JP4701941B2 - 車輌の車体速度推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輌の車体速度推定装置に係り、更に詳細には各車輪に制駆動力が付与され少なくとも制動力が相互に独立に制御される車輌の車体速度推定装置に係る。
自動車等の車輌の車体速度推定装置は従来より種々提案されており、特に四輪駆動車の車体速度推定装置の一つとして、例えば下記の特許文献1に記載されている如く、車輌の加速時には四輪のうち最小の車輪速度に基づいて車体速度を推定し、車輌の減速時には四輪のうち最大の車輪速度に基づいて車体速度を推定するよう構成された車体速度推定装置が従来より知られている。
特開平10−141104号公報
上述の如き従来の車体速度推定装置に於いては、車輌の加速時には制動力が付与されている車輪が存在せず、何れの車輪の車輪速度も車体速度以上であり、逆に車輌の減速時には駆動力が付与されている車輪が存在せず、何れの車輪の車輪速度も車体速度以下であることが前提となっている。
しかし例えば四輪駆動車に於いて車輌の走行性能の向上や車輌の走行運動の制御等の目的で各車輪の制駆動力が相互に独立に制御される場合には、車輌が加速状態にあっても制動力が付与されている車輪が存在し、その車輪の車輪速度が車体速度よりも低くなる場合があり、逆に車輌が減速状態にあっても駆動力が付与されている車輪が存在し、その車輪の車輪速度が車体速度よりも高くなる場合がある。
しかるに上述の従来の車体速度推定装置に於いては、車輌の加速時には制動力が付与されている車輪が存在せず、何れの車輪の車輪速度も車体速度以上であり、逆に車輌の減速時には駆動力が付与されている車輪が存在せず、何れの車輪の車輪速度も車体速度以下であることが前提となっているため、車輌が加速状態にあっても制動力が付与されている車輪が存在し、その車輪の車輪速度が車体速度よりも低い場合や、車輌が減速状態にあっても駆動力が付与されている車輪が存在し、その車輪の車輪速度が車体速度よりも高い場合には、車体速度を正確に推定することができない。
本発明は、車輌の加速時には四輪のうち最小の車輪速度に基づいて車体速度を推定し、車輌の減速時には四輪のうち最大の車輪速度に基づいて車体速度を推定するよう構成された従来の車体速度推定装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、車輪のスリップ率と路面の摩擦係数との関係が線形の関係にある領域に於いては、車輪の制駆動状態に関係なく車輪のスリップ率に対する路面の摩擦係数の関係が一定であることに着目することにより、車輪の制駆動状態に関係なく車体速度を正確に推定することである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち各車輪に制駆動力が付与され少なくとも制動力が相互に独立に制御される車輌の車体速度推定装置であって、各車輪の車輪速度を検出する手段と、各車輪について路面の摩擦係数を推定する手段と、各車輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であるか否かを判定する判定手段と、制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下である車輪が少なくとも二輪以上あるときには、制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下である二つの車輪の車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて車体速度を演算する車体速度演算手段とを有することを特徴とする車輌の車体速度推定装置によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、三輪以上の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であり、全ての車輪が駆動状態にあるとき又は全ての車輪が制動状態にあるときには、前記二つの車輪は車輪速度の差が最も大きい二つの車輪であるよう構成される(請求項2の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、三輪以上の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であり、駆動状態の車輪が二輪以上であり且つ制動状態の車輪が一輪であるときには、前記二つの車輪の一方は駆動状態にある車輪のうち車輪速度が低い方の車輪であり、前記二つの車輪の他方は制動状態にある車輪であるよう構成される(請求項3の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、三輪以上の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であり、駆動状態の車輪が一輪であり且つ制動状態の車輪が二輪以上であるときには、前記二つの車輪の一方は駆動状態にある車輪であり、前記二つの車輪の他方は制動状態にある車輪のうち車輪速度が高い方の車輪であるよう構成される(請求項4の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、四輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であり、四輪のうち二輪が駆動状態にあり且つ他の二輪が制動状態にあるときには、前記二つの車輪の一方は駆動状態にある二輪のうち車輪速度が低い方の車輪であり、前記二つの車輪の他方は制動状態にある二輪のうち車輪速度が高い方の車輪であるよう構成される(請求項5の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至5の構成に於いて、前記路面の摩擦係数を推定する手段は各車輪の接地荷重を検出する手段と、各車輪の制駆動力を検出する手段とを有し、接地荷重に対する制駆動力の比に基づいて路面の摩擦係数を推定するよう構成される(請求項6の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至6の構成に於いて、前記判定手段は車輪の制駆動力の変化量と車輪速度の変化量との関係に基づいて制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であるか否かを判定するよう構成される(請求項7の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至7の構成に於いて、制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力を越えているときには、制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力を越えた時点を基準時点として、前記車体速度演算手段は前記基準時点に於ける当該車輪の車輪速度と前記基準時点よりの経過時間及び車輌の前後加速度に基づいて演算される車体速度の変化量との和として当該車輪の車輪速度を演算するよう構成される(請求項8の構成)。
制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であるときには、スリップ率に対する路面の摩擦係数の関係はスリップ率に関係なく実質的に一定であり、またスリップ率と車体速度及び車輪速度との間にも一定の関係がある。従って後に詳細に説明する如く、制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であるときには、二つの車輪の車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて車体速度を推定することができる。
上記請求項1の構成によれば、各車輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であるか否かが判定され、制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下である車輪が少なくとも二輪以上あるときには、制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下である二つの車輪の車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて車体速度が演算されるので、それらの車輪の制駆動状態に関係なく車体速度を正確に推定することができる。
また上記請求項1の構成に従って二つの車輪の車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて車体速度を推定する場合には、後に詳細に説明する如く、三輪以上の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であり、全ての車輪が駆動状態にあるとき又は全ての車輪が制動状態にあるときには、二つの車輪の車輪速度及び路面の摩擦係数の差が大きいほど正確に車体速度を推定することができるので、二つの車輪の車輪速度の差が大きいことが好ましい。
上記請求項2の構成によれば、三輪以上の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であり、全ての車輪が駆動状態にあるとき又は全ての車輪が制動状態にあるときには、前記二つの車輪は車輪速度の差が最も大きい二つの車輪であるので、全ての車輪が駆動状態にあるとき又は全ての車輪が制動状態にあるときにも車体速度を正確に推定することができる。
また上記請求項1の構成に従って二つの車輪の車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて車体速度を推定する場合には、後に詳細に説明する如く、三輪以上の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であり、駆動状態にある車輪と制動状態にある車輪とが存在するときには、二つの車輪の車輪速度及び路面の摩擦係数の差が小さいほど正確に車体速度を推定することができるので、二つの車輪の車輪速度の差が小さいことが好ましい。
上記請求項3の構成によれば、三輪以上の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であり、駆動状態の車輪が二輪以上であり且つ制動状態の車輪が一輪であるときには、前記二つの車輪の一方は駆動状態にある車輪のうち車輪速度が低い方の車輪であり、前記二つの車輪の他方は制動状態にある車輪であるので、一方の車輪が駆動状態にあり且つ他方の車輪が制動状態にある場合にも車体速度を正確に推定することができると共に、駆動状態にある車輪のうち車輪速度が高い方の車輪が二つの車輪の一方に設定される場合に比して差が小さい車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて正確に車体速度を推定することができる。
また上記請求項4の構成によれば、三輪以上の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であり、駆動状態の車輪が一輪であり且つ制動状態の車輪が二輪以上であるときには、前記二つの車輪の一方は駆動状態にある車輪であり、前記二つの車輪の他方は制動状態にある車輪のうち車輪速度が高い方の車輪であるので、一方の車輪が駆動状態にあり且つ他方の車輪が制動状態にある場合にも車体速度を正確に推定することができると共に、制動状態にある車輪のうち車輪速度が低い方の車輪が二つの車輪の他方に設定される場合に比して差が小さい車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて正確に車体速度を推定することができる。
また上記請求項5の構成によれば、四輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であり、四輪のうち二輪が駆動状態にあり且つ他の二輪が制動状態にあるときには、前記二つの車輪の一方は駆動状態にある二輪のうち車輪速度が低い方の車輪であり、前記二つの車輪の他方は制動状態にある二輪のうち車輪速度が高い方の車輪であるので、二つの車輪の一方が駆動状態にある二輪のうち車輪速度が高い方の車輪である場合や、二つの車輪の他方が制動状態にある二輪のうち車輪速度が低い方の車輪である場合に比して、差が小さい車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて車体速度を演算することができ、これにより他の車輪の組合せの場合に比して正確に車体速度を推定することができる。
また上記請求項6の構成によれば、各車輪の接地荷重及び各車輪の制駆動力が検出され、各車輪毎に接地荷重に対する制駆動力の比に基づいて路面の摩擦係数が推定されるので、各車輪の路面の摩擦係数を正確に推定することができる。
また一般に、車輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であるときには、車輪の制駆動力の変化量及び車輪速度の変化量の大小に関係なくそれらの間の関係が実質的に一定であるのに対し、車輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力を越えているときには、車輪の制駆動力の変化量と車輪速度の変化量との関係が実質的に一定ではなくなる。
上記請求項7の構成によれば、車輪の制駆動力の変化量と車輪速度の変化量との関係に基づいて制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であるか否かが判定されるので、車輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であるか否かを確実に且つ正確に判定することができる。
また上記請求項8の構成によれば、制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力を越えているときには、制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力を越えた時点を基準時点として、基準時点に於ける当該車輪の車輪速度と基準時点よりの経過時間及び車輌の前後加速度に基づいて演算される車体速度の変化量との和として当該車輪の車輪速度が演算されるので、制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力を越えた車輪についても車輪の制駆動力の変化量と車輪速度の変化量との関係が実質的に一定であると仮定した場合の車輪速度を演算することができる。
[車体速度の推定原理]
本発明によれば、上述の如く制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下である二つの車輪の車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて車体速度が演算されるが、本発明による車体速度の推定原理について説明する。
(1)一方の車輪が駆動状態にあり且つ他方の車輪が制動状態にある場合
周知の如く、駆動状態にある車輪の車輪速度をVaとし、制動状態にある車輪の車輪速度をVbとし、車体速度をVvとすると、駆動状態にある車輪のスリップ率Sa及び制動状態にある車輪のスリップ率Sbはそれぞれ下記の式1及び2により表される。
Sa=(Va−Vv)/Va ……(1)
Sb=(Vb−Vv)/Vv ……(2)
また車輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数μamax(加速側)及びμdmax(減速側)に対応する制駆動力以下である場合には、図4に示されている如く、車輪のスリップ率と路面の摩擦係数との関係が線形であると考えられてよく、また車輪のスリップ率に対する路面の摩擦係数の比は駆動状態の場合も制動状態の場合も同一であると考えられてよいので、駆動状態にある車輪についての路面の摩擦係数μaとし、制動状態にある車輪についての路面の摩擦係数μdとすると、路面の摩擦係数μa及びμbと車輪のスリップ率Sa及びSbとの間には下記の式3の関係がある。
μa/Sa=μb/Sb ……(3)
上記式3に上記式1及び2を代入して整理すると、車輌の前進時及び後進時に於ける車体速度Vvをそれぞれ下記の式4及び5により演算することができる。
Figure 0004701941
尚、路面の摩擦係数は車輪の接地荷重に対する車輪の制駆動力Fxの比であるので、駆動状態にある車輪の接地荷重をNaとし、制動状態にある車輪の接地荷重をNbとすると、駆動状態にある車輪についての路面の摩擦係数μa及び制動状態にある車輪についての路面の摩擦係数μbをそれぞれ下記の式6及び7により演算することができる。
μa=Fx/Na ……(6)
μb=Fx/Nb ……(7)
(2)二つの車輪とも駆動状態又は制動状態にある場合
周知の如く、二つの車輪の車輪速度をV1及びV2とすると、駆動状態にある二つの車輪のスリップ率S1及びS2はそれぞれ下記の式8及び9により表され、制動状態にある二つの車輪のスリップ率S1及びS2はそれぞれ下記の式10及び11により表される。
S1=(V1−Vv)/V1 ……(8)
S2=(V2−Vv)/V2 ……(9)
S1=(V1−Vv)/Vv ……(10)
S2=(V2−Vv)/Vv ……(11)
また車輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下である場合には、車輪のスリップ率と路面の摩擦係数との関係が線形であると考えられてよいので、二つ車輪についての路面の摩擦係数μ1及びμ2とすると、二つ車輪が駆動状態にある場合(図5(A))及び制動状態にある場合(図5(B))の何れの場合にも、路面の摩擦係数μ1及びμ2と車輪のスリップ率S1及びS2との間には下記の式12の関係がある。
μ1/S1=μ2/S2 ……(12)
上記式12に上記式8及び9又は上記式10及び11を代入して整理すると、二つの車輪が駆動状態にあるか制動状態にあるかに関係なく車輌の車体速度Vvを下記の式13により演算することができる。
Vv=V1V2(μ1−μ2)/(μ1V1−μ2V2) ……(13)
尚、二つの車輪の接地荷重をN1及びN2とすると、二つの車輪についての路面の摩擦係数μ1及びμ2をそれぞれ下記の式14及び15により演算することができる。
μ1=Fx/N1 ……(14)
μ2=Fx/N2 ……(15)
(3)車輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力を越えている場合
車輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力を越えている場合には、車輪の制駆動力と路面の摩擦係数との関係が線形ではないので、当該車輪の車輪速度をそのまま使用して車輌の車体速度Vvを演算することができない。従って車輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力を越えている場合には、車輪の制駆動力と路面の摩擦係数との関係が線形であると仮定したときの当該車輪の車輪速度が演算され、その車輪速度を使用して車輌の車体速度Vvが演算される。
車輪の制駆動力と路面の摩擦係数との関係が線形であると仮定したときの当該車輪の車輪速度は、車輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力を越えた時点を基準時点として、基準時点に於ける当該車輪の車輪速度と基準時点よりの車体速度の変化量との和と考えられてよく、基準時点よりの車体速度の変化量は経過時間及び車輌の前後加速度に基づいて演算可能である。
従って基準時点に於ける当該車輪の車輪速度をVwoとし、基準時点よりの経過時間をTとし、車輌の前後加速度をGxとすると、車輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力を越えている場合には、当該車輪の車輪速度Vwは下記の式16に従って演算され、その車輪速度を使用して車輌の車体速度Vvが演算される。
Figure 0004701941
[課題解決手段の好ましい態様]
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8の構成に於いて、車輌は四輪に制駆動力が付与され少なくとも制動力が相互に独立に制御される四輪駆動車であるよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1の構成に於いて、車輌は四輪に相互に独立に駆動力が付与されると共に四輪に相互に独立に制動力が付与される四輪駆動車であるよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1の構成に於いて、車輌は四輪に相互に独立に制動力が付与されると共に少なくとも左右の車輪の駆動力配分を制御可能に左右の車輪に駆動力が付与される四輪駆動車であるよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8又は上記好ましい態様1乃至3の構成に於いて、車体速度演算手段は制駆動力及びスリップ率がそれらの実質的に線形の領域にある車輪が少なくとも二輪以上あるときに、制駆動力及びスリップ率がそれらの実質的に線形の領域にある二つの車輪の車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて車体速度を演算するよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8又は上記好ましい態様1乃至4の構成に於いて、車体速度演算手段は二つの車輪の車輪速度の差が基準値以上であるときに当該二つの車輪の車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて車体速度を演算するよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は3乃至8又は上記好ましい態様1乃至5の構成に於いて、車体速度演算手段は二つの車輪の一方が駆動状態にあり且つ二つの車輪の他方が制動状態にあるときには、上記式4又は式5に従って車体速度を演算するよう構成される(好ましい態様6)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2又は6乃至8又は上記好ましい態様1乃至5の構成に於いて、車体速度演算手段は二つの車輪の両方が駆動状態又は制動状態にあるときには、上記式13に従って車体速度を演算するよう構成される(好ましい態様7)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2又は6乃至8又は上記好ましい態様1乃至5又は7の構成に於いて、車体速度演算手段は二つの車輪の両方が駆動状態又は制動状態にあるときには、従来の方法に従って車体速度を演算するよう構成される(好ましい態様8)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8又は上記好ましい態様1乃至8の構成に於いて、車体速度演算手段は四つの車輪の何れについても車輪速度の差が基準値未満であるときには従来の方法に従って車体速度を演算するよう構成される(好ましい態様9)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項8の構成に於いて、車体速度演算手段は基準時点より現在までの車輌の前後加速度の積分値として車体速度の変化量を演算するよう構成される(好ましい態様10)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施例について詳細に説明する。
図1はインホイールモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による車輌の車体速度推定装置の実施例1を示す概略構成図である。
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ操舵輪である左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ非操舵輪である左右の後輪を示している。左右の前輪10FL及び10FRにはそれぞれインホイールモータである電動機12FL及び12FRが組み込まれており、左右の前輪10FL及び10FRは電動機12FL及び12FRにより駆動される。同様に、左右の後輪10RL及び10RRにはそれぞれインホイールモータである電動機12RL及び12RRが組み込まれており、左右の前輪10RL及び10RRは電動機12RL及び12RRにより駆動される。
車輌の通常走行時には図1には示されていないバッテリに充電された電力が駆動回路を経て各電動機12FL〜12RRへ供給され、これにより各車輪10FL〜10RRにはそれぞれ対応する電動機12FL〜12RRより相互に独立に駆動力が付与される。尚車輌の減速制動時には必要に応じて各電動機12FL〜12RRによる回生制動が行われ、回生制動により発電された電力が駆動回路を経てバッテリに充電されるようになっていてよい。
電動機12FL〜12RRの駆動力はアクセル開度センサ14により検出される図1には示されていないアクセルペダルの踏み込み量としてのアクセル開度φに基づき駆動力制御用電子制御装置16により制御される。
左右の前輪10FL、10FR及び左右の後輪10RL、10RRの摩擦制動力は摩擦制動装置18の油圧回路20により対応するホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRの制動圧が制御されることによって制御される。図には示されていないが、油圧回路20はリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧力は通常時には運転者によるブレーキペダル24の踏み込み量及びブレーキペダル24の踏み込みに応じて駆動されるマスタシリンダ26の圧力に応じて制御され、また必要に応じてオイルポンプや種々の弁装置が制動力制御用電子制御装置28によって制御されることにより、運転者によるブレーキペダル24の踏み込み量に関係なく制御される。
尚図1には詳細に示されていないが、駆動力制御用電子制御装置16及び制動力制御用電子制御装置28はそれぞれマイクロコンピュータと駆動回路とよりなり、マイクロコンピュータは例えばCPUと、ROMと、RAMと、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
駆動力制御用電子制御装置16にはアクセル開度センサ14よりのアクセル開度φを示す信号に加えて、車輪速度センサ30FL〜30RRより各車輪の車輪速度Vwi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、荷重センサ32FL〜32RRより各車輪の接地荷重Ni(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、前後加速度センサ34より車輌の前後加速度Gxを示す信号が入力される。また制動力制御用電子制御装置28には圧力センサ36よりマスタシリンダ圧力Pmを示す信号、圧力センサ38FL〜38RRより対応する車輪の制動圧(ホイールシリンダ圧力)Pbi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号が入力される。駆動力制御用電子制御装置16及び制動力制御用電子制御装置28は必要に応じて相互に信号の授受を行う。
駆動力制御用電子制御装置16は、通常時には図には示されていない駆動力制御ルーチンに従って、運転者の加減速操作量であるアクセル開度φに基づき各車輪の目標駆動力Fdti(i=fl、fr、rl、rr)を演算すると共に、各車輪の駆動力Fdiがそれぞれ対応する目標駆動力Fdtiになるよう電動機12FL〜12RRを制御する。また駆動力制御用電子制御装置16は、図には示されていないトラクション制御ルーチンに従って、各車輪についてトラクション制御の開始条件が成立したか否かを判定し、何れかの車輪についてトラクション制御の開始条件が成立すると、トラクション制御の終了条件が成立するまで当該車輪の駆動スリップを抑制する当技術分野に於いて公知のトラクション制御を行う。
他方、制動力制御用電子制御装置38は、通常時には図には示されていない制動力制御ルーチンに従って、運転者の制動操作量であるマスタシリンダ圧力Pmに基づき各車輪の目標制動圧Pbtiを制御し、各車輪の制動圧Pbiがそれぞれ対応する目標制動圧Pbtiになるよう制御する。また制動力制御用電子制御装置38は、図には示されていないアンチスキッド制御ルーチンに従って、各車輪についてアンチスキッド制御の開始条件が成立したか否かを判定し、何れかの車輪についてアンチスキッド制御の開始条件が成立すると、アンチスキッド制御の終了条件が成立するまで当該車輪の制動スリを抑制する当技術分野に於いて公知のアンチスキッド制御を行う。
また駆動力制御用電子制御装置16は、後述の図2に示されたフローチャートに従って各車輪の駆動力Fdi及び制動力Fbiに基づき各車輪の制駆動力Fdbi(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、制駆動力Fxi及び接地荷重Niに基づき各車輪について路面の摩擦係数μi(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、車輪速度Vwiが互いに異なる二つの車輪の路面の摩擦係数μi及び車輪速度Vwiに基づいて車体速度Vvを演算し、上記トラクション制御及びアンチスキッド制御はこの車体速度Vvを使用して実行される。
次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の実施例1に於ける車体速度推定制御について説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は駆動力制御用電子制御装置16が起動されることにより開始され、図には示されていないイグニッションスイッチがオフに切り換えられるまで所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ10に於いては荷重センサ32FL〜32RRにより検出された各車輪の接地荷重Niを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては駆動力制御ルーチンに従って電動機12FL〜12RRへ供給される駆動電流に基づいて各車輪の駆動力Fdiが演算され、制動力制御用電子制御装置38より入力される各車輪の制動圧Pbiに基づいて各車輪の制動力Fbiが演算され、駆動力Fdiと制動力Fbiとの差として各車輪の制駆動力Fxiが演算される。
ステップ30に於いては各車輪の制駆動力Fxi及び接地荷重Niに基づき接地荷重Niに対する制駆動力Fxiの比Fxi/Niとして各車輪について路面の摩擦係数μiが演算される。
ステップ40に於いては各車輪について車輪のスリップ率Si及び路面の摩擦係数μiの関係が所謂μ−S線図の実質的に線形の領域にあるか否かの判別、即ち車輪の制駆動力Fxiが路面の最大摩擦係数μmax以下であるか否かの判別が行われると共に、Si及びμiの関係が実質的に線形の領域にある車輪が二輪以上存在するか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ60へ進み、否定判別が行われたときにはステップ50へ進む。
尚車輪のスリップ率Si及び路面の摩擦係数μiの関係が実質的に線形の領域にあるか否かの判別は、例えば車輪の制駆動力Fxiの変化量に対する車輪速度Vwiの変化量の比が所定の範囲内にあるか否かの判定により行われてよい。
ステップ50に於いては車輪のスリップ率Si及び路面の摩擦係数μiの関係が実質的に線形の領域にない車輪について車輌の前後加速度Gxに基づいて車輪速度Vwiが演算される。例えば当該車輪のスリップ率Si及び路面の摩擦係数μiの関係が実質的に線形の領域より非線形領域に移行したと判定された時点を基準時点として、基準時点に於ける当該車輪の車輪速度をVwoiとし、基準時点よりの経過時間をTとして、車輪速度Vwiが上記式16に対応する下記の式17に従って演算される。
Figure 0004701941
ステップ60に於いては車輪速度Vwiが互いにΔVo(正の定数)以上異なる車輪の組合せが一組以上存在するか否かの判別、即ちスリップ率Siが互いに基準値以上異なる車輪の組合せが一組以上存在するか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ80へ進み、否定判別が行われたときにはステップ70に於いて当技術分野に於いて公知の任意の要領にて車体速度Vvが演算され、しかる後ステップ10へ戻る。
ステップ80に於いては車輪速度Vwiが互いにΔVo(正の定数)以上異なる車輪の組合せに駆動状態の車輪(制駆動力Fxiが駆動力である車輪)及び制動状態の車輪(制駆動力Fxiが制動力である車輪)が存在するか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ110へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ90へ進む。
ステップ90に於いては車体速度Vvの演算に使用される二つの車輪速度Vwi及び路面の摩擦係数μiを決定するための二つの車輪が特定されると共に、特定された二つの車輪のうち駆動状態の車輪の車輪速度VwiがVaに設定され、制動状態の車輪の車輪速度VwiがVbに設定される。
一般に、車輪速度Vwiが互いにΔVo以上異なる車輪の組合せが二組以上であり、駆動状態の車輪及び制動状態の車輪があるときには、車体速度Vvは駆動状態の車輪の車輪速度と制動状態の車輪の車輪速度との間の値であるので、車体速度Vvの演算に使用される二つの車輪は車輪速度の差が小さい駆動状態の車輪及び制動状態の車輪であることが好ましい。例えば図8に示されている如く、制動状態の車輪Aと駆動状態の車輪B、Cがある場合に於いて車輪Bの車輪速度が車輪Cの車輪速度よりも高いとすると、車輪A及びCの車輪速度に基づいて推定される車体速度Vvの推定誤差ΔVvacは車輪A及びBの車輪速度に基づいて推定される車体速度Vvの推定誤差ΔVvabよりも小さい。
これに対し、車輪速度Vwiが互いにΔVo以上異なる車輪の組合せが二組以上であり、それらの車輪の何れも駆動状態であるとき又はそれらの車輪の何れも駆動状態であるときには、車体速度Vvの演算に使用される二つの車輪は車輪速度の差が大きい二つの車輪であることが好ましい。例えば図9に示されている如く、駆動状態の車輪A、B、Cがある場合に於いて車輪Aの車輪速度が車輪Bの車輪速度よりも高く且つ車輪Bの車輪速度が車輪Cの車輪速度よりも高いとすると、車輪A及びCの車輪速度に基づいて推定される車体速度Vvの推定誤差ΔVvacは車輪A及びBの車輪速度に基づいて推定される車体速度Vvの推定誤差ΔVvabよりも小さい。
従ってステップ90に於いては、車輪速度Vwiが互いにΔVo以上異なる車輪の組合せが一組であるときには、車体速度Vvの演算に使用される二つの車輪はそれらの車輪に決定される。また車輪速度Vwiが互いにΔVo以上異なる車輪の組合せが二組以上であり、駆動状態の車輪が二輪以上であり、制動状態の車輪が一輪であるときには、車体速度Vvの演算に使用される二つの車輪は駆動状態の車輪のうち車輪速度が低い方の車輪及び制動状態の車輪に決定される。
また車輪速度Vwiが互いにΔVo以上異なる車輪の組合せが二組以上であり、駆動状態の車輪が一輪であり、制動状態の車輪が二輪以上であるときには、車体速度Vvの演算に使用される二つの車輪は駆動状態の車輪及び制動状態の車輪のうち車輪速度が高い方の車輪に決定される。更に車輪速度Vwiが互いにΔVo以上異なる車輪の組合せが二組以上であり、駆動状態の車輪が二輪であり、制動状態の車輪が二輪であるときには、車体速度Vvの演算に使用される二つの車輪は駆動状態の二つの車輪のうち車輪速度が低い方の車輪及及び制動状態の二つの車輪のうち車輪速度が高い方の車輪に決定される。
ステップ100に於いては例えば図1には示されていないシフトポジションセンサにより検出されるシフトポジションに基づいて車輌の進行方向が判定されると共に、ステップ90に於いて特定された二つの車輪についての路面の摩擦係数をそれぞれμa及びμbとして、車輪速度Va、Vb及び路面の摩擦係数μa、μbに基づいて車輌の前進時には上記式4に従って車体速度Vvが演算され、車輌の後進時には上記式5に従って車体速度Vvが演算される。
ステップ110に於いては車体速度Vvの演算に使用される二つの車輪速度Vwi及び路面の摩擦係数μiを決定するための二つの車輪が車輪速度Vwiが最も高い車輪及び車輪速度Vwiが最も低い車輪に特定されると共に、特定された二つの車輪のうち車輪速度が高い方の車輪の車輪速度VwiがV1に設定され、車輪速度が低い方の車輪の車輪速度VwiがV
2に設定される。
ステップ120に於いてはステップ110に於いて特定された二つの車輪についての路面の摩擦係数をそれぞれμ1及びμ2として、車輪速度V1、V2及び路面の摩擦係数μ1、μ2に基づいて上記式13に従って車体速度Vvが演算される。
かくして図示の実施例1によれば、ステップ20に於いて各車輪の制駆動力Fxiが演算され、ステップ30に於いて各車輪について路面の摩擦係数μiが演算され、ステップ40に於いてSi及びμiの関係が実質的に線形の領域にある車輪が二輪以上存在しないと判定されたときには、ステップ50に於いて車輪のスリップ率Si及び路面の摩擦係数μiの関係が実質的に線形の領域にない車輪について車輌の前後加速度Gxに基づいて車輪速度Vwiが演算される。
そしてステップ60に於いて車輪速度Vwiが互いにΔVo以上異なる車輪の組合せが一組以上存在すると判定され、ステップ80に於いて車輪速度Vwiが互いにΔVo以上異なる車輪の組合せに駆動状態の車輪及び制動状態の車輪が存在すると判定されると、ステップ90に於いて車体速度Vvの演算に使用される二つの車輪速度Vwi及び路面の摩擦係数μiを決定するための二つの車輪が特定され、ステップ100に於いて駆動状態の車輪の車輪速度Va及び路面の摩擦係数μaと制動状態の車輪の車輪速度Vb及び路面の摩擦係数μbに基づいて車体速度Vvが演算される。
従って図示の実施例1によれば、四輪に駆動状態の車輪及び制動状態の車輪が混在する状況に於いても、換言すれば車輌が駆動状態にあっても制動力が付与されている車輪が存在し、その車輪の車輪速度が車体速度よりも低い場合や、車輌が制動状態にあっても駆動力が付与されている車輪が存在し、その車輪の車輪速度が車体速度よりも高い場合にも、車体速度Vvを確実に且つ正確に演算することができる。
例えば図6は左前後輪が制動状態にあり右前後輪が駆動状態にあり、車輌は加速状態にある状況を示している。左前輪の車輪速度Vwflが左後輪の車輪速度Vwrlよりも大きく、右前輪の車輪速度Vwfrが右後輪の車輪速度Vwrrよりも大きく、図7に示されている如く車輌は加速状態にあり、車体速度Vvは左前輪の車輪速度Vwflよりも高く右後輪の車輪速度Vwrrよりも低い値であると仮定する。
前述の従来の車体速度推定装置に於いては、上記状況に於いては車体速度Vvは左後輪の車輪速度Vwrlと同一の値であると推定されてしまい、車体速度Vvを正確に推定することができない。
これに対し図示の実施例1によれば、二番目に低い左前輪の車輪速度Vwfl及び二番目に高い右後輪の車輪速度Vwrrとこれらの車輪の路面の摩擦係数とに基づいて上述の如く車体速度Vvが演算されるので、車体速度Vvを正確に推定することができる。
また図示の実施例1によれば、ステップ60に於いて車輪速度Vwiが互いにΔVo以上異なる車輪の組合せが一組以上存在すると判定されても、ステップ80に於いて車輪速度Vwiが互いにΔVo以上異なる車輪の組合せに駆動状態の車輪及び制動状態の車輪が存在しないと判定されると、ステップ110に於いて車体速度Vvの演算に使用される二つの車輪速度Vwi及び路面の摩擦係数μiを決定するための二つの車輪が車輪速度Vwiが最も高い車輪及び車輪速度Vwiが最も低い車輪に特定され、ステップ120に於いてそれらの二つの車輪の車輪速度V1、V2及び路面の摩擦係数μ1、μ2に基づいて車体速度Vvが演算される。
従って図示の実施例1によれば、四輪の全てが駆動状態又は制動状態にある状況に於いても、従来の車体速度推定方法によらず車体速度Vvを確実に且つ正確に演算することができる。
図3は本発明による車輌の車体速度推定装置の実施例2に於ける車体速度演算制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図3に於いて図2に示されたステップと同一のステップには図2に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
実施例2に於いては、ステップ10〜30及びステップ50〜120は上述の実施例1の場合と同様に実行され、ステップ30が完了すると、ステップ45に於いて車輪のスリップ率Si及び路面の摩擦係数μiの関係が所謂μ−S線図の非線形領域にある車輪が存在するか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ60へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ50へ進む。
かくして図示の実施例2によれば、上述の実施例1の場合と同様、四輪に駆動状態の車輪及び制動状態の車輪が混在する状況に於いても、車体速度Vvを確実に且つ正確に演算することができ、また四輪の全てが駆動状態又は制動状態にある状況に於いても、従来の車体速度推定方法によらず車体速度Vvを確実に且つ正確に演算することができる。
特に図示の実施例2によれば、ステップ45に於いて車輪のスリップ率Si及び路面の摩擦係数μiの関係が所謂μ−S線図の非線形領域にある車輪が存在すると判定されると、ステップ50に於いて当該車輪について車輌の前後加速度Gxに基づいて車輪速度Vwiが演算されるので、四輪の車輪速度の如何に拘らず、少なくとも一組の車輪速度の差が基準値以上である限り、常に四輪のうちの車体速度の演算に適した二つの車輪の車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて車体速度Vvを演算することができる。
尚、図示の実施例1及び2によれば、ステップ90に於いて車輪速度Vwiが互いにΔVo以上異なる車輪の組合せが三輪以上あり、駆動状態の車輪及び制動状態の車輪があり且つ駆動状態又は制動状態の車輪が一輪であるときには、車体速度Vvの演算に使用される二つの車輪は車輪速度の差が小さい二つの車輪に決定され、また車輪速度Vwiが互いにΔVo以上異なる車輪が四輪あり、駆動状態の車輪が二輪であり、制動状態の車輪が二輪であるときには、車体速度Vvの演算に使用される二つの車輪は駆動状態の二つの車輪のうち車輪速度が低い方の車輪及及び制動状態の二つの車輪のうち車輪速度が高い方の車輪に決定される。
従って車輪速度Vwiが互いにΔVo以上異なる車輪の組合せが三輪以上あり、駆動状態の車輪及び制動状態の車輪があり且つ駆動状態又は制動状態の車輪が一輪である場合に於いて、車体速度Vvの演算に使用される二つの車輪が車輪速度の差が大きい二つの車輪に決定される場合や、車輪速度Vwiが互いにΔVo以上異なる車輪が四輪あり、駆動状態の車輪が二輪であり、制動状態の車輪が二輪である場合に於いて、車体速度Vvの演算に使用される二つの車輪が駆動状態の二つの車輪のうち車輪速度が高い方の車輪及及び制動状態の二つの車輪のうち車輪速度が低い方の車輪に決定される場合に比して、車体速度Vvを正確に演算することができる。
また図示の実施例1及び2によれば、四輪に駆動状態の車輪及び制動状態の車輪が混在する状況及び四輪の全てが駆動状態又は制動状態にある状況の何れに於いても、何れの車輪の車輪速度の差も基準値未満であるときには、ステップ80〜120は実行されず、ステップ70に於いて当技術分野に於いて公知の任意の要領にて車体速度Vvが演算されるので、何れの車輪の車輪速度の差も基準値未満である状況に於いてもステップ80〜120が実行される場合に比して、車輪速度の差が小さい二つの車輪の車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて車体速度が演算されることによる車体速度の推定精度の悪化を確実に防止することができる。
また図示の実施例1及び2によれば、ステップ40に於いて否定判別が行われた場合又はステップ45に於いて肯定判別が行われた場合には、ステップ50に於いて車輪のスリップ率Si及び路面の摩擦係数μiの関係が実質的に線形の領域にない車輪について車輌の前後加速度Gxに基づいて車輪速度Vwiが演算されるので、この車輪速度Vwiの演算が行われない場合に比して、ステップ90及び100又はステップ110及び120による車体速度Vvの推定の可能性を高くすることができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の実施例1及び2に於いては、電動機12FL〜12RRはインホイールモータであるが、電動発電機は車体側に設けられてもよく、各車輪の駆動源は電動機以外のエンジンの如き駆動源であっても、駆動源は少なくとも二つの車輪に共通の駆動源であり、駆動源の駆動力が各車輪に駆動力配分制御可能に伝達されるようになっていてもよい。
また上述の実施例1及び2に於いては、四輪の全てが駆動状態又は制動状態にある場合には、少なくとも一組の車輪速度の差が基準値以上である限り、ステップ110及び120により二つの車輪の車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて車体速度Vvが演算されるようになっているが、少なくとも一組の車輪速度の差が基準値以上であるが四輪の全てが駆動状態又は制動状態にある場合には、当技術分野に於いて公知の任意の要領にて車体速度Vvが演算されるよう修正されてもよい。
また上述の実施例1及び2に於いては、四輪に駆動状態の車輪及び制動状態の車輪が混在する状況であるか四輪の全てが駆動状態又は制動状態にある状況であるかに関係なく、少なくとも一組の車輪速度の差が基準値以上であるか否かの判定の基準値は同一であるが、この基準値は四輪に駆動状態の車輪及び制動状態の車輪が混在する状況であるか四輪の全てが駆動状態又は制動状態にある状況であるかによって異なる値であってもよい。
また上述の実施例1及び2に於いては、各車輪について路面の摩擦係数μiの演算に使用される各車輪の接地荷重Niは荷重センサ32FL〜32RRにより検出されるようになっているが、各車輪の接地荷重Niは例えば車輌の前後加速度及び横加速度に基づいて各車輪の接地荷重の変化量ΔNiが演算され、車輌の静止状態に於ける各車輪の静的接地荷重Noiと接地荷重の変化量ΔNiとの和として求められてもよい。
また上述の実施例1及び2に於いては、電動機12FL〜12RRへ供給される駆動電流に基づいて各車輪の駆動力Fdiが演算され、制動力制御用電子制御装置38より入力される各車輪の制動圧Pbiに基づいて各車輪の制動力Fbiが演算され、駆動力Fdiと制動力Fbiとの差として各車輪の制駆動力Fxiが演算されるようになっているが、駆動源が少なくとも二つの車輪間に共通の駆動源である場合には、駆動源の駆動力(トルク)及び車輪間の駆動力の配分比に基づいて各車輪の駆動力Fdiが演算されてよい。
ホイールインモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による車体速度推定装置の実施例1を示す概略構成図である。 実施例1に於ける車体速度推定制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による車体速度推定装置の実施例2に於ける車体速度推定制御ルーチンを示すフローチャートである。 車輪が駆動状態及び制動状態にある場合について車輪のスリップ率と路面の摩擦係数との関係を示すグラフである。 二つ車輪が駆動状態にある場合(A)及び制動状態にある場合(B)について、路面の摩擦係数μ1及びμ2と車輪のスリップ率S1及びS2との関係を示すグラフである。 左前後輪が制動状態にあり右前後輪が駆動状態にあり、車輌は駆動状態にある状況を示す説明図である。 図6に示された状況に於ける各車輪の車輪速度Vwiと車体速度Vvとの関係を示すグラフである。 制動状態の一つの車輪と駆動状態の二つの車輪とがある場合について車体速度Vvの推定誤差を示すグラフである。 駆動状態の三つの車輪とがある場合について車体速度Vvの推定誤差を示すグラフである。
符号の説明
12FL〜12RR 電動発電機
14 アクセル開度センサ
16 駆動力制御用電子制御装置
18 摩擦制動装置
24 ブレーキペダル
28 制動力制御用電子制御装置
30FL〜30RR 車輪速度センサ
32FL〜32RR 荷重センサ
34 前後加速度センサ
36、38FL〜38RR 圧力センサ

Claims (8)

  1. 各車輪に制駆動力が付与され少なくとも制動力が相互に独立に制御される車輌の車体速度推定装置であって、各車輪の車輪速度を検出する手段と、各車輪について路面の摩擦係数を推定する手段と、各車輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であるか否かを判定する判定手段と、制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下である車輪が少なくとも二輪以上あるときには、制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下である二つの車輪の車輪速度及び路面の摩擦係数に基づいて車体速度を演算する車体速度演算手段とを有することを特徴とする車輌の車体速度推定装置。
  2. 三輪以上の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であり、全ての車輪が駆動状態にあるとき又は全ての車輪が制動状態にあるときには、前記二つの車輪は車輪速度の差が最も大きい二つの車輪であることを特徴とする請求項1に記載の車輌の車体速度推定装置。
  3. 三輪以上の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であり、駆動状態の車輪が二輪以上であり且つ制動状態の車輪が一輪であるときには、前記二つの車輪の一方は駆動状態にある車輪のうち車輪速度が低い方の車輪であり、前記二つの車輪の他方は制動状態にある車輪であることを特徴とする請求項1に記載の車輌の車体速度推定装置。
  4. 三輪以上の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であり、駆動状態の車輪が一輪であり且つ制動状態の車輪が二輪以上であるときには、前記二つの車輪の一方は駆動状態にある車輪であり、前記二つの車輪の他方は制動状態にある車輪のうち車輪速度が高い方の車輪であることを特徴とする請求項1に記載の車輌の車体速度推定装置。
  5. 四輪の制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であり、四輪のうち二輪が駆動状態にあり且つ他の二輪が制動状態にあるときには、前記二つの車輪の一方は駆動状態にある二輪のうち車輪速度が低い方の車輪であり、前記二つの車輪の他方は制動状態にある二輪のうち車輪速度が高い方の車輪であることを特徴とする請求項1に記載の車輌の車体速度推定装置。
  6. 前記路面の摩擦係数を推定する手段は各車輪の接地荷重を検出する手段と、各車輪の制駆動力を検出する手段とを有し、接地荷重に対する制駆動力の比に基づいて路面の摩擦係数を推定することを特徴とする請求項1乃至5に記載の車輌の車体速度推定装置。
  7. 前記判定手段は車輪の制駆動力の変化量と車輪速度の変化量との関係に基づいて制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力以下であるか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至6に記載の車輌の車体速度推定装置。
  8. 制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力を越えているときには、制駆動力が路面の最大摩擦係数に対応する制駆動力を越えた時点を基準時点として、前記車体速度演算手段は前記基準時点に於ける当該車輪の車輪速度と前記基準時点よりの経過時間及び車輌の前後加速度に基づいて演算される車体速度の変化量との和として当該車輪の車輪速度を演算することを特徴とする請求項1乃至7に記載の車輌の車体速度推定装置。
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