JP2002339199A - 抗ピリング性多層構造編地の製造方法 - Google Patents
抗ピリング性多層構造編地の製造方法Info
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 水分の拡散性や速乾性に優れていて、発汗時
にも着心地がよく、ウォーム感があって抗ピリング性に
優れた多層構造編地の製造方法を提供する。 【解決手段】 リン酸を０．５〜１．５モル%共重合し
た共重合ポリエステルからなる抗ピル性ポリエステル紡
績糸と、該抗ピル性ポリエステル紡績糸を構成する単繊
維よりも単繊維繊度の大きい疎水性合成繊維糸とを用
い、編地の表面層における抗ピル性ポリエステル紡績糸
の編ループの割合を５０％以上とし、編地の裏面層にお
ける疎水性合成繊維糸の編ループの割合を５０％以上と
して多層構造に製編し、得られた編地に１３０℃以上の
温度で３０分以上湿潤熱処理を施す。
にも着心地がよく、ウォーム感があって抗ピリング性に
優れた多層構造編地の製造方法を提供する。 【解決手段】 リン酸を０．５〜１．５モル%共重合し
た共重合ポリエステルからなる抗ピル性ポリエステル紡
績糸と、該抗ピル性ポリエステル紡績糸を構成する単繊
維よりも単繊維繊度の大きい疎水性合成繊維糸とを用
い、編地の表面層における抗ピル性ポリエステル紡績糸
の編ループの割合を５０％以上とし、編地の裏面層にお
ける疎水性合成繊維糸の編ループの割合を５０％以上と
して多層構造に製編し、得られた編地に１３０℃以上の
温度で３０分以上湿潤熱処理を施す。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分の拡散性と速
乾性に優れ、抗ピリング性に優れた多層構造編地の製造
方法に関するものである。
乾性に優れ、抗ピリング性に優れた多層構造編地の製造
方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】多量の汗をかいた時、特にスポーツをし
た後等に汗の拡散・乾燥が不充分なために生地が濡れて
べとつき不快感や冷え感を覚えることがある。この対策
として生地の表面側の吸水性と肌に接する裏面側の吸水
性に差をつけて、肌面で吸い取った汗を表面側に移行さ
せて肌面に汗が滞留するのを防止することが提案されて
いる。この吸水性の差を利用する代表的な方法が、生地
の表面側に綿やレーヨン等のセルロース系繊維を用い、
裏面側に吸水性の小さい合成繊維を用いる方法である。
しかしこの方法では、表面のセルロース系繊維の保水性
がよいために乾燥性が不充分であった。
た後等に汗の拡散・乾燥が不充分なために生地が濡れて
べとつき不快感や冷え感を覚えることがある。この対策
として生地の表面側の吸水性と肌に接する裏面側の吸水
性に差をつけて、肌面で吸い取った汗を表面側に移行さ
せて肌面に汗が滞留するのを防止することが提案されて
いる。この吸水性の差を利用する代表的な方法が、生地
の表面側に綿やレーヨン等のセルロース系繊維を用い、
裏面側に吸水性の小さい合成繊維を用いる方法である。
しかしこの方法では、表面のセルロース系繊維の保水性
がよいために乾燥性が不充分であった。
【０００３】この乾燥性の点を改善するために表裏両面
共に吸湿性の小さい合成繊維を用いることが提案され、
表裏に用いる繊維の単繊維間に繊度差を設けて表面側の
保水性を良くして水分の移行性を向上させる方法、単繊
維の断面形状を特殊断面として表面積を大きくし、毛細
管現象による水分の移行性を向上させる方法等が提案さ
れている。生地の表面に合成繊維を用いる場合、合成繊
維の長繊維糸を用いると表面が平滑でウォーム感がない
ために紡績糸を用いる場合が多い。生地の表面に合成繊
維の紡績糸を用いる場合に実用上問題になるのが、着用
時や洗濯時の摩擦によって毛玉（ピリング）が発生しや
すいことである。この毛玉の発生を防止する抗ピリング
対策として、染色仕上加工工程の中に毛焼工程や減量工
程を組み込むことが行われているが、抗ピリング対策と
しては不充分である。出来た毛玉が脱落しやすいように
単繊維の強度の低い繊維を紡績して用いることも行なわ
れているが、紡績工程や製布工程における糸切れの多発
などによる品質の低下の点で難点のある方法であった。
共に吸湿性の小さい合成繊維を用いることが提案され、
表裏に用いる繊維の単繊維間に繊度差を設けて表面側の
保水性を良くして水分の移行性を向上させる方法、単繊
維の断面形状を特殊断面として表面積を大きくし、毛細
管現象による水分の移行性を向上させる方法等が提案さ
れている。生地の表面に合成繊維を用いる場合、合成繊
維の長繊維糸を用いると表面が平滑でウォーム感がない
ために紡績糸を用いる場合が多い。生地の表面に合成繊
維の紡績糸を用いる場合に実用上問題になるのが、着用
時や洗濯時の摩擦によって毛玉（ピリング）が発生しや
すいことである。この毛玉の発生を防止する抗ピリング
対策として、染色仕上加工工程の中に毛焼工程や減量工
程を組み込むことが行われているが、抗ピリング対策と
しては不充分である。出来た毛玉が脱落しやすいように
単繊維の強度の低い繊維を紡績して用いることも行なわ
れているが、紡績工程や製布工程における糸切れの多発
などによる品質の低下の点で難点のある方法であった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の現状
に鑑みて行われたものであり、水分の拡散性や速乾性に
優れていて、発汗時にも着心地がよく、ウォーム感があ
って抗ピリング性に優れた多層構造編地の製造方法を提
供することを目的とするものである。
に鑑みて行われたものであり、水分の拡散性や速乾性に
優れていて、発汗時にも着心地がよく、ウォーム感があ
って抗ピリング性に優れた多層構造編地の製造方法を提
供することを目的とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するものであり、酸成分としてリン酸を０．５〜
１．５モル%共重合した共重合ポリエステルからなる抗
ピル性ポリエステル紡績糸と、該抗ピル性ポリエステル
紡績糸を構成する単繊維よりも単繊維繊度の大きい疎水
性合成繊維糸とを用い、編地の表面層における抗ピル性
ポリエステル紡績糸の編ループの割合を５０％以上と
し、編地の裏面層における疎水性合成繊維糸の編ループ
の割合を５０％以上として多層構造に製編し、得られた
編地に１３０℃以上の温度で３０分以上湿潤熱処理を施
すことを特徴とする抗ピリング性多層構造編地の製造方
法を要旨とするものである。
達成するものであり、酸成分としてリン酸を０．５〜
１．５モル%共重合した共重合ポリエステルからなる抗
ピル性ポリエステル紡績糸と、該抗ピル性ポリエステル
紡績糸を構成する単繊維よりも単繊維繊度の大きい疎水
性合成繊維糸とを用い、編地の表面層における抗ピル性
ポリエステル紡績糸の編ループの割合を５０％以上と
し、編地の裏面層における疎水性合成繊維糸の編ループ
の割合を５０％以上として多層構造に製編し、得られた
編地に１３０℃以上の温度で３０分以上湿潤熱処理を施
すことを特徴とする抗ピリング性多層構造編地の製造方
法を要旨とするものである。
【０００６】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、編地を構成する糸条として酸成分としてリ
ン酸を０．５〜１．５モル%共重合した共重合ポリエス
テルからなる抗ピル性ポリエステル紡績糸と、該抗ピル
性ポリエステル紡績糸を構成する単繊維よりも単繊維繊
度の大きい疎水性合成繊維糸とを用いる。本発明に用い
る抗ピリング性ポリエステル紡績糸は、酸成分としてリ
ン酸を０．５〜１．５モル%共重合した共重合ポリエス
テルからなる短繊維を通常の紡績工程により紡績して得
られる。この共重合ポリエステルは、平均重合度10以下
のポリエステルオリゴマーに、リン酸のグリコール溶液
を添加し、エステル交換反応を行なわせて得たポリエス
テルであり、リン酸を１〜１０重量%含有するリン酸の
グリコール溶液として添加し、リン酸の含有量がポリエ
ステルの酸成分に対して、０．５〜１．５モル%となる
ようにする。リン酸の含有量が０．５モル％未満では後
工程で湿熱処理を行っても、抗ピリング性に優れた繊維
とならず、一方１．５モル%を超えるとポリマーが3次元
化して、ポリエステルの強伸度等の糸質性能を損なって
しまう。この紡績糸を構成する繊維は、重合度が８０〜
１００のポリエステルからなり、強度が２．６〜４．４
ｃN／ｄｔｅｘ、伸度が２０〜４５%であり、１３０〜１
４５℃で１０〜９０分の湿熱処理を行なった後には、高
圧の湿潤状態で加水分解を起こして重合度が４０〜６０
に低下し、強度が２．３〜２．４４ｃN／ｄｔｅｘに低
下する繊維であるのが好ましい。
本発明では、編地を構成する糸条として酸成分としてリ
ン酸を０．５〜１．５モル%共重合した共重合ポリエス
テルからなる抗ピル性ポリエステル紡績糸と、該抗ピル
性ポリエステル紡績糸を構成する単繊維よりも単繊維繊
度の大きい疎水性合成繊維糸とを用いる。本発明に用い
る抗ピリング性ポリエステル紡績糸は、酸成分としてリ
ン酸を０．５〜１．５モル%共重合した共重合ポリエス
テルからなる短繊維を通常の紡績工程により紡績して得
られる。この共重合ポリエステルは、平均重合度10以下
のポリエステルオリゴマーに、リン酸のグリコール溶液
を添加し、エステル交換反応を行なわせて得たポリエス
テルであり、リン酸を１〜１０重量%含有するリン酸の
グリコール溶液として添加し、リン酸の含有量がポリエ
ステルの酸成分に対して、０．５〜１．５モル%となる
ようにする。リン酸の含有量が０．５モル％未満では後
工程で湿熱処理を行っても、抗ピリング性に優れた繊維
とならず、一方１．５モル%を超えるとポリマーが3次元
化して、ポリエステルの強伸度等の糸質性能を損なって
しまう。この紡績糸を構成する繊維は、重合度が８０〜
１００のポリエステルからなり、強度が２．６〜４．４
ｃN／ｄｔｅｘ、伸度が２０〜４５%であり、１３０〜１
４５℃で１０〜９０分の湿熱処理を行なった後には、高
圧の湿潤状態で加水分解を起こして重合度が４０〜６０
に低下し、強度が２．３〜２．４４ｃN／ｄｔｅｘに低
下する繊維であるのが好ましい。
【０００７】本発明で用いる今一つの糸条は、上記の該
抗ピル性ポリエステル紡績糸を構成する単繊維よりも単
繊維繊度の大きい疎水性合成繊維糸である。疎水性合成
繊維としては、ポリエステルと吸湿性が同等か、ポリエ
ステルより小さい合成繊維であるのが好ましく、ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ
る。該疎水性合成繊維の単繊維の繊度を上記の抗ピル性
ポリエステル紡績糸を構成する単繊維の繊度より大きく
するのは、後述のように疎水性合成繊維糸を主として編
地の裏面側に用いて、表面側との単繊維繊度差により水
分移行を行なわせるためである。具体的には該抗ピル性
ポリエステル紡績糸を構成する単繊維繊度を０．５〜
２．５デシテックスとし、疎水性合成繊維糸を構成する
単繊維繊度を１〜３デシテックスとして、繊度差を０．
５デシテックス以上とするのが好ましい。本発明で用い
る疎水性合成繊維糸は、上記のような合成繊維の紡績糸
であっても長繊維糸であってもよいが、長繊維糸である
のが好ましい。長繊維糸の場合、フラットヤーンのまま
用いても、仮撚加工のような捲縮加工が施された捲縮加
工糸であってもよいが、空気層を多く持たせることがで
き、軽量感も持たせることができる点から捲縮加工糸で
あるのが好ましい。また、疎水性合成繊維糸を構成する
単繊維は、断面形状が通常の丸断面であるよりも、表面
積の大きくなる三葉〜六葉形、Ｗ字形、Ｃ字形、Ｌ字形
等の異形断面形状であるのが好ましい。
抗ピル性ポリエステル紡績糸を構成する単繊維よりも単
繊維繊度の大きい疎水性合成繊維糸である。疎水性合成
繊維としては、ポリエステルと吸湿性が同等か、ポリエ
ステルより小さい合成繊維であるのが好ましく、ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ
る。該疎水性合成繊維の単繊維の繊度を上記の抗ピル性
ポリエステル紡績糸を構成する単繊維の繊度より大きく
するのは、後述のように疎水性合成繊維糸を主として編
地の裏面側に用いて、表面側との単繊維繊度差により水
分移行を行なわせるためである。具体的には該抗ピル性
ポリエステル紡績糸を構成する単繊維繊度を０．５〜
２．５デシテックスとし、疎水性合成繊維糸を構成する
単繊維繊度を１〜３デシテックスとして、繊度差を０．
５デシテックス以上とするのが好ましい。本発明で用い
る疎水性合成繊維糸は、上記のような合成繊維の紡績糸
であっても長繊維糸であってもよいが、長繊維糸である
のが好ましい。長繊維糸の場合、フラットヤーンのまま
用いても、仮撚加工のような捲縮加工が施された捲縮加
工糸であってもよいが、空気層を多く持たせることがで
き、軽量感も持たせることができる点から捲縮加工糸で
あるのが好ましい。また、疎水性合成繊維糸を構成する
単繊維は、断面形状が通常の丸断面であるよりも、表面
積の大きくなる三葉〜六葉形、Ｗ字形、Ｃ字形、Ｌ字形
等の異形断面形状であるのが好ましい。
【０００８】本発明における多層構造編地は、2層、3層
あるいはそれ以上の層構造をしている編地であり、2層
構造以上の層構造編地布帛であればどのような層構造の
編地であっても構わない。さらに、本発明の多層構造編
地は、表面、中間層、裏面の各層それぞれが完全に分離
・独立している必要はなく、見掛け上、層構造になって
いる状態でも良く、各層を構成する繊維が隣接する層を
構成する繊維と部分的に混ざっていても、また多少逆転
していても構わない。具体的には、２列針床を有するダ
ブル丸編機、ダブルトリコット編機、ダブルラッセル編
機等を用いて編成される編地であればよい。
あるいはそれ以上の層構造をしている編地であり、2層
構造以上の層構造編地布帛であればどのような層構造の
編地であっても構わない。さらに、本発明の多層構造編
地は、表面、中間層、裏面の各層それぞれが完全に分離
・独立している必要はなく、見掛け上、層構造になって
いる状態でも良く、各層を構成する繊維が隣接する層を
構成する繊維と部分的に混ざっていても、また多少逆転
していても構わない。具体的には、２列針床を有するダ
ブル丸編機、ダブルトリコット編機、ダブルラッセル編
機等を用いて編成される編地であればよい。
【０００９】また本発明においては、編地の表面層にお
ける抗ピル性ポリエステル紡績糸の編ループの割合を５
０％以上とし、編地の裏面層における疎水性合成繊維糸
の編ループの割合を５０％以上として編成する。すなわ
ち、編地の表面層は構成単繊維繊度の小さい糸条を主体
として編成し、編地の裏面層は、構成単繊維繊度の大き
い糸条を主体として編成して、水分の表面層への移行を
促進させ、かつ表面層の抗ピリング性を向上させるよう
にする。もちろん表面層の全ての編ループを抗ピル性ポ
リエステル紡績糸で形成し、裏面層の全ての編ループを
抗ピル性ポリエステル紡績糸で形成してのよい。
ける抗ピル性ポリエステル紡績糸の編ループの割合を５
０％以上とし、編地の裏面層における疎水性合成繊維糸
の編ループの割合を５０％以上として編成する。すなわ
ち、編地の表面層は構成単繊維繊度の小さい糸条を主体
として編成し、編地の裏面層は、構成単繊維繊度の大き
い糸条を主体として編成して、水分の表面層への移行を
促進させ、かつ表面層の抗ピリング性を向上させるよう
にする。もちろん表面層の全ての編ループを抗ピル性ポ
リエステル紡績糸で形成し、裏面層の全ての編ループを
抗ピル性ポリエステル紡績糸で形成してのよい。
【００１０】本発明においては、上記の多層構造編地に
１３０℃以上の温度で３０分以上湿潤熱処理を施す。こ
のような湿潤熱処理を施すのは、リン酸を共重合したポ
リエステルを部分的に加水分解させて、紡績糸に抗ピリ
ング性を付与するためであり、処理温度を１３０〜１４
５℃、処理時間を３０〜９０分間とするのが好ましい。
本発明において、上記の湿潤熱処理の前後に通常の染色
仕上加工で行なわれる精練、染色、仕上剤付与、仕上セ
ット等の工程を必要に応じて行なってよいのは、当然で
ある。また、編地の表面側にポリエステル系樹脂等の吸
水剤を付与すると本発明の効果をより発揮できるように
なる。
１３０℃以上の温度で３０分以上湿潤熱処理を施す。こ
のような湿潤熱処理を施すのは、リン酸を共重合したポ
リエステルを部分的に加水分解させて、紡績糸に抗ピリ
ング性を付与するためであり、処理温度を１３０〜１４
５℃、処理時間を３０〜９０分間とするのが好ましい。
本発明において、上記の湿潤熱処理の前後に通常の染色
仕上加工で行なわれる精練、染色、仕上剤付与、仕上セ
ット等の工程を必要に応じて行なってよいのは、当然で
ある。また、編地の表面側にポリエステル系樹脂等の吸
水剤を付与すると本発明の効果をより発揮できるように
なる。
【００１１】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。実施例における評価は、次ぎの方法により行った。 （１）抗ヒ゜リンク゛性 ＪＩＳ Ｌ１０７６のＡ法（ＩＣＩ法）にて５時間処理
後の状態を級判定した。 （２）水分率 ＪＩＳ Ｌ１０１８の遠心脱水法により測定した。 （３）洗濯収縮率 ＪＩＳ Ｌ０２１７の１０３法による洗濯時の収縮を測
定した。
る。実施例における評価は、次ぎの方法により行った。 （１）抗ヒ゜リンク゛性 ＪＩＳ Ｌ１０７６のＡ法（ＩＣＩ法）にて５時間処理
後の状態を級判定した。 （２）水分率 ＪＩＳ Ｌ１０１８の遠心脱水法により測定した。 （３）洗濯収縮率 ＪＩＳ Ｌ０２１７の１０３法による洗濯時の収縮を測
定した。
【００１２】実施例１ リン酸を１．３モル％共重合した共重合ポリエステルを
溶融紡糸して得た繊度１．３デシテックス、繊維長３８
mmの短繊維を使用して通常のリング紡績によって綿番手
３０番手の抗ピリング性紡績糸と１６５デシテックス４
８フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を用い、２０
ゲージ、釜径３０吋の両面編機にて、図１の編成組織に
て、給糸口Ｆ１とＦ３に抗ピリング性紡績糸を、給糸口
Ｆ２とＦ４にポリエステル仮撚加工糸を給糸して、防汚
性ポリエステル長繊維糸の仮撚加工糸の編地全体に対す
る交編率が６０％、抗ピリング性紡績糸の表面の編ルー
プに占める割合１００％、ポリエステル仮撚加工糸の裏
面の編ループに占める割合１００％で、目付が３００ｇ
／ｍ2である編地を編成し、この編地を精練の後、液流
染色機にて１４０℃×３０分の湿潤熱処理を行ない、目
付３２０ｇ／ｍ2の本発明による抗ピリング性多層構造
編地を得た。
溶融紡糸して得た繊度１．３デシテックス、繊維長３８
mmの短繊維を使用して通常のリング紡績によって綿番手
３０番手の抗ピリング性紡績糸と１６５デシテックス４
８フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を用い、２０
ゲージ、釜径３０吋の両面編機にて、図１の編成組織に
て、給糸口Ｆ１とＦ３に抗ピリング性紡績糸を、給糸口
Ｆ２とＦ４にポリエステル仮撚加工糸を給糸して、防汚
性ポリエステル長繊維糸の仮撚加工糸の編地全体に対す
る交編率が６０％、抗ピリング性紡績糸の表面の編ルー
プに占める割合１００％、ポリエステル仮撚加工糸の裏
面の編ループに占める割合１００％で、目付が３００ｇ
／ｍ2である編地を編成し、この編地を精練の後、液流
染色機にて１４０℃×３０分の湿潤熱処理を行ない、目
付３２０ｇ／ｍ2の本発明による抗ピリング性多層構造
編地を得た。
【００１３】比較例１ 実施例１において、リン酸を１．３モル％共重合した共
重合ポリエステルをからなる抗ピリング性紡績糸に替え
て、ポリエチレンテレフタレートからなる繊度１．３デ
シテックス、繊維長３８mmの短繊維を使用して通常のリ
ング紡績によって綿番手３０番手のポリエステル紡績糸
を用いること以外は実施例１と同様の方法で比較例１の
多層構造編地を得た。
重合ポリエステルをからなる抗ピリング性紡績糸に替え
て、ポリエチレンテレフタレートからなる繊度１．３デ
シテックス、繊維長３８mmの短繊維を使用して通常のリ
ング紡績によって綿番手３０番手のポリエステル紡績糸
を用いること以外は実施例１と同様の方法で比較例１の
多層構造編地を得た。
【００１４】比較例2 実施例１において、リン酸を１．３モル％共重合した共
重合ポリエステルをからなる抗ピリング性紡績糸に替え
て、繊度１．３デシテックス、繊維長４４mmのレーヨン
短繊維を使用して通常のリング紡績によって綿番手３０
番手のレーヨン紡績糸を用いること以外は実施例１と同
様の方法で比較例２の多層構造編地を得た。得られた実
施例１及び比較例１〜２の評価結果を併せて表1に示す。
重合ポリエステルをからなる抗ピリング性紡績糸に替え
て、繊度１．３デシテックス、繊維長４４mmのレーヨン
短繊維を使用して通常のリング紡績によって綿番手３０
番手のレーヨン紡績糸を用いること以外は実施例１と同
様の方法で比較例２の多層構造編地を得た。得られた実
施例１及び比較例１〜２の評価結果を併せて表1に示す。
【００１５】
【表１】
【００１６】表１から明らかなごとく、本発明による実
施例１は、抗ピリング性に優れ、風合い面も優れてい
た。レギュラーのポリエステル繊維を用いた比較例１
は、防汚性と抗ピリング性の点で劣るものであり、表側
の糸条としてレーヨン繊維を用いた比較例２は、抗ピリ
ング性と保水性の点ではまずまずであるが、洗濯収縮の
点に難点のあるものであった。
施例１は、抗ピリング性に優れ、風合い面も優れてい
た。レギュラーのポリエステル繊維を用いた比較例１
は、防汚性と抗ピリング性の点で劣るものであり、表側
の糸条としてレーヨン繊維を用いた比較例２は、抗ピリ
ング性と保水性の点ではまずまずであるが、洗濯収縮の
点に難点のあるものであった。
【００１７】
【発明の効果】本発明方法によれば、水分の拡散性や速
乾性に優れていて、発汗時にも着心地がよく、ウォーム
感があって抗ピリング性に優れた多層構造編地の製造方
法を提供することができる。
乾性に優れていて、発汗時にも着心地がよく、ウォーム
感があって抗ピリング性に優れた多層構造編地の製造方
法を提供することができる。
【図1】本発明に用いることのできる編成組織図の例で
ある。
ある。
Ａ 抗ピリング性紡績糸 Ｂ 疎水性合成繊維糸 Ｃ シリンダー針 Ｄ ダイヤル針
Claims (1)
- 【請求項１】 酸成分としてリン酸を０．５〜１．５モ
ル%共重合した共重合ポリエステルからなる抗ピル性ポ
リエステル紡績糸と、該抗ピル性ポリエステル紡績糸を
構成する単繊維よりも単繊維繊度の大きい疎水性合成繊
維糸とを用い、編地の表面層における抗ピル性ポリエス
テル紡績糸の編ループの割合を５０％以上とし、編地の
裏面層における疎水性合成繊維糸の編ループの割合を５
０％以上として多層構造に製編し、得られた編地に１３
０℃以上の温度で３０分以上湿潤熱処理を施すことを特
徴とする抗ピリング性多層構造編地の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001150946A JP2002339199A (ja) | 2001-05-21 | 2001-05-21 | 抗ピリング性多層構造編地の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001150946A JP2002339199A (ja) | 2001-05-21 | 2001-05-21 | 抗ピリング性多層構造編地の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002339199A true JP2002339199A (ja) | 2002-11-27 |
Family
ID=18995885
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001150946A Withdrawn JP2002339199A (ja) | 2001-05-21 | 2001-05-21 | 抗ピリング性多層構造編地の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002339199A (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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