JP6215938B2 - プロテインキナーゼの阻害剤としての新規ピロロピリミジン化合物 - Google Patents

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Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、2012年8月6日に出願された、“NOVEL EGFR MODULATORS AND USES THEREOF”と題する米国仮特許出願第61/680,231号、2013年4月19日に出願された、“NOVEL PYRROLOPYRIMIDINE COMPOUNDS AS INHIBITORS OF PROTEIN KINASES”と題する米国仮特許出願第61/814,147号、2013年3月15日に出願された、“NOVEL EGFR MODULATORS AND USES THEREOF”と題する米国仮特許出願第13/843,554号、および2013年6月13日に出願された、“NOVEL EGFR MODULATORS AND USES THEREOF”と題する米国仮特許出願第13/917,514号の優先権の利益を主張する。本出願は、ある特定の態様において、2012年1月13日に出願された、“Heterocyclic Compounds and Uses as Anticancer Agents”と題する米国仮特許出願第61/586,718号、および2013年1月12日に出願された、“HETEROCYCLIC COMPOUNDS AND USES AS ANTICANCER AGENTS”と題する米国仮特許出願第13/740,182号に関する。上記の参照した出願の内容は、その全体が、本明細書中で参考として援用される。
技術分野
本発明の分野は医薬用化合物、組成物および方法であり、特に、これらは、増殖障害ならびにキナーゼ(EGFR(HERが挙げられる)、Alk、PDGFR、BLK、BMX/ETK、BTK、FLT3(D835Y)、ITK、JAK1、JAK2、JAK3、TEC、およびTXKなどであるが、これらに限定されない)および/またはそれぞれの経路の制御不全と関連している他の疾患の処置のための組成物および方法に関するものである。
背景
プロテインキナーゼは、多様で重要な生物学的プロセス(細胞の成長、増殖、生存、侵入および分化、器官形成、組織の修復および再生などが挙げられる)を制御する酵素群である。プロテインキナーゼは、タンパク質のリン酸化を触媒し、それにより細胞活動をモジュレートすることによってその生理学的機能を果たす。プロテインキ ナーゼは細胞に対して重要な効果を有するので、その活性は高度に制御されている。キナーゼは、リン酸化によって(時には自己リン酸化によって)、アクチベータタンパク質もしくはインヒビタータンパク質または小分子の結合によって、または細胞内でのその基質に対する位置の制御によって活性化されるかまたは遮断される。キナーゼの活性の機能異常は、遺伝的異常または環境因子に起因し、多くの疾患と関連していることが知られている。いくつかの重度の病的状態(がんおよび慢性炎症が挙げられる)は細胞内シグナル伝達の刺激と関連しており、キナーゼはシグナル伝達事象を積極的に中継するので、その阻害により、シグナル伝達カスケードを阻害または制御するための強力な道筋がもたらされる。
上皮増殖因子受容体(EGFR;ErbB−1;ヒトのHER1)は、4種類の近縁受容体であるチロシンキナーゼ:EGFR(ErbB−1)、HER2/c−neu(ErbB−2)、Her3(ErbB−3)およびHer4(ErbB−4)のサブファミリーであるErbB受容体ファミリーの構成員である。EGFRは、細胞外タンパク質リガンドの上皮増殖因子ファミリー(EGF−ファミリー)の構成員に対する細胞表面受容体である。EGFRの発現または活性に影響を及ぼす変異によってがんが生じることがあり得る。EGFRは、ほとんどの充実性腫瘍型、すなわち、肺がん、乳がんおよび脳腫瘍において無秩序であることが報告されている。EGFRまたはファミリー構成員の変異、増幅または誤制御は、全上皮がんの約30%に関与していると推定されている。抗体薬物または小分子インヒビター薬物(ゲフィチニブおよびエルロチニブなど)のいずれかによるEGFRの阻害に基づいた治療アプローチが開発されてきた。非小細胞肺がんの場合、ゲフィチニブおよびエルロチニブは患者の約10〜40%に有益であることが示されている。しかしながら、処置期間後のゲフィチニブまたはエルロチニブに対する獲得耐性が大きな臨床問題となっている。研究により、耐性が発現される1つの主な理由はEGFRのゲートキーパーであるT790Mの新たな変異の存在(present)によるものであることが確認されている。その後、このT790Mに打ち勝つことが可能なインヒビターが開発され、臨床試験で好結果を示している(BIBW2992など)。しかしながら、このようなT790M標的化EGFRインヒビターは、依然として野生型EGFRに対する相対的阻害活性を有し、これにより臨床応用が制限されている。変異を実質的に標的化して野生型タンパク質を実質的に標的化しない、より効率的な型のEGFRインヒビターのさらなる開発が必要とされている。
小分子医薬品の有用な標的である他のプロテインキナーゼとしては、Bリンパ球チロシンキナーゼ(BLK)、ヤヌスキナーゼ1(JAK1)、X染色体上の骨髄キナーゼ(BMX/ETK)、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)、ヤヌスキナーゼ3(JAK3)、肝細胞癌腫で発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、休止リンパ球キナーゼ(TXK、RLKとしても公知である)、FMS様チロシンキナーゼ3(FLT3)、およびFLT3(D835Y)が挙げられる。
概要
本発明は、特定のピロロピリミジン誘導体、医薬組成物、ならびに増殖障害および他の障害を処置するためのこのような化合物および組成物の使用方法に関する。
本開示により式(VIII)
(式中
はO、NH、S、CHまたはCFであり;
およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
は、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
nはゼロから4までの数であり;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;
ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
QはCRまたはNであり;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
11は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
12は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
13は、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アシル、SO−C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよびC6〜20アリールから選択され、
ここで、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されており;
−NR1819
であり;
ここで、R10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
15は非置換のメチルであるか、あるいは非置換C2〜4アルキルであるか、またはヒドロキシ、メトキシもしくはハロで置換されているC2〜4アルキルであり;
mは1または2であるか;
あるいはR19とRが一体となって、C1〜6アルキルで任意選択的に置換されている5員または6員のヘテロアリール環を形成しており、該アルキルは非置換であるか、またはアミノ、ヒドロキシルもしくはハロで置換されており;R18は、水素もしくはC1〜6アルキルであるか、または該ヘテロアリール環の結合価を満たすために存在していない;
ただし、−NR1819
であるとき、RとRのどちらもメトキシでないものとする)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
本開示により式(Ia)および(Ib)
(式中
およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
は、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
nはゼロから4までの数であり;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;
ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
QはCRまたはNであり;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
aは1または2であり;
環Aは芳香環であり;
20およびR21は独立して、水素およびC1〜6アルキルから選択され;該アルキルは非置換であるか、またはアミノ、ヒドロキシルもしくはハロで置換されており;ここで、R21は、結合価を満たすために存在していなくてもよく;
11は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
12は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
13は、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アシル、SO−C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよびC6〜20アリールから選択され、
ここで、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
本開示により式(II)
(式中
およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
は、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
nはゼロから4までの数であり;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;
ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
QはCRまたはNであり;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
11は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
12は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
本開示により式(III)
(式中
およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
は、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
nはゼロから4までの数であり;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;
ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
11は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
12は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
本開示により式(IV)
(式中
およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
は、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
nはゼロから4までの数であり;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;
ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
11は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
12は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
本開示により式(V)
(式中
およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
QはCRまたはNであり;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
11は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
12は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
本開示により式(VI)
(式中
およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
QはCRまたはNであり;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
一部の特定の実施形態では、本開示により以下に記載のような式(VII)の化合物を提供する。
一部の特定の実施形態では、式(I)〜(VIII)の化合物は、以下の詳細な説明に記載または例示した種から選択される化合物である。
さらなる一態様において、本開示により、式(I)〜(VIII)の少なくとも1種類の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物に、さらに薬学的に許容され得る担体または賦形剤を含めてもよい。また、本開示により、医薬としての使用のための式(I)〜(VIII)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
別の態様において、本開示により、増殖障害を処置および/または予防する方法であって、かかる処置を必要とする被験体に、有効量の式(I)〜(VIII)の少なくとも1種類の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む方法を提供する。
別の態様において、本開示により、治療における使用のための式(I)〜(VIII)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。別の態様では、本開示により、増殖障害の処置における使用のための式(I)〜(VIII)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。別の態様において、本開示により、増殖障害の処置のための医薬の製造のための式(I)〜(VIII)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。
別の態様において、本開示により、野生型EGFRではなく変異型EGFRを標的化するEGFR阻害活性と関連している状態の処置方法であって、かかる処置を必要とする被験体に、有効量の式(I)〜(VIII)の少なくとも1種類の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む方法を提供する。一部の実施形態では、変異型EGFRがT790M変異を含むものである。本開示により、かかる疾患および医学的状態の処置のための医薬の調製における式(I)〜(VIII)の化合物の使用、ならびにかかる疾患および医学的状態の処置のためのかかる化合物および塩の使用を提供する。
別の態様において、本開示により、細胞内の変異型EGFRの阻害方法であって、該方法は、該細胞を有効量の式(I)〜(VIII)の少なくとも1種類の化合物もしくはその塩、および/または該実施形態の少なくとも1種類の医薬組成物と接触させる工程を含み、該接触させる工程がインビトロ、エキソビボまたはインビボである、方法を提供する。一部の実施形態では、変異型EGFRがT790M変異を含むものである。
別の態様において、本開示により、キナーゼ阻害活性と関連している疾患または医学的状態の処置方法であって、該方法は、かかる処置を必要とする被験体に、有効量の式(I)〜(VIII)の少なくとも1種類の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含み、該キナーゼが、EGFR、EGFR(T790M)、BLK、BMX/ETK、BTK、JAK2、JAK3、TEC、TXK、FLT3およびFLT3(D835Y)からなる群より選択される、方法を提供する。本開示により、かかる疾患および医学的状態の処置のための医薬の調製における式(I)〜(VIII)の化合物の使用、ならびにかかる疾患および医学的状態の処置のためのかかる化合物および塩の使用を提供する。別の態様において、本開示により、細胞内の変異型キナーゼの阻害方法であって、該方法は、該細胞を有効量の式(I)〜(VIII)の少なくとも1種類の化合物もしくはその塩、および/または該実施形態の少なくとも1種類の医薬組成物と接触させる工程を含み、該接触させる工程がインビトロ、エキソビボまたはインビボである、方法を提供する。一部の実施形態では、変異型キナーゼがD835Y変異を有するFLT3である。
当業者には、式(II)〜(VI)の化合物が式(I)の化合物であること、および式(I)〜(VII)の化合物が式(VIII)の化合物であることが認識される。
本発明のさらなる実施形態、特長および利点は、以下の詳細な説明から、および本発明の実施によって明らかとなる。
簡潔にする目的で、本明細書において挙げた刊行物(特許が挙げられる)の開示内容は参考として本明細書において援用される。
図1は、種々の濃度の化合物3で処理したH1975肺がん細胞の特定のエフェクターのSDS−PAGEを示す。
図2は、種々の時間間隔で、化合物3で処理した腫瘍内の特定のエフェクターのイムノブロットを示す。
図3は、NCI−H1975モデルの異なる群のマウスの体重の変化の図表を示す。
図4は、HCC827モデルの異なる群のマウスの体重の変化の図表を示す。
図5は、A431モデルの異なる群のマウスの体重の変化の図表を示す。
図6は、NCI−H1975モデルの異なる群のマウスの腫瘍体積の図表を示す。
図7は、HCC827モデルの異なる群のマウスの腫瘍体積の図表を示す。
図8は、A431モデルの異なる群のマウスの腫瘍体積の図表を示す。
図9A〜9Fは、種々の濃度の化合物3(9A,9B)、ゲフィチニブ(9C,9D)およびWZ4002(9E,9F)で処理したH1975肺がん細胞におけるEGFR−Tyr1068のリン酸化および下流シグナル伝達のSDS−PAGE(9A,9C,9E)および阻害のグラフ(9B,9D,9F)を示す。
図10A〜10Fは、種々の濃度の化合物3(10A,10B)、ゲフィチニブ(10C,10D)およびWZ4002(10E,10F)で処理したHCC−827 EGFR変異型細胞におけるEGFR−Tyr1068のリン酸化および下流シグナル伝達のSDS−PAGE(10A,10C,10E)および阻害のグラフ(10B,10D,10F)を示す。
図11A〜11Fは、種々の濃度の化合物3(11A,11B)、ゲフィチニブ(11C,11D)およびWZ4002(11E,11F)で処理したWT EGFR発現A431細胞におけるEGFR−Tyr1068のリン酸化および下流シグナル伝達のSDS−PAGE(11A,11C,11E)および阻害のグラフ(11B,11D,11F)を示す。
図12は、12.5、50および200mg/kgで単回投与の化合物3で処理したときのH1975腫瘍組織におけるEGFRのリン酸化の阻害を示す。
図13は、12.5および50mg/kgで8回投与の化合物3で処理したときの、100mg/kgのゲフィチニブと比較したH1975腫瘍組織におけるEGFRのリン酸化の阻害を示す。
図14は、化合物3が、EGFR T790M変異を有するH1975細胞の増殖の不可逆的インヒビターであることを示す細胞系パルス・チェイスアッセイの結果を示す。
図15Aは、BLKに対する化合物3のIC50滴定曲線を示す。図15Bは、BLKに対するスタウロスポリンのIC50滴定曲線を示す。
図16は、BMX/ETKに対する化合物3のIC50滴定曲線を示す。
図17は、BTKに対する化合物3のIC50滴定曲線を示す。
図18は、FLT3(D835Y)に対する化合物3のIC50滴定曲線を示す。
図19は、ITKに対する化合物3のIC50滴定曲線を示す。
図20は、JAK2に対する化合物3のIC50滴定曲線を示す。
図21は、JAK3に対する化合物3のIC50滴定曲線を示す。
図22は、TECに対する化合物3のIC50滴定曲線を示す。
図23は、TXKに対する化合物3のIC50滴定曲線を示す。
詳細な説明
本発明は、特定のピロロピリミジン誘導体、医薬組成物、ならびに増殖障害を処置するためのこのような化合物および組成物の使用方法に関する。本明細書に記載の化合物は、抗腫瘍、抗がん、抗炎症、抗感染および抗増殖活性を示すものである。一部の実施形態では、該化合物は、実質的に該変異を標的化し、実質的に野生型タンパク質を標的化しない非常に効率的なEGFR阻害活性を示す種々のがん細胞系を用いた本明細書に記載の細胞系アッセイにおいて抗がん活性を有することが示されている。一部の実施形態では、変異型EGFRはT790M変異を含むものである。したがって、本実施形態の化合物および該化合物を含む組成物は、該変異型がん細胞を特徴とする状態を処置するのに有用である。一部の特定の場合では、該化合物は、肉腫、類表皮がん、線維肉腫、子宮頸がん、胃癌、皮膚がん、白血病、リンパ腫、肺がん、非小細胞肺がん、結腸がん、CNSのがん、黒色腫、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、乳がん、肝臓がん、頭頚部がんおよび膵がんを処置するのに有用である。
他の実施形態では、該化合物は、一連のプロテインキナーゼ(EGFR、EGFR(T790M)、BLK、BMX/ETK、BTK、JAK2、JAK3、TEC、TXK、FLT3およびFLT3(D835Y)が挙げられる)に対して活性を有することが示されている。一部の特定の場合では、該化合物は、がん、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患または免疫学的に関連している疾患を処置するのに有用である。他の実施形態では、かかる疾患は、BTK、JAK3、ITKおよびBMXから選択される少なくとも1種類のキナーゼによって媒介される。他の実施形態では、がん、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患または免疫学的に媒介される疾患は、異常に活性化されたBリンパ球、Tリンパ球またはそれら両方によって媒介される。他の実施形態では、炎症性疾患、自己免疫疾患または免疫学的に媒介される疾患は、関節炎、関節リウマチ、脊椎関節症、痛風性関節炎、変形性関節症、若年性関節炎、他の関節炎の状態、狼瘡、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚関連疾患、乾癬、ドライアイ、湿疹、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、疼痛、肺の障害、肺の炎症、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、肺サルコイドーシス、慢性肺炎症性疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心血管疾患、アテローム性動脈硬化(artherosclerosis)、心筋梗塞、うっ血性心不全、心臓の再灌流障害、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、喘息、シェーグレン症候群、自己免疫甲状腺疾患、じんま疹(urticaria)(じんま疹(cnidosis))、多発性硬化症、強皮症、臓器移植拒絶、異種植皮、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病性関連疾患、炎症、骨盤内炎症性疾患、アレルギー性鼻炎、アレルギー性気管支炎、アレルギー性副鼻腔炎、白血病、リンパ腫(lymphioma)、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、骨髄腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリーセル白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、肉腫、類表皮がん、線維肉腫、子宮頸がん、胃癌、皮膚がん、白血病、リンパ腫、肺がん、非小細胞肺がん、結腸がん、CNSのがん、黒色腫、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、乳がん、肝臓がん、頭頚部がん、または膵がんである。他の実施形態では、該疾患は自己免疫疾患または移植誘発型炎症性障害(同種移植、移植片対宿主病または自己免疫性糖尿病が挙げられるが、これらに限定されない)である。
本発明をさらに説明する前に、本発明は、記載の具体的な実施形態に限定されず、そのため、もちろん種々であり得ることは理解される。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で用いている専門用語は、単に、具体的な実施形態を説明する目的のものにすぎず、限定を意図するものでないことも理解される。
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いる場合、単数形「a」、「an」および「the」は、本文中にそうでないことを明示していない限り、複数の指示対象物を包含していることに注意されたい。さらに、特許請求の範囲は、任意選択の要素(あれば)を除いて作成されている場合があり得ることに注意されたい。そのため、この記載は、請求項の要素の記載との関連において例えば「のみ(solely)」および「のみ(only)」などの排他的用語の使用、または「消極的な」限定の使用に対する基礎となる先行詞として機能を果たすことが意図されている。
本明細書で用いる場合、用語「〜を含む(including)」、「〜を含む(containing)」および「〜を含む(comprising)」はオープンで非限定的な意味で用いている。
より簡潔な説明を示すため、本明細書に示す一部の定量的表現は用語「約」で修飾していない。用語「約」が明示的に使用されていようとそうでなかろうと、本明細書に示したどの量も実際に示した値を示すことを意図しており、また、これは、当業者によって妥当に推測される示したかかる値の近似値(示したかかる値の実験条件および/または測定条件による等価な値および近似値が挙げられる)も示すことを意図していることは理解される。収率をパーセンテージで示している場合はいつでも、かかる収率は、ある質量の実体を意味し、該実体に対する収率は、具体的な化学量論的条件下で得られ得る同実体の最大量に対して示される。パーセンテージで示した濃度は、別の様式で表示していない限り質量比を示している。
特に定義していない限り、本明細書で用いる科学技術用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されているものと同じ意味を有する。また、本明細書に記載のものと類似または同等の任意の方法および材料も本発明の実施および試験において使用され得るが、好ましい方法および材料はここに示したものである。本明細書で言及した刊行物はすべて、引用された該刊行物に関連する方法および/または材料を開示および説明するために参考として本明細書において援用される。
別途注記している場合を除き、本発明の実施形態の方法および手法は、一般的に、当該技術分野で周知であり、かつ本明細書全体を通して引用および論考した種々の一般的な参考文献およびより詳しい参考文献に記載された慣用的な方法に従って行われる。例えば、Loudon,Organic Chemistry,第4版,New York:Oxford University Press,2002;SmithおよびMarch,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,第5版,Wiley−Interscience,2001を参照のこと。
主題の化合物を命名するために本明細書で用いている呼称は、本明細書の実施例に例を示している。この呼称は、全般的に、市販のAutoNomソフトウェア(MDL,San Leandro,Calif.)を用いて得られたものである。
明確にするために別々の実施形態の状況において記載した本発明の特定の特長はまた、単一の実施形態において組み合わせてもたらされることがあり得ることは認識される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の状況において記載した本発明の種々の特長はまた、別々に、または任意の適当な下位の組合せで提供されてもよい。可変部で表した化学基に関する本実施形態のあらゆる組合せが具体的に本発明に包含されており、あたかもどの組合せも個々に明示的に開示されているかのごとく、かかる組合せに安定な化合物(すなわち、単離し、特性評価し、生物学的活性について試験することができる化合物)である化合物が包含される範囲で、本明細書に開示されている。また、かかる可変部を示した本実施形態において列挙した化学基のあらゆる下位の組合せも本発明に具体的に包含され、あたかもかかる化学基の下位の組合せのどれもが個々に明示的に本明細書に開示されているかのごとく本明細書に開示されている。
化学用語
用語「アルキル」は、鎖内に1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基をいう。アルキル基の例としては、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル(tBu)、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ならびに当該技術分野の通常の技能および本明細書に示した教示に鑑みて前述の例のいずれか1つと同等とみなされる基が挙げられる。
用語「アルコキシ」は、酸素原子に結合している、上に定義したアルキル基をいう。アルコキシ基は親構造に酸素原子を介して連結される。
用語「アミノ」は、−NH基、またはモノ−もしくはジアルキルアミノ基をいう。
用語「シクロアルキル」は、炭素環1つあたり3〜12個の環原子を有する飽和または部分飽和の単環式、縮合多環式、架橋型多環式またはスピロ多環式の炭素環をいう。シクロアルキル基の実例としては、適正に結合された部分の形態の以下の実体:
が挙げられる。
用語「ヘテロアリール」は、複素環1つあたり3〜12個の環原子を有する単環式、縮合二環式または縮合多環式の芳香族複素環(炭素原子ならびに窒素、酸素およびイオウから選択される4個までのヘテロ原子から選択される環原子を有する環構造)をいう。ヘテロアリール基の実例としては、適正に結合された部分の形態の以下の実体:
が挙げられる。
用語「ハロゲン」は塩素、フッ素、臭素またはヨウ素を表す。用語「ハロ」はクロロ、フルオロ、ブロモまたはヨードを表す。用語「ハロアルキル」は、1個以上のハロゲン原子で置換されている、上に定義したアルキルを意味する。用語「ハロアルコキシ」は、1個以上のハロゲン原子で置換されている、上に定義したアルコキシを意味する。
用語「アシル」は、直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の配置またはその組合せの1〜10個の炭素原子の基R−C(O)−をいい、親構造にカルボニル官能部を介して結合される。かかる基は飽和型であっても不飽和型であってもよく、脂肪族であっても芳香族であってもよい。
用語「シアノ」は基−CNをいう。
用語「ニトロ」は基−NOをいう。
用語「ヒドロキシル」は基−OHをいう。
当業者には、上に列挙または実例を示した種が網羅的でないこと、および定義したこれらの用語の範囲内のさらなる種も同様に選択され得ることが認識される。
用語「置換されている」とは、明示した基または部分が1つ以上の置換基を有することを意味する。用語「非置換の」とは、明示した基が置換基を有していないことを意味する。用語「任意選択的に置換されている」とは、明示した基が非置換であるか、または1つ以上の置換基で置換されていることを意味する。用語「置換されている」を用いて構造系を示している場合、該置換は、該系上の結合価が許容される任意の位置で行われていることを意図する。
本明細書に示した式はいずれも、該構造式の化合物ならびに特定の異型または形態を表していることを意図する。例えば、本明細書に示した式は、ラセミ体、あるいは1種類以上のエナンチオマー異性体、ジアステレオマー異性体もしくは幾何異性体、またはその混合物を包含していることを意図する。さらに、本明細書に示した式はいずれも、かかる化合物の水和物、溶媒和物もしくは多形またはその混合物にも言及していることを意図する。
また、本明細書に示した式はいずれも、該化合物の非標識形態ならびに同位体標識形態を表していることを意図する。同位体標識化合物は、1個以上の原子が、選択された原子量または質量数を有する原子で置き換えられていること以外は本明細書に示した式で示される構造を有するものである。本実施形態の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体(例えば、それぞれ、H、H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、36Cl、および125Iなど)が挙げられる。かかる同位体標識化合物は、代謝試験(好ましくは14Cを使用)、反応速度論試験(例えばHもしくはHを使用)、検出もしくはイメージング手法[例えば、陽電子放出断層撮影法(PET)もしくは単一光子放射断層撮影(SPECT)など](薬物もしくは基質の組織分布アッセイが挙げられる)、または患者の放射性処置に有用である。特に、18Fまたは11Cで標識された化合物はPETまたはSPECT試験に特に好ましいものであり得る。さらに、より重い重同位体(重水素(すなわちH)など)での置換により、代謝安定性が大きくなることによる特定の治療上の利点(例えば、インビボ半減期の増大または必要投薬量の低減)がもたらされ得る。本実施形態の同位体標識化合物およびそのプロドラッグは一般的に、非同位体標識試薬を容易に入手可能な同位体標識試薬に置き換えて、以下に示すスキームまたは実施例および調製に開示した手順を行うことにより調製され得る。
命名「Ci−j」(j>i)は、本明細書においてある類型の置換基に適用されている場合、炭素構成員の数i〜j(iおよびjを含む)の1つ1つが独立して実現された実施形態を示すことを意図する。一例として、用語C1〜3は、独立して、1個の炭素構成員(C)を有する実施形態、2個の炭素構成員(C)を有する実施形態、および3個の炭素構成員(C)を有する実施形態を示す。
本明細書でいうジ置換基はいずれも、1通りより多くの結合可能性が許容される場合の種々のかかる可能性を包含していることを意図する。例えば、ジ置換基−A−B−(式中、A≠B)に対する言及は、本明細書において、第1の置換される構成員に結合しているAと第2の置換される構成員に結合しているBを有するかかるジ置換基を示し、また、該第2の置換される構成員に結合しているAと該第1の置換される構成員に結合しているBを有するかかるジ置換基も示す。
本開示により、式(I)〜(VIII)で表される化合物、好ましくは上記のものおよび本明細書に例示した具体的な化合物の薬学的に許容され得る塩、ならびにかかる塩を含む医薬組成物、およびかかる塩の使用方法を提供する。
「薬学的に許容され得る塩」は、本明細書に示す化合物の遊離の酸または塩基の塩であって、無毒性であるか、生物学的に耐容性があるか、あるいは他の点で被験体への投与に生物学的に適しているものを意味することを意図する。一般的に、S.M.Bergeら,“Pharmaceutical Salts,”J.Pharm.Sci.,1977,66,1−19を参照のこと。好ましい薬学的に許容され得る塩は、薬理学的に有効で、被験体の組織との接触に適しており、過度な毒性、刺激またはアレルギー性応答がないものである。本明細書に記載の化合物は、充分に酸性の基、充分に塩基性の基、両方の型の官能基、または1種類より多くの各型を有し、したがって、いくつかの無機または有機塩基ならびに無機および有機酸と反応して薬学的に許容され得る塩を形成するものであり得る。
薬学的に許容され得る塩の例としては硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ベシル酸塩、キシレンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、およびマンデル酸塩が挙げられる。
塩基性窒素を含む式(I)〜(VIII)の化合物では、薬学的に許容され得る塩は、当該技術分野で利用可能な任意の適当な方法、例えば、遊離塩基を無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸、ホウ酸、およびリン酸など)、または有機酸(酢酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸、乳酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、イセチオン酸、コハク酸、吉草酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ピラノシジル(pyranosidyl)酸(グルクロン酸もしくはガラクツロン酸など)、α−ヒドロキシ酸(マンデル酸、クエン酸、もしくは酒石酸など)、アミノ酸(アスパラギン酸もしくはグルタミン酸など)、芳香族酸(安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、ナフトエ酸もしくは桂皮酸など)、スルホン酸(ラウリルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、またはエタンスルホン酸など)など)、または任意の適合性の酸混合物(本明細書の実施例に示したものなど)、ならびにこの技術の通常の技能レベルに鑑みて同等物または許容され得る代替物とみなされる任意の他の酸およびその混合物で処理することによって調製され得る。一部の特定の実施形態では、薬学的に許容され得る塩はHCl塩、マレイン酸の塩、HBr塩、ヒドロキシブタン二酸の塩、フマル酸の塩、乳酸の塩、酒石酸の塩、またはメタンスルホン酸の塩である。
本開示により、式(I)〜(VIII)の化合物の薬学的に許容され得るプロドラッグ、およびかかる薬学的に許容され得るプロドラッグを用いた処置方法を提供する。用語「プロドラッグ」は、表示した化合物の前駆体であって、被験体への投与後、化学的または生理学的プロセス(加溶媒分解もしくは酵素による切断など)によって、または生理学的条件下で、インビボで該化合物となるものを意味する(例えば、プロドラッグは、生理学的pHにすると式(I)〜(VIII)の化合物に変換される)。「薬学的に許容され得るプロドラッグ」は、無毒性であり、生物学的に耐容性があり、そして他の点で被験体への投与に生物学的に適しているプロドラッグである。好適なプロドラッグ誘導体の選択および調製のための実例としての手順は、例えば、“Design of Prodrugs”,H.Bundgaard編,Elsevier,1985に記載されている。
本開示により、式(I)〜(VIII)の化合物の医薬活性代謝産物、および本実施形態の方法におけるかかる代謝産物の使用を提供する。「医薬活性代謝産物」は、式(I)〜(VIII)の化合物またはその塩の体内での代謝の薬理活性産物を意味する。化合物のプロドラッグおよび活性代謝産物は、当該技術分野で公知のまたは利用可能な常套の手法を用いて決定され得る。例えば、Bertoliniら,J.Med.Chem.1997,40,2011−2016;Shanら,J.Pharm.Sci.1997,86(7),765−767;Bagshawe,Drug Dev.Res.1995,34,220−230;Bodor,Adv.Drug Res.1984,13,255−331;Bundgaard,Design of Prodrugs(Elsevier Press,1985);およびLarsen,Design and Application of Prodrugs,Drug Design and Development(Krogsgaard−Larsenら編,Harwood Academic Publishers,1991)を参照のこと。
代表的な実施形態
式(VIII)
本開示により式(VIII)の化合物を提供する。一部の実施形態では、XがOまたはNHである。他の実施形態では、XがCHまたはCFである。さらに他の実施形態では、XがOである。
式(VIII)の一部の実施形態では、−NR1819
である。他の実施形態では、−NR1819
である。一部の実施形態では、R15がメチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチルまたはフルオロエチルである。他の実施形態では、R15がフルオロエチルである。一部の実施形態では、mが1である。他の実施形態では、mが2である。
一部の実施形態では、RとR19が一体となって、任意選択的に置換されている5員または6員のヘテロアリール環を形成している。一部の実施形態では、R19とRが一体となって、C1〜6アルキルで任意選択的に置換されている5員または6員環を形成しており、該アルキルは非置換であるか、またはアミノで置換されている。一部の実施形態では、該ヘテロアリール環がジメチルアミノメチルまたはピペリジニルメチルで置換されている。他の実施形態では、RとR19が一体となってピロールまたはピリジンを形成している。一部の実施形態では、R18がジメチルアミノエチルである。
一部の実施形態では、Rがメトキシである。他の実施形態では、Rがメトキシである。一部の特定の場合では、Rが水素またはメトキシである。
式(VIII)の一部の実施形態では、その可変部の各々が、式(I)〜(VII)のいずれか1つまたはその実施形態について以下に記載のとおりに定義される。特に、式(VIII)の一部の特定の実施形態は、以下の式(I)の各可変部について定義したとおりであり、前記定義は参考として本明細書において援用される。
式(I)
本開示により、式(Ia)および(Ib)
(式中
およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
は、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
nはゼロから4までの数であり;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;
ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
QはCRまたはNであり;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
aは1または2であり;
環Aは芳香環であり;
20およびR21は独立して、水素およびC1〜6アルキルから選択され;該アルキルは非置換であるか、またはアミノ、ヒドロキシルもしくはハロで置換されており;ここで、R21は、結合価を満たすために存在していなくてもよく;
11は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
12は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
13は、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アシル、SO−C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよびC6〜20アリールから選択され、
ここで、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
式(I)は式(Ia)および式(Ib)を示すことを意図する。
式(I)において、RおよびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルまたはエチルである。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルまたはエチルである。一部の特定の場合では、RとRが各々、水素である。
式(I)において、nはゼロから4までの数である。一部の特定の場合では、nがゼロである。一部の特定の場合では、nが1である。一部の特定の場合では、nが2である。一部の特定の場合では、nが3である。一部の特定の場合では、nが4である。
式(I)において、Rは、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(I)において、Rは、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;R22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR21が連接されて3〜10員環を形成していてもよい。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC3〜7シクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが−NR2223である。
一部の特定の場合では、Rが非置換のC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、ヒドロキシルで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、ヒドロキシルで置換されているC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、アミノで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−NHで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−N(CHで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−NHで置換されているC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−N(CHで置換されているC1〜3アルキルである。
一部の特定の場合では、Rが非置換のC3〜7シクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のCシクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のCシクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のC5〜6シクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のCシクロアルキルである。
一部の特定の場合では、Rが−NR2223であり、ここで、R22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよい。一部の特定の場合では、R22とR23が水素である。一部の特定の場合では、R22とR23がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R22とR23がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R22とR23がメチルである。
一部の特定の場合では、R22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく、その結果、R
(ここで、wは1〜8の数である)となる。一部の特定の場合では、R22とR23が3員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が4員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が5員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が6員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が7員環を形成するように連接され得る。
式(I)において、Rは、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルである。一部の特定の場合では、Rがエチルである。一部の特定の場合では、RがC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、RがC4〜6アルキルである。
式(I)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC2〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(I)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC2〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(I)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(I)において、QはCRまたはNである。一部の特定の場合では、QがCRである。一部の特定の場合では、QがNである。
式(I)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。一部の特定の場合では、Rが水素またはフルオロである。
式(I)において、R10は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R10が水素である。一部の特定の場合では、R10がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R10がメチルである。一部の特定の場合では、R10がエチルである。一部の特定の場合では、R10がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R10がC4〜6アルキルである。
式(I)において、aは1または2であり、環Aは芳香環である。一部の特定の場合では、aが、
で示されるように1である。一部の特定の場合では、aが、
で示されるように2である。
式(I)において、R20およびR21は独立して、水素およびC1〜6アルキルから選択され;該アルキルは非置換であるか、またはアミノ、ヒドロキシルもしくはハロで置換されており;ここで、R21は、結合価を満たすために存在していなくてもよい。一部の特定の場合では、R20およびR21が独立して水素である。一部の特定の場合では、R20およびR21が独立して非置換のC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R20およびR21が独立して、アミノで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R20およびR21が独立して、−NR2425で置換されているC1〜6アルキルであり、ここでR24およびR25は独立して水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R20およびR21が独立して、−NR2425で置換されているC1〜6アルキルであり、ここでR24およびR25は独立して水素およびC1〜3アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R20およびR21が独立して、−NR2425で置換されているC1〜6アルキルであり、ここでR24およびR25は独立して水素およびメチルから選択される。一部の特定の場合では、R20およびR21が独立して、−NR2425で置換されているC1〜3アルキルであり、ここでR24およびR25は独立して水素およびメチルから選択される。一部の特定の場合では、R20およびR21が独立して、ヒドロキシルで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R20およびR21が、ハロで置換されているC1〜6アルキルである。
式(I)において、R11は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R11が水素である。一部の特定の場合では、R11がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R11がメチルである。一部の特定の場合では、R11がエチルである。一部の特定の場合では、R11がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R11がC4〜6アルキルである。
式(I)において、R12は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R12が水素である。一部の特定の場合では、R12がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R12がメチルである。一部の特定の場合では、R12がエチルである。一部の特定の場合では、R12がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R12がC4〜6アルキルである。
式(I)において、R13は、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アシル、SO−C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている。一部の特定の場合では、R13が水素である。一部の特定の場合では、R13がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13がC1〜6アシルである。一部の特定の場合では、R13がSO−C1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13がC3〜7シクロアルキルである。一部の特定の場合では、R13がC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、ヒドロキシルまたはハロで置換されているC1〜6アルキルである。
一部の特定の場合では、R13が非置換のC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が、ヒドロキシルで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHOH(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R13が、C1〜6アルコキシで置換されているC1〜6アルキルである。
一部の特定の場合では、R13が、ハロで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHX(式中、mは1〜3の数であり、Xはハロである)である。一部の特定の場合では、R13が、フルオロで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R13が−(CHFである。
一部の特定の場合では、R13がC1〜6アシルである。一部の特定の場合では、R13がCアシルである。一部の特定の場合では、R13がCアシルである。一部の特定の場合では、R13がCアシルである。一部の特定の場合では、R13がC4〜6アシルである。
一部の特定の場合では、R13がSO−C1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13がSO−Cアルキルである。一部の特定の場合では、R13がSO−Cアルキルである。一部の特定の場合では、R13がSO−Cアルキルである。一部の特定の場合では、R13がSO−C4〜6アルキルである。
一部の特定の場合では、R13がC3〜7シクロアルキルである。一部の特定の場合では、R13が非置換のCシクロアルキルである。一部の特定の場合では、R13が非置換のCシクロアルキルである。一部の特定の場合では、R13が非置換のC5〜6シクロアルキルである。一部の特定の場合では、R13が非置換のCシクロアルキルである。
一部の特定の場合では、R13が非置換のC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、ヒドロキシルで置換されているC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、C1〜6アルコキシで置換されているC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、ハロで置換されているC6〜20アリールである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり、Rがハロである。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり、Rがフルオロである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R10がメチルである。一部の特定の場合では、R、R、Rが水素であり;Rがハロであり;R10がメチルである。一部の特定の場合では、R、R、Rが水素であり;Rがフルオロであり;R10がメチルである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R13が水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがハロであり;R13が水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがフルオロであり;R13が水素である。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがハロであり;R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがフルオロであり;R13が−CHOHである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがハロであり;R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがフルオロであり;R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。
式(II)
本開示により式(II)
(式中
およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
は、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
nはゼロから4までの数であり;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;
ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR21が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
QはCRまたはNであり;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
11は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
12は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
式(II)において、RおよびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルまたはエチルである。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルまたはエチルである。一部の特定の場合では、RおよびRが水素である。
式(II)において、nはゼロから4までの数である。一部の特定の場合では、nがゼロである。一部の特定の場合では、nが1である。一部の特定の場合では、nが2である。一部の特定の場合では、nが3である。一部の特定の場合では、nが4である。
式(II)において、Rは、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(II)において、Rは、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;R22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR21が連接されて3〜10員環を形成していてもよい。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC3〜7シクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが−NR2223である。
一部の特定の場合では、Rが非置換のC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、ヒドロキシルで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、ヒドロキシルで置換されているC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、アミノで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−NHで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−N(CHで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−NHで置換されているC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−N(CHで置換されているC1〜3アルキルである。
一部の特定の場合では、Rが非置換のC3〜7シクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のCシクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のCシクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のC5〜6シクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のCシクロアルキルである。
一部の特定の場合では、Rが−NR2223であり、ここで、R22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよい。一部の特定の場合では、R22とR23が水素である。一部の特定の場合では、R22とR23がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R22とR23がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R22とR23がメチルである。
一部の特定の場合では、R22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく、その結果、R
(ここで、wは1〜8の数である)となる。一部の特定の場合では、R22とR23が3員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が4員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が5員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が6員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が7員環を形成するように連接され得る。
式(II)において、Rは、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルである。一部の特定の場合では、Rがエチルである。一部の特定の場合では、RがC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、RがC4〜6アルキルである。
式(II)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC2〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(II)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC2〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(II)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(II)において、QはCRまたはNである。一部の特定の場合では、QがCRである。一部の特定の場合では、QがNである。
式(II)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(II)において、R10は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R10が水素である。一部の特定の場合では、R10がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R10がメチルである。一部の特定の場合では、R10がエチルである。一部の特定の場合では、R10がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R10がC4〜6アルキルである。
式(II)において、R11は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R11が水素である。一部の特定の場合では、R11がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R11がメチルである。一部の特定の場合では、R11がエチルである。一部の特定の場合では、R11がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R11がC4〜6アルキルである。
式(II)において、R12は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R12が水素である。一部の特定の場合では、R12がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R12がメチルである。一部の特定の場合では、R12がエチルである。一部の特定の場合では、R12がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R12がC4〜6アルキルである。
式(II)において、R13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている。一部の特定の場合では、R13が水素である。一部の特定の場合では、R13がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13がC6〜20アリールである。
一部の特定の場合では、R13が非置換のC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が、ヒドロキシルで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHOH(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R13が、C1〜6アルコキシで置換されているC1〜6アルキルである。
一部の特定の場合では、R13が、ハロで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHX(式中、mは1〜3の数であり、Xはハロである)である。一部の特定の場合では、R13が、フルオロで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R13が−(CHFである。
一部の特定の場合では、R13が非置換のC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、ヒドロキシルで置換されているC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、C1〜6アルコキシで置換されているC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、ハロで置換されているC6〜20アリールである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり、Rがハロである。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり、Rがフルオロである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R10がメチルである。一部の特定の場合では、R、R、Rが水素であり;Rがハロであり;R10がメチルである。一部の特定の場合では、R、R、Rが水素であり;Rがフルオロであり;R10がメチルである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R13が水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがハロであり;R13が水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがフルオロであり;R13が水素である。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがハロであり;R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがフルオロであり;R13が−CHOHである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがハロであり;R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがフルオロであり;R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。
式(III)
本開示により式(III)
(式中
およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
は、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
nはゼロから4までの数であり;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;
ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
11は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
12は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
式(III)において、RおよびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルまたはエチルである。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルまたはエチルである。一部の特定の場合では、RおよびRが水素である。
式(III)において、nはゼロから4までの数である。一部の特定の場合では、nがゼロである。一部の特定の場合では、nが1である。一部の特定の場合では、nが2である。一部の特定の場合では、nが3である。一部の特定の場合では、nが4である。
式(III)において、Rは、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(III)において、Rは、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;R22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR21が連接されて3〜10員環を形成していてもよい。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC3〜7シクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが−NR2223である。
一部の特定の場合では、Rが非置換のC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、ヒドロキシルで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、ヒドロキシルで置換されているC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、アミノで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−NHで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−N(CHで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−NHで置換されているC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−N(CHで置換されているC1〜3アルキルである。
一部の特定の場合では、Rが非置換のC3〜7シクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のCシクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のCシクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のC5〜6シクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のCシクロアルキルである。
一部の特定の場合では、Rが−NR2223であり、ここで、R22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよい。一部の特定の場合では、R22とR23が水素である。一部の特定の場合では、R22とR23がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R22とR23がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R22とR23がメチルである。
一部の特定の場合では、R22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく、その結果、R
(ここで、wは1〜8の数である)となる。一部の特定の場合では、R22とR23が3員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が4員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が5員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が6員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が7員環を形成するように連接され得る。
式(III)において、Rは、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルである。一部の特定の場合では、Rがエチルである。一部の特定の場合では、RがC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、RがC4〜6アルキルである。
式(III)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC2〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(III)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC2〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(III)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(III)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(III)において、R10は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R10が水素である。一部の特定の場合では、R10がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R10がメチルである。一部の特定の場合では、R10がエチルである。一部の特定の場合では、R10がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R10がC4〜6アルキルである。
式(III)において、R11は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R11が水素である。一部の特定の場合では、R11がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R11がメチルである。一部の特定の場合では、R11がエチルである。一部の特定の場合では、R11がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R11がC4〜6アルキルである。
式(III)において、R12は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R12が水素である。一部の特定の場合では、R12がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R12がメチルである。一部の特定の場合では、R12がエチルである。一部の特定の場合では、R12がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R12がC4〜6アルキルである。
式(III)において、R13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている。一部の特定の場合では、R13が水素である。一部の特定の場合では、R13がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13がC6〜20アリールである。
一部の特定の場合では、R13が非置換のC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が、ヒドロキシルで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHOH(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R13が、C1〜6アルコキシで置換されているC1〜6アルキルである。
一部の特定の場合では、R13が、ハロで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHX(式中、mは1〜3の数であり、Xはハロである)である。一部の特定の場合では、R13が、フルオロで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R13が−(CHFである。
一部の特定の場合では、R13が非置換のC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、ヒドロキシルで置換されているC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、C1〜6アルコキシで置換されているC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、ハロで置換されているC6〜20アリールである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり、Rがハロである。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり、Rがフルオロである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R10がメチルである。一部の特定の場合では、R、R、Rが水素であり;Rがハロであり;R10がメチルである。一部の特定の場合では、R、R、Rが水素であり;Rがフルオロであり;R10がメチルである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R13が水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがハロであり;R13が水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがフルオロであり;R13が水素である。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがハロであり;R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがフルオロであり;R13が−CHOHである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがハロであり;R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがフルオロであり;R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。
式(IV)
本開示により式(IV)
(式中
およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
は、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
nはゼロから4までの数であり;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;
ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
11は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
12は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
式(IV)において、RおよびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルまたはエチルである。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルまたはエチルである。一部の特定の場合では、RおよびRが水素である。
式(IV)において、nはゼロから4までの数である。一部の特定の場合では、nがゼロである。一部の特定の場合では、nが1である。一部の特定の場合では、nが2である。一部の特定の場合では、nが3である。一部の特定の場合では、nが4である。
式(IV)において、Rは、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(IV)において、Rは、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;R22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR21が連接されて3〜10員環を形成していてもよい。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC3〜7シクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが−NR2223である。
一部の特定の場合では、Rが非置換のC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、ヒドロキシルで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、ヒドロキシルで置換されているC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、アミノで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−NHで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−N(CHで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−NHで置換されているC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、Rが、−N(CHで置換されているC1〜3アルキルである。
一部の特定の場合では、Rが非置換のC3〜7シクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のCシクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のCシクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のC5〜6シクロアルキルである。一部の特定の場合では、Rが非置換のCシクロアルキルである。
一部の特定の場合では、Rが−NR2223であり、ここで、R22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよい。一部の特定の場合では、R22とR23が水素である。一部の特定の場合では、R22とR23がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R22とR23がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R22とR23がメチルである。
一部の特定の場合では、R22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく、その結果、R
(ここで、wは1〜8の数である)となる。一部の特定の場合では、R22とR23が3員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が4員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が5員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が6員環を形成するように連接され得る。一部の特定の場合では、R22とR23が7員環を形成するように連接され得る。
式(IV)において、Rは、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルである。一部の特定の場合では、Rがエチルである。一部の特定の場合では、RがC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、RがC4〜6アルキルである。
式(IV)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC2〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(IV)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC2〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(IV)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(IV)において、R10は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R10が水素である。一部の特定の場合では、R10がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R10がメチルである。一部の特定の場合では、R10がエチルである。一部の特定の場合では、R10がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R10がC4〜6アルキルである。
式(IV)において、R11は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R12が水素である。一部の特定の場合では、R11がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R11がメチルである。一部の特定の場合では、R11がエチルである。一部の特定の場合では、R11がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R11がC4〜6アルキルである。
式(IV)において、R12は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R12が水素である。一部の特定の場合では、R12がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R12がメチルである。一部の特定の場合では、R12がエチルである。一部の特定の場合では、R12がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R12がC4〜6アルキルである。
式(IV)において、R13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている。一部の特定の場合では、R13が水素である。一部の特定の場合では、R13がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13がC6〜20アリールである。
一部の特定の場合では、R13が非置換のC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が、ヒドロキシルで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHOH(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R13が、C1〜6アルコキシで置換されているC1〜6アルキルである。
一部の特定の場合では、R13が、ハロで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHX(式中、mは1〜3の数であり、Xはハロである)である。一部の特定の場合では、R13が、フルオロで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R13が−(CHFである。
一部の特定の場合では、R13が非置換のC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、ヒドロキシルで置換されているC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、C1〜6アルコキシで置換されているC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、ハロで置換されているC6〜20アリールである。
一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり、R10がメチルである。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり、R13が水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり、R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり、R13が水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり、R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。
式(V)
本開示により式(V)
(式中
およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
QはCRまたはNであり;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
11は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
12は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
式(V)において、RおよびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルまたはエチルである。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルまたはエチルである。一部の特定の場合では、RおよびRが水素である。
式(V)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC2〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(V)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC2〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(V)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(V)において、QはCRまたはNである。一部の特定の場合では、QがCRである。一部の特定の場合では、QがNである。
式(V)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(V)において、R10は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R10が水素である。一部の特定の場合では、R10がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R10がメチルである。一部の特定の場合では、R10がエチルである。一部の特定の場合では、R10がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R10がC4〜6アルキルである。
式(V)において、R11は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R11が水素である。一部の特定の場合では、R11がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R11がメチルである。一部の特定の場合では、R11がエチルである。一部の特定の場合では、R11がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R11がC4〜6アルキルである。
式(V)において、R12は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R12が水素である。一部の特定の場合では、R12がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R12がメチルである。一部の特定の場合では、R12がエチルである。一部の特定の場合では、R12がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R12がC4〜6アルキルである。
式(V)において、R13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている。一部の特定の場合では、R13が水素である。一部の特定の場合では、R13がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13がC6〜20アリールである。
一部の特定の場合では、R13が非置換のC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が、ヒドロキシルで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHOH(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R13が、C1〜6アルコキシで置換されているC1〜6アルキルである。
一部の特定の場合では、R13が、ハロで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHX(式中、mは1〜3の数であり、Xはハロである)である。一部の特定の場合では、R13が、フルオロで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R13が−(CHFである。
一部の特定の場合では、R13が非置換のC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、ヒドロキシルで置換されているC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、C1〜6アルコキシで置換されているC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、ハロで置換されているC6〜20アリールである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり、Rがハロである。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり、Rがフルオロである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R10がメチルである。一部の特定の場合では、R、R、Rが水素であり;Rがハロであり;R10がメチルである。一部の特定の場合では、R、R、Rが水素であり;Rがフルオロであり;R10がメチルである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R13が水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがハロであり;R13が水素である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがフルオロであり;R13が水素である。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがハロであり;R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがフルオロであり;R13が−CHOHである。
一部の特定の場合では、R、R、RおよびRが水素であり、R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがハロであり;R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R、RおよびRが水素であり;Rがフルオロであり;R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。
式(VI)
本開示により式(VI)
(式中
およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
QはCRまたはNであり;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
式(VI)において、RおよびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルまたはエチルである。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、Rがメチルまたはエチルである。一部の特定の場合では、RおよびRが水素である。
式(VI)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(VI)において、QはCRまたはNである。一部の特定の場合では、QがCRである。一部の特定の場合では、QがNである。
式(VI)において、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択される。一部の特定の場合では、Rが水素である。一部の特定の場合では、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rがフルオロである。一部の特定の場合では、Rがクロロである。一部の特定の場合では、Rがブロモである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルキルである。一部の特定の場合では、RがC1〜6アルコキシである。一部の特定の場合では、RがC1〜6ハロアルコキシである。一部の特定の場合では、Rがヒドロキシルである。一部の特定の場合では、Rがシアノである。一部の特定の場合では、Rがニトロである。
式(VI)において、R10は、水素およびC1〜6アルキルから選択される。一部の特定の場合では、R10が水素である。一部の特定の場合では、R10がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R10がメチルである。一部の特定の場合では、R10がエチルである。一部の特定の場合では、R10がC1〜3アルキルである。一部の特定の場合では、R10がC4〜6アルキルである。
式(VI)において、R13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている。一部の特定の場合では、R13が水素である。一部の特定の場合では、R13がC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13がC6〜20アリールである。
一部の特定の場合では、R13が非置換のC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が、ヒドロキシルで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHOH(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、R13が、C1〜6アルコキシで置換されているC1〜6アルキルである。
一部の特定の場合では、R13が、ハロで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHX(式中、mは1〜3の数であり、Xはハロである)である。一部の特定の場合では、R13が、フルオロで置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の場合では、R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、R13が−(CHFである。
一部の特定の場合では、R13が非置換のC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、ヒドロキシルで置換されているC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、C1〜6アルコキシで置換されているC6〜20アリールである。一部の特定の場合では、R13が、ハロで置換されているC6〜20アリールである。
一部の特定の場合では、RとRが水素である。一部の特定の場合では、Rが水素であり、Rがハロである。一部の特定の場合では、Rが水素であり、Rがフルオロである。
一部の特定の場合では、RとRが水素であり、R10がメチルである。一部の特定の場合では、Rが水素であり;Rがハロであり;R10がメチルである。一部の特定の場合では、Rが水素であり;Rがフルオロであり;R10がメチルである。
一部の特定の場合では、RとRが水素であり、R13が水素である。一部の特定の場合では、Rが水素であり;Rがハロであり;R13が水素である。一部の特定の場合では、Rが水素であり;Rがフルオロであり;R13が水素である。
一部の特定の場合では、RとRが水素であり、R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、Rが水素であり;Rがハロであり;R13が−CHOHである。一部の特定の場合では、Rが水素であり;Rがフルオロであり;R13が−CHOHである。
一部の特定の場合では、RとRが水素であり、R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、Rが水素であり;Rがハロであり;R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。一部の特定の場合では、Rが水素であり;Rがフルオロであり;R13が−(CHF(式中、mは1〜3の数である)である。
式(VII)
本開示により式(VII)
(式中
およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
が、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10がC1〜6アルキルであり;
13が水素またはC1〜6アルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
式(VII)の一部の実施形態において、RとRは各々、水素である。他の実施形態では、Rがハロ、メチル、メトキシまたはシアノである。さらに他の実施形態では、Rがハロである。さらに他の実施形態では、Rがフルオロである。一部の実施形態では、R10がメチル、エチルまたはイソプロピルである。他の実施形態では、R10がメチルである。一部の実施形態では、R13が水素、メチル、エチルまたはイソプロピルである。他の実施形態では、R13が水素である。
式(I)〜(VI)の化合物の一部の実施形態では、RとRもメトキシであり得るが、R10がメチルであるとき、RとRのどちらもメトキシでないものとする。式(I)〜(VII)の他の実施形態では、
基が
で置き換えられており、式中、mおよびR15は本明細書において定義したとおりである。
式XX
一部の実施形態では、本発明の化合物は式XX:
(式中:
30およびR31が各々、独立して、HまたはC1〜4アルキルであり;
32がHであり、R33
であるか、またはR32とR33が、これらが結合している窒素と一体となって
を形成しており;
ここで、R36はH、C1〜4アルキルもしくはC1〜4ハロアルキルであり;
37はHもしくはC1〜4アルキルであり;
QがCH、CFまたはNであり;
34がHまたはメトキシであり;
35がH、−CHOHまたは−CHCHFであり;
ここで、QがCHであり、−NR3233
であり、R37がメチルであるとき、R34はメトキシでない)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩である。
式(XX)の一部の実施形態では、R30とR31がともにHである。一部の実施形態では、R32がHであり、R33
である。一部の実施形態では、R36が−CHCHFである。他の実施形態では、R32とR33が、これらが結合している窒素と一体となって
を形成している。さらに他の実施形態では、R37がメチルである。他の実施形態では、QがNであり、R34がHである。さらに他の実施形態では、QがCHであり、R34がメトキシである。さらに他の実施形態では、QがCFであり、R34がHである。他の実施形態では、R35がHである。
一部の特定の実施形態では、本開示により、
から選択される化合物ならびにその薬学的に許容され得る塩を提供する。
一部の特定の実施形態では、本開示により、
から選択される化合物ならびにその薬学的に許容され得る塩を提供する。
一部の特定の実施形態では、本開示により、化合物3であるN−(3−((2−((3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド
およびその薬学的に許容され得る塩を提供する。一部の特定の実施形態では、本開示により、化合物3であるN−(3−((2−((3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドのマレイン酸塩を提供する。一部の特定の実施形態では、本開示により、化合物3であるN−(3−((2−((3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの塩酸塩を提供する。
本開示の医薬組成物は、本開示の化合物の薬学的に許容され得る塩として製剤化され得る。薬学的に許容され得る塩は、遊離塩基形態の化合物の無毒性の塩であって、該遊離塩基の所望の薬理活性を有するものである。このような塩は無機酸または有機酸から誘導され得る。薬学的に許容され得る塩の非限定的な例としては硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ベシル酸塩、キシレンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、およびマンデル酸塩が挙げられる。他の好適な薬学的に許容され得る塩の一覧は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985を参照されたい。
医薬組成物
処置目的のため、本明細書に記載の化合物を含む医薬組成物に、さらに1種もしくは1種超の薬学的に許容され得る賦形剤を含めてもよい。薬学的に許容され得る賦形剤は、無毒性であり、そして他の点で被験体への投与に生物学的に適している物質である。かかる賦形剤は、本明細書に記載の化合物の投与を容易にし、活性成分と適合性であるものである。薬学的に許容され得る賦形剤の例としては安定剤、滑沢剤、界面活性剤、希釈剤、酸化防止剤、バインダー、着色剤、増量剤、乳化剤、または矯味剤が挙げられる。好ましい実施形態では、本実施形態による医薬組成物は滅菌組成物である。医薬組成物は、公知であるか、または当業者が利用可能な配合手法を用いて調製され得る。
滅菌組成物は本開示の範囲に含まれ、かかる組成物に適用される国内および地方の規制に従う組成物が挙げられる。
本明細書に記載の医薬組成物および化合物は、適当な医薬用溶媒もしくは担体中の液剤、乳剤、懸濁剤もしくは分散剤として、または固形担体とともに丸剤、錠剤、ロゼンジ剤、坐剤、サシェ剤、糖衣錠、顆粒剤、散剤、再構成用の粉末剤もしくはカプセル剤として、種々の剤形の調製のための当該技術分野で公知の慣用的な方法に従って製剤化され得る。本実施形態の医薬組成物は、適当な送達経路(経口、非経口、経直腸、経鼻、局所的経路もしくは眼の経路など)、または吸入によって投与され得る。好ましくは、該組成物は静脈内または経口投与のために製剤化される。
経口投与のためには、本実施形態の化合物は、固形形態(錠剤もしくはカプセル剤など)で、または液剤、乳剤もしくは懸濁剤として提供され得る。経口組成物を調製するために、本実施形態の化合物は、例えば、1日約0.01mg/kg〜約50mg/kg、または1日約0.05mg/kg〜約20mg/kg、または1日約0.1mg/kg〜約10mg/kgの投薬量がもたらされるように製剤化され得る。経口錠剤は、適合性の薬学的に許容され得る賦形剤(希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤および保存剤など)と混合された活性成分(1種または複数種)を含むものであり得る。好適な不活性充填剤としては、炭酸ナトリウムおよび炭酸カルシウム、リン酸ナトリウムおよびリン酸カルシウム、ラクトース、デンプン、糖、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、およびソルビトールなどが挙げられる。例示的な液状経口賦形剤としては、エタノール、グリセロール、および水などが挙げられる。デンプン、ポリビニル−ピロリドン(PVP)、デンプングリコール酸ナトリウム、微結晶性セルロース、およびアルギン酸は例示的な崩壊剤である。結合剤としては、デンプンおよびゼラチンが挙げられ得る。滑沢剤は、存在させる場合はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。所望により、胃腸管での吸収を遅延させる物質(モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなど)で錠剤をコーティングしてもよく、または腸溶コーティングで錠剤をコーティングしてもよい。
経口投与のためのカプセル剤としては硬質および軟質ゼラチンカプセル剤が挙げられる。硬質ゼラチンカプセル剤を調製するためには、活性成分(1種または複数種)は固形、半固形または液状の希釈剤と混合され得る。軟質ゼラチンカプセル剤は、活性成分を水、油(ピーナッツ油もしくはオリーブ油など)、液状パラフィン、短鎖脂肪酸のモノ−およびジ−グリセリドの混合物、ポリエチレングリコール400またはプロピレングリコールと混合することにより調製され得る。
経口投与のための液剤は、懸濁剤の形態であっても、液剤の形態であっても、乳剤の形態であっても、シロップ剤の形態であってもよく、または、使用前に水または他の好適なビヒクルで再構成するために凍結乾燥させても、乾燥製品として提示されてもよい。かかる液状組成物には、任意選択で、薬学的に許容され得る賦形剤(懸濁化剤(例えば、ソルビトール、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびステアリン酸アルミニウムゲルなど);非水性ビヒクル、例えば、油(例えば、アーモンド油もしくはヤシ油)、プロピレングリコール、エチルアルコール、または水;保存料(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはp−ヒドロキシ安息香酸プロピルまたはソルビン酸);湿潤剤(レシチンなど);および所望により、矯味矯臭剤または着色剤など)が含有され得る。
該組成物を経直腸投与のために坐剤として製剤化してもよい。非経口使用(静脈内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、または皮下経路が挙げられる)のためには、本実施形態の化合物は、適切なpHおよび等張度に緩衝した滅菌水性液剤もしくは懸濁剤中、または非経口に許容され得る油中に提供され得る。好適な水性ビヒクルとしてはリンゲル液および等張性塩化ナトリウムが挙げられる。かかる形態は、単回用量形態(アンプルもしくは使い捨て注射デバイスなど)、複数用量形態(適切な用量が引き出され得るバイアルなど)、あるいは注射用製剤を調製するために使用され得る固形形態または予備濃縮液で提示され得る。実例としての輸注用量は、数分間〜数日間に及ぶ範囲の期間で、医薬用担体と混合された剤として約1〜1000μg/kg/分の範囲である。
経鼻、吸入または経口投与では、医薬組成物は、例えば、適当な担体も含有しているスプレー製剤を用いて投与され得る。
局所的適用のためには、本実施形態の化合物は、好ましくは、クリーム剤もしくは軟膏または局所的投与に適した同様のビヒクルとして製剤化される。局所的投与のためには、本実施形態の化合物は医薬用担体と、ビヒクルに対して薬物が約0.1%〜約10%の濃度で混合され得る。本実施形態の化合物の別の投与様式は、経皮送達を行うためのパッチ製剤を利用するものであり得る。
一部の特定の実施形態では、本開示により、式(I)〜(VIII)の化合物とメチルセルロースを含む医薬組成物を提供する。一部の特定の実施形態では、メチルセルロースを懸濁剤中に約0.1、0.2、0.3、0.4または0.5〜約1%で存在させる。一部の特定の実施形態では、メチルセルロースを懸濁剤中に約0.1〜約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1%で存在させる。一部の特定の実施形態では、メチルセルロースを懸濁剤中に約0.1〜約1%で存在させる。一部の特定の実施形態では、メチルセルロースを懸濁剤中に約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.8または1%で存在させる。一部の特定の実施形態では、メチルセルロースを懸濁剤中に約0.5%で存在させる。
本明細書で用いる場合、用語「処置する」または「処置」は「予防的」と「治癒的」のどちらの処置も包含している。「予防的」処置は、疾患、疾患の症状もしくは医学的状態の発現の遅延、現れ得る症状の抑制、または疾患もしくは症状の発現もしくは再発のリスクの低減を示すことを意図する。「治癒的」処置としては、既に存在している疾患、症状または状態の重症度の低減または悪化の抑制が挙げられる。したがって、処置としては、既に存在している疾患症状の悪化を改善もしくは抑制すること、さらなる症状が生じるのを予防すること、症状の根本的な体系的原因を改善または抑制すること、障害もしくは疾患を抑止すること、例えば、障害もしくは疾患の発症を停止させること、障害もしくは疾患を軽減すること、障害もしくは疾患の退縮を引き起こすこと、疾患もしくは障害によって引き起こされる状態を軽減すること、または疾患もしくは障害の症状を止めることが挙げられる。
当業者により本明細書の教示の範囲内で該製剤が改変され、具体的な投与経路のための数多くの製剤が提供され得る。特に、該化合物は、水または他のビヒクル中でより可溶性となるように改変され得る。また、患者における最大限の有益な効果のために本発明の化合物の薬物動態を管理する目的で、具体的な化合物の投与経路および投薬レジメンを改変することも当該技術分野の通常の技能の充分に範囲内である。
用語「被験体」は、かかる処置を必要とする哺乳動物の患者(ヒトなど)をいう。
該化合物は、増殖障害の処置を必要とする被験体に投与され得る。増殖障害の一例はがんである。一部の特定の場合では、該化合物は、肉腫、類表皮がん、線維肉腫、子宮頸がん、胃癌、皮膚がん、白血病、リンパ腫、肺がん、非小細胞肺がん、結腸がん、CNSのがん、黒色腫、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、乳がん、肝臓がん、頭頚部がん、および膵がんを処置するのに有用である。
また、該化合物は、EGFR、EGFR(T790M)、BLK、BMX/ETK、BTK、JAK1、JAK2、JAK3、TEC、TXK、FLT3およびFLT3(D835Y)からなる群より選択されるプロテインキナーゼによって媒介される疾患または医学的状態の処置を必要とする被験体に投与され得る。一部の特定の場合では、該化合物は、がん、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患、または免疫学的に関連している疾患を処置するのに有用である。他の実施形態では、かかる疾患は、BTK、JAK3、ITKおよびBMXから選択される少なくとも1種類のキナーゼによって媒介される。他の実施形態では、がん、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患または免疫学的に媒介される疾患は、異常に活性化されたBリンパ球、Tリンパ球またはそれら両方によって媒介される。他の実施形態では、炎症性疾患、自己免疫疾患または免疫学的に媒介される疾患は関節炎、関節リウマチ、脊椎関節症、痛風性関節炎、変形性関節症、若年性関節炎、他の関節炎の状態、狼瘡、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚関連疾患、乾癬、湿疹、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、疼痛、肺の障害、肺の炎症、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、肺サルコイドーシス、慢性肺炎症性疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心血管疾患、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、うっ血性心不全、心臓の再灌流障害、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、喘息、シェーグレン症候群、自己免疫甲状腺疾患、じんま疹(urticaria)(じんま疹(cnidosis))、多発性硬化症、強皮症、臓器移植拒絶、異種植皮、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病性関連疾患、炎症、骨盤内炎症性疾患、アレルギー性鼻炎、アレルギー性気管支炎、アレルギー性副鼻腔炎、白血病、リンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、骨髄腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリーセル白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、肉腫、類表皮がん、線維肉腫、子宮頸がん、胃癌、皮膚がん、白血病、リンパ腫、肺がん、非小細胞肺がん、結腸がん、CNSのがん、黒色腫、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、乳がん、肝臓がん、頭頚部がん、または膵がんである。他の実施形態では、該疾患は自己免疫疾患または移植誘発型炎症性障害(同種移植、移植片対宿主病または自己免疫性糖尿病が挙げられるが、これらに限定されない)である。
一態様において、本実施形態の化合物および医薬組成物は、実質的に野生型EGFRではなく実質的に変異型EGFRを標的化するEGFR阻害活性と関連している状態の処置を必要とする被験体に投与され得る。一部の実施形態では、変異型EGFRがT790M変異を含むものである。本開示により、かかる状態の処置のための医薬の調製における式(I)〜(VIII)の化合物の使用、ならびにかかる状態の処置のためのかかる化合物および塩の使用を提供する。他の態様において、該化合物および医薬組成物は、実質的に野生型FLT3ではなく実質的に変異型FLT3を標的化するFLT3阻害活性と関連している状態の処置を必要とする被験体に投与され得る。一部の実施形態では、変異型FLT3はD835Y変異を含むものである。本開示により、かかる状態の処置のための医薬の調製における式(I)〜(VIII)の化合物の使用、ならびにかかる状態の処置のためのかかる化合物および塩の使用を提供する。
別の態様において、本開示により、細胞内の変異型EGFRの阻害方法であって、該方法が、該細胞を有効量の式(I)〜(VIII)の少なくとも1種類の化合物もしくはその塩、および/または該実施形態の少なくとも1種類の医薬組成物と接触させる工程を含み、該接触させる工程がインビトロ、エキソビボまたはインビボである、方法を提供する。一部の実施形態では、変異型EGFRがT790M変異を含むものである。別の態様において、本開示により、細胞内の変異型FLT3の阻害方法であって、該方法が、該細胞を有効量の式(I)〜(VIII)の少なくとも1種類の化合物もしくはその塩、および/または前記化合物もしくは塩を含む少なくとも1種類の医薬組成物と接触させる工程を含み、該接触させる工程がインビトロ、エキソビボまたはインビボである、方法を提供する。
本実施形態の阻害方法において、「有効量」は、標的受容体、例えば野生型EGFRでなく変異型EGFRまたは野生型FLT3でなく変異型FLT3を阻害するのに充分な量を意味する。一部の実施形態では、変異型EGFRはT790M変異を含むものである。他の実施形態では、変異型FLT3はD835Y変異を含むものである。阻害の度合いの測定は、常套の解析方法(以下に記載するものなど)によって行われ得る。かかる調整は、さまざまな設定(インビトロアッセイが挙げられる)に有用である。他の設定としてはエキソビボおよびインビボが挙げられる。
本実施形態による処置方法では、「有効量」は、かかる処置が必要な被験体において所望の治療的有益性がおおむねもたらされるのに充分な量または用量を意味する。本実施形態の化合物の有効量または有効用量は、常套の方法(モデル設計、用量漸増または臨床試験など)により、型通りの要素、例えば、投与または薬物送達の様式または経路、剤の薬物動態、感染の重症度および経過、被験体の健康状態、状態および体重、ならびに処置する医師の判断を考慮して確認され得る。例示的な用量は、1日あたり被験体の体重1キログラムあたりの活性剤が約1μg〜2mg、好ましくは約0.05〜100mg/kg/日、または約1〜35mg/kg/日、または約0.1〜10mg/kg/日の範囲である。全投薬量は、単回または分割投薬量単位(例えば、BID、TID、QID)で与えられ得る。
患者の疾患の改善がみられたら、予防的処置または維持処置のために用量を調整してもよい。例えば、投与の投薬量もしくは頻度またはそれら両方を症状の関数として、所望の治療効果または予防効果が維持されるレベルまで低減させ得る。もちろん、症状が適切なレベルまで緩和されたら、処置をやめてもよい。しかしながら、症状の再発が起これば患者には長期ベースの断続的処置が必要とされ得る。また、患者には長期ベースでの長期処置が必要とされる場合もあり得る。
薬物の併用
本実施形態の方法は、有効量の少なくとも1種類の式(I)〜(VIII)の化合物またはそれらの実施形態を投与する工程を含むものであり;任意選択で、該化合物は、1種もしくは複数種のさらなる治療剤、特に、被験体が罹患している増殖性障害またはがんの処置に有用であることが公知である治療剤と組み合わせて投与され得る。一部の実施形態では、該1種類以上の治療剤は、抗がん剤(細胞シグナル伝達阻害剤、有糸***阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、挿入抗がん剤、トポイソメラーゼ阻害剤、免疫療法剤、または抗ホルモン剤など)、ステロイド薬物、メトトレキサート、レフルノミド、抗TNFα剤、カルシヌリン阻害剤、および抗ヒスタミン薬から選択される。
上記さらなる活性成分を、本実施形態の化合物と別個の医薬組成物で投与してもよいか、または、本実施形態の化合物とともに単一の医薬組成物中に含めてもよい。該さらなる活性成分は、本実施形態の化合物の投与と同時に、該投与の前に、または該投与の後に投与され得る。
化学合成
次に、本実施形態の方法に有用な例示的な化学実体を、以下の一般的調製のための、実例としての合成スキーム、および以下の具体的な実施例を参照することにより説明する。当業者には、本明細書における種々の化合物を得るために、反応スキームを通して、適宜保護して、または保護なしで最終的に所望される置換基が持ち越されて所望の生成物が得られるように出発物質が好適に選択され得ることが認識される。あるいは、最終的に所望される置換基の代わりに、反応スキーム全体を通して持ち越され、適宜所望の置換基と置き換えられ得る適当な基を使用することが必要または望ましい場合がある。さらに、当業者には、以下のスキームに示す変換は、具体的な懸垂基の官能部と適合性である任意の順序で行われ得ることが認識される。一般スキームに示す各反応は、好ましくは、約0℃から使用する有機溶媒の還流温度までの温度で実施される。特に指定のない限り、可変部は式(I)に関して上に定義したとおりである。また、当業者には、これらの例示的なスキームに記載の方法は、式(VIII)の化合物ならびに式(II)〜(VII)の化合物の調製にも適用可能であることも認識される。
主題の化合物の代表的な合成をスキーム1に示す。
スキーム1において、可変部は本明細書において定義したとおりである。以下に論考するように、X2aおよびX2bは脱離基を含む。出発物質は、市販の供給元から得てもよく、充分に確立された合成手順によって得てもよい。
スキーム1を参照されたい。求核反応による化合物1−Aと化合物1−Bとの反応によって化合物1−Cが形成される。化合物1−Aにおいて、ヒドロキシル基は化合物1−C内にエーテル結合をもたらし得る求核体である。この求核体は、該求核体が他方の反応体の脱離基と置き換わる求核置換で反応し得る。択一的な実施形態では、1−Aのアニリンまたはチオフェノール類似体を使用し、XがNHまたはSである化合物を得る。化合物1−Bにおいて、X2aは脱離基を含む。脱離基の例としては、ハロ、トリフレート、フルオロスルホネート、トシレートまたはメシレートが挙げられるが、これらに限定されない。
引き続きスキーム1を参照されたい。ブッフバルト・ハートウィッグクロスカップリング反応条件下での化合物1−Cと化合物1−Dとの反応により化合物1−Eが得られる。化合物1−Dにおいて、アミノ基は化合物1−E内にアミノ結合をもたらし得る求核体である。この求核体は、該求核体が他方の反応体の脱離基と置き換わる求核性芳香族置換で反応し得る。化合物1−Cにおいて、X2bは脱離基を含む。脱離基の例としては、ハロ、トリフレート、フルオロスルホネート、トシレートまたはメシレートが挙げられるが、これらに限定されない。
引き続きスキーム1を参照されたい。化合物1−Eのニトロ基を還元すると化合物1−F内にアミノ基がもたらされる。ニトロ基の還元は、酸触媒および金属を用いて、または水素ガス下で金属触媒を用いて行われ得る。酸触媒反応では、鉄、亜鉛、リチウム、ナトリウムまたはスズ(典型的には、塩化スズ)が金属として使用され得、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸など);有機カルボン酸(酢酸またはトリフルオロ酢酸など);アミン酸塩(塩化アンモニウムなど)が酸触媒として使用され得る。また、水素ガス下で金属触媒を使用する還元では、パラジウム、ニッケル、白金、ルテニウムまたはロジウムが金属触媒として使用され得る。
引き続きスキーム1を参照されたい。化合物1−Fのアミド化により式(I)の化合物が得られる。このアミド化反応では、化合物1−Fを、脱離基を含むアクリロイル誘導体と反応させる。脱離基の例としては、ハロ、トリフレート、フルオロスルホネート、トシレートまたはメシレートが挙げられるが、これらに限定されない。アミド化反応は溶媒(ジメチルホルムアミドまたはジクロロメタンなど)中で、塩基(トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下で行われ得る。このアミド化反応を、カップリング剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、またはN−[ジメチルアミノ−1H−1,2,3−トリアゾール[4,5−b]−ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチル−メタンアミニウム(HATU)など)を1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBT)とともに用いて行ってもよい。
一部の特定の実施形態では、主題の化合物の代表的な合成がスキーム2に示されるものである。
一部の特定の実施形態では、主題の化合物の代表的な合成がスキーム3に示されるものである。
一部の特定の実施形態では、主題の化合物の代表的な合成がスキーム4に示されるものである。
一部の特定の実施形態では、主題の化合物の代表的な合成がスキーム5に示されるものである。
がNHである化合物は、例示的な化合物35に関して示したスキーム5−1に従って調製される。
したがって、本明細書においてより詳細に記載しているように、本開示により、式
の化合物を
と反応させ、それにより式
(式中、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、Qおよびnは本明細書において定義したとおりであり、Xは脱離基である)
の化合物を生成する工程
を含む、本開示の化合物の調製プロセスを提供する。
したがって、本明細書においてより詳細に記載しているように、本開示により、式
の化合物を
と反応させ、それにより式
(式中、X、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R18、R19、Qおよびnは本明細書において定義したとおりであり、Xは脱離基である)
の化合物を生成する工程
を含む、本開示の化合物の調製プロセスを提供する。
したがって、本明細書においてより詳細に記載しているように、本開示により、式
の化合物のニトロ基を還元する工程;および
脱離基を含むアクリロイル誘導体でのアミド化反応を行い;
それにより式(I)の化合物を生成する工程
を含む、本開示の化合物の調製プロセスを提供する。
したがって、本明細書においてより詳細に記載しているように、本開示により、式
の化合物のニトロ基を還元する工程;および
脱離基を含むアクリロイル誘導体でのアミド化反応を行い;
それにより式(VIII)の化合物を生成する工程
を含む、本開示の化合物の調製プロセスを提供する。
一部の特定の場合では、上記プロセスは、さらに、本開示の化合物の塩を形成する工程を含む。実施形態は、本明細書に記載のその他のプロセス、ならびに本明細書に記載のプロセスのいずれかによって調製される生成物に関する。
実施例
以下の実施例は、本発明を限定するためでなく、実例を示すために提供される。
実施例1:化合物1と4の合成:
N−(3−((7−(ヒドロキシメチル)−2−((4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物4)およびN−(3−((2−((4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物1)ならびにこれらの中間体の合成をスキーム6に示し、以下に説明する。
2,4−ジクロロ−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(化合物6−B)の合成:
水素化ナトリウム(60%,46.7mg,3.06mmol)を、化合物2−A(575mg,3.06mmol)と2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(561mg,3.37mmol)の混合物を含むテトラヒドロフラン(5mL)に撹拌しながら0℃で添加した。反応混合物を室温まで昇温させ、3時間撹拌した後、水(5mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、粗製物質をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=20/1)によって精製し、化合物6−B(520mg,収率53.4%,M+H=319.27)を薄黄色固体として得た。
2−クロロ−4−(3−ニトロフェノキシ)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(化合物6−C)の合成:
化合物6−B(200mg,0.628mmol)と3−ニトロフェノール(96.2g,0.691mmol)の混合物を含むジメチルホルムアミド(2mL)にKCO(173.7mg,1.26mmol)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。次いで反応混合物を濾過した。濾液を水で希釈し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。濾過および揮発性物質の真空除去後、粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA=20/1)によって精製し、化合物6−C(200mg,収率75.6%,M+H=421.92)を白色固体として得た。
N−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−4−(3−ニトロフェノキシ)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(化合物6−D)の合成:
化合物6−C(150mg,0.356mmol)、4−(4−メチルピペラジノ)アニリン(70mg,0.356mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(36mg,0.0356mmol)、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(100mg,0.214mmol)および炭酸カリウム(197mg,1.424mmol)の混合物を含むtert−ブタノール(8mL)を、アルゴン下で80℃にて一晩撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物をセライトパッドに通して濾過した。このセライトパッドをメタノールで洗浄し、濾液を減圧濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20/1)によって精製し、化合物6−D(180mg,M+H=576.23)を黄色固体として得た。
4−(3−アミノフェノキシ)−N−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(化合物6−E)の合成:
化合物6−D(180mg,0.312mmol)をエタノール(6mL)に溶解させ、水(2mL)を添加した。次いで、鉄粉(90mg,1.61mmol)および塩化アンモニウム(230mg,4.3mmol)を添加し、得られた混合物を3時間還流加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトパッドに通して濾過した。エタノールを真空除去し、得られた残渣を重炭酸ナトリウムで塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(20:1のジクロロメタン−メタノールを使用)によって精製し、化合物6−E(170mg,M+H=546)を白色固体として得た。
N−(3−(2−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物6−F)の合成
アクリロイルクロリド(33.8mg,0.374mmol)を、化合物6−E(170mg,0.312mmol)とジイソプロピルエチルアミン(55mg,0.426mmol)を含む塩化メチレン(3mL)の溶液に0℃で滴下した。反応混合物を1時間撹拌した。水を添加して反応液をクエンチした。有機層を水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。濾過後、揮発性物質の除去を真空にて行った。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20/1)によって精製し、化合物6−F(125mg,収率66.9%,M+H=600.8)を白色固体として得た。
N−(3−(7−(ヒドロキシメチル)−2−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物4)の合成
化合物6−F(125mg,0.208mmol)を含む塩化メチレン(3mL)とトリフルオロ酢酸(1mL)を室温で3時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーでのモニタリングにより、出発物質がすべて消費されたことが示された。次いで、飽和水性NaHCOを反応混合物に0℃で添加した。反応混合物を塩化メチレンで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、粗製物質をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20/1)によって精製し、化合物4(70mg,収率71.5%,M+H=500.5)を白色固体として得た。
N−(3−(2−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物1)の合成
化合物4(100mg,0.2mmol)のメタノール(2mL)溶液をアンモニアで飽和させた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。LC−MSでのモニタリングにより、出発物質がすべて消費されたことが示された。溶媒を濃縮し、粗製物質をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20/1)によって精製し、化合物1(60mg,収率63.8%,M+H=470.5)を薄黄色固体として得た。
実施例2:化合物2と5の合成:
N−(3−(7−(ヒドロキシメチル)−2−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物5)およびN−(3−(2−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物2)ならびにこれらの中間体の合成をスキーム7に示し、以下に説明する。
N−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−4−(3−ニトロフェノキシ)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(化合物7−B)の合成:
化合物7−B(3から収率62%,M+H=577.3)は、4−(4−メチルピペラジノ)アニリンの代わりに3−アミノ−6−(4−メチル−1−ピペラジニル)ピリジン塩酸塩を使用し、化合物6−Dの手順に従って調製した。
4−(3−アミノフェノキシ)−N−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(化合物7−C)の合成:
化合物7−C(化合物7−Bから収率80%,M+H=547.3)は、化合物6−Eの手順に従って調製した。
N−(3−(2−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物7−D)の合成
化合物7−D(化合物7−Cから収率67%,M+H=601.3)は、化合物6−Fの手順に従って調製した。
N−(3−(7−(ヒドロキシメチル)−2−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物5)の合成:
化合物7−E(化合物5から収率70%,M+H=501.6)は、化合物4の手順に従って調製した。
N−(3−(2−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物2)の合成:
化合物2(化合物5から収率62%,M+H=471.5)は、化合物1の手順に従って調製した。
実施例3:化合物3と6の合成:
N−(3−(2−(3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−7−(ヒドロキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物6)およびN−(3−(2−(3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物3)ならびにこれらの中間体の合成をスキーム8に示し、以下に説明する。
N−(3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−4−(3−ニトロフェノキシ)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(化合物8−B)の合成
化合物8−B(化合物8−Aから収率%,M+H=594.3)は、4−(4−メチルピペラジノ)アニリンの代わりに3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)アニリンを使用し、化合物6−Dの手順に従って調製した。
4−(3−アミノフェノキシ)−N−(3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(化合物8−C)の合成:
化合物8−C(化合物8−Bから収率85%,M+H=564.3)は、化合物6−Eの手順に従って調製した。
N−(3−(2−(3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物8−D)の合成
化合物8−D(化合物8−Cから収率75%,M+H=618.3)は、化合物6−Fの手順に従って調製した。
N−(3−(2−(3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−7−(ヒドロキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物6)の合成:
化合物6(化合物8−Dから収率78%,M+H=518.6)は、化合物4の手順に従って調製した。
N−(3−(2−(3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物3)の合成:
化合物3(化合物6から収率83%,M+H=488.5)は、化合物1の手順に従って調製した。
実施例4:N−(3−(7−(2−フルオロエチル)−2−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物7)
N−(3−(7−(2−フルオロエチル)−2−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物7)およびその中間体の合成をスキーム9に示し、以下に説明する。
2,4−ジクロロ−7−(2−フルオロエチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(化合物9−B)の合成
水素化ナトリウム(60%,424mg,10.6mmol)を、化合物9−A(1g,5.3mmol)とBrCHCHF(1.519g,11.9mmol)を含むアセトニトリル(10mL)の混合物に室温で添加した。反応混合物を4時間撹拌した後、水でクエンチし、次いで酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、粗製物質をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=20/1)によって精製し、化合物9−B(1.1g,収率90%,M+H=234.0)を薄黄色固体として得た。
2−クロロ−7−(2−フルオロエチル)−4−(3−ニトロフェノキシ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(化合物9−C)の合成
化合物9−C(化合物9−Bから収率82%,M+H=337.0)は、化合物6−Cの手順に従って調製した。
7−(2−フルオロエチル)−N−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−4−(3−ニトロフェノキシ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(化合物9−D)の合成
化合物9−D(化合物9−Cから収率73%,M+H=492.2)は、化合物6−Dの手順に従って調製した。
4−(3−アミノフェノキシ)−7−(2−フルオロエチル)−N−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(化合物9−E)の合成
化合物9−E(化合物9−Dから収率81%,M+H=462.2)は、化合物6−Eの手順に従って調製した。
N−(3−(7−(2−フルオロエチル)−2−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物7)の合成
化合物7(化合物9−Eから収率77%,M+H=516.6)は、化合物6−Fの手順に従って調製した。
実施例5:N−(3−(2−(4−(1−(2−フルオロエチル)アゼチジン−3−イルアミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物34)の合成
3−(3−メトキシ−4−ニトロフェニルアミノ)アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成
還流冷却器を備えた100mL容3つ口丸底フラスコ内に4−フルオロ−2−メトキシ−1−ニトロベンゼン(4.086g)および3−アミノアゼチジン−l−カルボン酸tert−ブチル(4.4g)、トリエチルアミン(9.6mL)、ならびにジメチルスルホキシド(20mL)を仕込んだ。反応混合物を95℃で8時間加熱した。反応混合物を水(200mL)に注入し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、40℃にて、減圧下で完全に濃縮し、標題化合物(9g)を得、これをさらに精製せずに使用した。
N−(3−メトキシ−4−ニトロフェニル)アゼチジン−3−アミンの合成
3−(3−メトキシ−4−ニトロフェニルアミノ)アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチル(9g)にTFA(18mL)を室温で添加した。反応混合物を室温で15分間撹拌し、次いで40℃で減圧濃縮し、標題化合物をTFA塩として得た(7.24g)。
1−(2−フルオロエチル)−N−(3−メトキシ−4−ニトロフェニル)アゼチジン−3−アミンの合成
N−(3−メトキシ−4−ニトロフェニル)アゼチジン−3−アミン(3g)に、CsCO(12g)と1,2−ブロモフルオロエタン(1.5g)を含むDMF(30mL)を添加した。反応混合物を50℃で8時間加熱した。反応混合物を水に注入し、酢酸エチル(100mL×3)中で抽出した。有機層をブライン(100mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(溶離剤(elution)としてDCM/MeOH=50/1)によって精製し、標題化合物(1.35g,3工程で収率51%)を黄色固体として得た。
N1−(1−(2−フルオロエチル)アゼチジン−3−イル)−3−メトキシベンゼン−1,4−ジアミンの合成
1−(2−フルオロエチル)−N−(3−メトキシ−4−ニトロフェニル)アゼチジン−3−アミン(2.6g)とPd/C(1g)を含む1,4−ジオキサン(50mL)の溶液を室温で4時間水素化した。反応混合物をケイソウ土に通して濾過し、MeOHで洗浄した。濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(溶離剤としてDCM/MeOH=50/1)によって精製し、標題化合物(1.57g,収率68%,M+H=240.2)を得た。
(2−(4−(1−(2−フルオロエチル)アゼチジン−3−イルアミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)−4−(3−ニトロフェノキシ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(化合物34−A)の合成
N1−(1−(2−フルオロエチル)アゼチジン−3−イル)−3−メトキシベンゼン−1,4−ジアミン(870mg,3.64mmol)および(2−クロロ−4−(3−ニトロフェノキシ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(1.55g,3.83mmol)、炭酸カリウム(1.35g,9.77mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(173mg,0.19mmol)およびジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(222mg,0.47mmol)、マグネタイト、ならびにt−BuOH(35mL)の混合物を還流加熱し、窒素下で2時間撹拌した。混合物を40〜50℃まで冷却し、ケイソウ土に通して濾過し、酢酸エチル(50mL)で洗浄した。濾液を減圧濃縮した。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(溶離剤としてDCM/MeOH=50/1)によって精製し、標題化合物(1.7g,収率74%,M+H=608.3)を淡黄色固体として得た。
N1−(4−(3−アミノフェノキシ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)−N4−(1−(2−フルオロエチル)アゼチジン−3−イル)−2−メトキシベンゼン−1,4−ジアミンの合成
(2−(4−(1−(2−フルオロエチル)アゼチジン−3−イルアミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)−4−(3−ニトロフェノキシ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(530mg,0.87mmol)、NHNH・HO(98%,2.5mL)、Pd/C(110mg)、マグネタイト、およびMeOH(10mL)の混合物を還流温度で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、ケイソウ土に通して濾過し、MeOH(20mL)で洗浄した。濾液を減圧濃縮した。NaHCO3(水性)を添加し、混合物を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を減圧濃縮した。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(溶離剤としてDCM/MeOH=40/1)によって精製し、標題化合物(125mg,収率31%,M+H=464.2)を白色固体として得た。
N−(3−(2−(4−(1−(2−フルオロエチル)アゼチジン−3−イルアミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物34)の合成
マグネタイトを入れた50mL容丸底フラスコにN1−(4−(3−アミノフェノキシ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)−N4−(1−(2−フルオロエチル)アゼチジン−3−イル)−2−メトキシベンゼン−1,4−ジアミン(125mg,0.27mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(43mg,0.33mmol)およびDCM(20mL)を仕込んだ。混合物を氷浴で、温度が0℃より下になるまで冷却し、アクリロイルクロリド(33mg,0.33mmol)のTHF(2mL)溶液を5分間にわたって滴下した。標題化合物を単離し、分取用HPLCもしくは分取用LC/MSによって、または他の標準的な精製手法によって精製する。一部の実験では、標題化合物を、分取用LC/MSによって単離精製した。
また、化合物34を以下の代替の合成経路を用いて合成した。
化合物34−Bの合成:
100ml容丸底フラスコ内の化合物34−A(0.6g,)に、Fe粉末(0.3g)とNHCl(0.5g)を含むEtOH(60mL)を添加した。反応混合物を90〜100℃で3〜4時間撹拌した。この時点で、反応の終了がTLC(DCM:MeOH=8:1)によって示された。反応混合物をセライトに通して濾過し、MeOH(約60mL)でさらに洗浄した。合わせた濾液を減圧濃縮した。残渣(油状物)を酢酸エチル(100mL)に溶解させ、ブライン(50mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を減圧濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=30:1)でさらに精製し、所望の生成物34−B(420mg,M+H=578.5)を得た。
化合物34−Cの合成:
100ml容丸底フラスコ内の化合物34−B(288mg)に、アクリル酸(41mg)とEDCI(176mg)を含むDCM(30mL)を添加した。反応混合物を0℃(氷浴)で1〜1.5時間撹拌した。この時点で、TLC(DCM:MeOH=7:1)により反応の終了が示された。少量の水(0.5mL)を添加して反応液をクエンチした。反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル(30mL)に溶解させた。有機層をブライン(10mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、粗製生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=30:1)でさらに精製し、所望の生成物34−C(79mg,M+H=632.5)を得た。
化合物34の合成:
100ml容丸底フラスコ内の化合物34−C(79mg)を含むMeOH(15mL)にNaOH水溶液(2.5mol/L)を添加した。反応混合物を0℃(氷浴)で4〜5時間撹拌した。この時点で、LC−MSにより反応の終了が示された。反応混合物を水(100mL)に注入し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層をブライン(30mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。粗製物をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=25:1)でさらに精製し、所望の生成物34(32mg,M+H=464.5)を得た。
これらの合成例に示していないさらなる例示的な化合物は、適切な出発物質から、先のスキームおよび実施例に記載のものと同様の方法を用いて調製される。
生物学的実施例A:
リアルタイム細胞計測(real−time cell electronic sensing)(RT−CES)システムを用いたインビトロ細胞系スクリーニング
本実施形態の化合物の抗がん効果を実証するいくつかのアッセイおよび実施例を以下に説明する。
本実施形態におけるピロロピリミジン化合物は、特定の分子標的、すなわちEGFR(上皮増殖因子受容体)を有するがん細胞に対する抗がん活性のために開発したものである。上記ピロロピリミジン化合物の抗がん効能は、一群のEGFRがん細胞系を用いてインビトロで、抗がん剤への曝露後の動的細胞応答情報が得られるACEA Biosciences,Inc.製のリアルタイム細胞計測(RT−CES)システム(またはRoche Applied Sciences/ACEA Biosciences Inc.製のxCELLigenceシステム)によって予備スクリーニングされ得る。
リアルタイム細胞計測(RT−CES(登録商標))と称されるこの細胞電子計測技術ならびに関連デバイス、システムおよび使用方法の詳細は、米国特許第7,732,127;同特許第7,192,752号;同特許第7,459,303号;同特許第7,468,255号;同特許第7,470,533号;同特許第7,560,269号;米国仮出願番号60/397,749(2002年7月20日出願);米国仮出願番号60/435,400(2002年12月20日出願);米国仮出願番号60/469,572(2003年5月9日出願)、PCT出願番号PCT/US03/22557(2003年7月18日出願);PCT出願番号PCT/US03/22537(2003年7月18日出願);PCT出願番号PCT/US04/37696(2004年11月12日出願);PCT出願番号PCT/US05/04481(2005年2月9日出願);米国特許出願番号10/705,447(2003年11月10日出願);米国特許出願番号10/705,615(2003年11月10日出願);米国特許出願番号10/987,732(2004年11月12日出願);米国特許出願番号11/055,639(2005年2月9日出願)に記載されており、これらの各々は参考として援用される。RT−CES技術のさらなる詳細は、米国仮出願番号60/519,567(2003年11月12日出願)、および米国仮出願番号60/542,927(2004年2月9日出願)、米国仮出願番号60/548,713(2004年2月27日出願)、米国仮出願番号60/598,608(2004年8月4日出願);米国仮出願番号60/598,609(2004年8月4日出願);米国仮出願番号60/613,749(2004年9月27日出願);米国仮出願番号60/613,872(2004年9月27日出願);米国仮出願番号60/614,601(2004年9月29日出願);米国仮出願番号60/630,071(2004年11月22日出願);米国仮出願番号60/630,131(2004年11月22日出願)にさらに開示されており、これらの各々は参考として本明細書において援用される。
RT−CES技術を用いて細胞−基質間または細胞−電極間のインピーダンスを測定するために、適切な幾何学的構造を有する微細電極を、マイクロタイタープレートまたは同様のデバイスの底面上に、ウェル内に対向して装着する。細胞をデバイスのウェル内に導入し、電極表面と接触させて接着させる。細胞の存在、非存在またはその性質の変化は電極センサー表面上における電子およびイオンの通過に影響を及ぼす。電極間または電極同士のインピーダンスを測定すると、センサー上に存在している細胞の生物学的状態に関する情報が得られる。細胞類似体の生物学的状態に変化があった場合、読出し電子信号が自動的にリアルタイムで測定され、処理および解析のためにデジタル信号に変換される。
RT−CESシステムでは、測定された電極インピーダンス値に基づいて、セルインデックスが自動的に導かれ、提供される。所与のウェルで得られたセルインデックスは、1)どれだけ多くの細胞がこのウェル内の電極表面に接着しているか;および2)どれだけ良好に細胞がこのウェル内の電極表面に接着しているかを反映している。したがって、電極表面に接着している同様の生理学的状態の同じ型の細胞が多いほど、セルインデックスが大きくなる。そして、細胞が電極表面に良好に接着しているほど(例えば、細胞がより大きな接触面積を有するようにより広がっているほど、または細胞が電極表面により強固に接着しているほど)、セルインデックスが大きくなる。本発明者らは、cMet依存性細胞系を陽性対照EGFR(上皮増殖因子受容体)インヒビターで処理すると一過性のインピーダンス応答プロフィールがもたらされることを見出した。
RT−CESシステムの使用により、上記の実施例に記載のピロロピリミジン化合物が、RT−CESシステムにおいて、陽性対照インヒビターによって生成される細胞応答インピーダンスプロフィールと同様の細胞応答インピーダンスプロフィールをもたらすことが示された。また、このような化合物は、いくつかの細胞系においてEGFR(上皮増殖因子受容体)誘導性細胞遊走を阻害することが示された。また、このような化合物は、非cMet依存性がん細胞系の処置に使用した場合、効果を示さなかったか、または無視できる程度の効果を示した。
RT−CESシステム(またはxCELLigence RTCAシステム)は、3つの構成要素、電子センサー解析装置、デバイスステーションおよび16Xまたは96Xマイクロタイタープレートデバイス(すなわち、E−Plate 16またはE−Plate 96)を備えている。微細電極センサーアレイをガラススライド上に、リソグラフィーによる微細加工方法を用いて製作し、この電極内包スライドがプラスチックトレイへと集められ、電極内包ウェルを形成する。RT−CESシステムに使用される各16X(または96X)マイクロタイタープレートデバイスは、16(または96)個までのかかる電極内包ウェルを備えている。デバイスステーションは、16Xまたは96Xマイクロタイタープレートデバイスを受容し、インピーダンス測定のためのセンサー解析装置に、ウェルのいずれか1つを電子的に交換し得る。作動中は、ウェル内で細胞を培養しているデバイスを、インキュベータ内部に置いたデバイスステーション(xCELLigence RTCA SPステーションまたはRT−CES SPステーション)内に入れる。電気ケーブルによって上記デバイスステーションを上記センサー解析装置(xCELLigence RTCA解析装置またはRT−CES解析装置)に接続する。RT−CESまたはxCELLigence RTCAソフトウェアの制御下で、センサー解析装置により、測定対象のウェルが自動的に選択され得、インピーダンス測定が連続的に実施され得る。解析装置からのインピーダンスデータはコンピュータに転送され、組み込まれたソフトウェアによって解析および処理される。
個々のウェル内の電極間で測定されるインピーダンスは、電極の幾何学的構造、ウェル内のイオン濃度、および電極に接着している細胞があるかどうかに依存する。細胞がない場合、電極インピーダンスは、主に、電極/溶液界面におけるイオン環境およびバルク溶液中のイオン環境の両方によって決定される。細胞が存在する場合は、電極センサー表面に接着している細胞により電極/溶液界面の局所イオン環境が変化し、インピーダンスの増大がもたらされることになる。電極上に存在する細胞が多いほど、細胞−電極間インピーダンスの増大が大きくなる。さらに、インピーダンスの変化は、細胞の形態および細胞が電極に接着している程度にも依存する。
測定された細胞−電極間インピーダンスに基づいて細胞の状態を定量するために、セルインデックスと称されるパラメータが
に従って得られ、式中、R(f)およびRcell(f)は、それぞれ、細胞なしの場合、または細胞が存在する場合の周波数依存性電極抵抗(インピーダンスの一成分)である。Nは、インピーダンスを測定した周波数点の数である。したがって、セルインデックスは、電極内包ウェル内の細胞の状態の定量的測定値である。同じ生理学的条件下では、電極上に接着している細胞が多いほど、より大きなRcell(f)値がもたらされ、セルインデックスの値も大きくなる。さらに、ウェル内に存在する細胞数が同じ場合では、細胞の状態(形態など)の変化によりセルインデックスの変化がもたらされることになる。例えば、細胞接着または細胞拡延の増大によって細胞−電極間の接触面積がより大きくなり、これによりRcell(f)の増大がもたらされ、したがってセルインデックスの値が大きくなる。また、セルインデックスは、本明細書に記載の式と異なる式を用いても計算され得る。インピーダンス測定値に基づいてセルインデックスを計算するための他の方法は、米国特許第7,732,127号;同特許第7,192,752号;同特許第7,459,303号;同特許第7,468,255号;同特許第7,470,533号;同特許7,560,269号;PCT出願番号PCT/US04/37696(2004年11月12日出願)、PCT出願番号PCT/US05/04481(2005年2月9日出願)、US特許出願番号10/987,732(2004年11月12日出願)、およびUS特許出願番号11/055,639(2005年2月9日出願)において見出され得る。
生物学的実施例B−1
EGFR変異型細胞系に対するピロロピリミジン化合物の生物活性
材料および方法
細胞培養および試薬
すべての細胞系は、American Type Culture Collectionから入手し、37℃にて5%CO2で、10%ウシ胎仔血清および1%L−グルタミン−ペニシリン−ストレプトマイシンを補充した培地中に維持した。H1975およびHCC827細胞はRPMI 1640培地で培養した。A431細胞はダルベッコ改変イーグル培地中に維持した。EGF(R&D)、EGFインヒビターは、製造業者の指示に従って再懸濁させ、保存した。
細胞増殖および増殖阻害アッセイ
細胞増殖をWSTアッセイ(Roche,Indianapolis,IN)により製造業者の指示に従ってアッセイした。H1975、HCC827およびA431細胞を96ウェルプレート上にウェル1つあたり3,000、3,000および4,000細胞で播種し、24時間のインキュベーション後、細胞を試験化合物で72時間処理した。細胞をWST−1試薬とともに2時間インキュベートすることにより細胞バイアビリティをアッセイし、次いで、450nmの波長での吸光度を測定した。データは、GraphPad Prismバージョン4.0を用いて計算した。IC50値は、シグモイド用量応答を有する非線形回帰モデルを用いてフィットさせた。
ウエスタンブロッティング
H1975およびA431細胞を6ウェルプレート上に1×10細胞/ウェルの濃度で播種した。血清含有培地中で24時間の増殖後、細胞を無血清培地中で1時間インキュベートし、次いで、試験化合物で2時間処理した。化合物での処理の最後の20分間に、A431細胞を30ng/mLのEGFで刺激した。ウエスタンブロットを全細胞抽出物に対して、リン酸化部位特異的EGFR(pY1068)、全EGFR、ホスホ−Akt(Ser−473)、全Akt、ホスホ−ERK1/2(pT202/pY204)および全ERK1/2抗体(Cell Signaling Technology)を用いて行った。
腫瘍切片を液体窒素中でタンパク質の単離のためにスナップ凍結させ、EGFRシグナル伝達を、一次抗体(以下の、リン酸化部位特異的EGFR(pY1068)、全EGFR、ホスホ−Akt(Ser−473)、全Akt、ホスホ−ERK1/2(pT202/pY204)および全ERK1/2が挙げられる)を用いたウエスタンブロットによって評価した。
ELISAアッセイ
H1975およびA431細胞を、96ウェルプレートの各ウェル上に4×10細胞/ウェルの密度で播種した。血清含有培地中で24時間の増殖後、細胞を試験化合物で、無血清培地中で2時間処理した。化合物での処理の最後の15分間に、A431細胞を30ng/mLのEGFで刺激した。細胞を氷冷PBSで洗浄した後、100μl/ウェルの細胞溶解バッファーで抽出した。EGFRのリン酸化を、リン酸化部位特異的EGFR(pY1068)と全EGFR抗体のペアを使用するサンドイッチELISAアッセイを用いて測定した。
結果
化合物3はEGFR変異型細胞の増殖を阻害する。
以下の化合物を試験した。
EGFR WT、Exon 19 Del、L858R/T790MおよびdelE746−A750を発現するがん細胞系の化合物3、化合物Bおよびゲフィチニブに対する感受性。漸増濃度の化合物を使用し、細胞増殖アッセイを、WSTを用いて72時間行った。IC50値はGraphPadソフトウェアによって求めた。化合物3はゲフィチニブよりも強力にT790M陽性H1975細胞の増殖を阻害する。
化合物3はH1975細胞におけるEGFRのリン酸化を阻害する
化合物3で処理したH1975細胞におけるEGFRのリン酸化および増殖の阻害。H1975およびA431細胞を種々の濃度の化合物3または化合物Bとともに2時間インキュベートし、全細胞抽出物を直接収集し、pEGFRについてELISAによって試験した。IC50値はGraphPadソフトウェアによって求めた。
化合物3はH1975細胞におけるEGFRシグナル伝達経路を阻害する
対数増殖中のH1975肺がん細胞を無血清培地中で、表示した濃度の化合物3で2時間処理した。図1に示すように、全細胞抽出物をSDS−PAGEによって分離した後、ニトロセルロース(cellular)膜上にブロッティングした。EGFRのリン酸化の阻害により、その下流エフェクターであるp−Aktおよびp−ERKの阻害がもたらされる。抗体はすべて、Cell Signalingから入手した。
化合物3はH1975腫瘍におけるEGFRシグナル伝達経路を阻害する
化合物3を100mg/kgでPO投与し、腫瘍を単回投与の1、4、8、18および25時間後に収集した。図2に示すように、pEGFR、全EGFR、pAkt、全Akt、p−ERKおよび全ERKについてイムノブロットをプローブ結合させた。化合物3はEGFRのリン酸化を時間依存的様式で阻害し、EGFRの阻害により、その下流エフェクターであるp−Aktおよびp−ERKの阻害がもたらされる。
化合物3と化合物Aの比較
1.WSTの結果
2.ELISAの結果
生物学的実施例B−2
細胞培養および試薬
すべての細胞系は、American Type Culture Collectionから入手し、37℃にて5%CO2で、10%ウシ胎仔血清および1%L−グルタミン−ペニシリン−ストレプトマイシンを補充した培地中に維持した。H1975およびHCC827細胞はRPMI 1640培地で培養した。A431細胞はダルベッコ改変イーグル培地中に維持した。GTL−16細胞、T47D細胞およびBxPC3細胞はRPMI 1640培地で培養した。NIH−3T3細胞、H460細胞およびHepG2細胞はダルベッコ改変イーグル培地で培養した。A549細胞はF−12K栄養混合物培地で培養した。H295RはDMEM:F12培地で培養した。WST−1試薬はRocheから入手した。EGF(R&D)、EGFインヒビターは、製造業者の指示に従って再懸濁させ、保存した。
細胞増殖および増殖阻害アッセイ
細胞増殖をWSTアッセイ(Roche,Indianapolis,IN)により製造業者の指示に従ってアッセイした。H1975、HCC−827およびA431細胞を96ウェルプレート上にウェル1つあたり3,000、3,000および4,000細胞で播種し、24時間のインキュベーション後、細胞を試験化合物で72時間処理した。NIH−3T3細胞、A549細胞、H295R細胞、GTL−16細胞、H460細胞、HepG2細胞、Hela細胞、T47D細胞およびBxPC3細胞を、96ウェルプレート上にウェル1つあたり2,000、2,000、5,000、5,000、2,500、5,000、2,000、5,000および5,000細胞で播種した。細胞をWST−1試薬とともに3時間インキュベートすることにより細胞バイアビリティをアッセイした。吸光度をOD450〜620で、Beckman DTX880を用いて測定した。データは、GraphPad Prismバージョン4.0を用いて計算した。IC50は、シグモイド用量応答を有する非線形回帰モデルを用いてフィットさせた。
ELISAアッセイ
H1975、HCC−827およびA431細胞を96ウェルプレート上に、それぞれ、40,000、40,000および60,000細胞/ウェルの密度で播種した。血清含有培地中での24時間の増殖後、無血清培地中で、細胞を試験化合物で2時間処理した。化合物での処理の最後の15分間に、A431細胞を50ng/mLのEGFで刺激した。細胞を氷冷PBSで洗浄した後、100μl/ウェルの細胞溶解バッファーで抽出した。EGFRのリン酸化を、リン酸化部位特異的EGFR(pY1068)と全EGFR抗体のペアを使用するサンドイッチELISAアッセイを用いて測定した。データは、GraphPad Prismバージョン4.0を用いて計算した。IC50は、シグモイド用量応答を有する非線形回帰モデルを用いてフィットさせた。
ウエスタンブロッティング
H1975、HCC−827およびA431細胞を6ウェルプレート上に1×10細胞/ウェルの濃度で播種した。血清含有培地中での24時間の増殖後、細胞を無血清培地中で1時間インキュベートし、次いで試験化合物で2時間処理した。化合物での処理の最後の20分間に、A431細胞を30ng/mLのEGFで刺激した。ウエスタンブロットを全細胞抽出物に対して、リン酸化部位特異的EGFR(pY1068)、全EGFR、ホスホ−Akt(Ser−473)、全Akt、ホスホ−ERK1/2(pT202/pY204)および全ERK1/2抗体(Cell Signaling Technology)を用いて行った。ImageJソフトウェアを用いてブロッティングバンドの密度を取得し、EGFR Tyr1068のリン酸化のIC50を非線形回帰モデルを用いてGraphPad Prismバージョン4.0によりフィットさせた。
化合物3は表示した用量(12.5、50、200mg/kg)で経口投与し、ゲフィチニブ(GF)は100mg/kgで経口投与した。腫瘍組織を、単回投与後、1日目の1、4、8および24時間目に収集するか、または用量(12.5、50mg/kg)で8回連続投与後、8日目に収集した。腫瘍切片を液体窒素中でタンパク質の単離のためにスナップ凍結させ、EGFRシグナル伝達を、一次抗体(以下の、リン酸化部位特異的EGFR(pY1068)、全EGFRが挙げられる)を用いたウエスタンブロットによって評価した。
化合物の不可逆性の評価のための細胞系パルスチェイスアッセイ
H1975を3000細胞/ウェルでRTCA系(xCELLigence SP instrument,ACEA Biosciences)中に播種した。1日培養後、細胞を10μMの濃度の化合物3、WZ4002の化合物で22時間処理し、次いで除去し、薬物を経時的に維持した場合と比較した。回収の約60時間後、細胞をWSTバイアビリティ測定に供した。
結果
化合物3はEGFR変異を有するがん細胞の増殖を阻害した。
化合物3は91±60nMのIC50でH1975(T790M/L858R)細胞の増殖の阻害を達成し、HCC827(Del E746−A750)細胞に対するIC50は19±8nMであったが、A431(WT)細胞に対する感受性はずっと低い(IC50=2113±1660nM)。対照的に、第1世代EGFR阻害剤であるゲフィチニブは、A431細胞に対して感受性を示したが、T790M変異を有する細胞の増殖の阻害に対する活性は有しなかった(IC50>20uM)。
化合物3によりEGFR変異型細胞におけるEGFR Tyr1068のリン酸化が有意に低減された
H1975およびA431細胞を種々の濃度の化合物3またはWZ4002とともに2時間インキュベートし、全細胞抽出物を直接収集し、pEGFRについてELISAによって試験した。IC50値はGraphPadソフトウェアによって求めた。
細胞系ELISAアッセイにより、化合物3によってEGFR変異型細胞系におけるEGFR Tyr1068のリン酸化が有意に低減されることが確認されたが、ゲフィチニブで示された該リン酸化の阻害はずっと程度が低かった。
以下の表に示されるように、化合物3によりEGFR変異型細胞におけるEGFR Tyr1068のリン酸化および下流シグナル伝達が有意に低減されたが、化合物3は、野生型EGFR発現細胞系では有効性は低い。
図9Aおよび9Bに示されるように、化合物3によりH1975 EGFR変異型細胞におけるEGFR−Tyr1068のリン酸化および下流シグナル伝達が阻害された。ゲフィチニブおよびWZ4002の比較データを図9C〜9Fに示す。
図10Aおよび10Bに示されるように、化合物3によりHCC−827 EGFR変異型細胞におけるEGFR−Tyr1068のリン酸化および下流シグナル伝達が阻害された。ゲフィチニブおよびWZ4002の比較データを図10C〜10Fに示す。
図11Aおよび11Bに示されるように、化合物3は、WT EGFR発現A431細胞におけるEGFR−Tyr1068のリン酸化および下流シグナル伝達の阻害に対する有効性が相対的に低かった。ゲフィチニブおよびWZ4002の比較データを図11C〜11Fに示す。
化合物3によりH1975腫瘍におけるEGFRのリン酸化が阻害された。
化合物3により、12.5、50および200mg/kgの3つのすべての投薬量でH1975腫瘍組織におけるEGFRのリン酸化が有意に阻害された。化合物3によるEGFRのリン酸化の阻害は用量依存性かつ時間依存性であった。対照的に、100mg/kgの投薬量のゲフィチニブでは、EGFRのリン酸化の阻害は検出されなかった。
図12に示されるように、化合物3の単回投与で、化合物3によりH1975腫瘍組織におけるEGFRのリン酸化が阻害される。
図13に示されるように、化合物3の8回連続投与後、化合物3によりH1975腫瘍組織におけるEGFRのリン酸化が阻害される。
図14に示されるように、化合物3によってEGFR T790M変異を有するH1975細胞の増殖が不可逆的に阻害された。化合物3の可逆性を細胞系パルスチェイスアッセイによってアッセイした。図14に示されるように、22時間の処理後に化合物3を除くと、H1975の増殖の阻害は60時間まで持続された(7.8±1.3%)。対照的に、WZ4002処理からの回復は27±10%であった。この試験の結果により、化合物3がEGFRの不可逆的インヒビターであることが実証され、WZ4002よりも強力な結合特性が示された。
ビヒクル対照と比較したバイアビリティ(%)
1.WSTの結果
注:化合物AでのA431の値は、以前に9.14uMと誤って報告されていた。
2.ELISAの結果
生物学的実施例B−3
新たなH1975細胞系および生物学的実施例B−2)における上記ELISAプロトコルを使用し、以下のとおりの結果を得た。
新たなH1975細胞系および上記WSTプロトコル(生物学的実施例B−2における5%ウシ胎仔血清の存在を伴うもの)を使用し、以下のとおりの結果を得た。
p値 1)<0.05(黒の太字で表示)は有意差を意味する;2)0.05〜0.15は重要な差/改善であるが有意でないものを意味する;3)>0.15は有意でない差を意味する。
上記の2つの表の実験データおよびp値に基づくと、化合物3では、WSTおよびELISAアッセイの両方で化合物AおよびBより有意に大きな有効性が示され、10のp値が<0.05であり、2つのp値が0.05〜0.15であった。選択性に関して、化合物3では、WSTおよびELISAアッセイの両方で化合物AおよびBより選択性が高いという一般的傾向が示され、2つのp値が<0.05であり、2つのp値が0.05〜0.15であり、4つのp値が0.15より大きかった。
生物学的実施例C
H1975、HCC827およびA431異種移植片マウスモデルの処置における化合物3の効能の評価
この実施例では、ヌードマウスのNCI−H1975(L858R/T790M)ヒト非小細胞肺腺癌、HCC827(L858R)ヒト肺腺癌およびA431(WT)ヒト皮膚類表皮癌異種移植片腫瘍モデルの処置における化合物3の効能を評価する。第1世代の可逆的EGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブをこれらの3種類のマウス異種移植片腫瘍モデルに対する陽性対照として使用した。
実験計画および投与スケジュール
実験計画および投与スケジュールを以下に示す。
注:n:動物の数;投与容量:体重に基づいて投与容量を調整;PEG系:PEG200:アルコール:5%デキストロース=4:1:5;体重減少>15%になった場合は処置スケジュールを調整した。
動物の収容
動物
動物に関する詳細を以下に示す。
種:マウス
系統:Nu/Nuヌード
年齢:7〜8週齢
性別:雌
体重:20〜25g
動物の供給元:Vital River Laboratories(北京,中国)
収容条件
マウスはACEA Bioscience Hangzhou Inc.で、温度と湿度が一定の個室換気ケージ(Individual Ventilation Cage)内に、各ケージに4匹の動物で維持した。
− 温度:約20〜26℃.
− 湿度 約40〜70%.
IVCケージ:ポリカーボネート製。サイズは300mm×180mm×150mmである。敷き詰め材はトウモロコシの穂軸とし、1週間に2回交換する。
食餌:動物には、全試験期間中、照射滅菌した粒状乾燥飼料を自由に摂取させた。
水:動物には滅菌飲料水を自由に摂取させた。
ケージの識別:各ケージの識別ラベルに以下の情報:動物の数、性別、系統、受領日、処置、試験番号、群番号および処置の開始日を含めた。
動物の識別:動物は耳への切り込みによって標示した。
実験の方法および手順
細胞培養
NCI−H1975、HCC827およびA431腫瘍細胞をインビトロで単層培養物として、10%ウシ胎仔血清、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンを補充した培地中に、37℃にて空気中5%COの雰囲気でATCCの推奨どおりに維持した。腫瘍細胞をトリプシン−EDTA処理によって週に2回、いつも通りに継代培養した。対数増殖期に増殖した細胞を収集し、腫瘍接種のために計数した。
腫瘍接種
各マウスの右脇腹に、それぞれH1975細胞(5×10)、HCC827(5×10)およびA431(5×10)(0.2mlの培地中)を皮下接種し、腫瘍を発達させた。腫瘍サイズがおよそ200〜250mmに達したとき処置を開始した。試験物は、実験計画の表に示した所定のレジメンに従ってマウスに投与した。
観察結果
この試験での動物の取り扱い、世話および処置に関連する手順はすべて、実験動物ケア評価認証協会(AAALAC)の手引きに追随する動物実験委員会(IACUC)によって承認されたガイドラインに従って行った。いつも通りのモニタリング時には、動物を、正常な行動に対する腫瘍増殖および処置の効果(あれば)(運動性、飼料および水分の消費(観察により)、体重の増加/減少(体重は週に2回測定した)、目/毛並みのつやの消失など)ならびに他の異常効果(あれば)について確認した。死亡および観察された臨床徴候を各サブセットにおける動物の数で記録した。状態が継続的に悪化していることが観察された動物は、死亡する前または昏睡状態になる前に安楽死させた。
腫瘍の測定およびエンドポイント
主要エンドポイントは、腫瘍増殖が遅延し得るかどうか、またはマウスが治癒し得るかどうかを確認することとした。腫瘍サイズをカリパスを用いて2次元で週に2回測定し、式:V=0.5a×b(式中、aおよびbは、それぞれ腫瘍の長径および短径である)を用いて体積を単位:mmで示した。次いで、腫瘍サイズをT−CおよびT/Cの両方の値の計算に使用した。T−Cは、Tを処置群の腫瘍が所定のサイズ(例えば、1,000mm)に達するのに必要とされる時間の中央値(単位:日)とし、Cを対照群の腫瘍が同じサイズに達する時間の中央値(単位:日)として計算した。T/C値(単位:パーセント)を抗腫瘍有効性の指標にし;TおよびCは、それぞれ所与の日における処置群および対照群の平均体積とした。腫瘍重量を試験終了時に測定した。T/C値(単位:パーセント)を計算し、式中、TおよびCは、それぞれ処置群および対照群の平均腫瘍重量とした。
統計学的解析
要約統計量(平均および平均の標準誤差(SEM)を含む)を各時点での各群の腫瘍体積について示す。
群間の腫瘍体積および腫瘍重量の差の統計学的解析を、最終投与後の最良治療時点(腫瘍接種後、15日目)で得られたデータに対して行った。
一元配置ANOVAを行って群間の腫瘍体積および腫瘍重量を比較し、有意なF統計量(誤差分散に対する処置群の分散の比)が得られた場合は、LSDおよびゲイムス・ハウエル検定により群間の比較を行った。データはすべて、SPSS 16.0を用いて解析した。p<0.05を統計学的に有意であるとみなした。
結果
5.1.体重
腫瘍を有するマウスの体重の変化の結果をNCI−H1975、HCC827およびA431モデルについて、それぞれ図3、図4および図5に示す。
腫瘍を有する異なる群のマウスの処置終了時のマウスの体重を、NCI−H1975、HCC827およびA431について、それぞれ表8、表9および表10に示す。
注:a.平均±SEM
腫瘍体積
異なる時点での異なる群の腫瘍サイズをNCI−H1975、HCC827およびA431について、それぞれ表11、表12および表13に示す。
注:a.平均±SEM
腫瘍増殖阻害
NCI−H1975、HCC827およびA431モデルでの腫瘍増殖阻害を、それぞれ表14、表15および表16にまとめる。
注:a.平均±SEM
b.腫瘍退縮率(%)=(1−処置後の腫瘍体積/処置前の腫瘍体積)×100%
腫瘍増殖曲線
腫瘍を有する異なる群のマウスの腫瘍増殖曲線をNCI−H1975、HCC827およびA431モデルについて、それぞれ図6、図7および図8に示す。
腫瘍重量
異なる群のマウスの腫瘍重量をNCI−H1975、HCC827およびA431モデルについて、それぞれ表17、表18および表19に示す。
a:IR(阻害率)=(TW対照−TW処置)/TW対照×100%
生物学的実施例D
化合物3のマレイン酸塩および塩酸塩の合成ならびに薬物動態試験
化合物3の遊離塩基からのマレイン酸塩および塩酸塩の合成を以下に示す。
40℃のエタノール/水(5:95,22mL)中の化合物3の遊離塩基(2g)に、マレイン酸(1.2当量)またはHCl(2.2当量)を滴下した。固形物を溶解させた後、溶液を室温まで冷却し、一晩放置した。得られた結晶(淡黄色またはオフホワイト色)を収集し、冷水で洗浄し、一晩乾燥させた(85%超の収率)。
遊離塩基、マレイン酸塩およびHCl塩の形態の化合物3を用いたラットでの薬物動態試験:
薬物動態比較試験を雌ラット(Zhe Jiang AMS)において、遊離塩基、マレイン酸塩およびHCl塩の形態の化合物3を用いて行った。詳細な試験条件を実験結果とともに以下の表20に示す。
この結果は、0.5%メチルセルロース(MC)の同じ製剤において、塩形態(マレイン酸塩およびHCl塩のどちらも)が遊離塩基形態と比べて約3倍良好なバイオアベイラビリティを有していたことを示す。
生物学的実施例E
化合物3を一連の他のプロテインキナーゼに対して試験した。
アッセイの説明。プロテインキナーゼのインビトロプロファイリングを、“HotSpot”アッセイ基本型を用いて行った。簡単には、特異的キナーゼ/基質のペアを、必要とされる補因子とともに反応バッファー中で調製した。化合物を反応液中に送達した後、15〜20分後に、ATP(Sigma,St.Louis MO)と33P ATP(Perkin Elmer,Waltham MA)の混合物を10μMの終濃度まで添加した。反応を室温で120分間行った後、反応混合物をP81イオン交換濾紙(Whatman Inc.,Piscataway,NJ)上にスポットした。この濾紙を0.75%リン酸中で充分に洗浄することによって未結合ホスフェートを除去した。不活性酵素を含む対照反応液から誘導したバックグラウンドを差し引いた後、キナーゼ活性のデータを、ビヒクル(ジメチルスルホキシド)反応と比較したときの試験試料中の残留キナーゼ活性の割合として示した。IC50値および曲線フィットはPrism(GraphPad Software)を用いて取得した。
反応条件:バッファー条件:20mM Hepes(pH7.5)、10mM MgCl、1mM EGTA、0.02%Brij35、0.02mg/mL BSA、0.1mM NaVO、2mM DTT、および1%DMSO。ATP濃度:10μM。反応時間:2時間。化合物3を以下の10種類の濃度で試験し、一般的なキナーゼインヒビターである参照化合物スタウロスポリンと比較した。化合物は、10uMから開始した3倍連続希釈物を用いて10点IC50形式で試験した。対照化合物は、20uMから開始した3倍連続希釈物を用いて10点IC50で試験した。キナーゼ反応はすべて10uM ATPで行った。試験濃度を以下に示す(単位:モル濃度(M))。
以下のキナーゼ酵素を試験した。
結果:各キナーゼ標的のIC50値を以下のとおりにまとめる。
以下に個々の各標的対象酵素のIC50値および未加工データの一覧を示す。
活性のパーセンテージは、バッファー溶液のみとの比較における相対値である。DMSOは参照として示している。BLKに対する化合物3のIC50値は0.23nMであった。対応する化合物3の曲線をそれぞれ図15Aおよび15Bに示す。
BMX/ETKに対する化合物3のIC50は0.35nMであった。化合物3の曲線を図16に示す。
BTKに対する化合物3のIC50は0.40nMであった。化合物3の曲線を図17に示す。
FLT3(D835Y)に対する化合物3のIC50は10.90nMであった。化合物3の曲線を図18に示す。
ITKに対する化合物3のIC50は0.52nMであった。化合物3の曲線を図19に示す。
JAK2に対する化合物3のIC50は501nMであった。化合物3の曲線を図20に示す。
JAK3阻害を評価するため、100nMの濃度から開始したこと以外はその他のアッセイの場合と同様に化合物3を評価した。希釈係数はその他のアッセイの場合と同様に3倍にし、100nM〜5.08pMの試験濃度範囲にした。JAK3に対する化合物3のIC50は91.1pMであった。化合物3の曲線を図21に示す。
TECに対する化合物3のIC50は0.67nMであった。化合物3の曲線を図22に示す。
TXKに対する化合物3のIC50は0.70nMであった。化合物3の曲線を図23に示す。
他の化合物のデータ
1.ELISAアッセイ(EGFR)
生物学的実施例B−2に記載のプロトコルを使用し、以下の化合物もまたELISAアッセイ(EGFR)において試験した。結果を以下の表21に示す。
2.他のキナーゼ−酵素アッセイ
生物学的実施例Eに記載のプロトコルを使用し、以下の化合物もまた他のキナーゼ(BTK、Jak1、Jak2およびJak3)に対して試験した(以下の表22)。
他のキナーゼ(BTKおよびJAK3)−細胞系アッセイ
ClariCELLTM JAK3およびBTKアッセイのプロトコルを以下に示す。
・ HEK293ヒト胚性腎臓細胞を、ヒトwt BTK、ヒトwt JAK3、またはキナーゼ−死亡ヒトJAK3(JAK3陰性対照として)のいずれかで一過的にトランスフェクトした。BTK陰性対照では、wt BTKトランスフェクションの使用に1uMのイブルチニブでの処理を加えた。
・ 細胞を96ウェルプレート内に、BTKではおよそ8,000細胞/ウェルまたはJAK3では20,000細胞/ウェルで分注した。
・ 各化合物について8種類の3倍連続希釈物(またはトファシチニブでは2倍)を100%DMSO中で調製した。
・ 次いで、化合物を水で10×最終アッセイ濃度および6%DMSOまで希釈した。
・ 化合物を96ウェルプレート(組織培養培地中10倍希釈)内の細胞に1×化合物および0.6%DMSOの終濃度となるように添加した。
・ 細胞を化合物とともに37℃で2時間インキュベートした。
・ 細胞を溶解させ、溶解物を、基質(ヒトBTKまたはヒトJAK3のいずれか)を捕捉するための抗体で事前にコートしておいたELISAプレートに移した。
・ プレートを洗浄し、次いで、全チロシンリン酸化を検出するための抗体とともにインキュベートした
・ プレートを洗浄し、次いで、HRPで標識した二次抗体とともにインキュベートした。
・ HRP基質を添加し、吸光度を450nmで読み取った。
パン−抗ホスホチロシン抗体を使用したので、BTKまたはJAK3に加えてチロシンキナーゼ活性が測定され得る可能性があることに注意すること。
BTK細胞系アッセイの試験結果を以下の表23に示す。
JAK3細胞系アッセイの試験結果を以下の表24に示す。

本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
式(VIII)

(式中
はO、NH、S、CH またはCF であり;
およびR は独立して、水素、ハロ、C 1〜6 アルキルおよびC 1〜6 ハロアルキルから選択され;
は、ハロ、ヒドロキシル、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
nはゼロから4までの数であり;
は、水素、C 1〜6 アルキル、C 3〜7 シクロアルキルおよび−NR 22 23 から選択され;
ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
22 およびR 23 は各々、独立して水素およびC 1〜6 アルキルから選択されるか、またはR 22 とR 23 が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 ハロアルキル、C 1〜6 アルコキシ、C 1〜6 ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 ハロアルキル、C 1〜6 アルコキシ、C 1〜6 ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 ハロアルキル、C 1〜6 アルコキシ、C 1〜6 ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
QはCR またはNであり;
は、水素、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 ハロアルキル、C 1〜6 アルコキシ、C 1〜6 ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
11 は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され;
12 は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され;
13 は、水素、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 アシル、SO −C 1〜6 アルキル、C 3〜7 シクロアルキルおよびC 6〜20 アリールから選択され、
ここで、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C 1〜6 アルコキシもしくはハロで置換されており;
−NR 18 19
であり;
ここで、R 10 は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され;
15 は非置換のメチルであるか、あるいは非置換C 2〜4 アルキルであるか、またはヒドロキシ、メトキシもしくはハロで置換されているC 2〜4 アルキルであり;
mは1または2であるか;
あるいはR 19 とR が一体となって、C 1〜6 アルキルで任意選択的に置換されている5員または6員のヘテロアリール環を形成しており、該アルキルは非置換であるか、またはアミノ、ヒドロキシルもしくはハロで置換されており;R 18 は、水素もしくはC 1〜6 アルキルであるか、または該ヘテロアリール環の結合価を満たすために存在していない;
ただし、−NR 18 19

であるとき、R とR のどちらもメトキシでないものとする)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
(項2)
式(Ia)または(Ib)

(式中
およびR は独立して、水素、ハロ、C 1〜6 アルキルおよびC 1〜6 ハロアルキルから選択され;
は、ハロ、ヒドロキシル、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
nはゼロから4までの数であり;
は、水素、C 1〜6 アルキル、C 3〜7 シクロアルキルおよび−NR 22 23 から選択され;
ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
22 およびR 23 が各々、独立して、水素およびC 1〜6 アルキルから選択されるか、またはR 22 とR 23 が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 ハロアルキル、C 2〜6 アルコキシ、C 1〜6 ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 ハロアルキル、C 2〜6 アルコキシ、C 1〜6 ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 ハロアルキル、C 1〜6 アルコキシ、C 1〜6 ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
QはCR またはNであり;
は、水素、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 ハロアルキル、C 1〜6 アルコキシ、C 1〜6 ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10 は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され;
aは1または2であり;
環Aは芳香環であり;
20 およびR 21 は独立して、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され;該アルキルは非置換であるか、またはアミノ、ヒドロキシルもしくはハロで置換されており;ここで、R 21 は、結合価を満たすために存在していなくてもよく;
11 は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され;
12 は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され;
13 は、水素、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 アシル、SO −C 1〜6 アルキル、C 3〜7 シクロアルキルおよびC 6〜20 アリールから選択され、
ここで、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C 1〜6 アルコキシもしくはハロで置換されている)
の化合物である、上記項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
(項3)
式(II)

(式中
およびR は独立して、水素、ハロ、C 1〜6 アルキルおよびC 1〜6 ハロアルキルから選択され;
は、ハロ、ヒドロキシル、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
nはゼロから4までの数であり;
は、水素、C 1〜6 アルキル、C 3〜7 シクロアルキルおよび−NR 22 23 から選択され;
ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
22 およびR 23 は各々、独立して水素およびC 1〜6 アルキルから選択されるか、またはR 22 とR 23 が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 ハロアルキル、C 2〜6 アルコキシ、C 1〜6 ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 ハロアルキル、C 2〜6 アルコキシ、C 1〜6 ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
は、水素、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 ハロアルキル、C 1〜6 アルコキシ、C 1〜6 ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
QはCR またはNであり;
は、水素、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 ハロアルキル、C 1〜6 アルコキシ、C 1〜6 ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10 は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され;
11 は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され;
12 は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され;
13 は、水素、C 1〜6 アルキルおよびC 6〜20 アリールから選択され、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C 1〜6 アルコキシもしくはハロで置換されている)
の化合物である、上記項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
(項4)
がOまたはNHである、上記項1に記載の化合物。
(項5)
11 が水素である、上記項1に記載の化合物。
(項6)
12 が水素である、上記項1に記載の化合物。
(項7)
とR が各々、水素である、上記項1に記載の化合物。
(項8)
nがゼロである、上記項1に記載の化合物。
(項9)
−NR 18 19

である、上記項1に記載の化合物。
(項10)
10 がメチルである、上記項9に記載の化合物。
(項11)
13 が水素である、上記項1に記載の化合物。
(項12)
13 が、ヒドロキシルまたはハロで置換されているC 1〜6 アルキルである、上記項1に記載の化合物。
(項13)
が水素である、上記項1に記載の化合物。
(項14)
が水素またはメトキシである、上記項1に記載の化合物。
(項15)
が水素である、上記項1に記載の化合物。
(項16)
QがNである、上記項1に記載の化合物。
(項17)
QがCR である、上記項1に記載の化合物。
(項18)
が水素またはフルオロである、上記項17に記載の化合物。
(項19)
19 とR が一体となって、C 1〜6 アルキルで任意選択的に置換されている5員または6員環を形成しており、該アルキルは非置換であるか、またはアミノで置換されている、上記項1に記載の化合物。
(項20)






およびその薬学的に許容され得る塩からなる群より選択される化合物。
(項21)
式(VII)

(式中
およびR は独立して、水素、ハロ、C 1〜6 アルキルおよびC 1〜6 ハロアルキルから選択され;
が、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 ハロアルキル、C 1〜6 アルコキシ、C 1〜6 ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
10 がC 1〜6 アルキルであり;
13 が水素またはC 1〜6 アルキルである)
の化合物である、上記項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
(項22)
(a)上記項1〜21のいずれかに記載の少なくとも1種類の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、および(b)薬学的に許容され得る担体または賦形剤を含む医薬組成物。
(項23)
増殖障害、がん、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患、乾癬、ドライアイまたは免疫学的に関連している疾患を処置および/または予防する方法であって、かかる処置を必要とする被験体に、有効量の上記項1〜21のいずれかに記載の少なくとも1種類の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む方法。
(項24)
前記増殖障害が、肉腫、類表皮がん、線維肉腫、子宮頸がん、胃癌、皮膚がん、白血病、リンパ腫、肺がん、非小細胞肺がん、結腸がん、CNSのがん、黒色腫、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、乳がん、肝臓がん、頭頚部がんおよび膵がんからなる群より選択される、上記項23に記載の方法。
(項25)
被験体の増殖障害を処置および/または予防するための有効量の第2の予防剤または治療剤を投与する工程をさらに含む、上記項23に記載の方法。
(項26)
化合物N−(3−((2−((3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドまたはその薬学的に許容され得る塩。
(項27)
N−(3−((2−((3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの塩酸塩またはマレイン酸塩である、上記項26に記載の化合物。
(項28)
前記薬学的に許容され得る塩がHCl塩、マレイン酸塩、HBr塩、ヒドロキシブタン二酸の塩またはフマル酸の塩である、上記項22に記載の医薬組成物。
(項29)
前記薬学的に許容され得る塩がHCl塩、マレイン酸塩、HBr塩、ヒドロキシブタン二酸の塩またはフマル酸の塩である、上記項23に記載の方法。
(項30)
医薬の製造のための上記項1〜21、26および27のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の使用。
(項31)
被験体の増殖障害、がん、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患、乾癬、ドライアイまたは免疫学的に関連している疾患を処置および/または予防するための組合せであって、有効量の上記項1〜21、26および27のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩と、被験体の増殖障害、がん、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患、乾癬、ドライアイまたは免疫学的に関連している疾患を処置および/または予防するための有効量の第2の予防剤または治療剤とを含む、組合せ。
(項32)
被験体の増殖障害、がん、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患、乾癬、ドライアイまたは免疫学的に関連している疾患を処置および/または予防するための方法であって、該処置および/または該予防を必要とする被験体に有効量の上記項31に記載の組合せを投与する工程を含む、方法。

Claims (38)

  1. 式(VIII)
    (式中
    はO、NH、S、CHまたはCFであり;
    およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
    は、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
    nはゼロから4までの数であり;
    は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;
    ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
    22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
    は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
    は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
    は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
    は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
    QはCRまたはNであり;
    ここで、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
    11は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
    12は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
    13は、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アシル、SO−C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよびC6〜20アリールから選択され、
    ここで、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されており;
    −NR1819は、
    (a)
    であって;
    ここで、R10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
    15は非置換のメチルであるか、あるいは非置換C2〜4アルキルであるか、またはヒドロキシ、メトキシもしくはハロで置換されているC2〜4アルキルであり;そして
    mは1または2であるか;あるいは
    (b)ここで、R19とRが一体となって、C1〜6アルキルで任意選択的に置換されている5員または6員のヘテロアリール環を形成しており、該アルキルは非置換であるか、またはアミノ、ヒドロキシルもしくはハロで置換されており;R18は、水素もしくはC1〜6アルキルであるか、または該ヘテロアリール環の結合価を満たすために存在していない;
    ただし、−NR1819
    であるとき、RとRのどちらもメトキシでないものとする)
    の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  2. 式(Ia)または(Ib)
    (式中
    およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
    は、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
    nはゼロから4までの数であり;
    は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;
    ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
    22およびR23が各々、独立して、水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
    は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
    は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
    は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
    は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
    QはCRまたはNであり;
    ここで、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
    10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
    aは1または2であり;
    環Aは芳香環であり;
    20およびR21は独立して、水素およびC1〜6アルキルから選択され;該アルキルは非置換であるか、またはアミノ、ヒドロキシルもしくはハロで置換されており;ここで、R21は、結合価を満たすための必要に応じて存在していなくてもよく;
    11は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
    12は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
    13は、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アシル、SO−C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよびC6〜20アリールから選択され、
    ここで、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている)
    の化合物である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  3. 式(II)
    (式中
    およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
    は、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよびニトロから選択され;
    nはゼロから4までの数であり;
    は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキルおよび−NR2223から選択され;
    ここで、該アルキルまたはシクロアルキルは非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはアミノで置換されており;
    22およびR23は各々、独立して水素およびC1〜6アルキルから選択されるか、またはR22とR23が連接されて3〜10員環を形成していてもよく;
    は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
    は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
    は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C2〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
    は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
    QはCRまたはNであり;
    ここで、Rは、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
    10は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
    11は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
    12は、水素およびC1〜6アルキルから選択され;
    13は、水素、C1〜6アルキルおよびC6〜20アリールから選択され、ここで、該アルキルまたはアリールは各々、非置換であるか、またはヒドロキシル、C1〜6アルコキシもしくはハロで置換されている)
    の化合物である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  4. がOまたはNHである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  5. 11が水素である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  6. 12が水素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  7. とRが各々、水素である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  8. nがゼロである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  9. −NR1819
    である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  10. 10がメチルである、請求項9に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  11. 13が水素である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  12. 13が、ヒドロキシルまたはハロで置換されているC1〜6アルキルである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  13. が水素である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  14. が水素またはメトキシである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  15. が水素である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  16. QがNである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  17. QがCRである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  18. が水素またはフルオロである、請求項17に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  19. 19とRが一体となって、C1〜6アルキルで任意選択的に置換されている5員または6員環を形成しており、該アルキルは非置換であるか、またはアミノで置換されている、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  20. およびその薬学的に許容され得る塩からなる群より選択される化合物。
  21. 式(VII)
    (式中
    およびRは独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから選択され;
    が、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびニトロから選択され;
    10がC1〜6アルキルであり;
    13が水素またはC1〜6アルキルである)
    の化合物である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  22. およびRはそれぞれ水素である、請求項21に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  23. が、ハロである、請求項21または22に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  24. が、フルオロである、請求項23に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  25. 10が、メチル、エチルまたはイソプロピルである、請求項21〜24のいずれか1
    項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  26. 10が、メチルである、請求項25に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  27. 13が、水素である、請求項21〜26のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  28. 化合物N−(3−((2−((3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  29. N−(3−((2−((3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの塩酸塩またはマレイン酸塩である、請求項28に記載の化合物。
  30. (a)請求項1〜29のいずれかに記載の少なくとも1種類の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、および(b)薬学的に許容され得る担体または賦形剤を含む医薬組成物。
  31. 増殖障害、がん、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患、乾癬、ドライアイまたは免疫学的に関連している疾患を処置および/または予防するための組成物であって、有効量の請求項1〜29のいずれかに記載の少なくとも1種類の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む組成物。
  32. 前記増殖障害が、肉腫、類表皮がん、線維肉腫、子宮頸がん、胃癌、皮膚がん、白血病、リンパ腫、肺がん、非小細胞肺がん、結腸がん、CNSのがん、黒色腫、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、乳がん、肝臓がん、頭頚部がんおよび膵がんからなる群より選択される、請求項31に記載の組成物。
  33. 被験体の増殖障害を処置および/または予防するための有効量の第2の予防剤または治療剤が、前記組成物と併せて投与されることを特徴とする、請求項31に記載の組成物。
  34. 前記薬学的に許容され得る塩がHCl塩、マレイン酸塩、HBr塩、ヒドロキシブタン二酸の塩またはフマル酸の塩である、請求項30に記載の医薬組成物。
  35. 前記薬学的に許容され得る塩がHCl塩、マレイン酸塩、HBr塩、ヒドロキシブタン二酸の塩またはフマル酸の塩である、請求項31に記載の組成物。
  36. 医薬の製造のための請求項1〜29のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の使用。
  37. 被験体の増殖障害、がん、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患、乾癬、ドライアイまたは免疫学的に関連している疾患を処置および/または予防するための医薬組成物であって、有効量の請求項1〜29のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩と、被験体の増殖障害、がん、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患、乾癬、ドライアイまたは免疫学的に関連している疾患を処置および/または予防するための有効量の第2の予防剤または治療剤とを含む、医薬組成物
  38. 請求項1〜29のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む、医薬組成物。
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