JP2022539208A - チロシンキナーゼ非受容体1(tnk1)阻害剤およびその使用 - Google Patents

チロシンキナーゼ非受容体1(tnk1)阻害剤およびその使用 Download PDF

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Abstract

式Iの化合物:TIFF2022539208000286.tif2742[式中、可変要素(例えば、X1、X2、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、m、n)の値は本明細書に記載される通りである]またはその薬学的に許容され得る塩が本明細書で提供される。式Iの化合物、その薬学的に許容され得る塩、前記のもののいずれかの医薬組成物、および前記のもののいずれかの組み合わせを使用して、チロシンキナーゼ非受容体1(TNK1)媒介疾患、障害および症状を処置することができる。

Description

関連出願
本出願は、2019年7月3日に出願された米国仮特許出願第62/870,415号、2019年8月16日に出願された米国仮特許出願第62/888,149号、および2019年11月12日に出願された米国仮特許出願第62/934,167号の利益を主張する。上記出願の教示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本開示は、化合物、このような化合物の薬学的に許容され得る塩、およびこのような化合物または塩を含む組成物、およびチロシンキナーゼ非受容体1(TNK1)媒介疾患、障害および症状を処置するためのそれらの使用に関する。
背景
チロシンキナーゼ非受容体1(TNK1)は、非受容体型チロシンキナーゼのACKファミリーのメンバーであり、その調節不全はがんなどの障害に関連付けられている。
したがって、TNK1媒介疾患、障害および症状のための新たな処置および治療が必要とされている。
概要
TNK1を阻害する化合物、その薬学的に許容され得る塩、前記のもののいずれかの医薬組成物、および前記のもののいずれかの組み合わせが本明細書で提供される。本明細書に記載される化合物は、例えば、治療上有効量の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を、TNK1媒介疾患、障害および/または症状(例えば、障害または疾患)を処置することを必要とする対象に投与することによって、TNK1媒介疾患、障害および/または症状(例えば、障害または疾患)を処置する方法に使用することができる。
一態様は、式Iの化合物:
Figure 2022539208000002
(式中、可変要素(例えば、X、X、R、R、R、R、R、R、R、R、m、n)の値は本明細書に記載される通りである)
またはその薬学的に許容され得る塩である。
別の態様は、本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)(例えば、治療上有効量の本開示の化合物)と、1またはそれを超える薬学的に許容され得る担体とを含む医薬組成物である。
さらに別の態様は、本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)(例えば、治療上有効量の本開示の化合物)と、1またはそれを超える他の治療薬(例えば、治療上有効量の1またはそれを超える他の治療薬)とを含む医薬組み合わせ物である。
別の態様は、TNK1媒介疾患、障害または症状を処置する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)を、その処置を必要とする対象に投与することを含む、方法である。
別の態様は、がんを処置する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)を、その処置を必要とする対象に投与することを含む、方法である。
別の態様は、TNK1変異を有する対象のTNK1媒介疾患、障害または症状を処置する方法であって、対象がTNK1変異を有するかどうかを判定することと;対象がTNK1変異を有すると判定された場合に、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することとを含む、方法である。
別の態様は、腸管バリア機能を改善することを必要とする対象の腸管バリア機能を改善する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することを含む、方法である。
別の態様は、対象の、改善された腸管バリア機能から利益を得る疾患、障害または症状を処置する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することを含む、方法である。
別の態様は、細胞のTNK1活性を阻害する方法であって、細胞を本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)、例えば、治療上有効量の本開示の化合物と接触させることを含む、方法である。
別の態様は、TNK1活性を阻害することを必要とする対象のTNK1活性を阻害する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することを含む、方法である。
別の態様は、対象の本明細書に記載される障害、疾患または症状(例えば、TNK1媒介疾患、障害または症状、がん、TNK1変異、改善された腸管バリア機能から利益を得る疾患、障害または症状)の処置に使用するための本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)または本明細書に記載される組成物である。別の態様は、本明細書に記載される障害、疾患または症状(例えば、TNK1媒介疾患、障害または症状、がん、TNK1変異、改善された腸管バリア機能から利益を得る疾患、障害または症状)を処置するための医薬品を製造するための本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)の使用である。
上記のことは、例示的な実施形態の以下のより具体的な説明から明らかになるであろう。
図1は試験日に対する平均腫瘍体積(mm)のグラフであり、示される量の実施例番号13で処置した際のL540異種移植片に対する腫瘍成長阻害を示す。
図2Aはウエスタンブロットの画像を示し、皮下L540ホジキンリンパ腫異種移植片がんモデルからの腫瘍試料におけるTNK1およびSTAT5リン酸化の用量依存的阻害を示す。
図2Bはウエスタンブロットの画像を示し、L540およびK562腫瘍組織試料におけるTNK1発現およびリン酸化の比較を示す。
図2Cはウエスタンブロットの画像および対応する棒グラフを示し、L540およびK562腫瘍組織試料におけるSTAT5発現およびリン酸化分析を示す。
図2Dはウエスタンブロットの画像を示し、投与4時間後および24時間後のL540およびK562試料におけるTNK1リン酸化動態の分析を示す。
図3Aは経過時間(時間)に対するコンフルエンシー(%)のグラフであり、第1の実験における、実施例番号13、ボルテゾミブまたは実施例番号13+ボルテゾミブの組み合わせで処置されたA549細胞のコンフルエンシーに対する実施例番号13、ボルテゾミブおよび実施例番号13+ボルテゾミブの組み合わせの効果を示す。
図3Bは経過時間(時間)に対するコンフルエンシー(%)のグラフであり、第2の実験における、実施例番号13、ボルテゾミブまたは実施例番号13+ボルテゾミブの組み合わせで処置されたA549細胞のコンフルエンシーに対する実施例番号13、ボルテゾミブおよび実施例番号13+ボルテゾミブの組み合わせの効果を示す。
図4は処置群に対する正規化pSTAT5のグラフであり、示される化合物で処置されたNOD SCIDマウス由来の腫瘍溶解物中のpSTAT5レベルに対する示される化合物による処置の効果を示す。
詳細な説明
例示的な実施形態の説明は以下の通りである。
化合物
第1の実施形態は、構造式Iの化合物:
Figure 2022539208000003
(式中、
は-N-でありかつXは-C(R)-であるか、またはXは-C(R)-でありかつXは-N-であり;
は-H、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、-C(O)NR2021または-NR2021であり;
20およびR21はそれぞれ独立に、-Hまたは(C~C)アルキルであり;
はハロ、-CN、-C(O)NR1011、-C(O)(C~C)アルキル、-OR12または-NR1011であり;
10およびR11はそれぞれ独立に、-Hまたは(C~C)アルキルであり;
12は-Hまたは(C~C)アルキルであり;
は-NR1314であり;
13およびR14はそれぞれ独立に、-Hまたは(C~C)アルキルであるか、あるいはこれらが結合しているNと一緒になって、1またはそれを超えるR30(例えば、1、2、3、4または5つ、具体的には1つ、2つまたは3つ、さらに具体的には1つまたは2つ、なおさらに具体的には1つのR30)で必要に応じて置換された(C~C)ヘテロシクリルを形成し;
30は、各出現について、必要に応じて、独立に、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシであり;
は-H、ハロ、シアノまたは(C~C)アルキルであり;
は-H、(C~C)アルキル、ヒドロキシ(C~C)アルキルまたは-C(O)(C~C)アルキルであり;
は-Hであり;
は-H、ハロ、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシまたは(C~C)シクロアルコキシであるか;あるいは
およびRは、それらの介在原子と一緒になって、1もしくはそれを超えるR40(例えば、1、2、3、4または5つ、具体的には1つ、2つまたは3つ、さらに具体的には1つまたは2つのR40)で必要に応じて置換された(C)アリールもしくは(C~C)ヘテロアリール、または1もしくはそれを超えるR50(例えば、1、2、3、4または5つ、具体的には1つ、2つまたは3つ、さらに具体的には1つまたは2つのR50)で必要に応じて置換された(C~C)カルボシクリルもしくは(C~C)ヘテロシクリルを形成し;
40は、各出現について、必要に応じて、独立に、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシであり;
50は、各出現について、必要に応じて、独立に、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシであり;
はハロ、ヒドロキシ、シアノ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、-C(O)NR1718または-NR1718であり;
17およびR18はそれぞれ独立に、-Hまたは(C~C)アルキルであり;
は、各出現について、独立に、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシであり;
mは0または1であり、但し、Rがハロ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシである場合、mは0であり;
nは0、1または2である)
またはその薬学的に許容され得る塩である。
第1の実施形態の第1の態様では、Xが-N-であり、Xが-C(R)-(例えば、-C(H)-)である。残りの可変要素の値は第1の実施形態に記載される通りである。
第1の実施形態の第2の態様では、Xが-C(R)-(例えば、-C(H)-)であり、Xが-N-である。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第3の態様では、Rが-Hである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1もしくは第2の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第4の態様では、R20およびR21がそれぞれ-Hである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第3の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第5の態様では、Rがハロ(例えば、クロロ、ブロモもしくはヨード)または-CNである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第4の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第6の態様では、Rがクロロ、ブロモまたは-CNである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第5の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第7の態様では、Rがクロロである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第6の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第8の態様では、R13およびR14がそれぞれ独立に、-Hまたは(C~C)アルキルである(例えば、R13およびR14がそれぞれ独立に、(C~C)アルキルである)。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第7の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第9の態様では、R13およびR14が、これらが結合しているNと一緒になって、1またはそれを超えるR30(例えば、1、2、3、4または5つ、具体的には1つ、2つまたは3つ、さらに具体的には1つまたは2つ、なおさらに具体的には1つのR30)で必要に応じて置換された(C~C)ヘテロシクリル(例えば、(C~C)ヘテロシクリル)を形成する。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第8の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第10の態様では、R13およびR14が、これらが結合しているNと一緒になって、1つのオキソで置換され、1またはそれを超えるR30(例えば、1、2、3、4または5つ、具体的には1つ、2つまたは3つ、さらに具体的には1つまたは2つ、なおさらに具体的には1つのR30)で必要に応じて置換された(C~C)ヘテロシクリル(例えば、(C~C)ヘテロシクリル)を形成する。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第9の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第11の態様では、R13およびR14が、これらが結合しているNと一緒になって、1またはそれを超えるR30(例えば、1、2、3、4または5つ、具体的には1つ、2つまたは3つ、さらに具体的には1つまたは2つ、なおさらに具体的には1つのR30)で必要に応じて置換されたピペリジノン、ピロリジノンまたはイミダゾリジノン(例えば、1-ピペリジニル-2-オン、1-ピロリジニル-2-オンまたは1-イミダゾリジニル-2-オン)を形成する。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第10の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第12の態様では、R30が、各出現について、必要に応じて、独立に、ハロ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第11の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第13の態様では、Rが-N(CH、1-ピペリジニル-2-オン、1-ピロリジニル-2-オン、1-イミダゾリジニル-2-オン、1-ピロリジニルまたは1-ピペリジニル(例えば、-N(CH、1-ピロリジニル-2-オンまたは1-イミダゾリジニル-2-オン)である。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第12の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第14の態様では、Rがハロ(例えば、クロロ)、シアノまたは(C~C)アルキル(例えば、メチル)である。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第13の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第15の態様では、Rがクロロまたはメチルである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第14の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第16の態様では、Rが-H、ハロ(例えば、クロロ)または(C~C)アルキル(例えば、メチル)である。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第15の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第17の態様では、Rが-H、クロロまたはメチルである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第16の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第18の態様では、Rが-H、-CH、2-ヒドロキシエチルまたは-C(O)CH(例えば、-CH)である。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第17の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第19の態様では、Rが-Hであり、Rがハロ、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシまたは(C~C)シクロアルコキシである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第18の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第20の態様では、Rが(C~C)アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ)または(C~C)シクロアルコキシ(例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ)である。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第19の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第21の態様では、Rが(C~C)アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシまたはイソプロピルオキシ)である。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第20の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第22の態様では、Rがメトキシである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第21の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第22の態様では、RおよびRが、それらの介在原子と一緒になって、1もしくはそれを超えるR40(例えば、1、2、3、4または5つ、具体的には1つ、2つまたは3つ、さらに具体的には1つまたは2つのR40)で必要に応じて置換された(C)アリールもしくは(C~C)ヘテロアリール、または1もしくはそれを超えるR50(例えば、1、2、3、4または5つ、具体的には1つ、2つまたは3つ、さらに具体的には1つまたは2つのR50)で必要に応じて置換された(C~C)カルボシクリルもしくは(C~C)ヘテロシクリルを形成する。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第21の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第23の態様では、RおよびRが、それらの介在原子と一緒になって、(C)アリールを形成する。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第22の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第24の態様では、Rがハロ、シアノ、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第23の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第25の態様では、R17およびR18がそれぞれ-Hである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第24の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第26の態様では、Rが-Hであり、mが1である。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第25の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第27の態様では、mが0である。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第26の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第28の態様では、Rが、各出現について、独立に、ハロ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第27の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第29の態様では、nが0である。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第28の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第30の態様では、Rが-CHである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第29の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第31の態様では、Rがハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)、-CNまたは-C(O)(C~C)アルキル(例えば、-C(O)CH)である。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第30の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第32の態様では、R10およびR11がそれぞれ-Hである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第31の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第33の態様では、R12が-Hまたは-CHである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第32の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第34の態様では、Rが-Hであり、Rが-H、(C~C)アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ)または(C~C)シクロアルコキシ(例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ)である。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第33の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第35の態様では、Rが-Hまたは(C~C)アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシまたはイソプロピルオキシ)である。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第34の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第36の態様では、Rが-Hまたはメトキシである。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第35の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第37の態様では、R13およびR14が、これらが結合しているNと一緒になって、1またはそれを超えるR30(例えば、1、2、3、4または5つ、具体的には1つ、2つまたは3つ、さらに具体的には1つまたは2つ、なおさらに具体的には1つのR30)で必要に応じて置換されたC(ヘテロシクリル)を形成する。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第36の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第38の態様では、R13およびR14が、これらが結合しているNと一緒になって、1つのオキソで置換され、1またはそれを超えるR30(例えば、1、2、3、4または5つ、具体的には1つ、2つまたは3つ、さらに具体的には1つまたは2つ、なおさらに具体的には1つのR30)で必要に応じて置換された(C)ヘテロシクリルを形成する。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第37の態様に記載される通りである。
第1の実施形態の第39の態様では、Rが-N(CH、1-ピペリジニル-2-オン、1-ピロリジニル-2-オン、1-イミダゾリジニル-2-オン、1-ピロリジニルまたは1-ピペリジニル(例えば、-N(CH、1-ピロリジニル-2-オンまたは1-イミダゾリジニル-2-オン)であり;Rが-H、ハロ、シアノまたは(C~C)アルキル(例えば、ハロ、シアノまたは(C~C)アルキル;クロロまたはメチル;-H、ハロまたは(C~C)アルキル;-H、クロロまたはメチル)である。残りの可変要素の値は第1の実施形態またはその第1~第38の態様に記載される通りである。
第2の実施形態は、以下の構造式:
Figure 2022539208000004
(式中、可変要素(例えば、X、X、R、R、R、R、R、R、R、mおよびn)の値は第1の実施形態またはその任意の態様に記載される通りである)
によって表される化合物、またはその薬学的に許容され得る塩である。
第3の実施形態は、以下の構造式:
Figure 2022539208000005
(式中、可変要素(例えば、X、X、R、R、R、R、R、R、Rおよびn)の値は第1の実施形態またはその任意の態様に記載される通りである)
によって表される化合物、またはその薬学的に許容され得る塩である。
第3の実施形態の第1の態様では、化合物が以下の構造式:
Figure 2022539208000006
(式中、可変要素(例えば、X、X、R、R、R、R、RおよびR)の値は第1の実施形態またはその任意の態様に記載される通りである)
またはその薬学的に許容され得る塩によって表される。
第4の実施形態は、以下の構造式:
Figure 2022539208000007
(式中、可変要素(例えば、R、R、R、R、R、R、R、R、mおよびn)の値は第1の実施形態またはその任意の態様に記載される通りである)
によって表される化合物、またはその薬学的に許容され得る塩である。
第4の実施形態の第1の態様では、化合物が以下の構造式:
Figure 2022539208000008
(式中、可変要素(例えば、R、R、R、R、RおよびR)の値は第1の実施形態またはその任意の態様に記載される通りである)
またはその薬学的に許容され得る塩によって表される。
第5の実施形態は、以下の構造式:
Figure 2022539208000009
(式中、可変要素(例えば、R、R、R、R、R、R、R、R、mおよびn)の値は第1の実施形態またはその任意の態様に記載される通りである)
によって表される化合物、またはその薬学的に許容され得る塩である。
第5の実施形態の第1の態様では、化合物が以下の構造式:
Figure 2022539208000010
(式中、可変要素(例えば、R、R、R、R、RおよびR)の値は第1の実施形態またはその任意の態様に記載される通りである)
またはその薬学的に許容され得る塩によって表される。
第6の実施形態は、以下の構造式:
Figure 2022539208000011
(式中、
Zは-N(R60)-または-C(R60-であり;
30は、各出現について、必要に応じて、独立に、ハロ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシ(例えば、メチル)であり;
60は、各出現について、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシ(例えば、水素またはメチル、特に水素)であり;
pは0、1、2、3、4または5(例えば、0、1、2または3;0、1または2;0または1;あるいは0)である)
によって表される化合物、またはその薬学的に許容され得る塩である。可変要素X、X、R、R、R、R、R、R、R、mおよびnの値は第1の実施形態またはその任意の態様に記載される通りである。
第6の実施形態の第1の態様では、化合物が以下の構造式:
Figure 2022539208000012
(式中、可変要素(例えば、Z、R、R、R、R、R、R、R、R30、m、nおよびp)の値は第1の実施形態もしくはその任意の態様、または第6の実施形態に記載される通りである)
またはその薬学的に許容され得る塩によって表される。
定義
本明細書を解釈する目的で、以下の定義が適用され、必要に応じて、単数形で使用される用語が複数形も含む。本明細書で使用される用語は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、以下の意味を有する。
本明細書に記載される全ての方法は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本開示をよりよく明らかにすることを意図しており、特許請求される本開示の範囲を限定するものではない。
本開示の文脈で(特に特許請求の範囲の文脈で)使用される「a」、「an」、「the」という用語および同様の用語は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を網羅すると解釈されるべきである。
本明細書で使用される場合、「ヘテロ原子」という用語は、窒素(N)、酸素(O)または硫黄(S)原子、特に窒素または酸素を指す。1個のヘテロ原子がSである場合、これは必要に応じて一酸素化または二酸素化されていてもよい(すなわち、-S(O)-または-S(O))。別段の指示がない限り、原子価が満たされていない任意のヘテロ原子は、原子価を満たすのに十分な水素原子を有すると想定される。
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、指定される数の炭素原子および一般式C2n+1を有する分岐または直鎖の一価炭化水素基を指す。したがって、「(C~C)アルキル」という用語は、一般式C2n+1(式中、nは1、2、3、4、5または6である)の分岐または直鎖の一価炭化水素基を指す。アルキルの例としては、それだけに限らないが、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、ネオペンチル、3,3-ジメチルプロピル、ヘキシル、2-メチルペンチルなどが挙げられる。
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、酸素連結原子を通して結合されたアルキル基(アルキルは本明細書に記載される通りである)を指す。「(C~C)アルコキシ」は、(C~C)アルキルが酸素連結原子を通して結合しているアルコキシ基を指す。アルコキシ基の例としては、それだけに限らないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシおよびイソプロポキシ)およびブトキシ(例えば、t-ブトキシ)が挙げられる。
本明細書で使用される「ハロゲン」および「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。いくつかの実施形態では、ハロゲンがフルオロ、クロロまたはブロモである。いくつかの実施形態では、ハロゲンがフルオロまたはクロロである。いくつかの実施形態では、ハロゲンがクロロ、ブロモまたはヨードである。いくつかの実施形態では、ハロゲンがクロロまたはブロモである。
本明細書で使用される「ハロアルキル」は、1またはそれを超える水素原子がそれぞれ独立に、ハロゲンによって置き換えられているアルキル基(アルキルは本明細書に記載される通りである)を指す。「ハロアルキル」には、モノ-、ポリ-およびペルハロアルキル基が含まれる。「(C~C)ハロアルキル」は、1またはそれを超える水素原子がそれぞれ独立に、ハロゲンによって置き換えられている(C~C)アルキルを指す。ハロアルキルの例としては、それだけに限らないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピルおよびヘプタクロロプロピルが挙げられる。
本明細書で使用される「ハロアルコキシ」は、酸素連結原子を通して結合されたハロアルキル基(ハロアルキルは本明細書に記載される通りである)を指す。「(C~C)ハロアルコキシ」は、(C~C)ハロアルキルが酸素連結原子を通して結合しているハロアルコキシ基を指す。ハロアルコキシの例としては、それだけに限らないが、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシおよびペンタフルオロエトキシが挙げられる。
本明細書で使用される「ヒドロキシ」は、-OHを意味する。
本明細書で使用される「ヒドロキシアルキル」は、1またはそれを超える(例えば、1個の)水素原子がそれぞれヒドロキシによって置き換えられているアルキル基(アルキルおよびヒドロキシは本明細書に記載される通りである)を指す。「ヒドロキシ(C~C)アルキル」は、1またはそれを超える水素原子がそれぞれヒドロキシによって置き換えられている(C~C)アルキルを指す。ヒドロキシアルキルの例としては、それだけに限らないが、2-ヒドロキシエチルが挙げられる。
本明細書で使用される「シアノ」は、-C≡Nを意味する。
本明細書で使用される「オキソ」は、=Oを意味する。
本明細書で使用される「カルボシクリル」という用語は、指定される数の環炭素原子を有する飽和または不飽和の非芳香族の単環式または多環式(例えば、二環式、三環式)炭化水素環系を指す。したがって、「(C~C)カルボシクリル」は、5~8個の環炭素を有するカルボシクリル環系を意味する。カルボシクリルは飽和(すなわち、シクロアルキル)であってもよい。あるいは、カルボシクリルは不飽和であってもよい(すなわち、少なくとも1つの二重結合または三重結合のように、少なくとも1の不飽和度を含む)。カルボシクリルの例としては、それだけに限らないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニルおよびノルボルニルが挙げられる。
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、指定される数の炭素原子を有する飽和の単環式または多環式(例えば、二環式、三環式)脂肪族炭化水素環系を指す。したがって、「(C~C)シクロアルキル」は、5~8個の環炭素を有するシクロアルキル環系を意味する。シクロアルキルの例としては、それだけに限らないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびノルボルニルが挙げられる。
本明細書で使用される「シクロアルコキシ」は、酸素連結原子を通して結合されたシクロアルキル環系を指す。「(C~C)シクロアルコキシ」は、(C~C)シクロアルキルが酸素連結原子を通して結合しているシクロアルコキシ基を指す。シクロアルコキシ基の例としては、それだけに限らないが、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシおよびシクロヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書で使用される「アリール」という用語は、指定される数の環原子を有する単環式または多環式芳香族炭素環式環系を指す。したがって、「(C)アリール」は、6個の環炭素原子を有するアリール環系を指す。典型的には、アリールは、6~15個、6~10個、6~9個または6個の環炭素原子を有する。アリール環系は、単環系からなっていても縮合環系からなっていてもよい。アリールの例としては、それだけに限らないが、フェニルが挙げられる。
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、環内の少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられている、指定される数の環原子を有する単環式または多環式芳香族炭化水素環系を指す。したがって、「(C~C)ヘテロアリール」は、5個または6個の環原子を有するヘテロアリール環系を指す。典型的には、ヘテロアリールは、5~15個、5~10個、5~9個または5~6個の環原子を有する。ヘテロアリール環系は、単環系からなっていても縮合環系からなっていてもよい。典型的な単ヘテロアリール環系は、酸素、硫黄および窒素から独立に選択される1~3個(例えば、1個、2個または3個)のヘテロ原子を含む5~6員環であり、典型的な縮合ヘテロアリール環系は、酸素、硫黄および窒素から独立に選択される1~4個のヘテロ原子を含む9~10員環系である。縮合ヘテロアリール環系は、合わせて縮合した2つのヘテロアリール環またはアリール環(例えば、フェニル)に縮合したヘテロアリール環からなり得る。ヘテロアリールの例としては、それだけに限らないが、ピロリル、ピリジル、ピラゾリル、インドリル、インダゾリル、チエニル、フラニル、ベンゾフラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、プリニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾリルなどが挙げられる。
本明細書で使用される「ヘテロシクリル」という用語は、環系内の少なくとも1つの炭素原子が酸素、硫黄および窒素から独立に選択されるヘテロ原子で置き換えられている、指定される数の環原子を有する、飽和または部分飽和の非芳香族の単環式または多環式(例えば、二環式、三環式)環系を指す。したがって、「(C~C)ヘテロシクリル」は、3~7個の環原子を有するヘテロシクリルを意味する。「ヘテロシクリル」には、単環式環、縮合環、架橋環およびスピロ環が含まれる。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルが、(C~C)ヘテロシクリル、(C~C)ヘテロシクリル、(C)ヘテロシクリルまたは(C)ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル(例えば、(C~C)ヘテロシクリル)が飽和ヘテロシクリルである。
ヘテロシクリルは、1~7個、1~5個、1~3個、1~2個、1個または2個のヘテロ原子を含むことができる。ヘテロシクリルは、結合価が許す場合、ヘテロ原子または炭素原子で結合することができる。ヘテロシクリルの例としては、それだけに限らないが、アゼチジニル、オキセタニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピラニル、1,4-ジオキサニル、1,4-オキサチアニル、ヘキサヒドロピリミジニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、アゼパニル、3-アザビシクロ[3.2.2]ノナニル、デカヒドロイソキノリニル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル、8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3-オキサ-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタニル、2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、1,4-ジオキサ-8-アザ-スピロ[4.5]デカニル、3-オキサ-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカニル、オクタヒドロピロロ[3,2-b]ピロリルなどが挙げられる。
本明細書で使用される「置換された」という用語は、少なくとも1つの(例えば、1、2、3、4、5、6つ等、1~5つ、1~3つ、1つまたは2つの)水素原子が非水素置換基で置き換えられていることを意味するが、但し、通常の結合価が維持され、置換により安定な化合物が得られることを条件とする。別段の指示がない限り、「必要に応じて置換された」基は、その基の各置換可能な位置に置換基を有することができ、任意の所与の構造の1つまたはそれより多くの位置が指定される基から選択される1つまたはそれより多くの置換基で置換され得る場合、その置換基は、全ての位置で同じであっても異なっていてもよい。あるいは、「必要に応じて置換された基」は非置換であってもよい。
置換基がオキソである場合、単一原子上の2個の水素が置換基で置き換えられる。オキソ置換基は芳香族部分には存在しない。
本開示の化合物上に窒素原子が存在する場合、これらの窒素原子を酸化剤(例えば、mCPBAおよび/または過酸化水素)で処理することによってN-オキシドに変換して、本開示の他の化合物を得ることができる。したがって、示され、特許請求されている窒素原子は、示される窒素とそのN-オキシド(N→O)誘導体の両方を網羅すると考えられる。
任意の可変要素が化合物の任意の構成要素または式に1回より多く出現する場合、各出現におけるその定義は、他の全ての出現におけるその定義とは無関係である。したがって、例えば、ある基が0~3個の置換基で置換されていると示されている場合、前記基は非置換であってもよく、または最大3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は、他の置換基の定義から独立に選択される。
置換基との結合が環内の2つの原子を接続する結合と交差することが示されている場合、このような置換基は環上のいずれの原子に結合していてもよい。置換基が、所与の式の化合物の残りに結合している原子を示さずに、列挙されている場合、このような置換基は、このような置換基中のいずれの原子を介して結合していてもよい。
置換基および/または可変要素の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
当業者であれば、例えば、分子中のケトン(-C(H)C(O))基がそのエノール型(-C=C(OH))に互変異性化し得ることを理解するであろう。本開示は、構造がそれらのうちの1つのみを示す場合であっても、全ての可能な互変異性体を網羅することを意図している。
「薬学的に許容され得る」という句は、この句が修飾する物質または組成物が、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしにヒトおよび下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、合理的な利益/リスク比に見合っていなければならないことを意味する。物質が組成物または製剤の一部である場合、物質はまた、その組成物または製剤中の他の成分と化学的および/または毒物学的に適合性でなければならない。
別段の指定がない限り、「本開示の化合物」という用語は、本明細書に示される任意の構造式の化合物(例えば、式Iの化合物、式Iの化合物の部分式、例えば式II、III、III’、IV、IV’、V、V’、VIまたはVI’の化合物)ならびにその異性体、例えば立体異性体(ジアステレオ異性体、エナンチオマーおよびラセミ体を含む)、幾何異性体、配座異性体(回転異性体およびアストロプ異性体を含む)、互変異性体、同位体標識化合物(重水素置換を含む)、および本質的に形成された部分(例えば、多形および/または溶媒和物、例えば水和物)を指す。塩を形成することができる部分が存在する場合、塩、特に薬学的に許容され得る塩も含まれる。
本開示の化合物は、不斉中心、キラル軸およびキラル面を有してもよく(例えば、E.L.ElielおよびS.H.Wilen、Stereo-chemistry of Carbon Compounds、John Wiley&Sons、ニューヨーク、1994、1119-1190頁に記載される)、ラセミ混合物、個々の異性体(例えば、ジアステレオマー、エナンチオマー、幾何異性体、配座異性体(回転異性体およびアトロプ異性体を含む)、互変異性体)および中間体混合物として存在し得、全ての可能な異性体およびそれらの混合物が本発明に含まれる。
本明細書で使用される場合、「異性体」という用語は、同じ分子式を有するが、原子の配列および配置が異なる、異なる化合物を指す。
「エナンチオマー」は、互いに重ね合わせることができない鏡像である一対の立体異性体である。一対のエナンチオマーの1:1混合物は、「ラセミ」混合物である。「ラセミ体」または「ラセミ」は、適切である場合にラセミ混合物を示すために使用される。本開示の化合物の立体化学を指定する場合、2つのキラル中心の既知の相対配置および絶対配置を有する単一立体異性体は、従来のRS系(例えば、(1S,2S))を使用して指定し;既知の相対配置を有するが、未知の絶対配置を有する単一立体異性体は星印で指定し(例えば、(1R,2R));ラセミ体は2つの文字で指定する(例えば、(1R,2R)と(1S,2S)のラセミ混合物としての(1RS,2RS);(1R,2S)と(1S,2R)のラセミ混合物としての(1RS,2SR))。「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2つの不斉原子を有するが、互いに鏡像ではない立体異性体である。絶対立体化学は、カーン-インゴルド-プレローグR-S系に従って特定される。化合物が純粋なエナンチオマーである場合、各キラル炭素における立体化学は、RまたはSのいずれかによって特定され得る。絶対配置が未知の分割された化合物は、ナトリウムD線の波長の平面偏光を回転させる方向(右旋性または左旋性)に応じて(+)または(-)と指定することができる。あるいは、分割された化合物は、キラルHPLCを介した対応するエナンチオマー/ジアステレオマーのそれぞれの保持時間によって定義することができる。
幾何異性体は、化合物が二重結合または分子に一定量の構造的剛性を与える何らかの他の特徴を含む場合に生じ得る。化合物が二重結合を含む場合、置換基はEまたはZ配置であり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含む場合、シクロアルキル置換基はシス配置またはトランス配置を有し得る。
配座異性体(またはコンフォーマー)は、1またはそれを超える結合の周りでの回転によって異なり得る異性体である。回転異性体は、単一結合の周りでの回転によってのみ異なるコンフォーマーである。
本明細書で使用される「アトロプ異性体」という用語は、分子内の制限された回転から生じる軸性または面性キラリティーに基づく構造異性体を指す。
光学的に活性な(R)-および(S)-異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製され得るか、または従来技術を使用して分割され得る(例えば、好適な分離を達成するために適切な溶媒または溶媒の混合物を使用して、DAICEL Corp.から入手可能なCHIRALPAK(登録商標)およびCHIRALCEL(登録商標)カラムなどのキラルSFCもしくはHPLCクロマトグラフィーカラムまたは他の同等のカラムで分離される)。
本開示の化合物は、光学活性形態またはラセミ形態で単離することができる。光学活性形態は、ラセミ形態の分割によって、または光学的に活性な出発物質からの合成によって調製され得る。本開示の化合物を調製するために使用される全てのプロセスおよびそこで生成される中間体は、本開示の一部であると考えられる。エナンチオマーまたはジアステレオマー生成物が調製される場合、それらは従来の方法、例えばクロマトグラフィーまたは分別結晶によって分離され得る。
プロセス条件に応じて、本開示の最終生成物は、遊離(中性)形態または塩形態のいずれかで得られる。これらの最終生成物の遊離形態と塩の両方が本開示の範囲内にある。所望であれば、化合物のある形態を別の形態に変換することができる。遊離塩基または酸は、塩に変換され得る;塩は、遊離化合物または別の塩に変換され得る;本開示の異性体化合物の混合物は個々の異性体に分離され得る。
薬学的に許容され得る塩が好ましい。しかしながら、他の塩も、例えば、調製中に使用され得る単離または精製工程において有用であり得、したがって、本開示の範囲内であることが企図される。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容され得る塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしにヒトおよび下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、合理的な利益/リスク比に見合った、適切な無機および有機の酸および塩基から誘導される塩を指す。
薬学的に許容され得る酸付加塩は、無機酸および有機酸を用いて形成することができる。塩を誘導することができる無機酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが含まれる。塩を誘導することができる有機酸には、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸などが含まれる。薬学的に許容され得る酸付加塩には、それだけに限らないが、酢酸塩、アスコルビン酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、臭化物塩/臭化水素酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、カンファースルホン酸塩、カプリン酸塩、塩化物塩/塩酸塩、クロルテオフィロネート(chlortheophyllonate)、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、馬尿酸塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩/ヒドロキシマロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩およびキシナホ酸塩が含まれる。
薬学的に許容され得る塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基を用いて形成することができる。塩を誘導することができる無機塩基には、例えば、アンモニウム塩および周期表のI~XII族の金属が含まれる。一定の実施形態では、塩が、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛または銅から誘導される;特に適切な塩には、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩が含まれる。塩を誘導することができる有機塩基には、例えば、第一級、第二級および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などが含まれる。有機アミンの例には、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート(cholinate)、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リジン、メグルミン、ピペラジンおよびトロメタミンが含まれるが、これらに限定されない。
本開示の薬学的に許容され得る塩は、従来の化学的方法によって、塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸形態または遊離塩基形態を、化学量論量の適切な塩基または酸と、水または有機溶媒中、またはこれら2つの混合物中で反応させることによって調製することができる;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水性媒体が好ましい。適切な塩のリストは、その関連する開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、Allen,L.V.,Jr.編、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第22版、Pharmaceutical Press、ロンドン、英国(2012)に見られる。
水素結合のためのドナーおよび/またはアクセプターとして作用することができる基を含む本開示の化合物は、適切な共結晶形成剤により共結晶を形成することができる場合がある。これらの共結晶は、公知の共結晶形成手順によって本開示の化合物から調製され得る。このような手順は、結晶化条件下で本開示の化合物を共結晶形成剤と粉砕、加熱、共昇華、共融解、または溶液中で接触させること、およびそれによって形成された共結晶を単離することを含む。適切な共結晶形成剤には、国際公開第2004/078163号パンフレットに記載されているものが含まれる。したがって、本開示はさらに、本開示の化合物を含む共結晶および共結晶形成剤を提供する。
本明細書に示される任意の式はまた、化合物の非標識形態および同位体標識形態を表すことを意図している。同位体標識化合物は、1またはそれを超える原子が選択された原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられていることを除いて、本明細書に与えられる式によって示される構造を有する。本開示の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素およびヨウ素(idodine)の同位体、例えばそれぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl、123I、124I、および125Iが挙げられる。本開示は、本明細書で定義される様々な同位体標識化合物、例えばHおよび14Cなどの放射性同位体が存在するもの、またはHおよび13Cなどの非放射性同位体が存在するものを含む。このような同位体標識化合物は、代謝研究(14Cを使用)、反応速度論研究(例えばHまたはHを使用)、検出もしくはイメージング技術、例えば、薬物もしくは基質組織分布アッセイを含む陽電子放射断層撮影法(PET)もしくは単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、または患者の放射線処置に有用である。特に、18Fまたは標識化合物は、PETまたはSPECT研究に特に望ましい場合がある。
さらに、より重い同位体、特に重水素(すなわち、HまたはD)による置換は、より大きな代謝安定性から生じる特定の治療上の利点、例えばインビボ半減期の増加または必要投与量の減少または治療指数の改善を提供し得る。これに関連して重水素は本開示の化合物の置換基と見なされることが理解される。このようなより重い同位体、具体的には重水素の濃度は、同位体濃縮係数によって定義され得る。本明細書で使用される「同位体濃縮係数」という用語は、指定される同位体の同位体存在量と天然存在量との間の比を意味する。本開示の化合物中の置換基が重水素と示される場合、このような化合物は、それぞれの指定される重水素原子について、少なくとも3500(それぞれの指定される重水素原子で52.5%の重水素組み込み)、少なくとも4000(60%の重水素組み込み)、少なくとも4500(67.5%の重水素組み込み)、少なくとも5000(75%の重水素組み込み)、少なくとも5500(82.5%の重水素組み込み)、少なくとも6000(90%の重水素組み込み)、少なくとも6333.3(95%の重水素組み込み)、少なくとも6466.7(97%の重水素組み込み)、少なくとも6600(99%の重水素組み込み)、または少なくとも6633.3(99.5%の重水素組み込み)の同位体濃縮係数を有する。
本開示の同位体標識化合物は、一般に、他の方法で使用される非同位体標識試薬の代わりに適切なまたは容易に入手可能な同位体標識試薬を使用することによって、当業者に公知の従来技術によって、または以下に記載されるスキームもしくは例および調製で開示されるプロセス(または本明細書で以下に記載されるものと類似のプロセス)によって調製することができる。このような化合物は、例えば、潜在的な医薬化合物が標的タンパク質もしくは受容体に結合する能力を決定する際の標準物質および試薬として、またはインビボもしくはインビトロで生物学的受容体に結合した本開示の化合物を画像化するための様々な潜在的使用を有する。
「溶媒和物」という用語は、本開示の化合物と、有機または無機にかかわらず1またはそれを超える溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合には、水素結合が含まれる。一定の例では、溶媒和物を、例えば1またはそれを超える溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合に、単離することができる。溶媒和物中の溶媒分子は、規則的な配置および/または非規則的な配置で存在し得る。溶媒和物は、化学量論量または非化学量論量の溶媒分子を含み得る。「溶媒和物」は、溶液相と単離可能な溶媒和物の両方を包含する。溶媒和物の例としては、それだけに限らないが、水和物、エタノレート、メタノレートおよびイソプロパノレートが挙げられる。溶媒和の方法は、当技術分野で一般的に公知である。
本明細書で使用される場合、「多形(単数または複数)」は、同じ化学構造/組成を有するが、結晶を形成する分子および/またはイオンの異なる空間配置を有する結晶形態(単数または複数)を指す。本開示の化合物は、非晶質固体または結晶性固体として提供することができる。凍結乾燥を使用して、本開示の化合物を固体として提供することができる。
本明細書で使用される「チロシンキナーゼ非受容体阻害剤1媒介疾患、障害または症状」および「TNK1媒介疾患、障害または症状」という用語は、TNK1によって直接的または間接的に調節される任意の疾患、障害または症状を指す。TNK1媒介疾患、障害または症状の非限定的な例としては、がん、胃腸障害、SIRS、MODS、敗血症、自己免疫障害、マイクロバイオームの疾患、障害もしくは症状、または外傷および/もしくは腸管損傷に起因する疾患、障害もしくは症状が挙げられる。
「悪性腫瘍」および「がん」という用語は、本明細書において互換的に使用され、異常細胞が制御なしに***し、近くの組織に浸潤し得る疾患を指す。悪性細胞はまた、血液およびリンパ系を通して身体の他の部分に広がることができる。悪性腫瘍にはいくつかの主要なタイプがある。癌腫は、皮膚、または内臓を裏打ちするか、もしくは覆う組織で始まる悪性腫瘍である。肉腫は、骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管、または他の結合組織もしくは支持組織で始まる悪性腫瘍である。白血病は、骨髄などの血液形成組織で始まり、多数の異常な血球を産生し、血液に侵入させる悪性腫瘍である。リンパ腫および多発性骨髄腫は、免疫系の細胞で始まる悪性腫瘍である。中枢神経系がんは、脳および脊髄の組織で始まる悪性腫瘍である。
本明細書で使用される場合、「固形腫瘍」という用語は、通常は嚢胞も液体領域も含まない組織の異常な塊から形成される悪性腫瘍/がんを指す。固形腫瘍は、起源の組織/細胞に従って命名/分類される。例としては、それだけに限らないが、肉腫および癌腫が挙げられる。
本明細書で使用される「白血病」という用語は、骨髄などの血液形成組織で始まる血液学的または血球悪性腫瘍/がんを指す。例としては、それだけに限らないが、慢性白血病、急性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)、急性リンパ芽球性白血病(例えば、B細胞、T細胞)および慢性リンパ性白血病(CLL)が挙げられる。
本明細書で使用される「リンパ腫」という用語は、免疫系の細胞で始まるリンパ細胞悪性腫瘍/がんを指す。例としては、それだけに限らないが、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫および多発性骨髄腫が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は動物を指す。典型的には、動物は哺乳動物である。対象はまた、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚類、鳥類などを指す。一定の実施形態では、対象が霊長類である。さらに他の実施形態では、対象がヒトである。
本明細書で使用される場合、対象(例えば、ヒト)が処置から生物学的に、医学的にまたは生活の質において利益を得る場合、このような対象はこのような処置を「必要とする」。
本明細書で使用される「処置する」、「処置すること」および「処置」は、目的の疾患または症状、例えばがんを有するヒトなどの対象への薬剤または医療の投与を指し、(i)特に、対象が症状の素因を有するが、それを有するとまだ診断されていない場合に、疾患もしくは症状がこのような対象において生じるのを予防すること;(ii)疾患もしくは症状を阻害すること、例えばその発症を停止させること;(iii)疾患もしくは症状を軽減すること、例えば疾患もしくは症状の退縮を引き起こすこと;または(iv)疾患もしくは症状に起因する症候(例えば、疼痛、体重減少、咳、疲労、衰弱等)を軽減することを含む。
本明細書で使用される「治療上有効量」という用語は、ヒトなどの対象に投与されると、処置を行うのに十分な本開示の化合物などの治療薬の量を指す。「有効量」を構成する治療薬の量は、治療薬、処置される症状およびその重症度、投与様式、処置期間、または処置される対象(例えば、対象の年齢、体重、適応度)に応じて変化するが、自身の知識および本開示に基づいて、当業者によって日常的に決定され得る。実施形態では、「有効量」が、1またはそれを超える適応症、症候、徴候、診断試験、バイタルサインなどの統計的に有意な変化によって測定されるように処置に影響を及ぼす。他の実施形態では、「有効量」が、1またはそれを超える適応症、症候、徴候、診断試験、バイタルサインなどの統計的に有意な変化の欠如によって測定されるように症状を管理または予防する。
投与レジメンは、治療上有効量を構成するものに影響を及ぼし得る。本開示の化合物は、TNK1媒介状態の発症前または発症後に対象に投与することができる。さらに、いくつかの分割投与量、ならびに千鳥状投与量を、毎日もしくは連続的に投与することができる、または用量を連続的に注入することができる、またはボーラス注射とすることができる。さらに、本開示の化合物(単数または複数)の投与量は、治療的または予防的状況の緊急性によって示されるように比例的に増加または減少させることができる。
医薬組成物および組み合わせ物
本開示の化合物は、典型的には医薬組成物(例えば、本開示の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と、1またはそれを超える薬学的に許容され得る担体とを含む医薬組成物)で使用される。「薬学的に許容され得る担体」は、当業者に知られているように、一般に安全と認められる(GRAS)溶媒、分散媒、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物安定剤、結合剤、緩衝剤(例えば、マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、酢酸、重炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなど)、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、色素などおよびこれらの組み合わせを含む、動物、特に哺乳動物に生物学的に活性な薬剤を送達するための当技術分野で一般的に受け入れられている媒体を指す(例えば、Allen,L.V.,Jr.ら、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(2巻)、第22版、Pharmaceutical Press(2012)参照)。
一態様では、本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)(例えば、治療上有効量の本開示の化合物)と、薬学的に許容され得る担体とを含む医薬組成物が本明細書で提供される。さらなる実施形態では、組成物が、少なくとも2つの薬学的に許容され得る担体、例えば本明細書に記載されるものを含む。本開示の目的のために、別段の指定がない限り、溶媒和物は一般に組成物と見なされる。好ましくは、薬学的に許容され得る担体は無菌である。医薬組成物は、経口投与、非経口投与(例えば、静脈内投与)および直腸投与などの特定の投与経路用に製剤化することができる。さらに、本開示の医薬組成物は、固体形態(カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤または坐剤を含むが、これらに限定されない)または液体形態(液剤、懸濁剤またはエマルジョンを含むが、これらに限定されない)で構成することができる。医薬組成物は、滅菌などの従来の薬学操作に供することができる、ならびに/あるいは従来の不活性希釈剤、滑沢剤または緩衝剤、ならびに保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝剤などのアジュバントを含有することができる。典型的には、医薬組成物は、以下のもののうちの1またはそれを超える数と共に有効成分を含む錠剤またはゼラチンカプセルである:
a)希釈剤、例えばラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;
b)滑沢剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウム塩もしくはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;
c)結合剤、例えばケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン;
d)崩壊剤、例えばデンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡性混合物;ならびに
e)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤。
錠剤は、当技術分野で公知の方法に従って、フィルムコーティングまたは腸溶コーティングされ得る。
経口投与に適した組成物には、錠剤、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルジョン、ハードもしくはソフトカプセル、またはシロップもしくはエリキシルの形態の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)が含まれる。経口使用を意図した組成物は、医薬組成物を製造するための当技術分野で公知の任意の方法に従って調製され、このような組成物は、薬学的に洗練された口当たりのよい調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1またはそれを超える薬剤を含有することができる。錠剤は、錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容され得る賦形剤と混和して有効成分を含有し得る。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;造粒剤および崩壊剤、例えばコーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシア;ならびに滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクである。錠剤は、コーティングされていないか、または既知の技術によってコーティングされて、消化管における崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長期間にわたって持続的な作用を提供する。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を使用することができる。経口使用のための製剤は、有効成分が不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合される硬ゼラチンカプセルとして、または有効成分が水もしくは油性媒体、例えば落花生油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合されるソフトゼラチンカプセルとして提供することができる。
一定の注射用組成物は、水性等張溶液または懸濁液の形態の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)を含み、本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)を含む一定の坐剤は、有利には脂肪性エマルジョンまたは懸濁液から調製される。前記組成物は、滅菌されてもよい、ならびに/あるいはアジュバント、例えば保存剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩および/または緩衝剤を含有してもよい。さらに、これらはまた、他の治療的に価値のある物質を含有してもよい。前記組成物は、それぞれ従来の混合、造粒またはコーティング方法に従って調製され、約0.1~75%または約1~50%の有効成分を含有する。
経皮施用のための適切な組成物は、適切な担体と共に本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)を含む。経皮送達に適した担体には、宿主の皮膚を通過するのを助けるための吸収性の薬理学的に許容され得る溶媒が含まれる。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、必要に応じて担体と共に化合物を含有するリザーバ、必要に応じて長期間にわたって制御された所定の速度で宿主の皮膚への化合物を送達するための速度制御バリア、およびデバイスを皮膚に固定する手段を含む包帯の形態である。
例えば皮膚および眼への局所施用に適した本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)を含む組成物には、水溶液、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲル、または例えばエアロゾルなどによる送達のための噴霧可能な製剤が含まれる。このような局所送達システムは、特に、皮膚施用、例えば皮膚がんの処置、例えば日焼け止めクリーム、ローション、スプレーなどにおける予防的使用に適している。したがって、これらは、当技術分野で周知の化粧品を含む局所製剤での使用に特に適している。このようなものは、可溶化剤、安定剤、張度増強剤、緩衝剤および保存剤を含有し得る。
本明細書で使用される場合、局所施用は、吸入または鼻腔内施用にも関連し得る。吸入または鼻腔内投与に適した組成物は、適切な噴射剤の使用の有無にかかわらず、乾燥粉末吸入器からの乾燥粉末(単独、混合物として、例えばラクトースとのドライブレンド、または例えばリン脂質との混合成分粒子のいずれか)の形態で、または加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザもしくはネブライザからのエアロゾルスプレーでの提供で都合よく送達され得る。
水は一定の化合物の分解を促進し得るので、本開示は、本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物)またはその薬学的に許容され得る塩を含む無水医薬組成物および剤形をさらに提供する。本開示の無水医薬組成物および剤形は、無水または低水分含有成分および低水分または低湿度条件を使用して調製することができる。無水医薬組成物は、その無水性が維持されるように調製および保存され得る。したがって、無水組成物は、適切な処方キットに含めることができるように、水への曝露を防ぐことが知られている材料を使用して包装される。適切な包装の例としては、それだけに限らないが、密封ホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、およびストリップパックが挙げられる。
本開示はさらに、有効成分としての本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)が分解する速度を低下させる1またはそれを超える薬剤を含む医薬組成物および剤形を提供する。本明細書で「安定剤」と呼ばれるこのような薬剤には、それだけに限らないが、アスコルビン酸、pH緩衝剤、または塩緩衝剤などの抗酸化剤が含まれる。
本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)は、典型的には、薬物の容易に制御可能な投与量を提供し、患者に洗練された容易に操作できる製品を与えるために医薬剤形に製剤化される。本開示の化合物の投与レジメンは、当然、特定の薬剤の薬力学的特性ならびにその投与様式および投与経路;レシピエントの種、年齢、性別、健康、医学的症状および体重;症候の性質および程度;併用処置の種類;処置の頻度;投与経路、患者の腎機能および肝機能、ならびに所望の効果などの既知の要因に応じて変化する。本明細書に記載の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物)、またはその薬学的に許容され得る塩は、1日1回の用量で投与され得るか、または総1日量が、例えば、1日に2回、3回もしくは4回の分割用量で投与され得る。
一定の例では、本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)を1またはそれを超える治療活性剤と組み合わせて投与することが有利であり得る。例えば、本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)を、例えば、抗がん剤(例えば、化学療法剤)、抗アレルギー剤、制吐薬、鎮痛薬、免疫調節薬および細胞保護剤から独立に選択される1またはそれを超える治療活性剤と組み合わせて投与してがんを処置することが有利であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の化合物が、TNK1媒介疾患、障害または症状、例えば、がん、胃腸障害、SIRS、MODS、敗血症、自己免疫障害、マイクロバイオームの疾患、障害もしくは症状、または外傷および/もしくは腸管損傷に起因する疾患、障害もしくは症状を処置するための1またはそれを超える治療活性剤と組み合わせて投与される。
「併用療法」という用語は、本明細書に記載される疾患、障害または症状を処置するための2またはそれを超える治療薬の投与を指す。このような投与は、一定の比の有効成分を有する単一カプセルなど、実質的に同時に行われる治療薬の共投与を包含する。あるいは、このような投与は、各有効成分について、複数の容器、または別々の容器(例えば、カプセル剤、散剤、および液剤)での共投与を包含する。このような投与はまた、ほぼ同時または異なる時間のいずれかでの、順次の各タイプの治療薬の使用を包含する。本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)および追加の治療薬(単数または複数)は、同じ投与経路または異なる投与経路を介して投与することができる。粉末および/または液体は、投与前に所望の用量に再構成または希釈され得る。典型的には、処置レジメンは、本明細書に記載される疾患、症状または障害の処置において薬物組み合わせの有益な効果を提供する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される併用療法のための方法が、本明細書に記載される化合物と組み合わせて使用する場合、他の経路、または同じ経路の他の構成要素、またはさらには重複する標的酵素セットを調節することが知られている薬剤を提供する。一態様では、このような治療が、それだけに限らないが、相乗的または相加的な治療効果を提供するための、本明細書に記載される化合物と化学療法剤、治療用抗体、および放射線処置の組み合わせを含む。
併用療法で使用するための組成物は、医薬組み合わせ物として一緒に製剤化されるか、または別個の投与のために提供される(例えば、キットに関連する)。したがって、さらなる実施形態は、本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)(例えば、治療上有効量の本開示の化合物)と、1またはそれを超える他の治療薬(例えば、治療上有効量の1またはそれを超える他の治療薬)とを含む医薬組み合わせ物である。医薬組み合わせ物は、1またはそれを超える薬学的に許容され得る担体、例えば1またはそれを超える本明細書に記載される薬学的に許容され得る担体をさらに含むことができる。
本開示の化合物と組み合わせて(例えば、併用療法、医薬組み合わせ物において)使用するための治療の例としては、標準治療の治療(例えば、標準治療薬剤)が挙げられる。標準治療の治療は、臨床医が一定の種類の患者、病気および/または臨床状況のために使用すべき治療である。例えば、膵臓がんのための標準治療薬剤の非限定的な例は、ゲムシタビンである。結腸直腸がんのための標準治療薬剤の非限定的な例は、FOLFIRINOX(フォリン酸、フルオロウラシル、イリノテカンおよびオキサリプラチンで構成される化学療法レジメン)、または前記のものの2またはそれを超えるものの任意の組み合わせである。多くの場合、全米総合がん情報ネットワーク(National Comprehensive Cancer Network)(NCCN)などの組織が、一定の患者、病気および/または臨床状況を処置するための最良の実務を表明するガイドラインおよび/または処置アルゴリズムを公開している。nccn.orgを参照されたい。これらのガイドラインは、しばしば、標準治療の治療を確立、表明および/または要約する。
放射線療法は、いくつかの実施形態で本明細書に記載される化合物と組み合わせて投与することができる。例示的な放射線療法には、外部照射療法、内部放射線療法、組織内照射、定位放射線手術、全身放射線療法、放射線療法および恒久的または一時的組織内近接照射療法が含まれる。本明細書で使用される「近接照射療法」という用語は、腫瘍または他の増殖性組織疾患部位またはその近くで体内に挿入された空間的に限局された放射性物質によって送達される放射線療法を指す。この用語は、限定されないが、放射性同位元素(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、およびLuの放射性同位元素)への曝露を含むことを意図している。本発明の細胞調整剤として使用するのに適した放射線源は、固体と液体の両方を含む。非限定的な例として、放射線源は、放射性核種、例えば固体源としてのI125、I131、Yb169、Ir192、固体源としてのI125、または光子、ベータ粒子、ガンマ線もしくは他の治療用放射線を放出する他の放射性核種であり得る。放射性物質はまた、放射性核種(単数または複数)の任意の溶液、例えばI125もしくはI131の溶液から作製された流体であってもよく、または放射性流体を、Au198、Y90などの固体放射性核種の小粒子を含有する適切な流体のスラリーを使用して生成することができる。さらに、放射性核種(単数または複数)は、ゲルまたは放射性マイクロスフェアに具体化することができる。いかなる理論にも限定されるものではないが、本明細書に記載される化合物は、異常細胞を死滅させるおよび/または異常細胞の成長を阻害する目的で、異常細胞を放射線による処置に対してより感受性にすることができる。したがって、いくつかの実施形態は、哺乳動物の異常細胞を放射線による処置に対して感作する方法であって、異常細胞を放射線による処置に対して感作するのに有効な量の本明細書に記載される化合物を哺乳動物に投与することを含む、方法を含む。この方法における本明細書に記載される化合物の量は、本明細書に記載されるこのような化合物および塩の有効量を確認するための手段に従って決定することができる。いくつかの実施形態では、標準治療の治療が放射線療法を含む。
本開示の化合物と組み合わせて(例えば、併用療法、医薬組み合わせ物において)使用するための化学療法剤の非限定的な例としては、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、N4-ペントキシカルボニル-5-デオキシ-5-フルオロシチジン、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、シスプラチン(Platinol(登録商標))、クラドリビン(Leustatin(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)またはNeosar(登録商標))、シタラビン、シトシンアラビノシド(Cytosar-U(登録商標))、シタラビンリポソーム注射(DepoCyt(登録商標))、ダカルバジン(DTIC-Dome(登録商標))、ドキソルビシン塩酸塩(Adriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標))、フルダラビンリン酸エステル(Fludara(登録商標))、5-フルオロウラシル(Adrucil(登録商標)、Efudex(登録商標))、ゲムシタビン(ジフルオロデオキシシチジン)、イリノテカン(Camptosar(登録商標))、L-アスパラギナーゼ(ELSPAR(登録商標))、6-メルカプトプリン(Purinethol(登録商標))、メトトレキサート(Folex(登録商標))、ペントスタチン、6-チオグアニン、チオテパ、および注射用トポテカン塩酸塩(Hycamptin(登録商標))が挙げられる。さらなる例は、ボルテゾミブである。なおさらなる例としては、例えば、膵臓がん(例えば、進行膵臓がん、膵管腺癌)を処置するための、ゲムシタビン、nabパクリタキセル、エルロチニブ、フルオロウラシルおよびFOLFIRINOX(フォリン酸、フルオロウラシル、イリノテカンおよびオキサリプラチンで構成される化学療法レジメン)、または前記のものの2またはそれを超えるものの任意の組み合わせが挙げられる。
本開示の化合物と組み合わせて使用するための特に興味深い抗がん剤には、以下が含まれる:
プリン代謝拮抗物質および/またはデノボプリン合成の阻害剤:ペメトレキセド(Alimta(登録商標))、ゲムシタビン(Gemzar(登録商標))、5-フルオロウラシル(Adrucil(登録商標)、Carac(登録商標)およびEfudex(登録商標))、メトトレキサート(Trexall(登録商標))、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、フロクスウリジン(FUDR(登録商標))、デシタビン(Dacogen(登録商標))、アザシチジン(Vidaza(登録商標)およびAzadine(登録商標))、6-メルカプトプリン(Purinethol(登録商標))、クラドリビン(Leustatin(登録商標)、Litak(登録商標)およびMovectro(登録商標))、フルダラビン(Fludara(登録商標))、ペントスタチン(Nipent(登録商標))、ネララビン(Arranon(登録商標))、クロファラビン(Clolar(登録商標)およびEvoltra(登録商標))およびシタラビン(Cytosar(登録商標))。抗血管新生剤には、例えば、MMP-2(マトリックス-メタロプロテイナーゼ2)阻害剤、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、ソラフェニブ、スニチニブおよびベバシズマブが含まれる。有用なCOX-II阻害剤の例としては、CELEBREX(商標)(アレコキシブ)、バルデコキシブおよびロフェコキシブが挙げられる。有用なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の例は、その全てが、全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第96/33172号(1996年10月24日公開)、国際公開第96/27583号(1996年3月7日公開)、欧州特許出願第97304971.1号(1997年7月8日出願)、欧州特許出願第99308617.2号(1999年10月29日出願)、国際公開第98/07697号(1998年2月26日公開)、国際公開第98/03516号(1998年1月29日公開)、国際公開第98/34918号(1998年8月13日公開)、国際公開第98/34915号(1998年8月13日公開)、国際公開第98/33768号(1998年8月6日公開)、国際公開第98/30566号(1998年7月16日公開)、欧州特許公開第606,046号(1994年7月13日公開)、欧州特許公開第931,788号(1999年7月28日公開)、国際公開第90/05719号(1990年5月31日公開)、国際公開第99/52910号(1999年10月21日公開)、国際公開第99/52889号(1999年10月21日公開)、国際公開第99/29667号(1999年6月17日公開)、PCT国際出願第PCT/IB98/01113号(1998年7月21日出願)、欧州特許出願第99302232.1号(1999年3月25日出願)、英国特許出願第9912961.1号(1999年6月3日出願)、米国仮特許出願第60/148,464号(1999年8月12日出願)、米国特許第5,863,949号(1999年1月26日付与)、米国特許第5,861,510号(1999年1月19日付与)および欧州特許公開第780,386号(1997年6月25日公開)に記載されている。MMP-2およびMMP-9阻害剤の実施形態には、MMP-1を阻害する活性がほとんどまたは全くないものが含まれる。他の実施形態には、他のマトリックスメタロプロテイナーゼ(すなわち、MAP-1、MMP-3、MMP-4、MMP-5、MMP-6、MMP-7、MMP-8、MMP-10、MMP-ll、MMP-12およびMMP-13)と比較してMMP-2および/またはAMP-9を選択的に阻害するものが含まれる。いくつかの実施形態で有用なMMP阻害剤のいくつかの具体例は、AG-3340、RO323555およびRS13-0830である。
オートファジー阻害剤には、それだけに限らないが、クロロキン、3-メチルアデニン、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil(商標))、バフィロマイシンA1、5-アミノ-4-イミダゾールカルボキサミドリボシド(AICAR)、オカダ酸、2A型または1型のプロテインホスファターゼを阻害するオートファジー抑制藻類毒素、cAMPの類似体、ならびにcAMPレベルを上昇させる薬物、例えばアデノシン、LY204002、N6-メルカプトプリンリボシドおよびビンブラスチンが含まれる。さらに、それだけに限らないが、ATG5(オートファジーに関与する)を含むタンパク質の発現を阻害するアンチセンスまたはsiRNAも使用され得る。
他の実施形態では、本明細書に記載される化合物との併用療法のための方法で有用な薬剤には、それだけに限らないが、エルロチニブ、アファチニブ、イレッサ、GDC0941、MLN1117、BYL719(アルペリシブ)、BKM120(ブパルリシブ)、CYT387、GLPG0634、バリシチニブ、レスタウルチニブ、モメロチニブ、パクリチニブ、ルキソリチニブ、TG101348、クリゾチニブ、チバンチニブ、AMG337、カボザンチニブ、フォレチニブ、オナルツズマブ、NVP-AEW541、ダサチニブ、ポナチニブ、サラカチニブ、ボスチニブ、トラメチニブ、セルメチニブ、コビメチニブ、PD0325901、RO5126766、アキシチニブ、ベバシズマブ、ボストチニブ(Bostutinib)、セツキシマブ、クリゾチニブ、フォスタマチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、イブルチニブ、ニロチニブ、パニツムマブ、パゾパニブ、ペガプタニブ、ラニビズマブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、SU6656、トラスツズマブ、トファシチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、イリノテカン、タキソール、ドセタキセル、ラパマイシンまたはMLN0128が含まれる。
B細胞受容体シグナル伝達アンタゴニスト(例えば、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤):イブルチニブ、ベネトクラックス。
ブロモドメイン阻害剤。ブロモドメイン阻害剤は、少なくとも1つのブロモドメインタンパク質、例えばBrd2、Brd3、Brd4および/またはBrdT、例えばBrd4を阻害する。これらの実施形態のいくつかでは、ブロモドメイン阻害剤が、JQ-1(Nature 2010年12月23日;468(7327):1067-73)、BI2536(ACS Chem.Biol.2014年5月16日;9(5):1160-71;Boehringer Ingelheim)、TG101209(ACS Chem.Biol.2014年5月16日;9(5):1160-71)、OTX015(Mol.Cancer Ther.2013年11月12日;C244;Oncoethix)、IBET762(J Med Chem.2013年10月10日;56(19):7498-500;GlaxoSmithKline)、IBET151(Bioorg.Med.Chem.Lett.2012年4月15日;22(8):2968-72;GlaxoSmithKline)、PFI-1(J.Med.Chem.2012年11月26日;55(22):9831-7;Cancer Res.2013年6月1日;73(11):3336-46;Structural Genomics Consortium)または(of)CPI-0610(Constellation Pharmaceuticals)である。いくつかの実施形態では、ブロモドメイン阻害剤が、TG101209、BI2536、OTX015、C244、IBET762、IBET151またはPFI-1である。
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤。HDAC阻害剤は、少なくとも1つのHDACタンパク質を阻害する。HDACタンパク質は、酵母HDACタンパク質との相同性に基づいて、HDAC1、HDAC2、HDAC3およびHDAC8で構成されるクラスI;HDAC4、HDAC5、HDAC7およびHDAC9で構成されるクラスIIa;HDAC6およびHDAC10で構成されるクラスIIb;ならびにHDAC11で構成されるクラスIVのクラスにグループ分けされ得る。これらの実施形態のいくつかでは、HDAC阻害剤が、トリコスタチンA、ボリノスタット(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.1998年3月17日;95(6):3003-7)、ギビノスタット、アベキシノスタット(Mol.Cancer Ther.2006年5月;5(5):1309-17)、ベリノスタット(Mol.Cancer Ther.2003年8月;2(8):721-8)、パノビノスタット(Clin.Cancer Res.2006年8月1日;12(15):4628-35)、レスミノスタット(Clin.Cancer Res.2013年10月1日;19(19):5494-504)、キシノスタット(Clin.Cancer Res.2013年8月1日;19(15):4262-72)、デプシペプチド(Blood.2001年11月1日;98(9):2865-8)、エンチノスタット(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.1999年4月13日;96(8):4592-7)、モセチノスタット(Bioorg.Med.Chem.Lett.2008年2月1日;18(3):106771)またはバルプロ酸(EMBO J.2001年12月17日;20(24):6969-78)である。例えば、いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤が、パノビノスタット、ボリノスタット、MS275、ベリノスタットまたはLBH589である。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤がパノビノスタットまたはSAHAである。
実施形態では、本明細書に記載される化合物が、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ(EGFR)阻害剤と組み合わせて投与される。EGFR阻害剤の例としては、エルロチニブ、オシメルチニブ、セツキシマブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ラパチニブ、ネラチニブ、パニツムマブ、バンデタニブおよびネシツムマブが挙げられる。本明細書に記載される化合物とEGFR阻害剤の組み合わせは、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、膵臓がん、乳がんおよび結腸がんなどのEGFR調節不全に関連するがんの処置に有用であり得る。EGFRは、例えば、エクソン18、19、20または21における活性化変異により調節不全であり得る。特定の実施形態では、EGFR阻害剤がエルロチニブまたはオシメルチニブである。特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物とEGFR阻害剤の組み合わせを使用して、EGFR変異NSCLCを処置する。特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物とEGFR阻害剤の組み合わせを使用して、EGFR阻害剤抵抗性がんを処置し、本明細書に記載される化合物は、がんをEGFR阻害剤に対して感作させた。
EGFR抗体:セツキシマブ(Erbitux(登録商標))。
MTAP阻害剤:(3R,4S)-1-((4-アミノ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)-4-((メチルチオ)メチル)ピロリジン-3-オール(MT-DADMe-イムシリン-A、CAS 653592-04-2)。
メチルチオアデノシン:((2R,3R,4S,5S)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-5-((メチルチオ)メチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、CAS 2457-80-9)。
上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤:エルロチニブ塩酸塩(Tarceva(登録商標))およびゲフィチニブ(Iressa(登録商標))。
EGFR抗体:セツキシマブ(Erbitux(登録商標))。
MET阻害剤:カプマチニブ(INC280、CAS 1029712-80-8)。
血小板由来増殖因子(PDGF)受容体阻害剤:イマチニブ(Gleevec(登録商標));リニファニブ(N-[4-(3-アミノ-1H-インダゾール-4-イル)フェニル]-N’-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)尿素、ABT 869としても知られている、Genentechから入手可能);スニチニブリンゴ酸塩(Sutent(登録商標));キザルチニブ(AC220、CAS 950769-58-1);パゾパニブ(Votrient(登録商標));アキシチニブ(Inlyta(登録商標));ソラフェニブ(Nexavar(登録商標));バルガテフ(Vargatef)(BIBF1120、CAS 928326-83-4);テラチニブ(BAY 57-9352、CAS 332012-40-5);バタラニブ二塩酸塩(PTK787、CAS 212141-51-0);およびモテサニブ二リン酸塩(AMG706、CAS 857876-30-3、N-(2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-1H-インドール-6-イル)-2-[(4-ピリジニルメチル)アミノ]-3-ピリジンカルボキサミド、PCT公開番号国際公開第02/066470号パンフレットに記載)。
ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤:4-[2-(1H-インダゾール-4-イル)-6-[[4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル]メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]モルホリン(GDC 0941としても知られており、PCT公開番号国際公開第09/036082号パンフレットおよび国際公開第09/055730号パンフレットに記載されている);4-(トリフルオロメチル)-5-(2,6-ジモルホリノピリミジン-4-イル)ピリジン-2-アミン(BKM 120またはNVP-BKM 120としても知られており、PCT公開番号国際公開第2007/084786号パンフレットに記載されている。);アルペリシブ(BYL719):(5Z)-5-[[4-(4-ピリジニル)-6-キノリニル]メチレン]-2,4-チアゾリジンジオン(GSK1059615、CAS 958852-01-2);5-[8-メチル-9-(1-メチルエチル)-2-(4-モルホリニル)-9H-プリン-6-イル]-2-ピリミジンアミン(VS-5584、CAS 1246560-33-7)およびエベロリムス(AFINITOR(登録商標))。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤:リボシクリブ(LEE011、CAS 1211441-98-3);アロイシンA;アルボシジブ(フラボピリドールまたはHMR-1275、2-(2-クロロフェニル)-5,7-ジヒドロキシ-8-[(3S,4R)-3-ヒドロキシ-1-メチル-4-ピペリジニル]-4-クロメノンとしても知られており、米国特許第5,621,002号明細書に記載されている);クリゾチニブ(PF-02341066、CAS 877399-52-5);2-(2-クロロフェニル)-5,7-ジヒドロキシ-8-[(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-1-メチル-3-ピロリジニル]-4H-1-ベンゾピラン-4-オン,塩酸塩(P276-00、CAS 920113-03-7);1-メチル-5-[[2-[5-(トリフルオロメチル-1H-イミダゾール-2-イル]-4-ピリジニル]オキシ]-N-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ベンゾイミダゾール-2-アミン(RAF265、CAS 927880-90-8);インジスラム(E7070);ロスコビチン(CYC202);6-アセチル-8-シクロペンチル-5-メチル-2-(5-ピペラジン-1-イル-ピリジン-2-イルアミノ)-8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン,塩酸塩(PD0332991);ジナシクリブ(SCH727965);N-[5-[[(5-tert-ブチルオキサゾール-2-イル)メチル]チオ]チアゾール-2-イル]ピペリジン-4-カルボキサミド(BMS 387032、CAS 345627-80-7);4-[[9-クロロ-7-(2,6-ジフルオロフェニル)-5H-ピリミド[5,4-d][2]ベンゾアゼピン-2-イル]アミノ]-安息香酸(MLN8054、CAS 869363-13-3);5-[3-(4,6-ジフルオロ-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-1H-インダゾール-5-イル]-N-エチル-4-メチル-3-ピリジンメタンアミン(AG-024322、CAS 837364-57-5);4-(2,6-ジクロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸N-(ピペリジン-4-イル)アミド(AT7519、CAS 844442-38-2);4-[2-メチル-1-(1-メチルエチル)-1H-イミダゾール-5-イル]-N-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-2-ピリミジンアミン(AZD5438、CAS 602306-29-6);パルボシクリブ(PD-0332991);および(2R,3R)-3-[[2-[[3-[[S(R)]-S-シクロプロピルスルホンイミドイル]-フェニル]アミノ]-5-(トリフルオロメチル)-4-ピリミジニル]オキシ]-2-ブタノール(BAY 10000394)。
p53-MDM2阻害剤:(S)-1-(4-クロロ-フェニル)-7-イソプロポキシ-6-メトキシ-2-(4-{メチル-[4-(4-メチル-3-オキソ-ピペラジン-1-イル)-trans-シクロヘキシルメチル]アミノ}フェニル)-1,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-3-オン、(S)-5-(5-クロロ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-ピリジン-3-イル)-6-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-1-イソプロピル-5,6-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-d]イミダゾール-4-オン、[(4S,5R)-2-(4-tert-ブチル-2-エトキシフェニル)-4,5-ビス(4-クロロフェニル)-4,5-ジメチルイミダゾール-1-イル]-[4-(3-メチルスルホニルプロピル)ピペラジン-1-イル]メタノン(RG7112)、4-[[(2R,3S,4R,5S)-3-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-シアノ-5-(2,2-ジメチルプロピル)ピロリジン-2-カルボニル]アミノ]-3-メトキシ安息香酸(RG7388)、SAR299155、2-((3R,5R,6S)-5-(3-クロロフェニル)-6-(4-クロロフェニル)-1-((S)-1-(イソプロピルスルホニル)-3-メチルブタン-2-イル)-3-メチル-2-オキソピペリジン-3-イル)酢酸(AMG232)、{(3R,5R,6S)-5-(3-クロロフェニル)-6-(4-クロロフェニル)-1-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-ペンタニル]-3-メチル-2-オキソ-3-ピペリジニル}酢酸(AM-8553)、(±)-4-[4,5-ビス(4-クロロフェニル)-2-(2-イソプロポキシ-4-メトキシ-フェニル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-カルボニル]-ピペラジン-2-オン(Nutlin-3)、2-メチル-7-[フェニル(フェニルアミノ)メチル]-8-キノリノール(NSC 66811)、1-N-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-4-N-ピリジン-4-イルベンゼン-1,4-ジアミン(JNJ-26854165)、4-[4,5-ビス(3,4-クロロフェニル)-2-(2-イソプロポキシ-4-メトキシ-フェニル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-カルボキシル]-ピペラジン-2-オン(Caylin-1)、4-[4,5-ビス(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2-(2-イソプロポキシ-4-メトキシ-フェニル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-カルボキシル]-ピペラジン-2-オン(Caylin-2)、5-[[3-ジメチルアミノ)プロピル]アミノ]-3,10-ジメチルピリミド[4,5-b]キノリン-2,4(3H,10H)-ジオン二塩酸塩(HLI373)およびtrans-4-ヨード-4’-ボラニル-カルコン(SC204072)。
マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤:XL-518(GDC-0973、CAS番号1029872-29-4としても知られており、ACC Corp.から入手可能である);セルメチニブ(5-[(4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ]-4-フルオロ-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド、AZD6244またはARRY 142886としても知られている、PCT公開番号国際公開第2003/077914号パンフレットに記載されている);2-[(2-クロロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロ-ベンズアミド(CI-1040またはPD184352としても知られており、PCT公開番号国際公開第2000/035436号パンフレットに記載されている);N-[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-ベンズアミド(PD0325901としても知られており、PCT公開番号国際公開第2002/006213号パンフレットに記載されている);2,3-ビス[アミノ[(2-アミノフェニル)チオ]メチレン]-ブタンジニトリル(U0126としても知られており、米国特許第2,779,780号明細書に記載されている);N-[3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-6-メトキシフェニル]-1-[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロピル]-シクロプロパンスルホンアミド(RDEA119またはBAY869766としても知られており、PCT公開番号国際公開第2007/014011号パンフレットに記載されている);(3S,4R,5Z,8S,9S,11E)-14-(エチルアミノ)-8,9,16-トリヒドロキシ-3,4-ジメチル-3,4,9,19-テトラヒドロ-1H-2-ベンゾオキサシクロテトラデシン-1,7(8H)-ジオン](E6201としても知られており、PCT公開番号国際公開第2003/076424号パンフレットに記載されている);2’-アミノ-3’-メトキシフラボン(PD98059としても知られており、Biaffin GmbH&Co.、KG、ドイツから入手可能);(R)-3-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733、CAS 1035555-63-5);ピマセルチブ(AS-703026、CAS 1204531-26-9);トラメチニブジメチルスルホキシド(GSK-1120212、CAS 1204531-25-80);2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1,5-ジメチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド(AZD 8330);3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-5-[(3-オキソ-[1,2]オキサジナン-2-イル)メチル]ベンズアミド(CH 4987655またはRo 4987655);および5-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ]-4-フルオロ-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド(MEK162)。
B-RAF阻害剤:レゴラフェニブ(BAY 73-4506、CAS 755037-03-7);ツビザニブ(Tuvizanib)(AV 951、CAS 475108-18-0);ベムラフェニブ(ZELBORAF(登録商標)、PLX-4032、CAS 918504-65-1);エンコラフェニブ(LGX 818としても知られている);1-メチル-5-[[2-[5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]-4-ピリジニル]オキシ]-N-[4-(トリフルオロメチル)フェニル-1H-ベンゾイミダゾール-2-アミン(RAF 265、CAS 927880-90-8);5-[1-(2-ヒドロキシエチル)-3-(ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-2,3-ジヒドロインデン-1-オンオキシム(GDC-0879、CAS 905281-76-7);5-[2-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]-5-(4-ピリジニル)-1H-イミダゾール-4-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム(GSK 2118436またはSB 590885);(+/-)-メチル(5-(2-(5-クロロ-2-メチルフェニル)-1-ヒドロキシ-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)カルバメート(XL-281およびBMS 908662としても知られている)、ダブラフェニブ(TAFINLAR(登録商標))およびN-(3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720としても知られている)。
ALK阻害剤:クリゾチニブ(XALKORI(登録商標))。
PIMキナーゼ阻害剤:
Figure 2022539208000013
またはその薬学的に許容され得る塩。
プロテアソーム阻害剤:ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、N-5-ベンジルオキシカルボニル-Ile-Glu(O-tert-ブチル)-Ala-ロイシナール(PSI)、カルフィルゾミブおよびイキサゾミブ、マリゾミブ(NPI-0052)、デランゾミブ(CEP-18770)、およびO-メチル-N-[(2-メチル-5-チアゾリル)カルボニル]-L-セリル-O-メチル-N-[(1S)-2-[(2R)-2-メチル-2-オキシラニル]-2-オキソ-1-(フェニルメチル)エチル]-L-セリンアミド(オプロゾミブ、ONX-0912、PR-047)(例えば、ボルテゾミブ)。RNAiスクリーニングにより、骨髄腫におけるプロテアソーム阻害剤感受性の潜在的調節因子としてTNK1が特定された。Zhuら、Blood(2011)117(14):3847-3857。いくつかの実施形態では、本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)が、例えば多発性骨髄腫を処置するために、本明細書に記載されるプロテアソーム阻害剤、例えばボルテゾミブと組み合わせて投与される。
本明細書に記載される化合物と組み合わせて使用することができる治療薬のさらなる非限定的な例は、化学療法剤、細胞毒性剤、および非ペプチド小分子、例えばGleevec(登録商標)(メシル酸イマチニブ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、Casodex(ビカルタミド)、Iressa(登録商標)(ゲフィチニブ)、およびアドリアマイシン、ならびに化学療法剤のホストである。化学療法剤の非限定的な例としては、チオテパおよびシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのアルキルスルホネート;ベンゾドパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドパ(meturedopa)およびウレドパ(uredopa)などのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチロールメラミンを含むエチレンイミンおよびメチルアメラミン(methylamelamine);クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトロソウレア(nitrosurea);アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、Casodex(登録商標)、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメックス、ジノスタチン、ドキソルビシンなどの抗生物質;メトトレキサートおよび5-フルオロウラシル(5-FU)などの代謝拮抗薬;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジン類似体、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フロリン酸などの葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジコン;エルホミチン;酢酸エリプチニウム;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK.RTM.;ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキサン、例えばパクリタキセル(TAXOL(商標)、Bristol-Myers Squibb Oncology、ニュージャージー州プリンストン)およびドセタキセル(TAXOTERE(商標)、Rhone-Poulenc Rorer、フランス、アントニー);レチノイン酸;エスペラマイシン;カペシタビン;ならびに上記のいずれかの薬学的に許容され得る塩、酸または誘導体が挙げられる。
いくつかの実施形態では、化学療法剤が、有糸***阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、挿入抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節剤、抗ホルモン薬、血管新生阻害剤および抗アンドロゲン薬からなる群から選択される。
本開示の化合物と組み合わせて(例えば、併用療法、医薬組み合わせ物において)使用するための化学療法剤のさらなる非限定的な例としては、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、N4-ペントキシカルボニル-5-デオキシ-5-フルオロシチジン、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、シスプラチン(Platinol(登録商標))、クラドリビン(Leustatin(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)またはNeosar(登録商標))、シタラビン、シトシンアラビノシド(Cytosar-U(登録商標))、シタラビンリポソーム注射(DepoCyt(登録商標))、ダカルバジン(DTIC-Dome(登録商標))、ドキソルビシン塩酸塩(Adriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標))、フルダラビンリン酸エステル(Fludara(登録商標))、5-フルオロウラシル(Adrucil(登録商標)、Efudex(登録商標))、ゲムシタビン(ジフルオロデオキシシチジン)、イリノテカン(Camptosar(登録商標))、L-アスパラギナーゼ(ELSPAR(登録商標))、6-メルカプトプリン(Purinethol(登録商標))、メトトレキサート(Folex(登録商標))、ペントスタチン、6-チオグアニン、チオテパ、および注射用トポテカン塩酸塩(Hycamptin(登録商標))が挙げられる。
一般的に処方される抗がん薬のさらなる非限定的な例としては、Herceptin(登録商標)、Avastin(登録商標)、Erbitux(登録商標)、Rituxan(登録商標)、Taxol(登録商標)、Arimidex(登録商標)、Taxotere(登録商標)、ABVD、AVICINE、アバゴボマブ(abagovomab)、アクリジンカルボキサミド、アデカツムマブ(Adecatumumab)、17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン、アルファラジン、アルボシジブ、3-アミノピリジン-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン、アモナフィド、アントラセンジオン、抗CD22免疫毒素、抗悪性腫瘍薬、抗腫瘍性薬草、アパジコン、アチプリモド、アザチオプリン、ベロテカン、ベンダムスチン、BIBW2992、ビリコダル、ブロスタリシン、ブリオスタチン、ブチオニンスルホキシミン、CBV(化学療法剤)、カリクリン、細胞周期非特異的抗悪性腫瘍薬、ジクロロ酢酸、ディスコデルモライド、エルサミトルシン、エノシタビン、エポチロン、エリブリン、エベロリムス、エキサテカン、エキシスリンド(exisulind)、フェルギノール、フォロデシン、ホスフェストロール、ICE化学療法レジメン、IT-101、イメキソン、イミキモド、インドロカルバゾール、イロフルベン、ラニキダール(Laniquidar)、ラロタキセル、レナリドマイド、ルカントン、ラルトテカン、マホスファミド、ミトゾロミド、ナフォキシジン、ネダプラチン、オラパリブ、オルタタキセル、PAC-1、ポーポー(Pawpaw)、ピキサントロン、プロテアソーム阻害剤、レベッカマイシン、レシキモド、ルビテカン、SN-38、サリノスポラミドA、サパシタビン、スタンフォードV、スワインソニン、タラポルフィン、タリキダル、テガフール-ウラシル、テモダール、テセタキセル、四硝酸トリプラチン、トリス(2-クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラムスチン、バディメザン(Vadimezan)、ビンフルニン、ZD6126またはゾスキダルが挙げられる。
腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように作用する抗ホルモン薬、例えば、タモキシフェン、(Nolvadex(商標))、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)-イミダゾール、4ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY 117018、オナプリストンおよびトレミフェン(Fareston)を含む抗エストロゲン薬;ならびにフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリドおよびゴセレリンなどの抗アンドロゲン薬;クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金類似体;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;カンプトテシン-11(CPT-11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)も適切な化学療法細胞調整剤として含まれる。
本明細書に記載される化合物と組み合わせて使用することができる治療薬の非限定的な例は、mTOR阻害剤である。例示的なmTOR阻害剤には、例えばテムシロリムス;リダフォロリムス(デフェロリムスとして正式に知られている、(1R,2R,4S)-4-[(2R)-2[(1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24E,26E,28Z,30S,32S,35R)-1,18-ジヒドロキシ-19,30-ジメトキシ-15,17,21,23,29,35-ヘキサメチル-2,3,10,14,20-ペンタオキソ-11,36-ジオキサ-4-アザトリシクロ[30.3.1.04,9]ヘキサトリアコンタ-16,24,26,28-テトラエン-12-イル]プロピル]-2-メトキシシクロヘキシルジメチルホスフィネート、AP23573およびMK8669としても知られており、国際公開第03/064383号に記載されている);エベロリムス(Afinitor(登録商標)またはRAD001);ラパマイシン(AY22989、Sirolimus(登録商標));シマピモド(CAS 164301-51-3);エムシロリムス、(5-{2,4-ビス[(3S)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-イル}-2-メトキシフェニル)メタノール(AZD8055);2-アミノ-8-[トランス-4-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]-6-(6-メトキシ-3-ピリジニル)-4-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(PF04691502、CAS 1013101-36-4);およびN-[1,4-ジオキソ-4-[[4-(4-オキソ-8-フェニル-4H-1-ベンゾピラン-2-イル)モルホリニウム-4-イル]メトキシ]ブチル]-L-アルギニルグリシル-L-α-アスパルチルL-セリン-内部塩(配列番号1482)(SF1126、CAS 936487-67-1)、およびXL765が含まれる。
一定の他の実施形態では、がんを処置する方法であって、有効量の本明細書に記載される化合物およびCDK阻害剤を、その処置を必要とする対象に投与することを含む、方法が提供される。
実施形態では、CDK阻害剤が、CDK2、CDK4、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10および/またはCDK11阻害剤である。いくつかの実施形態では、CDK阻害剤が、CDK7、CDK9阻害剤、またはその両方である。いくつかの実施形態では、CDK阻害剤が、ジナシクリブ(ACS Med.Chem.Lett.2010年5月17日;1(5):204-8;Mol.Cancer Ther.2010年8月;9(8):2344-53;Merck,Sharp and Dohme)、AT7519(J.Med.Chem.2008年8月28日;51(16):4986-99;Astex Pharmaceutical)またはパルボシクリブ(J.Med.Chem.2005年4月7日;48(7):2388-406;Pfizer)である。一定の実施形態では、CDK阻害剤が、アルボシジブなどのCDK9阻害剤である。アルボシジブは、遊離塩基として、薬学的に許容され得る塩として、またはプロドラッグとして投与され得る。一定の実施形態では、CDK9阻害剤がアルボシジブである。他の実施形態では、CDK9阻害剤がアルボシジブの薬学的に許容され得る塩である。他の実施形態では、CDK9阻害剤がアルボシジブのプロドラッグである。アルボシジブのプロドラッグには、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2016/187316号に開示されているものが含まる。
一実施形態では、本明細書に記載される化合物が、AZD6738またはVX-970などのATR阻害剤と組み合わせて、それを必要とする対象に投与される。投与は、ATR阻害剤の投与前、投与と同時または投与後であり得る。1つの具体的な実施形態では、本明細書に記載される化合物が、非小細胞肺がんを処置するために、AZD6738またはVX-970などのATR阻害剤と組み合わせて、その処置を必要とする対象に投与される。関連する具体的な実施形態では、本明細書に記載される化合物の薬学的に許容され得る塩が、非小細胞肺がんを処置するために、AZD6738またはVX-970などのATR阻害剤と組み合わせて、その処置を必要とする対象に投与される。前記実施形態のいくつかでは、塩が酒石酸塩である。前記実施形態のいくつかでは、ATR阻害剤がAZD6738である。前記実施形態のいくつかでは、ATR阻害剤がVX-970である。いくつかの実施形態では、塩が酒石酸塩であり、ATR阻害剤がAZD6738である。いくつかの実施形態では、塩が酒石酸塩であり、ATR阻害剤がVX-970である。前記実施形態のいくつかでは、ATR阻害剤がAZD6738とVX-970の組み合わせである。
一部の患者は、投与中または投与後に、本開示の化合物および/または他の治療薬(単数または複数)(例えば、抗がん剤(単数または複数))に対するアレルギー反応を経験し得る。したがって、抗アレルギー剤を本開示の化合物および/または他の治療薬(単数または複数)(例えば、抗がん剤(単数または複数))と組み合わせて投与してアレルギー反応のリスクを最小化することができる。適切な抗アレルギー剤には、副腎皮質ステロイド(Knutson,S.ら、PLoS One、DOI:10.1371/journal.pone.0111840(2014))、例えばデキサメタゾン(例えば、DECADRON(登録商標))、ベクロメタゾン(例えば、BECLOVENT(登録商標))、ヒドロコルチゾン(コルチゾン、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム、ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウムとしても知られており、ALA-CORT(登録商標)、ヒドロコルチゾンリン酸エステル、SOLU-CORTEF(登録商標)、HYDROCORT ACETATE(登録商標)およびLANACORT(登録商標)の商品名で販売されている)、プレドニゾロン(DELTA-CORTEL(登録商標)、ORAPRED(登録商標)、PEDIAPRED(登録商標)およびPRELONE(登録商標)の商品名で販売されている)、プレドニゾン(DELTASONE(登録商標)、LIQUID RED(登録商標)、METICORTEN(登録商標)およびORASONE(登録商標)の商品名で販売されている)、メチルプレドニゾロン(6-メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン酢酸エステル、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムとしても知られており、DURALONE(登録商標)、MEDRALONE(登録商標)、MEDROL(登録商標)、M-PREDNISOL(登録商標)およびSOLU-MEDROL(登録商標)の商品名で販売されている);抗ヒスタミン薬、例えばジフェンヒドラミン(例えば、BENADRYL(登録商標))、ヒドロキシジンおよびシプロヘプタジン;ならびに気管支拡張薬、例えばベータ-アドレナリン受容体作動薬、アルブテロール(例えば、PROVENTIL(登録商標))およびテルブタリン(BRETHINE(登録商標))が含まれる。
一部の患者は、本明細書に記載される化合物および/または他の治療薬(単数または複数)(例えば、抗がん剤(単数または複数))の投与中および投与後に悪心を経験し得る。したがって、制吐薬を本開示の化合物および/または他の治療薬(単数または複数)(例えば、抗がん剤(単数または複数))と組み合わせて使用して悪心(胃上部)および嘔吐を予防することができる。適切な制吐薬には、アプレピタント(EMEND(登録商標))、オンダンセトロン(ZOFRAN(登録商標))、グラニセトロンHCl(KYTRIL(登録商標))、ロラゼパム(ATIVAN(登録商標))、デキサメタゾン(DECADRON(登録商標))、プロクロルペラジン(COMPAZINE(登録商標))、カソピタント(REZONIC(登録商標)およびZUNRISA(登録商標))、およびこれらの組み合わせが含まれる。
処置期間中に経験される疼痛を緩和するための薬剤が、患者をより快適にするために処方されることが多い。TYLENOL(登録商標)などの一般的な市販鎮痛薬を本開示の化合物および/または他の治療薬(単数または複数)(例えば、抗がん剤(単数または複数))と組み合わせて使用することもできる。ヒドロコドン/パラセタモールまたはヒドロコドン/アセトアミノフェン(例えば、VICODIN(登録商標))、モルヒネ(例えば、ASTRAMORPH(登録商標)またはAVINZA(登録商標))、オキシコドン(例えば、OXYCONTIN(登録商標)またはPERCOCET(登録商標))、オキシモルホン塩酸塩(OPANA(登録商標))およびフェンタニル(例えば、DURAGESIC(登録商標))などのオピオイド鎮痛薬が、中等度または重度の疼痛に有用であり得、本開示の化合物および/または他の治療薬(単数または複数)(例えば、抗がん剤(単数または複数))と組み合わせて使用することができる。
本開示の化合物と組み合わせて使用するための特に興味深い免疫調節薬(例えば、がん免疫療法剤)には、アフツズマブ(ROCHE(登録商標)から入手可能);ペグフィルグラスチム(NEULASTA(登録商標));レナリドミド(CC-5013、REVLIMID(登録商標));サリドマイド(THALOMID(登録商標))、アクチミド(CC4047);およびIRX-2(インターロイキン1、インターロイキン2、およびインターフェロンγを含むヒトサイトカインの混合物、CAS 951209-71-5、IRX Therapeuticsから入手可能)が含まれる。
本開示の化合物と組み合わせて使用するための特に興味深いキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法には、チサゲンレクルユーセル(Novartis)、アキシカブタゲンシロルユーセル(Kite)およびトシリズマブ(アトリズマブ;Roche)が含まれる。
本開示の化合物と組み合わせて使用するための興味深い免疫チェックポイント阻害剤には、PD-1阻害剤、例えばペンブロリズマブ(Lambrolizumab、MK-3475、MK03475、SCH-900475またはKEYTRUDA(登録商標)としても知られている)および他の抗PD-1抗体(全体が参照により組み込まれる、Hamid,O.ら(2013)New England Journal of Medicine 369(2):134-44、米国特許第8,354,509号および国際公開第2009/114335号に開示される)、ニボルマブ(MDX-1106、MDX-1106-04、ONO-4538、BMS-936558またはOPDIVO(登録商標)としても知られている)および他の抗PD-1抗体(全体が参照により組み込まれる、米国特許第8,008,449号および国際公開第2006/121168号に開示される)、セミプリマブ(LIBTAYO(登録商標))、スパルタリズマブ(PDR001)、ピジリズマブ(CureTech)、MEDI0680(Medimmune)、セミプリマブ(REGN2810)、ドスタルリマブ(TSR-042)、PF-06801591(Pfizer)、シニチリマブ、トリパリマブ、チスレリズマブ(BGB-A317)、カンレリズマブ(camrelizumab)(INCSHR1210、SHR-1210)、AMP-224(Amplimmune)、CBT-501(CBT Pharmaceuticals)、CBT-502(CBT Pharmaceuticals)、JS001(Junshi Biosciences)、IBI308(Innovent Biologics)、SHR-1210(Hengrui Medicine)としても知られているINCSHR1210(Incyte)、BGBA317(Beigene)、BGB-108(Beigene)、BAT-I306(Bio-Thera Solutions)、GLS-010(Gloria Pharmaceuticals;WuXi Biologics)、AK103、AK104、AK105(Akesio Biopharma;Hangzhou Hansi Biologics;Hanzhong Biologics)、LZM009(Livzon)、HLX-10(Henlius Biotech)、MEDI0680(Medimmune)、PDF001(Novartis)、PF-06801591(Pfizer)、CT-011としても知られているピジリズマブ(CureTech)および他の抗PD-1抗体(全体が参照により組み込まれる、Rosenblatt,J.ら(2011)J Immunotherapy 34(5):409-18、米国特許第7,695,715号、米国特許第7,332,582号および米国特許第8,686,119号に開示される)、REGN2810(Regeneron)、ANB011としても知られているTSR-042(Tesaro)、またはCS1003(CStone Pharmaceuticals)が含まれる。MEDI0680(Medimmune)は、AMP-514としても知られている。MEDI0680および他の抗PD-1抗体は、全体が参照により組み込まれる、米国特許第9,205,148号および国際公開第2012/145493号に開示されている。さらなる公知の抗PD-1抗体分子には、例えば、全体が参照により組み込まれる、国際公開第2015/112800号、国際公開第2016/092419号、国際公開第2015/085847号、国際公開第2014/179664号、国際公開第2014/194302号、国際公開第2014/209804号、国際公開第2015/200119号、米国特許第8,735,553号、米国特許第7,488,802号、米国特許第8,927,697号、米国特許第8,993,731号、および米国特許第9,102,727号に記載されているものが含まれる。一実施形態では、PD-1阻害剤が、全体が参照により組み込まれる、2015年7月30日に公開された「Antibody Molecules to PD-1 and Uses Thereof」と題される米国特許出願公開第2015/0210769号に記載される抗PD-1抗体分子である。一実施形態では、抗PD-1抗体分子が、米国特許出願公開第2015/0210769号に開示されているBAP049-クローン-EまたはBAP049-クローン-BのCDR、可変領域、重鎖および/または軽鎖を含む。本明細書に記載される抗体分子は、全体が参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0210769号に記載されるベクター、宿主細胞、および方法によって作製することができる。一実施形態では、PD-1阻害剤が、例えば、全体が参照により組み込まれる、米国特許第8,907,053号に記載される、PD-1シグナル伝達経路を阻害するペプチドである。一実施形態では、PD-1阻害剤が、イムノアドヘシン(例えば、定常領域(例えば、免疫グロブリン配列のFc領域)に融合したPD-L1またはPD-L2の細胞外またはPD-1結合部分を含むイムノアドヘシン)である。一実施形態では、PD-1阻害剤がAMP-224(例えば、全体が参照により組み込まれる、国際公開第2010/027827号および国際公開第2011/066342号に開示される、B7-DCIg(Amplimmune))である。
本開示の化合物と組み合わせて使用するための興味深い免疫チェックポイント阻害剤には、PD-L1阻害剤、例えば、アテゾリズマブ(MPDL3280A、RG7446、RO5541267、YW243.55.S70またはTECENTRIQ(登録商標)としても知られている)および全体が参照により組み込まれる米国特許第8,217,149号に開示される他の抗PD-L1抗体、アベルマブ(MSB0010718Cとしても知られているBAVENCIO(登録商標))および全体が参照により組み込まれる国際公開第2013/079174号に開示される他の抗PD-L1抗体、デュルバルマブ(IMFINZI(登録商標)またはMEDI4736)および全体が参照により組み込まれる米国特許第8,779,108号に開示される他の抗PD-L1抗体、FAZ053(Novartis)およびBMS-936559(Bristol-Myers Squibb)も含まれる。一定の実施形態では、PD-L1阻害剤が、KN035(Alphamab;3DMed;Ascletis Pharma)、Envafolimab(TRACON Pharmaceuticals)、BMS 936559(Bristol-Myers Squibb)、CS1001(CStone Pharmaceuticals、Ligand Pharmaceuticals)、CX-072(CytomX Therapeutics)、FAZ053(Novartis)、SHR-1316(Hengrui Medicine)、TQB2450(Chiatai Tianqing)、STI-A1014(Zhaoke Pharm;Lee’s Pharm、Lonza、Sorrento Therapeutics、NantWorks)、LYN00102(Lynkcell)、A167(Harbour BioMed、Kelun Group)、BGB-A333(Beigene)、MSB2311(Mabspace Biosciences)またはHLX-20(Henlius Biotech)である。一実施形態では、抗PD-L1抗体分子が、MDX-1105または12A4としても知られているBMS-936559(Bristol-Myers Squibb)である。BMS-936559および他の抗PD-L1抗体は、全体が参照により組み込まれる、米国特許第7,943,743号および国際公開第2015/081158号に開示されている。一定の実施形態では、PD-L1阻害剤が、コシベリマブ(Fortress Biotech)、LY3300054またはヨーダポリマブ(Eli Lilly)、GS-4224(Gilead Sciences)、STI-A1015(Yuhan、Sorrento Therapeutics)、BCD-135(BIOCAD)、コシベリマブ(Dana-Farber Cancer Institute、TG Therapeutics)、APL-502(Apollomics)、AK106(Akeso Biopharma)、MSB2311(Transcenta Holding)、TG-1501(TG Therapeutics)、FAZ053(Novartis)である。一定の実施形態では、PD-L1阻害剤が、MT-6035(Molecular Template)、イカリチンおよびZKAB001(Lonza、Lee’s Pharmaceutical Holdings、Sorrento Therapeutics、Shenogen Pharma Group)、TRIDENT Antibody(MacroGenics、Zai Lab)、YBL-007(Anh-Gook Pharmaceutical、Y-Biologics)、HTI-1316(Hengrui Therapeutics)、PD-L1 Oncology Project(Weizmann Institute of Sciences)、JS003(Shanghai Junshi Biosciences)、ND021(Numab Therapeutics、CStone Pharmaceuticals)、Toca 521(Tocagen)、STT01(STCube)である。一定の実施形態では、PD-L1阻害剤が、DB004(DotBio)、MT-5050(Molecular Template)、KD036(Kadmon)である。一実施形態では、PD-L1阻害剤が抗PD-L1抗体分子である。一実施形態では、PD-L1阻害剤が、全体が参照により組み込まれる、2016年4月21日に公開された「Antibody Molecules to PD-L1 and Uses Thereof」と題される米国特許出願公開第2016/0108123号に開示されている抗PD-L1抗体分子である。一実施形態では、抗PD-L1抗体分子が、米国特許出願公開第2016/0108123号に開示されているBAP058-クローンOまたはBAP058-クローンNのCDR、可変領域、重鎖および/または軽鎖を含む。
さらなる公知の抗PD-L1抗体には、例えば、全体が参照により組み込まれる、国際公開第2015/181342号、国際公開第2014/100079号、国際公開第2016/000619号、国際公開第2014/022758号、国際公開第2014/055897号、国際公開第2015/061668号、国際公開第2013/079174号、国際公開第2012/145493号、国際公開第2015/112805号、国際公開第2015/109124号、国際公開第2015/195163号、米国特許第8,168,179号、米国特許第8,552,154号、米国特許第8,460,927号および米国特許第9,175,082号に記載されているものが含まれる。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤が細胞傷害性Tリンパ球関連モジュレーターである。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤が、CTLA-4を標的とする薬物、例えばイピリムマブ(YERVOY(登録商標))、トレメリムマブ、ALPN-202(Alpine Immune Sciences)、RP2(Replimune)、BMS-986249(Bristol-Myers Squibb)、BMS-986218(Bristol-Myers Squibb)、ザリフレリマブ(Agenus、Ludwig Institute for Cancer Research、UroGen Pharma、Recepta Biopharma)、BCD-217(BIOCAD)、Onc-392(Pfizer、OncoImmune)、IBI310(Innovent Biologics)、KN046(Alphamab)、MK-1308(Merck&Co)、REGN4659(Regeneron Pharmaceuticals)、XmAb20717(Xencor)、XmAb22841(Xencor)、抗CTLA-4 NF(Bristol-Myers Squibb)、MEDI5752(AstraZeneca)、AGEN1181(Agenus)、MGD019(MacroGenics)、ATOR-1015(Alligator Bioscience)、BCD-145(BIOCAD)、PSB205(Sound Biologics)、CS1002(CStone Pharmaceuticals)、ADU-1604(Aduro Biotech)、PF-06753512(Pfizer)、BioInvent-Transgene Research Program(Transgene)、AGEN2041(Agenus、Recepta Biopharam)、ATOR-1144(Alligator Bioscience)、CTLA-4 Research Project(Sorrento Therapeutics)、PD-L1/CTLA-4 Research Project(Sorrento Therapeutics)、HLX13(Shanghai Henlius Biotech)、ISA203(ISA Pharmaceuticals)、PRS-300 Series A(Pieris Pharmaceuticals)、BA3071(BioAtla)、CTLA4 Cancer Research Program(Biosortia Pharmaceuticals)、RP3(Replimune)、CG0161(Cold Genesys)、APL-509(Apollomics、JSR)、AGEN2041(Ludwig Institute for Cancer Research)、APC 101(Advanced Proteome)、CTLA-4阻害剤(Advanced Proteome)、BA3071(BeiGene)、BPI-002(BeyondSpring Pharmaceuticals)、CTLA-4抗体(Tikcro Technologies)、Immuno-Oncology Research Program II(OliPass)、PBP1701(Prestige BioPharma)、DB002(DotBio)、DB003(DotBio)、OR-2299(OncoResponse)、NK044(Alphamab)である。一定の実施形態では、CTLA-4阻害剤がイピリムマブである。他の実施形態では、CTLA4阻害剤がトレメリムマブである。
本開示の化合物と組み合わせて使用するための興味深い免疫チェックポイント阻害剤には、LAG-3阻害剤も含まれる。いくつかの実施形態では、LAG-3阻害剤が、LAG525(Novartis)、BMS-986016(Bristol-Myers Squibb)、またはTSR-033(Tesaro)から選択される。一実施形態では、LAG-3阻害剤が抗LAG-3抗体分子である。一実施形態では、LAG-3阻害剤が、全体が参照により組み込まれる、2015年9月17日に公開された「Antibody Molecules to LAG-3 and Uses Thereof」と題される米国特許出願公開第2015/0259420号に開示されている抗LAG-3抗体分子である。一実施形態では、抗LAG-3抗体分子が、米国特許出願公開第2015/0259420号に開示されているBAP050-クローン-IまたはBAP050-クローン-JのCDR、可変領域、重鎖および/または軽鎖を含む。一実施形態では、抗LAG-3抗体分子が、BMS986016としても知られているBMS-986016(Bristol-Myers Squibb)である。BMS-986016および他の抗LAG-3抗体は、全体が参照により組み込まれる、国際公開第2015/116539号および米国特許第9,505,839号に開示されている。一実施形態では、抗LAG-3抗体分子がTSR-033(Tesaro)である。一実施形態では、抗LAG-3抗体分子がIMP731またはGSK2831781(GSKおよびPrima BioMed)である。IMP731および他の抗LAG-3抗体は、全体が参照により組み込まれる、国際公開第2008/132601号および米国特許第9,244,059号に開示されている。一実施形態では、抗LAG-3抗体分子がIMP761(Prima BioMed)である。さらなる公知の抗LAG-3抗体には、例えば、全体が参照により組み込まれる、国際公開第2008/132601号、国際公開第2010/019570号、国際公開第2014/140180号、国際公開第2015/116539号、国際公開第2015/200119号、国際公開第2016/028672号、米国特許第9,244,059号、米国特許第9,505,839号に記載されているものが含まれる。一実施形態では、抗LAG-3阻害剤が、可溶性LAG-3タンパク質、例えば、全体が参照により組み込まれる国際公開第2009/044273号に開示される、IMP321(Prima BioMed)である。
本開示の化合物と組み合わせて使用するための興味深い免疫チェックポイント阻害剤には、Tim-3阻害剤も含まれる。いくつかの実施形態では、TIM-3阻害剤がMGB453(Novartis)またはTSR-022(Tesaro)である。一実施形態では、TIM-3阻害剤が抗TIM-3抗体分子である。一実施形態では、TIM-3阻害剤が、全体が参照により組み込まれる、2015年8月6日に公開された「Antibody Molecules to TIM-3 and Uses Thereof」と題される米国特許出願公開第2015/0218274号に開示されている抗TIM-3抗体分子である。一実施形態では、抗TIM-3抗体分子が、米国特許出願公開第2015/0218274号に開示されているABTIM3-hum11またはABTIM3-hum03のCDR、可変領域、重鎖および/または軽鎖を含む。一実施形態では、抗TIM-3抗体分子がTSR-022(AnaptysBio/Tesaro)である。一実施形態では、抗TIM-3抗体分子が、APE5137またはAPE5121の1またはそれを超えるCDR配列(または集合的にCDR配列の全て)、重鎖もしくは軽鎖可変領域配列、または重鎖もしくは軽鎖配列を含む。APE5137、APE5121および他の抗TIM-3抗体は、全体が参照により組み込まれる、国際公開第2016/161270号に開示されている。一実施形態では、抗TIM-3抗体分子が抗体クローンF38-2E2である。さらなる公知の抗TIM-3抗体には、例えば、全体が参照により組み込まれる、国際公開第2016/111947号、国際公開第2016/071448号、国際公開第2016/144803号、米国特許第8,552,156号、米国特許第8,841,418号および米国特許第9,163,087号に記載されているものが含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)が、例えば膵臓がん(例えば、膵管腺癌)を処置するために、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)が、例えば膵臓がん(例えば、進行膵臓がん、膵管腺癌)を処置するために、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤および/または(例えば、または)ゲムシタビン、nabパクリタキセル、エルロチニブ、フルオロウラシルもしくはFOLFIRINOX(フォリン酸、フルオロウラシル、イリノテカンおよびオキサリプラチンで構成される化学療法レジメン)、または上記の2またはそれを超えるものの任意の組み合わせから選択される薬剤と組み合わせて投与される。
正常細胞を処置毒性から保護し、器官毒性を制限するために、細胞保護剤(例えば、神経保護剤、フリーラジカルスカベンジャー、心臓保護薬、アントラサイクリン血管外漏出中和剤、栄養素など)を、本開示の化合物と組み合わせて補助療法として使用することができる。適切な細胞保護剤には、アミフォスチン(ETHYOL(登録商標))、グルタミン、ジメスナ(TAVOCEPT(登録商標))、メスナ(MESNEX(登録商標))、デクスラゾキサン(ZINECARD(登録商標)またはTOTECT(登録商標))、キサリプロデン(XAPRILA(登録商標))およびロイコボリン(カルシウムロイコボリン、シトロボラム因子およびフォリン酸としても知られている)が含まれる。
コード番号、一般名または商品名によって特定される活性化合物の構造は、標準概論「The Merck Index」の現行版またはデータベース、例えばPatent
International(例えば、IMS World Publications)から得ることができる。
本開示の別の態様では、2またはそれを超える別個の医薬組成物を含み、そのうちの少なくとも1つが本開示の化合物を含有する、キットが提供される。一実施形態では、キットが、容器、分割ボトル、または分割ホイルパケットなどの前記組成物を別々に保持するための手段を含む。このようなキットの例は、錠剤、カプセルなどの包装に典型的に使用されるブリスターパックである。
本開示のキットは、異なる剤形、例えば経口および非経口を投与するため、異なる投与間隔で別々の組成物を投与するため、または別々の組成物を互いに滴定するために使用され得る。コンプライアンスを補助するために、本開示のキットは、典型的には、投与のための指示を含む。
本開示の化合物はまた、公知の治療方法、例えばホルモンまたは特に放射線の投与と組み合わせて有利に使用され得る。本開示の化合物は、特に放射線増感剤として、特に放射線療法に対して不十分な感受性を示す腫瘍を処置するために使用され得る。
本開示の併用療法では、本開示の化合物および他の治療薬が、同じまたは異なる製造業者によって製造および/または製剤化され得る。さらに、本開示の化合物および他の治療剤は、(i)組み合わせ製品を医師に発売する前に(例えば、本開示の化合物および他の治療薬を含むキットの場合);(ii)投与直前に医師によって(または医師の指導の下で);(iii)例えば本開示の化合物および他の治療薬の順次投与中に、患者自体において、合わせて併用療法にされ得る。
施用のための医薬組成物(または製剤)は、薬物を投与するために使用される方法に応じて様々な方法で包装され得る。一般に、流通用の物品は、適切な形態の医薬製剤が内部に堆積した容器を含む。適切な容器は、当業者に周知であり、ボトル(プラスチックおよびガラス)、サシェ、アンプル、プラスチックバッグ、金属シリンダなどの材料を含む。容器はまた、パッケージの内容物への不用意なアクセスを防止するための不正開封防止集合体を含み得る。さらに、容器は、容器の内容物を記載するラベルを上に有する。ラベルはまた、適切な警告を含んでもよい。
本開示の医薬組成物または組み合わせ物は、約50~約70kgの対象について約1~約1000mgの有効成分(単数または複数)、または約50~約70kgの対象について約1~約500mg、約1~約250mg、約1~約150mg、約0.5~約100mg、もしくは約1~約50mgの有効成分(単数または複数)を含有する単位投与量であり得る。化合物、医薬組成物または医薬組み合わせ物の治療上有効投与量は、対象の種、対象の体重、年齢および個体症状、ならびに処置される疾患、障害もしくは症状またはその重症度に依存する。通常の知識を有する医師、臨床医または獣医は、疾患、障害または状態の進行を予防または処置するのに必要な有効成分の各々の治療上有効量を容易に決定することができる。
上に引用される投与量特性は、有利には哺乳動物、例えばマウス、ラット、イヌ、サルまたは単離された器官、組織およびそれらの調製物を使用したインビトロおよびインビボ試験で実証可能であり得る。本開示の化合物は、インビトロで溶液、例えば水溶液の形態で、およびインビボで経腸的に、非経口的に、有利には静脈内に、例えば懸濁液または水溶液として施用することができる。インビトロでの投与量は、約10-3モル濃度~10-9モル濃度の範囲であり得る。インビボでの治療上有効量は、投与経路に応じて、とりわけ、約0.1mg/kg~約500mg/kgの間または約1mg/kg~約100mg/kgの間の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、医薬組成物で提供される1またはそれを超える治療薬の濃度が、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%または0.0001% w/w、w/vまたはv/v未満である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物で提供される1またはそれを超える治療薬の濃度が、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%、18%、17.75%、17.50%、17.25%、17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25%、15%、14.75%、14.50%、14.25%、14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%、11%、10.75%、10.50%、10.25%、10%、9.75%、9.50%、9.25%、9%、8.75%、8.50%、8.25%、8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%または0.0001% w/w、w/vまたはv/v超である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物で提供される1またはそれを超える治療薬の濃度が、約0.0001%~約50%、約0.001%~約40%、約0.01%~約30%、約0.02%~約29%、約0.03%~約28%、約0.04%~約27%、約0.05%~約26%、約0.06%~約25%、約0.07%~約24%、約0.08%~約23%、約0.09%~約22%、約0.1%~約21%、約0.2%~約20%、約0.3%~約19%、約0.4%~約18%、約0.5%~約17%、約0.6%~約16%、約0.7%~約15%、約0.8%~約14%、約0.9%~約12%、約1%~約10% w/w、w/vまたはv/vの範囲にある。
いくつかの実施形態では、医薬組成物で提供される1またはそれを超える治療薬の濃度が、約0.001%~約10%、約0.01%~約5%、約0.02%~約4.5%、約0.03%~約4%、約0.04%~約3.5%、約0.05%~約3%、約0.06%~約2.5%、約0.07%~約2%、約0.08%~約1.5%、約0.09%~約1%、約0.1%~約0.9% w/w、w/vまたはv/vの範囲にある。
処置方法
ここで、本開示の化合物がTNK1活性を阻害することが見出された。したがって、細胞(例えば、TNK1を発現する細胞)のTNK1活性を調節する(例えば、阻害する)方法であって、細胞を本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、例えば、治療上有効量の式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩)と接触させることを含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、細胞がヒトなどの対象内にある。いくつかの実施形態では、TNK1が、短縮型変異または染色体再配列(例えば、Guらに記載されている)に起因する遺伝子変化(例えば、C末端短縮)を有する。
TNK1活性を阻害することを必要とする対象のTNK1活性を阻害する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することを含む、方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、TNK1が、短縮型変異(例えば、Guらに記載されている)などの変異(例えば、C末端変異)を有する。
細胞(例えば、STATを発現する細胞)のTNK1依存性STAT(例えば、STAT3、STAT5)リン酸化を阻害する方法であって、細胞を本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、例えば、治療上有効量の式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩)と接触させることを含む、方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、細胞がヒトなどの対象内にある。いくつかの実施形態では、TNK1が、短縮型変異(例えば、Guらに記載されている)などの変異(例えば、C末端変異)を有する。
TNK1依存性STAT(例えば、STAT3、STAT5)リン酸化を阻害することを必要とする対象のTNK1依存性STAT(例えば、STAT3、STAT5)リン酸化を阻害する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することを含む、方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、TNK1が、短縮型変異(例えば、Guらに記載されている)などの変異(例えば、C末端変異)を有する。
TNK1媒介疾患、障害または症状(例えば、がん、胃腸障害、SIRS、MODS、敗血症、自己免疫障害、マイクロバイオームの疾患、障害もしくは症状、または外傷および/もしくは腸管損傷に起因する疾患、障害もしくは症状)を処置することを必要とする対象のTNK1媒介疾患、障害または症状(例えば、がん、胃腸障害、SIRS、MODS、敗血症、自己免疫障害、マイクロバイオームの疾患、障害もしくは症状、または外傷および/もしくは腸管損傷に起因する疾患、障害もしくは症状)を処置する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することを含む、方法も本明細書で提供される。
TNK1依存性疾患、障害または症状を処置することを必要とする対象のTNK1依存性疾患、障害または症状を処置する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することを含む、方法も本明細書で提供される。
敗血症性ショックおよび/または臓器不全(例えば、多臓器不全)を処置することを必要とする対象の敗血症性ショックおよび/または臓器不全(例えば、多臓器不全)を処置する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することを含む、方法も本明細書で提供される。
腸管バリア機能を改善すること、および/または腸管透過性を減少させること、および/または腸恒常性を調節することを必要とする対象の腸管バリア機能を改善する、および/または腸管透過性を減少させる、および/または腸恒常性を調節する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することを含む、方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、腸管バリア機能を改善する、および/または腸管透過性を減少させる、および/または腸恒常性を調節する、本明細書に記載される方法が、腸管バリアが損傷または調節不全の徴候を示し得る、がん(例えば、結腸がん)、胃腸障害、全身性炎症反応症候群(SIRS)、多臓器機能障害症候群(MODS)、敗血症(例えば、腸に由来する敗血症)、自己免疫障害、マイクロバイオームの健康およびがん免疫療法剤に対する感受性における、ならびに外傷(例えば、重度の外傷、出血性外傷)および/もしくは腸管損傷後の、課題である。したがって、改善された腸バリア機能および/または減少した腸管透過性および/または調節された腸恒常性から利益を得る対象、例えばがん(例えば、がん免疫療法剤で処置可能ながんを有する対照、がんを有し、がん免疫療法剤を投与される対象)、胃腸障害、SIRS、MODS、敗血症(例えば、腸に由来する敗血症)、自己免疫障害、マイクロバイオームの疾患、障害もしくは症状(例えば、調節不全もしくは不健康なマイクロバイオーム)、または外傷(例えば、重度の外傷、出血性外傷)および/もしくは腸管損傷に起因する疾患、障害もしくは症状を有する対象の疾患、障害または症状を処置する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することを含む、方法も本明細書で提供される。外傷(例えば、重度の外傷、出血性外傷)および/または腸管損傷後の対象を処置する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することを含む、方法も本明細書で提供される。
本明細書に開示される方法を受けることができる胃腸障害の例としては、多発性腸新生物、虚血/再灌流傷害、大腸炎(例えば、潰瘍性大腸炎)、感染性下痢、セリアック病、家族性腺腫性ポリポーシスおよび炎症性腸疾患(IBD)(例えば、慢性IBD、クローン病、潰瘍性大腸炎)が挙げられる。
本明細書に開示される方法を受けることができる自己免疫障害の例としては、線維症、関節リウマチ、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、1型糖尿病、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、グレーブス病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、IBD(例えば、慢性IBD、クローン病、潰瘍性大腸炎)、多発性筋炎、皮膚筋炎、炎症性筋炎、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、乾癬、血管炎、シェーグレン病および移植拒絶が挙げられる。
がんを処置することを必要とする対象のがんを処置する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することを含む、方法も本明細書で提供される。
固形腫瘍、白血病、リンパ腫および骨髄腫を含む多種多様ながんが、本明細書に開示される方法を受けることができる。いくつかの実施形態では、がんが固形腫瘍がんである。いくつかの実施形態では、がんが固形腫瘍(例えば、結腸直腸、***、前立腺、肺、膵臓、腎臓または卵巣の腫瘍)を含む。したがって、いくつかの実施形態では、がんが固形腫瘍がんである。いくつかの実施形態では、がんが、1またはそれを超える肺系のがん、脳がん、消化管のがん、皮膚がん、泌尿生殖器がん、頭頸部がん、肉腫、癌腫、および神経内分泌がんから選択される。様々な実施形態では、固形腫瘍がんが、乳がん、膀胱がん、子宮内膜がん、食道がん、肝臓がん、膵臓がん、肺がん、子宮頸がん、結腸がん、結腸直腸がん、胃がん、腎臓がん、卵巣がん、前立腺がん、精巣がん、子宮がん、ウイルス誘発がん、黒色腫または肉腫である。いくつかの実施形態では、がんが膀胱がんである。いくつかの実施形態では、がんが肺がん(例えば、非小細胞肺がん)である。他の実施形態では、がんが肝臓がんである。いくつかの実施形態では、がんが、肉腫、膀胱がんまたは腎がんである。いくつかの実施形態では、がんが前立腺がん(例えば、去勢抵抗性前立腺がん、去勢感受性前立腺がん)である。他の実施形態では、がんが、膀胱がん、膵臓がん、結腸直腸がん、神経膠芽腫、腎がん、非小細胞肺癌、前立腺がん、肉腫、皮膚がん、甲状腺がん、精巣がんまたは外陰がんである。いくつかの実施形態では、がんが、子宮内膜がん、膵臓がん、精巣がん、腎がん、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺がん、膀胱がん、膵臓がん、外陰がん、肉腫、前立腺がん、肺がんまたは肛門がんである。いくつかの実施形態では、がんが肉腫である。いくつかの実施形態では、がんが腎細胞癌腫である。
いくつかの実施形態では、がんが非固形腫瘍がんである。いくつかの実施形態では、がんが血液がんである。本明細書に記載される方法に従って処置することができる血液がんには、白血病(例えば、急性白血病、慢性白血病)、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫)および多発性骨髄腫が含まれる。いくつかの実施形態では、血液がんが、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性リンパ性白血病、リンパ球性リンパ腫、菌状息肉腫、慢性リンパ向性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫または骨髄線維症から選択される。
本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、血液がんが変異白血病(例えば、変異AML、変異JMML)などの白血病である。PTPN11/SHP2変異(E76K、D61VおよびD61Y)白血病などの変異白血病は、少なくともAMLおよび若年性骨髄単球性白血病(JMML)に関与している。Jenkins,C.ら、Sci.Signal.11(539);doi:10.1126/scisignal.aao5617。Jenkinsらは、TNK2がPTPN11と直接相互作用すること、ならびにPTPN11変異JMMLおよびAML細胞がTNK2阻害に対して感受性であることを報告している。
PTPN11/SHP2変異は固形腫瘍でも観察されている。Jenkinsらを参照されたい。いくつかの実施形態では、がんが、(例えば、***、肺、前立腺、消化管、腎臓の)PTPN11/SHP2変異(E76K、D61VおよびD61Y)固形腫瘍を含む。
TNK2活性を阻害することを必要とする対象(例えば、AMLもしくはJMMLなどの変異白血病、または***もしくは肺の変異固形腫瘍などの変異固形腫瘍を有する対象)のTNK2活性を阻害する方法であって、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することを含む、方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、対象が、PTPN11/SHP2変異を有するがん(例えば、AMLもしくはJMMLなどの変異白血病、または***もしくは肺の変異固形腫瘍などの変異固形腫瘍)を有する。細胞(例えば、AMLもしくはJMMLなどの変異白血病、または***もしくは肺の変異固形腫瘍などの変異固形腫瘍を有する対象の細胞)のTNK2活性を阻害する方法であって、細胞を本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩)と接触させることを含む、方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、TNK2が、PTPN11/SHP2変異細胞においておよび/またはPTPN11/SHP2変異細胞によって発現される。
いくつかの実施形態では、がんが前転移がん(pre-metastatic cancer)である。いくつかの実施形態では、がんが転移がんである。
本明細書に記載される方法に従って処置可能ながんの例としては、それだけに限らないが、***、前立腺および結腸の腺癌;全ての形態の気管支原性肺癌;骨髄性;黒色腫;ヘパトーマ;神経芽細胞腫;乳頭腫;アプドーマ;分離腫;鰓腫;悪性カルチノイド症候群;カルチノイド心疾患;および癌腫(例えば、Walker、基底細胞、基底扁平上皮、Brown-Pearce、腺管、Ehrlich腫瘍、Krebs 2、メルケル細胞、粘液性、肺がん(例えば、大細胞肺がん、例えば扁平上皮癌、非小細胞肺がん)、燕麦細胞、乳頭、スキルス、細気管支、気管支原性、扁平上皮および移行細胞)が挙げられる。本明細書中に記載される方法に従って処置可能ながんの追加の例としては、それだけに限らないが、組織球性障害;白血病;悪性組織球増殖症;ホジキン病;過好酸球増加症、免疫増殖性小;非ホジキンリンパ腫;形質細胞腫;細網内皮症;黒色腫;軟骨芽細胞腫;軟骨腫;軟骨肉腫;***性皮膚線維肉腫、線維性がん(骨髄線維症、膵臓がん(例えば、膵管腺癌)、腎がん、肝臓がん、肺がん(例えば、扁平上皮癌などの大細胞肺がん)、乳がん(例えば、炎症性乳がん)、卵巣がん(例えば、高悪性度の重篤な卵巣癌)、子宮内膜がん、子宮がん、子宮肉腫(例えば、子宮平滑筋肉腫)、腎細胞がん、肉腫(例えば、軟部組織肉腫)、悪性線維性組織球腫、線維肉腫(例えば、***性皮膚線維肉腫)および肝細胞癌);線維腫;線維肉腫;巨細胞腫;組織球腫;脂肪腫;脂肪肉腫;中皮腫;粘液腫;粘液肉腫;骨腫;骨肉腫;小児悪性腫瘍、脊索腫;頭蓋咽頭腫;未分化胚細胞腫;過誤腫;間葉腫;中腎腫;筋肉腫;エナメル上皮腫;セメント質腫;歯牙腫;奇形腫;胸腺腫;絨毛性腫瘍が挙げられる。さらに、以下の種類のがんもまた、処置に適していると考えられる;腺腫;胆管腫;真珠腫;円柱腫(cyclindroma);嚢胞腺癌;嚢腺腫;顆粒膜細胞腫瘍;ギナンドロブラストーマ;肝細胞がん、ヘパトーマ;汗腺腫;膵島細胞腫瘍;ライディッヒ細胞腫;乳頭腫;セルトリ細胞腫;莢膜細胞腫;平滑筋腫;平滑筋肉腫;筋芽細胞腫;筋腫(myomma);筋肉腫;横紋筋腫;横紋筋肉腫;上衣腫;神経節腫;神経膠腫;髄芽腫;髄膜腫;神経鞘腫;神経芽細胞腫;神経上皮腫;神経線維腫;神経腫;傍神経節腫;非クロム親和性傍神経節腫。本明細書に記載される方法に従って処置可能ながんのなおさらなる例としては、それだけに限らないが、角化血管腫;好酸球増加を伴う血管リンパ様過形成;硬化性血管腫;血管腫症;グロムス血管腫;血管内皮腫;血管腫;血管周囲細胞腫;血管肉腫;リンパ管腫;リンパ管筋腫;リンパ管肉腫;松果体腫;癌肉腫;軟骨肉腫;葉状嚢胞肉腫;線維肉腫;血管肉腫;平滑筋肉腫;白血肉腫;脂肪肉腫;リンパ管肉腫;筋肉腫;粘液肉腫;卵巣癌;横紋筋肉腫;肉腫;新生物;神経線維腫症;および子宮頸部異形成が挙げられる。
本明細書に記載される方法に従って処置可能ながんのさらなる例としては、それだけに限らないが、急性リンパ芽球性白血病(ALL);急性骨髄性白血病(AML);副腎皮質癌;副腎皮質癌、小児;AIDS関連がん(例えば、カポジ肉腫、AIDS関連リンパ腫、原発性CNSリンパ腫);肛門領域のがん;肛門がん;虫垂がん;星状細胞腫、小児;非定型奇形腫様/横紋筋肉腫様腫瘍、小児、中枢神経系(CNS);CNSの新生物(例えば、原発性CNSリンパ腫、脊髄軸腫瘍、髄芽腫、脳幹神経膠腫または下垂体腺腫)、バレット食道(例えば、前悪性症候群)、および菌状息肉腫、皮膚の基底細胞癌;胆管がん;膀胱がん;膀胱がん、小児;骨がん(ユーイング肉腫、骨肉腫および悪性線維性組織球腫を含む);脳腫瘍/がん;乳がん;バーキットリンパ腫;カルチノイド腫瘍(胃腸);カルチノイド腫瘍、小児;心(心臓)腫瘍、小児;胚芽腫、小児;生殖細胞腫瘍、小児;原発性CNSリンパ腫;子宮頸がん;小児子宮頸がん;胆管癌;脊索腫、小児;慢性リンパ性白血病(CLL);慢性骨髄性白血病(CML);慢性骨髄増殖性新生物;結腸直腸がん;小児結腸直腸がん;頭蓋咽頭腫、小児;皮膚T細胞リンパ腫(例えば、菌状息肉症およびセザリー症候群);非浸潤性乳管癌(DCIS);胚性腫瘍、中枢神経系、小児;内分泌系のがん(例えば、甲状腺、膵臓、副甲状腺または副腎のがん)、子宮内膜がん(子宮がん);上衣腫、小児;食道がん;小児食道がん;鼻腔神経芽細胞腫;ユーイング肉腫;頭蓋外胚細胞腫瘍、小児;性腺外胚細胞腫瘍;眼がん;小児眼内黒色腫;眼内黒色腫;網膜芽細胞腫;卵管がん;骨の線維性組織球腫、悪性および骨肉腫;胆嚢がん;胃(Gastric )(胃(Stomach))がん;小児胃(Gastric )(胃(Stomach))がん;消化管カルチノイド;胃腸間質腫瘍(GIST);小児胃腸間質腫瘍;胚細胞腫瘍;小児中枢神経系胚細胞腫瘍(例えば、小児頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、精巣がん);妊娠性絨毛疾患;婦人科腫瘍((例えば、子宮肉腫、卵管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頸部の癌腫、膣の癌腫または外陰の癌腫)、有毛細胞白血病;頭頸部がん;心臓腫瘍、小児;肝細胞(肝臓)がん;組織球増殖症、ランゲルハンス細胞;ホジキンリンパ腫;下咽頭がん;皮膚または眼内黒色腫;小児眼内黒色腫;膵島細胞腫瘍、膵臓神経内分泌腫瘍;カポジ肉腫;腎(腎細胞)がん;ランゲルハンス細胞組織球増殖症;喉頭がん;白血病;***および口腔がん;肝臓がん;肺がん(非小細胞および小細胞);小児肺がん;リンパ腫;男性乳がん;骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫;黒色腫;小児黒色腫;黒色腫、眼内(眼);小児眼内黒色腫;メルケル細胞癌;中皮腫、悪性;小児中皮腫;転移がん;原発不明の転移性扁平上皮頸部がん;NUT遺伝子が変化した正中線上の癌;口くうがん;多発性内分泌腫瘍症;多発性骨髄腫/形質細胞新生物;菌状息肉腫;骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍;骨髄性白血病、慢性(CML);骨髄性白血病、急性(AML);骨髄増殖性腫瘍、慢性;鼻腔および副鼻腔がん;鼻咽頭がん;神経芽細胞腫;非ホジキンリンパ腫;非小細胞肺がん;口くうがん、***がんおよび口腔がんおよび口腔咽頭がん;骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫;卵巣がん;小児卵巣がん;膵臓がん;小児膵臓がん;膵臓神経内分泌腫瘍;乳頭腫症(小児喉頭);傍神経節腫;小児傍神経節腫;副鼻腔がんおよび鼻腔がん;副甲状腺癌;陰茎がん;咽頭がん;褐色細胞腫;小児褐色細胞腫;下垂体腫瘍;形質細胞新生物/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;妊娠および乳がん;原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫;原発性腹膜がん;前立腺がん;直腸がん;再発性がん;腎細胞(腎)がん;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児;唾液腺がん;肉腫(例えば、小児横紋筋肉腫、小児血管腫瘍、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、骨肉腫(骨がん)、軟部組織肉腫、子宮肉腫);セザリー症候群;皮膚がん;小児皮膚がん;小細胞肺がん;小腸がん;軟部組織肉腫;皮膚の扁平上皮がん;原発不明の転移性扁平上皮頸部がん;胃(Stomach)(胃(Gastric ))がん;小児胃(Stomach)(胃(Gastric ))がん;T細胞リンパ腫、皮膚(例えば、菌状息肉症およびセザリー症候群);精巣がん;小児精巣がん;咽頭がん(例えば、上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん);胸腺腫および胸腺癌;甲状腺がん;腎盂と尿管の移行上皮がん;尿管および腎盂(例えば、腎細胞癌、腎盂の癌腫)、良性前立腺肥大、副甲状腺がん、移行細胞がん;尿道がん;子宮がん、子宮内膜;子宮肉腫;膣がん;小児膣がん;血管腫瘍;外陰がん;およびウィルムス腫瘍および他の小児腎腫瘍が挙げられる。
前記がんの転移も、本明細書に記載される方法に従って処置することができる。
いくつかの実施形態では、がんが、ホジキンリンパ腫、膵臓がん、B細胞急性リンパ芽球性白血病、多発性骨髄腫、結腸直腸がん、子宮内膜がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、骨がん、髄芽腫、神経膠腫、腎がん、卵巣がん、乳がんまたは星状細胞腫である。
いくつかの実施形態では、がんが前立腺がん(例えば、去勢抵抗性前立腺がん)である。いくつかの実施形態では、がんが膵臓がん(例えば、膵管腺癌、進行膵臓がん)である。いくつかの実施形態では、がんがホジキンリンパ腫である。いくつかの実施形態では、がんが結腸がんである。いくつかの実施形態では、がんが結腸直腸がんである。いくつかの実施形態では、がんが肺がん(例えば、非小細胞肺がん)である。
ヒトの全長TNK1(例えば、K562 CML細胞に見られるもの)は、UniProtKBアクセッション番号Q13470に関連する。TNK1の変異(例えば、短縮型変異(単数または複数)、再配列(単数または複数)、例えば逆位(単数または複数))(例えば、C末端変異、例えばC末端短縮型変異)は、ヒト、例えばホジキンリンパ腫細胞株L540でも観察された。例えば、内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、Gu,T.-L.ら、Leukemia(2010)、24、861-865は、キナーゼドメインを含むTNK1の5’部分が、偏動原体逆位(17)(p13.1)から生じる、第17染色体のオープンリーディングフレーム61(C17ORF61)遺伝子の5’非翻訳領域の31塩基対、完全エクソン2およびエクソン3の最初の52塩基対から構成される配列に融合されているTNK1の変異体を開示している。特にGuらの図1(c)を参照されたい。Guらに開示されているTNK1の変異体は、全長TNK1のC末端阻害配列を欠いている。Guらはまた、STAT5のリン酸化がチロシンキナーゼ活性の信頼できる代用マーカーであることを開示している。
よって、いくつかの実施形態では、がんが、短縮型変異(例えば、Guらに記載されている)などのTNK1変異(例えば、C末端変異)に関連する。いくつかの実施形態では、がんが、調節不全(例えば、増強した、増加した)TNK1リン酸化に関連する。TNK1変異に関連するがんの例としては、ホジキンリンパ腫、結腸直腸がんおよび肺がん(例えば、非小細胞肺がん)が挙げられる。結腸直腸がんにおけるTNK1変異の例としては、それだけに限らないが、R458W、R562IおよびE522fsが挙げられる。調節不全(例えば、増強した、増加した)TNK1リン酸化に関連するがんの例は、ホジキンリンパ腫である。
いくつかの実施形態では、がんがTNK1依存性STAT5リン酸化に関連する。いくつかの実施形態では、がんが、調節不全(例えば、増強した、増加した)STAT5リン酸化に関連する。TNK1依存性および/または調節不全(例えば、増強した、増加した)STAT5リン酸化に関連するがんの例は、ホジキンリンパ腫である。
TNK1変異(例えば、本明細書に記載されるTNK1変異、例えばC末端変異、例えばGuらに記載される短縮型変異)を有する対象のTNK1媒介疾患、障害または症状(例えば、本明細書に記載されるTNK1媒介疾患、障害または症状)を処置する方法であって、TNK1変異を有すると判定された対象を用意することと;治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することとを含む、方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、対象がTNK1遺伝子に変異を有する。いくつかの実施形態では、対象が、例えば、TNK1遺伝子における変異に起因する、TNK1タンパク質における変異を有する。
TNK1変異(例えば、本明細書に記載されるTNK1変異、例えばC末端変異、例えばGuらに記載される短縮型変異)を有する対象のTNK1媒介疾患、障害または症状(例えば、本明細書に記載されるTNK1媒介疾患、障害または症状)を処置する方法であって、対象がTNK1変異を有するかどうかを判定することと;対象がTNK1変異を有すると判定された場合に、治療上有効量の本開示の化合物(例えば、式Iもしくはその部分式の化合物、または前記のものの薬学的に許容され得る塩)を対象に投与することとを含む、方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、対象がTNK1遺伝子に変異を有する。いくつかの実施形態では、対象が、例えば、TNK1遺伝子における変異に起因する、TNK1タンパク質における変異を有する。
本明細書に記載される方法に従って対象に投与される治療薬(例えば、本開示の化合物)の治療上有効量は、本明細書で提供されるガイダンスおよび当技術分野で公知の他の方法を使用して通常の知識を有する臨床医によって決定され得る。例えば、適切な投与量は、投与経路に応じて、とりわけ、約0.1mg/kg~約500mg/kg、または約1mg/kg~約100mg/kgの範囲であり得る。
本開示の化合物は、化合物および処置される特定の疾患に応じて、例えば、経口、食事、局所、経皮、直腸、非経口(例えば、動脈内、静脈内、筋肉内、皮下注射、皮内注射)、静脈内注入および吸入(例えば、気管支内、鼻腔内または経口吸入、鼻腔内液滴)投与経路を含む様々な投与経路を介して投与することができる。投与は、示されるように局所的または全身的であり得る。好ましい投与様式は、選択される特定の化合物に応じて変化し得る。いくつかの実施形態では、本開示の化合物が経口投与される。いくつかの実施形態では、本開示の化合物が静脈内投与される。
本開示の化合物はまた、1またはそれを超える他の治療(例えば、化学療法剤などの化学療法;免疫療法剤、がん免疫療法剤などの免疫療法)と組み合わせて投与することができる。したがって、いくつかの実施形態では、方法が、治療上有効量の1またはそれを超える他の治療薬を対象に投与することをさらに含む。本明細書に開示される方法に使用するのに適した他の治療薬には、併用療法および医薬組み合わせ物に関連して本明細書で論じられるものが含まれる。
別の治療と組み合わせて投与する場合、本開示の化合物を、他の治療(例えば、さらなる治療薬(単数または複数))の前、後またはこれと同時に投与することができる。2またはそれを超える治療薬を同時に共投与する場合(例えば、同時発生的に)、本開示の化合物および他の治療薬(単数または複数)は別々の製剤または同じ製剤であり得る。あるいは、本開示の化合物および他の治療を、熟練した臨床医によって決定される適切な時間枠内で(例えば、本開示の化合物と他の治療の薬学的効果の重複を可能にするのに十分な時間)順次に(例えば、別個の組成物として)投与することができる。
遊離形態または薬学的に許容され得る塩形態の本開示の化合物は、少なくとも本明細書に記載される試験手順のいずれか1つを使用することによって実証することができる有益な薬理学的特性を示す。
本開示の化合物は、本明細書で提供される方法、反応スキームおよび実施例を考慮して、有機合成の当業者に公知のいくつかの方法で調製することができる。本開示の化合物は、合成有機化学の分野で公知の合成方法と共に以下に記載される方法を使用して、または当業者によって認識されるその変形によって合成することができる。好ましい方法には、それだけに限らないが、以下に記載されるものが含まれる。反応は、使用される試薬および材料に適切であり、行われる変換に適した溶媒または溶媒混合物中で実施される。有機合成の当業者には、分子上に存在する官能基が、提案される変換と一致するはずであることが理解されよう。これは、本開示の所望の化合物を得るために、合成工程の順序を変更するか、またはある特定のプロセススキームよりも別のプロセススキームを選択する判断を必要とすることがある。
出発物質は、一般に、Sigma Aldrichもしくは他の商業的販売業者などの商業的供給元から入手可能であるか、または本開示に記載されるように調製されるか、または当業者に周知の方法を使用して容易に調製される(例えば、Louis F.Fieser and Mary Fieser、Reagents for Organic
Synthesis、第1-19巻、Wiley、ニューヨーク(1967-1999編)、Larock,R.C.、Comprehensive Organic Transformations、第2版、Wiley-VCH Weinheim、ドイツ(1999)、またはBeilsteins Handbuch der organischen Chemie、4、Aufl.編Springer-Verlag、ベルリン、補遺を含む(Beilsteinオンラインデータベースを介しても入手可能)に一般的に記載される方法によって調製される)。
例示目的のために、以下に示される反応スキームは、本開示の化合物ならびに重要な中間体を合成するための潜在的な経路を提供する。当業者であれば、本開示の化合物を合成するために他の合成経路が使用され得ることを理解するであろう。特定の出発物質および試薬がスキームに示され、以下に論じられるが、他の出発物質および試薬に容易に置換して、様々な誘導体および/または反応条件を提供することができる。さらに、以下に記載される方法によって調製される化合物の多くは、当業者に周知の従来の化学を使用して、本開示に照らしてさらに修飾することができる。
本開示の化合物の調製において、中間体の遠隔官能基の保護が必要な場合がある。このような保護の必要性は、遠隔官能基の性質および調製方法の条件に応じて変わる。このような保護の必要性は、当業者によって容易に決定される。保護基およびそれらの使用の一般的な説明については、Greene,T.W.ら、Protecting Groups in Organic Synthesis、第4版、Wiley(2007)を参照されたい。トリチル保護基などの本開示の化合物の調製に組み込まれる保護基は、1つの位置異性体として示され得るが、位置異性体の混合物として存在してもよい。
以下で使用される以下の略語は、対応する意味を有する:
ACN アセトニトリル; AcO 無水酢酸;
Aq 水性; BSA ウシ血清アルブミン;
BINAP 2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル;
Boc tert-ブチルオキシカルボニル; C 摂氏;
CHCl ジクロロメタン; CsCO 炭酸セシウム;
d 二重線; dd 二重線の二重線;
DCE 1,2-ジクロロエタン; DCM ジクロロメタン;
DIPEA/DIEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン; DMF N,N-ジメチルホルムアミド;
DMSO ジメチルスルホキシド;
EDC 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;
EtOAc 酢酸エチル; EtOH エタノール;
g グラム; h 時間;
HATU 2-(1H-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;
HOAt 1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール;
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー;
IBX 2-ヨードキシ安息香酸; kg キログラム;
L リットル; LC 液体クロマトグラフィー;
LCMS 液体クロマトグラフィーおよび質量分析;
LiOH 水酸化リチウム; MeOH メタノール;
MS 質量分析; M モル濃度;
m 多重線; min 分;
mL ミリリットル; μM マイクロモル濃度;
m/z 質量電荷比; nm ナノメートル;
nM ナノモル濃度; N 規定;
NMP N-メチルピロリドン; NMR 核磁気共鳴;
Pd(OAc) 酢酸パラジウム(II); PS ポリマー担持;
PG 保護基; pTsOH p-トルエンスルホン酸;
rac ラセミ体の; s 一重線;
sat.飽和; t 三重線;
TEA トリメチルアミン; TFA トリフルオロ酢酸;
TFE トリフルオロエタノール; THF テトラヒドロフラン;
TLC 薄層クロマトグラフィー。
実施例の特性評価に使用したLC/MS法。LC/MSデータは、6125MSシステムを備えたAgilent 1290 LCを使用して記録した。全てのLCMSデータを取得するために使用した方法を以下に記載する。
方法1:
カラム:Xbridge C8、3.5μm、4.6×50mm
カラム温度:周囲
溶離液:A:水950mLとACN 50mLの混合物中0.1% TFA;B:ACN中0.1% TFA
流量:1.5mL/分
勾配:
Figure 2022539208000014
方法2:
カラム:Atlantis dC18、5μm、4.6×50mm
カラム温度:周囲
溶離液:A:水950mLとACN 50mLの混合物中0.1%ギ酸;B:ACN
流量:1.5mL/分
勾配:
Figure 2022539208000015
方法3:
カラム:Atlantis dC18、5μm、4.6×250mm
カラム温度:周囲
溶離液:A:水950mLとACN 50mLの混合物中0.1%ギ酸;B:ACN
流量:1.0mL/分
勾配:
Figure 2022539208000016
方法4:
カラム:Zorbax XDB C18、3.5μm、4.6×50mm
カラム温度:周囲
溶離液:A:水950mLとACN 50mLの混合物中0.1%ギ酸;B:ACN
流量:1.5mL/分
勾配:
Figure 2022539208000017
方法5:
カラム:Zorbax extend C18、5μm、4.6×50mm
カラム温度:周囲
溶離液:A:水中10mM酢酸アンモニウム;B:ACN
流量:1.2mL/分
勾配:
Figure 2022539208000018
方法6:
カラム:Xbridge C8、5μm、4.6×50mm
カラム温度:周囲
溶離液:A:水中10mM重炭酸アンモニウム;B:ACN
流量:0.8mL/分
勾配:
Figure 2022539208000019
実施例の特性評価に使用したNMR。H NMRスペクトルは、以下の周波数で動作するBrukerフーリエ変換分光計を用いて取得した:H NMR:400MHz(Bruker);13C NMR:100MHz(Bruker)。スペクトルデータは、化学シフト(多重度、水素数)の形式で報告する。化学シフトは、テトラメチルシラン内部標準に対する低磁場のppmで指定する(δ単位、テトラメチルシラン=0ppm)、および/または溶媒ピーク(H NMRスペクトルでは、CDSOCDについては2.50ppm、CDODについては3.31ppm、CDCNについては1.94、DOについては4.79、CDClについては5.32、およびCDClについては7.26ppmに現れ、13C NMRスペクトルでは、CDSOCDについては39.7ppm、CDODについては49.0ppm、CDCNについては1.32および/または118.26、CDClについては53.84、およびCDClについては77.0ppmに現れる)を基準とする。全ての13C NMRスペクトルをプロトンデカップリングした。
実施例の精製で使用した方法。中間体および最終生成物の精製は、順相または逆相クロマトグラフィーのいずれかを介して行った。順相クロマトグラフィーは、適切な溶媒系(例えば、特段の指示がない限り、ヘキサンおよび酢酸エチル;DCMおよびMeOH)の勾配で溶出する充填済SiOカートリッジ(例えば、Teledyne Isco,Inc.製のRediSep(登録商標)Rfカラム)を使用して行った。
下記の方法を使用して逆相分取HPLCを行った。
Figure 2022539208000020
化合物の性質に基づいて、DAD、ELSEおよびMSDを使用して試料を検出した。
SFC法:
1.GreenSep Ethyl Pyridine、5μmカラム、COおよびメタノール。
2.GreenSep Ethyl Pyridine-4、5μmカラム、COおよびメタノール。
3.GreenSep Ethyl Pyridine-4、5μmカラム、COおよびIPA。
4.GreenSep Ethyl Pyridine、5μmカラム、COおよびIPA。
上記HPLC法の全てが、出発メタノールの割合から最終メタノールの割合まで集中的な勾配を実行する。各勾配の初期条件および最終条件は以下の通りである:
方法1:2~20%メタノール;
方法2:10~50%メタノール;
方法3:以下の無勾配詳細
無勾配:30%、40%および50%のメタノール
流量:3.0mL/分
ABPR:100bar
一般的な合成スキーム。以下の実施例を、本明細書に開示される方法を使用して調製、単離および特性評価した。以下の実施例は、本開示の部分的範囲を示すものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
特に指定しない限り、出発物質は、TCI Fine Chemicals(日本)、Shanghai Chemhere Co.,Ltd.(中国上海)、Aurora Fine Chemicals LLC(カリフォルニア州サンディエゴ)、FCH Group(ウクライナ)、Aldrich Chemicals Co.(ウィスコンシン州ミルウォーキー)、Lancaster Synthesis,Inc.(ニューハンプシャー州ウィンダム)、Acros Organics(ニュージャージー州フェアローン)、Maybridge Chemical Company,Ltd.(英国コーンウォール)、Tyger Scientific(ニュージャージー州プリンストン)、AstraZeneca Pharmaceuticals(英国ロンドン)、Chembridge Corporation(米国)、Matrix Scientific(米国)、Conier Chem&Pharm Co.,Ltd(中国)、Enamine Ltd(ウクライナ)、Combi-Blocks,Inc.(米国サンディエゴ)、Oakwood Products,Inc.(米国)、Apollo Scientific Ltd.(英国)、Allichem LLC.(米国)およびUkrorgsyntez Ltd(ラトビア)などの非限定的な商業的供給源から一般的に入手可能である。
スキーム1~9(以下に示される)は、式Iの化合物およびその部分式(例えば、式II)を含む本開示の化合物を調製するための潜在的な経路を記載するものである。以下の反応スキームの出発物質は市販されているか、または当業者に公知の方法に従って、もしくは本明細書に開示される方法によって調製することができる。式Iの化合物は、実質的に光学的に純粋な出発物質を使用することによって、または分離クロマトグラフィー、再結晶もしくは当技術分野で周知の他の分離技術によって、実質的に光学的に純粋にすることができる。
Figure 2022539208000021
式Iの化合物の合成:
手順A:ピリミジン誘導体(中間体I、1.0当量)およびアニリン誘導体(中間体II、0.9当量)の2-メトキシエタノール溶液(4.0ml/mmol)に、1.5(N)HCl(0.4ml/mmol)を添加し、得られた反応混合物を16時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。粗生成物をPREP HPLCによって精製して、式Iの化合物を得た。
手順B:密封管中のピリミジン誘導体(中間体I、1.0当量)およびアニリン誘導体(中間体II、0.9当量)のt-ブタノール溶液(4.0ml/mmol)に、TFA(0.3ml/mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。粗生成物をPREP HPLCによって精製して、式Iの化合物を得た。
手順C:ピリミジン誘導体(中間体I、1.0当量)、アニリン誘導体(中間体II、1.1当量)、CsCO(3.2当量)、Pd(OAc)(0.1当量)およびキサントホス(0.1当量)を含むジオキサン溶液(4.0ml/mmol)を15分間アルゴン脱気し、マイクロ波中1時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。粗生成物をPREP HPLCによって精製して、式Iの化合物を得た。
Figure 2022539208000022
Figure 2022539208000023
Figure 2022539208000024
Figure 2022539208000025
Figure 2022539208000026
Figure 2022539208000027
Figure 2022539208000028
Figure 2022539208000029
Figure 2022539208000030
Figure 2022539208000031
ピリミジン中間体Iの合成:
ピリミジン中間体Iは、スキーム2および3に従って調製することができる。例えば、加熱(慣用的もしくはマイクロ波)またはパラジウム触媒アミノ化を使用して、ピリジン上にNR1314を設置し、引き続いてピリミジンとカップリングさせることができる。パラジウム触媒アミノ化は、Pd(dba)、Pd(PPh、Pd(dppf)Cl等などの試薬を利用することができる。NRおよびNR置換基は、Greene「Protective Groups in Organic Synthesis」(Wiley-Interscienceによって公開)などの標準的な参考文献に記載されているように設置および除去することができる保護基を必要とし得る。
ピリミジン中間体I-axの合成:
Figure 2022539208000032
ステップ1:中間体I-a-int-1の調製:
条件A:2-ハロ-3-ニトロピリジン(1.0当量)およびNR1314(1.2当量)およびKCO(1.5当量)のDMF溶液(1.0ml/mmol)を密封管中で16時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応する中間体化合物(収率88~94%)を得た。
条件B:2-ハロ-3-ニトロピリジン(1.0当量)、NR1314(1.2当量)およびCsCO(1.5当量)のジオキサン溶液(1.0ml/mmol)を15分間アルゴン脱気した。Pd(OAc)(0.1当量)およびキサントホス(0.15当量)をアルゴン下で溶液に添加し、得られた反応混合物を密封管中で16時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応する中間体化合物(収率78~91%)を得た。
ステップ2:中間体I-a-int-2の調製:
3-ニトロピリジン誘導体のエタノール溶液(1.0ml/mmol)に、乾燥Pd/C(10mol%)を添加した。反応混合物を水素雰囲気下、RTで16時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するアミン中間体(収率86~98%)を得た。
ステップ3:中間体I-axの調製:
密封管中の3-アミノピリジン(1.0当量)およびピリミジン誘導体(1.2当量)のジメチルホルムアミド(1.0ml/mmol)溶液に、DIPEA(3.0当量)を添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するピリミジン中間体(収率63~81%)を得た。
Figure 2022539208000033
Figure 2022539208000034
中間体I-bxの合成:
Figure 2022539208000035
ステップ1:中間体I-b-int-1の調製:
2-フルオロ-3-ニトロピリジン/ベンゼン(1.0当量)のDMF中撹拌溶液(2.0ml/mmol)に、エチレンジアミン(1.5当量)および炭酸カリウム(1.2当量)を室温で添加した。得られた反応混合物を80℃で16時間撹拌した。反応終了を確認した後、反応を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物をisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するアミン中間体I-b-int-1(収率78~81%)を得た。
ステップ2:中間体I-b-int-2の調製:
アミン中間体(1.0当量)のTHF中撹拌溶液(2.0ml/mmol)に、CDI(1.2当量)を室温で添加した。得られた反応混合物を16時間50℃に加熱した。反応終了を確認した後、反応を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物をisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応する環状尿素中間体I-b-int-2(収率71~76%)を得た。
ステップ3:中間体I-b-int-3の調製:
中間体I-b-int-2(1.0当量)のメタノール中溶液(3.0ml/mmol)に、乾燥Pd/C(10mol%)を窒素雰囲気下で添加した。撹拌を水素雰囲気下、室温で16時間続けた。反応物のLCMSは、出発物質の消費を示した。Pd/Cを濾別し、過剰のメタノールで洗浄した。濾液を濃縮して粗生成物を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するアミン中間体I-b-int-3(収率86~88%)を得た。
ステップ4:中間体I-baの調製:
アミン中間体I-b-int-3(1.0当量)および2,4,5-トリクロロピリミジン(2.5当量)のDMF中溶液(2.5ml/mmol)に、DIPEA(3.0当量)を窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物をisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するピリミジン誘導体(収率56~62%)を得た。
Figure 2022539208000036
アニリン中間体(II-xx)の合成:
アニリン中間体(II-xx)は、以下のスキーム4~9に従って調製することができる。例えば、加熱(慣用的もしくはマイクロ波)またはパラジウム触媒アミノ化を使用して、アニリン誘導体上のC-N、C-CまたはC-O結合を形成することができる。C-NまたはC-O結合形成は、慣用的な加熱条件下でKCO、CsCO等などの塩基を利用することができる。パラジウム触媒C-NまたはC-C結合形成は、Pd(dba)、Pd(PPh、Pd(dppf)Cl等などの試薬を利用することができる。N(R)は、Greene「Protective Groups in Organic Synthesis」(Wiley-Interscienceによって公開)などの標準的な参考文献に記載されているように設置および除去することができる保護基を必要とし得る。
アニリン中間体II-axの合成:
Figure 2022539208000037
ステップ1:中間体II-a-int-1の調製:
条件A:ハロゲン化アリール(1.0当量)のジメチルホルムアミド溶液(2.0ml/mmol)に、丸底フラスコ中でピペラジン(1.1当量)およびKCO(1.5当量)を添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、対応する中間体II-a-int-1(収率80~90%)を得た。
条件B:ハロゲン化アリール(1.0当量)、ピペラジン(1.1当量)およびCsCO(1.5当量)のジオキサン溶液(1.0ml/mmol)を15分間アルゴン脱気した。脱気した溶液に、Pd(dba)(0.1当量)およびキサントホス(0.15当量)を窒素雰囲気下で添加した。得られた反応混合物を密封管中で16時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応する中間体(収率60~70%)を得た。
ステップ2:中間体II-axの調製:
条件C:中間体II-a-int-1のエタノール溶液(1.0ml/mmol)に、乾燥Pd/C(10mol%)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、RTで16時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するアミン中間体(収率78~86%)を得た。
条件D:中間体II-a-int-1(1.0当量)のEtOH中撹拌溶液(2.0ml/mmol)に、鉄粉(3.0当量)および塩化アンモニウム(3.0当量)を添加した。撹拌を70℃で4時間続けた。反応が終了したら、鉄粉を濾別し、過剰のエタノールで洗浄し、有機層を減圧下で蒸発させた。粗反応混合物を、isolaraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、アニリン中間体II-ax(収率78~86%)を得た。
Figure 2022539208000038
アニリン中間体II-bxの合成:
Figure 2022539208000039
ステップ1:中間体II-b-int-1の調製:
丸底フラスコ中のフッ化アリール(1.0当量)のジメチルホルムアミド溶液(2.0ml/mmol)に、ROH(1.1当量)およびKCO(1.5当量)を添加した。得られた反応混合物を16時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗化合物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するアリールアルコキシ中間体II-b-int-1(収率53~88%)を得た。
ステップ2:中間体II-b-int-2の調製:
スキーム4、ステップ1の中間体II-a-int-1の合成について記載される条件Bに従った。
ステップ3:中間体II-bxの調製:
スキーム4、ステップ2の中間体II-axの合成について記載される条件Cに従った。
Figure 2022539208000040
Figure 2022539208000041
アニリン中間体II-cxの合成:
Figure 2022539208000042
ステップ1:中間体II-c-int-1の調製:
スキーム4、ステップ1の中間体II-a-int-1の合成について記載される条件AまたはBのいずれかに従った(収率63~88%)。
ステップ3:中間体II-c-int-2の調製:
中間体II-c-int-1(1.0当量)のDMF溶液(2.0ml/mmol)に、NCS(1.2当量)を0℃で添加した。得られた反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗化合物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するクロロ中間体II-c-int-2(収率86~91%)を得た。
ステップ2および4:中間体II-cxおよびII-cx’の調製:
ニトロをアミンに還元するためにスキーム4の中間体II-axの合成について記載される条件CまたはDに従った(収率76~94%)。
Figure 2022539208000043
Figure 2022539208000044
アニリン中間体II-daの合成:
Figure 2022539208000045
ステップ1:中間体II-d-int-1の調製:
スキーム4、ステップ1の中間体II-a-int-1の合成について記載される条件Aに従った(収率93%)。
ステップ2:中間体II-d-int-2の調製:
中間体II-d-int-1(1.3g、3.7mmol)のDCM(25.0ml)中撹拌溶液に、TFA(4.58g、4.0mmol)を0℃で添加した。得られた反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をDCM(25.0ml)で希釈し、10%ナトリウムNaHCO(25.0ml)で洗浄し、DCMで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗化合物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するII-d-int-2(収率78%)を得た。
ステップ3:中間体II-d-int-3の調製:
中間体II-d-int-2(1.0当量)のDCM溶液(2.0ml/mmol)に、ピリジン(1.2当量)および塩化アシル(1.2当量)を0℃で添加した。得られた反応混合物を室温で6時間撹拌した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗化合物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するアシル中間体II-d-int-3(収率79%)を得た。
ステップ4:中間体II-daの調製:
ニトロ基を還元するためにスキーム4の中間体II-axの合成について記載される条件Cに従った(収率81%)。
Figure 2022539208000046
アニリン中間体II-eaの合成:
Figure 2022539208000047
ステップ1:中間体II-e-int-1の調製:
クロマン-8-アミン(1.0g、6.7mmol)のDCM溶液(2.0ml/mmol)に、NBS(1.4g、8.0mmol)を0℃で添加した。得られた反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗化合物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するブロモ中間体II-e-int-1(収率1.27g、83.0%)を得た。
ステップ2:中間体II-e-int-2の調製:
中間体I-e-int-1(1.2g、5.3mmol 1.0当量)のDCM中撹拌溶液(3.0ml/mmol)に、m-CPBA(2.7g、15.8mmol 3.0当量)を0℃で少しずつ添加した。得られた反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をNaHCO溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物をisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、ニトロ中間体I-e-int-2(1.0g収率73%)を得た。
ステップ3:中間体II-e-int-3の調製:
中間体II-a-int-1の合成について記載されるのと同じ条件、スキーム4の条件Bに従った(収率65%)。
ステップ4:中間体II-eaの調製:
中間体II-axの合成について記載されるのと同じ条件、スキーム4のステップ2の条件Cに従った(収率83%)。
Figure 2022539208000048
アニリン中間体II-faの合成:
Figure 2022539208000049
アニリン中間体II-faの合成:
ハロゲン化アリール(0.5g、1.95mmol)、N-メチルピペラジン(0.24g、2.34mmol)およびLHMDS(1.5当量)のジオキサン溶液(2.0ml/mmol)を15分間アルゴン脱気した。この溶液に、窒素雰囲気下でPd(dba)(0.178g、0.195mmol)およびDavePhos(0.115g、0.292mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で3時間70℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSを使用して、出発物質の完全な消費を追跡した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応する中間体II-fa(0.35g、収率65%)を得た。
Figure 2022539208000050
実施例番号1の合成
Figure 2022539208000051
ステップ1:1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(1-3)の合成:
Figure 2022539208000052
2-クロロ-3-ニトロピリジン(10.0g、63.1mmol)、ピロリジン-2-オン(6.4g、75.2mmol)およびCsCO(30.8g、94.5mmol)のジオキサン溶液(80ml)を15分間アルゴン脱気した。次いで、脱気した溶液に、Pd(OAc)(0.715g、3.2mmol)およびキサントホス(3.6g、6.2mmol)をアルゴン下で添加した。得られた反応混合物を密封管中100℃で12時間加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.5g、36.2mmol、収率57.4%)を白色固体として得た、LCMS(ES、m/z):208.1(M+1)。
ステップ2:1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(1-4)の合成:
Figure 2022539208000053
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、52.6mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(1.1g)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、RTで12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、41.2mmol、収率78.0%)を黒色固体として得た、LCMS(ES、m/z):178.1(M+1)。
ステップ3:1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(1-6)の合成:
Figure 2022539208000054
1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、41.2mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(8.9g、48.5mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、密封管中でDIPEA(21.0ml、120.6mmol)を添加し、これを12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、33.6mmol、収率82.0%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):324.0(M+1)。
ステップ4:1-(3-((5-クロロ-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン
Figure 2022539208000055
1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(1.0g、3.08mmol)および4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.589g、3.08mmol)のtert-ブタノール溶液(10.0ml)に、密封管中でTFA 1.0mlを添加し、これを14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCを使用して精製して、1-(3-((5-クロロ-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.5g、1.04mmol、収率34%)を褐色固体として得た。H-NMR 400 MHz, DMSO-d: δ 9.57 (s, 1H), 9.23 (s, 1H), 8.82 (s, 1H), 8.28 - 8.35 (m, 2H), 8.16 (s, 1H), 7.40 - 7.49 (m, 3H), 6.86 (d, J = 12.6 Hz, 2H), 4.02 - 4.20 (m, 2H), 3.85 (d, J = 14.1 Hz, 2H), 3.72 (d, J = 13.4 Hz, 2H), 3.11 - 3.21 (m, 4H), 2.84 - 2.89 (m, 5H) and 2.08-2.15 (m, 2H); LCMS(ES, m/z): 479.1 (M+1).
実施例番号2の合成
Figure 2022539208000056
ステップ1:1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(2-3)の合成:
Figure 2022539208000057
2-クロロ-3-ニトロピリジン(10.0g、63.1mmol)のジオキサン溶液(80ml)に、ピロリジン-2-オン(6.4g、75.2mmol)およびCsCO(30.8g、94.5mmol)を添加した。得られた反応混合物を15分間アルゴン脱気した。次いで、脱気した反応混合物に、Pd(OAc)(0.715g、3.2mmol)およびキサントホス(3.6g、6.2mmol)をアルゴン下で添加し、反応混合物を密封管中100℃で12時間加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.5g、36.2mmol、収率57.4%)を白色固体として得た、LCMS(ES、m/z):208.1(M+1)。
ステップ2:1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(2-4)の合成:
Figure 2022539208000058
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、52.6mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(1.1g)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、RTで12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、41.2mmol、収率78.0%)を黒色固体として得た、LCMS(ES、m/z):178.1(M+1)。
ステップ3:1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(2-6)の合成:
Figure 2022539208000059
1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、41.2mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(8.9g、48.5mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、密封管中でDIPEA(21.0ml、120.6mmol)を添加し、これを12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、33.6mmol、収率82.0%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):324.0(M+1)。
ステップ4:1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(2-9)の合成:
Figure 2022539208000060
4-フルオロ-2-メトキシ-1-ニトロベンゼン(5.0g、29.2mmol)のジメチルホルムアミド溶液(50ml)に、1-メチルピペラジン(3.5g、35.0mmol)およびKCO(6.0g、43.8mmol)を丸底フラスコ中で添加し、これを16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(5.0g、19.9mmol、収率68.1%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):252.2(M+1)。
ステップ5:5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(2-10)の合成:
Figure 2022539208000061
1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(6.6g、26.3mmol)のエタノール溶液(60ml)に、Fe粉末(4.3g、78.1mmol)、NHCl(4.3g、78.1mmol)および水(12.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(4.5g、20.33mmol、収率77.5%)を紫色固体として得た、LCMS(ES,m/z):222.2(M+1)。
ステップ6:1-(3-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン:
Figure 2022539208000062
1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(1.0g、3.08mmol)および2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.68g、3.08mmol)のt-ブタノール溶液(10.0ml)に、密封管中でTFA 1.0mlを添加し、これを14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCを使用して精製して、1-(3-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.5g、0.98mmol、収率32.0%)を緑色固体として得た:H-NMR 400 MHz, CDOD-d: δ 8.42 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.39 - 7.42 (m, 1H), 7.31 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.75 (s, 1H), 6.56 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.13 (t, J = 12.6 Hz, 2H), 3.87 - 3.93 (m, 5H), 3.66 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 3.27 - 3.33 (m, 2H), 3.11 (t, J = 12.3 Hz, 2H), 3.01 (s, 3H), 2.68 (t, J = 7.9 Hz, 2H), and 2.09 - 2.28 (m, 2H).; LCMS(ES, m/z): 509.1 (M+1).
実施例番号3の合成:
Figure 2022539208000063
ステップ1:N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(3-3)の合成:
Figure 2022539208000064
2-フルオロ-3-ニトロピリジン(8.0g、56.3mmol)のDMF溶液(60ml)に、2.0M THF溶液中ジメチルアミン(33ml、67.56mmol)およびKCO(11.66g、84.45mmol)を添加した。得られた反応混合物を二つ口丸底フラスコ中で8時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×100ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol、収率74.4%)を黄色液体として得た。
ステップ2:N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(3-4)の合成:
Figure 2022539208000065
N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(700mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(4.7g、34.2mmol、収率82.4%)を黒色固体として得た。
ステップ3:N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(3-6)の合成:
Figure 2022539208000066
N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(500mg、3.6mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(0.45ml、4.0mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、DIPEA(0.95ml、5.47mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.55g、1.9mmol、収率53.3%)を褐色固体として得た。
ステップ4:4-ブロモ-2-エトキシ-1-ニトロベンゼン(3-8)の合成:
Figure 2022539208000067
4-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン(2.0g、9.09mmol)のエタノール溶液(30ml)にナトリウムエトキシド(0.61g、9.09mmol)を添加した。得られた反応混合物を60℃で16時間加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、エタノールを蒸発させ、反応残渣を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、4-ブロモ-2-エトキシ-1-ニトロベンゼン(1.7g、6.9mmol、収率76.2%)を得た。
ステップ5:1-(3-エトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(3-10)の合成:
Figure 2022539208000068
4-ブロモ-2-エトキシ-1-ニトロベンゼン(1.6g、6.5mmol)に、1-メチルピペラジン(0.78g、7.8mmol)を丸底フラスコ中で添加した。得られた反応混合物を16時間110℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(3-エトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.4g、収率81.3%)を黄色固体として得た。
ステップ6:2-エトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(3-11)の合成:
Figure 2022539208000069
1-(3-エトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.4g、5.2mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(200mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、2-エトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(1.1g、4.6mmol、収率88.7%)を黒色固体として得た。
ステップ7:5-クロロ-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N2-(2-エトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン:
Figure 2022539208000070
N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.25g、0.8mmol)および2-エトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.2g、0.8mmol)の2-メトキシエタノール溶液(5.0ml)に、HCl中1.5Nジオキサン0.5mlを添加した。得られた反応混合物を密封管中で14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCによって精製して、5-クロロ-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N2-(2-エトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン(0.05g、11.7mmol、収率11%)を褐色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 8.19 (s, 1H), 8.13-8.11 (m, 1H), 8.04 (d, J = 8.00 Hz, 2H), 7.28-7.23 (m, 1H), 7.13 (t, J = 6.80 Hz, 1H), 6.70 (s, 1H), 6.48 (d, J = 7.60 Hz, 1H), 4.12-4.08 (m, 2H), 3.87 (d, J = 12.80 Hz, 2H), 3.64 (d, J = 12.00 Hz, 2H), 3.37 (s, 6H), 3.33-3.32 (m, 4H), 3.00 (s, 3H), 1.39-1.36 (m, 3H), LCMS(ES, m/z): 483.2(M +1).
実施例番号4の合成:
Figure 2022539208000071
ステップ1:N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(4-3)の合成:
Figure 2022539208000072
2-フルオロ-3-ニトロピリジン(8.0g、56.3mmol)のDMF溶液(60ml)に、2.0M THF溶液中ジメチルアミン(33ml、67.56mmol)およびKCO(11.66g、84.45mmol)を添加した。得られた反応混合物を二つ口丸底フラスコ中で8時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×100ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol、収率74.4%)を黄色液体として得た。
ステップ2:N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(4-4)の合成:
Figure 2022539208000073
N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(700mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(4.7g、34.2mmol、収率82.4%)を黒色固体として得た。
ステップ3:N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(4-6)の合成:
Figure 2022539208000074
密封管中のN2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(500mg、3.6mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(0.45ml、4.0mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、DIPEA(0.95ml、5.47mmol)を添加した。得られた反応混合物を12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.55g、1.9mmol、収率53.3%)を褐色固体として得た。
ステップ4:4-ブロモ-2-イソプロポキシ-1-ニトロベンゼン(4-8)の合成:
Figure 2022539208000075
4-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン(5.0g、22.7mmol)のイソプロパノール溶液(50ml)にナトリウムエトキシド(22.7mmol)を添加し、60℃で16時間加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。イソプロパノールを反応混合物から蒸発させ、得られた残渣を酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、4-ブロモ-2-イソプロポキシ-1-ニトロベンゼン(3g、11.5mmol、収率50.8%)を得た。
ステップ5:1-(3-イソプロポキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(4-10)の合成:
Figure 2022539208000076
4-ブロモ-2-エトキシ-1-ニトロベンゼン(2.4g、9.2mmol)に、丸底フラスコ中で1-メチルピペラジン(1.1g、11mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間110℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(3-イソプロポキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.7g、6.0mmol、収率66.1%)を黄色固体として得た。
ステップ6:2-イソプロポキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(4-11)の合成:
Figure 2022539208000077
1-(3-イソプロポキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1g、3.5mmol)のエタノール溶液(20ml)に、乾燥Pd/C(300mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、2-イソプロポキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.75g、3.0mmol、収率84.2%)を黒色固体として得た。
ステップ7:5-クロロ-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N2-(2-イソプロポキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン:
Figure 2022539208000078
N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.25g、0.8mmol)および2-イソプロポキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.22g、0.8mmol)の2-メトキシエタノール溶液(5.0ml)に、HCl中1.5Nジオキサン0.5mlを添加した。得られた反応混合物を密封管中で14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCによって精製して、5-クロロ-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N2-(2-イソプロポキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン(45mg、収率10%)を褐色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 8.19 (s, 1H), 8.14-8.12 (m, 1H), 8.03 (d, J = 6.40 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 7.15-7.11 (m, 1H), 6.72 (d, J = 2.40 Hz, 1H), 6.47 (d, J = 8.00 Hz, 1H), 4.71-4.65 (m, 1H), 3.85 (d, J = 12.00 Hz, 2H), 3.64 (d, J = 10.80 Hz, 2H), 3.33-3.32 (m, 2H), 3.20 (s, 8H), 3.00 (s, 3H), 1.31 (d, J = 6.00 Hz, 6H), LCMS(ES, m/z): 497.2(M +1).
実施例番号5の合成:
Figure 2022539208000079
ステップ1:N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(5-2)の合成:
Figure 2022539208000080
2-フルオロ-3-ニトロピリジン(8.0g、56.3mmol)のDMF溶液(60ml)に、2.0M THF溶液中ジメチルアミン(33ml、67.56mmol)およびKCO(11.66g、84.45mmol)を添加した。得られた反応混合物を二つ口丸底フラスコ中で8時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×100ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol、収率74.4%)を黄色液体として得た。
ステップ2:N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(5-3)の合成:
Figure 2022539208000081
N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(700mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(4.7g、34.2mmol、収率82.4%)を黒色固体として得た。
ステップ3:N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(5-5)の合成:
Figure 2022539208000082
N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(500mg、3.6mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(0.45ml、4.0mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、DIPEA(0.95ml、5.47mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.55g、1.9mmol、収率53.3%)を褐色固体として得た。
ステップ4:5-クロロ-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン:
Figure 2022539208000083
N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.25g、0.8mmol)および4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.16g、0.8mmol)のtert-ブタノール溶液(10.0ml)に、TFA 1.0mlを添加した。得られた反応混合物を密封管中で14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCによって精製して、5-クロロ-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N2-(4-(4-メチルピペラジン-1イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン(0.08g、収率20%)を褐色固体として得た。H-NMR 400 MHz, DMSO-d: δ 9.10 (d, J = 8.40 Hz, 1H), 8.38-8.39 (m, 1H), 8.16 (d, J = 1.60 Hz, 1H), 7.54-7.57 (m, 1H), 7.45-7.47 (m, 1H), 7.03-7.05 (m, 2H), 7.45-7.47 (m, 1H), 7.03-7.05 (m, 2H), 3.70 (d, J = 12.92 Hz, 2H), 3.52 (d, J = 11.40 Hz, 2H), 3.12-3.20 (m, 2H), 2.86 (d, J = 15.44 Hz, 12H); LCMS(ES, m/z): 439.1(M+1).
実施例番号6の合成:
Figure 2022539208000084
ステップ1:N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(6-3)の合成:
Figure 2022539208000085
2-フルオロ-3-ニトロピリジン(8.0g、56.3mmol)のDMF溶液(60ml)に、2.0M THF溶液中ジメチルアミン(33ml、67.56mmol)およびKCO(11.66g、84.45mmol)を添加した。得られた反応混合物を二つ口丸底フラスコ中で8時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×100ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol、収率74.4%)を黄色液体として得た。
ステップ2:N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(6-4)の合成:
Figure 2022539208000086
N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(700mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(4.7g、34.2mmol、収率82.4%)を黒色固体として得た。
ステップ3:N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(6-6)の合成:
Figure 2022539208000087
N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(500mg、3.6mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(0.45ml、4.0mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、DIPEA(0.95ml、5.47mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.55g、1.9mmol、収率53.3%)を褐色固体として得た。
ステップ4:1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(6-9)の合成:
Figure 2022539208000088
丸底フラスコ中の1-フルオロ-5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(1.0g、5.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(10ml)に、1-メチルピペラジン(0.63g、6.4mmol)およびKCO(1.12g、8.1mmol)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.0g、3.7mmol、収率71.4%)を黄色固体として得た。
ステップ5:2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(6-10)の合成:
Figure 2022539208000089
1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1g、3.7mmol)のエタノール溶液(20ml)に、Fe粉末(0.63g、11.3mmol)、NHCl(0.59g、11.3mmol)および水(4.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.7g、2.9mmol、収率78.9%)を紫色固体として得た。
ステップ6:5-クロロ-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N2-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン:
Figure 2022539208000090
N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.25g、0.8mmol)および2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.20g、0.8mmol)のtert-ブタノール溶液(10.0ml)に、TFA 1.0mlを添加した。得られた反応混合物を密封管中で14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCによって精製して、5-クロロ-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N2-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン(0.09g、収率21.1%)を灰白色固体として得た。H-NMR 400 MHz, DMSO-d: δ 9.87 (s, 1H), 9.31 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.10-8.11 (m, 1H), 7.86 (d, J = 7.68 Hz, 1H), 7.37 (s, 1H), 6.92-6.95 (m, 1H), 6.67 (s, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.51 (d, J = 11.76 Hz, 2H), 3.16-3.21 (m, 4H), 2.85-2.96 (m, 10H), 2.02 (s, 3H), LCMS(ES, m/z): 483.02 (M +1).
実施例番号7の合成:
Figure 2022539208000091
ステップ1:N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7-3)の合成:
Figure 2022539208000092
2-フルオロ-3-ニトロピリジン(8.0g、56.3mmol)のDMF溶液(60ml)に、2.0M THF溶液中ジメチルアミン(33ml、67.56mmol)およびKCO(11.66g、84.45mmol)を添加した。得られた反応混合物を二つ口丸底フラスコ中で8時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×100ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol、収率74.4%)を黄色液体として得た。
ステップ2:N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(7-4)の合成:
Figure 2022539208000093
N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(700mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(4.7g、34.2mmol、収率82.4%)を黒色固体として得た。
ステップ3:N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(7-6)の合成:
Figure 2022539208000094
N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(500mg、3.6mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(0.45ml、4.0mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、DIPEA(0.95ml、5.47mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.55g、1.9mmol、収率53.3%)を褐色固体として得た。
ステップ4:1-メチル-4-(4-ニトロナフタレン-1-イル)ピペラジン(7-9)の合成:
Figure 2022539208000095
1-フルオロ-4-ニトロナフタレン(0.38g、1.9mmol)および1-メチルピペラジン(0.298mg、2.98mmol)のDMF溶液(10ml)に、KCO(0.790g、5.7mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で16時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、1-メチル-4-(4-ニトロナフタレン-1-イル)ピペラジン(0.52g、1.97mmol、収率96.47%)を得た。
ステップ5:1-(2-クロロ-4-ニトロナフタレン-1-イル)-4-メチルピペラジン(7-10)の合成:
Figure 2022539208000096
1-メチル-4-(4-ニトロナフタレン-1-イル)ピペラジン(0.52 g、1.91mmol)に、NCSおよびNaCl溶液を添加した。得られた反応混合物を窒素雰囲気下、室温で16時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、1-(2-クロロ-4-ニトロナフタレン-1-イル)-4-メチルピペラジン(0.4g、収率68.2%)を得た。
ステップ6:3-クロロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-アミン(7-11)の合成:
Figure 2022539208000097
1-(2-クロロ-4-ニトロナフタレン-1-イル)-4-メチルピペラジン(0.4g、1.31mmol)のエタノール溶液(10ml)に、Fe粉末(0.18g、3.4mmol)、NHCl(0.18g、3.4mmol)および水(3.0ml)を添加した。得られた反応混合物を5時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、3-クロロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-アミン(0.35g、収率97.4%)を得た。
ステップ7:5-クロロ-N2-(3-クロロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-イル)-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミンの合成:
Figure 2022539208000098
3-クロロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-アミン(0.35g、1.27mmol)およびN3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.360g、1.27mmol)の2-メトキシエタノール溶液(5.0ml)に、ジオキサン中HCl 5.0mlを添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCによって精製して、5-クロロ-N2-(3-クロロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-イル)-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(0.09g、0.1719mmol、収率12.27%)を淡褐色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 9.79 (s, 1H), 9.60 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.50 (d, J = 8.40 Hz, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.08 (d, J = 8.00 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 5.20 Hz, 2H), 7.65-7.56 (m, 3H), 6.86-6.82 (m, 1H), 3.83 (t, J = 11.20 Hz, 2H), 3.54-3.46 (m, 4H), 3.08 (d, J = 13.20 Hz, 2H), 2.95 (d, J = 3.60 Hz, 3H), 2.78 (s, 6H), LCMS(ES, m/z): 523.2(M +1).
実施例番号8の合成:
Figure 2022539208000099
ステップ1:3-ニトロ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン(8-3)の合成:
Figure 2022539208000100
2-クロロ-3-ニトロピリジン(1.0g、7.042mmol)およびピロリジン(0.749g、10.563mmol)のジオキサン溶液(40ml)に、KCO(3.07g、9.45mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で16時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、3-ニトロ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン(1.2g、6.21mmol、収率88.2%)を得た。
ステップ2:2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-アミン(8-4)の合成:
Figure 2022539208000101
3-ニトロ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン(1.2g、2.48mmol)のエタノール溶液(200ml)に、乾燥Pd/C(300mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で16時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-アミン(0.890g、5.452mmol、収率87.85%)を得た。
ステップ3:2,5-ジクロロ-N-(2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピリミジン-4-アミン(8-6)の合成:
Figure 2022539208000102
2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-アミン(0.89g、5.452mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(1.1g、6.55mmol)のジメチルホルムアミド(8ml)溶液に、DIPEA(3ml、16.36mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間90℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、2,5-ジクロロ-N-(2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピリミジン-4-アミン(780mg、0.739mmol、収率46.15%)を得た。
ステップ4:1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(8-9)の合成:
Figure 2022539208000103
丸底フラスコ中の1-フルオロ-5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(1.0g、5.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(10ml)に、1-メチルピペラジン(0.63g、6.4mmol)およびKCO(1.12g、8.1mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.0g、3.7mmol、収率71.4%)を黄色固体として得た。
ステップ5:2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(8-10)の合成:
Figure 2022539208000104
1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1g、3.7mmol)のエタノール溶液(20ml)に、Fe粉末(0.63g、11.3mmol)、NHCl(0.59g、11.3mmol)および水(4.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.7g、2.9mmol、収率78.9%)を紫色固体として得た。
ステップ6:5-クロロ-N2-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-N4-(2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミンの合成:
Figure 2022539208000105
2,5-ジクロロ-N-(2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピリミジン-4-アミン(0.1g、0.0322mmol)および5-メチル-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(81.6mg、0.0322mmol)の2-メトキシエタノール溶液(5.0ml)に、ジオキサン中HCl 3.0mlを添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。粗生成物をPREP HPLCによって精製して、5-クロロ-N2-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-N4-(2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(0.054g、0.4911mmol、収率32.9%)を褐色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 10.08 (s, 1H), 9.47 (s, 1H), 8.32 (s, 2H), 8.21 (s, 1H), 8.06 (d, J = 4.40 Hz, 1H), 7.76 (d, J = 6.80 Hz, 1H), 7.36 (s, 1H), 6.88 (t, J = 6.40 Hz, 1H), 6.64 (s, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.49 (d, J = 19.20 Hz, 5H), 3.15 (d, J = 13.20 Hz, 3H), 2.93 (t, J = 18.00 Hz, 6H), 2.01 (s, 3H), 1.84 (s, 4H), LCMS(ES, m/z): 509.2(M +1).
実施例番号9の合成
Figure 2022539208000106
ステップ1:N1-(3-ニトロピリジン-2-イル)エタン-1,2-ジアミン(9-2)の合成:
Figure 2022539208000107
2-フルオロ-3-ニトロピリジン/ベンゼン(10.0g、70.4mmol)のDMF(200ml)中撹拌溶液に、エチレンジアミン(6.3g、105mmol)を0℃で添加した。撹拌を同じ温度で30分間続けた。反応終了を確認した後、反応を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、isoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、N1-(3-ニトロピリジン-2-イル)エタン-1,2-ジアミン(8.0g、43.9mmol、収率62.0%)を紫色固体として得た、LCMS(ES,m/z):183.2(M+1)。
ステップ2:1-(3-ニトロピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(9-3)の合成:
Figure 2022539208000108
-(3-ニトロピリジン-2-イル)エタン-1,2-ジアミン(8.0g、43.9mmol)のTHF(80ml)中撹拌溶液に、CDI(10.6g、65.4mmol)を室温で添加した。得られた反応混合物をRTで1時間撹拌した。反応終了を確認した後、反応を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、isoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-ニトロピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(7.0g、33.6mmol、収率77.0%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):209.2(M+1)。
ステップ3:1-(3-アミノピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(9-4)の合成:
Figure 2022539208000109
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(7.0g、33.6mmol)のエタノール溶液(70ml)に乾燥Pd/C(1.4g)を添加した。反応混合物を水素雰囲気下、RTで16時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-アミノピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(5.0g、28.1mmol、収率84.0%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):179.2(M+1)。
ステップ4:1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(9-6)の合成:
Figure 2022539208000110
密封管中の1-(3-アミノピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(5.0g、28.1mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(5.14g、28.1mmol)のジメチルホルムアミド(50ml)溶液に、DIPEA(10.0ml、70.2mmol)を添加した。得られた反応混合物を12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(6.0g、18.5mmol、収率66.0%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):325.15(M+1)。
ステップ5:1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(9-9)の合成:
Figure 2022539208000111
1-フルオロ-5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(1.0g、5.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(50ml)に、1-メチルピペラジン(0.5ml、6.5mmol)およびKCO(1.1g、8.1mmol)を丸底フラスコ中で添加し、これを16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.2g、4.5mmol、収率84.0%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):266.1(M+1)。
ステップ5:2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(9-10)の合成:
Figure 2022539208000112
1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.2g、4.5mmol)のエタノール溶液(1.0ml/mmol)に、乾燥Pd/C(0.25g、10mol%)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、RTで16時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.76g、3.2mmol、収率72.0%)を紫色固体として得た、LCMS(ES,m/z):236.1(M+1)。
ステップ7:1-(3-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン:
Figure 2022539208000113
密封管中の1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(1.0g、3.08mmol)および2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.72g、3.08mmol)のt-ブタノール溶液(10.0ml)に、TFA 1.0mlを添加した。得られた反応混合物を14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCを使用して精製して、1-(3-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(0.8g、1.5mmol、収率50.0%)を淡桃色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 9.73 (s, 1H), 8.21 (d, J = 4.80 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 8.00 Hz, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.23 (q, J = 4.40 Hz, 1H), 6.67 (s, 1H), 5.76 (s, 1H), 4.07 (t, J = 8.00 Hz, 2H), 3.77 (s, 3H), 3.49 (t, J = 8.00 Hz, 2H), 3.16-3.25(m, 4H), 2.89-2.97(m, 7H), 2.08(s, 3H); LCMS (ES, m/z): 524.2 (M+1).
実施例番号10の合成
Figure 2022539208000114
ステップ1:N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(10-3)の合成:
Figure 2022539208000115
2-フルオロ-3-ニトロピリジン(1.0g、7.0mmol)、THF中ジメチルアミン(2.0M溶液、4.2ml、8.4mmol)およびKCO(1.4g、10.5mmol)のDMF溶液(1.0ml/mmol)を、密封管中で16時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(1.05g、6.3mmol、収率90.0%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):168.2(M+1)。
ステップ2:N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(10-4)の合成:
Figure 2022539208000116
N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(1.0g、6.0mmol)のエタノール溶液(1.0ml/mmol)に、乾燥Pd/C(0.2g、10mol%)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、RTで16時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、N,N-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.7g、5.1mmol、収率85.0%)を淡紫色固体として得た、LCMS(ES,m/z):138.1(M+1)。
ステップ3:N3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(10-6)の合成:
Figure 2022539208000117
密封管中のN,N-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.7g、5.1mmol)および5-ブロモ-2,4-ジクロロピリミジン(0.8ml、6.1mmol)のジメチルホルムアミド(1.0ml/mmol)溶液に、DIPEA(2.6ml、15.3mmol)を添加した。得られた反応混合物を12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、N3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(1.6g、4.9mmol、収率95.0%)を淡褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):328.9(M+1)。
ステップ4:1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(10-9)の合成:
Figure 2022539208000118
1-フルオロ-5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(1.0g、5.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(50ml)に、1-メチルピペラジン(0.5ml、6.5mmol)およびKCO(1.1g、8.1mmol)を丸底フラスコ中で添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.2g、4.5mmol、収率84.0%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):266.1(M+1)。
ステップ5:2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(10-10)の合成:
Figure 2022539208000119
1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.2g、4.5mmol)のエタノール溶液(1.0ml/mmol)に、乾燥Pd/C(0.25g、10mol%)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、RTで16時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.76g、3.2mmol、収率72.0%)を紫色固体として得た、LCMS(ES,m/z):236.1(M+1)。
ステップ6:5-ブロモ-N-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン:
Figure 2022539208000120
密封管中のN-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N,N-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(1.0g、3.0mmol)および2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.86g、3.6mmol)のt-ブタノール溶液(10.0ml)に、TFA 1.0mlを添加した。得られた反応混合物を14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCを使用して精製して、5-ブロモ-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N2-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン(0.7g、1.33mmol、収率44.0%)を褐色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.13 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.10 (d, J = 3.60 Hz, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.95 (s, 1H), 6.68 (s, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.52 (d, J = 11.20 Hz, 4H), 3.17-3.24 (m, 4H), 2.85-2.99 (m, 9H), 2.04 (s, 3H); LCMS (ES, m/z): 527.1(M+1).
実施例番号11の合成:
Figure 2022539208000121
ステップ1:N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(11-3)の合成:
Figure 2022539208000122
2-フルオロ-3-ニトロピリジン(8.0g、56.3mmol)のDMF溶液(60ml)に、2.0M THF溶液中ジメチルアミン(33ml、67.56mmol)およびKCO(11.66g、84.45mmol)を添加した。得られた反応混合物を二つ口丸底フラスコ中で8時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×100ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol、収率74.4%)を黄色液体として得た。
ステップ2:N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(11-4)の合成:
Figure 2022539208000123
N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(700mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(4.7g、34.2mmol、収率82.4%)を黒色固体として得た。
ステップ3:N3-(2-クロロ-5-ヨードピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(11-6)の合成:
Figure 2022539208000124
N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(500mg、3.6mmol)および2,4-ジクロロ-5-ヨードピリミジン(1.0g、3.6mmol)のジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、DIPEA(0.9ml、5.47mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N3-(2-クロロ-5-ヨードピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.59g、1.5mmol、収率45.3%)を褐色固体として得た。
ステップ4:1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(11-9)の合成:
Figure 2022539208000125
1-フルオロ-5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(1.0g、5.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(10ml)に、1-メチルピペラジン(0.63g、6.4mmol)およびKCO(1.12g、8.1mmol)を添加した。得られた反応混合物を丸底フラスコ中で6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.0g、3.7mmol、収率71.4%)を黄色固体として得た。
ステップ5:2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(11-10)の合成:
Figure 2022539208000126
1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1g、3.7mmol)のエタノール溶液(20ml)に、Fe粉末(0.63g、11.3mmol)、NHCl(0.59g、11.3mmol)および水(4.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.7g、2.9mmol、収率78.9%)を紫色固体として得た。
ステップ6:N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-5-ヨード-N2-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン:
Figure 2022539208000127
N3-(2-クロロ-5-ヨードピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.2g、0.5mmol)および2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.12g、0.5mmol)のtert-ブタノール溶液(10.0ml)に、TFA 1.0mlを添加した。得られた反応混合物を密封管中で14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。粗生成物をPREP HPLCによって精製して、5-クロロ-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N2-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン(0.09g、0.15mmol、収率29.5%)を褐色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 9.93 (s, 1H), 8.51 (d, J = 28.12 Hz, 2H), 8.34 (s, 1H), 8.05-8.07 (m, 2H), 7.39 (s, 1H), 6.90-6.93 (m, 1H), 6.69 (s, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.51 (d, J = 11.32 Hz, 2H), 3.20 (d, J = 11.68 Hz, 4H), 2.99 (d, J = 11.60 Hz, 2H), 2.89 (d, J = 3.76 Hz, 3H), 2.80 (s, 6H), 2.07 (s, 3H). LCMS(ES, m/z):575.1(M+1).
実施例番号12の合成:
Figure 2022539208000128
ステップ1:N3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(12-3)の合成:
Figure 2022539208000129
N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.5g、3.6mmol)および5-ブロモ-2,4-ジクロロピリミジン(0.91g、4.0mmol)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に、DIPEA(0.9ml、5.47mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.5g、1.5mmol、収率42.0%)を褐色固体として得た。
ステップ2:N3-(2-クロロ-5-(1-エトキシビニル)ピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(12-5)の合成:
Figure 2022539208000130
脱気したN3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.5g、1.5mmol)およびトリブチル(3-メトキシプロパ-1-エン-2-イル)スタナン(0.6g、1.67mmol)のトルエン溶液(10ml)に、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.17g、0.15mol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で3時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N3-(2-クロロ-5-(1-エトキシビニル)ピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.25g、0.7mmol、収率51%)を白色固体として得た。
ステップ3:1-(2-クロロ-4-((2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-5-イル)エタン-1-オン(12-6)の合成:
Figure 2022539208000131
1-(2-クロロ-4-((2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-5-イル)エタン-1-オン(0.2g、0.6mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)に、濃HCl 0.5mlを添加した。得られた反応混合物を室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させ、重炭酸ナトリウム溶液で中和し、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、1-(2-クロロ-4-((2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-5-イル)エタン-1-オン(0.1g、収率54.9%)を白色固体として得た。
ステップ4:1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(12-9)の合成:
Figure 2022539208000132
1-フルオロ-5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(1.0g、5.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(10ml)に、1-メチルピペラジン(0.63g、6.4mmol)およびKCO(1.12g、8.1mmol)を添加した。得られた反応混合物を丸底フラスコ中で6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.0g、3.7mmol、収率71.4%)を黄色固体として得た。
ステップ5:2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(12-10)の合成:
Figure 2022539208000133
1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1g、3.7mmol)のエタノール溶液(20ml)に、Fe粉末(0.63g、11.3mmol)、NHCl(0.59g、11.3mmol)および水(4.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.7g、2.9mmol、収率78.9%)を紫色固体として得た。
ステップ6:1-(4-((2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)-2-((2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-5-イル)エタン-1-オン:
Figure 2022539208000134
1-(2-クロロ-4-((2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-5-イル)エタン-1-オン(0.1g、0.3mmol)および4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.08g、0.37mmol)のtert-ブタノール溶液(10.0ml)に、TFA 1.0mlを添加した。得られた反応混合物を密封管中で14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。粗異性体をSFC精製を使用することによって分離して、1-(4-((2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)-2-((2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-5-イル)エタン-1-オン(30mg、収率17.8%)を淡黄色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 11.42 (s, 1H), 9.88 (s, 1H), 9.17 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.98 (d, J = 3.84 Hz, 1H), 7.68 (s, 1H), 6.79 (d, J = 32.92 Hz, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.54 (d, J = 10.92 Hz, 2H), 3.28-3.21 (m, 4H), 3.03-2.97 (m, 2H), 2.91 (d, J = 3.92 Hz, 3H), 2.75 (s, 6H), 2.53 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), LCMS(ES, m/z): 491.2 (M +1).
実施例番号13の合成
Figure 2022539208000135
ステップ1:1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(13-3)の合成:
Figure 2022539208000136
2-クロロ-3-ニトロピリジン(10.0g、63.1mmol)のジオキサン溶液(80ml)に、ピロリジン-2-オン(6.4g、75.2mmol)およびCsCO(30.8g、94.5mmol)を添加した。得られた反応混合物を15分間アルゴン脱気した。次いで、脱気した反応混合物に、Pd(OAc)(0.715g、3.2mmol)およびキサントホス(3.6g、6.2mmol)をアルゴン下で添加し、反応混合物を密封管中12時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.5g、36.2mmol、収率57.4%)を白色固体として得た、LCMS(ES、m/z):208.1(M+1)。
ステップ2:1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(13-4)の合成:
Figure 2022539208000137
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、52.6mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(1.1g)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、RTで12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、41.2mmol、収率78.0%)を黒色固体として得た、LCMS(ES、m/z):178.1(M+1)。
ステップ3:1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(13-6)の合成:
Figure 2022539208000138
密封管中の1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、41.2mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(8.9g、48.5mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、DIPEA(21.0ml、120.6mmol)を添加した。得られた反応混合物を12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、33.6mmol、収率82.0%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):324.0(M+1)。
ステップ4:1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(13-9)の合成:
Figure 2022539208000139
1-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-5-ニトロベンゼン(5.0g、24.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(50ml)に、1-メチルピペラジン(2.7g、26.9mmol)およびKCO(4.3g、31.2mmol)を丸底フラスコ中で添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(6.6g、23.1mmol、収率95.0%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):286.1(M+1)。
ステップ5:5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(13-10)の合成:
Figure 2022539208000140
1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(6.6g、23.1mmol)のエタノール溶液(60ml)に、Fe粉末(6.3g、112.8mmol)、NHCl(6.1g、114.1mmol)および水(12.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(5.2g、20.3mmol、収率88.0%)を紫色固体として得た、LCMS(ES,m/z):256.1(M+1)。
ステップ6:1-(3-((5-クロロ-2-((5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン:
Figure 2022539208000141
1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(1.0g、3.08mmol)および5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.787g、3.08mmol)のt-ブタノール溶液(10.0ml)に、密封管中でTFA 1mlを添加し、これを14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCを使用して精製して、1-(3-((5-クロロ-2-((5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.7g、1.29mmol、収率42.0%)を淡褐色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.86 (s, 1H), 8.31-8.29 (m, 1H), 8.24 (d, J = 8.00 Hz, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.40-7.37 (m, 1H), 6.76 (s, 1H), 4.02 (t, J = 6.80 Hz, 2H), 3.82 (s, 3H), 2.96 (brs, 4H), 2.60 (t, J = 6.80 Hz 2H), 2.24 (s, 3H), 2.13-2.1 (m, 3H).; LCMS(ES, m/z): 544.2(M+1).
実施例番号14の合成:
Figure 2022539208000142
ステップ1:3-ニトロ-2-(ピペリジン-1-イル)ピリジン(14-3)の合成:
Figure 2022539208000143
2-クロロ-3-ニトロピリジン(1.0g、7.04mmol)およびピペリジン(0.599g、7.04mmol)のジオキサン溶液(40ml)に、KCO(3.07g、9.45mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で16時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、3-ニトロ-2-(ピペリジン-1-イル)ピリジン(1.28g、6.176mmol、収率85.9%)を得た。
ステップ2:2-(ピペリジン-1-イル)ピリジン-3-アミン(14-4)の合成:
Figure 2022539208000144
3-ニトロ-2-(ピペリジン-1-イル)ピリジン(1.28g、6.176mmol)のエタノール溶液(200ml)に、乾燥Pd/C(300mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、2-(ピペリジン-1-イル)ピリジン-3-アミン(0.990g、2.09mmol、収率90.8%)を得た。
ステップ3:2,5-ジクロロ-N-(2-(ピペリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピリミジン-4-アミン(14-6)の合成:
Figure 2022539208000145
2-(ピペリジン-1-イル)ピリジン-3-アミン(0.5g、2.82mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(0.548g、3.03mmol)のジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、DIPEA(1.5ml、6.06mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、2,5-ジクロロ-N-(2-(ピペリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピリミジン-4-アミン(0.35g、1.0795mmol、収率38.29%)を得た。
ステップ4:1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(14-9)の合成:
Figure 2022539208000146
1-フルオロ-5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(1.0g、5.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(10ml)に、1-メチルピペラジン(0.63g、6.4mmol)およびKCO(1.12g、8.1mmol)を添加した。得られた反応混合物を丸底フラスコ中で6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.0g、3.7mmol、収率71.4%)を黄色固体として得た。
ステップ5:2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(14-10)の合成:
Figure 2022539208000147
1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1g、3.7mmol)のエタノール溶液(20ml)に、Fe粉末(0.63g、11.3mmol)、NHCl(0.59g、11.3mmol)および水(4.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.7g、2.9mmol、収率78.9%)を紫色固体として得た。
ステップ6:5-クロロ-N2-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-N4-(2-(ピペリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミンの合成:
Figure 2022539208000148
2,5-ジクロロ-N-(2-(ピペリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピリミジン-4-アミン(0.25g、0.771mmol)および5-メチル-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.195g、0.771mmol)のt-ブタノール溶液(5.0ml)に、TFA 0.5mlを添加した。得られた反応混合物を密封管中で14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。粗生成物をPREP HPLCによって精製して、5-クロロ-N2-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-N4-(2-(ピペリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(0.17g、0.5396mmol、収率43.1%)を暗緑色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 9.78 (s, 1H), 8.91 (s, 1H), 8.67 (m, 1H), 8.24 (s, 2H), 8.09-8.08 (m, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.02-6.99 (m, 1H), 6.70 (s, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.51 (d, J = 10.80 Hz, 2H), 3.21 (d, J = 11.20 Hz, 4H), 2.99-2.89 (m, 9H), 2.10 (s, 3H), 1.56 (s, 6H), LCMS(ES, m/z): 523.2(M +1).
実施例番号15の合成:
Figure 2022539208000149
ステップ1:1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(15-3)の合成:
Figure 2022539208000150
2-クロロ-3-ニトロピリジン(1.0g、6.31mmol)およびピロリジン-2-オン(0.7496g、7.57mmol)のジオキサン溶液(80ml)に、CsCO(3.07g、9.45mmol)を添加した。得られた反応混合物を15分間アルゴン脱気した。脱気した反応混合物に、アルゴン下でPd(dba)(0.288g、0.3155mmol)およびキサントホス(0.910g、0.00315mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(0.55g、3.62mmol、収率39.5%)を得た。
ステップ2:1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(15-4)の合成:
Figure 2022539208000151
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(0.55g、2.48mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(70mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(0.4g、2.09mmol、収率84.15%)を得た。
ステップ3:1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(15-6)の合成:
Figure 2022539208000152
1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.4g、2.02mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(0.597g、3.3mmol)のジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、DIPEA(1.2ml、6.06mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(0.250g、0.0739mmol、収率35.3%)を得た。
ステップ4:1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(15-9)の合成:
Figure 2022539208000153
1-フルオロ-5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(1.0g、5.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(10ml)に、1-メチルピペラジン(0.63g、6.4mmol)およびKCO(1.12g、8.1mmol)を添加した。得られた反応混合物を丸底フラスコ中で6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.0g、3.7mmol、収率71.4%)を黄色固体として得た。
ステップ5:2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(15-10)の合成:
Figure 2022539208000154
1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1g、3.7mmol)のエタノール溶液(20ml)に、Fe粉末(0.63g、11.3mmol)、NHCl(0.59g、11.3mmol)および水(4.0ml)を添加した。反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.7g、2.9mmol、収率78.9%)を紫色固体として得た。
ステップ6:1-(3-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オンの合成:
Figure 2022539208000155
1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(250mg、0.733mmol)および2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(173mg、0.73mmol)のt-ブタノール溶液(5.0ml)に、TFA 0.5mlを添加した。得られた反応混合物を密封管中で14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。粗生成物をPREP HPLCによって精製して、1-(3-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(0.174g、0.324mmol、収率51.45%)を灰色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.66 (s, 1H), 8.33-8.31 (m, 1H), 8.20-7.93 (m, 4H), 7.42 (s, 1H), 7.38-7.35 (m, 1H), 6.67 (s, 1H), 3.86 (s, 1H), 3.78 (s, 2H), 3.52-3.49 (m, 3H), 3.22-3.17 (m, 4H), 2.96-2.89 (m, 5H), 2.32 (s, 2H), 2.06 (s, 3H), 1.77 (s, 4H), LCMS(ES, m/z): 537.2(M +1).
実施例番号16の合成:
Figure 2022539208000156
ステップ1:N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(16-2)の合成:
Figure 2022539208000157
2-フルオロ-3-ニトロピリジン(8.0g、56.3mmol)のDMF溶液(60ml)に、2.0M THF溶液中ジメチルアミン(33ml、67.56mmol)およびKCO(11.66g、84.45mmol)を添加した。得られた反応混合物を二つ口丸底フラスコ中で8時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×100ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol、収率74.4%)を黄色液体として得た。
ステップ2:N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(16-3)の合成:
Figure 2022539208000158
N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(700mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(4.7g、34.2mmol、収率82.4%)を黒色固体として得た。
ステップ3:N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(16-5)の合成:
Figure 2022539208000159
N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(500mg、3.6mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(0.45ml、4.0mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、DIPEA(0.95ml、5.47mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.55g、1.9mmol、収率53.3%)を褐色固体として得た。
ステップ4:5-クロロ-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N2-(2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン:
Figure 2022539208000160
N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.25g、0.8mmol)および2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.19g、0.8mmol)のtert-ブタノール溶液(10.0ml)に、TFA 1.0mlを添加した。得られた反応混合物を密封管中で14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。粗生成物をPREP HPLCによって精製して、5-クロロ-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N2-(2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン(0.1g、0.2mmol、収率24.1%)を暗緑色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 10.08 (s, 1H), 9.60 (s, 1H), 8.82 (s, 3H), 8.25-8.13 (m, 1H), 7.84 (d, J = 6.80 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 6.95 (t, J = 5.60 Hz, 1H), 6.66 (s, 1H), 6.34 (d, J = 6.80 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.54 (d, J = 10.80 Hz, 2H), 3.15 (s, 3H), 2.96-2.90 (m, 11H), LCMS(ES, m/z): 469.1(M +1).
実施例番号17の合成:
Figure 2022539208000161
ステップ1:N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(17-3)の合成:
Figure 2022539208000162
2-フルオロ-3-ニトロピリジン(8.0g、56.3mmol)のDMF溶液(60ml)に、2.0M THF溶液中ジメチルアミン(33ml、67.56mmol)およびKCO(11.66g、84.45mmol)を添加した。得られた反応混合物を二つ口丸底フラスコ中で8時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×100ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol、収率74.4%)を黄色液体として得た。
ステップ2:N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(17-4)の合成:
Figure 2022539208000163
N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(700mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(4.7g、34.2mmol、収率82.4%)を黒色固体として得た。
ステップ3:N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(17-6)の合成:
Figure 2022539208000164
N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(500mg、3.6mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(0.45ml、4.0mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、DIPEA(0.95ml、5.47mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.55g、1.9mmol、収率53.3%)を褐色固体として得た。
ステップ4:1-メチル-4-(4-ニトロナフタレン-1-イル)ピペラジン(17-9)の合成:
Figure 2022539208000165
1-フルオロ-4-ニトロナフタレン(380mg、1.9mmol)および1-メチルピペラジン(298mg、2.98mmol)のDMF溶液(10ml)にKCO(790mg、5.7mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で16時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、1-メチル-4-(4-ニトロナフタレン-1-イル)ピペラジン(0.52g、1.97mmol、収率96.4%)を得た。
ステップ5:4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-アミン(17-10)の合成:
Figure 2022539208000166
1-(2-クロロ-4-ニトロナフタレン-1-イル)-4-メチルピペラジン(400mg、1.31mmol)のエタノール溶液(10ml)に、Fe粉末(85mg、3.4mmol)、NHCl(180mg、3.4mmol)および水(3.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-アミン(0.35g、収率79.5%)を紫色固体として得た。
ステップ5:5-クロロ-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-イル)ピリミジン-2,4-ジアミンの合成:
Figure 2022539208000167
N3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.35g、1.27mmol)および4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-アミン(0.29g、1.27mmol)の2-メトキシエタノール溶液(5.0ml)に、ジオキサン中HCl 5mlを添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間80℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。粗生成物をPREP HPLCによって精製して、5-クロロ-N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-N2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(0.09g、0.18mmol、収率14.9%)を淡褐色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 9.82 (s, 1H), 9.56 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.17 (d, J = 9.60 Hz, 2H), 7.95 (t, J = 6.40 Hz, 2H), 7.82 (d, J = 4.00 Hz, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.43 (d, J = 8.00 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 7.60 Hz, 1H), 6.73 (s, 1H), 3.62 (d, J = 11.60 Hz, 2H), 3.50-3.41 (m, 4H), 3.08 (t, J = 12.00 Hz, 2H), 2.96 (s, 3H), 2.80 (s, 6H), LCMS(ES, m/z): 489.2(M +1).
実施例番号18の合成
Figure 2022539208000168
ステップ1:1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(18-3)の合成:
Figure 2022539208000169
2-クロロ-3-ニトロピリジン(10.0g、63.1mmol)のジオキサン溶液(80ml)に、ピロリジン-2-オン(6.4g、75.2mmol)およびCsCO(30.8g、94.5mmol)を添加した。得られた反応混合物を15分間アルゴン脱気した。次いで、脱気した反応混合物に、Pd(OAc)(0.715g、3.2mmol)およびキサントホス(3.6g、6.2mmol)をアルゴン下で添加し、得られた反応混合物を密封管中12時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.5g、36.2mmol、収率57.4%)を白色固体として得た、LCMS(ES、m/z):208.1(M+1)。
ステップ2:1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(18-4)の合成:
Figure 2022539208000170
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、52.6mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(1.1g)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、RTで12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、41.2mmol、収率78.0%)を黒色固体として得た、LCMS(ES、m/z):178.1(M+1)。
ステップ3:1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(18-6)の合成:
Figure 2022539208000171
密封管中の1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、41.2mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(8.9g、48.5mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、DIPEA(21.0ml、120.6mmol)を添加した。得られた反応混合物を12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、33.6mmol、収率82.0%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):324.2(M+1)。
ステップ4:1-メチル-4-(4-ニトロナフタレン-1-イル)ピペラジン(18-9)の合成:
Figure 2022539208000172
1-フルオロ-4-ニトロナフタレン(5.0g、26.17mmol)のジメチルホルムアミド溶液(50ml)に、1-メチルピペラジン(3.14g、31.4mmol)およびKCO(9g、65.2mmol)を丸底フラスコ中で添加し、これを16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-メチル-4-(4-ニトロナフタレン-1-イル)ピペラジン(5.0g、18.4mmol、収率71.0%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):272.2(M+1)。
ステップ5:1-(3-クロロ-4-ニトロナフタレン-1-イル)-4-メチルピペラジン(18-10)の合成:
Figure 2022539208000173
1-メチル-4-(4-ニトロナフタレン-1-イル)ピペラジン(2.0g、7.4mmol)のDMF(20ml)溶液に、NCS(1.07g、8.04mmol)を0℃で添加した。得られた反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗化合物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、1-(3-クロロ-4-ニトロナフタレン-1-イル)-4-メチルピペラジン(1.0g、3.3mmol、収率44.0%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):306.2(M+1)。
ステップ6:2-クロロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-アミン(18-11)の合成:
Figure 2022539208000174
1-(3-クロロ-4-ニトロナフタレン-1-イル)-4-メチルピペラジン(6.6g、21.6mmol)のエタノール溶液(60ml)に、Fe粉末(3.57g、64.90mmol)、NHCl(3.52、64.90mmol)および水(12.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、2-クロロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-アミン(5.0g、18.1mmol、収率83.0%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):276.2(M+1)。
ステップ7:1-(3-((5-クロロ-2-((3-クロロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン:
Figure 2022539208000175
密封管中の1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(1.0g、3.08mmol)および2-クロロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-アミン(0.85g、3.08mmol)のt-ブタノール溶液(10.0ml)に、TFA 1mlを添加した。得られた反応混合物を14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCを使用して精製して、1-(3-((5-クロロ-2-((3-クロロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.8g、1.42mmol、収率46.0%)を淡黄色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 9.6(s, 1H), 9.49 (s, 1H), 8.82 (s, 1H), 8.49 (d, J = 8.40 Hz, 1H), 8.19 (t, J = 3.60 Hz, 2H), 8.05 (d, J = 8.00 Hz, 2H), 7.62 (t, J = 6.40 Hz, 2H), 7.56 (t, J = 6.80 Hz, 1H), 7.09-7.14 (m, 1H), 3.96 (t, J = 6.80 Hz, 2H), 3.62(t, J = 10.40 Hz, 2H), 2.77-2.84(m, 4H), 2.56-2.61(m, 2H), 2.32-2.37(m, 5H), 2.08-2.19(m, 2H) LCMS (ES, m/z): 563.1 (M+1).
実施例番号19の合成:
Figure 2022539208000176
ステップ1:1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(19-3)の合成:
Figure 2022539208000177
2-クロロ-3-ニトロピリジン(1.0g、6.31mmol)およびピロリジン-2-オン(0.7496g、7.57mmol)のジオキサン溶液(80ml)に、CsCO(3.07g、9.45mmol)を添加した。得られた混合物を15分間アルゴン脱気した。脱気した混合物に、Pd(dba)(0.288g、0.3155mmol)およびキサントホス(0.910g、0.00315mmol)を添加した。得られた反応混合物をアルゴン下で維持し、密封管中で12時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(0.55g、3.62mmol、収率39.5%)を得た。
ステップ2:1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(19-4)の合成:
Figure 2022539208000178
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(0.55g、2.48mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(70mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(0.4g、2.09mmol、収率84.15%)を得た。
ステップ3:1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(19-6)の合成:
Figure 2022539208000179
1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.4g、2.02mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(0.597g、3.3mmol)のジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、DIPEA(1.2ml、6.06mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(0.250g、0.0739mmol、収率35.3%)を得た。
ステップ4:1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(19-9)の合成:
Figure 2022539208000180
1-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-5-ニトロベンゼン(5.0g、24.32mmol)のジメチルホルムアミド溶液(50ml)に、1-メチルピペラジン(2.7g、26.9mmol)およびKCO(4.3g、31.2mmol)を添加した。得られた反応混合物を丸底フラスコ中で16時間60℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(6.6g、23.09、収率94.9%)を得た。
ステップ5:5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(19-10)の合成:
Figure 2022539208000181
1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(6.6g、23.09mmol)のエタノール溶液(60ml)に、Fe粉末(6.3g、112.8mmol)、NHCl(6.1g、114.1mmol)および水(12.0ml)を添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(5.2g、収率88.03%)を得た。
ステップ6:1-(3-((5-クロロ-2-((5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン:
Figure 2022539208000182
1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(0.25g、0.733mmol)および5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.18g、0.73mmol)のt-ブタノール溶液(5.0ml)に、TFA 0.5mlを添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。粗生成物をPREP HPLCによって精製して、1-(3-((5-クロロ-2-((5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピペリジン-2-オン(0.17g、0.324mmol、収率42.23%)を灰色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 9.84 (s, 1H), 8.34 (d, J = 4.40 Hz, 1H), 8.21 (d, J = 10.40 Hz, 3H), 8.11 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.42-7.39 (m, 1H), 6.79 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.55 (d, J = 11.20 Hz, 2H), 3.41 (d, J = 12.00 Hz, 2H), 3.22 (d, J = 8.80 Hz, 2H), 3.04-2.90 (m, 6H), 2.43 (s, 6H), 1.79 (s, 4H); LCMS(ES, m/z): 557.2(M +1).
実施例番号20の合成:
Figure 2022539208000183
ステップ1:N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(20-3)の合成:
Figure 2022539208000184
2-フルオロ-3-ニトロピリジン(8.0g、56.3mmol)のDMF溶液(60ml)に、2.0M THF溶液中ジメチルアミン(33ml、67.56mmol)およびKCO(11.66g、84.45mmol)を添加した。得られた反応混合物を二つ口丸底フラスコ中で8時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×100ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol、収率74.4%)を黄色液体として得た。
ステップ2:N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(20-4)の合成:
Figure 2022539208000185
N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(7.0g、41.8mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(700mg)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(4.7g、34.2mmol、収率82.4%)を黒色固体として得た。
ステップ3:2-クロロ-4-((2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボニトリル(20-6)の合成:
Figure 2022539208000186
N2,N2-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(1.0g、7.2mmol)のジメチルホルムアミド(20ml)溶液に、2,4-ジクロロピリミジン-5-カルボニトリル(1.2g、7.2mmol)を添加した。得られた反応混合物を密封管中、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)によって抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、2つの位置異性体、2-クロロ-4-((2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボニトリルおよび4-クロロ-2-((2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボニトリルの混合物(0.54g、1.9mmol、収率27%)を褐色固体として得た。
ステップ4:1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(20-9)の合成:
Figure 2022539208000187
1-フルオロ-5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(1.0g、5.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(10ml)に、1-メチルピペラジン(0.63g、6.4mmol)およびKCO(1.12g、8.1mmol)を添加した。得られた反応混合物を丸底フラスコ中で6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.0g、3.7mmol、収率71.4%)を黄色固体として得た。
ステップ5:2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(20-10)の合成:
Figure 2022539208000188
1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1g、3.7mmol)のエタノール溶液(20ml)に、Fe粉末(0.63g、11.3mmol)、NHCl(0.59g、11.3mmol)および水(4.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーを使用することによって精製して、2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.7g、2.9mmol、収率78.9%)を紫色固体として得た。
ステップ6:N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-5-イソシアノ-N2-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン:
Figure 2022539208000189
2つの異性体、2-クロロ-4-((2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボニトリルおよび4-クロロ-2-((2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボニトリルの混合物(0.54g、1.9mmol)ならびに4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.46g、1.2mmol)のtert-ブタノール溶液(10.0ml)に、TFA 1.0mlを添加した。得られた反応混合物を密封管中で1時間75℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。粗異性体をSFC精製によって分離して、N4-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)-5-イソシアノ-N2-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン(0.03g、0.06mmol、収率3.4%)を褐色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 9.74 (s, 1H), 9.24 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 6.92 (t, J = Hz, 1H), 6.66 (s, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.51 (d, J = 11.60 Hz, 2H), 3.21 (t, J = 12.08 Hz, 4H), 2.96-2.86 (m, 11H), 2.05 (s, 3H), LCMS(ES, m/z): 474.2(M +1).
実施例番号21の合成
Figure 2022539208000190
ステップ1:N-(3-ニトロピリジン-2-イル)エタン-1,2-ジアミン(21-2)の合成:
Figure 2022539208000191
2-フルオロ-3-ニトロピリジン/ベンゼン(10g、70.42mmol)のDMF(200ml)中撹拌溶液に、エチレンジアミン(6.3g、105mmol)を0℃で添加した。撹拌を同じ温度で30分間続けた。反応終了を確認した後、反応を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物をisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-ニトロピリジン-2-イル)エタン-1,2-ジアミン(8g、収率62%)を淡褐色液体として得た。LCMS(ES,m/z):182.1(M+1)。
ステップ2:1-(3-ニトロピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(21-3)の合成:
Figure 2022539208000192
N-(3-ニトロピリジン-2-イル)エタン-1,2-ジアミン(8g、43.95mmol)のTHF(80ml)中撹拌溶液に、CDI(10.6g、65.4mmol)を室温で添加した。得られた反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応終了を確認した後、反応を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物をisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-ニトロピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(7g、収率77%)を得た。LCMS(ES,m/z):208.1(M+1)。
ステップ3:1-(3-アミノピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(21-4)の合成:
Figure 2022539208000193
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(7g、33.5mmol)のエタノール溶液(70ml)に、乾燥Pd/C(1.4g)を添加した。反応混合物を水素雰囲気下、室温で16時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-アミノピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(5g、収率85%)を得た。LCMS(ES,m/z):178.1(M+1)。
ステップ4:1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(21-9)の合成:
Figure 2022539208000194
丸底フラスコ中の1-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-5-ニトロベンゼン(5.0g、24.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(50ml)に、1-メチルピペラジン(2.7g、26.9mmol)およびKCO(4.3g、31.2mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(6.6g、収率96%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):286.1(M+1)。
ステップ5:5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(21-10)の合成:
Figure 2022539208000195
1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(6.6g、23.1mmol)のエタノール溶液(60ml)に、Fe粉末(6.3g、112.8mmol)、NHCl(6.1g、114.1mmol)および水(12.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(5.2g、収率88%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):256.1(M+1)。
ステップ6:1-(3-((5-クロロ-2-((5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オンの合成:
Figure 2022539208000196
密封管中の1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル),イミダゾリジン-2-オン(0.3g、0.922mmol)および5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.26g、1.01mmol)のt-ブタノール溶液(3.0ml)に、TFA 0.3mlを添加した。得られた反応混合物を14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCを使用することによって精製して、1-(3-((5-クロロ-2-((5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(0.11g、収率22%)を紫色固体として得た。H-NMR 400 MHz, DMSO-d: δ 10.03 (s, 1H), 9.87 (s, 1H), 8.21-8.24 (m, 3H), 8.15 (d, J = 8.00 Hz, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.27 (q, J = 4.60 Hz, 1H), 6.80 (s, 1H), 4.07 (t, J = 7.84 Hz, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.56 - 3.39 (m, 5H), 3.23 - 3.17 (m, 2H), 3.03 -2.97 (m, 2H), 2.91 (s, 3H).; LCMS (ES, m/z): 544.1(M+1).
実施例番号22の合成
Figure 2022539208000197
ステップ1:N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(22-3)の合成:
Figure 2022539208000198
2-フルオロ-3-ニトロピリジン(1g、5.98mmol)、2(M)THF中ジメチルアミン(4.2ml、8.97mmol)およびKCO(1.4g、8.97mmol)のDMF溶液(1.0ml/mmol)を室温で16時間撹拌した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(1.05g、収率90%)を黄色液体として得た、LCMS(ES,m/z):168.1(M+1)。
ステップ2:N,N-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(22-4)の合成:
Figure 2022539208000199
N,N-ジメチル-3-ニトロピリジン-2-アミン(1g、5.9mmol)のエタノール溶液(1.0ml/mmol)に、乾燥Pd/C(0.2g、10mol%)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で16時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、N,N-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.7g、収率85%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):138.1(M+1)。
ステップ3:N-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N,N-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(22-6)の合成:
Figure 2022539208000200
密封管中のN,N-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.7g、5.1mmol)および5-ブロモ-2,4-ジクロロピリミジン(0.8ml、6.1mmol)のジメチルホルムアミド(1.0ml/mmol)溶液に、DIPEA(2.6ml、15.3mmol)を添加した。得られた反応混合物を12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N,N-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(1.5g、収率90%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):328.1(M+1)。
ステップ4:1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(22-9)の合成:
Figure 2022539208000201
1-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-5-ニトロベンゼン(5.0g、24.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(50ml)に、1-メチルピペラジン(2.7g、26.9mmol)およびKCO(4.3g、31.2mmol)を丸底フラスコ中で添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(6.6g、収率88%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):286.1(M+1)。
ステップ5:5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(22-10)の合成:
Figure 2022539208000202
1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(6.6g、23.3mmol)のエタノール溶液(60ml)に、Fe粉末(6.3g、112.8mmol)、NHCl(6.1g、114.1mmol)および水(12.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(5.2g、収率88%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):256.1(M+1)。
ステップ6:5-ブロモ-N-(5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-N-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン:
Figure 2022539208000203
密封管中のN-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N,N-ジメチルピリジン-2,3-ジアミン(0.3g、1.5mmol)および5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.26g、1.8mmol)のt-ブタノール溶液(3.0ml)に、TFA 1mlを添加した。得られた反応混合物を14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCを使用して精製して、5-ブロモ-N-(5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-N-(2-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(0.2g、収率30%)を淡赤れんが色固体として得た。H-NMR 400 MHz, DMSO-d9.98 (s, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.30 (d, J = 8.32 Hz, 1H), 8.09 (q, J = 1.56 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 7.16 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 6.99 (q, J = 5.28 Hz, 1H), 6.79 (s, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.54 (d, J = 11.64 Hz, 2H), 3.40 (d, J = 12.52 Hz, 2H), 3.19 (t, J = 8.84 Hz, 2H), 3.00 (t, J = 12.12 Hz, 2H), 2.88 (s, 3H), 2.85 (s, 3H), 2.50 (s, 3H).; LCMS (ES, m/z): 547.1(M+1).
実施例番号23の合成
Figure 2022539208000204
ステップ1:1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(23-3)の合成:
Figure 2022539208000205
2-クロロ-3-ニトロピリジン(10.0g、63.1mmol)、ピロリジン-2-オン(6.4g、75.2mmol)およびCsCO(30.8g、94.5mmol)のジオキサン溶液(80ml)を15分間アルゴン脱気した。脱気した溶液に、Pd(OAc)(0.715g、3.2mmol)およびキサントホス(3.6g、6.2mmol)をアルゴン下で添加した。得られた反応混合物を密封管中で12時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.5g、収率57%)を白色固体として得た、LCMS(ES、m/z):208.1(M+1)。
ステップ2:1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(23-4)の合成:
Figure 2022539208000206
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、52.6mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(1.1g)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、収率78%)を黒色固体として得た、LCMS(ES、m/z):178.1(M+1)。
ステップ3:1-(3-((5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(23-6)の合成:
Figure 2022539208000207
密封管中の1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(1.0g、5.64mmol)および5-ブロモ-2,4-ジクロロピリミジン(1.54g、6.67mmol)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に、DIPEA(1.1g、8.46mmol)を添加した。得られた反応混合物を12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-((5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(1.7g、収率82%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):369.1(M+1)。
ステップ4:1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(23-9)の合成:
Figure 2022539208000208
丸底フラスコ中の1-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-5-ニトロベンゼン(5.0g、24.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(50ml)に、1-メチルピペラジン(2.7g、26.9mmol)およびKCO(4.3g、31.2mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(6.6g、収率96%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):286.1(M+1)。
ステップ5:5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(23-10)の合成:
Figure 2022539208000209
1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(6.6g、23.1mmol)のエタノール溶液(60ml)に、Fe粉末(6.3g、112.8mmol)、NHCl(6.1g、114.1mmol)および水(12.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(5.2g、収率88%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):256.1(M+1)。
ステップ6:1-(3-((5-ブロモ-2-((5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オンの合成:
Figure 2022539208000210
密封管中の1-(3-((5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.3g、0.813mmol)および5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.229g、0.895mmol)のt-ブタノール溶液(3.0ml)に、TFA 0.3mlを添加した。得られた反応混合物を14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCによって精製して、1-(3-((5-ブロモ-2-((5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.1g、収率19%)を灰色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): 9.79 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.30 (t, J = 3.08 Hz, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.22 (d, J = 7.96 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.38 (q, J = 4.72 Hz, 1H), 6.79 (s, 1H), 4.01 (t, J = 6.88 Hz, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.54 (d, J = 8.30 Hz, 2H), 3.40 (d, J = 11.84 Hz, 2H), 3.22 (d, J = 10.00 Hz, 2H), 3.00 (t, J = 11.72 Hz, 2H), 2.60 (t, J = 7.96 Hz, 2H), 2.50 (s, 3H), 2.12 (t, J = 7.12 Hz, 2H).; LCMS (ES, m/z ): 587.1(M+H).
実施例番号24の合成
Figure 2022539208000211
ステップ1:1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(24-3)の合成:
Figure 2022539208000212
2-クロロ-3-ニトロピリジン(10.0g、63.1mmol)、ピロリジン-2-オン(6.4g、75.2mmol)およびCsCO(30.8g、94.5mmol)のジオキサン溶液(80ml)を15分間アルゴン脱気した。脱気した溶液に、Pd(OAc)(0.715g、3.2mmol)およびキサントホス(3.6g、6.2mmol)をアルゴン下で添加し、得られた反応混合物を密封管中12時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.5g、収率57%)を白色固体として得た、LCMS(ES、m/z):208.1(M+1)。
ステップ2:1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(24-4)の合成:
Figure 2022539208000213
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、52.6mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(1.1g)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、収率78%)を黒色固体として得た、LCMS(ES、m/z):178.1(M+1)。
ステップ3:1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(24-6)の合成:
Figure 2022539208000214
密封管中の1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、41.2mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(8.9g、48.5mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、DIPEA(21.0ml、120.6mmol)を添加した。得られた反応混合物を12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、収率82%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):324.0(M+1)。
ステップ4:8-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-ニトロキノリン(24-9)の合成:
Figure 2022539208000215
丸底フラスコ中の8-フルオロ-5-ニトロキノリン(1.0g、5.2mmol)のジメチルホルムアミド溶液(1.0ml)に、1-メチルピペラジン(0.625g、6.24mmol)およびKCO(1.1g、7.8mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な8-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-ニトロキノリン(1.3g、収率92%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):273.2(M+1)。
ステップ5:7-クロロ-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-ニトロキノリン(24-10)の合成:
Figure 2022539208000216
8-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-ニトロキノリン(1.0g、3.67mmol)のDMF(10ml)溶液に、NCS(0.98g、7.34mmol)を0℃で添加した。得られた反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗化合物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、7-クロロ-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-ニトロキノリン(0.9g、収率80%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):307.2(M+1)。
ステップ6:7-クロロ-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)キノリン-5-アミン(24-11)の合成:
Figure 2022539208000217
7-クロロ-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-ニトロキノリン(0.9g、2.93mmol)のエタノール溶液(20ml)に、Fe粉末(0.983g、17.6mmol)、NHCl(0.94、17.6mmol)および水(2.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、7-クロロ-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)キノリン-5-アミン(0.43g、収率53%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):276.2(M+1)。
ステップ7:1-(3-((5-クロロ-2-((7-クロロ-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)キノリン-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン:
Figure 2022539208000218
密封管中の1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.3g、0.925mmol)および7-クロロ-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)キノリン-5-アミン(0.28g、1.01mmol)のt-ブタノール溶液(3.0ml)に、TFA 0.3mlを添加した。得られた反応混合物を14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCによって精製して、1-(3-((5-クロロ-2-((3-クロロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.12g、収率23%)を淡黄色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): 9.73(s, 1H), 9.65 (s, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.89(s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.22-8.21(m, 2H), 8.04 (d, J = 7.20 Hz, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.13 (dd, J = 8.0, 4.80 Hz, 1H), 4.07 - 3.96 (m, 4H), 3.54 (d, J = 10.80 Hz, 2H), 3.21 (s, 4H), 2.94 (d, J = 4.40 Hz, 3H), 2.61 (t, J = Hz, 2H), 2.07-2.14 (m, 2H).; LCMS (ES, m/z): 564.2(M+1).0.12/0.52.
実施例番号25の合成
Figure 2022539208000219
ステップ1:N,N-ジメチル-4-ニトロピリジン-3-アミン(25-3)の合成:
Figure 2022539208000220
3-フルオロ-4-ニトロピリジン(1g、7.0mmol)、2(M)THF中ジメチルアミン(4.2ml、8.4mmol)およびKCO(1.4g、10.5mmol)のDMF溶液(1.0ml/mmol)を室温で16時間撹拌した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、N,N-ジメチル-4-ニトロピリジン-3-アミン(1.05g、収率90%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):168.2(M+1)。
ステップ2:N,N-ジメチルピリジン-3,4-ジアミン(25-4)の合成:
Figure 2022539208000221
N,N-ジメチル-4-ニトロピリジン-3-アミン(1g、5.9mmol)のエタノール溶液(1.0ml/mmol)に、乾燥Pd/C(0.2g、10mol%)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で16時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、N,N-ジメチルピリジン-3,4-ジアミン(0.49g、収率60%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):138.2(M+1)。
ステップ3:N-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N,N-ジメチルピリジン-3,4-ジアミン(25-6)の合成:
Figure 2022539208000222
密封管中のN,N-ジメチルピリジン-3,4-ジアミン(0.45g、3.27mmol)および5-ブロモ-2,4-ジクロロピリミジン(0.896、3.93mmol)のジメチルホルムアミド(1.0ml/mmol)溶液に、DIPEA(0.63g、4.92mmol)を添加した。得られた反応混合物を12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N,N-ジメチルピリジン-3,4-ジアミン(0.75g、収率70%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):329.2(M+1)。
ステップ4:1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(25-9)の合成:
Figure 2022539208000223
丸底フラスコ中の1-フルオロ-5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(1g、5.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(50ml)に、1-メチルピペラジン(0.5ml、6.5mmol)およびKCO(1.1g、8.1mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.2g、収率86%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):266.2(M+1)。
ステップ5:2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(25-10)の合成:
Figure 2022539208000224
1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.2g、4.5mmol)のエタノール溶液(1.0ml/mmol)に、乾燥Pd/C(0.25g、10mol%)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で16時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.76g、収率72%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):236.2(M+1)。
ステップ6:5-ブロモ-N-(3-(ジメチルアミン)ピリジン-4-イル)-N-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン:
Figure 2022539208000225
密封管中のN-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N,N-ジメチルピリジン-3,4-ジアミン(0.1g、0.34mmol)および2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.071g、0.34mmol)のt-ブタノール溶液(2.0ml)に、TFA 0.2mlを添加した。得られた反応混合物を14時間80℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCによって精製して、5-ブロモ-N-(3-(ジメチルアミン)ピリジン-4-イル)-N-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン(0.01g、収率7%)を褐色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 8.50 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.30 -8.24 (m, 2H), 8.06 (d, J = 5.20 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.76 (s, 1H), 3.76 (s, 3H), 2.91-2.89 (m, 4H), 2.72 (s, 6H), 2.55-2.49 (m, 4H), 2.26 (s, 3H), 2.18 (s, 3H).; LCMS (ES, m/z): 529.2(M+H).
実施例番号26の合成
Figure 2022539208000226
ステップ1:1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(26-3)の合成:
Figure 2022539208000227
2-クロロ-3-ニトロピリジン(10.0g、63.1mmol)、ピロリジン-2-オン(6.4g、75.2mmol)およびCsCO(30.8g、94.5mmol)のジオキサン溶液(80ml)を15分間アルゴン脱気した。これに、Pd(OAc)(0.715g、3.2mmol)およびキサントホス(3.6g、6.2mmol)をアルゴン下で添加し、得られた反応混合物を密封管中12時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.5g、収率57%)を白色固体として得た、LCMS(ES、m/z):208.1(M+1)。
ステップ2:1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(26-4)の合成:
Figure 2022539208000228
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、52.6mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(1.1g)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、収率78%)を黒色固体として得た、LCMS(ES、m/z):178.1(M+1)。
ステップ3:1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(26-6)の合成:
Figure 2022539208000229
密封管中の1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、41.2mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(8.9g、48.5mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、DIPEA(21.0ml、120.6mmol)を添加した。得られた反応混合物を12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、収率82%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):324.1(M+1)。
ステップ4:1-メチル-4-(8-ニトロクロマン-5-イル)ピペラジン(26-9)の合成:
Figure 2022539208000230
丸底フラスコ中の5-フルオロ-8-ニトロクロマン(5.0g、26.17mmol)のジメチルホルムアミド溶液(50ml)に、1-メチルピペラジン(3.14g、31.4mmol)およびKCO(9g、65.2mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋な1-メチル-4-(8-ニトロクロマン-5-イル)ピペラジン(5.0g、収率71%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):278.2(M+1)。
ステップ5:1-(6-クロロ-8-ニトロクロマン-5-イル)-4-メチルピペラジン(26-10)の合成:
Figure 2022539208000231
1-メチル-4-(8-ニトロクロマン-5-イル)ピペラジン(2.0g、7.4mmol)のDMF(20ml)溶液に、NCS(1.07g、8.04mmol)を0℃で添加した。得られた反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗化合物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(6-クロロ-8-ニトロクロマン-5-イル)-4-メチルピペラジン(1.0g、収率45%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):312.2(M+1)。
ステップ6:6-クロロ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)クロマン-8-アミン(26-11)の合成:
Figure 2022539208000232
1-(6-クロロ-8-ニトロクロマン-5-イル)-4-メチルピペラジン(1.0g、3.2mmol)のエタノール溶液(20ml)に、Fe粉末(1.07g、19.2mmol)、NHCl(1.02、19.2mmol)および水(12.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-クロロ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)クロマン-8-アミン(0.75g、収率83%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):282.2(M+1)。
ステップ7:1-(3-((5-クロロ-2-((6-クロロ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)クロマン-8-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン:
Figure 2022539208000233
密封管中の1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.3g、0.925mmol)および6-クロロ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)クロマン-8-アミン(0.286g、1.01mmol)のt-ブタノール溶液(3.0ml)に、TFA 0.3mlを添加した。得られた反応混合物を14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCによって精製して、1-(3-((5-クロロ-2-((3-クロロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ナフタレン-1-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.08g、収率15%)を淡褐色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): 9.61 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.34 (q, J = 1.60 Hz, 1H), 8.23-8.26 (m, 2H), 7.80 (s, 1H), 7.73(s, 1H), 7.42 (dd, J = 8.0, 4.40 Hz, 1H), 4.03 (t, J = 5.20 Hz, 2H), 3.62 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.42 (d, J = 10.80 Hz, 2H), 3.15 (d, J = 11.60 Hz, 2H), 2.97 (d, J = 13.20 Hz, 2H), 2.91 (d, J = 4.80 Hz, 2H), 2.87 (d, J = 4.00 Hz, 2H), 2.79 (t, J = 6.40 Hz, 1H), 2.60 (t, J = 8.00 Hz, 2H), 2.50 (s, 3H), 2.12 (t, J = 7.60 Hz, 2H), 1.90 (t, J = 5.20 Hz, 2H).; LCMS (ES, m/z): 569.2(M+1).
実施例番号27の合成
Figure 2022539208000234
ステップ1:N,N-ビス(メチル-d3)-3-ニトロピリジン-2-アミン(27-3)の合成:
Figure 2022539208000235
2-フルオロ-3-ニトロピリジン(1g、7.0mmol)、2(M)THF中ビス(メチル-d3)アミン(4.2ml、8.4mmol)およびKCO(1.4g、10.5mmol)のDMF溶液(1.0ml/mmol)を室温で16時間撹拌した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、N,N-ビス(メチル-d3)-3-ニトロピリジン-2-アミン(1.05g、収率87%)を黄色液体として得た、LCMS(ES,m/z):174.1(M+1)。
ステップ2:N,N-ビス(メチル-d3)ピリジン-2,3-ジアミン(27-4)の合成:
Figure 2022539208000236
N,N-ビス(メチル-d3)-3-ニトロピリジン-2-アミン(1g、5.9mmol)のエタノール溶液(1.0ml/mmol)に、乾燥Pd/C(0.2g、10mol%)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で16時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、N,N-ビス(メチル-d3)ピリジン-2,3-ジアミン(0.7g、収率85%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):144.2(M+1)。
ステップ3:N-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N,N-ビス(メチル-d3)ピリジン-2,3-ジアミン(27-6)の合成:
Figure 2022539208000237
密封管中のN,N-ビス(メチル-d3)ピリジン-2,3-ジアミン(0.7g、5.1mmol)および5-ブロモ-2,4-ジクロロピリミジン(0.8ml、6.1mmol)のジメチルホルムアミド(1.0ml/mmol)溶液に、DIPEA(2.6ml、15.3mmol)を添加した。得られた反応混合物を12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N-ビス(メチル-d3)ピリジン-2,3-ジアミン(1.3g、収率80%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):335.1(M+1)。
ステップ4:1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(27-9)の合成:
Figure 2022539208000238
丸底フラスコ中の1-フルオロ-5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(1g、5.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(10ml)に、1-メチルピペラジン(0.5ml、6.5mmol)およびKCO(1.1g、8.1mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.2g、収率86%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):266.2(M+1)。
ステップ5:2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(27-10)の合成:
Figure 2022539208000239
1-(5-メトキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.2g、4.5mmol)のエタノール溶液(1.0ml/mmol)に、乾燥Pd/C(0.25g、10mol%)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で16時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.76g、収率72%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):236.2(M+1)。
ステップ6:N-(2-(ビス(メチル-d3)アミノ)ピリジン-3-イル)-5-ブロモ-N-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン:
Figure 2022539208000240
密封管中のN-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-N,N-ビス(メチル-d3)ピリジン-2,3-ジアミン(0.3g、0.896mmol)および2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(0.232g、0.985mmol)のt-ブタノール溶液(3.0ml)に、TFA 0.3mlを添加した。得られた反応混合物を14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCによって精製して、N-(2-(ビス(メチル-d3)アミノ)ピリジン-3-イル)-5-ブロモ-N-(2-メトキシ-5-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン(0.1g、収率21%)を褐色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): 9.91 (s, 1H), 9.04 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.09 (d, J = 3.60 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 6.80 Hz, 1H), 7.35 (s, 1H), 6.93 (q, J = 5.20 Hz, 1H), 6.67 (s, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.51 (d, J = 10.80 Hz, 2H), 3.18 (d, J = 11.60 Hz, 4H), 2.96 (d, J = 12.00 Hz, 2H), 2.90 (s, 3H), 2.03 (s, 3H).; LCMS (ES, m/z): 534.1(M+1).
実施例番号28の合成
Figure 2022539208000241
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(28-3)の合成:
Figure 2022539208000242
2-クロロ-3-ニトロピリジン(10.0g、63.1mmol)、ピロリジン-2-オン(6.4g、75.2mmol)およびCsCO(30.8g、94.5mmol)のジオキサン溶液(80ml)を15分間アルゴン脱気した。脱気した溶液に、Pd(OAc)(0.715g、3.2mmol)およびキサントホス(3.6g、6.2mmol)をアルゴン下で添加し、得られた反応混合物を密封管中12時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.5g、収率57%)を白色固体として得た、LCMS(ES、m/z):208.1(M+1)。
ステップ2:1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(28-4)の合成:
Figure 2022539208000243
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、52.6mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(1.1g)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、収率78%)を黒色固体として得た、LCMS(ES、m/z):178.1(M+1)。
ステップ3:1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(28-6)の合成:
Figure 2022539208000244
密封管中の1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、41.2mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(8.9g、48.5mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、DIPEA(21.0ml、120.6mmol)を添加した。得られた反応混合物を12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、収率82%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):324.2(M+1)。
ステップ4:tert-ブチル4-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(28-9)の合成:
Figure 2022539208000245
丸底フラスコ中の1-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-5-ニトロベンゼン(0.8g、3.89mmol)のジメチルホルムアミド溶液(50ml)に、1-Bocピペラジン(0.467g、4.67mmol)およびKCO(0.806g、5.83mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル4-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.7g、収率48%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):372.1.1(M+1)。
ステップ5:1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペラジン(28-10)の合成:
Figure 2022539208000246
tert-ブチル4-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.7g、1.88mmol)のDCM溶液(20ml)を10℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(1.07g、9.41mmol)を添加し、得られた反応混合物を室温に加温させ、室温で16時間撹拌した。反応物のTLCは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をDCMで希釈し、10% NaHCO溶液で洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペラジン(0.5g、収率98%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):272.2(M+1)。
ステップ7:1-(3-((5-クロロ-2-((5-クロロ-2-メトキシ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン:
Figure 2022539208000247
密封管中の1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.3g、0.925mmol)および5-クロロ-2-メトキシ-4-(ピペラジン-1-イル)アニリン(0.246g、1.01mmol)のt-ブタノール溶液(3.0ml)に、TFA 0.3mlを添加した。得られた反応混合物を14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCによって精製して、1-(3-((5-クロロ-2-((5-クロロ-2-メトキシ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.11g、収率22%)を淡黄色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 8.87 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.24 (d, J = 8.40 Hz, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.39 (t, J = 7.60 Hz, 1H), 6.76 (s, 1H), 4.02 (s, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.08 - 3.04 (m, 8H), 2.59 (d, J = 7.60 Hz, 2H), 2.13 (d, J = 7.60 Hz, 2H), 1.91 (s, 1H).; LCMS (ES, m/z): 529.1(M+1).
実施例番号29の合成
Figure 2022539208000248
ステップ1:1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(29-3)の合成:
Figure 2022539208000249
2-クロロ-3-ニトロピリジン(10.0g、63.1mmol)、ピロリジン-2-オン(6.4g、75.2mmol)およびCsCO(30.8g、94.5mmol)のジオキサン溶液(80ml)を15分間アルゴン脱気した。脱気した溶液に、Pd(OAc)(0.715g、3.2mmol)およびキサントホス(3.6g、6.2mmol)をアルゴン下で添加し、得られた反応混合物を密封管中12時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.5g、収率57%)を白色固体として得た、LCMS(ES、m/z):208.1(M+1)。
ステップ2:1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(29-4)の合成:
Figure 2022539208000250
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、52.6mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(1.1g)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、収率78%)を黒色固体として得た、LCMS(ES、m/z):178.1(M+1)。
ステップ3:1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(29-6)の合成:
Figure 2022539208000251
密封管中の1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、41.2mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(8.9g、48.5mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、DIPEA(21.0ml、120.6mmol)を添加した。得られた反応混合物を12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、収率82%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):324.2(M+1)。
ステップ4:1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-(メチル-d3)ピペラジン(29-9)の合成:
Figure 2022539208000252
丸底フラスコ中の1-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-5-ニトロベンゼン(1.0g、4.86mmol)のジメチルホルムアミド溶液(10ml)に、1-(メチル-d3)ピペラジン(0.752g、7.3mmol)およびKCO(1.0g、7.3mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-(メチル-d3)ピペリジン(1-(2-chloro-5-methoxy-4-nitrophenyl)-4-(methyl-d3)piperizine)(1.1g、収率84%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):289.1(M+1)。
ステップ5:5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-(メチル-d3)ピペラジン-1-イル)アニリン(29-10)の合成:
Figure 2022539208000253
1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-(メチル-d3)ピペラジン(1.0g、3.5mmol)のエタノール溶液(20ml)に、Fe粉末(1.17g、21mmol)、NHCl(1.15g、21mmol)および水(2.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-(メチル-d3)ピペラジン-1-イル)アニリン(0.750g、収率83%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):259.1(M+1)。
ステップ6:1-(3-((5-クロロ-2-((5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-(メチル-d3)ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン:
Figure 2022539208000254
密封管中の1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.2g、0.616mmol)および5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-(メチル-d3)ピペラジン-1-イル)アニリン(0.175g、0.678mmol)のt-ブタノール溶液(3.0ml)に、TFA 0.2mlを添加した。得られた反応混合物を14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCによって精製して、1-(3-((5-クロロ-2-((5-クロロ-2-メトキシ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(0.09g、収率18%)を灰白色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 9.73 (s, 1H), 8.99 (s, 1H), 8.32 (q, J = 1.60 Hz, 1H), 8.24 (d, J = 1.20 Hz, 1H), 8.22 (t, J = 3.20 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.39 (q, J = 4.80 Hz, 1H), 6.80 (s, 1H), 4.02 (t, J = 7.20 Hz, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.54 (d, J = 12.00 Hz, 2H), 3.41 (d, J = 12.80 Hz, 2H), 3.20 (t, J = 12.00 Hz, 2H), 3.17 (s, 1H), 3.03 (s, 1H), 2.98 (d, J = 11.60 Hz, 1H), 2.61 (d, J = 8.00 Hz, 2H), 2.12 (t, J = 7.60 Hz, 2H).; LCMS (ES, m/z): 547.1(M+1).
実施例番号30の合成
Figure 2022539208000255
ステップ1:1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(30-3)の合成:
Figure 2022539208000256
2-クロロ-3-ニトロピリジン(10.0g、63.1mmol)、ピロリジン-2-オン(6.4g、75.2mmol)、CsCO(30.8g、94.5mmol)のジオキサン溶液(80ml)を15分間アルゴン脱気した。脱気した溶液に、Pd(OAc)(0.715g、3.2mmol)およびキサントホス(3.6g、6.2mmol)をアルゴン下で添加し、得られた反応混合物を密封管中12時間100℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.5g、収率57%)を白色固体として得た、LCMS(ES、m/z):208.1(M+1)。
ステップ2:1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(30-4)の合成:
Figure 2022539208000257
1-(3-ニトロピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、52.6mmol)のエタノール溶液(100ml)に、乾燥Pd/C(1.1g)を添加した。得られた反応混合物を水素雰囲気下、室温で12時間撹拌し続けた。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をエタノールで希釈し、Celite床を通して濾過した。濾過した反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、収率78%)を黒色固体として得た、LCMS(ES、m/z):178.1(M+1)。
ステップ3:1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(30-6)の合成:
Figure 2022539208000258
密封管中の1-(3-アミノピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(7.3g、41.2mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(8.9g、48.5mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、DIPEA(21.0ml、120.6mmol)を添加した。得られた反応混合物を12時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(10.9g、収率82%)を褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):324.0(M+1)。
ステップ4:tert-ブチル4-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(30-9)の合成:
Figure 2022539208000259
丸底フラスコ中の1-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-5-ニトロベンゼン(0.8g、3.89mmol)のジメチルホルムアミド溶液(10ml)に、1-Bocピペラジン(0.467g、4.67mmol)およびKCO(0.806g、5.83mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を氷冷水でクエンチし、固体をブフナー漏斗を通して濾過して、純粋なtert-ブチル4-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.7g、収率48%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):372.1.1(M+1)。
ステップ5:1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペラジン(30-10)の合成:
Figure 2022539208000260
tert-ブチル4-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.7g、1.88mmol)のDCM溶液(20ml)を10℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(1.07g、9.41mmol)を添加し、得られた反応混合物を室温に加温させ、室温で16時間撹拌した。反応物のTLCは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物をDCMで希釈し、10% NaHCO溶液で洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン(1-(2-chloro-5-methoxy-4-nitrophenyl)piperizine)(0.5g、収率98%)を黄色固体として得た、LCMS(ES,m/z):272.2(M+1)。
ステップ6:2-(4-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール(30-11)の合成:
Figure 2022539208000261
1-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペラジン(0.5g、1.84mmol)のDMF溶液(5.0ml)に、KCO(0.38g、2.76mmol)および2-ブロモエタノール(0.274g、2.2mmol)を室温で添加した。得られた反応混合物を室温で6時間撹拌した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物に水を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥させた。乾燥した有機層を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、2-(4-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール(0.4g、収率69%)を淡黄色ゴム状固体として得た、LCMS(ES,m/z):316.1(M+1)。
ステップ7:2-(4-(4-アミノ-2-クロロ-5-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール(30-12)の合成:
Figure 2022539208000262
2-(4-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール(0.4g、1.27mmol)のエタノール溶液(10ml)に、Fe粉末(0.424g、7.62mmol)、NHCl(0.42g、7.62mmol)および水(2.0ml)を添加した。得られた反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応物のTLCおよびLCMSは、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を蒸発させて粗物質を得て、これをisoleraカラムクロマトグラフィーによって精製して、2-(4-(4-アミノ-2-クロロ-5-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール(0.25g、収率69%)を淡褐色固体として得た、LCMS(ES,m/z):286.2(M+1)。
ステップ8:1-(3-((5-クロロ-2-((5-クロロ-4-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メトキシフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン:
Figure 2022539208000263
密封管中の1-(3-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(0.3g、0.925mmol)および2-(4-(4-アミノ-2-クロロ-5-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール(0.29g、1.01mmol)のt-ブタノール溶液(3.0ml)に、TFA 0.3mlを添加した。得られた反応混合物を14時間90℃に加熱した。TLCおよびLCMSによって反応終了を確認した後、反応混合物を蒸発させて粗物質を得た。次いで、粗生成物をPREP HPLCによって精製して、1-(3-((5-クロロ-2-((5-クロロ-2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)イミダゾリジン-2-オン(0.12g、収率23%)を明るい褐色固体として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d): 9.67 (s, 1H), 9.00 (s, 1H), 8.31 (q, J = 1.48 Hz, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.39 (q, J = 4.68 Hz, 1H), 6.78 (s, 1H), 4.02 (t, J = 6.92 Hz, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.79 (t, J = 5.16 Hz, 2H), 3.60 (d, J = 11.04 Hz, 2H), 3.40 (d, J = 12.08 Hz, 2H), 3.30 -3.25 (m, 2H), 3.10 (t, J = 10.92 Hz, 2H), 2.61-2.59 (m, 4H), 2.09 (d, J = 8.16 Hz, 2H).; LCMS (ES, m/z): 572.1(M-1).
薬理学および有用性
TNK1は、非受容体型チロシンキナーゼであり、キナーゼのACKタンパク質ファミリーのメンバーである。TNK1活性の正常な調節は、主として転写レベルで、しばしば細胞ストレスに応答して起こる。実際、TNK1は、STAT調節を介してIFNシグナル伝達を媒介する、抗ウイルス応答のメディエーターとして特定されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法(本明細書に記載される化合物を使用する)が、例えばSTAT調節を介して、例えばIFNシグナル伝達を媒介する、抗ウイルス応答を媒介する。
初期の研究では、TNK1が胚性幹細胞において腫瘍抑制機能を有することが示唆されたが、その後の研究では、TNK1が、特に変異した場合に、ホジキンリンパ腫の成長および増殖を含む発がん能を駆動し得ることが実証された。このような研究の1つは、STAT5媒介細胞成長および生存を駆動するL540ホジキンリンパ腫株におけるC末端TNK1短縮型変異を記載している。Gu,T.-L.ら、Leukemia(2010)、24、861-865を参照されたい。Guらに開示されているTNK1変異体では、キナーゼドメインを含むTNK1の5’部分が、偏動原体逆位(17)(p13.1)から生じる、第17染色体のオープンリーディングフレーム61(C17ORF61)遺伝子の5’非翻訳領域の31塩基対、完全エクソン2およびエクソン3の最初の52塩基対から構成される配列に融合されている。特にGuらの図1(c)を参照されたい。よって、Guらに開示されているTNK1の変異体は、全長TNK1のC末端阻害配列を欠いている。Guらはまた、STAT5のリン酸化がチロシンキナーゼ活性の信頼できる代用マーカーであることを開示している。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法(本明細書に記載される化合物を使用する)を使用して、全長TNK1のC末端阻害配列を欠くTNK1の活性を阻害することができる。
TNK1の短縮型変異の頻度は完全には理解されていないが、TNK1のC末端点変異は複数のがんに存在し、その多くはTNK1活性を増加させ、腫瘍成長についてTNK1依存性をもたらし得る。TNK1依存性がんの例としては、それだけに限らないが、ホジキンリンパ腫、膵臓がん、B細胞急性リンパ芽球性白血病、多発性骨髄腫、結腸直腸がん、子宮内膜がん、肺がん、骨がん、髄芽腫、神経膠腫、腎がん、卵巣がん、乳がんおよび星状細胞腫が挙げられる。
その後の研究では、TNK1が膵臓がん細胞生存における鍵としても特定されている。例えば、TNK1のsiRNAサイレンシングは、膵臓がん細胞の成長を阻害し、アポトーシスを誘導することが示されている。Henderson,M.C.ら、Mol.Cancer Res.2011;9:724-732。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法(本明細書に記載される化合物を使用する)を使用して、膵がんを有する対象を処置する。
RNAiスクリーニングにより、骨髄腫におけるプロテアソーム阻害剤感受性の潜在的調節因子としてTNK1が特定された。Zhuら、Blood(2011)117(14):3847-3857。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物が、例えば骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)を処置するために、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)と組み合わせて投与される。
前立腺がん幹細胞からの個々のTNK1、TNK2およびALKキナーゼのsiRNAベースの枯渇が、スクランブルsiRNAと比較して、CD44細胞の数の減少に関連することも報告されている。Mahajan,N.P.ら、Scientific Reports(2018)8:1954。TNK1、TNK2およびALKキナーゼは、本明細書に記載される化合物の標的であることが分かっている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法(本明細書に記載される化合物を使用する)を使用して、前立腺がんを有する対象を処置する。
腸の完全性に対するTNK1の影響およびMODSにおけるその役割も研究の対象となっている。例えば、TNK1発現が陰窩特異的アポトーシスを誘導し、細菌移行、その後の敗血症性ショックおよび早期死亡につながることが分かっている。機構的には、インビボでのTNK1発現が、STAT3リン酸化、p65の核移行、ならびにIL-6およびTNF-αの放出をもたらした。TNK1の腸特異的欠失は、実験的大腸炎から腸粘膜を保護し、腸におけるサイトカイン放出を防止した。最後に、TNK1が、マウスおよびブタ外傷モデルならびにヒト炎症性腸疾患において腸内で調節解除されることが分かった。Armacki,M.ら、J Clin Invest.2018;128(11):5056-5072。腸管バリア機能の改善および/または腸管透過性の減少および/または腸恒常性の調節は、腸管バリアが損傷または調節不全の徴候を示し得るがん、胃腸障害、SIRS、MODS、敗血症、自己免疫障害、マイクロバイオームの健康およびがん免疫療法剤に対する感受性における課題である。Armacki,M.ら、J Clin Invest.2018;128(11):5056-5072を参照されたい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法(本明細書に記載される化合物を使用する)を使用して、腸管バリア機能を改善または促進する。
したがって、TNK1は、例えばがんを処置するための新規な治療を開発するための魅力的な標的となる。特に、TNK1の活性を調節する(例えば、阻害する)小分子が必要とされている。
RBC HotSpotキナーゼアッセイプロトコル
RBC HotSpotキナーゼアッセイ(Reaction Biology Corp.、Malvern、Pennsylvania)を使用して、試験化合物が以下の反応においてヒトTNK1(UniProtアクセッション番号Q13470)の酵素活性を調節する(例えば、阻害する)能力を評価した:
Figure 2022539208000264
試薬:基本反応緩衝液;20mM Hepes(pH7.5)、10mM MgCl、1mM EGTA、0.02% Brij35、0.02mg/ml BSA、0.1mM NaVO、2mM DTT、1% DMSO。必要な補因子を各キナーゼ反応物に個別に添加した。
化合物取り扱い:試験化合物を100% DMSOに溶解して特定の濃度にした。DMSO中でIntegra Viaflo Assistによって段階希釈を行った。
反応手順:
1.基質(ペプチド基質、ポリ[Glu:Tyr](4:1)、0.2mg/ml;ATP 10μM)を新たに調製した反応緩衝液中で調製した;
2.任意の必要な補因子を基質溶液に送達した;
3.キナーゼ(TNK1)を基質溶液に送達し、穏やかに混合した;
4.Acoustic technology(Echo550;ナノリットル範囲)によって100% DMSO中の化合物をキナーゼ反応混合物に送達し、室温で20分間インキュベートした;
5.33P-ATP(比活性10μCi/μl)を反応混合物に送達して、反応を開始した;
6.室温で2時間インキュベートした;
7.フィルタ結合法によって放射活性を検出した;
8.キナーゼ活性データを、ビヒクル(ジメチルスルホキシド)反応と比較した試験試料中の残存キナーゼ活性パーセントとして表した。Prism(GraphPad Software)を使用して、IC50値および曲線あてはめを得た。
結果:RBC HotSpotキナーゼアッセイの結果を表2に報告する。「A」化合物はRBC HotSpotキナーゼアッセイで5nM未満のIC50を有しており;「B」化合物はRBC HotSpotキナーゼアッセイで5nM~15nMのIC50を有しており;「C」化合物はRBC HotSpotキナーゼアッセイで15nM超かつ50nM未満のIC50を有していた。
TNK1 NanoBRETターゲットエンゲージメントアッセイプロトコル
NanoBRETターゲットエンゲージメント(TE)アッセイ(Promega、ウィスコンシン州マディソン)は、細胞内設定における試験化合物による組換えキナーゼの活性部位におけるトレーサー化合物の置換の調査を可能にする。このアッセイは、透過性、溶解度およびキナーゼ阻害の同時試験を可能にし、試験薬剤と目的のキナーゼ、ここではTNK1との特異的相互作用を試験する。このアッセイは、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)の原理に基づいている。このアッセイでは、プラスミドにコードされたルシフェラーゼタグ付き形態のTNK1を細胞にトランスフェクトする。トレーサー化合物は、TNK1タンパク質に結合すると蛍光を発するフルオロフォアでタグ付けされる。読み出しは発光および蛍光である。試験化合物は、トレーサーを置換し、よって、BRETを破壊することによって活性を示す。
方法:TNK1 NanoBRET TEアッセイを製造業者のプロトコルに従って実施した。手短に言えば、Nanoluc-TNK1融合ベクター(Promega、ウィスコンシン州マディソン、カタログ番号NV2181)をバルクのHEK293細胞にトランスフェクトした(T175フラスコ中8×10細胞)。トランスフェクションの30時間後まで、細胞をトリプシン処置によって収穫し、2×10細胞/mLの濃度で再懸濁し、85μL/ウェルで96ウェルプレートに播種した。試験化合物およびK5トレーサーを各ウェルに添加し、細胞を2時間インキュベートした。発光(460nM)および蛍光(647nM)を測定して、BRET比を決定した。Graphpad Prismソフトウェア(GraphPad Software、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用してBRET比からIC50値を決定した。
結果:NanoBRETアッセイの結果を表2に報告する。「A」化合物はNanoBRETアッセイで150nM未満のIC50を有し;「B」化合物はNanoBRETアッセイで150nM~1μMのIC50を有し;「C」化合物はNanoBRETアッセイで1μM超のIC50を有していた。
インビトロpSTAT5アッセイプロトコル
L540細胞株は、タンパク質のC末端調節領域に短縮型変異を有する。結果として、L540細胞のTNK1は、STAT5を含む重要なタンパク質のリン酸化において構成的に活性である。TNK1野生型条件(例えば、K562 CML細胞)では、STAT5リン酸化がTNK1非依存的様式で達成される。したがって、L540細胞に特異的なホスホ-STAT5シグナルの減少は、TNK1阻害剤機能の良好な読み出しである。
方法:インビトロpSTAT5アッセイを、製造業者のプロトコルに従ってSTAT5 A/B(pY964/699)SimpleStep ELISAキット(Abcam番号ab176656)を用いて実施した。手短に言えば、L540細胞を、標準的な培養条件下(ペニシリン/ストレプトマイシンを含む10%FBS)でRPMI1640培地中で成長させた。試験化合物の効果を評価するために、細胞を96ウェルプレートにプレートし(250,000細胞/mL)、一晩成長させた。その後、細胞を様々な濃度の試験化合物で24時間処置した後、収穫し、製造業者のプロトコルに従ってSTAT5 A/B(pY964/699)SimpleStep ELISA Kitで調べた。処置細胞に対するCellTiter-Gloアッセイ(Promega、カタログ番号G7570)によって評価する場合、ホスホ-STAT5シグナルを細胞生存率に対して正規化した。TNK1阻害剤IC50を、正規化されたホスホ-STAT5測定値に対してGraphpad Prismソフトウェアを使用して決定した。
結果:pSTAT5アッセイの結果を表2に報告する。「A」化合物はP-STAT5 L540アッセイで5nM未満のIC50を有しており;「B」化合物はP-STAT5 L540アッセイで5nM~50nMのIC50を有しており;「C」化合物はP-STAT5 L540アッセイで50nM超のIC50を有しており;「D」化合物は決定されなかった。
全体として、本発明者らは、10mg/kgおよび25mg/kg処置アームについて450nmでの吸光度によって測定されるp-STAT5レベルの用量依存的減少を認めた。実施例番号9、10または13などの化合物は、50%超のp-STAT5の抑制を達成した。実施例番号9および10は、いくらかの用量依存性を示したが、この用量依存性の傾向は、実施例番号13では同様には観察されなかった。
Figure 2022539208000265
インビトロK562およびL540細胞生存率アッセイプロトコル
Tnk1は、K652およびL540細胞株などのホジキンリンパ腫(HL)細胞の増殖および生存を駆動することが知られている(Guら、Identification of activated Tnk1 kinase in Hodgkin’s lymphoma,Leukemia 24:861-65((2010))。Tnk1の下方制御は、細胞の成長および増殖を阻害し、アポトーシスを増加させる。HL細胞に関連して個々の試験化合物を試験するために、CellTiter-Glo(登録商標)アッセイ(Promega、ウィスコンシン州マディソン)を製造業者の説明書に従って実施した。CellTiter-Glo(登録商標)アッセイシステムは、熱安定性ルシフェラーゼを使用して、細胞溶解中に放出される内因性酵素(例えば、ATPアーゼ)を同時に阻害しながら、安定な「グロータイプ(glow-type)」発光シグナルを生成する。したがって、このアッセイは、高感度で安定な発光出力を提供する。
方法:
試薬調製
1.CellTiter-Glo(登録商標)緩衝液を解凍し、使用前に室温に平衡化した。
2.凍結乾燥したCellTiter-Glo(登録商標)基質を使用前に室温に平衡化した。
3.適切な体積のCellTiter-Glo(登録商標)緩衝液を、CellTiter-Glo(登録商標)基質を含む褐色瓶に製造業者の推奨に従って移した。再構成された凍結乾燥酵素/基質混合物がCellTiter-Glo(登録商標)試薬を形成した。
4.CellTiter-Glo(登録商標)試薬を、内容物を穏やかにボルテックス、旋回または反転させることによって混合して、均一な溶液を得た。
細胞生存率アッセイのためのプロトコル
1.K652細胞またはL540細胞の滴定を実施して、最適な数を決定し、CellTiter-Glo(登録商標)アッセイが線形範囲内で実施されることを確保した。
2.96ウェルプレートについては100μl/ウェルまたは384ウェルプレートについては25μl/ウェルで、培養培地中のK652またはL540細胞を用いて、不透明壁マルチウェルプレート(ルミノメーターと適合性)を調製した。
3.細胞を含まない培地を含む対照ウェルを調製して、バックグラウンド発光の値を得た。
4.試験化合物を実験ウェルに添加し、培養プロトコルに従ってインキュベートした。
5.プレートおよびその内容物を室温でおよそ30分間平衡化した。
ATP標準曲線を生成するためのプロトコル
1.1μM ATPを培養培地中で調製した(100μlの1μM ATP溶液は10-10モルのATPを含有する)。
2.培養培地中のATPの連続10倍希釈(1μM~10nM;100μlは10-10~10-12モルのATPを含有する)を実施した。
3.100μl培地(384ウェルプレートについては25μl)中に様々な濃度のATP標準を含むマルチウェルプレートを調製した。
4.各ウェルに存在するATP標準の体積に等しい体積のCellTiter-Glo(登録商標)試薬を添加した。
5.内容物をオービタルシェーカーで2分間混合した。
6.プレートを室温で10分間インキュベートさせて発光シグナルを安定化させた。
7.発光を記録した。
結果:インビトロ細胞生存率アッセイの結果を表3に報告する。「A」化合物はインビトロ細胞生存率アッセイで500nM未満のIC50を有し;「B」化合物はインビトロ細胞生存率アッセイで500nM~1.5μM未満のIC50を有し;「C」化合物はインビトロ細胞生存率アッセイで1.5μM~6μM超のIC50を有し;「D」化合物はインビトロ細胞生存率アッセイで6μMまたはそれを超えるIC50を有し;「E」化合物は決定されなかった。
Figure 2022539208000266
皮下L540ホジキンリンパ腫CDXモデルにおけるインビボ有効性試験
L540 CDXマウスモデルにおいて実施例番号13を使用して有効性試験を実施した。動物は、Charles River Laboratories(CRL)製の6~8週齢のNOD-SCID(#394)雌マウスとした。実施例番号13を、ビヒクルとしてTween(登録商標)80:エタノール:PEG400:水(2:10:30:58 v/v)を使用して毎週処方した。4つの処置群があった(n=10、合計40匹の動物):ビヒクル/対照群、10mg/kg実施例番号13で処置した群、25mg/kg実施例番号13で処置した群および50mg/kg実施例番号13で処置した群。平均腫瘍体積が80~120mmに達したら、動物を無作為化し、10ml/kg用量体積で、強制経口投与により21日間毎日投与した。腫瘍負荷に達しなかった動物を試験の66日目まで監視した。組織は回収しなかった。細胞培養の前にIDEXX病原体試験を実施した;コリネバクテリウム・ボビス(Corynebacterium bovis)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)種(HAC2)、EBV、HCMV、B型肝炎、C型肝炎、HIV1、HIV2、HPV16、HPV18、HTLV1、HTLV2、LDEVおよびマイコプラズマ属(Mycoplasma)種を試験し、全ての結果が陰性であった。腫瘍体積測定値を、平均絶対腫瘍体積+/-SEMとして提供する。
50mg/kgの実施例番号13は、最高で31日目に86.5%の、試験全体を通して最良の腫瘍成長阻害を示したが、25および10mg/kgもそれぞれ31日目に74.20%および21日目に35.17%の有意な腫瘍成長阻害を示した。投与を21日目に停止したところ、投与後10日まで、25および50mg/kgについて平均して継続した腫瘍成長阻害が認められた。また、4匹の動物(25mg/kgの実施例番号13で処置した群の2匹と50mg/kgの実施例番号13で処置した群の2匹)が試験終了時に生存していた。50mg/kgの実施例番号13で処置した群では中等度の体重減少があったが、体重減少は重度ではなかった。50mg/kgの実施例番号13で処置した群の2匹の動物は、おそらく薬物毒性のために7日目に死亡したことが分かった。
図1は試験日に対する平均腫瘍体積(mm)のグラフであり、示される量の実施例番号13で処置した際のL540異種移植片に対する腫瘍成長阻害を示す。
雌NOD SCIDマウスにおける皮下L540ホジキンリンパ腫異種移植片がんモデルにおけるインビボ単回投与薬力学(PD)試験
この試験の目的は、6~8週齢の雌NOD SCIDマウスにおけるホジキンリンパ腫の皮下異種移植片モデルで実施例番号13のインビボ薬力学活性を評価することであった。4つの群(および合計84匹のマウス)があった:50mg/kg、25mg/kgまたは10mg/kgの実施例番号13(各用量についてn=27マウス)およびビヒクル(n=3マウス)。平均腫瘍体積が300mmに達したら、動物を無作為化し、10mL/kg用量体積で、p.o.で1回投与した。血液および腫瘍を9つの異なる時点で回収した。
K562多発性骨髄腫ヒト異種移植片モデルを使用して、L540について報告された実施例番号13の効果を、TNK1の短縮バージョンを発現しないがん細胞株を有する異種移植片マウスモデルと比較した。1×10個のK562細胞を、試験開始時に9~11週齢のNOD/SCID雌マウスに注射した。腫瘍がおよそ328.36mmの平均体積に達したら処置を開始した。動物を無作為化し、50mg/kgの実施例番号13またはビヒクルを、10mL/kg投与体積で、p.o.で1回投与した。27匹のマウスを、各群3匹の動物の、9つの異なる時点に対応する9つの異なる試験群に無作為に割り当てた。血液および腫瘍を9つの異なる時点で回収した。
実施例番号13を、Tween(登録商標)80(0.2mL)、エタノール(1mL)、PEG400(3mL)および水(5.8mL)に製剤化した。
この試験では、タンパク質発現をウエスタンブロッティング法によって分析した。組織試料を単回投与PK/PD試験の一部として取得した。等量の腫瘍をビーズチューブに入れ、溶解緩衝液(RIPA緩衝液(Sigma番号0278)、停止カクテル(ThermoFisher番号78440)、EDTA(ThermoFisher番号1861274)、PhosSTOP(Sigma番号04906845001)、cOmplete(Sigma番号11697498001)および阻害剤カクテル3(Sigma番号P0044-1ML))を添加し、ビーズホモジナイザー(4.5m/秒で2×20秒(Fisherbrand Bead Mill 24ホモジナイザー、Fisher Scientific))を使用して試料をホモジナイズした。溶解物を、4℃で5分間、5,000rpmで遠心分離することによって清澄化した。
BCAキット(Invitrogen番号23225)を使用してタンパク質濃度を決定した。各処置群から等量のタンパク質をプールし、プールした試料で再び濃度を測定した。各プール処置群からの等量のタンパク質を900℃で5分間煮沸し、4~12%Tris-Bis NUPAGEゲルにロードし、氷上で、30V低ampで1時間、および50~75Vでおよそ4時間泳動した。次いで、タンパク質をPVDF膜に転写した。
以下の抗体をこの試験で使用した:ホスホ-STAT5(CST番号9359、1:1,000/BSA)、STAT5(CST番号9363S、1:1,000/BSA)、TNK1(CST番号4570、1:1,000/BSA)、ホスホ-TNK1(CST番号5638、1:1,000/BSA)、アクチン-HRP抗体(ProteinTech 番号HRP-60008、1:10,000/乳)、ペルオキシダーゼAffiniPureロバ抗ウサギIgG(H+L)(JIR番号711-035-152、1:5,000/乳)。
実施例番号13処置は、L540ホジキンリンパ腫異種移植片モデルからの腫瘍組織においてTNK1およびSTAT5のリン酸化を阻害した(図2A)。このリン酸化阻害は用量依存的であり、応答は、TNK1におけるリン酸化のレベルと比較して、STAT5リン酸化のレベルでより顕著であった(図2A)。
STAT5リン酸化の阻害は、50mg/kg処置群において投与15~30分後という早い時点で回収されたL540腫瘍試料で観察された(図2A)。阻害応答はわずかに遅延したが、より低い用量レベルでは浸透性であった(図2A)。実施例番号13投与後24時間の時点から回収した腫瘍試料は、リン酸化TNK1とリン酸化STAT5の両方に対する抗体でプローブすると、適切なサイズのバンドを示す。これは、TNK1およびSTAT5のリン酸化に対する実施例番号13の阻害効果が投与後24時間で持続されなかったことを示した。TNK1およびSTAT5のリン酸化は、投与の24時間後までに回復した。
次に、L540モデルとK562モデルとの間のTNK1およびSTAT5の発現およびリン酸化レベルの変化を比較した。L540モデルとK562モデルの両方からの試料は、全TNK1に対する抗体を使用するとバンドを示した(図2B)。全TNK1に対する抗体でプローブした場合、K562試料は、60kDa付近のより低くより顕著なバンドを示したL540腫瘍試料とは対照的に、70kDaマークをわずかに上回る、明るいが十分に飽和した一貫したバンドを示した(図2B)。ヒト異種移植片モデルからのK562多発性骨髄腫の腫瘍試料は、短縮型TNK1タンパク質もリン酸化TNK1タンパク質も発現せず(図2B)、したがって、実施例番号13は、K562腫瘍試料においてTNK1リン酸化の阻害もSTAT5リン酸化の阻害も示さなかった(それぞれ図2Bおよび図2C)。実施例番号13は、L540異種移植片モデルにおいてTNK1リン酸化を阻害し(図2B)、L540異種移植片モデルにおいてSTAT5リン酸化を阻害した(図2C)。
TNK1リン酸化の最も顕著な変化を表す時点(4時間および24時間)からの試料を、同じ膜(図2D)での比較のために選択した。ウエスタンブロッティングによって、K562試料中にリン酸化TNK1は検出されなかった。
ボルテゾミブと組み合わせた実施例番号13の試験
A549細胞を対数期(例えば、40~60%コンフルエンシー)でウェルプレートに播種した。薬物処置は、薬物処置なし、DMSO、50nM、10nM、5nM、2nMまたは1nMのボルテゾミブ、10nMの実施例番号13、および10nMの実施例番号13と組み合わせた50nM、10nM、5nM、2nMまたは1nMのボルテゾミブであった。DMSO濃度を一定に維持して(DMSO対照を含む)、任意の交絡DMSO毒性について対照とした。
薬物添加プロトコル:1日目に、細胞を60,000細胞/ウェルで播種し、24時間インキュベートして接着させた。2日目に、培地を吸引し、相関ウェルにおいて500μlの以下に記載される薬物培地調製物と交換した。プレートをIncucyteに7~14日間入れ、細胞コンフルエンシーを2時間毎に測定した。
Figure 2022539208000267
薬物媒体調製:
薬物なし:4ml DMEM
実施例番号13 10nM:4ml DMEM+8μl 10μM化合物13
DMSO 0.1%:4μl DMSO+2ml DMEM
DMSO 0.2%:8μl DMSO+2ml DMEM
実施例番号13 10nM+ボルテゾミブ50nM:4μlボルテゾミブ50μM+4μl 10μM実施例番号13+2ml DMEM
実施例番号13 10nM+ボルテゾミブ10nM:4μlボルテゾミブ10μM+4μl 10μM実施例番号13+2ml DMEM
実施例番号13 10nM+ボルテゾミブ5nM:4μlボルテゾミブ5μM+4μl 10μM実施例番号13+2ml DMEM
実施例番号13 10nM+ボルテゾミブ2nM:4μlボルテゾミブ2μM+4μl 10μM実施例番号13+2ml DMEM
実施例番号13 10nM+ボルテゾミブ1nM:4μlボルテゾミブ1μM+4μl 10μM実施例番号13+2ml DMEM
ボルテゾミブ50nM:4μlボルテゾミブ50μM+2ml DMEM
ボルテゾミブ10nM:4μlボルテゾミブ10μM+2ml DMEM
ボルテゾミブ5nM:4μlボルテゾミブ5μM+2ml DMEM
ボルテゾミブ2nM:4μlボルテゾミブ2μM+2ml DMEM
ボルテゾミブ1nM:4μlボルテゾミブ1μM+2ml DMEM
図3Aおよび図3Bは、2回の独立した実験におけるボルテゾミブと組み合わせた実施例番号13の試験の結果を示す。
10nMの実施例番号13および1nMのボルテゾミブは、それぞれ単独で、2つの独立した実験において細胞成長の阻害を示さなかったが、同じ濃度の両薬剤の組み合わせは、200時間の期間にわたっておよそ50%の細胞成長阻害をもたらした。組み合わせにおける成長阻害レベルは、相乗的成長阻害プロファイルと一致していた。
pSTAT5アッセイプロトコル
シグナル伝達兼転写活性化因子5(STAT5)のリン酸化に対する試験化合物の効果を、L540異種移植片腫瘍において決定した。
方法:各処置群は10匹のNOD SCIDマウスを含んでいた。各マウスに1×10個のL540細胞(注射時に86%生存)を注射し、L540細胞注射の10日後に単回投与の試験化合物(10mg/kgまたは25mg/kg)で処置した。処置の24時間後に腫瘍を回収し、急速凍結し、収穫後24時間-80℃で維持した。リン酸化STAT5(pSTAT5)レベルを、STAT5 A/B pY694/699 ELISAキット(Abcam、英国ケンブリッジ、ab176656)を使用して溶解物で測定した。Abcamが推奨するものよりも10倍多いタンパク質を使用したことを除いて、標準的なAbcam ELISAプロトコルに従った。
結果:pSTAT5アッセイの結果を図4に示す。10mg/kgおよび25mg/kg処置アームについて450nmでの吸光度によって測定されるp-STAT5レベルの用量依存的減少が観察された。
APC多発性腸新生物(MIN)モデル
この試験の目的は、雌C57BL/6J-ApcMinヘテロ接合体(ストック番号002020、Jackson Laboratory)マウスを使用して、多発性腸新生物のAPC MINモデルにおける実施例番号13の忍容性および有効性を決定することである。試験の1日目に、動物は様々な齢(5~8週)で施設に到着し、少なくとも3~4日間順化される。5~6日目頃に、忍容性および有効性の試験を開始する。忍容性試験のために、動物(n=3)を10または25mg/kgの実施例番号13で5日間処置し、次いで、次の5日間観察する。有効性試験のために、動物(n=20)が10週齢に達したら、投与を指定された用量レベルで開始し、動物が18週齢に達するまで8週間継続する。20匹の動物のうち、15匹を有効性のために持っていき、5匹をPD分析のために10週間の処置後に屠殺する。
動物が18週齢になったら、PD試験および生存試験を開始する。各群の少数の動物(n=5)をPD試験に変換する。PD分析は、有効性の結果のみに基づいて実施する。各群の残りの動物(n=15)を生存および臨床徴候について監視する。
製剤/ビヒクル:Tween(登録商標)80:エタノール:PEG400:水(2:10:30:58 v/v)
投与:
Figure 2022539208000268
試験を10週間(すなわち、70日間)継続する。動物が8週間の投与後に臨床的問題を有すると思われる場合、試験を8週間の投与で終了する。この試験は、動物のストレスを最小限に抑えるように行う。動物数は文献検索に基づいて決定する。
試験動物からの糞便試料のマイクロバイオーム分析を行うので、試験のこの態様に関与するマウスは最も清潔なラックに分離する。糞便試料は、試験の開始前、試験の途中および試験の終了時に回収する。プール試料をDNA/RNAシールドに回収する。
全てのPD動物を含む動物の屠殺時にポリープをカウントする。
以下のエンドポイントを評価する:
鼻口部/足:貧血の徴候としての色の変化
糞便スコア
正常:=0
柔らかいが、まだ形がある:=1
非常に柔らかい:=2
下痢:=4
運動(対照/ビヒクル群と比較してスコア化する)
体重/食物摂取
なし=0
1~5%=1
>5~10%=2
>10~20%=3
>20%=4
血便発生:
陰性ヘモカルト:=0
陽性ヘモカルト-ストリップ上にわずかな色:=1
陽性ヘモカルト-ストリップ上により濃い色:=2
目に見える微量の血液:=3
肉眼的直腸出血:=4
疾患活動性指標(DAI;DAIスコア=体重減少スコア+糞便一貫性スコア+血便スコア)
他の臨床徴候
Figure 2022539208000269
バイオマーカー
CD45
CD34:血管形成
アポトーシス細胞染色:cC3/カスパーゼ3
好中球活性化(例えば、IHCによるLy6G)
サイトカインmRNA:IL-6、TNFα
Eカドヘリン、クローディン:密着結合の探索
BrdU/Ki67染色:結腸陰窩における増殖細胞およびポリープ表現型
小腸におけるTNK1発現。
本明細書で引用される全ての特許、出願公開および参考文献の教示は、全体が参照により組み込まれる。
例示的な実施形態を特に示し説明してきたが、添付の特許請求の範囲に包含される実施形態の範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を行うことができることが当業者には理解されよう。

Claims (95)

  1. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000270
    [式中、
    は-N-でありかつXは-C(R)-であるか、またはXは-C(R)-でありかつXは-N-であり;
    は-H、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、-C(O)NR2021または-NR2021であり;
    20およびR21はそれぞれ独立に、-Hまたは(C~C)アルキルであり;
    はハロ、-CN、-C(O)NR1011、-C(O)(C~C)アルキル、-OR12または-NR1011であり;
    10およびR11はそれぞれ独立に、-Hまたは(C~C)アルキルであり;
    12は-Hまたは(C~C)アルキルであり;
    は-NR1314であり;
    13およびR14はそれぞれ独立に、-Hまたは(C~C)アルキルであるか、あるいはこれらが結合しているNと一緒になって、1またはそれを超えるR30で必要に応じて置換された(C~C)ヘテロシクリルを形成し;
    30は、各出現について、必要に応じて、独立に、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシであり;
    は-H、ハロ、シアノまたは(C~C)アルキルであり;
    は-H、(C~C)アルキル、ヒドロキシ(C~C)アルキルまたは-C(O)(C~C)アルキルであり;
    は-Hであり;
    は-H、ハロ、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシまたは(C~C)シクロアルコキシであるか;あるいは
    およびRは、それらの介在原子と一緒になって、1もしくはそれを超えるR40で必要に応じて置換された(C)アリールもしくは(C~C)ヘテロアリール、または1もしくはそれを超えるR50で必要に応じて置換された(C~C)カルボシクリルもしくは(C~C)ヘテロシクリルを形成し;
    40は、各出現について、必要に応じて、独立に、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシであり;
    50は、各出現について、必要に応じて、独立に、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシであり;
    はハロ、ヒドロキシ、シアノ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、-C(O)NR1718または-NR1718であり;
    17およびR18はそれぞれ独立に、-Hまたは(C~C)アルキルであり;
    は、各出現について、独立に、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシであり;
    mは0または1であり、但し、Rがハロ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシである場合、mは0であり;
    nは0、1または2である]
    によって表される化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  2. が-N-であり、Xが-C(R)-である、請求項1に記載の化合物。
  3. が-C(R)-であり、Xが-N-である、請求項1に記載の化合物。
  4. が-Hである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 20およびR21がそれぞれ-Hである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
  6. がハロまたは-CNである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. がクロロ、ブロモまたは-CNである、請求項6に記載の化合物。
  8. がクロロである、請求項7に記載の化合物。
  9. 13およびR14がそれぞれ独立に、(C~C)アルキルから選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
  10. 13およびR14が、これらが結合しているNと一緒になって、1またはそれを超えるR30で必要に応じて置換された(C~C)ヘテロシクリルを形成する、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
  11. 13およびR14が、これらが結合しているNと一緒になって、1つのオキソで置換され、1またはそれを超えるR30で必要に応じて置換された(C~C)ヘテロシクリルを形成する、請求項10に記載の化合物。
  12. 13およびR14が、これらが結合しているNと一緒になって、1またはそれを超えるR30で必要に応じて置換されたピペリジノン、ピロリジノンまたはイミダゾリジノンを形成する、請求項10または11に記載の化合物。
  13. 30が、各出現について、必要に応じて、独立に、ハロ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシである、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物。
  14. が-N(CH、1-ピペリジニル-2-オン、1-ピロリジニル-2-オン、1-イミダゾリジニル-2-オン、1-ピロリジニルまたは1-ピペリジニルである、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
  15. がハロ、シアノまたは(C~C)アルキルである、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
  16. がクロロまたはメチルである、請求項15に記載の化合物。
  17. が-H、ハロまたは(C~C)アルキルである、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
  18. が-H、クロロまたはメチルである、請求項17に記載の化合物。
  19. が-H、-CH、2-ヒドロキシエチルまたは-C(O)CHである、請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物。
  20. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000271
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項19に記載の化合物。
  21. が-Hであり、Rがハロ、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシまたは(C~C)シクロアルコキシである、請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物。
  22. が(C~C)アルコキシまたは(C~C)シクロアルコキシである、請求項21に記載の化合物。
  23. がメトキシ、エトキシまたはイソプロピルオキシである、請求項22に記載の化合物。
  24. がメトキシである、請求項23に記載の化合物。
  25. およびRが、それらの介在原子と一緒になって、1もしくはそれを超えるR40で必要に応じて置換された(C)アリールもしくは(C~C)ヘテロアリール、または1もしくはそれを超えるR50で必要に応じて置換された(C~C)カルボシクリルもしくは(C~C)ヘテロシクリルを形成する、請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物。
  26. およびRが、それらの介在原子と一緒になって、(C)アリールを形成する、請求項25に記載の化合物。
  27. がハロ、シアノ、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシである、請求項1から26のいずれか一項に記載の化合物。
  28. 17およびR18がそれぞれ-Hである、請求項1から26のいずれか一項に記載の化合物。
  29. が-Hであり、mが1である、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物。
  30. mが0である、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物。
  31. が、各出現について、独立に、ハロ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシである、請求項1から30のいずれか一項に記載の化合物。
  32. nが0である、請求項1から31のいずれか一項に記載の化合物。
  33. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000272
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項1から19、21から26および30から32のいずれか一項に記載の化合物。
  34. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000273
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項33に記載の化合物。
  35. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000274
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項1、6から19および21から32のいずれか一項に記載の化合物。
  36. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000275
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項35に記載の化合物。
  37. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000276
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項1、6から19および21から32のいずれか一項に記載の化合物。
  38. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000277
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項37に記載の化合物。
  39. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000278
    [式中、
    Zは-N(R60)-または-C(R60-であり;
    30は、各出現について、独立に、ハロ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシであり;
    60は、各出現について、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシまたは(C~C)ハロアルコキシであり;
    pは0、1、2、3、4または5である]
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項1、3から8、15から19および21から32のいずれか一項に記載の化合物。
  40. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000279
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項39に記載の化合物。
  41. が-CHである、請求項33から40のいずれか一項に記載の化合物。
  42. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000280
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項1に記載の化合物。
  43. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000281
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項1に記載の化合物。
  44. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000282
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項1に記載の化合物。
  45. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000283
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項1に記載の化合物。
  46. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000284
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項1に記載の化合物。
  47. 以下の構造式:
    Figure 2022539208000285
    またはその薬学的に許容され得る塩によって表される、請求項1に記載の化合物。
  48. 表1の構造式のいずれかの化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  49. 治療上有効量の請求項1から48のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と、1またはそれを超える薬学的に許容され得る担体とを含む医薬組成物。
  50. 治療上有効量の請求項1から48のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と、治療上有効量の1またはそれを超える他の治療薬とを含む医薬組み合わせ物。
  51. 前記1またはそれを超える他の治療薬が、抗がん剤、抗アレルギー剤、制吐薬、鎮痛薬、免疫調節薬または細胞保護剤から独立に選択される、請求項50に記載の医薬組み合わせ物。
  52. 前記1またはそれを超える他の治療薬がプロテアソーム阻害剤である、請求項50または51に記載の医薬組み合わせ物。
  53. 前記プロテアソーム阻害剤がボルテゾミブである、請求項52に記載の医薬組み合わせ物。
  54. TNK1媒介疾患、障害または症状を処置することを必要とする対象のTNK1媒介疾患、障害または症状を処置する方法であって、治療上有効量の請求項1から48のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩、請求項49に記載の医薬組成物または請求項50から53のいずれか一項に記載の医薬組み合わせ物を前記対象に投与することを含む、方法。
  55. 前記TNK1媒介疾患、障害または症状が、がん、胃腸障害、SIRS、MODS、敗血症、自己免疫障害、マイクロバイオームの疾患、障害もしくは症状、または外傷もしくは腸管損傷に起因する疾患、障害もしくは症状である、請求項54に記載の方法。
  56. がんを処置することを必要とする対象のがんを処置する方法であって、治療上有効量の請求項1から48のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩、請求項49に記載の医薬組成物または請求項50から53のいずれか一項に記載の医薬組み合わせ物を前記対象に投与することを含む、方法。
  57. 前記がんが固形腫瘍を含む、請求項55または56に記載の方法。
  58. 前記がんが膵臓がんである、請求項55から57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記がんが前立腺がんである、請求項55から57のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記がんが非固形腫瘍である、請求項55または56に記載の方法。
  61. 前記がんが血液がんである、請求項55、56または60に記載の方法。
  62. 前記がんが急性白血病である、請求項55、56、60または61に記載の方法。
  63. 前記急性白血病が急性骨髄性白血病または急性リンパ性白血病である、請求項62に記載の方法。
  64. 前記がんが慢性白血病である、請求項55、56、60または61に記載の方法。
  65. 前記慢性白血病が慢性骨髄性白血病または慢性リンパ性白血病である、請求項64に記載の方法。
  66. 前記がんがリンパ腫を含む、請求項55、56、60または61に記載の方法。
  67. 前記がんがホジキンリンパ腫である、請求項55、56、60、61または66に記載の方法。
  68. 前記がんが非ホジキンリンパ腫である、請求項55、56、60、61または66に記載の方法。
  69. 前記がんが多発性骨髄腫である、請求項55、56、60または61に記載の方法。
  70. 前記がんがTNK1変異に関連する、請求項55から69のいずれか一項に記載の方法。
  71. 前記がんがホジキンリンパ腫である、請求項70に記載の方法。
  72. 前記がんが結腸直腸がんである、請求項70に記載の方法。
  73. 前記がんが肺がんである、請求項70に記載の方法。
  74. 前記肺がんが非小細胞肺がんである、請求項73に記載の方法。
  75. TNK1変異を有する対象のTNK1媒介疾患、障害または症状を処置する方法であって、
    前記対象がTNK1変異を有するかどうかを判定することと;
    前記対象が前記TNK1変異を有すると判定された場合に、治療上有効量の請求項1から48のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩、請求項49に記載の医薬組成物、または請求項50から53のいずれか一項に記載の医薬組み合わせ物を前記対象に投与することと
    を含む、方法。
  76. 前記TNK1変異がC末端短縮型変異である、請求項70から75のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記TNK1媒介疾患、障害または症状が、結腸直腸がん、ホジキンリンパ腫または肺がんから選択されるがんである、請求項75または76に記載の方法。
  78. 腸管バリア機能を改善することを必要とする対象の腸管バリア機能を改善する方法であって、治療上有効量の請求項1から48のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩、請求項49に記載の医薬組成物または請求項50から53のいずれか一項に記載の医薬組み合わせ物を前記対象に投与することを含む、方法。
  79. 改善された腸管バリア機能から利益を得る対象の疾患、障害または症状を処置する方法であって、治療上有効量の請求項1から48のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩、請求項49に記載の医薬組成物または請求項50から53のいずれか一項に記載の医薬組み合わせ物を前記対象に投与することを含む、方法。
  80. 前記疾患、障害または症状が、がん、胃腸障害、全身性炎症反応症候群(SIRS)、多臓器機能障害症候群(MODS)、敗血症、自己免疫障害、マイクロバイオームの疾患、障害もしくは症状、または外傷もしくは腸管損傷に起因する疾患、障害もしくは症状である、請求項79に記載の方法。
  81. 前記胃腸障害が、多発性腸新生物、虚血/再灌流傷害、大腸炎、感染性下痢、セリアック病または炎症性腸疾患(IBD)である、請求項80に記載の方法。
  82. 前記自己免疫障害が、線維症、関節リウマチ、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、1型糖尿病、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、グレーブス病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、IBD、多発性筋炎、皮膚筋炎、炎症性筋炎、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、乾癬、血管炎、シェーグレン病または移植拒絶である、請求項80に記載の方法。
  83. 1またはそれを超える追加の治療薬を前記対象に投与することをさらに含む、請求項54から82のいずれか一項に記載の方法。
  84. 1またはそれを超える標準治療薬剤を前記対象に投与することを含む、請求項83に記載の方法。
  85. プロテアソーム阻害剤を前記対象に投与することを含む、請求項83または84に記載の方法。
  86. 前記プロテアソーム阻害剤が、ボルテゾミブ、N-5-ベンジルオキシカルボニル-Ile-Glu(O-tert-ブチル)-Ala-ロイシナール、カルフィルゾミブ、イキサゾミブ、マリゾミブ(NPI-0052)、デランゾミブ(CEP-18770)、またはO-メチル-N-[(2-メチル-5-チアゾリル)カルボニル]-L-セリル-O-メチル-N-[(1S)-2-[(2R)-2-メチル-2-オキシラニル]-2-オキソ-1-(フェニルメチル)エチル]-L-セリンアミド(ONX-0912)から選択される、請求項85に記載の方法。
  87. 前記プロテアソーム阻害剤がボルテゾミブである、請求項86に記載の方法。
  88. 前記疾患、障害または症状が多発性骨髄腫である、請求項83から87のいずれか一項に記載の方法。
  89. 免疫チェックポイント阻害剤を前記対象に投与することを含む、請求項83から88のいずれか一項に記載の方法。
  90. 前記免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤から選択される、請求項89に記載の方法。
  91. 細胞のTNK1活性を阻害する方法であって、前記細胞を請求項1から48のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩、請求項49に記載の医薬組成物または請求項50から53のいずれか一項に記載の医薬組み合わせ物と接触させることを含む、方法。
  92. 前記細胞がヒト内にある、請求項91に記載の方法。
  93. TNK1活性を阻害することを必要とする対象のTNK1活性を阻害する方法であって、治療上有効量の請求項1から48のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩、請求項49に記載の医薬組成物または請求項50から53のいずれか一項に記載の医薬組み合わせ物を前記対象に投与することを含む、方法。
  94. 前記TNK1が変異を有する、請求項91から93のいずれか一項に記載の方法。
  95. 前記変異が短縮型変異である、請求項94に記載の方法。
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