JP4681445B2 - トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法 - Google Patents

トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に好適に用いられるトナー及びその効率的な製造方法、並びに、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真法による画像形成は、一般に、感光体(静電荷像担持体)上に静電荷像を形成し、該静電荷像を現像剤で現像して可視像(トナー像)とした後、該可視像を紙等の記録媒体に転写し定着することにより定着像とする一連のプロセスにより行われる(特許文献1参照)。
前記現像剤としては、磁性トナー又は非磁性トナーを単独で用いる一成分現像剤と、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤とが知られている。また、トナーとしては、通常、熱可塑性樹脂を着色剤等と共に溶融混練した後、微粉砕し、更に分級する混練粉砕法により製造されるトナーが用いられている。なお、必要に応じて、流動性やクリーニング性の改善を目的として、無機微粒子や有機微粒子がトナー粒子表面に添加されることがある。
しかし、前記混練粉砕法により得られるトナーは、一般に粒度分布が広く、トナーの摩擦帯電性にムラが生じ、カブリ等が発生しやすい。また、生産効率の関係上、体積平均粒径が2〜8μmの小粒径トナーが得られにくく、高画質化の要求に対応できないという問題がある。
そこで、水相中で造粒することにより得られるトナーが注目されている。該トナーは、粒度分布が狭く、小粒径化が容易であるとともに、高画質かつ高精細な画像を得ることができ、ワックス等の離型剤の高分散による耐オフセット性、及び低温定着性にも優れる。また、帯電の均一性によって転写性に優れ、しかも流動性が良好であり、ホッパーの設計や現像ロールを回転させるためのトルクの小型化が可能になる等、現像装置の設計上も有利である。
前記水相中で造粒することにより得られるトナーとして、従来より、懸濁重合法や乳化重合凝集法等により得られるトナー(以下、ケミカルトナーという)の開発が行われている。
前記懸濁重合法は、モノマー、重合開始剤、着色剤、離型剤等を、分散安定剤を含む水相中に攪拌しながら加えて油滴を形成させ、その後、昇温して重合反応を行わせることにより、トナー粒子を得る方法である。該懸濁重合法によれば、トナー粒子の小粒径化を図ることはできるものの、結着樹脂の主成分がラジカル重合可能なビニル重合体に限られるため、カラートナー等に好適なポリエステル樹脂やエポキシ樹脂を使用することができない。また、VOC(未反応モノマー等からなる揮発性有機化合物)の低減が困難であるほか、粒度分布の狭いトナーが得られにくいという問題がある。
前記乳化重合凝集法は、例えば、ポリエステル樹脂を結着樹脂として使用し、水相中で乳化分散した後得られた微粒子と、着色剤、離型剤等を水相中で分散させて形成した分散体とを凝集させ、加熱融着させることによりトナー粒子を製造する方法である(特許文献2〜3参照)。この製造方法によれば、超微粒子の発生が無いため、乳化ロスが無く、しかも粒度分布がシャープな分級フリーのトナーの製造が可能になるものの、製造工程において加熱が必須となるため、使用する結着樹脂の選択に制約が生じ、また、着色剤等がランダムに融着してトナー粒子が形成されるので、得られるトナー粒子間で材料の組成が不均一となり、トナー粒子間での表面特性が異なり、長期にわたり安定した画像を形成することができないという問題がある。
また、有機溶媒中に活性水素と反応可能な変性ポリエステル系樹脂からなるトナーバインダーを含むトナー組成分を溶解又は分散させて形成した溶解又は分散物を樹脂微粒子を含む水系媒体中で架橋剤等と反応させ、得られた分散液から溶媒を除去してトナー粒子を製造する方法であって、更にトナー粒子の表面に残存する樹脂微粒子の量を一定値以下に制御する方法が提案されている(特許文献4参照)。この製造方法によれば、トナーの粒度分布は比較的狭くなるものの、トナー組成物の溶解又は分散物を有機樹脂微粒子を含む水系媒体中で乳化させて油滴を形成させるので、乳化と同時に油滴同士の合一が進み、体積平均粒径が大きく、トナー粒子間での材料の組成が不均一で、帯電安定性に劣り、カブリやトナー飛散が発生し易いトナーが製造されるという問題がある。
したがって、小粒径かつ粒度分布が狭く、しかも流動性に優れるというケミカルトナーの利点を保持しつつ、トナー粒子間での材料の組成が均一であり、帯電安定性に優れ、カブリやトナー飛散の発生が少なく、高画質な画像が得られるトナーが常に安定して効率よく得られる方法が強く望まれているが、該方法は未だ提供されていないのが現状である。
米国特許第2297691号明細書 特開平10−020552号公報 特開平11−007156号公報 特開2003−140381号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、トナー粒子間での材料の組成が均一であり、帯電安定性に優れ、カブリやトナー飛散の発生が少なく、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布の狭いトナー及びその効率的な製造方法、並びに、該トナーを用い、高画質化が可能な、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、トナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて調製した前記トナー材料の溶解乃至分散液を、有機樹脂微粒子を含まない水系媒体中に分散粒子として分散させて水中油滴型分散液を調製すると、互いに近傍に存在する分散粒子同士の合一が抑制されて、微小な体積平均粒径を有する分散粒子が得られ、その後、前記水中油滴型分散液中に有機樹脂微粒子を添加して該有機樹脂微粒子の存在下でトナーを造粒することにより、微小な体積平均粒径を有する前記分散粒子が合一されて、トナー粒子間での材料の組成が均一であり、帯電安定性に優れ、カブリやトナー飛散の発生が少なく、しかも小粒径かつ粒度分布の狭いトナーが得られるという知見である。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> トナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を、有機樹脂微粒子を含まない水系媒体中に分散粒子として分散させて水中油滴型分散液を調製した後、該水中油滴型分散液中に有機樹脂微粒子を添加して該有機樹脂微粒子の存在下でトナーを造粒することを特徴とするトナーの製造方法である。
<2> トナーを造粒する前に有機溶剤を除去することを含み、該有機溶剤の除去後の分散粒子における前記有機溶剤濃度が0.5〜35wt%である前記<1>に記載のトナーの製造方法である。
<3> 形状係数SF−1が120〜160であり、形状係数SF−2が115〜160であるトナーを製造する前記<2>に記載のトナーの製造方法である。
<4> トナー材料が、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを少なくとも含み、
造粒が、前記活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を生成しつつ該接着性基材を少なくとも含む粒子を得ることにより行われる前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<5> 活性水素基含有化合物における、有機溶剤中に溶解した全量に対し水系媒体中に溶出した量の比で表される分配係数が0.01以上3未満である前記<4>に記載のトナーの製造方法である。
<6> 活性水素基含有化合物がN−アルキルアルカンジアミンである前記<5>に記載のトナーの製造方法である。
<7> N−アルキルアルカンジアミンが、下記構造式(1)で表されるN−オレイル−1,3−プロパンジアミンである前記<6>に記載のトナーの製造方法である。
Figure 0004681445
ただし、前記構造式(1)中、Rはオレイル基を表す。
<8> トナー材料が、結晶性ポリエステル樹脂を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<9> 結晶性ポリエステル樹脂のDSC吸熱ピーク温度が、50〜150℃である前記<8>に記載のトナーの製造方法である。
<10> 結晶性ポリエステル樹脂のオルトジクロロベンゼン可溶分のGPCによる分子量分布が、重量平均分子量(Mw)で1,000〜30,000であり、数平均分子量(Mn)で500〜6,000であり、かつ(Mw/Mn)で2〜8である前記<8>から<9>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<11> 結晶性ポリエステル樹脂が、下記一般式(1)で表される前記<8>から<10>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
Figure 0004681445
ただし、前記一般式(1)中、n及びmは、繰返単位数を表し、Lは1〜3の整数を表し、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又は炭化水素基を表す。
<12> 結晶性ポリエステル樹脂が、その赤外吸収スペクトルにおいて965±10cm−1及び990±10cm−1の少なくともいずれかにオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有する前記<8>から<11>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<13> 有機微粒子を添加する際に、該有機微粒子と共にイオン化剤を添加させる前記<1>から<12>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<14> イオン化剤が、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる塩から選択される少なくとも1種である前記<13>に記載のトナーの製造方法である。
<15> 1価の陽イオンが、ナトリウムイオン及びカリウムイオンのいずれかを少なくとも含む前記<14>に記載のトナーの製造方法である。
<16> トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中で攪拌しながら分散させる前記<1>から<15>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<17> トナー材料の溶解乃至分散液の水系媒体中での分散の際の攪拌の速度をAm/sとし、トナーを造粒する際の攪拌速度をBm/sとしたとき、次式、7<A<23、及び、1.4<A/B<100、を充たす前記<1>から<16>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<18> トナーを造粒する前の分散粒子の体積平均粒径が、0.1〜3μmである前記<1>から<17>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<19> 前記<1>から<18>のいずれかに記載のトナーの製造方法により製造されることを特徴とするトナーである。
<20> 接着性基材が未変性ポリエステル樹脂を含む前記<19>に記載のトナーである。
<21> 未変性ポリエステル樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布が、重量平均分子量(Mw)で1,000〜30,000である前記<20>に記載のトナーである。
<22> 未変性ポリエステル樹脂の酸価が、1.0〜50.0KOHmg/gである前記<20>から<21>のいずれかに記載のトナーである。
<23> 未変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が、35〜70℃である前記<20>から<22>のいずれかに記載のトナーである。
<24> トナーの体積平均粒径が、3〜9μmである前記<19>から<23>のいずれかに記載のトナーである。
<25> トナーの体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)が1.05〜1.25である前記<19>から<24>のいずれかに記載のトナーである。
<26> トナーのガラス転移温度(Tg)が、40〜70℃である前記<19>から<25>のいずれかに記載のトナーである。
<27> トナーの酸価が、0.5〜40.0KOHmg/gである前記<19>から<26>のいずれかに記載のトナーである。
<28> 前記<19>から<27>のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤である。
<29> 前記<19>から<27>のいずれかに記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器である。
<30> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記<19>から<27>のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
<31> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を前記<19>から<27>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<32> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記<19>から<27>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
本発明のトナーの製造方法は、トナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を、有機樹脂微粒子を含まない水系媒体中に分散粒子として分散させて水中油滴型分散液を調製した後、該水中油滴型分散液中に有機樹脂微粒子を添加して該有機樹脂微粒子の存在下でトナーを造粒することを特徴とする。該トナーの製造方法においては、前記トナー材料が有機溶剤に溶解乃至分散されて前記トナー材料の溶解乃至分散液が調製される。該溶解乃至分散液が、有機樹脂微粒子を含まない水系媒体中に分散粒子として分散されて水中油滴型分散液が調製される。該水中油滴型分散液中に、有機樹脂微粒子が添加されて該有機樹脂微粒子の存在下でトナーが造粒される。ここで、前記有機樹脂微粒子を含まない水系媒体中に分散された前記分散粒子の粒径は微小であり、該微小粒径の分散粒子が、前記有機樹脂微粒子の存在下で凝集されて大径粒子となり、トナーとして造粒される。その結果、トナー粒子間での材料の組成が均一であり、帯電安定性に優れ、カブリやトナー飛散の発生が少なく、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布の狭いトナーが得られる。
なお、前記トナー材料が、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを少なくとも含み、前記造粒が、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材生成しつつ該接着性基材を少なくとも含む粒子を得ることにより行われる場合には、更に、耐凝集性、帯電性、流動性、離型性、定着性等の諸特性、特に低温定着性に優れ、高画質が得られるトナーが効率的に製造される。
また、トナーを造粒する前に有機溶剤を除去することを含み、該有機溶剤の除去後の分散粒子における前記有機溶剤濃度が0.5〜35wt%であるのが好ましく、この場合、クリーニング性に優れた異形化トナーが得られる。
前記活性水素基含有化合物における有機溶剤中に溶解した全量に対し水系媒体中に溶出した量の比で表される分配係数が0.01以上3未満であるのが好ましく、該活性水素含有化合物がN−アルキルアルカンジアミンであるのがより好ましい。この場合、前記活性水素基含有化合物の水系媒体への流出及び前記分散粒子表面への偏在が抑制され、前記分散粒子内に留まって前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と反応するため、更に帯電安定性、粒状性、耐ホットオフセット性、低温定着性等に優れたトナーが製造される。
前記トナー材料が結晶性ポリエステル樹脂を含むのが好ましい。この場合、低温定着性に特に優れたトナーが得られる。
本発明のトナーは、前記本発明のトナーの製造方法により製造される。このため、該トナーは、小粒径かつ粒度分布が狭く、トナー粒子間での材料の組成が均一であり、帯電安定性に優れ、カブリやトナー飛散の発生が少なく、高画質が得られる。また、該トナーが、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて得られる接着性基材を少なくとも含む粒子を含むと、耐凝集性、帯電性、流動性、離型性、定着性等の諸特性に優れる。該トナーを用いて画像形成を行うと、低温定着条件下で高画質が得られる。
本発明の現像剤は、前記本発明のトナーを含む。このため、該現像剤を用いて電子写真法により画像形成を行うと、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が形成される。
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナーが充填されてなる。このため、該トナー入り容器に充填された本発明の前記トナーを用いて電子写真法により画像形成を行うと、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が形成される。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する。該プロセスカートリッジは、画像形成装置に着脱可能であり、利便性に優れ、また、前記本発明のトナーを用いるので、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が形成される。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する。該画像形成装置においては、前記静電潜像形成手段が、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する。前記現像手段が、該静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像して可視像を形成する。前記転写手段が、前記可視像を記録媒体に転写する。前記定着手段が、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる。その結果、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が形成される。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む。該画像形成装置においては、前記静電潜像形成工程において、静電潜像担持体上に静電潜像が形成される。前記現像工程において、前記静電潜像が前記本発明のトナーを用いて現像され、可視像が形成される。前記転写工程において、前記可視像が記録媒体に転写される。前記定着工程において、前記記録媒体に転写された転写像が定着される。その結果、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が形成される。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、トナー粒子間での材料組成が均一であり、帯電安定性に優れ、カブリやトナー飛散の発生が少なく、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布の狭いトナー及びその効率的な製造方法、並びに、該トナーを用い、高画質化が可能な、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
(トナー及びトナーの製造方法)
本発明のトナーの製造方法は、トナー材料の溶解乃至分散液を、有機樹脂微粒子を含まない水系媒体中に分散粒子として分散させて水中油滴型分散液を調製する水中油滴型分散液調製工程と、前記水中油滴型分散液中に有機樹脂微粒子を添加して該有機樹脂微粒子の存在下でトナーを造粒するトナー造粒工程とを少なくとも含み、好ましくは前記トナー造粒工程の前に、前記有機溶剤を除去する途中有機溶剤除去工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明のトナーは、本発明のトナーの製造方法により得られる。
本発明のトナーの好ましい態様としては、前記トナー材料が、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを少なくとも含み、前記造粒が、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を生成しつつ該接着性基材を少なくとも含む粒子を得ることにより行われて製造されるトナーが挙げられる。
以下、本発明のトナーの製造方法の説明を通じて、本発明のトナーの詳細も明らかにする。
<水中油滴型分散液調製工程>
前記水中油滴型分散液調製工程は、トナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を、有機樹脂微粒子を含まない水系媒体中に分散粒子として分散させて水中油滴型分散液を調製する工程である。
本発明のトナーの製造方法においては、有機樹脂微粒子を含まない水系媒体中で前記分散粒子を形成することが必要である。前記有機樹脂微粒子は、一般に、トナー形状(平均円形度、粒度分布等)の制御などの目的で使用されるため、前記水系媒体に有機樹脂微粒子を含むと、前記分散粒子の形成と同時に、互いに近傍に位置する前記分散粒子同士の合一が進み、微小な分散粒子が得られないことがあり、所望の粒度分布、トナー形状、反応の制御、トナー粒子内の材料の偏在等の調整が困難となることがある。
−トナー材料の溶解乃至分散液−
前記トナー材料の溶解乃至分散液は、前記トナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてなる。
前記トナー材料としては、トナーを形成可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノマー、ポリマー、活性水素基含有化合物、及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)のいずれかを少なくとも含み、好ましくは結晶性ポリエステル樹脂を含み、更に必要に応じて、未変性ポリエステル樹脂や、離型剤、着色剤、帯電制御剤等のその他の成分を含んでなる。
なお、本発明の前記好ましい態様のトナーの製造方法において、前記トナー材料の溶解乃至分散液の調製は、前記有機溶剤中に、前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、前記結晶性ポリエステル樹脂、前記未変性ポリエステル樹脂、前記離型剤、前記着色剤、前記帯電制御剤、等のトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができ、前記トナー材料の中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、後述する水系媒体の調製において、該水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、前記トナー材料の溶解乃至分散液を前記水系媒体に添加する際に、該溶解乃至分散液と共に前記水系媒体に添加してもよい。
前記有機溶剤としては、前記トナー材料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、等が挙げられる。これらの中でも、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、等が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー材料100質量部に対し、40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部が更に好ましい。
−−活性水素基含有化合物−−
前記活性水素基含有化合物は、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基含有化合物は、該活性水素基含有化合物における、前記有機溶剤中に溶解した全量に対し前記水系媒体中に溶出した量の比で表される分配係数が0.01以上3未満であるのが好ましく、0.01〜1がより好ましい。前記分配係数が0.01以上3未満であると、乳化乃至分散時に、前記活性水素基含有化合物が前記水系媒体へ溶出することが抑えられ、前記分散粒子内に前記活性水素基含有化合物が保持され、トナーの性能低下を抑制することができる。
前記分配係数の測定は、後述する未変性ポリエステル樹脂(変性されていないポリエステル樹脂)50質量%酢酸エチル溶液50gに、前記活性水素基含有化合物0.125gを十分に溶解させて混合液を調製し、次いで該混合液を脱イオン水50gに添加し、200mlのガラスビーカー内で、マグネティックスターラー及び20mm径のスタラーチップを用い、回転数200rpmにて攪拌し、疑似乳化状態とする。その後、25℃にて1時間静置させ、酢酸エチル溶液(有機溶剤相)と脱イオン水(水系媒体相)とに分離させる。更に水系媒体相を単離し、塩酸水溶液により滴定して水系媒体相中の前記活性水素基含有化合物量を定量する。そして、添加した前記活性水素基含有化合物の全量に対し前記水系媒体中に溶解移動した前記活性水素基含有化合物の質量比をもって「分配係数」とする。
前記活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、該イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、前記アミン類(B)が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基、が特に好ましい。
前記アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が特に好ましい。
前記ジアミン(B1)としては、油溶性で高分子量のものが好ましく、例えばN−アルキルアルカンジアミンが好適に挙げられる。前記ジアミンが水溶性で低分子量物質であると、水への溶解度が高く、トナーの造粒時に前記水系媒体中に流出したり、前記トナー材料中の高分子量成分が前記分散粒子表面近傍に偏在し、疑似カプセル構造をとることがある。本発明のトナーの製造方法においては、前記分散粒子が微小粒子として存在する時間が長いため、前記弊害が顕著となる。一方、前記ジアミンが油溶性であると、前記水系媒体中への流出や前記分散粒子表面への偏在を抑制し、前記分散粒子内に留めておくことができ、トナー粒子間の材料組成が均一で低温定着性に優れたトナーが得られる。
前記N−アルキルアルカンジアミンとしては、例えば下記構造式(1)で表されるN−オレイル−1,3−プロパンジアミンが特に好ましい。
Figure 0004681445
ただし、前記構造式(1)中、Rはオレイル基を表す。
また、前記ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、等を使用してもよい。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、等が挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、等が挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記(B1)から(B5)のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
なお、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応乃至架橋反応においては、該伸長反応乃至前記架橋反応の反応助剤(触媒)を用いることが好ましい。該触媒としては、例えば、三級アミン化合物等が挙げられる。
前記三級アミン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が好適に挙げられる。該三級アミン化合物は、触媒として機能するだけでなく、前記水中油滴型分散液の調製において、前記トナー材料の溶解乃至分散液を前記水系媒体中に分散させる際の乳化助剤として機能する点で好ましい。
Figure 0004681445
前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いることができる。該反応停止剤を用いると、前記接着性基材の分子量等を所望の範囲に制御することができる点で好ましい。該反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)、などが挙げられる。
前記アミン類(B)と、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、前記イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、前記アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3〜3/1であるのが好ましく、1/2〜2/1であるのがより好ましく、1/1.5〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、前記ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
−−活性水素基含有化合物と反応可能な重合体−−
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記プレポリマーにおける前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
前記プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)であるのが特に好ましい。
前記ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、等が挙げられる。前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)における該ウレア結合生成基が該イソシアネート基である場合、該ポリエステル樹脂(RMPE)としては、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)等が特に好適に挙げられる。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ前記活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの、等が挙げられる。
前記ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ジオール(DIO)単独、又は前記ジオール(DIO)と少量の前記3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が好ましい。
前記ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
前記アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。前記アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。前記脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。前記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
前記3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
前記3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合物における、前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はDICと少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、等が挙げられる。
前記アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。前記アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。
前記芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、前記ジカルボン酸(DIC)、前記3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。前記低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物における前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、前記ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])が、通常、2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのが特に好ましい。
前記ポリオール(PO)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。前記イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。
これらは、1種単独でも使用することができ、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(PIC)と、前記活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、該ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と、該水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1でるのがより好ましく、3/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4がより好ましい。
前記イソシアネート基の平均数が、1未満であると、前記ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、3,000〜40,000が好ましく、4,000〜30,000がより好ましい。該重量平均分子量(Mw)が、3,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、40,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置(「GPC−8220GPC」;東ソー社製)を用い、下記測定条件に基づいて測定することができる。
すなわち、カラムは、TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー製)を用い、温度を40℃に設定し、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を、流速0.35ml/minにて流し、0.15質量%の試料溶液を100ml注入して測定する。なお、前記試料溶液は、0.15質量%の試料(活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)0.4mlを、前処理として、テトラヒドロフランTHF(安定剤含有、和光純薬製)に0.15質量%となるように溶解後、0.2μmフィルターで濾過して得られた濾液を使用する。
前記試料の分子量測定にあたっては、前記試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、及びトルエンを用いる。また、検出器には、RI(屈折率)検出器を用いる。
−−結晶性ポリエステル樹脂−−
前記結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性を有し、定着開始温度付近において急激な粘度低下を生ずる熱溶融特性を示す。すなわち、溶融開始温度直前までは結晶性により耐熱保存性が良好で、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を生じて定着することから、優れた耐熱保存性と低温定着性とを両立するトナーを作製することができる。また、離型幅(低温定着下限温度とホットオフセット発生温度との差)にも優れる。
前記結晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコール成分としての炭素数2〜6のジオール化合物、特に1,4-ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及びこれらの誘導体を80モル%以上、好ましくは85〜100モル%含有したものと、少なくとも酸性分としてのマレイン酸、フマル酸、コハク酸、及びこれらの誘導体と、を用いて合成される下記一般式(1)で表される結晶性ポリエステル樹脂が好適に挙げられる。
Figure 0004681445
前記一般式(1)中、n及びmは、繰返単位数を表し、Lは1〜3の整数を表し、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又は炭化水素基を表す。
前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性及び軟化点を制御するため、前記結晶性ポリエステルの合成を行う際に、アルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールや、酸成分に無水トリメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行った非線状ポリエステルなどを使用してもよい。なお、前記結晶性ポリエステルの分子構造は、固体NMR等により確認することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、オルトジクロロベンゼン可溶分のGPCによる分子量分布で、1,000〜30,000が好ましく、1,000〜6,500がより好ましい。該重量平均分子量(Mw)が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、30,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記結晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)としては、オルトジクロロベンゼン可溶分のGPCによる分子量分布で、500〜6,000が好ましく、500〜2,000がより好ましい。また、(Mw/Mn)としては、2〜8が好ましく、2〜5がより好ましい。
なお、前記GPCによる分子量分布において、横軸をlog(M)、縦軸を質量%で表した分子量分布図のピーク位置が3.5〜4.0の範囲にあり、ピークの半値幅が1.5以下であるのが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の融解温度及びF1/2温度としては、耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが好ましく、例えば、DSC吸熱ピーク温度が50〜150℃であるのが好ましい。該融解温度及び該F1/2温度が50℃未満であると、耐熱保存性が悪化し、現像装置内部の温度でブロッキングが発生しやすくなり、150℃を超えると、定着下限温度が高くなるため低温定着性が悪化することがある。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、赤外吸収スペクトルにおいて965±10cm−1及び990±10cm−1の少なくともいずれかにオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するのが好ましい。該オレフィンのδCHに基づく吸収が前記位置に存在すると、低温定着性が向上する。
前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価としては、紙と樹脂との親和性の観点から、低温定着性を実現するためには、8mgKOH/g以上が好ましく、20mgKOH/g以上がより好ましい。一方、ホットオフセット性を向上させるためには、45mgKOH/g以下が好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、低温定着性、帯電特性の向上の点で、0〜50mgKOH/gが好ましく、5〜50mgKOH/gがより好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂(b)及び前記結晶性ポリエステル樹脂(c)を前記トナーに含有させる場合、前記ウレア結合性生成基含有ポリエステル樹脂(a)と前記未変性ポリエステル樹脂(b)と前記結晶性ポリエステル樹脂(c)との混合質量比としては、通常(a)/(b)+(c)が5/95〜25/75であり、10/90〜25/75が好ましく、12/88〜25/75がより好ましく、12/88〜22/78が更に好ましく、かつ、(b)と(c)との質量比が、99/1〜50/50であり、95/5〜60/40が好ましく、90/10〜65/35がより好ましい。前記質量比が前記数値範囲を外れると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、離型剤、着色剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、等が好適に挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックス等が挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が特に好ましい。
前記融点が、40℃未満であると、前記離型剤が耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の融点(Tm)は、島津製作所製の「TA−60WS」及び「DSC−60」を用い、下記測定条件に基づいて示差走査型熱量測定(DSC)を行い、得られたDSC曲線の最大吸熱量を示したピークトップで決定される。
すなわち、サンプル容器として、アルミニウム製サンプルパン(蓋有り)を用い、サンプル量は5mgに設定し、リファレンスとしてアルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)を使用し、窒素雰囲気下(流量50ml/min)にて行う。温度条件としては、開始温度20℃から昇温速度10℃/minにて終了温度150℃まで昇温した後、保持時間なしで、降温速度10℃/minにて終了温度20℃まで降温し、更に保持時間なしで、昇温速度10℃/minにて終了温度150℃まで昇温する。
上記測定条件にて得られた結果は、島津製作所製データ解析ソフト(「TA−60」、バージョン1.52)を用いて解析することができる。解析方法としては、2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線の最大ピークを示す点を中心として、±5℃の範囲を指定し、前記解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次いで、DSC曲線で+5℃、及び−5℃の範囲で前記解析ソフトのピーク解析機能を用いてDSC曲線の最大吸熱温度を求める。そして、ここで示された温度が、前記離型剤の融点(Tm)に相当する。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1,000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、等が挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、あるいは前記トナーの各成分と共に前記有機溶剤に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。該含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積としては、20〜500m/gが好ましい。
前記無機微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜5.0質量%がより好ましい。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布の狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
−水系媒体−
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、等が挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、前記水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、等が挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、上述の通り、前記水系媒体には有機樹脂微粒子を含まないことが必要である。
−分散粒子−
前記分散粒子は、前記トナー材料の溶解乃至分散液が前記水系媒体中に分散されて形成された、前記トナー材料の溶解乃至分散液からなる分散体(油滴)であり、前記分散粒子の組成としては、前記トナー材料の溶解乃至分散液の組成と同一である。すなわち、前記分散粒子は、例えば、前記モノマー、前記ポリマー、及び前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)等のいずれかを少なくとも含み、更に必要に応じて、前記未変性ポリエステル樹脂や、前記離型剤、前記着色剤、前記帯電制御剤等の前記その他の成分を含むトナー材料を含んでなる。
前記分散粒子の形成は、前記トナー材料の溶解乃至分散液を前記水系媒体中に分散させて水中油滴型分散液を調製することにより行われる。
前記分散粒子の体積平均粒径(Mv)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーを造粒する前の体積平均粒径は、0.1〜3μmが好ましく、0.1〜2μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。前記分散粒子の体積平均粒径(Mv)が微小であると、該分散粒子が合一されて形成されるトナー粒子間での材料の組成の偏りがなく、トナー粒子間で帯電量が均一となるため、帯電性に優れたトナーが造粒される。
前記分散粒子の体積平均粒径の測定は、例えば、粒度分布測定装置(「nanotrac UPA−150EX」;日機装株式会社製)を用いて測定し、解析ソフト(「マイクロトラック パーティクルサイズ アナライザー、Ver.10.1.2−016EE」;日機装社製)により解析することができる。
まず、ガラス製30mlサンプル瓶に前記トナー材料の溶解乃至分散液、及び該トナー材料の溶解乃至分散液に用いた溶媒(例えば、酢酸エチル)を添加し、10質量%の分散液を調製する。得られた分散液について、超音波分散器(「W−113MK−II」;本多電子社製)を用いて2分間分散処理を行う。
次いで、前記溶媒(例えば、酢酸エチル)でバックグラウンドを測定した後、分散処理後の分散液を滴下し、前記粒度分布測定装置のサンプルローディングの値が、1〜10の範囲となる条件にて分散粒子径を測定する。なお、この分散粒子径の測定再現性の点から、前記サンプルローディングの値が1〜10の範囲となる条件で測定することが必要であり、該サンプルローディングの値を得るために、前記分散液の滴下量を適宜調節するのが好ましい。
測定及び解析条件としては、例えば、分布表示は「体積」に、粒径区分選択は「標準」に、粒子透過性は「透過」に、粒子形状は「非球形」にそれぞれ設定し、チャンネル数44、測定時間60秒間、測定回数1回、粒子屈折率1.5、密度1g/cmで行う。また、溶媒屈折率の値は、日機装社発行の「測定時の入力条件に関するガイドライン」に記載されている値(図4A〜図4C参照)のうち、前記トナー材料の溶解乃至分散液の溶媒(例えば、酢酸エチル)の屈折率(例えば、1.37)を用いることができる。
前記トナー材料の溶解乃至分散液の前記水系媒体中への分散は、前記トナー材料の溶解乃至分散液を前記水系媒体中で攪拌しながら分散させるのが好ましい。該分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機等を用いて行うことができ、該分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速剪断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、等が挙げられる。これらの中でも、前記分散粒子の粒径を0.1〜3μmに制御することができる点で、高速剪断式分散機が好ましい。
<途中有機溶剤除去工程>
前記途中有機溶剤除去工程は、トナーを造粒する前(トナー造粒工程の前)に前記分散粒子から前記有機溶剤を除去する工程である。
前記途中有機溶剤除去工程においては、所望の固形分濃度まで前記有機溶剤を除去した後、前記分散粒子を合一成長させるので、異形化した(球形とは異なり不定形の)粒子を形成させることができる。得られた粒子には凝集塊が残存するので、感光体でのブレードクリーニング性能を向上させることができる。
前記途中有機溶剤除去工程においては、前記有機溶剤の除去後の前記分散粒子における前記有機溶剤濃度が0.5〜35wt%であるのが好ましく、0.5〜10wt%がより好ましい。
前記有機溶剤濃度が0.5wt%未満であると、前記分散粒子の粘度が高くなり、造粒する際に前記分散粒子が凝集しても、融着することができず、トナーの使用中に粒子が崩れることがあり、35wt%を超えると、前記分散粒子を造粒した場合、粒子の凝集状態の維持が弱くなり、異形化し難くなることがある。前記有機溶剤濃度が0.5〜35wt%であると、凝集状態を維持したまま異形化したトナー粒子が形成され、クリーニング性に優れる。また、凝集塊からトナー粒子が形成されるときに崩れることが抑制される。
前記有機溶剤の除去の方法としては、例えば、(1)反応系全体を徐々に減圧させて、前記分散粒子中の前記有機溶剤を蒸発除去する方法、(2)反応系全体を徐々に昇温させて、前記分散粒子中の前記有機溶剤を蒸発除去する方法、(3)水中油滴型分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、前記分散粒子中の非水溶性有機溶剤を除去する方法、等が挙げられる。
前記水中油滴型分散液が噴霧される乾燥雰囲気としては、例えば、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等加熱した気体や、使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流などが挙げられる。これらは、スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリードライアー、ロータリーキルン等による短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
また、前記途中有機溶剤除去工程により、形状係数SF−1が120〜160であり、形状係数SF−2が115〜160であるトナーを製造するのが好ましい。
前記形状係数SF−1が120未満、及び前記形状係数SF−2が115未満であると、クリーニング性が悪化することがあり、前記形状係数SF−1及び前記形状係数SF−2が160を超えると、感光体及び中間転写ベルトやローラからのトナーの転写不良が生じ、画質の劣化を招くことがある。
前記形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される、トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
前記式(1)より、SF−1の値が100の場合にトナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
前記形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される、トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100π/4)・・・式(2)
前記式(2)より、SF−2の値が100の場合にトナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
前記形状係数の測定は、具体的には、電界放出型走査電子顕微鏡(「S−4500型」;日立製作所製)を用い、加速電圧8kV、2,000倍でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(「LUSEX3」;ニコレ社製)に導入し、解析して計算することができる。
<トナー造粒工程>
前記トナー造粒工程は、前記水中油滴型分散液中に有機樹脂微粒子を添加して該有機樹脂微粒子の存在下でトナーを造粒する工程である。
前記水中油滴型分散液調製工程においては、前記水系媒体中に前記有機樹脂微粒子を含まないことにより、微小な分散粒子を得ることができ、前記トナー造粒工程において前記有機樹脂微粒子を添加することにより、トナーの形状や粒度分布を制御することができ、粒度分布の狭いトナーが得られる。
−有機樹脂微粒子−
前記有機樹脂微粒子としては、前記水中油滴型分散液中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
なお、前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、等が挙げられる。
また、前記有機樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を含んでなる共重合体を用いることもできる。
前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレート等が挙げられる。
前記有機樹脂微粒子は、目的に応じて適宜選択した公知の方法に従って重合させることにより得ることができるが、該有機樹脂微粒子の水性分散液として得るのが好ましい。該有機樹脂微粒子の水性分散液の調製方法としては、例えば、(1)前記ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、有機樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法、(2)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、有機樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法、(3)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって有機樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより有機樹脂微粒子を得た後、該有機樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより有機樹脂微粒子を析出させ、次に溶剤を除去して有機樹脂微粒子を得た後、該有機樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法、(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、などが好適に挙げられる。
前記有機樹脂微粒子は、その添加量によりトナーの粒径を変化させることができ、該有機樹脂微粒子の前記水中油滴型分散液中への添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10質量%が好ましい。
前記有機樹脂微粒子を添加する際に、該有機樹脂微粒子と共にイオン化剤を添加させるのが好ましい。該イオン化剤を添加させることにより、前記分散粒子同士を合一させることができ、前記分散粒子を所望の粒径まで成長させることができる。
前記イオン化剤としては、前記分散粒子を凝集させることができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる塩から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
前記1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる塩における、前記1価の陽イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が好ましい。
したがって、前記イオン化剤としては、具体的には、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、等が好適に挙げられる。
前記水中油滴型分散液調製工程における、前記トナー材料の溶解乃至分散液の前記水系媒体中での分散の際の攪拌速度をAm/sとし、トナーを造粒する際の攪拌速度をBm/sとしたとき、次式、7<A<23、及び、1.4<A/B<100、を充たすのが好ましい。前記分散の際の攪拌速度Aが前記数式を充たすと、所望の微小粒径の分散粒子を得ることができ、また、トナーを造粒する際の攪拌速度Bとの関係で、A/Bが前記数式を充たすと、前記分散粒子の粒径をコントロールして所望の粒径に増大させることができ、トナー粒子間での材料の組成が均一であり、帯電性、定着性等に優れ、小粒径かつ粒度分布の狭いトナーを得ることができる。すなわち、前記トナー材料の溶解乃至分散液の前記水系媒体中での分散の際には、攪拌速度を速く設定することにより前記分散粒子を形成させることができ、トナーを造粒する前には、前記分散時と比較して攪拌速度を遅く設定することにより前記分散粒子を合一させて前記分散粒子の体積平均粒径を増大させることができる。
本発明の前記好ましい態様のトナーの製造方法においては、前記水中油滴型分散液の調製工程乃至トナー造粒工程において、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを伸長反応乃至架橋反応させると、接着性基材が生成する。
−接着性基材−
前記接着性基材は、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を前記水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを少なくとも含み、更に公知の結着樹脂から適宜選択した結着樹脂を含んでいてもよい。
前記接着性基材の重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3,000以上が好ましく、5,000〜1,000,000がより好ましく、7,000〜500,000が特に好ましい。
前記重量平均分子量(Mw)が、3,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記接着性基材のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、30〜70℃が好ましく、40〜65℃がより好ましい。前記トナーでは、架橋反応、伸長反応したポリエステル樹脂が共存していることにより、従来のポリエステル系トナーと比較してガラス転移温度が低くても良好な保存性を示すものである。
前記ガラス転移温度(Tg)が、30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
前記ガラス転位温度(Tg)は、測定装置として、島津製作所製の「TA−60WS」及び「DSC−60」を用い、下記測定条件で測定することができる。即ち、
サンプル容器としてアルミニウム製サンプルパン(蓋有り)を用い、サンプル量は5mgに設定し、リファレンスとしてアルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)を使用し、窒素雰囲気下(流量50ml/min)にて測定を行う。また、温度条件としては、開始温度20℃から昇温速度10℃/minにて終了温度150℃まで昇温した後、保持時間なしで、降温速度10℃/minにて終了温度20℃まで降温し、更に保持時間なしで、昇温速度10℃/minにて、終了温度150℃まで昇温する。
前記測定条件にて得られた結果は、島津製作所製データ解析ソフト(「TA−60」、バージョン1.52)を用いて解析することができる。解析方法としては、2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線の最も低温側に最大ピークを示す点を中心として、±5℃の範囲を指定し、前記解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次いで、DSC曲線で+5℃、及び−5℃の範囲で前記解析ソフトのピーク解析機能を用いてDSC曲線の最大吸熱温度を求める。そして、ここで示された温度が、前記接着性基材のガラス転位温度(Tg)に相当する。
また、前記ガラス転移温度は、例えば、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、以下の方法により測定することができる。まず、トナー約10mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットにのせ、電気炉中にセットする。室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置し、室温まで試料を冷却して10min放置する。その後、窒素雰囲気下、150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して示差走査熱量計(DSC)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、TG−DSCシステムTAS−100システム中の解析システムを用いて、ガラス転移温度(Tg)近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点からガラス転移温度(Tg)を算出することができる。
前記接着性基材の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエステル系樹脂、等が特に好適に挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレア変性ポリエステル系樹脂、等が特に好適に挙げられる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、前記活性水素基含有化合物としてのアミン類(B)と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としてのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)とを前記水相中で反応させて得られる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよく、この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。
前記ウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、以下(1)から(10)、即ち、(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをN−アルキルアルカンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをN−アルキルアルカンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをN−アルキルアルカンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをN−アルキルアルカンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、等が好適に挙げられる。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂等が挙げられるが、特に、前記未変性ポリエステル樹脂(変性されていないポリエステル樹脂)が好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂を前記トナー中に含有させると、低温定着性及び光沢性を向上させることができる。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂と同様のもの、即ちポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物、等が挙げられる。該未変性ポリエステル樹脂は、その一部が前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と相溶していること、すなわち、互いに相溶可能な類似の構造であるのが、低温定着性、耐ホットオフセット性の点で好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜15,000がより好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあるので、上述したように前記重量平均分子量(Mw)が1,000未満である成分の含有量は、8〜28質量%であることが必要である。一方、前記重量平均分子量(Mw)が30,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置(「GPC−8220GPC」;東ソー社製)を用い、下記測定条件に基づいて測定することができる。
すなわち、カラムは、TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー製)を用い、温度を40℃に設定し、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を、流速0.35ml/minにて流し、0.15質量%の試料溶液を100ml注入して測定する。なお、前記試料溶液は、0.15質量%の試料(未変性ポリエステル樹脂)0.4mlを、前処理として、テトラヒドロフランTHF(安定剤含有、和光純薬製)に0.15質量%となるように溶解後、0.2μmフィルターで濾過して得られた濾液を使用する。
前記試料の分子量測定にあたっては、前記試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、及びトルエンを用いる。また、検出器には、RI(屈折率)検出器を用いる。
前記未変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度としては、35〜70℃が好ましい。前記ガラス転移温度が、35℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が不十分となることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、5mgKOH/gが以上が好ましく、10〜120mgKOH/gがより好ましく、20〜80mgKOH/gが更に好ましい。前記水酸基価が、5未満であると、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の酸価としては、通常、1.0〜30.0mgKOH/gであり、5.0〜20.0mgKOH/gが好ましい。一般に前記トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
前記未変性ポリエステル樹脂を前記トナーに含有させる場合、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と該未変性ポリエステル樹脂(PE)との混合質量比(RMPE/PE)としては、5/95〜25/75が好ましく、10/90〜25/75がより好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂(PE)の混合質量比が、95を超えると、耐ホットオフセット性が悪化することがあり、75未満であると、低温定着性や画像の光沢性が悪化することがある。
前記接着性基材(例えば、前記ウレア変性ポリエステル樹脂)は、例えば、(1)前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記トナー材料の溶解乃至分散液を、前記活性水素基含有化合物(例えば、前記アミン類(B))と共に、前記水系媒体中に乳化乃至分散させ、前記分散粒子を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、(2)前記トナー材料の溶解乃至分散液を、予め前記活性水素基含有化合物を添加した前記水系媒体中に乳化乃至分散させ、前記分散粒子を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、あるいは(3)前記トナー材料の溶解乃至分散液を、前記水系媒体中に添加混合させた後で、前記活性水素基含有化合物を添加し、前記分散粒子を形成し、該水系媒体中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよい。なお、前記(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子において濃度勾配を設けることもできる。
前記乳化乃至分散により、前記接着性基材を生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と前記活性水素基含有化合物との組合せに応じて適宜選択することができ、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましく、反応温度としては、0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。
前記水系媒体中において、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記分散粒子を安定に形成する方法としては、例えば、前記水系媒体中に、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))、前記未変性ポリエステル樹脂、前記着色剤、前記帯電制御剤、等の前記トナー材料を前記有機溶剤に溶解乃至分散させて調製した前記トナー材料の溶解乃至分散液を添加し、剪断力により分散させる方法、等が挙げられる。
前記乳化乃至分散において、前記水系媒体の使用量としては、前記トナー材料100質量部に対し、50〜2,000質量部が好ましく、100〜1,000質量部がより好ましい。
前記使用量が、50質量部未満であると、前記トナー材料の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
前記乳化乃至分散においては、必要に応じて、前記分散粒子を安定化させ、所望の形状を得つつ粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、等が挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。該陽イオン界面活性剤の中でも、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。該カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子社製);フロラードFC−135(住友3M社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、等が挙げられる。前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
前記水中油滴型分散液の調製においては、必要に応じて分散安定剤を用いることができる。
該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。
該分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記トナー造粒工程においては、前記水中油滴型分散液調製工程において形成した前記分散粒子を合一させた後、該分散粒子から更に前記有機溶剤を除去する。
なお、前記有機溶剤の除去は、例えば、公知の溶解懸濁法や、本発明の前記好ましい態様のトナーの製造方法等によりトナーを製造する場合に行われる。
前記有機溶剤の除去は、例えば、(1)反応系全体を徐々に減圧させて、前記分散粒子中の前記有機溶剤を蒸発除去する方法、(2)反応系全体を徐々に昇温させて、前記分散粒子中の前記有機溶剤を蒸発除去する方法、(3)水中油滴型分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、前記分散粒子中の非水溶性有機溶剤を除去する方法、等により行うことができる。
前記水中油滴型分散液が噴霧される乾燥雰囲気としては、例えば、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等加熱した気体や、使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流などが挙げられる。これらは、スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリードライアー、ロータリーキルン等による短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
前記有機溶剤の除去が行われると、トナー粒子が形成される。該トナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
こうして、得られたトナー粒子を、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、更に機械的衝撃力を印加することにより、該トナー粒子の表面から該離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢、等が挙げられる。
本発明のトナーの製造方法により得られるトナーは、以下のような、体積平均粒径(Dv)、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)、針入度、低温定着性、オフセット未発生温度、熱特性、ガラス転移温度、酸価、画像濃度、等を有していることが好ましい。
前記トナーの体積平均粒径(Dv)としては、例えば、3〜9μmが好ましく、3〜7μmがより好ましい。
前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、9μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記トナーにおける体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、例えば、1.05〜1.25が好ましく、1.05〜1.20がより好ましい。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.05未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、クリーニング性を悪化させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、1.25を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.05〜1.20であると、耐熱保存性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、特に、フルカラー複写機に使用した場合に画像の光沢性に優れる。二成分現像剤では長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られ、一成分現像剤ではトナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なくなるとともに、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するブレード等への部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期使用(攪拌)においても、良好で安定した現像性が得られるため、高画質の画像を得ることができる。
前記体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、及び前記体積平均粒径と個数平均粒子径との比(Dv/Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」;ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)により解析することができる。具体的には、ガラス製100mlビーカーに、10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩、「ネオゲンSC−A」;第一工業製薬製)を0.5ml添加した後、トナー5gを添加し、ミクロスパーテルを用いて攪拌し、次いで、イオン交換水80mlを添加する。得られた分散液について、超音波分散器(「W−113MK−II」;本多電子社製)を用いて10分間分散処理を行う。そして、得られた分散液を、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用い、前記マルチサイザーIIIにより測定する。なお、前記マルチサイザーIIIが示す濃度が、8±2質量%となるように、前記分散液を滴下する。前記マルチサイザーIIIを用いた測定法においては、粒径の測定再現性の観点から、前記濃度を8±2質量%となるようにすることが重要であり、該濃度範囲であれば、粒径に誤差が生じないと認められる。
前記針入度としては、例えば、針入度試験(JIS K2235−1991)で測定した針入度が、15mm以上であることが必要であり、20〜30mmがより好ましい。
前記針入度が、15mm未満であると、耐熱保存性が悪化することがある。
前記針入度は、JIS K2235−1991に従って測定することができ、具体的には、50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に20時間放置する。このトナーを室温まで冷却し、針入度試験を行うことにより針入度を測定することができる。なお、前記針入度の値が大きい程、前記耐熱保存性が優れることを示している。
前記低温定着性としては、定着温度低下とオフセット未発生とを両立させる観点からは、定着下限温度が低くなるほど好ましく、また、オフセット未発生温度が高くなるほど好ましく、定着温度低下とオフセット未発生とを両立させ得る温度領域としては、前記定着下限温度が120℃未満であり、前記オフセット未発生温度が200℃以上である。
なお、前記定着下限温度は、例えば、画像形成装置を用い、転写紙をセットし、複写テストを行い、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着部材温度を定着下限温度としたものである。
前記オフセット未発生温度は、例えば、画像形成装置を用いて、評価するトナーが所定量で現像されるように調整し、定着部材の温度が可変となるように調整して、オフセットの発生しない温度を測定することによって求めることができる。
前記熱特性は、フローテスター特性とも言われ、例えば、軟化温度(Ts)、流出開始温度(Tfb)、1/2法軟化点(T1/2)などとして評価される。
これらの熱特性は、高架式フローテスターCFT500型(島津製作所製)を用いて下記条件で測定したフローカーブから求めることができる。即ち、
荷重を10kg/cm、昇温速度を3.0℃/minにそれぞれ設定し、ダイ口径0.50mm、ダイ長さ10.0mmで行う。
前記フローカーブの一例を図5A及び図5Bに示す。なお、図5A中、Tsは軟化温度であり、Tfbは流出開始温度であり、図5B中、1/2法における溶融温度が、T1/2軟化温度(1/2法軟化点)である。
前記軟化温度(Ts)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30℃以上が好ましく、50〜90℃がより好ましい。前記軟化温度(Ts)が、30℃未満であると、耐熱保存性が悪化することがある。
前記流出開始温度(Tfb)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、60℃以上が好ましく、80〜120℃がより好ましい。前記流出開始温度(Tfb)が、60℃未満であると、耐熱保存性及び耐オフセット性の少なくともいずれかが悪化することがある。
前記1/2法軟化点(T1/2)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90℃以上が好ましく、100〜170℃がより好ましい。前記1/2法軟化点(T1/2)が、90℃未満であると、耐オフセット性が悪化することがある。
前記ガラス転移温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、40〜70℃が好ましく、45〜65℃がより好ましい。該ガラス転移温度(Tg)が、40℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
前記ガラス転位温度(Tg)は、測定装置として、島津製作所製の「TA−60WS」及び「DSC−60」を用い、下記測定条件で測定することができる。即ち、
サンプル容器としてアルミニウム製サンプルパン(蓋有り)を用い、サンプル量は5mgに設定し、リファレンスとしてアルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)を使用し、窒素雰囲気下(流量50ml/min)にて測定を行う。また、温度条件としては、開始温度20℃から昇温速度10℃/minにて終了温度150℃まで昇温した後、保持時間なしで、降温速度10℃/minにて終了温度20℃まで降温し、更に保持時間なしで、昇温速度10℃/minにて、終了温度150℃まで昇温する。
前記測定条件にて得られた結果は、島津製作所製データ解析ソフト(「TA−60」、バージョン1.52)を用いて解析することができる。解析方法としては、2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線の最も低温側に最大ピークを示す点を中心として、±5℃の範囲を指定し、前記解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次いで、DSC曲線で+5℃、及び−5℃の範囲で前記解析ソフトのピーク解析機能を用いてDSC曲線の最大吸熱温度を求める。そして、ここで示された温度が、前記トナーのガラス転位温度(Tg)に相当する。
前記トナーの酸価としては、例えば、0.5〜40.0(KOHmg/g)が好ましく、3.0〜35.0がより好ましい。該トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
前記トナーの酸価(AV)、あるいは水酸基価(OHV)は、下記測定装置を用いて下記測定条件に基づいて測定することができる。即ち、
前記測定装置としては、電位差自動滴定装置(「DL−53 Titrator」;メトラー・トレド社製)を用い、使用電極としてDG113−SC(メトラー・トレド社製)を用い、解析ソフト(LabX Light Version 1.00.000)により解析を行う。また、前記測定装置の構成としては、トルエン120mlとエタノール30mlとの混合溶媒を使用する。
前記測定条件としては、測定温度を23℃とし、下記設定で行う。
<Stir>
Speed[%]:25
Time[s]:15
<EQP titration>
−Titrant/Sensor−
Titrant:CHONa
Concentration[mol/L]:0.1
Sensor:DG115
Unit of measurement:mV
−Predispensing to volume−
Volume[mL]:1.0
Wait time[s]:0
−Titrant addition Dynamic−
dE(set)[mV]:8.0
dV(min)[mL]:0.03
dV(max)[mL]:0.5
−Measure mode Equilibrium controlled−
dE[mV]:0.5
dt[s]:1.0
t(min)[s]:2.0
t(max)[s]:20.0
−Recognition−
Threshold:100.0
Steepest jump only:No
Range:No
Tendency:None
−Termination−
at maximum volume[mL]:10.0
at potential:No
at slope:No
after number EQPs:Yes
n=1
comb.termination conditions:No
−Evaluation−
Procedure:Standard
Potential1:No
Potential2:No
Stop for reevaluation:No
そして、前記測定装置を用い、前記測定条件にて、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して測定を行う。
ここで、試料としては、トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mlに添加して、室温(23℃)にて、約10時間攪拌して溶解させる。更にエタノール30mlを添加して調製した溶液を用いる。
予め標定されたN/10苛性カリ−アルコール溶液を用いて滴定し、アルコールカリ液の消費量から、下記式により酸価を算出することができる。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料質量・・・・・式
ただし、NはN/10KOHのファクターである。
前記画像濃度は、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定した濃度値が、例えば、1.40以上が好ましく、1.45以上がより好ましく、1.50以上が更に好ましい。
前記画像濃度が、1.40未満であると、画像濃度が低く、高画質が得られないことがある。
前記画像濃度は、例えば、タンデム型カラー電子写真装置(「imagio Neo 450」;株式会社リコー製)を用いて、複写紙(「タイプ 6200」;株式会社リコー製)に現像剤の付着量が1.00±0.1mg/cmのベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成し、得られたベタ画像における任意の5箇所の画像濃度を、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定しその平均値を算出することにより、測定することができる。
本発明のトナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができる。
本発明のトナーの製造方法は、前記トナー材料の溶解乃至分散液を、前記有機樹脂微粒子を含まない水系媒体中に分散粒子として分散させて前記水中油滴型分散液を調製し、該水中油滴型分散液中に前記有機樹脂微粒子を添加して該有機樹脂微粒子の存在下でトナーを造粒するので、トナー粒子間での材料の組成が均一であり、帯電安定性に優れ、カブリやトナー飛散の発生が少なく、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布の狭いトナーが効率的に製造される。
本発明のトナーは、小粒径かつ粒度分布が狭く、トナー粒子間での材料の組成が均一であり、帯電安定性に優れ、カブリやトナー飛散の発生が少なく、高品質な画像を形成することができる。また、本発明のトナーが、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を水相中で反応させて得られる前記接着性基材を少なくとも含む粒子を含むと、耐凝集性、帯電性、流動性、離型性、定着性等の諸特性に優れる。このため、本発明のトナーは、各種分野において好適に使用することができ、電子写真法による画像形成に、より好適に使用することができ、以下の本発明のトナー入り容器、現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に使用することができる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、前記キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料等が好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、体積平均粒径で、10〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、等が挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、等が挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、等が挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
本発明の現像剤は、前記トナーを含有しているので、転写性、定着性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
(トナー入り容器)
本発明のトナー入り容器は、本発明のトナー乃至前記現像剤を容器中に充填してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、等が好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状等が好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、等が特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、等が好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の電子写真装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明の前記トナー入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、等が好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該現像剤に含まれるトナーは、本発明の前記トナーである。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用カラートナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図1を参照しながら説明する。図1に示す画像形成装置100は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下「感光体10」という)と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されており、また、最終転写材としての転写紙95に現像像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器52が、該中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、感光体10の周囲に、直接対向して配置されているブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。
図1に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図2を参照しながら説明する。図2に示す画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置である。タンデム画像形成装置100は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図2中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置100においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図3に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、該感光体を一様に帯電させる帯電器60と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図3中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー像を形成する現像器61と、該トナー像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ58で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法では、小粒径かつ粒度分布が狭く、低温での離型性に優れ、フィルミングの発生が少なく、低温定着性と耐熱保存性とを両立する本発明の前記トナーを用いるので、高画質が効率よく得られる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<水中油滴型分散液調製工程>
以下のようにして、分散粒子が分散されてなる水中油滴型分散液を調製した。
−トナー材料の溶解乃至分散液の調製−
−−未変性ポリエステル(低分子ポリエステル)の合成−−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて5時間反応させて未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,500、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が51であった。
−−マスターバッチ(MB)の調製−−
水1200質量部、前記着色剤としてのカーボンブラック(「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
−−有機溶剤相の調製−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、前記未変性ポリエステル378質量部、カルナバワックス110質量部、CCA(「サリチル酸金属錯体E−84」;オリエント工業製)22質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、攪拌下80℃まで昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却した。次いで、反応容器中に、前記マスターバッチ500質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、1時間混合して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1324質量部を反応容器に移し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして、前記カーボンブラック及び前記カルナバワックスの分散を行った。次いで、該分散液に前記未変性ポリエステルの65質量%酢酸エチル溶液1324質量部を添加した。上記同様の条件のビーズミルで1パスし、分散させ、有機溶剤相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶剤相の固形分濃度(測定条件:130℃、30分)は、50質量%であった。
−−プレポリマーの合成−−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記未変性ポリエステル410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.53質量%であった。
−−ケチミン(前記活性水素基含有化合物)の合成−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン170質量部及びメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物(前記活性水素機含有化合物)のアミン価は418であった。
反応容器中に、前記有機溶剤相749質量部、前記プレポリマー115質量部、及び前記ケチミン化合物2.9質量部、及び三級アミン化合物(「U−CAT 660M」;サンアプロ(株)製)3.5質量部を仕込み、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて7.5m/sにて1分間混合してトナー材料の溶解乃至分散液を調製した。
−水系媒体相の調製−
水990質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を、混合撹拌し、乳白色の液体(水系媒体相)を得た。
−乳化乃至分散−
前記トナー材料の溶解乃至分散液中に前記水系媒体相1200質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)で、周速15m/sにて20分間混合し、水中油滴型分散液(乳化スラリー)を調製した。
得られた水中油滴型分散液(乳化スラリー)中の分散粒子の体積平均粒径(Mv)を、粒度分布測定装置(「nanotrac UPA−150EX」;日機装株式会社製)を用いて測定したところ、0.392μmであった。
<トナー造粒工程>
−分散粒子の粒径制御−
−−有機樹脂微粒子分散液の調製−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業製)20質量部、スチレン78質量部、メタクリル酸78質量部、アクリル酸ブチル120質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌し、白色の乳濁液を得た。該乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温して5時間反応させた。次いで、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を添加し、75℃にて5時間熟成して、ビニル樹脂粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(有機樹脂微粒子分散液)を調製した。
得られた有機樹脂微粒子分散液に含まれる有機樹脂微粒子の体積平均粒径(Mv)は、粒度分布測定装置(「nanotrac UPA−150EX」;日機装株式会社製)を用いて測定し、解析ソフト(「マイクロトラック パーティクルサイズ アナライザー、Ver.10.1.2−016EE」;日機装社製)を用いて解析を行った。
まず、ガラス製30mlサンプル瓶に前記有機樹脂微粒子分散液、及び該有機樹脂微粒子分散液に用いた溶媒としての水を添加し、10質量%の分散液を調製した。得られた分散液を、超音波分散器(「W−113MK−II」;本多電子社製)を用いて2分間分散処理した。
次いで、前記溶媒としての水でバックグラウンドを測定した後、分散処理後の分散液を滴下し、前記粒度分布測定装置のサンプルローディングの値が、1〜10の範囲となる条件にて分散粒子径を測定した。なお、この分散粒子径の測定再現性の点から、前記サンプルローディングの値が1〜10の範囲となる条件で測定することが必要であり、該サンプルローディングの値を得るために、前記分散液の滴下量を適宜調節した。
測定及び解析条件としては、分布表示は「体積」に、粒径区分選択は「標準」に、粒子透過性は「透過」に、粒子形状は「非球形」にそれぞれ設定し、チャンネル数44、測定時間60秒間、測定回数1回、粒子屈折率1.5、密度1g/cmで行った。また、溶媒屈折率の値は、日機装社発行の「測定時の入力条件に関するガイドライン」に記載されている値(図4A〜図4C参照)のうち、前記有機樹脂微粒子分散液の溶媒としての水の屈折率1.33を用いた。
その結果、有機樹脂微粒子の体積平均粒径(Mv)は、55nmであった。
また、有機樹脂微粒子分散液の一部を乾燥して樹脂分を単離し、該樹脂分のガラス転移温度(Tg)を測定したところ、48℃であり、重量平均分子量(Mw)を測定したところ450,000であった。
次に、パドル型攪拌装置を用い、前記水中油滴型分散液(乳化スラリー)を、周速0.7m/sにて攪拌し、前記有機樹脂微粒子分散液15質量部を添加し、更に10質量%塩化ナトリウム溶液を80質量部投入し、前記乳化スラリー中の分散粒子の粒径を制御した。
−有機溶剤の除去−
攪拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記粒径制御後の乳化スラリーを仕込み、30℃にて8時間脱溶剤した後、45℃にて4時間熟成を行い、分散スラリーを得た。
得られた分散スラリーの体積平均粒径及び個数平均粒径を、後述する測定方法により、マルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)で測定したところ、体積平均粒径は4.3μm、個数平均粒径は3.8μmであった。
−洗浄・乾燥−
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後減圧濾過した。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、実施例1のトナー母体粒子を得た。
−外添剤処理−
得られた実施例1のトナー母体粒子100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ1.5質量部と、疎水化酸化チタン0.5質量部とをヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合処理し、目開き35μmメッシュで篩い、実施例1のトナーを製造した。
得られたトナーについて、体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、及び粒度分布(体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn))を下記方法により測定した。結果を表3に示す。
〔トナー粒径〕
トナーの体積平均粒径(Dv)及びトナーの個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」;ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)により解析した。具体的には、ガラス製100mlビーカーに、10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩、「ネオゲンSC−A」;第一工業製薬製)を0.5ml添加した後、トナー5gを添加し、ミクロスパーテルを用いて攪拌し、次いで、イオン交換水80mlを添加した。得られた分散液について、超音波分散器(「W−113MK−II」;本多電子社製)を用いて10分間分散処理を行った。そして、得られた分散液を、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用い、前記マルチサイザーIIIにより測定した。なお、前記マルチサイザーIIIが示す濃度が、8±2質量%となるように、前記分散液を滴下した。ここで、前記マルチサイザーIIIを用いた測定法においては、粒径の測定再現性の観点から、前記濃度を8±2質量%となるようにすることが重要であり、該濃度範囲であれば、粒径に誤差が生じないと認められる。
また、これらの結果から粒度分布(体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn))を算出した。その結果、体積平均粒径は4.3μm、個数平均粒径は3.8μm、粒度分布(Dv/Dn)は1.13であった。
(実施例2)
実施例1において、前記水中油滴型分散液調製工程における乳化乃至分散時の攪拌速度15m/sを8m/sに、前記トナー造粒工程における前記分散粒子の粒径制御時の攪拌速度0.7m/sを2m/sに、それぞれ変えた以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
なお、前記水中油滴型分散液調製工程で得られた水中油滴型分散液(乳化スラリー)中の分散粒子の体積平均粒径(Mv)を、粒度分布測定装置(「nanotrac UPA−150EX」;日機装株式会社製)を用いて測定し、解析ソフト(「マイクロトラック パーティクルサイズ アナライザー、Ver.10.1.2−016EE」;日機装社製)を用いて解析を行った。
まず、ガラス製30mlサンプル瓶に前記トナー材料の溶解乃至分散液、及び該トナー材料の溶解乃至分散液に用いた溶媒としての酢酸エチルを添加し、10質量%の分散液を調製した。得られた分散液を、超音波分散器(「W−113MK−II」;本多電子社製)を用いて2分間分散処理した。
次いで、前記溶媒としての酢酸エチルでバックグラウンドを測定した後、分散処理後の分散液を滴下し、前記粒度分布測定装置のサンプルローディングの値が、1〜10の範囲となる条件にて分散粒子径を測定した。なお、この分散粒子径の測定再現性の点から、前記サンプルローディングの値が1〜10の範囲となる条件で測定することが必要であり、該サンプルローディングの値を得るために、前記分散液の滴下量を適宜調節した。
測定及び解析条件としては、分布表示は「体積」に、粒径区分選択は「標準」に、粒子透過性は「透過」に、粒子形状は「非球形」にそれぞれ設定し、チャンネル数44、測定時間60秒間、測定回数1回、粒子屈折率1.5、密度1g/cmで行った。また、溶媒屈折率の値は、日機装社発行の「測定時の入力条件に関するガイドライン」に記載されている値のうち、前記トナー材料の溶解乃至分散液の溶媒としての酢酸エチルの屈折率1.37を用いた。
その結果、分散粒子の体積平均粒径(Mv)は、0.825μmであった。
(実施例3)
実施例1において、前記水中油滴型分散液調製工程における乳化乃至分散時の攪拌速度15m/sを24m/sに、前記トナー造粒工程における前記分散粒子の粒径制御時の攪拌速度0.7m/sを0.4m/sに、それぞれ変えた以外は、実施例1と同様にして実施例3のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
なお、前記水中油滴型分散液調製工程で得られた水中油滴型分散液(乳化スラリー)中の分散粒子の体積平均粒径(Mv)を、粒度分布測定装置(「nanotrac UPA−150EX」;日機装株式会社製)を用いて測定したところ、0.232μmであった。
(実施例4)
実施例1において、前記水中油滴型分散液調製工程の後であってトナー造粒工程の前に、途中有機溶剤除去工程を行った後、トナー造粒工程を行った以外は、実施例1と同様にして実施例4のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして諸物性を評価した。結果を表1に示す。
<途中有機溶剤除去工程>
実施例1の水中油滴型分散液調製工程で得られた、体積平均粒径(Mv)が0.392μmである分散粒子を含む水中油滴型分散液(乳化スラリー)を、パドル型攪拌装置を用い、周速0.7m/sにて攪拌しながら、30℃に加温減圧し、約5時間かけて脱溶剤を行った。脱溶剤後の分散粒子について、ガスクロマトグラフィーにより、酢酸エチルの濃度を測定したところ、分散粒子中の酢酸エチルの濃度は3.7wt%であった。
<トナー造粒工程>
−分散粒子の粒径制御−
脱溶剤後の乳化スラリーを、常圧下に戻し、前記有機樹脂微粒子分散液15質量部を添加し、更に10質量%塩化ナトリウム溶液80質量部を投入し、周速0.7m/sにて30分間にわたって攪拌し、前記乳化スラリー中の分散粒子の粒径を制御した。
−有機溶剤の除去−
攪拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記粒径制御後の乳化スラリーを仕込み、20wt%ベンゼンスルフォン酸ナトリウム水溶液10質量部を添加し、30℃にて5時間脱溶剤した後、45℃にて4時間熟成を行い、分散スラリーを得た。
そして、実施例1と同様な方法により、洗浄及び乾燥を行い、トナー母体粒子を得た後、外添剤処理を行い、実施例4のトナーを製造した。また、得られたトナーの形状係数を下記方法により測定した。
〔形状係数〕
電界放出型走査電子顕微鏡(「S−4500型」;日立製作所製)を用い、加速電圧8kV、2,000倍でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(「LUSEX3」;ニレコ社製)に導入し、解析して計算した。その結果、形状係数SF−1は138であり、形状係数SF−2は141であった。
(実施例5)
実施例4において、前記途中有機溶剤除去工程における減圧脱溶剤時間を30分に変えた以外は、実施例4と同様にして実施例5のトナーを製造した。また、実施例1と同様にしてトナーの諸物性を測定した。結果を表1に示す。
なお、途中有機溶剤除去工程後の分散粒子について、ガスクロマトグラフィーにより、酢酸エチルの濃度を測定したところ、分散粒子中の酢酸エチルの濃度は42wt%であった。また、得られたトナーの形状係数を実施例4と同様にして測定したところ、形状係数SF−1は110であり、形状係数SF−2は118であった。
(実施例6)
実施例1において、下記方法により合成した結晶性ポリエステルを使用して有機溶媒相を調製した以外は、実施例1と同様にして実施例6のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
−結晶性ポリエステルの合成−
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、1,4−ブタンジオール2070g、フマル酸2535g、無水トリメリット酸291g、及びハイドロキノン4.9gを入れ、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、更に8.3kPaにて1時間反応させて結晶性ポリエステルを合成した。得られた結晶性ポリエステルのDSC吸熱ピーク温度は123℃であり、数平均分子量(Mn)は710であり、重量平均分子量(Mw)は2,100であった。
−結晶性ポリエステル分散液の調製−
金属製2L容器に、前記結晶性ポリエステル100g、及び酢酸エチル400gを採り、79℃で加熱溶融させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷した。これにガラスビーズ(3mmφ)500mlを加え、バッチ式サンドミル装置(カンパハピオ社製)で10時間にわたって粉砕し、体積平均粒径が0.4μmの結晶性ポリエステル分散液を調製した。
−有機溶媒相の調製−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、前記未変性ポリエステル378質量部、カルナバワックス110質量部、CCA(「サリチル酸金属錯体E−84」;オリエント化学工業製)22質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、攪拌下80℃まで昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却した。次いで、反応容器中に、前記マスターバッチ500質量部を仕込み、1時間かけて混合して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1324質量部を反応容器に移し、ビーズミル(「ウルトラビルコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液温度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして、前記カーボンブラック、及び前記カルナバワックスの分散を行った。得られた分散液に前記未変性ポリエステルの65質量%酢酸エチル溶液1213質量部を添加し、前記結晶性ポリエステル分散液を350質量部添加し、上記同様の条件のビーズミルで1パスして分散させ、有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
なお、得られた有機溶媒相を用い、トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、その後の工程は実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(実施例7)
実施例1において、前記水中油滴型分散液調製工程で用いたケチミン化合物2.9質量部を、下記方法により測定した分配係数が0.02であるN−オレイル1,3−プロパンジアミン3.5質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例7のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
〔分配係数〕
前記未変性ポリエステル樹脂50質量%酢酸エチル溶液50gに、N−オレイル1,3−プロパンジアミン0.125gを十分に溶解させて混合液を調製し、次いで該混合液を脱イオン水50gに添加して、200mlガラスビーカー内で、マグネティックスターラー、及び20mm径のスタラーチップを用い、回転数200rpmにて攪拌し、疑似乳化状態とした。その後、25℃にて1時間静置させ、酢酸エチル溶液(有機溶剤相)と脱イオン水(水系媒体相)とに分離させた。更に脱イオン水を単離し、塩酸水溶液により滴定して脱イオン水中のN−オレイル1,3−プロパンジアミンを定量した。そして、添加したN−オレイル1,3−プロパンジアミン全量に対し脱イオン水中に溶解移動したN−オレイル1,3−プロパンジアミンの質量比をもって「分配係数」とした。
(実施例8)
実施例1において、前記水中油滴型分散液調製工程で用いたケチミン化合物2.9質量部を、上記方法により測定した分配係数が11.9であるエチレンジアミン(1,2エタンジアミン)0.7質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例8のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、前記トナー造粒工程における前記分散粒子の粒径制御時には前記有機樹脂微粒子の添加を行わず、前記水中油滴型分散液の調製における前記水系媒体の調製において、前記有機樹脂微粒子15質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
なお、前記水中油滴型分散液調製工程で得られた水中油滴型分散液(乳化スラリー)中の分散粒子の体積平均粒径(Mv)を、粒度分布測定装置(「nanotrac UPA−150EX」;日機装株式会社製)を用いて測定したところ、3.1μmであった。
(比較例2)
実施例1において、前記トナー造粒工程における前記分散粒子の粒径制御時に前記有機樹脂微粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同様な方法によりトナーの製造を行った。
しかし、水中油滴型分散液(乳化スラリー)の分離が生じ、比較例2のトナーを得ることができなかった。
Figure 0004681445
次に、外添剤処理済の実施例1〜8及び比較例1の各トナー2.5質量部と、シリコーンコートフェライトキャリア(芯材粒径45μm)97.5質量部と、をターブラミキサーで攪拌して、実施例1〜8及び比較例1の各現像剤を製造した。
得られた各現像剤を用いて、以下のようにして、(a)帯電安定性、(b)画像濃度、(c)画像粒状性及び鮮鋭性、(d)カブリ、(e)トナー飛散、(f)帯電特性、(g)定着性(低温定着性及び耐ホットオフセット性)、(h)クリーニング性を測定した。結果を表2及び表3に示す。
(a)帯電安定性
カラー電子写真装置(「IPSiO Color 8100」;株式会社リコー製)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした装置を用意し、各現像剤を用いて画像面積率5%チャート連続100,000枚出力耐久試験を行い、帯電量の変化を評価した。なお、帯電量の変化は、現像剤1gを計量し、ブローオフ法により測定し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:帯電量の変化が5μc/g以下である
○:帯電量の変化が10μc/g以下である
△:帯電量の変化が15μc/g以下である
×:帯電量の変化が15μc/gを超える
(b)画像濃度
タンデム型カラー電子写真装置(「imagio Neo 450」;株式会社リコー製)をベルト定着方式に改造した装置を用い、普通紙の転写紙(「タイプ 6200」;株式会社リコー製)に各現像剤の付着量が1.00±0.1mg/cmのベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成した。得られたベタ画像における任意の5箇所の画像濃度を、分光計(「938 スペクトロデンシトメータ、X−Rite社製」を用いて測定した。画像濃度値は、5箇所の画像濃度の平均値で示し、下記基準に基づいて評価した。なお、得られた画像濃度値が高い程、画像濃度が高く、高濃度の画像が形成できることを意味し、画像濃度が1.4以上であると、実用可能なレベルであると認められる。
〔評価基準〕
◎:画像濃度が1.4以上
○:画像濃度が1.2以上
△:画像濃度が1.0以上
×:画像濃度が1.0未満
(c)画像粒状性及び鮮鋭性
カラー電子写真装置(「IPSiO Color 8100」;株式会社リコー製)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした装置を用意し、単色で写真画像の出力を行い、粒状性及び鮮鋭性の度合いを目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:オフセット印刷並である
○:オフセット印刷よりもわずかに劣る
△:オフセット印刷よりもかなり劣る
×:オフセット印刷よりも非常に劣り、従来の電子写真画像程度である
(d)カブリ
カラー電子写真装置(「IPSiO Color 8100」;株式会社リコー製)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした装置を用意し、温度10℃、湿度15%の環境下、各現像剤を用いて画像面積率5%チャート連続100,000枚出力耐久試験を実施後、転写紙上の地肌部のトナー汚れ度合いを目視(ルーペ)にて観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:トナー汚れが全くなく良好である
○:トナー汚れがわずかにあるが問題とならない程度である
△:トナー汚れが少しある
×:トナー汚れが非常に目立ち問題(許容範囲外)となる
(e)トナー飛散
カラー電子写真装置(「IPSiO Color 8100」;株式会社リコー製)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした装置を用意し、温度40℃、湿度90%の環境下、各現像剤を用い、画像面積率5%チャート連続100,000枚出力耐久試験を実施後、装置内のトナー汚染状態を目視にて観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:トナー汚れが全くなく良好である
○:トナー汚れがわずかにあるが問題とならない程度である
△:トナー汚れが少しある
×:トナー汚れが非常に目立ち問題(許容範囲外)となる
(f)帯電特性
直径6.0cm、高さ6.5cmのステンレス製ロールミル容器に、カラー電子写真装置(「IPSiO Color 8100」;株式会社リコー製)用キャリア約10gを測り取り、Tc5%分の各トナーを加え、回転数153rpmにて30秒間攪拌した。
攪拌後の現像剤から、それぞれ無作為に10箇所、試料を取り、帯電量分布測定装置(「イースパートアナライザーII型」;ホソカワミクロン社製)を用いて帯電量分布を測定した。また、得られたデータから全粒子に対する逆帯電粒子の個数含有率を算出し、その平均値を求めた。更に各データから算出した逆帯電トナーの個数含有率の標準偏差を求めた。
(g)定着性(低温定着性及び耐ホットオフセット性)
複写機(「MF2200」;株式会社リコー製)の定着部を改造して、定着ローラとしてテフロン(登録商標)ローラを用いた装置を用い、転写紙(「タイプ 6200」;株式会社リコー製)をセットして複写テストを行い、定着ローラの温度を変えて定着下限温度及びホットオフセット発生温度を測定した。
<定着下限温度>
紙送りの線速度を120〜150mm/sec、面圧を1.2kgf/cm、ニップ幅を3mmにそれぞれ設定し、定着下限温度を測定し、低温定着性を下記基準に基づいて評価した。
なお、従来の低温定着トナーの定着下限温度は140〜150℃であり、定着下限温度が低いほど低温定着性に優れることを意味する。
〔評価基準〕
◎:定着下限温度が120℃未満
○:定着下限温度が120℃以上130℃未満
△:定着下限温度が130℃以上140℃未満
×:定着下限温度が140℃以上150℃未満
<オフセット発生温度>
紙送りの線速度を50mm/sec、面圧を2.0kgf/cm、ニップ幅を4.5mmにそれぞれ設定し、オフセット発生温度(ホットオフセットが発生する温度の下限値)を測定し、耐ホットオフセット性を下記基準に基づいて評価した。なお、下記評価基準は、オフセット発生温度が高いほど耐ホットオフセット性に優れることを意味する。
〔評価基準〕
◎:オフセット発生温度が201℃以上
○:オフセット発生温度が191℃以上200℃以下
△:オフセット発生温度が181℃以上190℃以下
×:オフセット発生温度が171℃以上180℃以下
(h)クリーニング性
清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム(株)製)で白紙に移し、これをマクベス反射濃度計(RD514型)で測定し、下記基準に基づいてクリーニング性を評価した。
〔評価基準〕
◎:ブランクとの差が0〜0.01であり良好である
○:ブランクとの差が0.02〜0.05である
△:ブランクとの差が0.06〜0.1である
×:ブランクとの差が0.2以上であり不良である
Figure 0004681445
Figure 0004681445
表1〜3の結果より、以下のことが明らかである。即ち、実施例1〜8では、有機樹脂微粒子を含まない水系媒体を用いて水中油滴型分散液を調製した後、有機樹脂微粒子を添加して該有機樹脂微粒子の存在下でトナーを造粒するので、小粒径かつ粒度分布が狭く、トナー粒子間での材料の組成が均一であり、帯電特性に優れたトナーが得られた。また、該トナーは、帯電安定性に優れ、カブリやトナー飛散の発生が少なく、画像粒状性、画像鮮鋭性、及び画像濃度の評価結果も良好で、高画質が得られることが判った。更に定着性(低温定着性及び耐ホットオフセット性)、クリーニング性の評価も良好であった。
また、実施例4では、異形化したトナーが得られ、クリーニング性に特に優れることが判った。実施例6では、トナーが結晶性ポリエステル樹脂を含有するため、低温定着性に特に優れることが判った。実施例7では、前記乳化乃至分散時に、前記活性水素基含有化合物が前記水系媒体へ溶出することが抑えられ、前記分散粒子内に前記活性水素基含有化合物が保持されるため、トナーの性能低下が抑制され、各評価項目において優れた結果を示した。一方、比較例1で得られたトナーは、トナー粒子間での材料の組成が不均一であり、帯電特性に劣り、トナー飛散が発生し、画像粒状性及び画像鮮鋭性の評価結果も不良で、高画質が得られないことが判った。
本発明のトナーの製造方法は、小粒径かつ粒度分布が狭く、トナー粒子間での組成が均一なトナーを効率よく得ることができる。
本発明のトナーは、帯電安定性に優れ、カブリやトナー飛散の発生が少ないため、高品質な画像形成に好適に使用される。本発明のトナーを用いた本発明の現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法は、高品質な画像形成に好適に使用される。
図1は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の例を示す概略説明図である。 図2は、本発明の画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。 図3は、図2に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。 図4Aは、日機装社発行の「測定時の入力条件に関するガイドライン」に記載された液体の粘度と屈折率表である。 図4Bは、日機装社発行の「測定時の入力条件に関するガイドライン」に記載された液体の粘度と屈折率表である。 図4Cは、日機装社発行の「測定時の入力条件に関するガイドライン」に記載された液体の粘度と屈折率表である。 図5Aは、トナーの熱特性(フローテスターのフローカーブ)を示す概略説明図である。 図5Bは、トナーの熱特性(フローテスターのフローカーブ)を示す概略説明図である。
符号の説明
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 コロナ帯電器
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 分離ローラ
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
110 ベルト式定着装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (21)

  1. トナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を、有機樹脂微粒子を含まない水系媒体中に分散粒子として分散させて水中油滴型分散液を調製した後、該水中油滴型分散液中に有機樹脂微粒子を添加して該有機樹脂微粒子の存在下でトナーを造粒することを特徴とするトナーの製造方法。
  2. トナーを造粒する前に有機溶剤を除去することを含み、該有機溶剤の除去後の分散粒子における前記有機溶剤濃度が0.5〜35wt%である請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 形状係数SF−1が120〜160であり、形状係数SF−2が115〜160であるトナーを製造する請求項2に記載のトナーの製造方法。
  4. トナー材料が、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを少なくとも含み、
    造粒が、前記活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を生成しつつ該接着性基材を少なくとも含む粒子を得ることにより行われる請求項1から3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  5. 活性水素基含有化合物における、有機溶剤中に溶解した全量に対し水系媒体中に溶出した量の比で表される分配係数が0.01以上3未満である請求項4に記載のトナーの製造方法。
  6. 活性水素基含有化合物がN−アルキルアルカンジアミンである請求項5に記載のトナーの製造方法。
  7. N−アルキルアルカンジアミンが、下記構造式(1)で表されるN−オレイル−1,3−プロパンジアミンである請求項6に記載のトナーの製造方法。
    Figure 0004681445
    ただし、前記構造式(1)中、Rはオレイル基を表す。
  8. トナー材料が、結晶性ポリエステル樹脂を含む請求項1から7のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  9. 結晶性ポリエステル樹脂のDSC吸熱ピーク温度が、50〜150℃である請求項8に記載のトナーの製造方法。
  10. 結晶性ポリエステル樹脂のオルトジクロロベンゼン可溶分のGPCによる分子量分布が、重量平均分子量(Mw)で1,000〜30,000であり、数平均分子量(Mn)で500〜6,000であり、かつ(Mw/Mn)で2〜8である請求項8から9のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  11. 結晶性ポリエステル樹脂が、下記一般式(1)で表される請求項8から10のいずれかに記載のトナーの製造方法。
    Figure 0004681445
    ただし、前記一般式(1)中、n及びmは、繰返単位数を表し、Lは1〜3の整数を表し、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又は炭化水素基を表す。
  12. 結晶性ポリエステル樹脂が、その赤外吸収スペクトルにおいて965±10cm−1及び990±10cm−1の少なくともいずれかにオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有する請求項8から11のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  13. 有機微粒子を添加する際に、該有機微粒子と共にイオン化剤を添加させる請求項1から12のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  14. イオン化剤が、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる塩から選択される少なくとも1種である請求項13に記載のトナーの製造方法。
  15. 1価の陽イオンが、ナトリウムイオン及びカリウムイオンのいずれかを少なくとも含む請求項14に記載のトナーの製造方法。
  16. トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中で攪拌しながら分散させる請求項1から15のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  17. トナー材料の溶解乃至分散液の水系媒体中での分散の際の攪拌の速度をAm/sとし、トナーを造粒する際の攪拌速度をBm/sとしたとき、次式、7<A<23、及び、1.4<A/B<100、を充たす請求項1から16のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  18. トナーを造粒する前の分散粒子の体積平均粒径が、0.1〜3μmである請求項1から17のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  19. 請求項1から18のいずれかに記載のトナーの製造方法により製造されること特徴とするトナー。
  20. 接着性基材が未変性ポリエステル樹脂を含む請求項19に記載のトナー。
  21. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項19から20のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
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