JP3925288B2 - イタコン酸誘導体およびその重合体 - Google Patents

イタコン酸誘導体およびその重合体 Download PDF

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Description

【0001】
【本発明の属する技術分野】
本発明は光学補償膜、液晶配向膜、光書き込み記録材料などに利用できる液晶性イタコン酸重合体と、その原料であるイタコン酸誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
側鎖に液晶性の基を有する重合体は、位相差フィルムなどの光学異方性体(特開平9−208957)、液晶配向膜(特開昭62−70407)、偏光ビ−ムスプリッタ−(特開平11−100575)、リライタブル記録媒体などの光記録材料(特開平10−62739)に利用されている。従来から、このような用途には、重合が容易なアクリレートの重合体が一般的に用いられてきた。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アクリレート(例えば、AC1)の単独重合体は、耐熱性、機械的強度などが低い。そのため現状では、多官能アクリレートとの共重合を行うなどの化学的な方法や、フィラーを添加するなどの物理的な方法により、耐熱性、機械的な強度の向上が試みられている。
Figure 0003925288
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題を根本的に解決すべく鋭意検討した結果、特定のイタコン酸誘導体から得られる重合体が、耐熱性、耐光性などを有することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成した。本発明は下記の構成を有する。
[1]式(1)で表されるイタコン酸誘導体。
Figure 0003925288
この式において、Rは水素、フッ素、塩素、−NCO、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の−CH−は−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよく、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Rは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよく;A、AおよびAは、独立して、1,4−シクロへキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり;ZおよびZは、独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−CHCH−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;mは1または0であり、nは1〜20の整数である。
[2]式(1)においてmが0である、[1]に記載のイタコン酸誘導体。
[3]式(1)においてmが1である、[1]に記載のイタコン酸誘導体。
[4]少なくとも2つの重合性化合物を含有し、その少なくとも1つが[1]に記載のイタコン酸誘導体である重合性組成物。
[5]重合性化合物のすべてが[1]に記載のイタコン酸誘導体である、[4]に記載の重合性組成物。
[6][1]に記載のイタコン酸誘導体の少なくとも1つと、[1]に記載のイタコン酸誘導体以外の重合性化合物の少なくとも1つとを含有する、[4]に記載の重合性組成物。
[7]式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体。
Figure 0003925288
この式において、Rは水素、フッ素、塩素、−NCO、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の−CH−は−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよく、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Rは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよく;A、AおよびAは、独立して、1,4−シクロへキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり;ZおよびZは、独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−CHCH−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;mは1または0であり、nは1〜20の整数である。
[8][1]に記載のイタコン酸誘導体の1つを単独重合させて得られる、[7]に記載の重合体。
[9][5]に記載の重合性組成物から得られる、[7]に記載の重合体。
[10][6]に記載の重合性組成物から得られる、[7]に記載の重合体。
[11][7]〜[10]のいずれか1項に記載の重合体を含有する光学補償膜。
[12][7]〜[10]のいずれか1項に記載の重合体を含有する光書き込み記録材料。
[13][7]〜[10]のいずれか1項に記載の重合体を含有する液晶配向膜。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下の説明においては、式(1)で表される本発明のイタコン酸誘導体を、化合物(1)で表記することがある。式(2)で表される繰り返し単位を、繰り返し単位(2)で表記することがある。繰り返し単位(2)を有する本発明の重合体を、重合体(2)で表記することがある。そして、下記に示す基を液晶骨格(1)と称することがある。
Figure 0003925288
なお、本発明において、化学式中に存在する複数の同じ種類の基のうちから、不特定の基を選択する場合に用いる用語「任意の」は、その基の位置だけでなく、個数についても任意であることを示す。
【0005】
化合物(1)および重合体(2)は次の特徴を有する。
(i)化合物(1)は、光や水分などに不安定な基であるアゾ、ジアゾ、アゾキシなどを含まない。
(ii)化合物(1)は、重合性のイタコン酸エステル基と立体的に大きな液晶骨格(1)の間にアルキレン鎖を有する。立体的な込み合いがないので、化合物(1)は高い重合反応性を有する。
(iii)化合物(1)の重合反応性が高いので、高分子量の重合体が得られる。その結果、重合体(2)は高い耐熱性を有している。
(iv)液晶骨格(1)が主鎖から離れており、主鎖の立体的な拘束を受けにくいので、重合体(2)は液晶性を発現しやすい。その結果、重合体(2)は広い液晶相の温度範囲を有している。
(v)化合物(1)が光に安定であるため、これから得られる重合体(2)も耐光性に優れている。
このように重合体(2)は、従来の液晶性アクリレート重合体にはない優れた性能を有する。
【0006】
最初に、本発明のイタコン酸誘導体について説明する。
本発明のイタコン酸誘導体は、式(1)で表される。
Figure 0003925288
この式中のRは、水素、フッ素、塩素、−NCO、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよい。そして、このアルキル中の複数の−CH−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、および−CO−のうちのそれぞれ異なる基で置き換えられてもよい。その一例は、−O−CHCH−COO−である。しかしながら、連続している2つの−CH−が、−O−O−、−O−S−、または−S−S−のように置き換えられることはない。そして、このアルキル中の任意の水素はフッ素で置き換えられてもよい。
【0007】
好ましいRは、水素、フッ素、塩素、−NCO、炭素数1〜3のフッ素化アルキル、炭素数1〜3のフッ素化アルキルオキシ、炭素数1〜12の直鎖のアルキル、および炭素数1〜12の直鎖のアルコキシである。フッ素化アルキルおよびフッ素化アルキルオキシのうちで特に好ましい基は、−CF、−CFH、−OCF、および−OCFHである。アルキルおよびアルコキシのうちで特に好ましい基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、およびデシルオキシである。Rが−CF、−OCF、−NCO、フッ素、または塩素であるときの液晶骨格(1)は、重合体(2)が正の誘電率異方性値を有し易い構造である。
【0008】
式(1)中のRは、炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよい。Rの場合と同様に、複数の−CH−がこれらの基のうちのそれぞれ異なる基で置き換えられてもよい。好ましいRは、炭素数1〜20の直鎖状アルキル、炭素数1〜20の分岐状アルキル、または炭素数3〜20の環状のアルキルである。直鎖状アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどである。分岐状アルキルの例は、イソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2−メチルヘキシル、4−メチル−2−ペンチル、sec−ヘプチル、sec−オクチルなどである。
【0009】
環状アルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロドデシル、4−メチルシクロヘキシル、4−エチルシクロヘキシル、4−プロピルシクロヘキシル、4−ブチルシクロヘキシル、4−ペンチルシクロヘキシル、4−ヘキシルシクロヘキシル、4−ヘプチルシクロヘキシル、4−オクチルシクロヘキシル、4−ノニルシクロヘキシル、4−デシルシクロヘキシル、トランス−4−シクロヘキシルシクロヘキシル、トランス−4−(4−メチルシクロヘキシル)シクロヘキシル、トランス−4−(4−エチルシクロヘキシル)シクロヘキシル、トランス−4−(4−n−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル、トランス−4−(4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル、トランス−4−(4−n−ヘキシルシクロヘキシル)シクロヘキシル、トランス−4−(4−n−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキシル、トランス−4−(4−n−オクチルシクロヘキシル)シクロヘキシル、ノルボニル、カンフェニル、トリシクロデシル、アダマンチル、ジメチルアダマンチルなどである。
【0010】
重合反応性を考慮するとき特に好ましいRは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、4−ブチルシクロヘキシル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、および3−メチルブチルである。
【0011】
式(1)中のA〜Aは環構造の2価基である。好ましいA、AまたはAの例を次に示す。
Figure 0003925288
【0012】
式(1)中のZおよびZは結合基である。好ましいZまたはZは、単結合、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、および−CHCH−である。化合物(1)において、ZおよびZの少なくとも1つが、単結合、−COO−、−OCO−、または−C≡C−である場合は、屈折率異方性の大きな重合体が得られる傾向がある。ZおよびZの少なくとも1つが、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、または−CHCH−である場合は、液晶骨格(1)の柔軟性が増大するので、比較的低い粘性の重合体が得られる傾向がある。
【0013】
〜AとZ〜Zの組み合わせについて説明する。室温において重合体(2)が液晶相を有するためには、液晶骨格(1)においてmが0であることが好ましい。即ち、次の(1−1)〜(1−10)である。
Figure 0003925288
これらの式中のR、AおよびAの意味は、前記と同じである。
【0014】
mが1である液晶骨格(1)は3つの環を有する。3環の液晶骨格(1)を有する重合体は、液晶相の上限温度が一般的に高い。3環構造であるときの、A〜AとZ〜Zの好ましい組み合わせは次の通りである。
Figure 0003925288
【0015】
Figure 0003925288
これらの式中のR、A、AおよびAの意味は、前記と同じである。
【0016】
化合物(1)が重合し易く、その重合によって得られる重合体が液晶相を有するためには、式(1)中のnは1〜20の整数であることが好ましい。より好ましいnは3〜11である。そして、化合物(1)が1,4−シクロへキシレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルを有する場合には、その立体配置はシス型よりトランス型が好ましい。化合物の物性に大きな差異がないので、化合物(1)はH(重水素)、13Cなどの同位体を天然存在比の量より多く含んでもよい。
【0017】
次に、化合物(1)の製造方法について説明する。
化合物(1)は、次の方法に従って製造できる。先ず、無水イタコン酸とアルコ−ル誘導体ROHとのエステル化反応によりイタコン酸モノエステル(a)を製造する。アルコ−ル誘導体(b)は、ヒドロキシル基を含む液晶骨格(1)とω−ブロモアルカノ−ルを、塩基を用いてエ−テル化することにより製造する。塩基の例は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウムなどである。イタコン酸モノエステル(a)とアルコ−ル誘導体(b)を、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩などの縮合剤を用いてエステル化することにより、化合物(1)を製造する。
【0018】
Figure 0003925288
(これらの式中のR、R、A〜A、Z、Z、m、およびnの意味は、前記の通りである。)
【0019】
この他、出発物質に目的の末端基、環および結合基を導入する方法は、ホーベン−ワイル(Houben-Wyle, Methods of Organic Chemistry, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック シンセシーズ(Organic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、オーガニック リアクションズ(Organic Reactions, John Wily & Sons Inc.)、コンプリヘンシブ オーガニック シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載されている。
【0020】
結合基ZまたはZを生成する方法の一例に関して、最初にスキームを示し、次に項(I)〜項(VII)でスキームを説明する。これらのスキームにおいて、MSGおよびMSGはどちらも、少なくとも1つの環を有する1価の有機基である。スキームに示されている複数のMSG(またはMSG)は、同一であってもよいし、異なってもよい。
【0021】
Figure 0003925288
【0022】
Figure 0003925288
【0023】
Figure 0003925288
【0024】
(I)単結合の生成
アリールホウ酸(21)と公知の方法で合成される化合物(22)とを、炭酸塩水溶液とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で反応させて化合物(1A)を合成する。この化合物(1A)は、公知の方法で合成される化合物(23)にn−ブチルリチウムを、次いで塩化亜鉛を反応させ、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で化合物(22)を反応させることによっても合成される。
【0025】
(II)−COO−と−OCO−の生成
化合物(23)にn−ブチルリチウムを、続いて二酸化炭素を反応させてカルボン酸(24)を得る。化合物(24)と、公知の方法で合成されるフェノール(25)とをDDC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)とDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で脱水させて−COO−を有する化合物(1B)を合成する。この方法によって、−OCO−を有する化合物も合成できる。
【0026】
(III)−CFO−と−OCF−の生成
化合物(1B)をローソン試薬のような硫黄化剤で処理して化合物(26)を得る。化合物(26)をフッ化水素ピリジン錯体とNBS(N−ブロモスクシンイミド)でフッ素化し、−CFO−を有する化合物(1C)を合成する。M. Kuroboshi et al., Chem. Lett., 1992,827.を参照。化合物(1C)は化合物(26)を(ジエチルアミノ)サルファ トリフルオリドでフッ素化しても合成される。William H. Bunnelle et al., J. Org. Chem. 1990, 55, 768.を参照。この方法によって、−OCF−を有する化合物も合成できる。
【0027】
(IV)−CH=CH−の生成
化合物(23)をn−ブチルリチウムで処理した後、N,N−ジメチルホルムアミドなどのホルムアミドと反応させてアルデヒド(28)を得る。公知の方法で合成されるホスホニウム塩(27)をカリウムt−ブトキシドのような塩基で処理して発生させたリンイリドを、アルデヒド(28)に反応させて化合物(1D)を合成する。反応条件によってはシス体が生成するので、必要に応じて公知の方法によりシス体をトランス体に異性化する。
【0028】
(V)−CHCH−の生成
化合物(1D)をパラジウム炭素のような触媒の存在下で水素化することにより、化合物(1E)を合成する。
【0029】
(VI)−C≡C−の生成
ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下で、化合物(23)に2−メチル−3−ブチン−2−オールを反応させたのち、塩基性条件下で脱保護して化合物(30)を得る。ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下、化合物(30)を化合物(22)と反応させて、化合物(1G)を合成する。
【0030】
(VII)−CHO−または−OCH−の生成
化合物(28)を水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で還元して化合物(32)を得る。これを臭化水素酸などでハロゲン化して化合物(33)を得る。炭酸カリウムなどの存在下で、化合物(33)を化合物(25)と反応させて化合物(1J)を合成する。
【0031】
これらの方法により、No.1〜No.118の化合物を製造する。
Figure 0003925288
【0032】
Figure 0003925288
【0033】
Figure 0003925288
【0034】
Figure 0003925288
【0035】
Figure 0003925288
【0036】
Figure 0003925288
【0037】
Figure 0003925288
【0038】
Figure 0003925288
【0039】
Figure 0003925288
【0040】
Figure 0003925288
【0041】
次に、本発明の組成物について説明する。
本発明の組成物は、化合物(1)の少なくとも1つを含有し、これと共重合可能な化合物を含有してもよい重合性組成物である。即ち、含有される重合性化合物のすべてが化合物(1)である重合性組成物、および化合物(1)と化合物(1)以外の重合性化合物とを含有する重合性組成物である。以下の説明では、化合物(1)以外の重合性化合物を他のモノマーと称する。他のモノマーを使用する目的は、化合物(1)との共重合によって得られる共重合体に、皮膜形成性と機械的強度を付与することである。この目的が達成されること以外に、他のモノマーを選択するための条件はない。他のモノマーは、液晶性であっても、そうでなくてもよい。本発明の重合性組成物において、化合物(1)の好ましい含有量は、組成物全量に基づく割合で5〜100モル%である。そして、この重合性組成物には、重合反応を行うに際し、必要に応じて溶媒や触媒を加えることができる。
【0042】
次に、本発明の重合体について説明する。
化合物(1)の1つを重合させると単独重合体が得られる。含有される重合性化合物が少なくとも2つの化合物(1)である重合性組成物を重合させると、化合物(1)のみの共重合体が得られる。化合物(1)と他のモノマーとを含有する重合性組成物を重合させても共重合体が得られる。これらの単独重合体および共重合体は、どれも繰り返し単位(2)を有する。繰り返し単位(2)中の記号の意味は前記の通りである。共重合体における繰り返し単位(2)の配列は、ランダム、ブロック、交互、グラフトなどのいずれであってもよい。
Figure 0003925288
【0043】
重合体(2)は、化合物(1)の1つまたは重合性組成物を熱または光により重合させて製造する。熱重合の反応温度は0〜150℃、反応時間は1〜100時間であり、通常ラジカル重合開始剤を用いる。ラジカル重合開始剤の例は、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル(MAIB)、ジt−ブチルパーオキシド(DTBPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル(ACN)などである。
【0044】
光または電子線等の照射による重合においては、通常光ラジカル重合開始剤を用いる。光ラジカル重合開始剤の例は、チバ・スペシャリティー・ケミカル(株)の製品のうちから、ダロキュアー1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、イルガキュアー184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、イルガキュアー651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、イルガキュアー500、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー1300、イルガキュアー819、イルガキュアー1700、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、ダロキュアー4265、イルガキュアー784などが挙げられる。
【0045】
光ラジカル重合開始剤のその他の例は、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物などである。
【0046】
重合体(2)は、アニオン重合法、配位重合法、またはリビング重合法によっても製造することができる。これらの重合法で用いる好ましい開始剤は、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム−トリアルキルアルミニウムなどのアルカリ金属アルキル、アルミニウム化合物、遷移金属化合物などである。
【0047】
重合反応には溶剤を用いてもよい。好ましい溶剤は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどである。これらの少なくとも2つを混合した溶剤を用いてもよい。
【0048】
次に、他のモノマーについて説明する。
他のモノマーのうち液晶性でない重合性化合物の例は、ビニル系単量体、フマル酸ジエステル、イタコン酸誘導体、イタコンアミド誘導体、マレイミド誘導体などである。これらのうちでは、化合物(1)との共重合性に優れているので、イタコン酸誘導体、イタコンアミド誘導体、およびマレイミド誘導体が好ましい。
【0049】
液晶性ではないイタコン酸誘導体の例は、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジプロピル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジペンチル、イタコン酸ジヘキシル、イタコン酸ジヘプチル、イタコン酸ジオクチル、イタコン酸ジノニル、ジイタコン酸デシル、イタコン酸ジイソプロピル、イタコン酸ジイソブチル、イタコン酸ジt−ブチル、イタコン酸ジシクロヘキシル、イタコン酸ジシクロヘキシルメチル、イタコン酸ジsec−ブチル、イタコン酸ジアダマンチル、イタコン酸ジ(ジメチルアダマンチル)、イタコン酸 α−メチル β−イソプロピル、イタコン酸 α−メチル β−t−ブチル、イタコン酸 α−イソプロピル β−メチル、イタコン酸 α−t−ブチル β−メチルなどである。
【0050】
液晶性でないイタコンアミド誘導体の例は、N−メチルイタコンアミド、N−エチルイタコンアミド、N−プロピルイタコンアミド、N−ブチルイタコンアミド、N−ペンチルイタコンアミド、N−ヘキシルイタコンアミド、N−ヘプチルイタコンアミド、N−オクチルイタコンアミド、N−ノニルイタコンアミド、N−デシルイタコンアミド、N−オクタデシルイタコンアミド、N−イソプロピルイタコンアミド、N−t−ブチルイタコンアミド、N−シクロヘキシルイタコンアミド、N−(4−メチルシクロヘキシル)イタコンアミド、N−フェニルイタコンアミド、N−(2−メチルフェニル)イタコンアミド、N−(2−エチルフェニル)イタコンアミド、N−(2−イソプロピルフェニル)イタコンアミド、N−(3−メチルフェニル)イタコンアミド、N−(4−メチルフェニル)イタコンアミド、N−(4−エチルフェニル)イタコンアミド、N−トルイルイタコンアミド、N−(2−クロロフェニル)イタコンアミド、N−(3−クロロフェニル)イタコンアミド、N−(4−クロロフェニル)イタコンアミド、N−(4−メトキシフェニル)イタコンアミド、N−(4−エトキシフェニル)イタコンアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)イタコンアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)イタコンアミドなどである。
【0051】
液晶性でないマレイミド誘導体の例は、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ペンチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−ヘプチルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ノニルマレイミド、N−デシルマレイミド、N−ウンデシルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−オクタデシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−(sec−ブチル)マレイミド、N−(t−ブチル)マレイミド、N−(1−メチルブチル)マレイミド、N−(2−メチルブチル)マレイミド、N−(3−メチルブチル)マレイミド、N−(sec−ヘキシル)マレイミド、N−(4−メチル−2−ペンチル)マレイミド、N−(sec−ヘプチル)マレイミド、N−(sec−オクチル)マレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(2−エチルフェニル)マレイミド、N−(2−イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリメチルフェニル)マレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−(3−メチルフェニル)マレイミド、N−(3−エチルフェニル)マレイミド、N−(3−トリフルオロメチルフェニル)マレイミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(4−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−エチルフェニル)マレイミド、N−(4−プロピルフェニル)マレイミド、N−(4−イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(4−ブチルフェニル)マレイミド、N−(4−ペンチルフェニル)マレイミド、N−トリフルオロメチルマレイミド、N−〔1−(トリフルオロメチル)エチル〕マレイミド、N−〔2−(トリフルオロメチル)エチル〕マレイミド、N−ヘキサフルオロイソプロピルマレイミド、N−パ−フルオロイソプロピルマレイミド、N−パ−フルオロブチルエチルマレイミド、N−パ−フルオロオクチルエチルマレイミド、N−(2−クロロエチル)マレイミド、N−(1−ブトキシ−2−プロピル)マレイミド、N−(メトキシエチル)マレイミド、N−(トリメチルシリル)マレイミド、N−(t−ブチルジメチルシリル)マレイミド、N−(ジメチルトキシシリル)マレイミド、N−(2−シアノエチル)マレイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)マレイミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシブチル)マレイミド、N−(5−ヒドロキシペンチル)マレイミド、N−(6−ヒドロキシヘキシル)マレイミド、N−(7−ヒドロキシヘプチル)マレイミド、N−(8−ヒドロキシオクチル)マレイミド、N−(9−ヒドロキシノニル)マレイミド、N−(10−ヒドロキシデシル)マレイミドなどである。
【0052】
他のモノマーとして、次に例示するような光学活性の化合物を用いることもできる。この場合は、コレステリック液晶重合体、または強誘電性液晶重合体を得ることができる。
Figure 0003925288
(これらの式におけるyは、1〜20の整数である。)
【0053】
ビニル系単量体は、重合体(2)に皮膜形成性または透明性を付与することを目的に用いられる。ビニル系単量体を選択するための条件は、この目的を達成できることのみである。ビニル系単量体の例は、オレフィン、ハロゲン化ビニル、ビニルエステル、芳香族ビニル系単量体、スチレン誘導体、ビニルエーテル、アルキルビニルケトン、ジエン、(メタ)アクリレート、イタコネート、α、β−ビニルナフタレン、N−ビニルアセトアミドなどである。オレフィンの例は、エチレン、プロピレン、イソブテンなどである。ハロゲン化ビニルの例は、塩化ビニル、フッ化ビニルなどである。ビニルエステルの例は、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニルなどである。芳香族ビニル系単量体の例は、p−t−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニルなどである。スチレン誘導体の例は、スチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、α−メチルスチレンなどである。
【0054】
ビニルエーテルの例は、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルモノビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールメチルビニルエーテルなどである。アルキルビニルケトンの例は、メチルビニルケトン、イソブチルビニルケトンなどである。ジエンの例は、ブタジエン、イソプレンなどである。(メタ)アクリレートの例は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートなどである。イタコネートの例は、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジイソプロピルイタコネートなどである。なお、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
【0055】
フマル酸ジエステルの例は、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジシクロヘキシル、フマル酸ジ(1−フェニル−2−プロピル)、フマル酸ジsec−ブチル、フマル酸ジt−ブチル、フマル酸ジ2−エチルヘキシル、フマル酸イソプロピル=エチル、フマル酸イソプロピル=プロピル、フマル酸イソプロピル=ブチル、フマル酸イソプロピル=sec−ブチル、フマル酸イソプロピル=t−ブチル、フマル酸イソプロピル=イソアミル、フマル酸イソプロピル=sec−アミル、フマル酸イソプロピル=sec−ヘキシル、フマル酸イソプロピル=4−メチル−2−ペンチル、フマル酸イソプロピル=2−エチルヘキシル、フマル酸イソプロピル=オクチル、フマル酸イソプロピル=シクロヘキシル、フマル酸イソプロピル=ノニル、フマル酸t−ブチル=sec−ブチル、フマル酸t−ブチル=シクロヘキシル、フマル酸t−ブチル=4−メチル−2−ペンチル、フマル酸t−ブチル=2−エチルヘキシル、フマル酸イソプロピル=シクロヘキシル、フマル酸イソプロピル=シクロペンチル、フマル酸イソプロピル=2−フェニル−1−エチル、フマル酸イソプロピル=3−フェニルプロピル、フマル酸イソプロピル=1−フェニル−2−プロピル、フマル酸イソプロピル=1−フェニル−1−プロピル、フマル酸イソプロピル=(トリメチルシリル)プロピル、フマル酸t−ブチル=(トリメチルシリル)プロピル、フマル酸シクロヘキシル=(トリメチルシリル)プロピル、フマル酸イソプロピル=[3−トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル、フマル酸イソプロピル=3−(ペンタメチルジシロキサニル)プロピル、フマル酸N、N−ジメチルアミノエチル=イソプロピル、フマル酸t−ブチル=1−ブトキシ−2−プロピル、フマル酸2−シアノエチル=イソプロピル、フマル酸2−ヒドロキシエチル=イソプロピル、フマル酸グリシジル=イソプロピル、フマル酸イソプロピル=ジエチルホスフォメチル、フマル酸2−メチルチオエチル=イソプロピル、フマル酸イソプロピル=2−ヒドロキシエチルチオエチル=イソプロピル、フマル酸パ−フルオロオクチルエチル=イソプロピル、フマル酸トリフルオロメチル=イソプロピル、フマル酸ペンタフルオロエチル=イソプロピル、フマル酸ヘキサフルオロイソプロピル=イソプロピルなどである。
【0056】
重合体の被膜形成能をより高めるために、多官能アクリレ−トを添加することもできる。好ましい多官能アクリレ−トは、1,4−ブタンジオ−ルジアクリレ−ト、1,6−ヘキサンジオ−ルジアクリレ−ト、1,9−ノナンジオ−ルジアクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルジアクリレ−ト、トリエチレングリコ−ルジアクリレ−ト、ジプロピレングリコ−ルジアクリレ−ト、トリプロピレングリコ−ルジアクリレ−ト、テトラエチレングリコ−ルジアクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリアクリレ−ト、トリメチロ−ルEO付加トリアクリレ−ト、ペンタエリスト−ルトリアクリレ−ト、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェ−ト、ビスフェノ−ルA EO付加ジアクリレ−ト、ビスフェノールAグリジジルエーテルジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなどである。ビスフェノールAグリジジルエーテルジアクリレートは、大阪有機化学(株)からビスコート700として市販されている。
【0057】
これらの液晶性でない他のモノマーを2つ以上用いるときには、同じ種類から選択してもよいし、異なる種類からそれぞれ少なくとも1つを選択してもよい。これらのモノマーの好ましい添加量は、化合物(1)に対する割合で0.5〜50モル%である。十分な被膜形成力を得るための好ましい割合は、0.5モル%以上である。重合性組成物が液晶性を有するための好ましい割合は、50モル%以下である。
【0058】
他のモノマーとして、液晶性の骨格を有する重合性化合物を用いてもよい。この重合性化合物の例は、アクリル酸誘導体(LC−1)、フマル酸誘導体(LC−2)、ソルビン酸誘導体(LC−3)、マレイミド誘導体(LC−4)、クロトン酸誘導体(LC−5)などである。これらの液晶性化合物を用いることにより、得られる重合体の液晶相温度範囲を調節することができる。
【0059】
(LC−1)の例を次に示す。
Figure 0003925288
(上記の式におけるyは、1〜20の整数である。)
【0060】
(LC−2)の例を次に示す。これらの式において、Rは炭素数1〜15のアルキルであり、Rはメチル、エチル、2−メチルブチル、プロピル、オクチル、イソプロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、4−ブチルシクロヘキシル、ノルボルニル、またはアダマンチルであり、yは1〜20の整数である。
Figure 0003925288
【0061】
次に、(LC−3)〜(LC−5)の例を示す。これらの式におけるyは、1〜20の整数である。
Figure 0003925288
【0062】
これらの液晶性の骨格を有する他のモノマーを2つ以上用いるときには、同じ種類から選択してもよいし、異なる種類からそれぞれ少なくとも1つを選択してもよい。重合性組成物におけるこれらのモノマーの好ましい含有量は、組成物全量に基づいて0.5〜95モル%である。液晶温度範囲の調整が可能であるために好ましい割合が、0.5モル%以上である。そして、共重合体が得られるために好ましい割合が、95モル%以下である。
【0063】
重合体(2)が単離される場合には、これを溶剤に溶かして成形することができる。このとき用いる好ましい溶剤は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール、テトラヒドロフラン、クロロホルム、1,4−ジオキサン、ビス(メトキシエチル)エーテル、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸エチル、ヘキサフルオロ−2−プロパノールなどである。しかし、使用可能な溶剤はこれらに制限されない。これらの溶剤と、アセトン、ベンゼン、トルエン、ヘプタン、塩化メチレンなどの一般的な有機溶剤との混合物も用いることができる。
【0064】
重合体(2)は、液晶性を有するので、各種の保護膜、光学補償膜、光書き込み記録材料などへの応用が可能である。光学補償膜の例は位相差フィルムである。重合体(2)は光学異方性薄膜とすることができるので、これを単独で位相差フィルムとして用いるか、または他の位相差フィルムと組み合わせることができる。そしてこの位相差フィルムを、偏光板、円偏光板、楕円偏光板、色補償板、視覚補償板などに応用することができる。偏光板、円偏光板、楕円偏光板、色補償板、視覚補償板なども、光学補償膜の例である。化合物(1)から光重合により得られる重合体は、熱重合により得られる重合体と同様な用途の他、偏光を用いることによって、ラビングレスの配向膜に応用することができる。
【0065】
液晶ディスプレーに用いられる位相差板は、重合体(2)を有機溶剤に溶解したものを配向処理した透明基板に塗布し、これをガラス転移点以上の温度に加熱し、次いで放冷することにより、均一に配向した重合体の薄膜(光学異方性薄膜)を形成させて製造する。透明基板は、ガラス板または高分子フィルムである。高分子フィルムの例は、トリアセチルセルロース、JSR(株)製の「アートン」、日本ゼオン(株)製の「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井化学(株)製の「アペル」などである。好ましい塗布方法は、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコード法、デップコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法などである。
【0066】
光学異方性薄膜の厚さは所望の位相差値により異なり、その位相差値は光学異方性薄膜の複屈折率により異なる。好ましい位相差値は大体0.05〜50μmの範囲であり、より好ましい位相差値は大体0.1〜20μmの範囲である。そして、さらに好ましい位相差値は大体0.5〜10μmの範囲である。光学異方性薄膜のヘイズ値は、1.5%以下、より好ましくは1.0%以下であり、透過率で80%以上、より好ましくは85%以上である。可視光領域で透過率がこれらの割合を満たすことが好ましい。ヘイズ値の範囲1.5%以下は、偏光性能に問題を生じさせないために好ましい条件である。透過率の範囲80%以上は、この光学異方性薄膜を液晶表示素子に用いるとき、明るさを維持するために好ましい条件である。
【0067】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。実施例中に記載した相転移温度において、Cは結晶、Nはネマチック相、Chはコレステリック相、SmAはスメクチックA相、SmXは未同定のスメクチック相、Iは等方性液体、Tmは重合体の融点を示す。重合体の重量平均分子量(Mw)、多分散度(Mw/Mn)は、GPC(ゲル・パーミェーション・クロマトグラフィー)による測定値(排除限界1000万のカラムを用い、分子量公知の標準ポリスチレンから換算)から算出した。なお、単位記号Lはリットル(liter)を示す。
【0068】
実施例1
(1-1)第1段階
<イタコン酸 β−モノエステルの製造>
無水イタコン酸(250g)、イソプロピルアルコ−ル(135g)をフラスコに仕込み、100℃で6時間加熱攪拌した。室温まで冷却した後、蒸留によって200gのイタコン酸 β−モノイソプロピルを得た。
沸点:140〜160℃/26.6hPa、融点:47℃
【0069】
上記の方法に準じ、イタコン酸 β−モノシクロヘキシル(融点:85〜87℃)、およびイタコン酸 β−モノ(4−ブチルシクロヘキシル)(融点:96〜98℃)を得た。これらの他、イタコン酸 β−モノメチル、イタコン酸 β−モノエチル、およびイタコン酸 β−モノブチルを、市販品を再結晶することによって更に精製した。
【0070】
(1-2)第2段階
<液晶骨格(1)の製造>
(i)4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)フェノ−ル(30g)、6−ブロモヘキサノ−ル(27.3g)、炭酸カリウム(39g)をジメチルホルムアミド(300ml)に加え、90℃で3時間攪拌した。反応液を3Nの塩酸1Lに注ぎ込んで結晶を析出させ、これを濾過して分取した。得られた結晶を水でよく洗浄した後、乾燥して32gの4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ベンゼンを得た。その相転移温度はC 61 SmX 69 Iであった。
【0071】
前記と同様の方法により、以下の化合物を製造した。
(ii)4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)−(3−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンゼン
相転移温度:C 室温以下 SmX 68 I
(iii)2−(4−n−ノニルオキシフェニル)−5−(6−ヒドロキシオクチルオキシ)ピリミジン
相転移温度:C 53 SmX 87 I
(iv)4−[2−(4−n−ペンチルフェニル)エチニル]−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ベンゼン
相転移温度:C 82 N 92.6 I
(v)2−[2−(4−n−ペンチルフェニル)エチニル]−6−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ナフタレン
相転移温度:C 115 N 140 I
(vi)2−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)−6−(4−プロピルフェニル)ナフタレン
融点:147℃
(vii)4−[4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ベンゼン
相転移温度:C 188 N 199.7 I
(viii)2−(4−ヘキシルフェニル)−5−[4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)フェニル]ピリジン
相転移温度: C 180 SmA 200 N 203 I
【0072】
(1-3)第3段階
<液晶性イタコン酸誘導体の製造>
イタコン酸 β−エチル α−6−[4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)フェニル−4−イルオキシ]ヘキシル(化合物No.4)の製造
Figure 0003925288
4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ベンゼン(5g)、イタコン酸 β−モノエチル(2.5g)を塩化メチレン(100ml)に溶かして5℃まで冷やし、そこへジメチルアミノピリジン(0.1g)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(3g)を加え、室温で12時間攪拌した。得られた反応液に水50mlを加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−で精製した。更に、エタノ−ルと酢酸エチルの混合溶剤を用いて再結晶を行い、1.7gの化合物No.4を得た。この化合物は液晶性を有する。
H−NMR(CDCl、90MHz):δ(ppm):0.88(3H、t、J=6Hz)、1.22(3H、t、J=7.2Hz)、1.1〜2.1(22m)、3.31(2H、s)、3.91(2H、t、J=6.3Hz)、4.15(2H、t、J=6.3Hz)、4.12(2H、q、J=7.2Hz)、5.67(1H、s)、6.29(1H、s)、6.79(2H、d、J=8.8Hz)、7.10(2H、d、J=8.8Hz)
相転移温度:C 97.5 SmX 110 SA 119 I
【0073】
実施例2
実施例1の方法に準じ、以下のイタコン酸誘導体を製造した。
(i)化合物No.8
Figure 0003925288
H−NMR(CDCl、90MHz):δ(ppm):0.88(3H、t、J=6Hz)、1.28(6H、d、J=6.3Hz)、1.1〜2.1(22m)、3.29(2H、s)、3.92(2H、t、J=6.3Hz)、4.16(2H、t、J=6.3Hz)、5.01(1H、m)、5.67(1H、d、J=1Hz)、6.29(1H、d、J=1Hz)、6.79(2H、d、J=8.8Hz)、7.10(2H、d、J=8.8Hz)
油状物
【0074】
(ii)化合物No.9
Figure 0003925288
H−NMR(CDCl、90MHz):δ(ppm):0.88(3H、t、J=6Hz)、0.8〜2.1(41m)、3.31(2H、s)、3.92(2H、t、J=6.3Hz)、4.13(2H、t、J=6.3Hz)、5.79(1H、d、J=1Hz)、6.41(1H、d、J=1Hz)、6.79(2H、d、J=8.8Hz)、7.10(2H、d、J=8.8Hz)
油状物
【0075】
(iii)化合物No.42
Figure 0003925288
H−NMR(CDCl、90MHz):δ(ppm):0.88(3H、t、J=6Hz)、1.22(3H、t、J=7.2Hz)、1.2〜1.9(14H、m)、2.60(2H、t、J=8Hz)、3.32(2H、s)、3.96(2H、t、J=8Hz)、4.15(2H、q、J=7.2Hz)、4.17(2H、t、J=8Hz)、5.68(1H、d、J=1Hz)、6.31(1H、d、J=1Hz)、6.84(2H、d、J=9.0Hz)、7.13(2H、d、J=9.0Hz)、7.42(2H、d、J=9.0Hz)、7.44(2H、d、J=9.0Hz)
油状物
【0076】
(iv)化合物No.81
Figure 0003925288
H−NMR(CDCl、90MHz):δ(ppm):0.87(3H、t、J=6Hz)、0.80〜2.00(35H、m)、3.47(2H、s)、3.92(2H、t、J=8Hz)、4.14(2H、q)、4.16(2H、t、J=8Hz)、5.68(1H、d、J=1Hz)、6.31(1H、d、J=1Hz)、6.80(2H、d、J=9Hz)、7.10(2H、d、J=9Hz)
相転移温度:C 室温以下 SmA 176 N 180 I
【0077】
実施例3
<ラジカル重合による化合物No.4の重合体の製造>
化合物No.4(0.6g)、ジt−ブチルパ−オキシド(0.0041g)をアンプルにとり、−60℃に冷却して真空ポンプで十分脱気を行った後、封管した。封管したアンプルを70℃で48時間反応させた。アンプル内の内容物をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、メタノ−ル(100ml)に投入して沈殿させた。この操作を3回行った後、メタノ−ルで十分洗浄し、減圧下で乾燥させ、0.4gの重合体(P1)を得た。
重量平均分子量(M):24,000
多分散度(Mw/Mn):1.44
相転移温度:Tm 200 N 250 I
重合体(P1)は、ネマチック液晶相を有する重合体であった。
【0078】
実施例4
<光重合による化合物No.4の重合体フィルムの製造>
化合物No.4(100mg)、および光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(4mg)からなる組成物を調製した。セルギャップが50μmとなるように、ポリフッ化エチレン製の板とガラス板を張り合わせたセルを作製した。この組成物をセルに110℃で注入した。同温度を保持したまま、高圧水銀灯(120W/cm)を用いて、ガラス面側から5分間紫外線を照射した。照射後、セルを室温に戻し、ガラス板とポリフッ化エチレン製の板を剥離して、重合体フィルム(LCF1)を得た。このフィルムは、ムラがなくネマチック相を有する液晶重合体であった。そして、この重合体の重量平均分子量は、20,000であった。
<重合体フィルム(LCF1)の物性評価>
表面硬度:JIS規格「JIS−K−54008.4、鉛筆引っ掻き試験」により求めたこのフィルムの鉛筆硬度はHであり、アクリル系重合体よりも表面硬度が高いことが判った。
耐光性:このフィルムを室外に放置して耐光性試験を行った結果、1ヶ月経過後もこのフィルムに曇りや色つきはなく、光による重合体構造の劣化は確認されなかった。
【0079】
実施例5
<液晶配向膜の製造>
重合体(P1)をクロロホルムに溶解して1重量%の溶液を調製した。この溶液をITO膜を有するガラス基板にスピンコ−トした後、十分乾燥させ薄膜を得た(膜厚30nm)。次に、ラビングによる配向処理を行い、ツイステッドネマチック用の液晶表示素子を作製した。偏光板を取り付け、液晶配向性、電気光学応答性を調べた。その結果、液晶が均一に配向しており、本発明の重合体が配向膜として優れていることが判った。また電界に対する光学応答も早く、液晶表示素子として優れていることが判った。
【0080】
【発明の効果】
化合物(1)は重合反応性が高く、これを単独重合または共重合させることにより高分子量の重合体(2)を得ることができる。重合体(2)は液晶性を有し、さらに耐熱性、耐光性および機械的強度をも有している。重合体(2)は位相差フィルムなどの光学補償膜、液晶配向膜、光書き込み記録材料などに使用できる。

Claims (13)

  1. 式(1)で表されるイタコン酸誘導体。
    Figure 0003925288
    この式において、Rは水素、フッ素、塩素、−NCO、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の−CH−は−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよく、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Rは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよく;A、AおよびAは、独立して、1,4−シクロへキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり;ZおよびZは、独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−CHCH−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;mは1または0であり、nは1〜20の整数である。
  2. 式(1)においてmが0である、請求項1に記載のイタコン酸誘導体。
  3. 式(1)においてmが1である、請求項1に記載のイタコン酸誘導体。
  4. 少なくとも2つの重合性化合物を含有し、その少なくとも1つが請求項1に記載のイタコン酸誘導体である重合性組成物。
  5. 重合性化合物のすべてが請求項1に記載のイタコン酸誘導体である、請求項4に記載の重合性組成物。
  6. 請求項1に記載のイタコン酸誘導体の少なくとも1つと、請求項1に記載のイタコン酸誘導体以外の重合性化合物の少なくとも1つとを含有する、請求項4に記載の重合性組成物。
  7. 式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体。
    Figure 0003925288
    この式において、Rは水素、フッ素、塩素、−NCO、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の−CH−は−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよく、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Rは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよく;A、AおよびAは、独立して、1,4−シクロへキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり;ZおよびZは、独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−CHCH−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;mは1または0であり、nは1〜20の整数である。
  8. 請求項1に記載のイタコン酸誘導体の1つを単独重合させて得られる、請求項7に記載の重合体。
  9. 請求項5に記載の重合性組成物から得られる、請求項7に記載の重合体。
  10. 請求項6に記載の重合性組成物から得られる、請求項7に記載の重合体。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の重合体を含有する光学補償膜。
  12. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の重合体を含有する光書き込み記録材料。
  13. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の重合体を含有する液晶配向膜。
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