JP2007186040A - 車体後部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サイドシルインナとの接合部およびクロスメンバとの連結部の各剛部分を利用して、部品点数の削減および軽量化を図りつつ後面衝突時におけるリヤサイドメンバの上方折れを効果的に抑制することができる車体後部構造の提供を図る。
【解決手段】 サイドシルインナ２Ａの後部２Ｒと、左右のリヤサイドメンバ１を連結したクロスメンバ６との間で、リヤサイドメンバ１のハット形断面内にハット形断面のレインフォース１０を結合して前後方向および車幅方向が閉塞されたボックス状の閉断面構造部Ｒを構成することにより、この閉断面構造部Ｒが剛部分となってリヤサイドメンバ１の上方折れを抑制でき、また、サイドシルインナ２Ａへの接合部Ｃ１の剛部分とクロスメンバ６の連結部Ｃ２の剛部分とが相俟って、レインフォース１０が小型であっても広い範囲に亘ってリヤサイドメンバ１の剛性をより高めることができ、補強部品の削減や軽量化を図りつつ後面衝突時におけるキックアップ部Ｋの上方折れを効果的に抑制できる。
【選択図】 図１

Description

本発明は、サイドシルインナの後部から車両後方に延在したリヤサイドメンバを備えた車体後部構造に関する。
一般に自動車後部には、車幅方向両側に車両前後方向に延在する左右一対のリヤサイドメンバを備えており、該リヤサイドメンバは前部がサイドシルインナの後部に接合され、その接合部から車両後方に向かって、リヤホイールハウスの内側に沿いつつ車両内方かつ上方に傾斜するキックアップ部を経て車両後端部のリヤバンパーへと延設される。
ところで、このように車両前後方向に延在するリヤサイドメンバは、その内側にバルクヘッド（シート取付ブラケット）を設けて断面強度を高めることにより、後面衝突時の荷重入力によるリヤサイドメンバの上方折れを防止するようにしたものが知られているが、このバルクヘッドのみでは十分な補強が得られないために、更に大型のサイドメンバレインフォースを設けるようにしている（例えば、特許文献１参照）。
特許第３１３８１７５号公報（第３頁、第１図）
しかしながら、かかる従来の車体後部構造では、リヤサイドメンバの補強部材としてバルクヘッドに加えてサイドメンバレインフォースを設けてあるため、部品点数の増加に伴ってコストアップが余儀なくされるとともに、車体重量の増加に繋がってしまう。
そこで、本発明は部品点数の削減および軽量化を図りつつ後面衝突時におけるリヤサイドメンバの上方折れを効果的に抑制することができる車体後部構造を提供するものである。
本発明は、サイドシルインナ後部への接合部から車体後方に向かって延在するとともに、リヤホイールハウス内側に沿いつつ車体内方かつ上方に傾斜するキックアップ部が設けられた、上方に開放するハット形断面のリヤサイドメンバと、
左右のリヤサイドメンバのキックアップ部の後部を車幅方向に連結するクロスメンバと、を備えた車体後部構造であって、
リヤサイドメンバの前記サイドシルインナ後部と前記クロスメンバとの間で、該リヤサイドメンバのハット形断面内に、リヤサイドメンバの底面に接合するフランジを有して下方に開放するハット形断面のレインフォースを結合して、これらリヤサイドメンバとレインフォースとによって前後方向および車幅方向が閉塞されたボックス状の閉断面構造部を構成したことを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、リヤサイドメンバのサイドシルインナ後部とクロスメンバとの間で、該リヤサイドメンバのハット形断面内にレインフォースを結合して前後方向および車幅方向が閉塞されたボックス状の閉断面構造部を構成したので、この閉断面構造部が剛部分となってこの剛部分となった閉断面構造部の前方に、サイドシルインナ後部にリヤサイドメンバを接合した剛部分が存在するとともに、閉断面構造部の後方に、リヤサイドメンバにクロスメンバを連結した剛部分が存在し、リヤサイドメンバはこれらレインフォースの剛部分とサイドシルインナの剛部分とクロスメンバの剛部分が相俟って、それら剛部分を結ぶ範囲で剛性をより高めることができ、従って、後面衝突時におけるリヤサイドメンバのキックアップ部分での上方折れを抑制することができる。
従って、前記レインフォースが小型であっても広い範囲に亘ってリヤサイドメンバを補強でき、ひいては、補強部品の削減および車体重量を抑制しつつ後面衝突時にキックアップ部の上方折れを効率良く抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
図１〜図６は本発明にかかる車体後部構造の一実施形態を示し、図１は車体後部の骨格構造の斜視図、図２は車体後部の骨格構造の平面図、図３は図１中Ａ方向から見た矢視図、図４はレインフォースの配置部分を示す要部拡大斜視図、図５は図４中Ｂ−Ｂ線に沿った拡大断面図、図６は本発明に用いられるレインフォースの斜視図である。
本実施形態の車体後部構造は、図１，図２に示すように車体後部の車幅方向両側に車両前後方向に延在する左右一対のリヤサイドメンバ１が設けられており、このリヤサイドメンバ１は、その前部１Ｆがサイドシルインナ２Ａの後部２Ｒに接合され、この接合部Ｃ１から車体後方（図２中上方）に向かって延在するとともに、図３にも示すようにリヤホイールハウス３の内側に沿いつつ車体内方かつ上方に傾斜するキックアップ部Ｋが設けられて、後方端部が図外のリヤバンパーに結合される。
前記サイドシルインナ２Ａは、図４に示すように車外方向に開放する断面コ字状を成して車幅方向両側に配置され、その車外側に車内方向に開放する断面逆コ字状のサイドシルアウタ２Ｂを接合することにより閉断面構造のサイドシル２が構成される。
前記リヤサイドメンバ１は、その一般部分が底面１ａと内・外両側面１ｂ，１ｃと上端のフランジ１ｄ，１ｅとによって上方に開放するハット形断面に形成され、上端のフランジ１ｄ，１ｅがフロアパネルＦｐ（図５参照）の下面に接合されることにより閉断面に構成されるとともに、リヤホイールハウス３部分では車外側のフランジ１ｅが立ち上がって、ホイールハウス３の内側に接合される。
また、前記リヤサイドメンバ１の前部１Ｆでは車外側のフランジ１ｅは切除されて、外側面１ｃが前記サイドシルインナ２Ａに接合される。
前記左右のサイドシルインナ２Ａは、図１〜図３に示すようにリヤサイドメンバ１の前端部位置でリヤシートクロスメンバ４が連結され、このリヤシートクロスメンバ４に図外のリヤシートの前部が支持されるとともに、前記リヤホイールハウス３の前面にはそのリヤシートのシートバック固定ブラケット５が結合されている。尚、図４中、Ｆｔはフロアトンネル部である。
更に、前記左右のリヤサイドメンバ１は、それぞれのキックアップ部Ｋの後部が車幅方向に延在するクロスメンバ６によって連結される。このクロスメンバ６は上方に開放するハット形断面に形成され、その上端のフランジ６ａ，６ｂをフロアパネルＦｐの下面に接合することにより閉断面に構成される。
尚、図１，図３に示すように、フロアパネルＦｐの車両後端部にはスペアタイヤパンＦｓが凹設されている。
ここで、本実施形態では図４に示すように、リヤサイドメンバ１の前記サイドシルインナ２Ａの後部２Ｒと前記クロスメンバ６との間で、該リヤサイドメンバ１のハット形断面内に、リヤサイドメンバ１の底面１ａに接合するフランジ１３，１３ａを有して下方に開放するハット形断面のレインフォース１０を結合して、図５に示すようにこれらリヤサイドメンバ１とレインフォース１０とによって前後方向および車幅方向が閉塞されたボックス状の閉断面構造部Ｒを構成してある。
前記レインフォース１０は、図６に示すように上面１１と、リヤサイドメンバ１の長さ方向（車両前後方向）に対向する一対の側面１２，１２ａと、これら側面１２，１２ａの下端部を外方に折曲したフランジ１３，１３ａと、によって下方に開放するハット形断面に形成され、上面１１の車幅方向長さＬはリヤサイドメンバ１の両側面１ｂ，１ｃ間の間隔Ｓ（図２参照）と略等しくしてある。
そして、図４に示すように前記レインフォース１０は、その側面１２，１２ａを車両前後方向に配置して、フランジ１３，１３ａをリヤサイドメンバ１の底面１ａに接合することにより、リヤサイドメンバの底面１ａおよび両側面１ｂ，１ｃと、レインフォース１０の上面１１および両側面１２，１２ａと、によって前記閉断面構造部Ｒが構成される。
このとき、前記レインフォース１０には、その前後両側面１２，１２ａの両端部を外方に折曲してリヤサイドメンバ１の両側面１ｂ，１ｃに接合するサイドフランジ１４，１４ａを形成し、このサイドフランジ１４，１４ａを介してリヤサイドメンバ１の両側面１ｂ，１ｃに接合してある。
また、前記レインフォース１０は、その前後両側面１２，１２ａの中央部分に高さ方向全幅に亘って、断面円弧状に膨出する膨出部１５，１５ａを形成してある。
更に、前記レインフォース１０は、図５に示すようにその上面１１をフロアパネルＦｐに結合し、その結合部分にベルトアンカー２０を取り付けてある。
即ち、前記リヤシートに設置されるシートベルトは、そのウエビング２１端部が前記ベルトアンカー２０を介して車体側に支持されるが、本実施形態では前記レインフォース１０の上面１１の中央部にボルト挿通穴１１ａを形成して、このボルト挿通穴１１ａにウエルドナット２２を固定し、前記ベルトアンカー２０の取付穴２０ａおよびフロアパネルＦｐに形成した挿通穴２３に挿通したボルト２４を前記ウエルドナット２２に締め付けることにより、レインフォース１０の上面１１をフロアパネルＦｐに結合するとともに、その結合部分にベルトアンカー２０を取り付けることになる。
ところで、前記レインフォース１０をサイドシルインナ２Ａの後部２Ｒとクロスメンバ６との間でリヤサイドメンバ１に結合する際に、図２に示すようにそのレインフォース１０をサイドシルインナ２Ａの後部２Ｒに重ね合わせてある。
以上の構成により本実施形態の車体後部構造によれば、リヤサイドメンバ１の前部１Ｆを接合したサイドシルインナ２Ａの後部２Ｒと、キックアップ部Ｋの後部に連結したクロスメンバ６との間で、該リヤサイドメンバ１のハット形断面内にレインフォース１０を結合して前後方向および車幅方向が閉塞されたボックス状の閉断面構造部Ｒを構成したので、後面衝突時の荷重Ｆ（図１参照）が入力された場合にも、その閉断面構造部Ｒが剛部分となってリヤサイドメンバ１のキックアップ部Ｋでの上方折れを効果的に抑制できる。
具体的には、前記剛部分となった閉断面構造部Ｒの前方に、サイドシルインナ２Ａの後部２Ｒにリヤサイドメンバ１を接合した接合部Ｃ１による剛部分が存在するとともに、閉断面構造部Ｒの後方にリヤサイドメンバ１にクロスメンバ６を連結した連結部Ｃ２による剛部分が存在し、リヤサイドメンバ１はこれらレインフォース１０の剛部分とサイドシルインナ２Ａの接合部Ｃ１の剛部分とクロスメンバ６の連結部Ｃ２の剛部分が相俟って、これら３箇所の剛部分を結ぶ範囲で剛性をより高めることができる。
従って、前記レインフォース１０が小型であっても広い範囲に亘ってリヤサイドメンバ１を補強でき、ひいては、補強部品の削減や軽量化を図りつつ後面衝突時にキックバック部Ｋの上方折れを効率良く抑制することができる。
また、本実施形態にあっては、前記レインフォース１０の上面１１をフロアパネルＦｐに結合し、その結合部分にベルトアンカー２０を取り付けたので、ベルトアンカー２０の支持強度をレインフォース１０によってより高めることができる。
更に、前記レインフォース１０をサイドシルインナ２Ａの後部２Ｒに重ね合わせて結合したので、後面衝突時に最も応力が集中するリヤサイドメンバ１とサイドシルインナ２Ａとの接合部Ｃ１に前記レインフォース１０が設けられることになり、リヤサイドメンバ１の後面衝突時の上方折れを更に効果的に抑制できる。
更にまた、レインフォース１０に、リヤサイドメンバ１の両側面１ｂ，１ｃに接合するサイドフランジ１４，１４ａを形成して、このサイドフランジ１４，１４ａを介してリヤサイドメンバ１の両側面１ｂ，１ｃに接合したので、レインフォース１０は、フランジ１３，１３ａを介してリヤサイドメンバ１の底面１ａに接合されていることと相俟って、リヤサイドメンバ１への結合強度が増大し、ひいては、リヤサイドメンバ１の剛性を高めて後面衝突時の上方折れを更に抑制できる。
また、前記レインフォース１０の前後両側面１２，１２ａの高さ方向全幅に亘って膨出部１５，１５ａを形成したので、その膨出部１５，１５ａが補強部分となって前後両側面１２，１２ａの剛性を高めることができるため、レインフォース１０によるリヤサイドメンバ１の補強度合いを更に高めて、後面衝突時の上方折れをより効果的に抑制できる。
ところで、本発明は前記実施形態に例をとって説明したが、この実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
本発明の一実施形態における車体後部の骨格構造の斜視図。 本発明の一実施形態における車体後部の骨格構造の平面図。 図１中Ａ方向から見た矢視図。 本発明の一実施形態におけるレインフォースの配置部分を示す要部拡大斜視図。 図４中Ｂ−Ｂ線に沿った拡大断面図。 本発明の一実施形態におけるレインフォースの斜視図。
符号の説明
１ リヤサイドメンバ
１Ｆ リヤサイドメンバの前部
１ａ リヤサイドメンバの底面
１ｂ，１ｃ リヤサイドメンバの側面
２Ａ サイドシルインナ
２Ｒ サイドシルインナの後部
３ リヤホイールハウス
６ クロスメンバ
１０ レインフォース
１１ レインフォースの上面
１２，１２ａ レインフォースの側面
１３，１３ａ レインフォースのフランジ
１４，１４ａ レインフォースのサイドフランジ
１５，１５ａ 膨出部
２０ ベルトアンカー
Ｃ１ 接合部
Ｋ キックアップ部
Ｒ 閉断面構造部
Ｆｐ フロアパネル

Claims (5)

  1. サイドシルインナ後部への接合部から車体後方に向かって延在するとともに、リヤホイールハウス内側に沿いつつ車体内方かつ上方に傾斜するキックアップ部が設けられた、上方に開放するハット形断面のリヤサイドメンバと、
    左右のリヤサイドメンバのキックアップ部の後部を車幅方向に連結するクロスメンバと、を備えた車体後部構造であって、
    リヤサイドメンバの前記サイドシルインナ後部と前記クロスメンバとの間で、該リヤサイドメンバのハット形断面内に、リヤサイドメンバの底面に接合するフランジを有して下方に開放するハット形断面のレインフォースを結合して、これらリヤサイドメンバとレインフォースとによって前後方向および車幅方向が閉塞されたボックス状の閉断面構造部を構成したことを特徴とする車体後部構造。
  2. レインフォースの上面をフロアパネルに結合し、その結合部分にベルトアンカーを取り付けたことを特徴とする請求項１に記載の車体後部構造。
  3. レインフォースは、サイドシルインナ後部に重ね合わせたことを特徴とする請求項１または２に記載の車体後部構造。
  4. レインフォースは、リヤサイドメンバの両側面に接合するサイドフランジを有し、該サイドフランジを介してリヤサイドメンバの両側面に接合したことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載の車体後部構造。
  5. レインフォースは、その前後両側面の高さ方向全幅に亘って膨出部を形成したことを特徴とする請求項１〜４のいずれか１つに記載の車体後部構造。
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