JP2008310268A - トナー粒子、トナー粒子の製造方法、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置 - Google Patents

トナー粒子、トナー粒子の製造方法、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 着色剤および離型剤の分散性を向上させ、良好な粒度分布を実現するトナー粒子、トナー粒子の製造方法、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】 (S1)原料混合工程では、重合性単量体、着色剤および離型剤などを含むトナー原料を混合し、(S2)乳化工程で混合物を加圧下で乳化させて重合性組成物を得る。重合性組成物を(S3)冷却工程で冷却し、冷却された重合性組成物を(S4)減圧工程で減圧する。こうして得られた重合性組成物は、着色剤および離型剤が均一に微分散されており、(S5)重合工程で重合反応させることで、最終的に粒径が揃った粒度分布がシャープなトナー粒子が得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トナー粒子、トナー粒子の製造方法、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いて画像を形成する画像形成装置は、感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを備える。帯電手段は、感光体表面を帯電させる。露光手段は、帯電状態にある感光体表面に信号光を照射して画像情報に対応する静電潜像を形成する。現像手段は、感光体表面に形成された静電潜像に現像剤中のトナーを供給してトナー像を形成する。転写手段は、感光体表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する。定着手段は、転写されたトナー像を記録媒体に定着させる。クリーニング手段は、トナー像転写後の感光体表面を清浄化する。このような画像形成装置では、現像剤として、トナーを含む1成分現像剤、またはトナーとキャリアとを含む2成分現像剤を用いて静電潜像を現像し、画像を形成する。ここで用いられるトナーは、マトリックスである結着樹脂中に着色剤、離型剤であるワックスなどを分散させて粒状化した樹脂粒子である。
電子写真方式を用いる画像形成装置は、画像品位の良好な画像を高速でかつ安価に形成できるので、複写機、プリンタ、ファクシミリなどに利用され、最近における普及は目覚しいものがある。それに伴って、画像形成装置に対する要求は一層厳しくなっている。なかでも画像形成装置によって形成される画像の高精細化、高解像化、画像品位の安定化、画像形成速度の高速化などが特に重視される。これらを達成するには、画像形成プロセスおよび現像剤の両面からの検討が必要不可欠になっている。
フルカラーの画像形成には粉砕法によって製造された粉砕トナーが広く用いられてきた。粉砕法は、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型剤などの溶融混練物を粉砕、分級することでトナーを製造する製造方法であり、材料および工程の管理が比較的容易であるという特徴を有している。粉砕よって得られるトナーは、その形状が不定形であるため、流動性、現像性、転写性、クリーニング性等の面で様々な問題を抱えている。
これらの粉砕トナーの問題点を克服するため、懸濁重合法によるトナーの製造が提案されている。懸濁重合法は、着色剤、帯電制御剤、離型剤などのトナー原料の一部を、必要に応じて重合開始剤、分散剤と共に重合性単量体中に溶解あるいは分散させて重合性組成物を調製した後、分散安定剤を含有する水相中に重合性組成物を分散させて組成物微粒子を分散させた懸濁液とする。この懸濁液を重合・固化することによって所望の粒径、組成を有する重合トナーを得ることができ、トナー粒子中に各原料を内包化することができる。
重合トナー粒子中に内包化された原料の分散状態は、トナーの性質に大きな影響を与える。特に着色剤および離型剤の影響は大きく、トナー粒子表面に着色剤が露出すると、トナーの帯電均一性が低下し、分散性が悪いと、透明性、着色力に劣ることになる。離型剤についても、その含有量および分散状態が不均質になると、耐オフセット性の低下、現像ブレードおよび感光体へのフィルミングの発生、定着性、現像性および耐久性の変動あるいは劣化をもたらすことになる。
従来技術では高圧力付加による着色剤および離型剤の分散性向上が提案されている。
特許文献1記載のトナーの製造方法では、液状媒体に着色剤を分散させる分散工程を少なくとも有し、分散工程において、30MPa以上150MPa以下の噴射圧力による衝突、せん断を利用して、着色剤を液状媒体中に分散させている。これにより、着色剤の分散がより均質で画像濃度が良好なトナーを得ることができる。
特許文献2記載のトナーの製造方法では、重合性単量体を含む離型剤・顔料混合液を10MPa以上200MPa以下の圧力で湿式粉砕することにより、離型剤を、粒子径が均一で粒度分布が狭く、十分に微粒化することができる。これにより、耐オフセット性に優れ、カブリやフィルミングが発生しにくく、定着性に優れるトナーを得ることができる。
特開2004−325697号公報 特開2006−154773号公報
特許文献1記載の製造方法では、高圧力付加により、キャビテーションが発生し、これによって生じた気泡が着色剤の微粒化を阻害するため、分散効率が悪く、分散剤も多量に必要となる。
特許文献2記載の製造方法では、高圧力付加に伴う温度上昇により、離型剤の粒度分布がブロードになりやすい。また、高圧力付加により、キャビテーションが発生し、これによって生じた気泡が離型剤の微粒化を阻害するため、微粒化効率が悪く、分散剤も多量に必要となる。
本発明の目的は、着色剤および離型剤の分散性を向上させ、良好な粒度分布を実現するトナー粒子、トナー粒子の製造方法、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置を提供することである。
本発明は、重合性単量体、重合開始剤、着色剤、離型剤、分散剤を液体混合媒体に含む混合物を、加圧下で耐圧ノズルに通過させて乳化し、重合性組成物を得る乳化工程と、
得られた重合性組成物を冷却する冷却工程と、
冷却された重合性組成物を減圧する減圧工程と、
重合性組成物中の重合性単量体を重合してトナー粒子を生成する重合工程とを含むことを特徴とするトナー粒子の製造方法である。
また本発明は、前記混合物が、重合性単量体、重合開始剤、着色剤、離型剤を液体混合媒体に含む分散液と、分散剤を含む水溶液とをそれぞれ加圧しつつ連続的に混合空間に供給して混合することにより得られることを特徴とする。
また本発明は、前記乳化工程では、混合物を10〜50MPaに加圧することを特徴とする。
また本発明は、前記乳化工程では、混合物の液温を25℃以下に保持することを特徴とする。
また本発明は、前記重合組成物を、冷却工程より前に減圧する冷却前減圧工程をさらに含むことを特徴とする。
また本発明は、前記乳化工程では、前記混合物を耐圧ノズルに通過させる前に20℃以下に保持することを特徴とする。
また本発明は、前記重合工程では、懸濁重合法によって重合性単量体を重合することを特徴とする。
また本発明は、上記の製造方法により得られることを特徴とするトナー粒子である。
また本発明は、上記のトナー粒子とキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤である。
また本発明は、上記の二成分現像剤を用いて現像を行うことを特徴とする現像装置である。
また本発明は、上記の現像装置を用いて画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、まず乳化工程で、トナーの原料となる重合性単量体、重合開始剤、着色剤、離型剤、分散剤を液体混合媒体に含む混合物を、加圧下で耐圧ノズルに通過させて乳化し、重合性組成物を得る。得られた重合性組成物は、冷却工程で冷却し、冷却された重合性組成物は、減圧工程で減圧する。
最後に、重合工程で、重合性組成物中の重合性単量体を重合してトナー粒子を生成する。
これにより、キャビテーションによる気泡の発生を抑え、着色剤および離型剤を効率よく、均一に微分散した重合性組成物を生成することができるため、その後の重合反応で重合されて得られるトナー粒子中の着色剤および離型剤の分散性が良好で、粒度分布のシャープなトナー粒子を得ることができる。特に粒度分布が良好で、分級の必要が無い分級レスのトナー粒子を実現することができる。
また本発明によれば、前記耐圧ノズルに通過させて乳化する前に、重合性単量体、重合開始剤、着色剤、離型剤を液体混合媒体に含む混合物分散液と、分散剤を含む水溶液とをそれぞれ加圧しつつ連続的に混合空間に供給して混合する。
これにより、予備分散工程が不要となり粒度分布の狭いトナーを効率的に製造することができる。
また本発明によれば、前記混合物が、重合性単量体、重合開始剤、着色剤、離型剤を液体混合媒体に含む分散液と、分散剤を含む水溶液とをそれぞれ加圧しつつ連続的に混合空間に供給して混合することにより得られる。
これにより、各トナー成分の均一分散性がより一層向上した重合性組成物を得ることができるため、トナー粒子中における着色剤および離型剤の分散性が良好で、粒度分布のシャープなトナー粒子を得る効果をより一層高めることができる。また、混合物が連続的に製造されるため、トナーを効率的に製造することができる。
また本発明によれば、前記乳化工程では、混合物を10〜50MPaに加圧する。
乳化工程での圧力が、10MPaより低いと、得られた重合性組成物の微小液滴径が十分に小さくならず、最終的に得られるトナー粒子径が十分に小さくならない。また、圧力が50MPaより高いと、得られた重合性組成物の微小液滴径にばらつきが生じ、トナー粒子の粒径分布が広がることになる。
また本発明によれば、前記乳化工程では、混合物の液温を25℃以下に保持する。
混合物に重合禁止剤を添加したとしても、25℃を超える温度条件下では、重合性単量体の重合反応が開始される可能性があるので、乳化工程においては、混合物の液温を25℃以下に保持することで重合反応を抑制することができる。
また本発明によれば、前記重合組成物を、冷却工程より前に減圧する冷却前減圧工程をさらに含むことを特徴とする。
冷却工程より前に減圧することで、重合性組成物の微小液滴の液滴径分布がさらにシャープになり、最終的に得られるトナー粒子の粒度分布もさらにシャープなものが得られる。
また本発明によれば、前記乳化工程では、前記混合物を耐圧ノズルに通過させる前に20℃以下に保持する。
混合物の液温は、耐圧ノズル内で上昇し、乳化工程を通じて最も高温となる。耐圧ノズル内での上昇温度は高くとも5℃程度であるので、乳化工程を通じて、混合物の液温を25℃以下に保つには、耐圧ノズル導入前の混合物の液温を20℃以下に保持することが好ましい。
また本発明によれば、前記重合工程では、懸濁重合法によって重合性単量体を重合することを特徴とする。
懸濁重合法では、トナー原料を均一に溶解または分散せしめた重合性組成物を、分散安定剤を含有する水系分散媒体に投入し、高剪断力を有する混合撹拌装置などを用いて分散し、造粒した後、造粒した重合性組成物を懸濁重合して重合トナー粒子を製造する。
重合性組成物を水系分散媒体に均一かつ微粒子状に分散させるのは極めて困難であるため、上記のような各工程を経ることで容易に懸濁重合法を適用することができる。
また本発明によれば、上記の製造方法により得られたトナー粒子は、着色剤の分散性が高いため、透明性、着色力に優れ、また、離型剤含有量および分散状態が均質であるため、耐オフセット性の低下、現像ブレードや感光体へのフィルミングの発生、定着性、現像性および耐久性の変動あるいは劣化を防止することができる。
また本発明によれば、本発明のトナー粒子は、トナー粒子中の着色剤および離型剤の分散性が良好で、粒度分布がシャープであるため、本発明のトナー粒子を含むことにより、トナー粒子の帯電均一性、透明性、着色力、耐オフセット性、定着性、現像性および耐久性に優れ、現像ブレードおよび感光体へのフィルミングの発生のない、二成分現像剤を得ることができる。
また本発明によれば、本発明の二成分現像剤を用いることにより、感光体上に良好なトナー像を形成することができる。
また本発明によれば、本発明の現像装置を用いることにより、画質劣化のない高画質な画像を形成することができる。
図1は、本発明の実施の一形態であるトナー製造方法を示すフロー図である。
本発明のトナー製造方法は、大きく分けて以下の5つの工程からなる。
(S1)原料混合工程
(S2)乳化工程
(S3)冷却工程
(S4)減圧工程
(S5)重合工程
(S1)原料混合工程では、重合性単量体、着色剤および離型剤などを含むトナー原料を混合し、(S2)乳化工程で混合物を加圧下で乳化させて重合性組成物を得る。重合性組成物を(S3)冷却工程で冷却し、冷却された重合性組成物を(S4)減圧工程で減圧する。こうして得られた重合性組成物は、着色剤および離型剤が均一に微分散されており、(S5)重合工程で重合反応させることで、最終的に粒径が揃った粒度分布がシャープなトナー粒子が得られる。
また、これら各工程のうちS2〜S4の工程は、図2に構成を示す高圧ホモジナイザによって実現される。詳細は後述するが、原料の混合液をタンク1に投入し、送液ポンプ2によって混合物を送液するとともに、加圧ポンプ3によって10〜50MPaに加圧し、耐圧ノズル4を通過させることで乳化して重合性組成物を得る。重合性組成物は、冷却機5にて室温まで冷却された後、減圧モジュール6にて常圧まで徐々に減圧され、回収される。
回収された重合性組成物は、たとえば、撹拌翼を装着した反応器中にて、加熱下で重合させればよい。
以下、各工程について詳細に説明する。
(S1)原料混合工程
原料混合工程では、少なくとも重合性単量体、重合開始剤、着色剤、離型剤、分散剤を液体混合媒体に添加し、混合機で撹拌、混合することで、原料と混合媒体との混合物が得られる。混合物は、原料の一部が混合媒体に溶解、分散していてもよい。混合媒体となる液体は、水性媒体が好ましく、純水、脱イオン水などの水が好適である。液体混合媒体に対する全原料の添加量は特に制限はないが、好ましくは全原料と、液体混合媒体との合計量の10〜45重量%、さらに好ましくは15〜35重量%である。
また、混合機としては公知のものを使用でき、たとえば、泡レスミキサ(株式会社美粒製)などを使用することができる。
重合性単量体は、分散剤存在下で、水性媒体に乳化可能であれば特に制限されず、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ビニルトルエン、4−スルホンアミドスチレン、4−スチレンスルホン酸などを挙げることができ、特に好ましくはスチレン単量体である。
また、アクリル酸エステル単量体およびメタクリル酸単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、アクリルアミドアルキルスルホン酸および/またはメタクリルアミドアクリルスルホン酸であり、具体的にはアクリルアミドメチルスルホン酸、アクリルアミドエチルスルホン酸、アクリルアミドn−プロピルスルホン酸、アクリルアミドイソプロピルスルホン酸、アクリルアミドn−ブチルスルホン酸、アクリルアミドs−ブチルスルホン酸、アクルアミドt−ブチルスルホン酸、アクリルアミドペンタンスルホン酸、アクリルアミドヘキサンスルホン酸、アクリルアミドヘプタンスルホン酸、アクリルアミドオクタンスルホン酸、メタアクリルアミドメチルスルホン酸、メタアクリルアミドエチルスルホン酸、メタアクリルアミドn−プロピルスルホン酸、メタアクリルアミドイソプロピルスルホン酸、メタアクリルアミドn−ブチルスルホン酸、メタアクリルアミドs−ブチルスルホン酸、メタアクルアミドt−ブチルスルホン酸、メタアクリルアミドペンタンスルホン酸、メタアクリルアミドヘキサンスルホン酸、メタアクリルアミドヘプタンスルホン酸、メタアクリルアミドオクタンスルホン酸などが挙げられる。重合性単量体は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用でき、スチレンとアクリル酸n−ブチルとを組み合わせて用いることが好ましい。
重合性単量体の、添加量については、所望のガラス転移点(Tg)が得られるように調整する。
重合開始剤は、添加する重合性単量体の種類によって好適なものを選択すればよく、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドなどの過酸化物系重合開始剤が挙げられる。また、レドックス開始剤として先に挙げた過酸化物と、ジメチルアニリン、メルカプタン類、第三アミン類、鉄(II)塩、亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤とを組み合わせて用いても良い。重合性単量体がスチレン系単量体およびアクリル酸エステル単量体の重合は、ラジカル開始剤を用いることが好ましい。
重合開始剤は、重合後に得られる重合樹脂を所望の分子量とするために好適に使用され、添加量については、重合性単量体100重量部に対して0.1〜10重量部である。
着色剤は、特に制限されず、たとえば、有機系染料、有機系顔料、無機系染料、無機系顔料などを使用できる。
着色剤としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、マグネタイトなど、黄鉛、黄色酸化鉄、ハンザイエローG、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエロー、NCGモリブデンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレン、ブリリアントオレンジGK、ベンガラ、ブリリアントカーミン6B、フリザリンレーキ、ファストバイオレットB、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、モノアゾ染料の金属錯体、ファーストスカイブルー、ビグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、酸化チタン、亜鉛華、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等の染料、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ベンジジンオレンジG、カドミウムレツド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッドカルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、キナクリドン、ローダミンB、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどの公知の顔料が挙げられる。
着色剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して5〜300重量部である。
離型剤は、この分野で常用されるものを使用でき、パラフィンワックス類、高級(飽和直鎖)脂肪酸類(炭素数12〜50)、高級アルコール類(炭素数8〜32)、脂肪酸金属塩類、脂肪酸アミド類、金属石鹸類、多価アルコール類などが挙げられ、特にカルナバワックスが好ましい。離型剤は、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。離型剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して0.5〜10重量部である。
帯電制御剤は、この分野で常用されるものを使用でき、ニグロシン、第四級アンモニウム塩、含金属アゾ染料、脂肪酸の金属塩などが挙げられる。帯電制御剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。帯電調整剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して0.5〜2重量部である。
混合物は、タンク1に投入され、送液ポンプ2によって耐圧ノズル4へと導入される。タンク1内に貯溜される混合物は、重合反応が進まない範囲で温度制御される。また、上記のように予め混合物をタンク1に投入してもよいし、タンク1に撹拌装置などを備えることで、タンク1が混合機と貯溜槽とを兼ねるように構成しても良い。
(S2)乳化工程
乳化工程では、送液された混合物を高圧ポンプ3により耐圧性密閉容器内で10〜50MPaに加圧し、耐圧性密閉容器から延びる耐圧性配管に取り付けられた耐圧ノズル4に混合物を導入する。
耐圧ノズル4は、加圧された混合物を、その内部に形成される流路に流過させることによって乳化する。混合物を乳化することで、重合性単量体、重合開始剤、着色剤、離型剤を含む微小液滴が水性媒体中に分散された重合性組成物が得られる。
乳化工程での圧力が、10MPaより低いと、得られた重合性組成物の微小液滴径が十分に小さくならず、最終的に得られるトナー粒子径が十分に小さくならない。また、圧力が50MPaより高いと、得られた重合性組成物の微小液滴径にばらつきが生じ、トナー粒子の粒径分布が広がることになる。
耐圧ノズル4には、液体流過が可能な一般的な耐圧ノズルを使用でき、特に、流路を複数有する多重ノズルを用いることが好ましい。多重ノズルの流路はノズルの軸心を中心とする同心円上に形成されてもよく、また複数の流路が多重ノズルの長手方向にほぼ平行に形成されてもよい。多重ノズルの具体例としては、入口径および出口径0.05〜0.35mm程度、並びに長さ0.5〜5cmの流路が1または複数、好ましくは1〜2程度形成されたものが挙げられる。また、流路がノズル内部において直線状に形成されない耐圧ノズルも使用できる。このような耐圧ノズルとしては、たとえば、図3に示すものが挙げられる。
図3は、耐圧ノズル21の構成を模式的に示す断面図である。耐圧ノズル21はその内部に流路22を有する。この流路22は直線状であり、混合物は矢符23の方向に耐圧ノズルに入るときの圧力と出るときの圧力差によって乳化され、たとえば、微小液滴径が3〜8μmの重合性混合物が耐圧ノズル21の出口から排出される。本例の耐圧ノズル21において、入口径と出口径とが同寸法に形成されているが、それに限定されず、出口径を入口径よりも小さく形成してもよい。出口および入口の流過方向に垂直な断面は円形状に形成されるが、それに限定されず、正多角形状などに形成されてもよい。耐圧ノズルは1つ設けてもよく、複数設けてもよい。
以上のような耐圧ノズル21を流過することによって、混合物が乳化され、重合性組成物が得られる。
耐圧性密閉容器内および耐圧ノズル4内を含む乳化工程を通じて、混合物の液温を25℃以下に保持することが好ましい。混合物に重合禁止剤を添加したとしても、25℃を超える温度条件下では、重合性単量体の重合反応が開始される可能性があるので、乳化工程においては、混合物の液温を25℃以下に保持することが好ましい。
さらに、混合物の液温は、耐圧ノズル4内で上昇し、乳化工程を通じて最も高温となる。耐圧ノズル4内での上昇温度は高くとも5℃程度であるので、乳化工程を通じて、混合物の液温を25℃以下に保つには、耐圧ノズル4導入前の混合物の液温を20℃以下に保持することが好ましい。
また、耐圧ノズル4入口での圧力は、耐圧性密閉容器内で加圧された圧力と略同じであるが、耐圧ノズル4出口での圧力は、入口圧力よりも低くなる。耐圧ノズル4の入口圧力は、10〜50MPaであり、出口圧力は、2〜10MPaである。
(S3)冷却工程
冷却工程では、耐圧ノズル4から排出される重合性組成物を、耐圧ノズル4出口に接続した冷却機5に導入し、冷却を行う。冷却機5に導入される前の重合性組成物の液温は20〜25℃であり、冷却工程においてこの液温を10〜20℃にまで低下させる。すなわち、冷却工程における液温低下は、5〜15℃である。
冷却機5には、耐圧構造を有する一般的な液体冷却機を使用でき、たとえば、重合性組成物が流過する配管の周囲に冷却媒体(冷却水)を循環させる配管を設け、冷却媒体を循環させることによって重合性組成物を冷却する冷却機を使用することができる。冷却機の中でも、蛇管式冷却機のような冷却面積の大きい冷却機が好ましい。また冷却機入口から冷却機出口に向けて、冷却勾配が小さくなるように(または冷却能力が低下するように)構成するのが好ましい。これによって、微小液滴の小径化が一層効率的に達成され、最終的に得られるトナー粒子の粒度分布がよりシャープなものとなる。
冷却機5は1つ設けてもよくまたは複数設けてもよい。複数設ける場合は、直列に設けてもよくまたは並列に設けてもよい。直列に設ける場合は、重合性組成物の流過方向において、冷却能力が徐々に低下するように冷却機を設けるのが好ましい。
なお、冷却工程においては、冷却機5の出口圧力は、0.4〜2MPaである。
(S4)減圧工程
減圧工程では、10〜20℃にまで液温が低下した重合性組成物を、減圧モジュール6に導入し、減圧を行う。減圧モジュール6から出てきた重合性組成物の圧力は、0.1MPa(大気圧)である。
減圧モジュール6には、国際公開第03/059497号パンフレットに記載の多段減圧装置を用いるのが好ましい。多段減圧装置は、入口通路と、出口通路と、多段減圧通路とを含む。入口通路は、一端が冷却機5の出口に連結されかつ他端が多段減圧通路に連結され、加圧状態にある重合性組成物を多段減圧通路に導入する。多段減圧通路は、一端が入口通路に連結されかつ他端が出口通路に連結され、入口通路を介してその内部に導入される加圧状態にある重合性組成物を突沸による泡の発生(バブリング)が起こらないように減圧する。多段減圧通路は、たとえば、複数の減圧部材と、複数の連結部材とを含む。減圧部材にはたとえばパイプ状部材が用いられる。連結部材にはたとえばリング状シール部材が用いられる。内径の異なる複数のパイプ状部材をリング状シール部材にて連結することによって、多段減圧通路が構成される。たとえば、入口通路から出口通路に向けて、同じ内径を有するパイプ状部材Aをリング状シール部材によって2〜4個連結し、次のパイプ状部材Aよりも内径が2倍程度大きいパイプ状部材Bをリング状シール部材によって1個連結し、さらにパイプ状部材Bよりも内径が5〜20%程度小さいパイプ状部材Cをリング状シール部材によって1〜3個程度連結してなる多段減圧通路が挙げられる。このような多段減圧通路内に加圧状態にある重合性組成物を流過させると、バブリングを起すことなく、重合性組成物を大気圧またはそれに近い加圧状態にまで減圧できる。出口通路は、一端が多段減圧通路に連結され、他端は開放された吐出口である。この多段減圧装置では、入口径と出口径とが同じになるように構成してもよく、または出口径が入口径よりも大きくなるように構成してもよい。
本実施の形態では、減圧モジュール6としては、前記のような構成を有する多段減圧装置に限定されず、たとえば、減圧ノズルも使用できる。
図4は、減圧ノズル36の構成を模式的に示す長手方向断面図である。減圧ノズル36には、その内部を長手方向に貫通する流路37が形成される。流路37は、入口36aの径が出口36bの径よりも大きくなるように形成される。さらに本実施の形態では、流路37は、重合性組成物の流過方向である矢符38の方向に垂直な方向の断面積が、入口36aから出口36bに近づくにつれて徐々に小さくなり、かつ入口36aおよび出口36bの断面の中心を結ぶ仮想直線が、流過方向に対して平行となるように形成される。減圧ノズル36によれば、加圧状態にある重合性組成物が入口36aから流路37内に導入され、減圧された後、出口36bから吐出される。前記のような多段減圧装置または減圧ノズルは1つまたは複数設けることができる。複数設ける場合には、直列に設けてもよく、並列に設けてもよい。
減圧工程で減圧された重合性組成物は、均一に微分散された着色剤および離型剤をそれぞれの微小液滴に含み、微小液滴の液滴径の分布はシャープなものとなっている。
(S5)重合工程
重合工程では、懸濁重合法により、重合性組成物の微小液滴を重合させて重合体微粒子を得る。
上記のようにして高圧ホモジナイザから吐出された重合性組成物を、撹拌翼を装着した反応器に導入し、所定温度で所定時間撹拌して重合反応を行い、微小液滴内の重合性単量体が重合した重合体微粒子(重合トナー粒子)の水分散液を得る。
反応器としては、たとえば住友重機械製のマックスブレンド(商品名)などを使用することができる。反応条件は、温度60〜70℃、重合開始剤は〜1重量%、重合時間は3〜9時間である。
得られた重合体の水分散液は、たとえば濾過して水を分離した後、新たにイオン交換水を加え、所定温度に加温して、洗浄を行う。洗浄は複数回繰り返すことが好ましい。洗浄後に重合体を濾過分離した後、乾燥を行い、重合トナー粒子を得る。
こうして得られた重合トナー粒子には、重合前の微小液滴の特性が反映される。微小液滴には、着色剤および離型剤が均一に分散され、かつ液滴径の分布がシャープであるという特性がそのままトナー粒子に反映され、着色剤および離型剤が均一に分散され、かつ粒度分布がシャープなトナー粒子が得られる。
特に粒度分布がシャープであることから、分級の必要がない分級レスなトナーの製造方法を実現することができる。
図5は、本発明の他の実施形態であるトナー製造方法を示すフロー図であり、図6は、本実施形態の高圧ホモジナイザの構成を示す図である。
本実施形態では、乳化工程と冷却工程との間に冷却前減圧工程が追加されている構成が、上記の実施形態と異なっている。高圧ホモジナイザの構成としても、耐圧ノズルと4と冷却機5との間に減圧モジュール6が接続されている。
冷却前減圧工程は、減圧工程とほぼ同様の工程であり、耐圧ノズル4から導入される重合性組成物にかかる圧力を低下させて冷却機5へと送り出す。
冷却工程の前に減圧を行うことで、重合性組成物の微小液滴の液滴径分布がさらにシャープになり、最終的に得られるトナー粒子の粒度分布もさらにシャープなものが得られる。
本発明のさらに他の実施形態では、ステップS2の乳化工程において、耐圧ノズル4に混合物を導入する前に、重合性単量体、重合開始剤、着色剤、離型剤を液体混合媒体に含む混合物分散液と、分散剤を含む水溶液とをそれぞれ加圧しつつ混合容器内部の混合空間に、連続的に供給して混合する。
分散相と連続相とを加圧下で連続的に混合することで、予備分散工程が不要となり粒度分布の狭いトナーを効率的に製造することができる。
本発明のさらに他の実施形態では、ステップS1の原料混合工程において、重合性単量体、重合開始剤、着色剤、離型剤を液体混合媒体に含む分散液と、分散剤を含む水溶液とをそれぞれ加圧しつつ混合容器内部の混合空間に、連続的に供給して混合することにより、混合物が得られる。
重合性単量体、重合開始剤、着色剤、離型剤を液体混合媒体に含む分散液と分散剤を含む水溶液とを加圧下で連続的に混合することで、混合物が連続的に製造されるため、トナーを効率的に製造することができる。
また、各トナー成分の均一分散性がより一層向上した重合性組成物を得ることができるため、トナー粒子中における着色剤および離型剤の分散性が良好で、粒度分布のシャープなトナー粒子を得る効果をより一層高めることができる。
詳細には、混合物分散液を供給ポンプで加圧することで10〜100MPaの加圧下で混合容器内部に連続的に供給する。その一方で、混合物分散液100重量部に対して1〜100重量部の分散剤溶液をこれも供給ポンプによる加圧下で、供給速度が1〜100L/時間となるように混合容器内部に連続的に供給する。混合容器内で混合された混合物分散液と分散剤溶液とが混合物として耐圧ノズル4に導入される。
・実施例1
(混合物の調製)
まず、以下に示すトナー原料を、分散剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、0.5重量%)を含む水相中に添加し、泡レスミキサーで撹拌、混合して混合物を調製する。
重合性単量体:スチレン 80重量部
アクリル酸n−ブチル 20重量部
重合開始剤 :AIBN 0.5重量部
着色剤 :カーボンブラック(三菱化学MA7) 7重量部
離型剤 :カルナバワックス 3重量部
帯電制御剤 :CCA 1重量部
(重合性組成物の調製)
上記混合物を、耐圧性密閉容器中で10MPaに加圧し、耐圧性密閉容器に取り付けられた耐圧性配管から該耐圧性配管の出口に取り付けられた耐圧ノズルに供給した。
耐圧ノズルは、孔径0.15mmの液体流過孔2本が、ノズルの長手方向においてほぼ平行になるように形成された長さ1cmの耐圧性多重ノズルである。
耐圧ノズル入口における混合物の液温は10℃、混合物に付加された圧力は10MPaであり、耐圧ノズル出口における重合性組成物の液温は15℃、重合性組成物に付加される圧力は8MPaであった。
耐圧ノズルから排出される重合性組成物を、耐圧ノズルの出口に接続される蛇管式冷却機に導入し、冷却を行った。冷却機出口での重合性組成物の液温は10℃、重合性組成物に付加される圧力は0.1MPaであった。
冷却機出口から排出された重合性組成物を、冷却機出口に接続される減圧装置に導入し、減圧を行った。減圧装置出口で重合性組成物に付加される圧力は常圧であった。
(重合反応)
上記のようにして得られた重合性組成物を、撹拌翼を装着した反応器に入れ、80℃で6時間撹拌して重合反応を行い、重合トナー粒子の水分散液を得た。
得られた水分散液を濾過して水を分離した後、新たにイオン交換水300部を加え、30℃に加温し、リスラリー化して、15分間水洗浄を行なった。この水洗浄を5回繰り返し行ない、固形分を濾過分離した後、乾燥器にて35℃で一昼夜乾燥を行い、重合トナー粒子を得た。
・実施例2
実施例2は、耐圧性密閉容器中で加える圧力を30MPaとしたこと以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を製造した。
・実施例3
実施例3は、耐圧性密閉容器中で加える圧力を50MPaとしたこと以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を製造した。
・実施例4
実施例4は、耐圧性密閉容器中で加える圧力を30MPaとし、耐圧ノズル入口における混合物の液温を15℃、耐圧ノズル出口における重合性組成物の液温を20℃とし、冷却前減圧工程を行うこと以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を製造した。
・実施例5
実施例1記載のトナー原料100重量部と分散剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、0.5重量%)を含む水溶液100重量部とをそれぞれ20MPaの圧力下で連続的に0.2L/時間の供給速度で混合容器に別々に供給する以外は実施例1と同様にして乳化を行った。得られた重合性組成物にイオン交換水200重量部を加え、撹拌翼を装着した反応器に入れ、80℃で6時間撹拌して重合反応を行い、重合トナー粒子の水分散液を得た。
得られた水分散液を濾過して水を分離した後、新たにイオン交換水300重量部を加え、30℃に加温し、リスラリー化して、15分間水洗浄を行なった。この水洗浄を5回繰り返し行ない、固形分を濾過分離した後、乾燥器にて35℃で一昼夜乾燥を行い、重合トナー粒子を得た。
・比較例1
比較例1は、クレアミックス(エムテクニック社製)を用いて、常温で1万回転、10分間の条件で乳化を行った。分散剤などの組成は実施例1と同じとした。
・比較例2
比較例2は、耐圧性密閉容器中で加える圧力を30MPaとし、耐圧ノズル入口における混合物の液温を25℃、耐圧ノズル出口における重合性組成物の液温を30℃としたこと以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を製造した。
・比較例3
比較例3は、耐圧性密閉容器中で加える圧力を10MPaより低くしたこと以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を製造した。
・比較例4
比較例4は、耐圧性密閉容器中で加える圧力を50MPaより高くしたこと以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を製造した。
(トナー粒子の体積平均粒径、粒度分布測定)
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、実施例および比較例で得られた試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、STM社製)により超音波周波数20kzで3分間分散処理して測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:20μm、測定粒子数:50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒子径および体積粒度分布における標準偏差を求めた。変動係数(CV値、%)は、下記式に基づいて算出した。
CV値(%)=(体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒子径)×100
得られたトナー粒子100部に、シランカップリング剤で疎水化処理された平均1次粒子径20nmのシリカ粒子0.7部および酸化チタン1部を外添した。キャリアとして、体積平均粒子径60μmのフェライトコアキャリアをトナーの濃度が4%になるようにそれぞれ調整して混合し、2成分現像剤を作製した。得られた2成分現像剤を用いて以下のようにして評価用画像を形成し評価を行った。
<画質>
地汚れ、トナー飛散について評価を行い、各評価項目において良好な結果が得られた場合に画質良好と判定した。各項目の評価方法は以下の通りである。
(地汚れ)
画像形成後の転写紙上地肌部のトナー汚れ度合を目視にて評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:良好
×:実用上問題あり
(トナー飛散)
画像形成後の複写機内のトナー飛散状態を目視にて評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:良好
×:実用上問題あり
なお、地汚れ、トナー飛散については、シャープ株式会社製AR−620の改造機にて、各トナーを用いて画像面積率5%、チャート連続50000枚出力耐久試験の実施後に評価した。
各実施例および比較例で得られたトナー粒子の体積平均粒径および変動係数(CV値)および評価結果を表1に示す。
Figure 2008310268
比較例1は、冷却工程および減圧工程を含まないため、十分な粒度分布が得られなかった。比較例2は、乳化工程における液温が高過ぎたため、粒径分布にばらつきが発生した。比較例3は、乳化工程における圧力が低過ぎたため、体積平均粒径が十分に小さくならなかった。比較例4は、乳化工程における圧力が高すぎたため、粒径分布にばらつきが発生した。
各実施例は、体積平均粒径が十分に小さく、かつ粒度分布もシャープで、分級の必要がないトナー粒子が得られた。特に、冷却前減圧を行った実施例4では、最も良好な粒度分布が得られた。
本発明の実施の一形態であるトナー製造方法を示すフロー図である。 高圧ホモジナイザの構成を示す図である。 耐圧ノズル21の構成を模式的に示す断面図である。 減圧ノズル36の構成を模式的に示す長手方向断面図である。 本発明の他の実施形態であるトナー製造方法を示すフロー図である。 高圧ホモジナイザの構成を示す図である。
符号の説明
1 タンク
2 送液ポンプ
3 加圧ポンプ
4 耐圧ノズル
5 冷却機
6 減圧モジュール

Claims (11)

  1. 重合性単量体、重合開始剤、着色剤、離型剤、分散剤を液体混合媒体に含む混合物を、加圧下で耐圧ノズルに通過させて乳化し、重合性組成物を得る乳化工程と、
    得られた重合性組成物を冷却する冷却工程と、
    冷却された重合性組成物を減圧する減圧工程と、
    重合性組成物中の重合性単量体を重合してトナー粒子を生成する重合工程とを含むことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 前記混合物が、重合性単量体、重合開始剤、着色剤、離型剤を液体混合媒体に含む分散液と、分散剤を含む水溶液とをそれぞれ加圧しつつ連続的に混合空間に供給して混合することにより得られることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 前記乳化工程では、混合物を10〜50MPaに加圧することを特徴とする請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 前記乳化工程では、混合物の液温を25℃以下に保持することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 前記重合組成物を、冷却工程より前に減圧する冷却前減圧工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナー粒子の製造方法。
  6. 前記乳化工程では、前記混合物を耐圧ノズルに通過させる前に20℃以下に保持することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のトナー粒子の製造方法。
  7. 前記重合工程では、懸濁重合法によって重合性単量体を重合することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のトナー粒子の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の製造方法により得られることを特徴とするトナー粒子。
  9. 請求項8に記載のトナー粒子とキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤。
  10. 請求項9記載の二成分現像剤を用いて現像を行うことを特徴とする現像装置。
  11. 請求項10記載の現像装置を用いて画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
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