JP2001287632A - 制動力制御装置 - Google Patents

制動力制御装置

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JP2001287632A
JP2001287632A JP2000103128A JP2000103128A JP2001287632A JP 2001287632 A JP2001287632 A JP 2001287632A JP 2000103128 A JP2000103128 A JP 2000103128A JP 2000103128 A JP2000103128 A JP 2000103128A JP 2001287632 A JP2001287632 A JP 2001287632A
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braking
assisting
gradient
wheel
road surface
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JP2000103128A
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Yoshiyuki Yasui
由行 安井
Hideyuki Suzuki
秀之 鈴木
Takashi Yonekawa
隆 米川
Akira Tanaka
亮 田中
Mamoru Sawada
護 沢田
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Denso Corp
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/17Using electrical or electronic regulation means to control braking
    • B60T8/172Determining control parameters used in the regulation, e.g. by calculations involving measured or detected parameters
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
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    • B60T8/32Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration
    • B60T8/321Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration deceleration
    • B60T8/3255Systems in which the braking action is dependent on brake pedal data
    • B60T8/3275Systems with a braking assistant function, i.e. automatic full braking initiation in dependence of brake pedal velocity
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 路面状況に応じた適切なブレーキアシストを
行う。 【解決手段】 BA制御装置10は、判定部32で制動
操作センサ20によって検出する制動操作状況からBA
制御を行うか否かを判定し、BA制御を行うと判定する
ことにより、助勢量設定部34で設定された助勢量に応
じてBA制御を行う。また、BA制御装置は、車輪速セ
ンサ28によって検出する車輪速にもとづいて路面μ勾
配推定部40で路面μ勾配を推定し、しきい値設定部4
8でこの推定結果に基づいて判定部でBA制御を行うか
否かを判定する時のしきい値を設定すると共に、助勢量
設定部34でブレーキアシストを行うときの助勢量を設
定することにより、路面状況に応じて適切なBA制御を
行い、車両の安定性及び操舵性を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に設けられ
て、ブレーキペダルの操作に応じて制動力を制御する制
動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】制動力制御装置は、車輪速センサの信号
に基づいて車体速度、車体加速度又は車体速度に近似し
た速度信号を作成し、これらの比較からブレーキを制御
して、車輪のロックを防止するアンチロックブレーキ制
御(ABS制御)を行うものがある。また、制動力制御
装置には、例えば特開平6−179361号公報に示す
ようにブレーキペダルの操作速度等が所定のしきい値を
越えたときに、急制動が要求されたと判断して、ブレー
キ踏力に対して制動力を増幅するようにした所謂ブレー
キアシスト制御(BA制御)を行うようにしたものがあ
る。
【0003】一方、種々の状況下でBA制御を適切に作
動させるために、特開平9−263233号公報では、
ブレーキペダル操作量、踏込み位置、ストローク、マス
タシリンダの油圧、踏力、踏込み加速度等に応じてBA
制御の開始基準を変更するようにしている。また、特開
平10−273022号公報では、車両旋回時にBA制
御を作動させた場合の車両安定性の向上を図るために、
旋回状態が車両安定状態であるときには、BA制御を開
始するしきい値を下げ、車両安定領域外では、例えば後
輪のBA制御を禁止するようにしている。
【0004】ところで、ABS制御とBA制御を行う制
動力制御装置では、ブレーキペダルの踏込み操作等に基
づいてBA制御を行い、制動状況に応じてABS制御が
行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、路面状
況によっては、BA制御が行われて油圧が増幅されるこ
とにより制動初期の車輪のスリップが大きくなり、この
車輪のスリップに基づいてABS制御を行うと車両の挙
動が不安定となってしまうことがある。
【0006】本発明は上記事実に鑑みてなされたもので
あり、ブレーキアシスト制御とアンチロックブレーキ制
御を行うときに、車両の挙動が不安定となってしまうの
を防止する制動力制御装置を提案することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、ブレーキペダルを踏み込む制動操作に応じ
て発生させた制動力によって車輪を制動する制動手段
と、前記車輪の車輪速度を検出する車輪速検出手段と、
前記車輪速検出手段によって検出する車輪速度に基づい
て前記車輪のスリップ速度に対する制動力の勾配を推定
する路面μ勾配推定手段と、前記ブレーキペダルを踏み
込む制動操作を検出する制動操作検出手段と、前記制動
操作検出手段によって検出する制動操作状況と前記路面
μ勾配推定手段の推定結果に基づいて前記制動手段によ
る前記車輪の制動を助勢する助勢制御手段と、を含むこ
とを特徴とする。
【0008】この発明によれば、ブレーキペダルの踏み
込み操作を行うときに、制動操作状況に応じて制動の助
勢を行う。すなわち、車輪の制動をアシストする。
【0009】また、制動の助勢は、路面μ勾配推定手段
が車輪速検出手段によって検出する車輪速に基づいて演
算等によって推定する路面μ勾配にもとづいて行う。
【0010】これにより、路面状況に応じた適切なブレ
ーキアシストが可能となり、アンチロックブレーキ制御
を行っても車両の挙動が不安定となったり、操舵性が低
下するのを防止することができる。
【0011】このような本発明では、前記制動操作状況
が、前記路面μ勾配推定手段の推定結果に基づいて設定
した助勢条件を越えたか否かを判定する判定手段を含
み、前記助勢制御手段が前記判定手段の判定結果に基づ
いて制動を助勢することが好ましい。このとき、前記路
面μ勾配推定手段によって推定した路面μ勾配が高いと
きには前記助勢条件を低くし、前記路面μ勾配が低いと
きには助勢条件を高くすることがより好ましい。
【0012】また、本発明では、前記路面μ勾配推定手
段の推定結果に基づいて前記車輪の制動を助勢するとき
の助勢量を設定する助勢量設定手段を含み、前記助勢制
御手段が前記助勢量設定手段によって設定した助勢量で
制動を助勢することが好ましい。このとき、前記路面μ
勾配推定手段によって推定した路面μ勾配が高いときに
は前記助勢量を大きくし、前記路面μ勾配が低い時には
助勢量を小さくすることがより好ましい。
【0013】さらに、本発明では、前記車輪の制動の助
勢中に、前記助勢量設定手段が前記路面μ勾配推定手段
の推定結果に基づいて前記助勢力を補正することが、路
面状況の変化に応じた制動の助勢が可能となるために好
ましい。
【0014】また、本発明では、後輪の助勢条件を前輪
の助勢条件よりも低く設定したり、後輪の助勢量を前輪
の助勢量より小さく設定することにより、後輪側の制動
助勢を前輪側の制動助勢よりも抑えることにより、車両
の安定性や操舵性の確保のためにはより好ましい。
【0015】さらに前記路面μ勾配推定手段の推定結果
が低ときに前輪への制動の助勢のみを可能とすることが
好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態に係る制動力制御装置を詳細に説明する。 (第1の実施の形態)図1には、本実施の形態に係るブ
レーキアシスト制御装置(以下「BA制御装置10」と
する)の概略構成を示している。また、図2には、第1
の実施の形態でBA制御装置10によって作動が制御さ
れるブレーキシステム(「制動装置12」とする)の概
略構成を示している。
【0017】制動装置12は、ブレーキペダル14の踏
込み操作によってマスターシリンダ16で油圧(液圧)
が上昇され、この液圧の上昇が液圧制御バルブ18に伝
達される。また、ブレーキペダル14の踏込み操作の状
態は、制動操作センサ20によって検出される。
【0018】液圧制御バルブ18は、前輪22FR、左
前輪22FL、右後輪22RR及び左後輪22RL(以
下、総称するときは「車輪22」とする)のそれぞれに
設けているホイールシリンダ24FR、24FL、24
RR、24RL(以下総称するときは「ホイールシリン
ダ24」とする)に接続した複数のバルブ(例えばソレ
ノイドバルブ)を備えている。
【0019】液圧制御バルブ18は、マスターシリンダ
16から伝達される液圧の上昇に応じて、各車輪22の
ホイールシリンダ24への液圧を上昇する。各車輪22
は、ホイールシリンダ24の液圧が上昇することにより
制動される。このときに、液圧源30から供給される液
圧に応じた液圧をホイールシリンダ24のそれぞれに供
給する。
【0020】この液圧制御バルブ18は、制動装置12
の作動を制御するECU26に接続している。また、E
CU26には、車輪22のそれぞれに設けている車輪速
センサ28FR、28FL、28RR、28RL(以
下、総称するときは「車輪速センサ28」とする)が接
続している。
【0021】ECU26は、ブレーキアシスト制御(B
A制御)に加えてアンチロックブレーキ制御(ABS制
御)を行うようになっている。
【0022】すなわち、ECU26は、液圧制御バルブ
18の作動を制御するときに、車輪速センサ28等の検
出結果に基づいて、各車輪22がロックしないように各
ホイールシリンダ24へ供給する液圧を制御し、制動時
の車両安定性、操舵性等を確保するようにしている。な
お、ECU26による液圧制御バルブ18及び液圧制御
バルブ18の制御は、ABS制御、トラクションコント
ロール制御(TRC制御)等を行う一般的構成を適用で
き、本実施の形態では詳細な説明を省略する。
【0023】図1に示すように、ECU26に構成され
ているBA制御装置10は、BA制御を行うか否かを判
定する判定部32を備えており、この判定部32にブレ
ーキペダル14の踏込み操作状況を検出する制動操作セ
ンサ20が接続されている。
【0024】判定部32は、制動操作センサ20によっ
て検出するブレーキペダル14の踏込み位置及び踏込み
位置の変化(ストローク)等から制動操作量を演算し、
この制動操作量と操作時間から単位時間当たりの変化量
である制動操作速度を求める。
【0025】この後、判定部32は、演算した制動操作
速度が所定のしきい値を越えたときにBA制御を行うと
判定する。助勢量設定部34は、BA制御を行うと判定
されると、BA制御を行う時の液圧の増加量である助勢
量を設定し、BA制御部36は、設定された助勢量に基
づいて液圧制御バルブ18を制御してブレーキアシスト
を実行する。
【0026】これにより、図3(A)に示すように、B
A制御を行わないときには、制動操作量(例えばブレー
キペダル14の踏込み量)の増加に応じて、液圧制御バ
ルブ18からの各ホイールシリンダ24への液圧出力
が、点a1−b1−c1−e1−f 1と変化(一部を破線で
示す)するのに対して、BA制御を行うことにより、液
圧出力が、図3(A)で実線で示すように、点c1−e1
の間で、点c1−d1−e 1と増加する。この液圧出力の
増加が制動力の増加となる。
【0027】また、液圧制御バルブ18へ供給する液圧
が高い液圧源30を用いているときには、図3(B)に
実線で示すように、BA制御を行うことにより、制動操
作量の増加に応じて点a1−b1−c1−d2−f2とな
る。すなわち、BA制御を行うことにより液圧源30か
ら供給される液圧に応じてホイールシリンダ24へ供給
する液圧が高くなる。これにより、ブレーキペダル14
の制動操作量が僅かでも高い制動力が得られる。なお、
図3(B)では、BA制御を行わないときのホイールシ
リンダ24への液圧出力の一部を破線で示している。
【0028】一方、BA制御装置10は、路面μ勾配推
定部40が設けられており、この路面μ勾配推定部40
に各車輪22に設けている車輪速センサ28が接続され
ている。
【0029】路面の摩擦係数μ(路面μ)は、制動力を
垂直荷重で除した値(垂直荷重に対する制動力)であ
り、図4に示すように、路面μ勾配D0は、路面に接し
ている車輪22のタイヤのスリップ率に対する路面μに
よって定義される。
【0030】すなわち、タイヤのグリップ力が高い場
合、言い換えれば、垂直荷重に対して制動力が小さい場
合(例えば図4の点g1)、タイヤのスリップ率が低
い。タイヤのスリップ率が低い状態では、路面μ勾配D
0の値(図4での接線の傾き)は高くなる。これに対し
て、タイヤのグリップ力が低い場合、言い換えれば、垂
直荷重に対して制動力が大きい場合(例えば図4の点g
2)、タイヤのスリップ率が高い。タイヤのスリップ率
が高い状態では、路面μ勾配D0の値は低くなり、制動
力のピークで発生するタイヤのスリップ状態では、路面
μ勾配D0の値は零(「D0=0」)となる。
【0031】このように、路面μ勾配D0は、路面に接
するタイヤのグリップ度を示す指標となる。
【0032】図5に示すように、路面μ勾配推定部40
は、前処理フィルタ42、伝達関数同定手段44及びμ
勾配演算手段46によって構成されており、路面外乱Δ
Tdのみが加振入力として車輪共振系に入力されている
場合に路面μ勾配D0を演算することにより推定する。
【0033】車輪速センサ28は、各車輪22の車輪速
ω1を検出する。前処理フィルタ42は、検出された各
車輪の車輪速度ω1から路面外乱ΔTd を受けた車輪共
振系の応答出力としての各車輪22の車輪速振動Δω1
を検出する。伝達関数同定手段44は、検出された車輪
速振動Δω1を満足するような各車輪の伝達関数を最小
自乗法を用いて同定する。また、μ勾配演算手段46
は、同定された伝達関数に基づいてタイヤと路面との間
の摩擦係数μの勾配を各車輪22毎に演算する。
【0034】前処理フィルタ42は、本車輪共振系の共
振周波数と予想される周波数を中心として一定の帯域の
周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタや、該
共振周波数成分を含む高帯域の周波数成分のみを通過さ
せるハイパスフィルタなどで構成することができ、この
バンドパスフィルタ或いはハイパスフィルタの周波数特
性を規定するパラメータを一定値に固定したものであ
る。なお、この前処理フィルタ42の出力は、直流成分
を除去したものとし、車輪速度ω1の回りの車輪速振動
Δω1のみを抽出する。
【0035】いまここで、前処理フィルタ42の伝達関
数F(s)を、
【0036】
【数1】
【0037】とする。ただし、ci はフィルタ伝達関数
の係数、sはラプラス演算子である。
【0038】次に、伝達関数同定手段44が依拠する演
算式を導出しておく。なお、本実施の形態では、前処理
フィルタ42の演算を、伝達関数同定手段44の演算に
含めて実施する。
【0039】まず、同定すべき伝達関数は、路面外乱Δ
Tdを加振入力として、このとき前処理フィルタ42に
より検出された車輪速振動Δω1を応答出力とする2次
のモデルとする。すなわち、
【0040】
【数2】
【0041】の振動モデルを仮定する。ここに、vは車
輪速信号を観測するときに含まれる観測雑音である。
(2)式を変形すると、次式を得る。
【0042】
【数3】
【0043】まず、(3)式に(1)式の前処理フィルタ4
2を掛けて得られた式を離散化する。このとき、車輪速
振動Δω1、路面外乱ΔTd、車輪速信号vは、サンプ
リング周期Ts毎にサンプリングされた離散化データΔ
ω1(k)、ΔTd(k)、v(k)(kはサンプリン
グ番号:k=1,2,3,.... )として表される。また、ラプ
ラス演算子sは、所定の離散化手法を用いて離散化する
ことができる。本実施の形態では、一例として、次の双
一次変換により離散化するものとする。なお、dは1サ
ンプル遅延演算子である。
【0044】
【数4】
【0045】また、前処理フィルタの次数mは、2以上
が望ましいので、本実施の形態では、演算時間も考慮し
てm=2とし、これによって次式を得る。
【0046】
【数5】
【0047】また、最小自乗法に基づいて、車輪速振動
Δω1の各データから伝達関数を同定するために、(4)
式を、同定すべきパラメータに関して一次関数の形式と
なるように、次式のように変形する。なお、”T ”を
行列の転置とする。
【0048】
【数6】
【0049】上式において、θが同定すべき伝達関数の
パラメータとなる。
【0050】このように構成している路面μ勾配推定部
40では、伝達関数同定手段44が検出された車輪速振
動Δω1の離散化データを(9)式に順次当てはめた各デ
ータに対し、最小自乗法を適用することによって、未知
パラメータθを推定し、これにより伝達関数を同定す
る。
【0051】具体的には、検出された車輪速振動Δω1
を離散化データΔω(k)(k=1,2,3,...)に変換し、
該データをN点サンプルし、次式の最小自乗法の演算式
を用いて、伝達関数のパラメータθを推定する。
【0052】
【数7】
【0053】ここに、記号”^”の冠した量をその推定
値と定義する。
【0054】また、上記最小自乗法は、次の漸化式によ
ってパラメータθを求める逐次型最小自乗法として演算
してもよい。
【0055】
【数8】
【0056】ここで、ρは、いわゆる忘却係数で、通常
は0.95〜0.99の値に設定する。このとき、初期
値は、
【0057】
【数9】
【0058】とすればよい。
【0059】また、上記最小自乗法の推定誤差を低減す
る方法として、種々の修正最小自乗法を用いてもよい。
本実施の形態では、補助変数を導入した最小自乗法であ
る補助変数法を用いた例を説明する。該方法によれば、
(9)式の関係が得られた段階でm(k)を補助変数とし
て、次式を用いて伝達関数のパラメータを推定する。
【0060】
【数10】
【0061】また、逐次演算は、以下のようになる。
【0062】
【数11】
【0063】補助変数法の原理は、以下の通りである。
(15)式に(9)式を代入すると、
【0064】
【数12】
【0065】となるので、(19)式の右辺第2項が零と
なるように補助変数を選べばθの推定値は、θの真値に
一致する。そこで、本実施の形態では、補助変数とし
て、ζ(k)=[−ξy1(k)−ξy2(k)]T を式
誤差r(k)と相関を持たないほどに遅らせたものを利
用する。すなわち、
【0066】
【数13】
【0067】とする。ただし、Lは遅延時間である。
【0068】上記のようにして伝達関数を同定した後、
μ勾配演算手段46において、路面μ勾配D0に関係す
る物理量を、
【0069】
【数14】
【0070】と演算する。このように(21)式により路
面μ勾配D0に関係する物理量を演算できると、例え
ば、該物理量が小さいとき、タイヤと路面との間の摩擦
特性が飽和状態であると容易に判定できる。
【0071】なお、前処理フィルタ42では、バンドパ
スフィルタ或いはハイパスフィルタの周波数特性を規定
するパラメータを一定値に固定しているが、このパラメ
ータを伝達関数同定手段44で同定されたパラメータに
適応させて変化させるようにしてもよい。即ち、伝達関
数同定手段44で同定されたパラメータに応じて前処理
フィルタ42の特性を変化させる適応手段を更に設けて
もよい(特開平11-78843号公報の第1の実施の形態の第
2の態様(図9等参照))。
【0072】また、路面μ勾配推定部40は、励振トル
クΔT1が加振入力として車輪共振系に入力されている
場合に車輪共振系の伝達関数を同定して、路面μ勾配を
演算するようにしてもよい(特開平11-78843号公報の第
3の実施の形態の第1の態様(図13等参照))。
【0073】さらに、路面μ勾配推定部40は、励振ト
ルクΔT1が加振入力として車輪共振系に入力されてい
る場合において、検出された加振入力と応答出力とから
車輪共振系の伝達関数を同定するようにしてもよい(特
開平11-78843号公報の第4の実施の形態の第1の態様
(図16等参照))。
【0074】加えて、路面μ勾配推定部40は、応答出
力の内、周期的な信号である応答出力のみを選別し、選
別された応答出力に基づいて車輪共振系の伝達関数を同
定し、μ勾配を演算するようにしてもよい(特開平11-7
8843号公報の第5の実施の形態(図18等参照))。
【0075】また、以上説明した例では、タイヤと路面
との間の摩擦特性を含む車輪共振系への加振入力に対す
る応答出力を検出し、加振入力から応答出力までの車輪
共振系の伝達特性を、少なくともタイヤと路面との間の
すべり易さに関する物理量を車輪状態の未知要素として
含む振動モデルで表し、該振動モデルに基づいて、少な
くとも上記検出された応答出力を略満足させるような未
知要素を推定するものである。
【0076】本発明はこれに限定されるものではなく、
車輪速度信号からバネ下共振特性を表す物理モデルのパ
ラメータを同定し、同定したパラメータから路面と各車
輪22のタイヤとの間の滑り易さに関する物理量を推定
する物理量として、路面μ勾配を演算してもよい(特願
平10-281660号の実施の形態の欄等参照)。
【0077】さらに、路面とタイヤとの間の滑り易さに
関する物理量として、路面μ勾配D 0を演算している
が、スリップ速度に対する制動トルクの勾配(制動トル
ク勾配)、スリップ速度に対する駆動トルクの勾配(駆
動トルク勾配)、及び微小振動等を求めるようにしても
よい。
【0078】即ち、所定のサンプル時間毎に検出された
車輪速度の時系列データに基づいて、制動トルク勾配や
駆動トルク勾配を演算してもよい(特開平10-114263号
公報(図1等参照))。
【0079】また、所定のサンプル時間毎に検出された
車輪減速度の時系列データ、及び所定のサンプル時間毎
に検出されたブレーキトルク又は該ブレーキトルクに関
連した物理量の時系列データに基づいて、制動トルク勾
配を演算してもよい(特開平10-114263号公報(図2、
図3等参照))。
【0080】さらに、車体とタイヤを含む車輪22と路
面とから構成される振動系の共振周波数でブレーキ力を
微小励振し、ブレーキ力を微小励振した場合のブレーキ
力の微小振幅に対する車輪速度の共振周波数成分の微小
振幅の比である微小ゲインを演算してもよい(特開平10
-114263号公報(図4等参照))。
【0081】この路面μ勾配推定部40で推定された路
面μ勾配値D0は、しきい値設定部48及び助勢量設定
部34に入力される。
【0082】しきい値設定部48では、判定部32で制
動操作量等から制動操作速度を演算し、BA制御を行う
か否かを判定するときのしきい値Thを、路面μ勾配推
定部40から入力される路面μ勾配D0に基づいて設定
する。このときに、図6に示すように、しきい値設定部
48では、路面μ勾配D0が低いときには、しきい値T
hを高く設定し、路面μ勾配D0が高いときには、しき
い値Thを低く設定する。
【0083】なお、しきい値Thは、上限値ThHと下
限値ThLが設定され、この上限値ThHと下限値ThL
の間でしきい値Thを設定するようにしている(ThH
≧Th≧ThL)。
【0084】判定部32は、制動操作量等から演算した
制動操作速度Xがしきい値Thを越えているか否かか
ら、BA制御を行うか否かを判断する。このとき、制動
操作速度Xが同じであっても、路面μ勾配D0が高いと
BA制御を行うように判定するが、路面μ勾配D0が低
いときには、BA制御を行わないか又はBA制御を停止
するように判定する。
【0085】また、助勢量設定部34では、路面μ勾配
0に基づいて、BA制御を行う時の助勢量Yを設定す
る。このとき、図7に示すように、路面μ勾配D0が低
い時には、助勢量Yが低くなるように設定し、路面μ勾
配D0が高いときには、助勢量Yが高くなるように設定
する。なお、助勢量Yは、上限値YHと下限値YLが設定
されており、この上限値YHと下限値YLの間で、路面μ
勾配D0に基づいて助勢量Yを設定するようにしている
(YH≧Y≧YL)。
【0086】なお、しきい値Th及び助勢量Yは、予め
基準値が設定されており、しきい値設定部48及び助勢
量設定部34でしきい値Th及び助勢量Yの基準値を路
面μ勾配D0に基づいて補正するようにしても良い。
【0087】このように構成されているBA制御装置1
0の作動を概略を、図8に示すフローチャートを参照し
ながら説明する。なお、BA制御装置10は、車両の走
行を開始するために、図示しないイグニッションスイッ
チをオンすることによりこのフローチャートの実行し、
イグニッションスイッチがオフされることにより実行を
終了する。
【0088】このフローチャートでは、イグニッション
スイッチがオンされることにより、ステップ100で種
々のパラメータ等の初期化を行う。この後、ステップ1
02では、先ず、各車輪22に設けている車輪速センサ
28や、ブレーキペダル14が操作されているか否かを
検出するストップスイッチ(STP、図示省略)等の各
センサによって検出するセンサ信号を読み込む。
【0089】ステップ104では、各車輪速センサ28
によって検出する各車輪22の車速度ω1を演算する。
次に、ステップ106では、路面μ勾配D0を推定す
る。この路面μ勾配D0は、前記したごとく、各車輪2
2の車輪速ω1から車輪速振動Δω 1を抽出し、この車輪
速度振動Δω1に基づいて、車輪22のそれぞれについ
て路面μ勾配D0を演算する。
【0090】この後、ステップ108では、路面μ勾配
0に基づいてしきい値Thや助勢量Y等のBA制御パ
ラメータを設定する。
【0091】一方、ステップ110では、制動操作セン
サ20等のBA制御を行うか否かを判定するためのセン
サ信号を読み込む。
【0092】ここで、車両の制動を行うためにブレーキ
ペダル14が踏み込まれると、このブレーキペダル14
の踏込み操作及び踏込み操作の状況が制動操作センサ2
0によって検出されて読み込まれる。
【0093】次に、ステップ112では、制動操作セン
サ20等によって検出するブレーキペダル14の踏込み
位置や踏込み位置の変化(ストローク)に基づいて制動
操作量を演算し、ステップ114では、この制動操作量
から制動操作速度Xを演算する。なお、ステップ102
〜ステップ108の路面μ勾配D0の推定(演算)及び
推定結果に基づいたBA制御パラメータの設定と、ステ
ップ110〜ステップ114の制動操作速度Xの演算
は、並行して行われるものであって良い。
【0094】このようにして、路面μ勾配D0を推定す
る演算及び路面μ勾配D0に基づいたBA制御パラメー
タ(しきい値Th、助勢量Y)の設定と、制動操作速度
Xの演算が終了すると、ステップ116〜ステップ12
0では、BA制御パラメータと制動操作速度Xに基づい
て、BA制御を行うか否かの判定を行う。
【0095】このとき、先ずステップ116では、BA
制御中か否か、すなわち、BA制御を行っているか否か
を確認し、BA制御中でないとき(ステップ116で否
定判定)には、ステップ118へ移行して、BA制御を
行うか否かを判定する。
【0096】このBA制御を行うか否かの判定は、制動
操作速度XとBA制御パラメータの一つとして路面μ勾
配D0に基づいて設定したしきい値Thを比較すること
により行う)このとき、車輪22FR、22FL、22
RR、22RLのそれぞれについて判定される。
【0097】ここで、制動操作速度Xがしきい値Thに
達していないとき(X<Th、ステップ118で否定判
定)には、BA制御を行うように設定せずに、ステップ
102へ戻る。
【0098】これに対して、制動操作速度Xがしきい値
Thを越えている(X≧Th、ステップ118で肯定判
定)と、ステップ122へ移行して、BA制御パラメー
タの一つとして路面μ勾配D0に基づいて設定された助
勢力YによってBA制御を行うように設定する(BA制
御開始)。
【0099】このように、路面μ勾配D0に基づいて設
定したしきい値Thを基準にして、BA制御を行うか否
かを判定することにより、路面μが低い状態で大きな制
動力を与えてしまい、この後にABS制御が行われたと
きに、ABS制御の開始直後に車輪22のスリップが大
きくなって車両が安定性を欠いたり、操舵性が低下して
しまうのを確実に防止することができる。
【0100】また、BA制御を行うときに、路面μ勾配
0に基づいて助勢量Yを設定することにより、例えば
路面μが低い状態で、車輪22に必要以上に大きな制動
力をかけてしまうのを防止し、安定した車両制動を行う
ことができる。
【0101】特に、路面μ勾配D0が低い場合には、タ
イヤのグリップ状態はすでに低くなっており、BA制御
を行うまでもなく、ABS制御等によって容易に制動操
作を行うことができる。
【0102】したがって、路面μ勾配D0が低いとき
に、しきい値Thを高く設定して、BA制御が開始され
難くしたり、助勢量Yを低くして、BA制御を行っても
制動力の増加を抑えることにより、不必要にBA制御を
行ったり、大きな制動力を働かせてしまうのを確実に防
止することができる。
【0103】また、路面μ勾配D0が高い場合、タイヤ
のグリップ力が高くなっており、このときに、しきい値
Thを下げたり、助勢力Yを大きくすることにより、B
A制御を効率良く行って、車両に的確な制動力を働かせ
ることができる。
【0104】このようにしてBA制御が開始されること
により、次にステップ116が実行されると、このステ
ップ116で肯定判定されてステップ120へ移行す
る。このステップ120では、最新の路面μ勾配D0
基づいて設定されたしきい値Thと制動操作速度Xか
ら、制動操作速度Xがしきい値Thを越えたか否かを判
定し、制動操作速度Xがしきい値Thを越えていた場合
(X≧Th、ステップ120で肯定判定)、ステップ1
22へ移行して、BA制御を継続する。このとき、助勢
量Yは、最新の路面μ勾配D0に基づいて設定されたも
のを用いる。
【0105】これに対して、制動操作速度Xがしきい値
Thに達していないとき(X<Th)には、ステップ1
20で否定判定されてステップ124へ移行し、BA制
御を終了する。
【0106】すなわち、BA制御の継続中は、BA制御
を行うか否かの判定は勿論、BA制御を行う時の助勢量
Yを、最新の路面μ勾配D0に基づいて設定したものを
使用する。
【0107】これにより、車両の走行中の路面μの変化
に合わせて、的確にBA制御を行うことができ、BA制
御中は勿論、ABS制御が開始されたときにも車両の安
定性及び操舵性を確保することができる。 (第2の実施の形態)次に本発明の第2の実施の形態を
説明する。なお、第2の実施の形態の基本的構成は、前
記した第1の実施の形態と同じであり、第2の実施の形
態では、第1の実施の形態と同一の部品には、同一の符
号を付与してその説明を省略する。
【0108】この第2の実施の形態では、各車輪22に
対して求めた路面μ勾配D0に基づいて設定するしきい
値Thと助勢量Yの設定基準を、前輪である車輪22F
R、22FLと後輪である車輪22RR、22RLで変
えている。
【0109】すなわち、しきい値設定部48では、図9
に示すように、路面μ勾配D0が同じであれば、後輪
(車輪22RR、22RL)側のしきい値Thが、前輪
(車輪22FR、22FL)側のしきい値Thよりも高
くなるように設定する。
【0110】このとき、車輪22FR、22FLに対す
るしきい値Thの上限値ThH1は、車輪22RR、22
RLに対するしきい値Thの上限値ThH2よりも低くな
っており(ThH1<ThH2)、車輪22FR、22FL
に対しては、下限値ThLと上限値ThH1の間でしきい
値Thが設定され(ThH1≧Th≧ThL)、車輪22
RR、22RLに対しては、下限値ThLと上限値Th
H2の間でしきい値Thを設定するようにしている(Th
H2≧Th≧ThL)。
【0111】また、助勢量設定部34では、図10に示
すように、路面μ勾配D0が同じであれば、後輪(車輪
22RR、22RL)側の助勢量Yが、前輪(車輪22
FR、22FL)側の助勢量Yよりも低くなるように設
定する。
【0112】このとき、車輪22FR、22FLに対す
る助勢量Yの下限値YL1よりも、車輪22RR、22R
Lに対する助勢量Yの下限値YL2を低く設定している
(YL1>YL2)これにより、第2の実施の形態では、後
輪側である車輪22RR、22RLのBA制御を行うの
を抑えると共に、BA制御を行うときには、助勢量Yを
前輪側である車輪22FR、22FLよりも低くするよ
うにしている。
【0113】車両を制動させた場合、前輪となる車輪2
2FR、22FLに対する垂直荷重が高くなり、後輪と
なる車輪22RR、22RLに対する垂直荷重が低くな
る。これにより、車輪22RR、22RLに対する路面
μ勾配D0が変化する。
【0114】このときに、車輪22RR、22RLに対
するしきい値Thを高く設定したり、助勢量Yを低く設
定することにより、路面μ勾配D0の変化に合わせた的
確なBA制御が可能となる。
【0115】特に、車両が旋回中では、車輪22RR、
22RLの垂直荷重の低下が車両の操舵性をオーバース
テア側に変化させてしまうが、このような操舵性の変化
を抑えた安定した操舵性の確保が可能となる。
【0116】なお、後輪となる車輪22RR、22RL
に対する助勢量Yは、図10に二点鎖線で示すように、
下限値が零(YL2=0)となるようにしても良い。すな
わち、路面μ勾配D0が所定値D1以下となったときに
は、車輪22RR、22RLへのBA制御を行わずに、
前輪となる車輪22FR、22FLへのみのBA制御が
可能となるようにしても良い。
【0117】なお、以上説明した本実施の形態は、本発
明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形
態では、液圧源30を備えた制動装置12を例に説明し
たが、液圧源30に換えて、負圧源(バキューム源)を
備えたものであっても良い。
【0118】すなわち、図11に示す制動装置50で
は、マスターシリンダ16に換えて用いているマスター
シリンダ54に、圧力制御バルブ52を設けている。ま
た、マスターシリンダ54内には、通常のブレーキ操作
に使用されるチャンバーとは別にチャンバーが設けられ
ており、ECU26では、BA制御を行うときに、制御
バルブ52の開閉によってこのチャンバー内の圧力を制
御し、ホイールシリンダ24に供給する液圧を上昇させ
るようにしている。
【0119】また、本実施の形態では、しきい値Thと
助勢量Yを、路面μ勾配D0に基づいて設定したが、少
なくともしきい値Th又は助勢量Yの何れか一方を路面
μ勾配D0に基づいて設定するように、他方を従来通り
予め設定した基準値を用いるようにしても良い。
【0120】すなわち、図1に示すしきい値設定部48
を省略し、しきい値Thを予め設定している基準値を用
いるようにしても良い。この場合、前輪側の車輪22F
R、22FLに対するしきい値Thよりも、後輪側の車
輪22RR、22RLに対するしきい値Thを高く設定
しておいても良く、より好ましい。
【0121】また、助勢量設定部34を省略し、BA制
御部36で予め設定されている助勢量となるようにBA
制御を行うようにしても良い。この場合、前輪側の車輪
22FR、22FLに対する助勢量Yよりも、後輪側の
車輪22RR、22RLに対する助勢量Yを低く設定し
ておいても良く、より好ましい。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、路
面状況に応じてブレーキアシストを行うので、不必要に
ブレーキアシストを行うのを防止できると共に、適切に
車輪を制動しながら車両の安定性及び操舵性を確保する
ことができると言う優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したBA制御装置の概略構成を示
す機能ブロック図である。
【図2】本実施の形態に適用した制動装置の概略構成図
である。
【図3】(A)及び(B)はそれぞれ、制動操作量に対
するホイールシリンダへの液圧出力の概略を示す線図で
ある。
【図4】タイヤのスリップ率に対する路面μの変化の概
略を示す線図である。
【図5】路面μ勾配推定部の概略構成を示す機能ブロッ
ク図である。
【図6】第1の実施の形態で路面μ勾配に基づいて設定
するしきい値の概略を示す線図である。
【図7】第1の実施の形態で路面μ勾配に基づいて設定
する助勢量の概略を示す線図である。
【図8】本実施の形態に係るBA制御の概略を示す流れ
図である。
【図9】第2の実施の形態で路面μ勾配に基づいて設定
するしきい値の概略を示す線図である。
【図10】第2の実施の形態で路面μ勾配に基づいて設
定する助勢量の概略を示す線図である。
【図11】本発明が適用される制動装置の他の一例を示
す概略構成図である。
【符号の説明】
10 BA制御装置(制動力制御装置) 12 制動装置(制動手段) 14 ブレーキペダル 20 制動操作センサ(制動操作検出手段) 22 車輪 22FR、22FL 車輪(前輪) 22RR、22RL 車輪(後輪) 24 ホイールシリンダ(制動手段) 26 ECU(制動手段、助勢制御手段) 28 車輪速センサ(車輪速検出手段) 32 判定部(判定手段) 34 助勢量設定部(助勢量設定手段) 36 BA制御部(助勢制御手段) 40 路面μ勾配推定部 48 しきい値設定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000004260 株式会社デンソー 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 (72)発明者 安井 由行 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 鈴木 秀之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 米川 隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 田中 亮 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 沢田 護 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3D046 BB03 BB24 BB28 HH02 HH36 HH47 JJ02 JJ03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルを踏み込む制動操作に応
    じて発生させた制動力によって車輪を制動する制動手段
    と、 前記車輪の車輪速度を検出する車輪速検出手段と、 前記車輪速検出手段によって検出する車輪速度に基づい
    て前記車輪のスリップ速度に対する制動力の勾配を推定
    する路面μ勾配推定手段と、 前記ブレーキペダルを踏み込む制動操作を検出する制動
    操作検出手段と、 前記制動操作検出手段によって検出する制動操作状況と
    前記路面μ勾配推定手段の推定結果に基づいて前記制動
    手段による前記車輪の制動を助勢する助勢制御手段と、 を含むことを特徴とする制動力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制動操作状況が、前記路面μ勾配推
    定手段の推定結果に基づいて設定した助勢条件を越えた
    か否かを判定する判定手段を含み、前記助勢制御手段が
    前記判定手段の判定結果に基づいて制動を助勢すること
    を特徴とする請求項1に記載の制動力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記路面μ勾配推定手段によって推定し
    た路面μ勾配が高いときには前記助勢条件を低くし、前
    記路面μ勾配が低いときには助勢条件を高くすることを
    特徴とする請求項2に記載の制動力制御装置。
  4. 【請求項4】 後輪の助勢条件を前輪の助勢条件よりも
    低く設定することを特徴とする請求項2又は請求項3に
    記載の制動力制御装置。
  5. 【請求項5】 前記路面μ勾配推定手段の推定結果に基
    づいて前記車輪の制動を助勢するときの助勢量を設定す
    る助勢量設定手段を含み、前記助勢制御手段が前記助勢
    量設定手段によって設定した助勢量で制動を助勢するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の
    制動力制御装置。
  6. 【請求項6】 前記路面μ勾配推定手段によって推定し
    た路面μ勾配が高いときには前記助勢量を大きくし、前
    記路面μ勾配が低い時には助勢量を小さくすることを特
    徴とする請求項5に記載の制動力制御装置。
  7. 【請求項7】 前記車輪の制動の助勢中に、前記助勢量
    設定手段が前記路面μ勾配推定手段の推定結果に基づい
    て前記助勢力を補正することを特徴とする請求項5又は
    請求項6に記載の制動力制御装置。
  8. 【請求項8】 後輪の助勢量を前輪の助勢量より小さく
    設定することを特徴とする請求項5から請求項7の何れ
    かに記載の制動力制御装置。
  9. 【請求項9】 前記路面μ勾配推定手段の推定結果が低
    ときに前輪への制動の助勢のみを可能とすることを特徴
    とする請求項1から請求項8の何れかに記載の制動力制
    御装置。
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