JP2009058849A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、からなる静電荷像現像用トナーであって、該トナーを100℃雰囲気下1分間加熱した後のFTIR−ATRで観測される離型剤組成を示すピーク強度比(離型剤由来の吸光度(2850cm-1)/結着樹脂由来の吸光度(828cm-1))と23℃雰囲気中で保管された該トナーのFTIR−ATRで観測される離型剤組成を示すピーク強度比の差が0.1〜0.2となることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】なし
Description
前記粉砕法では、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤などを溶融混合して均一に分散させ、得られたトナー組成物を粉砕、分級することによりトナーを製造している。この粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、材料の選択に制限がある。即ち、溶融混合により得られるトナー組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。この要請から、溶融混合したトナー組成物は、充分に脆くせざるを得ない。このため実際に、トナー組成物を粉砕して粒子にする際に、高範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、トナーの重量平均粒径を小さくせざるを得ず、粒径4μm以下の微粉と15μm以上の粗粉を分級により除去しなければならず、トナー収率が非常に低くなるという欠点がある。また、前記粉砕法では、着色剤や帯電制御剤等を熱可塑性樹脂中に均一に分散することが困難であり、その結果、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質などに悪影響を及ぼすという欠点がある。
この点を解決する為、例えば、ポリエステル樹脂からなるトナーを水中にて溶剤を用いて球形化したトナー(特許文献10参照)、イソシアネート反応を利用したトナー(特許文献11参照)等が提案されている。しかし、何れの提案においても低温定着性とトナー生産性を満足できるものではなかった。
本発明は、前記要望に応え、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた低温定着性と耐オフセット性能を両立することができ、良好な高精細画像を形成することができるトナーを提供することを目的とする。
(1)少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、からなる静電荷像現像用トナーであって、該トナーを100℃雰囲気下1分間加熱した後のFTIR−ATRで観測される離型剤組成を示すピーク強度比(離型剤由来の吸光度(2850cm-1)/結着樹脂由来の吸光度(828cm-1))と23℃雰囲気中で保管された該トナーのFTIR−ATRで観測される離型剤組成を示すピーク強度比の差が0.1〜0.2となることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(2)前記トナー中の離型剤重量比が3〜6%であることを特徴とする前記(1)記載の静電荷像現像用トナー。
(4)前記トナーが、有機溶媒中に、少なくとも結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体、着色剤、離型剤、少なくとも層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を溶解又は分散させ、前記溶解液又は分散液からなる油相を、水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、トナー粒子を造粒することにより得られたトナーであることを特徴とする請求項(1)〜(3)のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
(5)前記層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物が、トナー中に0.05〜5.0重量%含有されることを特徴とする前記(4)記載の静電荷像現像用トナー。
(7)前記トナーの平均円形度が0.93〜0.97であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
(8)前記トナーの平均体積粒子径が3〜7μmであることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
(9)前記トナーの酸価が0.5〜40.0(KOHmg/g)であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
(10)前記トナーのガラス転移点が40〜70℃であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
定着ローラとトナー表面の離型性を確保を目的に離型剤としてWAX成分を内包したトナーを用いるが、長期印刷時等にWAX成分が感光体等他部材へ付着し画像品質の低下等を招くことが知られている。この為、他部材へのWAX付着抑制と定着離型性確保の両立が課題となる。
トナー中のWAX成分量を少なくすることで、WAXの付着は抑制されるが、定着離型性確保は困難となる。同様に、WAXドメイン径を小さくすることでも同様の課題が発生する。
従って、定着離型性を充分確保できる量、ドメイン径を有し且つ、感光体等他部材を汚染しない様内包し、WAXが定着時トナー表面に露出することによって、他部材へのWAX付着を抑制しつつ、定着離型性を確保する事が重要となる。
23℃雰囲気中で保管されたトナーを100℃雰囲気下1分間加熱した後のFTIR−ATRで観測される離型剤組成を示すピーク強度比(離型剤由来の吸光度(2850cm-1)/結着樹脂由来の吸光度(828cm-1))と、23℃雰囲気中で保管されたトナーのFTIR−ATRで観測される離型剤組成を示すピーク強度比の差を0.1〜0.2とすることにより、他部材への離型剤付着抑制と定着離型性確保の両立が可能となる。
23℃雰囲気中で保管されたトナーのFTIR−ATRで観測される離型剤組成を示すピーク強度比(離型剤由来の吸光度(2850cm-1)/結着樹脂由来の吸光度(828cm-1))は、0.03〜0.2が好ましく、前記ピーク強度比の差は0.05〜0.1が好ましい。
加熱温度は、例えば130℃とするとトナー軟化が激しく、うまく測定できない可能性があり、加熱後の離型剤表面露出程度をより安定して測定するために100℃とした。
先ず、試料として、トナー3gを自動ペレット成型器(Type M No.50 BRP-E;MAEKAWA TESTING MACHINE CO.製)で6tの荷重で1分間プレスして40mmφ(厚さ約2mm)ペレットを作製した。そのトナーペレット表面をFTIR−ATR法により測定した。23℃雰囲気中で保管されたトナーのトナーペレットの表面をFTIR−ATR法により測定した値を23℃雰囲気中で保管されたトナーの値とし、該トナーペレットを以下に示すように加熱した後測定した値を、100℃雰囲気下1分間加熱した後のトナーの値とした。用いた顕微FTIR装置は、PERKIN ELMER社製Spectrum OneにMultiScope FTIR ユニットを設置したもので、直径100μmのゲルマニウム(Ge)結晶のマイクロATRで測定した。赤外線の入射角41.5°、分解能4cm-1、積算20回で測定した。
得られた離型剤由来のピーク(2850cm-1)と結着樹脂由来のピーク(828cm-1)との強度比(P2850/P828)をトナー粒子の表面の相対的な離型剤量とした。値は測定場所を変えて4回測定した後の平均値を用いた。
Moisture Determination Balance FD600 を使用する。
加熱設定温度:100℃
実温が100℃になるのをまってから、受け皿にトナーペレットを置き、蓋をしてから1分後にトナーペレットの乗った受け皿を取り出し室温にて放冷する。取り出したトナーペレットのヒーター面を用いATR測定を実施する。
例えば、ワックス内包性を上げるには、ワックス分散剤量を増やす、結着樹脂の酸価を上げる、ワックスの極性を下げる等がある。
本発明において、結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体、着色剤、離型剤等のトナー材料を含有する油相は、トナー材料が有機溶媒に溶解又は分散されていることが好ましい。なお、有機溶媒は、トナーの母粒子を形成する際又はトナーの母粒子を形成した後に除去することが好ましい。
本発明において、結着樹脂前駆体としてイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーを用いることが出来る。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに、例えばポリイソシアネート(3)、脂肪族ポリオールと反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
なお、上記ポリオールは1種類単独または2種以上の併用が可能で、上記に限定されるものではない。
なお、上記ポリカルボン酸は1種類単独または2種以上の併用が可能で、上記に限定されるものではない。
[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは
1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリエステル樹脂の水酸基価としては14〜19mgKOH/gが好ましい。
層状無機鉱物としては、スメクタイト族(モンモリロナイト、サポナイトなど)、カオリン族(カオリナイトなど)、マガディアイト、カネマイトが知られている。層状無機鉱物は親水性が高い。その為、層状無機鉱物を変性すること無しに水系媒体中に分散して造粒するトナーに用いると、水系媒体中に層状無機鉱物が移行し、トナーを異形化することが出来ないが、変性することにより、適度な疎水性を持ちトナー表面近傍に偏在し、造粒時に容易に異形化し、分散して微細化し、電荷調整機能を十分に発揮する。このとき、トナー材料中の変性層状無機鉱物の含有量は、0.05〜5.0重量%であることが好ましい。
前記層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の、有機物カチオン変性剤としては第4級アルキルアンモニウム塩、フォスフォニウム塩やイミダゾリウム塩などが挙げられるが、第4級アルキルアンモニウム塩が望ましい。前記第4級アルキルアンモニウムとしては、トリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウム、オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム等が挙げられる。
一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物は、適宜選択することができるが、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト及びこれらの混合物等が挙げられる。中でも、トナー特性に影響を与えず、容易に粘度調整ができ、添加量を少量とすることができることから有機変性モンモリロナイト又はベントナイトが好ましい。
また一部を有機アニオンで変性した層状無機鉱物としてはハイドロタルサイト類化合物DHT−4A(協和化学工業社製)に下記一般式(1)で表される有機アニオンで変性させたものが特に好ましい。下記一般式(1)は例えばハイテノール330T(第一工業製薬社製)が挙げられる。
一般式(1) R1(OR2)nOSO3M
[式中、R1は炭素数13を有するアルキル基、R2は炭素数2から6を有するアルキレン基を表す。nは2から10の整数を表し、Mは1価の金属元素を表す]
まず、トナー形状と転写性の関係について述べる。多色現像で転写せしめるフルカラー複写機を用いた場合においては、白黒複写機に用いられる一色の黒トナーの場合と比較し感光体上のトナー量が増加し、従来の不定形トナーを用いただけでは転写効率を向上させることが困難である。更に通常の不定形トナーを用いた場合には、感光体とクリーニング部材との間や中間転写体とクリーニング部材との間、及び/又は、感光体と中間転写体間でのズリ力や摺擦力のために感光体表面や中間転写体表面にトナーの融着やフィルミングが発生して転写効率が悪化しやすい。フルカラー画像の生成においては4色のトナー像が均一に転写されにくく、更に、中間転写体を用いる場合には、色ムラやカラーバランスの面で問題が生じやすく、高画質のフルカラー画像を安定して出力することは容易ではない。
トナー、トナー粒子及び外添剤のフロー式粒子像分析装置による円形度の測定は、例えば、東亜医用電子社(株)製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10-3cm3の水中に測定範囲の粒子数が20個以下の水10ml中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器STM社製UH−50で20kHz,50W/10cm3の条件で1分間分散処理を行い、さらに、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10-3cm3(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像から円形度を算出する。
ここで、円形度の定義は次のとおり。
(円形度)=(投影面積と等しい円の周囲長)/(投影像の周囲長)
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンター法による。トナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。本発明においてはコールターカウンターTA−II型を用いて、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)接続し測定した。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の体積平均粒径(Dv)及び個数分布から求めた個数平均粒径(Dn)とその比Dv/Dnを求めた。
酸価は具体的に次のような手順で決定される。
測定装置 :電位差自動滴定装置 DL-53 Titrator(メトラー・トレド社製)
使用電極 :DG113−SC (メトラー・トレド社製)
解析ソフト:LabX Light Version 1.00。000装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
測定温度 :23℃
Stir
Speed [%] 25
Time [s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration [mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume [mL] 1.0
Wait time [s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set) [mV] 8.0
dV(min) [mL] 0.03
dV(max) [mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE [mV] 0.5
dt [s] 1.0
t(min) [s] 2.0
t(max) [s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
at maximum volume [mL] 10.0
at potential No
at slope No
after number EQPs Yes
n = 1
comb. termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential 1 No
Potential 2 No
Stop for reevaluation No
Tgの測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。
まず試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
本発明において、離型剤はトナー中に3〜6重量%含有されることが好ましい。3重量%未満であると、求める離型性が得られず、定着性が悪化する。また6重量%超えた場合、フィルミング等問題がある。本発明のトナーに用いるワックスとしては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラーとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラーにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温耐オフセットに対し効果を示す。
尚、本発明におけるワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)による最大吸熱ピークとした。
また、ワックス材料としては、カルナバワックス、エステルワックス、炭化水素系ワックス等がFTIR−ATRにおいて2850cm-1にピークを有するが、バインダー樹脂との相溶性の観点より炭化水素系ワックスが好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスがより好ましく、パラフィンワックスがもっとも好ましい。
本発明で用いる着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
マスターバッチの製造またはマスターバッチと共に混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(水系媒体中でのトナー製造法)
本発明で用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用する事もできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)等が挙げられる。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物690部、テレフタル酸256部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後160℃まで冷却し、これに18部の無水フタル酸を加えて2時間反応し変性されていないポリエステル(1)を得た。得られたポリエステル(1)は重量平均分子量4000、酸価10KOHmg/g、ガラス転移点50℃であった。
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物800部、イソフタル3180部、テレフタル酸60部、およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で23℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。
次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部を加え6時間反応を行いイソシアネート基含有プレポリマー(1)を得た。
酢酸エチル:70部、上記ポリエステル(1):25部、ワックスとしてパラフィンワックス(融点68℃):5部、更に60%体積比の1mmのジルコニアを入れ、ペイントコンディショナーNO.5400型(米国REDDEVIL社製)で24時間攪拌しワックス分散液−1を得た。得られたワックス分散液に含まれるワックス分散粒子の体積平均粒径(Dv)を、レーザー光散乱法を用いた粒度分布測定装置(「LA−920」;堀場製作所社製)により測定したところ、0.18μmであった。
酢酸エチル:70部、上記ポリエステル(1):25部、ワックスとしてパラフィンワックス(融点68℃):5部、更に60%体積比の1mmのジルコニアを入れ、ペイントコンディショナーNO.5400型(米国REDDEVIL社製)で18時間攪拌しワックス分散液−2を得た。得られたワックス分散液に含まれるワックス分散粒子の体積平均粒径(Dv)を、レーザー光散乱法を用いた粒度分布測定装置(「LA−920」;堀場製作所社製)により測定したところ、0.22μmであった。
酢酸エチル:70部、上記ポリエステル(1):25部、ワックスとしてパラフィンワックス(融点68℃):5部、更に60%体積比の1mmのジルコニアを入れ、ペイントコンディショナーNO.5400型(米国REDDEVIL社製)で12時間攪拌しワックス分散液−3を得た。得られたワックス分散液に含まれるワックス分散粒子の体積平均粒径(Dv)を、レーザー光散乱法を用いた粒度分布測定装置(「LA−920」;堀場製作所社製)により測定したところ、0.32μmであった。
酢酸エチル:70部、上記ポリエステル(1):25部、ワックスとしてパラフィンワックス(融点68℃):5部、更に60%体積比の1mmのジルコニアを入れ、ペイントコンディショナーNO.5400型(米国REDDEVIL社製)で36時間攪拌しワックス分散液−4を得た。得られたワックス分散液に含まれるワックス分散粒子の体積平均粒径(Dv)を、レーザー光散乱法を用いた粒度分布測定装置(「LA−920」;堀場製作所社製)により測定したところ、0.11μmであった。
酢酸エチル:70部、上記ポリエステル(1):25部、ワックスとしてパラフィンワックス(融点68℃):5部、更に60%体積比の1mmのジルコニアを入れ、ペイントコンディショナーNO.5400型(米国REDDEVIL社製)で6時間攪拌しワックス分散液−4を得た。得られたワックス分散液に含まれるワックス分散粒子の体積平均粒径(Dv)を、レーザー光散乱法を用いた粒度分布測定装置(「LA−920」;堀場製作所社製)により測定したところ、0.48μmであった。
酢酸エチル:70部、上記ポリエステル(1):25部、ワックスとしてカルナウバワックス(融点85℃):5部、更に60%体積比の1mmのジルコニアを入れ、ペイントコンディショナーNO.5400型(米国REDDEVIL社製)で6時間攪拌しワックス分散液−4を得た。得られたワックス分散液に含まれるワックス分散粒子の体積平均粒径(Dv)を、レーザー光散乱法を用いた粒度分布測定装置(「LA−920」;堀場製作所社製)により測定したところ、0.48μmであった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業製)20質量部、スチレン78質量部、メタクリル酸78質量部、アクリル酸ブチル120質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌し、白色の乳濁液を得た。該乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温して5時間反応させた。次いで、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を添加し、75℃にて5時間熟成して、ビニル樹脂粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチルーメタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(微粒子分散液1)を調製した。得られた有機樹脂微粒子分散液に含まれる有機樹脂微粒子の体積平均粒径(Dv)を、粒度分布測定装置(「nanotrac UPA−150EX」;日機装株式会社製)により測定したところ、55nmであった。
水:990部、[微粒子分散液1]:83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製):37部、酢酸エチル:90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:319部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:449部、テレフタル酸:243部、アジピン酸:53部およびジブチルチンオキサイド:2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸:7部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[MB用ポリエステル1]を得た。[MB用ポリエステル1]は、数平均分子量1900、質量平均分子量6100,Tg43℃、酸価1.1KOHmg/gであった。
水:30部、C.I.Pigmrnt Red 122(Magenta R:東洋インキ製):40部、[MB用ポリエステル1]:60部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。混合物を2本ロールを用いて130℃で45分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
水:30部、クレイトンAPA(サザンクレイプロダクツ製):40部、[MB用ポリエステル1]:60部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、無機鉱物凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。混合物を2本ロールを用いて130℃で45分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ2]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液:30部、ワックス分散液−1:50部、[マスターバッチ1]の50%酢酸エチル溶解液20部、[マスターバッチ2]1.5部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、[顔料・ワックス分散液1]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液:30部、ワックス分散液−2:50部、[マスターバッチ1]の50%酢酸エチル溶解液20部、[マスターバッチ2]1.5部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、[顔料・ワックス分散液2]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液:30部、ワックス分散液−3:50部、[マスターバッチ1]の50%酢酸エチル溶解液20部、[マスターバッチ2]1.5部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、[顔料・ワックス分散液3]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液:30部、ワックス分散液−1:80部、[マスターバッチ1]の50%酢酸エチル溶解液20部、[マスターバッチ2]1.9部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、[顔料・ワックス分散液4]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液:30部、ワックス分散液−2:80部、[マスターバッチ1]の50%酢酸エチル溶解液20部、[マスターバッチ2]1.9部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、[顔料・ワックス分散液5]を得た。
(乳化→脱溶剤)
[顔料・ワックス分散液1]:664部、[プレポリマー1]:114部、イソホロンジアミン:3.1部、TKホモミキサー(特殊機化製)で5000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]:1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。
[分散スラリー1]:100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過した。この濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液:100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで30分間)後、減圧濾過した。この濾過ケーキに10%塩酸:100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)後濾過した。この濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて40℃で48時間乾燥し、目開き75μmメシュで篩った後、得られたトナー母粒子:100部に疎水性シリカ(ヘキサメチルジシラザン表面処理品,比表面積:200m2/g):0.5部と、疎水化ルチル型酸化チタン(イソブチルトリメトキシシラン表面処理品、平均一次粒子径:0.02μm):0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、トナー(1)を得た。
乳化時の[顔料・ワックス分散液1]を[顔料・ワックス分散液2]に変える以外は実施例1と同様にしてトナー(2)を得た。
実施例3
乳化時の[顔料・ワックス分散液1]を[顔料・ワックス分散液3]に変える以外は実施例1と同様にしてトナー(3)を得た。
実施例4
乳化時の[顔料・ワックス分散液1]を[顔料・ワックス分散液4]に、[プレポリマー1]:114部を112部に変える以外は実施例1と同様にしてトナー(4)を得た。
乳化時の[顔料・ワックス分散液1]を[顔料・ワックス分散液5]に、[プレポリマー1]:114部を112部に変える以外は実施例1と同様にしてトナー(5)を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液:30部、ワックス分散液−4:50部、[マスターバッチ1]の50%酢酸エチル溶解液20部、[マスターバッチ2]1.5部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、[顔料・ワックス分散液6]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液:30部、ワックス分散液−5:50部、[マスターバッチ1]の50%酢酸エチル溶解液20部、[マスターバッチ2]1.5部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、[顔料・ワックス分散液7]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液:30部、ワックス分散液−6:50部、[マスターバッチ1]の50%酢酸エチル溶解液20部、[マスターバッチ2]1.5部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、[顔料・ワックス分散液8]を得た。
乳化時の[顔料・ワックス分散液1]を[顔料・ワックス分散液6]に変える以外は実施例1と同様にしてトナー(6)を得た。
比較例2
乳化時の[顔料・ワックス分散液1]を[顔料・ワックス分散液7]に変える以外は実施例1と同様にしてトナー(7)を得た。
比較例3
乳化時の[顔料・ワックス分散液1]を[顔料・ワックス分散液8]に変える以外は実施例1と同様にしてトナー(8)を得た。
ガラス転移点の測定は、理学電機社製のRigaku THRMOFLEX TG8110により、昇温速度10℃/分の条件にて測定される。
Tgの測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。
まず試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/分で150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置、室温まで試料を冷却して10分放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/分で加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
デジタルフルカラー複写機(リコー社製imagioColor2800)を用い、単色で写真画像の出力を行ない、粒状性、鮮鋭性の度合を目視にて評価した。良好なものから順に、「◎」はオフセット印刷並、「○」はオフセット印刷よりわずかに悪い程度、「△」はオフセット印刷よりかなり悪い程度、「×」は従来の電子写真画像程度(非常に悪い)、で評価した。
デジタルフルカラー複写機(リコー社製imagioColor2800)を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30000枚ランニング出力した後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定を行なった。画像濃度の差が少ない方が地肌汚れが良く、良好なものから「◎」、「○」、「△」、「×」の順にランク付けした。
定着ローラとしてテフロン(登録商標)ローラを使用した(株)リコー製複写機 MF2200定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行なった。定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)とホットオフセット温度(耐ホットオフセット温度)を求めた。従来の低温定着トナーの定着下限温度は140〜150℃程度である。なお、低温定着の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150mm/秒、面圧1.2kgf/cm2、ニップ幅3mm、高温オフセットの評価条件は紙送りの線速度を50mm/秒、面圧2.0kgf/cm2、ニップ幅4.5mmと設定した。各特性評価の基準は以下の通りである。
低温定着性(5段階評価)
良 ◎:140℃未満、 ○:140〜149℃、
△:150〜159℃、×:160℃以上 悪
ホットオフセット性(5段階評価)
良 ◎:201℃以上、 ○:200〜191℃、
△:190〜181℃、×:180℃以下 悪
トナーを50℃×8時間保管後、42メッシュのふるいにて2分間ふるい、金網上の残存率をもって耐熱保存性とした。耐熱保存性の良好なトナーほど残存率は小さい。以下の4段階で評価した。
×:30%以上
△:20〜30%
○:10〜20%
◎:10%未満
Claims (10)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、からなる静電荷像現像用トナーであって、該トナーを100℃雰囲気下1分間加熱した後のFTIR−ATRで観測される離型剤組成を示すピーク強度比(離型剤由来の吸光度(2850cm-1)/結着樹脂由来の吸光度(828cm-1))と23℃雰囲気中で保管された該トナーのFTIR−ATRで観測される離型剤組成を示すピーク強度比の差が0.1〜0.2となることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー中の離型剤重量比が3〜6%であることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーが、有機溶媒中に、少なくとも結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体、着色剤、離型剤、を溶解又は分散させ、前記溶解液又は分散液からなる油相を、水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、トナー粒子を造粒することにより得られたトナーであることを特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーが、有機溶媒中に、少なくとも結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体、着色剤、離型剤、少なくとも層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を溶解又は分散させ、前記溶解液又は分散液からなる油相を、水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、トナー粒子を造粒することにより得られたトナーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物が、トナー中に0.05〜5.0重量%含有されることを特徴とする請求項4記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記離型剤が炭化水素系ワックスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーの平均円形度が0.93〜0.97であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーの平均体積粒子径が3〜7μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーの酸価が0.5〜40.0(KOHmg/g)であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーのガラス転移点が40〜70℃であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
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