JP2018104290A - ピラジンカルボキサミド化合物を有効成分とする医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】BMXに関連するがんの治療用医薬組成物、特に前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物を提供する。【解決手段】本発明者らは、BMX阻害作用を有する化合物について検討し、特定のピラジンカルボキサミド化合物がBMX阻害作用を有し、これらの化合物を有効成分として含有する医薬組成物がBMXに関連するがん、特に前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌に対する治療効果を有することを確認し、本発明を完成した。【選択図】なし
Description
本発明は、ピラジンカルボキサミド化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とするBMXに関連するがんの治療用医薬組成物に関する。
BMX(bone marrow tyrosine kinase in chromosome XまたはETK)はTecファミリーキナーゼに属する非受容体型チロシンキナーゼであり、プレクストリン相同ドメイン、サーク相同3ドメイン、サーク相同2ドメイン、およびキナーゼドメインを有するタンパク質である。正常組織においてBMXは上皮細胞、内皮細胞に発現することが報告されている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1998;95:3644-3649)。がん組織においては、前立腺癌、膀胱癌、腎細胞癌において発現が確認されており、これらの癌種では病態の進行にBMXが関与する可能性が示唆されている(Cancer Res. 2006;66(16):8058-8064、PLoS ONE 2011;6(3):e17778、J. Exp. Clin. Cancer Res. 2014;33:25)。
これまでに、PTENが欠損した前立腺癌細胞株において、siRNAを用いてBMXの発現を低下させると、細胞増殖が阻害されることが報告されている(J. Biol. Chem. 2007;282:32689-32698)。また、ホルモン療法抵抗性ヒト前立腺癌組織において、BMXの発現が亢進すること、当該BMXの発現とアンドロゲン受容体のリン酸化とは相関することが知られている。また、ホルモン療法抵抗性前立腺癌細胞株においてBMXを過剰発現させると腫瘍の増殖が亢進し、反対にホルモン療法抵抗性前立腺癌細胞株においてshRNAを用いてBMXの発現を低下させると、腫瘍増殖が阻害される(Cancer Res. 2010;70(13):5587-5596)。これらの結果からBMXが前立腺癌におけるホルモン療法抵抗性に関与することが示唆される。
さらに、膀胱癌細胞株および腎細胞癌細胞株において、BMXの発現を低下させると生存、遊走、浸潤が阻害されることが報告されている(PLoS ONE 2011;6(3):e177778、J. Exp. Clin. Cancer Res. 2014;33:25)。
さらに、膀胱癌細胞株および腎細胞癌細胞株において、BMXの発現を低下させると生存、遊走、浸潤が阻害されることが報告されている(PLoS ONE 2011;6(3):e177778、J. Exp. Clin. Cancer Res. 2014;33:25)。
これらの結果は、前立腺癌、膀胱癌、腎細胞癌を含むBMXに関連するがん、例えば、BMXが高発現又は活性化したがんにおいて、BMXがこれらのがんの増殖に関与していることを示している。
5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド(以下、「化合物A」と言うことがある。)又はその製薬学的に許容される塩は、癌治療用医薬組成物の有効成分として有用であることが知られている(特許文献1)。
化合物A又はその製薬学的に許容される塩は、特許文献1において、実施例54としてそのフリーベースが、実施例261としてそのモノメタンスルホン酸塩が開示されており、EGFR変異キナーゼに対する阻害作用が確認されている。
化合物A又はその製薬学的に許容される塩は、特許文献1において、実施例54としてそのフリーベースが、実施例261としてそのモノメタンスルホン酸塩が開示されており、EGFR変異キナーゼに対する阻害作用が確認されている。
BMXに関連するがんの治療用医薬組成物、特に前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物を提供する。
本発明者らは、BMXに関連するがんの治療用医薬組成物の創製を目的に鋭意検討した結果、5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド又はその製薬学的に許容される塩が、BMXキナーゼ活性を阻害し、腫瘍の増殖抑制作用を有することを知見して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド又はその製薬学的に許容される塩を含有する、BMXに関連するがんの治療用医薬組成物、特に前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物に関する。
すなわち、本発明は、5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド又はその製薬学的に許容される塩を含有する、BMXに関連するがんの治療用医薬組成物、特に前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物に関する。
また、本発明は、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するBMXに関連するがんの治療剤、特に前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療剤に関する。
また、本発明は、BMXに関連するがんの治療用医薬組成物の製造のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、好ましくは、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物の製造のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用;BMXに関連するがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、好ましくは、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用;BMXに関連するがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩、好ましくは、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩;及び、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなるBMXに関連するがんの治療方法、好ましくは化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療方法に関する。なお、「対象」とは、その治療を必要とするヒト又はその他の動物であり、ある態様としては、その治療を必要とするヒトである。
本発明の医薬組成物の有効成分である化合物A又はその製薬学的に許容される塩は、BMX阻害作用を有し、BMXに関連するがんの治療用医薬組成物、特に、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物の有効成分として使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
上述の通り、化合物Aの化学名は5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミドであり、その化学構造は以下に示すとおりである。
上述の通り、化合物Aの化学名は5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミドであり、その化学構造は以下に示すとおりである。
BMXに関連するがんとは、がんの原因の一つがBMXであるがんを意味し、例えば、BMXが高発現及び/又は活性化したがんである。好ましくは、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌である。ある態様としては、前立腺癌であり、ある態様としては、膀胱癌であり、ある態様としては、腎細胞癌であり、ある態様としては、ホルモン療法抵抗性を獲得した前立腺癌であり、ある態様としては、アンドロゲン受容体が活性化した前立腺癌であり、ある態様としては、アンドロゲン受容体拮抗薬に抵抗性を獲得した前立腺癌である。
本発明のある態様を以下に示す。
(1−1)化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有する、BMXに関連するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有する、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有する、BMXに関連するがんの治療用医薬組成物。ある態様としては、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有する、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物。
(1−2)BMXに関連するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、BMXに関連するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(1−3)BMXに関連するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、BMXに関連するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(1−4)BMXに関連するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。ある態様として、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。ある態様として、BMXに関連するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。ある態様として、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。
(1−5)化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、BMXに関連するがんの治療方法。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療方法。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、BMXに関連するがんの治療方法。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療方法。
(1−1)化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有する、BMXに関連するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有する、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有する、BMXに関連するがんの治療用医薬組成物。ある態様としては、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有する、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物。
(1−2)BMXに関連するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、BMXに関連するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(1−3)BMXに関連するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、BMXに関連するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(1−4)BMXに関連するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。ある態様として、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。ある態様として、BMXに関連するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。ある態様として、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。
(1−5)化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、BMXに関連するがんの治療方法。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療方法。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、BMXに関連するがんの治療方法。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療方法。
化合物A又はその製薬学的に許容される塩は、上記特許文献1(国際公開第 2013/108754号)に記載の方法に従って、あるいはその変法によって入手することができる。
また、「化合物Aの製薬学的に許容される塩」とは、化合物Aの酸付加塩を意味し、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸(メシル酸)、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩が挙げられる。なお、「化合物Aの製薬学的に許容される塩」には、化合物Aの溶媒和物、具体的には、例えば水和物やエタノール和物を含み、さらに、化合物Aの酸付加塩の溶媒和物を含む。
なお、「化合物A又はその製薬学的に許容される塩」のある態様としては、化合物A(フリーベース)が挙げられ、別の態様としては、化合物A モノメタンスルホン酸塩が挙げられる。
なお、「化合物A又はその製薬学的に許容される塩」のある態様としては、化合物A(フリーベース)が挙げられ、別の態様としては、化合物A モノメタンスルホン酸塩が挙げられる。
化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物は、当分野において通常用いられている賦形剤、即ち、薬剤用賦形剤や薬剤用担体等を用いて、通常使用されている方法によって調製することができる。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、又は、関節内、静脈内、筋肉内等の注射剤、坐剤、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、又は、関節内、静脈内、筋肉内等の注射剤、坐剤、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、1種又は2種以上の有効成分が、少なくとも1種の不活性な賦形剤と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えば滑沢剤や崩壊剤、安定化剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤又はエリキシル剤等を含む。当該液体組成物は、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水又はエタノールを含み、さらに可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤又はエリキシル剤等を含む。当該液体組成物は、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水又はエタノールを含み、さらに可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤は、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤又は乳濁剤を含有する。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水又は生理食塩液が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばエタノールのようなアルコール類がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、又は溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解又は懸濁して使用することもできる。
通常経口投与の場合、1日の投与量は、体重当たり約0.001〜100 mg/kg、好ましくは0.01〜30 mg/kg、更に好ましくは0.1〜10 mg/kgが適当であり、更に好ましくは0.3〜7mg/kgが適当であり、更に好ましくは0.1〜5mg/kgが適当であり、これを1回であるいは2回〜4回に分けて投与する。静脈内投与される場合は、1日の投与量は、体重当たり約0.0001〜10 mg/kgが適当で、1日1回〜複数回に分けて投与する。また、経粘膜剤としては、体重当たり約0.001〜100 mg/kgを1日1回〜複数回に分けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
投与経路、剤形、投与部位、賦形剤や添加剤の種類によって異なるが、本発明の医薬組成物は0.01〜99重量%、ある態様としては0.01〜50重量%の化合物A又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する。
本発明の医薬組成物は、がんに有効性を示す種々の治療剤と併用することができる。当該併用は、同時投与、あるいは別個に連続して、若しくは所望の時間間隔をおいて投与してもよい。同時投与の場合には、配合剤であっても別個に製剤化されていてもよい。特に併用することができる薬剤として、スニチニブやソラフェニブのようなキナーゼ阻害剤、テムシロリムスやエベロリムスのようなmTOR阻害剤、ベバシズマブのような抗VEGF製剤、インターフェロンやインターロイキンのようなサイトカイン製剤、BCGのような生菌製剤、シクロホスファミドやイホスファミドのようなアルキル化剤、マイトマイシンC、メトトレキサート、ビンブラスチン、5-FU、パクリタキセル、ミトキサントロン、エトポシド、ドキソルビシンやシスプラチンのような抗悪性腫瘍剤、ビンクリスチンのような微小管重合阻害剤、プレドニゾン、プレドニゾロンやデキサメタゾンのような副腎皮質ホルモン剤、ゲムシタビンやペメトレキセドのような代謝拮抗剤、ビカルタミドやエンザルタミドのような抗アンドロゲン剤、クロドロネートのようなビスフォスフォネート、ゴセレリンやリュープロレリンのようなGnRHアゴニスト、デガレリクスのようなGnRHアンタゴニスト、アビラテロンのようなCYP17阻害剤、プロゲステロンのような黄体ホルモン製剤、デノスマブのような抗RANKL製剤が挙げられる。
本発明の医薬組成物の薬理的効果は、以下の実施例により確認した。なお、化合物A又はその製薬学的に許容される塩として、以下の実施例では化合物A モノメタンスルホン酸塩(以下、「被験化合物B」と言う。)を使用した。それぞれの実施例において、被験化合物Bの濃度は、化合物A(フリーベース)の濃度に換算して算出した。
実施例1 BMXキナーゼ阻害活性評価
BMXキナーゼ阻害活性についてはBMX QSSA[MSA]Kit(カルナバイオサイエンス)を用いて評価した。
被験化合物Bをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、試験濃度の100倍濃度の溶液を調製した。その溶液をさらに付属のアッセイバッファーにて25倍希釈して被験物質溶液とした。なお、反応にはキットに付属しているBMXキナーゼを用いた。
上記のアッセイバッファーにて調製した5μLの4倍濃度被験物質溶液及び10μLの2倍濃度BMXキナーゼ溶液を384ウェルプレートのウェル内で混合し、室温にて30分間放置した。続いて、5μLの4倍濃度基質ペプチド/ATP/MgCl2溶液を添加し、室温にて1時間反応させた。基質ペプチドは終濃度1μM、ATPは終濃度1mM、MgCl2は終濃度5mMにて使用した。その後、付属のターミネーションバッファー60μLを添加して反応を停止させた。BMXキナーゼ活性は、基質ペプチドピーク高さと生産物(リン酸化基質ペプチド)ピーク高さから求められる生成物の変換率をLabChip EZ Reader II(PerkinElmer)で定量して算出した。
データ解析は、全ての反応コンポーネントを含むコントロールウェルの平均変換率を0%阻害、BMXキナーゼ以外の全ての反応コンポーネントを含むバックグランドウェルの平均変換率を100%阻害とし、被験化合物Bの各試験ウェルの平均変換率から阻害率を計算した。IC50値は被験物質濃度と阻害率によるプロットを基に非線形回帰から求めた。
その結果、被験化合物BはBMXキナーゼ活性を阻害し、IC50値は0.46nMであった。
BMXキナーゼ阻害活性についてはBMX QSSA[MSA]Kit(カルナバイオサイエンス)を用いて評価した。
被験化合物Bをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、試験濃度の100倍濃度の溶液を調製した。その溶液をさらに付属のアッセイバッファーにて25倍希釈して被験物質溶液とした。なお、反応にはキットに付属しているBMXキナーゼを用いた。
上記のアッセイバッファーにて調製した5μLの4倍濃度被験物質溶液及び10μLの2倍濃度BMXキナーゼ溶液を384ウェルプレートのウェル内で混合し、室温にて30分間放置した。続いて、5μLの4倍濃度基質ペプチド/ATP/MgCl2溶液を添加し、室温にて1時間反応させた。基質ペプチドは終濃度1μM、ATPは終濃度1mM、MgCl2は終濃度5mMにて使用した。その後、付属のターミネーションバッファー60μLを添加して反応を停止させた。BMXキナーゼ活性は、基質ペプチドピーク高さと生産物(リン酸化基質ペプチド)ピーク高さから求められる生成物の変換率をLabChip EZ Reader II(PerkinElmer)で定量して算出した。
データ解析は、全ての反応コンポーネントを含むコントロールウェルの平均変換率を0%阻害、BMXキナーゼ以外の全ての反応コンポーネントを含むバックグランドウェルの平均変換率を100%阻害とし、被験化合物Bの各試験ウェルの平均変換率から阻害率を計算した。IC50値は被験物質濃度と阻害率によるプロットを基に非線形回帰から求めた。
その結果、被験化合物BはBMXキナーゼ活性を阻害し、IC50値は0.46nMであった。
実施例2 前立腺癌細胞株PC-3細胞における増殖抑制評価
PC-3細胞は、ヒト前立腺癌由来の細胞株であり、BMXの発現およびBMX依存性が確認されている(Cell Death Dis. 2014;5:e1409)。10%牛血清を含有するD-MEM培地(シグマ)を用いて培養したPC-3細胞(American Type Culture Collection、CRL-1435)を96ウェルプレートに播種した。翌日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて5日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種した日の測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはPC-3細胞の増殖を抑制し、IC50値は800nMであった。
PC-3細胞は、ヒト前立腺癌由来の細胞株であり、BMXの発現およびBMX依存性が確認されている(Cell Death Dis. 2014;5:e1409)。10%牛血清を含有するD-MEM培地(シグマ)を用いて培養したPC-3細胞(American Type Culture Collection、CRL-1435)を96ウェルプレートに播種した。翌日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて5日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種した日の測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはPC-3細胞の増殖を抑制し、IC50値は800nMであった。
実施例3 前立腺癌細胞株DU145細胞における増殖抑制評価
DU145細胞は、ヒト前立腺癌由来の細胞株であり、BMXの発現が確認されている(Cell Death Dis. 2014;5:e1409)。10%牛血清を含有するD-MEM培地(シグマ)を用いて培養したDU145細胞(American Type Culture Collection、HTB-81)を96ウェルプレートに播種した。翌日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて5日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種した日の測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはDU145細胞の増殖を抑制し、IC50値は410nMであった。
DU145細胞は、ヒト前立腺癌由来の細胞株であり、BMXの発現が確認されている(Cell Death Dis. 2014;5:e1409)。10%牛血清を含有するD-MEM培地(シグマ)を用いて培養したDU145細胞(American Type Culture Collection、HTB-81)を96ウェルプレートに播種した。翌日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて5日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種した日の測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはDU145細胞の増殖を抑制し、IC50値は410nMであった。
実施例4 前立腺癌細胞株22Rv1細胞における増殖抑制評価
22Rv1細胞は、ヒト前立腺癌由来の細胞株であり、BMXの発現が確認されている(Oncogene 2006;25:70-78)。10%牛血清を含有するRPMI-1640培地(シグマ)を用いて培養した22Rv1細胞(American Type Culture Collection、CRL-2505)を96ウェルプレートに播種した。翌日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて5日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種した日の測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物Bは22Rv1細胞の増殖を抑制し、IC50値は560nMであった。
22Rv1細胞は、ヒト前立腺癌由来の細胞株であり、BMXの発現が確認されている(Oncogene 2006;25:70-78)。10%牛血清を含有するRPMI-1640培地(シグマ)を用いて培養した22Rv1細胞(American Type Culture Collection、CRL-2505)を96ウェルプレートに播種した。翌日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて5日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種した日の測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物Bは22Rv1細胞の増殖を抑制し、IC50値は560nMであった。
実施例5 膀胱癌細胞株UM-UC-3細胞における増殖抑制評価
UM-UC-3細胞は、ヒト膀胱癌由来の細胞株であり、BMXの発現およびBMX依存性が確認されている(PLoS ONE 2011;6(3):e17778)。10%牛血清を含有するRPMI-1640培地(シグマ)を用いて培養したUM-UC-3細胞(American Type Culture Collection、CRL-1749)を96ウェルプレートに播種した。翌日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて5日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種した日の測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはUM-UC-3細胞の増殖を抑制し、IC50値は560nMであった。
UM-UC-3細胞は、ヒト膀胱癌由来の細胞株であり、BMXの発現およびBMX依存性が確認されている(PLoS ONE 2011;6(3):e17778)。10%牛血清を含有するRPMI-1640培地(シグマ)を用いて培養したUM-UC-3細胞(American Type Culture Collection、CRL-1749)を96ウェルプレートに播種した。翌日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて5日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種した日の測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはUM-UC-3細胞の増殖を抑制し、IC50値は560nMであった。
実施例6 腎細胞癌細胞株OS-RC-2細胞における増殖抑制評価
OS-RC-2細胞は、ヒト腎細胞癌由来の細胞株であり、BMXの発現が確認されている(J. Exp. Clin. Cancer Res. 2014;33:25)。10%牛血清を含有するRPMI-1640培地(シグマ)を用いて培養したOS-RC-2細胞(理研、RCB0735)を96ウェルプレートに播種した。翌日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて3日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種した日の測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはOS-RC-2細胞の増殖を抑制し、IC50値は620nMであった。
OS-RC-2細胞は、ヒト腎細胞癌由来の細胞株であり、BMXの発現が確認されている(J. Exp. Clin. Cancer Res. 2014;33:25)。10%牛血清を含有するRPMI-1640培地(シグマ)を用いて培養したOS-RC-2細胞(理研、RCB0735)を96ウェルプレートに播種した。翌日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて3日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種した日の測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはOS-RC-2細胞の増殖を抑制し、IC50値は620nMであった。
実施例7 PC-3皮下担癌マウスモデルに対する抗腫瘍評価
免疫不全マウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj(nu/nu)、雄、4週齢(日本チャ−ルスリバー))の背部に前立腺癌細胞株PC-3細胞を皮下移植し、PC-3皮下担癌マウスモデルを作製した。腫瘍体積をもとに群分けしたPC-3皮下担癌マウスモデルに対して、0.5%メチルセルロース溶液(コントロール群:10mL/kg/day、QD、po (n=5))、被験化合物B(被験化合物B投与群:100mg/kg/day、QD、po (n=5)、0.5%メチルセルロース懸濁液として)を14日間投与し、腫瘍体積の変化を経時的に測定した。
その結果、コントロール群では、投与開始日に238mm3であった腫瘍体積が、14日後には1162mm3まで増加した。一方、被験化合物B投与群では、投与開始日の腫瘍体積は242mm3であったが、14日後の腫瘍体積は822mm3であった。
免疫不全マウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj(nu/nu)、雄、4週齢(日本チャ−ルスリバー))の背部に前立腺癌細胞株PC-3細胞を皮下移植し、PC-3皮下担癌マウスモデルを作製した。腫瘍体積をもとに群分けしたPC-3皮下担癌マウスモデルに対して、0.5%メチルセルロース溶液(コントロール群:10mL/kg/day、QD、po (n=5))、被験化合物B(被験化合物B投与群:100mg/kg/day、QD、po (n=5)、0.5%メチルセルロース懸濁液として)を14日間投与し、腫瘍体積の変化を経時的に測定した。
その結果、コントロール群では、投与開始日に238mm3であった腫瘍体積が、14日後には1162mm3まで増加した。一方、被験化合物B投与群では、投与開始日の腫瘍体積は242mm3であったが、14日後の腫瘍体積は822mm3であった。
以上の結果から、化合物A又はその製薬学的に許容される塩がBMXキナーゼ活性を阻害することが確認され、BMXに関連するがんの治療用医薬組成物の有効成分として有用であることが示された。また、前立腺癌細胞株であるPC-3細胞、DU145細胞、22Rv1細胞、膀胱癌細胞株であるUM-UC-3細胞、腎細胞癌細胞株であるOS-RC-2細胞の増殖を抑制することが確認され、これらのBMXに関連するがんへの治療効果が確認できた。さらに、前立腺癌細胞株であるPC-3細胞を皮下移植した皮下担癌マウスモデルにおいても、化合物A モノメタンスルホン酸塩を投与した群において、腫瘍の増殖抑制という顕著な抗腫瘍効果が確認できた。
本発明の医薬組成物の有効成分である、化合物A又はその製薬学的に許容される塩は、BMX阻害作用を有し、BMXに関連するがんの治療用医薬組成物、特に前立腺癌、膀胱癌、及び/又は腎細胞癌の治療用医薬組成物の有効成分として使用できる。
Claims (5)
- 5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド又はその製薬学的に許容される塩を含有する、BMXに関連するがんの治療用医薬組成物。
- BMXに関連するがんが、前立腺癌である、請求項1に記載の医薬組成物。
- BMXに関連するがんが、膀胱癌である、請求項1に記載の医薬組成物。
- BMXに関連するがんが、腎細胞癌である、請求項1に記載の医薬組成物。
- 5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド又はその製薬学的に許容される塩が、5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド モノメタンスルホン酸塩である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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