JPH0422759Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、パチンコ機に用いられる入賞球装置
に関するものである。

〔従来技術〕

パチンコ機では、ゲームの興趣を盛り上げるた
めに、遊戯盤の前面に入賞球装置（ヤクモノ）が
設けられている。従来の入賞球装置としては、入
賞球が１個入ると、一対の可動翼（チユーリツ
プ）が開いて球が入り易くし、そしてこの開き状
態の時に球が入ると可動翼が垂直となる閉じ位置
へ復帰するようにしたものが主として用いられて
いる。しかし、この入賞球装置では、興趣として
単調になりやすいという欠点があつた。

このような背景から、実公昭56−21431号公報
で知られるように、可動球受体をモータの駆動に
より水平に往復移動させ、その移動位置に応じて
流下してくる球を入賞口に導いたり、あるいはそ
のまま流下させたりする入賞球装置が提案されて
いる。

しかし上記の入賞球装置の場合、可動球受体が
モータで常時水平に往復移動し、しかもこの球受
体に球が入つても常に決まつた入賞口に導かれる
だけであるから、何回かゲームをするとすぐに興
味が薄れてくる。

〔考案の目的〕

本考案は以上のような従来技術を考慮してなさ
れたもので、遊戯者に新たな興趣を引き起こし、
しかも興趣を持続させることができるようにした
入賞球装置を提供することを目的とする。

〔考案の要点〕

本考案は上記目的を達成するために、ゲームを
行う上で価値が異なる３個の入賞口を水平に並
べ、その上方に可動球受けを水平方向に移動自在
に設ける。可動球受けは横長箱状をしておりその
底面中央に１個の排出口が設けられている。可動
球受けは第１及び第２のソレノイドのいずれかが
駆動されたときに前記排出口が３個の入賞口の端
のいずれか一方の真上にくるように移動し、他方
のソレノイドの駆動時には排出口が他の端の入賞
口の真上にくるように移動する。ソレノイドがい
ずれも駆動されない状態では、位置決め手段によ
り可動球受けは中立位置にあり、この場合には排
出口が真ん中の入賞口の真上に位置する。そして
第１、第２のソレノイドは、前記３個の入賞口と
は別の入賞口に球が入つたときに交互に択一して
一定時間駆動されるように構成されている。

以下、図面を参照して本考案の一実施例につい
て詳細に説明する。

〔実施例の構成〕

第１図において、パチンコ機１の前面に遊戯盤
２が取り付けられており、発射操作つまみ３を操
作した時に、球が遊戯盤２内に発射される。この
遊戯盤２には、セーフ玉受け４、チユーリツプ
５、アタツカー６、スロツト部７、障害釘８、本
考案の入賞球装置９、アウト口１０等が設けられ
ている。遊戯盤２内に発射された球は、障害釘８
により反発されながら下方に落ちてゆき、その途
中でセーフ受け口４、チユーリツプ５、入賞球装
置９に入ることにより、一定個数の景品球が球受
け皿１１に排出される。前記チユーリツプ５は、
球が入る毎に起立した位置と、斜めに開いた位置
との間を交互に変位する。

第２図及び第３図において、入賞球装置９は、
その上方にセーフ受け口１５が設けられており、
その直ぐ下に球を横方向に散らすための障害突起
１６が配置されている。前記セーフ受け口１５に
入つた球は、セーフ穴１５ａを通つて樋１７に入
る。このセーフ穴１５ａの出口には、スイツチ１
８が配置されており、セーフ穴１５ａに入つた球
でONされる。前記障害突起１６には、その装飾
効果を出すために、複数の発光ダイオード１９が
嵌め込んであり、発射操作つまみ３を回してハン
マー駆動用モータのスイツチ（図示せず）をON
にした時に、適当な周期で点滅を開始する。

前記障害突起１６の下方には、横長の箱状をし
た可動球受け部２４が設けられており、実線で示
す位置と、二点鎖線で示す位置と、点線で示す位
置との間を交互に変位する。この可動球受け部２
４が実線で示す位置にある時は、前記障害突起１
６の直ぐ下に位置しているため、障害突起１６と
の間で横方向に開口した僅かな隙間を通つた球し
か可動球受け部２４に入ることができないため、
入賞が困難になり、そして右又は左方向に移動し
ている時には、上に開口した隙間が形成されるた
めに入賞が最も容易になる。この可動球受け部２
４は、その中央部に穴２４ａが形成されており、
これから落ちた球が球受け２５に入る。この球受
け２５には、２枚の仕切２６で仕切られた３個の
セーフ穴２５ａ〜２５ｃが形成されている。した
がつて、可動球受け部２４が中央位置にある時に
は、セーフ穴２５ｂに球が入り易く、二点鎖線で
示す左位置に変位している時には、セーフ穴２５
ａに球が入り易い。同様に可動球受け部２４が点
線で示す右位置に変位している時には、これから
落下した球はセーフ穴２５ｃに入り易い。

前記セーフ穴２５ａ〜２５ｃに対応するよう
に、通路がそれぞれ設けられており、これを通つ
た球がスロツト部７に送られ、球の重力によつて
対応するリール２６ａ〜２６ｃをそれぞれ回転さ
せる。なお、第３図では真中にある通路２７だけ
が示されている。これらのリール２６ａ〜２６ｃ
は、その外周にシンボル２８が所定のピツチで描
かれており、窓２９を介して観察することができ
る。そして、３個の窓２９にシンボル「７」が現
れた場合、又は３個のシンボルが一致した場合
に、アタツカ６が一定時間だけ開き、又は所定の
回数だけ開閉する。

可動球受け部２４の駆動機構を示す第４図にお
いて、可動球受け部２４の背後に設けたピン３２
が横方向に伸びた長孔３３を通つ入賞球装置９の
背後に突出し、Ｔ形レバー３４の長孔３４ａに嵌
合している。このＴ形レバー３４の２個のアーム
には、ソレノイド３５，３６がそれぞれ連結され
ており、これらが通電されていない時に、ローラ
３７がローラ受け３８に保持された位置に静止し
ており、例えばソレノイド３６が通電された時
に、軸３９を中心にして反時計方向に回動して二
点鎖線で示す位置へ変位し、それにより可動球受
け部２４を右位置へ移動させる。

第５図はソレノイドの駆動回路を示すものであ
る。前記スイツチ１８がONすると、テリツプフ
ロツプ４０の入力信号が「Ｈ」から「Ｌ」に変化
する。この信号の立ち下がりでフリツプフロツプ
４０が反転して、２個の出力端子の一方が「Ｈ」
となるように、信号レベルを反転させる。フリツ
プフロツプ４０の出力端子には、ワンシヨツトマ
ルチバイブレータ４１，４２がそれぞれ接続され
ており、一定時間だけ「Ｈ」の信号を出力してこ
れをトランジスタ４３，４４にそれぞれ送る。こ
れらのトランジスタ４３，４４に前記ソレノイド
３５，３６が接続されている。

〔実施例の作用〕

発射操作つまみ３を回すと、電源スイツチが
ONするから、発射用モータが回転して発射位置
にある球を遊戯盤２に発射する。この遊戯盤２に
発射された球は、障害釘８で反発されながら落下
し、その内のいくつかの球はセーフ受け口４、チ
ユーリツプ５等に入り、こけらに入らなかつた球
はアウト穴１０に入る。そして、セーフ受け口４
等に入つたセーフ球は、景品球排出装置を駆動し
て所定数の景品球を球受け皿１１に排出する。

前記遊戯盤２に発射された球がセーフ受け口１
５に入ると、スイツチ１８をONにしてから、景
品排出装置に達し、前述したように所定個数の景
品球を排出する。前記スイツチ１８がONする
と、一方のソレノイド例えば３６がONする。こ
のソレノイド３６がONすると、第４図に示すよ
うに、Ｔ形レバー３４がバネ４５を引張ながら軸
３９を支点にして反時計方向に一定角度だけ回動
する。これにより、可動球受け部２４が点線で示
した位置に変位するため、障害突起１６で邪魔さ
れることなく球が可動球受け部２４に入ることが
可能になる。このように、可動球受け部２４の入
賞が容易になつた状態の時にこれに球が入ると、
穴２４ａから落下してその下に位置しているセー
フ穴２５ｃに入り、リール２６ｃを回転させた
後、景品球排出装置に達し景品球を排出させる。
前記リール２６ｃが回転して、窓２９に現れたシ
ンボル２８を変化させた時に、３個のシンボルが
「７」になつた場合には、アタツカ６が周知のよ
うに所定回数だけ開閉する。このアタツカ６が開
閉すると、アウト穴１０に入るべき球がアタツカ
に捕捉されてセーフ球になり、多数の景品球を得
ることができる。

前記ソレノイド３６は、ワンシヨトマルチバイ
ブレータ４２で決められた所定時間だけ通電され
から、この時間が過ぎるとバネ４５の蓄勢力によ
り、Ｔ形レバー３４が実線で示す位置に戻る。こ
の場合には、可動球受け部２５は実線で示す中央
位置にあるから、入賞が困難になる。この状態で
可動球受け部２４に球が入ると、穴２４ａがセー
フ穴２５ｂの上に位置しているから、この球がセ
ーフ穴２５ｂに入り、リール２６ｂを回転させて
前述したように３個のシンボルの組み合わせを変
化させる。

前記セーフ受け口１５に第２番目の球が入る
と、前述したようにスイツチ１８をONにする。
このスイツチ１８がONすると、フリツプフロツ
プ４０の出力が反転するため、今度はソレノイド
３５が一定時間だけ通電される。このソレノイド
３５が通電されると、Ｔ形レバー３４は軸３９を
中心にして時計方向に回動し、可動球受け部２４
を二点鎖線で示す位置へ移動させる。この状態で
可動球受け部２４に球が入ると、この球はセーフ
穴２６ａに入るため、リール２６ａが回転して再
びシンボル２８の組み合わせを変えることができ
る。

上記実施例では可動球受け部とスロツト部とを
組み合わせているが、本考案はスロツト部と取り
切り離して単独に設置してもよい。

〔考案の効果〕

以上に説明した本考案の入賞球装置によれば、
ゲーム上の価値が異なる３個の入賞口を水平に配
し、その上方で横長箱状の可動球受けを水平方向
に３個所に移動させ、しかも可動球受けに入つた
球を、可動球受けのそのときの位置に応じて３個
の入賞口のいずれかに振り分けるように構成した
から、可動球受けの位置によつてゲームの進行状
態が大きく変化し、これまでにはないゲーム性を
付与することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したパチンコ機の正面図
である。第２図は本考案の入賞球装置の正面図で
ある。第３図は入賞球装置の断面図である。第４
図は入賞球装置の背面図である。第５図はソレノ
イドの駆動回路を示す回路図である。 ７……スロツト部、９……入賞球装置、１６…
…障害突起、２４……可動球受け部、２４ａ……
穴、２５……球受け、２６ａ〜２６ｃ……リー
ル、３４……Ｔ形レバー、３５，３６……ソレノ
イド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平に配列され、ゲームを行う上での価値が異
   なる３個の入賞口と、これらの入賞口の上方で水
   平方向に移動自在であり、底面の中央に１個の排
   出口を形成した横長箱状の可動球受けと、駆動し
   たときに、前記排出口が前記３個の入賞口のいず
   れか一方の端の入賞口の真上にくるように前記可
   動球受けを移動させる第１のソレノイドと、駆動
   したときに前記排出口が前記３個の入賞口の他方
   の端の入賞口の真上にくるように前記可動球受け
   を移動させる第２のソレノイドと、前記第１及び
   第２のソレノイドの非駆動時に、前記排出口が前
   記３個の入賞口の中央の入賞口の真上にくるよう
   に前記可動球受けを位置決めする位置決め手段
   と、前記３個の入賞口とは異なる他の入賞口に球
   が入つたことを検知し、前記第１もしくは第２の
   ソレノイドのいずれか一方を交互に択一して一定
   時間駆動する駆動回路とからなることを特徴とす
   る入賞球装置。