本願発明は一般式(I)で表される化合物を提供し、併せて当該化合物を含有する組成物、当該組成物を重合させることにより得られる重合体及び当該重合体を用いた光学異方体を提供する。
一般式(I)において、Pは下記の式(P−1)から式(P−18)
から選ばれる基を表すことが好ましく、これらの重合性基はラジカル重合、ラジカル付加重合、カチオン重合及びアニオン重合により重合する。特に重合方法として紫外線重合を行う場合には、式(P−1)、式(P−2)、式(P−3)、式(P−4)、式(P−5)、式(P−7)、式(P−11)、式(P−13)、式(P−15)又は式(P−18)が好ましく、式(P−1)、式(P−2)、式(P−7)、式(P−11)又は式(P−13)がより好ましく、式(P−1)、式(P−2)又は式(P−3)がさらに好ましく、式(P−1)又は式(P−2)が特に好ましい。
Spはスペーサー基又は単結合を表すが、Spが複数存在する場合それらは同一であっても異なっていてもよく、各々スペーサー基である独立して1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−COO−、−OCO−又は−OCO−O−に置き換えられても良い炭素原子数1から20のアルキレン基又は単結合を表すことが好ましく、材料の入手容易さ、液晶性及び他の成分との相溶性の観点から、Spは、1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−COO−又は−OCO−に置き換えられても良い炭素原子数1から12のアルキレン基が好ましく、Spは、1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−に置き換えられても良い炭素原子数1から12のアルキレン基がより好ましく、Spは、1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−に置き換えられても良い炭素原子数1から8のアルキレン基がさらにより好ましく、Spは、炭素原子数1から8のアルキレン基が特に好ましい。
Xは、−O−、−S−、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−(C(Y1)2)n1−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−COO−、−CH2−OCO−、−CY1=CY1−(式中、Y1は各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表し、n1は1から6の整数を表すが、Y1が複数存在する場合それらは同一であっても異なっていてもよい。)又は単結合を表すが、Xが複数存在する場合それらは同一であっても異なっていてもよく、
合成の容易さ、液晶性及び他の成分との相溶性の観点からXは単結合、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−、又は−CY1=CY1−(式中、Y1は各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表し、n1は1から6の整数を表す。)ことが好ましく、
Xは、単結合、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−又は−CH2CH2−OCO−を表すことがより好ましく、
Xは、単結合、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、を表すことがさらにより好ましく、
Xは、単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表すことがさらにより好ましく、複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く各々独立して−O−、−COO−、−OCO−を表すことがさらにより好ましく、
Xは、−O−を表すことが特に好ましい。
A1及びA4は各々独立して1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、シクロヘキサン−1,4−ジイル、1,4−シクロヘキセニレン、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、ピペリジン−2,5−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、インダン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル又はフルオレン−2,7−ジイルを表すが、
合成の容易さ、液晶性及び他の成分との相溶性の観点から1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、インダン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル又はフルオレン−2,7−ジイルを表すことがより好ましく、
1,4−フェニレン又はナフタレン−2,6−ジイルを表すことがさらにより好ましく、
これらの基は無置換又は1つ以上のLによって置換されても良く、これらの環構造における1つ以上の=CH−基は=N−に置換されても良く、若しくはこれらの基における1つ以上の連続しない−CH2−基は各々独立して−O−又は−S−に置換されても良く、A1及びA4が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよいが、
無置換又は1〜2個のLによって置換された1,4−フェニレン或いは無置換のナフタレン−2,6−ジイルを表すことが特に好ましく、
A2及びA3は各々独立して1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、シクロヘキサン−1,4−ジイル、1,4−シクロヘキセニレン、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、ピペリジン−2,5−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、インダン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル又はフルオレン−2,7−ジイルを表すが、これらの基は無置換又は1つ以上のLによって置換されても良く、これらの環構造における1つ以上の=CH−基は=N−に置換されても良く若しくはこれらの基における1つ以上の連続しない−CH2−基は各々独立して−O−又は−S−に置換されても良いが、A2及びA3のうち少なくとも一方は無置換又は1つ以上のLによって置換されても良いナフタレン−2,6−ジイルを表し、
合成の容易さ、化合物の安定性、液晶性及び他の成分との相溶性の観点から、少なくとも一方は無置換又は1つ以上のLによって置換されても良いナフタレン−2,6−ジイルを表し、もう一方は、無置換の1,4−フェニレン又はナフタレン−2,6−ジイルを表す場合がさらにより好ましく、一方がナフタレン−2,6−ジイルを表し、他方が1,4−フェニレンを表す場合がさらにより好ましく、A2がナフタレン−2,6−ジイルを表しA3が1,4−フェニレンを表す場合が特に好ましい。
Z1及びZ2は各々独立して単結合、−O−、−S−、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−(C(Y1)2)n1−、−CH2CF2−、−CF2CH2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−COO−、−CH2−OCO−、−CY1=CY1−又は−C≡C−を表し(式中、Y1は各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表し、n1は1から6の整数を表すが、Y1が複数存在する場合それらは同一であっても異なっていてもよい。)、Z1及びZ2が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよく、
合成の容易さ、化合物の安定性、液晶性及び他の成分との相溶性の観点から、各々独立して単結合、−COO−、−OCO−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−を表す場合が好ましく、ここでZ1及びZ2が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよく、
各々独立して単結合、−COO−、−OCO−を表す場合が特に好ましく、
ここでZ1及びZ2が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
nは0から10の整数を表すが、合成の容易さ、原料の入手の容易さ、液晶性及び他の成分との相溶性の観点から0から4の整数である場合が好ましく、0から2の整数である場合がより好ましく、1又は2である場合がさらにより好ましく、1である場合が特に好ましい。
m1及びm2は0から5の整数を表すが、合成の容易さ、原料の入手の容易さ、液晶性及び他の成分との相溶性の観点から0から4の整数である場合が好ましく、0から3の整数である場合がより好ましく、0から2の整数である場合がさらにより好ましく、0又は1である場合がさらにより好ましく、m1が0又は1でm2が0である場合が特に好ましい。
Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素原子数1から20のアルキル基を表すが、該アルキル基中の隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−又は−OCO−O−に置き換えられても良く、該アルキル基は直鎖状又は分岐状であってもよく、該アルキル基中の炭素原子に結合する水素原子はフッ素原子に置き換えられてもよいが、Rがフッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、メトキシ基又はチオメトキシ基を表す場合、フィルム製造プロセス上、当該化合物を組成物に添加した際、組成物のネマチック相上限温度を著しく低下させないことが好ましいことから、m1は1から5の整数を表し、合成の容易さ、液晶性及び他の成分との相溶性、ムラの生じにくさ、位相差の保持率の観点から、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−に置き換えられても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すことがさらにより好ましく、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−に置き換えられても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すことがさらにより好ましく、Rは炭素原子数1から12の直鎖状アルキル基が特に好ましい。
Lはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、シアノ基、−N(Y3)2、−Si(Y3)3、1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−又は−OCO−O−に置き換えられても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基(式中、Y3は各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、Y3が複数存在する場合それらは同一であっても異なっていてもよい。)、ヒドロキシル基又はメルカプト基を表すことが好ましいが、フッ素原子、塩素原子、1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−に置き換えられても良い炭素原子数1から10の直鎖状アルキル基を表すことがさらにより好ましく、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基又はメトキシ基を表すことが特に好ましい。
一般式(I)で表される化合物として、下記一般式(i−1)から(i−9)で表される化合物がより好ましい。
(式中、R、P、Sp、X、A1、A4、Z1、Z2、m1、m2及びLは各々独立して一般式(I)で定義されたものと同一のものを表し、rは各々独立して0から4の整数、sは各々独立して0から3の整数を表す。但し、Rがフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、メトキシ基又はチオメトキシ基を表す場合、m1は1から5の整数を表す。)
一般式(I)で表される化合物として、下記一般式(ia−1)から(ia−3)で表される化合物がさらにより好ましい。
(式中、P、Sp、X、及びL、r及びsは各々独立して一般式(I)で定義されたものと同一のものを請求項1から請求項9と同様の意味を表し、rは各々独立して0から4の整数、sは各々独立して0から3の整数を表す、Z1aは単結合、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−を表し、R1は1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−COO−、−OCO−に置き換えられても良い炭素原子数1から10の直鎖状又は分岐状アルキル基を表す。)
一般式(ia−1)から(ia−3)で表される化合物に含まれる下記式(a−1)で表される構造としては、下記式(a−2)から(a−7)である場合が好ましい。
また、一般式(ia−1)又は(ia−2)で表される化合物に含まれる下記式(b−1)で表される構造として、下記式(b−2)から(b−5)である場合が好ましい。
一般式(I)で表される化合物として具体的には、下記の式(I−1)から式(I−42)で表される化合物が好ましい。
本願発明の化合物は以下の製法で製造することができる。
(製法1)下記式(S−10)で表される化合物の製造
(式中、P、Sp、Lは各々独立して前記一般式(I)で定義されたものと同一のものを表し、R1は前記一般式(I)で定義されたRと同一のものを表し、rは各々独立して0から4の整数、sは各々独立して0から3の整数を表す。Halogenはハロゲン原子又はハロゲン等価体を表し、PGは保護基を表す。)
一般式(S−1)で表される化合物を例えばトリフルオロメタンスルホン酸無水物(Tf2O)と反応させることにより一般式(S−2)で表される化合物を得る。
一般式(S−2)で表される化合物を例えばトリメチルシリルアセチレンと薗頭クロスカップリングさせることにより一般式(S−3)で表される化合物を得る。反応条件としては例えば、Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions(Armin de Meijere、Francois Diedrich共著、Wiley−VCH)、Palladium Reagents and Catalysts:New Perspectives for the 21st Century(Jiro Tsuji著、Wiley & Sons,Ltd.)、Cross−Coupling Reactions:A Practical Guide(Topics in Current Chemistry)(S.L.Buchwald、K.Fugami、T.Hiyama、M.Kosugi、M.Miura、N.Miyaura、A.R.Muci、M.Nomura、E.Shirakawa、K.Tamao著、Springer)等の文献に記載の方法が好ましい。パラジウム触媒としてはアリルパラジウム(II)クロリド、ベンジルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)ジクロリド、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)ジクロリド、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド、[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)ジクロリド、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)ジクロリド、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)ジクロリド、ビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、ビス(2,4−ペンタンジオナト)パラジウム(II)、1,2−ビス(フェニルスルフィニル)エタンパラジウム(II)ジアセタート、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジアセタート、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、ビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、ブロモ[[1,3−ビス[(4S,5S)−1−ベンゾイル−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリン−2−イル]ベンゼン]パラジウム(II)]、クロロ[[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン](アセトアニリド)パラジウム(II)]、クロロ[[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン](N,N−ジメチルベンジルアミン)パラジウム(II)]、クロロ[[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン](N,N−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルアミン)パラジウム(II)]、クロロ[[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン](4’−メトキシアセトアニリド)パラジウム(II)]、ジ−μ−クロロビス[5−クロロ−2−[(4−クロロフェニル)(ヒドロキシイミノ)メチル]フェニル]パラジウム(II)ダイマー、ジ−μ−クロロビス[2−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル−C,N]ジパラジウム(II)、ジ−μ−クロロビス[5−ヒドロキシ−2−[1−(ヒドロキシイミノ)エチル]フェニル]パラジウム(II)ダイマー、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)、テトラクロロパラジウム(II)酸ナトリウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、パラジウム/炭素、パラジウム/炭酸バリウム、パラジウム/硫酸バリウム、パラジウム/炭酸カルシウム、水酸化パラジウム/炭素、パラジウム/シリカゲル、パラジウム/SHシリカゲル等が挙げられる。銅触媒としてはヨウ化銅(I)が挙げられる。塩基としては例えばN,N−ジエチルヘキサデシルアミン、N,N−ジメチル−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドコシルアミン、N−ヘキサデシル−N−メチルヘキサデシルアミン、N,N,3,3−テトラメチルブチルアミン、N−メチル−N−オクチルオクチルアミン、N−ドデシル−N−メチルドデシルアミン、N,N−ジメチル−2−プロペニルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N−エチル−N−メチルエチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジメチルオクタデシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、トリドデシルアミン、トリブチルアミン、トリプロペニルアミン、トリプロピルアミン、トリメチルアミン、N−ブチルヘキサデシルアミン、N−メチルペンタデシルアミン、N−エチルプロピルアミン、N−イソプロピル−6−メチル−2−へプチルアミン、N−エチルブチルアミン、N−メチルドデシルアミン、ジドデシルアミン、ジヘプチルアミン、ジペンチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジオクチルアミン、N−(3−メチルブチル)−6−メチル−2−へプチルアミン、ジヘキシルアミン、ジプロピルアミン、ジメチルアミン、ジ−2−プロペニルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、N−メチルブチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、2,2,3,3−テトラメチル−1−ブチルアミン、2−トリデシン−1−アミン、3−メチル−2,2−ジイソプロピル−1−ブチルアミン、2,2−ジメチル−3−ペンチルアミン、2−ペンチルアミン、10−ウンデセン−1−アミン、5−デシン−1−アミン、エタンアミン、9−ヘキサデセン−1−アミン、7−トリデシルアミン、1−ドコシルアミン、1−ノナデシルアミン、2−ブチルアミン、1−エイコシルアミン、1−ウンデシルアミン、2,2−ジメチル−1−プロピルアミン、1−ヘプタデシルアミン、3,3−ジメチル−2−ブチルアミン、2−メチル−3−ブチニル−2−アミン、1−ペンタデシルアミン、1−デシルアミン、1−テトラデシルアミン、2−メチル−3,5−ヘキサジイニル−2−アミン、2−オクチルアミン、2−エチル−1−ブチルアミン、3−メチル−2−ブチルアミン、2−メチル−2−ブチルアミン、6−メチル−2−へプチルアミン、1−ヘキサデシルアミン、1−オクタデシルアミン、1−ドデシルアミン、1−ノナニルアミン、1−オクチルアミン、1−へプチルアミン、1−ヘキシルアミン、1−ペンチルアミン、1−ブチルアミン、3−メチル−1−ブチルアミン、2−プロペニル−1−アミン、1−プロピルアミン、2−メチル−1−プロピルアミン、2−メチル−2−プロピルアミン、2−プロピルアミン、エチルアミン、メチルアミン、ピリジン、N−メチルピリジン、2−クロロピリジン、2−ブロモピリジン、ピペリジン、ピリミジン、キノリン、アクリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、ピコリン、ビピリジン、2,6−ルチジン、クロロクロム酸ピリジニウム、ピリジニウムパラトルエンスルホナート、トリエタノールアミン、トリメタノールアミン、ピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン、2−メチルピペラジン、trans−2,5−ピペラジン、シス−2,6−ジメチルピペラジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、カテコールアミン、フェネチルアミン、トルイジン、ベンジジン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−tert−ブチルエタノールアミン、N−tert−ブチルジエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)イソプロパノールアミン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。
一般式(S−3)で表される化合物を例えば炭酸カリウムと反応させることにより一般式(S−4)で表される化合物を得る。エチニル基の導入方法として、トリメチルシリルアセチレンの代わりに2−メチル−3−ブチン−2−オール、エチニル(フェニル)ヨードニウムテトラフルオロボラート、(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホン酸ジメチル、アセチレンガス等を使用しても構わない。また、エテニル基を導入した後、ハロゲン化し塩基で処理することによりエチニル基へと誘導しても構わない。
一般式(S−5)で表される化合物のヒドロキシル基を保護基(PG)により保護する。保護基(PG)の種類としては、反応過程において一般式(S−6)で表される化合物を与えるものであり、以降の工程において安定に当該ヒドロキシル基を保護しうるものであれば特に制限は無いが、例えば、GREENE’S PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIG SYNTHESIS((Fourth Edition)、PETER G.M.WUTS、THEODORA W.GREENE共著、A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)に挙げられている保護基が好ましい。
一般式(S−6)で表される化合物を一般式(S−4)で表されるアセチレン化合物と薗頭クロスカップリングさせることにより一般式(S−7)で表される化合物を得る。反応条件としては例えば、Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions(Armin de Meijere、Francois Diedrich共著、Wiley−VCH)、Palladium Reagents and Catalysts:New Perspectives for the 21st Century(Jiro Tsuji著、Wiley & Sons,Ltd.)、Cross−Coupling Reactions:A Practical Guide(Topics in Current Chemistry)(S.L.Buchwald、K.Fugami、T.Hiyama、M.Kosugi、M.Miura、N.Miyaura、A.R.Muci、M.Nomura、E.Shirakawa、K.Tamao著、Springer)等の文献に記載の方法が好ましい。触媒、塩基としては前記のものが挙げられる。
一般式(S−7)で表される化合物の保護基(PG)を脱保護する。脱保護の反応条件としては、反応過程において一般式(S−8)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば、GREENE’S PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIG SYNTHESIS((Fourth Edition)、PETER G.M.WUTS、THEODORA W.GREENE共著、A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)に挙げられている反応条件が好ましい。
一般式(S−8)で表される化合物を一般式(S−9)で表される化合物と反応させることにより式(S−10)で表される化合物を得る。反応条件としては例えば、光延反応又は、一般式(S−9)で表される化合物をスルホン酸等と反応させスルホン酸エステルとした後、一般式(S−8)で表される化合物と塩基存在下反応させる方法が挙げられる。光延反応を用いる場合、アゾジカルボン酸としては例えばアゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジベンジル、アゾジカルボン酸ジメチル、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボン酸ビス(2,2,2−トリクロロエチル)、1,1’−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)、アゾジカルボン酸ビス(2−メトキシエチル)、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル等が挙げられる。ホスフィンとしては例えばジエチルフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン、4−(ジメチルアミノ)フェニルジフェニルホスフィン、4−ジフェニルホスフィノメチルポリスチレン樹脂、イソプロピルジフェニルホスフィン、フェノキシジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン等が挙げられる。また、シアノメチレントリブチルホスホラン等の角田試薬を用いてもよい。スルホン酸エステルを経由する場合、スルホン酸としてフルオロスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。塩基としては前記のものの他、例えば水酸化アルミニウム、アンモニア水、バリウム水和物、苛性バライト、水酸化バリウム、水酸化ビスマス、水酸化カドミウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、石灰、水酸化セリウム、水酸化クロム、水酸化コバルト、水酸化銅、第二鉄水和物、水酸化鉄、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化マンガン、水酸化ニッケル、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化タリウム、水酸化トリウム、酢酸ナトリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、リン酸アンモニウムナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、ギ酸カルシウム、リン酸カルシウム、酢酸タリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、ギ酸カリウム、シュウ酸カリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸セシウム、ギ酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等が挙げられる。
各工程において適宜反応溶媒を用いることができる。溶媒としては目的の化合物を与えるものであれば制限は無いが、例えばtert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソペンチルアルコール、シクロヘキサノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−オクタノール、2−メトキシエタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、メタノール、メチルシクロヘキサノール、エタノール、プロパノール、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、1−クロロブタン、二硫化炭素、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、o−ジクロロベンゼン、キシレン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、クロロベンゼン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸2−メトキシエチル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン、シクロヘキサノン、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、スチレン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、ピリジン、1−メチル−2−ピロリジノン、1,1,1−トリクロロエタン、トルエン、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、ヘプタン、ベンゼン、メチルイソブチルケトン、tert−ブチルメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチルブチルケトン、ジエチルケトン、ガソリン、コールタールナフサ、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレビン油、ミネラルスピリット等が挙げられる。有機溶媒及び水の二相系で反応を行う場合、相間移動触媒を添加することも可能である。相間移動触媒としては、例えば、テトラブチルアンモニウムフルオリド、テトラエチルアンモニウムフルオリド、アセチルコリンクロリド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、ベンゾイルコリンクロリド、ベンジルセチルジメチルアンモニウムクロリド、N−ベンジルシンコニジウムクロリド、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド、N−ベンジルキニジウムクロリド、N−ベンジルキニニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、1−ブチル−1−メチルピロリジウムクロリド、カルバミルコリンクロリド、カルニチン塩酸塩、クロロコリンクロリド、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、コリンクロリド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、(ヒドラジノカルボニルメチル)トリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウムクロリド)、ラウロイルコリンクロリド、メタコリンクロリド、メタクリロイルコリンクロリド、(2−メトキシエトキシメチル)トリエチルアンモニウムクロリド、β−メチルコリンクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、フェニルトリエチルアンモニウムクロリド、ホスホコリンクロリドカルシウム、スタキドリン塩酸塩、スクシニルコリンクロリド、テトラアミルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、トリエチルメチルアンモニウムクロリド、トリメチル[2,3−(ジオレイルオキシ)プロピル]アンモニウムクロリド、トリメチルフェニルアンモニウムクロリド、トリメチルステアリルアンモニウムクロリド、トリメチルテトラデシルアンモニウムクロリド、トリメチル[3−(トリエトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、アセチルコリンブロミド、ベンゾイルコリンブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ブロモコリンブロミド、1,1’−(ブタン−1,4−ジイル)ビス[4−アザ−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン]ジブロミド、1−ブチル−1−メチルピペリジニウムブロミド、クロリンブロミド、デカメトニウムブロミド、1,1’−(デカン−1,10−ジイル)ビス[4−アザ−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン]ジブロミド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ジデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロミド、ジメチルジミリスチルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクチルアンモニウムブロミド、ジメチルジパルミチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、エチルヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、(フェロセニルメチル)ドデシルジメチルアンモニウムブロミド、(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサメトニウムブロミド、ヘキシルジメチルオクチルアンモニウムブロミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド、臭化メチルホマトロピン、メタコリンブロミド、ネオスチグミンブロミド、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、スコポラミンメチルブロミド、テトラアミルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラ(デシル)アンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラヘプチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、トリメチルプロピルアンモニウムブロミド、トリメチルステアリルアンモニウムブロミド、トリメチルビニルアンモニウムブロミド、バレタマートブロミド、アセチルコリンヨージド、アセチルチオコリンヨージド、ベンゾイルコリンヨージド、ベンゾイルチオコリンヨージド、ベンジルトリエチルアンモニウムヨージド、ブチリルコリンヨージド、ブチリルチオコリンヨージド、デカメトニウムヨージド、1,1−ジメチル−4−フェニルピペラジニウムヨージド、エチルトリメチルアンモニウムヨージド、エチルトリプロピルアンモニウムヨージド、(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウムヨージド、(2−ヒドロキシエチル)トリエチルアンモニウムヨージド、β−メチルコリンヨージド、O−β−ナフチルオキシカルボニルコリンヨージド、テトラアミルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラヘプチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラオクチルアンモニウムヨージド、テトラプロピルアンモニウムヨージド、トリエチルフェニルアンモニウムヨージド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヨージド、トリメチルフェニルアンモニウムヨージド、トリメチル[2−[(トリメチルシリル)メチル]ベンジル]アンモニウムヨージド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、スフィンゴミエリン、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムヒドロキシド、過塩素酸アセチルコリン、アミルトリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ベンジルトリエチルアンモニウムボロヒドリド、ジクロロヨウ素酸ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウムテトラクロロヨウ素酸塩、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド、無水ベタイン、ベタイン塩酸塩、重クロム酸ビス(テトラブチルアンモニウム)、ビス(テトラブチルアンモニウム)テトラシアノジフェノキノジメタニド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、L−カルニチン、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホナート、重酒石酸コリン、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミドメト−p−トルエンスルホナート、シクロヘキシルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、安息香酸デナトニウム[ビトレックス]、ドデシルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド分子内塩、N−フルオロ−N’−(クロロメチル)トリエチレンジアミンビス(テトラフルオロボラート)、パルミチルスルホベタイン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、過塩素酸ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムテトラフルオロボラート、リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(トリメチルアンモニオ)エチル、N−(トリエチルアンモニオスルホニル)カルバミン酸メチル、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩、メチル硫酸ネオスチグミン、オクタデシルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド分子内塩、プロピオニルコリンp−トルエンスルホナート、硝酸メチルスコポラミン、テトラブチルアンモニウムアセタート、テトラブチルアンモニウムアジド、テトラブチルアンモニウムビフルオリド、テトラブチルアンモニウムボロヒドリド、テトラブチルアンモニウムブロモジヨージド、テトラブチルアンモニウムジブロモアウラート、テトラブチルアンモニウムジブロモクロリド、テトラブチルアンモニウムジブロモヨージド、テトラブチルアンモニウムジクロロアウラート、テトラブチルアンモニウムジクロロブロミド、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリカート、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルスズ、テトラブチルアンモニウム三フッ化二水素、テトラブチルアンモニウムジヨードアウラート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過レニウム酸テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムホスファート、テトラブチルアンモニウムp−ニトロフェノキシド、テトラブチルアンモニウムサリチラート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボラート、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボラート、テトラブチルアンモニウムチオシアナート、テトラブチルアンモニウムトリブロミド、テトラブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、テトラブチルアンモニウムトリヨージド、3−(テトラデシルジメチルアンモニオ)プロパンスルホナート、テトラエチルアンモニウムボロヒドリド、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、
テトラエチルアンモニウムp−トルエンスルホナート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボラート、テトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、テトラメチルアンモニウムアセタート、テトラメチルアンモニウムボロヒドリド、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、テトラメチルアンモニウム硫酸水素塩、過塩素酸テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムp−トルエンスルホナート、テトラメチルアンモニウムスルファート、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボラート、テトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリド、テトラプロピルアンモニウムペルルテナート、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボラート、トリメチルフェニルアンモニウムトリブロミド、N,N−ビス(3−D−グルコンアミドプロピル)コルアミド[BIGCHAP]、N,N−ビス(3−D−グルコンアミドプロピル)デオキシコルアミド[Deoxy−BIGCHAP]、NIKKOL BL−9EX[ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル]、オクタノイル−N−メチルグルカミド[MEGA−8]、ノナノイル−N−メチルグルカミド[MEGA−9]、デカノイル−N−メチルグルカミド[MEGA−10]、ポリオキシエチレン(8)オクチルフェニルエーテル[Triton X−114]、ポリオキシエチレン(9)オクチルフェニルエーテル[NP−40]、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル[Triton X−100]、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウラート[Tween 20]、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミタート[Tween 40]、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアラート[Tween 60]、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート[Tween 80]、ポリオキシエチレンソルビタントリオレアート[Tween 85]、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレアート、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル[Brij35]、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル[Brij58]、ドデシル−β−D−マルトピラノシド、ヘプチル−β−D−チオグルコピラニシド、オクチル−β−D−チオグルコピラニシド、ノニル−β−D−チオマルトシド、IGELPAL CA−630、Digitonin、Saponin,from Soybeans、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホナート[CHAPSO]、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホナート[CHAPS]、ヘプタデカフルオロ−1−オクタンスルホン酸アンモニウム、ペンタデカフルオロオクタン酸アンモニウム、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸、ヘプタデカフルオロ−1−オクタンスルホン酸リチウム、ペンタデカフルオロオクタン酸、ヘプタデカフルオロ−1−オクタンスルホン酸カリウム、3−(ヘキサデシルジメチルアンモニオ)プロパンスルホナート、コール酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、スルホコハク酸ビス(2−エチルヘキシル)ナトリウム、ドデセン−1LAS、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム、1−ドデカンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、1−ヘキサデカンスルホン酸ナトリウム、1−オクタデカンスルホン酸ナトリウム、1−ペンタデカンスルホン酸ナトリウム、1−テトラデカンスルホン酸ナトリウム、1−トリデカンスルホン酸ナトリウム、リン酸モノドデシルナトリウム、リン酸モノドデシルナトリウム(モノ、ジナトリウム混合物)、ドデシル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム、ベンゼトニウムクロリド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、1−ドデシルピリジニウムクロリド、ヘキサデシルピリジニウムブロミド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、モノミリスチン、モノパルミチン、モノステアリン、ポリエチレングリコールモノステアラート、ポリエチレングリコールモノステアラート(パルミタート、ステアラート混合物)、ソルビタンモノラウラート[Span 20]、ソルビタンモノパルミタート[Span 40]、ソルビタンモノステアラート[Span 60]、ソルビタンモノオレアート[Span 80]、ソルビタンセスキオレアート[Span 83]、ソルビタントリオレアート[Span 85]、ジエチレングリコールモノドデシルエーテル、エチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノセチルエーテル、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−4−オクチルフェニルエーテル、テトラエチルグリコールモノドデシルエーテル、トリエチレングリコールモノドデシルエーテル等が挙げられる。
前記以外の反応条件として、例えば、実験化学講座(日本化学会編、丸善株式会社発行)、Organic Syntheses(A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)、Beilstein Handbook of Organic Chemistry(Beilstein−Institut fuer Literatur der Organischen Chemie、Springer−Verlag Berlin and Heidelberg GmbH & Co.K)、Fiesers’ Reagents for Organic Synthesis(John Wiley & Sons,Inc.)等の文献若しくはSciFinder又はReaxys等のデータベースに収録されている条件が挙げられる。
また、各工程において必要に応じて精製を行うことができる。精製方法としてはクロマトグラフィー、再結晶、蒸留、昇華、再沈殿、吸着、分液処理等が挙げられる。精製剤を用いる場合、シリカゲル、アルミナ、活性炭、活性白土、セライト、ゼオライト、メソポーラスシリカ、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、備長炭、木炭、グラフェン、イオン交換樹脂、酸性白土、二酸化ケイ素、珪藻土、パーライト、セルロース、有機ポリマー、多孔質ゲル等が挙げられる。
(製法2)下記式(S−14)で表される化合物の製造
(式中、P、Sp、L、は各々独立して前記一般式(I)で定義されたものと同一のものを表し、R1は前記一般式(I)で定義されたRと同一のものを表し、rは各々独立して0から4の整数、sは各々独立して0から3の整数を表す。)
一般式(S−11)で表される化合物を一般式(S−9)で表される化合物と反応させることにより一般式(S−12)で表される化合物を得る。反応方法としては製法1の一般式(S−10)を得る工程に記載の方法が挙げられる。
一般式(S−12)で表される化合物を酸化させることにより一般式(S−13)で表される化合物を得る。酸化剤としては過酸化水素水、次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。
一般式(S−13)で表される化合物を前記一般式(S−8)で表される化合物と反応させることにより一般式(S−14)で表される化合物を得る。反応条件としては例えば、縮合剤を用いる方法又は、一般式(S−13)で表される化合物を酸クロリド、混合酸無水物又はカルボン酸無水物とした後、一般式(S−8)で表される化合物と塩基存在下反応させる方法が挙げられる。縮合剤を用いる場合、縮合剤として例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドメチオジド、N−tert−ブチルーN’−エチルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド メト−p−トルエンスルホナート、N,N’−ジ−tert−ブチルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−トリルカルボジイミド、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド等が挙げられる。製法1と同様、適宜反応溶媒、反応条件、精製方法を選択できる。
本願発明の化合物は、ネマチック液晶組成物、スメクチック液晶組成物、キラルスメクチック液晶組成物及びコレステリック液晶組成物に使用することが好ましい。本願発明の反応性化合物を用いる液晶組成物において本願発明以外の化合物を添加しても構わない。
本願発明の反応性化合物と混合して使用される他の反応性化合物としては、具体的には一般式(II)
(式中、P1及びP2は各々独立して一般式(I)におけるPと同じ意味を表し、S1及びS2は各々独立して単結合又は炭素原子数1〜20個のアルキレン基を表すが、1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−は−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−に置き換えられても良く、X1及びX2は各々独立して、単結合、−O−、−S−、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−OCOOCH2−、−CH2OCOO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−COO−、−CH2−OCO−、−CF2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−CY1=CY1−(式中、Y1は各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)又は−C≡C−を表し、Z3は各々独立して、単結合、−O−、−S−、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−OCOOCH2−、−CH2OCOO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−COO−、−CH2−OCO−、−CF2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−CY2=CY2−(式中、Y2は各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)又は−C≡C−を表し、A5及びA6は各々独立して、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、A5及びA6は各々独立して無置換であるか又はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基に置換されていても良く、m3は0、1、2又は3を表し、m3が2又は3を表す場合、2個あるいは3個存在するA5及び/又はZ3は同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物が好ましく、一般式(II)のP1及びP2がアクリル基又はメタクリル基である場合が特に好ましい。具体的には、一般式(III)
(式中、S3及びS4は各々独立して炭素原子数2から18のアルキレン基、X3及びX4は各々独立して−O−、−COO−、−OCO−又は単結合を表し、Z4及びZ5は各々独立して−COO−又は−OCO−を表し、A7、A8及びA9は各々独立して無置換或いはフッ素原子、塩素原子又は炭素原子数1から4のアルキル基又はアルコキシ基によって置換された1,4−フェニレン基を表す。)で表される化合物が好ましく、下記式(III−1)から式(III−8)で表される化合物が特に好ましい。
(式中、S3は一般式(III)におけるS3と同じ意味を表し、S4は一般式(III)におけるS4と同じ意味を表す。)上記式(III−1)から式(III−8)において、S3及びS4が各々独立して炭素原子数2から8のアルキレン基である化合物がさらに好ましい。
また、一般式(IV)
(式中、S5及びS6は各々独立して炭素原子数2から18のアルキレン基、X5及びX6は各々独立して−O−、−COO−、−OCO−又は単結合を表し、Z6は−COO−又は−OCO−を表し、A10、A11及びA12は各々独立して無置換或いはフッ素原子、塩素原子又は炭素原子数1から4のアルキル基又はアルコキシ基によって置換された1,4−フェニレン基を表す。)で表される化合物が好ましく、下記式(IV−1)から式(IV−8)で表される化合物が特に好ましい。
(式中、S5は一般式(IV)におけるS5と同じ意味を表し、S6は一般式(IV)におけるS6と同じ意味を表す。)上記式(IV−1)から式(IV−8)において、耐熱性及び耐久性の観点から、式(IV−2)、式(IV−5)、式(IV−6)、式(IV−7)及び式(IV−8)で表される化合物が好ましく、式(IV−2)で表される化合物がさらに好ましく、S5及びS6が各々独立して炭素原子数2から8のアルキレン基である化合物が特に好ましい。
この他、好ましい2官能重合性化合物としては下記一般式(V−1)から式(V−7)で表される化合物が挙げられる。
(式中、S7及びS8は各々独立して炭素原子数2から18のアルキレン基を表す。)上記式(V−1)から式(V−7)において、式(V−2)、式(V−3)、式(V−5)、式(V−6)及び式(V−7)で表される化合物が好ましく、S7及びS8が各々独立して炭素原子数2から8のアルキレン基である化合物が特に好ましい。
好ましい単官能重合性化合物としては下記一般式(VI−1)から式(VI−9)で表される化合物が挙げられる。
(式中、P3は一般式(I)におけるPと同じ意味を表し、S9は単結合又は炭素原子数1から20個のアルキレン基を表すが、1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−は−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−に置き換えられても良く、X3は単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表し、Z7は単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CY3=CY3−(式中、Y3は各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)又は−C≡C−を表し、A13は1,4−フェニレン基又はナフタレン−2,6−ジイル基を表すが、A13は無置換であるか又はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基に置換されていても良く、L1はフッ素原子、塩素原子、1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−COO−、−OCO−に置き換えられても良い炭素原子数1から10の直鎖状又は分岐状アルキル基を表し、rは0から4の整数を表し、R1は水素原子、フッ素原子、塩素原子、1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−に置き換えられても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表す。)
本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物には、当該組成物の液晶性を大きく損なわない程度に、液晶性を示さない重合性化合物を添加することも可能である。具体的には、この技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識される化合物であれば特に制限なく使用可能である。
また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物に添加する光重合開始剤の濃度は、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがさらに好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、アシルフォスフィンオキサイド等が使用可能である。
また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加することもできる。安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β−ナフチルアミン類、β−ナフトール類、ニトロソ化合物等が挙げられる。安定剤を使用する場合の添加量は、液晶組成物に対して0.005〜1質量%であることが好ましく、0.02〜0.5質量%であることがさらに好ましい。
また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物をフィルム類、光学素子類、機能性顔料類、医薬品類、化粧品類、コーティング剤類、合成樹脂類等の用途に利用する場合には、その目的に応じて金属、金属錯体、染料、顔料、色素、蛍光材料、燐光材料、界面活性剤、レベリング剤、チキソ剤、ゲル化剤、多糖類、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸化物等を添加することもできる。
本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を重合することにより得られるポリマーは種々の用途に利用できる。例えば、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を、配向させずに重合することにより得られるポリマーは、光散乱板、偏光解消板、モアレ縞防止板として利用可能である。また、配向させた後に重合することにより得られるポリマーは、光学異方性を有しており有用である。このような光学異方体は、例えば、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を、布等でラビング処理した基板、有機薄膜を形成した基板又はSiO2を斜方蒸着した配向膜を有する基板に担持させるか、基板間に挟持させた後、当該重合性液晶組成物を重合することによって製造することができる。
重合性液晶組成物を基板上に担持させる際の方法としては、スピンコーティング、ダイコーティング、エクストルージョンコーティング、ロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、ディッピング、プリント法等を挙げることができる。またコーティングの際、重合性液晶組成物に有機溶媒を添加しても良い。有機溶媒としては、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、非プロトン性溶媒等を使用することができるが、例えば炭化水素系溶媒としてはトルエン又はヘキサンを、ハロゲン化炭化水素系溶媒としては塩化メチレンを、エーテル系溶媒としてはテトラヒドロフラン、アセトキシ−2−エトキシエタン又はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、アルコール系溶媒としてはメタノール、エタノール又はイソプロパノールを、ケトン系溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチルラクトン又はN−メチルピロリジノン類を、エステル系溶媒としては酢酸エチル又はセロソルブを、非プロトン性溶媒としてはジメチルホルムアミド又はアセトニトリルを挙げることができる。これらは単独でも、組み合わせて用いても良く、その蒸気圧と重合性液晶組成物の溶解性を考慮し、適宜選択すれば良い。添加した有機溶媒を揮発させる方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥を用いることができる。重合性液晶材料の塗布性をさらに向上させるためには、基板上にポリイミド薄膜等の中間層を設けることや、重合性液晶材料にレベリング剤を添加する事も有効である。基板上にポリイミド薄膜等の中間層を設ける方法は、重合性液晶材料を重合することにより得られるポリマーと基板との密着性を向上させるために有効である。
上記以外の配向処理としては、液晶材料の流動配向の利用、電場又は磁場の利用を挙げることができる。これらの配向手段は単独で用いても、また組み合わせて用いても良い。さらに、ラビングに代わる配向処理方法として、光配向法を用いることもできる。基板の形状としては、平板の他に、曲面を構成部分として有していても良い。基板を構成する材料は、有機材料、無機材料を問わずに用いることができる。基板の材料となる有機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、トリアセチルセルロース、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、また、無機材料としては、例えば、シリコン、ガラス、方解石等が挙げられる。
本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を重合させる際、迅速に重合が進行することが望ましいため、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射することにより重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良く、非偏光光源を用いても良い。また、液晶組成物を2枚の基板間に挟持させて状態で重合を行う場合、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性を有していなければならない。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場又は温度等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、さらに活性エネルギー線を照射して重合させるという手段を用いても良い。また、照射時の温度は、本発明の重合性液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。特に、光重合によって光学異方体を製造しようとする場合には、意図しない熱重合の誘起を避ける意味からも可能な限り室温に近い温度、即ち、典型的には25℃での温度で重合させることが好ましい。活性エネルギー線の強度は、0.1mW/cm2〜2W/cm2が好ましい。強度が0.1mW/cm2以下の場合、光重合を完了させるのに多大な時間が必要になり生産性が悪化してしまい、2W/cm2以上の場合、重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物が劣化してしまう危険がある。
重合によって得られた当該光学異方体は、初期の特性変化を軽減し、安定的な特性発現を図ることを目的として熱処理を施すこともできる。熱処理の温度は50〜250℃の範囲であることが好ましく、熱処理時間は30秒〜12時間の範囲であることが好ましい。
このような方法によって製造される当該光学異方体は、基板から剥離して単体で用いても、剥離せずに用いても良い。また、得られた光学異方体を積層しても、他の基板に貼り合わせて用いてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に記述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
(実施例1)式(I−1)で表される化合物の製造
滴下ロート及び温度計を備えた反応容器に式(I−1−1)で表される化合物20.0g(0.090モル)、ピリジン10.6g(0.13モル)、ジクロロメタン120mLを加えた。氷冷しながら塩化アセチル9.15g(0.12モル)を滴下した。反応後、5%塩酸、水、飽和重曹水、食塩水で順次洗浄し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶により精製を行い、式(I−1−2)で表される化合物23.3g(0.088モル)を得た。
温度計を備え窒素置換した反応容器に式(I−1−2)で表される化合物23.3g(0.088モル)、式(I−1−3)で表される化合物16.7g(0.097モル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)1.02g(0.88ミリモル)、ヨウ化銅(I)0.33g(1.8ミリモル)、トリエチルアミン30mL、N,N−ジメチルホルムアミド90mLを加え90℃で加熱した。反応後、トルエンで希釈し5%塩酸、水、食塩水で洗浄し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶により精製を行い、式(I−1−4)で表される化合物21.9g(0.062モル)を得た。
冷却器及び温度計を備えた反応容器に式(I−1−4)で表される化合物21.9g(0.062モル)、25%水酸化ナトリウム水溶液19.7g及びメタノール100mLを加え加熱還流させた。反応後、水及び10%塩酸を滴下し中和し、析出物を濾過した。固体を十分に水洗し乾燥させることにより式(I−1−5)で表される化合物19.3g(0.062モル)を得た。
温度計を備えた反応容器に式(I−1−5)で表される化合物19.3g(0.062モル)、式(I−1−6)で表される化合物11.9g(0.080モル)、炭酸カリウム12.8g(0.092モル)、N,N−ジメチルホルムアミド120mLを加え、90℃で加熱した。反応後、ジクロロメタンを加え、5%塩酸、水、飽和重曹水、食塩水で洗浄した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶により精製を行い、式(I−1)で表される化合物20.9gを得た。
相転移温度:C 85 N 104 I
1H NMR(CDCl3)δ 0.90(t,6.6Hz,3H),1.32(m,4H),1.62(quin,6.8Hz,2H),2.24(quin,6.3Hz,2H),2.62(t,7.9Hz,2H),4.19(t,6.1Hz,2H),4.41(t,6.2Hz,2H),5.85(dd,10.4,1.4Hz,1H),6.14(dd,17.3,10.4Hz,1H),6.43(dd,17.3,1.4Hz,1H),7.11−7.18(m,4H),7.47(d,7.8Hz,2H),7.53(dd,8.5,1.2Hz,1H),7.69(dd,14.5,8.8Hz,2H),7.97(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl3)δ 14.0,22.5,28.5,30.9,31.4,35.8,61.3,64.3,89.2,89.3,106.4,118.4,119.5,120.4,126.7,128.3,128.4,128.5,129.0,129.3,131.0,131.1,131.4,133.9,143.3,157.3,166.2ppm.
(実施例2)式(I−2)で表される化合物の製造
実施例1において式(I−1−3)で表される化合物を式(I−2−2)で表される化合物に置き換えた以外は同様の方法によって式(I−2)で表される化合物を得た。
IR:3060−3030,2975−2920,1725,1630,1200,1160,1130,750,690cm−1.
1H NMR(CDCl3)δ 0.90(t,6.6Hz,3H),1.33(m,2H),1.62(quin,6.8Hz,2H),2.24(quin,6.3Hz,2H),2.62(t,7.9Hz,2H),4.19(t,6.1Hz,2H),4.41(t,6.2Hz,2H),5.85(dd,10.4,1.4Hz,1H),6.14(dd,17.3,10.4Hz,1H),6.43(dd,17.3,1.4Hz,1H),7.11−7.18(m,4H),7.47(d,7.8Hz,2H),7.53(dd,8.5,1.2Hz,1H),7.69(dd,14.5,8.8Hz,2H),7.97(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl3)δ 14.0,22.1,28.5,33.4,35.5,61.3,64.3,89.2,89.3,106.4,118.4,119.5,120.4,126.7,128.3,128.4,128.5,129.0,129.3,131.0,131.1,131.4,133.9,143.3,157.3,166.2ppm.
LRMS:412
HRMS:412.20
(実施例3)式(I−3)で表される化合物の製造
温度計及び冷却器を備えた反応容器に、式(I−3−1)で表される化合物50.00g(0.224モル)、3−クロロプロパノール27.55g(0.291モル)、炭酸セシウム109.55g(0.366モル)、ジメチルスルホキシド300mLを加えた。75℃で5時間加熱撹拌した後、酢酸エチルで希釈し、塩酸、食塩水で洗浄した。カラムクロマトグラフィー(アルミナ)及び再結晶により精製を行い、式(I−3−2)で表される化合物40.01gを得た。
温度計及び冷却器を備えた反応容器に、式(I−3−2)で表される化合物16.09g(0.0572モル)、式(I−3−3)で表される化合物15.00g(0.0629モル)、ヨウ化銅(I)0.22g(1.16ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド97mL、トリエチルアミン32mLを加えた。窒素置換した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.66g(0.571ミリモル)を加え、86℃で5時間加熱撹拌した。反応液を水に注ぎ、析出した固体を濾過、洗浄した。ジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(アルミナ)及び再結晶を行うことにより、式(I−3−4)で表される化合物15.8gを得た。
温度計及び滴下ロートを備えた反応容器に、式(I−3−4)で表される化合物15.77g(0.0360モル)、ジイソプロピルエチルアミン6.97g(0.0539モル)、ジクロロメタン200mLを加えた。氷冷しながら塩化アクリロイル4.23g(0.0467モル)を滴下した。室温で5時間撹拌した後、塩酸、食塩水で洗浄した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶により精製を行い、式(I−3)で表される化合物6.1gを得た。
相転移温度:C 120 N >200 I
1H NMR(CDCl3)δ 0.98(t,3H),1.68(m,2H),2.24(quin,2H),2.62(t,2H),4.20(t,2H),4.41(t,2H),5.84(dd,1H),6.14(dd,1H),6.43(dd,1H),7.01(m,2H),7.15(m,2H),7.36(t,1H),7.55(d,3H),7.62(d,2H),7.70(dd,2H),7.99(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl3)δ 13.7,24.2,28.6,37.4,61.3,64.4,89.0,90.5,106.6,115.9,116.1,118.2,119.5,122.4,124.5,124.6,125.4,125.5,126.8,128.3,128.5,128.8,128.8,129.0,129.4,130.1,130.1,130.9,131.3,131.6,134.1,135.7,144.7,144.8,157.4,158.4,160.9,166.2ppm.
(実施例4)式(I−4)で表される化合物の製造
実施例3において式3−クロロプロパノールを6−クロロヘキサノールに置き換えた以外は同様の方法によって式(I−4)で表される化合物を得た。
IR:3060−3030,2975−2920,1725,1630,1200,1160,1130,750,690cm−1.
LRMS:534
HRMS:534.26
(実施例5)式(I−5)で表される化合物の製造
温度計及び滴下ロートを備えた反応容器に式(I−1−1)で表される化合物50.0g(0.224モル)、ジクロロエタン150mLを加えた。塩化スルフリル33.3g(0.247モル)を滴下した。30℃で5時間撹拌した後、酢酸エチルを加え、食塩水で洗浄した。カラムクロマトグラフィー(アルミナ)及び分散洗浄により精製を行い、式(I−5−1)で表される化合物52.7gを得た。
実施例1において式(I−1−1)で表される化合物を式(I−5−1)で表される化合物に置き換えた以外は同様の方法によって式(I−5)で表される化合物を得た。
IR:3060−3030,2975−2920,1725,1630,1200,1160,1130,750,690cm−1.
LRMS:460
HRMS:460.18
(実施例6)式(I−6)で表される化合物の製造
温度計及び滴下ロートを備えた反応容器に、式(I−6−1)で表される化合物12.0g(0.0372モル)、式(I−1−5)で表される化合物11.7g(0.0372モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン0.23g(1.86ミリモル)、ジクロロメタン100mLを加えた。氷冷しながらジイソプロピルカルボジイミド5.64g(0.0447モル)を滴下した。室温で5時間撹拌した後、塩酸、食塩水で洗浄した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶により精製を行い、式(I−6)で表される化合物16.1gを得た。
IR:3060−3030,2975−2920,1725,1630,1200,1160,1130,750,690cm−1.
LRMS:618
HRMS:618.33
(実施例7)式(I−7)で表される化合物の製造
温度計を備えた反応容器に、式(I−7−1)で表される化合物30.0g(0.118モル)、トリメチルシリルアセチレン12.8g(0.13モル)、ヨウ化銅(I)0.45g(2.36ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド150mL、トリエチルアミン50mLを加えた。窒素置換した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)1.37g(1.18ミリモル)を加え、90℃で8時間加熱撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製を行い、式(I−7−2)で表される化合物25.6g(0.0945モル)を得た。
温度計を備えた反応容器に、式(I−7−2)で表される化合物25.6g(0.0945モル)、式(I−7−3)で表される化合物15.5g(0.0945モル)、炭酸カリウム19.6g(0.142モル)、テトラヒドロフラン200mLを加えた。窒素置換した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)1.09g(0.945ミリモル)を加え、8時間加熱還流させた。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製を行い、式(I−7−4)で表される化合物23.5g(0.0756モル)を得た。
反応容器に、式(I−7−4)で表される化合物23.5g(0.0756モル)、メタノール200mL、炭酸カリウム20.9g(0.151モル)を加え、室温で10時間撹拌した。ヘキサンを加え食塩水で洗浄した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶により精製を行い、式(I−7−5)で表される化合物17.5g(0.0734モル)を得た。
温度計を備えた反応容器に式(I−7−5)で表される化合物17.5g(0.0734モル)、式(I−3−1)で表される化合物16.4g(0.0734モル)、ヨウ化銅(I)0.28g(1.47ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド200mL、トリエチルアミン70mLを加えた。窒素置換した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.85g(0.73ミリモル)を加え90℃で8時間加熱撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶により精製を行い、式(I−7−6)で表される化合物19.5g(0.0513モル)を得た。
温度計を備えた反応容器に式(I−7−6)で表される化合物19.5g(0.0513モル)、メタクリル酸6−クロロヘキシル13.7g(0.0668モル)、炭酸カリウム10.6g(0.0770モル)、N,N−ジメチルホルムアミド200mLを加えた。80℃で10時間加熱撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶により精製を行い、式(I−7)で表される化合物19.6gを得た。
IR:3060−3030,2975−2920,1725,1630,1200,1160,1130,750,690cm−1.
LRMS:548
HRMS:548.27
(実施例8)式(I−8)で表される化合物の製造
温度計を備えた反応容器に、式(I−8−1)で表される化合物30.0g(0.162モル)、トリメチルシリルアセチレン23.9g(0.243モル)、ヨウ化銅(I)0.62g(3.24ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド150mL、トリエチルアミン50mLを加えた。窒素置換した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)1.87g(1.62ミリモル)を加え、90℃で8時間加熱撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製を行い、式(I−8−2)で表される化合物26.2g(0.130モル)を得た。
反応容器に、式(I−8−2)で表される化合物26.2g(0.130モル)、メタノール200mL、炭酸カリウム35.8g(0.259モル)を加え、室温で10時間撹拌した。ヘキサンを加え食塩水で洗浄した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶により精製を行い、式(I−8−3)で表される化合物16.0g(0.123モル)を得た。
温度計を備えた反応容器に式(I−3−1)で表される化合物30.0g(0.134モル)、式(I−8−4)で表される化合物23.9g(0.175モル)、炭酸カリウム27.9g(0.202モル)、N,N−ジメチルホルムアミド300mLを加えた。80℃で60時間加熱撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶により精製を行い、式(I−8−5)で表される化合物34.8g(0.108モル)を得た。
温度計を備えた反応容器に、式(I−8−5)で表される化合物15.0g(0.0464モル)、式(I−8−3)で表される化合物6.04g(0.0464モル)、ヨウ化銅(I)0.18g(0.93ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド150mL、トリエチルアミン50mLを加えた。窒素置換した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.54g(0.46ミリモル)を加え、90℃で8時間加熱撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製を行い、式(I−8−6)で表される化合物12.1g(0.0325モル)を得た。
温度計及び滴下ロートを備えた反応容器に式(I−8−6)で表される化合物12.1g(0.0325モル)、式(I−8−7)で表される化合物3.43g(0.0390モル)、トリフェニルホスフィン10.2g(0.0390モル)、テトラヒドロフラン100mLを加えた。氷冷しながら、アゾジカルボン酸ジイソプロピル7.88g(0.0390モル)を滴下した。室温で4時間撹拌した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶により精製を行い、式(I−8)で表される化合物8.62gを得た。
LRMS:442
HRMS:442.25
(実施例9)式(I−9)で表される化合物の製造
温度計を備えた反応容器に、式(I−5−2)で表される化合物30.0g(0.100モル)、式(I−9−1)で表される化合物13.2g(0.100モル)、ヨウ化銅(I)0.38g(2.00ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド150mL、トリエチルアミン50mLを加えた。窒素置換した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)1.16g(1.00ミリモル)を加え、90℃で5時間加熱撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶によって精製を行い、式(I−9−2)で表される化合物28.1g(0.0801モル)を得た。
反応容器に式(I−9−2)で表される化合物28.1g(0.0801モル)、エタノール300mL、20%水酸化ナトリウム水溶液150mLを加え、5時間加熱還流させた。塩酸を加え中和した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶により精製を行い、式(I−9−3)で表される化合物24.0g(0.0777モル)を得た。
温度計及び滴下ロートを備えた反応容器に、式(I−9−3)で表される化合物10.0g(0.0324モル)、式(I−9−4)で表される化合物9.47g(0.0324モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン0.40g(3.24ミリモル)、ジクロロメタン200mLを加えた。氷冷しながらジイソプロピルカルボジイミド4.90g(0.0389モル)を滴下した。室温で5時間撹拌した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶により精製を行い、式(I−9)で表される化合物13.2gを得た。
相転移温度:C 100 N >250 I
1H NMR(CDCl3)δ 1.48−1.57(m,4H),1.73(quin,7.3Hz,2H),1.86(quin,7.3Hz,2H),3.84(s,3H),4.07(t,6.5Hz,2H),4.19(t,6.5Hz,2H),5.82(dd,1.6,10.5Hz,1H),6.13(dd,10.3,17.2Hz,1H),6.41(dd,1.4,17.2Hz,1H),6.91(d,8.9Hz,2H),7.00(d,8.9Hz,2H),7.41(d,8.9Hz,1H),7.52(d,8.9Hz,2H),7.70(dd,1.5,8.9Hz,1H),7.78(d,9.0Hz,1H),8.05(s,1H),8.22−8.25(m,3H)ppm.
13C NMR(CDCl3)δ 25.7,25.7,25.8,28.5,28.9,55.3,64.4,68.1,87.8,90.8,114.1,114.4,115.0,120.9,121.7,122.8,123.4,124.4,127.5,128.5,130.1,130.5,130.6,131.1,132.0,132.6,133.2,145.6,159.8,163.7,164.1,166.3ppm.
LRMS:582
HRMS:582.18
(実施例10)式(I−10)で表される化合物の製造
温度計を備えた反応容器に、式(I−10−1)で表される化合物30.0g(0.108モル)、トリメチルシリルアセチレン13.8g(0.141モル)、ヨウ化銅(I)0.41g(2.16ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド150mL、トリエチルアミン50mLを加えた。窒素置換した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)1.25g(1.08ミリモル)を加え、90℃で10時間加熱撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製を行い、式(I−10−2)で表される化合物23.9g(0.0812モル)を得た。
反応容器に式(I−10−2)で表される化合物23.9g(0.0812モル)、炭酸カリウム16.8g(0.122モル)、メタノール200mLを加え、室温で撹拌した。分液洗浄、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製を行い、式(I−10−3)で表される化合物17.7g(0.0795モル)を得た。
温度計を備えた反応容器に、式(I−10−3)で表される化合物17.7g(0.0795モル)、式(I−8−5)で表される化合物25.7g(0.0795モル)、ヨウ化銅(I)0.30g(1.59ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド150mL、トリエチルアミン50mLを加えた。窒素置換した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.92g(0.80ミリモル)を加え、90℃で9時間加熱撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶によって精製を行い、式(I−10−4)で表される化合物28.8g(0.0620モル)を得た。
温度計及び滴下ロートを備えた反応容器に、式(I−10−4)で表される化合物28.8g(0.0620モル)、ジイソプロピルエチルアミン12.0g(0.0931モル)、ジクロロメタン200mLを加えた。氷冷しながら塩化アクリロイル7.30g(0.0807モル)を滴下した。室温で撹拌した後、分液洗浄し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)及び再結晶により精製を行い、式(I−10)で表される化合物20.9gを得た。
LRMS:518
HRMS:518.28
(実施例11)式(I−11)で表される化合物の製造
実施例10において式(I−10−1)で表される化合物を式(I−11−1)で表される化合物に、式(I−8−5)で表される化合物を4−ヨードフェノールに置き換えた以外は同様の方法によって式(I−11)で表される化合物を得た。
LRMS:402
HRMS:402.14 実施例1から実施例11と同様の方法、公知の方法及び公知の方法に準拠した方法を用いて、下記式(I−12)から式(I−42)で表される化合物を製造した。
(実施例12〜22、比較例1〜3)
実施例1から実施例11記載の式(I−1)から式(I−11)で表される化合物及び、特許文献1記載の化合物(R−1)及び化合物(R−2)、特許文献2記載の化合物(R−3)を評価対象の化合物とした。
保存安定性を評価するために、評価対象の化合物の安定保存濃度を測定した。安定保存濃度は、母体液晶に評価対象となる化合物を10%から50%まで10%刻みで添加した組成物を各々調製し、調製した組成物を15℃で500時間放置した後に、結晶の析出が起こらない当該化合物の最大添加濃度と定義する。最大添加濃度が大きい化合物は安定保存濃度が大きく、長期間の保存によっても結晶の析出が発生しないことを意味する。
安定保存濃度を測定するために、下記化合物(X−1):30%、化合物(X−2):30%及び化合物(X−3):40%からなる液晶組成物を母体液晶(X)とした。測定結果を下記表1に示す。
表1より、実施例12〜実施例16、実施例18、実施例19及び実施例21記載の本願発明である式(I−1)から式(I−5)、式(I−7)、式(I−8)、式(I−10)で表される化合物はいずれも比較例1から比較例3記載の化合物である(R−1)及び(R−3)と比較して結晶の析出の起こらない最大添加濃度が高く、高い保存安定性を示すことがわかる。
(実施例23〜33、比較例4〜6)
母体液晶(X)に評価対象となる化合物を30%添加することにより調製した組成物各々に対し、光重合開始剤Irgacure907(チバスペシャリティーケミカル社製)を3%添加した後シクロペンタノンに溶解させ25%の溶液とした。この溶液を、ラビング処理したポリイミド付きガラスにスピンコート法で塗布し、65℃で3分乾燥した。得られた塗膜を60℃のホットプレート上に置き、紫外線を20mW/cm2の強度で60秒間照射した。得られた重合体について、ヘイズ値及びムラの評価を行った。ヘイズ値は下記式
ヘイズ(%)=Td/Tt×100
(式中、Tdは拡散透過率、Ttは全光線透過率を表す。)で表され、測定にはヘイズ測定装置(日本電色工業株式会社製NHD2000)を用い、基板中央において測定を行った。また、目視によってフィルム上にムラ等が無く全体に均一であれば◎、ムラがわずかに見られる場合には○、ムラがやや多く見られる場合には△、ムラが非常に多く見られる場合には×とした。結果を下記表2に示す。
表2より、実施例23から実施例26記載の本願発明である式(I−1)から式(I−4)で表される化合物はいずれも比較例4から比較例6記載の化合物である(R−1)〜(R−3)と比較してヘイズが低く、ムラも少ないことがわかる。また、実施例27から実施例30、実施例32及び実施例33記載の本願発明である式(I−5)から式(I−8)、式(I−10)、式(I−11)で表される化合物はいずれも比較例4から比較例6記載の化合物である(R−1)〜(R−3)と比較してヘイズが同等又は低く、ムラも同等又は少ないことがわかる。
得られた重合体を200℃で60分間ポストベークした。ポストベーク後のフィルムの位相差変化の大きさを比較するために、ポストベーク前とポストベーク後の550nmにおける位相差Re(550)を各々測定し、ポストベーク前後の位相差Re(550)の保持率(位相差保持率(%)=(Re(550)(ポストベーク後))/(Re(550)(ポストベーク前))×100と定義する。)を算出した。位相差の測定には、大塚電子株式会社製RETS−100を使用した。結果を下記表3に示す。
表3より、実施例23から実施例26、実施例28、実施例29、実施例31及び実施例32記載の本願発明である式(I−1)から式(I−4)、式(I−6)、式(I−7)、式(I−9)、式(I−10)で表される化合物を含有するフィルムはいずれも比較例4から比較例6記載の化合物である(R−1)〜(R−3)を含有するフィルムと比較して、位相差保持率が高かった。また、実施例27、実施例30及び実施例33の本願発明である式(I−5)、式(I−8)及び式(I−11)で表される化合物を含有するフィルムはいずれも、比較例4から比較例6記載の化合物である(R−1)〜(R−3)を含有するフィルムと比較して、位相差保持率が同等又はそれ以上であった。このように、実施例23から実施例33記載の本願発明である式(I−1)から式(I−11)で表される化合物を含有するフィルムはいずれも高い位相差保持率を示すことがわかる。
以上の結果から、実施例1から実施例11記載の本願発明である式(I−1)から式(I−11)で表される化合物は、重合性組成物を構成した場合に保存安定性が高く、本願発明の化合物を用いた光学異方体はヘイズ及びムラが少なく、熱処理した場合にも位相差の低下が小さいことがわかる。従って、本願発明の化合物は、重合性組成物の構成部材として有用である。また、本願発明の化合物を含有する組成物を用いた光学異方体は光学フィルム等の用途に有用である。