JP2007079196A - 静電荷像現像用トナー、及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温での離型性に優れ、フィルミングの発生が少なく、低温定着性と耐熱保存性とを両立し、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布の狭いトナーを提供することを目的とする。更には、該トナーを用い、極めて安定した良好な画像品質画像が長期にわたって得られる画像形成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 トナーを構成する材料を含有する液体をトナー材料液とし、少なくとも前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させる工程を経て得られたトナーにおいて、前記トナー材料液が、少なくとも融点が50〜90℃であり、C-H、C-C結合のみで分子鎖を構成するワックスを含有し、得られたトナー粒子の表面ワックス量が0.1〜4.0質量%であることを特徴とするトナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に好適に用いられるトナー及び該トナーを用いた画像形成方法、プロセスカートリッジに関する。
電子写真法による画像形成は、一般に、感光体(静電荷像担持体)上に静電荷像を形成し、該静電荷像を現像剤で現像して可視像(トナー像)とした後、該可視像を紙等の記録媒体に転写し、熱、圧力や溶剤気体等によって転写媒体に定着することにより定着像とする一連のプロセスにより行われる(特許文献1参照)。
前記現像剤としては、磁性トナー又は非磁性トナーを単独で用いる一成分現像剤と、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤とが知られている。また、一成分現像方式では、現像ローラーへのトナー粒子の保持に磁気力を使用するか否かにより、磁性一成分現像方式、非磁性一成分現像方式に分類される。また、トナーとしては、通常、熱可塑性樹脂を着色剤などと共に溶融混練した後、微粉砕し、更に分級する混練粉砕法により製造されるトナーが用いられている。なお、必要に応じて、流動性やクリーニング性の改善を目的として、無機微粒子や有機微粒子がトナー粒子表面に添加されることがある。
前記混練粉砕法により得られるトナーは、一般に、熱ロールを用いて加熱溶融することにより定着されるが、その際、熱ロール温度が高すぎるとトナーが過剰に溶融し熱ロールに融着するホットオフセット現象が生ずることがあり、逆に熱ロール温度が低すぎるとトナーが充分に溶融しないため定着が不十分になることがある。近年、省エネルギー化及び複写機等の装置の小型化の観点から、よりホットオフセット発生温度が高く、かつ定着温度が低い、耐ホットオフセット性と低温定着性とを両立するトナーが求められている。特に、フルカラー複写機、フルカラープリンター等においては、その画像の光沢性及び混色性が重要となるため、より低融点を有するトナーが望まれているものの、低融点を有するトナーは、ホットオフセット現象が発生しやすく、また高温高湿度下における耐熱保存性に劣るため、従来よりフルカラー用の機器では、熱ロールにシリコーンオイル等を塗布することにより離型性を付与する方法が採用されている。
しかし、この方法では、オイルタンク、オイル塗布装置等が必要となり、画像形成装置の複雑化、大型化を招く。また、熱ロールの劣化が生じやすくなるため、一定期間毎のメンテナンスが必要となる。更にコピー用紙、OHP用フィルム等にオイルが付着し、該付着オイルにより、画像の色調が悪化するという問題がある。
そこで、熱ロールにオイルを塗布することなく離型性を付与し、トナーの融着という問題を防ぐために、トナーにワックス等の離型剤を添加する方法が一般的に用いられている。ここで、離型性にはワックスのトナー中での分散状態が大きく影響する。ワックスがトナーにおけるバインダーと相溶すると離型性が発現できず、非相溶なドメイン粒子として存在して初めて離型性を発現する。このとき、ドメイン粒子の分散径が大きすぎると、トナー粒子表面近傍に存在するワックスの割合が相対的に増加するため、凝集性を示して流動性が悪化したり、長期使用においてワックスがキャリアや感光体等に移行してフィルミングを生じ、良好な画質が得られないことがある。一方、ドメイン粒子の分散径が小さすぎると、ワックスが過度に微分散されて十分な離型性が得られないことがある。
前記粉砕混練法では、ワックスのドメイン粒子の分散径を制御するのが困難であり、またワックスが破断面に存在しやすいため、トナー表面に露出するワックスが多くなり、流動性の悪化やフィルミングの発生という前記諸問題が生ずることがある。更に、粉砕混練法により得られるトナーは、一般に粒度分布が広く、トナーの摩擦帯電性にムラが生じ、カブリなどが発生しやすいだけでなく、生産効率の関係上、体積平均粒径が2〜8μmの小粒径トナーが得られにくく、高画質化の要求に対応できないという問題がある。
そこで、水相中で造粒することにより得られるトナーが注目されている。該トナーは、粒度分布が狭く、小粒径化が容易であるとともに、高画質かつ高精細な画像を得ることができ、ワックス等の離型剤の高分散による耐オフセット性、及び低温定着性にも優れる。また、帯電の均一性によって転写性に優れ、しかも流動性が良好であり、ホッパーの設計や現像ロールを回転させるためのトルクの小型化が可能になるなど、現像装置の設計上も有利である。
前記水相中で造粒することにより得られるトナーとして、従来より、懸濁重合法や乳化重合凝集法などにより得られるトナー(以下、ケミカルトナーという)の開発が行われている。
前記懸濁重合法は、モノマー、重合開始剤、着色剤、離型剤等を、分散安定剤を含む水相中に攪拌しながら加えて油滴を形成させ、その後、昇温して重合反応を行わせることにより、トナー粒子を得る方法である。該懸濁重合法によれば、トナー粒子の小粒径化を図ることはできるものの、残存すると帯電性を低下させる分散安定剤を用いなければならず、分散安定剤を用いなければ油滴の形成時に離型剤が油滴内部に入り込みやすくトナー粒子の表面に適度に存在させることが困難であるという問題がある。
前記乳化重合凝集法は、例えば、ポリエステル樹脂を結着樹脂として使用し、水相中で乳化分散した後、脱溶剤して得られた微粒子と、着色剤、離型剤(ワックス)等を水相中で分散させて形成した分散体とを凝集させ、加熱融着させることによりトナー粒子を製造する方法である(特許文献2〜3参照)。これらの製造方法によれば、超微粒子の発生が無いため、乳化ロスが無く、しかも粒度分布がシャープな分級フリーのトナーの製造が可能になるものの、脱溶剤後の微粒子を凝集させる際、単に凝集させたのでは合着が不充分となり、合着後の界面での割れ等が生じる。このため、熱により粒子間の合着を進行させる加熱工程が必須である。しかし、加熱を行うと、トナー粒子内に微分散させたワックス成分のブルーム(表面析出)が生じたり、ワックス微分散粒子間の凝集等を生じ、ワックスが充分に微分散した状態を維持することができない。特に、低融点のワックス(離型剤)を使用すると、加熱工程において溶け出し易く、離型性を確保することができず、オイルレス方式のヒートロール定着への適正に欠けるという問題がある。
また、離型剤エマルジョンに重合性ビニル単量体と水溶性重合開始剤とを添加し重合させることによりビニル重合体が被覆又は含浸された離型剤微粒子を、トナー組成物の乳化時に添加してトナー表面に均一かつ強固に付着させる方法が提案されている(特許文献4参照)。しかし、この方法では、離型剤エマルジョンと重合性ビニル単量体とを重合させることが必須となり、また、離型剤微粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)が高いため、低温での離型性、低温定着性等に劣るという問題がある。
また、特許文献5には、極性基を有する物質と離型剤を含有する重合性単量体系を水中で懸濁重合してトナーを製造することにより、粉砕法トナーでは使用できない低融点のワックスを含有させることができるとの記載がされている。ワックスのような非極性成分は、極性成分とは逆にトナー粒子の表面付近には存在せず、表面の極性成分に覆われた擬似カプセル状の構造をとるとしている。しかしながら、トナー粒子内部におけるワックスの分布については分析されておらず、不明である。
特許文献6には、ワックスの含有量を0.1〜40質量%とし、トナー表面に露出するワックスの存在割合が表面に露出する構成化合物の1〜10質量%であるトナーが記載されている。トナー表面に露出するワックスの割合をESCAによって測定し、規定しているものである。しかしながら、ESCAによる分析は、トナーの最表面から0.1μm程度の深さに限られるため、更に内側に存在し、定着工程で離型性を発揮するに相応しいワックスの分散状態を知るには及ばない。
特許文献7には、ワックスがトナー粒子に内包されかつ粒子表面に局在化するトナーが記載されている。しかしながら、トナー表面近傍のワックスの詳細な分散状態は不明である。
また、特許文献8は、トナー表面に露出するワックスの割合をFTIR−ATRによって測定し、規定しているものである。しかしながら、トナーブロッキングとホットオフセット性、フィルミングと紙巻き付きは完全なトレードオフの関係にあり、更なる定着性の改良の為には、トナーの改良、ワックスの分散状態の制御だけでは困難な状況にある。
したがって、小粒径かつ粒度分布が狭く、しかも流動性に優れるというケミカルトナーの利点を保持しつつ、低温での離型性に優れ、フィルミングの発生が少なく、低温定着性と耐熱保存性とを両立し、高画質な画像が得られるトナーが常に安定して効率よく得られる方法が強く望まれているが、該方法は未だ提供されていないのが現状である。
一般に定着には、熱効率面や定着機構の簡便さ、定着部材の製造コスト面等から、定着ローラーや定着ベルト等の定着部材を直接未定着画像に圧接して、トナーを熱溶融し紙等の画像担持体に定着を行う方法、すなわち熱圧定着法が好んで採られている。
中でも、電磁誘導加熱を用いたベルト方式の定着装置は、定着ローラと、この定着ローラに並列配置され非磁性材料からなる対向ローラと、定着ローラと対向ローラ間に巻き掛けられた無端状の定着ベルトと、定着ベルトを外部から加熱する誘導コイルと、定着ベルトを介して定着ローラを押圧する加圧ローラとを備えている。そして、定着ベルトと加圧ローラとの間に記録紙を通過させ、このとき、定着ベルトからの熱および加圧ローラによる押圧力で記録紙上の未定着トナーを定着させる(特許文献9参照)。
一般に定着ベルトは、図1に断面で示すように、下側から順に基材1、発熱層2、弾性層3、離型層4が積層された積層構造をなしている。
基材1は無端状のベルトからなり、耐熱性樹脂で形成されている。耐熱性樹脂の材質としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン(PEEK)等が使用される。定着ベルトの剛性および熱容量から、通常、基材1の厚さは20μm〜100μmに設定されている。
発熱層2としては、SUS、鉄、ニッケル、マンガン、チタン、クロム、銅等の金属が使用される。また、弾性層3は、画像の均一性を得るために必要なものであり、100〜300μm程度のシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムが用いられる。離型層4は、転写紙およびトナーと加圧接触するため、耐熱性、耐久性に優れたフッ素系樹脂等で形成されている。
しかしながら、上記従来の定着装置では、誘導コイルによって定着ベルトを単に加熱しているだけで、定着ベルトの温度制御を行っていないので、ベルト両側端部でホットオフセットが生じやすい。すなわち、小サイズの記録紙を連続通紙すると、ベルト両側端部は記録紙に熱が奪われないため温度が高くなり、この状態で大サイズの記録紙を通紙したときに、ベルト両側端部でホットオフセットが生じるという問題がある。
また、従来の定着装置では、対向ローラの端部は軸受けなどがあって熱容量が大きいため、誘導コイルによって定着ベルトを加熱し始めたときには、その熱が対向ローラ端部側へ逃げてしまい、図2に示すように、対向ローラ端部の温度上昇が対向ローラ中央部の温度上昇に比べて遅くなり、その結果、定着装置が使用可能状態となるまでの時間、つまり立ち上がり時間が長くなるという問題もある。
特許文献10の定着装置は、ベルト曲率の小さい定着ローラと加熱ローラに張架されて、加熱ローラによって加熱されながら無端移動する定着ベルトを備え、転写材上のトナー像に定着ベルトを圧接させて、転写材上のトナー像を加熱定着している。この定着ベルトは、一般的にポリイミド等の耐熱性樹脂や金属の基体、耐熱性を有するゴム、エラストマーからなる弾性層、フッ素樹脂からなる離型層(最外層)の3層構造となっている。上記フッ素樹脂からなる離型層は、押し出し成形によって形成されたフッ素樹脂チューブを上記弾性層に被覆した後、フッ素樹脂を加熱溶融(以下、焼成)して形成している。また、弾性層にフッ素樹脂粒子をスプレーなどで塗布した後、フッ素樹脂を焼成して離型層を形成している。このように、離型層をフッ素樹脂で形成することで、離型性、耐熱性に優れた定着ベルトとすることができる。特に離型性に対しては効果が大きくトナーのホットオフセット、紙の巻き付きに対しては有効に効果を発揮する。しかしながら、上記フッ素樹脂は、屈曲性に乏しいため、ベルト曲率の小さい定着ローラと加熱ローラに張架されて長時間使用すると、離型層にクラックが生じてしまい、十分なベルト耐久性を得ることができなかった。
定着機構としては、非特許文献1を始めとして、いくつかの検討が試みられている。
しかしながら、この様な、定着機構単独の検討・提案では、上述と同様の事由により、上記課題の根本的な解決にはなり得ない。
米国特許第2297691号明細書 特開平10−020552号公報 特開平11−007156号公報 特開2004−226669号公報 特許第2663016号公報 特許第3225889号公報 特開2002−6541号公報 特開2004−246345号公報 特開平11−329700号公報 特開2002−268436号公報 Japan Harhcopy‘94(1994.6.23〜24 主催 電子写真学会)に於ける発表「オンデマンド定着技術の検討」(A−11)
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、低温での離型性に優れ、フィルミングの発生が少なく、低温定着性と耐熱保存性とを両立し、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布の狭いトナーを提供することを目的とする。
更には、トナー表面近傍のワックスの分散状態を制御し、耐ホットオフセット性を向上させて定着性を良好にし、低温定着性等の定着性を満足し、かつ、長期の使用においてもフィルミングしない耐フィルミング性と共に、耐ブロッキング性を向上させて長期の保存性にも優れるトナーを用い、より離型性がすぐれ、ベルト両側端部でホットオフセットが生じるのを防ぐことができ、かつ経時による定着ベルトの劣化のない定着装置を使用することにより、極めて安定した良好な画像品質画像が長期にわたって得られる画像形成方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、トナーを構成する材料を含有する液体をトナー材料液とし、少なくとも前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させる工程を経てトナーを造粒することにより、小粒径のワックス粒子をトナー中に均一に分散させ、かつトナー表面に適度に存在させることができ、ワックスのトナー粒子内での偏在を防止し、離型性に優れ、フィルミングの発生が少ないトナーが得られることを知見した。
また、トナーの製造工程において、加熱が不要であるため、低融点を有するワックスを使用することができ、トナー粒子のワックスの分散状態を限定することにより、低温での離型性に優れ、低温定着性と耐熱保存性とを両立し、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布の狭いトナーが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
(1) トナーを構成する材料を含有する液体をトナー材料液とし、少なくとも前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させる工程を経て得られたトナーにおいて、前記トナー材料液が、少なくとも融点が50〜90℃であり、C-H、C-C結合のみで分子鎖を構成するワックスを含有し、得られたトナー粒子の表面ワックス量が0.1〜4.0質量%であることを特徴とするトナー。
(2) 前記ワックスが、少なくともパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスのいずれかであることを特徴とする前記(1)に記載のトナー。
(3) 前記トナー材料液は、前記トナーを構成する材料が有機溶媒を含有する油系媒体に溶解又は分散されてなることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のトナー。
(4) 前記トナーは、前記有機溶媒を除去する工程を経て得られることを特徴とする前記(3)に記載のトナー。
(5) 前記トナーを構成する材料は、活性水素基含有化合物及び前記活性水素基に対する反応性を有する重合体を含有し、前記水系媒体中で乳化又は分散させる工程で、前記化合物と前記重合体を反応させ、得られた反応物を結着樹脂として含むことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のトナー。
(6) 前記トナーにおいて、DSC法におけるトナー粒子中のワックスの総量の割合が、0.5〜21質量%であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載のトナー。
(7) 前記トナーを構成する材料は、少なくともポリエステル樹脂を含むことを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載のトナー。
(8) 前記トナー材料液中、ワックスの分散粒子の体積平均粒径が、0.1〜2μmであることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載のトナー。
(9) 前記トナーのトナー粒子の体積平均粒径/個数平均粒径が1.00〜1.25であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載のトナー。
(10) 前記トナーのトナー粒子の体積平均粒径が3〜9μmであることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載のトナー。
(11) 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、該定着工程が、定着ローラと、該定着ローラに並列して配置され非磁性材料からなる対向ローラと、定着ローラと対向ローラとの間に巻き掛けられた無端状の定着ベルトと、定着ベルトを電磁誘導加熱する誘導加熱手段と、定着ベルトを介して定着ローラを押圧する加圧ローラとを備え、定着ベルトと加圧ローラとの間に記録媒体を通過させて該記録媒体上の未定着トナーを定着させる定着装置を用いた定着工程であって、前記定着ベルトは、下側から順に基材、弾性層、離型層が積層された積層構造をなし、基材は整磁合金が分散された材料で形成され、かつ整磁合金のキュリー温度はトナーのホットオフセット温度よりも低く設定されており、前記トナーは前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
(12) 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、該定着工程が、定着ローラと、該定着ローラに並列して配置された対向ローラと、定着ローラと対向ローラとの間に巻き掛けられ非磁性材料からなる無端状の定着ベルトと、対向ローラを電磁誘導加熱する誘導加熱手段と、定着ベルトを介して定着ローラを押圧する加圧ローラとを備え、定着ベルトと加圧ローラとの間に記録媒体を通過させて該記録媒体上の未定着トナーを定着させる定着装置用いた定着工程であって、前記対向ローラの外周面には整磁合金が設けられ、その整磁合金のキュリー温度はトナーのホットオフセット温度よりも低く設定されており、前記トナーは前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
(13) 前記対向ローラは円筒状部分を有し、その円筒状部分の肉厚は該対向ローラの軸方向に沿って中央部よりも両端部が薄く形成されていることを特徴とする前記(11)又は(12)に記載の画像形成方法。
(14) 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、前記定着工程が、少なくとも記録媒体上のトナーを加圧定着する定着装置を有し、定着装置の記録媒体上のトナーと接する表面部に少なくとも異なるMFRを有するフッ素系樹脂を複数以上含んでなり、前記トナーは前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
(15) 静電潜像担持体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれ、少なくとも現像手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は、トナーを保持し、該トナーは前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明のトナーは、トナーを構成する材料を含有する液体をトナー材料液とし、少なくとも前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させる工程を経てトナーを造粒することにより、小粒径のワックス粒子をトナー中に均一に分散させ、かつトナー表面に適度に存在させることができ、ワックスのトナー粒子内での偏在を防止し、離型性に優れ、フィルミングの発生が少ないトナーが得られる。
また、トナーの製造工程において、加熱が不要であるため、低融点を有するワックスを使用することができ、トナー粒子の表面ワックス量を特定の範囲とすることにより、低温での離型性に優れ、低温定着性と耐熱保存性とを両立し、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布の狭いトナーが得られる。
本発明のトナーは、小粒径かつ粒度分布が狭く、低温での離型性に優れ、フィルミングの発生が少なく、低温定着性と耐熱保存性とを両立し、高品質な画像を形成することができる。また、本発明のトナーが、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を水相中で反応させて得られる結着樹脂を少なくとも含む粒子を含むと、耐凝集性、帯電性、流動性、離型性、定着性等の諸特性に優れる。このため、本発明のトナーは、各種分野において好適に使用することができ、電子写真法による画像形成に、より好適に使用することができる。
(トナー及びトナーの製造方法)
本発明のトナーの製造方法は、トナーを構成する材料を油系媒体中に溶解乃至分散液してトナー材料液とするトナー材料液調製工程と、前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させてトナーを造粒するトナー造粒工程とを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明のトナーの好ましい態様としては、前記トナーを構成する材料が、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、ワックスとを少なくとも含み、前記造粒が、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて粒子を得ることにより行われて製造されるトナーが挙げられる。
以下、本発明のトナーの製造方法の説明を通じて、本発明のトナーの詳細も明らかにする。
<トナー材料液調製工程>
トナー材料液調製工程は、トナーを構成する材料を油系媒体中に分散粒子として分散させてトナー材料液を調製する工程である。
−トナー材料液−
トナー材料液は、トナーを構成する材料を油系媒体に溶解乃至分散させてなる。
前記トナーを構成する材料としては、トナーを形成可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノマー、ポリマー、活性水素基含有化合物、及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)、のいずれか、及びワックスを少なくとも含み、更に必要に応じて、着色剤、帯電制御剤などのその他の成分を含んでなる。
なお、本発明の好ましい態様のトナーの製造方法において、前記トナー材料液の調製は、油系媒体中に、活性水素基含有化合物、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、ワックス、着色剤、帯電制御剤、等のトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができ、前記トナーを構成する材料の中で、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、後述する水系媒体の調製において、該水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、トナー材料液を水系媒体に添加する際に、トナー材料液と共に水系媒体に添加してもよい。
前記油系媒体としては、前記トナーを構成する材料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、溶媒は、有機溶媒を含有することが好ましい。なお、有機溶媒は、トナーの母粒子を形成する際又はトナーの母粒子を形成した後に除去することが好ましい。例えば、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、等が挙げられる。これらの中でも、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、等が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー材料100質量部に対し、40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部が更に好ましい。
−−活性水素基含有化合物−−
活性水素基含有化合物は、水相中で、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が後述のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、前記アミン類(B)が好適である。
前記アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)等、が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が特に好ましい。
前記ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、等が挙げられる。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、等が挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、等が挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記(B1)から(B5)のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
なお、活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応乃至架橋反応においては、伸長反応乃至架橋反応の反応助剤(触媒)を用いることが好ましい。前記触媒としては、例えば、三級アミン化合物等が挙げられる。
前記三級アミン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が好適に挙げられる。三級アミン化合物は、触媒として機能するだけでなく、前記トナー材料液の調製において、トナーを構成する材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に分散させる際の乳化助剤として機能する点で好ましい。
前記活性水素基含有化合物と活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いることができる。反応停止剤を用いると、得られる反応物(結着樹脂)の分子量等を所望の範囲に制御することができる点で好ましい。
前記反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)、などが挙げられる。
前記アミン類(B)と、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3〜3/1であるのが好ましく、1/2〜2/1であるのがより好ましく、1/1.5〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
−−活性水素基含有化合物と反応可能な重合体−−
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記プレポリマーにおける前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
前記プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)であるのが特に好ましい。
前記ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、等が挙げられる。前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)におけるウレア結合生成基がイソシアネート基である場合、ポリエステル樹脂(RMPE)としては、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)等が特に好適に挙げられる。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ前記活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの、等が挙げられる。
活性水素基含有ポリステル樹脂の活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基、が特に好ましい。
前記ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ジオール(DIO)単独、又は前記ジオール(DIO)と少量の前記3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が好ましい。
前記ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
前記アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。前記アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。前記脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。前記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
前記3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
前記3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合物における、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はDICと少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、等が挙げられる。
前記アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。前記アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。
前記芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、前記ジカルボン酸(DIC)、前記3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。前記低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物におけるジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、前記ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])が、通常、2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのが特に好ましい。
前記ポリオール(PO)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。前記イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。
これらは、1種単独でも使用することができ、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(PIC)と、前記活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と、水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1でるのがより好ましく、3/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記混合等量比が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4がより好ましい。
前記イソシアネート基の平均数が、1未満であると、ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、3,000〜40,000が好ましく、4,000〜30,000がより好ましい。該重量平均分子量(Mw)が、3,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、40,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。
すなわち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させる。この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。前記試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。前記検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、及び4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、前記検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
−−ワックス−−
ワックスとしては、C−H、C−C結合のみで分子鎖を形成する長鎖炭化水素が好ましい。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、サゾールワックス等が挙げられる。これらの中でも、低温定着性の向上の点で、低融点を有するパラフィンワックスが好ましい。
前記ワックスの融点としては、低温定着性の向上の点で、低融点であることが好ましく、50〜90℃が好ましく、60℃〜85℃がより好ましい。
前記融点が、50℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、90℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
本発明のトナーにおいて、ワックスの分散状態は、トナー粒子中のワックスの総量とトナー粒子の表面ワックス量とで、以下に示す測定により規定することができる。トナー粒子中のワックス総量は、DSC(示差走査熱量計)法で得られる。以下の測定装置及び条件により、トナー試料とワックス単体試料とをそれぞれ測定し、それぞれ得られるワックスの吸熱量の比から求める。
・測定装置:DSC装置(DSC60;島津製作所製)
・試料量:約5mg
・昇温温度:10℃/min
・測定範囲:室温〜150℃
・測定環境:窒素ガス雰囲気中
ワックス総量は以下の式1で算出した。
ワックス総量(質量%)=(トナー試料のワックスの吸熱量(J/g))×100)
/(ワックス単体の吸熱量(J/g)) ・・・式1
このように、上記分析により、トナー製造工程中にワックスが流出して、仕込んだ全てワックスがトナーに含有されない場合においても、トナー粒子中のワックス総量を有効に規定することができる。
トナー粒子の表面ワックス量は、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法で得られる。測定原理から分析深さは0.3μm程度であり、この分析により、トナー粒子の表面から0.3μmの深さ領域におけるワックス量を求めることができる。測定方法は以下の通りである。
先ず、試料として、トナー3gを自動ペレット成型器(Type M No.50 BRP-E;MAEKAWA TESTING MACHINE CO.製)で6tの荷重で1分間プレスして40mmφ(厚さ約2mm)ペレットを作製した。そのトナーペレット表面をFTIR−ATR法により測定した。用いた顕微FTIR装置は、PERKIN ELMER社製Spectrum OneにMultiScope FTIR ユニットを設置したもので、直径100μmのゲルマニウム(Ge)結晶のマイクロATRで測定した。赤外線の入射角41.5°、分解能4cm−1、積算20回で測定した。
得られたワックス由来のピーク(2850cm−1)とバインダ樹脂由来のピーク(828cm−1)との強度比(P2850/P828)をトナー粒子の表面の相対的なワックス量とした。値は測定場所を変えて4回測定した後の平均値を用いた。
前記試料における表面ワックス量を、既知のワックス量を均一に分散した検量線用試料の相対的なワックス量との関係から算出した。
様々なトナーの分析結果から、上記のDSC法により求められるワックス総量の値と、FTIR−ATR法により求められる強度比(P2850/P828)の値とは、トナーの製造工程の違い等による分散状態の違いによって異なる相関関係が見られた。本発明の好ましい態様である、少なくとも、活性水素基含有化合物、前記活性水素基に対する反応性を有する重合体、ポリエステル、着色剤及びワックスを有機溶媒中に分散させてなるトナー材料液を、樹脂微粒子存在下で水系媒体中に分散し架橋及び/又は伸長反応させて製造するトナーは、ワックスがトナー粒子最表面に存在せず、粒子中に均一に分散しているトナーであり、このトナーのワックス総量を変化させて、上記相関関係を調べたところ次の通りである。ワックス総量が少ない領域においては、強度比(P2850/P828)の値で示されるトナー粒子表面近傍のワックス量は0で一定しており、ワックス総量がある値を超えてから、強度比(P2850/P828)の値の増加が見られる。これは、トナー粒子中のワックスは、表面近傍に選択的に分散するものでなく、トナー粒子最表面よりも内側に入った領域において均一に分散していることを裏付けている。また、FTIR−ATR法により分析されるトナー粒子表面から0.3μmの深さ領域に存在するワックスが、トナー表面にしみ出しやすい位置にあることから、トナー離型性を効果的に発揮するものである。
FTIR−ATR法によって求められるトナー粒子の表面ワックス量は、0.1〜4質量%の範囲にあることが好ましい。上記表面ワックス量が0.1質量%未満では、トナー粒子の表面近傍のワックス量が少なく、従って定着の際に十分な離型性得ることができない。また、表面ワックス量が4質量%を超えると、トナー粒子の表面近傍のワックス量が多くなり、トナー粒子最表面に露出しやすくなるので好ましくない。定着時の耐ホットオフセット性と、帯電性、現像性、耐ブロッキング性等との両立を良好にするために、より好ましくは、上記表面ワックス量が0.1〜3質量%の範囲であることがよい。
表面ワックス量は、添加するワックスの量、分散時間、ワックス分散剤の使用等を調製することにより上記表面ワックス量とすることができる。
また、DSC法により求められるワックス総量は、トナー粒子中0.5〜21質量%が好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましい。前記ワックス総量が0.5質量%未満では、トナー粒子中に含有されるワックスの量が少なすぎ、定着時に十分な離型性を得ることができず、耐ホットオフセット性を低下させることがある。また、ワックス総量が21質量%を超えると耐ブロッキング性が低下したり、カラー画像においては定着後の光沢性が失われたりするので好ましくない。
前記ワックスの少なくとも一部が、トナー粒子中に内包された複数の独立したワックス分散粒子として存在するかどうか、或いは、トナー粒子中のワックスの分散状態は、TEM(透過型電子顕微鏡)により観察した。具体的には、トナーをエポキシ樹脂に包埋して約100μmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、TEMにより倍率10000倍でトナーの断面観察した。図3は、本発明のトナーの断面TEM写真である。ワックスが、トナー粒子表面近傍に分散すると共に、内部においても均一に分散している様子が分かる。このような分散状態によって、トナー粒子中に含有されるワックス量は少量であっても、効果的に耐ホットオフセット性を向上させ、かつトナーの帯電性、現像性、耐ブロッキング性を低下させることがない。
ワックス分散粒子は、トナー粒子中に均一に分散することが好ましい。ここで、均一に分散するとは、複数のワックス分散粒子が、トナー粒子中で大きな偏在なく分散することをいう。例えば、トナー中心を含む任意のトナー断面において、トナー外周上の任意の点と前記トナー中心とを結ぶ半径における、該トナー中心からトナー外周側に向かって前記半径の2/3の長さに位置する周の内側の領域におけるワックス分散粒子が、該トナー断面上の全ワックス分散粒子に対し30個数%より大きく、60個数%以下の状態も好ましい。ワックスのトナー粒子最表面への露出面積は、トナー粒子最表面の表面積の5%以下であることが好ましい。
前記トナー材料液は、少なくとも前記ワックスが前記油系媒体中に分散されてなる。
前記トナー材料液における前記ワックスの分散粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、微小であるのが好ましく、例えば、0.1〜2μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。該ワックスの分散粒子の体積平均粒径が0.1μm未満であると、離型性能が十分に得られないことがあり、2μmを超えると、トナー中のワックスの均一分散性が悪化することがある。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤のトナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、等が挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、あるいは前記トナーの各成分と共に前記有機溶剤に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記帯電制御剤のトナーにおける含有量としては、結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。該含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積としては、20〜500m/gが好ましい。
前記無機微粒子のトナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜5.0質量%がより好ましい。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
<トナー造粒工程>
トナー造粒工程は、前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させてトナーを造粒する工程である。
−水系媒体−
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記トナー材料液の水系媒体中への分散は、前記トナー材料液を前記水系媒体中で攪拌しながら分散させるのが好ましい。該分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができ、該分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速剪断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。これらの中でも、分散体の粒径を制御することができる点で、高速剪断式分散機が好ましい。
−有機樹脂微粒子−
本発明のトナーの製造方法では、前記トナー造粒工程において、有機樹脂微粒子の存在下でトナーを造粒することが必要である。前記トナー造粒工程において有機樹脂微粒子の存在下でトナーを造粒することにより、トナーの形状や粒度分布を制御することができ、粒度分布の狭いトナーが得られる。
前記有機樹脂微粒子は、その添加量によりトナーの粒径を変化させることができ、該有機樹脂微粒子の水中油滴型分散液中への添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10質量%が好ましい。
前記有機樹脂微粒子としては、前記水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
なお、前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
また、有機樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を含んでなる共重合体を用いることもできる。
前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどが挙げられる。
前記有機樹脂微粒子は、目的に応じて適宜選択した公知の方法に従って重合させることにより得ることができるが、該有機樹脂微粒子の水性分散液として得るのが好ましい。該有機樹脂微粒子の水性分散液の調製方法としては、例えば、(1)前記ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、有機樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法、(2)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、有機樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法、(3)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって有機樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより有機樹脂微粒子を得た後、該有機樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより有機樹脂微粒子を析出させ、次に溶剤を除去して有機樹脂微粒子を得た後、該有機樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法、(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、などが好適に挙げられる。
樹脂微粒子において、その体積平均粒径は、光散乱光度計(大塚電子製)にて測定した値で、好ましくは10〜200nm、より好ましくは20〜80nmである。
−結着樹脂−
本発明の好ましい態様のトナーにおいては、前記水中油滴型分散液の調製工程乃至トナー造粒工程において、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを伸長反応乃至架橋反応させ、得られた反応物を結着樹脂として含有する。
前記結着樹脂は、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を前記水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーである。
前記結着樹脂の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3,000以上が好ましく、5,000〜1,000,000がより好ましく、7,000〜500,000が特に好ましい。
前記重量平均分子量が、3,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、30〜70℃が好ましく、40〜65℃がより好ましい。前記トナーでは、架橋反応、伸長反応したポリエステル樹脂が共存していることにより、従来のポリエステル系トナーと比較してガラス転移温度が低くても良好な保存性を示すものである。
前記ガラス転移温度(Tg)が、30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
前記ガラス転移温度は、例えば、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、以下の方法により測定することができる。まず、トナー約10mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットにのせ、電気炉中にセットする。室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間置し、室温まで試料を冷却して10min放置する。その後、窒素雰囲気下、150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して示差走査熱量計(DSC)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、TG−DSCシステムTAS−100システム中の解析システムを用いて、ガラス転移温度(Tg)近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点からガラス転移温度(Tg)を算出することができる。
前記結着樹脂の具体例としては、前記活性水素基含有化合物としてのアミン類(B)と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としてのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)とを前記水相中で反応させて得られるウレア変性ポリエステル系樹脂が好適に挙げられる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよく、この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。
前記ウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、以下(1)から(10)、即ち、(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、等が好適に挙げられる。
本発明の好ましい態様のトナーは、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基に対する反応性を有する重合体とを伸長反応乃至架橋反応させ、得られた反応物を結着樹脂として含み、更に公知の結着樹脂から適宜選択した結着樹脂を含んでいてもよい。
前記更に含有しても良い結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂等が挙げられるが、特に、未変性ポリエステル樹脂(変性されていないポリエステル樹脂)が好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂を前記トナー中に含有させると、低温定着性及び光沢性を向上させることができる。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂と同様のもの、即ちポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物、等が挙げられる。該未変性ポリエステル樹脂は、その一部が前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と相溶していること、すなわち、互いに相溶可能な類似の構造であるのが、低温定着性、耐ホットオフセット性の点で好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜15,000がより好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあるので、上述したように前記重量平均分子量(Mw)が1,000未満である成分の含有量は、8〜28質量%であることが必要である。一方、前記重量平均分子量(Mw)が30,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記未変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度としては、35〜70℃が好ましい。ガラス転移温度が、35℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が不十分となることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、5mgKOH/gが以上が好ましく、10〜120mgKOH/gがより好ましく、20〜80mgKOH/gが更に好ましい。前記水酸基価が、5mgKOH/g未満であると、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の酸価としては、通常、1.0〜30.0mgKOH/gであり、5.0〜20.0mgKOH/gが好ましい。一般に前記トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
前記未変性ポリエステル樹脂を前記トナーに含有させる場合、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と該未変性ポリエステル樹脂(PE)との混合質量比(RMPE/PE)としては、5/95〜25/75が好ましく、10/90〜25/75がより好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂(PE)の混合質量比が、95を超えると、耐ホットオフセット性が悪化することがあり、75未満であると、低温定着性や画像の光沢性が悪化することがある。
前記活性水素基含有化合物と活性水素基に対する反応性を有する重合体の反応により得られる結着樹脂(例えば、前記ウレア変性ポリエステル樹脂)は、例えば、(1)前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記トナー材料の溶解乃至分散液を、前記活性水素基含有化合物(例えば、前記アミン類(B))と共に、前記水系媒体中に乳化乃至分散させ、前記分散粒子を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、(2)前記トナー材料の溶解乃至分散液を、予め前記活性水素基含有化合物を添加した前記水系媒体中に乳化乃至分散させ、前記分散粒子を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、あるいは(3)前記トナー材料の溶解乃至分散液を、前記水系媒体中に添加混合させた後で、前記活性水素基含有化合物を添加し、前記分散粒子を形成し、該水系媒体中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよい。なお、前記(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子において濃度勾配を設けることもできる。
前記乳化乃至分散により、結着樹脂を生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と前記活性水素基含有化合物との組合せに応じて適宜選択することができ、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましく、反応温度としては、0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。
前記水系媒体中において、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む分散粒子を安定に形成する方法としては、例えば、前記水系媒体中に、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))、着色剤、帯電制御剤、未変性ポリエステル樹脂等のトナー材料を、前記有機溶剤に溶解乃至分散させて調製したトナー材料の溶解乃至分散液を添加し、剪断力により分散させる方法、等が挙げられる。
前記乳化乃至分散において、水系媒体の使用量としては、トナー材料100質量部に対し、50〜2,000質量部が好ましく、100〜1,000質量部がより好ましい。
使用量が、50質量部未満であると、トナー材料の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
前記乳化乃至分散においては、必要に応じて、分散粒子を安定化させ、所望の形状を得つつ粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、等が挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。該陽イオン界面活性剤の中でも、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。該カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子社製);フロラードFC−135(住友3M社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
また、前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
前記トナーの造粒工程においては、必要に応じて分散安定剤を用いることができる。
該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。
該分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記トナー造粒工程においては、前記伸長反応乃至前記架橋反応の触媒を用いることができる。
前記トナー造粒工程においては、前記水系媒体中で乳化又は分散により形成したトナー粒子から、前記有機溶剤を除去する工程を有することが好ましい。
なお、前記有機溶剤の除去は、例えば、公知の溶解懸濁法や、本発明の前記好ましい態様のトナーの製造方法などによりトナーを製造する場合に行われる。
前記有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に減圧させて、分散粒子中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)反応系全体を徐々に昇温させて、分散粒子中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(3)水中油滴型分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、分散粒子中の非水溶性有機溶剤を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。
前記水中油滴型分散液が噴霧される乾燥雰囲気としては、例えば、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等加熱した気体や、使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流などが挙げられる。これらは、スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリードライアー、ロータリーキルンなどによる短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
前記有機溶剤の除去が行われると、トナー粒子が形成される。該トナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
こうして、得られたトナー粒子を、着色剤、帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、更に機械的衝撃力を印加することにより、該トナー粒子の表面から該着色剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢、等が挙げられる。
本発明のトナーの製造方法により得られるトナーは、以下のような、体積平均粒径(Dv)、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)、針入度、低温定着性、オフセット未発生温度、熱特性、ガラス転移温度、酸価、円形度、画像濃度、などを有していることが好ましい。
前記トナーの体積平均粒径(Dv)としては、例えば、3〜9μmが好ましく、3〜7μmがより好ましい。
前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、9μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記トナーにおける体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、例えば、1.00〜1.25が好ましく、1.05〜1.20がより好ましい。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.00未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、クリーニング性を悪化させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、1.25を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.05〜1.20であると、耐熱保存性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、特に、フルカラー複写機に使用した場合に画像の光沢性に優れる。二成分現像剤では長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られ、一成分現像剤ではトナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なくなるとともに、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するブレード等への部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期使用(攪拌)においても、良好で安定した現像性が得られるため、高画質の画像を得ることができる。
前記体積平均粒径、及び、体積平均粒径と個数平均粒子径との比(Dv/Dn)は、例えば、ベックマン・コールター社製の粒度測定器「マルチサイザーII」を用いて測定することができる。
前記針入度としては、例えば、針入度試験(JIS K2235−1991)で測定した針入度が、15mm以上であることが好ましく、20〜30mmがより好ましい。
前記針入度が、15mm未満であると、耐熱保存性が悪化することがある。
前記針入度は、JIS K2235−1991に従って測定することができ、具体的には、50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に20時間放置する。このトナーを室温まで冷却し、針入度試験を行うことにより針入度を測定することができる。なお、前記針入度の値が大きい程、前記耐熱保存性が優れることを示している。
前記低温定着性としては、定着温度低下とオフセット未発生とを両立させる観点からは、定着下限温度が低くなるほど好ましく、また、オフセット未発生温度が高くなるほど好ましく、定着温度低下とオフセット未発生とを両立させ得る温度領域としては、定着下限温度が120℃未満であり、オフセット未発生温度が200℃以上である。
なお、前記定着下限温度は、例えば、画像形成装置を用い、転写紙をセットし、複写テストを行い、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着部材温度を定着下限温度としたものである。
前記オフセット未発生温度は、例えば、画像形成装置を用いて、評価するトナーが所定量で現像されるように調整し、定着部材の温度が可変となるように調整して、オフセットの発生しない温度を測定することによって求めることができる。
前記熱特性は、フローテスター特性とも言われ、例えば、軟化温度(Ts)、流出開始温度(Tfb)、1/2法軟化点(T1/2)などとして評価される。
これらの熱特性は、適宜選択した方法により測定することができ、例えば、高架式フローテスターCFT500型(島津製作所製)を用いて測定したフローカーブから求めることができる。
前記軟化温度(Ts)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30℃以上が好ましく、50〜90℃がより好ましい。軟化温度(Ts)が、30℃未満であると、耐熱保存性が悪化することがある。
前記流出開始温度(Tfb)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、60℃以上が好ましく、80〜120℃がより好ましい。流出開始温度(Tfb)が、60℃未満であると、耐熱保存性及び耐オフセット性の少なくともいずれかが悪化することがある。
前記1/2法軟化点(T1/2)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90℃以上が好ましく、100〜170℃がより好ましい。1/2法軟化点(T1/2)が、90℃未満であると、耐オフセット性が悪化することがある。
前記ガラス転移温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、40〜70℃が好ましく、45〜65℃がより好ましい。ガラス転移温度(Tg)が、40℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
ガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計(「DSC−60」;島津製作所製など)を用いて測定することができる。
前記トナーの酸価としては、例えば、0.5〜40.0(KOHmg/g)が好ましく、3.0〜35.0(KOHmg/g)がより好ましい。トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
前記トナーの平均円形度は、0.93〜1.00の範囲にあることが好ましい。平均円形度が0.93未満でトナーが球形から離れた形状である場合は、満足した転写性又はチリのない高品位の画像が得られにくい。このような不定形の粒子は感光体等への平滑性媒体への接触点が多く、また突起先端部に電荷が集中することからファンデルワールス力や鏡像力が比較的球形な粒子よりも付着力が高い。そのため静電的な転写工程においては、不定形粒子と球形の粒子の混在したトナーでは球形の粒子が選択的に移動し、文字部やライン部画像抜けが起こる。また残されたトナーは次の現像工程のために除去しなければならず、クリーニング装置が必要であったり、トナーイールド(画像形成に使用されるトナーの割合)が低かったりする不具合点が生じる。
トナーの円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定を行う。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100〜150mLを入れ、分散剤として界面活性剤0.1〜0.5mLを加え、さらに、測定試料0.1〜9.5g程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000〜10,000個/μLにしてトナーの形状及び分布を測定する。
また、本発明のトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
図4は、本発明のトナーの形状を模式的に示す図である。図4において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図4(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図4(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
前記画像濃度は、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定した濃度値が、例えば、1.40以上が好ましく、1.45以上がより好ましく、1.50以上が更に好ましい。画像濃度が、1.40未満であると、画像濃度が低く、高画質が得られないことがある。
画像濃度は、例えば、カラー電子写真装置(「IPSiO Color 8100」;株式会社リコー製)を用いて、複写紙(「タイプ 6200」;株式会社リコー製)に現像剤の付着量が1.00±0.1mg/cmのベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成し、得られたベタ画像における任意の5箇所の画像濃度を、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定しその平均値を算出することにより、測定することができる。
本発明のトナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができる。
本発明のトナーは、トナーを構成する材料を含有する液体をトナー材料液とし、少なくとも前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させる工程を経てトナーを造粒することにより、小粒径のワックス粒子をトナー中に均一に分散させ、かつトナー表面に適度に存在させることができ、ワックスのトナー粒子内での偏在を防止し、離型性に優れ、フィルミングの発生が少ないトナーが得られる。
また、トナーの製造工程において、加熱が不要であるため、低融点を有するワックスを使用することができ、トナー粒子の表面ワックス量を特定の範囲とすることにより、低温での離型性に優れ、低温定着性と耐熱保存性とを両立し、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布の狭いトナーが得られる。
本発明のトナーは、小粒径かつ粒度分布が狭く、低温での離型性に優れ、フィルミングの発生が少なく、低温定着性と耐熱保存性とを両立し、高品質な画像を形成することができる。また、本発明のトナーが、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を水相中で反応させて得られる前記結着樹脂を少なくとも含む粒子を含むと、耐凝集性、帯電性、流動性、離型性、定着性等の諸特性に優れる。このため、本発明のトナーは、各種分野において好適に使用することができ、電子写真法による画像形成に、より好適に使用することができ、以下の本発明のトナー入り容器、現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に使用することができる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で二成分現像剤が好ましい。
本発明のトナーを用いた一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明のトナーを用いた二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料等が好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、体積平均粒径で、10〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、等が挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、等が挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、等が挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合、キャリアの二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
本発明のトナーを用いた現像剤は、転写性、定着性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。
前記現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
(トナー入り容器)
本発明のトナー入り容器は、本発明のトナー乃至前記現像剤を容器中に充填してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、等が好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状等が好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、等が特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、等が好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明のトナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、後述する電子写真装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、帯電器を用いて静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記露光は、例えば、露光器を用いて静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
現像工程は、静電潜像を、本発明のトナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
可視像の形成は、例えば、静電潜像を本発明のトナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明のトナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明のトナー乃至現像剤を収容し、静電潜像に該トナー乃至現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明のトナー入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、等が好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて静電潜像担持体(感光体)の表面にトナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明のトナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
−転写工程及び転写手段−
転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(第一次転写手段、第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された可視像を記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記の定着手段を用いることにより、ベルト両側端部でホットオフセットが生じるのを防ぐことができ、かつ経時における定着ベルトの劣化を防ぐことができ、好ましい。
図5は、本発明に好ましく用いることができる定着装置10の全体構成図である。この定着装置10は、図に示すように、定着ローラ11と、定着ローラ11に並列に配置され非磁性材料からなる対向ローラ(加熱ローラ)12と、定着ローラ11と対向ローラ12との間に巻き掛けられ内部に磁性材料を有する無端状の定着ベルト13と、対向ローラ12の側方に配置され定着ベルト13を電磁誘導加熱する誘導コイル(誘導加熱手段)14と、定着ベルト13を介して定着ローラ11を押圧し定着ベルト13にニップ部15を形成する加圧ローラ16とを備えている。
定着ローラ11は、アルミもしくは鉄等の芯金の外側に断熱層を有し、外径が例えば40mmに設定されている。前記断熱層は耐熱性が必要であるため、シリコーンゴム(スポンジを含む)などが使用される。断熱層に使用される材料の熱伝導率は低ければ低い方が効果的で、概ね0.2W/m/K以下が望ましい。
対向ローラ12は、芯金が非磁性材料であるアルミ、SUS等で形成されている。
図15は対向ローラ12の上半分だけの断面図である。対向ローラ12は、図15に示すように、円筒状部分12aを有し、この円筒状部分12aの両端に回転支持部12bが設けられている。回転支持部12bは、ベアリングを介して定着装置本体に支持される。
対向ローラ12の内壁面は両端部側が削られており、円筒状部分12aの肉厚は対向ローラ12の軸方向に沿って中央部12cよりも両端部12dが薄く形成されている。例えば、中央部12cの肉厚は0.6mmで、両端部12dの肉厚は0.3mmにそれぞれ形成されている。
このような構成にすると、対向ローラ12の両端部12dにおける熱容量が小さくなり
、電磁誘導加熱による熱が両端部12d側へ逃げるのを抑えることができる。その結果、
両端部12d(対向ローラ両端部)の温度上昇が中央部12c(対向ローラ中央部)の温度上昇と殆ど同等となり、その結果、定着装置が使用可能状態となるまでの時間、つまり立ち上がり時間を短くすることが可能となる。
加圧ローラ16は、芯金の外周にシリコーンゴム等の耐熱性弾性層が形成され、さらに耐熱性弾性層の外周にフッ素樹脂等からなる表面離型層が形成されている。また、記録紙Pの定着ベルト13からの分離性を良くするために、加圧ローラ16の表面硬度は定着ローラ11の表面硬度よりも硬く形成されている。そのため、加圧ローラ16によって、定着ベルト13を介して定着ローラ11を押圧すると、定着ベルト13の一部が定着ローラ11側に凸状に変形し、定着ベルト11にニップ部15が形成される。なお、加圧ローラ16の耐熱性弾性層の厚さは、1mm〜数mm程度である。
誘導コイル14は、フェライトまたはパーマロイからなる断面略凹状の励磁コア17の周囲に巻き回されている。誘導コイル14に数kHz〜数百kHzの高周波電流を流すと、定着ベルト13には誘導電流が発生する。この誘導電流により、定着ベルト13は誘導コイル14付近で局部的に発熱し、急速に昇温する。
また、電磁誘導加熱された定着ベルト13の温度を検出する温度センサ18と、この温度センサ18からの検出信号を取り込んで、誘導コイル14に流す高周波電流を制御する制御装置19とが設けられている。
さらに、対向ローラ12の下方には、記録紙Pを定着装置10に搬送するガイド板20が設けられている。記録紙Pの表面には未定着トナーTが付着している。
図6は定着ベルト13の縦断面図である。定着ベルト13は、図6に示すように、下側から順に基材13a、弾性層13b、離型層13cが積層された積層構造をなしている。
基材13aは無端状のベルトで形成され、耐熱性樹脂をベースとしてその樹脂中に整磁合金の粉末が配合されて、整磁合金のキュリー温度はトナーのホットオフセット温度よりも低く設定されている。ベースとなる耐熱性樹脂の材質としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン(PEEK)等を使用できる。なお、ベルトの剛性および熱容量から、基材13aの厚さは20μm〜100μmが望ましい。
弾性層13bは画像の均一性を得るために必要であり、100〜300μm程度のシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムが用いられている。
離型層13cは記録紙PおよびトナーTと加圧接触する。このため、離型層13cとしては、耐熱性および耐久性に優れたフッ素系樹脂等が好ましい。
図5の定着装置10が図6に示した定着ベルト13を備えている場合、誘導コイル14に高周波電流を流すと、定着ベルト13の基材13aが電磁誘導加熱され、定着ベルト13が発熱する。そして、ガイド板20上を搬送されてきた記録紙Pを定着ローラ11と加圧ローラ16との間に通過させることにより、記録紙P上の未定着トナーを定着させることができる。
本発明の画像形成方法は、上記定着装置が、定着ローラと、該定着ローラに並列して配置された対向ローラと、前記定着ローラと前記対向ローラとの間に巻き掛けられ非磁性材料からなる無端状の定着ベルトと、前記対向ローラを電磁誘導加熱する誘導加熱手段と、定着ベルトを介して定着ローラを押圧する加圧ローラとを備え、定着ベルトと加圧ローラとの間に記録媒体を通過させて該記録媒体上の未定着トナーを定着させる定着装置であって、前記対向ローラの外周面には整磁合金が設けられ、その整磁合金のキュリー温度はトナーのホットオフセット温度よりも低く設定されていてもよい。
上記構成によれば、対向ローラの外周面に整磁合金が設けられ、その整磁合金のキュリー温度はトナーのホットオフセット温度よりも低く設定されているので、小サイズの記録紙を連続通紙しても、定着ベルト両側端部の温度はホットオフセット温度以下に抑えられ、その結果、小サイズの記録紙を連続通紙した後に大サイズの記録紙を通紙しても、ベルト両側端部でホットオフセットが生じることはない。
また、図7は、本発明の画像形成方法に用いることができる定着装置の、別の態様を示した図である。図7に示されているように、この定着装置40は、加熱ローラ44と定着ローラ41とによって回転可能に設けた定着ベルト45を備えている。定着ローラ41は、金属製の芯金の外周に耐熱性のスポンジゴム層を有している。加熱ローラ44は、金属製の芯金にハロゲンランプ46等の加熱手段を内蔵しており、この輻射熱によって定着ベルト45を内側から加熱している。また、加熱ローラ44と対向する位置には、温度センサ素子であるサーミスタ49を配置し、定着ベルト45の中央部に接触して定着ベルト45の表面温度を検知する。加熱ローラ44は制御設定温度が設定されており、サーミスタ49の温度検知に基づき、その設定温度になるように図示されていない温度制御装置によってハロゲンランプ46の点灯を制御する。また、定着ベルト45を介して定着ローラ41に接するように設けた加圧ローラ42を備えている。加圧ローラ42は、バネ43によって定着ローラ45を加圧している。また、加圧ローラ42には、図示しない駆動手段によって回転しており、これにより、定着ローラ41が従動回転するようになっている。定着ベルトの移動方向に対して加圧ローラ42が接触する定着ニップより上流側に、定着ベルト45の中央部付近に接触するテンションローラ47が設けられている。このテンションローラ47は、バネ48によって図中左側に加圧され、これにより、定着ベルト45にテンションが付与されている。なお、この実施形態においては、駆動手段を加圧ローラ42に設けているが、定着ローラ41に設け、加圧ローラ42を従動回転させてもよい。また、加圧ローラ42と定着ローラをギヤで噛み合わせ、加圧ローラ42と定着ローラ41両方に駆動手段の駆動力をギヤを介して伝達するようにして、加圧ローラ42と定着ローラ41両方を回転駆動させても良い。
このようなベルト方式の定着装置40は、加熱ローラ44で加熱された定着ベルト45と加圧ローラ42との間に転写紙を通過させて、転写紙Pの上に付着しているトナーを定着ベルト45の熱により軟化させつつ加圧ローラ42で加圧して転写紙上に定着させる。
図8は、定着ベルト45の断面図である。図8に示すように、ポリイミドなどの耐熱性樹脂からなる円筒状のフィルム基体451の外周に、プライマーを介してシリコーンゴムからなる弾性層452を有している。さらに弾性層452の外周にプライマーを介してフッ素樹脂からなる層厚20μm以上の離型層453を有している。基体451は、耐熱性と機械的強度を備えた材料であればよく、ポリイミドなどの耐熱性樹脂の他に、例えば、NiやSUSなどの金属でも良い。弾性層452は、安定した定着性能を得るため、トナーおよび転写紙に対して熱と圧力を均一に与える材質であれば良く、弾性を有し、断熱性のある材料であれば良い。離型層453は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの公知のフッ素樹脂あるいはこれらをブレンドした材料を用いることができる。上記のような材質からなる離型層は、弾性層452上にプライマーを介して塗布・焼成することで得ることができる。
上記離型層のフッ素樹脂は、MFR(メルトフローレイト)の異なる種類のフッ素樹脂からなっている。MFRの大きいフッ素樹脂は、溶融したときの流動性に優れている。このため、弾性層に付着したMFRの大きいフッ素樹脂は、焼成により定着ベルト表面に均一な膜を形成することができ、表面平滑性の高い定着ベルトとすることができる。しかし、MFRの大きいフッ素樹脂は、耐屈曲性に乏しいため、上記定着ローラ41と加熱ローラ44との張架やテンションローラ47の加圧等によって、使用中にクラックが発生しやすい。一方、MFRの小さいフッ素樹脂は、耐屈曲性に優れているため、長期間使用してもクラックが発生しにくい。しかし、MFRの小さいフッ素樹脂は、溶融したときの流動性が悪いため、塗布されて弾性層に付着したフッ素樹脂は、焼成時に流動しないため、定着ベルト表面に均一な膜を形成することができない。このため、表面に凹凸のある平滑性の悪い定着ベルトとなってしまう。上記のように離型層のフッ素樹脂をMFRの異なる種類のフッ素樹脂にすることで、離型層のフッ素樹脂のうちMFRが大きい方のフッ素樹脂は、定着ベルト表面を平滑にし、離型層のフッ素樹脂のうちMFRが小さい方のフッ素樹脂は、耐屈曲性の良好にする。これにより、耐久性、平滑性のバランスのとれた定着ベルトとすることができる。
また、上記フッ素樹脂のうち、MFRの大きい方のフッ素樹脂を35〜60重量%配合するのが好ましく、フッ素樹脂のうちMFRの大きい方のフッ素樹脂とMFRの小さい方のフッ素樹脂の混合比を1:1にするのがより好ましい。このように、離型層のフッ素樹脂のMFRの大きい方のフッ素樹脂とMFRの小さい方のフッ素樹脂との割合をほぼ同程度とすることで、耐久性、平滑性のバランスのとれた定着ベルトとすることができる。また、離型層の厚みは、20μm以上とするのが好ましい。離型層の厚みが20μm未満の場合、弾性層に塗布され付着したフッ素樹脂粒子の層が、MFRの小さいフッ素樹脂粒子とMFRの大きいフッ素樹脂粒子とが分散した層が形成されにくくなる。よって、図9(a)に示すように、MFRの大きなフッ素樹脂粒子のみで形成された層や、MFRの小さなフッ素樹脂粒子のみで形成された層が存在するようになる。このような層が形成されたフッ素樹脂粒子を焼成して作成された定着ベルトは、MFRの大きなフッ素樹脂のみで形成された層の部分で耐屈曲性が悪くクラックが発生しやすくなり、MFRの小さなフッ素樹脂のみで形成された層の部分が突出して表面平滑性を損なってしまう。しかし、上記のように層厚を20μm以上とすることで、図9(b)に示すように弾性層に塗布され付着したフッ素樹脂粒子の層は、MFRの大きなフッ素樹脂粒子と、MFRの小さなフッ素樹脂粒子とが分散した層となる。これにより、耐屈曲性、表面平滑性の良好な定着ベルトとすることができる。
また、フッ素樹脂粒子を塗布・焼成することで離型層を形成する場合は、粒径の大きなフッ素樹脂と粒径の小さなフッ素樹脂とを混合した少なくとも2種類のフッ素樹脂を用いるのが好ましい。粒径の小さなフッ素樹脂粒子は、凝集性が低いため、水等の溶媒に均一に分散することができる。しかし、溶媒と粒径の小さなフッ素樹脂粒子のみとからなる溶液を弾性層に塗布した場合、溶媒を除去するための乾燥工程でクラックが発生しやすい。一方、粒径の大きなフッ素樹脂粒子は、凝集力が強いため、塗布後の乾燥工程でクラックが発生しにくい。しかし、粒径の大きなフッ素樹脂粒子は水等の溶媒中に十分分散することができないため、水等の溶媒と粒径の大きなフッ素樹脂粒子のみとの溶液を塗布した場合、フッ素樹脂粒子が弾性層に均一に付着せず、いわゆる塗布ムラを引き起こす場合がある。このため、上記のように、粒径の大きなフッ素樹脂粒子と小さなフッ素樹脂粒子が混合した溶液を塗布・焼成することで、溶媒中にフッ素樹脂粒子を分散させることができ、塗布ムラをなくすことができる。また、塗布後の乾燥工程では、凝集力の高い粒径の大きなフッ素樹脂粒子によってクラックの発生を抑制することができる。これにより、クラックの発生が抑制された耐久性に優れた離型層とすることができる。
離型層453には、耐屈曲性、非粘着性、耐磨耗性に優れたテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体であるPFAを用いることで、耐久性のよい定着ベルトとすることができる。さらに、パーフルオロアルキルビニルエーテル成分を増やし、分子鎖中の酸素原子数/炭素原子数の比率が1/60以上のPFAを用いることが好ましい。図10は、分子鎖中の酸素原子数/炭素原子数の比率が1/60以上のPFAと、分子鎖中の酸素原子数/炭素原子数の比率が1/100以下のPFAの耐屈曲性について調べたグラフである。図中の実線は、分子鎖中の酸素原子数/炭素原子数の比率が1/60以上のPFAであり、図中の点線は、分子鎖中の酸素原子数/炭素原子数の比率が1/100以下のPFAである。図10において、縦軸の耐屈曲性は、値が大きい(グラフの上方向)ほど耐屈曲性が悪いことを意味する。図10からわかるように、MFRの値に関わらず、分子鎖中の酸素原子数/炭素原子数の比率が1/60以上のPFAは、分子鎖中の酸素原子数/炭素原子数の比率が1/100以下のPFAに比べ耐屈曲性が向上していることがわかる。これは、分子鎖中の酸素原子数/炭素原子数の比率が1/60以上のPFAは、結晶化が抑制され、耐屈曲性(曲げ寿命)が向上したと考えられる。
前記定着工程及び定着手段の加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去したトナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図11を参照しながら説明する。図11に示す画像形成装置100は、静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下「感光体10」という)と、帯電手段としての帯電ローラ20と、露光手段としての露光装置30と、現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有するクリーニング手段としてのクリーニング装置60と、除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されており、また、最終転写材としての転写紙95に現像像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器52が、該中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、感光体10の周囲に、直接対向して配置されているブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。
図11に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図12を参照しながら説明する。図12に示す画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置である。タンデム画像形成装置100は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図12中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている、例えば前述の定着装置である。
なお、タンデム画像形成装置100においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図13に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、該感光体を一様に帯電させる帯電器60と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図13中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー像を形成する現像器61と、該トナー像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ150を回転して手差しトレイ51上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ58で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
図14は、本発明の実施例に用いた画像形成装置の要部構成図である。図に示すように、画像形成装置30には、静電潜像が形成される感光体ドラム31が設けられている。感光体ドラム31の周囲には、感光体ドラム31に接触あるいは近接配置され感光体ドラム31を帯電させる帯電ローラ32と、帯電した感光体ドラム31に対して露光33を行って感光体ドラム31上に静電潜像を形成する露光装置(図示省略)と、感光体ドラム31上の静電潜像にトナーを付着させ静電潜像を顕像化してトナー像とする現像ローラ34と、感光体ドラム31上のトナー像を記録紙Pに転写する転写ローラ35と、転写処理後の感光体ドラム31をクリーニングするクリーニング装置36とが設けられている。
また、記録紙の搬送方向(矢印A)に沿って感光体ドラム31の下流側には定着装置10が設けられている。
本発明の画像形成方法では、小粒径かつ粒度分布が狭く、低温での離型性に優れ、フィルミングの発生が少なく、低温定着性と耐熱保存性とを両立する本発明の前記トナーを用いるので、高画質が効率よく得られる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
<トナー材料液調製工程>
−−未変性ポリエステル(低分子ポリエステル)の合成−−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、アジピン酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,500、重量平均分子量(Mw)が6,700、ガラス転移温度(Tg)が43℃、酸価が25mgKOH/gであった。
−−マスターバッチ(MB)の調製−−
水1200質量部、前記着色剤としてのカーボンブラック(「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
(製造例1)
−−ワックス分散液(1)の調製−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、前記未変性ポリエステル378質量部、パラフィンワックスA(融点78℃)110質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、攪拌下80℃まで昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却しワックス分散液(1)を得た。得られたワックス分散液(1)に含まれるワックス分散粒子の体積平均粒径(Dv)を、レーザー光散乱法を用いた粒度分布測定装置(「LA−920」;堀場製作所社製)により測定したところ、0.160μmであった。また、体積平均粒径(Dv)が0.8μm以上の粗大粒子の存在率は5%以下であった。
(製造例2)
−ワックス分散液(2)の調製−
製造例1のパラフィンワックスA(融点78℃)をパラフィンワックスB(融点68℃)に変えた以外は製造例1と同様にして、ワックス分散液(2)を調製した。
得られたワックス分散液(2)に含まれるワックス分散粒子の体積平均粒径(Dv)を、レーザー光散乱法を用いた粒度分布測定装置(「LA−920」;堀場製作所社製)により測定したところ、0.130μmであった。また、体積平均粒径(Dv)が0.8μm以上の粗大粒子の存在率は3%以下であった。
(製造例3)
−ワックス分散液(3)の調製−
製造例1のパラフィンワックスAをポリエチレンワックス(融点82℃)に変えた以外は製造例1と同様にして、ワックス分散液(3)を調製した。
得られたワックス分散液(3)に含まれるワックス分散粒子の体積平均粒径(Dv)を、レーザー光散乱法を用いた粒度分布測定装置(「LA−920」;堀場製作所社製)により測定したところ、0.182μmであった。また、体積平均粒径(Dv)が0.8μm以上の粗大粒子の存在率は5%以下であった。
(製造例4)
−ワックス分散液(4)の調製−
製造例1のパラフィンワックスAをポリプロプレンワックス(融点86℃)に変えた以外は製造例1と同様にして、ワックス分散液(4)を調製した。
得られたワックス分散液(4)に含まれるワックス分散粒子の体積平均粒径(Dv)を、レーザー光散乱法を用いた粒度分布測定装置(「LA−920」;堀場製作所社製)により測定したところ、0.162μmであった。また、体積平均粒径(Dv)が0.8μm以上の粗大粒子の存在率は5%以下であった。
(製造例5)
−ワックス分散液(5)の調製−
製造例1の冷却時間を0.5時間に変えた以外は製造例1と同様にして、ワックス分散液(5)を調製した。
得られたワックス分散液(5)に含まれるワックス分散粒子の体積平均粒径(Dv)を、レーザー光散乱法を用いた粒度分布測定装置(「LA−920」;堀場製作所社製)により測定したところ、0.676μmであった。また、体積平均粒径(Dv)が0.8μm以上の粗大粒子の存在率は29%であった。
(製造例6)
−ワックス分散液(6)の調製−
製造例1のパラフィンワックスAをカルボニル基含有ワックス(融点116℃)440質量部に変えた以外は製造例1と同様にして、ワックス分散液(6)を調製した。
得られたワックス分散液(6)に含まれるワックス分散粒子の体積平均粒径(Dv)を、レーザー光散乱法を用いた粒度分布測定装置(「LA−920」;堀場製作所社製)により測定したところ、0.550μmであった。また、体積平均粒径(Dv)が0.8μm以上の粗大粒子の存在率は20%であった。
(実施例1)
−−有機溶剤相の調製−−
前記ワックス分散液(1)1435質量部に、前記マスターバッチ500質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、1時間混合して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1324質量部を反応容器に移し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして、前記カーボンブラック及び前記ワックスの分散を行った。次いで、該分散液に前記未変性ポリエステルの65質量%酢酸エチル溶液1324質量部を添加した。上記同様の条件のビーズミルで1パスし、分散させ、有機溶剤相を調製した。
得られた有機溶剤相の固形分濃度(測定条件:130℃、30分の加熱による)は、50質量%であった。
−−プレポリマーの合成−−
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、ピーク分子量3000、Tg54℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価52mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
−−ケチミン(活性水素基含有化合物)の合成−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン170質量部及びメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物(活性水素機含有化合物)のアミン価は418であった。
−−トナー材料液の調製−−
反応容器中に、前記有機溶剤相749質量部、前記プレポリマー115質量部、及び前記ケチミン化合物2.9質量部を仕込み、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて7.5m/sにて1分間混合してトナー材料液を調製した。
−有機樹脂微粒子分散液の調製−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業製)20質量部、スチレン78質量部、メタクリル酸78質量部、アクリル酸ブチル120質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌し、白色の乳濁液を得た。該乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温して5時間反応させた。次いで、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を添加し、75℃にて5時間熟成して、ビニル樹脂粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(有機樹脂微粒子分散液)を調製した。
得られた有機樹脂微粒子分散液に含まれる有機樹脂微粒子の体積平均粒径(Dv)を、粒度分布測定装置(「nanotrac UPA−150EX」;日機装株式会社製)により測定したところ、55nmであった。また、該有機樹脂微粒子分散液の一部を乾燥して樹脂分を単離し、該樹脂分のガラス転移温度(Tg)を測定したところ、48℃であり、重量平均分子量(Mw)を測定したところ450,000であった。
−水系媒体相の調製−
水990質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)37質量部、前記有機樹脂微粒子分散液15部、及び酢酸エチル90質量部を、混合撹拌し、乳白色の液体(水系媒体相)を得た。
<トナー造粒工程>
−乳化乃至分散−
前記トナー材料液中に前記水系媒体相1200質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)で、周速15m/sにて20分間混合し、水中油滴型分散液(乳化スラリー)を調製した。
−有機溶剤の除去−
攪拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記粒径制御後の乳化スラリーを仕込み、30℃にて8時間脱溶剤した後、45℃にて4時間熟成を行い、分散スラリーを得た。
得られた分散スラリーの体積平均粒径及び個数平均粒径を、マルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)で測定したところ、体積平均粒径は4.3μm、個数平均粒径は3.8μmであった。
−洗浄及び乾燥−
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後減圧濾過した。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、実施例1のトナー母体粒子を得た。
−外添剤処理−
得られた実施例1のトナー母体粒子100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ1.5質量部と、疎水化酸化チタン0.5質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合処理し、目開き35μmメッシュで篩い、実施例1のトナーを製造した。
得られたトナーについて、体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、及び粒度分布(体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn))を下記方法により測定した。結果を表1に示す。
<トナー粒径>
トナーの体積平均粒径(Dv)及びトナーの個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーII」;ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定した。これらの結果から粒度分布(体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn))を算出した。
(実施例2)
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例2で得られたワックス分散液(2)に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例3で得られたワックス分散液(3)に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例3のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例4で得られたワックス分散液(4)に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例4のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして、諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例5で得られたワックス分散液(5)に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例5のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして、諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、有機溶剤相の調製時にワックス分散液(1)を718部、添加する未変性ポリエステルの65質量%酢酸エチル溶液を1700質量部に代えた以外は、実施例2と同様にして実施例6のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例2において、有機溶剤相の調製時にワックス分散液(2)を718部、添加する未変性ポリエステルの65質量%酢酸エチル溶液を1700質量部に代えた以外は、実施例3と同様にして実施例7のトナーを製造した。また、実施例2と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例3において、有機溶剤相の調製時にワックス分散液(3)を718部、添加する未変性ポリエステルの65質量%酢酸エチル溶液を1700質量部に代えた以外は、実施例3と同様にして実施例8のトナーを製造した。また、実施例3と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例6で得られたワックス分散液(6)に代えた以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして、諸物性を測定した。結果を表1に示す。
次に、外添剤処理済の実施例1〜8及び比較例1の各トナー2.5質量部と、シリコーンコートフェライトキャリア(芯材粒径45μm)97.5質量部と、をターブラミキサーで攪拌して、実施例1〜8及び比較例1の各現像剤を製造した。
−定着ベルト作製例1−
図6に示すような構成で、基材13aに整磁合金が分散された材料で形成した定着ベルトを作製し、[定着ベルト1]とした。
−定着ベルト作製例2−
図6に示すような構成で、基材13aに整磁合金が分散されていない材料で形成した定着ベルトを作製し、[定着ベルト2]とした。
−対向ローラ作製例1−
図14に示すような構成の対向ローラを作製し、[対向ローラ1]とした。
図14は、図13に示す画像形成装置の対向ローラ12の上半分だけの断面図である。対向ローラ12は、図に示すように、円筒状部分12aを有し、この円筒状部分12aの両端に回転支持部12bが設けられている。回転支持部12bは、ベアリングを介して画像形成装置本体に支持される。
図14では、本対向ローラ12の内壁面は両端部側が削られており、円筒状部分12aの肉厚は対向ローラ12の軸方向に沿って中央部12cよりも両端部12dが薄く形成されている。例えば、中央部12cの肉厚は0.6mmで、両端部12dの肉厚は0.3mmにそれぞれ形成されている。
−対向ローラ作製例2−
対向ローラ作製例1において、円筒状部分12aを有しない構成の対向ローラを作製し、[対向ローラ2]とした。
−定着装置作製例1−
[定着ベルト1]と、[対向ローラ2]を用いて上述した図13に示す画像形成装置の定着装置10に組み込み、[定着装置1]とした。
−定着装置作製例2−
定着装置作製例1と同様に、[定着ベルト1]と、[対向ローラ1]を用いて上述した定着装置10に組み込み、[定着装置2]とした。
−定着装置作製例3−
定着装置作製例1と同様に、[定着ベルト2]と、[対向ローラ2]を用いて上述した定着装置10に組み込み、[定着装置3]とした。
得られた各現像剤を用いて、以下のようにして、(a)定着性、(b)耐熱保存性、(c)耐フィルミング性、(d)画像濃度、(e)ワックス分散性、及び(f)総合評価を測定した。結果を表2に示す。
(a)定着性(オフセット発生温度及び定着下限温度)
カラー電子写真装置(「IPSiO Color 8100」;株式会社リコー製)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした装置を用い、表2記載の定着装置を組み込み、転写紙(「タイプ 6000−70W」;株式会社リコー製)、及び転写紙(「タイプ 6200」;株式会社リコー製)を用い、定着性(オフセット未発生温度及び定着下限温度)を評価した。
<オフセット発生温度>
画像形成は、前記カラー電子写真装置を用いて、前記転写紙(「タイプ 6000−70W」;株式会社リコー製)に、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各単色、及び中間色としてレッド、ブルー、及びグリーンのベタ画像を各単色で、1.0±0.1mg/cmのトナーが現像されるように調整した。得られた画像を定着ベルト(加熱ローラ)の温度を変えて定着し、オフセットの発生しない温度(オフセット未発生温度)を測定した。
<定着下限温度>
画像は、前記カラー電子写真装置を用いて、前記転写紙(「タイプ 6200」;株式会社リコー製)をセットし、複写テストを行った。得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
また、低温定着性を下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:定着下限温度が100℃未満
○:定着下限温度が100℃以上110℃未満
△:定着下限温度が110℃以上120℃未満
×:定着下限温度が120℃以上
(b)耐熱保存性
50ccのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に20時間放置した。該トナーを室温に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)にて針入度を測定した。針入度は、大きいほど耐熱保存性に優れており、ブロッキングが発生しにくいことを意味する。該針入度を用い、耐熱保存性を下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:針入度20mm以上
○:針入度15mm以上20mm未満
△:針入度10mm以上15mm未満
×:針入度10mm未満
(c)耐フィルミング性
カラー電子写真装置(「IPSiO Color 8100」;株式会社リコー製)を用い、5万枚複写を行ったときの現像ローラ、あるいは、感光体上のトナーフィルミングの発生状況の有無を目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:フィルミングが観られない
○:スジ状のフィルミングが殆ど観られない
△:スジ状のフィルミングが部分的に観られる
×:全体的にフィルミングが観られる
(d)画像濃度
カラー電子写真装置(「IPSiO Color 8100」;株式会社リコー製)を用いて、転写紙(「タイプ 6200」;株式会社リコー製)に各現像剤の付着量が1.00±0.1mg/cmのベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成した。得られたベタ画像における任意の5箇所の画像濃度を、分光計(「938 スペクトロデンシトメータ、X−Rite社製」を用いて測定した。画像濃度値は、5箇所の画像濃度の平均値で示した。そして、得られた画像濃度値を、下記基準に基づいて評価した。なお、得られた画像濃度値が高い程、画像濃度が高く、高濃度の画像が形成できることを意味する。
〔評価基準〕
○:画像濃度値が1.4以上
×:画像濃度値が1.4未満
(f)ワックスの分散性
ワックスの分散性は、電子顕微鏡でトナーを観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
○:ばらつきがない
△:ばらつきが若干ある
×:大きなばらつきがある
(f)総合評価
前記総ての性能評価の結果から、下記基準に基づき総合評価を行った。
〔評価基準〕
◎:総合的に優れている状態
○:総合的に良好である状態
△:総合的にやや劣る状態
×:総合的に不良である状態
表1〜2の結果より、以下のことが明らかである。即ち、実施例1〜8では、トナーを構成する材料を含有する液体をトナー材料液とし、少なくとも前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させる工程を経てトナーを造粒することにより、小粒径のワックス粒子をトナー中に均一に分散させ、かつトナー表面に適度に存在させることができた。また、該トナーは、低温での離型性に優れ、フィルミングの発生が少なく、低温定着性と耐熱保存性とを両立し、画像濃度の評価結果も良好で、高画質が得られることが判った。
一方、比較例1で得られたトナーは、カルボニル基をもつワックスを用いたため、ワックスの分散性が悪く、フィルミングの発生が観られた。また、低温定着性及び耐熱保存性にも劣り、画像濃度の評価結果も不良で、高画質が得られないことが判った。
(実施例9)
(有機樹脂微粒子分散液の調製)
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し4時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で6時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、110nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは58℃であり、重量平均分子量は13万であった。
(水相の調整)
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
(低分子ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を入れ、常圧下230℃で7時間重縮合し、さらに10〜15mmHgの減圧下で5時間反応して[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2300、重量平均分子量6700、ピーク分子量3800、Tg43℃、酸価4mgKOH/gであった。
(プレポリマーの合成)
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、ピーク分子量3000、Tg54℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価52mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
(ケチミンの合成)
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で4時間半反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は417であった。
(マスターバッチの合成)
水1200部、カーボンブラック(Printex35:デクサ製)540部[DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5]、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130℃で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
(ワックス分散液の調製)
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、パラフィンワックス(融点68℃)100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度は50%であった。
(乳化〜脱溶剤)
[顔料・ワックス分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで2分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで25分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で7時間脱溶剤した後、45℃で7時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
(洗浄〜乾燥)
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
I:濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
II:Iの濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
III:IIの濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
IV:IIIの濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体粒子1]を得た。その後、[トナー母体粒子1]100部に疎水性シリカ1部と、疎水化酸化チタン1部をヘンシェルミキサーにて混合して[トナー1]を得た。得られたトナーの物性を表3に、評価結果を表4に示す。
(実施例10)
実施例9のワックス分散液の調製の際にワックス分散剤として、スチレン・ポリエチレンポリマー(Tg=72℃、数平均分子量7100)を20部加えた以外は実施例9と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの物性を表3に、評価結果を表4に示す。
(実施例11)
実施例9において、ワックス分散液の調製の工程を以下の条件に変更した以外は、実施例9と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの物性を表3に、評価結果を表4に示す。
(ワックス分散液の調製)
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、パラフィンワックス(融点68℃)400部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま4時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、2時間混合し[原料溶解液3]を得た。
[原料溶解液3]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、7パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで4パスし、[顔料・ワックス分散液3]を得た。[顔料・ワックス分散液3]の固形分濃度は50%であった。
(実施例12)
実施例9において、ワックス分散液の調製の工程を以下の条件に変更した以外は、実施例9と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの物性を表3に、評価結果を表4に示す。
(ワックス分散液の調製)
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、ポリエチレンワックス(融点68℃)100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液4]を得た。
[原料溶解液4]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、7パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで4パスし、[顔料・ワックス分散液4]を得た。[顔料・ワックス分散液4]の固形分濃度は50%であった。
(比較例2)
実施例9において、ワックス分散液の調製工程を以下の条件に変更した以外は、実施例9と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの物性を表3に、評価結果を表4に示す。
(ワックス分散液の調製)
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバワックス400部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液5]を得た。
[原料溶解液5]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、7パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで4パスし、[顔料・ワックス分散液5]を得た。[顔料・ワックス分散液5]の固形分濃度は50%であった。
−定着ベルト3の作製−
ポリイミドからなる厚さ90μmの円筒状のエンドレスフィルム基体の外周に、プライマー(東レ・ダウコーニングシリコーン社製DY39−067)をスプレーコートにて厚さ4μmで成膜し、室温乾燥した。その後、2液付加型液状シリコーンゴム(東レ・ダウコーニングシリコーン社製DY35−2083)を2液混合後、トルエンにて適量希釈した。この溶液をスプレーコートにて厚さ200μmで塗布、120℃10分硬化後、さらに200℃4時間2次硬化して弾性層を形成した。次に、プライマー(三井・デュポンフロロケミカル社製PR−990CL)を4μm厚でスプレーコートした後、150℃30分乾燥した。その後、372℃,5kgf荷重におけるMFR(測定規格JIS K 7210)が2[g/10min]で平均粒子径10μmのPFA(三井・デュポンフロロケミカル社製PFA−950HP Plus)と、372℃、5kgf荷重におけるMFR(測定規格JIS K 7210)が7[g/10min]で平均粒子径が0.1μmのPFA(三井・デュポンフロロケミカル社製PFA−945HP Plus)を1/1で混合した混合ディスパージョンを30μm厚でスプレーコートした。その後340℃で30分間焼成(PFA粒子を融かして)して離型層を形成し、[定着ベルト3]を得た。
−定着ベルト4の作製−
定着ベルト3と同様に作成した弾性層上に、372℃,5kgf荷重におけるMFR(測定規格JIS K 7210)が7[g/10min]で平均粒子径0.1μmのPFAと、平均粒子径が10μmのPFA(三井・デュポンフロロケミカル社製PFA−945HP Plus)を1/1で混合したディスパージョンを用いて離型層を形成し、[定着ベルト4]を得た。離型層の厚みなど、その他の条件は、[定着ベルト3]と同じである。
−定着装置4の作製−
[定着ベルト3]と、曲率半径が3.0mmである定着ローラ1を用いて上述した定着装置40に組み込み、[定着装置4]とした。
−定着装置5の作製−
定着装置4の作製と同様に、[定着ベルト4]と、前記定着ローラ1を用いて上述した定着装置40に組み込み、[定着装置5]とした。
−定着装置6の作製−
定着装置4の作製と同様に、[定着ベルト4]と、曲率半径が8.0mmである定着ローラ2を用いて上述した定着装置40に組み込み、[定着装置6]とした。
二成分現像剤に用いる磁性キャリアは、各実施例とも共通して以下のものを用いた。
(磁性キャリアの製造)
・芯材 Cu−Znフェライト粒子(重量平均粒径:35μm) 5000部
・コート材
トルエン 450部
シリコーン樹脂SR2400
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50%) 450部
アミノシランSH6020
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製) 10部
カーボンブラック 10部
上記コート材を10分間スターラーで分散してコート液を調整し、このコート液と芯材を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、該コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、2時間焼成し、シリコーン樹脂により0.5μmの平均厚さでコーティングされたキャリアを得た。
(二成分現像剤の作製)
キャリア100質量部に対し、以下の実施例に示す各色トナー7質量部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、現像剤を作製した。
トナー、定着画像の評価は以下の要領で行った。
(評価項目)
(1)ワックスの分散性
TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて、トナー断面を観察してワックスの分散状態を評価した。トナー粒子最表面は、表面から0.3μmまでの深さを基準とした。また、表中「均一」に分散とは、トナー1粒子中にワックス粒子が少なくとも2個以上存在して、大きな偏在がなく検出される状態を示す。
(2)定着性(耐ホットオフセット性、低温定着性)
各定着装置において、普通紙及び厚紙の転写紙(リコー製 タイプ6200及びNBSリコー製複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、1.0±0.1mg/cmのトナー付着量で定着評価した。定着ベルトの温度を変化させて定着試験を行い、普通紙でホットオフセットの発生しない上限温度を定着上限温度とした。また、厚紙で定着下限温度を測定した。
定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。定着上限温度は200℃以上、定着下限温度は130℃以下が望まれる。
(3)耐久性(定着ベルト安定性)
各定着装置において、300,000枚出力後の離型層のクラックを目視で確認することで評価した。クラックのないものを「○」、異常画像にならないレベルの軽微なクラックのあるものを「△」、異常画像になるレベルのクラックが出たものを「×」とした。その結果を表4に示す。
(4)耐フィルミング性
リコー製IPSiO Color 8100を用い、5万枚複写を行ったときの現像ローラ、あるいは、感光体上のトナーフィルミングの発生状況の有無を目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:フィルミングが観られない
○:スジ状のフィルミングが殆ど観られない
△:スジ状のフィルミングが部分的に観られる
×:全体的にフィルミングが観られる
(5)帯電安定性
リコー製IPSiO Color 8100をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用いて、各トナーを用いて画像面積率5%チャート連続100,000枚出力耐久試験を実施し、そのときの帯電量の変化を評価した。現像剤1gを計量し、ブローオフ法により帯電量変化を求めた。帯電量の変化が5μc/g以下の場合は○、10μc/g以下の場合は△、10μc/g超える場合は×とした。
(6)画像濃度
リコー製imagio Neo 450を改造してベルト定着方式として、普通紙の転写紙(リコー製 タイプ6200)に0.4±0.1mg/cmの付着量におけるベタ画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定した。画像濃度1.4以上を○、それ未満を×とした。
(7)環境保存性(耐ブロッキング性)
トナーを10gずつ計量し、20mlのガラス容器に入れ、100回ガラス瓶をタッピングした後、温度55℃、湿度80%にセットした恒温槽に24時間放置した後、針入度計で針入度を測定した。また低温低湿(10℃、15%)環境に保存したトナーも同様に針入度を評価し、高温高湿、低温低湿環境で、より針入度が小さい方の値を採用して評価した。良好なものから、◎:20mm以上、○:15mm以上20mm未満、△:10mm以上〜15mm未満、×:10mm未満、とした。
(8)定着汚れ
リコー製IPSiO Color 8100をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用いた。画像面積率5%チャートを連続10000枚出力し、定着ベルトに付着した微量オフセット物が紙上に再付着した状態を目視で観察した。汚れ程度がひどく、使用に耐えない場合は×、1枚あたり1、2箇所汚れ箇所が検出される場合は△、全く汚れが検出されない場合は○とした。
(f)総合評価
前記総ての性能評価の結果から、下記基準に基づき総合評価を行った。
〔評価基準〕
◎:総合的に優れている状態
○:総合的に良好である状態
△:総合的にやや劣る状態
×:総合的に不良である状態
上記実施例及び比較例によって得られたトナーの物性を以下の表3に、また、定着装置の評価結果を以下の表4に示す。
従来の定着ベルトの断面図である。 従来の定着ベルトの問題点を説明する図である。 本発明のトナーの断面TEM写真である。 本発明のトナーの形状を模式的に示す図である。 本発明の画像形成方法を実施する一つの例を示す定着装置の全体構成図である。 本発明の画像形成方法で用いる定着ベルトの一つの例の断面図である。 本発明の画像形成方法を実施する定着装置の他の一例を示す全体構成図である。 本発明の画像形成方法で用いる定着部材(定着ベルト)の他の例の断面図である。 (a)は20μm未満の厚みの離型層を形成する時の弾性層に付着するフッ素樹脂粒子の概略説明図、(b)は、は20μm以上の厚みの離型層を形成する時の弾性層に付着するフッ素樹脂粒子の概略説明図を示す。 分子鎖中の酸素原子数/炭素原子数の比率が1/60以上のPFAと、分子鎖中の酸素原子数/炭素原子数の比が1/100以下のPFAの耐屈曲性について調べたグラフである。 本発明の画像形成方法を実施する一つの例を示す概略説明図である。 タンデム型カラー画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。 図12に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。 本発明の画像形成方法を実施する他の例を示す画像形成装置の要部構成図である。 図5に示す定着装置の対向ローラの上半分の断面図である。
符号の説明
(図1)
1 基材
2 発熱層
3 弾性層
4 離型層
(図5)(図6)
10 定着装置
11 定着ローラ
12 対向ローラ
13 定着ベルト
13a 基材
13b 弾性層
13c 離型層
14 誘導コイル
15 ニップ部
16 加圧ローラ
20 ガイド板
(図7)(図8)
40 定着装置
41 定着ローラ
42 加圧ローラ
43 バネ
44 加熱ローラ
45 定着ベルト
46 ハロゲンランプ
47 テンションローラ
49 サーミスタ
451 基体
452 弾性層
453 離型層
(図11)(図12)(図13)
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 コロナ帯電器
53 定電流源
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 分離ローラ
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
110 ベルト式定着装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
(図14)
30 画像形成装置
31 感光体ドラム
32 帯電ローラ
33 露光
34 現像ローラ
35 転写ローラ
36 クリーニング装置
(図15)
12 対向ローラ
12a 円筒状部分
12b 回転支持部
12c 中央部
12d 両端部

Claims (15)

  1. トナーを構成する材料を含有する液体をトナー材料液とし、少なくとも前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させる工程を経て得られたトナーにおいて、前記トナー材料液が、少なくとも融点が50〜90℃であり、C-H、C-C結合のみで分子鎖を構成するワックスを含有し、得られたトナー粒子の表面ワックス量が0.1〜4.0質量%であることを特徴とするトナー。
  2. 前記ワックスが、少なくともパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナー材料液は、前記トナーを構成する材料が有機溶媒を含有する油系媒体に溶解又は分散されてなることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記トナーは、前記有機溶媒を除去する工程を経て得られることを特徴とする請求項3に記載のトナー。
  5. 前記トナーを構成する材料は、活性水素基含有化合物及び前記活性水素基に対する反応性を有する重合体を含有し、前記水系媒体中で乳化又は分散させる工程で、前記化合物と前記重合体を反応させ、得られた反応物を結着樹脂として含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記トナーにおいて、DSC法におけるトナー粒子中のワックスの総量の割合が、0.5〜21質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 前記トナーを構成する材料は、少なくともポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 前記トナー材料液中、ワックスの分散粒子の体積平均粒径が、0.1〜2μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のトナー。
  9. 前記トナーのトナー粒子の体積平均粒径/個数平均粒径が1.00〜1.25であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のトナー。
  10. 前記トナーのトナー粒子の体積平均粒径が3〜9μmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のトナー。
  11. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、該定着工程が、定着ローラと、該定着ローラに並列して配置され非磁性材料からなる対向ローラと、定着ローラと対向ローラとの間に巻き掛けられた無端状の定着ベルトと、定着ベルトを電磁誘導加熱する誘導加熱手段と、定着ベルトを介して定着ローラを押圧する加圧ローラとを備え、定着ベルトと加圧ローラとの間に記録媒体を通過させて該記録媒体上の未定着トナーを定着させる定着装置を用いた定着工程であって、前記定着ベルトは、下側から順に基材、弾性層、離型層が積層された積層構造をなし、基材は整磁合金が分散された材料で形成され、かつ整磁合金のキュリー温度はトナーのホットオフセット温度よりも低く設定されており、前記トナーは請求項1〜10のいずれか一項に記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
  12. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、該定着工程が、定着ローラと、該定着ローラに並列して配置された対向ローラと、定着ローラと対向ローラとの間に巻き掛けられ非磁性材料からなる無端状の定着ベルトと、対向ローラを電磁誘導加熱する誘導加熱手段と、定着ベルトを介して定着ローラを押圧する加圧ローラとを備え、定着ベルトと加圧ローラとの間に記録媒体を通過させて該記録媒体上の未定着トナーを定着させる定着装置用いた定着工程であって、前記対向ローラの外周面には整磁合金が設けられ、その整磁合金のキュリー温度はトナーのホットオフセット温度よりも低く設定されており、前記トナーは請求項1〜10のいずれか一項に記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
  13. 前記対向ローラは円筒状部分を有し、その円筒状部分の肉厚は該対向ローラの軸方向に沿って中央部よりも両端部が薄く形成されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成方法。
  14. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、前記定着工程が、少なくとも記録媒体上のトナーを加圧定着する定着装置を有し、定着装置の記録媒体上のトナーと接する表面部に少なくとも異なるMFRを有するフッ素系樹脂を複数以上含んでなり、前記トナーは請求項1〜10のいずれか一項に記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
  15. 静電潜像担持体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれ、少なくとも現像手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は、トナーを保持し、該トナーは請求項1〜10のいずれか一項に記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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