JP2002503581A - サイドカーテンエアバッグシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 サイドカーテンエアバッグ（７２）が、乗物のＡピラー（３０）からＢピラー（３２）を横切って延び、Ｃピラー（３４）に固定されている。エアバッグは、膨張する際、乗物のルーフレール３８の近傍から少なくとも乗物のサイドウインドウの下縁まで延びるのに十分な高さである。膨張したエアバッグは、搭乗者と乗物の側部との間に配置される。サイドカーテンエアバッグモジュールシステムはさらに、膨張ガスをエアバッグに分配する複数の開口が長手方向に沿って設けられた可撓チューブ（７０）を含む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 発明の背景および要約 本発明は、側面衝突または転倒事故の間、乗物の搭乗者を保護するために設計
されたサイドカーテンエアバッグに関する。特に、サイドカーテンエアバッグモ
ジュールは、乗物のルーフレールの近傍に取り付けられ、かつヘッドライナート
リムにより隠されている。衝突時に、サイドカーテンエアバッグは、搭乗者と侵
入物との間に展開され、外側から前後部の搭乗者を保護する。

【０００２】 よって本発明は、ＡピラーからＢピラーを横切って延びるのに十分な長さを有
し、かつ、乗物のＣピラーに固定されるエアバッグを有するサイドカーテンエア
バッグシステムを含み、該エアバッグは、膨張時に乗物のルーフレールの近傍か
ら少なくともサイドウインドウの下端部へ延びるのに十分な高さであり、上記シ
ステムはさらに、エアバッグに膨張ガスを分配するために複数の開口が長手方向
に沿って分配された可撓チューブと、エアバッグを膨張させる手段とを含んでい
る。

【０００３】 本発明の目的は、側面衝突または転倒事故時に一人以上の搭乗者を保護するエ
アバッグあるいは膨張可能なカーテンを提供することである。

【０００４】 発明の詳細な記載 ここで図１ａ、２、および６を参照する。図１ａは、概して２０として示され
るサイドカーテンエアバッグモジュールを示す。本明細書および特許請求の範囲
において、“上端”、“下端”、“上部の”、“下部の”、“前部”、“後部”
といった用語は、サイドカーテンエアバッグモジュールが取り付けられる乗物の
内部から見た位置に基づくと理解される。

【０００５】 図２に最も示されるように、サイドカーテンエアバッグモジュール２０は、ほ
ぼ乗物ののＡピラー３０からＢピラー３２を横切ってＣピラー３４に延びるのに
十分な長さのエアバッグ２２を有する。図２および６に示されているように、エ
アバッグは、膨張時に、乗物のルーフレール（３８）の近傍から少なくとも乗物
のサイドウインドウの下端部まで延びるのに十分な高さである。言い換えると、
エアバッグ２２は、展開されたときに、乗物のサイドパネル３６ａおよび３６ｂ
と、図６に４０ａおよび４０ｂとして示される外側に座った搭乗者の上半身との
間に位置するのに十分な高さである。

【０００６】 エアバッグ２２は、エアバッグ生地すなわち互いに溶着または接着された熱可
塑性材料の縦布からなる複数の縫合縦布２４ａ、２４ｂを有する。生地に関し、
エアバッグ材の通気性は、エアバッグが膨張するのに要求される時間に合うよう
に選択される。エアバッグ２２の上端２６は、縫合縦布２４ａ、２４ｂの縫い目
２８の近傍に複数の開口４０を含む。エアバッグ２２の上端２６を強化ルーフレ
ール３８（図３参照）に固定するのに複数の留め具（不図示）が用いられる。図
１ａに最もよく示されるように、エアバッグ２２の図示左側である後部端４２ａ
のようなエアバッグの一端は開口４４を含む。この開口４４内にエアバッグ膨張
器６０が挿入されている。示されている実施形態では、膨張器６０は、膨張器６
０を乗物のＣピラーのような隣接する構造部品に取り付けられるようにするため
に、複数の取り付けブラケットすなわちフランジ６２ａおよび６２ｂを含んでい
る。膨張器６０は、作動時に、加圧された膨張ガスをエアバッグ２２に生成しあ
るいは供給する、従来の種々の固体推進薬、ハイブリッド、増大、または液体イ
ンフレータであってもよい。図示された実施形態では、膨張器６０は、軸方向に
向けられた複数の出力口６４を含む。エアバッグ２２の上端部２６内には、可撓
チューブ７０が設けられている。本発明の好ましい実施形態では、チューブ７０
は、編み物または織物の生地からなる補強外部鞘を持つエラストマー内管を有す
る。その代わりに、チューブを金属、プラスチック、ゴム、またはナイロンで作
ることもできる。チューブ７０は、その長さに沿って設けられた複数の開口７２
を含む。チューブ７０は、端７４ａおよび７４ｂを含む。図５からわかるように
、チューブの一端７４ａは、膨張ガス源である膨張器６０の周りにブラケット６
２ｂによって固定され、これにより膨張ガスはチューブ内に直接流れる。チュー
ブの他端７４ｂは、密閉または接合されている。膨張器６０は、端７４ａが同様
に密閉されることを要するチューブの端７４ｂに取り付け可能であるということ
が理解されるであろう。さらに、理解し得るように、膨張器６０の作動時に膨張
ガスはチューブ７０を通って進む。チューブ７０の長さのため、膨張ガスの圧力
分布は、膨張器６０からの距離に関連して減少する。従って、チューブ７０の開
口７２は、エアバッグ２２の全体の容積が実質的に同時に膨張するように、チュ
ーブの長手方向に沿って不均一に配置されてもよい。図１ａからわかるように、
チューブにおける開口７２の分布は、チューブ７０の閉じた端７４ｂ、つまり膨
張器６０から最も遠いエアバッグ２２の側に向かって偏っている。

【０００７】 上述したように、エアバッグ２２は、つながった複数の縦布２４ａ、２４ｂを
有する。エアバッグの中央２２ａは、乗物のフロントシートの背もたれ３００の
近傍あるいはＢピラー３２の近傍に設けられているが、接合または縫合されてい
て膨張しない。接合または縫合線は図６に２３ａとして示される。理解し得るよ
うに、もしエアバッグ２２がこの位置２２ａで膨張したならば、搭乗者を適切に
保護することにならないであろう。同様に、エアバッグ２２の下方後部領域２２
ｂも接合または縫合されているので膨張しない。さらに、この領域を、繋ぎ帯８
０が連結できるように補強してもよい。繋ぎ帯の一端８２はエアバッグの下方後
部領域２２ｂに接合または縫合される一方、繋ぎ帯８０の他端８４は、繋ぎ帯の
開口８５を通る留め具によって、乗物の構造部に緩くまたは揺動可能に固定され
る。同様に、エアバッグ２２の下方前部領域２２ｃは膨張しないように閉じられ
、第２繋ぎ帯８０ａが固定されている。同じく、繋ぎ帯８０ａの端８４ａは、Ａ
ピラー３０の下部近傍に、エアバッグの展開時には下向きに回転するように固定
されている。図１ａに２２ｄおよび２２ｅで示されているような、エアバッグの
他の幾つかの領域が、膨張せず、かつ、膨張ガスをエアバッグ２２の特定の膨張
領域、ローブ、または部分に流さないように、縫合または接合されている。

【０００８】 エアバッグは、下縁２２ｆから始まってアコーディオンプリーツの形状９０に
折り畳まれ、概ね図３に示される形状とされている。この折り畳まれた形状では
、エアバッグ２２は、基本的には長い管のような形状になる。エアバッグをこの
折り畳まれた形状に保つため、エアバッグは、公知の収縮包装材（セロハン）９
２のような、壊れ易いまたは裂け易い材料に包まれている。折り畳まれ、包まれ
たエアバッグ２２は、その後、保持クリップ１００ａ、１００ｂのような複数の
留め具を使って、ルーフレール３８に取り付けられる。図３に図示されているよ
うに、一方の保持クリップ１００ｂは、各クリップがエアバッグの膨張時に（図
６に図示されているように）裂け開くことを可能とするように、予め応力を加え
られた裂け目領域１０２を含む。保持クリップ１００ａおよび１００ｂは、図３
に図示されているように、留め具１１０によってルーフレールに固定できる。

【０００９】 従来知られているように、多くの乗物の前部および後部ドアの上方には、搭乗
者の降車時に助けとして用いられるＵ型のグラブハンドルが設けられている。そ
のような一つのグラブハンドル１１２が図３に示されている。グラブハンドルを
ルーフレールに固定するのに用いられる留め具１１０は、クリップ１００ａ、１
００ｂをルーフレールに固定するためにも用いることができる。理解し得るよう
に、クリップの数は個々の乗物に依存する。さらに、折り畳まれ包まれたエアバ
ッグは、予め応力を加えられた部分１０２を有する管状のプラスチック製の外殻
内に設置することもでき、基本的には、予め応力を加えられた外殻は、接触した
複数の保持クリップ１００ａ、ｂなどとして考えることができる。

【００１０】 本発明の他の実施形態を図示する図７を簡単に参照する。この実施形態におい
て、膨張器６０ａは、少なくとも二つの流出口６４ａおよび６４ｂ（互いに反対
向きの）を含むような形状になっている。膨張器は、アダプタ１５０を用いて、
分割チューブ７０の対向する部分７０ａ、７０ｂに固定される。図７の膨張器６
０ａは、乗物のＢピラー３２に取り付けることもできる。

【００１１】 図８は、本発明のまた他の実施形態を示す。この実施形態では、膨張器６０ｂ
は、その両端に軸流口６４を有する。膨張器は、分割チューブ７０の対向する部
分７０ａ、７０ｂに連結される。

【００１２】 本発明のさらなる実施形態を示す図９を簡単に参照する。図９は、乗物のルー
フの上面図を示す。フロントウインドウ２００は、乗物の前方部を識別する。バ
ンおよびトラックのような多くの乗物は、乗物の前側搭乗者の着座位置の前方か
つ間に位置したセンターコンソール２０２を含む。ほぼこのコンソールの領域に
、中央膨張器６０が、管すなわち導管２０１ａ、２０２ｂを介して、対向配置さ
れたクッション２２の閉じた端７４ｂに隣接した部分に連結して配置されている
。各クッション２２の他端７４ａは、密閉されている。各導管２０２ａ、２０２
ｂ内には、制御ユニット２０６から受け取った信号に応答する制御弁２０４ａ、
２０４ｂが設けられている。制御ユニットは、乗物内または周囲に設けられた複
数の衝突センサ（不図示）から受け取られる入力信号２０８に応答する。乗物が
その一側面あるいは他側面で衝突に巻き込まれたこと、または乗物が転倒したこ
とを感知すると、制御ユニット２０６は膨張器６０および対応する制御弁２０４
ａ、２０４ｂの一つを作動させ、その結果、側面衝突および／または転倒事故発
生時に、膨張ガスは、乗物の右側または左側の、一方または他方のエアバッグ２
２へ流される。または、図８の膨張器６０の能力に応じて、制御ユニット２０６
は、両方の弁２０４ａ、２０４ｂを同時に作動させて両側のエアバッグ２２を図
６に示す展開位置に展開してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１ａ】 本発明の主要部品を示す。

【図１ｂ】 図１のエアバッグの一部を切り欠いた横断面を示す。

【図２】 本発明の主要部品を示す、乗員室内部の左手平面図である。

【図３】 エアバッグ／クッションとルーフレールとの相互連結を示す横断面を示す。

【図４】 軸流エアバッグ膨張器の斜視図である。

【図５】 膨張器と本発明の他の部品との相互連結を示す。

【図６】 乗員室内部の乗員を保護する、展開された状態のサイドカーテンすなわちエア
バッグを示す。

【図７】 本発明の他の実施形態を示す。

【図８】 本発明の他の実施形態を示す。

【図９】 本発明の他の装置を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トバイアン、ロバート アメリカ合衆国 48047 ミシガン州 ニ ュー ボルティモア シュガーブッシュ ロード 48571 (72)発明者 ヨスト、シュテファーン ドイツ連邦共和国 デー−65197 ヴィー スバーデン ヨハニスベルガーシュトラッ セ １ (72)発明者 ウォング、サミュエル アメリカ合衆国 48098 ミシガン州 ト ロイ マリーナ ドライブ 5495 (72)発明者 ワイパスラモンタン、ポングデット、ピ ー． アメリカ合衆国 48307 ミシガン州 ロ チェスター エルム ストリート 311 (72)発明者 ロイター、ヨルク ドイツ連邦共和国 デー−65527 ニーダ ーンハウゼン シェーネ アウスズィヒト ７ Ｆターム(参考） 3D054 AA02 AA03 AA04 AA07 AA18 AA20 CC04 CC09 CC11 CC29 CC34 CC38 CC42 DD14 DD30 EE09 EE20

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 繋げられた複数の縦布（２４ａ、２４ｂ）を含み、乗物のＡ
   ピラー（３０）から延びてＣピラー（３４）に固定されるのに十分な長さであり
   、膨張時に前記乗物のルーフレールの近傍から少なくとも前記乗物のサイドウイ
   ンドウの下縁まで延びるのに十分な高さのエアバッグ（２２）と、 前記エアバッグ内に配置され、前記エアバッグに膨張ガスを分配する複数の開
   口（７２）が長手方向に沿って設けられた可撓チューブ（７０）と、 前記エアバッグを膨張させるために前記可撓チューブに連通する膨張ガス源（
   ６０）とを有するサイドカーテンエアバッグシステム（２０）。
2. 【請求項２】 前記可撓チューブ（７０）の前記開口（７２）は、前記エア
   バッグの全体の容積が実質的に同時に膨張されるように前記チューブの長手方向
   に不均一に配置されている、請求項１に記載のサイドカーテンエアバッグシステ
   ム（２０）。
3. 【請求項３】 前記エアバッグ（２２）の下方後部領域（２２ｂ）は、膨張
   しないように互いに接合または縫合されている、請求項１または２に記載のサイ
   ドカーテンエアバッグシステム（２０）。
4. 【請求項４】 前記エアバッグ（２２）の下方前部領域（２２ｂ）は、膨張
   しないように接合または縫合されている、請求項１ないし３のいずれかに記載の
   サイドカーテンエアバッグシステム（２０）。
5. 【請求項５】 前記エアバッグの幾つかの領域（２２ｄおよび２２ｅ）は、
   それらが膨張せず、そのため前記膨張ガスを前記エアバッグの特定の膨張領域へ
   流すように縫合または接合されている、請求項１ないし４のいずれかに記載のサ
   イドカーテンエアバッグシステム（２０）。
6. 【請求項６】 前記エアバッグは、前記エアバッグの下縁（２２ｆ）から始
   まってアコーディオンプリーツの形状（９０）に折り畳まれて実質的に長い管状
   の形状に形成されており、かつ、壊れ易いまたは裂け易い材料に包まれている、
   請求項１ないし５のいずれかに記載のサイドカーテンエアバッグシステム（２０
   ）。
7. 【請求項７】 前記折り畳まれ包まれたエアバッグ（２２）は、前記ルーフ
   レール（３８）に固定されている、請求項６に記載のサイドカーテンエアバッグ
   システム（２０）。
8. 【請求項８】 前記チューブ（７０）は、編まれまたは織られた生地で作ら
   れた補強外殻を備えたエラストマー内管を有する、請求項１ないし７のいずれか
   に記載のサイドカーテンエアバッグシステム（２０）。
9. 【請求項９】 前記チューブ（７０）は、前記チューブ内に膨張ガスを直接
   流させる膨張ガス源である膨張器６０の周りに固定された一端（７４ａ）と、密
   閉または接合された前記管の他端（７４ｂ）とを有する、請求項１ないし８のい
   ずれかに記載のサイドカーテンエアバッグシステム（２０）。
10. 【請求項１０】 前記チューブは、密閉または接合された二つの端を有し、
    前記膨張ガス源は、前記密閉された二つの端の間の位置で膨張ガスを前記チュー
    ブに供給する、請求項１ないし８いずれかに記載のサイドカーテンエアバッグシ
    ステム（２０）。