JP4296761B2 - N−置換マレイミドおよびその重合体 - Google Patents
N−置換マレイミドおよびその重合体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶性のマレイミド誘導体、その重合体および重合体の用途に関する。この重合体は液晶表示素子の構成要素である光学補償膜、光書き込み記録材料、液晶配向膜などに利用できる。
【0002】
【従来の技術】
側鎖に液晶性の基を有する重合体は、位相差フィルムなどの光学異方性体フィルム(例えば、特許文献1参照。)、液晶配向膜(例えば、特許文献2参照。)、偏光ビームスプリッター(例えば、特許文献3参照。)、リライタブル記録媒体などの光記録材料(例えば、特許文献4参照。)に利用されている。従来からこのような用途には、重合が容易なアクリレートの重合体が用いられてきた。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−208957号公報
【特許文献2】
特開昭62−70407号公報
【特許文献3】
特開平11−100575号公報
【特許文献4】
特開平10−62739号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アクリレート(例えば、AC1)を重合して得られる単独重合体は、耐熱性、機械的強度などが低い欠点があった。そこで、多官能アクリレートとの共重合を行うなどの化学的な方法や、フィラーを添加するなどの方法により、耐熱性、機械的強度などの向上が試みられている。
【0005】
本発明の第一の目的は、重合反応性が高いマレイミド誘導体を提供することである。第二の目的は、液晶性を有し、優れた耐光性、耐熱性および機械的強度を有する重合体を提供することである。第三の目的は、この重合体からなる光学補償膜、光書き込み記録材料および液晶配向膜を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題を根本的に解決すべく鋭意検討した結果、特定のマレイミド誘導体から得られる重合体が、液晶性を有し、優れた耐熱性、耐光性および機械的強度を有することを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成した。本発明は下記の構成からなる。
[1]式(1)で表されるマレイミド誘導体。
この式において、R1は水素、フッ素、塩素、−NCO、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;A1、A2、A3、およびA4は、独立して、1,4−シクロへキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲンまたはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはフルオレン−2,7−ジイルであり;Z1およびZ2は、独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;Z3は、独立して、−COO−、−OCO−または−O−であり;mは1または0であり、nは1〜20の整数である。
[2]式(1)においてmが0である、[1]に記載のマレイミド誘導体。
[3]式(1)においてmが1である、[1]に記載のマレイミド誘導体。
[4]式(a)〜(f)で表されるマレイミド誘導体。
この式において、R1は水素、フッ素、塩素、−NCO、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;A1、A2、A3、およびA4は、独立して、1,4−シクロへキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲンまたはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはフルオレン−2,7−ジイルであり;Z1およびZ2は、独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;Z3は、独立して、−COO−、−OCO−または−O−であり;mは1または0であり、nは1〜20の整数である。
[5]少なくとも2つの重合性化合物を含有し、少なくとも1つの重合性化合物が[1]に記載のマレイミド誘導体である重合性組成物。
[6]重合性化合物のすべてが[1]に記載のマレイミド誘導体である、[5]に記載の重合性組成物。
[7][1]に記載のマレイミド誘導体の少なくとも1つと、該マレイミド誘導体以外の重合性化合物の少なくとも1つとを含有する、[5]に記載の重合性組成物。
[8]式(2)で表される構成単位を有する重合体。
この式において、R1は水素、フッ素、塩素、−NCO、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;A1、A2、A3、およびA4は、独立して、1,4−シクロへキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲンまたはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはフルオレン−2,7−ジイルであり;Z1およびZ2は、独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;Z3は、独立して、−COO−、−OCO−または−O−であり;mは1または0であり、nは1〜20の整数である。
[9][1]に記載のマレイミド誘導体の1つを単独重合させて得られる、[8]に記載の重合体。
[10][6]に記載の重合性組成物から得られる、[8]に記載の重合体。
[11][7]に記載の重合性組成物から得られる、[8]に記載の重合体。
[12][8]〜[11]のいずれか1項に記載の重合体を含有する光学補償膜。
[13][8]〜[11]のいずれか1項に記載の重合体を含有する光書き込み記録材料。
[14][8]〜[11]のいずれか1項に記載の重合体を含有する液晶配向膜。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下の説明においては、式(1)で表されるマレイミド誘導体を、化合物(1)と表記することがある。式(2)で表される構成単位を、構成単位(2)と表記することがある。構成単位(2)を有する重合体を、重合体(2)と表記することがある。下記の基を液晶骨格と表記することがある。
なお、本発明において、化学式中に存在する複数の同じ基のうちから、特定の基を選択する場合に用いる用語「任意の」は、その基の位置だけでなく、個数についても任意であることを示す。
【0008】
化合物(1)および重合体(2)は次の特徴を有する。
(i)化合物(1)は、光や水分などに不安定な基であるアゾ、ジアゾ、アゾキシなどを含まない。
(ii)化合物(1)は、重合性のマレイミド基と立体的に大きな液晶骨格との間にα,ω−アルキレン鎖を有する。立体的な込み合いがないので、化合物(1)は高い重合反応性を有する。
(iii)化合物(1)の重合反応性が高いので高分子量の重合体が得られる。その結果、重合体(2)は高い耐熱性や機械的強度を有する。
(iv)液晶骨格が主鎖から離れており、主鎖の立体障害を受けにくいため、重合体(2)は液晶性を発現しやすい。その結果、重合体(2)は液晶相の広い温度範囲を有している。
(v)液晶骨格が光に安定であるため、重合体(2)も耐光性に優れている。
このように重合体(2)は、従来の液晶性アクリレートの重合体にはない優れた物性を有する。
【0009】
まず、本発明のマレイミド誘導体について説明する。本発明のマレイミド誘導体は、式(1)で表される。
この式中のR1は、水素、フッ素、塩素、−NCO、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよい。このアルキル中の任意複数の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、および−CO−のうちのそれぞれ異なる基で置き換えられてもよい。その一例は、−O−CH2CH2−COO−である。しかし、連続している2つの−CH2−が、−O−O−、−O−S−、または−S−S−のように置き換えられることはない。このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。ハロゲンは塩素またはフッ素であり、好ましいハロゲンはフッ素である。
【0010】
好ましいR1は、水素、フッ素、塩素、−NCO、炭素数1〜3のフッ素化アルキル、炭素数1〜3のフッ素化アルキルオキシ、炭素数1〜12の直鎖のアルキル、および炭素数1〜12の直鎖のアルコキシである。好ましいフッ素化アルキルおよびフッ素化アルキルオキシは、−CF3、−CF2H、−OCF3、および−OCF2Hである。好ましいアルキルおよびアルコキシは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、およびデシルオキシである。R1が−CF3、−OCF3、−NCO、フッ素、または塩素であるときの液晶骨格は、化合物(1)が正の誘電率異方性を有し易い構造である。化合物(1)の特性は、重合体(2)の特性に相関する。
【0011】
式(1)中のA1〜A4は環構造の2価基である。好ましいA1、A2またはA3の例を次に示す。
好ましいA4の例を次に示す。
【0012】
式(1)中のZ1およびZ2は結合基である。好ましいZ1またはZ2は、単結合、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、−OCH2−、および−CH2CH2−である。化合物(1)において、Z1およびZ2の少なくとも1つが、単結合、−COO−、−OCO−、または−C≡C−である場合は、光学異方性の大きな重合体が得られる傾向がある。Z1およびZ2の少なくとも1つが、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、−OCH2−、または−CH2CH2−である場合は、液晶骨格の分子間力が減少する傾向があるので、比較的小さい粘度の重合体が得られる。
【0013】
A1〜A3とZ1およびZ2の組み合わせについて説明する。室温において重合体(2)が比較的低い温度領域に液晶相を有するためには、液晶骨格においてmが0であることが好ましい。mが1である液晶骨格は3つの環を有する。3環の液晶骨格を有する重合体(2)は、液晶相の上限温度が一般的に高い。
【0014】
式(1)中のA4は特定の環である。マレイミドの窒素原子に該環が直接結合しており、このN−置換マレイミド部位が化合物全体の剛直性を増大させている。従って、化合物(1)の重合体(2)は、大きい機械的強度、良好な熱的安定性、高い融点、および比較的高いガラス転移点を有する。この剛直性は液晶相の安定化に寄与する。重合体(2)は比較的高温度側に液晶相を有する。A4は前記のいずれの環構造でもよい。好ましいA4は、製造のし易さからベンゼン環である。
【0015】
式(1)中のZ3は−COO−、−OCO−および−O−のいずれでもよい。Z3が−COO−、−OCOである場合、重合体(2)はより高温度側に液晶相を有する傾向がある。Z3が−O−である場合、重合体(2)は比較的低温度側に液晶相を有する。目的に応じてZ3の構造を適切に選択することによって物性を最適化できる。
【0016】
重合体(2)が液晶相を有するためには、式(1)中のnは1〜20の整数であることが好ましい。より好ましいnは3〜11である。化合物(1)が1,4−シクロへキシレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルを有する場合には、その立体配置はシス型よりトランス型が好ましい。化合物の物性に大きな差異がないので、化合物(1)は2H(重水素)、13Cなどの同位体を天然存在比の割合より多く含んでもよい。
【0017】
化合物(1)の好ましい例は化合物(1−1)〜(1−34)である。
【0018】
【0019】
これらの式中のR1、A1、A2およびA3の意味は、前記と同じである。
【0020】
化合物(1)のさらに好ましい例は化合物(1−1)〜(1−34)において、A1が1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、A2が1,4−フェニレンまたは少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンである。A2が1,4−フェニレンであると相溶性の点で好ましい。A2が少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンであると大きな誘電率異方性の点で好ましい。
【0021】
次に、化合物(1)の製造方法について説明する。
(Z3が−OCO−である化合物(1)の製造方法)
化合物(1)は、次の方法に従って製造できる。先ず、無水マレイン酸とパラ置換アニリン誘導体との反応によってカルボン酸[a]を製造する。続いてカルボン酸[a]の分子内縮合反応によりN−4−ヒドロキシフェニルマレイミド[b]またはN−4−カルボキシフェニルマレイミド[b]を製造する。液晶骨格を有し末端がヒドロキシル基である化合物とω−ブロモアルカノールとを、塩基を用いてエーテル化することにより、アルコール[c]を製造する。塩基の例は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウムなどである。YがCOOHであるフェニルマレイミド[b]とアルコール[c]とをエステル化反応により、化合物(1)を製造する。
【0022】
(Z3が−O−である化合物(1)の製造方法)
またYがOHであるフェニルマレイミド[b]の場合は、光延反応により化合物(1)を製造する。
【0023】
(Z3が−COO−である化合物(1)の製造方法)
液晶骨格を有し末端がヒドロキシル基である化合物とω−ブロモアルカン酸とを、塩基を用いてエーテル化することにより、カルボン酸[d]を製造する。塩基の例は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウムなどである。Y=OHのフェニルマレイミド[b]とカルボン酸[d]とをエステル化反応により化合物(1)を製造する。
以 上
【0024】
【0025】
この他、出発物質に目的の末端基、環および結合基を導入する方法は、ホーベン−ワイル(Houben-Wyle, Methods of Organic Chemistry, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック・シンセシーズ(Organic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wily & Sons Inc.)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載されている。
【0026】
結合基Z1またはZ2を生成する方法の一例に関して、最初にスキームを示し、次に項(I)〜項(VII)でスキームを説明する。これらのスキームにおいて、MSG1およびMSG2はどちらも、少なくとも1つの環を有する1価の有機基である。スキームに示されている複数のMSG1(またはMSG2)は、同一であってもよいし、異なってもよい。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
(I)単結合の生成
アリールホウ酸(21)と公知の方法で合成される化合物(22)とを、炭酸塩水溶液とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で反応させて化合物(1A)を合成する。この化合物(1A)は、公知の方法で合成される化合物(23)にn−ブチルリチウムを、次いで塩化亜鉛を反応させ、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で化合物(22)を反応させることによっても合成される。
【0031】
(II)−COO−と−OCO−の生成
化合物(23)にn−ブチルリチウムを、続いて二酸化炭素を反応させてカルボン酸(24)を得る。カルボン酸(24)と、公知の方法で合成されるフェノール(25)とをDCC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)とDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で脱水させて−COO−を有する化合物(1B)を合成する。この方法によって、−OCO−を有する化合物も合成できる。
【0032】
(III)−CF2O−と−OCF2−の生成
化合物(1B)をローソン試薬のような硫黄化剤で処理して化合物(26)を得る。化合物(26)をフッ化水素ピリジン錯体とNBS(N−ブロモスクシンイミド)でフッ素化し、−CF2O−を有する化合物(1C)を合成する。M. Kuroboshi et al., Chem. Lett., 1992,827.を参照。化合物(1C)は化合物(26)を(ジエチルアミノ)サルファ トリフルオリドでフッ素化しても合成される。William H. Bunnelle et al., J. Org. Chem. 1990, 55, 768.を参照。この方法によって、−OCF2−を有する化合物も合成できる。
【0033】
(IV)−CH=CH−の生成
化合物(23)をn−ブチルリチウムで処理したのち、N,N−ジメチルホルムアミドなどのホルムアミドと反応させてアルデヒド(28)を得る。公知の方法で合成されるホスホニウム塩(27)をカリウムt−ブトキシドのような塩基で処理して発生させたリンイリドを、アルデヒド(28)に反応させて化合物(1D)を合成する。反応条件によってはシス体が生成するので、必要に応じて公知の方法によりシス体をトランス体に異性化する。
【0034】
(V)−CH2CH2−の生成
化合物(1D)をパラジウム炭素のような触媒の存在下で水素化することにより、化合物(1E)を合成する。
【0035】
(VI)−C≡C−の生成
ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下で、化合物(23)に2−メチル−3−ブチン−2−オールを反応させたのち、塩基性条件下で脱保護して化合物(30)を得る。ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下、化合物(30)を化合物(22)と反応させて、化合物(1G)を合成する。
【0036】
(VII)−CH2O−または−OCH2−の生成
化合物(28)を水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で還元して化合物(32)を得る。これを臭化水素酸などでハロゲン化して化合物(33)を得る。炭酸カリウムなどの存在下で、化合物(33)を化合物(25)と反応させて化合物(1J)を合成する。
【0037】
次に、本発明の重合性組成物について説明する。
本発明の重合性組成物は、化合物(1)の少なくとも1つを含有する。この組成物は化合物(1)と共重合可能な化合物を含有してもよい。即ち、含有される重合性化合物のすべてが化合物(1)である重合性組成物、および化合物(1)と化合物(1)以外の重合性化合物とを含有する重合性組成物である。化合物(1)のみを重合性組成物として取り扱う。以下の説明では、化合物(1)以外の重合性化合物を他のモノマーと称する。他のモノマーを使用する目的は、化合物(1)との共重合によって得られる共重合体に、皮膜形成性と機械的強度を付与することである。他のモノマーは目的に応じて選択できる。他のモノマーは、液晶性であっても、そうでなくてもよい。本発明の重合性組成物において、化合物(1)の好ましい含有量は、組成物全量に基づく割合で5〜100モル%である。そして、この重合性組成物には、重合反応を行うに際し、必要に応じて溶剤や触媒を加えることができる。
【0038】
次に、本発明の重合体について説明する。
化合物(1)の1つのみを重合させると単独重合体が得られる。少なくとも2つの化合物(1)を含有する重合性組成物を重合させると、化合物(1)の共重合体が得られる。化合物(1)と他のモノマーとを含有する重合性組成物を重合させても共重合体が得られる。これらの単独重合体および共重合体は、いずれも下記の構成単位(2)を有する。重合体(2)は、側鎖に液晶骨格を有するため液晶相を有し易い。構成単位(2)中の記号の意味は前記の通りである。共重合体における構成単位(2)の配列は、ランダム、ブロック、交互、グラフトなどのいずれであってもよい。
【0039】
重合体(2)は、重合性組成物を熱または光により重合させて製造する。熱重合の反応温度は0〜150℃、反応時間は1〜100時間であり、通常ラジカル重合開始剤を用いる。ラジカル重合開始剤の例は、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル(MAIB)、ジt−ブチルパーオキシド(DTBPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル(ACN)などである。
【0040】
光または電子線等の照射による重合においては、通常光ラジカル重合開始剤を用いる。光ラジカル重合開始剤の例は、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)の製品のうちから、ダロキュアー1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、イルガキュアー184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、イルガキュアー651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、イルガキュアー500、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー1300、イルガキュアー819、イルガキュアー1700、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、ダロキュアー4265、イルガキュアー784などが挙げられる。
【0041】
光ラジカル重合開始剤のその他の例は、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物などである。
【0042】
重合体(2)は、アニオン重合法、配位重合法またはリビング重合法によっても製造することができる。アニオン重合法、配位重合法またはリビング重合法で用いる好ましい触媒は、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム−トリアルキルアルミニウムなどのアルカリ金属アルキル、アルミニウム化合物、遷移金属化合物などである。
【0043】
重合反応には溶剤を用いてもよい。好ましい溶剤は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどである。これらの少なくとも2つを混合した溶剤を用いてもよい。
【0044】
次に、他のモノマーについて説明する。
他のモノマーのうち液晶性でない重合性化合物の例は、ビニル系単量体、フマル酸ジエステル、化合物(1)ではないマレイミド誘導体などである。これらのうちでは、化合物(1)との共重合性に優れているので、化合物(1)ではないマレイミド誘導体が好ましい。
【0045】
化合物(1)ではないマレイミド誘導体のうち、非液晶性のマレイミド誘導体の例は、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ペンチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−ヘプチルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ノニルマレイミド、N−デシルマレイミド、N−ウンデシルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−オクタデシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−(sec−ブチル)マレイミド、N−(t−ブチル)マレイミド、N−(1−メチルブチル)マレイミド、N−(2−メチルブチル)マレイミド、N−(3−メチルブチル)マレイミド、N−(sec−ヘキシル)マレイミド、N−(4−メチル−2−ペンチル)マレイミド、N−(sec−ヘプチル)マレイミド、N−(sec−オクチル)マレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(2−エチルフェニル)マレイミド、N−(2−イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリメチルフェニル)マレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−(3−メチルフェニル)マレイミド、N−(3−エチルフェニル)マレイミド、N−(3−トリフルオロメチルフェニル)マレイミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(4−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−エチルフェニル)マレイミド、N−(4−プロピルフェニル)マレイミド、N−(4−イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(4−ブチルフェニル)マレイミド、N−(4−ペンチルフェニル)マレイミド、N−トリフルオロメチルマレイミド、N−〔1−(トリフルオロメチル)エチル〕マレイミド、N−(3,3,3−トリフルオロプロピル)マレイミド、N−ヘキサフルオロイソプロピルマレイミド、N−パーフルオロイソプロピルマレイミド、N−パーフルオロブチルエチルマレイミド、N−パーフルオロオクチルエチルマレイミド、N−(2−クロロエチル)マレイミド、N−(1−ブトキシ−2−プロピル)マレイミド、N−(メトキシエチル)マレイミド、N−(トリメチルシリル)マレイミド、N−(t−ブチルジメチルシリル)マレイミド、N−(ジメチルトキシシリル)マレイミド、N−(2−シアノエチル)マレイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)マレイミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシブチル)マレイミド、N−(5−ヒドロキシペンチル)マレイミド、N−(6−ヒドロキシヘキシル)マレイミド、N−(7−ヒドロキシヘプチル)マレイミド、N−(8−ヒドロキシオクチル)マレイミド、N−(9−ヒドロキシノニル)マレイミド、N−(10−ヒドロキシデシル)マレイミドなどである。
【0046】
化合物(1)ではない光学活性なマレイミド誘導体(OPM−1)〜(OPM−5)も、化合物(1)の共重合の相手として用いることができる。yは1〜20の整数である。
【0047】
ビニル系単量体は、重合体(2)に皮膜形成性または透明性を付与することを目的に用いられる。ビニル系単量体は目的に応じて選択できる。好ましいビニル系単量体は、オレフィン、ハロゲン化ビニル、ビニルエステル、芳香族ビニル系単量体、スチレン誘導体、ビニルエーテル、アルキルビニルケトン、ジエン、(メタ)アクリレート、イタコネート、α,β−ビニルナフタレン、N−ビニルアセトアミドなどである。オレフィンの例は、エチレン、プロピレン、イソブテンなどである。ハロゲン化ビニルの例は、塩化ビニル、フッ化ビニルなどである。ビニルエステルの例は、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニルなどである。芳香族ビニル系単量体の例は、p−t−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニルなどである。スチレン誘導体の例は、スチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、α−メチルスチレンなどである。
【0048】
ビニルエーテルの例は、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールメチルビニルエーテルなどである。アルキルビニルケトンの例は、メチルビニルケトン、イソブチルビニルケトンなどである。ジエンの例は、ブタジエン、イソプレンなどである。(メタ)アクリレートの例は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートなどである。イタコネートの例は、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジイソプロピルイタコネートなどである。なお、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
【0049】
フマル酸ジエステルの例は、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジシクロヘキシル、フマル酸ジ(1−フェニル−2−プロピル)、フマル酸ジsec−ブチル、フマル酸ジt−ブチル、フマル酸ジ2−エチルヘキシル、フマル酸イソプロピル=エチル、フマル酸イソプロピル=プロピル、フマル酸イソプロピル=ブチル、フマル酸イソプロピル=sec−ブチル、フマル酸イソプロピル=t−ブチル、フマル酸イソプロピル=イソアミル、フマル酸イソプロピル=sec−アミル、フマル酸イソプロピル=sec−ヘキシル、フマル酸イソプロピル=4−メチル−2−ペンチル、フマル酸イソプロピル=2−エチルヘキシル、フマル酸イソプロピル=オクチル、フマル酸イソプロピル=シクロヘキシル、フマル酸イソプロピル=ノニル、フマル酸t−ブチル=sec−ブチル、フマル酸t−ブチル=シクロヘキシル、フマル酸t−ブチル=4−メチル−2−ペンチル、フマル酸t−ブチル=2−エチルヘキシル、フマル酸イソプロピル=シクロヘキシル、フマル酸イソプロピル=シクロペンチル、フマル酸イソプロピル=2−フェニル−1−エチル、フマル酸イソプロピル=3−フェニルプロピル、フマル酸イソプロピル=1−フェニル−2−プロピル、フマル酸イソプロピル=1−フェニル−1−プロピル、フマル酸イソプロピル=(トリメチルシリル)プロピル、フマル酸t−ブチル=(トリメチルシリル)プロピル、フマル酸シクロヘキシル=(トリメチルシリル)プロピル、フマル酸イソプロピル=[3−トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル、フマル酸イソプロピル=3−(ペンタメチルジシロキサニル)プロピル、フマル酸N、N−ジメチルアミノエチル=イソプロピル、フマル酸t−ブチル=1−ブトキシ−2−プロピル、フマル酸2−シアノエチル=イソプロピル、フマル酸2−ヒドロキシエチル=イソプロピル、フマル酸グリシジル=イソプロピル、フマル酸イソプロピル=ジエチルホスフォメチル、フマル酸2−メチルチオエチル=イソプロピル、フマル酸イソプロピル=2−ヒドロキシエチルチオエチル=イソプロピル、フマル酸パーフルオロオクチルエチル=イソプロピル、フマル酸トリフルオロメチル=イソプロピル、フマル酸ペンタフルオロエチル=イソプロピル、フマル酸ヘキサフルオロイソプロピル=イソプロピルなどである。
【0050】
重合体の被膜形成能をより高めるために、多官能アクリレートを添加することもできる。好ましい多官能アクリレートは、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールEO付加トリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ビスフェノールA EO付加ジアクリレート、ビスフェノールAグリジジルエーテルジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなどである。ビスフェノールAグリシジルエーテルジアクリレートは、大阪有機化学(株)からビスコート700として市販されている。
【0051】
これらの液晶性でない他のモノマーを2つ以上用いるときには、同じ種類から2つ以上を選択してもよいし、異なる種類からそれぞれ少なくとも1つを選択してもよい。これらのモノマーの好ましい添加量は、化合物(1)に対する割合で0.5〜50モル%である。十分な被膜形成力を得るための好ましい割合は、0.5モル%以上である。重合体(2)が液晶性を有するための好ましい割合は、50モル%以下である。
【0052】
他のモノマーとして、液晶性の骨格を有する重合性化合物を用いてもよい。この重合性化合物の例は、アクリル酸誘導体(LC−1)、フマル酸誘導体(LC−2)、ソルビン酸誘導体(LC−3)、化合物(1)ではないマレイミド誘導体(LC−4)、クロトン酸誘導体(LC−5)などである。これらの重合性化合物を用いることにより、重合体の液晶相の温度範囲を調節することができる。
【0053】
アクリル酸誘導体(LC−1)の例を次に示す。
【0054】
フマル酸誘導体(LC−2)の例を次に示す。これらの式中において、R2は炭素数1〜15のアルキルであり、R3はメチル、エチル、2−メチルブチル、プロピル、オクチル、イソプロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、4−ブチルシクロヘキシル、ノルボルニル、またはアダマンチルであり、yは1〜20の整数である。
【0055】
次に、ソルビン酸誘導体(LC−3)〜クロトン酸誘導体(LC−5)の例を示す。これらの式におけるyは、1〜20の整数である。
【0056】
液晶性の骨格を有する他のモノマーを2つ以上用いるときには、同じ種類から選択してもよいし、異なる種類からそれぞれ少なくとも1つを選択してもよい。重合性組成物におけるこれらのモノマーの好ましい含有量は、組成物全量に基づいて0.5〜95モル%である。液晶相の温度範囲を調整するための好ましい割合は、0.5モル%以上である。共重合するための好ましい割合は、95モル%以下である。
【0057】
重合体(2)は、溶剤に溶かして成形することができる。好ましい溶剤は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール、テトラヒドロフラン、クロロホルム、1,4−ジオキサン、ビス(メトキシエチル)エーテル、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸エチル、ヘキサフルオロ−2−プロパノールなどである。使用可能な溶剤はこれらに制限されない。これらの溶剤と、アセトン、ベンゼン、トルエン、ヘプタン、塩化メチレンなどの一般的な有機溶剤との混合物も用いることができる。
【0058】
重合体(2)は、液晶性を有するので、各種の保護膜、光学補償膜、光書き込み記録材料などへの応用が可能である。光学補償膜の一例は位相差フィルムである。重合体(2)は光学異方性を有する。重合体(2)の薄膜は位相差フィルムとして用いることができる。この薄膜は他の位相差フィルムと組み合わせてもよい。これらの位相差フィルムを、偏光板、円偏光板、楕円偏光板、色補償板、視覚補償板などに応用することができる。偏光板、円偏光板、楕円偏光板、色補償板、視覚補償板なども、光学補償膜の例である。化合物(1)から光重合により得られる重合体は、偏光を用いることによって、ラビングレスの配向膜に応用することができる。
【0059】
液晶ディスプレーに用いられる位相差板は、重合体(2)を有機溶剤に溶解した溶液を、予め配向処理した透明基板に塗布する。これを重合体(2)のガラス転移点以上の温度に加熱する。次いで放冷することにより、均一に配向した重合体の薄膜(光学異方性薄膜)を形成させて製造する。透明基板は、ガラス板または高分子フィルムである。高分子フィルムの例は、トリアセチルセルロース、JSR(株)製の「アートン」(商品名)、日本ゼオン(株)製の「ゼオネックス」(商品名)および「ゼオノア」(商品名)、三井化学(株)製の「アペル」(商品名)などである。好ましい塗布方法は、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコード法、デップコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法などである。
【0060】
光学異方性薄膜の厚さは所望の位相差値により異なる。この位相差値は光学異方性薄膜の複屈折率により異なる。好ましい位相差値は0.05〜50μmの範囲であり、より好ましい位相差値は0.1〜20μmの範囲である。そして、さらに好ましい位相差値は0.5〜10μmの範囲である。光学異方性薄膜のヘイズ値は、1.5%以下であり、より好ましくは1.0%以下である。ヘイズ値と相関する透過率は80%以上であり、より好ましくは85%以上である。可視光領域で透過率がこれらの割合を満たすことが好ましい。ヘイズ値の範囲1.5%以下は、偏光性能に問題を生じさせないために好ましい条件である。透過率の範囲80%以上は、この光学異方性薄膜を液晶表示素子に用いるとき、明るさを維持するために好ましい条件である。
【0061】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。実施例中に記載した相転移温度において、Cは結晶、Nはネマチック相、Chはコレステリック相、SmAはスメクチックA相、SmXは未同定のスメクチック相、Iは等方性液体、Tmは重合体の融点を示す。重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、多分散度(Mw/Mn)は、GPC(ゲル・パーミェーション・クロマトグラフィー)による測定値(排除限界1000万のカラムを用い、分子量公知の標準ポリスチレンから換算)から算出した。なお、単位記号Lはリットル(liter)を示す。
【0062】
実施例1
(1-1)第1段階
<無水マレイン酸と4−アミノ安息香酸の反応>
無水マレイン酸(196g)をジメチルホルムアミド(640mL)に溶解した溶液に4−アミノ安息香酸(274g)を加え室温で6時間撹拌した。反応混合物を2Lの水に注ぎ込むことによって析出した無色の結晶を、濾過によって分取した。この結晶を、減圧下で乾燥することにより449gのN−(4−カルボキシフェニル)マレイン酸[a1]を得た。
Mp:217〜220℃.
【0063】
(1-2)第2段階
<N−(4−カルボキシフェニル)マレイミドの製造>
N−(4−カルボキシフェニル)マレイン酸(405g)および酢酸ナトリウム(23g)を無水酢酸(930ml)に加え、60℃で2時間攪拌した。反応混合物を氷水3Lに注ぎ込むことによって析出した無色の結晶を、濾過によって分取した。得られた結晶を水でよく洗浄したのち乾燥して、メタノール/水(2/1)で再結晶を行い、259gのN−(4−カルボキシフェニル)マレイミド[b1]を得た。
Mp:230〜233℃.
【0064】
(1-3)第3段階
<液晶骨格の製造>
4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)フェノール(30g)、6−ブロモヘキサノール(27.3g)、および炭酸カリウム(39g)をジメチルホルムアミド(300ml)に加え、90℃で3時間攪拌した。反応混合物を3Nの塩酸1Lに注ぎ込むことによって析出した無色の結晶を、濾過によって分取した。得られた結晶を水でよく洗浄したのち乾燥して、4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ベンゼン(32g)を得た。その相転移温度はC 61 SmX 69 Iであった。
【0065】
前記と同様の方法により、以下の化合物を製造した。
【0066】
(1-4)第4段階
<フェニルマレイミド誘導体(No.2)の製造>
N−(4−カルボキシフェニル)マレイミド[b1](3g)、4−n−プロピルオキシ−4′−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)−1,1′−ビフェニル(4.54g)、およびジクロロメタン(100ml)からなる溶液にDCC(3.14g)およびDMAP(0.02g)を0℃で加え、室温で12時間攪拌した。水(100ml)を加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶剤を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=9/1)で精製、ヘプタンで再結晶を行い、4.8gの化合物No.2を得た。
【0067】
<プロトンNMRの測定値>
1H−NMR(CDCl3、500MHz):δ(ppm):1.05(3H、t、J=14.7Hz)、1.55〜1.56(4H、m)、1.81〜1.85(6H、m)、3.95(2H、t、J=13.2Hz)、4.00(2H、t、J=12.7Hz)、4.36(2H、t、J=13.1Hz)、6.87(2H、s)、6.93〜6.95(4H、m)、7.45〜7.48(6H、m)、8.13(2H、d、J=8.5Hz)。
Mp:118.5〜119.5℃.
【0068】
実施例2
実施例1の方法に準じ、以下のマレイミド誘導体を製造した。
(i)化合物No.3
1H−NMR(CDCl3、500MHz):δ(ppm):0.97(3H、t、J=14.8Hz)、1.56〜1.84(10H、m)、2.61(2H、t、J=15.4Hz)、4.01(2H、t、J=12.7Hz)、4.36(2H、t、J=13.2Hz)、6.87(2H、s)、6.95(2H、d、J=8.7Hz)、7.22(2H、d、J=8.1Hz)、7.45〜7.51(6H、m、)、8.13(2H、d、J=8.7Hz)。
Mp:95〜96℃.
【0069】
(ii)化合物No.8
1H−NMR(CDCl3、500MHz):δ(ppm):0.90(3H、t、J=14.6Hz)、1.05〜1.54(13H、m)、1.79〜1.85(8H、m)、2.39(1H、m)、3.94(2H、t、J=12.8Hz)、4.34(2H、t、J=13.2Hz)、6.82(2H、d、J=8.5Hz)、6.89(2H、s)、7.11(2H、d、J=8.5Hz)、7.49(2H、d、J=8.7Hz)、8.14(2H、d、J=8.7Hz)。
Mp:83℃.
【0070】
(iv)化合物No.77
1H−NMR(CDCl3、500MHz):δ(ppm):1.54〜1.60(4H、m)、1.81〜1.89(4H、m)、4.07(2H、t、J=12.8Hz)、4.37(2H、t、J=13.2Hz)、6.88(2H、s)、6.99(2H、d、J=7.1Hz)、7.33(2H、d、J=6.5Hz)、7.64(2H、d、J=6.6Hz)、7.69(2H、d、J=6.6Hz)、7.74(2H、d、J=7.3Hz)、8.14(2H、d、J=6.6Hz)、8.16(2H、d、J=6.7Hz)。
Mp:156℃でネマチック相を有するが、それ以上の温度では硬化する為、N−I点は測定不能。
【0071】
(v)化合物No.112
1H−NMR(CDCl3、500MHz):δ(ppm):0.90(3H、t、J=13.9Hz)、1.32〜1.85(14H、m)、2.63(2H、t、J=15.5Hz)、4.00(2H、t、J=12.8Hz)、4.36(2H、t、J=13.1Hz)、6.86(2H、s)、6.88(2H、d、J=8.8Hz)、7.19(2H、m)、7.26〜7.51(8H、m)、7.76(2H、d、J=8.6Hz)、8.00(2H、d、J=7.1Hz)、8.13(2H、d、8.6Hz)。
Mp:154℃でネマチック相を有するが、それ以上の温度では硬化する為、N−I点は測定不能。
【0072】
実施例3
<ラジカル重合によるマレイミド重合体の製造>
(i)化合物No.8の重合
化合物No.8(0.5g)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN;0.002g)、およびテトラヒドロフラン(1ml)をアンプルにとり、−60℃に冷却し、真空ポンプで十分脱気を行い、そして封管した。封管したアンプルを60℃で18時間反応させた。アンプル内の内容物をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、メタノール(100ml)に投入して沈殿させた。この操作を3回行ったのち、メタノールで十分洗浄し、減圧下で乾燥させ0.3gの重合体[P1]を得た。
重量平均分子量(Mw):30,000
多分散度(Mw/Mn):2.33
相転移温度:Tm 162 N 245 I.
重合体[P1]は、ネマチック相を有する重合体であった。
太陽光に暴露させるために重合体[P1]を屋外に置き、耐光性試験を行ったが、1ヶ月経過後も重合体[P1]に曇りや色つきはなかった。即ち、太陽光による重合体[P1]の劣化は確認されなかった。
【0073】
(ii)化合物No.2の重合
化合物No.2(0.3g)、AIBN(0.0014g)、およびテトラヒドロフラン(1ml)を用い、60℃で17時間反応した以外は、化合物No.8の重合と同様の操作により、0.2gの重合体[P2]を得た。
重量平均分子量(Mw):10,200
多分散度(Mw/Mn):2.80
相転移温度:Tm 154 N 176 I.
重合体[P2]は、ネマチック相を有する重合体であった。
【0074】
(iii)化合物No.3の重合
化合物No.3(0.3g)、AIBN(0.0014g)、およびテトラヒドロフラン(1ml)を用い、60℃で17時間反応した以外は、化合物No.8の重合と同様の操作により、0.17gの重合体[P3]を得た。
重量平均分子量(Mw):9,300
多分散度(Mw/Mn):2.92
相転移温度:Tm 115 N 218 I.
重合体[P3]は、ネマチック相を有する重合体であった。
【0075】
以上の実施例の結果から判るように、化合物(1)の単独重合により得られる重合体(2)は液晶性の重合体であり、従来のアクリル系重合体よりも高い透明点を示す。このことから、120℃以上の透明点を有する耐熱性重合体が必要とされる位相差板などの材料に、好適に使用できる。
【0076】
実施例4
<共重合によるコレステリック重合体の製造>
化合物No.8(0.5g)、光学活性マレイミド(OPM−5)(0.08g)、AIBN(0.006g)、およびテトラヒドロフラン(1ml)をアンプルにとり、−60℃に冷却し、真空ポンプで十分脱気を行い、そして封管した。封管したアンプルを60℃で24時間反応させた。アンプル内の内容物をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、メタノール(100ml)に投入して沈殿させた。この操作を3回行ったのち、メタノールで十分洗浄し、減圧下で乾燥させ、0.46gの重合体[CP1]を得た。500HzプロトンNMRの測定により算出した共重合割合は、No.8:OPM−5=88:12であった。
重量平均分子量(Mw):18,000
多分散度(Mw/Mn):2.98
相転移温度:Tm 140 Ch 219 I.
重合体[CP1]は、コレステリック相を有する重合体であった。
【0077】
実施例5
<液晶配向膜の製造>
重合体[P1]をクロロホルムに溶解して、1重量%の溶液を調製した。この溶液をITO膜を有するガラス基板にスピンコートしたのち、十分乾燥させ薄膜を得た(膜厚30nm)。ついでラビングによる配向処理を行い、ツイステッドネマチック用の液晶表示素子を作製した。偏光板を取り付け、液晶配向性、電気応答性を調べた。その結果、液晶が均一に配向しており、本発明の重合体が配向膜として優れていることが判った。また電界に対する光学応答も早く液晶表示素子として優れていることが判った。
【0078】
実施例6
実施例1の方法および/または[発明の実施の形態]の項に記載した化合物(1)の製造方法に準じて、No.1〜No.116の化合物を製造する。
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【発明の効果】
本発明のマレイミド誘導体である化合物(1)は重合反応性が高く、重合反応により高分子量の重合体を得ることができる。化合物(1)の単独重合体または共重合体である重合体(2)は、液晶性を有し、優れた耐熱性、耐光性および機械的強度を有している。重合体(2)は、位相差フィルムなどの光学補償膜、光書き込み記録材料、液晶配向膜などに使用できる。
Claims (14)
- 式(1)においてmが0である、請求項1に記載のマレイミド誘導体。
- 式(1)においてmが1である、請求項1に記載のマレイミド誘導体。
- 少なくとも2つの重合性化合物を含有し、少なくとも1つの重合性化合物が請求項1に記載のマレイミド誘導体である重合性組成物。
- 重合性化合物のすべてが請求項1に記載のマレイミド誘導体である、請求項5に記載の重合性組成物。
- 請求項1に記載のマレイミド誘導体の少なくとも1つと、該マレイミド誘導体以外の重合性化合物の少なくとも1つとを含有する、請求項5に記載の重合性組成物。
- 請求項1に記載のマレイミド誘導体の1つを単独重合させて得られる、請求項8に記載の重合体。
- 請求項6に記載の重合性組成物から得られる、請求項8に記載の重合体。
- 請求項7に記載の重合性組成物から得られる、請求項8に記載の重合体。
- 請求項8〜11のいずれか1項に記載の重合体を含有する光学補償膜。
- 請求項8〜11のいずれか1項に記載の重合体を含有する光書き込み記録材料。
- 請求項8〜11のいずれか1項に記載の重合体を含有する液晶配向膜。
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