JP2002067843A - 衝突防止制御装置 - Google Patents

衝突防止制御装置

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JP2002067843A JP2000259636A JP2000259636A JP2002067843A JP 2002067843 A JP2002067843 A JP 2002067843A JP 2000259636 A JP2000259636 A JP 2000259636A JP 2000259636 A JP2000259636 A JP 2000259636A JP 2002067843 A JP2002067843 A JP 2002067843A
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智 小野沢
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匠二 稲垣
Mamoru Sawada
護 沢田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドライバに違和感を与えることなく路面状態
を的確に判定して他車両や障害物との衝突を防止する。 【解決手段】 制御開始/終了および制御量設定部16
は、自車両や他車両の速度及び加速度、最大減速度に基
づいて、衝突余裕時間及び衝突余裕距離を演算する。そ
して、制御中であるかを判定し、制御中でないときは制
御を開始するかを判定する。ここでは、衝突余裕時間、
衝突余裕距離の少なくとも1つがそれぞれに対応する閾
値未満になったときに所定の制御を開始すると判定す
る。このとき、制御開始/終了および制御量設定部16
は、ドライバ警報部4、制動力制御部5、エンジン出力
低減部6をそれぞれ制御して、他車両等との衝突を防止
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝突防止制御装置
に係り、特に、障害物や他の車両との衝突を自動的に防
止する衝突防止制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
走行時の追突事故を防止するために、自分が運転する自
動車(以下「自車両」と省略する。)から先行車両や障
害物までの距離、相対速度に基づいて衝突の危険度を判
断し、ドライバへの警報や自動減速を行う装置が開発さ
れている。車両の減速運動は路面の状況、いわゆる路面
の摩擦係数(以下「μmax」という。)に影響される
ため、車両の減速できる能力を知ることが重要である。
μmaxを推定する技術は、ABS制御装置においては
一般的に用いられている。ABS制御装置は、車輪にロ
ック傾向が生じてはじめてμmaxを推定することがで
きる。
【0003】一方、衝突防止制御装置は、ABS制御装
置のようにロック傾向が現れてからではなく、通常の走
行状態でμmaxを推定することが必要である。通常の
走行状態でμmaxを推定するために、特開昭58−5
3544号公報や特開平9−288177号公報によ
り、路面に電波を照射し、その反射波により路面状態を
検出する方法が知られている。しかし、この方法では、
路面に電波を照射するための装置が必要となりシステム
が大規模になったり高コストになる問題がある。
【0004】また、特開平7−17348号公報によ
り、装置の作動を2段階に分離し、第1の車間距離以下
のときは緩ブレーキを作動させて、第2の車間距離以下
になった際にフルブレーキを作動させる装置が知られて
いる。このとき、路面状態は、緩ブレーキ中のブレーキ
圧、車輪加速度、車輪スリップ率のデータの回帰分析に
より推定される。しかし、この装置も、路面状態を検出
するためには緩ブレーキの作動が必要となり、ドライバ
に違和感を与えてしまう問題がある。
【0005】本発明は、上述した課題を解決するために
提案されたものであり、ドライバに違和感を与えること
なく路面状態を的確に判定して他車両や障害物との衝突
を防止する衝突防止制御装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、前記車輪速度
に基づいて、自車両の速度及び加速度を検出する自車両
速度/加速度検出手段と、障害物の速度及び加速度を検
出する障害物速度/加速度検出手段と、前記車輪速度に
基づいて、自車両が走行する路面の路面μ勾配を推定す
る路面μ勾配推定手段と、前記推定された路面μ勾配に
基づいて、発生可能な最大減速度を演算する最大減速度
演算手段と、前記自車両の速度及び加速度、前記障害物
の速度及び加速度、前記最大減速度に基づいて、前記障
害物との衝突を回避するために必要な時間である衝突余
裕時間及び前記障害物との衝突を回避するために必要な
距離である衝突余裕距離の少なくとも一方を演算するパ
ラメータ演算手段と、演算された前記衝突余裕時間及び
前記衝突余裕距離の少なくとも一方がそれぞれに対応す
る所定の閾値未満になったときに、運転者に対する警
報、制動力制御、エンジン出力低減の少なくとも1つを
実行して衝突防止の制御を行う衝突防止制御手段と、を
備えて構成されている。
【0007】自車両速度/加速度検出手段は、車輪速度
検出手段で検出される車輪速度に基づいて、自車両の速
度及び加速度を検出する。一方、障害物速度/加速度検
出手段は、障害物の速度及び加速度を検出する。ここに
いう障害物は、自車両の走行の障害となる物であればよ
く、例えば走行路面に設けられている物体だけでなく、
自車両の前方にある他車両も含まれる。路面μ勾配推定
手段は、自車両の走行中に、車輪速度検出手段で検出さ
れた車輪速度に基づいて路面μ勾配を推定する。この路
面μ勾配からスリップ率に対する路面摩擦係数μの特性
が分かり、この特性から最大となる路面摩擦係数μma
xを求める。そして、最大減速度演算手段は、この最大
路面摩擦係数μmaxに基づいて、発生可能な最大減速
度を演算することができる。パラメータ演算手段は、自
車両の速度及び加速度、障害物の速度及び加速度、最大
減速度に基づいて衝突余裕時間及び衝突余裕距離の少な
くとも一方を演算する。衝突余裕時間及び衝突余裕距離
にはそれぞれに対応する所定の閾値が存在し、これらの
閾値は衝突防止制御を行うかを判定するための基準とな
る。そして、衝突余裕時間及び衝突余裕距離の少なくと
も一方がそれぞれに対応する所定の閾値未満になると、
運転者に対する警報、制動力制御、エンジン出力低減の
少なくとも1つを実行して衝突防止の制御が行われる。
なお、パラメータ演算手段が衝突余裕時間及び衝突余裕
距離の両方を演算した場合には、衝突防止制御を行うか
の判定の精度をより向上させることができる。
【0008】前記衝突防止制御手段は、衝突防止制御中
に前記パラメータ演算手段で演算された前記衝突余裕時
間、前記衝突余裕距離のいずれもがそれぞれに対応する
所定の閾値以上になったときに、前記衝突防止制御を停
止するのが好ましい。衝突防止制御により障害物との衝
突の可能性を回避した場合には、かかる制御を停止する
ことで、常に自動的に自車両と障害物との距離を十分に
とることができ、安全に車両を走行させることができ
る。
【0009】また、前記パラメータ演算手段は、更に、
自車両の走行路面の勾配、アクチュエータの応答の遅
れ、自車両の旋回状態の少なくとも1つに応じて、衝突
余裕時間及び衝突余裕距離を演算するのが好ましい。
【0010】請求項6記載の発明は、車輪速度を検出す
る車輪速度検出手段と、前記車輪速度に基づいて、自車
両の速度及び加速度を検出する自車両速度/加速度検出
手段と、障害物の速度及び加速度を検出する障害物速度
/加速度検出手段と、前記車輪速度に基づいて、自車両
が走行する路面の路面μ勾配を推定する路面μ勾配推定
手段と、前記推定された路面μ勾配に基づいて、発生可
能な最大減速度を演算する最大減速度演算手段と、エン
ジンの出力を制御するエンジン出力制御手段と、ブレー
キ圧を制御して制動力を制御する制動力制御手段と、前
記自車両の速度及び加速度、前記障害物の速度及び加速
度、前記最大減速度に基づいて障害物との衝突の危険度
を判定し、危険度があるときは前記エンジン出力制御手
段のエンジン出力を低減させると共に、危険度が大きく
なるに従って前記制動力制御手段の制動力を大きくする
制御を行う制御手段と、を備えて構成されている。
【0011】自車両速度/加速度検出手段は、車輪速度
検出手段で検出される車輪速度に基づいて、自車両の速
度及び加速度を検出する。一方、障害物速度/加速度検
出手段は、障害物の速度及び加速度を検出する。ここに
いう障害物は、自車両の走行の障害となる物であればよ
く、例えば走行路面に設けられている物体だけでなく、
自車両の前方にある他車両も含まれる。路面μ勾配推定
手段は、自車両の走行中に、車輪速度検出手段で検出さ
れた車輪速度に基づいて路面μ勾配を推定する。この路
面μ勾配からスリップ率に対する路面摩擦係数μの特性
が分かり、この特性から最大となる路面摩擦係数μma
xを求める。そして、最大減速度演算手段は、この最大
路面摩擦係数μmaxに基づいて、発生可能な最大減速
度を演算することができる。制御手段は、前記自車両の
速度及び加速度、前記障害物の速度及び加速度、前記最
大減速度に基づいて障害物との衝突の危険度を判定す
る。
【0012】この危険度は、例えば距離や時間の関数か
らなるパラメータで表すことができる。これらの危険度
の大きいパラメータから順に所定の閾値未満になってい
ないか判定し、ある危険度のパラメータが所定の閾値未
満になっているときはその危険度に該当する。なお、パ
ラメータとしては距離の関数、時間の関数のいずれか1
つだけ用いてもよい。
【0013】制御手段は、危険度があると判定したとき
はエンジン出力を低減させ、さらに危険度が大きくなる
に従って制動力制御手段の制動力を大きくして、衝突防
止制御を行う。具体的には請求項7記載の発明のように
行うのが好ましい。
【0014】すなわち、制御手段は、前記危険度が大き
いと判定したときは、前記エンジン出力制御手段のエン
ジンの出力を低減し、かつ前記制動力制御手段に所定の
ブレーキ圧を加える制御をし、前記危険度が小さいと判
定したときは、前記エンジン出力制御手段のエンジンの
出力を低減する制御をし、前記危険度がこれらの中間で
あると判定したときは、前記エンジン出力制御手段のエ
ンジンの出力を低減し、かつ前記制動力制御手段にパル
ス状のブレーキ圧を加える制御をするのが好ましい。さ
らに、自車両の走行路面の勾配、アクチュエータの応答
の遅れ、自車両の旋回状態の少なくとも1つに応じて、
前記危険度を判定するのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】[第1の実施の形態]図1に示すように、
第1の実施の形態に係る衝突防止制御装置は、他の車両
や障害物との距離を検出する測距センサ1と、車輪速度
を示す車輪速信号を検出するセンサ2と、図示しないエ
ンジンやABS制御等を行う電子制御ユニット(EC
U:Electronic Control Unit)3と、ドライバに音や
光によって警報を行うドライバ警報部4と、ブレーキを
制御して制動力の制御を行う制動力制御部5と、エンジ
ンの出力を低減させるエンジン出力低減部6とを備えて
いる。なお、本実施の形態では図示しないが、相対速度
センサ、加速度センサ、制動液圧センサを備えてもよ
い。
【0017】測距センサ1は、レーザやミリ波などを前
方へ照射し、その反射波の状態に基づいて他車両や前方
障害物までの距離を検出し、この検出出力をECU3に
供給する。センサ2は、各車輪の車輪速信号をそれぞれ
検出し、これらの車輪速信号をECU3に供給する。
【0018】ECU3は、図2に示すように、他車両や
前方障害物(以下、「他車両等」という。)との相対距
離や相対速度を求める相対距離/相対速度演算部11
と、自車両の速度や加速度を求める自車両速度/自車両
加速度演算部12と、路面μ勾配を推定する路面μ勾配
推定部13と、他車両等との速度や加速度を求める他車
両速度/他車両加速度演算部14と、路面μ勾配に基づ
いて発生可能な最大減速度を演算する発生可能最大減速
度演算部15と、所定の制御を実行する制御開始/終了
および制御量設定部16と、を備えている。
【0019】相対距離/相対速度演算部11は、測距セ
ンサ1で得られた他車両等までの距離を時間微分するこ
とにより相対速度を検出し、この相対速度を他車両速度
/他車両加速度演算部14に供給する。なお、相対距離
/相対速度演算部11は、マイクロ波などのドップラー
効果により他車両等との相対速度を検出してもよい。
【0020】自車両速度/自車両加速度演算部12は、
センサ2で検出された各車輪速信号に基づいて自車両の
車両速度を演算し、さらにこの車両速度を時間微分する
にことにより自車両の車両加速度を演算して、これらの
演算結果を他車両速度/他車両加速度演算部14と制御
開始/終了および制御量設定部16に供給する。
【0021】路面μ勾配推定部13は、図3に示すよう
に、センサ2で検出された各車輪の車輪速信号ω1から
路面外乱ΔTdを受けた車輪共振系の応答出力としての
各車輪の車輪速振動Δω1を検出する前処理フィルタ2
1と、検出された車輪速振動Δω1を満足するような各
車輪の伝達関数を最小自乗法を用いて同定する伝達関数
同定回路22と、同定された伝達関数に基づいてタイヤ
と路面との間の摩擦係数μの勾配を各車輪毎に演算する
μ勾配演算回路23と、を備えている。
【0022】前処理フィルタ21は、本車輪共振系の共
振周波数と予想される周波数を中心として一定の帯域の
周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタや、該
共振周波数成分を含む高帯域の周波数成分のみを通過さ
せるハイパスフィルタなどで構成されている。ここで
は、このバンドパスフィルタ或いはハイパスフィルタの
周波数特性を規定するパラメータを一定値に固定したも
のである。
【0023】なお、この前処理フィルタ21は、直流成
分を除去したもの、すなわち車輪速信号ω1の回りの車
輪速振動Δω1のみを抽出して出力する。
【0024】いまここで、前処理フィルタ21の伝達関
数F(s)を(1)式とする。
【0025】
【数1】
【0026】ただし、ciはフィルタ伝達関数の係数、
sはラプラス演算子である。
【0027】つぎに、伝達関数同定回路22が依拠する
演算式を導出する。なお、前処理フィルタ21の演算
を、伝達関数同定回路22の演算に含めて実施する。
【0028】同定すべき伝達関数は、路面外乱ΔTdを
加振入力として、このとき前処理フィルタ21により検
出された車輪速振動Δω1を応答出力とする2次のモデ
ルとする。すなわち、(2)式の振動モデルを仮定す
る。
【0029】
【数2】
【0030】ここに、vは車輪速信号を観測するときに
含まれる観測雑音である。(2)式を変形すると、
(3)式を得る。
【0031】
【数3】
【0032】最初に、(3)式に(1)式の前処理フィ
ルタを掛けて得られた式を離散化する。このとき、Δω
1、ΔTd、vは、サンプリング周期Ts毎にサンプリン
グされた離散化データΔω1 (k)、ΔTd
(k)、v(k)(kはサンプリング番号:k=1,
2,3,.... )として表される。また、ラプラス
演算子sは、所定の離散化手法を用いて離散化すること
ができる。本実施の形態では、1例として、次の双一次
変換により離散化するものとする。なお、dは1サンプ
ル遅延演算子である。
【0033】
【数4】
【0034】前処理フィルタの次数mは2以上が望まし
いので、演算時間も考慮してm=2とし、これによって
次式を得る。
【0035】
【数5】
【0036】また、最小自乗法に基づいて、車輪速振動
Δω1の各データから伝達関数を同定するために、
(4)式を、同定すべきパラメータに関して一次関数の
形式となるように、次式のように変形する。な
お、”T ”を行列の転置とする。
【0037】
【数6】
【0038】上式において、θが同定すべき伝達関数の
パラメータとなる。
【0039】伝達関数同定回路22は、検出された車輪
速振動Δω1の離散化データを(9)式に順次当てはめた
各データに対し、最小自乗法を適用することによって、
未知パラメータθを推定し、これにより伝達関数を同定
する。
【0040】具体的には、検出された車輪速振動Δω1
を離散化データΔω(k)(k=1,2,3,...)
に変換し、該データをN点サンプルし、次式の最小自乗
法の演算式を用いて、伝達関数のパラメータθを推定す
る。
【0041】
【数7】
【0042】ここに、記号”^”の冠した量をその推定
値と定義する。上記最小自乗法は、次の漸化式によって
パラメータθを求める逐次型最小自乗法として演算して
もよい。
【0043】
【数8】
【0044】ここに、ρは、いわゆる忘却係数で、通常
は0.95〜0.99の値に設定する。このとき、初期
値は、以下のようにすればよい。
【0045】
【数9】
【0046】また、上記最小自乗法の推定誤差を低減す
る方法として、種々の修正最小自乗法を用いてもよい。
ここでは、補助変数を導入した最小自乗法である補助変
数法を用いた例を説明する。この方法によれば、(9)
式の関係が得られた段階でm(k)を補助変数として、
次式を用いて伝達関数のパラメータを推定する。
【0047】
【数10】
【0048】また、逐次演算は、以下のようになる。
【0049】
【数11】
【0050】補助変数法の原理は、以下の通りである。
(16)式に(15)式を代入すると、(19)式のよ
うになる。
【0051】
【数12】
【0052】(19)式の右辺第2項が零となるように
補助変数を選べばθの推定値は、θの真値に一致する。
そこで、補助変数として、ζ(k)=[−ξy1(k)−
ξy2(k)]Tを式誤差r(k)と相関を持たないほど
に遅らせたものを利用する。すなわち、 m(k)=[−ξy1(k−L)−ξy2(k−L)]T とする。ただし、Lは遅延時間である。
【0053】上記のようにして伝達関数を同定した後、
μ勾配演算回路23は、路面μ勾配D0 に関係する物
理量を(20)式を用いて演算する。
【0054】
【数13】
【0055】以上のように路面勾配推定部13は、(2
0)式により路面μ勾配D0に関係する物理量を演算す
ることができる。例えばこの物理量が小さいときは、タ
イヤと路面との間の摩擦特性が飽和状態になっている。
【0056】また、他車両速度/他車両加速度演算部1
4は、相対距離/相対速度演算部11で算出された他車
両等との相対速度と、自車両速度/自車両加速度演算部
12で算出された自車両の速度とに基づいて、他車両等
の速度を演算する。さらに、他車両速度/他車両加速度
演算部14は、他車両等の速度を時間微分することでそ
の加速度を演算する。他車両速度/他車両加速度演算部
14は、これらの演算結果を制御開始/終了および制御
量設定部16に供給する。
【0057】発生可能最大減速度演算部15は、路面勾
配推定部13で推定された路面μ勾配に基づいて路面μ
maxを算出し、この値から発生可能な最大減速度を演
算する。発生可能最大減速度演算部15は、例えば図4
に示すように、制動がかけられていない車輪スリップ率
が零近傍のときの路面μ勾配(例えばK1,K2)を用
いて、μmaxを求める。例えば、路面μ勾配K1の場
合には、車輪スリップ率に対する路面μの特性(μ−S
特性)から路面μmax1を求め、この値から比較的大
きな値の最大減速度を演算する。一方、路面μ勾配K2
の場合には、前記特性から路面μmax2を求め、この
値から比較的小さな値の最大減速度を演算する。このよ
うに、路面μmaxが大きいときはタイヤと路面との間
の摩擦特性が飽和状態になるまで余裕があるので、最大
減速度を大きく設定する。逆に、路面μmaxが小さい
ときはタイヤと路面との間の摩擦特性が飽和状態になっ
ているので、最大減速度μmaxを小さく設定する。
【0058】制御開始/終了および制御量設定部16
は、自車両の車両速度及び車両加速度、他車両等の速度
及び加速度、発生可能な最大減速度に基づいて、他車両
等との衝突を回避することができる時間(以下、「衝突
余裕時間」という。)及び他車両等との衝突を回避する
ことができる距離(以下、「衝突余裕距離」という。)
を演算する。また、制御開始/終了および制御量設定部
16は、衝突余裕時間及び衝突余裕距離についてそれぞ
れ所定の閾値を記憶している。そして、制御開始/終了
および制御量設定部16は、衝突余裕時間、衝突余裕距
離の少なくとも1つが所定の閾値未満であるか、またい
ずれも所定の閾値以上であるかを判定し、その判定結果
に基づいて、ドライバ警報部4、制動力制御部5、エン
ジン出力低減部6の制御を開始したり終了したりそれら
の制御量を設定する。
【0059】なお、本実施の形態では、ドライバ警報部
4、制動力制御部5、エンジン出力低減部6の全てにつ
いて制御するように構成されているが、これらのいずれ
か1つを制御する構成であってもよい。
【0060】以上のように構成された衝突防止制御装置
では、図5に示すステップST1からステップST18
までの処理が実行される。
【0061】衝突防止制御装置を構成する各部や回路
は、最初に初期化される(ステップST1)。そして、
各センサに信号が入力されると(ステップST2)、セ
ンサ2は各車輪の車輪速度(車輪速信号)を演算する
(ステップST3)。自車両速度/自車両加速度演算部
12は、これらの車輪速度に基づいて自車両の車両速度
を演算し(ステップST4)、さらに自車両の車両加速
度を演算する(ステップST5)。
【0062】相対距離/相対速度演算部11は、測距セ
ンサ1の検出出力に基づいて他車両等との相対距離を演
算し(ステップST6)、さらにこれを時間微分して他
車両等との相対速度を演算する(ステップST7)。他
車両速度/他車両加速度演算部14は、自車両の車両速
度及び他車両等の相対速度に基づいて、他車両等の実際
の速度を演算し(ステップST8)、されにこれを時間
微分して他車両等の実際の加速度を演算する(ステップ
ST9)。
【0063】路面勾配推定部13は、ステップST3で
演算された各車輪の車輪速信号の揺らぎにより、各車輪
の路面μ勾配を演算する(ステップST10)。発生可
能最大減速度演算部15は、これらの路面μ勾配に基づ
いて発生可能な最大減速度を演算する(ステップST1
1)。
【0064】そして、制御開始/終了および制御量設定
部16は、自車両や他車両の速度及び加速度、最大減速
度に基づいて、衝突防止制御を開始したり終了するとき
の条件を設定する(ステップST12)。ここにいう条
件とは、衝突防止制御を開始したり終了するときの衝突
余裕時間及び衝突余裕距離である。
【0065】衝突余裕時間及び衝突余裕距離の設定で
は、自車両の走行路面の勾配(上り勾配や下り勾配)、
自車両に備えられたアクチュエータの応答の遅れ、自車
両の旋回条件なども考慮される。例えば、下り勾配の場
合、アクチュエータの応答が悪い場合、急旋回で走行し
ている場合では、衝突余裕時間及び衝突余裕距離はそれ
ぞれ大きく設定される。また、上り勾配の場合、アクチ
ュエータの応答が良好の場合、直進で走行している場合
では、衝突余裕時間及び衝突余裕距離はそれぞれの小さ
く設定される。
【0066】つぎに、制御開始/終了および制御量設定
部16は、衝突防止の制御中であるかを判定し(ステッ
プST13)、そして、制御中でないときは制御を開始
するかを判定する(ステップST14)。ここでは、制
御開始/終了および制御量設定部16は、衝突余裕時
間、衝突余裕距離の少なくとも1つがそれぞれに対応す
る閾値未満になったときに所定の制御を開始すると判定
し、ステップST16に移行する。衝突余裕時間、衝突
余裕距離のいずれも閾値未満になっていないときは、制
御を開始しないと判定して、ステップST2に戻る。
【0067】一方、制御開始/終了および制御量設定部
16は、ステップST13で制御中であると判定したと
きは、次に制御を終了するかを判定する(ステップST
15)。ここでは、制御開始/終了および制御量設定部
16は、衝突余裕時間、衝突余裕距離の両方が上述した
閾値以上になっているときは、制御を終了すると判定
し、ステップST2に戻る。また、衝突余裕時間、衝突
余裕距離のいずれか1つが閾値未満になっているとき
は、制御を終了しないと判定して、ステップST16に
移行する。
【0068】そして、制御開始/終了および制御量設定
部16は、自車両の運転者(ドライバ)に対して音や光
を出力するようにドライバ警報部4を制御し、ドライバ
に警報をする(ステップST16)。つぎに、制御開始
/終了および制御量設定部16は、図示しないエンジン
スロットルを絞ってエンジン出力を低減させるようにエ
ンジン出力低減部6を制御し(ステップST17)、さ
らに制動力制御部5のブレーキ液圧を高くして制動力を
制御する(ステップST18)。なお、制御開始/終了
および制御量設定部16は、他車両との衝突の可能性が
大きくなるほど、ドライバ警報部4、制動力制御部5、
エンジン出力低減部6の制御量を大きくしてもよい。
【0069】以上のように、本実施の形態に係る衝突防
止制御装置は、ブレーキ等をすることなく路面μ勾配を
推定し、衝突余裕時間及び衝突余裕距離の閾値を決定し
て、衝突防止の制御を開始したり終了する。これによ
り、ドライバに違和感を与えることなく、路面状況に応
じて最適な状態で他車両や障害物との衝突を防止するこ
とができる。このとき、エンジン出力低減だけでなく、
自動制動もほぼ同時に行うので、確実に他車両や障害物
との衝突を防止することができる。
【0070】また、自車両の走行状態に応じて衝突余裕
時間や衝突余裕距離を変えることができるので、常に、
自車両の走行状態に対応して他車両等との衝突を防止す
ることができる。
【0071】なお、上述した実施の形態では、衝突余裕
時間及び衝突余裕距離を演算していたが、これらのいず
れか一方のみを演算してもよい。
【0072】[第2の実施の形態]つぎに、本発明の第
2の実施の形態に係る衝突防止制御装置について説明す
る。なお、第1の実施の形態と同じ部位については同じ
符号を付し、また、重複する説明は省略する。
【0073】第1の実施の形態に係る衝突防止制御装置
は、他車両等との衝突のおそれが生じたときに、ドライ
バへの警報、エンジン出力低減及び自動制動制御をほぼ
同時に行うものである。これに対して、第2の実施の形
態に係る衝突防止制御装置は、他車両等との衝突の危険
度を段階的に判定し、その危険度に応じて他車両等との
衝突を防止するように制御するものである。具体的に
は、図6に示すステップST21以下の処理を実行す
る。
【0074】ステップST21からステップST31ま
での処理は、上述したステップST1からステップST
11までの処理と同様である。そして、制御開始/終了
および制御量設定部16は、ステップST31の処理が
終了すると、各車輪に対して制御開始/終了判定を行
い、さらに閾値を設定する(ステップST32)。
【0075】具体的には、制御開始/終了および制御量
設定部16は、ステップST31で演算した発生可能な
最大減速度に基づいて、他車両等に衝突することなく安
全に停止する最小限の距離である安全停止距離D0を設
定する。そして、制御開始/終了および制御量設定部1
6は、安全停止距離D0に基づいて、図7に示すよう
に、自動制動制御を実行する距離である自動制動距離D
1(>D0)と、パルス制動制御を実行する距離である
パルス制動距離D2(>D1)と、エンジン出力低減制
御を実行する距離であるエンジン出力低減距離D3(>
D2)とを設定する。ここで、パルス制動制御とは、制
動力制御部5のブレーキ液に対してパルス状の液圧を与
えることで制動力を制御することをいう。なお、自動制
動距離D1、パルス制動距離D2、エンジン出力低減距
離D3になるに従って、他車両等との衝突の危険度は小
さくなっている。
【0076】また、作動条件として、時間の関数を用い
ることもできる。このとき、制御開始/終了および制御
量設定部16は、ステップST31で演算した発生可能
な最大減速度に基づいて、他車両等に衝突することなく
安全に停止する最小限の時間である安全停止時間T0を
設定すればよい。さらに、制御開始/終了および制御量
設定部16は、安全停止時間T0に基づいて、自動制動
制御を実行する時間である自動制動時間T1(>T0)
と、パルス制動制御を実行する時間であるパルス制動時
間T2(>T1)と、エンジン出力低減制御を実行する
時間であるエンジン出力低減時間T3(>T2)とを設
定すればよい。なお、自動制動時間T1、パルス制動時
間T2、エンジン出力低減時間T3になるに従って、他
車両等との衝突の危険度は小さくなっている。
【0077】また、制御開始/終了および制御量設定部
16は、自動制動距離D1、パルス制動距離D2、エン
ジン出力低減距離D3、自動制動時間T1、パルス制動
時間T2、エンジン出力低減時間T3のそれぞれに対応
する所定の閾値を記憶している。
【0078】さらに、これらのパラメータの設定では、
自車両の走行路面の勾配(上り勾配や下り勾配)、自車
両に備えられたアクチュエータの応答の遅れ、自車両の
旋回条件なども考慮される。例えば、下り勾配の場合、
アクチュエータの応答が悪い場合、急旋回で走行してい
る場合では、それぞれのパラメータは大きく設定され
る。また、上り勾配の場合、アクチュエータの応答が良
好の場合、直進で走行している場合では、それぞれのパ
ラメータは小さく設定される。
【0079】つぎに、制御開始/終了および制御量設定
部16は、自動制動制御中であるかを判定し(ステップ
ST33)、これを肯定したときは自動制動制御を終了
するかを判定する(ステップST34)。ここでは、制
御開始/終了および制御量設定部16は、自動制動距離
D1及び自動制動時間T1がそれぞれに対応する所定の
閾値以上になっているときは自動制動制御を終了し、そ
れらの少なくとも1つが閾値未満になっているときは自
動制動制御を終了しないと判定する。自動制動制御を終
了するときはステップST22に戻り、自動制動制御を
終了しないときはステップST36に移行する。
【0080】制御開始/終了および制御量設定部16
は、ステップST33で自動制動制御中でないと判定し
たときは、自動制動制御を開始するかを判定する(ステ
ップST35)。ここでは、制御開始/終了および制御
量設定部16は、自動制動距離D1又は自動制動時間T
1がそれぞれに対応する所定の閾値未満になっていると
きは自動制動制御を開始し、これらがいずれも閾値以上
になっているときは自動制動制御を開始しないと判定す
る。そして、自動制動制御を開始することを肯定したと
きはステップST36に移行し、これを否定したときは
図8に示すステップST39に移行する。
【0081】制御開始/終了および制御量設定部16
は、ステップST34の判定で否定した後又はステップ
ST35の判定で肯定した後、自車両のドライバに対し
て音や光を出力するようにドライバ警報部4を制御し、
ドライバに警報をする(ステップST36)。つぎに、
図示しないエンジンスロットルを絞ってエンジン出力を
低減させるようにエンジン出力低減部6を制御し(ステ
ップST37)、さらに制動力制御部5のブレーキ液の
液圧を高くして制動力を制御する(ステップST3
8)。
【0082】つぎに、制御開始/終了および制御量設定
部16は、パルス制動制御中であるかを判定し(ステッ
プST39)、これを肯定したときはパルス制動制御を
終了するかを判定する(ステップST40)。ここで
は、制御開始/終了および制御量設定部16は、パルス
制動距離D2及びパルス制動時間T2がそれぞれに対応
する所定の閾値以上になっているときはパルス制動制御
を終了し、それらの少なくとも1つが閾値未満になって
いるときはパルス制動制御を終了しないと判定する。パ
ルス制動制御を終了するときは図6に示すステップST
22に戻り、パルス制動制御を終了しないときはステッ
プST42に移行する。
【0083】制御開始/終了および制御量設定部16
は、ステップST39でパルス制動制御中であることを
否定したときは、パルス制動制御を開始するかを判定す
る(ステップST41)。ここでは、制御開始/終了お
よび制御量設定部16は、パルス制動距離D2又はパル
ス制動時間T2がそれぞれに対応する所定の閾値未満に
なっているときはパルス制動制御を開始し、これらがい
ずれも閾値以上になっているときはパルス制動制御を開
始しないと判定する。そして、パルス制動制御を開始す
ることを肯定したときはステップST42に移行し、こ
れを否定したときはステップST45に移行する。
【0084】制御開始/終了および制御量設定部16
は、ステップST40の判定で否定した後又はステップ
ST41の判定で肯定した後、自車両のドライバに対し
て音や光を出力するようにドライバ警報部4を制御し、
ドライバに警報をする(ステップST42)。つぎに、
図示しないエンジンスロットルを絞ってエンジン出力を
低減させるようにエンジン出力低減部6を制御し(ステ
ップST43)、さらにパルス制動制御を行う(ステッ
プST44)。
【0085】ここで、パルス制動制御とは、特定の車輪
のブレーキ液に対して、図9に示すように、液圧Pを所
定時間ΔTからなるパルスを与えることをいう。これに
より、ドライバに違和感を与えることなく、発生可能な
最大減速度の推定精度を向上させることができる。この
パルス制動制御が行われた場合、瞬間的に車輪スリップ
率が増加する。
【0086】ここで、図10に示すように、路面μma
xが高い場合(例えばμmax4の場合)は、パルス制
動が与えられても路面μ勾配の低下は少ない。これに対
して、路面μmaxが低い場合(例えばμmax3の場
合)は、パルス制動が与えられると路面μ勾配の低下は
大きい。すなわち、パルス制動を行うことによって、車
輪スリップ率に対する路面μの特性を正確に求めること
ができ、これにより路面μmaxの精度を向上させるこ
とができる。そして、この路面μmaxは再び自動制動
距離D1や自動制動時間T1等のパラメータ算出に用い
られるので、より正確に衝突の危険度を求めることがで
きる。
【0087】さらに、制御開始/終了および制御量設定
部16は、パルス制動制御が実行される前の路面μ勾配
に応じて、液圧Pと時間幅Tを決定する。例えば、路面
μ勾配が小さい場合では液圧P及び/又は時間幅Tを小
さくし、路面μ勾配が大きい場合では液圧P及び/又は
時間幅Tを大きくする。
【0088】制御開始/終了および制御量設定部16
は、パルス制動制御において、走行中の車両運動に影響
が小さく、路面μ勾配の変化が現れやすい車輪に対して
行うのが好ましい。例えば、直線走行の場合や旋回の程
度が小さい場合では、ハンドルへのキックバックを避
け、また路面μ勾配の変化が現れやすい垂直加重の小さ
い後輪に対して行う。旋回の程度が大きい場合では、車
両安定性を損なうおそれのある後輪には実行せず、旋回
内側前輪に対してパルス制動制御を行うのが好ましい。
【0089】つぎに、制御開始/終了および制御量設定
部16は、エンジン出力低減制御中であるかを判定し
(ステップST45)、これを肯定したときはエンジン
出力低減制御を終了するかを判定する(ステップST4
6)。ここでは、制御開始/終了および制御量設定部1
6は、エンジン出力低減距離D3及びエンジン出力低減
時間T3がそれぞれ所定の閾値以上になっているときは
エンジン出力低減制御を終了し、それらの少なくとも1
つが閾値未満になっているときはエンジン出力低減制御
を終了しないと判定する。エンジン出力低減制御を終了
するときはリターンしてステップST21に戻り、エン
ジン出力低減制御を終了しないときはステップST48
に移行する。
【0090】制御開始/終了および制御量設定部16
は、ステップST45でエンジン出力低減制御中である
ことを否定したときは、エンジン出力低減制御を開始す
るかを判定する(ステップST47)。ここでは、制御
開始/終了および制御量設定部16は、エンジン出力低
減距離D3又はエンジン出力低減時間T3が所定の閾値
未満になっているときはエンジン出力低減制御を開始
し、これらがいずれも閾値以上になっているときはエン
ジン出力低減制御を開始しないと判定する。そして、エ
ンジン出力低減制御を開始することを肯定したときはス
テップST48に移行し、これを否定したときはリター
ンしてステップST21に戻る。
【0091】制御開始/終了および制御量設定部16
は、ステップST46の判定で否定した後又はステップ
ST47の判定で肯定した後、自車両のドライバに対し
て音や光を出力するようにドライバ警報部4を制御し、
ドライバに警報をする(ステップST42)。さらに、
図示しないエンジンスロットルを絞ってエンジン出力を
低減させるようにエンジン出力低減部6を制御する(ス
テップST43)。そして、リターンして、再びステッ
プST21からの処理を実行する。
【0092】以上のように、本実施の形態に係る衝突防
止制御装置によれば、他車両等との衝突の危険度に応じ
て、エンジン出力低減、エンジン出力低減及びパルス制
動制御、エンジン出力低減及び自動制動制御を行うこと
ができる。これにより、ドライバーに違和感を与えるこ
となく常に他車両等と適当な間隔をとることができ、こ
の結果、他車両等との衝突を防止することができる。
【0093】[第3の実施の形態]つぎに、本発明の第
3の実施の形態に係る衝突防止制御装置について説明す
る。なお、上述した実施の形態と同じ部位については同
じ符号を付し、また、重複する説明は省略する。本実施
の形態において、発生可能最大減速度演算部15は、以
下に示すように構成されている。
【0094】(第1の構成)発生可能最大減速度演算部
15は、路面勾配推定部13で推定された路面μ勾配
と、車輪速センサ2で検出された車輪速信号とに基づい
て、発生可能な最大減速度を演算する。発生可能最大減
速度演算部15は、具体的には図11に示すように、所
定帯域の車輪速信号を通過させるバンドパスフィルタ3
1と、振動レベルを演算する振動レベル演算回路32
と、走行路面の摩擦状態を推定する路面摩擦状態推定回
路33と、発生可能な最大減速度を演算する減速度演算
回路34とを備えている。
【0095】バンドパスフィルタ31は、車輪速センサ
2で検出された車輪速信号のうち、所定範囲の車輪速信
号を抽出する。ここで、車輪速センサ2で検出された車
輪速信号は、周波数に応じて分解すると、図12に示す
ように、2つの共振点と1つの***振点とを有する。2
つの共振点のうち周波数が小さい側の共振点は、タイヤ
慣性などに基づく前後共振点であり、周波数はf1(1
5〜20)Hzである。また、2つの共振点のうち周波
数が高い側の共振点は、タイヤの空気圧やタイヤゴム弾
性に基づく捩れ共振点であり、周波数はf3(35〜4
0)Hzである。***振点は、色々な信号に対して不感
帯となるもので、周波数f2(20〜25)Hzであ
る。バンドパスフィルタ31は、車輪速センサ2で検出
された車輪速信号のうち、捩れ共振点(周波数f3)含
む所定範囲Δfの車輪速信号を抽出する。なお、バンド
パスフィルタ31は、捩れ共振点以外の、前後共振点や
***振点を含む所定範囲Δfの車輪速信号を抽出するよ
うにしてもよい。
【0096】振動レベル演算回路32は、バンドパスフ
ィルタ31で抽出された車輪速信号を用いて、次式より
定まる車輪速信号の振動レベルG(N)を演算する。こ
こでは、バンドパスフィルタ31の出力をω(k)とす
る。
【0097】
【数14】
【0098】振動レベル演算回路32は、実際には、演
算タイミング毎に、以下に示す漸化式を逐次的に演算す
る。
【0099】
【数15】
【0100】なお、路面μ勾配は、図13に示すよう
に、突起乗り越し等により適正に推定されないことがあ
る。そこで、振動レベル演算回路32が振動レベルを演
算することによって、突起乗り越し等があっても適正に
路面μ勾配を推定するようにしている。
【0101】一方、このようにして得られた振動レベル
と路面μ勾配の推定値とを、アスファルト路面や低μ路
においてプロットすると、図14に示すように、アスフ
ァルト路面と低μ路とでは明確に区別される。さらに、
アスファルト路面中に突起を乗り越したとしても、低μ
路における領域と明確に区別される。上記事実に鑑み本
発明者は、種々の路面状態毎に振動レベルと路面μ勾配
との推定値との関係を求めたところ、図15に示すよう
に、振動レベルと路面μ勾配の推定値とは各路面状態、
例えば低μ路、アスファルト路、石畳路、圧雪路、砂利
・非整地路毎に領域毎に明確に区別されて認識出来るこ
とが実験の結果得られた。即ち、例えば、圧雪路は路面
μ勾配の推定値としては高μ路(アスファルト路、石畳
路)より若干小さい値となっているが、振動レベルの違
いによって領域に差が表れている。砂利道等は更に振動
レベルが高い領域にあるが、路面μ勾配の推定値は高μ
路より低い値となっている。
【0102】そこで、路面摩擦状態推定回路33は、振
動レベル演算回路32で演算された振動レベルと、μ勾
配演算回路23で演算された路面μ勾配の推定値と、図
15に示す路面状態毎の両者の関係とに基づいて、車輪
の路面に対する摩擦状態(路面状態)を推定する。
【0103】路面状態は、図15に示すように、各路面
における代表的な路面μmaxに対応させることも可能
である。この場合、図15に示す領域をまたぐことがあ
れば、各領域の平均値で路面μmaxを求めることもで
きる。
【0104】ところで、バンドパスフィルタ31は、車
輪速信号のうち、2つの共振点の何れか一方の共振点の
車輪速信号または、***振点の車輪速信号を抽出する。
すなわち、バンドパスフィルタ31は、図12に示すよ
うに、周波数が低周波数領域より大きい車輪速信号を検
出するようにしている。このように周波数が低周波数領
域より大きい車輪速信号を検出するようにしているの
は、周波数が低周波数領域より小さい車輪速信号は、誤
差が大きいため影響が大きくなり、路面摩擦状態を精度
よく推定することが出来ないためである。
【0105】図16には、アスファルト路、低μ路を走
行したときの車輪速信号の周波数特性が示されている。
なお、低μ路は、アスファルト路に比較して凹凸が非常
に小さくなっている。40Hz付近にある共振特性を見
ると、低μ路はアスファルト路に比較して振動レベルが
小さくなっており、路面の凹凸をよく反映していること
が理解できる。また、共振の強さも小さくなっており、
本手法によって低μ路であることが推定できる。
【0106】低周波数領域(5Hz以下)の振動成分を
みると、この領域では、振動レベルは路面μ勾配の逆数
に比例して大きくなるため、低μ路の低周波数領域の車
輪速信号の振動レベルは、アスファルト路の低周波数領
域の車輪速信号の振動レベルより大きくなっている。よ
って、低周波数領域の車輪速信号に基づいて振動レベル
及び路面μ勾配を演算して路面状態を推定すると、次の
ような問題が生ずる。即ち、低周波数領域の振動成分
は、路面μ勾配に依存し、実路面の凹凸状態を反映して
いない。このため、路面判定用のマップ作成には多くの
適合工数を必要となる。また、低周波数領域の車輪速信
号には、車両のロール、ピッチング運動による振動成分
も含まれているため、走行条件によっては路面状態を精
度よく判定することができない場合がある。更に、上記
理由から、判定マップは、タイヤや車両の物理パラメー
タに応じて用意しなければならないが、タイヤ交換等に
より車両の緒元を変更したときは対応が困難であり、場
合によっては路面状態の判定ができないおそれがある。
【0107】これに対して、本実施の形態では、低周波
数領域より大きい領域の車輪速信号を対象としているた
め、上記問題が発生せず、路面状態を精度よく判定する
ことができる。また、路面摩擦状態推定回路33は、自
車両の走行する路面がアスファルト路であるか低μ路で
あるかを推定し、これから路面μやその最大値である路
面μmaxを推定することもできる。減速度演算回路3
4は、路面状態あるいはこの路面μmaxを用いて発生
可能な最大減速度を算出し、この最大減速度を上述した
図2に示す制御開始/終了および制御量設定部2に供給
する。
【0108】以上のように、発生可能最大減速度演算部
15は、路面μ勾配と車輪速信号の振動とに基づいて路
面状態を推定し、さらに最大減速度を算出することがで
きる。すなわち、この発生可能最大減速度演算部15を
備えた衝突防止制御装置は、制動をかけることなく、路
面状態に応じた適切な最大減速度を演算するので、より
確実に他車両等との衝突を防止することができる。
【0109】(第2の構成)つぎに、発生可能最大減速
度演算部15の第2の構成について説明する。上述した
実施の形態と同様の構成部分を有するので、同一部分は
同一の符合を付してその説明を省略し、異なる部分のみ
を説明する。発生可能最大減速度演算部15は、上述し
た振動レベル演算回路32に代えて、図17に示すよう
に振幅演算回路35を備えている。
【0110】振幅演算回路35は、バンドパスフィルタ
31により抽出された所定周波数の車輪速信号の振幅を
演算する。具体的には、所定周波数fの振幅を求めるに
は、後述するsin関数の値Siとcos関数の値Ci
を用いて求める。
【0111】最初に、サンプル時間をTSとして、以下
の式を求める。
【0112】
【数16】
【0113】つぎに、振幅を求めたい車輪速信号をy、
現在のサンプリング時の車輪速信号の値をy(N)とす
ると、以下の式から振幅Aが求められる。
【0114】
【数17】
【0115】ところで、上記のように演算された振幅A
と路面μ勾配推定値は、図18に示すように、路面状態
毎に領域に分かれて明確に区別することができる。すな
わち、振幅Aとそのときの路面μ勾配推定値が分かれ
ば、アスファルト路や圧雪路であるか等の路面状態を推
定することができ、更にその結果、路面μや路面μma
xを推定することができる。そこで、路面摩擦状態推定
回路33は、μ勾配演算回路23により演算された路面
μ勾配と、振幅演算回路35により演算された振幅A
と、図18に示す関係とに基づいて、路面摩擦状態を推
定する。これにより、この発生可能最大減速度演算部1
5を備えた衝突防止制御装置は、制動をかけることな
く、路面状態に応じた適切な最大減速度を演算するの
で、より確実に他車両等との衝突を防止することができ
る。
【0116】(第3の構成)つぎに、発生可能最大減速
度演算部15の第3の構成について説明する。前述した
構成と同一部分を有するので、同一部分には同一の符号
を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明す
る。
【0117】発生可能最大減速度演算部15は、図19
に示すように、μ勾配演算回路23で演算された路面μ
勾配の変化率を演算するμ勾配変化率演算回路36と、
路面μ勾配とその変化率とに基づいて路面摩擦状態を推
定する路面摩擦状態推定回路33と、推定された路面摩
擦状態から最大減速度を演算する減速度演算回路34と
を備えている。
【0118】ここで、路面μ勾配の変化率と路面μ勾配
の推定値は、図20に示すように、路面状態に応じて領
域毎に分割されて明確に区別することができる。すなわ
ち、路面μ勾配の変化率と路面μ勾配推定値が分かれ
ば、アスファルト路や圧雪路であるか等の路面状態を推
定することができ、更にその結果、路面μや路面μma
xを推定することができる。そこで、路面摩擦状態推定
回路33は、μ勾配演算回路23により演算された路面
μ勾配と、勾配変化率演算回路36で演算された路面μ
勾配の変化率と、図20に示す関係とに基づいて、車輪
の路面に対する摩擦状態を推定する。これにより、この
発生可能最大減速度演算部15を備えた衝突防止制御装
置は、制動をかけることなく、路面状態に応じた適切な
最大減速度を演算するので、より確実に他車両等との衝
突を防止することができる。
【0119】なお、前述した説明においては路面μ勾配
を推定しているが、路面μ勾配と等価な制動トルク勾配
を演算してもよい。
【0120】
【発明の効果】本発明によれば、自車両の速度及び加速
度、障害物の速度及び加速度、最大減速度に基づいて、
衝突余裕時間及び衝突余裕距離の少なくとも一方を演算
し、これらの少なくとも一方がそれぞれに対応する所定
の閾値未満になったときに、運転者に対する警報、制動
力制御、エンジン出力低減の少なくとも1つを実行して
衝突防止の制御を行うことにより、路面状況を常に的確
に判定して、運転者に違和感を与えることなく障害物と
の衝突を防止することができる。
【0121】また、本発明によれば、自車両の速度及び
加速度、障害物の速度及び加速度、最大減速度に基づい
て障害物との衝突の危険度を判定し、危険度があるとき
は前記エンジン出力制御手段のエンジン出力を低減させ
ると共に、危険度が大きくなるに従って前記制動力制御
手段の制動力を大きくすることにより、危険度に応じて
段階的に衝突防止制御を行うことができるので、ドライ
バに違和感を与えることなく、障害物との距離を十分に
保って衝突を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る衝突防止制御
装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】衝突防止制御装置に備えられたECUの具体的
な構成を示すブロック図である。
【図3】ECUに備えられた路面勾配推定部の具体的な
構成を示すブロック図である。
【図4】車輪スリップ率に対する路面μの関係であるμ
−S特性を示す図である。
【図5】衝突防止制御装置の動作内容を説明するフロー
チャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る衝突防止制御
装置の動作内容を説明するフローチャートである。
【図7】安全停止距離D0、自動制動距離D1、パルス
制動距離D2、エンジン出力低減距離D3の関係を説明
する図である。
【図8】衝突防止制御装置の動作内容を説明するフロー
チャートである。
【図9】パルス制動制御においてブレーキ液に与えられ
るパルス状の液圧を説明する図である。
【図10】パルス制動制御を行ったときのμmaxと路
面μ勾配の変化を説明する図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る衝突防止制
御装置の発生可能最大減速度演算部の構成を示すブロッ
ク図である。
【図12】車輪速信号の周波数に対する振幅の関係を示
す図である。
【図13】アスファルトを走行しているときに突起を乗
り越したときの路面μ勾配推定値の変化を示す図であ
る。
【図14】アスファルトや低μ路を走行したときの車輪
速信号の振動レベルに対する路面μ勾配推定値の関係を
示す図である。
【図15】走行路面毎の車輪速信号の振動レベルに対す
る路面μ勾配推定値の関係を示す図である。
【図16】車輪速信号の周波数特性を示す図である。
【図17】発生可能最大減速度演算部の第2の構成を示
すブロック図である。
【図18】走行路面毎の車輪速信号の振幅に対する路面
μ勾配推定値の関係を示す図である。
【図19】発生可能最大減速度演算部の第3の構成を示
すブロック図である。
【図20】路面μ勾配変化率に対する路面μ勾配推定値
の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 測距センサ 2 車輪速センサ 3 ECU 4 ドライバ警報部 5 制動力制御部 6 エンジン出力低減部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60R 21/00 628 B60R 21/00 628F B60K 28/14 B60K 28/14 28/16 28/16 31/00 31/00 Z B60T 7/12 B60T 7/12 C F02D 29/02 301 F02D 29/02 301D 341 341 (71)出願人 000004260 株式会社デンソー 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 (72)発明者 梅野 孝治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 安井 由行 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 小野沢 智 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 稲垣 匠二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 沢田 護 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3D037 FA14 FA15 FA16 FA23 FA25 FA26 FB00 FB02 FB10 FB12 3D044 AA21 AA25 AA31 AA35 AA45 AA50 AB01 AC26 AC28 AC57 AC59 AD04 AD21 AE04 AE11 AE15 AE18 AE21 3D046 BB18 BB23 BB28 GG02 HH16 HH20 HH23 HH26 HH36 HH46 JJ18 KK06 MM34 3G093 BA00 CB01 DB02 DB05 DB16 DB18 DB21 DB23 EB04 FA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪速度を検出する車輪速度検出手段
    と、 前記車輪速度に基づいて、自車両の速度及び加速度を検
    出する自車両速度/加速度検出手段と、 障害物の速度及び加速度を検出する障害物速度/加速度
    検出手段と、 前記車輪速度に基づいて、自車両が走行する路面の路面
    μ勾配を推定する路面μ勾配推定手段と、 前記推定された路面μ勾配に基づいて、発生可能な最大
    減速度を演算する最大減速度演算手段と、 前記自車両の速度及び加速度、前記障害物の速度及び加
    速度、前記最大減速度に基づいて、前記障害物との衝突
    を回避するために必要な時間である衝突余裕時間及び前
    記障害物との衝突を回避するために必要な距離である衝
    突余裕距離の少なくとも一方を演算するパラメータ演算
    手段と、 演算された前記衝突余裕時間及び前記衝突余裕距離の少
    なくとも一方がそれぞれに対応する所定の閾値未満にな
    ったときに、運転者に対する警報、制動力制御、エンジ
    ン出力低減の少なくとも1つを実行して衝突防止の制御
    を行う衝突防止制御手段と、 を備えた衝突防止制御装置。
  2. 【請求項2】 前記最大減速度演算手段は、前記推定さ
    れた路面μ勾配に基づいて最大路面摩擦係数を演算し、
    この最大路面摩擦係数から発生可能な最大減速度を演算
    することを特徴とする請求項1記載の衝突防止制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記路面μ勾配推定手段は、スリップ率
    0近傍における路面μ勾配を推定し、 前記最大減速度演算手段は、前記スリップ率0近傍にお
    ける路面μ勾配に基づいて、発生可能な最大減速度を演
    算することを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    衝突防止制御装置。
  4. 【請求項4】 前記最大減速度演算手段は、前記車輪速
    度検出手段で検出された車輪速度の振動レベルと、前記
    路面μ勾配推定手段で推定された路面μ勾配とに基づい
    て、最大減速度を演算することを特徴とする請求項1記
    載の衝突防止制御装置。
  5. 【請求項5】 前記路面μ勾配推定手段は、前記衝突防
    止制御手段が制動力制御を行った際に、そのときのスリ
    ップ率に対する路面μ勾配を推定し、 前記最大減速度演算手段は、推定されたスリップ率に対
    する路面μ勾配に基づいて、スリップ率に対する路面摩
    擦係数の特性の最大値である最大路面摩擦係数を演算す
    ることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1
    記載の衝突防止制御装置。
  6. 【請求項6】 車輪速度を検出する車輪速度検出手段
    と、 前記車輪速度に基づいて、自車両の速度及び加速度を検
    出する自車両速度/加速度検出手段と、 障害物の速度及び加速度を検出する障害物速度/加速度
    検出手段と、 前記車輪速度に基づいて、自車両が走行する路面の路面
    μ勾配を推定する路面μ勾配推定手段と、 前記推定された路面μ勾配に基づいて、発生可能な最大
    減速度を演算する最大減速度演算手段と、 エンジンの出力を制御するエンジン出力制御手段と、 ブレーキ圧を制御して制動力を制御する制動力制御手段
    と、 前記自車両の速度及び加速度、前記障害物の速度及び加
    速度、前記最大減速度に基づいて障害物との衝突の危険
    度を判定し、危険度があるときは前記エンジン出力制御
    手段のエンジン出力を低減させると共に、危険度が大き
    くなるに従って前記制動力制御手段の制動力を大きくす
    る制御を行う制御手段と、 を備えた衝突防止制御装置。
  7. 【請求項7】 制御手段は、 前記危険度が大きいと判定したときは、前記エンジン出
    力制御手段のエンジンの出力を低減し、かつ前記制動力
    制御手段に所定のブレーキ圧を加える制御をし、 前記危険度が小さいと判定したときは、前記エンジン出
    力制御手段のエンジンの出力を低減する制御をし、 前記危険度がこれらの中間であると判定したときは、前
    記エンジン出力制御手段のエンジンの出力を低減し、か
    つ前記制動力制御手段にパルス状のブレーキ圧を加える
    制御をすることを特徴とする請求項6記載の衝突防止制
    御装置。
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