈殿し、遠心分離により不溶部の生成物(メタノール不溶部:0.189g、収率:93.5%)を回収した。メタノール不溶部の生成物は、クロロホルム及びTHFに溶解した。こうして得られた生成物(高分子化合物)は、ポリ(アクリル酸ビス-2,7-(4-t-ブチルフェニル)フルオレニル)であった。こうして得られた生成物(高分子化合物)のポリスチレン換算の数平均分子量Mn、及び分散度Mw/Mnは、表2に示すとおりであった。
<実施例6、7>
実施例5において、重合開始剤、モノマー/重合開始剤(モル比)、及び反応時間を表2に示すとおりに変えた以外は、実施例5と同様にして、生成物(高分子化合物)を得た。こうして得られた生成物(高分子化合物)のポリスチレン換算の数平均分子量Mn、及び分散度Mw/Mnは、表2に示すとおりであった。
<表2>
2,7-ビス(4-tert-ブチルフェニル)フルオレン-9-イルアクリレートの不斉アニオン重合(トルエン中-78oC)
Figure 0004900688

aモノマー 200mg(実施例5〜7)
b反応混合物の1H NMR分析により決定。
cゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)(vs.ポリスチレン)により決定。
<特性評価>
−円二色スペクトルおよび発光スペクトル−
円二色スペクトルは、円偏光二色性吸収分光計(日本分光社製、J-820型)を用いて、室温、THF中、測定濃度2×10-3M(モノマー単位換算)、セル長0.1mmで測定した。実施例1、3、4で合成した高分子化合物の円二色性スペクトルを図1に示す。実施例5、6で合成した高分子化合物の円二色性スペクトルを図2に示す。実施例1で合成した高分子化合物の吸収スペクトル(THF中、室温で測定)及び蛍光スペクトル(THF中、室温で、322nmで励起して測定)(蛍光量子収率:33%)を図3に示す。
以上から、本発明の高分子化合物は、光学活性ならせん構造を持ち、かつ発光性を有することが分かる。
−キラル消光実験−
発光スペクトルの測定は、スペクトルグレードのTHFを溶媒として、スクリューキャップ付きの1cmの4面石英製セルを用いて、測定直前に10分間の窒素ガスバブリングを行って溶存酸素を除去して行った。
実施例4で得られた光学活性なポリ(メタクリル酸ビス-2,7-(4-t-ブチルフェニル)フルオレニル)3.24 mgを、メスフラスコを用いて10mlのTHF溶液とした(モノマー単位濃度で6.30×10-4M)。このTHF溶液0.3mlをホールピペットで10mlのメスフラスコ中に採取し、THFを加えて10mlの溶液とした(モノマー単位濃度で1.89×10-5M)。この溶液0.5mlをホールピペットで5mlのメスフラスコ中に採取し、キラル消光剤である(R)-(+)-N,N-ジメチル-1-フェニルエチルアミン又は(S)-(-)-N,N-ジメチル-1-フェニルエチルアミンを8.2μl、16.4μl、又は24.6μlの分量で加え、これにTHFを加えて総体積5mlの溶液とした。これら試料中のポリマー(ポリ(メタクリル酸ビス-2,7-(4-t-ブチルフェニル)フルオレニル))のモノマー単位濃度は1.89×10-6Mであり、キラル消光剤の濃度は、それぞれ、0.01M、0.02M、又は0.03Mであった。
試料を322nmで励起し、発光スペクトルのピークの面積(強度)を比較することにより、消光剤による消光度合いの違いを確認した。なお、発光スペクトル強度は、励起波長322nmでの吸光度により規格化した。
こうして得られた実験結果を下記式(1):
Io/I=1+kq・τs[Q] (1)
に従って、Io/Iを縦軸、[Q]を横軸としてプロットし、各消光剤に対するStern-Volmer定数を求めた。この図を図4に示す。なお、図4において、黒塗りの三角、黒塗りの丸は、それぞれ、(R)-体の消光剤、(S)-体の消光剤に対応する。
ここで、Iは発光強度、Ioは消光剤濃度0(M)での発光強度、kq((R)体の消光剤に対する値kq(R)、(S)体の消光剤に対する値kq(S))は消光定数、τsは蛍光寿命、[Q]は消光剤の濃度(M)である。図4のプロットの傾きkq・τsがStern-Volmer定数である。Stern-Volmer定数の算出に当っては、実測データ3点に消光剤濃度ゼロの点(Io/I=1、[Q]=0M)を加え、4点のデータを一次近似した。その結果、Stern-Volmer定数は、両消光剤に対して、kq(R)・τs=48.7、kq(S)・τs=26.4と算出された。
キラル消光における選択性は、α=kq(R)/kq(S)で評価される。そこで、発光寿命τsは、R体とS体とで等しいものと仮定し、上述のStern-Volmer定数から、α=kq(R)/kq(S)=kq(R)・τs/kq(S)・τs=48.7/26.4=1.84と決定した。
以上のように、本発明の高分子化合物とその他の光学活性な化合物との相互作用により、R体とS体の発光強度減少量が異なるので、発光強度減少量からR体とS体を見分けたり、それぞれを定量したりすることができる。
実施例1、3、4で合成した高分子化合物の円二色性スペクトル(THF中、室温で測定)である。 実施例5、6で合成した高分子化合物の円二色性スペクトル(THF中、室温で測定)である。 実施例4で合成した高分子化合物の吸収スペクトル(THF中、室温で測定)及び蛍光スペクトル(THF中、室温で、322nmで励起して測定)である(蛍光量子収率:33%)。 キラル消光実験で得られたデータに基づいてStern-Volmer定数を算出するために、縦軸を相対発光強度Io/I、横軸を添加したN,N-ジメチル-1-フェニルエチルアミン濃度(M)として作成したプロットである。

Claims (17)

  1. 下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する光学活性な高分子化合物。
    Figure 0004900688
    (I)
    (式中、Arは芳香環を含む3価の有機基であり、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、直接結合、置換イミノ基、エテニレン基又はエチニレン基である。但し、R1及びR2はAr中の芳香環に結合する。Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、芳香環を含む2価の有機基である。但し、R1及びR3はAr1中の芳香環に結合し、R2及びR4はAr2中の芳香環に結合する。n1及びn2はそれぞれ独立に、1以上の整数である。R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、1価の炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビル二置換アミノ基又はヒドロカルビルメルカプト基である。R7は酸素原子、硫黄原子、置換イミノ基、カルボニル基及び2価の炭化水素基からなる群から選ばれる1〜3個を組み合わせた2価の基である。R8、R9及びR10はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の炭化水素基である。)
  2. 円二色性スペクトルを示す請求項1に記載の高分子化合物。
  3. 円二色性スペクトルの200〜500nmの波長領域内において、繰り返し単位モル当りのモル楕円率の絶対値の最大値が100degree・cm2・dmol-1以上である請求項1又は2に記載の高分子化合物。
  4. ポリスチレン換算の数平均分子量が500〜1,000,000である請求項1〜3のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  5. 分散度が1〜4である請求項1〜4のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  6. 前記一般式(I)で表される繰り返し単位が下記一般式(II)で表される繰り返し単位である請求項1〜5のいずれか一項に記載の高分子化合物。
    Figure 0004900688
    (II)
    (式中、R11は水素原子又は1価の炭化水素基である。Ar1、Ar2、R1〜R10、n1及びn2は、それぞれ独立に、前記と同じである。)
  7. 前記一般式(II)中のAr1及びAr2がフェニレン基である請求項6に記載の高分子化合物。
  8. 前記一般式(II)中のR7がカルボニルオキシ基である請求項6又は7に記載の高分子化合物。
  9. 前記一般式(II)中のR1、R2、R3及びR4が直接結合である請求項6〜8のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  10. 前記一般式(II)中のR8がメチル基であり、R9及びR10が水素原子である請求項6〜9のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  11. 下記一般式(III)で表される化合物を光学活性な重合開始剤を用いて重合反応させる工程を有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の高分子化合物の製造方法。
    Figure 0004900688
    (III)
    (式中、Ar、Ar1、Ar2、R1〜R10、n1及びn2は、それぞれ独立に、前記と同じである。)
  12. 前記一般式(III)で表される化合物が下記一般式(IV)で表されるものである請求項11に記載の製造方法。
    Figure 0004900688
    (IV)
    (式中、Ar1、Ar2、R1〜R11、n1及びn2は、それぞれ独立に、前記と同じである。)
  13. 記一般式(IV)で表される化合物。
    Figure 0004900688
    (IV)
    (式中、
    1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に、直接結合、置換イミノ基、エテニレン基又はエチニレン基である。
    Ar 1 及びAr 2 はそれぞれ独立に、芳香環を含む2価の有機基である。但し、R 1 及びR 3 はAr 1 中の芳香環に結合し、R 2 及びR 4 はAr 2 中の芳香環に結合する。
    1 及びn 2 はそれぞれ独立に、1以上の整数である。
    5 及びR 6 はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、1価の炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビル二置換アミノ基又はヒドロカルビルメルカプト基である。
    7 は酸素原子、硫黄原子、置換イミノ基、カルボニル基及び2価の炭化水素基からなる群から選ばれる1〜3個を組み合わせた2価の基である。
    8 、R 9 、R 10 及びR 11 はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の炭化水素基である。)
  14. キラル分離に用いられる請求項1〜10のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  15. キラル識別に用いられる請求項1〜10のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  16. 偏光発光に用いられる請求項1〜10のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  17. 偏光フィルタに用いられる請求項1〜10のいずれか一項に記載の高分子化合物。
JP2006284673A 2006-10-19 2006-10-19 光学活性な高分子化合物 Expired - Fee Related JP4900688B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006284673A JP4900688B2 (ja) 2006-10-19 2006-10-19 光学活性な高分子化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006284673A JP4900688B2 (ja) 2006-10-19 2006-10-19 光学活性な高分子化合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008101102A JP2008101102A (ja) 2008-05-01
JP4900688B2 true JP4900688B2 (ja) 2012-03-21

Family

ID=39435682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006284673A Expired - Fee Related JP4900688B2 (ja) 2006-10-19 2006-10-19 光学活性な高分子化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4900688B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010097179A (ja) * 2008-09-19 2010-04-30 Sumitomo Chemical Co Ltd 光スイッチ用又は光変調用の光学素子

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0635487B2 (ja) * 1985-04-17 1994-05-11 ダイセル化学工業株式会社 光学活性な重合用触媒
JP2925711B2 (ja) * 1990-11-06 1999-07-28 ダイセル化学工業株式会社 新規なメタクリル酸誘導体及びそのポリマー
JP4023762B2 (ja) * 1999-05-12 2007-12-19 日本化薬株式会社 (メタ)アクリル酸エステル、樹脂組成物及びその硬化物
JP2002265530A (ja) * 2001-03-06 2002-09-18 Daicel Chem Ind Ltd フォトレジスト用化合物およびフォトレジスト用樹脂組成物
JP4036076B2 (ja) * 2001-12-12 2008-01-23 チッソ株式会社 液晶性フルオレン誘導体およびその重合体
JP4080806B2 (ja) * 2002-04-26 2008-04-23 積水化学工業株式会社 アクリル系重合体及び電荷輸送材料
JP4524358B2 (ja) * 2002-05-08 2010-08-18 独立行政法人科学技術振興機構 光学活性な高分子化合物
JP2008031223A (ja) * 2006-07-26 2008-02-14 Japan Science & Technology Agency キラルな高分子化合物およびそれを用いたクロマトグラフィー用固定相、並びに光学異性体分離用クロマト充填剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008101102A (ja) 2008-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9905767B2 (en) High-molecular compound and light-emitting element using same
Egbe et al. Synthesis and Properties of Novel Well‐Defined Alternating PPE/PPV Copolymers
Deng et al. Construction of regio-and stereoregular poly (enaminone) s by multicomponent tandem polymerizations of diynes, diaroyl chloride and primary amines
KR20010075614A (ko) 특성이 개선된 2,7-플루오레닐 단위 함유 공액 중합체
Yamamoto et al. Synthesis of All-Trans High Molecular Weight Poly (N-alkylcarbazole-2, 7-vinylene) s and Poly (9, 9-dialkylfluorene-2, 7-vinylene) s by Acyclic Diene Metathesis (ADMET) Polymerization Using Ruthenium− Carbene Complex Catalysts
US20070069197A1 (en) Monomers, oligomers and polymers of 2-functionalized and 2,7-difunctionalized carbzoles
KR102184665B1 (ko) 디벤조[d,b]실롤-계 반응성 메소겐
CN108276449B (zh) 含有4-芳基-3,5-双取代吡唑的四齿环金属铂配合物、制备方法及应用
Grisorio et al. Chain‐Growth Versus Step‐Growth Mechanisms for the Suzuki–Heck Polymerisation of Fluorenyldibromides with Potassium Vinyl Trifluoroborate
JP4900688B2 (ja) 光学活性な高分子化合物
Kim et al. Synthesis and characterization of poly (terphenylenevinylene) derivatives containing alkoxy substituents and (or) phenyl pendant group
Morisaki et al. Synthesis and optical properties of the [2.2] paracyclophane-containing π-conjugated polymer with a diacetylene unit
Wang et al. A solution‐processible poly (p‐phenylene vinylene) without alkyl substitution: Introducing the cis‐vinylene segments in polymer chain for improved solubility, blue emission, and high efficiency
Muroga et al. Synthesis and photoluminescence properties of heterocycle-containing poly (disubstituted acetylene) s
Wild et al. ZnII bisterpyridine metallopolymers: improved processability by the introduction of polymeric side chains
WO2006132356A1 (ja) 高分子化合物の製造方法
Chen et al. Synthesis and properties of Zn 2+/Cd 2+-directed self-assembled metallo-supramolecular polymers based on 1, 4-diketo-pyrrolo [3, 4-c] pyrrole (DPP) derivatives
CN108424425B (zh) 含有4-芳基-3,5-双取代吡唑的四齿环金属钯配合物、制备方法及应用
Cheng et al. Synthesis and Characterization of Polybinaphthyls Incorporating Chiral (R) or (S)-2, 2′-Binaphthyl Entities by Heck Reaction
JP5396128B2 (ja) ジケトピロロピロール骨格を有するポリマーおよび白色発光材料
Zhang et al. A supramolecular large band gap host for phosphorescent organic light-emitting diodes
Sakaguchi et al. Synthesis and photoluminescence properties of poly (1-hexyl-2-aryl acetylene) s, poly (1-phenyl-2-fluorenylacetylene), and poly (1-fluorenyl-2-fluorenlacetylene)
Sheridan et al. Comparison of the electronic properties of poly [2-(2′-ethylhexyloxy)-1, 4-phenylenevinylene] prepared by different precursor polymer routes
He et al. A novel amorphous oligo (phenylenevinylene) dimer with a biphenyl linkage center and fluorene end groups for electroluminescent devices
Mikroyannidis et al. Poly (fluorene) s and poly (p-phenylene) s with pyrenyltriazine segments: synthesis and photophysics

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080124

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080520

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090821

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111220

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees