JP4581324B2 - 抗ピリング性編地 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、編地表面の一部が実質的に無撚である紡績糸で構成された、抗ピリング性に優れた編地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スポーツ衣料、介護衣、インナー、アウター、ユニフォームなどほとんどの衣料で、吸水・吸湿性が高く肌触りがよいなどの点から、綿などのセルロース系繊維、レーヨンなどの再生繊維、羊毛などの獣毛繊維を主に使用した種々紡績糸が使用されているのは周知のとおりである。しかし、これら天然繊維、再生繊維を主とした紡績糸を使用した衣料は、繊維の性質上、多量の汗を吸収する際に繊維内部まで汗を取り込むため、水分が蒸散しにくく乾燥に時間がかかり、発汗時のベタツキや汗冷えなどの不快感を生ずるものであった。これらの問題を緩和するために、天然繊維、再生繊維とポリエチレンテレフタレートなどの合成繊維短繊維を混紡することにより、繊維内部に取り込まれる水分を減少させ、発汗時のベタツキや汗冷えなどの不快感をさせる手法が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、特に繊維の拘束力が比較的低い編物の場合、紡績糸を構成している短繊維が、摩擦、洗濯などの物理的外力により毛羽立ち、引き出され、お互いに絡み合い毛玉(ピル)となって衣料表面に残り外観品位を低下させる問題がある。天然繊維、再生繊維のみからなる紡績糸は、短繊維の強度が比較的低く、形成されたピルが摩擦により脱落し、大きな外観品位低下になることは少ないが、ポリエチレンテレフタレートなどの合成繊維短繊維を含む紡績糸は、天然繊維、再生性繊維に比べ、合成繊維短繊維の強度が高く、上述した毛玉が一度形成されると脱落することなく編地表面に残り、著しく外観品位が低下する問題がある。
【0004】
天然繊維、再生繊維とポリエチレンテレフタレートなどの合成繊維短繊維を混紡した紡績糸を使用した編物は、以上のように毛玉発生の問題が大きく、発汗時のベトツキ、汗冷え防止効果は高いものの、安物の衣料に使用されているのが現状である。
【0005】
これらの問題を解決するため、一般的には編地の密度を高くする方法や、合成繊維短繊維を含む紡績糸を中層もしくは裏側(肌側)に使用する方法が取られてきたが、これらの方法でピルの発生が大きく改善されることはなく、さらに、風合いが硬くなる、生地設計が制限されるといった問題があるため、根本的な解決には至っていない。
【0006】
一方、ピルの脱落を促進させるため、ポリエチレングリコールやスルホン酸金属塩を共重合させた改質ポリエステルや、あるいは極限粘度が0.45以下の低重合ポリエステルを用い、合成繊維短繊維の強度を低下させる方法が提案されている。しかしながら、ピルの発生を防止する効果、すなわち抗ピリング性は得られるものの繊維強度が低下するため、紡績工程での生産性低下、さらには最終製品の物性面、例えば破裂強力などで問題が生じることがある。
【0007】
また、ポリエステルにリン酸、ホスホン酸、およびこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも一種のリン化合物を添加し、該素材で構成された織編物を染色加工時の高温熱処理工程において加水分解を生じさせ、繊維を脆くさせる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この技術についても、織編物の強度低下をきたし、用途的に制約を受けるものである。
【0008】
さらには、編物を構成する紡績糸中から短繊維が抜け出し、ピルの形成を助長することを防ぐ目的で、紡績糸のヨリ数を高めに設定する方法、編地の裏面にウレタンなどの樹脂をコーティングする方法が提案されているが、いずれも製品の風合いが低下する問題が残されている。
【0009】
一方、鞘側に低強力短繊維、芯側に高強力短繊維を配した空気紡績糸及びその織編物が提案されているが(例えば、特許文献2参照)、低強力短繊維を含むため、紡績糸および織編物としての強力が低下する上、芯側の高強力短繊維を鞘側の低強力短繊維で完全に被覆する必要があるために鞘側の巻き付き繊維が多くなり、紡績糸が非常に硬く締まった形状になり、織編物の風合いが非常に粗硬になるという大きな欠点がある。
【0010】
以上のように、いずれの方法においても、強力低下による高次加工工程通過性不良、製品物性、風合いの低下問題を含みながら抗ピル性の改善を追求したものであり、これらの問題を解決した抗ピリング性に優れた編物を提供することが長年の課題であった。
【0011】
【特許文献1】
特開昭63−135517号公報
【0012】
【特許文献2】
特開2001−192943号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる背景を鑑み、紡績糸、編地の強度低下がなく、風合いを損なうことなく優れた抗ピリング性が付与された編地を提供せんとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、
(1)実質的に無撚である紡績糸が編地表面の面積中の30%以上を占める編地であり、編地表面を構成している該紡績糸の長さ1mm以上の毛羽数が、糸長10cm当たり60個以下であることを特徴とする編地。
【0015】
(2)JIS L 1076 A法に定められているICI法による抗ピリング性が2.5級以上であることを特徴とする請求項1に記載の編地。
【0016】
(3)実質的に無撚である紡績糸が、合成繊維短繊維を20重量%以上含むことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の編地。
【0017】
(4)実質的に無撚である紡績糸に含まれる合成繊維短繊維が、ポリエステル系、ポリアミド系、およびポリアクリルニトリル系繊維から選ばれる少なくとも一種からなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の編地。
【0018】
(5)合成繊維フィラメント糸条が、該編地の少なくとも裏面の面積中の30%以上を占める編地であり、かつ、該編地表面層の裏面層に対する吸水表裏保水率比が2.0倍以上で、吸水表裏拡散面積比が2.0倍以上である吸水性を有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の編地。
【0019】
(6)該編地が緯編地、または経編地からなることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の編地。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0021】
本発明でいう実質的に無撚である紡績糸とは、撚トルクの作用による撚り戻りの発生量が50個/m以下が好ましく、例えば、3.0回転/inch以下の実撚りがかかっているもの、または無撚状のものであることが好ましい。撚り数が3.0回転/inch以下の場合には、撚りトルクの作用による撚り戻りの発生量が50個/m以下であるので、実質的に無撚構造糸ということができる。ここでいう撚り戻りの発生量は、JIS L 1095(一般紡績糸試験方法)に定められているスナール指数の測定方法に基づき、つかみ間隔を50cmから0cmにした時の撚り戻り数を測定したものである。ただし、糊つけや熱セット等の方法により撚を固定した紡績糸は、撚を固定する前の状態で測定するものとする。
【0022】
実質的に無撚である紡績糸の製造方法として、ローラー方式のドラフト機構を有する空気精紡機が好ましく使用することができる。該空気精紡機は、紡速を変化させることで糸形態を変化させることができ、紡速を280m/分以上にすることにより実質的に無撚である紡績糸を得ることができる。また、紡速は300m/分以上が好ましく、さらには330m/分以上がより好ましい。
【0023】
紡速が370m/分より大きくすると弱糸の発生が多くなり、紡績糸としての強度を保つことが難しくなり好ましくなく、280m/分より小さくすると紡績糸全体が硬く締まった形状となり、衣類にした場合非常にガサついた風合いとなるため好ましくない。
【0024】
本発明の編地に形成する際、合成繊維短繊維を含む実質的に無撚である紡績糸が編地表面の面積中の30%以上、より好ましくは40%以上占めるよう編設計されることが重要である。合成繊維短繊維を含む実質的に無撚である紡績糸の編地表面の面積中の占める割合が30%未満の場合、紡績糸特有のソフトな風合いが得られない上、本発明の要件である吸水性が得にくくなり好ましくない。なお、この合成繊維短繊維を含む実質的に無撚である紡績糸は、一部の繊維により部分的に把持されている形状のため、把持されていない膨らみのある繊維束部分に水分が入り込むことにより高い吸水性能を有している。
【0025】
本発明では、編地表面を構成する紡績糸の糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数が、60個以下であることが重要である。さらには、糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数が40個以下であることがより好ましく、0個のものも含まれる。ここでいう紡績糸の糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数の測定方法は実施例の中で説明する。
【0026】
この糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数が60個よりも多い場合、編地表面の毛羽密度が高くなり、その結果毛羽がお互いに絡みやすくなり、図1に示すとおり抗ピル性を悪化させることになる。
【0027】
本発明の抗ピリング性編地は、JIS L 1076 A法に定められているICI法による抗ピリング性が2.5級以上であることが重要である。該方法による抗ピリング性が2級以下の場合、一般的な合成繊維短繊維を含む紡績糸を使用した編地と、同様に、長期に及ぶ着用によりピルが多く発生し、製品の外観を著しく悪化させるものである。
【0028】
本発明に使用される実質的に無撚である紡績糸には、合成繊維短繊維が20重量%以上、好ましくは30重量%以上含まれるものであり、100重量%のものも含まれる。該紡績糸に含まれる合成繊維短繊維の割合が20重量%未満の場合、本発明の編地の重要な特徴の一つである速乾性が得られなくなる上、多量の発汗時におけるベトツキ感が悪化することになり、本発明には適さない。
【0029】
本発明に使用される合成繊維短繊維は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリルニトリル系繊維の少なくとも一種からなることが好ましい。例えば、ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート繊維などを使用することができる。また、ポリアミド系繊維としては、ナイロン6やナイロン66繊維、さらに、アクリル系繊維としては、ポリアクリロニトリル繊維が好ましく用いられる。これらの合成繊維短繊維であれば特に限定されるものではないが、肌面のベトツキ感をより軽減させるためには、吸湿性を有する合成繊維短繊維より疎水性の合成繊維短繊維がより好ましい。その他、ポリビニールアルコール系繊維、ポリ塩化ビニール系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリフルオロエチレン系繊維、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維などを使用することができる。
【0030】
また、本発明で使用される合成繊維短繊維の繊維横断面形状は、一般的な丸断面形状、三角断面形状、扁平断面形状、多葉断面形状、中空断面形状以外に、繊維表面に長手方向に沿って複数の凹溝を形成している短繊維を使用することができ、横断面形状例として文字もしくは記号などでモデル的に示すとE、F、H、I、K、M、N、O,T、W、X、Y、Z、+などが挙げられ特に限定されるものではない。
【0031】
さらに、合成繊維短繊維の単繊維繊度としては、0.6〜4.4デシテックスの範囲が好ましい。単繊維繊度が0.6デシテックス未満では、前紡工程を含めた紡績工程通過性が悪化し、単繊維繊度が4.4デシテックスより大きくなると、肌触り感が劣る傾向となる上、紡績自体の構成繊維本数が少なくなるため、紡績糸としても強度が極端に低下することになり、好ましくない。
【0032】
一方、合成繊維短繊維以外の実質的に無撚である紡績糸を構成する繊維は、特に限定されるものではないが、植物質繊維である綿、麻、ケナフ、ラミーなど、動物質繊維である羊毛、カシミヤ、モヘア、絹など、再生繊維であるビスコースレーヨン、キュプラなど、半合性繊維であるアセテート、トリアセテート、さらには、合成繊維フィラメントなどが挙げられる。
【0033】
本発明に使用される実質的に無撚である紡績糸の番手は、特に限定されないが、その狙いとする用途と薄地編地類から厚地編地類まで含めると、15〜60綿番手程度までの範囲を好ましく使用することができる。
【0034】
本発明は、上記要件を満たすことにより、編地の風合いを損なうことなく、高い抗ピリング性と吸水・速乾性を併せ持った編地を得ることができる。しかし、競技シャツの様な激しい発汗を伴う用途にはさらなる汗処理性が要求される場合が多く、この要求を満たすために合成繊維フィラメント糸条が、該編地の少なくとも裏面の面積中の30%以上を占めることが重要である。編地裏面における合成繊維フィラメント糸条の占める割合が30%未満の場合、激しい発汗時のベトツキ感が満足されるものではなく、スポーツ競技シャツなどの用途には適さないものとなり、さらなる汗処理性を得るための重要な要件である、編地表面層の裏面層に対する吸水表裏保水率比が2.0倍以上で、吸水表裏拡散面積比が2.0倍以上であることを達成することが困難となる。
【0035】
本発明に使用される合成繊維フィラメント糸条は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリルニトリル系、ポリプロピレン系などの従来から衣料用、資材用に使用されているものであればいずれも使用可能であり、特に限定されるものではないが、肌面のベトツキ感をより軽減させるためには、吸湿性の合成繊維より疎水性の合成繊維がより好ましい。
【0036】
例えば、ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート繊維などを使用することができる。また、ポリアミド系繊維としては、ナイロン6やナイロン66繊維、さらに、ポリアクリロニトリル系繊維としては、アクリル繊維が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
また、合成繊維フィラメント糸条の繊維横断面形状は、一般的な丸断面形状、三角断面形状、扁平断面形状、多葉断面形状、中空断綿形状以外に、繊維表面に長手方向に沿って複数の凹溝を形成しているフィラメントを配置してもよく、横断面形状例として文字もしくは記号などでモデル的に示すとE、F、H、I、K、M、N、O,T、W、X、Y、Z、+などが挙げられ特に限定されるものではない。
【0038】
合成繊維フィラメント糸条の単繊維繊度としては、0.6〜5.5デシテックスの範囲が好ましい。単繊維繊度が0.6デシテックス未満では、肌触りなどは柔らかくなるものの、発汗時の肌面のベトツキ感が増し、さらには速乾性が悪化することになる。一方、単繊維繊度が5.5デシテックスより大きくなると、発汗時のベトツキ感、速乾性には優れるものの、肌触り感が劣る傾向となり好ましくない。
【0039】
これらの合成繊維フィラメント糸条は、延伸糸、捲縮加工糸、あるいは他のフィラメント糸条との混繊糸であっても良いが、好ましくは捲縮加工糸またはその混繊糸を使用するとよい。また、捲縮加工糸としては、特に仮撚加工糸が好ましい。
【0040】
フィラメント糸条の総繊度は、特に限定されないが、その狙いとする用途と薄地編地類から厚地編地類まで含めると、33〜330デシテックス程度までの範囲を好ましく使用することができる。
【0041】
本発明の抗ピリング性編地にさらなる高い吸水・速乾性を付与する場合、該編地表面層の裏面層に対する吸水表裏保水率比が2.0倍以上で、かつ吸水表裏拡散面積比が2.0倍以上である吸水性を有することが重要である。これらの各比率、つまり吸水表裏保水率比および吸水表裏拡散面積比は、好ましくは3.0倍以上、より好ましくは4.0倍以上であるのがよい。かかる比率が2.0倍未満の場合は、肌面で汗のベトツキ感を感じることがあり好ましくなく、20倍より大きい場合は、発汗時の生地表面の濡れ感が増大し、他者との接触時や生地表面を手で触ったとき等に不快感を与えるものであり、好ましいとはいえない。
【0042】
このことにより、激しい運動などで多量に発汗した場合、肌側と接する編地裏面層で吸収した汗を編地表面層へ移動させる吸水・透水性、編地表面層での拡散・蒸散・速乾性のいずれにも優れた性能を兼備することができ、激しい発汗に対してもベトツキ感を軽減し、快適な着用感を得ることができる。
【0043】
このように、編地表面層に実質的に無撚である紡績糸を、裏面層に合成繊維フィラメントを30%以上配置することにより、紡績糸と合成繊維フィラメントの繊維間空隙量の差、つまり編地表面の空隙が編地裏面の空隙より小さくなり、その密度差により毛細管現象を促進させることになる。このような形態にすることにより、激しい発汗にも適した汗処理性を付与することができ、激しい運動等での液体状発汗に対し、好適な衣類や資材等にすることができる。
【0044】
また、狙い用途により、ストレッチ性が要求される場合は、ポリウレタン系弾性繊維に代表される各種のストレッチ性弾性糸とか、ポリエステル系繊維の一種であるポリブチレンテレフタレート系繊維加工糸、あるいは、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維加工糸またはポリエチレンテレフタレートポリマーとポリトリメチレンテレフタレートポリマーとのサイドバイサイド型複合糸を交編させることが好ましい。更に肌面のソフト風合化にも、このポリトメチレンテレフタレート系繊維を交編させることが好ましい。
【0045】
本発明の編地は、特に編組織等には限定されるものではない。例えば、丸編地であれば、シングルジャージ、ダブルジャージ。経編地であれば、シングルトリコット、ダブルトリコット、シングルラッセル、ダブルラッセルを使用することができ、横編地であれば、シングルベットニット、ダブルベットニットを使用することができ、また、タイツ、靴下編地などを使用することができる。
【0046】
また、高い吸水・速乾性が必要な場合は、表面層と裏面層との少なくとも二層からなる多層構造体が好ましく使用されるが、特に編組織などが限定されるものではない。
【0047】
本発明の編地裏面層は平坦面形状で問題ないが、多数の凸部が分散した凹凸面形状にしても構わない。このように裏面層を凹凸形状にすると、衣服にして着用した場合、その凸部が肌面と点接触になるため、液状の汗を発汗してもベトツキ感が無く、かつ編地表面層の密度が密となるのに対し、裏面層の密度が粗になるため、液状の汗が毛細管現象により編地裏面層から表面層へより効率的に移動し、吸水・透水性および表面層での拡散・乾燥性をより向上させることができる。
【0048】
かかる凹凸部の形状はメッシュ状、タテストライプ状、ヨコボーダー状、格子状、ツイル状、杉綾状、ドット状、鹿の子状等幅広く適用でき限定されるものではない。この凹凸状高低差を形成させるには、編組織による方法、太い糸と細い糸の組合せや、あるいは、この両者の組合せなどがあり、特に限定されるものではない。
【0049】
製編における編成条件は、通常糸使いの編成条件に準じればよく、特に特殊条件を取るものではない。
【0050】
製編された生機編地の熱処理、精練や染色などの加工は、通常の編地の加工法に準じて行えばよく、特に特別な設備などは必要ではない。この染色段階での付帯加工として、撥水加工、防汚加工、抗菌加工、消臭加工、防臭加工、難燃加工、吸汗加工、吸湿加工、防カビ加工、紫外線吸収加工、減量加工等。さらに、後加工としてカレンダー加工、エンボス加工、シワ加工、起毛加工、プリント加工、オパール加工など、最終用途の要求特性に応じて適宜付与することが望ましい。
【0051】
特に、吸汗加工を行うことにより、目的とする汗処理性は一層向上することになり好ましい。また、該編地の裏面層を起毛加工することにより、より良い肌触り感と保温性、さらにはより優れた吸水・透水・拡散性を得ることができる。
【0052】
本発明の抗ピリング性編地は、適宜選択することにより、次のように幅広く展開可能である。例えば、衣料用でピリングの発生が問題になることが多い運動着類、肌着類、ホームウエア類、ユニフォームウエア類、アウターウエア類に、資材用ではサポーター類、靴下類などに好ましく使用することができる。また、その他、裏地類、靴材類、手袋類などにも問題なく使用できる。
【0053】
運動着類ならば、ランニングシャツ・パンツ、競技シャツ・パンツ、ゴルフシャツ、テニスシャツ、サイクルシャツ、アウトドアシャツ、ポロシャツ、Tシャツ、野球用アンダーシャツ、トレーニングウエア、スエットシャツ・パンツなど。肌着類ならば、一般婦人用肌着であるスリップ、キャミソール、ペチコート、ショーツ、アンダーパンツ、タイツ、Tシャツ、丸首シャツ、U首シャツ、ボディスーツ、ガードルなどや、一般紳士用肌着であるTシャツ、丸首シャツ、U首シャツ、ランニングシャツ、アンダーパンツ、タイツ、ブリーフ、トランクス等、さらに、また、これらの肌着の転用を含めたアスレチック、アウトドア、スキーなどのスポーツ用肌着、さらには、屋外作業、屋内作業などの作業用肌着など。ホームウエア類ならば、室内着、パジャマ、ネグリジェ、ガウンなど。アウターウエア類ならば、婦人服、紳士服、子供服、作業服など。裏地類ならば、スポーツウエア用、婦人服用、紳士服用、子供服用、礼服用、学生服用、作業服用裏地などに好ましく使用することができる。
【0054】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0055】
実施例、比較例中での品質評価は次の方法によるものである。
(1)紡績糸、または合成繊維フィラメントの編地表面(裏面)占有率
本発明の編地の表面(裏面)を、株式会社キーエンス製「CV−500」画像センサー(0.1画素単位)により2値化し、面積比を計測した。
(2)紡績糸表面における長さ1mm以上の毛羽数
(1)編地表面を構成している紡績糸を、ランダムに5箇所から採取する。
【0056】
(2)リーダープリンター用の枠(5×5cm)に、編地形成ループの捲縮がとれる程度の張力(約0.1g/dtex)をかけ、採取した紡績糸を5本等間隔でセットする。
【0057】
(3)その試料をリーダープリンター「MicroSP 3000」(ミノルタ株式会社製)で倍率10倍にて撮影し、採取した各紡績糸2cmあたりの長さ1mm以上の毛羽数を計測する。
【0058】
(4)各紡績糸(5本)の毛羽数を合計した値を、糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数とする。
(3)抗ピル性試験法(ICI法5時間)
JIS−1076A法に基づいて評価を行った。
【0059】
評価結果は、以下の通り5段階で級判定を行った。また、各級の中間レベルの場合は、3.5(3級と4級の中間レベル)のように表示した。
【0060】
5級:ピリングの発生がほとんどないもの
4級:ピリングの発生が少々あるもの
3級:ピリングの発生がかなりあるもの
2級:ピリングの発生が多いもの
1級:ピリングの発生が著しく多いもの
(4)吸水表裏保水率比
(1)ガラス板上に蒸留水1.0ccを滴下し、その上にサンプルサイズ10cm×10cmの編地の裏面を下に、すなわち蒸留水に接する側にしてのせる。
【0061】
(2)その後、60秒間放置し、別のガラス板上に移動し同一サイズにカットしたろ紙2枚にて、この編地をサンドイッチ状に挟み、5g/cm2 の荷重下で60秒間放置する。
【0062】
(3)その後、もとの編地重量と吸水後の編地重量との差から編地の保水重量および表面と裏面に接した各々のろ紙の含水重量から、編地の表面、裏面の保水率を算出する。
【0063】
(4)上記試験を編地3枚について同様に行い、この値より保水率比(表面の保水率/裏面の保水率)を算出する。
【0064】
保水率比の大小は、汗に見立てた蒸留水の吸収状態を示すものであり、表面の保水率が大きく、かつ、前記保水率比が大きいものは滴下された蒸留水を効率よく表面側に移動するいわゆる透水能力に優れていることを示すものであり、着用時にベタツキ感がより少ないものである。
(5)吸水表裏拡散面積比
(1)ガラス板上に市販のインクを2倍に水で希釈したインク液を0.1cc滴下し、その上に編地の裏面を下に、すなわちインク液に接する側にのせる。
【0065】
(2)その後、60秒間放置し、インク液を吸収させた後、今度は別のガラス板上に移動し、ここでも裏面を下にして3分間放置する。
【0066】
(3)上記試験を編地3枚について同様に行い、このようにして得たサンプル編地の表面、裏面のインク液の拡散面積を測定し、その測定値により面積比(表面の拡散面積/裏面の拡散)を算出する。
【0067】
拡散面積の大小はインク液の吸収状態を示すものであり、表面の拡散面積が大きく、かつ、前記面積比が大きいものは滴下されたインク液を効率よく表面側に移動するいわゆる吸水、透水、拡散能力に優れていることを表すものである。
また、表面側の拡散面積が大きいことは、大気との接触効率が良くなるので乾燥性にも優れていることを示す。
【0068】
本発明において、吸水表裏保水率比と吸水表裏拡散面積比との両値は、それぞれ2.0倍以上であることが好ましいが、必ずしも同一比率である必要は無く、肌側のベタツキ感の軽減には、吸水表裏保水率比の大小がより影響する。一方、速乾性には、吸水表裏拡散面積比の大小がより影響する。
(6)実着用評価および総合評価
Tシャツに縫製したサンプルを被験者10名に与え、3ヶ月間着用と洗濯を繰り返し、着用時の肌触り、汗処理性、ピリングの発生をそれぞれ4段階(非常に優れている:5点、優れている:4点、どちらとも言えない:3点、悪い:1点)で官能評価を行った。その10人の合計点が40点以上を◎、30〜39点を○、20〜29点を△、19点以下を×とした。
また、総合評価は、実着用評価の各項目の合計点により判定し、121点以上を◎、101〜120点を○、81〜100点を△、80点以下を×とした。
【0069】
比較例5
東レ(株)製ポリエステル原綿(1.45dtex×38mm)を通常の前紡工程を通過させることにより、混率がポリエステル100%、太さが4.0g/mのスライバーを作成した。このスライバーをローラー方式のドラフト機構を有する空気精紡機に仕掛け、ドラフト率を225倍、紡速を350m/minに設定して綿番手30’Sの無撚紡績糸を得た。なお、用いた空気精紡機の糸形成部は中空のエアーノズルを有し、エアーノズル内の空気流により短繊維が結束し、無撚の紡績糸を形成する機構となっている。
【0070】
この無撚紡績糸を用いて、28Gシングル丸編機で天竺編地を編成した。この編地を通常のT(ポリエステル)100%の編地の染色加工方法に準じ、リラックス・精練、染色、乾燥、仕上げセットを行った結果、目付が145g/m2の編地を得た。
【0071】
この編地の無撚紡績糸が表面を占める割合は100%、使用されている無撚紡績糸の糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数は14個、抗ピリング性は4.5級、吸水表裏保水率比が0.9、吸水表裏拡散面積比が1.8であった。
【0072】
この編地を使用してジョギングシャツを縫製し、ジョギングを行い実着用評価を行った結果、肌触り、汗処理性に優れ、着用試験を繰り返してもピルが発生しなかった。結果を表1に示す。
【0073】
比較例6
東レ(株)製ポリエステル原綿(1.45dtex×38mm)とインド綿を通常の前紡工程を通過させることにより、混率がポリエステル20%、綿80%、太さが4.0g/mのスライバーを作成した。このスライバーを比較例5で使用した空気精紡機に仕掛け、ドラフト率を225倍、紡速350m/minに設定して綿番手30’Sの無撚紡績糸を得た。
【0074】
この無撚紡績糸を用いて、22Gダブル丸編機でスムース編地を編成した。この編地を通常のT(ポリエステル)/C(綿)編地の染色加工方法に準じ、リラックス・精練、染色、乾燥、仕上げセットを行った結果、目付が221g/m2の編地を得た。
【0075】
この編地の無撚紡績糸が表面を占める割合は100%、使用されている無撚紡績糸の糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数は37個、抗ピリング性は3級、吸水表裏保水率比が1.3、吸水表裏拡散面積比が2.1であった。
【0076】
この編地を使用してジョギングシャツを縫製し、ジョギングを行い実着用評価を行った結果、肌触り、汗処理性に優れ、着用試験を繰り返してもピルがほとんど発生しなかった。結果を表1に示す。
【0077】
実施例1
比較例5で使用した無撚紡績糸を図2における給糸No.F2,F8に、167デシテックス48フィラメントの東レ(株)製異形断面ポリエステルフィラメント加工糸(“セオ”α(登録商標))を図2における給糸No.F4,F6、F10,F12に、84デシテックス72フィラメントの東レ(株)製ポリエステルフィラメント加工糸(“テトロン”(登録商標))を図2における給糸No.F1,F3、F5,F7、F,9F11に給糸し、22Gダブル丸編機で表面に無撚紡績糸と異形断面ポリエステルフィラメント加工糸(“セオ”α(登録商標))を1:2に、裏面にポリエステルフィラメント加工糸(“テトロン”(登録商標))を配したリバーシブル(裏メッシュ)編地を編成した。この編地を通常のT(ポリエステル)100%の編地の染色加工方法に準じ、リラックス・精練、染色、乾燥、仕上げセットを行った結果、目付が199g/m2の編地を得た。
【0078】
この編地の無撚紡績糸が表面を占める割合は34%、ポリエステルフィラメントが裏面を占める割合は94%、使用されている無撚紡績糸の糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数は16個、抗ピリング性は4級、吸水表裏保水率比が3.7、吸水表裏拡散面積比が4.9であった。
【0079】
この編地を使用してジョギングシャツを縫製し、ジョギングを行い実着用評価を行った結果、肌触り、汗処理性に優れ、着用試験を繰り返してもピルが発生しなかった。結果を表1に示す。
【0080】
比較例1
東レ(株)製ポリエステル原綿(1.45dtex×38mm)を用い、通常の前紡工程を通過させることにより、混率がポリエステル100%、太さが0.6g/mの粗糸を作成し、リング精紡機に仕掛け、ドラフト率を33.4倍、撚係数を3.5に設定し、綿番手30’Sの撚の入った一般的なリング紡績糸を得た。
【0081】
このリング紡績糸を用いて、比較例5と同様に天竺編地作成した結果、目付が142g/m2の編地を得た。
【0082】
使用されている紡績糸の糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数は68個、抗ピリング性は1.5級、吸水表裏保水率比が0.7、吸水表裏拡散面積比が1.4であった。
【0083】
この編地を使用してジョギングシャツを縫製し、ジョギングを行い実着用評価を行った結果、肌触りは優れるものの、発汗時の汗処理性がやや劣り、着用試験を繰り返すとピルが多く発生し、ジョギングシャツとして適していないものであった。結果を表1に示す。
【0084】
比較例2
東レ(株)製ポリエステル原綿(1.45dtex×38mm)とインド綿を通常の前紡工程を通過させることにより、混率がポリエステル20%、綿80%、太さが0.6g/mの粗糸を作成し、リング精紡機に仕掛け、ドラフト率を33.4倍、撚係数を3.5に設定し、綿番手30’Sの撚の入った一般的なリング紡績糸を得た。
【0085】
このリング紡績糸を用いて、22Gダブル丸編機でスムース編地を編成し、通常のT(ポリエステル)/C(綿)編地の染色加工方法に準じ、リラックス・精練、染色、乾燥、仕上げセットを行った結果、目付が228g/m2の編地を得た。
【0086】
使用されている紡績糸の糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数は89個、抗ピリング性は1級、吸水表裏保水率比が0.8、吸水表裏拡散面積比が1.7であった。
【0087】
この編地を使用してジョギングシャツを縫製し、ジョギングを行い実着用評価を行った結果、肌触りは優れるものの、発汗時の汗処理性がやや劣り、着用試験を繰り返すとピルが多く発生し、ジョギングシャツとして適していないものであった。結果を表1に示す。
【0088】
比較例3
比較例5と同様の混率がポリエステル100%、太さが4.0g/mのスライバーを作成し、このスライバーをローラー方式のドラフト機構を有する空気精紡機に仕掛け、ドラフト率を225倍、紡速を250m/minに設定して綿番手30’Sの紡績糸を得た。この紡績糸の撚り戻りの発生量は58個/mで、実質的に無撚であるといえるものでなかった。
【0089】
この紡績糸を用いて比較例5と同様に天竺編地を編成した結果、目付が149g/m2の編地を得た。
【0090】
この編地は、使用されている紡績糸が硬く締まった形状をしているため、糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数は7個、抗ピリング性は4.5級と抗ピリング性については非常に優れるものの、非常に風合いが硬く、また、吸水表裏保水率比が0.6、吸水表裏拡散面積比が0.8と吸水性も劣るものであった。
【0091】
この編地を使用してジョギングシャツを縫製し、ジョギングを行い実着用評価を行った結果、肌触りは非常に硬く、発汗時の汗処理性が劣り、ジョギングシャツに限らず衣料品として適していないものであった。結果を表1に示す。
【0092】
比較例4
実施例1で使用した167デシテックス48フィラメントの異形断面ポリエステルフィラメント加工糸を図2における偶数No.の給糸口に、比較例5で使用したポリエステル100%無撚紡績糸を図2における奇数No.の給糸口に給糸し 、22Gダブル丸編機で、表面に異形断面ポリエステルフィラメント加工糸、裏面に無撚紡績糸を配したリバーシブル(裏メッシュ)編地を編成した。この編地を通常のT(ポリエステル)100%の編地の染色加工方法に準じ、リラックス・精練、染色、乾燥、仕上げセットを行った結果、目付が219g/m2の編地を得た。
【0093】
この編地の無撚紡績糸が表面を占める割合は11%、ポリエステルフィラメントが裏面を占める割合は5%、抗ピリング性は4.5級、吸水表裏保水率比が1.5、吸水表裏拡散面積比が1.3であった。
【0094】
この編地を使用してジョギングシャツを縫製し、ジョギングを行い実着用評価を行った結果、肌触りはよいものの、発汗時の汗処理性がやや劣り、ジョギングシャツに限らず衣料品として適していないものであった。結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
【発明の効果】
本発明の、実質的に無撚である紡績糸が編地表面の面積中の30%以上を占め、編地表面を構成している該紡績糸の長さ1mm以上の毛羽数が、糸長10cm当たり60個以下であることを特徴とする抗ピリング性編地は、優れた抗ピリング性のみでなく、柔らかな風合いと吸水・速乾性を併せ持ち、各種の衣料、衣料資材などの用途に好ましく用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】毛羽数と抗ピル性の関係を示したグラフである(ポリエステル100%、30’S天竺編地で測定)。
【図2】比較例1、5の編地の編方図である。
【符号の説明】
F1〜F12:編機の給糸口NO
D1〜D5:ダイヤル側編針
C1〜C6:シリンダー側編針
イ:編地裏面側構成糸
ロ:編地表面側構成糸
Claims (4)
- JIS L 1095(一般紡績糸試験方法)に定められているスナール指数の測定方法に基づき、つかみ間隔を50cmから0cmにした時の撚り戻り数が50個/m以下である、実質的に無撚の紡績糸が編地表面層の面積中の30%以上を占め、合成繊維フィラメント糸条が編地裏面層の面積中の30%以上を占め、編地裏面層がメッシュ状、タテストライプ状、ヨコボーダー状、格子状、ツイル状、杉綾状、ドット状、鹿の子状から選ばれる凹凸部の形状である編地であり、編地表面層を構成している該紡績糸の長さ1mm以上の毛羽数が、糸長10cm当たり60個以下であり、該編地表面層の裏面層に対する吸水表裏保水率比が2.0倍以上20倍以下で、吸水表裏拡散面積比が2.0倍以上20倍以下である吸水性を有することを特徴とする編地。
- JIS L 1076 A法に定められているICI法による抗ピリング性が2.5級以上、4.5級未満であることを特徴とする請求項1に記載の編地。
- JIS L 1095(一般紡績糸試験方法)に定められているスナール指数の測定方法に基づき、つかみ間隔を50cmから0cmにした時の撚り戻り数が50個/m以下である、実質的に無撚である紡績糸が、合成繊維短繊維を20重量%以上含むことを特徴とする請求項1または2に記載の編地。
- JIS L 1095(一般紡績糸試験方法)に定められているスナール指数の測定方法に基づき、つかみ間隔を50cmから0cmにした時の撚り戻り数が50個/m以下である、実質的に無撚である紡績糸に含まれる合成繊維短繊維が、ポリエステル系、ポリアミド系、およびポリアクリルニトリル系繊維から選ばれる少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の編地。
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