本明細書にはBruton型チロシンキナーゼ(Btk)の阻害剤が記載される。同様に、本明細書には、Btkの不可逆的な阻害剤が記載される。同様に、本明細書にはBtkの可逆的阻害剤が記載される。さらに、Btk上にシステイン残基を備えた共有結合を形成する、Btkの不可逆的な阻害剤が記載されている。さらに本明細書には、他のチロシンキナーゼの不可逆的な阻害剤が記載されており、他のチロシンキナーゼは、不可逆的な阻害剤を用いて共有結合を形成することができるシステイン残基(Cys481残基を含む)を有することにより、Btkと相同性を有する。
同様に、そのような可逆的または不可逆的な阻害剤を合成する方法、疾患(Btkの不可逆阻害がその疾患を有する患者に治療効果を与える疾患を含む)の処置において、そのような可逆的または不可逆的な阻害剤を使用する方法が本明細書に記載されている。さらに、Btkの可逆的または不可逆的な阻害剤を含んでいる医薬製剤が記載されている。
1つの態様において、以下の構造を有する式(I)の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩が本明細書で提供され、
式中、
Laは、単結合、−CH2−、−CH(OH)−、−C(O)−、−CH2O−、−OCH2−、−SCH2、−CH2S−、−N(R21)−、−N(R21)C(O)−、−C(O)N(R21)−、−N(R21)C(O)N(R21)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(R21)S(O)2−、または、−S(O)2N(R21)−であり、
Arは、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールであり、
R3は、随意に置換されたC3−C6アルキル、置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−(C=O)C1−C6アルキル、−(C=O)OR4、−(C=O)NR4R4、−(C=O)SR4、−G−X、または、
であり
Gは随意に置換されたヘテロシクロアルキル、随意に置換されたアリール、または、随意に置換ヘテロアリールであり、
Xは随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−OR4、−SR4、または−NR4R4であり、
各々のR4はそれぞれ独立して、H、C1−C6アルキル、C1−C6ヘテロアルキル、C3−C6シクロアルキル、またはC2−C6ヘテロシクロアルキルであり、
Yは、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、および、ヘテロアリールの中から選択された随意の置換基であり、
Zは、C(=O)、OC(=O)、N(R21)C(=O)、C(=S)、S(=O)x、OS(=O)x、または、N(R21)S(=O)xであり、ここで、xは1または2であり、
各々のR24はそれぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−OH、−OCF3、−OCH2F、−OCF2H、−CF3、−SR21、−N(R21)S(=O)2R23、S(=O)2N(R21)(R22)、−S(=O)R23、−S(=O)2R23、−C(=O)R23、−OC(=O)R23、−CO2R21、−N(R21)(R22)、−C(=O)N(R21)(R22)、−N(R21)C(=O)R23、N(R21)C(=O)OR22、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルであり、
R21とR22は各々独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
R23は各々独立して、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
nは0−4であり、
pは0−2であり、
R6はHまたはL−J−Wであり、
R7とR8は独立してHまたはL−J−Wであり、あるいは、R7とR8は単結合を形成し、LとJは各々独立して、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、または、−S−であり、
WはH、ハロゲン、−CN、またはNR25R26であり、
R25とR26は各々独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、あるいは、R25とR26は、それらが付けられる窒素と一緒にヘテロシクロアルキル環を形成する。
1つの実施形態は、Laが−O−または−OCH2−である、式(I)の化合物である。さらなる実施形態は、Laが−O−である式(I)の化合物である。またさらなる実施形態では、Laは−OCH2−である。別の実施形態は、Arがフェニルである式(I)の化合物である。
別の実施形態は、R3が随意に置換されたC3−C6アルキルである、式(I)の化合物である。別の実施形態は、R3が置換されたシクロアルキルである、式(I)の化合物である。さらなる実施形態は、R3が随意に置換されたアリールである、式(I)の化合物である。さらなる実施形態は、R3が随意に置換されたヘテロアリールである、式(I)の化合物である。別の実施形態は、R3がG−Xである、式(I)の化合物である。さらなる実施形態は、Gがピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペリジニル(piperizinyl)、および、モルホリニルから選ばれる式(I)の化合物がある。さらなる実施形態は、Xが随意に置換されたヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物である。またさらなる実施形態は、Xがピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペリジニル(piperizinyl)、および、モルホリニルである、式(I)の化合物である。別の実施形態は、Xが−OR4、−SR4、または−NR4R4である、式(I)の化合物である。
別の実施形態では、R3が以下である、式(I)の化合物である。
いくつかの実施形態では、Zは、C(=O)、NHC(=O)、N(CH3)C(=O)、または、S(=O)2である。
別の実施形態は、R6、R7、R8がHである、式(I)の化合物である。別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7がL−J−Wである、式(I)の化合物である。別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7がC3−C6シクロアルキル、C6−C12アリール、またはC3−C12ヘテロアリールである、式(I)の化合物である。別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7がシクロプロピルまたはフェニルである、式(I)の化合物である。別の実施形態は、R7とR8がHであり、および、R6がL−J−Wである、式(I)の化合物である。さらなる実施形態は式(I)の化合物であり、ここで、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、または、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。またさらなる実施形態は式(I)の化合物であり、ここで、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。別の実施形態は、R6とR8がHであり、および、R7がL−J−Wである、式(I)の化合物である。別の実施形態は式(I)の化合物であり、ここで、R7は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、または、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。またさらなる実施形態は、R7が、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである、式(I)の化合物である。
別の実施形態は式(I)の化合物であり、ここで、R6とR8はHであり、R7はL−J−Wであり、Lは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンであり、および、Jは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。さらなる実施形態は、Lが−CH2−である式(I)の化合物である。さらなる実施形態は式(I)の化合物であり、ここで、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。またさらなる実施形態は式(I)の化合物であり、ここで、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレン、シクロプロピル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペリジニル(piperizinyl)、モルホリニル、イミダゾリル、ピリジニル、または、フェニルである。さらなる実施形態は、Lが単結合である式(I)の化合物である。さらなる実施形態は式(I)の化合物であり、Jは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。またさらなる実施形態は、Jが−CH2−であり、および、WがNR25R26である、式(I)の化合物である。別の実施形態は、Lが単結合であり、Jが−CH2−であり、および、WがNR25R26である、式(I)の化合物である。さらなる実施形態は式(I)の化合物であり、ここで、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、R26は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態は、R25とR26が−CH3である式(I)の化合物である。いくつかの実施形態は、R25とR26がシクロプロピルである、式Iの化合物である。いくつかの実施形態は、R25が−CH3であり、R26がシクロプロピルである、式(I)の化合物である。
別の実施形態は、一緒に取り込まれたR7とR8が単結合を形成し、および、R6がL−J−Wである、式(I)の化合物である。別の実施形態は式(I)の化合物であり、ここで、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。またさらなる実施形態は式(I)の化合物であり、ここで、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。また別の実施形態は、R6が置換または非置換のC1−C6アルキルであり、あるいは、C1−C8アルキルアミノアルキルがある、式(I)の化合物である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、Yがフェニルである、式(I)の化合物である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、Yがシクロアルキルである、式(I)の化合物である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、ZがC(=O)である、式(I)の化合物である。
1つの態様において、以下の構造を有する式(II)の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩が本明細書で提供され、
式中、
Laは単結合、−CH2−、−CH(OH)−、−C(O)−、−CH2O−、−OCH2−、−SCH2、−CH2S−、−N(R21)−、−N(R21)C(O)−、−C(O)N(R21)−、−N(R21)C(O)N(R21)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(R21)S(O)2−、または、−S(O)2N(R21)−であり、
Arは、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールであり、
R3は以下であり、
Yは随意に置換されたヘテロシクロアルキルであり、
Zは、C(=O)、OC(=O)、N(R21)C(=O)、C(=S)、S(=O)x、OS(=O)x、または、N(R21)S(=O)xであり、ここで、xは1または2であり、
各々のR24はそれぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−OH、−OCF3、−OCH2F、−OCF2H、−CF3、−SR21、−N(R21)S(=O)2R23、S(=O)2N(R21)(R22)、−S(=O)R23、−S(=O)2R23、−C(=O)R23、−OC(=O)R23、−CO2R21、−N(R21)(R22)、−C(=O)N(R21)(R22)、−N(R21)C(=O)R23、N(R21)C(=O)OR22、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルであり、
R21とR22は各々独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
R23は、各々独立して置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
nは0−4であり、
pは0−2であり、
R6とR8は独立してHまたはL−Jであり、および、R7はT−Wであり、あるいは、
R6とR7は独立してHまたはL−Jであり、および、R8はT−Wであり、あるいは、
R7とR8は独立してHまたはL−Jであり、あるいは、R6はT−Wであり、あるいは、
一緒に取り込まれたR7とR8は単結合を形成し、および、R6はT−Wであり、
Lは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、または−S−であり、
Jは、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、NR27R28、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
Tは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、あるいは、−S−であり、
Wは、NR25R26、−CN、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、あるいは、置換または非置換のC結合C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
R26は、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
R27とR28はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、あるいは、R27とR28は、それらが付けられる窒素と一緒に、ヘテロシクロアルキル環を形成する。
1つの実施形態は、Laが−O−である、式(II)の化合物である。別の実施形態は、Arがフェニルである、式(II)の化合物である。
別の実施形態は、ZがC(=O)、NHC(=O)、N(CH3)C(=O)、または、S(=O)2である、式(II)の化合物である。
別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7がL−Jである、式(II)の化合物である。別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7がC3−C6シクロアルキル、C6−C12アリール、あるいは、C3−C12ヘテロアリールである、式(II)の化合物である。別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7がシクロプロピルまたはフェニルである、式(II)の化合物である。
別の実施形態は、R7とR8がHであり、および、R6がT−Wである、(II)の化合物である。別の実施形態は、R6とR8がHであり、および、R7がT−Wである、式(II)の化合物である。また別の実施形態は、一緒に取り込まれたR7とR8が単結合を形成し、および、R6がT−Wである、式(II)の化合物である。さらなる実施形態は、Tが、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである、式(II)の化合物である。またさらなる実施形態は、Tが−CH2−である、式(II)の化合物である。さらなる実施形態は式(II)の化合物であり、ここで、Wは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、あるいは、置換または非置換のC結合C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。さらなる実施形態は、Wがシクロプロピル、イミダゾリル、ピリジニル、またはフェニルである、式(II)の化合物がある。別の実施形態は、WがNR25R26である、式(II)の化合物である。別の実施形態は、Tが−CH2−であり、および、WがNR25R26である、式(II)の化合物がある。さらなる実施形態は式(II)の化合物であり、ここで、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、および、R26は、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。別の実施形態は、R25とR26が置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである、式(II)の化合物である。いくつかの実施形態は、R25とR26がシクロプロピルである式(II)の化合物である。別の実施形態は、R25が置換または非置換のC1−C6アルキルであり、および、R26が置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである、式(II)の化合物である。別の実施形態は、R25が−CH3であり、および、R26が置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである、式(II)の化合物がある。いくつかの実施形態は、R25が−CH3であり、および、R26がシクロプロピルである、式(II)の化合物である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、Yがピロリジニルまたはピペリジニルである、式(II)の化合物がある。前述の実施形態のさらなる実施形態は、ZがC(=O)である、式(II)の化合物がある。
別の態様において、以下の構造を有する式(III)の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩が本明細書で提供され、
式中、
Aはアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
R20はH、ハロゲン、−CN、−CF3、−NO2、−OH、置換または非置換のC1−C6アルキル、−N(R21)C(=O)R23、−C(=O)N(R21)(R22)、−O−(C1−C6アルキル)−O−アルキレン−OR21、−CO2H、−O−アルキレン−CO2H、および、−O−アルキレン−C(=O)N(R21)(R22)、または、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)であり、
各々のR21は独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR22は独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR23は独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR24はそれぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−OH、−OCF3、−OCH2F、−OCF2H、−CF3、−SR21、−N(R21)S(=O)2R23、S(=O)2N(R21)(R22)、−S(=O)R23、−S(=O)2R23、−C(=O)R23、−OC(=O)R23、−CO2R21、−N(R21)(R22)、−C(=O)N(R21)(R22)、−N(R21)C(=O)R23、N(R21)C(=O)OR22、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルであり、
pは0−2であり、
nは0−4であり、
R3は、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−(C=O)C1−C6アルキル、−(C=O)OR4、−(C=O)NR4R4、−(C=O)SR4、−G−X、あるいは、以下であり、
Gは随意に置換されたヘテロシクロアルキル、随意に置換されたアリール、または、随意に置換ヘテロアリールであり、
Xは随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−OR4、−SR4、または−NR4R4であり、
各々のR4はそれぞれ独立して、H、C1−C6アルキル、C2−C6ヘテロアルキル、C3−C6シクロアルキル、または、C2−C6ヘテロシクロアルキルであり、
Yは、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、および、ヘテロアリールの中から選択された随意の置換基であり、
Zは、C(=O)、OC(=O)、N(R21)C(=O)、C(=S)、S(=O)x、OS(=O)x、または、N(R21)S(=O)xであり、ここで、xは1または2であり、
R6はHまたはL−J−Wであり、
R7とR8は独立してHまたはL−J−Wであり、あるいは、一緒に取り込まれるR7とR8は、単結合を形成し、
LとJはそれぞれ独立して、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、または−S−であり、
WはH、−CN、またはNR25R26であり、
R25とR26はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、あるいは、R25とR26は、それらが付けられる窒素と一緒にヘテロシクロアルキル環を形成する。
1つの実施形態は、Aがアリールである、式(III)の化合物である。別の実施形態は、Aがフェニルである、式(III)のを化合物である。
別の実施形態は、R20がH、ハロゲン、−CN、−CF3、あるいは、置換または非置換のC1−C6アルキルである、式(III)の化合物である。いくつかの実施形態は、R20がHである、式(III)の化合物である。いくつかの実施形態は、R20が−CNである、式(III)の化合物である。いくつかの実施形態は、R20が−CF3である、式(III)の化合物である。いくつかの実施形態は、R20がハロゲンである、式(III)の化合物である。いくつかの実施形態は、R20がFまたはClである、式(III)の化合物である。いくつかの実施形態は、R20が置換または非置換のC1−C6アルキルである、式(III)の化合物である。
さらなる実施形態は、R3が随意に置換されたアルキルである、式(III)の化合物である。別の実施形態は、R3が随意に置換されたシクロアルキルである、式(III)の化合物である。別の実施形態は、R3が随意に置換されたヘテロシクロアルキルである、式(III)の化合物である。
別の実施形態は、R3が以下である、式(III)の化合物である。
さらなる実施形態では、Zは、C(=O)、NHC(=O)、N(CH3)C(=O)、または、S(=O)2である。
別の実施形態は、R6、R7およびR8がHである、式(III)の化合物である。別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7がL−J−Wである、式(III)の化合物である。別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7がC3−C6シクロアルキル、C6−C12アリール、またはC3−C12ヘテロアリールである、式(III)の化合物である。別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7がシクロプロピルまたはフェニルである、式(III)の化合物である。別の実施形態は、R7とR8がHであり、および、R6がL−J−Wである、式(III)の化合物である。さらなる実施形態は式(III)の化合物であり、ここで、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。またさらなる実施形態は式(III)の化合物であり、ここで、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。別の実施形態は、R6とR8がHであり、および、R7がL−J−Wである、式(III)の化合物である。別の実施形態は、式(III)の化合物であり、ここで、R7は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、または、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。さらなる実施形態は式(III)の化合物であり、ここで、R7は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。さらなる実施形態は式(III)の化合物であり、ここで、R7は−CH2N(CH3)2である。またさらなる実施形態は、R7が以下である、式(III)の化合物である。
別の実施形態は、R6とR8がHであり、および、R7がL−J−Wである、式(III)の化合物である。さらなる実施形態は式(III)の化合物であり、ここで、Lは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンであり、および、Jは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。さらなる実施形態では、Lが−CH2−である。さらなる実施形態は式(III)の化合物であり、ここで、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。またさらなる実施形態は式(III)の化合物であり、ここで、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレン、シクロプロピル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペリジニル(piperizinyl)、モルホリニル、イミダゾリル、ピリジニル、あるいはフェニルである。さらなる実施形態は、Lが単結合である、式(III)の化合物である。さらなる実施形態は式(III)の化合物であり、ここで、Jは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。またさらなる実施形態は、Jが−CH2−であり、および、WがNR25R26である、式(III)の化合物である。別の実施形態は、Lが単結合であり、Jが−CH2−であり、および、WがNR25R26である、式(III)の化合物がある。さらなる実施形態は式(III)の化合物であり、R25がH、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、および、R26が、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態は、R25とR26が−CH3である、式(III)の化合物である。いくつかの実施形態は、R25とR26がシクロプロピルである、式(III)の化合物である。いくつかの実施形態は、R25が−CH3であり、R26がシクロプロピルである、式(III)の化合物である。
別の実施形態は、一緒に取り込まれたR7とR8が単結合を形成し、および、R6がL−J−Wである、式(III)の化合物である。さらなる実施形態は式(III)の化合物であり、ここで、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、(C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。またさらなる実施形態は、式(III)の化合物であり、ここで、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
前述の実施形態のさらなる実施形態は、Yがアリールまたはヘテロシクロアルキルである、式(III)の化合物である。さらなる実施形態は、Yがフェニル、ピロリジニル、または、ピペリジニルである、式(III)の化合物である。またさらなる実施形態は、Yがフェニル、ピロリジニル、またはピペリジニルである、式(III)の化合物である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、Yが以下から選択され、mが0乃至3である、式(III)の化合物である。
前述の実施形態のさらなる実施形態は、ZがC(=O)である、式(III)の化合物である。
Aがフェニルである前述の実施形態のさらなる実施形態は、R20がプリノン環に対するパラ位のフェニル環に付いている、式(III)の化合物である。Aがフェニルである前述の実施形態の別の実施形態は、R20がプリノン環に対してメタ位のフェニル環に付いている、式(III)の化合物である。Aがフェニルである前述の実施形態のまた別の実施形態は、R20がプリノン環に対してオルト位のフェニルに付いている、式(III)の化合物である。
前述の実施形態のさらなる実施形態は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物であり、ここで、pは0である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物であり、ここで、nは0である。
別の態様は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の治療上有効な量の化合物を含む医薬組成物である。さらなる実施形態は、式(I)の治療上有効な量の化合物を含む医薬組成物である。別の実施形態は、式(II)の治療上有効な量の化合物を含む医薬組成物である。別の実施形態は、式(III)の治療上有効な量の化合物を含む医薬組成物である。1つの実施形態では、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物を含む医薬組成物は、経口投与、非経口投与、頬側投与、経鼻投与、局所投与、または直腸投与から選ばれた投与経路のために調剤される。別の態様は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の治療上有効な量の化合物を、必要としている患者に投与する工程を含む、自己免疫疾患または疾病を処置する方法である。1つの実施形態では、自己免疫疾患は関節リウマチまたは狼瘡から選ばれる。さらなる態様は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の治療上有効な量の化合物を、必要としている患者に投与する工程を含む、異種免疫疾患または疾病を処置する方法である。また別の実施形態は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の治療上有効な量の化合物を、必要としている患者に投与する工程を含む、癌を処置する方法である。1つの実施形態では、癌はB細胞増殖性疾患である。
別の実施形態では、B細胞増殖性疾患は、びまん性大細胞型B細胞系リンパ腫、濾胞性リンパ腫、または慢性リンパ性白血病である。
またさらなる態様は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の治療上有効な量の化合物を、必要としている患者に投与する工程を含む、肥満細胞症を処置するための方法である。
別の態様は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の治療上有効な量の化合物を、必要としている患者に投与する工程を含む、骨粗鬆症または骨吸収障害を処置するための方法である。
さらなる態様は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の治療上有効な量の化合物を、必要としている患者に投与する工程を含む、炎症性疾患または疾病を処置するための方法である。
様々な変更形態に関する上記の群の任意の組み合わせが本明細書で考慮されている。本明細書に提供される化合物上の置換基および置換パターンが、本明細書に明記される化合物と同様に、化学的に安定していて、技術分野において既知の技術によって合成され得る化合物を提供するために、当業者によって選択され得ることが理解される。
さらなる態様において、本明細書に記載の化合物のいずれかの少なくとも1つを治療上有効な量、または、薬学的に許容可能な塩、薬学的に活性な代謝物、薬学的に許容可能なプロドラッグ、薬学的に許容可能な溶媒和物を含んでいる医薬組成物が提供される。特定の実施形態では、本明細書で提供される組成物はさらに、薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、および/または、結合剤を含んでいる。
チロシンキナーゼ活性によって調節されるか、または、それ以外の方法で影響を受ける、あるいは、チロシンキナーゼ活性が関連付けられる、疾患、傷害、または疾病の1つ以上の処置、予防、改善のために有効な量を送達する本明細書で提供される化合物、または、その薬学的に有効な誘導体の1つ以上の有効濃度を包含している、適切な経路および手段による投与のために処方された医薬組成物が提供される。有効な量および濃度は、本明細書で開示された疾患、障害、または疾病の任意の症状のいずれかを改善するのに有効である。
特定の実施形態において、i)生理学的に許容可能な担体、希釈剤、および/または賦形剤と、ii) 本明細書で提供される1以上の化合物を含む医薬組成物が本明細書で提供される。
1つの態様において、本明細書で提供される化合物を投与する工程によって患者を処置するための方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、患者においてBtkなどのチロシンキナーゼの活性を阻害する、または、患者においてBtkなどのチロシンキナーゼの阻害の恩恵を受ける、疾患、障害、または疾病を処置する方法が本明細書で提供され、該方法は、本明細書に記載の治療上有効な量の少なくとも1つの任意の化合物、または、薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な活性代謝物、薬学的に可能なプロドラッグ、または薬学的に許容可能な溶媒和物を患者に投与する工程を含む。
別の態様において、Bruton型チロシンキナーゼ(Btk)活性を阻害するための、または、Bruton型チロシンキナーゼ(Btk)活性の阻害から利益を得る、疾患、障害、または疾病の処置のための、本明細書で開示された化合物の使用が本明細書で提供される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物はヒトに投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は経口で投与される。
他の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、チロシンキナーゼ活性の阻害のための薬物の製剤のために使用される。いくつかの他の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、Bruton型チロシンキナーゼ(Btk)活性の阻害のための薬物の処方に使用される。
包装材料、包装材料内にBtkなどのチロシンキナーゼ活性を阻害するのに有効な本明細書で提供される化合物、組成物、またはその薬学的に許容可能な誘導体と、化合物または組成物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、薬学的に活性な代謝物、薬学的に許容可能なプロドラッグ、または、薬学的に許容可能な溶媒和物がBtkなどのチロシンキナーゼの活性を阻害するために使用されることを示すラベルとを含む製品が提供される。
別の態様において、以下の構造を有する阻害剤と共有結合したBruton型チロシンキナーゼを含む、阻害されたチロシンキナーゼである。
は、阻害剤とチロシンキナーゼの間の付着部位を示す。さらなる実施形態では、阻害剤はチロシンキナーゼ上のシステイン残基に共有結合されている。
別の態様において、以下の構造を有する阻害剤と共有結合したBruton型チロシンキナーゼを含む阻害されたチロシンキナーゼである。
は、阻害剤とチロシンキナーゼの間の付着部位を示す。さらなる実施形態では、阻害剤は、チロシンキナーゼ上のシステイン残基に共有結合されている。
さらなる態様において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の構造を有する治療上有効な量の少なくとも1つの化合物を含む組成物を、それを必要としている被験体に投与することによって、被験体のBruton型チロシンキナーゼを阻害する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、必要としている被験体は、自己免疫性疾患、例えば、炎症性腸疾患、関節炎、狼瘡、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、スチル病、若年性関節炎、糖尿病、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、オード甲状腺炎(Ord’s thyroiditis)、グレーブス病、シェーグレン症候群、多発性硬化症、ギラン−バレー症候群、急性散在性脳脊髄膜炎、アジソン病、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、強直性脊椎炎(spondylitisis)、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、セリアック病、グッドパスチャー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、視神経炎、強皮症、原発性胆汁性肝硬変、ライター症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、温式自己免疫溶血性貧血、ヴェーゲナー肉芽腫症、乾癬、全身性脱毛症、ベーチェット病、慢性疲労、自律神経異常症、子宮内膜症、間質性膀胱炎、神経ミオトニー、強皮症、または、外陰部痛に苛まされている。
他の実施形態では、必要としている被験体は、異種免疫疾病または疾患、例えば、移植片対宿主病、移植、輸血、アナフィラキシー、アレルギー、1型過敏症、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎に苦しんでいる。
特定の実施形態では、必要としている被験体は、炎症性疾患、例えば、喘息、虫垂炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液包炎、子宮頚管炎、胆管炎、胆嚢炎、大腸炎、結膜炎、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、全腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、肝炎、化膿性汗腺炎、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎、心筋炎、筋炎、腎炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、間質性肺炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、扁桃炎、ぶどう膜炎、膣炎、血管炎、または、外陰部炎に苛まされている。
さらなる実施形態では、必要としている被験体は癌に苦しんでいる。1つの実施形態では、癌は、B細胞増殖性疾患、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞系リンパ腫、節性辺縁帯B細胞系リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞系リンパ腫、血管内大細胞型B細胞系リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、または、リンパ腫様肉芽腫症である。いくつかの実施形態では、被験体が癌に苦しんでいる場合、前述の化合物のうちの1つに加えて、抗癌剤が被験体に投与される。1つの実施形態では、抗癌剤は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達の阻害剤、例えば、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY−142886、SB239063、SP600125、BAY 43−9006、ウォルトマンニン、または、LY294002である。
さらなる実施形態において、必要としている被験体は、血栓塞栓障害、例えば、心筋梗塞、狭心症、血管形成後の再閉塞、血管形成後の再狭窄、大動脈冠動脈バイパス後の再閉塞、大動脈冠動脈バイパス後の再狭窄、脳卒中、一過性虚血、末梢動脈閉塞性障害、肺塞栓症、または深部静脈血栓症に苦しんでいる。
さらなる態様では、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の構造を有する治療上有効な量の少なくとも1つの化合物を含有する組成物を、必要としている被験体に投与することによって、自己免疫性疾患を処置するための方法が本明細書で提供される。1つの実施形態では、自己免疫性疾患は関節炎である。別の実施形態では、自己免疫性疾患は狼瘡である。いくつかの実施形態では、自己面積性疾患は、炎症性腸疾患(クローン病と潰瘍性大腸炎を含む)、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、スチル病、若年性関節炎、狼瘡、糖尿病、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、オード甲状腺炎、グレーブス病、シェーグレン症候群、多発性硬化症、ギラン−バレー症候群、急性散在性脳脊髄膜炎、アジソン病、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、強直性脊椎炎(spondylitisis)、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、セリアック病、グッドパスチャー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、視神経炎、強皮症、原発性胆汁性肝硬変、ライター症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、温式自己免疫溶血性貧血、ヴェーゲナー肉芽腫症、乾癬、全身性脱毛症、ベーチェット病、慢性疲労、自律神経異常症、子宮内膜症、間質性膀胱炎、神経ミオトニー、強皮症、または、外陰部痛である。
さらなる態様において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の構造を有する治療上有効な量の少なくとも1つの化合物を含む組成物を、必要としている被験体に投与することによって、異種免疫疾病または疾患を処置するための方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、異種免疫疾病または疾患は、移植片対宿主病、移植、輸血、アナフィラキシー、アレルギー、1型過敏症、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、または、アトピー性皮膚炎である。
さらなる態様において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の構造を有する治療上有効な量の少なくとも1つの化合物を含有している組成物を、必要としている被験体に投与することによって、炎症性疾患を処置するための方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、炎症性疾患は、喘息、炎症性腸疾患(クローン病と潰瘍性大腸炎を含む)、虫垂炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液包炎、子宮頚管炎、胆管炎、胆嚢炎、大腸炎、結膜炎、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、全腸炎、上顆炎、精巣上体、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、肝炎、化膿性汗腺炎、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎、心筋炎、筋炎、腎炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、間質性肺炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、扁桃炎、ぶどう膜炎、膣炎、血管炎、または、外陰部炎である。
また別の態様では、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の構造を有する治療上有効な量の少なくとも1つの化合物を含有している組成物を、必要としている被験体に投与することによって、癌を処置するための方法が本明細書で提供される。1つの実施形態において、癌は、B細胞増殖性疾患、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、B細胞性前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞系リンパ腫、節性辺縁帯B細胞系リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞系リンパ腫、血管内大細胞型B細胞系リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、または、リンパ腫様肉芽腫症である。いくつかの実施形態では、被験体が癌に苦しんでいる場合、前述の化合物の1つに加えて、抗癌剤が被験体に投与される。1つの実施形態では、抗癌剤は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達の阻害剤、例えばU0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY−142886、SB239063、SP600125、BAY 43−9006、ウォルトマンニン、または、LY294002である。
別の態様では、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の構造を有する治療上有効な量の少なくとも1つの化合物を含有する組成物を、必要としている被験体に投与することによって、血栓塞栓障害を処置するための方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、血栓塞栓障害は、心筋梗塞、狭心症、血管形成後の再閉塞、血管形成後の再狭窄、大動脈冠動脈バイパス後の再閉塞、大動脈冠動脈バイパス後の再狭窄、脳卒中、一過性虚血、末梢動脈閉塞性障害、肺塞栓症、または深部静脈血栓症である。
さらなる態様において、本明細書で提供されたものは、Bruton型チロシンキナーゼと共有結合を形成する治療上有効な量の化合物を含有する組成物を、必要としている被験体に組成物投与することによって、自己免疫疾患を処置するための方法が本明細書で提供される。1つの実施形態では、化合物は、Bruton型チロシンキナーゼの活性化形態と共有結合を形成する。さらなるまたは代替的な実施形態では、化合物は、それが共有結合するBruton型チロシンキナーゼを不可逆的に阻害する。さらなるまたは代替的な実施形態では、化合物は、Bruton型チロシンキナーゼ上のシステイン残基と共有結合を形成する。
さらなる態様において、Bruton型チロシンキナーゼと共有結合を形成する治療上有効な量の化合物を含有する組成物を、必要としている被験体に投与することによって、異種免疫疾病または疾患を処置する方法が本明細書で提供される。1つの実施形態では、化合物は、Bruton型チロシンキナーゼの活性化形態と共有結合を形成する。さらなるまたは代替的な実施形態では、化合物は、それが共有結合するBruton型チロシンキナーゼを不可逆的に阻害する。さらなるまたは代替的な実施形態では、化合物は、Bruton型チロシンキナーゼ上のシステイン残基と共有結合を形成する。
さらなる態様において、Bruton型チロシンキナーゼと共有結合を形成する治療上有効な量の化合物を含有する組成物を、必要としている被験体に投与することによって、炎症性疾患腫瘍を処置するための方法が本明細書で提供される。1つの実施形態では、化合物は、Bruton型チロシンキナーゼの活性化形態と共有結合を形成する。さらなるまたは代替的な実施形態では、化合物は、それが共有結合するBruton型チロシンキナーゼを不可逆的に阻害する。さらなるまたは代替的な実施形態では、化合物は、Bruton型チロシンキナーゼ上のシステイン残基と共有結合を形成する。またさらなる態様において、Bruton型チロシンキナーゼと共有結合を形成する治療上有効な量の化合物を含有する組成物を、必要としている被験体に投与することによって、癌を処置するための方法が本明細書で提供される。1つの実施形態では、化合物は、Bruton型チロシンキナーゼの活性化形態と共有結合を形成する。さらなるまたは代替的な実施形態では、化合物は、それが共有結合するBruton型チロシンキナーゼを不可逆的に阻害する。さらなるまたは代替的な実施形態では、化合物は、Bruton型チロシンキナーゼ上のシステイン残基と共有結合を形成する。
別の態様において、Bruton型チロシンキナーゼと共有結合を形成する治療上有効な量の化合物を含有する組成物を、必要としている被験体に投与することによって、血栓塞栓障害を処置するための方法が本明細書で提供される。1つの実施形態では、化合物は、Bruton型チロシンキナーゼの活性化形態と共有結合を形成する。さらなるまたは代替的な実施形態では、化合物は、それが共有結合するBruton型チロシンキナーゼを不可逆的に阻害する。さらなるまたは代替的な実施形態では、化合物は、Bruton型チロシンキナーゼ上のシステイン残基と共有結合を形成する。
別の態様は、哺乳動物において、Btkまたは他のチロシンキナーゼの活性を不可逆的に阻害することを含む、Btkまたは他のチロシンキナーゼの活性を調整する方法であり、他のチロシンキナーゼは、本明細書に記載された少なくとも1つの不可逆的な阻害剤と共有結合を形成することができるシステイン残基(システイン481残基を含む)と相同性を有しており、該方法は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または、(IIIc)の構造を有する治療上有効な量の少なくとも1つの化合物を哺乳動物に少なくとも一度投与する工程を含んでいる。別の態様は、哺乳動物において、Btkの活性を可逆的または不可逆的に阻害することを含む、Btkの活性を調整する方法であり、該方法は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の構造を有する有効な量の少なくとも1つの化合物を哺乳動物に少なくとも一度投与する工程を含んでいる。別の態様は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の構造を有する有効な量の少なくとも1つの化合物を、哺乳動物に少なくとも一度投与する工程を含む、Btk依存性またはBtk媒介性の疾病また疾患を処置するための方法である。
別の態様は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の構造を有する有効な量の少なくとも1つの化合物を哺乳動物に少なくとも一度投与する工程を含む、炎症を処置するための方法である。
さらなる態様は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の構造を有する有効な量の少なくとも1つの化合物を哺乳動物に少なくとも一度投与する工程を含む癌の処置のための方法である。癌の種類は、膵臓癌、およびその他の固形または血液腫瘍などを含むが、これらに限定されない。
別の態様は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の構造を有する有効な量の少なくとも1つの化合物を哺乳動物に少なくとも一度投与する工程を含む、呼吸器疾患を処置するための方法である。この態様のさらなる実施形態において、呼吸器疾患は、喘息である。この態様のさらなる実施形態において、呼吸器疾患は、限定されないが、成人呼吸窮迫症候群およびアレルギー性(外因性)喘息、非アレルギー性(内因性)喘息、急性の重症喘息、慢性喘息、臨床的喘息、夜間喘息、アレルゲン誘発性喘息、アスピリン感受性喘息、運動誘発性喘息、等炭酸ガス過呼吸(isocapnic hyperventilation)、幼児期に発症する喘息、成人期に発症する喘息、咳型喘息、職業性喘息、ステロイド抵抗性喘息、または、季節性喘息を含む。
別の態様は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の構造を有する有効な量の少なくとも1つの化合物を哺乳動物に少なくとも一度投与する工程を含む、関節リウマチおよび変形性関節症を防ぐための方法である。
別の態様は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の構造を有する有効な量の少なくとも1つの化合物を哺乳動物に少なくとも一度投与する工程を含む、皮膚の炎症反応を処置するための方法である。このような皮膚の炎症反応は、一例として、皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、じん麻疹、酒さ、および瘢痕を含む。別の態様において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の構造を有する有効な量の第1の化合物を哺乳動物に投与する工程を含む、皮膚、関節、あるいは他の組織または臓器中の乾癬病変を減らすための方法である。
別の態様は、動物の炎症性疾患または疾病を処置するための薬剤の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物の使用であって、Btkまたは他のチロシンキナーゼの活性は疾患または疾病の病理および/または症状に貢献するものであり、ここで、他のチロシンキナーゼは、本明細書に記載の少なくとも1つの不可逆的な阻害剤と共有結合を形成することができるはシステイン残基(Cys481を含む)を有することによって、Btkと相同性を有する。この態様の1つの実施形態において、チロシンキナーゼタンパク質はBtkである。この態様の別のまたはさらなる態様において、炎症性疾患または疾病は、呼吸器疾患、循環器疾患、または増殖性疾患である。
前述の態様のいずれかにおいて、さらなる実施形態では、投与が経腸、非経口、またはその両方で行なわれ、(a)有効な量の化合物は、哺乳動物に全身投与され、(b)有効な量の化合物は、哺乳動物に経口で投与され、(c)有効な量の化合物は、哺乳動物に静脈内に投与され、(d)有効な量の化合物は、吸入によって投与され、(e)有効な量の化合物は、経鼻投与によって投与され、(f)有効な量の化合物は、哺乳動物への注入によって投与され、(g)有効な量の化合物は、哺乳動物に局所的に(経皮)投与され、(h)有効な量の化合物は、点眼投与によって投与され、あるいは、(i)有効な量の化合物は、哺乳動物に直腸投与される。
前述の態様のいずれかにおいて、さらなる実施形態は、有効な量の化合物の単回投与を含んでおり、これはさらに以下の実施形態を含んでいる:(i)化合物が一度投与され、(ii)化合物が1日の間に哺乳動物に複数回投与され、(iv)持続的に投与され、または、(iv)連続的に投与される。
前述の態様のいずれかにおいて、さらなる実施形態は、下記の追加の実施形態を含む、有効な量の化合物の多くの投与を含んでおり、前記追加の実施形態では、(i)化合物は一回量で投与され、(ii)複数回投与の間隔は6時間毎であり、(iii)化合物が8時間ごとに哺乳動物に投与される。さらなるまたは代替的な実施形態において、方法は、休薬期間を含み、ここで、化合物の投与は一時的に中断されるか、または投与されている化合物の量は、一時的に減らされ、休薬期間の終わりに、化合物の投与が再開される。休薬期間の長さは2日から1年まで変動し得る。
癌を含む増殖性疾患の処置に関する前述の態様のいずれかにおいて、さらなる実施形態は、アレムツズマブ、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ(ペグ化されたまたは非ペグ化された)、ベバシズマブ、セツキシマブ、白金ベースの化合物、例えば、シスプラチン、クラドリビン、ダウノルビシン/ドキソルビシン/イダルビシン、イリノテカン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムツズマブ、メトトレキサート、パクリタキセル(商標)、タキソール、テモゾロミド、チオグアニン、またはホルモン(抗エストロゲン、抗アンドロゲン、またはゴナドトロピン放出ホルモンアナログ)、αインターフェロンのようなインターフェロン、ブルスファンまたはメルファランまたはメクロレタミンなどのナイトロジェンマスタード、トレチノインなどのレチノイド、イリノテカンまたはトポテカンなどのトポイソメラーゼ阻害剤、ゲフィチニブまたはイマチニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤、あるいは、アロプリノール、フィルグラスチム、ペグフィルグラスチム、グラニセトロン/オンダンセトロン/パロノセトロン、ドロナビノールを含む、治療によって引き起こされた兆候または症状を処置する薬剤からなる群から選ばれた少なくとも1つの追加の薬剤を投与することを含む。
Btk依存性またはチロシンキナーゼ媒介性の疾患または疾病の予防または処置に関する前述の態様のいずれかにおいて、さらなる実施形態は、チロシンキナーゼ遺伝子ハプロタイプをスクリーニングすることによって患者を特定する工程を含んでいる。さらなるまたは代替的な実施形態において、チロシンキナーゼ遺伝子ハプロタイプはチロシンキナーゼ経路遺伝子であり、その一方で、チロシンキナーゼ遺伝子ハプロタイプはBtkハプロタイプである。
さらなるまたは代替的な実施形態では、式(I)または(III)の化合物は、Bruton型チロシンキナーゼ(Btk)の可逆的な阻害剤であり、その一方で、さらなるまたは代替的な実施形態では、そのような可逆的な阻害剤はBtkに対して選択的である。さらなるまたは代替的な実施形態において、そのような阻害剤は、酵素アッセイで、10microM未満のIC50を有している。1つの実施形態では、Btkの可逆的な阻害剤は、1microM未満のIC50を有しており、別の実施形態では、0.25microM未満のIC50を有している。
さらなるまたは代替的な実施形態では、式(I)または(III)の化合物は、ItkよりもBtkに対して選択的な可逆的な阻害剤である。さらなるまたは代替的な実施形態では、式(I)または(III)の化合物は、LckよりもBtkに対して選択的な可逆的な阻害剤である。さらなるまたは代替的な実施形態では、式(I)または(III)の化合物は、ABLよりもBtkに対して選択的な可逆的な阻害剤である。さらなるまたは代替的な実施形態では、式(I)または(III)の化合物は、CMETよりもBtkに対して選択的な可逆的な阻害剤である。さらなるまたは代替的な実施形態では、式(I)または(III)の化合物は、EGFRよりもBtkに対して選択的な可逆的な阻害剤である。さらなるまたは代替的な実施形態では、式(I)または(III)の化合物は、LynよりもBtkに対して選択的な可逆的な阻害剤である。
さらなるまたは代替的な実施形態では、可逆的なBtk阻害剤はEGFRの阻害剤でもある。
さらなるまたは代替的な実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物は、Bruton型チロシンキナーゼ(Btk)の不可逆的な阻害剤であり、一方で、さらなるまたは代替的な実施形態では、そのような不可逆的な阻害剤はBtkに対して選択的である。さらなるまたは代替的な実施形態においても、そのような阻害剤は、酵素アッセイにおいて10microM未満のIC50を有している。1つの実施形態では、Btkの不可逆的な阻害剤は、1microM未満の、および、別の実施形態では、0.25 microM未満のIC50を有している。
さらなるまたは代替的な実施形態では、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物は、ItkよりもBtkに対して選択的な不可逆的な阻害剤である。さらなるまたは代替的な実施形態では、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物は、LckよりもBtkに対して選択的な不可逆的な阻害剤である。さらなるまたは代替的な実施形態では、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物は、ABLよりもBtkに対して選択的な不可逆的な阻害剤である。さらなるまたは代替的な実施形態では、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物は、CMETよりもBtkに対して選択的な不可逆的な阻害剤である。さらなるまたは代替的な実施形態では、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物は、EGFRよりもBtkに対して選択的な不可逆的な阻害剤である。さらなるまたは代替的な実施形態では、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物は、LynよりもBtkに対して選択的な不可逆的な阻害剤である。
さらなるまたは代替的な実施形態では、不可逆的なBtk阻害剤はEGFRの阻害剤でもある。
本明細書に記載の方法および組成物の他の目的、特徴、および、利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明と特定の例は、特定の実施形態を示してはいるが、本開示の精神および範囲内の様々な変化および改変がこの詳細な説明から当該技術分野の当業者に明白となるものであるため、単なる例示目的として与えられていることを理解されたい。本明細書で使用された段落の表題は、組織化する目的だけのためで、記載された主題を制限すると解釈されるものではない。限定されないが、特許、特許出願、記事、書籍、説明書、および論文を含む、出願で引用されるすべての文献または文献の一部は、いかなる目的のためにそのまま引用されることによって明確に組み込まれる。
(特定の化学用語)
他に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術的および科学的な用語は、請求項に係る主題が属する当該分野の知識を有する者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書の用語に複数の定義がある場合、この項の定義が優先される。URLまたは他のそのような識別子またはアドレスについて言及する場合、そのような識別子は変更可能であり、インターネット上の特定の情報は変動することがあるが、同等の情報はインターネットを検索することで見つけることができることが理解されよう。そのようなものについての言及は、そのような情報の利用可能性と好適な普及を証拠づけるものである。
前述の一般的な記載と以下の詳細な記載は、あくまで典型的かつ説明的なものに過ぎず、請求項に係る任意の主題を限定するものでないことに留意する。本出願では、単数の使用は、特別に別記しない限り、複数を含んでいる。明細書および添付の請求項内で用いられる通り、単数形「a」、「an」および「the」は、その文脈がそれ以外に明確に指示していない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。本出願において、「または」の使用は特に明記しない限り、「および/または」を意味する。更に、用語「含んでいる(including)」の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」といった他の形態と同じく、制限はない。
本明細書で使用される段落の表題は、組織的に用いるために過ぎず、記載された請求項に係る主題を制限するものとして解釈されるべきものではない。限定されないが、特許、特許出願、記事、書籍、説明書、および論文を含む、出願で引用されるすべての文献または文献の一部は、いかなる目的のためにそのまま引用されることによって明確に組み込まれる。
標準的な化学用語の定義は、Carey and Sundberg “ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4TH ED.” Vols. A (2000) and B (2001), Plenum Press, New Yorkを含む、参照文献で見られる。特に指示がない限り、当業者の考え得る範囲内で、質量分析、NMR、HPCL、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技術、および薬理学の従来の方法が、使用される。特定の定義が与えられなければ、本明細書に記載されている、分析化学、有機合成化学、医薬、薬化学、について用いた命名法と、それらの検査の方法、技術と、は当業者に既知のものである。標準的な技術は、化学合成、化学分析、薬剤の調整、処方、および、送達、ならびに、患者の処置に用いられ得る。標準的な技術は、組み換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、および、組織の培養と形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)に使用され得る。反応および精製の技術は、例えば、メーカーの仕様書のキットを用いて、または、当該技術で一般に遂行されるように、または、本明細書に記載されるように、行うことができる。前述の技術および手順は、一般に、当該技術分野で公知の従来の方法で、および、本明細書にわたって引用および議論される様々な一般的でより具体的な参考文献で記載されるように、行うことができる。
本明細書に記載されている方法および組成物は、本明細書に記載されている特別な方法、プロトコル、細胞株、コンストラクト、および試薬に限定されず、かつ、それ自体が変化してもよいことが理解されよう。また、本明細書で使用された用語は、特定の実施形態のみについて記述する目的のものであり、添付された請求項によってのみ限定的な、本明細書に記載の方法と組成物の範囲を制限することは意図されていない、ということが理解される。
本明細書で言及されたすべての出版物および特許文献は、例えば、出版物に記載されているコンストラクトおよび方法論を記載および開示する目的で、それらをそのまま引用することで本明細書に組み込まれており、本明細書に記載の方法、組成物、および化合物に関連して使用されてもよい。本明細書で議論された出版物は、本出願の出願日よりも前に開示するためだけに提供される。本明細書のいずれも、本明細書に記載の発明者が先の発明によって、または、それ以外の理由で、そのような開示に先行することができないという承認として解釈されてはならない。
「アルキル」とは、1乃至15の炭素原子(例えば、C1−C15アルキル)を有し、不飽和をまったく含まない、炭素と水素の原子のみからなる、直鎖状または分枝状の炭化水素鎖ラジカルを指す。特定の実施形態では、アルキルは1乃至13の炭素原子を含む(例えば、C1−C13アルキル)。特定の実施形態では、アルキルは1乃至8の炭素原子を含む(例えば、C1−C8アルキル)。他の実施形態では、アルキルは5乃至15の炭素原子を含む(例えば、C5−C15アルキル)。他の実施形態では、アルキルは5乃至8の炭素原子を含む(例えば、C5−C8アルキル)。アルキルは、単結合による分子の残り、例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシルなどに付けられる。
アルキル基は1〜6つの炭素原子を有する「低級アルキル」でもあり得る。
本明細書で用いられているように、C1−Cxは、C1−C2、C1−C3...C1−Cxを含む。
「アルケニル」は、炭素と水素の原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含み、かつ、2乃至12の炭素原子を有する、直鎖状の、または、分枝状の炭化水素鎖ラジカルを指す。特定の実施形態では、アルケニルは2乃至8の炭素原子を含む。他の実施形態では、アルケニルは2乃至4の炭素原子を含む。アルケニルは、単結合による分子の残り、例えば、エテニル(すなわち、ビニール)、prop−1−enyl(すなわち、アリル)、but−1−enyl、pent−1−enyl、penta−1,4−dienylなどに付けられる。別段の定めのない限り、明細書では、アルケニル基は、以下の置換基、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、−ORa、−SRa、−OC(O)−Ra、−N(Ra)2、−C(O)Ra、−C(O)ORa、−C(O)N(Ra)2、−N(Ra)C(O)ORa、−N(Ra)C(O)Ra、−N(Ra)S(O)tRa(tは1または2である)、−S(O)tORa(tは1または2である)、および、−S(O)tN(Ra)2(tは1または2である)の1つ以上によって随意に置換され、ここで、各々のRaは独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、または、ヘテロアリールアルキルである。
「アルキニル」は、炭素と水素の原子のみからなり、少なくとも1つの三重結合を含み、直鎖状の、または、分枝状の、炭化水素鎖ラジカル基を指す。特定の実施形態では、アルキニルは2乃至8の炭素原子を含む。他の実施形態では、アルキニルには2乃至4の炭素原子を有する。アルキニルは、単結合による分子の残り、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどに付けられる。別段の定めのない限り、明細書では、アルキニル基は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、−ORa、−SRa、−OC(O)−Ra、−N(Ra)2、−C(O)Ra、−C(O)ORa、−C(O)N(Ra)2、−N(Ra)C(O)ORa、−N(Ra)C(O)Ra、−N(Ra)S(O)tRa(tは1または2である)、−S(O)tORa(tは1または2である)、および、−S(O)tN(Ra)2(tは1または2である)の1つ以上によって随意に置換され、ここで、各々のRaは独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、または、ヘテロアリールアルキルである。
「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、分子の残りをラジカル基に結合させ、炭素と水素の原子のみからなり、不飽和をまったく含まず、1〜12の炭素原子、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、nブチレンなどを有している、直鎖状または分枝状の二価の炭化水素鎖を指す。アルキレン鎖は、単結合による分子の残りと、単結合によるラジカル基とに付けられる。分子の残りおよびラジカル基とのアルキレン鎖の付着点は、アルキレン鎖内の1つの炭素、または、同鎖内の任意の2つの炭素を介して可能である。
「アルケニレン」または「アルケニレン鎖」は、分子の残りをラジカル基を結合させ、炭素と水素の原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含み、および、2〜12の炭素原子、例えば、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレンなどを有している、直鎖状または分枝状の二価の炭化水素鎖を指す。アルケニレン鎖は、二重結合または単結合によって分子の残りに、および、二重結合または単結合によってラジカル基に付けられる。分子の残りおよびラジカル基とのアルケニレン鎖の付着点は、アルケニレン鎖内の1つの炭素、または、任意の2つの炭素を介して可能である。別段の定めのない限り、明細書では、アルケニレン鎖は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、−ORa、−SRa、−OC(O)−Ra、−N(Ra)2、−C(O)Ra、−C(O)ORa、−C(O)N(Ra)2、−N(Ra)C(O)ORa、−N(Ra)C(O)Ra、−N(Ra)S(O)tRa(tは1または2である)、−S(O)tORa(tは1または2である)、および、−S(O)tN(Ra)2(tは1または2である)の1つ以上によって随意に置換され、各々のRaは独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール(随意に1以上のハロ基によって置換される)、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、または、ヘテロアリールアルキルであり、上記の置換基の各々は、特段の定めのない限り、非置換である。
「アリール」は、環炭素原子から水素原子を取り除くことにより、芳香族の単環式または多環式の炭化水素環系に由来するラジカルを指す。芳香族の単環式または多環式の炭化水素環系は、水素と炭素のみを含み(6乃至18の炭素原子)、ここで、環系中の環の少なくとも1つは、完全に不飽和であり、すなわち、Huckel理論に従って、環式の非局在化した(4n+2)π−電子系を含んでいる。アリールは、限定されないが、フェニル、フルオレニル、およびナフチルを含む。明細書において別段の定めのない限り、用語「アリール」または接頭辞「ar」(「アラルキル」内など)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、シアノ、ニトロ、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアラルキル、随意に置換されたアラルケニル、随意に置換されたアラルキニル、随意に置換されたカルボシクリル、随意に置換されたカルボシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールアルキル、−Rb−ORa、−Rb−OC(O)−Ra、−Rb−N(Ra)2、−Rb−C(O)Ra、−Rb−C(O)ORa、−Rb−C(O)N(Ra)2、−Rb−O−Rc−C(O)N(Ra)2、−Rb−N(Ra)C(O)ORa、−Rb−N(Ra)C(O)Ra、−Rb−N(Ra)S(O)tRa(tは1または2である)、−Rb−S(O)tORa(tは1または2である)、および、−Rb−S(O)tN(Ra)2(tは1または2である)から独立して選択された1つ以上の置換基によって随意に置換された任意のラジカルを含むよう意図されており、各々のRaは独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール(随意に1つ以上のハロ基で置換される)、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、または、ヘテロアリールアルキルであり、各々のRbは独立して、直接結合あるいは直鎖状または分枝状のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖であり、および、Rcは直鎖状または分枝状のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖であり、別段の定めのない限り、上記の置換基の各々は非置換である。
「アラルキル」は、式−Rc−アリールのラジカルを指し、Rcは、例えば、ベンジル、ジフェニルメチルなどの、上に定義されるようなアルキレン鎖である。アラルキルラジカルのアルキレン鎖部分は、アルキレン鎖について上に記載されたように随意に置換される。アラルキルラジカルのアリール部分は、アリール基について上に記載されたように、随意に置換される。
「アラルケニル」は、式−Rd−アリールのラジカルを指し、Rdは上に定義されるようなアルケニレン鎖である。アラルケニルラジカルのアリール部分は、アリール基について上に記載されたように、随意に置換される。アラルケニルラジカルのアルケニレン鎖部分は、アルケニレン基について上に定義されるように、随意に置換される。
「アラルキニル」は式−Re−アリールのラジカルを指し、Reは上に定義されるようなアルキニレン鎖である。アラルキニルラジカルのアリール部分は、アリール基について上に記載されたように、随意に置換される。アラルキニルラジカルのアルキニレン鎖部分は、アルキニレン鎖について上に定義されるように、随意に置換される。
「カルボシクリル」は、炭素と水素の原子のみからなる、安定した非芳香族の単環式または多環式の炭化水素ラジカルを指し、融合または架橋した環系を含み、3〜15の炭素原子を有している。特定の実施形態では、カルボシクリルは3乃至10の炭素原子を含む。他の実施形態では、カルボシクリルは5乃至7の炭素原子を含む。カルボシクリルは単結合によって分子の残りに付けられる。カルボシクリルは随意に飽和している(すなわち、単一のC−C結合のみを含む)、または、不飽和である(すなわち、1つ以上の二重結合または三重結合を含む)。完全に飽和したカルボシクリルラジカルも「シクロアルキル」と呼ばれる。単環式シクロアルキルの例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、および、シクロオクチルが挙げられる。不飽和のカルボシクリルも「シクロアルケニル」と呼ばれる。単環式のシクロアルケニルの例としては、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、および、シクロオクテニルが挙げられる。多環式のカルボシクリルラジカルは、例えば、アダマンチル、ノルボルニル(すなわち、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルネニル、デカリニル(decalinyl)、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどを含む。明細書で別段の定めのない限り、用語「カルボシクリル」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアラルキル、随意に置換されたアラルケニル、随意に置換されたアラルキニル、随意に置換されたカルボシクリル、随意に置換されたカルボシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールアルキル、−Rb−ORa、−Rb−SRa、−Rb−OC(O)−Ra、−Rb−N(Ra)2、−Rb−C(O)Ra、−Rb−C(O)ORa、−Rb−C(O)N(Ra)2、−Rb−O−Rc−C(O)N(Ra)2、−Rb−N(Ra)C(O)ORa、−Rb−N(Ra)C(O)Ra、−Rb−N(Ra)S(O)tRa(tは1または2である)、−Rb−S(O)tORa(tは1または2である)、および、−Rb−S(O)tN(Ra)2(tは1または2である)から独立して選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換されたカルボシクリルラジカルを含むように意図されており、各々のRaは独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、または、ヘテロアリールアルキルであり、各々のRbは独立して、直接結合あるいは直鎖状または分枝状のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖であり、Rcは直鎖状または分枝状のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖であり、別段の定めのない限り、上記の置換基の各々は非置換である。
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、または、ヨード置換基を指す。
用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」、および、「ハロアルコキシ」は、少なくとも1つの水素がハロゲン原子と取り替えられた、アルキル、アルケニル、アルキニル、および、アルコキシルの構造を含んでいる。2つ以上の水素原子がハロゲン原子に置き換えられる特定の実施形態では、ハロゲン原子は、互いに、すべて同じである。2つ以上の水素原子がハロゲン原子に置き換えられる他の実施形態では、ハロゲン原子は、互いに、すべてが同じではない。
「フルオロアルキル」は、上に定義されるように、アルキルラジカルを指し、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロメチル−2−フルオロエチルなどの、上に定義されるような1つ以上のフルオロラジカルによって置換される。フルオロアルキルラジカルのアルキル部分は、アルキル基について上に定義されるように、随意に置換される。
本明細書で使用されるように、用語「非芳香族複素環」、「ヘテロシクロアルキル」、または、「ヘテロ脂環式(heteroalicyclic)」は非芳香環を指し、環を形成する1つ以上の原子はヘテロ原子である。「非芳香族の複素環式化合物」または「ヘテロシクロアルキル」基は、窒素、酸素、硫黄から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含むシクロアルキル基を指す。ラジカルは、アリールまたはヘテロアリールと融合することもある。ヘテロシクロアルキル環は、3、4、5、6、7、8、9、または9より多い原子によって形成され得る。ヘテロシクロアルキル環は、随意に置換される。特定の実施形態では、非芳香族の複素環は、例えば、酸素とチオを含有する基のような、1またはそれ以上のカルボニル基またはチオカルボニル基を包含している。ヘテロシクロアルキルの例は、ラクタム、ラクトン、環式イミド、環式チオイミド、環式カルバマート、テトラヒドロチオピラン、4H−ピラン、テトラヒドロピラン、ピペリジン、1,3−ジオキシン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキシン、1,4−ジオキサン、ピペラジン、1,3−オキサチアン、1,4−オキサチイン、1,4−オキサチアン、テトラヒドロ−1,4−チアジン、2H−1,2−オキサジン、マレイミド、コハク酸イミド、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ジオキソピペラジン、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、モルホリン、トリオキサン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピロリン、ピロリジン、ピロリドン、ピロリジオン、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、1,3−ジオキソール、1,3−ジオキソラン、1,3−ジチオール、1,3−ジチオラン、イソキサゾリン、イソオキサゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、チアゾリン、チアゾリジン、および、1,3−オキサチオランを含むが、これらに限定されない。非芳香族複素環としても表される、ヘテロシクロアルキル基の説明的な例は、以下を含む。
用語「ヘテロ脂環式」はまた、炭水化物の環状形態をすべて含む。炭水化物は、単糖類、二糖類、およびオリゴ糖を含むが、これらに限定されない。構造によって、ヘテロシクロアルキル基は、モノラジカルまたはジラジカル(即ち、ヘテロシクロアルキレン基)となり得る。
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素および硫黄から選ばれた、2〜17の炭素原子と1〜6のヘテロ原子を含む3〜18員環の芳香環ラジカルに由来するラジカルを指す。本明細書で使用されるように、ヘテロアリールラジカルは、単環式、二環式、三環式、または、四環式の環系であり、環系の環の少なくとも1つは完全に不飽和であり、すなわち、Huckel理論に従って環式の非局在化した(4n+2)π−電子系を包含している。ヘテロアリールは融合または架橋した環系を含んでいる。ヘテロアリールラジカル内のヘテロ原子は随意に酸化される。1つ以上の窒素原子は、存在する場合には、随意に四級化される。ヘテロアリールは環の任意の原子によって分子の残りに付けられる。ヘテロアリールの例としては、限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル(benzindolyl)、1,3−ベンゾジオキソリル(benzodioxolyl)、ベンゾフラニル基、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル(dioxepinyl)、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4−ベンゾジオキサニル(benzodioxanyl)、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル(benzoxazolyl)、ベンゾジオキソリル(benzodioxolyl)、ベンゾジオキシニル(benzodioxinyl)、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル(benzopyranonyl)、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル(benzofuranonyl)、ベンゾチエニル(benzothienyl)(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ(benzothieno)[3,2−d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル(carbazolyl)、シンノリニル(cinnolinyl)、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル(furanonyl)、フロ[3,2−c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル(indolizinyl)、イソキサゾリル、5,8−メタノ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル(naphthyridinyl)、1,6−ナフチリジノニル(naphthyridinonyl)、オキサジアゾリル(oxadiazolyl)、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a−オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル(purinyl)、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2−d]ピリミジニル、ピリド[3,4−d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル(tetrahydroquinazolinyl)、5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6,7,8−テトラヒドロピリド(tetrahydropyrido)[4,5−c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニル、チエノ[3,2−d]ピリミジニル、チエノ[2,3−c]ピリジニル、および、チオフェニル(すなわち、チエニル)を含む。別段の定めのない限り、特に明細書では、用語「ヘテロアリール」は、上に定義されるようなヘテロアリールラジカルを含むように意図されており、このラジカルは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアラルキル、随意に置換されたアラルケニル、随意に置換されたアラルキニル、随意に置換されたカルボシクリル、随意に置換されたカルボシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールアルキル、−Rb−ORa、−Rb−SRa、−Rb−OC(O)−Ra、−Rb−N(Ra)2、−Rb−C(O)Ra、−Rb−C(O)ORa、−Rb−C(O)N(Ra)2、−Rb−O−Rc−C(O)N(Ra)2、−Rb−N(Ra)C(O)ORa、−Rb−N(Ra)C(O)Ra、−Rb−N(Ra)S(O)tRa(tは1または2である)、−Rb−S(O)tORa(tは1または2である)、および、−Rb−S(O)tN(Ra)2(tは1または2である)から選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換され、ここで、各々のRaはそれぞれ独立して水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、各々のRbは独立して直接結合または直鎖状あるいは分枝状のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖であり、Rcは直鎖状または分枝状のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖であり、上記の置換基の各々は他に指定されない限り、非置換である。
「N−ヘテロアリール」は少なくとも1つの窒素を含む、上に定義されるようなヘテロアリールラジカルを指し、および、分子の残りに対するヘテロアリールラジカルの付着点はヘテロアリールラジカル中の窒素原子を介する。N−ヘテロアリールラジカルはヘテロアリールラジカルについて上に記載されたように、随意に置換される。
「C−ヘテロアリール」は上に定義されるようなヘテロアリールラジカルを指し、および、分子の残りに対するヘテロアリールラジカルの付着点は、ヘテロアリールラジカル中の炭素原子を介する。C−ヘテロアリールラジカルは、ヘテロアリールラジカルについて上に記載されたように、随意に置換される。
「ヘテロアリールアルキル」は−Rc−ヘテロアリールのラジカルを指し、Rcは上に定義されるようなアルキレン鎖である。ヘテロアリールが窒素含有ヘテロアリールである場合、ヘテロアリールは窒素原子でアルキルラジカルに随意に付けられている。ヘテロアリールアルキルラジカルのアルキレン鎖は、アルキレン鎖のために上に定義されるように、随意に置換される。ヘテロアリールアルキルラジカルのヘテロアリール部分は、ヘテロアリール基について上に定義されるように、随意に置換される。
「スルファニル」は−S−ラジカルを指す。
「スルフィニル」は−S(=O)−ラジカルを指す。
「スルフォニル」は−S(=O)2−ラジカルを指す。
「アミノ」は−NH2ラジカルを指す。
「シアノ」は−CNラジカルを指す。
「ニトロ」は−NO2ラジカルを指す。
「オキサ」は−O−ラジカルを指す。
「オキソ」は=Oラジカルを指す。
「イミノ」は=NHラジカルを指す。
「チオキソ」は=Sラジカルを指す。
「アルコキシ」基は(アルキル)O−基を指し、アルキルは本明細書で定義される通りである。
「アリールオキシ」基は、(アリール)O−基を表し、アリールは本明細書に定義される通りである。
「シクロアルキル」は、シクロアルキル基で置換された、本明細書に定義されるアルキルラジカルを意味する。非限定的なシクロアルキルアルキル基は、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルなどを含んでいる。
本明細書で使用されるように、用語「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、および、「ヘテロアルキニル」は、1以上の骨格鎖原子がヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、シリコン、リン、またはそれらの組み合わせ)である、随意に置換されたアリキル、アルケニル、および、アルキニルのラジカルを含んでいる。ヘテロ原子は、ヘテロアルキル基の任意の内部の位置、または、ヘテロアルキル基が分子の残りに付いている位置、に置かれてもよい。例としては、限定されないが、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−S−CH2−CH3、−CH2−CH2、−S(O)−CH3、−CH2−CH2−S(O)2−CH3、−CH=CH−O−CH3、−Si(CH3)3、−CH2−CH=N−OCH3、および、−CH=CH−N(CH3)−CH3が挙げられる。加えて、最大で2つまでのヘテロ原子は、一例として、−CH2−NH−OCH3および−CH2−O−Si(CH3)3のように連続していてもよい。
用語「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外の原子を指す。ヘテロ原子は、典型的には酸素、硫黄、窒素、シリコン、およびリンの中から独立して選択されるが、これらの原子に限定されない。2つ以上のヘテロ原子が存在する実施形態では、2つ以上のヘテロ原子は、互いに全て同じであり得る。あるいは、2つ以上のヘテロ原子のうちのいくつかまたは全ては、他のものと各々異なるものであり得る。
「結合」または「単結合」との用語は、結合によりつながれた原子がより大きな下部構造の一部であると考えられるときの、2つの原子または2つの部分間の化学結合を指す。
「イソシアナート」基は、NCO基を指す。
「イソチオシアナト」基は、NCS基を指す。
用語「部分」は、分子の特定のセグメントまたは官能基を表す。化学的部分は、分子に埋め込まれたまたは付加された、化学物質としばしば認識される。
「チオアルコキシ」基または「アルキルチオ」基は、−S−アルキル基を指す。
「アルキルチオアルキル」基は、−S−アルキル基で置換されたアルキル基を指す。
本明細書で使用されているように、用語「O−カルボキシ」または「アシルオキシ」は、式RC(=O)O−の基を指す。
「カルボキシ」はC(O)OHラジカルを意味する。
本明細書で使用されているように、用語「アセチル」は、式−C(=O)CH3の基を指す。
「アシル」は基−C(O)Rを指す。
本明細書で使用されているように、用語「トリハロメタンスルホニル(trihalomethanesulfonyl)」は、式X3CS(=O)2−の基を指し、Xはハロゲンである。
「シアノアルキル」は、少なくとも1つのシアノで置換された、本明細書に定義されたようなアルキルラジカルを意味する。
本明細書で使用されているように、用語、「N−スルホンアミド」または「スルホニルアミノ」は、式RS(=O)2NH−の基を指す。
本明細書で使用されているように、用語「O−カルバミル(carbamyl)」は、式−OC(=O)NR2の基を指す。
本明細書で使用されているように、用語「N−カルバミル」は、式ROC(=O)NH−の基を指す。
本明細書で使用されているように、用語「O−チオカルバミル(thiocarbamyl)」は、式−OC(=S)NR2の基を指す。
本明細書で使用されているように、「N−チオカルバミル」は、式ROC(=S)NH−の基を指す。
本明細書で使用されているように、用語「C−アミド」は、式−C(=O)NR2の基を指す。
「アミノカルボニル」は、CONH2ラジカルを指す。
本明細書で使用されているように、用語「N−アミド」は、式RC(=O)NH−の基を指す。
「ヒドロキシアルキル」は、少なくとも1つのヒドロキシ基で置換された、本明細書に定義されたようなアルキルラジカルを指す。ヒドロキシアルキルの非限定的な例は、限定されないが、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル、および、2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピルを含む。
「アルコキシアルキル」は、本明細書で定義されるようなアルコキシ基によって置換された、本明細書で定義されるようなアルキルラジカルを指す。
「アルケニルオキシ」基は、(アルケニル)O−基を指し、アルケニルは本明細書に定義される通りである。
用語「アルキルアミン」は、−N(アルキル)xHy基を指し、xとyは、x=1、y=1、および、x=2、y=0の中から選択される。x=2の場合、付いているN原子とともに取り込まれるアルキル基は、随意に環状の環構造を形成することができる。
「アルキルアミノアルキル」は、本明細書で定義されるようなアルキルアミンによって置換された、本明細書で定義されるようなアルキルラジカルを指す。
「アミド」は、式−C(O)NHRまたは−NHC(O)Rを含む化学部分であり、ここで、Rは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を介して結合した)、および、ヘテロ脂環式(環炭素を介して結合した)の中から選択される。アミド部分は、アミノ酸またはペプチド分子と、本明細書に記載されている化合物との間に結合を形成してもよく、その結果としてプロドラッグを形成する。本明細書に記載される化合物上の任意のアミンまたはカルボキル側鎖がアミノ化され得る。
そのようなアミドを作る手順および特定の基は、当業者には知られており、および、そのまま引用することで本明細書に組み込まれる文献「Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., John Wiley & Sons, New York, NY, 1999」等の参考文献で容易に見つけることができる。
用語「エステル」は、式−COORを含む化学部分を指しており、ここで、Rは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を介して結合した)、および、ヘテロ脂環式(環炭素を介して結合した)の中から選択される。本明細書に記載の化合物上の任意のヒドロキシまたはカルボキシル側鎖は、エステル化され得る。前記エステルを作る手順および特定の基は、当業者には知られており、および、そのまま引用することで本明細書に組み込まれる文献「Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., John Wiley & Sons, New York, NY, 1999」等の参考文献で容易に見つけることができる。
本明細書で使用されるように、用語「環」は、任意の共有結合で閉じられた(covalently−closed)構造を指す。環は、例えば、炭素環(例えばアリールとシクロアルキル)、複素環(例えば、ヘテロアリールおよび非芳香族複素環)、芳香族(例えばアリールとヘテロアリール)、および非芳香族(例えばシクロアルキルおよび非芳香族複素環)を含んでいる。環は、随意に置換され得る。環は、単環式または多環式でもよい。
本明細書で使用されるように、用語「環系」は1以上の環を指す。
用語「員環」は、任意の環式構造を含み得る。用語「員」は、環を構成する骨格原子の数を示すことを意味している。したがって、例えば、シクロヘキシル、ピリジン、ピランおよびチオピランは、6員環であり、シクロペンチル、ピロール、フランおよびチオフェンは、5員環である。
用語「融合」は、2つ以上の環が、1つ以上の結合を共有する構造を指す。
用語「随意に置換された」または「置換された」は、参照された基が1つ以上の追加の基で置換されてもよいことを意味している。ほんの一例として、随意の置換基は、限定されないが、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、シアノ、ハロ、アシル、ニトロ、ハロアルキル、フルオロアルキル、一置換および二置換アミノ基を含むアミノと、保護誘導体であってもよい。随意の置換基のさらなる例は、限定されないが、LsRsでもよく、各々のLsは、単結合、−O−、−C(=O)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−NH−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、S(=O)2NH−、−NHS(=O)2、− OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−(任意または非置換のC1−C6アルキル)、あるいは、−(置換または非置換のC2−C6アルケニル)から独立して選択され、および、各々のRsは、H、(置換または非置換のC1−C4)、(置換または非置換のC3−C6シクロアルキル)、ヘテロアリール、あるいは、ヘテロアルキルから独立して選択される。上記の置換基の保護誘導体を形成し得る保護基は、当業者には知られており、上記の「Greene and Wuts」等の引用文で見られる。
本明細書で使用されるように、製剤、組成物、または成分に関する「許容可能な」または「薬学的に許容可能な」との用語は、治療を受ける被験体の全般的な健康に対し持続的な有害な効果を及ぼさないこと、または、化合物の生物活性または特性を抑止せず、比較的無毒である、ということを意味する。
本明細書で使用されているように、用語「アゴニスト」は、例えばBtkなどのタンパク質の自然発生リガンドの存在に由来する生物活性と同様に、存在することでタンパク質の生物活性をもたらす化合物を指す。
本明細書で使用されているように、用語「半アゴニスト」は、それが存在することによって、タンパク質の自然発生リガンドの存在に由来するのと同じタイプであるが規模のより小さなタンパク質の生体活性をもたらす化合物を指す。
本明細書で使用されているように、用語「アンタゴニスト」は、それが存在することで、タンパク質の生物活性の大きさを減少させる、化合物を指す。特定の実施形態では、アンタゴニストの存在は、例えばBtkのようにタンパク質の生物活性の完全な抑制をもたらす。特定の実施形態では、アンタゴニストは、阻害剤である。
本明細書で使用されているように、特定の化合物または医薬組成物の投与による特定の疾患、障害、または疾病の症状の「改善」は、化合物または組成物の投与が原因であり得るまたは関連し得る(永久的または一時的であろうと、長期的または短期であろうと)重篤度を軽減し、発症を遅らせ、進行を遅らせ、または、継続期間を短くすることを指す。
「バイオアベイラビリティ」は、研究されている動物またはヒトの全身循環へと送達される、投与された式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物といった、本明細書で開示された化合物の重量パーセントを指す。静脈内に投与された時の薬物の総曝露(AUC(0−∞))は、100%生物にとって利用できる(F%)として通常定義される。「経口バイオアベイラビリティ」は、静脈注射と比較して、医薬組成物が経口で摂取される際に、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物などの本明細書で開示された化合物が全身循環に吸収される程度を指す。
「血漿濃度」は、被験体の血液の血漿濃度において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物などの、本明細書で開示された化合物の濃度を指す。式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の血漿濃度は、他の治療薬による代謝および/または起こり得る相互作用に対する可変性によって、被検者間で著しく変化し得ることが理解される。本明細書で開示された1つの実施形態に従って、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の血漿濃度は、被験体ごとに変化し得る。同様に、最大の血漿濃度(Cmax)または最大の血漿濃度に達する時間(Tmax)のような値、または、血漿濃度時間曲線(AUC(0−∞))下の総面積は、検体間で変動し得る。このばらつきにより、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の「治療上有効な量」の化合物を構成するのに必要な量は、被験体ごとに変動し得る。
本明細書で用いられているように、用語「Bruton型チロシンキナーゼ」は、例えば、米国特許6,326,469(GenBank Accession No. NP_000052)号で開示されているように、ヒトからのBruton型チロシンキナーゼを指す。
用語「同時投与」などは、本明細書で使用されるように、一人の患者への選択された治療薬の投与を包含することを意味し、同じまたは異なる投与経路によって、あるいは、同じまたは異なる時間に、治療薬が投与される処置レジメンを含むように意図されている。
用語「有効な量」または「治療上有効な量」は、本明細書で使用されるように、処置されている疾患または疾病の1以上の症状をある程度和らげる、投与される十分な量の薬剤または化合物を指す。その結果は、疾患の徴候、症状、または原因が減少および/または軽減され得るか、あるいは、生物系の任意の他の所望の変化がもたらされ得る。例えば、治療用途で「有効な量」は、過度の有害な副作用を生じずに、疾患症状を臨床的に十分に減らすのに必要な組成物(本明細書に開示した化合物を含む)の量である。適切で有効な量は、いかなる個体の場合でも、用量増加研究などの技術を使用して定めることができる。用語「治療上有効な量」は、例えば、予防に有効な量を含む。本明細書に開示した化合物の「有効な量」は、過度の有害な副作用を生じずに、望ましい薬理学的効果または治療の向上を達成するのに有効な量である。「有効な量」または「治療上有効な量」は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の代謝、被験体の年齢、体重、一般状態、処置されている疾病、処置されている疾病の重症度、処方する医師の判断における変動によって、被験体ごとに変化し得ることが理解されよう。ほんの一例として、治療上有効な量は、限定されないが、用量増加臨床試験を含む、通常の実験によって決定されてもよい。
用語「増強する(enhannce)」または「増強している(enhancing)」は、効力または持続時間のいずれかにおいて、所望の効果を高めるまたは延長することを意味する。一例として、治療薬の効果を「増強する」とは、効力または持続時間のいずれかにおいて、疾患、障害、または疾病の処置を行なっている間に、治療薬の効果を高めるまたは延長する能力を指す。本明細書に用いられているように、用語「増強に有効な量」は、疾患、障害、または疾病の処置において、治療薬の効果を増強するのに適切な量を指す。患者に用いる場合、この用途にとっての有効な量とは、疾患、障害または疾病の重篤度および経過、以前の治療、患者の健康状態および薬物に対する応答、処置する医師の判断によって変わるであろう。
本明細書で使用されているように、用語「同一」は、同じである2つ以上のシーケンスまたはサブシーケンスを指す。さらに、本明細書で使用されているように、用語「本質的に同一」は、比較窓によって最大一致するように比較されて位置を調整された時、または、比較アルゴリズムを使用してあるいは手作業による位置合わせおよび外観検査によって測定されるように領域を指定した時に、同じになる、シーケンス単位の割合を有する2つ以上のシーケンスを指す。ほんの一例として、2つ以上のシーケンスは、連続するユニットが指定された部位上において、約60%同一、約65%同一、約70%同一、約75%同一、約80%同一、約85%同一、約90%同一、または約95%同一である場合に、「実質的に同一」となり得る。そのような割合は、2つ以上のシーケンスの「百分率同一性」について記述するためのものである。シーケンスの同一性は、長さで少なくとも約75−100の連続単位、長さで約50の連続単位、または、特に指定されない場合、全体のシーケンスにわたって存在し得る。この定義は試験シーケンスの補完も指す。ほんの一例として、アミノ酸残基が同じである時、2つ以上のポリペプチドシーケンスは同一である。同時に、アミノ酸残基が、指定された領域で、約60%同一、約65%同一、約70%同一、約75%同一、約80%同一、約85%同一、約90%同一、または、約95%同一であるならば、2つ以上のポリペプチドシーケンスは、「本質的に同一」である。同一性は、長さで少なくとも約75−100のアミノ酸、長さで約50のアミノ酸、または、特に指定されない場合はポリペプチドシーケンスのシーケンス全体にわたって存在し得る。さらに、ほんの一例として、核酸残基が同じである時、2つ以上のポリヌクレオチドシーケンスは同一である。同時に、核酸残基が、指定された領域で、約60%同一、約65%同一、約70%同一、約75%同一、約80%同一、約85%同一、約90%同一、または、約95%同一であるならば、2つ以上のポリヌクレオチドシーケンスは、「本質的に同一」である。同一性は、長さで少なくとも約75−100の核酸、長さで約50の核酸、または、特に指定されない場合はポリヌクレオチドシーケンスのシーケンス全体にわたって存在し得る。
本明細書で使用されているように、用語「阻害する」、「阻害すること」、または、キナーゼの「阻害剤」は、酵素のリン酸転移酵素活性の阻害を指す。
本明細書で使用されているように、用語「不可逆的な阻害剤」は、標的タンパク質(例えばキナーゼ)と接触すると、タンパク質との、または、タンパク質内での、新しい共有結合の形成を引き起こし、それによって、標的タンパク質の生物活性(例えばリン酸転移酵素活性)の1つ以上が、不可逆的な阻害剤のその後の存在または不在にもかかわらず減少するまたは破壊される、化合物を指す。対照的に、標的タンパク質と接触した可逆的な阻害剤化合物は、タンパク質との、または、タンパク質内部の新しい共有結合を形成せず、したがって、標的タンパク質と結合または標的タンパク質から解離することができる。
本明細書で使用されているように、用語「不可逆的なBtk阻害剤」は、Btkのアミノ酸残基をと共有結合を形成することができるBtkの阻害剤を指す。1つの実施形態では、Btkの不可逆的な阻害剤は、Btkのシステイン残基と共有結合を形成することができる。特定の実施形態では、不可逆的な阻害剤は、Btkのシステイン481残基と、または、別のチロシンキナーゼの同族の対応する位置のシステイン残基と共有結合を形成することができる。
本明細書で使用されているように、用語「分離」は、対象ではない成分から対象成分を分離し取り除くことを指す。分離した物質は、乾燥状態または半乾燥状態、あるいは、限定されないが、水溶液を含む溶液内のいずれかで存在し得る。分離し成分は、均質の状態になりえるか、あるいは、分離した成分は、追加の薬学的に許容可能な担体および/または賦形剤を含む医薬組成物の一部になりえる。ほんの一例として、核酸またはタンパク質が、自然状態で結合している細胞成分の少なくともいくつかに含まれていない時、あるいは、核酸またはタンパク質が、そのインビボかインビトロでの生産の濃度より高いレベルに濃縮された時、前記核酸またはタンパク質は「分離」している。同様に、一例として、遺伝子が、遺伝子に隣接して対象の遺伝子以外のタンパク質をコード化するオープンリーディングフレームから分離した時、遺伝子は単離する。
本明細書で開示される化合物の「代謝物」は、化合物が代謝される時に形成される、その化合物の誘導体である。用語「活性代謝物」は、化合物が代謝される時に形成される、化合物の生物学的に活性な誘導体を指す。本明細書で用いられるように、用語「代謝」は、有機体によって特定の物質が変化するプロセス(加水分解反応、および、酸化反応のような酵素によって触媒された反応などを含むが、これらに限定されない)の全体を指す。従って、酵素は、化合物への特定の構造的変化をもたらし得る。
例えば、チトクロームP450は、様々な酸化反応および還元反応を触媒する一方で、ウリジン2リン酸グルクロニルトランスフェラーゼは、芳香族アルコール、脂肪族アルコール、カルボン酸、アミン、および遊離スルフヒドリル基への活性化グルクロン酸分子の転移を触媒する。代謝についてのさらなる情報は、The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th Edition, McGraw−Hill (1996)」から得られる。本明細書で開示される化合物の代謝物は、宿主への化合物の投与と宿主から採取した組織サンプルの解析により、あるいは、肝細胞を用いた化合物のインビトロでのインキュベーションと得られた化合物の分析のいずれかによって、同定される。両方の方法が当該技術では周知である。いくつかの実施形態では、化合物の代謝物は、酸化のプロセスによって形成され、対応するヒドロキシ包含化合物に相当する。いくつかの実施形態では、化合物は薬理学的に活性な代謝物に代謝される。
用語「調節する」は、本明細書で用いられているように、ほんの一例として、標的の活性を増加させること、標的の活性を阻害すること、標的の活性を制限すること、または、標的の活性を延長させることを含む、標的の活性を変化させるために、直接的または間接的に標的と相互作用することを意味する。
本明細書で使用されているように、用語「修飾物質」は、分子の活性を変更する化合物を指す。例えば、修飾物質は、修飾物質がない状態での活性の大きさと比較して、分子の特定の活性の大きさを増加または減少させることができる。特定の実施形態では、修飾物質は、分子の1つ以上の活性の大きさを減少させる阻害剤である。特定の実施形態では、阻害剤は、分子の1つ以上の活性を完全に防ぐ阻害剤である。特定の実施形態では、修飾物質は、分子の1つの活性の大きさを増加させる活性化体である。特定の実施形態では、修飾物質の存在は、修飾物質がない状態では生じない活性を結果としてもたらす。
本明細書で使用されているように、用語「予防上有効な量」は、処置されている疾患、障害、または疾病の症状の1つ以上をある程度まで和らげる、患者に適用される組成物の量を指す。前記予防的な用途では、前記量は、患者の健康状態、体重などに左右される。限定されないが増加臨床試験を含む日常の実験による治療上有効な量を測定することは、当業者にとって当該技術の範囲内で十分によく考えられる。
本明細書で使用されているように、用語「選択的な結合化合物」は、1つ以上の標的タンパク質の任意の部分に選択的に結合する化合物を指す。
本明細書で使用されているように、用語「選択的に結合する」は、非標的タンパク質に結合するよりも大きな親和性をもって、選択的結合化合物が例えばBtkのような標的タンパク質に結合する能力を指す。特定の実施形態では、特異的な結合は、非標的向けの親和性よりも、少なくとも10、50、100、250、500、1000倍またはそれ以上の倍の親和性によって標的に結合することを指す。
本明細書で使用されているように、用語「選択的修飾物質」は、非標的活性に対して標的活性を選択的に調節する化合物を指す。特定の実施形態では、特定の修飾物質は、非標的活性よりも、少なくとも10、50、100、250、500、1000倍またはそれ以上の倍数の標的活性を調節することを指す。
本明細書で使用されているように、用語「十分に精製」は、精製前に対象の成分に通常付随するまたは相互作用する他の成分を十分に含まないまたは本質的に含まない対象成分を指している。ほんの一例として、対象成分は、対象成分の調合剤が、汚染成分の(乾重量で)約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、あるいは、約1%未満を含有している際に、「十分に精製され」得る。したがって、「十分に精製された」対象成分は、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%以上の精製レベルを有することができる。
本明細書で使用されているような用語「被験体」は、治療、観察、または実験の対象である動物を指す。ほんの一例として、被験体は、限定されないがヒトを含む哺乳動物であってもよいが、これに限定されない。
本明細書で使用されているように、用語「標的活性」は、選択的な修飾物質によって調節可能な生物活性を指す。特定の典型的な標的活性は、結合親和性、シグナル変換、酵素活性、腫瘍成長、炎症、または、炎症関連のプロセス、および、疾患または疾病に関連した1つ以上の症状の改善を含んでいるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されているように、用語「標的タンパク質」は、選択的な結合化合物によって結合可能なタンパク質の分子または部分を指す。特定の実施形態では、標的タンパク質は、Btkである。
「処置する(treat)」、「処置している(treating)」、および「処置(treatment)」という用語は、本明細書で用いられるように、疾患または疾病の症状を軽減、減少、または改善すること、更なる症状を予防すること、症状の根底にある代謝の原因を改善または予防すること、疾患または疾病を抑制すること、例えば、疾患または疾病の進行を停止すること、疾患または疾病を緩和すること、疾患または疾病を退行させること、疾患または疾病により生じる状態を緩和すること、あるいは、疾患または疾病の症状を止めることを含んでいる。用語「処置する」、「処置している」、または「処置」は、予防的および/または治療的な処置を含んでいるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されているように、IC50は、最大反応の50%阻害、例えば、前記反応を測定するアッセイにおけるBtkの阻害を達成する、特定の試験化合物の量、濃度、または用量を指す。
本明細書で使用されているように、EC50は、特定の試験化合物によって誘発され、引き起こされ、または、強められる特定の反応の最大発現の50%で用量依存性の反応を誘い出す、特定の試験化合物の1回分の用量、濃度、または量を指す。
本明細書に記載の方法は、治療上有効な量の本明細書に記載の1つ以上の可逆的なまたは不可逆的なBtk阻害剤化合物を包含する組成物を、必要とする被験体に投与する工程を含んでいる。理論によって縛られることなく、様々な造血細胞の機能、例えば、B細胞受容体活性化におけるBtkシグナル伝達が果たす多様な役割は、小分子のBtk阻害剤が、例えば、自己免疫疾患、異種免疫の疾病または疾患、炎症性疾患、癌(例えば、B細胞増殖性疾患)、および、血栓塞栓障害を含む造血系の多くの細胞型の影響を受ける様々な疾患のリスクを減らす、あるいは、このような疾患を処置するのに役立つということを示唆している。さらに、本明細書に記載の不可逆的なBtk阻害剤化合物は、不可逆的な阻害剤と共有結合を形成することができるシステイン残基(システイン481残基を含む)を有することによって、Btkと相同性を持つ他のチロシンキナーゼの小集団を阻害するために使用され得る。したがって、Btk以外のチロシンキナーゼの集団は、多くの健康条件下で治療上の標的として有効であると予想される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、限定されないが、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、スチル病、若年性関節炎、狼瘡、糖尿病、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、オード甲状腺炎、グレーブス病、シェーグレン症候群、多発性硬化症、ギラン−バレー症候群、急性散在性脳脊髄膜炎、アジソン病、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、セリアック病、グッドパスチャー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、視神経炎、強皮症、原発性胆汁性肝硬変、ライター症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、温式自己免疫溶血性貧血、ヴェーゲナー肉芽腫症、乾癬、全身性脱毛症、ベーチェット病、慢性疲労、自律神経異常症、子宮内膜症、間質性膀胱炎、神経ミオトニー、強皮症、および外陰部痛を含む、自己免疫疾患を処置するために使用することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、限定されないが、移植片対宿主病、移植、輸血、アナフィラキシー、アレルギー(例えば、花粉、ラテックス、薬物、食物、昆虫毒、動物の毛、動物のふけ、塵性ダニ、またはゴキブリ腎杯に対するアレルギー)、1型過敏症、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、およびアトピー性皮膚炎を含む、異種免疫の疾病または疾患を処置するために使用することができる。
さらなる実施形態では、本明細書に記載の方法は、限定されないが、喘息、炎症性腸疾患、虫垂炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液包炎、子宮頚管炎、胆管炎、胆嚢炎、大腸炎、結膜炎、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、小腸炎、腸炎、上顆炎、精巣上体、筋膜炎、結合織炎、胃炎、胃腸炎、肝炎、化膿性汗腺炎、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎、心筋炎、筋炎、腎炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、間質性肺炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、扁桃炎、ぶどう膜炎、膣炎、血管炎、および外陰部炎を含む、炎症性疾患を処置するために使用することができる。
さらなる他の実施形態では、本明細書に記載の方法は、例えば、限定されないが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、B細胞性前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞系リンパ腫、血管内大細胞型B細胞系リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、または、リンパ腫様肉芽腫症を含む、B細胞増殖性疾患などの癌を処置するために使用することができる。
さらなる実施形態では、本明細書に記載の方法は、限定されないが、心筋梗塞、狭心症(不安定狭心症を含む)、血管形成または大動脈冠動脈バイパス後の再閉塞、脳卒中、一過性虚血、末梢動脈閉塞性疾患、肺塞栓症、および、深部静脈血栓症を含む、血栓塞栓障害を処置するために使用することができる。
前述の疾病の各々の症状、診断テストおよび、予後検査は、当該技術分野で知られている。例えば、Harrison‘s Principles of Internal Medicinec,“ 16th ed., 2004, The McGraw−Hill Companies, Inc. Dey et al. (2006), Cytojournal 3(24), and the ”Revised European American Lymphoma“ (REAL) classification systemを参照(例えば、国立がん研究所によって維持されるウェブサイトを参照)。
多くの動物モデルは、前述の疾患のいずれかを治療するために、可逆的または不可逆的なBtk阻害剤化合物の効果的な容量の範囲を確立するのに役立つ。
例えば、自己免疫疾患を処置するための可逆的または不可逆的なBtk阻害剤化合物の投薬は、関節リウマチのマウスモデルで評価されてもよい。このモデルでは、関節炎は抗コラーゲン抗体およびリポ多糖類の投与によりBalb/cマウスで引き起こされる。Nandakumar et al. (2003), Am. J. Pathol 163:1827−1837.を参照。
別の例において、B細胞増殖性疾患の処置のための不可逆的なBtk阻害剤の投薬は、例えば、文献「Pagel et al. (2005), Clin Cancer Res 11(13):4857−4866.」に記載されているように、免疫不全マウス(例えば「ヌード」マウス)にヒトB細胞リンパ腫細胞(例えば、Ramos細胞)を注入する、ヒト−マウス異種移植片モデルにおいて実験され得る。
血栓塞栓障害の処置のための動物モデルも知られている。
前述の疾患の1つのための化合物の治療上の効能は、処置の課程中に最適化され得る。例えば、治療されている被験体は、所定の投与量の不可逆的なBtk阻害剤の投与によって達成されるインビボのBtk活性の阻害に、疾患の症状または病状の軽減を関連付けるために、診断評価を受けることができる。
細胞のアッセイは、不可逆的なBtk阻害剤の存在または不在下で、Btkのインビボでの活性を決定するために使用される。例えば、活性化Btkがチロシン223(Y223)とチロシン551(Y551)でリン酸化されるため、P−Y223またはP−Y551陽性細胞のホスホ特異的な免疫細胞化学的染色を用いて、(例えば、染色した細胞対染色されてない細胞のFACS分析によって)細胞の個体群におけるBktの活性化を検知するまたは定量化することができる。例えば、Nisitani et al.(1999),Proc.Natl.Acad.Sci,USA 96:2221−2226を参照。したがって、被検体の疾患状態を治療するための最適なBtk阻害レベルを維持するために、必要に応じて、被験体に投与されるBtk阻害剤化合物の量を増減させることができる。
(化合物)
本明細書に記載されている方法で使用するのに適した不可逆的なBtk化合物の以下の記載において、言及されている標準的な化学条件の定義は、(本明細書に定義がなければ)「Carey and Sundberg “Advanced Organic Chemistry 4th ed.” Vols. A (2000) and B (2001), Plenum Press, New York.」を含む参考文献で見られる。特に指示がない限り、質量分析、NMR、HPCL、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技術、および薬理学の従来の方法が、当業者の考え得る範囲内で、使用される。加えて、Btk(例えば、ヒトBtk)の核酸およびアミノ酸の配列は、例えば、米国特許第6,326,469号で開示されている。特定の定義が与えられていない限り、本明細書に記載されている、分析化学、有機合成化学、医薬化学、および、薬化学の検査法と技術に関連して用いられた命名法は、当業者に既知のものである。標準的な技術は、化学合成、化学分析、薬剤の調整、処方、および、送達、ならびに、患者の処置に用いられ得る。
本明細書に記載のBtk阻害剤化合物は、Btk内のシステイン481のアミノ酸配列位置と相同するチロシンキナーゼのアミノ酸配列位置にシステイン残基を有しているBtkとキナーゼに対して選択的である。本明細書に記載の阻害剤化合物は、マイケル受容体部分を含んでいる。
一般に、本明細書に記載されている方法で使用されるBtkの可逆的または不可逆的な阻害剤化合物は、インビトロアッセイ、例えば、細胞生化学的アッセイ、または、細胞機能的アッセイにおいて、特定されるまたは特徴づけられる。このようなアッセイは、可逆的または不可逆的な阻害剤化合物についてインビトロのIC50を測定するのに有用である。
例えば、無細胞キナーゼアッセイを用いて、さまざまな濃度の候補の不可逆的なBtk阻害剤化合物の不在下または存在下において、キナーゼのインキュベーション後にBtk活性を測定することができる。候補化合物が実際に不可逆的な阻害剤である場合、Btkキナーゼ活性は、阻害剤を含まない媒体で繰り返し洗浄しても回復しないであろう。例えば、J. B. Smaill, et al. (1999), J. Med. Chem. 42(10):1803−1815を参照する。さらに、Btkと候補の不可逆的な阻害剤との間の共有結合複合体の形成は、当該技術分野で知られている多くの技術(例えば、質量分析法)によって容易に測定可能なBtkの不可逆的な阻害の有用な指標である。例えば、いくつかの不可逆的なBtk−阻害剤化合物は、(例えばマイケル反応を介して)BtkのCys481と共有結合を形成することができる。
Btk阻害のための細胞機能性アッセイは、様々な濃度の候補である不可逆的なBtk阻害剤化合物の不在下または存在下で、細胞株におけるBtk媒介性の経路を刺激すること(例えばラモス細胞のBCR活性化)に反応して1つ以上の細胞のエンドポイントを測定することを含んでいる。BCR活性化に対する反応を決定するための有用なエンドポイントは、例えば、Btkの自己リン酸化、Btk標的タンパク質(例えばPLC−γ)のリン酸化、および、細胞質のカルシウム流出を含んでいる。
多くの無細胞生化学的アッセイ(例えばキナーゼアッセイ)と、細胞機能性アッセイ(例えばカルシウム流出)向けのハイスループットアッセイが、当業者に周知である。さらに、ハイスループットスクリーニング・システムは、市販で入手可能である(例えば Zymark Corp., Hopkinton, MA; Air Technical Industries, Mentor, OH; Beckman Instruments, Inc. Fullerton, CA; Precision Systems, Inc., Natick, MA等を参照)。これらのシステムは、典型的には、アッセイに適切な検出器における、全てのサンプルと試薬のピペッティング、液体の分注、時間制限を設けたインキュベーション、検出に適したマイクロプレートの最終的な数値の読み取りを含む、手順全体を自動化する。自動化システムは、過度な努力なしで、多くの不可逆的なBtk化合物の特定と特徴付けを可能にする。
可逆的または不可逆的なBtk阻害剤化合物は、前述の状態(例えば、自己免疫疾患、炎症性疾患、アレルギー疾患、B細胞増殖性疾患、または血栓塞栓障害)のいずれかを処置するための薬物の製造に使用することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に使用される可逆的または不可逆的なBtk阻害剤化合物は、約10μM未満のインビトロのIC50でBtk活性を阻害する。(例えば、約1μM未満、約0.5μM未満、約0.4μM未満、約0.3μM未満、約0.1μM未満、約0.08μM未満、約0.06μM未満、約0.05μM未満、約0.04μM未満、約0.03μM未満、約0.02μM未満、約0.01μM未満、約0.008μM未満、約0.006μM未満、約0.005μM未満、約0.004μM未満、約0.003μM未満、約0.002μM未満、約0.001μM未満、約0.00099μM未満、約0.00098μM未満、約0.00097μM未満、約0.00096μM未満、約0.00095μM未満、約0.00094μM未満、約0.00093μM未満、約0.00092μM、あるいは、約0.00090μM未満である)。
1つの実施形態では、不可逆的なBtk阻害剤化合物は、その標的チロシンキナーゼの活性化形態(例えば、チロシンキナーゼのリン酸化形態)を選択的および不可逆的に阻害する。例えば、活性化されたBtkは、チロシン551でトランスリン酸化される。したがって、これらの実施形態では、ひとたび標的キナーゼがシグナル伝達イベントによって活性化されさえすれば、不可逆的なBtk阻害剤は、細胞内の標的キナーゼを阻害する。
本明細書には、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物が記載されている。同様に、本明細書には、前記化合物の、薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、薬学的に活性な代謝物、および薬学的に許容可能なプロドラッグが記載されている。少なくとも1つのそのような化合物、またはそのような化合物の薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、薬学的に活性な代謝物、および薬学的に許容可能なプロドラッグを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された化合物が酸化可能な窒素原子を含有するとき、窒素原子は、当業者に周知の方法によって、N−酸化物に変換可能である。特定の実施形態では、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかによって表される構造を有する化合物の異性体および化学的に保護された形態も提供される。
さらなる実施形態において、式(I)の構造を有する化合物、または、その薬学的に許容可能な塩であって、
式中、
Laは単結合、−CH2−、−CH(OH)−、−C(O)−、−CH2O−、−OCH2−、−SCH2、−CH2S−、−N(R21)−、−N(R21)C(O)−、−C(O)N(R21)−、−N(R21)C(O)N(R21)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(R21)S(O)2−、または、−S(O)2N−(R21)−であり、
Arは、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールであり、
R3は、随意に置換されたC3−C6アルキル、置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−(C=O)C1−C6アルキル、−(C=O)OR4、−(C=O)NR4R4、−(C=O)SR4、−G−X、または、以下であり、
Gは随意に置換されたヘテロシクロアルキル、随意に置換されたアリール、または、随意に置換ヘテロアリールであり、
Xは随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−OR4、−SR4、または−NR4R4であり、
各々のR4はそれぞれ独立して、H、C1−C6アルキル、C1−C6ヘテロアルキル、C3−C6シクロアルキル、またはC2−C6ヘテロシクロアルキルであり、
Yは、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、および、ヘテロアリールの中から選択された随意の置換基であり、
Zは、C(=O)、OC(=O)、N(R21)C(=O)、C(=S)、S(=O)x、OS(=O)x、または、N(R21)S(=O)xであり、xは1または2であり、
各々のR24はそれぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−OH、−OCF3、−OCH2F、−OCF2H、−CF3、−SR21、−N(R21)S(=O)2R23、S(=O)2N(R21)(R22)、−S(=O)R23、−S(=O)2R23、−C(=O)R23、−OC(=O)R23、−CO2R21、−N(R21)(R22)、−C(=O)N(R21)(R22)、−N(R21)C(=O)R23、N(R21)C(=O)OR22、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルであり、
R21とR22はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
R23はそれぞれ独立して、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
nは0−4であり、
pは0−2であり、
R6はHまたはL−J−Wであり、
R7とR8は独立してHまたはL−J−Wであり、あるいは、一緒に取り込まれるR7とR8は、単結合を形成し、
LとJはそれぞれ独立して、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、あるいは、−S−であり、
WはH、ハロゲン、−CN、またはNR25R26であり、
R25とR26はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、あるいは、R25とR26は、それらが付けられる窒素と一緒にヘテロシクロアルキル環を形成する。
1つの実施形態では、Laが単結合、−CH2−、−CH(OH)−、−C(O)−、−CH2O−、−OCH2−、−SCH2、−CH2S−、−N(H)−、−N(H)C(O)−、−C(O)N(H)−、−N(H)C(O)N(H)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(H)S(O)2−、または、−S(O)2N−(H)−である、式(I)の化合物である。さらなる実施形態において、Laは、単結合、−CH2−、−CH(OH)−、−C(O)−、−CH2O−、−OCH2−、−SCH2、−CH2S−、−N(H)−、−N(H)C(O)−、−C(O)N(H)−、−N(H)C(O)N(H)−、−O、または、−S−である。さらなる実施形態において、Laは、−CH2O−、−OCH2−、−SCH2、−CH2S−、−N(H)−、−O−、または、−S−である。さらなる実施形態では、Laは、−OCH2−または−O−である。さらなる実施形態では、Laは、−OCH2−である。さらなる実施形態では、Laは、−O−である。さらなる実施形態では、Laは、−CH2O−である。さらなる実施形態では、Laでは、−N(H)−である。さらなる実施形態では、Laは、−S−である。さらなる実施形態では、Laは、−CH2−である。さらなる実施形態では、Laは、単結合である。
いくつかの実施形態では、Arが置換または非置換のアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールである、式(I)の化合物である。さらなる実施形態では、Arは置換または非置換のアリールである。またさらなる実施形態では、Arはフェニルである。別の実施形態において、Arは、置換または非置換のヘテロアリールである。さらなる実施形態では、Arは、インドリル、オキサゾリル基、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、または、イソキノリニルである。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物であり、ここで、R3は随意に置換されたC3−C6アルキル、置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−G−X、または、以下である。
いくつかの実施形態では、R3は、随意に置換されたC3−C6アルキルである。実施形態では、R3は置換されたシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R3は随意に置換されたアリールである。いくつかの実施形態では、R3は随意に置換されたヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、R3は、−G−Xである。いくつかの実施形態では、Gはアリールである。いくつかの実施形態では、Gはヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Gはヘテロシクロアルキルである。さらなる実施形態では、Gは、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペリジニル、および、モルホリニルから選ばれる。いくつかの実施形態では、Gはピロリジニルである。いくつかの実施形態では、Gはテトラヒドロフラニルである。いくつかの実施形態では、Gはピペリジニルである。いくつかの実施形態では、Gはピペリジニルである。いくつかの実施形態では、Gはモルホリニルである。さらなる実施形態では、Xは随意に置換されたヘテロシクロアルキルである。またさらなる実施形態では、Xはピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペリジニル、および、モルホリニルから選ばれる。いくつかの実施形態では、Xはピロリジニルである。いくつかの実施形態では、Xはテトラヒドロフラニルである。いくつかの実施形態では、Xはピペリジニルである。いくつかの実施形態では、Xはピペリジニルである。いくつかの実施形態では、Xはモルホリニルである。さらなる実施形態において、Xは−OR4、−SR4、または、−NR4R4である。いくつかの実施形態では、Xは−OR4である。いくつかの実施形態では、Xは−SR4である。いくつかの実施形態では、Xは−NR4R4である。またさらなる実施形態において、R4はそれぞれ独立してHまたはC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、各々のR4はHである。いくつかの実施形態において、各々のR4はCH3である。
別の実施形態は、R3が以下である、式(I)の化合物である。
さらなる実施形態では、Zは、C(=O)、NHC(=O)、N(CH3)C(=O)、または、S(=O)2である。いくつかの実施形態において、ZはC(C=O)である。いくつかの実施形態において、ZはNHC(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはN(CH3)C(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはS(=O)2である。
別の実施形態では、R6、R7、R8がHである、式(I)の化合物である。別の実施形態では、R7とR8がHであり、R6がL−J−Wである、式(I)の化合物である。さらなる実施形態では、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。またさらなる実施形態において、R6が置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、あるいは、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである、式(I)の化合物である。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は置換または非置換の(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は、置換または非置換の((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
別の実施形態では、R6とR8がHであり、R7がL−J−Wである、式(I)の化合物である。さらなる実施形態では、R7は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。またさらなる実施形態において、R7が置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、あるいは、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである、式(I)の化合物である。いくつかの実施形態において、R7は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R7は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R7は置換または非置換の(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は、置換または非置換の((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
別の実施形態では、式(I)の化合物であり、ここで、R6とR8はHであり、R7はL−J−Wであり、Lは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンであり、および、Jは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。さらなる実施形態において、Lは単結合である。さらなる実施形態において、Lは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。さらなる実施形態において、Lは、置換または非置換のC1−C6アルキレンである。またさらなる実施形態では、Lは−CH2−である。さらなる実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレンである。いくつかの実施形態において、Jは−CH2−である。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6シクロアルキレンである。さらなる実施形態では、Jはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレンである。さらなる実施形態では、Jは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、または、ピリジニルである。前述の実施形態のさらなる実施形態では、WがHである、式Iの化合物である。前述の実施形態の別の実施形態では、Wがハロゲンである式(I)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態では、Wが−CNである式(I)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態では、WがNR25R26である式(I)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、および、R26は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。別の実施形態では、R25とR26は置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R25とR26は−CH3である。別の実施形態では、R25とR26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。別の実施形態において、R25はHであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。別の実施形態では、R25は置換または非置換のC1−C6アルキルであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロブチルである。別の実施形態において、式(I)の化合物であり、ここで、R25とR26は、それらが付けられる窒素と一緒に、ヘテロシクロアルキル環を形成する。
別の実施形態では、一緒に取り込まれたR7とR8が単結合を形成し、R6がL−J−Wである、式(I)の化合物である。さらなる実施形態では、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。さらなる実施形態では、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、あるいは、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
別の実施形態では、Yが随意に置換されたアルキルである、式(I)の化合物である。別の実施形態では、Yは随意に置換されたヘテロアルキルである。別の実施形態では、Yは随意に置換されたシクロアルキルである。別の実施形態では、Yは随意に置換されたヘテロアリールである。別の実施形態では、Yは随意に置換されたアリールである。さらなる実施形態では、Yはフェニルである。
いくつかの実施形態は、式(I)の化合物であり、ここで、R24はそれぞれ独立して、ハロゲン、NH2、N(CH3)2、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は、置換または非置換のアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は、置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は、置換または非置換のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R24はハロゲンである。さらなる実施形態では、R24はF、Cl、またはBrである。
前述の実施形態のさらなる実施形態では、nが0である式(I)の化合物である。いくつかの実施形態において、nは1である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、nは4である。前述の実施形態のさらなる実施形態では、pが0である式(I)の化合物である。いくつかの実施形態では、pは1である。いくつかの実施形態では、pは2である。
さらなる実施形態は、式(Ia)の構造を有する化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、
式中、
Arは、置換または非置換のアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールであり、
Zは、C(=O)、N(R21)C(=O)、C(=S)、S(=O)x、OS(=O)x、または、N(R21)S(=O)xであり、xは1または2であり、
各々のR24はそれぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−OH、−OCF3、−OCH2F、−OCF2H、−CF3、−SR21、−N(R21)S(=O)2R23、S(=O)2N(R21)(R22)、−S(=O)R23、−S(=O)2R23、−C(=O)R23、−OC(=O)R23、−CO2R21、−N(R21)(R22)、−C(=O)N(R21)(R22)、−N(R21)C(=O)R23、N(R21)C(=O)OR22、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルであり、
R21とR22はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
R23はそれぞれ独立して、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
nは0−4であり、
R6はHまたはL−J−Wであり、
R7とR8は独立してHまたはL−J−Wであり、あるいは、一緒に取り込まれるR7とR8は、単結合を形成し、
LとJはそれぞれ独立して、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、または、−S−であり、
WはH、ハロゲン、−CN、またはNR25R26であり、
R25とR26はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、あるいは、R25とR26は、それらが付けられる窒素と一緒にヘテロシクロアルキル環を形成する。
いくつかの実施形態において、Arが置換または非置換であるのアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールである、式(Ia)の化合物である。さらなる実施形態では、Arは置換または非置換のアリールである。またさらなる実施形態では、Arはフェニルである。別の実施形態において、Arは、置換または非置換のヘテロアリールである。さらなる実施形態では、Arは、インドリル、オキサゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、またはイソキノリニルである。
いくつかの実施形態では、ZがC(=O)、NHC(=O)、N(CH3)C(=O)、または、S(=O)2である、式(Ia)の化合物である。いくつかの実施形態において、ZはC(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはNHC(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはN(CH3)C(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはS(=O)2である。
別の実施形態では、R6、R7およびR8がHである、式(Ia)の化合物である。別の実施形態では、R7とR8がHであり、および、R6がL−J−Wである、式(Ia)の化合物である。さらなる実施形態では、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。またさらなる実施形態において、式(Ia)の化合物であり、ここで、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、あるいは、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換C1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は置換または非置換の(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は、置換または非置換の((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
別の実施形態では、R6とR8がHであり、および、R7がL−J−Wである、式(Ia)の化合物である。さらなる実施形態では、R7は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。またさらなる実施形態では、式(Ia)の化合物であり、ここで、R7は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、あるいは、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R7は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R7は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R7は置換または非置換の(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は、置換または非置換の((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
別の実施形態は、式(Ia)の化合物であり、ここで、R6およびR8はHであり、R7はL−J−Wであり、Lは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンであり、および、Jは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。さらなる実施形態において、Lは単結合である。さらなる実施形態において、Lは、置換または非置換の単環式ヘテロアリールであるシクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、実施形態Lは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。またさらなる実施形態では、Lは−CH2−である。さらなる実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態において、Jは−CH2−である。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6シクロアルキレンである。さらなる実施形態では、Jはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレンである。さらなる実施形態では、Jは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、またはピリジニルである。前述の実施形態のさらなる実施形態は、WがHである、式(Ia)の化合物である。前述の実施形態の実施形態は、Wがハロゲンである、式(Ia)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態は、Wが−CNである、式(Ia)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態は、WがNR25R26である、式(Ia)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、R26が、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。別の実施形態では、R25とR26は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R25とR26は−CH3である。別の実施形態では、R25とR26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。別の実施形態において、R25はHであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。別の実施形態では、R25は置換または非置換のC1−C6アルキルであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25は−CH3であり、R26はシクロブチルである。別の実施形態は、式(Ia)の化合物であり、ここで、R25とR26は、それらが付けられる窒素と一緒に取り込まれ、ヘテロシクロアルキル環を形成する。
別の実施形態は、式(Ia)の化合物であり、ここで、一緒に取り込まれたR7とR8が単結合を形成し、および、R6はL−J−Wである。さらなる実施形態では、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。さらなる実施形態では、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は(C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
いくつかの実施形態は、式(Ia)の化合物であり、ここで、R24はそれぞれ独立して、ハロゲン、NH2、N(CH3)2、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は、置換または非置換のアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は、置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は、置換または非置換のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R24はハロゲンである。さらなる実施形態では、R24はF、Cl、またはBrである。
前述の実施形態のさらなる実施形態は、nが0である、式(Ia)の化合物である。いくつかの実施形態において、nは1である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、nは4である。
さらなる実施形態において、式(Ib)の構造を有する化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、
式中、
Arは、置換または非置換のアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールであり、
Zは、C(=O)、N(R21)C(=O)、C(=S)、S(=O)x、OS(=O)x、または、N(R21)S(=O)xであり、xは1または2であり、
各々のR24はそれぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−OH、−OCF3、−OCH2F、−OCF2H、−CF3、−SR21、−N(R21)S(=O)2R23、S(=O)2N(R21)(R22)、−S(=O)R23、−S(=O)2R23、−C(=O)R23、−OC(=O)R23、−CO2R21、−N(R21)(R22)、−C(=O)N(R21)(R22)、−N(R21)C(=O)R23、N(R21)C(=O)OR22、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルであり、
R21とR22はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
R23はそれぞれ独立して、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
nは0−4であり、
R6はHまたはL−J−Wであり、
R7とR8は独立してHまたはL−J−Wであり、あるいは、一緒に取り込まれるR7とR8は、単結合を形成し、
LとJはそれぞれ独立して、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、または、−S−であり、
WはH、ハロゲン、−CN、またはNR25R26であり、
R25とR26はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、あるいは、R25とR26は、それらが付けられる窒素と一緒にヘテロシクロアルキル環を形成する。
いくつかの実施形態は、Arが置換または非置換のアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールである、式(Ib)の化合物である。さらなる実施形態において、Arは置換または非置換のアリールである。またさらなる実施形態では、Arはフェニルである。別の実施形態において、Arは置換または非置換のヘテロアリールである。さらなる実施形態では、Arは、インドリル、オキサゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、または、イソキノリニルである。
いくつかの実施形態は、ZがC(=O)、NHC(=O)、N(CH3)C(=O)、または、S(=O)2である、式(Ib)の化合物である。いくつかの実施形態において、Zは(C=O)である。いくつかの実施形態において、ZはNHC(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはN(CH3)C(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはS(=O)2である。
別の実施形態は、R6、R7およびR8がHである、式(Ib)の化合物である。別の実施形態では、R7とR8がHであり、および、R6がL−J−Wである、式(Ib)の化合物である。さらなる実施形態では、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、(C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。またさらなる実施形態は、R6が、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである、式(Ib)の化合物である。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は置換または非置換の(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は、置換または非置換の((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
別の実施形態は、R6とR8がHであり、および、R7がL−J−Wである、式(Ib)の化合物である。さらなる実施形態では、R7は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。またさらなる実施形態は、式(Ib)の化合物であり、ここで、R7は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、あるいは、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R7は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R7は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R7は置換または非置換の(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は、置換または非置換の((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
別の実施形態は式(Ib)の化合物であり、ここで、R6およびR8はHであり、R7はL−J−Wであり、Lは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンであり、および、Jは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。さらなる実施形態において、Lは単結合である。さらなる実施形態において、Lは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。さらなる実施形態において、Lは、置換または非置換のC1−C6アルキレンである。またさらなる実施形態では、Lは−CH2−である。さらなる実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態において、Jは−CH2−である。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6シクロアルキレンである。さらなる実施形態において、Jはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレンである。さらなる実施形態では、Jは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、またはピリジニルである。前述の実施形態のさらなる実施形態は、WがHである、式(Ib)の化合物である。前述の実施形態の実施形態は、Wがハロゲンである、式(Ib)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態は、Wが−CNである式(Ib)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態は、WがNR25R26である、式(Ib)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、R26は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。別の実施形態では、R25とR26は置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R25とR26は−CH3である。別の実施形態では、R25とR26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。別の実施形態において、R25はHであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。別の実施形態では、R25は置換または非置換のC1−C6アルキルであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロブチルである。別の実施形態において、式(Ib)の化合物であり、ここで、R25およびR26はそれらが付けられる窒素と一緒にヘテロシクロアルキル環を形成する。
別の実施形態は、式(Ib)の化合物であり、ここで、一緒に取り込まれたR7とR8が単結合を形成し、および、R6はL−J−Wである。さらなる実施形態では、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。さらなる実施形態では、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、あるいは、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
いくつかの実施形態は、式(Ib)の化合物であり、ここで、R24はそれぞれ独立して、ハロゲン、NH2、N(CH3)2、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R24はハロゲンである。さらなる実施形態では、R24はF、Cl、またはBrである。
前述の実施形態のさらなる実施形態は、nが0である式(Ib)の化合物である。いくつかの実施形態において、nは1である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、nは4である。
さらなる実施形態において、式(II)の構造を有する化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、
式中、
Laは、単結合、−CH2−、−CH(OH)−、−C(O)−、−CH2O−、−OCH2−、−SCH2、−CH2S−、−N(R21)−、−N(R21)C(O)−、−C(O)N(R21)−、−N(R21)C(O)N(R21)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(R21)S(O)2−、または、−S(O)2N−(R21)−であり、
Arは、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールであり、
R3は以下であり、
Yは随意に置換されたヘテロシクロアルキルであり、
Zは、C(=O)、OC(=O)、N(R21)C(=O)、C(=S)、S(=O)x、OS(=O)x、または、N(R21)S(=O)xであり、xは1または2であり、
各々のR24はそれぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−OH、−OCF3、−OCH2F、−OCF2H、−CF3、−SR21、−N(R21)S(=O)2R23、S(=O)2N(R21)(R22)、−S(=O)R23、−S(=O)2R23、−C(=O)R23、−OC(=O)R23、−CO2R21、−N(R21)(R22)、−C(=O)N(R21)(R22)、−N(R21)C(=O)R23、N(R21)C(=O)OR22、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルであり、
R21とR22はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
R23はそれぞれ独立して、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
nは0−4であり、
pは0−2であり、
R6とR8は独立してHまたはL−Jであり、および、R7はT−Wであり、あるいは、
R6とR7は独立してHまたはL−Jであり、および、R8はT−Wであり、あるいは、
R7とR8は独立してHまたはL−Jであり、および、R6はT−Wであり、あるいは、
一緒に取り込まれたR7とR8は単結合を形成し、および、R6はT−Wであり、
Lは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、または−S−であり、
Jは、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、NR27R28、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
Tは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、あるいは、−S−であり、
Wは、NR25R26、−CN、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルあるいは置換または非置換のC結合C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
R26は、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
R27とR28はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、あるいは、R27とR28は、それらが付けられる窒素と一緒に、ヘテロシクロアルキル環を形成する。
1つの実施形態は式(II)の化合物であり、ここで、Laは、単結合、−CH2−、−CH(OH)−、−C(O)−、−CH2O−、−OCH2−、−SCH2、−CH2S−、−N(H)−、−N(H)C(O)−、−C(O)N(H)−、−N(H)C(O)N(H)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(H)S(O)2−、または、−S(O)2N−(H)−である。さらなる実施形態において、Laは、単結合、−CH2−、−CH(OH)−、−C(O)−、−CH2O−、−OCH2−、−SCH2、−CH2S−、−N(H)−、−N(H)C(O)−、−C(O)N(H)−、−N(H)C(O)N(H)−、−O−、または−S−である。さらなる実施形態において、Laは、−CH2O−、−OCH2−、−SCH2、−CH2S−、−N(H)−、−O−、または、−S−である。さらなる実施形態では、Laは−OCH2−、または、−O−である。さらなる実施形態において、Laは−OCH2−である。さらなる実施形態において、Laは−O−である。さらなる実施形態において、Laは−CH2O−である。さらなる実施形態において、Laは−N(H)−である。さらなる実施形態において、Laは−S−である。さらなる実施形態において、Laは−CH2−である。さらなる実施形態において、Laは単結合である。
いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、Arは置換または非置換のアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールである。さらなる実施形態では、Arは置換または非置換のアリールである。またさらなる実施形態では、Arはフェニルである。別の実施形態において、Arは、置換または非置換のヘテロアリールである。さらなる実施形態では、Arは、インドリル、オキサゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、またはイソキノリニルである。
別の実施形態では、ZがC(=O)、NHC(=O)、N(CH3)C(=O)、または、S(=O)2である、式(II)の化合物である。いくつかの実施形態において、ZはC(C=O)である。いくつかの実施形態において、ZはNHC(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはN(CH3)C(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはS(=O)2である。
別の実施形態では、R7とR8がHであり、R6がT−Wである、式(II)の化合物である。さらなる実施形態では、Tは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンがある。いくつかの実施形態において、Tは単結合である。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態では、Tは−CH2−である。前述の実施形態のさらなる実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、Wは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC結合C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Wは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。さらなる実施形態では、Wはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Wは、置換または非置換のC6−C12アリールである。さらなる実施形態では、Wはフェニルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Wはイミダゾリルである。いくつかの実施形態では、Wはピリジニルである。前述の実施形態の別の実施形態は、Wが−CNである、式(II)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態は、WがNR25R26である式(II)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、および、R26は、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、R25はHであり、R26はシクロブチルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25は−CH3であり、R26はシクロブチルである。
別の実施形態は、R6とR8がHであり、R7がT−Wである、式(II)の化合物である。さらなる実施形態では、Tは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは単結合である。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態では、Tは−CH2−である。前述の実施形態のさらなる実施形態は式(II)の化合物であり、ここで、Wは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC結合C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。さらなる実施形態において、Wはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC6−C12アリールである。さらなる実施形態では、Wはフェニルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Wはイミダゾリルである。いくつかの実施形態において、Wはピリジニルである。前述の実施形態の別の実施形態は、WがNR25R26である式(II)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、および、R26は、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。別の実施形態では、R25とR26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。別の実施形態において、R25はフェニルであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。別の実施形態では、R25は置換または非置換のC1−C6アルキルであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。
別の実施形態は、一緒に取り込まれたR7とR8が単結合を形成し、R6がTWである、式(II)の化合物である。さらなる実施形態では、Tは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは単結合である。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態では、Tは−CH2−である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、式(II)の化合物であり、ここで、Wは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC結合C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。さらなる実施形態では、Wはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC6−C12アリールである。さらなる実施形態では、Wはフェニルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Wはイミダゾリルである。いくつかの実施形態において、Wはピリジニルである。前述の実施形態の別の実施形態は、WがNR25R26である、式(II)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、および、R26は、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25は−CH3であり、R26はシクロブチルである。
別の実施形態は、Yが随意に置換されたピロリジニルである、式(II)の化合物である。別の実施形態は、Yが随意に置換されたピペリジニルである、式(II)の化合物である。
いくつかの実施形態は式(II)の化合物であり、ここで、R24はそれぞれ独立して、ハロゲン、NH2、N(CH3)2、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R24はハロゲンである。さらなる実施形態では、R24はF、Cl、またはBrである。
前述の実施形態のさらなる実施形態は、nが0である式(II)の化合物である。いくつかの実施形態において、nは1である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、nは4である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、pが0である式(II)の化合物である。いくつかの実施形態では、pは1である。いくつかの実施形態では、pは2である。
さらなる実施形態は、式(IIa)の構造を有する化合物またはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
Arは、置換または非置換のアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールであり、
ZはC(=O)であり、
各々のR24はそれぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−OH、−OCF3、−OCH2F、−OCF2H、−CF3、−SR21、−N(R21)S(=O)2R23、S(=O)2N(R21)(R22)、−S(=O)R23、−S(=O)2R23、−C(=O)R23、−OC(=O)R23、−CO2R21、−N(R21)(R22)、−C(=O)N(R21)(R22)、−N(R21)C(=O)R23、N(R21)C(=O)OR22、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルであり、
R21とR22はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
R23はそれぞれ独立して、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
nは0−4であり、
R6とR8は独立してHまたはL−Jであり、および、R7はT−Wであり、あるいは、
R6とR7は独立してHまたはL−Jであり、および、R8はT−Wであり、あるいは、
R7とR8は独立してHまたはL−Jであり、および、R6はT−Wであり、あるいは、
一緒に取り込まれたR7とR8は単結合を形成し、R6はT−Wであり、
Lは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、または−S−であり、
Jは、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、NR27R28、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
Tは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、あるいは、−S−であり、
Wは、NR25R26、−CN、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルあるいは置換または非置換のC結合C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
R26は、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
R27とR28はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、あるいは、R27とR28は、それらが付けられる窒素と一緒に、ヘテロシクロアルキル環を形成する。
いくつかの実施形態は、式(IIa)の化合物であり、ここで、Arは置換または非置換のアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールである。さらなる実施形態において、Arは置換または非置換のアリールである。またさらなる実施形態では、Arはフェニルである。別の実施形態において、Arは置換または非置換のヘテロアリールである。さらなる実施形態では、Arは、インドリル、オキサゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、またはイソキノリニルである。
別の実施形態は、R7とR8がHであり、および、R6がT−Wである、式(IIa)の化合物である。さらなる実施形態では、Tは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは単結合である。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態では、Tは−CH2−である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、式(IIa)の化合物であり、ここで、Wは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC結合C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。さらなる実施形態では、Wはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC6−C12アリールである。さらなる実施形態では、Wはフェニルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Wはイミダゾリルである。いくつかの実施形態において、Wはピリジニルである。前述の実施形態の別の実施形態は、Wが−CNである式(IIa)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態は、WがNR25R26である、式(IIa)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、および、R26は、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25は−CH3であり、R26はシクロブチルである。
別の実施形態は、R6とR8がHであり、および、R7がT−Wである、式(IIa)の化合物である。さらなる実施形態では、Tは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは単結合である。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態では、Tは−CH2−である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、式(IIa)の化合物であり、ここで、Wは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC結合C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。さらなる実施形態では、Wはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC6−C12アリールである。さらなる実施形態では、Wはフェニルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Wはイミダゾリルである。いくつかの実施形態において、Wはピリジニルである。前述の実施形態の実施形態は、WがNR25R26である、式(IIa)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、および、R26は、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。別の実施形態では、R25とR26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。別の実施形態において、R25はHであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。別の実施形態では、R25は置換または非置換のC1−C6アルキルであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。
別の実施形態は、一緒に取り込まれたR7とR8が単結合を形成し、R6がT−Wである、式(IIa)の化合物である。さらなる実施形態では、Tは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは単結合である。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態では、Tは−CH2−である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、式(IIa)の化合物であり、ここで、Wは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC結合C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。さらなる実施形態では、Wはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC6−C12アリールである。さらなる実施形態では、Wはフェニルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Wはイミダゾリルである。いくつかの実施形態において、Wはピリジニルである。前述の実施形態の別の実施形態は、WがNR25R26である、式(IIa)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、および、R26は、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25は−CH3であり、R26はシクロブチルである。
別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7がL−J−Wである、式(IIa)の化合物である。別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7が、C3−C6シクロアルキル、C6−C12アリール、またはC3−C12ヘテロアリールである、式(IIa)の化合物である。別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7がシクロプロピルまたはフェニルである、式(IIa)の化合物である。
いくつかの実施形態は、式(IIa)の化合物であり、ここで、R24はそれぞれ独立して、ハロゲン、NH2、N(CH3)2、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R24はハロゲンである。さらなる実施形態では、R24はF、Cl、またはBrである。
前述の実施形態のさらなる実施形態は、nが0である、式(IIa)の化合物である。いくつかの実施形態において、nは1である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、nは4である。
別の実施形態は、式(IIb)の構造を有する化合物またはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
Arは、置換または非置換のアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールであり、
ZはC(=O)であり、
各々のR24はそれぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−OH、−OCF3、−OCH2F、−OCF2H、−CF3、−SR21、−N(R21)S(=O)2R23、S(=O)2N(R21)(R22)、−S(=O)R23、−S(=O)2R23、−C(=O)R23、−OC(=O)R23、−CO2R21、−N(R21)(R22)、−C(=O)N(R21)(R22)、−N(R21)C(=O)R23、N(R21)C(=O)OR22、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルであり、
R21とR22はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
R23はそれぞれ独立して、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
nは0−4であり、
R6とR8は独立してHまたはL−Jであり、および、R7はT−Wであり、あるいは、
R6とR7は独立してHまたはL−Jであり、および、R8はT−Wであり、あるいは、
R7とR8は独立してHまたはL−Jであり、および、R6はT−Wであり、あるいは、
一緒に取り込まれたR7とR8は単結合を形成し、および、R6はT−Wであり、
Lは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、または−S−であり、
Jは、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、NR27R28、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
Tは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、あるいは、−S−であり、
Wは、NR25R26、−CN、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルあるいは置換または非置換のC結合C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
R26は、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、
R27とR28はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、あるいは、R27とR28は、それらが付けられる窒素と一緒に、ヘテロシクロアルキル環を形成する。
いくつかの実施形態は、式(IIb)の化合物であり、ここで、Arは置換または非置換のアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールである。さらなる実施形態において、Arは置換または非置換のアリールである。またさらなる実施形態では、Arはフェニルである。別の実施形態において、Arは置換または非置換のヘテロアリールである。さらなる実施形態では、Arは、インドリル、オキサゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、またはイソキノリニルである。
別の実施形態は、R7とR8がHであり、および、R6がT−Wである、式(IIb)の化合物である。さらなる実施形態では、Tは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは単結合である。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態では、Tは−CH2−である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、式(IIb)の化合物であり、ここで、Wは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC結合C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。さらなる実施形態では、Wはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC6−C12アリールである。さらなる実施形態では、Wはフェニルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Wはイミダゾリルである。いくつかの実施形態において、Wはピリジニルである。前述の実施形態の別の実施形態は、Wが−CNである式(IIb)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態は、WがNR25R26である、式(IIb)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、および、R26は、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25は−CH3であり、R26はシクロブチルである。
別の実施形態は、R6とR8がHであり、および、R7がT−Wである、式(IIb)の化合物である。さらなる実施形態では、Tは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは単結合である。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態では、Tは−CH2−である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、式(IIb)の化合物であり、ここで、Wは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC結合C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。さらなる実施形態では、Wはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC6−C12アリールである。さらなる実施形態では、Wはフェニルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Wはイミダゾリルである。いくつかの実施形態において、Wはピリジニルである。前述の実施形態の別の実施形態は、WがNR25R26である、式(IIb)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、および、R26は、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。別の実施形態では、R25とR26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。別の実施形態において、R25はHであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。別の実施形態では、R25は置換または非置換のC1−C6アルキルであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。
別の実施形態は、一緒に取り込まれたR7とR8が単結合を形成し、R6がT−Wである、式(IIb)の化合物である。さらなる実施形態では、Tは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは単結合である。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Tは置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態では、Tは−CH2−である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、式(IIb)の化合物であり、ここで、Wは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC結合C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。さらなる実施形態では、Wはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC6−C12アリールである。さらなる実施形態では、Wはフェニルである。いくつかの実施形態において、Wは置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Wはイミダゾリルである。いくつかの実施形態において、Wはピリジニルである。前述の実施形態の別の実施形態は、WがNR25R26である、式(IIb)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、および、R26は、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25は−CH3であり、R26はシクロブチルである。
別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7がL−J−Wである、式(IIb)の化合物である。別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7がC3−C6シクロアルキル、C6−C12アリール、またはC3−C12ヘテロアリールである、式(IIb)の化合物である。別の実施形態は、R6がHであり、R8が−CNであり、および、R7がシクロプロピルまたはフェニルである、式(IIb)の化合物である。
いくつかの実施形態は、式(IIb)の化合物であり、ここで、R24はそれぞれ独立して、ハロゲン、NH2、N(CH3)2、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R24はハロゲンである。さらなる実施形態では、R24はF、Cl、またはBrである。
前述の実施形態のさらなる実施形態は、nが0である、式(IIb)の化合物である。いくつかの実施形態において、nは1である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、nは4である。
さらなる実施形態は、式(III)の構造を有する化合物またはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
Aはアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
R20は、H、ハロゲン、−CN、−CF3、−NO2、−OH、置換または非置換のC1−C6アルキル、−N(R21)C(=O)R23、−C(=O)N(R21)(R22)、−O−(C1−C6アルキル)、−O−アルキレン−OR21、−CO2H、−O−アルキレン−CO2H、−O−アルキレン−C(=O)N(R21)(R22)、または、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)であり、
各々のR21は独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR22は独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR23は独立して、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR24はそれぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−OH、−OCF3、−OCH2F、−OCF2H、−CF3、−SR21、−N(R21)S(=O)2R23、S(=O)2N(R21)(R22)、−S(=O)R23、−S(=O)2R23、−C(=O)R23、−OC(=O)R23、−CO2R21、−N(R21)(R22)、−C(=O)N(R21)(R22)、−N(R21)C(=O)R23、N(R21)C(=O)OR22、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルであり、
pは0−2であり、
nは0−4であり、
R3は随意に置換されたアルキル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−(C=O)C1−C6アルキル、−(C=O)OR4、−(C=O)NR4R4、−(C=O)SR4、−G−X、あるいは、
であり、
Gは随意に置換されたヘテロシクロアルキル、随意に置換されたアリール、または、随意に置換ヘテロアリールであり、
Xは随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−OR4、−SR4、または、−NR4R4であり、
各々のR4はそれぞれ独立して、H、C1−C6アルキル、C2−C6ヘテロアルキル、C3−C6シクロアルキル、または、C2−C6ヘテロシクロアルキルであり、
Yは、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、および、ヘテロアリールの中から選択された随意の置換基であり、
Zは、C(=O)、OC(=O)、N(R21)C(=O)、C(=S)、S(=O)x、OS(=O)x、または、N(R21)S(=O)xであり、ここで、xは1または2であり、
R6はHまたはL−J−Wであり、
R7とR8は独立してHまたはL−J−Wであり、あるいは、一緒に取り込まれるR7とR8は、単結合を形成し、
LとJはそれぞれ独立して、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、または−S−であり、
WはH、−CN、またはNR25R26であり、
R25とR26はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、あるいは、R25とR26は、それらが付けられる窒素と一緒にヘテロシクロアルキル環を形成する。
1つの実施形態は、Aがアリールである、式(III)の化合物である。さらなる実施形態では、Aはフェニルである。別の実施形態は、Aがヘテロアリールである、式(III)の化合物である。別の実施形態は、Aがシクロアルキルである、式(III)の化合物である。別の実施形態は、Aがヘテロシクロアルキルある、式(III)の化合物である。
別の実施形態は、R20がH、ハロゲン、−CN、−CF3、−NO2、−OH、あるいは、置換または非置換のC1−C6アルキルである、式(III)の化合物である。いくつかの実施形態において、R20はHである。いくつかの実施形態において、R20は−OHである。いくつかの実施形態において、R20は−CNである。いくつかの実施形態において、R20は−CF3である。いくつかの実施形態において、R20はハロゲンである。さらなる実施形態では、R20はFまたはClである。いくつかの実施形態において、R20は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R20はメチルである。いくつかの実施形態では、R20はエチルである。いくつかの実施形態では、R20はイソプロピルである。
別の実施形態は、R3が随意に置換されたアルキルである、式(III)の化合物である。別の実施形態は、R3が随意に置換されたシクロアルキルである、式(III)の化合物である。別の実施形態は、R3が随意に置換されたヘテロシクロアルキルである、式(III)の化合物である。
別の実施形態は、R3が−G−Xである式(III)の化合物である。いくつかの実施形態では、Gはアリールである。いくつかの実施形態では、Gはヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Gはヘテロシクロアルキルである。さらなる実施形態では、Gは、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペリジニル、および、モルホリニルから選ばれる。いくつかの実施形態では、Gはピロリジニルである。いくつかの実施形態では、Gはテトラヒドロフラニルである。いくつかの実施形態では、Gはピペリジニルである。いくつかの実施形態では、Gはピペリジニルである。いくつかの実施形態では、Gはモルホリニルである。さらなる実施形態は、Xが随意に置換されたシクロアルキルである、式(III)の化合物である。さらなる実施形態は、Xが随意に置換されたヘテロシクロアルキルである、式(III)の化合物である。さらなる実施形態は、Xが随意に置換されたアリールである、式(III)の化合物である。さらなる実施形態は、Xが随意に置換されたヘテロアリールである、式(III)の化合物である。さらなる実施形態は、Xが−OR4である式(III)の化合物である。さらなる実施形態は、Xが−SR4である式(III)の化合物である。さらなる実施形態は、Xが−NR4R4である式(III)の化合物である。
別の実施形態は、R3が以下である、式(III)の化合物である。
さらなる実施形態は、ZがC(=O)、NHC(=O)、N(CH3)C(=O)、または、S(=O)2である、式(III)の化合物である。いくつかの実施形態において、ZはC(=O)である。
いくつかの実施形態において、ZはNHC(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはN(CH3)C(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはS(=O)2である。
別の実施形態は、R3が以下であり、R6、R7、および、R8がHである、式(III)の化合物である。
さらなる実施形態は、R7とR8がHであり、R6がL−J−Wである、式(III)の化合物である。さらなる実施形態では、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。さらなる実施形態は、式(III)の化合物であり、ここで、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は置換または非置換の(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は置換または非置換の((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は、置換または非置換の((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
別の実施形態は、R3が以下であり、R6とR8がHであり、R7がL−J−Wである、式(III)の化合物である。
さらなる実施形態では、R7は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、または、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。またさらなる実施形態は、式(III)の化合物であり、ここで、R7は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R7は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R7は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R7は置換または非置換の(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は置換または非置換の((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は、置換または非置換の((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は−CH2N(CH3)2である。いくつかの実施形態において、R7は以下である。
別の実施形態は、R6およびR8がHであり、R7がL−J−Wである、式(III)の化合物である。Lは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンであり、および、Jは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。さらなる実施形態において、Lは単結合である。さらなる実施形態において、Lは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。さらなる実施形態において、Lは、置換または非置換のC1−C6アルキレンである。またさらなる実施形態では、Lは−CH2−である。さらなる実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態において、Jは−CH2−である。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6シクロアルキレンである。さらなる実施形態において、Jはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレンである。さらなる実施形態では、Jは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、またはピリジニルである。前述の実施形態のさらなる実施形態は、WがHである、式(III)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態は、Wが−CNである、式(III)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態は、WがNR25R26である式(III)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、R26は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである、式(I)の化合物である。別の実施形態では、R25とR26は置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R25とR26は−CH3である。別の実施形態では、R25とR26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。別の実施形態において、R25はHであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。別の実施形態では、R25は置換または非置換のC1−C6アルキルであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25は−CH3であり、R26はシクロブチルである。別の実施形態は、式(III)の化合物であり、ここで、R25およびR26は、それらが付けられる窒素と一緒に、ヘテロシクロアルキル環を形成する。
別の実施形態は式(III)の化合物であり、ここで、一緒に取り込まれたR7とR8が単結合を形成し、および、R6がL−J−Wである、式(I)の化合物である。さらなる実施形態では、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。さらなる実施形態では、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は置換または非置換の((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
別の実施形態は、Yが随意に置換されたアルキルである、式(III)の化合物である。別の実施形態では、Yは随意に置換されたヘテロアルキルである。別の実施形態では、Yは随意に置換されたシクロアルキルである。別の実施形態では、Yは随意に置換されたヘテロアリールである。別の実施形態では、Yは随意に置換されたアリールである。さらなる実施形態では、Yはフェニルである。別の実施形態では、Yは随意に置換されたヘテロシクロアルキルである。さらなる実施形態では、Yは以下から選択され、
ここで、mは0乃至3である。別の実施形態では、Yはピロリジニルである。別の実施形態では、Yはピペリジニルである。
いくつかの実施形態は、式(III)の化合物であり、ここで、R24はそれぞれ独立して、ハロゲン、NH2、N(CH3)2、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R24はハロゲンである。さらなる実施形態では、R24はF、Cl、またはBrである。
Aがフェニルである式(III)の前述の実施形態の別の実施形態は、R20がプリノン環に対してパラ位でAに付けられた化合物である。Aがフェニルである式(III)の前述の実施形態の別の実施形態は、R20がプリノン環に対してメタ位でAに付けられた化合物である。Aがフェニルである式(III)の前述の実施形態の別の実施形態は、R20がプリノン環に対してオルト位でAに付けられた化合物である。
前述の実施形態のさらなる実施形態は、nが0である式(III)の化合物である。いくつかの実施形態において、nは1である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、nは4である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、pが0である式(III)の化合物である。いくつかの実施形態では、pは1である。いくつかの実施形態では、pは2である。
さらなる実施形態は、式(IIIa)の構造を有する化合物またはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
R20はH、ハロゲン、−CN、−CF3、−NO2、−OH、置換または非置換のC1−C6アルキル、−N(R21)C(=O)R23、−C(=O)N(R21)(R22)、−O−(C1−C6アルキル)、−O−アルキレン−OR21、−CO2H、−O−アルキレン−CO2H、および、−O−アルキレン−C(=O)N(R21)(R22)、または、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)であり、
各々のR21は独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR22は独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR23は独立して、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR24はそれぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−OH、−OCF3、−OCH2F、−OCF2H、−CF3、−SR21、−N(R21)S(=O)2R23、S(=O)2N(R21)(R22)、−S(=O)R23、−S(=O)2R23、−C(=O)R23、−OC(=O)R23、−CO2R21、−N(R21)(R22)、−C(=O)N(R21)(R22)、−N(R21)C(=O)R23、N(R21)C(=O)OR22、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルであり、
nは0−4であり、
Zは、C(=O)、N(R21)C(=O)、C(=S)、S(=O)x、または、N(R21)S(=O)xであり、ここで、xは1または2であり、
R6はHまたはL−J−Wであり、
R7とR8は独立してHまたはL−J−Wであり、あるいは、一緒に取り込まれるR7とR8は、単結合を形成し、
LとJはそれぞれ独立して、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、または、−S−であり、
WはH、−CN、またはNR25R26であり、
R25とR26はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、あるいは、R25とR26は、それらが付けられる窒素と一緒にヘテロシクロアルキル環を形成する。
いくつかの実施形態は、式(IIIa)の化合物であり、ここで、R20は、H、ハロゲン、−CN、−CF3、−NO2、−OH、または、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R20はHである。いくつかの実施形態において、R20は−OHである。いくつかの実施形態において、R20は−CNである。いくつかの実施形態において、R20は−CF3である。いくつかの実施形態において、R20はハロゲンである。さらなる実施形態では、R20はFである。さらなる実施形態では、R20はClである。いくつかの実施形態において、R20は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R20はメチルである。いくつかの実施形態では、R20はエチルである。いくつかの実施形態では、R20はイソプロピルである。
別の実施形態は、ZがC(=O)、NHC(=O)、N(CH3)C(=O)、または、S(=O)2である、式(IIIa)の化合物である。いくつかの実施形態において、Zは(C=O)である。いくつかの実施形態において、ZはNHC(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはN(CH3)C(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはS(=O)2である。
別の実施形態は、R6、R7、およびR8がHである、式(IIIa)の化合物である。別の実施形態は、R7とR8がHであり、および、R6がL−J−Wである、式(IIIa)の化合物である。さらなる実施形態では、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。またさらなる実施形態は式(IIIa)の化合物であり、ここで、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は、置換または非置換の(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は、置換または非置換の((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は、置換または非置換の((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
別の実施形態は、R6とR8がHであり、および、R7がL−J−Wである、式(IIIa)の化合物である。さらなる実施形態では、R7は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、または、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。またさらなる実施形態は、式(IIIa)の化合物であり、ここで、R7は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R7は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R7は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R7は、置換または非置換の(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は、置換または非置換の((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は、置換または非置換の((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は−CH2N(CH3)2である。いくつかの実施形態において、R7は以下である。
いくつかの実施形態において、R7は以下である。
別の実施形態は式(IIIa)の化合物であり、ここで、R6およびR8はHであり、R7はL−J−Wであり、Lは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンであり、および、Jは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。さらなる実施形態において、Lは単結合である。さらなる実施形態において、Lは置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。さらなる実施形態において、Lは置換または非置換のC1−C6アルキレンである。またさらなる実施形態では、Lは−CH2−である。さらなる実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態において、Jは−CH2−である。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6シクロアルキレンである。さらなる実施形態において、Jはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレンである。さらなる実施形態では、Jは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、またはピリジニルである。前述の実施形態のさらなる実施形態は、WがHである式(IIIa)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態は、Wが−CNである式(IIIa)の化合物である。前述の実施形態の実施形態は、WがNR25R26である、式(IIIa)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、R26は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである、式(I)の化合物である。別の実施形態では、R25とR26は置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R25とR26は−CH3である。別の実施形態では、R25とR26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。別の実施形態において、R25はHであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。別の実施形態では、R25は置換または非置換のC1−C6アルキルであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25は−CH3であり、R26はシクロブチルである。別の実施形態は式(IIIa)の化合物であり、ここで、R25およびR26は、それらが付けられる窒素と一緒に、ヘテロシクロアルキル環を形成する。
別の実施形態は式(IIIa)の化合物であり、ここで、一緒に取り込まれたR7とR8は単結合を形成し、および、R6はL−J−Wである。さらなる実施形態では、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。さらなる実施形態では、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は置換または非置換の((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
いくつかの実施形態は、式(IIIa)の化合物であり、ここで、R24はそれぞれ独立して、ハロゲン、NH2、N(CH3)2、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のアルコキシである。いくつかの実施形態では、R24はメトキシである。いくつかの実施形態では、R24はハロゲンである。さらなる実施形態では、R24はFである。さらなる実施形態では、R24はClである。さらなる実施形態では、R24はBrである。
前述の実施形態のさらなる実施形態は、nが0である、式(IIIa)の化合物である。いくつかの実施形態において、nは1である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、nは4である。
さらなる実施形態は式(IIIb)の構造をする化合物またはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
R20はH、ハロゲン、−CN、−CF3、−NO2、−OH、置換または非置換のC1−C6アルキル、−N(R21)C(=O)R23、−C(=O)N(R21)(R22)、−O−(C1−C6アルキル)、−O−アルキレン−OR21、−CO2H、−O−アルキレン−CO2H、および、−O−アルキレン−C(=O)N(R21)(R22)、または、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)であり、
各々のR21は独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR22は独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR23は独立して、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR24はそれぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−OH、−OCF3、−OCH2F、−OCF2H、−CF3、−SR21、−N(R21)S(=O)2R23、S(=O)2N(R21)(R22)、−S(=O)R23、−S(=O)2R23、−C(=O)R23、−OC(=O)R23、−CO2R21、−N(R21)(R22)、−C(=O)N(R21)(R22)、−N(R21)C(=O)R23、N(R21)C(=O)OR22、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルであり、
nは0−4であり、
Zは、C(=O)、N(R21)C(=O)、C(=S)、S(=O)x、または、N(R21)S(=O)xであり、ここで、xは1または2であり、
R6はHまたはL−J−Wであり、
R7とR8は独立してHまたはL−J−Wであり、あるいは、一緒に取り込まれるR7とR8は、単結合を形成し、
LとJはそれぞれ独立して、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、または、−S−であり、
WはH、−CN、またはNR25R26であり、
R25とR26はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、あるいは、R25とR26は、それらが付けられる窒素と一緒にヘテロシクロアルキル環を形成する。
いくつかの実施形態は式(IIIb)の化合物であり、ここで、R20は、H、ハロゲン、−CN、−CF3、−NO2、−OH、あるいは、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R20はHである。いくつかの実施形態において、R20は−OHである。いくつかの実施形態において、R20は−CNである。いくつかの実施形態において、R20は−CF3である。いくつかの実施形態において、R20はハロゲンである。さらなる実施形態では、R20はFである。さらなる実施形態では、R20はClである。いくつかの実施形態において、R20は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R20はメチルである。いくつかの実施形態では、R20はエチルである。いくつかの実施形態では、R20はイソプロピルである。
別の実施形態は式(IIIb)の化合物であり、ここで、ZはC(=O)、NHC(=O)、N(CH3)C(=O)、または、S(=O)2である。いくつかの実施形態において、Zは(C=O)である。いくつかの実施形態において、ZはNHC(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはN(CH3)C(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはS(=O)2である。
別の実施形態は、R6、R7、およびR8がHである、式(IIIb)の化合物である。別の実施形態は、R7とR8がHであり、および、R6がL−J−Wである、式(IIIb)の化合物である。さらなる実施形態では、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。さらなる実施形態は式(IIIb)の化合物であり、ここで、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は、置換または非置換の(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は、置換または非置換の((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は、置換または非置換の((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
別の実施形態は、R6とR8がHであり、および、R7がL−J−Wである、式(IIIb)の化合物である。さらなる実施形態では、R7は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、または、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。さらなる実施形態は式(IIIb)の化合物であり、ここで、R7は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R7は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R7は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R7は、置換または非置換の(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は、置換または非置換の((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)(アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は、置換または非置換の((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は−CH2N(CH3)2である。いくつかの実施形態において、R7は以下である。
いくつかの実施形態において、R7は以下である。
別の実施形態は式(IIIb)の化合物であり、ここで、R6およびR8はHであり、R7はL−J−Wであり、Lは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンであり、および、Jは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。さらなる実施形態において、Lは単結合である。さらなる実施形態において、Lは置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。さらなる実施形態において、Lは置換または非置換のC1−C6アルキレンである。またさらなる実施形態では、Lは−CH2−である。さらなる実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態において、Jは−CH2−である。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6シクロアルキレンである。さらなる実施形態において、Jはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレンである。さらなる実施形態では、Jは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、またはピリジニルである。前述の実施形態のさらなる実施形態は、WがHである、式(IIIb)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態は、Wが−CNである、式(IIIb)の化合物である。前述の実施形態の実施形態は、WがNR25R26である、式(IIIb)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、R26は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。別の実施形態では、R25とR26は置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R25とR26は−CH3である。別の実施形態では、R25とR26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25とR26はシクロプロピルである。別の実施形態において、R25はHであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。別の実施形態では、R25は置換または非置換のC1−C6アルキルであり、および、R26は置換または非置換のC3−C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25は−CH3であり、R26はシクロブチルである。別の実施形態は式(IIIb)の化合物であり、ここで、R25およびR26は、それらが付けられる窒素と一緒に、ヘテロシクロアルキル環を形成する。
別の実施形態は式(IIIb)の化合物であり、ここで、一緒に取り込まれたR7とR8は単結合を形成し、および、R6はL−J−Wである。さらなる実施形態では、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。さらなる実施形態では、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は置換または非置換の((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
いくつかの実施形態は式(IIIb)の化合物であり、ここで、R24はそれぞれ独立して、ハロゲン、NH2、N(CH3)2、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は、置換または非置換のアルコキシである。いくつかの実施形態では、R24はメトキシである。いくつかの実施形態では、R24はハロゲンである。さらなる実施形態では、R24はFである。さらなる実施形態では、R24はClである。さらなる実施形態では、R24はBrである。
前述の実施形態のさらなる実施形態は、nが0である、式(IIIb)の化合物である。いくつかの実施形態において、nは1である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、nは4である。
さらなる実施形態は式(IIIc)の構造を有する化合物またはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
R20は、H、ハロゲン、−CN、−CF3、−NO2、−OH、置換または非置換のC1−C6アルキル、−N(R21)C(=O)R23、−C(=O)N(R21)(R22)、−O−(C1−C6アルキル)、−O−アルキレン−OR21、−CO2H、−O−アルキレン−CO2H、および、−O−アルキレン−C(=O)N(R21)(R22)、または、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)であり、
各々のR21は独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR22は独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR23は独立して、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C8シクロアルキルであり、
各々のR24はそれぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−OH、−OCF3、−OCH2F、−OCF2H、−CF3、−SR21、−N(R21)S(=O)2R23、S(=O)2N(R21)(R22)、−S(=O)R23、−S(=O)2R23、−C(=O)R23、−OC(=O)R23、−CO2R21、−N(R21)(R22)、−C(=O)N(R21)(R22)、−N(R21)C(=O)R23、N(R21)C(=O)OR22、−N(R21)C(=O)N(R21)(R22)、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルであり、
nは0−4であり、
pは0−2であり、
Yは、シクロアルキルとヘテロシクロアルキルから選択された随意の置換基であり、
Zは、C(=O)、OC(=O)、N(R21)C(=O)、C(=S)、S(=O)x、OS(=O)x、または、N(R21)S(=O)xであり、ここで、xは1または2であり、
R6はHまたはL−J−Wであり、
R7とR8は独立してHまたはL−J−Wであり、あるいは、一緒に取り込まれるR7とR8は、単結合を形成し、
LとJはそれぞれ独立して、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、または、−S−であり、
WはH、−CN、またはNR25R26であり、
R25とR26はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールであり、あるいは、R25とR26は、それらが付けられる窒素と一緒にヘテロシクロアルキル環を形成する。
いくつかの実施形態は式(IIIc)の化合物であり、ここで、R20は、H、ハロゲン、−CN、−CF3、−NO2、−OH、あるいは、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R20はHである。いくつかの実施形態において、R20は−OHである。いくつかの実施形態において、R20は−CNである。いくつかの実施形態において、R20は−CF3である。いくつかの実施形態では、R20はハロゲンである。さらなる実施形態では、R20はFである。さらなる実施形態では、R20はClである。いくつかの実施形態において、R20は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R20はメチルである。いくつかの実施形態では、R20はエチルである。いくつかの実施形態では、R20はイソプロピルである。
別の実施形態は、ZがC(=O)、NHC(=O)、N(CH3)C(=O)、または、S(=O)2である、式(IIIc)の化合物である。いくつかの実施形態において、Zは(C=O)である。いくつかの実施形態において、ZはNHC(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはN(CH3)C(=O)である。いくつかの実施形態において、ZはS(=O)2である。
別の実施形態は、R6、R7、およびR8がHである、式(IIIc)の化合物である。別の実施形態では、R7とR8がHであり、および、R6がL−J−Wである、式(IIIc)の化合物である。さらなる実施形態では、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。さらなる実施形態は式(IIIc)の化合物であり、ここで、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は、置換または非置換の(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は、置換または非置換の((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は、置換または非置換の((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
別の実施形態は、R6とR8がHであり、および、R7がL−J−Wである、式(IIIc)の化合物である。さらなる実施形態では、R7は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、または、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。さらなる実施形態は式(IIIc)の化合物であり、ここで、R7は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R7は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R7は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R7は置換または非置換の(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は置換または非置換の((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は、置換または非置換の((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R7は−CH2N(CH3)2である。いくつかの実施形態において、R7は以下である。
別の実施形態は式(IIIc)の化合物であり、ここで、R6およびR8はHであり、R7はL−J−Wであり、Lは、単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンであり、および、Jは単結合、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。さらなる実施形態において、Lは単結合である。さらなる実施形態において、Lは置換または非置換のC3−C6シクロアルキレンである。さらなる実施形態において、Lは置換または非置換のC1−C6アルキレンである。またさらなる実施形態では、Lは−CH2−である。さらなる実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレン、置換または非置換のC3−C6シクロアルキレン、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換のC6−C12アリーレン、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6アルキレンである。さらなる実施形態において、Jは−CH2−である。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC1−C6シクロアルキレンである。さらなる実施形態において、Jはシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Jは、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキレンである。さらなる実施形態では、Jは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、またはピリジニルである。前述の実施形態のさらなる実施形態は、WがHである、式(IIIc)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態は、Wが−CNである、式(IIIc)の化合物である。前述の実施形態の別の実施形態は、WがNR25R26である、式(IIIc)の化合物である。さらなる実施形態では、R25は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、あるいは、置換または非置換のC3−C6シクロアルキルであり、R26は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC3−C6シクロアルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2−C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6−C12アリール、あるいは、置換または非置換のC3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、R25とR26は−CH3である。いくつかの実施形態では、R25とR26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25はHであり、R26はシクロブチルである。いくつかの実施形態において、R25は−CH3であり、R26はシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R25は−CH3であり、R26はシクロブチルである。別の実施形態は式(IIIc)の化合物であり、ここで、R25およびR26は、それらが付けられる窒素と一緒に、ヘテロシクロアルキル環を形成する。
別の実施形態は式(IIIc)の化合物があり、ここで、一緒に取り込まれたR7とR8は単結合を形成し、および、R6はL−J−Wである、式(I)の化合物である。さらなる実施形態では、R6は、H、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、あるいは、C1−C4アルキル(C2−C7ヘテロシクロアルキル)である。さらなる実施形態では、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキル、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキル、(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキル、((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキル、または、((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、置換または非置換のC1−C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は(C1−C6ジアルキルアミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は置換または非置換の((C3−C6シクロアルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は((C1−C6アルキル)(C3−C6シクロアルキル)アミノ)C1−C6アルキルである。
別の実施形態では、Yが随意に置換されたシクロアルキルである、式(IIIc)の化合物である。いくつかの実施形態では、Yはシクロペンチルである。いくつかの実施形態では、Yはシクロヘキシルである。別の実施形態では、Yは随意に置換されたヘテロシクロアルキルである。さらなる実施形態では、Yは以下から選択され、
ここで、mは0乃至3である。別の実施形態では、Yはピロリジニルである。別の実施形態では、Yはピペリジニルである。
いくつかの実施形態は式(IIIc)の化合物であり、ここで、R24はそれぞれ独立して、ハロゲン、NH2、N(CH3)2、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は置換または非置換のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R24は、置換または非置換のアルコキシである。いくつかの実施形態では、R24はメトキシである。いくつかの実施形態では、R24はハロゲンである。さらなる実施形態では、R24はFである。さらなる実施形態では、R24はClである。またさらなる実施形態では、R24はBrである。
前述の実施形態のさらなる実施形態は、nが0である、式(IIIc)の化合物である。いくつかの実施形態において、nは1である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、nは4である。前述の実施形態のさらなる実施形態は、pが0である、式(IIIc)の化合物である。いくつかの実施形態では、pは1である。いくつかの実施形態では、pは2である。
様々な変更に関する上記の基の任意の組み合わせが本明細書で考慮されている。本明細書に提供される化合物上の置換基および置換パターンが、本明細書に明記される化合物と同様に、化学的に安定していて、技術分野において既知の技術によって合成され得る化合物を提供するために、当業者によって選択され得ることが理解される。
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物のさらなる実施形態としては、限定されないが、以下からなる群から選ばれる化合物、または、その薬学的に許容可能な塩が挙げられる。
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物のさらなる実施形態としては、限定されないが、以下からなる群から選ばれた化合物、または、その薬学的に許容可能な塩が挙げられる。
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物のさらなる実施形態としては、限定されないが、以下からなる群から選ばれた化合物、または、その薬学的に許容可能な塩が挙げられる。
式(I)または(II)の化合物のさらなる実施形態としては、限定されないが、以下からなる群から選ばれた化合物、または、その薬学的に許容可能な塩が挙げられる。
本明細書にわたって、安定した部分と化合物を提供するために、基とその置換基は当業者によって選択可能である。
いくつかの実施形態では、式(I)および(III)の化合物は、Btkを可逆的に阻害し、別の実施形態では、限定されないが、癌、自己免疫性疾患、および、他の炎症性疾患を含む、Bruton型チロシンキナーゼ依存性、または、Bruton型チロシンキナーゼ媒介性の疾患または疾病に苦しむ患者を処置するために用いられる。
いくつかの実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物は、Btkを不可逆的に阻害し、別の実施形態では、限定されないが、癌、自己免疫性疾患、および、他の炎症性疾患を含む、Bruton型チロシンキナーゼ依存性、または、Bruton型チロシンキナーゼ媒介性の疾患または疾病に苦しむ患者を処置するために用いられる。
<化合物の調製>
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の任意の化合物は、当業者に知られている標準的な合成反応又は当該技術分野において知られている方法を用いて合成され得る。この反応は、化合物を提供するために、又は当該技術分野において知られている方法で後に連結されるフラグメントを合成するために、直鎖状の配列において使用され得る。
本明細書に記載されているのは、Btkなどチロシンキナーゼ活性を阻害する化合物、およびそれらの調製のためのプロセスである。また、そのような化合物の薬学的に許容される塩、薬学的に許容される溶媒和物、薬学的に活性な代謝物および薬学的に許容されるプロドラッグが本明細書に記載されている。そのような化合物、またはそれらの医薬的に許容される塩、医薬的に許容される溶媒和物、医薬的に活性な代謝物もしくは医薬的に許容されるプロドラッグを少なくとも一つ含む医薬組成物が提供されている。
本明細書に記載されている化合物の合成に用いられる出発物質は合成され得るか、または以下に限定されないが、Aldrich Chemical Co. (Milwaukee, Wisconsin), Bachem (Torrance, California)、または Sigma Chemical Co. (St. Louis, Mo.) のような、商業的供給源から得ることができる。本明細書に記載されている化合物、および他の関連する化合物で異なる置換基を有するものは、当業者に周知な技術および材料を用いることにより合成することができ、それらは例えば、March, ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4th Ed., (Wiley 1992); Carey and Sundberg, ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4th Ed., Vols. A and B (Plenum 2000, 2001); Green and Wuts, PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS 3rd Ed., (Wiley 1999); Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis, Volumes 1−17 (John Wiley and Sons, 1991); Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds, Volumes 1−5 and Supplementals (Elsevier Science Publishers, 1989); Organic Reactions, Volumes 1−40 (John Wiley and Sons, 1991); and Larock’s Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc., 1989) などに記載されており、いずれも全体が引用によって組み込まれる。本明細書に記載されている化合物の他の合成方法は、国際特許公開番号WO01/01982901、Arnold et al. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 10 (2000) 2167−2170; Burchat et al. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 12 (2002) 1687−1690 の中で見出すことができる。本明細書で開示されている化合物の製剤に関する一般的な方法は、その分野で知られている反応から得られる、そして、その反応は本明細書で提供されている式に見られる、様々な部分の導入のために当業者に認識されているであろう適切な試薬および条件の使用によって、修飾され得る。ガイドとして、以下の合成方法が利用され得る。
反応の生成物は必要に応じて、以下に限定されないが、ろ過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含む従来技術によって単離され、また精製され得る。そのような物質は、物理定数およびスペクトルデータを含む、従来の方法を用いることにより特徴付けられ得る。
本明細書に記載されている化合物は、本明細書に記載されている合成方法を用いることにより単一異性体または異性体混合物として製造され得る。
<化合物のさらなる形態>
本明細書で開示されている化合物は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの構造を有する。本明細書に記載されている化合物について述べられているとき、特にことわりが無ければ、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物が含まれ、並びにこれらの一般的な式の範囲内に収まる、全ての特定の化合物を意味することが理解されている。
本明細書に記載されている化合物は、一以上の立体中心を持ち、またそれぞれの中心はRもしくはS立体配置に存在し得る。本明細書で示されている化合物には、ジアステレオマー、エナンチオマー、およびエピマーの全ての形が含まれ、並びにそれらの適切な混合物も含まれる。必要に応じて、当該技術分野で周知の方法であるキラルクロマトグラフィーカラムによる立体異性体分離などから、立体異性体を得ることができる。
ジアステレオマー混合物は、それらの物理化学的違いに基づき、周知な方法であるクロマトグラフィーおよび/または分別結晶化などによって、個々のジアステレオマーに分離できる。一つの態様においてエナンチオマーは、キラルクロマトグラフィーカラムにより分離できる。他の態様においてエナンチオマーは、適当な光学活性化合物(例えばアルコール)の反応によって、エナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に変換し、該ジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換する(例えば加水分解)ことで分離できる。ジアステレオマー、エナンチオマー、およびそれらの混合物を含む、そのような異性体の全ては、本明細書に記載されている組成物の一部であると見なされる。
本明細書に記載されている方法および製剤には、N−オキシド、結晶形(多形体としても知られている)、または本明細書に記載されている化合物の医薬的に許容される塩、並びにそれらの化合物で同じ種類の活性を有する活性代謝物の使用が含まれる。ある状況において、化合物は互変異性体として存在し得る。全ての互変異性体は、本明細書で示されている化合物の範囲内で含まれている。加えて、本明細書に記載されている化合物は、非溶媒和物の中、並びに医薬的に許容される溶媒である水、エタノール、などを加えた溶媒和物の形で存在することができる。本明細書で示されている化合物の溶媒和物の形も、本明細書で開示するために、また検討されている。
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の酸化されていない形は、これらに限定されないが、硫黄、硫黄二酸化物、トリフェニルホスフィン、リチウム水酸化ホウ素、ナトリウム水酸化ホウ素、リン三塩化物、三臭化物、などの還元剤で、これらに限定されないが、アセトニトリル、エタノール、含水ジオキサンなどの不活性有機溶媒中、0から80℃で処理して、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物のN−オキシドから製造することができる。
ある態様において本明細書に記載されている化合物は、プロドラッグとして製造される。「プロドラッグ」は、インビボで親薬物に変換される薬を指す。プロドラッグはしばしば有用である、というのもある状況では、それらは親薬物より投与しやすい可能性があるからである。例えば、それらは経口投与により生物学的に利用可能であり、一方の親はそうでない。プロドラッグはまた、親薬物よりも医薬組成物における改善された溶解度を有し得る。限定はしないが、プロドラッグの例は本明細書に記載されている化合物であり、水溶性が移動度にとって有害である場合に、細胞膜の通過を促進するためにエステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、いったん水溶性が有益な細胞の中に入ってしまえば、活動実体であるカルボン酸に代謝的に加水分解される。プロドラッグのさらなる例として、ペプチドが代謝され活性部位が現れる酸性基と結合した短いペプチド(ポリアミノ酸)があり得る。ある特定の態様においてインビボで投与すると、プロドラッグは化学的に変えられ、生物学的、薬学的または治療的に活性のある化合物となる。ある特定の態様においてプロドラッグは、生物学的に、薬学的にまたは治療的に活性のある化合物に対して、一以上のステップまたはプロセスを経て、酵素的に代謝される。プロドラッグを産生するために、薬学的に活性な化合物は、それによりインビボの投与で活性化合物が再生されるように、修飾される。プロドラッグは、副作用または毒性を遮断するため、薬のフレーバーを改善するため、または薬の他の特性もしくは性質を変えるために、薬の代謝安定性、または輸送特性を変えることを意図できる。薬力学プロセスおよび薬のインビボ代謝に関する知識のおかげで、当業者は、いったん薬学的に活性化合物を知れば化合物のプロドラッグを作ることができる(例えば、Nogrady (1985) Medicinal Chemistry A Biochemical Approach, Oxford University Press, New York, pages 388−392; Silverman (1992), The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, Academic Press, Inc., San Diego, pages 352−401, Saulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985 を参照)。
本明細書で記載されている化合物のプロドラッグの形、そのプロドラッグは本明細書に記載の誘導体を産生するためにインビボで代謝されるのだが、それは特許請求の範囲の範囲内に含まれている。ある場合に、本明細書で記載されている化合物のいくつかは、別の誘導体または活性化合物のプロドラッグとなり得る。
本明細書で記載されている化合物のプロドラッグの形、そのプロドラッグは本明細書に記載の誘導体を産生するためにインビボで代謝されるのだが、それは特許請求の範囲の範囲内に含まれている。ある場合に、本明細書で記載されている化合物のいくつかは、別の誘導体または活性化合物のプロドラッグとなり得る。
プロドラッグはしばしば有用である。何故ならある状況ではそれらは親薬物より投与しやすい可能性があるからである。例えば、それらは経口投与により生物学的に利用可能であり、一方の親はそうでない。プロドラッグはまた、親薬物よりも医薬組成物における改善された溶解度を有し得る。プロドラッグは、修飾因子の特定部位組織への薬輸送を高めるために、可逆的な薬誘導体として作られ得る。ある態様においてプロドラッグの意図は、水溶性の効果を高めることである。例えば以下を参照、Fedorak et al., Am. J. Physiol., 269:G210−218 (1995); McLoed et al., Gastroenterol, 106:405−413 (1994); Hochhaus et al., Biomed. Chrom., 6:283−286 (1992); J. Larsen and H. Bundgaard, Int. J. Pharmaceutics, 37, 87 (1987); J. Larsen et al., Int. J. Pharmaceutics, 47, 103 (1988); Sinkula et al., J. Pharm. Sci., 64:181−210 (1975); T. Higuchi and V. Stella, Pro−drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series; および、 Edward B. Roche, Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987 は引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の芳香族環部分の部位は、多様な代謝反応に影響されることが可能で、それ故に芳香族環構造の適切な置換基、ほんの一例だがハロゲンなど、を取り込むことによってこの代謝経路を減少、最小化、または除去することができる。
本明細書に記載されている化合物には、同位体で標識された化合物で、本明細書で示されている多様な式および構造の中で列挙されているのと同一であるが、一以上の原子が通常自然界で見られる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子に取って換わるという事実を有するものが含まれる。本化合物に取り込まれ得る同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素および塩素の同位体が含まれ、それぞれに2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、36Clなどが含まれる。本明細書に記載されているある同位体で標識された化合物、例えば3Hおよび14Cのような放射性同位体が取り込まれているものは、薬および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。さらに、重水素すなわち2Hのような同位体による置換は、より強い代謝安定性、例えばインビボ半減期の増加、または必要な投与量の減少をもたらす、ある治療上の利点を提供することができる。
付加的なもしくはさらなる態様において本明細書に記載されている化合物は、代謝物を産生するため、治療が必要な生物への投与によって代謝され、それはその後に目的の効果を引き起こすために用いられ、その効果には目的の治療効果が含まれる。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されている代謝物はN−オキシドである。幾つかの実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物の代謝物は限定されないが、以下の化合物からなる群から選択される化合物を含む;
本明細書に記載されている化合物は、薬学的に許容される塩として形成され、および/または用いられ得る。薬学的に許容される塩の種類には、これらに限定されないが、以下を含む:(1)化合物の遊離塩基形を薬学的に許容される:無機酸である塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタリン酸、など;または、有機酸である酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1、2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−メチルビシクロ−[2.2.2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプト酸、4,4’−メチレンビス−(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、などと反応させることにより形成される酸付加塩;(2)塩は、親化合物に酸性プロトンが存在する場合、それが金属イオンであるアルカリ金属イオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウムまたはカルシウム)、またはアルミニウムイオンにより取って換わるとき形成される;または、有機塩基と配位して形成される塩が含まれる。許容される有機塩基には、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン、などが含まれる。許容される無機塩基には、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等。
医薬的に許容される塩の対応する対イオンは、多様な方法を用いて分析され、および同定され得て、それにはこれらに限定されないが、イオン交換クロマトグラフィー、イオンクロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、誘導結合プラズマ、原子吸光分光学、質量分析、またはそれらのいずれの組み合わせが含まれる。
塩は、以下の技術の少なくとも一つを用いて回収される:ろ過、非溶媒による沈殿後のろ過、溶媒蒸発、または、水溶液の場合に凍結乾燥。
理解されるべきことは、医薬的に許容される塩への言及には、それらの溶媒付加形または結晶形、特に溶媒和物または多形体が含まれることである。溶媒和物は溶媒の化学量論量または非化学量論量のいずれかを含み、そして医薬的に許容される溶媒である水、エタノール、などによる結晶化のプロセスを通して形成し得る。水和物は溶媒が水のときに形成され、あるいは、アルコラートは溶媒がアルコールのときに形成される。本明細書に記載されている化合物の溶媒和物は、本明細書に記載されているプロセスを通して便利に製造または形成できる。加えて、本明細書で提供されている化合物は、非溶媒和物形並びに溶媒和物形の中で存在し得る。本明細書で提供されている化合物および方法の目的に関して、一般に、溶媒和物形は非溶媒和物形と同等であると見なされる。
理解されるべきことは、塩への言及には、それらの溶媒付加形または結晶形、特に溶媒和物または多形体が含まれることである。溶媒和物は溶媒の化学量論量または非化学量論量のいずれかを含み、そしてしばしば医薬的に許容される溶媒である水、エタノール、などによる結晶化のプロセスを通して形成し得る。水和物は溶媒が水のときに形成され、あるいは、アルコラートは溶媒がアルコールのときに形成される。多形体には、化合物の同じ組成物成分を有する異なる結晶充填構造が含まれる。多形体は通常、異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形、光学的および電気的性質、安定性、並びに溶解度を有する。多様な要因、例えば再結晶化溶媒、結晶化率、および保管温度が、単結晶形が占めることを引き起こし得る。
本明細書に記載されている化合物は、多様な形であり得て、以下に限定されないが、非晶形、製粉された形およびナノ微粒子形が含まれる。加えて、本明細書に記載されている化合物には、結晶形が含まれ、これは多形体としても知られている。多形体には、化合物の同じ組成物成分を有する異なる結晶充填構造が含まれる。多形体は通常、異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形、光学的および電気的性質、安定性、並びに溶解度を有する。多様な要因、例えば再結晶化溶媒、結晶化率、および保管温度が、単結晶形が占めることを引き起こし得る。
薬学的に許容される塩、多形体および/または溶媒和物のスクリーニングおよび特徴付けは、様々な技術を用いて達成され得て、それらにはこれらに限定されないが、熱解析、X線回折、分光法、蒸気吸着、および顕微鏡使用が含まれる。熱解析方法は、熱化学分解または熱力学的プロセスを扱い、多形転移が含まれるがこれに限定されることはなく、そしてそのような方法は、多形層同士の関係を分析する、重量損失を決定する、ガラス転移温度を見つける、または賦形剤適合性研究のために用いられる。そのような方法には、これらに限定されないが、示差走査熱量測定(DSC)、変調示差走査熱量測定(MDCS)、熱重量分析(TGA)、並びに熱重量および赤外分析(Thermogravi−metric and Infrared analysis)(TG/IR)が含まれる。X線回折方法には、これらに限定されないが、単結晶、および粉末回折計、およびシンクロトロン放射源が含まれる。用いられている多様な分光技術には、これらに限定されないが、ラマン、FTIR、UVIS、およびNMR(液体および固形物状態)が含まれる。多様な顕微鏡使用技術には、これらに限定されないが、偏光顕微鏡、エネルギー分散型X線分析(EDX)とともに用いる走査型電子顕微鏡(SEM)、EDX(気体または水蒸気雰囲気の中)とともに用いる環境制御型走査電子顕微鏡、IR顕微鏡、およびラマン顕微鏡が含まれる。
明細書を通して、それらの基および置換基は、安定な部分および化合物を提供するために当業者によって選ばれ得る。
<医薬組成物/製剤>
医薬組成物は、活性化合物を医薬的に用いることのできる、製剤にするプロセスを促進する、賦形剤および補助剤のような一以上の生理学的に許容される担体を用いて、従来方法によって製剤され得る。適切な製剤は、選択された投与の経路に依存する。いずれの周知技術、担体、および賦形剤は、技術的に適したおよび理解されたものとして用いられ得る。本明細書に記載されている医薬組成物の概要は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995); Hoover, John E., Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975; Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980 、および Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed. (Lippincott Williams & Wilkins1999)の中で見出すことができ、これらは引用により本明細書にその全体が組み込まれる。
本明細書で用いられる医薬組成物は、本明細書に記載されている化合物である例えば、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物などと、他の化学的成分である担体、安定化剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、および/または賦形剤などの混合物を指す。医薬組成物は、生物に対する化合物の投与を促進する。本明細書で提供されている治療法または使用方法を実行するに際して、本明細書に記載されている化合物の治療上の有効量は、治療が必要な疾患、障害、または症状を有する哺乳類に対して医薬組成物の形で投与される。望ましくは、哺乳類はヒトである。治療上の有効量は、疾患の重症度、患者の年齢および相対的な健康状態、用いられている化合物の効力および他の要因によって大いに変わり得る。化合物は、単独、または混合物の成分として、一以上の治療薬の組み合わせで用いることができる。
ある特定の態様において、組成物には一以上のpH調整剤または緩衝剤も含まれ得て、それには、酸である酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸および塩酸など;塩基である水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウムおよびtris−ヒドロキシメチルアミノメタン;並びに緩衝剤であるクエン酸/デキストロース、重炭酸ナトリウムおよび塩化アンモニウムが含まれる。そのような酸、塩基および緩衝剤には、許容される範囲で組成物のpHを維持するために必要な量が含まれている。
他の態様において組成物にはまた、組成物のオスモル濃度を許容される範囲にするために必要な量の、一以上の塩が含まれ得る。そのような塩には、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの陽イオン、および塩化物、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩または亜硫酸水素塩の陰イオンを有するものが含まれ;適した塩には塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムおよび硫酸アンモニウムが含まれる。
本明細書で用いられる用語「医薬配合剤」は、一以上の活性成分の混合または合成によって生じ、並びに活性成分の固定配合剤および非固定(non−fixed)配合剤の両方が含まれる生産物を意味する。用語「固定配合剤」は、活性成分である例えば本明細書に記載されている化合物および共薬剤が、単一体または単一用量の形で両方とも患者に対して同時に投与されることを意味する。用語「非固定(non−fixed)配合剤」は、活性成分である例えば本明細書に記載されている化合物および共薬剤が、特定の制限時間の介入もなく、別個の存在として同時に、一斉にまたは連続して患者に投与されることを意味し、そのような投与は患者の体内で二つの化合物の有効な量を提供する。後者はカクテル療法、例えば三以上の活性成分の投与にもあてはまる。
本明細書に記載されている医薬製剤は、患者に対して複数の投与経路により投与することができ、それにはこれらに限定されないが、経口、非経口(例えば静脈内、皮下、筋肉内)、鼻腔内、バッカル、局所、直腸、または経皮性の投与経路が含まれる。本明細書に記載されている医薬製剤には、これらに限定されないが、水性液体分散液、自己乳化分散液、固形物溶液、リポソーム分散液、エアロゾル、固形剤、粉末、即時放出剤、放出制御剤、急速溶解剤、錠剤、カプセル、丸剤、除放性製剤、持続放出製剤、パルス放出製剤、多粒子製剤、並びに即時放出剤および放出制御剤の混合剤が含まれる。
本明細書に記載されている化合物を含む医薬組成物は、従来方法により製造され得て、それらのほんの一例として、従来手法による混合、溶解、顆粒化、糖衣錠製造、糊状化、乳化、カプセル化、封入または圧縮のプロセスなどがある。
医薬組成物には、本明細書に記載されている化合物の少なくとも一つが含まれ、例えば活性成分が遊離酸もしくは遊離塩基の形、または医薬的に許容される塩の形である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物である。加えて、本明細書に記載されている方法および医薬組成物には、N−オキシド、結晶形(多形体としても知られている)、並びに同じ種類の活性を有するこれらの化合物の活性代謝物の使用が含まれる。ある状況で化合物は、互変異性体として存在し得る。全ての互変異性体は、本明細書で示されている化合物の範囲内に含まれている。加えて、本明細書に記載されている化合物は、医薬的に許容される溶媒である水、エタノールなどを加えた、非溶媒和物並びに溶媒和物の形で存在することができる。本明細書で示されている化合物の溶媒和物の形もまた、本明細書で開示されていると考えられる。
「消泡剤」は、水性分散液の凝固、完了した薄い膜における泡、または一般的に処理障害をもたらし得る処理の際の発泡を減少させる。代表的な消泡剤には、シリコーンエマルションまたはソルビタンセスキオレエートが含まれる。
「抗酸化物質」には、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウムおよびトコフェロールが含まれる。ある特定の態様において、抗酸化物質は必要なときに化学的安定性を高める。
ある特定の態様において本明細書で提供されている組成物には、微生物活動を阻害する一以上の保存料もまた含まれ得る。適した保存料には、水銀を含む物質である、メルフェンおよびチオメルサール;安定な二酸化塩素など;並びに四級アンモニウム化合物である、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウムおよび塩化セチルピリジニウムなどが含まれる。
本明細書に記載されている製剤は、抗酸化物質、金属キレート剤、チオールを含む化合物および他の一般的な安定化剤によって益を受け得る。そのような安定化剤の例には、これらに限定されないが:(a)約0.5%から約2%(W/V)グリセロール、(b)約0.1%から約1%(W/V)メチオニン、(c)約0.1%から約2%(W/V)モノチオグリセロール、(d)約1mMから約10mMのEDTA、(e)約0.01%から約2%(W/V)アスコルビン酸、(f)0.003%から約0.02%(W/V)のポリソルベート80、(g)0.001%から約0.05%(W/V)ポリソルベート20、(h)アルギニン、(i)ヘパリン、(j)デキストラン硫酸、(k)シクロデキストリン、(l)ペントサンポリサルフェートおよび他のヘパリノイド、(m)マグネシウムおよび亜鉛のような二価陽イオン;あるいは、(n)これらの組み合わせ、が含まれる。
「結合剤」は結合力のある質を分け与え、そして例えば、アルギン酸およびそれらの塩;セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース(例えば、メソセル(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、クルーセル(登録商標))、エチルセルロース(例えば、エトセル(登録商標))、および微結晶性セルロース(例えば、アビセル(登録商標))など;微結晶性ブドウ糖;アミロース;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;多糖酸;ベントナイト;ゼラチン;ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体;クロスポビドン;ポビドン;デンプン;アルファ化デンプン;トラガント、デキストリン、糖であるスクロース(例えばディパック(Dipac)(登録商標))、グルコース、ブドウ糖、デキストロース、糖蜜、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例えばキシリタブ(Xylitab)(登録商標))、およびラクトースなど;天然または人工ゴムであるアカシア、トラガント、ガッチゴム(ghatti gum)、イサポール皮(isapol husks)の粘液、ポリビニルピロリドン(例えば、ポリビドン(登録商標)CL、コリドン(登録商標)CL、ポリプラスドン(登録商標)XL−10)、カラマツのアラボガラクタン、ビーガム(登録商標)、ポリエチレングリコール、ワックス、アルギン酸ナトリウムなどが含まれる。
「担体」または「担体材料」は、薬剤学で一般に用いられているいずれの賦形剤も含み、並びに本明細書で開示されている化合物である例えば、式(A)、式(B)、式(C)、もしくは式(D)のいずれかの化合物との適合性、および望ましい剤形の放出特性性質に基づいて選択されべきである。代表的な担体材料には、例えば、結合剤、懸濁化剤、崩壊剤、増量剤、界面活性剤、可溶化剤、安定化剤、滑沢剤、湿潤剤、希釈剤などが含まれる。「医薬的に相溶性のある担体材料」には、これらに限定されないが、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、コレステロール、コレステロールエステル、カゼインナトリウム、大豆レシチン、タウロコール酸、ホスファチジルコリン、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム、セルロースおよび結合セルロース、糖であるステアロイル乳酸ナトリウム、カラゲナン、モノグリセリド、ジグリセリド、アルファ化デンプンなどが含まれ得る。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995); Hoover, John E., Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975; Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980; および、 Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed. (Lippincott Williams & Wilkins1999) を参照されたい。
「分散剤」および/または「粘性調節剤」には、液体媒体中の薬の拡散および均一性、または造粒法、もしくは混合法をコントロールする物質が含まれる。ある態様においてこれらの薬剤は、基質のコーティングまたは侵食の有効性も促進する。代表的な拡散促進剤/分散剤には、以下が含まれる。例えば親水性ポリマー、電解液、ツウィーン(登録商標)60または80、PEG、ポリビニルピロリドン(PVP;商業的にはプラスドン(登録商標)として知られている)、および炭水化物分散剤である例えばヒドロキシプロピルセルロース(例えばHPC、HPC−SL、およびHPC−L)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばHPMCK100、HPMCK4M、HPMCK15M、およびHPMCK100M)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(HPMCAS)、非結晶性セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(S630)、エチレン酸化物およびホルムアルデヒドを加えた4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール重合体(チロキサポールとしても知られている)、ポロクサマー(例えばプルロニクスF68(登録商標)、F88(登録商標)、およびF108(登録商標)でありそれは、エチレン酸化物およびプロピレン酸化物のブロック共重合体である);並びにポロキサミン(例えばテトロニック908(登録商標)、ポロキサミン908(登録商標)としても知られているが、それは四官能性ブロック共重合体でありエチレンジアミンにプロピレン酸化物およびエチレン酸化物を逐次付加して生じる(BASF社、パーシッパニー(Parsippany)、N.J.)、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(S−630)、ポリエチレングリコールであり、例えばポリエチレングリコールは約300から約6000、もしくは約3350から約4000、もしくは約7000から約5400の分子量、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、ゴムである例えばトラガントゴムおよびアカシアゴム、グアーガム、キサンタンゴムを含むキサンタンなど、糖、セルロース誘導体である例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシル化モノラウリン酸ソルビタン、ポリエトキシル化モノラウリン酸ソルビタン、ポビドン、カルボマー、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸塩、キトサンおよびこれらの組み合わせを有することができる。可塑剤であるセルロースまたはトリエチルセルロースもまた、分散剤として用いることができる。リポソーム分散液および自己乳化分散液の中で特に有用である分散剤は、ジミリストイルホスファチジルコリン、卵由来の天然ホスファチジルコリン、卵由来の天然ホスファチジルグリセロール、コレステロールおよびイソプロピルミリスチン酸である。
一以上の侵食促進剤と一以上の拡散促進剤の調合剤も、本組成物として用いることができる。
用語「希釈剤」は、送達の前に目的化合物を希釈するために用いられる化学化合物を指す。希釈剤は化合物を安定化させるためにも用いることができる、というのもそれらはより安定な環境を提供できるからである。塩が溶解した緩衝液(それはpHの調節または維持も提供できる)は、技術的に希釈剤として利用され、リン酸緩衝生理食塩水溶液を含むがこれに限定されない。ある特定の態様において、希釈剤は圧縮を促進するか、またはカプセル充填をするため同種混合物の十分なバルクを作り出すために、組成物のバルクを増加させる。そのような化合物には、例えばラクトース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖、微結晶性セルロースであるアビセル(登録商標);第二リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム二水和物;リン酸三カルシウム、リン酸カルシウム;無水ラクトース、噴霧乾燥ラクトース;アルファ化デンプン、圧縮性糖であるディパック(Di−Pac)(登録商標)(アムスタール(Amstar));マンニトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、スクロース希釈剤、粉砂糖;第一硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウム二水和物;乳酸カルシウム三水和物、デキストレート;加水分解された穀類固形物、アミロース;粉末セルロース、炭酸カルシウム、グリシン、カオリン;マンニトール、塩化ナトリウム;イノシトール、ベントナイト、などが含まれる。
用語「崩壊する」には、胃腸液に触れたときの、剤形の溶解および分散の両方が含まれる。「崩壊剤」は、物質の崩壊または分解を促進する。崩壊剤の例にはデンプン、例えば天然デンプンであるトウモロコシデンプン、もしくはジャガイモデンプン、アルファデンプンであるナショナル1551もしくはアミジェル(登録商標)、またはデンプングリコール酸ナトリウムであるプロモゲル(Promogel)(登録商標)もしくはエキスプロタブ(登録商標)、セルロースである木材製品、メチル結晶性セルロース、例えばアビセル(登録商標)、アビセル(登録商標)PH101、アビセル(登録商標)PH102、アビセル(登録商標)PH105、エルセマ(登録商標)P100、エムコセル(登録商標)、ビバセル(Vivacel)(登録商標)、ミンティア(Ming Tia)(登録商標)、およびソルカフロク(Solka−Floc)(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋セルロースである架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(アクジゾル(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、もしくは架橋クロスカルメロース、架橋デンプンであるデンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポリマーであるクロスポビドン、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸もしくはアルギン酸塩であるアルギン酸ナトリウム、粘土であるビーガム(Veegum)(登録商標)HV(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)、ゴムである寒天、グアー、イナゴマメ、カラヤゴム、ペクチン、もしくはトラガント、デンプングリコール酸ナトリウム、ベントナイト、天然の海綿、界面活性剤、樹脂である陽イオン交換樹脂、柑橘類パルプ、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンと併用したラウリル硫酸ナトリウム、などが含まれる。
「薬剤吸収」または「吸収」は典型的に薬剤が、薬剤を投与した部位から障害を越えて、血管、または作用部位に入る移動プロセスで、例えば薬剤が胃腸管から門脈またはリンパ系に入ることなどを指す。
「腸溶コーティング」は、胃において実質的に無傷のままであるが、小腸または結腸では薬剤の溶解、および放出をする物質である。一般的に、腸溶コーティングはポリマー材料を含み、それは胃の低いpH環境で放出を抑制するが、より高いpHであり典型的にはpH6から7でイオン化し、そしてそれ故に、小腸または結腸では十分に溶解して本明細書の活性薬剤を放出する。
「侵食促進剤」には、胃腸液における特定物質の侵食を調節する材料が含まれる。侵食促進剤は、当業者に一般的に知られている。代表的な侵食促進剤には、例えば親水性ポリマー、電解液、タンパク質、ペプチド、およびアミノ酸などが含まれる。
「増量剤」には、ラクトース、カルシウム炭酸塩、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレート、デキストラン、デンプン、アルファデンプン、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール、などの化合物が含まれる。
本明細書に記載されている製剤において有用である「香味料」および/または「甘味料」には、例えばアカシアシロップ、アセルフェームK、アリテーム、アニス、リンゴ、アスパルテーム、バナナ、ババロア、ベリー、黒スグリ、バタースコッチ、クエン酸カルシウム、樟脳、カラメル、チェリー、チェリークリーム、チョコレート、シナモン、バブルガム、シトラス、シトラスパンチ、シトラスクリーム、コットンキャンディ、ココア、コーラ、クールチェリー、クールシトラス、シクラメート、シラメート、デキストロース、ユーカリノキ、オイゲノール、フルクトース、フルーツポンチ、ジンジャー、グリシルレチン酸、甘草(リコリス)シロップ、ブドウ、グレープフルーツ、蜂蜜、イソモルト、レモン、ライム、レモンクリーム、グリチルレチン酸一アンモニウム(マグナスイート(登録商標))、マルトール、マンニトール、メープル、マシュマロ、メントール、ミントクリーム、ミックスベリー、ネオヘスペリジンDC、ネオテーム、オレンジ、洋なし、モモ、ペパーミント、ペパーミントクリーム、プロスイート(Prosweet)(登録商標)粉末、ラスベリー、ルートビアー、ラム、サッカリン、サフロール、ソルビトール、スペアミント、スペアミントクリーム、イチゴ、イチゴクリーム、ステビア、スクラロース、スクロース、サッカリンナトリウム、サッカリン、アスパルテーム、アセスルフェームカリウム、マンニトール、タリン、シリトール、スクラロース、ソルビトール、スイスクリーム、タガトース、タンジェリン、タウマチン、トゥッティ−フルッティ、バニラ、クルミ、スイカ、ワイルドチェリー、冬緑、キシリトール、またはこれらの香料成分のいずれの組み合わせ、例えばアニス−メントール、チェリー−アニス、シナモン−オレンジ、チェリー−シナモン、チョコレート−ミント、ハニー−レモン、レモン−ライム、レモン−ミント、メントール−ユーカリノキ、オレンジ−クリーム、バニラ−ミント、およびその混合物が含まれる。
「滑沢剤」および「流動促進剤」は、材料の接着または摩擦を予防、減少、または阻害する化合物である。典型的な滑沢剤には、例えばステアリン酸、水酸カルシウム、タルク、ステアリルフメラートナトリウム、炭水化物である鉱油または硬化大豆油(ステロテックス(登録商標))のような硬化植物油、高級脂肪酸、並びにそのアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩であるアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、グリセロール、タルク、ワックス、ステアロウェト(Stearowet)(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコール(例えば、PEG−4000)またはメトキシポリエチレングリコールであるカルボワックス(登録商標)、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸マグネシウムまたはナトリウム、コロイド状ケイ素であるシロイド(登録商標)、カボジル(登録商標)、デンプンであるトウモロコシデンプン、シリコン油、界面活性剤などが含まれる。
「測定可能な血清濃度」または「測定可能な血漿濃度」は、投与後に血流で吸収された血清1ml、1dl、または1lに対する治療上の薬剤を、典型的にmg、μg、またはngによって測定された、血清または血漿中濃度で説明する。本明細書で用いられる測定可能な血漿濃度は、典型的にng/mlまたはμg/mlによって測定されている。
「薬力学」は、作用部位における薬剤濃度と比較して観察された生物学的反応を決定する要因を指す。
「薬物動態」は、作用部位における適切な薬剤濃度の達成および維持を決定する要因を指す。
「可塑剤」は、マイクロカプセル化物質または被膜コーティングを軟化させて、それらをより脆くするために用いられる化合物である。適した可塑剤には、例えばポリエチレングリコールであるPEG300、PEG400、PEG600、PEG1450、PEG3350、およびPEG800、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、トリエチルセルロース、並びにトリアセチンが含まれる。ある態様において可塑剤は、分散剤または湿潤剤としても機能できる。
「可溶化剤」には、トリアセチン、トリエチルクエン酸、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、ドックサートナトリウム(sodium doccusate)、ビタミンETPGS、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、n−ブタノール、イソプロピルアルコール、コレステロール、胆汁塩、ポリエチレングリコール200−600、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、およびジメチルイソソルビドなどの化合物が含まれる。
「安定化剤」には、いずれの抗酸化剤、緩衝剤、酸、保存料などの化合物が含まれる。
本明細書で用いられる「定常状態」とは、一投与間隔内で、投与される薬剤の量が除去される薬剤の量と等しくなり、血漿薬剤暴露量がプラトーまたは一定となるときである。
「懸濁化剤」には、ポリビニルピロリドン、例えばポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(S630)、ポリエチレングリコール、例えばポリエチレングリコールは分子量約300から約6000、または約3350から約4000、または約7000から約5400を有することができる、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースアセテートステアレート、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゴムである例えばトラガントゴムおよびアカシアゴム、グアーガム、キサンタンゴムを含むキサンタン、糖、セルロース誘導体である例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシル化モノラウリン酸ソルビタン、ポリエトキシル化モノラウリン酸ソルビタン、ポビドンなどの化合物が含まれる。
「界面活性剤」には、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム(sodium docusate)、ツウィーン60または80、トリアセチン、ビタミンETPGS、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポラキソマー、胆汁塩、モノステアリン酸グリセリル、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドの共重合体、例えばプルロニック(登録商標)(BASF)、などの化合物が含まれる。他の界面活性剤には、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド(polyoxyethylene fatty acid glycerides)および植物油、例えばポリオキシエチレン(60)水素化ヒマシ油;並びにポリオキシエチレンアルキルエーテル、およびアルキルフェニルエーテル、例えばオクトキシノール10、オクトキシノール40が含まれる。ある態様において界面活性剤は、物理的な安定性を高めるために、または他の目的のために含まれ得る。
「増粘剤」には、例えばメチルセルロース、キサンタンゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸塩、アカシア、キトサン、およびこれらの組み合わせが含まれる。
「湿潤剤」には、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ドクサートナトリウム(sodium docusate)、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドックサートナトリウム(sodium doccusate)、トリアセチン、ツウィーン80、ビタミンETPGS、アンモニウム塩など化合物が含まれる。
<投薬形態>
本明細書に記載されている組成物は、これらに限定されないが、経口、非経口(例えば静脈内、皮下、または筋肉内)、バッカル、鼻腔内、直腸または経皮性の投与経路が含まれる、いずれかの従来方法を経て投与される患者のために製剤することができる。本明細書で用いられる用語「患者」は、動物、望ましくはヒトおよびヒト以外を含む哺乳類、を意味する語として用いられている。患者(patient、およびsubject)の用語は、どちらも同じように用い得る。
さらに、本明細書に記載されている医薬組成物に含まれる、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物は、以下のいずれの適した剤形にも製剤することができ、それらに限定されない。それらは、経口水性分散剤、液剤、ゲル、シロップ、エリキシル剤、スラリー、懸濁化剤などであり、治療患者による経口摂取には固形物経口剤、エアロゾル、放出制御剤、すぐに溶ける製剤、発泡性製剤、凍結乾燥された製剤、錠剤、粉末、丸剤、糖衣錠、カプセル、徐放性製剤、持続放出製剤、パルス放出製剤、多粒子製剤、並びに即時放出剤および放出制御剤の混合がある。
経口薬剤は、一以上の固形物賦形剤と一以上の本明細書に記載されている化合物を混合し、生じた混合物を適宜粉砕し、そして錠剤または糖衣錠の芯を得るため、必要に応じて適した補助剤を加えた後に、顆粒の混合物を処理することにより、得ることができる。適した賦形剤には、例えば糖のような賦形剤でラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトール;セルロース製剤である例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガントゴム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム;並びに他のポリビニルピロリドン(PVPまたはポビドン)またはリン酸カルシウムなどが含まれる。必要に応じて崩壊剤である、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天など、またはアルギン酸もしくはこの塩であるアルギン酸ナトリウムなどが加えられ得る。
糖衣錠の芯は、適したコーティングが提供される。この目的のために、濃縮された糖溶液で、適宜アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル(carbopol gel)、ポリエチレングリコール、並びに/あるいは二酸化チタン、ラッカー溶液、および適した有機溶媒、または溶媒の混合物を含み得るものが用いられる可能性がある。活性化合物用量の配合剤で異なるものを同定または特徴付けるために、錠剤または糖衣錠のコーティングに染料または顔料が付加され得る。
経口的に用いることのできる薬剤には、ゼラチン製の押し込み式カプセル、並びにゼラチン、および可塑剤であるグリセロールまたはソルビトール製などの軟性な封入カプセルが含まれる。押し込み式カプセルには活性成分が、ラクトースのような充填剤、デンプンのような結合剤、および/またはタルク、もしくはマグネシウムステアレートのような滑沢剤、および任意の安定化剤と混合して含まれ得る。軟カプセルにおいて、活性成分は、適した液体である脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの中で、溶解または懸濁し得る。さらに、安定化剤も加えられ得る。全ての経口投与の製剤は、そのような投与における適切な投与量とすべきである。
ある態様において、本明細書で開示されている固形剤型は、錠剤(懸濁錠剤、早く溶ける錠剤、噛んで分解する錠剤、すぐに分解する錠剤、発泡性の錠剤、またはカプレットが含まれる)、丸剤、粉末(無菌包装された粉末、重要でない粉末、または発泡性粉末が含まれる)、カプセル(軟性および硬性の両方のカプセルを含み、例えば動物由来のゼラチンもしくは植物由来のHPMCで作られたカプセル、または「スプリンクルカプセル」)、固形物分散剤、固形物溶液、生体内分解性の剤形、放出制御剤、パルス放出する剤形、多粒子剤形、ペレット、顆粒、またはエアロゾルの形があり得る。他の態様において、医薬製剤は粉末の形である。さらに他の態様において、医薬製剤は錠剤の形であり、早く溶ける錠剤を含むがこれに限定されない。付加的に、本明細書に記載されている医薬製剤は単一カプセルとして、または複数のカプセル剤形に含まれて投与され得る。ある態様において医薬製剤は、2つ、3つ、4つのカプセルまたは錠剤により投与される。
ある態様において、固形剤型である例えば錠剤、発泡性の錠剤、およびカプセルは、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の粒子に、一以上の医薬的な賦形剤を混合することにより製剤され、バルクブレンド組成物を形成する。これらのバルクブレンド組成物の同種について言及するとき、それは式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の粒子が、組成物の中で均等に分散されて、故に組成物がたやすく同じくらいの有効な単位の剤形である錠剤、丸剤、およびカプセルなどに細分され得ることを意味している。個々の単一投与はまた、被膜コーティングも含み、それは経口摂取により、または希釈剤を介して分解する。これらの製剤は、従来の薬学的技術により製造することができる。
従来の薬学的技術には、例えば一つのまたは組み合わせによる以下の方法:(1)乾式複合化法、(2)直接圧縮、(3)製粉、(4)乾式もしくは非水性造粒法、(5)湿式造粒法、または(6)融合が含まれる。例えば、Lachman et al., The Theory and Practice of Industrial Pharmacy (1986)を参照。他の方法には、例えば吹き付け乾燥、パンコーティング、溶融粒状化、粒状化、流動床吹き付け乾燥またはコーティング(例えば、ヴルスターコーティング)、タンジェンシャルコーティング、トップスプレー法、錠剤化、押し出し法などが含まれる。
本明細書に記載されている医薬的な固形剤型には、本明細書に記載されている化合物、および一以上の医薬的に許容される添加剤で混合可能な担体、結合剤、増量剤、懸濁化剤、香味料、甘味剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、希釈剤、可溶化剤、加湿剤、可塑剤、安定化剤、浸透促進剤、湿潤剤、消泡剤、抗酸化剤、保存剤、またはこれらの一以上の組み合わせが含まれ得る。また他の形態において、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 20th Edition (2000)、に記載されているような標準のコーティング手順を用い、膜コーティングは式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の製剤のまわりにされている。一つの態様において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の粒子のいくらか、もしくは全部がコーティングされている。別の態様において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の粒子のいくらか、もしくは全部がマイクロカプセル化されている.さらに別の態様では、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の粒子は、マイクロカプセル化されてなく、またコーティングされていない。
本明細書に記載されている固形剤型に用いるのに適した担体には、これらに限定されないが、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、カゼインナトリウム、大豆レシチン、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、カラゲナン、モノグリセリド、ジグリセリド、アルファデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、スクロース、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトールなどが含まれる。
本明細書に記載されている固形剤型に用いるのに適した増量剤には、これらに限定されないが、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレート、デキストラン、デンプン、アルファデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(HPMCAS)、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール、などが含まれる。
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物を固形物剤形マトリックスから可能なかぎり効果的に放出するため、特に剤形が結合剤により圧縮されているときに、製剤に崩壊剤がしばしば用いられる。崩壊剤は、水分が剤形に吸収されるときの膨張または毛細管現象によって、剤形マトリックスの破壊に役立つ。本明細書に記載されている固形剤型に用いるのに適した崩壊剤には、これらに限定されないが、天然デンプンであるトウモロコシデンプンもしくはジャガイモデンプン、アルファデンプンであるナショナル1551もしくはアミジェル(登録商標)、またはデンプングリコール酸ナトリウムであるプロモゲル(Promogel)(登録商標)もしくはエキスプロタブ(登録商標)、セルロースである木材製品、メチル結晶性セルロース、例えばアビセル(登録商標)、アビセル(登録商標)PH101、アビセル(登録商標)PH102、アビセル(登録商標)PH105、エルセマ(登録商標)P100、エムコセル(登録商標)、ビバセル(Vivacel)(登録商標)、ミンティア(Ming Tia)(登録商標)、およびソルカフロク(Solka−Floc)(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋セルロースである架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(アクジゾル(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、もしくは架橋クロスカルメロース、架橋デンプンであるデンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポリマーであるクロスポビドン、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸塩であるアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウム、粘土であるビーガム(Veegum)(登録商標)HV(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)、ゴムである寒天、グアー、イナゴマメ、カラヤゴム、ペクチン、もしくはトラガント、デンプングリコール酸ナトリウム、ベントナイト、天然海綿、界面活性剤、樹脂である陽イオン交換樹脂、柑橘類パルプ、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンと併用したラウリル硫酸ナトリウムなどが含まれる。
結合剤は、固形物経口剤形の製剤に接着性を分け与える:それらは、粉末充填カプセル製剤において、柔らかいもしくは硬い殻のカプセルに充填され得るプラグ形成を助け、並びに錠剤製剤において、圧縮後に錠剤が損なわれないことを確実にし、および圧縮または充填段階より前に、均一に混合することを保証するのに役立つ。本明細書に記載されている固形剤型の結合剤に用いるのに適した材料には、これらに限定されないが、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース(例えば、メソセル(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、ヒプロメルロースUSPフォーマコート−603、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(アコート(Aqoate)HS−LFおよびHS)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、クルーセル(登録商標))、エチルセルロース(例えば、エトセル(登録商標))、および微結晶性セルロース(例えば、アビセル(登録商標))、微結晶性デキストロース、アミロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、多糖酸、ベントナイト、ゼラチン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、クロスポビドン、ポビドン、デンプン、アルファデンプン、トラガント、デキストリン、糖であるスクロース(例えば、ディパック(Dipac)(登録商標))、グルコース、デキストロース、糖蜜、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例えば、キシリタブ(Xylitab)(登録商標))、ラクトース、天然または合成ゴムであるアカシア、トラガント、ガッチゴム(ghatti gum)、イサポール皮(isapol husks)の粘液、デンプン、ポリビニルピロリドン(例えば、ポビドン(登録商標)CL、コリドン(登録商標)CL、ポリプラスドン(登録商標)XL−10、およびポビドン(登録商標)K−12)、カラマツアラボガラクタン、ビーガム(Veegum)(登録商標)、ポリエチレングリコール、ワックス、アルギン酸ナトリウムなどが含まれる。
一般に、結合剤の割合が20から70%であるものは、粉末充填ゼラチンカプセル製剤に用いられる。結合剤を使用する割合は、直接圧縮、湿式造粒法、ローラー圧縮、または自身が中程度の結合剤としてふるまうことができる増量剤のような他の賦形剤の使用かどうかによって、錠剤製剤で異なる。当該技術に熟達した考案者は、製剤における結合剤の割合を決定することができるが、錠剤製剤では結合剤を使用する割合は70%までが一般的である。
本明細書に記載されている固形剤型に用いるのに適した滑沢剤または流動促進剤には、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、フマル酸ステアリルナトリウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属塩であるアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、マグネシウムステアレート、亜鉛ステアレート、ワックス、ステアロウェト(Stearowet)(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコールまたはメトキシポリエチレングリコールであるカルボワックス(登録商標)、PEG4000、PEG5000、PEG6000、プロピレングリコール、オレイン酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル、グリセリンパルミトステアラート、安息香酸グリセリル、ラウリル硫酸マグネシウムまたはラウリル硫酸ナトリウムなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書に記載されている固形剤型に用いるのに適した希釈剤には、これらに限定されないが、糖(ラクトース、スクロース、およびデキストロースを含む)、多糖(デキストレートおよびマルトデキストリンを含む)、ポリオール(マンニトール、キシリトール、およびソルビトールを含む)、シクロデキストリンなどが含まれる。
用語「不水溶性希釈剤」は、医薬品の製剤に用いられる典型的な化合物を表し、それらは例えばリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、修飾デンプンおよび微結晶性セルロース、並びにミクロセルロース(例えば約0.45g/cm3の密度を有する、例えばアビセル、粉末セルロース)、並びにタルクである。
本明細書に記載されている固形剤型に用いるのに適した湿潤剤には、例えばオレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、四級アンモニウム化合物(例えばポリクアット10(登録商標))、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、マグネシウムステアレート、ドクサートナトリウム、トリアセチン、ビタミンETPGSなどが含まれる。
本明細書に記載されている固形剤型に用いるのに適した界面活性剤には、例えばラウリル硫酸ナトリウム、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリソルベート、ポラキソマー、胆汁塩、モノステアリン酸グリセリル、エチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドの共重合体、例えばプルロニック(登録商標)(BASF)などが含まれる。
本明細書に記載されている固形剤型に用いるのに適した懸濁化剤には、これらに限定されないが、ポリビニルピロリドン、例えばポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30、ポリエチレングリコール、例えばポリエチレングリコールは約300から約6000、もしくは約3350から約4000、もしくは約7000から約5400の分子量を有し得る、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(S630)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゴムである例えばトラガントゴムおよびアカシアゴム、グアーガム、キサンタンゴムを含むキサンタン、糖、セルロース誘導体である例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシレート化モノラウリン酸ソルビタン、ポリエトキシレート化モノラウリン酸ソルビタン、ポビドンなどが含まれる。
本明細書に記載されている固形剤型に用いるのに適した抗酸化物質には、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウム、およびトコフェロールが含まれる。
当然のことながら、本明細書に記載されている固形剤型に用いる添加剤の間ではかなりの重複がある。ゆえに上述の添加剤は、本明細書に記載されている固形剤型に含まれ得る添加剤の種類に関して、単に代表的で、限定されることのないものとして見なされるべきである。そのような添加剤の量は、目的とする特定の性質に応じて、当業者により、たやすく決定することができる。
他の態様において、医薬製剤の層は一以上が可塑化される。説明すると、固形物または液体であれ、可塑剤は一般的に高い沸点を有する。適した可塑剤は、コーティング組成物の重量(w/w)にして約0.01%から約50%を加えることができる。可塑剤には、これらに限定されないが、ジエチルフタレート、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、トリアセチン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸、ステアロール、ステアレート、およびヒマシ油が含まれる。
圧縮された錠剤は、上に記載されている製剤のバルクブレンドを圧縮することにより製剤された固形剤型である。多様な態様において、圧縮された錠剤で、口の中で溶解するよう意図されているものには、一以上の香味料が含まれる。他の態様において圧縮された錠剤には、膜に囲まれた最終の圧縮された錠剤が含まれる。ある態様において膜コーティングは、製剤から式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の放出を遅らせることを提供できる。他の態様において膜コーティングは、患者の薬剤服用のコンプライアンスに役立つ(例えばオパドライ(登録商標)コーティングまたは糖コーティング)。被膜コーティングにはオパドライ(登録商標)が含まれ、典型的に錠剤重量にして約1%から約3%の範囲である。他の態様において、圧縮された錠剤には一以上の賦形剤が含まれる。
カプセルは例えば、上に記載されている、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の製剤のバルクブレンドを、カプセルの中に入れることにより製剤され得る。ある態様において製剤(非水性懸濁化剤および溶液)は、軟ゼラチンカプセルに入れられる。他の態様において製剤は、標準ゼラチンカプセルまたは非ゼラチンカプセルで、例えばHPMCを含むようなカプセルに入れられる。他の態様において製剤は、スプリンクルカプセルに入れられ、そのカプセルは丸ごと飲み込まれ得るか、またはカプセルは開封され、その内容物が食前に食べ物に振りかけられ得る。ある態様において、治療上の用量は複数(例えば2、3または4)のカプセルに分けられる。ある態様において、製剤における全体の用量はカプセルの形で供給される。
多様な態様において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の粒子、および一以上の賦形剤は、集合として乾式混合されおよび圧縮される、例えば、実質的に、経口投与の後に約30分以下、約35分以下、約40分以下、約45分以下、約50分以下、約55分以下、もしくは約60分以下以内に崩壊し、これにより製剤を胃腸液に放出する医薬組成物を提供するのに十分な硬度を有する錠剤である。
別の形態において、剤形にはマイクロカプセル化製剤が含まれ得る。ある態様において一以上の他の混合可能な物質は、マイクロカプセル化物質の中に含まれる。代表的な物質には、これらに限定されないが、pH調整剤、侵食促進剤、消泡剤、抗酸化物質、香味料、並びに担体材料である結合剤、懸濁化剤、分解薬、増量剤、界面活性剤、可溶化剤、安定化剤、滑沢剤、湿潤剤、および希釈剤が含まれる。
本明細書に記載されているマイクロカプセル化に有用である物質には、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物と混合可能な物質が含まれ、それは他の混合可能でない賦形剤から式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物を十分に分離する。式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物と混合可能な物質は、インビボで式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の放出を遅らせるものである。
本明細書に記載されている化合物を含む製剤の放出を遅らせることに有用である代表的なマイクロカプセル化物質には、これらに限定されないが、ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(HPC)であるクルーセル(登録商標)もしくはニッソーHPC(Nisso HPC)、低置換ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(L−HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(HPMC)であるセピフィルム−LC、フォーマコート(登録商標)、メトロースSR、メソセル(登録商標)−E、オパドライYS、プリマフロ(PrimaFlo)、ベネセルMP824、およびベネセルMP843、メチルセルロースポリマーであるメソセル(登録商標)−A、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレートAQOAT(HF−LS、HF−LG、HF−MS)およびメトロース(登録商標)、エチルセルロース(EC)およびこれらの混合物であるE461、エトセル(登録商標)、アクアロン(登録商標)−EC、スリリース(Surealease)(登録商標)、ポリビニルアルコール(PVA)であるオパドライAMB、ヒドロキシエチルセルロースであるナトロゾル(登録商標)、カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース(CMC)の塩であるアクアロン(登録商標)−CMC、ポリビニルアルコールおよびポリエチレングリコール共重合体であるコリコートIR(登録商標)、モノグリセリド(マイベロール)、トリグリセリド(KLX)、ポリエチレングリコール、修飾食用デンプン、アクリルポリマーおよびオイドラギット(登録商標)EPO、オイドラギット(登録商標)L30D−55、オイドラギット(登録商標)FS30Dオイドラギット(登録商標)L100−55、オイドラギット(登録商標)L100、オイドラギット(登録商標)S100、オイドラギット(登録商標)RD100、オイドラギット(登録商標)E100、オイドラギット(登録商標)L12.5、オイドラギット(登録商標)S12.5、オイドラギット(登録商標)NE30D、もしくはオイドラギット(登録商標)NE40Dのようなセルロースエーテルをアクリルポリマーに加えた混合物、セルロースアセテートフタレート、HPMCおよびステアリン酸の混合物のようなセピフィルム、シクロデキストリン、並びにこれらの物質の混合物が含まれる。
また他の態様において、可塑剤であるポリエチレングリコール、例えばPEG300、PEG400、PEG600、PEG1450、PEG3350、およびPEG800、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、並びにトリアセチンはマイクロカプセル化物質に組み込まれている。他の態様において、医薬組成物の放出を遅らせるのに有用であるマイクロカプセル化物質は、USPまたはNFからのものである。さらに他の態様において、マイクロカプセル化物質はクルーセルである。また他の態様において、マイクロカプセル化物質はメソセルである。
マイクロカプセル化されている式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物は、当業者に周知な方法により製剤され得る。そのような周知の方法には、例えば吹き付け乾燥プロセス、回転盤溶媒(spinningdisk−solvent)プロセス、熱溶解プロセス、噴霧冷却法、流動床、静電沈着、遠心押出、回転懸濁分離(rotational suspension separation)、液体−気体もしくは固形物−気体界面における重合、押出圧力、または溶媒抽出液のスプレーが含まれる。これらに加えて複数の化学技術、例えば複合コアセルベーション、溶媒蒸発、ポリマーポリマー不適合性、液体媒体における界面重合、インシトゥ重合、液体の中での乾燥、および液体媒体における脱溶媒和も用いることができる。さらに他の方法として、ローラー圧縮、押出/球形化、液滴形成、またはナノ粒子コーティングなども用いられ得る。
一つの態様において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の粒子は、上記の形の一つに製剤される前にマイクロカプセル化されている。また別の態様において、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 20th Edition (2000)に記載されている標準のコーティング手順によって、さらに製剤されるに先立って、一つもしくはほとんどの粒子はコーティングされている。
他の態様において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の固形物製剤は、一以上の層により可塑化されている(コーティングされている)。説明すると、固形物または液体であれ、可塑剤は一般的に高い沸点を有する。適した可塑剤は、コーティング組成物の重量(w/w)にして約0.01%から約50%を加えることができる。可塑剤には、これらに限定されないが、ジエチルフタレート、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、トリアセチン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸、ステアロール、ステアレート、およびヒマシ油が含まれる。
他の態様において、本明細書に記載されている式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物を有する製剤を含む粉末は、一以上の医薬的な賦形剤および香味料を含むように製剤され得る。そのような粉末は、例えば、製剤およびバルクブレンド組成物を形成するための任意の医薬的賦形剤の混合により製剤され得る。付加的な態様においては、懸濁化剤および/または湿潤剤も含まれる。このバルクブレンドは、一律に、単一用量パッケージングまたはマルチ用量パッケージングの単位に細分される。
また他の態様において、発泡性粉末もまた、本明細書の開示に従って製剤される。発泡性塩は、経口投与のため、医薬を水の中で分散するために用いられてきている。発泡性塩は顆粒もしくは粗い粉末であり、重炭酸ナトリウム、クエン酸および/または酒石で酸通常構成されるドライミクスチャーの中の薬剤を含む。本明細書に記載されている組成物の塩に水が加えられると、酸および塩基は炭酸ガスを遊離するように反応し、これにより「泡立ち」が起こる。発泡性塩の例には、例えば以下の成分が含まれる:重炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムの混合物、並びにナトリウム炭酸塩、クエン酸および/または酒石酸。二酸化炭素の遊離をもたらす、いずれの酸−塩基の組み合わせは、重炭酸ナトリウム並びにクエン酸および酒石酸の組み合わせの代わりに用いることができるが、これは成分が医薬的使用に適しており、約6.0以上のpHをもたらす場合に限る。
他の態様では、本明細書に記載されている製剤である。そのような固形物分散剤を生み出す方法は周知技術であり、これらに限定されないが、例えば米国特許第4,343,789号、5,340,591号、5,456,923号、5,700,485号、5,723,269号、および米国特許公開2004/0013734が含まれる。これらのそれぞれは特に引例として援用されている。また他の態様において、本明細書に記載されている製剤は固形物溶液である。固形物溶液は、活性薬剤および他の賦形剤と一緒に物質を組み込み、それによる混合物の加熱は薬剤の溶解をもたらし、そして生じた組成物は次いで、固形物混合物を提供するために冷却され、それはさらに製剤され、またはカプセルに直接加えられ、または錠剤の中へ圧縮され得る。そのような固形物溶液を生成する方法は周知技術であり、それらに限定されないが、例えば米国特許第4,151,273号、5,281,420号、および6,083,518号が含まれる。これらのそれぞれは特に引用によって組み込まれる。
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物を含む、本明細書中に記載されている製剤が含まれる医薬的な固形物経口剤形は、上記化合物の放出制御を提供するために、さらに製剤することができる。放出制御は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物を、長期にわたり目的とする特性に応じてそれが組み込まれた剤形から放出することを指す。放出制御の特性には、例えば持続的放出、持続放出、パルス放出、および遅延放出の特性が含まれる。即時放出組成物とは対照的に、放出制御組成物は所定の特性に応じて長期にわたり、患者への薬の送達を可能とする。そのような放出速度は、薬の治療上の有効量を長時間提供することができ、それによってより長期にわたる薬理反応を提供することができ、同時に従来の剤形の急速な放出と比較して副作用を最小化することができる。そのようなより長期にわたる反応は、対応する短期作用の即時放出剤では達成されない固有の利点を多く提供する。
ある態様において、本明細書に記載されている固形剤型は、腸溶コーティングされている遅延放出の経口剤形として、すなわち消化管の小腸の中で放出を及ぼすために腸溶コーティングを利用する、本明細書に記載されている医薬組成物の経口剤形として、製剤することができる。腸容コーティングされている剤形は、圧縮され、もしくは型にはめられ、もしくは押出された錠剤/型(コーティングの有無を問わない)であり得て、活性成分および/または他の組成物成分でそれら自身がコーティングされているか、もしくはコーティングされていないものの顆粒、粉末、ペレット、ビーズもしくは粒子を含み得る。腸容コーティングされている経口剤形はまた、固形物担体または組成物でそれら自身がコーティングされているか、もしくはコーティングされていないもののペレット、ビーズもしくは顆粒を含むカプセル(コーティングの有無を問わない)としてもあり得る。
本明細書で用いられている用語「遅延放出」は、もし遅延放出の変化がなかったならば達成されていたであろう、腸管の中のより末梢部の、やや一般的に予測可能な位置に、放出が達成され得ることによる送達を指す。ある態様において、放出の遅延方法はコーティングである。いずれのコーティングは、全体のコーティングが胃腸液の中においてpH約5以下では溶解しないが、pH約5以上で溶解するための、十分な厚さに適合されるべきである。期待されることは、pH依存溶解特性を示すいずれの陰イオン性ポリマーは、下部消化管への送達を達成するため、本明細書に記載されている方法および組成物において、腸溶コーティングとして用いることができるということである。ある態様において本明細書に記載されているポリマーは、陰イオン性のカルボン酸重合体である。他の態様においては、ポリマーおよびこれらの混合可能な混合物、並びにそれらのいくつかの性質が含まれるが、これらに限定されない。
シェラック(また精製ラックとも呼ばれている)は、昆虫の樹脂性分泌物から得られる精製された産物である。このコーティングは、pH>7の媒体で溶解する。
アクリルポリマー。アクリルポリマーの性能(本来それらは、生体液で溶解)は、置換の程度および種類に基づいて変わることができる。適したアクリルポリマーの例には、メタクリル酸共重合体、およびメタクリル酸アンモニウム共重合体が含まれる。オイドラギットシリーズE、L、S、RL、RSおよびNE(ロームファルマ社)は、有機溶媒、水性分散、または乾燥粉末において、可溶化されたとして利用できる。オイドラギットシリーズRL、NE、およびRSは胃腸管の中で不溶性だが、浸透性を有し、また本来は結腸を標的に用いられている。オイドラギットシリーズEは、胃の中で溶解する。オイドラギットシリーズL、L−30DおよびSは、胃の中で不溶性であり、腸の中で溶解する。
セルロース誘導体。適したセルロース誘導体の例は、エチルセルロース、セルロースの部分酢酸エステルと無水フタル酸による反応混合物である。その性能は、置換の程度および種類に基づいて変わることができる。酢酸フタル酸セルロース(CAP)は、pH>6において溶解する。アクアテリック(FMC)は、水性ベースの系であり、また粒子<1μmを有する乾燥CAPプスエドラテックス(psuedolatex)の噴霧である。アクアテリックの他の成分には、プルロニクス、ツウィーン、およびアセチル化モノグリセリドが含まれ得る。他の適したセルロース誘導体には、トリメリト酸酢酸セルロース(イーストマン)、メチルセルロース(フォーマコート、メソセル)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースサクシネート(HPMCS)、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(例えば、AQOAT(信越))が含まれる。その性能は、置換の程度および種類に基づいて変わることができる。例えば、HPMCPであるHP−50、HP−55、HP−55S、HP−55Fのグレードは適している。その性能は、置換の程度および種類に基づいて変わることができる。例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートの適当なグレードには、AS−LG(LF)でpH5で溶解するもの、AS−MG(MF)でpH5.5で溶解するもの、およびAS−HG(HF)でより高いpHで溶解するものが含まれるが、これらに限定されない。これらのポリマーは、顆粒として、または微細な粉末として、水性分散液に提供される。
ポリ酢酸フタル酸ビニル(PVAP)。PVAPはpH>5で溶解し、またそれは水蒸気および胃液に対する浸透性がずっと低い。
ある態様においてコーティングは、通常可塑剤を含み、あるいは他の可能なコーティング賦形剤である着色剤、タルク、および/またはマグネシウムステアレート(これらは周知技術である)を含むことができる。適した可塑剤には、クエン酸トリエチル(シトロフレックス2)、トリアセチン(トリ酢酸グリセリル)、アセチルクエン酸トリエチル(シトロフレックスA2)、カルボワックス400(ポリエチレングリコール400)、フタル酸ジエチル、クエン酸トリブチル、アセチル化モノグリセリド、グリセロール、脂肪酸エステル、プロピレングリコール、およびフタル酸ジブチルが含まれる。とりわけ陰イオン性のカルボン酸アクリルポリマーは、通常、可塑剤、特にフタル酸ジブチル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチルおよびトリアセチンの重量の10−25%を含む。従来のコーティング技術である噴霧またはパンコーティングは、コーティングに利用するため用いられる。コーティングの厚さは、腸管の中で局所的な送達により目的部位に届くまで、経口剤形が無傷であることを保障するのに十分でなければならない。
コーティング物質を可溶化または分散するため、並びにコーティング性能およびコーティングされている産物を改善するための可塑剤以外に、着色剤、粘着性消失剤、界面活性剤、消泡剤、滑沢剤(例えばカルナウバワックスまたはPEG)もコーティングに加えられ得る。
他の態様において、本明細書に記載されている製剤は、パルス型剤形を用いて送達される。パルス型剤形は、制御された時間のずれの後の所定の時点、または特定部位において、一以上の即時のパルス放出を提供する能力がある。式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物が含まれる、本明細書に記載されている製剤を含むパルス型剤形は、周知技術である様々なパルス型製剤を用いて投与され得る。例えばそのような製剤には、米国特許第5,011,692号、5,017,381号、5,229,135号および5,840,329号が含まれるが、これらに限定されることはなく、これらのそれぞれは特に引例として援用されている。本明細書の製剤とともに用いるのに適した他のパルス放出型剤形には、これらに限定されないが、例えば、米国特許第4,871,549号、5,260,068号、5,260,069号、5,508,040号、5,567,441号および5,837,284号が含まれ、これらは全て特に引例として援用されている。一つの態様において放出制御剤形は、パルス放出型固形物経口剤形で、少なくとも二つの粒子集団を含み(すなわち多粒子)、それぞれには本明細書で記載されている製剤が含まれる。最初の粒子集団は、哺乳類に摂取されると実質的に即時効く、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の用量を提供する。最初の粒子集団は、コーティングされていないか、あるいはコーティングおよび/またはシーラント部を含むかのいずれかがあり得る。二つ目の粒子集団はコーティングされている粒子を含み、それは式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物を前期製剤の形で、一以上の結合剤を有する混合剤の形で、の全用量の重量、約2%から約75%まで、約2.5%から約70%まで、または約40%から約70%までを含む。コーティングには、二回目の投与による放出前の摂取に続く、約2時間から約7時間の遅れを提供するのに十分な量の、医薬的に許容される成分が含まれる。適したコーティングには、一以上の特異的に分解可能なコーティングで、そのほんの一例として、pH感受性のコーティング(腸溶コーティング)であるアクリル樹脂(例えば、オイドラギット(登録商標)EPO、オイドラギット(登録商標)L30D−55、オイドラギット(登録商標)FS30Dオイドラギット(登録商標)L100−55、オイドラギット(登録商標)L100、オイドラギット(登録商標)S100、オイドラギット(登録商標)R100、オイドラギット(登録商標)E100、オイドラギット(登録商標)L12.5、オイドラギット(登録商標)S12.5、およびオイドラギット(登録商標)NE30D、オイドラギット(登録商標)NE40D(登録商標))のいずれかが単一、または例えばエチルセルロースのようなセルロース誘導体との混合、あるいは式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物を含む製剤の特異的放出を提供するために多様な厚さを有する非腸溶コーティングが含まれる。
他の多くの種類の放出制御系は、当業者に周知であり、また本明細書に記載されている製剤に用いるのに適している。そのような送達系の例には、例えばポリマーベース系であるポリ乳酸およびポリグリコール酸、水素化ピラン(plyanhydrides)およびポリカプロラクトン;多孔質母材、ポリマーベースでない系である脂質でステロールを含み、例えばコレステロール、コレステロールエステルおよび脂肪酸、または中性脂肪で例えばモノ、ジ、およびトリグリセリド;ヒドロゲル放出系;シラスティック系;ペプチドベース系;ワックスコーティング、生体内分解性の剤形、従来の結合剤を用いた圧縮された錠剤などが含まれる。例えば以下を参照、Liberman et al., Pharmaceutical Dosage Forms, 2 Ed., Vol. 1, pp. 209−214 (1990); Singh et al., Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, 2nd Ed., pp. 751−753 (2002);米国特許第4,327,725号、4,624,848号、4,968,509号、5,461,140号、5,456,923号、5,516,527号、5,622,721号、5,686,105号、5,700,410号、5,977,175号、6,465,014号、および6,932,983号、これらのそれぞれは特に引用によって組み込まれる。
ある態様において医薬製剤が提供されており、それは本明細書に記載されている式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の粒子、および患者の経口投与のための少なくとも一つの分散剤または懸濁化剤を含む。その製剤は、懸濁のための粉末および/または顆粒としてあり得て、そして水との混合により実質的に均一な懸濁液が得られる。
経口投与のための液体製剤は、水性懸濁化剤が可能で、これらに限定されないが、医薬的に許容される経口水性分散液、乳濁液、溶液、エリキシル剤、ゲル、およびシロップを含む郡から選択される。例えば、Singh et al., Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, 2nd Ed., pp. 754−757 (2002)を参照。式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物の粒子に加えて、液体剤形は以下の添加剤を含み得る:(a)崩壊剤;(b)分散剤;(c)湿潤剤;(d)少なくとも一つの保存剤、(e)増粘剤、(f)少なくとも一つの甘味剤、および(g)少なくとも一つの香味剤。ある態様において、水性分散液はさらに結晶性阻害剤を含むことができる。
本明細書に記載されている水性懸濁液および分散液は、少なくとも4時間は均一な状態のままでいることができ、これはUSP薬局方(2005 edition, chapter 905)に定義されている。組成物全体の均一性の決定に関して、その均一性は一貫したサンプリング法によって決定されるべきである。一つの態様において水性懸濁液は、1分以下の物理的な攪拌により、再び懸濁されて均一な懸濁液となることができる。別の態様において水性懸濁液は、45秒以下の物理的な攪拌により、再び懸濁されて均一な懸濁液となることができる。さらに別の態様において水性懸濁液は、30秒以下の物理的な攪拌により、再び懸濁されて均一な懸濁液となることができる。また別の態様において、均一な水性分散液を維持するために、攪拌は必要でない。
水性懸濁液および分散液において用いる崩壊剤の例には、これらに限定されないが、デンプン、例えば、天然デンプンであるトウモロコシデンプンもしくはジャガイモデンプン、アルファデンプンであるナショナル1551もしくはアミジェル(登録商標)、またはデンプングリコール酸ナトリウムであるプロモゲル(Promogel)(登録商標)もしくはエキスプロタブ(登録商標);セルロースである木材製品、メチル結晶性セルロース、例えば、アビセル(登録商標)、アビセル(登録商標)PH101、アビセル(登録商標)PH102、アビセル(登録商標)PH105、エルセマ(登録商標)P100、エムコセル(登録商標)、ビバセル(Vivacel)(登録商標)、ミンティア(MingTia)(登録商標)、およびソルカフロク(Solka−Floc)(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋セルロースである架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(アクジゾル(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、もしくは架橋クロスカルメロース;架橋デンプンであるデンプングリコール酸ナトリウム;架橋ポリマーであるクロスポビドン;架橋ポリビニルピロリドン;アルギン酸もしくはアルギン酸塩であるアルギン酸ナトリウム;粘土であるビーガム(Veegum)(登録商標)HV(ケイ酸アルミニウムマグネシウム);ゴムである寒天、グアー、イナゴマメ、カラヤゴム、ペクチン、もしくはトラガント;デンプングリコール酸ナトリウム;ベントナイト;天然海綿;界面活性剤;樹脂である陽イオン交換樹脂;柑橘類パルプ;ラウリル硫酸ナトリウム;デンプンと併用したラウリル硫酸ナトリウム;などが含まれる。
ある態様において、本明細書に記載されている水性懸濁液および分散液に適した分散剤は、周知技術であり、例えば、親水性ポリマー、電解液、ツウィーン(登録商標)60もしくは80、PEG、ポリビニルピロリドン(PVP;商業的にプラスドン(登録商標)として知られている)、並びに炭水化物ベースの分散剤である例えば、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースエーテル(例えばHPC、HPC−SL、およびHPC−L)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(例えばHPMCK100、HPMCK4M、HPMCK15M、およびHPMCK100M)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、非結晶性セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(プラスドン(登録商標)、例えば、S−630)、エチレンオキサイドおよびホルムアルデヒド(チロキサポールとしても知られている)を加えた4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール重合体、ポロクサマー(例えば、プルロニクスF68(登録商標)、F88(登録商標)、およびF108(登録商標)でこれらはエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドのブロック共重合体である);並びにポロキサミン(例えば、テトロニック908(登録商標)、ポロキサミン908(登録商標)としても知られていて、それはプロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドをエチレンジアミンへ逐次付加して生じる四官能性ブロック共重合体(BASF社、パーシッパニー(Parsippany)、N.J.)が含まれる。他の態様において分散剤は、以下の薬を一つも含まない郡から選択される:親水性ポリマー;電解液;ツウィーン(登録商標)60もしくは80;PEG;ポリビニルピロリドン(PVP);ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースエーテル(例えば、HPC、HPC−SL、およびHPC−L);ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(例えばHPMCK100、HPMCK4M、HPMCK15M、HPMCK100M、およびフォーマコート(登録商標)USP2910(信越));カルボキシメチルセルロースナトリウム;メチルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート;非結晶性セルロース;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;トリエタノールアミン;ポリビニルアルコール(PVA);エチレンオキサイドおよびホルムアルデヒドを加えた4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール重合体;ポロクサマー(例えば、プルロニクスF68(登録商標)、F88(登録商標)、およびF108(登録商標)、それらはエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイのブロック共重合体である);またはポロキサミン(例えば、テトロニック908(登録商標)、ポロキサミン908(登録商標)としても知られている)。
本明細書に記載されている水性懸濁液および分散液に適した湿潤剤は、周知技術であり、これらに限定されないが、セチルアルコール、グリセロールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、市販のツウィーン(登録商標)である例えば、ツウィーン20(登録商標)およびツウィーン80(登録商標)(ICIスペシャルティケミカルズ社))、並びにポリエチレングリコール(例えば、カルボワックス3350(登録商標)および1450(登録商標)、並びにカルボポル934(登録商標)(ユニオンカーバイド))、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、トリアセチン、ビタミンETPGS、タウロコール酸ナトリウム、シメチコン、ホスファチジルコリン(phosphotidylcholine)などが含まれる。
本明細書に記載されている水性懸濁液および分散液に適した保存料は、例えばソルベート酸カリウム、パラベン(例えば、メチルパラベンおよびプロピルパラベン)、安息香酸およびそれの塩、ブチルパラベンのようなパラヒドロキシ安息香酸の他のエステル、アルコールであるエチルアルコールまたはベンジルアルコール、フェノール化合物であるフェノール、並びに第4級化合物である塩化ベンザルコニウムが含まれる。本明細書で用いるように、保存剤は微生物増殖を阻害するのに十分な濃度で剤形に組み込まれている。
本明細書に記載されている水性懸濁液および分散液に適した増粘剤には、これらに限定されないが、メチルセルロース、キサンタンゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プラスドン(登録商標)S−630、カルボマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸塩、アカシア、キトサンおよびこれらの配合剤が含まれる。増粘剤の濃度は、選択された薬および目的とする粘度によって決まる。
本明細書に記載されている水性懸濁液および分散液に適した甘味剤の例には、例えばアカシアシロップ、アセルフェームK、アリテーム、アニス、リンゴ、アスパルテーム、バナナ、ババロア、ベリー、黒スグリ、バタースコッチ、クエン酸カルシウム、樟脳、カラメル、チェリー、チェリークリーム、チョコレート、シナモン、バブルガム、シトラス、シトラスパンチ、シトラスクリーム、コットンキャンディ、ココア、コーラ、クールチェリー、クールシトラス、シクラメート、シラメート、デキストロース、ユーカリノキ、オイゲノール、フルクトース、フルーツポンチ、ジンジャー、グリシルレチン酸、甘草(リコリス)シロップ、ブドウ、グレープフルーツ、蜂蜜、イソモルト、レモン、ライム、レモンクリーム、グリチルレチン酸一アンモニウム(マグナスイート(登録商標))、マルトール、マンニトール、メープル、マシュマロ、メントール、ミントクリーム、ミックスベリー、ネオヘスペリジンDC、ネオテーム、オレンジ、洋なし、モモ、ペパーミント、ペパーミントクリーム、プロスイート(Prosweet)(登録商標)粉末、ラスベリー、ルートビアー、ラム、サッカリン、サフロール、ソルビトール、スペアミント、スペアミントクリーム、イチゴ、イチゴクリーム、ステビア、スクラロース、スクロース、サッカリン酸ナトリウム、サッカリン、アスパルテーム、アセルフェームカリウム、マンニトール、タリン、スクラロース、ソルビトール、スイスクリーム、タガトース、タンジェリン、タウマチン、トゥッティフルッティ(tutti fruitti)、バニラ、クルミ、スイカ、ワイルドチェリー、ウィンターグリーン、キシリトール、またはこれらの香料成分のいずれの組み合わせ、例えば、アニス−メントール、チェリー−アニス、シナモン−オレンジ、チェリー−シナモン、チョコレート−ミント、ハニー−レモン、レモン−ライム、レモン−ミント、メントール−ユーカリノキ、オレンジ−クリーム、バニラ−ミント、およびその混合物が含まれる。一つの態様において水性液体分散液は、水性分散液の容積の約0.001%から約1.0%の間の濃度である甘味剤または香味剤を含むことができる。別の態様において水性液体分散液は、水性分散液の容積の約0.005%から約0.5%の間の濃度である甘味剤または香味剤を含むことができる。また別の態様において水性液体分散液は、水性分散液の容積の約0.01%から約1.0%の間の濃度である甘味剤または香味剤を含むことができる。
上記に記載した添加剤に加えて、液体製剤は技術的に一般に用いられる不活性な希釈剤である水または他の溶媒、可溶化剤、および乳化剤も含むことができる。代表的な乳化剤は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、コレステロール、コレステロールエステル、タウロコール酸、ホスファチジルコリン(phosphotidylcholine)、油である綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などである。
ある態様において本明細書に記載されている医薬製剤は、自己乳化ドラッグデリバリーシステム(SEDDS)となることができる。乳濁液は一つの不混和相と別のとの分散液で、通常は液滴の形である。一般的に、乳濁液は活発で力学的な分散によって生み出される。乳濁液またはマイクロ乳濁液とは反対にSEDDSは、いずれの外部の力学的な分散または攪拌を伴わずに過剰の水が加えられたとき、自発的に乳濁液を形成する。溶液の中で液滴を分配するために必要なのは、穏やかな混合だけであるということがSEDDSの利点である。また、投与の直前に水または水相を加えることができ、これは不安定なまたは疎水性活性成分の安定性を保障する。ゆえにSEDDSは、疎水性活性成分の経口および非経口送達のための有効な送達システムを提供する。SEDDSは、疎水性活性成分のバイオアビイラビリティの改善を提供し得る。自己乳化剤形の製法は周知技術であり、例えば米国特許第5,858,401号、6,667,048号および6,960,563号が含まれるが、これらに限定されることはなく、これらのそれぞれは特に引例として援用されている。
当然のことながら、本明細書に記載されている水性分散液または懸濁液に用いられている上述の添加剤の間には重複があり、というのも与えられる添加剤は異なる当業者によってしばしば異なる分類がされ、または一般に複数の異なる機能のいずれにも用いられるからである。ゆえに上述の添加剤は、本明細書に記載されている製剤に含むことのできる添加剤の種類に関して、単に代表的なものであって限定されることのないように理解されるべきである。そのような添加剤の量は、目的とする特定の性質に応じて、当業者によってたやすく決定され得る。
<鼻腔内製剤>
鼻腔製剤は周知技術であり、例えば米国特許第4,476,116号、5,116,817号および6,391,452号に記載されており、これらのそれぞれは特に引例として援用されている。式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物が含まれる製剤で、これらのおよび他の周知技術によって製造されるものは、ベンジルアルコールまたは他の適した保存剤、フッ化炭素、および/または他の可溶化剤もしくは分散剤で周知技術なものを用いて、生理食塩水で溶液として製造される。例えば、Ansel, H. C. et al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Sixth Ed. (1995)を参照。望ましくは、これらの組成物および製剤は、適切な無毒で医薬的に許容される成分とともに製造される。これらの成分は経鼻剤形の製剤の当業者に周知であり、またそれらのいくつかは、REMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY, 21st edition, 2005で見つけることができ、これはこの分野の標準的な参考文献である。適した担体の選択は、目的とする経鼻剤形の実際の性質に強く依存し、例えば溶液、懸濁液、軟膏、またはゲルがある。経鼻剤形は、活性成分に加えて、一般的に多量の水を含む。pH調整剤、乳化剤もしくは分散剤、保存剤、界面活性剤、ゲル化剤、または緩衝剤、並びに他の安定化剤および可溶化剤のような他の成分も少量存在し得る。経鼻剤形は、鼻汁と等張であるべきである。
吸入による投与において、本明細書に記載されている式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物はエアロゾル、噴霧または粉末の形であり得る。本明細書に記載されている医薬組成物は、適した高圧ガス、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切な気体を用いて、加圧パックまたはネブライザーによるエアロゾルスプレーの形で、便利に送達される。加圧エアロゾルの場合は、定量を送達するためのバルブを提供することにより、投与単位が決定され得る。そのようなカプセルおよびカートリッジのほんの一例として、インヘラーまたは吸入器に用いるゼラチンが製剤され得て、それは本明細書に記載されている化合物の混合粉体、およびラクトースまたはデンプンのような、適した粉末塩基を含む。
<バッカル製剤>
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物を含むバッカル製剤は、様々な周知製剤を用いて投与され得る。例えば、そのような製剤には米国特許番号第4,229,447号、4,596,795号、4,755,386号、および5,739,136号が含まれるが、これらに限定されることはなく、これらのそれぞれは特に引例として援用されている。加えて、本明細書に記載されているバッカル剤形は、さらに、生体内分解性(加水分解性)の重合体担体を含むことができ、それは剤形を頬側の粘膜に付着するする働きもする。バッカル剤形は、所定の時間にわたり徐々に侵食するために作られており、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の送達が基本的にくまなく提供される。当業者に理解されるように、バッカル薬剤の送達は経口の薬剤投与がもたらす不都合、例えば胃腸管に存在する液体、および/または肝臓における初回通過による活性化による活性薬剤の遅吸収、劣化を回避する。生体内分解性(加水分解性)の重合体担体に関しては、当然のことながら、目的の薬剤放出特性が損なわれておらず、並びに、担体が式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物、およびいずれの他の成分で頬側計量装置に存在し得るものと混合可能である限り、実質的にそのような担体はいずれも用いることができる。一般的に重合体担体は、頬側の粘膜の濡れた表面に付着する、親水性(水溶性および水膨潤性)ポリマーを含む。本明細書で有用な重合体担体の例には、アクリル酸ポリマーなど、例えば「カルボマー」(BFグッドリッチから得ることができる、カルボポル(Carbopol)(登録商標)はそのようなポリマーの一つである)として知られているものが含まれる。他の成分もまた、本明細書に記載されているバッカル剤形に組み込まれ得るが、これらに限定されない、崩壊剤、希釈剤、結合剤、滑沢剤、香味剤、着色剤、保存剤、などが含まれる。頬側または舌下投与のために、組成物は従来の方法により製剤される錠剤、ドロップ、またはゲルの形を取り得る。
<経皮製剤>
本明細書に記載されている経皮製剤は、技術的に述べられてきている様々な装置を用いて投与され得る。例えばそのような装置には、これらに限定されないが、米国特許番号第3,598,122号、3,598,123号、3,710,795号、3,731,683号、3,742,951号、3,814,097号、3,921,636号、3,972,995号、3,993,072号、3,993,073号、3,996,934号、4,031,894号、4,060,084号、4,069,307号、4,077,407号、4,201,211号、4,230,105号、4,292,299号、4,292,303号、5,336,168号、5,665,378号、5,837,280号、5,869,090号、6,923,983号、6,929,801号、および6,946,144号が含まれ、それぞれはそのまま特に引用によって組み込まれる。
本明細書に記載されている経皮剤形には、技術的に通常である特定の医薬的に許容される賦形剤が組み込まれ得る。一つの態様において、本明細書に記載されている経皮製剤には少なくとも三つの成分が含まれ、それらは:(1)式(I)、式(II)、もしくは式(III)のいずれかの化合物の製剤;(2)浸透促進剤;および(3)水性補助剤である。加えて、経皮製剤にはこれらに限定されないが、付加的な成分である、ゲル化剤、クリームおよび軟膏基剤、などが含まれ得る。ある態様において経皮製剤はさらに、吸収を高め、そして経皮製剤が皮膚から除去されることを防ぐために、裏地または裏地でない物質を含むことができる。他の態様において本明細書に記載されている経皮製剤は、皮膚の中への拡散を促進するために、飽和または過飽和状態を維持することができる。
本明細書に記載されている経皮化合物の投与に適した製剤には、経皮送達装置および経皮送達パッチを用いることができ、並びにポリマーまたは接着剤の中で溶解および/または分散している、親油性乳濁液または緩衝水溶液となることができる。そのようなパッチは、医薬的の持続的な、パルス性の、またはオンデマンドの送達のために構成され得る。またさらに、本明細書に記載されている化合物の経皮送達は、イオン泳動パッチの方法などにより達成することができる。また、経皮パッチは式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物の制御された送達を提供できる。吸収率は、律速膜を用いて、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルの中にトラップすることによって、遅くすることができる。逆に吸収を増加するために、吸収促進剤を用いることができる。吸収促進剤または担体には、皮膚の中の経路を補助する、吸収性のある医薬的に許容される溶媒が含まれ得る。例えば経皮装置は、裏当て層を含む包帯、適宜担体を有する化合物を含むリザーバー、化合物を宿主の皮膚に長時間にわたって、制御され、予め定められた速度で送達するための任意の速度制御されたバリアー、並びに装置を皮膚に安全にする方法の形である。
<注射製剤>
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物を含む製剤で、筋肉内、皮下、または静脈注射に適したものには、生理学的に許容される無菌の水溶液もしくは非水溶液、分散液、懸濁液、または乳濁液、および無菌の注射可能な溶液または分散液に再構成するための無菌の粉末が含まれ得る。適した水性および非水性担体の例は、希釈剤、溶剤、または水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、クレモフォールなど)を含む溶媒、これらの適した混合物、植物油(例えばオリーブ油)およびオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルである。例えば、レシチンのようなコーティングを用いることによって、分散液の場合は要求される粒径を維持することによって、および界面活性剤を用いることによって、適切な流動性を維持することができる。皮下注射に適した製剤には、添加剤である保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分配剤も含み得る。微生物の発育の予防は、多様な抗菌剤および抗真菌剤である、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、などによって保証され得る。等張剤である糖、塩化ナトリウムを含めることが、望ましいこともあり得る。注射可能である医薬的な形の持続的吸収は、アルミニウムモノステアレート、およびゼラチンのような吸収を遅らせる薬剤を用いることによって、もたらすことができる。
静脈注射にあたって、本明細書に記載されている化合物は水溶液の中で製剤することができて、望ましくは生理学的に混合可能な緩衝剤であるハンクス溶液、リンガー溶液、または生理食塩水の緩衝液の中で、である。経粘膜投与にあたり、浸透するために障害に対して適した浸透剤が、製剤に用いられている。そのような浸透剤は、一般的に周知技術である。他の非経口注射にあたり、適した製剤には水溶液または非水溶液を含むことができ、望ましくは生理学的に混合可能な緩衝剤または賦形剤と一緒に、である。そのような賦形剤は、一般的に周知技術である。
非経口注射には、ボーラス注入または持続的な点滴が含まれ得る。注射のための製剤は単位剤形、例えば、加えられた保存剤と一緒に、アンプルまたは多量投与用容器として提供され得る。本明細書に記載されている医薬組成物は、無菌の懸濁液、油性もしくは水性溶媒における溶液または乳濁液として、非経口注射のために適した形であり得て、並びに懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤のような製造化剤を含み得る。非経口投与の医薬製剤には、水溶性の形での活性化合物の水溶液が含まれる。また、活性化合物の懸濁化剤が、適切な油性注射懸濁液として製剤され得る。適した親油性溶媒もしくは媒体には、ゴマ油のような脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドのような合成脂肪酸エステル、またはリポソームが含まれる。水溶液注入の懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランのような懸濁液の粘性を増加させる物質を含み得る。懸濁液は適宜、適した安定化剤または薬剤で、化合物の溶解度を増加させて高濃度溶液の調製を可能にするものも含み得る。もう一つの形として活性成分は、使用前の適した溶媒、例えば無菌でピロゲンのない水との構成のために粉末の形であり得る。
<他の製剤>
ある特定の態様において、医薬化合物の送達系には、例えばリポソームや乳濁液などが用いられ得る。ある特定の態様において、本明細書で提供されている組成物は粘膜付着性ポリマーも含むことができ、それは例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリメチルメタクリル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/ブチルアクリレート共重合体、アルギン酸ナトリウムおよびデキストランから選択される。
ある態様において、本明細書に記載されている化合物は局所的に投与され得て、また様々な局所に投与可能である、溶液、懸濁液、ローション、ゲル、ペースト、薬用スティック、バルム、クリームまたは軟膏などの組成物に製剤され得る。そのような医薬化合物には、可溶化剤、安定化剤、張性増強剤、緩衝剤および保存剤が含まれ得る。
本明細書に記載されている化合物は、従来の坐剤の基剤であるココアバターまたは他のグリセリド、並びに合成ポリマーであるポリビニルピロリドン、PEGなどを含む、浣腸、直腸ゲル、直腸フォーム(rectalfoams)、直腸エアロゾル、坐剤、ゼリー状坐剤、または停留浣腸のような直腸の組成物としても製剤され得る。組成物が坐剤の形だと、これらに限定されないが、適宜ココアバターと組み合わせた脂肪酸グリセリドの混合物のような低融点ワックスが最初に溶ける。
<投薬方法と投薬計画の例>
本明細書に記載されている化合物は、Btkもしくはこのホモログの阻害のため、または疾患もしくは症状の治療で、少なくとも一部分においてBtkもしくはこのホモログの阻害により益を得る治療のための、薬物の製剤において用いることができる。また、本明細書に記載されているいずれの疾患もしくは症状の治療方法で、そのような治療が必要な患者にするものには、本明細書に記載されている式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)のいずれかの化合物、またはこれらの医薬的に許容される塩、医薬的に許容されるN−オキシド、医薬的に活性な代謝物、医薬的に許容されるプロドラッグ、もしくは医薬的に許容される溶媒和物の少なくとも一つの、前記患者に対する治療上の有効量を含む医薬組成物の投与が含まれる。
本明細書に記載されている化合物が含まれる組成物は、予防的および/または治療上の処置のために投与することができる。治療上の適用において、既に疾患もしくは症状に羅患している患者に対して、疾患もしくは症状の症候を治療するか、または少なくとも部分的に抑止するために十分な量の組成物が投与される。この使用の有効な量は、疾患の重症度および経過、障害もしくは症状、薬歴、患者の健康状態、体重、および薬の効き目、並びに治療を行う医師の判断によって決まる。当業者の範囲内で、そのような治療上の有効量を日常実験(これに限定されないが、用量漸増臨床試験が含まれる)によって決定することは、十分に考えられている。
予防的使用において本明細書に記載されている化合物が含まれる組成物は、特定の疾患、障害もしくは症状にかかりやすい、またはそうでなければその危険性がある患者に対して、投与される。そのような量は、「予防的な有効量または用量」と定義されている。この使用において、その正確な量は患者の健康状態、体重、などによっても決まる。当業者の範囲内で、そのような予備的な有効量を日常実験(例えば、用量漸増臨床試験)によって決定することは、十分に考えられている。患者に用いられるとき、この使用の有効量は、疾患の重症度および経過、障害もしくは症状、薬歴、患者の健康状態、および薬の効き目、並びに治療を行う医師の判断によって決まる。
患者の症状が好転しない場合、医者の判断に基づいて化合物は、患者の疾患もしくは症状の症候を改善させる、またはそうでなければ調節もしくは限定するために、慢性的に、つまり患者の寿命の間ずっと、を含めた長時間、投与され得る。
患者の状態が改善する場合、医者の判断に基づいて化合物は、持続的に投与され得る;あるいは、投与される薬剤の用量は特定の期間、一時的に減少し得るか、または一時的に中止し得る(すなわち「休薬日」である)。休薬日の長さは、2日から1年の間で変わることができて、ほんの一例として2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日、または365日が含まれる。休薬日の間の用量の減少は、10%から100%となることができて、ほんの一例として10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%が含まれる。
いったん患者の症状の改善が起こった場合には、必要に応じて維持用量が投与される。続いて、症候に応じて用量もしくは投与の頻度、またはその両方を、症候の機能により、改善された疾患、障害もしくは症状が維持される段階まで減少することができる。しかしながら患者は、いずれの症候の再発に関しても、長期的な間欠式処理を必要とし得る。
そのような量に相当する薬の投与量は、特定の化合物、疾患もしくは症状およびそれの重症度、治療が必要な患者または宿主の属性(例えば、体重)といった要因によって変わるであろうが、それでもやはり、個々の場合、例えば特定の薬が投与されていること、投与経路、治療している状況、および治療している患者または宿主、をめぐる特定の状況に応じて、周知な方法を用いて型通りに決めることがでる。しかしながら一般に、成人の治療に用いられる用量は、典型的には、一日あたり0.02から5000mg、または一日あたり約1から1500mgまでの範囲である。望ましい用量は好都合なことに単一用量、または分割用量として提示され、同時に(もしくは短時間に)、または適切な間隔、例えば一日あたり2、3、4もしくはそれ以上の副用量で投与され得る。
1つの実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約1mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約2mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約5mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約10mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約20mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約30mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約40mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約50mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約60mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約70mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約80mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約90mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約100mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約150mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約200mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約250mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約300mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約350mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約400mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約500mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約600mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約700mgである。別の実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約800mgである。
1つの実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)、(II)又は(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、1日に約0.01から約50mg/kg(体重)である。
幾つかの実施形態において、1日の用量又は剤形における活性剤の量は、個々の治療方法に関するたくさんの変数に基づいて、本明細書中に示されている範囲よりも低く又は高くあり得る。様々な実施形態において、1日の単位剤形は、限定されないが使用される化合物の活性、処置される疾患又は疾病、投与形態、個別の患者の要件、処置されている疾患又は疾病の重篤度、及び医師の判断を含むたくさんの変数に依存して変化する。
本明細書に記載されている医薬組成物は、正確な用量を単回投与するのに適した単位剤形としてあり得る。単位剤形において、製剤は一以上の化合物の適切な量を含む単位投与量に分けられる。単位投与量は、製剤の個々の量を含むパッケージの形としてあり得る。非限定の例は、パッケージされた錠剤、またはカプセル、およびバイアル、またはアンプルの中の粉末である。水性懸濁組成物は、単一投与用で再び密閉できない容器にパッケージされ得る。あるいは、多量投与用で再び密閉できる容器を用いることができ、その場合は組成物に保存剤を含めることが典型的である。ほんの一例として非経口注射の製剤は、保存剤と一緒に、これらに限定されないがアンプル、または多量投与用容器の中を含む、単位剤形として提示され得る。
前述の範囲は単に示唆的なものである。というのも、個々の治療方法(treatment regime)に関して変わり得る数は大きく、またこれらの推奨値から大きくそれることは珍しくないからである。そのような用量は、多くの変わり得る事柄で、例えばこれらに限定されないが、用いている化合物の活性、治療している疾患もしくは症状、投与の形態、個々の患者における必要量、治療している疾患もしくは症状の重症度、および医者の判断によって変化し得る。
そのような治療方法(treatment regimens)の毒性および治療上の有効性は、細胞培養および実験動物における標準医薬手順によって決定することができ、それにはこれらに限定されないが、LD50(個体数の50%致死量)およびED50(個体数の50%有効量)の決定が含まれる。毒性効果と治療効果の間の用量比は、治療上の指標であり並びに、それはLD50とED50の間の割合として示され得る。化合物が高い治療上の指標を示すことが望ましい。細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトが用いる際の用量の範囲を定めるために、用いることができる。そのような化合物の用量は、望ましくは、最小の毒性量でED50を含む血中濃度の範囲内の状態にある。その用量は、用いられる剤形、および利用される投与経路によって、この範囲内で変わり得る。
<併用治療>
本明細書に記載されている不可逆的なBtk阻害剤組成物は、治療されるべき症状に関する、治療上の価値のために選択されている、他の周知な治療上の試薬剤と組み合わせて用いることもできる。一般に、本明細書に記載されている組成物、および併用治療が用いられている態様において、他の薬剤は同じ医薬組成物に投与される必要はなく、むしろ物理的および化学的特性が異なることから、異なる経路により投与される必要があり得る。同じ医薬組成物において可能であるなら、投与形態の決定、および投与の得策は十分に当業者の知識の範囲内である。最初の投与は、周知技術である、確立された手順によって行うことができ、そしてその後、観測結果に基づき、用量、投与形態、および投与回数は当業者によって改良され得る。
場合によっては、本明細書に記載されている不可逆的なBtk阻害剤化合物の少なくとも一つを、別の治療上の薬剤と組み合わせて投与することが、適切であり得る。ほんの一例として、もし本明細書に記載されている不可逆的なBtk阻害剤化合物の一つを受けることによって、患者の経験した副作用の一つが嘔吐ならば、抗嘔吐剤を最初の治療薬と組み合わせて投与することが適切であり得る。あるいは、ほんの一例として、本明細書に記載されている化合物の一つの治療上の有効性は、補助剤の投与によって高められ得る(すなわち、それ自身で補助剤は最小限の治療効果しか持ち得ないが、別の治療薬と組み合わせることによって、全体的にみて患者における治療的有用性が高められる)。あるいは、ほんの一例として、本明細書に記載されている化合物の一つを、治療的有用性を有するまた別の治療薬(それには治療方法も含まれる)と一緒に投与することにより、患者が経験する利益は増加され得る。いずれの場合でも、疾患、障害もしくは治療している症状にかかわらず、全体的に見て患者が経験する利益は、単純に二つの治療薬の添加物となり得るか、または患者は相乗的利益を経験し得る。
用いる化合物の特定の選択は、主治医の診断、および患者の症状に関する彼らの判断、並びに適切な治療手順による。化合物は、疾患、障害、もしくは症状、患者の状況、および用いている化合物の実際の選択の性質に依存して、同時に(例えば同時に、本質的に同時に、もしくは同じ治療手順の中で)または連続して投与され得る。治療手順の中でそれぞれの治療薬に関する、投与の順番、および投与を反復する回数の決定は、治療している疾患、および患者の症状の評価の後で、十分に当業者の知識の範囲内にある。
治療効果のある用量は、薬が併用して治療に用いられたときに変わり得ることは、当業者に周知である。併用治療法(combination treatment regimens)に用いる薬および他の薬剤に関して、治療効果のある用量を実験的に決定する方法は、文献に記載されている。例えば、メトロノームのような投与(metronomic dosing)、すなわち毒性副作用を最小化するために、より頻繁に、少ない用量を提供すること、の使用は文献に広く記載されている。さらに併用治療には、患者の臨床管理を手伝うために、様々な時点で開始し、また中止する、定期的な治療が含まれる。
本明細書に記載されている併用治療のために共投与される化合物の用量は、当然ながら、用いられる共同薬剤の種類、用いられる特定の薬剤、治療している疾患もしくは症状などに依存して変わる。また、一以上の生理活性物質とともに共投与されるとき、本明細書で提供されている化合物は、生理活性物質と同時に、または連続して投与され得る。連続して投与されるならば、主治医は生理活性物質と組み合わせてタンパク質を投与する適切な順序を決める。
いずれの場合でも、複数の治療薬(その一つは本明細書に記載されている式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物)は、いずれの順番でも、または同時であっても、投与され得る。もし同時ならば、複数の治療薬は単一もしくは統一の形、または複数の形(一例に、一つの丸剤、または二つに分けられた丸剤として)で提供され得る。治療薬の一つが複数回投与され得るか、または両方が複数回投与され得る。もし同時でなければ、複数回投与の間のタイミングは、0週間以上から4週間未満で変わり得る。また、組み合わせ方法、組成物、および製剤は二つの薬の使用のみに限定されるものではなく、複数の治療上の組み合わせの使用も想定されている。
救済が求められている症状を治療する、予防する、または改善させるための用量計画は、様々な要因に従って修飾され得ることが理解されている。これらの要因には、患者が羅患している障害、並びに患者の年齢、体重、性別、食事、および病状が含まれる。ゆえに、実際に用いられる用量計画は広く変わることができ、そしてそれ故に本明細書に記述している用量計画から外れ得る。
本明細書で開示されている併用治療を構成する医薬剤は、組み合わせ剤形、または別々の剤形であり得て、それらは実質的に同時の投与が意図されている。併用治療を構成する医薬剤は、連続しても投与され得て、そこに二段階投与を要求する方法によって、いずれの治療上の化合物も一緒に投与される。二段階投与法は、活性薬剤の連続投与、または別々の活性薬剤を空間的別個に投与することを要求し得る。複数投与段階の間の時間は数分から数時間までに及び得て、医薬剤の有効性、溶解度、バイオアベイラビリティ、血漿半減期、および力学的特性のような、それぞれの医薬剤の性質に依存する。標的分子濃度の日内変動も、最適な用量間隔を決定し得る。
また、本明細書に記載されている化合物は、付加的なもしくは相乗的な利益を患者にもたらし得る手順と組み合わせて、用いることもできる。一例として、患者は本明細書に記載されている方法における、治療上のおよび/または予防的な利益を見つけるはずであり、その本明細書で開示されている化合物の医薬組成物および/または他の治療法との組み合わせは、個々が、ある疾患もしくは症状と関連のあることが知られている変異体遺伝子のキャリアであるか否かを決定するための遺伝子検査と組み合わさっている。
本明細書に記載されている化合物および併用治療は、疾患もしくは症状の発生の前、間、後に投与することができ、並びに化合物を含む組成物を投与するタイミングは変わり得る。ゆえに、例えば化合物は、疾患もしくは症状の発生を予防するために、症状または疾患の進行する性質の患者に対して、予防的に用いることができ、および持続的に投与することができる。化合物および組成物は、症候の間、または症候の開始からできるだけ早くに、患者に投与することができる。化合物の投与は、症候の開始から最初の48時間以内に、症候の開始から最初の6時間以内に、または症候の開始から最初の3時間以内に開始され得る。最初の投与はいずれの実用的な経路も経ることができて、それらは例えば、静脈注射、ボーラス注入、5分から約5時間にわたる注入、ピル、カプセル、経皮パッチ、バッカル送達など、またはこれらの組み合わせを経る。化合物は実行可能になるやすぐに、疾患もしくは症状の発病が認められたか、または疑われた後に、並びに疾患の治療に必要な期間、例えば約1ヶ月から3ヶ月、にわたり投与されるべきである。治療期間はそれぞれの患者によって変わることができ、その期間は周知な基準を用いて決定することができる。例えば、該化合物または製剤が含まれる化合物は、少なくとも2週間、約1ヶ月から約5年の間、または約1ヶ月から約3年まで投与することができる。
<不可逆的なBtk阻害剤化合物と組み合わせて用いる代表的な治療薬>
患者が、自己免疫疾患、炎症性疾患、もしくはアレルギー疾患に羅患しているか、または羅患する危険性がある場合に、不可逆的なBtk阻害剤化合物は、以下の治療薬の一以上といずれの組み合わせにおいても用いることができる:免疫抑制剤(例えば、タクロリムス、シクロスポリン、ラパミシン、メトトレキサート、シクロホスファミド、アザチオプリン、メルカプトプリン、ミコフェノラート、またはFTY720)、グルココルチコイド(例えば、プレドニゾン、酢酸コルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、アルドステロン)、非ステロイド系抗炎症薬(例えば、サリチル酸、アリールアルカン酸、2アリールプロピオン酸、N−アリールアントラニル酸、オキシカム(oxicams)、コキシブ、またはスルホンアニリド)、COX−2選択的阻害剤(例えば、バルデコキシブ、セレコキシブ、またはロフェコキシブ)、レフルノミド、金チオグルコース、金チオマレート、アウロフィン(aurofin)、スルファサラジン、塩酸キニーネ、ミノサイクリン、TNF−α結合タンパク質(例えば、インフリキシマブ、エタネルセプト、またはアダリムマブ)、アバタセプト、アナキンラ、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターロイキン−2、アレルギーワクチン、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、ベータアゴニスト、テオフィリン、または抗コリン薬。
患者がB細胞増殖性疾患(例えば、形質細胞性骨髄腫)に羅患しているか、または羅患する危険性がある場合に、一以上の他の抗癌剤のいかなる組み合わせによる不可逆的なBtk阻害剤化合物を用いても患者を治療することができる。ある態様において、抗癌剤の一つもしくはそれ以上はアポトーシス促進剤である。抗癌剤の例には、以下のいずれもが含まれるが、これらに限定されない:ゴシポール(gossyphol)、ゲナセンス、ポリフェノールE、クロロフシン、オールトランス型レチノイン酸(ATRA)、ブリオスタチン、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、5−アザ−2’−デオキシシチジン、オールトランス型レチノイン酸、ドキソルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、ゲムシタビン(gemcitabine)、イマチニブ(グリベック(登録商標))、ゲルダナマイシン、17−N−アリールアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、フラボピリドール、LY294002、ボルテゾミブ、トラスツズマブ、BAY11−7082、PKC412、またはPD184352、タキソール(登録商標)、これは「パクリタキセル」とも呼ばれており、周知な抗癌剤で微小管形成の促進および安定化する作用をする、およびタキソテール(登録商標)のようなタキソール(登録商標)の類似体。共通の構造特徴として塩基性タキサン骨格を有する化合物は、微小管の安定化に起因してG2/M期の細胞を停止する能力を有することも示されており、並びに本明細書に記載されている化合物を組み合わせることで癌の治療に有用となり得る。
不可逆的なBtk阻害剤化合物と組み合わせて用いる抗癌剤のさらなる例には、マイトジェン活性化プロテインキナーゼシグナル伝達の阻害剤が含まれ、例えば、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY−142886、SB239063、SP600125、BAY43−9006、ワートマニン、またはLY294002;Syk阻害剤;mTOR阻害剤;および抗体(例えば、リツキサン)。
不可逆的なBtk阻害剤化合物と組み合わせて用いることのできる他の抗癌剤には、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール(acodazole hydrochloride);アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン(ametantrone);アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール(anastrozole);アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン(asperlin);アザシチジン;アゼテパ(azetepa);アゾトマイシン(azotomycin);バチマスタト(batimastat);ベンゾデパ(benzodepa);ビカルタミド(bicalutamide);塩酸ビスアントレン(bisantrene hydrochloride);ビスナフィドジメシラート(bisnafide dimesylate);ビゼレシン(bizelesin);硫酸ブレオマイシン;ブレキナル(brequinar)ナトリウム;ブロピリミン(bropirimine);ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド(caracemide);カルベチマー(carbetimer);カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレスチン(carzelestin);セデフィンゴール(cedefingol);クロラムブシル;シロレマイシン(cirolemycin);クラドリビン(cladribine);クリスナトール(crisnatol)メシラート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン(decitabin );デキソルマプラチン(dexormaplatin);デザグアニン(dezaguanine);デザグアニン(dezaguanine)メシラート;ジアジクオン(diaziquone);ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン(droloxifene);クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン(duazomycin);エダトレキセート(edatrexate);塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン(elsamitrucin);エンロプラチン(enloplatin);エンプロメート(enpromate);エピプロピジン(epipropidine);塩酸エピルビシン;エルブロゾール(erbulozole);塩酸エソルビシン(esorubicin hydrochloride);塩酸ファドロゾール(fadrozole hydrochloride);ファザラビン(fazarabine);フェンレチニド(fenretinide);フロクスウリジン;リン酸フルダラビン(fludarabine phosphate);フルオロウラシル;フルロシタビン(flurocitabine);ホスキドン(fosquidone);ホストリエシン(fostriecin)ナトリウム;ゲムシタビン(gemcitabine);塩酸ゲムシタビン(gemcitabine hydrochloride);ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン(idarubicin hydrochloride);イホスファミド;イーモホスフィン(iimofosfine);インターロイキンIL(組換え型インターロイキン11、およびrIL2を含む)、インターフェロンα−2a;インターフェロンα−2b;インターフェロンα−n1;インターフェロンα−n3;インターフェロンβ−1a;インターフェロンγ−1b;イプロプラチン(iproplatin);塩酸イリノテカン(irinotecan hydrochloride);酢酸ランレオチド(lanreotide acetate);レトロゾール(letrozole);酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール(liarozole hydrochloride);ロメトレキソル(lometrexol)ナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン(losoxantrone hydrochloride);マソプロコル(masoprocol);メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル(menogaril);メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ(meturedepa);ミチンドミド(mitindomide);ミトカルシン;ミトクロミン;ミトジリン(mitogillin);ミトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;ミトスペル(mitosper);ミトタン(mitotane);塩酸ミトザントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール(nocodazole);ノガラマイシン(nogalamycin);オルマプラチン(ormaplatin);オキシスラン(oxisuran);ペガスパルガーゼ(pegaspargase);ペリオマイシン(peliomycin);ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン(plicamycin);プロメスタン(plomestane);ポルフィマー(porfimer)ナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン(pyrazofurin);リボプリン;ログレチミド(rogletimide);サフィンゴル(safingol);塩酸サフィンゴル(safingol hydrochloride);セムスチン;シムトラゼン(simtrazene);スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン(sparsomycin);塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン(streptnigrin);ストレプトゾシン;スロフェヌル(sulofenur);タリソマイシン(talisomycin);テコガラン(tecogalan)ナトリウム;テガフル;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン(temoporfin);テニポシド(teniposide);テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン(tirapazamine);塩酸トポテカン(topotecan hydrochloride);クエン酸トレミフェン(toremifen citrate);酢酸トレストロン(trestolone acetate);リン酸トリシリビン(triciribine phosphate);トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン(triptorelin);塩酸ツブロゾール(tubulozole hydrochloride);ウラシルマスタード;ウレデパ(uredepa);バプレオチド(vapreotide);ベルテポルフィン(verteporfin);硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン(vinepidine sulfate);硫酸ビングリシネート(vinglycinate sulfate);硫酸ビンレウロシン(vinleurosine sulfate);酒石酸ビノレルビン(vinorelbine tartrate);硫酸ビンロシジン(vinrosidine sulfate);硫酸ビンゾリジン(vinzolidine sulfate);ボロゾール(vorozole);ゼニプラチン(zeniplatin);ジノスタチン;塩酸ゾルビシンが含まれる。
不可逆的なBtk阻害剤化合物と組み合わせて用いることのできる他の抗癌剤には、以下が含まれる:20−epi−1,25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドクス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管形成阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス;抗背方化形態発生タンパク−1;抗アンドロゲン,前立腺癌;抗エストロゲン;抗ネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタト;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β−アレチン;ベータクラマイシンB;ベツリン酸;bFGFインヒビター;ビカルタミド;ビスアントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリポクスIL−2;カペシタビン;カルボキサミドアミノトリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRestM3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼインヒビター(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シスポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コムブレタスタチンA4;コムブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベスシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタアントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスフェート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキシホスタファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドクス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;ジヒドロタキソール;9−ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラステロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エクセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチン;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン;ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファン;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イバルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタト;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫刺激性ペプチド;インスリン様成長因子−1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;ヨーベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール,4−;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン−Nトリアセテート;ランレオチド;リーナマイシン;レノグラスチン;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミソール;リアロゾール;直鎖状ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリナミド7;ロバプラチン;ロムブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解ペプチド;メイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタト;マソプロコル;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞成長因子サポリン;ミトザントロン;モファロテン;モルグラモスチン;単クローン性抗体,ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+ミオバクテリアム細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多腫瘍サプレッサ1基剤療法;マスタード抗癌剤;ミカペルオキシドB;ミコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N−置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフトレピン;ナルトグラスチン(nartograstim);ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニル;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プロピルビスアクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソム(proteasome)阻害剤;プロテインA基剤免疫モジュレーター;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微小藻類;プロテインチロシンキナーゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン結合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレクスド(raltitrexed);ラモステロン;rasファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツカイン;ロムルチド;ロキニメクス;ルビジノンB1;ルボキシル;サフィンゴル;セイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1模擬体;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレーター;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;ナトリウムフェニルアセテート;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸(sparfosic acid);スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞***阻害剤;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作用性腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スウェインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフル;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニプロシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模擬体;チマルファシン;チモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;全能幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ユベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系,赤血球遺伝子治療;ベラレソル;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマー(zinostatin stimalamer)が含まれる。
さらに、可逆的又は不可逆的なBtk阻害剤化合物と組み合わせて用いることのできる他の抗癌剤には、アルキル化剤、代謝拮抗剤、天然物、またはホルモン、例えば、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシルなど)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチンなど)、またはトリアゼン(ダカルバジンなど)が含まれる。代謝拮抗剤の例には、これらに限定されないが、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例えば、シタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)が含まれる。
可逆的又は不可逆的なBtk阻害剤化合物と組み合わせで有用な天然物の例には、これらに限定されないが、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド)、抗生物質(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン)、酵素(例えば、L−アスパラギナーゼ)、または生物学的反応修飾因子(例えば、インターフェロンアルファ)が含まれる。
可逆的又は不可逆的なBtk阻害剤化合物と組み合わせて用いることのできるアルキル化剤の例には、これらに限定されないが、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メイファラン(meiphalan)、など)、エチレンイミンおよびメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン、チオテパ)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシンなど)、またはトリアゼン(ダカルバジンなど)が含まれる。代謝拮抗剤の例には、これらに限定されないが、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)が含まれる。
可逆的又は不可逆的なBtk阻害剤化合物と組み合わせで有用な、ホルモンおよびアンタゴニストの例には、これらに限定されないが、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(例えば、プロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロン)、抗アンドロゲン剤(例えば、フルタミド)、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン類似体(例えば、ロイプロリド)が含まれる。癌の治療または予防のために、本明細書に記載されている方法および組成物に用いることができる他の薬剤には、白金配位錯体(例えば、シスプラチン、カーボブラチン(carboblatin))、アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロン)、置換尿素(例えば、ヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン)、副腎皮質抑制薬(例えば、ミトタン、アミノグルテチミド)が含まれる。
微小管の安定化に起因してG2−M期の細胞を制止させることにより作用する、並びに不可逆的なBtk阻害剤化合物と組み合わせて用いることができる、抗癌剤の例には、限定しないが、以下の市販の薬および発達段階の薬:エルブロゾール(R−55104としても知られている)、ドラスタチン10(DLS−10およびNSC−376128としても知られている)、ミボブリンイセチオネート(CI−980としても知られている)、ビンクリスチン、NSC−639829、ディスコデルモライド(NVP−XX−A−296としても知られている)、ABT−751(アボット、E−7010としても知られている)、アルトヒルチン(例えば、アルトヒルチンAおよびアルトヒルチン)、スポンギスタチン(例えば、スポンギスタチン1、スポンギスタチン2、スポンギスタチン3、スポンギスタチン4、スポンギスタチン5、スポンギスタチン6、スポンギスタチン7、スポンギスタチン8、およびスポンギスタチン9)、塩酸セマドチン(Cemadotin hydrochloride)(としても知られているLU−103793およびNSC−D−669356)、エポチロン(例えば、エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(としても知られているデゾキシエポチロンAまたはdEpoA)、エポチロンD(KOS−862、dEpoB、およびデゾキシエポチロンBともいわれる)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB窒素酸化物(Epothilone B N−oxide)、エポチロンA窒素酸化物、16−アザ−エポチロンB、21−アミノエポチロンB(BMS−310705としても知られている)、21−ヒドロキシエポチロンD(デゾキシエポチロンFおよびdEpoFとしても知られている)、26−フルオロエポチロン)、アウリスタチンPE(NSC−654663としても知られている)、ソブリドチン(TZT−1027としても知られている)、LS−4559−P(ファルマシア、LS−4577としても知られている)、LS−4578(ファルマシア、LS−477−Pとしても知られている)、LS−4477(ファルマシア)、LS−4559(ファルマシア)、RPR−112378(アベンティス)、ビンクリスチン硫酸塩、DZ−3358(ダイイチ)、FR−182877(フジサワ)、WS−9885Bとしても知られている)、GS−164(タケダ)、GS−198(タケダ)、KAR−2(ハンガリー科学アカデミー(Hungarian Academy of Sciences))、BSF−223651(BASF、ILX−651およびLU−223651としても知られている)、SAH−49960(リリー/ノバルティス)、SDZ−268970(リリー/ノバルティス)、AM−97(アルマド(Armad)/協和発酵)、AM−132(アルマド(Armad))、AM−138(アルマド(Armad)/協和発酵)、IDN−5005(インデナ(Indena))、クリプトフィシン52(LY−355703としても知られている)、AC−7739(味の素、AVE−8063AおよびCS−39.HCIとしても知られている)、AC−7700(味の素、AVE−8062、AVE−8062A、CS−39−L−Ser.HCI、およびRPR−258062Aとしても知られている)、ビチレブアミド(Vitilevuamide)、チューブリシン(Tubulysin)A、カナデンソル(Canadensol)、センタウレイジン(NSC−106969としても知られている)、T−138067(テュラリック、T−67、TL−138067およびTI−138067としても知られている)、COBRA1(パーカーヒューズインスティチュート(Parker Hughes Institute)、DDE−261およびWHI−261としても知られている)、H10(カンザス州立大学)、H16(カンザス州立大学)、オンコシジン(Oncocidin)A1(BTO−956およびDIMEとしても知られている)、DDE−313(パーカーヒューズインスティチュート(Parker Hughes Institute))、フィジアノリド(Fijianolide)B、ラウリマリド、SPA−2(パーカーヒューズインスティチュート(Parker Hughes Institute))、SPA−1(パーカーヒューズインスティチュート(Parker Hughes Institute)、SPIKET−Pとしても知られている)、3−IAABU(サイトスケルトン/マウントサイナイ医科大学、MF−569としても知られている)、ナクロシン(Narcosine)(NSC−5366としても知られている)、ナスカピン(Nascapine)、D−24851(アスタメディカ)、A−105972(アボット)、ヘミアスターリン、3−BAABU(サイトスケルトン/マウントサイナイ医科大学、MF−191としても知られている)、TMPN(アリゾナ州立大学)、バナドセンアセチルアセトナト(Vanadocene acetylacetonate)、T−138026(テュラリック)、モンサトロール(Monsatrol)、イナノシン(lnanocine)(NSC−698666としても知られている)、3−IAABE(サイトスケルトン/マウントサイナイ医科大学)、A−204197(アボット)、T−607(テュラリック、T−900607としても知られている)、RPR−115781(アベンティス)、エレウテロビン(例えば、デスメチルエレウテロビン、デスアセチルエレウテロビン、イソエレウテロビン(Isoeleutherobin)A、およびZ−エレウテロビン)、カリバエオシド(Caribaeoside)、カリバエオリン(Caribaeolin)、ハリコンドリンB、D−64131(アスタメディカ)、D−68144(アスタメディカ)、ジアゾンアミドA、A−293620(アボット)、NPI−2350(ネレウス)、タッカロノリド(Taccalonolide)A、TUB−245(アベンティス)、A−259754(アボット)、ジオゾスタチン、(−)−フェニルアヒスチン(NSCL−96F037としても知られている)、D−68838(アスタメディカ)、D−68836(アスタメディカ)、ミオセベリンB、D−43411(ゼンタリス、D−81862としても知られている)、A−289099(アボット)、A−318315(アボット)、HTI−286(SPA−110、トリフルオロ酢酸塩としても知られている)(ワイス)、D−82317(ゼンタリス)、D−82318(ゼンタリス)、SC−12983(NCI)、レスベラスタチンホスフェートナトリウム、BPR−OY−007(ナショナルヘルスリサーチインスティチュート(National Health Research Institutes))、およびSSR−250411(サノフィ)が含まれる。
患者が血栓塞栓症(例えば、脳卒中)に羅患しているか、または羅患する危険性がある場合、患者を、一以上の他の抗血栓塞栓剤をいかなる組み合わせで用いる不可逆的なBtk阻害剤化合物により治療することができる。抗血栓塞栓剤の例には、これらに限定されないが:血栓溶解剤(例えば、アルテプラーゼ、アニストレプラーゼ、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、または組織プラスミノーゲンアクチベーター)、ヘパリン、チンザパリン、ワルファリン、ダビガトラン(例えば、ダビガトランエテキシレート)、Xa因子阻害剤(例えば、フォンダパリヌクス、イドラパリナックス(登録商標)、リバロキサバン、DX−9065a、オタミクサバン、LY517717、またはYM150)、チクロピジン、クロピドグレル、CS−747(プラスグレル、LY640315)、キシメラガトラン、またはBIBR1048が含まれる。
<製造に関するキット/商品>
本明細書に記載されている治療への応用の使用に関して、製造についてのキットおよび商品も本明細書に記載されている。そのようなキットには、担体、パッケージ、または容器が含まれ得る。その容器は、バイアル、チューブ、などの容器を一以上受け入れるために区分化されており、それぞれの容器には、本明細書に記載されている方法に用いる、別々の要素の一つが含まれる。適した容器には、例えばボトル、バイアル、シリンジ、および試験管が含まれる。容器は、ガラスまたはプラスチックのような様々な材料から形成され得る。
本明細書で提供されている製造の商品には、パッケージング材料が含まれる。医薬製品をパッケージするのに用いるパッケージング材料は、当業者に周知である。例えば、米国特許第5,323,907号、5,052,558号および5,033,252号を参照。医薬的なパッケージング材料の例には、これらに限定されないが、ブリスター包装、ボトル、チューブ、インヘラー、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、ボトル、並びにパッケージング材料で、選択された製剤、および投与と治療に関する目的の形態に適しているもののいずれもが含まれる。本明細書で提供されている化合物および組成物の一連の製剤は、Btk阻害により益を得るいずれの疾患、障害、もしくは症状、またはBtkがメディエイターもしくは寄与因子となっている症候もしくは原因のための様々な治療にとして考えられている。
例えば容器は、適宜、本明細書で開示されている、一つの組成物、または別の薬剤との組み合わせの形で、本明細書に記載されている化合物を一以上含むことができる。その容器は、適宜、無菌のアクセス口を有する(例えば容器は、静脈注射用バッグ、または皮下注射針によって穴を開けることのできるストッパーを有するバイアルとなり得る)。そのようなキットは本明細書に記載されている方法によって、適宜、識別のための説明もしくはラベル、またはその使用に関連した説明書を伴う化合物を含む。
キットには、典型的に一以上の付加的な容器が含まれることができ、そのそれぞれは、本明細書に記載されている化合物を用いるために、商業的な、および使用者の見地から望まれる多様な材料(例えば、適宜濃縮された形の試薬、および/または装置など)の一以上を有する。そのような材料の非限定の例には、これらに限定されないが、内容物および/または使用説明書を載せている、緩衝剤、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、担体、パッケージ、容器、バイアルおよび/またはチューブのラベル、並びに使用説明書を有する添付文書が含まれる。使用説明書一式も、典型的に含まれる。
ラベルは容器に付す、または関連することができる。ラベルを形成する文字、数もしくは他の表示が容器それ自体に結合され、形作られ、またはエッチングされている場合に、ラベルは容器に付されることができ;ラベルが、例えば添付文書として、該容器も含まれている容器またはキャリアの中で存在する場合に、ラベルは容器に関連することができる。ラベルは、内容物が特定の治療への応用に用いられることを示すために用いることができる。ラベルはまた、例えば本明細書に記載されている方法による内容物の使用に関する指示も、示すことができる。
ある特定の態様において医薬組成物は、本明細書で提供されている化合物が含まれる、一以上の単位剤形を有することのできるパック、またはディスペンサー装置において提供され得る。パックは、例えば、金属、またはプラスチックホイルであるブリスターパックなどを含むことができる。パック、またはディスペンサー装置は、投与に関する指示が伴い得る。パック、またはディスペンサー装置には、政府機関によって示された医薬的な製造、使用、または販売を制限する内容が容器に付された、注意も伴い得て、その注意は該機関の承認により、薬剤がヒト、または獣医用の投与かという形で反映されている。そのような注意は、例えば、米国に承認されたラベル付けであり得る。処方薬または承認された製品に関して、食品医薬品局が掲載する。混合可能な医薬担体で製剤される、本明細書で提供されている化合物を含む組成物は、示した症状の治療のために、製剤され、適切な容器に入れられ、並びにラベルが付けられることもできる。
以下の特定の、および非限定の例は、単に実例として解釈され、そしていかなる場合であっても、本開示を限定するものではない。さらなる詳述がなくても、当業者は本明細書の説明に基づき、本開示を最大限に利用することができると考えられる。本明細書で引用されている全ての出版物は、これらにより、引例としてそのまま援用されている。URL、またはその他の識別子、もしくアドレスに参考文献がなされている場合、そのような識別子は変わり、またインターネット上の特定の情報は現れてすぐ消えることがあり得ることは理解されているが、相当する情報はインターネットで探すことにより見つけることができることも理解されている。そこへの参照は、そのような情報の利用性および公への普及を証明する。
実施例1:(E)―N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(8)の合成
0℃、N2下のDCM(60mL)中の4,6−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(7g、36mmol)及びTEA(10mL、72mmol)の撹拌された溶液に、DCM(10mL)中のBn2NHを2時間に渡って滴下的に加えた。反応混合物を水(100mL)で希釈する前に、撹拌を30分続けた。層を分離し、水層をDCM(50mL×3)で抽出した。混合した有機層を、水(100mL×2)およびブライン(100mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。茶色のスラリーとしてN、N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1)(12.8g、100%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)355。
ジオキサン(100mL)中のN,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1)(7.0g、19.7mmol)およびTEA(5.5mL、40mmol)の溶液に、tert−ブチル3−アミノフェニルカルバマート(4.2g、20.0mmol)を加えた。反応混合物をN2下で6時間70℃で加熱した。反応物を室温に冷却した後、水(150mL)を導入した。層を分離し、水層をEtOAc(50mL×2)で抽出した。混合した有機層を、水(150mL×2)およびブライン(100mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、乾燥するまで濃縮した。茶色の固形物としてtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)フェニルカルバマート(2)(9.2g、88%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)527。
100mLTHF中のtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)フェニルカルバマート(2)(9.2g、17.5mmol)の溶液に、Fe粉末(9.8g、175mmol)、NH4Cl(18.7g、350mmol)、100mLMeOHおよび20mLH2Oを加えた。反応混合物をN2下で7時間50℃で加熱した。室温に冷却した後に、反応混合物をセライトのパッドを通してろ過した。ろ液を100mLに濃縮し、EtOAc(80mL×3)で抽出した。混合した有機層を、水(100mL×2)およびブライン(100mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次に真空内で乾燥するまで濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0−30%酢酸エチル)によって精製し、茶色の固形物としてtert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニルカルバマート(3)(4.0g、46.1%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)497。
80mL乾燥DCM中のtert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニルカルバマート(3)(4.0g、8.1mmol)およびTEA(2mL、14.5mmol)の溶液を、N2下で0℃に冷やし、10mL乾燥DCM中のトリホスゲン(1.2g、4.0mmol)を2時間に渡って滴下的に加えた。さらに1時間撹拌した後、反応物を水(100mL)でクエンチした。有機層を分離し、水(100mL×2)及びブライン(100mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次に真空内で乾燥するまで濃縮した。茶色の固形物としてtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニルカルバマート(4)(3.0g、71%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)523。
120mLMeOH中のtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニルカルバマート(4)(3.0g、5.7mmol)の混合物に、3.0gPd(OH)2/C(20wt%)および6滴の濃HClを加えた。反応フラスコから空気を取り除くための2回の真空/H2サイクルの後、撹拌された混合物を、水素雰囲気下で一晩60℃で加熱した。セライト・パッドを通して反応混合物をろ過し、ろ液を真空内で乾燥するまで濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中の0−5%のメタノール)によって精製し、白い固形物としてtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニルカルバマート(5)(1.5g、76%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)343。
16mLの乾燥DMF中のtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニルカルバマート(5)(600mg、1.8mmol)および400mg4ÅMSの撹拌された混合物に、4−フェノキシフェニルボロン酸(1.05g、4.9mmol)、Cu(OAc)2(320mg、1.8mmol)およびピリジン(1mL、12.7mmol)を加えた。反応混合物をO2雰囲気下で5時間37℃で加熱した。室温に冷却した後に、反応混合物をセライトパッドを通してろ過した。ろ液を水(100mL)で希釈し、EtOAc(50mL×3)で抽出した。混合した有機層を水(100mL×2)およびブライン(100mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次に乾燥するまで濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中の0−5%のメタノール)によって精製し、茶色の固形物としてtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニルカルバマート(6)(404mg、45%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)511。
8mLDCM中のtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニルカルバマート(6)(404mg、0.8mmol)の溶液に、2mLTFAを滴下的に加えた。反応混合物を1時間室温で撹拌し、次に乾燥するまで濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM(0.3%のEt3N)中の0−5%のメタノール)によって精製し、黄色の固形物として6−アミノ−9−(3−アミノフェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(7)(325mg、100%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)411。
3mL乾燥CH3CN中の4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エン酸塩酸塩(81mg、0.49mmol)及び1滴のDMFの混合物に、N2下で0.5mLの塩化オキサリルを滴下的に加えた。反応混合物を1時間室温で撹拌し、次に真空内で乾燥するまで濃縮した。結果として生じた固形物を2mLの乾燥したDCMに溶かし、氷水浴における3mLの乾燥DCM中の6−アミノ−9−(3−アミノフェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(7)(100mg、0.24mmol)および1滴のTEAの攪拌された溶液に移した。2時間で撹拌した後に、反応物をMeOHでクエンチした。結果として生じた混合物を乾燥するまで濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中の0〜5%のメタノール)で前精製し、その後水(0.1%のTFA)中の10〜95%のアセトニトリルを使用したGilsonで、白い固形物として(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(8)(61 mg 48%)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO)δ10.56(s、1H)、9.79(s、1H)、8.11(s、1H)、8.00(s、1H)および7.71(d、J=8.9Hz、1H)、7.58−7.32(m、6H)、7.25−7.07(m、5H)、6.84−6.65(m、1H)、6.46(d,J=15.4Hz、1H)、5.88(s、2H)、4.02−3.87(m、2H)、2.79(s、3H)、2.78(s、3H)。LC−MS(ESI):m/z(M+1)522。
実施例2:
(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エナミド(9)の合成
実施例1に述べられているような同様の方法で、(E)―N―(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エナミド(9)(29mg 28%)を、中間体7(80 mg、0.19mmol)および(E)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル塩化物から白い固形物として調製した。1H NMR(400MHz、DMSO)δ10.58(s、1H)、9.64(s、1H)、8.11(s、1H)、8.02(s、1H)および7.70(d、J=8.2Hz、1H)、7.56−7.39(m、5H)、7.36(d、J=8.9Hz、1H)、7.23−7.11(m、5H)、6.85−6.73(m、1H)、6.49(d、J=15.3Hz、1H)、5.90(s、2H)、4.23−3.96(m、2H)、2.86(s、4H)、0.87(d、J=30.2Hz、4H)。LC−MS(ESI):m/z(M+1)548.
実施例3:(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロブチル(メチル)アミノ)ブト−2−エナミド(10)の合成
実施例1に述べられているような同様の方法で、(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロブチル(メチル)アミノ)ブト−2−エナミド(10)(29mg、27%)を、中間体7(80mg、0.19mmol)および(E)−4−(シクロブチル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル塩化物から白い固形物として調製した。1H NMR(400MHz、DMSO)δ10.29(s、1H)、8.10(s、1H)、8.00(s、1H)、7.67(d、J=8.9Hz、1H)、7.58−7.38(m、5H)、7.30(d、J=8.7Hz、1H)、7.24−7.09(m、5H)、6.82−6.65(m、1H)、6.27(d、J=14.8Hz、1H)、5.85(s、2H)、3.14−2.93(m、2H)、2.92−2.75(m、1H)、2.02(s、3H)、1.99−1.90(m、2H)、1.87−1.68(m、2H)、1.69−1.50(m、2H)。LC−MS(ESI):m/z(M+1)562。
実施例4:N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−アクリルアミド(11)の合成
実施例1に述べられているような同様の方法で、N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−アクリルアミド(11)(33mg)を、中間体7および塩化アクリルからの分取HPLC精製の後のオフホワイト色の固形物のTFA塩として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)449。
実施例5:(E)―N(3−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(14)の合成
乾燥DMF(10mL)中のtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニルカルバマート(5)(300mg、0.88mmol)および4A MS(300mg)の混合物に、4−クロロフェニルボロン酸(413mg、2.64mmol)、Cu(OAc)2(160mg、0.88mmol)およびピリジン(1mL)を加えた。反応混合物をO2雰囲気下で35℃で一晩加熱し、セライトパッドを通してろ過した。ろ液を水(50mL)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。混合した有機層を、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中の0〜5%のメタノール)によって精製し、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニルカルバマート(12)(234mg、59.1%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M/M+2)453/455。
DCM(8mL)中のtert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニルカルバマート(12)(234mg、0.52mmol)の溶液に、TFA(2mL)を滴下的に加えた。濃縮する前に反応混合物を1時間室温で撹拌した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン(0.3%Et3N)中の0−5%のメタノール)によって精製し、茶色の固形物として6−アミノ−9−(3−アミノフェニル)−7−(4−クロロフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(13)(180mg、98.9%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M/M+2)353/355。
乾燥アセトニトリル(5mL)中の(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エン酸塩酸塩(94mg、0.57mmol)の懸濁液に、(COCl)2(0.5mL、5.3mmol)を導入する前に1滴のDMFを加えた。結果として生じた混合物を1時間室温で撹拌した。DCM(2mL)中の6−アミノ−9−(3−アミノフェニル)−7−(4−クロロフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(13)(100mg、0.28mmol)の溶液を導入する前に、濃縮し、乾燥DCM(2mL)に溶解した。反応物をMeOH(2mL)でクエンチする前に、結果として生じた溶液を2時間室温で撹拌した。溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン(0.3%Et3N)中の0−10%のメタノール)によって前精製し、その後分取HPLC(RP、C18、水(0.2%NH3・H2O)中の10〜95%のアセトニトリル)を行い、白い固形物として(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(14)(25mg、19.1%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M/M+2)464/466。1H NMR(400MHz、DMSO)δ10.57(s、1H)、9.82(s、1H)、8.11(s、1H)、7.99(s、1H)、7.71(d、J=8.5Hz、1H)、7.62(d、J=8.7Hz、2H)、7.56−7.45(m、3H)、7.35(d、J=8.8Hz、1H)、6.82−6.65(m、1H)、6.46(d、J=15.3Hz、1H)、5.98(s、2H)、4.01−3.87(m、2H)、2.79(s、3H)、2.78(s、3H)。
実施例6:(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(17)の合成
実施例5に述べられているような同様の方法で、(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(17)(26mg)を、中間体5および3−メトキシ−4−メチルフェニルボロン酸から3つの工程によって白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)474。1H NMR(400MHz、DMSO)δ10.57(s、1H)、9.79(s、1H)、8.11(s、1H)、8.00(s、1H)、7.71(d、J=8.0Hz、1H)および7.50(t、J=8.1Hz、1H)、7.39−7.29(m、2H)、7.15(s、1H)、7.03(d,J=7.7Hz、1H)、6.79−6.69(m、1H)、6.46(d、J=15.2Hz、1H)、5.74(s、2H)、3.97−3.90(m、2H)、3.80(s、3H)、2.79(s、3H)、2.78(s、3H)、2.22(s、3H)。
実施例7:(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(27)の合成
無水CH2Cl2(150mL)中の3−ニトロアニリン(10g、72.5mmol)、トリエチルアミン(10mL)、および4−(N、N−ジメチルアミノ)ピリジン(4.42g、36.3mmol)の溶液に、CH2Cl2(50mL)中のジ−tert−ブチル重炭酸塩(15.8g、72.5mmol)の溶液を滴下的に加えた。その混合物を3時間室温で撹拌し、ブラインで洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0〜20%の酢酸エチル)によって精製し、tert−ブチル3−ニトロフェニルカルバマート(18)を8.3gの黄色の固形物(48%収率)として得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)237。
0℃でのDMF(80mL)中のNaH(鉱油中の60%の分散液、2.1g、41.8mmol)の懸濁液に、DMF(50mL)中のtert−ブチル3−ニトロフェニルカルバマート(18)(8.3g、34.9mmol)の溶液を加えた。CH3I(4.9 mL、52.35mmol)を滴下的に加える前に、その混合物を0.5時間0℃で撹拌した。反応混合物を2時間室温で撹拌し、水(200mL)で希釈し、DCM(60mL×3)で抽出した。混合した有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮し、tert−ブチルメチル(3−ニトロフェニル)カルバミン酸塩(19)を8.8gの黄色の固形物(100%収率)として得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)253。
チャコール(880mg)上のtert−ブチルメチル(3−ニトロフェニル)カルバミン酸塩(19)(8.8g、34.9mmol)及び10%のパラジウム、並びにTHF−MeOH(80mL/80mL)を包含している丸底フラスコから排出し、水素で3回洗い流された。その混合物を、水素の雰囲気下で一晩激しく撹拌した。セライトのパッドによるろ過で触媒を除去し、ろ液を蒸発させて、tert−ブチル3−アミノフェニル(メチル)カルバミン酸塩(20)を7gの黄色の固形物(91%収率)として得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)223。
ジオキサン(100mL)中のtert−ブチル3−アミノフェニル(メチル)カルバミン酸塩(20)(4.6g、20.8mmol)およびN,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1)(7g、19.8mmol)の溶液にEt3N(6mL)を加え、反応混合物を60℃で一晩撹拌した。その混合物を室温に冷やし、水(200mL)及びEA(100mL)を導入する前に溶媒を蒸発させた。有機層を分離し、EA(60mL×2)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0〜30%の酢酸エチル)によって精製し、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(21)を6.7gの黄色の固形物(63%収率)として得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)541。
THF/MeOH/H2O(100mL/50mL/30mL)中のtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(21)(6.7g、12.4mmol)の溶液に、Fe粉末(3.47g、62mmol)およびNH4Cl(6.63g、124mmol)を加えた。反応混合物をN2下で5時間50℃で加熱した。室温に冷ました後に、反応混合物をセライトのパッドを通してろ過された。ろ液をEtOAc(30mL×3)で抽出し、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮し、黄色の固形物としてtert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(22)(6g、95%収率)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)511。
0℃、N2雰囲気下で乾燥DCM(40mL)中のtert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(22)(3.1g、6.08mmol)およびTEA(1.75 mL、12.16mmol)の撹拌された溶液に、乾燥DCM(20mL)中のトリホスゲン(722mg、2.43mmol)の溶液を1時間滴下的に加えた。撹拌を1時間継続した後、反応物を水(10mL)でクエンチした。有機層を分離し、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0〜20%の酢酸エチル)によって精製し、薄茶色固形物としてtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(23)(3g、92%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)537。
MeOH(120mL)中のtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(23)(3g、5.6mmol)の混合物に、Pd(OH)2/C(3g、20wt%)および6滴の濃HClを加えた。H2雰囲気下で一晩60℃で加熱する前に、結果として生じた混合物をH2(2×)でパージした。その混合物を室温で冷却し、セライトパッドを通してろ過し、真空内で溶媒を除去し、淡黄色固形物としてtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(24)(1.9g、95%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)357。
実施例5に述べられているような同様の方法で、(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(27)(55mg)を、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(24)から3つの工程で白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M/M+2)478/480。1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.12(s、1H)、7.71−7.52(m、5H)、7.48(d、J=8.7Hz、2H)、7.34(d、J=7.8Hz、1H)、6.65(dt、J=15.2と6.0Hz、1H)、6.11−5.90(m、3H)、3.27(s、3H)2.91(d、J=5.7 Hz、2H)、2.04(s 6H)。
実施例8:(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(30)の合成
実施例5に述べられているような同様の方法で、(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(30)(26mg)を、中間体24および3−メトキシ−4−メチルフェニルボロン酸から3つの工程で白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)488。1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.11(s、1H)、7.71−7.55(m、3H)、7.33(t、J=8.1Hz、2H)、7.12(s、1H)、7.00(d、J=7.6Hz、1H)、6.71−6.59(m、1H)、6.03(m、1H)、5.74(br、2H)、3.80(s、3H)、3.27(s、3H)、2.91(d、J=5.7Hz、2H)、2.21(s、3H)、2.04(s、6H)。
実施例9:(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(33)の合成
乾燥DMF(10mL)中のtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(24)(600mg、1.68mmol)および4A MS(800mg)の混合物に、4−フェノキシフェニルボロン酸(1.08g、5.06mmol)、Cu(OAc)2(307mg、1.68mmol)およびピリジン(1mL)を加えた。反応混合物に、O2雰囲気下で一晩37℃で加熱し、セライトパッドを通してろ過した。ろ液を水(30mL)で希釈し、EtOAc(10mL×3)で抽出した。混合した有機層を水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中の0−5%のメタノール)によって精製し、淡黄色固形物としてtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(31)(450mg、51%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)525。
DCM(8mL)中のtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(31)(450mg、0.86mmol)の溶液に、TFA(2mL)を滴下的に加えた。反応混合物を1時間室温で撹拌し、その後濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン(0.3%Et3N)中の0−10%メタノール)によって精製し、6−アミノ−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(32)(364mg、100%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)425。
アセトニトリル(5mL)中の(E)−4−(ジメチルアミノ)−ブト−2−エン酸塩酸塩(95mg、0.57mmol)の懸濁液に、(COCl)2(0.25mL、2.86mmol)を導入する前にDMFを1滴加えた。結果として生じた混合物を2時間室温で撹拌した。DCM(2mL)中の6−アミノ−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(32)(100mg、0.24mmol)の溶液に導入する前に濃縮し、DCM(2mL)に溶解した。MeOH(2mL)で反応物をクエンチする前に、結果として生じた溶液を2時間室温で撹拌した。溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン(1%Et3N)中の0−10%のメタノール)によって前精製し、次に分取HPLC(RP、C18、水(0.2%NH3)中の10〜95%のアセトニトリル)を行い、白い固形物として(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イルフェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(33)(60mg、47%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)536。1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.11(s、1H)、7.72−7.56(m、3H)、7.51−7.33(m、5H)、7.23−7.09(m、5H)、6.65(dt、J=15.2、6.1Hz、1H)、6.04(d、J=16.6Hz、1H)、5.90(br、2H)、3.27(s、3H)、2.99(s、2H)、2.10(s、6H)。
実施例10:(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(34)の合成
実施例9に述べられているような同様の方法で、(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(34)(67mg)を、中間体32および(E)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル塩化物から白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)562。1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.11(s、1H)、7.70−7.56(m、3H)、7.52−7.30(m、5H)、7.23−7.10(m、5H)および6.72−6.62(m、1H)、5.99(d、J=14.3Hz、1H)、5.90(s、2H)、3.27(s、3H)、3.11(d,J=6.4Hz、2H)、2.11(s、3H)、1.64−1.54(m、1H)、0.39−0.28(m、2H)、0.25−0.11(m、2H)。
実施例11:(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロブチル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(35)の合成
実施例9に述べられているような同様の方法で(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロブチル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(35)(61mg)を、中間体32および(E)−4−(シクロブチル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル塩化物から白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)576。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.12(s,1H),7.71−7.57(m,3H),7.50−7.36(m,5H),7.21−7.11(m,5H),6.74−6.61(m,1H),6.29−6.00(m,1H),5.91(s,2H),3.50−3.30(m,4H),2.35−1.74(m,7H),1.63−1.44(m,2H)。
実施例12:(E)−N−(4−(6−アミノ−8−オキソ−7− −(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(43)の合成
THF(50mL)中のN−メチル−4−ニトロアニリン(5.0g、32.9mmol)の溶液に、ジ−tert−ブチル重炭酸塩(10.76g、49.4mmol)およびDMAP(201mg、1.6mmol)を加えた。室温に冷却する前に、反応混合物を2時間N2下で還流した。溶媒を除去した後、残留物をEtOAc(200mL)で溶かした。結果として生じた溶液を水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮し、茶色の油としてtert−ブチルメチル(4−ニトロフェニル)カルバミン酸塩(8.3g、100%)を得た。THF/MeOH/H2O(150mL/40mL/80mL)中のtert−ブチルメチル(4−ニトロフェニル)カルバミン酸塩(8.3g、32.9mmol)の溶液に、Fe粉末(9.4g、168mmol)およびNH4Cl(18g、337mmol)を加えた。反応混合物をN2下で4時間50℃で加熱した。室温に冷却した後に、反応混合物をセライトのパッドを通してろ過した。ろ液をEtOAc(100mL×3)で抽出し、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮し、黄色の固形物としてtert−ブチル4−アミノフェニル(メチル)カルバミン酸塩(36)(7.3g、100%収率)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)223。
ジオキサン(100mL)中のtert−ブチル4−アミノフェニル(メチル)カルバミン酸塩(36)(7g、31.5mmol)およびN,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1)(11.2g、31.5mmol)の溶液に、Et3N(8mL)を加え、反応混合物を60℃で一晩撹拌した。その混合物を室温に冷却し、水(200mL)及びEA(100mL)を導入する前に溶媒を蒸発させた。有機層を分離し、EA(60mL×2)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0−30%の酢酸エチル)によって精製し、tert−ブチル4−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(37)9gを黄色の固形物として得た(53%収率)。LC−MS(ESI):m/z(M+1)541。
THF/MeOH/H2O(100mL/100mL/30mL)中のtert−ブチル4−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(37)(6g、11.1mmol)の溶液に、Fe粉末(3.11g、55.5mmol)およびNH4Cl(5.94g、111mmol)を加えた。反応混合物をN2下で4時間60℃で加熱した。室温で冷却した後に、反応混合物をセライトのパッドを通してろ過した。ろ液をEtOAc(100mL×3)で抽出し、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮し、黄色の固形物としてtert−ブチル4−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(38)(5.4g、95%収率)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)511。
0℃、N2雰囲気下で乾燥DCM(60mL)中のtert−ブチル4−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(38)(5.4g、10.6mmol)およびTEA(2.14g、21.2mmol)の撹拌された溶液に、乾燥DCM(30mL)中のトリホスゲン(1.07g、3.6mmol)の溶液を1時間滴下的に加えた。反応物を水(20mL)でクエンチする前に、撹拌を1時間継続した。有機層を分離し、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0−20%の酢酸エチル)によって精製し、薄茶色固形物としてtert−ブチル4−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(39)(4.2g、74%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)537。
MeOH(120mL)中のtert−ブチル4−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(39)(3g、5.6mmol)の混合物に、Pd(OH)2/C(3g、20wt%)および6滴の濃HClを加えた。結果として生じた混合物をH2(2×)でパージし、H2雰囲気下で一晩60℃で加熱した。その混合物を室温に冷却し、セライトパッドを通してろ過し、真空内で溶媒を除去し、淡黄色固形物としてtert−ブチル4−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(40)(2g、100%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)357。
実施例9に述べられているような同様の方法で、(E)−N−(4−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(43)(25mg)を、中間体40から3つの工程から白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)536。1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.69(s,1H),8.13(s,1H),7.76(d,J=8.4Hz,2H),7.59−7.37(m,6H),7.29−7.05(m,5H),6.77−6.57(m,1H),6.36−6.11(m,1H),5.92(s,2H),3.91−3.69(m,2H),3.31(s,3H),2.68(s,6H)。
実施例13:(E)−N−(4−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(44)の合成
実施例12に述べられているような同様の方法で、(E)−N−(4−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(44)(27mg)を、中間体42および(E)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル塩化物から白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)562。1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.51(s,1H),8.13(s,1H),7.76(d,J=8.5Hz,2H),7.56−7.39(m,6H),7.26−7.10(m,5H),6.79−6.62(m,1H),6.34−6.13(m,1H),5.94(s,2H),4.12−3.82(m,2H),3.31(s,3H),2.76(s,4H),0.97−0.67(m,4H)。
実施例14:(E)−N−(4−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロブチル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(45)の合成
実施例11に述べられているような同様の方法で、(E)−N−(4−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロブチル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(45)(61mg)を、中間体42および(E)−4−(シクロブチル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル塩化物から白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)576。1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.85(s,1H),8.13(s,1H),7.76(d,J=8.4Hz,2H),7.56−7.38(m,6H),7.26−7.09(m,5H),6.74−6.57(m,1H),6.34−6.15(m,1H),5.93(s,2H),3.89−3.76(m,1H),3.72−3.50(m,2H),3.30(s,3H),2.53(d,J=4.4Hz,3H),2.20−2.00(m,4H),1.76−1.55(m,2H)。
実施例15:(E)−N−(4−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(48)の合成
実施例12に述べられているような同様の方法で、(E)−N−(4−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(48)(34mg)を、中間体40および4−クロロフェニルボロン酸から出発する3つの工程から白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M/M+2)479/481。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.13(s,1H),7.73(d,J=8.6Hz,2H),7.63(d,J=8.7Hz,2H),7.48(dd,J=19.3,8.7Hz,4H),6.72−6.60(m,1H),6.08−5.90(m,3H),3.27(s,3H),2.95(d,J=5.2Hz,2H),2.08(s,6H)。
実施例16:(E)−N−(4−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(49)の合成
実施例15に述べられているような同様の方法で、(E)−N−(4−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(49)(49)(32mg)を、中間体47および(E)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル塩化物から白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M/M+2)504/506。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.13(s,1H),7.72(d,J=8.7Hz,2H),7.63(d,J=8.7Hz,2H),7.47(dd,J=23.1,8.7Hz,4H),6.76−6.61(m,1H),6.09−5.83(m,3H),3.27(s,3H),3.11(d,J=5.9Hz,2H),2.13(s,3H),1.68−1.55(m,1H),0.42−0.29(m,2H),0.26−0.17(m,2H)。
実施例17:(E)−N−(4−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロブチル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(50)の合成
実施例15に述べられているような同様の方法で、(E)−N−(4−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロブチル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(50)(30mg)を、中間体47および(E)−4−(シクロブチル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル塩化物から白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M/M+2)518/520。1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.84(s,1H),8.13(s,1H),7.75(d,J=8.5Hz,2H),7.63(d,J=8.7Hz,2H),7.49(d,J=7.1Hz,4H),6.74−6.57(m,1H),6.36−6.15(m,1H),6.03(s,2H),3.90−3.74(m,1H),3.72−3.51(m,2H),3.30(s,3H),2.53(d,J=4.4Hz,3H),2.21−2.00(m,4H),1.82−1.53(m,2H)。
実施例18:N−(4−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチルアクリルアミド(51)の合成
実施例15に述べられているような同様の方法で、N−(4−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチルアクリルアミド(51)(40mg)を、中間体47および塩化アクリロイルから白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M/M+2)421/423。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.13(s,1H),7.72(d,J=8.5Hz,2H),7.62(d,J=8.5Hz,2H),7.48(dd,J=17.1,8.5Hz,4H),6.24−6.07(m,2H),5.99(s,2H),5.67−5.57(m,1H),3.29(s,3H)。
実施例19:(E)−N−(4−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル))フェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(54)の合成
実施例12に述べられているような同様の方法で、(E)−N−(4−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル))フェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(54)(45mg)を、中間体40および3−メトキシ−4−メチルフェニルボロン酸から出発する3つの工程で白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)488。1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.72(s,1H),8.13(s,1H),7.76(d,J=8.5Hz,2H),7.50(d,J=8.7Hz,2H),7.33(d,J=7.8Hz,1H),7.16−7.09(m,1H),7.06−6.97(m,1H),6.75−6.57(m,1H),6.30−6.14(m,1H),5.78(s,2H),3.80(s,5H),3.30(s,3H),2.69(s,3H),2.68(s,3H),2.22(s,3H)。
実施例20:N−(4−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチルアクリルアミド(55)の合成
実施例19に述べられているような同様の方法で、N−(4−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチルアクリルアミド(55)(30mg)を中間体53および塩化アクリロイルから白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)431。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.12(s,1H),7.74(d,J=8.6Hz,2H),7.46(d,J=8.7Hz,2H),7.33(d,J=7.7Hz,1H),7.14(s,1H),7.02(d,J=7.8Hz,1H),6.23−6.05(m,2H),5.73(s,2H),5.66−5.58(m,J=12.0Hz,1H),3.80(s,3H),3.29(d,J=8.0Hz,3H),2.22(s,3H)。
実施例21:(R,E)−6−アミノ−9−(1−(4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル)ピロリジン−3−イル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(63)の合成
実施例1に述べられているような同様の方法で、(R)−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−(ピロリジン−3−イル)−7H−プリン−8(9H)−オン(62)(174mg)を、(R)−tert−ブチル3−アミノピロリジン−1−カルボン酸塩(56)から茶色の油として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)389。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.12(s,1H),7.74(d,J=8.6Hz,2H),7.46(d,J=8.7Hz,2H),7.33(d,J=7.7Hz,1H),7.14(s,1H),7.02(d,J=7.8Hz,1H),6.23−6.05(m,2H),5.73(s,2H),5.66−5.58(m,J=12.0Hz,1H),3.80(s,3H),3.29(d,J=8.0Hz,3H),2.22(s,3H)。
乾燥DMF5mL中の(R)−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−(ピロリジン−3−イル)−7H−プリン−8(9H)−オン(62)(95mg、0.24mmol)、4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エン酸塩酸塩(69mg、0.36mmol)およびDIPEA(213μL、1.2mmol)の溶液を0℃に冷却した。HBTU(190mg、0.49mmol)を一度に加えた。反応混合物を室温に温め、N2下で2時間撹拌し、その後水(0.2%NH3・H2O)中の10−95%のアセトニトリルを使用したGilsonによって直接精製し、(R、E)−6−アミノ−9−(1−(4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル)ピロリジン−3−イル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(63)(31mg、17.7%)を淡黄色固形物として得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)526。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.14(d,J=6.0Hz,1H),7.55−7.34(m,4H),7.30−7.08(m,5H),6.76−6.59(m,1H),6.36(dd,J=37.4,15.1Hz,1H),5.82(d,J=9.1Hz,2H),5.20−4.99(m,1H),4.11−3.40(m,4H),3.26(dd,J=17.7,6.4Hz,2H),2.78−2.59(m,1H),2.24(d,J=12.4Hz,3H),1.80−1.63(m,1H),0.51−0.37(m,2H),0.37−0.24(m,2H)。
実施例22:(R、E)−6−アミノ−9−(1−(4−(シクロブチル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル)ピロリジン−3−イル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(64)の合成
乾燥DMF5mL中の(R)−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−(ピロリジン−3−イル)−7H−プリン−8(9H)−1(62)(95mg、0.24mmol)、(E)−4−(シクロブチル(メチル)アミノ)ブト−2−エン酸塩酸塩(76mg、0.37mmol)およびDIPEA(213μL、1.2mmol)の混合物を0℃に冷やし、HBTU(190 mg、0.49mmol)を一度に加えた。反応混合物を室温に温め、N2下で2時間で撹拌し、分取HPLC(RP C18、水(0.2%NH3・H2O)中の10−95%のアセトニトリル)によって直接精製し、(R、E)−6−アミノ−9−(1−(4−(シクロブチル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル)ピロリジン−3−イル)−7−(4−フェノキシフェニル)7H−プリン−8(9H)−オン(64)(36mg、25.9%)を淡黄色固形物として得た。LC−MS(ESI):m/z(M/M+2)518/520。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.11(d,J=6.0Hz,1H),7.48−7.36(m,4H),7.23−7.07(m,5H),6.69−6.55(m,1H),6.34(dd,J=35.9,15.1Hz,1H),5.89−5.67(m,2H),5.18−4.95(m,1H),4.15−3.42(m,4H),2.97(dd,J=18.6,6.2Hz,2H),2.85−2.73(m,1H),2.73−2.58(m,1H),2.33−2.10(m,1H),1.98(d,J=12.6Hz,3H),1.95−1.87(m,2H),1.80−1.67(m,2H),1.63−1.48(m,2H)。
実施例23:(R、E)−6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−9−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)ピロリジン−3−イル)−7H−プリン−8(9H)−オン(67)の合成
実施例21に述べられているような同様の方法で、(R、E)−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−9−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)ピロリジン−3−イル)−7H−プリン−8(9H)−オン(67)(24mg)を、中間体60および4−クロロフェニルボロン酸から3つの工程によって白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)442。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.12(d,J=5.9Hz,1H),7.65−7.53(m,2H),7.41(dd,J=8.7,3.3Hz,2H),6.70−6.54(m,1H),6.39(dd,J=38.2,15.2Hz,1H),5.89(d,J=11.1Hz,2H),5.19−4.97(m,1H),4.12−3.57(m,3H),3.12(dd,J=19.6,5.8Hz,2H),2.76−2.55(m,J=21.1,10.8Hz,1H),2.22(s,3H),2.19(s,3H)。
実施例24:(E)−6−アミノ−9−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)ピペリジン−4−イル)(メチル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(75)の合成
実施例21に述べられているような同様の方法で、tert−ブチル4−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボン酸塩68から、(E)−(−6−アミノ−9−((1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)ピペリジン−4−イル)(メチル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(75)(31mg)を白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)528。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.12(s,1H),7.49−7.36(m,4H),7.25−7.06(m,5H),6.60−6.50(m,2H),5.78(s,2H),4.35(d,1H),3.98(d,1H),3.72(d,J=7.2Hz,2H),3.05−2.92(m,3H),2.65−2.52(m,1H),2.11(s,6H),1.63(s,2H),1.22−0.94(m,3H)。
実施例25:N−(3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチルアクリルアミド(76)の合成
無水DCM(5mL)中の6−アミノの−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(29)(80mg、0.21mmol)の溶液に、0℃で塩化アクリロイル(26μL、0.32mmol)を加えた。MeOHでクエンチする前に、反応混合物をN2下で1時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物を分取HPLC(RP C18、水(0.2%NH3・H2O)中の10〜95%のアセトニトリル)によって精製し、白い固形物としてN−(3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イルフェニル)−N−メチルアクリルアミド(76)(30mg、33%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)431.2。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.12(s,1H),7.69(d,J=8.4Hz,1H),7.66−7.54(m,2H),7.39−7.25(m,2H),7.13(d,J=1.8Hz,1H),6.28−6.07(m,2H),5.71(s,2H),5.64−5.57(m,1H),3.80(s,3H),3.29(s,3H),2.22(s,3H)。
実施例26:N−(3−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチルアクリルアミド(77)の合成
実施例25に述べられているような同様の方法で、6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−9−(3−メチルアミノ)フェニル−7H−プリン−8(9H)−オン(26)(80 mg)から、N−(3−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)―N−メチルアクリルアミド(77)(40mg、44%)を、白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)421.1。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.13(s,1H),7.77−7.54(m,5H),7.53−7.22(m,3H),6.18(s,2H),5.95(s,2H),5.72−5.42(m,1H),3.28(s,3H)。
実施例27:(R)−9−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)―6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(78)の合成
実施例25に述べられているような同様の方法で、(R)−6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−9−(ピロリジン−3−イル)−7H−プリン−8(9H)−オン(66)(119mg)から、(R)−9−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(78)(55mg、40%)を、白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)385.1。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.15(d,J=2.8Hz,1H),7.58(d,J=8.6Hz,2H),7.42(dd,J=8.8,2.6Hz,2H),6.69−6.44(m,1H),6.14(dt,J=16.7,2.3Hz,1H),5.94(s,2H),5.71−5.60(m,1H),5.21−4.98(m,1H),4.16−3.34(m,4H),2.76−2.54(m,1H),2.35−2.11(m,1H)。
実施例28:(R、E)−6−アミノ−9−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)ピロリジン−3−イル)−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(81)の合成
乾燥したDMF(5mL)中の(R)−tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)ピロリジン−1−カルボン酸塩(60)(75mg、0.23mmol)および4A MS(200mg)の混合物に、2−メトキシの−1−メチル−4−フェノキシベンゼン(150mg、0.9mmol)、Cu(OAc)2(43mg、0.23mmol)およびピリジン(111μL、1.4mmol)を加えた。結果として生じた混合物を、O2雰囲気下で一晩35℃で加熱した。室温に冷却した後、反応溶液をセライトパッドを通してろ過した。ろ液を水(50mL)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。混合した有機層を、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中の0〜5%のメタノール)によって精製し、茶色の油としてtert−ブチル3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)ピロリジン−1−カルボン酸塩(79)(93mg、90%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)441。
DCM(3mL)中の(R)−tert−3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)ピロリジン−1−カルボン酸塩(79)(93mg、0.21mmol)の溶液に、TFA(0.8mL)を滴下的に加えた。真空内で濃縮する前に反応混合物を1時間室温で撹拌し、茶色の固形物として(R)−6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−9−(ピロリジン−3−イル)−7H−プリン−8(9H)−オン(80)(72mg、100%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)341。
乾燥DMF(5mL)中の(R)−6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−9−(ピロリジン−3−イル)−7H−プリン−8(9H)−オン1(80)(72mg、0.21mmol)、(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エン酸塩酸塩(42mg、0.25mmol)およびDIPEA(187μL、1.1mmol)の混合物を、0℃に冷却した。HBTU(164mg、0.42mmol)を一度に加えた。反応混合物を室温にまで温め、N2下で2時間撹拌した。反応溶液を分取HPLCに直接充填し、水(0.2%NH3・H2O)中の10−95%のアセトニトリルを使用することにより精製し、(R,E)−6−アミノ−9−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)ピロリジン−3−イル)−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(81)(49mg、51%)を白い固形物として得た。
LC−MS(ESI):m/z(M+1)452。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.13(d,J=5.9Hz,1H),7.31(d,J=7.7Hz,1H),7.06(dd,J=5.2,1.8Hz,1H),7.00−6.91(m,1H),6.70−6.59(m,1H),6.39(dd,J=35.5,15.2Hz,1H),5.65(s,2H),5.21−5.00(m,1H),4.12−3.86(m,2H),3.81(s,3H),3.79−3.39(m,2H),3.04(dd,J=16.6,5.6Hz,2H),2.81−2.59(m,1H),2.22(s,3H),2.17(s,3H),2.14(s,3H)。
実施例29:(R)−9−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)―6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(82)の合成
実施例25に述べられているような同様の方法で、(R)−6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−9−ピロリジン−3イル)−7H−プリン−8(9H)−オン(80)(93mg)から、(R)−9−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)―6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(82)(27mg、25%)を白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)395.2。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.11(d,J=5.3Hz,1H),7.29(d,J=7.9Hz,1H),7.04(dd,J=4.8,1.9Hz,1H),6.98−6.86(m,1H),6.68−6.45(m,1H),6.14(dd,J=16.9,2.0Hz,1H),5.76−5.51(m,3H),5.22−4.93(m,1H),4.12−3.87(m,2H),3.83−3.72(m,4H),3.70−3.37(m,1H),2.79−2.56(m,1H),2.35−2.11(m,4H)。
実施例30:(R)−9−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)―6−アミノの−7−(4−クロロフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(90)の合成
ジオキサン(20mL)中のtert−ブチル3−アミノピペリジン−1−カルボン酸塩(83)(600mg、3.0mmol)およびTEA(0.85mL、6.1mmol)の溶液に、N,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1)(1.28g、3.6mmol)を加えた。水(20mL)を導入する前に、反応混合物をN2下で6時間70℃で加熱した。結果として生じた混合物を室温に冷却し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。混合した有機層を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0−15%の酢酸エチル)によって精製し、黄色の固形物としてtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸塩(84)(0.8g、51.5%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)519。
THF/MeOH/H2O(20mL/10mL/5mL)中の(R)−tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸塩(84)(0.8g、1.5mmol)の溶液に、Fe粉末(0.43g、7.7mmol)およびNH4Cl(0.83g、15.4mmol)を加えた。
反応混合物をN2下で7時間50℃で加熱した。室温に冷却した後に、反応混合物をセライトのパッドを通してろ過した。ろ液をEtOAc(30mL×3)で抽出し、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮し、茶色の固形物として(R)−tert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸塩(85)(750mg、99.5%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)489。
0℃及びN2雰囲気下で、乾燥DCM(15mL)中の(R)−tert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸塩(85)(750mg、1.5mmol)およびTEA(430μL、3.1mmol)の攪拌された溶液に、乾燥DCM(5mL)中のトリホスゲン(229mg、0.77mmol)の溶液を1時間滴下的に加えた。撹拌を1時間継続した後、反応物を水(30mL)でクエンチした。有機層を分離し、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0−20%酢酸エチル)によって精製し、薄茶色固形物として(R)−tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(86)(668mg、84.6%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)515。
MeOH(20mL)中の(R)−tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(86)(668mg、1.3mmol)の混合物に、Pd(OH)2/C(660mg、20wt%)および3滴の濃HClを加えた。H2雰囲気下で一晩60℃で加熱する前に、結果として生じた混合物をH2(2×)でパージした。その混合物を室温に冷却し、セライトパッドでろ過し、溶媒を真空内で除去し、白い固形物として(R)−tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(87)(434mg、100%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)335。
実施例23に述べられているような同様の方法で、(R)−tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(87)(130mg)および4−クロロフェニルボロン酸(184mg)から、(R)−tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(88)(173mg、100%)を茶色の固形物として得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)445.3。
実施例23に述べられているような同様の方法で、(R)−tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(88)(173mg)から、(R)−6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−9−(ピペリジン−3−イル)−7H−プリン−8(9H)−オン(89)(134mg、100%)を茶色の油として得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)345.1。
実施例23に述べられているような同様の方法で、(R)−6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−9−(ピペリジン−3−イル)−7H−プリン−8(9H)−オン(89)(134mg)から、(R)−9−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−6−アミノ−7−(4−クロロフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(90)(26mg、17%)を白い固形物として得た。LC−MS(ESI):m/z(M/M+2)399.2/401.2。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.13(s,1H),7.63−7.53(m,2H),7.43(d,J=7.8Hz,2H),6.87−6.68(m,1H),6.11(dd,J=16.7,2.2Hz,1H),5.83(s,2H),5.72−5.59(m,1H),4.58−4.03(m,3H),3.93−2.92(m,1H),2.66−2.49(m,2H),1.96−1.79(m,2H),1.56−1.42(m,1H)。
実施例31:(R)−9−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)―6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(93)の合成
実施例28に述べられているような同様の方法で、(R)−tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(87)(130mg)および3−メトキシ−4−メチルフェニルボロン酸(192mg)から、(R)−tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(91)(57mg、32%)を茶色の固形物として得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)395.2。LC−MS(ESI):m/z(M+1)455.2。
実施例28に述べられているような同様の方法で、(R)−tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(91)(57mg)から、(R)−6アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−9−(ピペリジン−3−イル)−7H−プリン−8(9H)−オン(92)(44mg,100%)を茶色の油として得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)345.1。
実施例28に述べられているような同様の方法で、(R)−6アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−9−(ピペリジン−3−イル)−7H−プリン−8(9H)−オン(92)(44mg)から、(R)−9−(1−アクロイルピペリジン−3−イル)−6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(93)(30mg,61%)を白い固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)409.3。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.11(s,1H),7.33−7.24(m,1H),7.10−6.99(m,1H),6.98−6.88(m,1H),6.88−6.69(m,1H),6.12(d,J=16.6Hz,1H),5.73−5.51(m,3H),4.58−3.70(m,6H),3.48−2.96(m,1H),2.67−2.51(m,1H),2.46−2.27(m,1H),2.20(s,3H),1.97−1.77(m,2H),1.60−1.36(m,1H)。
実施例32:(E)−N−(5−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(104)の合成
EtOH(100mL)中の2−アミノ−4−ニトロフェノール(8.0g、52mmol)の溶液に、無水Boc(22g、101mmol)を加えた。溶媒を真空内で取り除く前に、反応混合物をN2雰囲気下で24時間室温で撹拌した。残留物を石油エーテルで洗浄し、真空内で乾燥させ、黄色の固形物としてtert−ブチル2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニルカルバマート(94)(11.2g、85%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M−1)253.1。
乾燥DMF(40mL)中のtert−ブチル2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニルカルバマート(94)(4.0g、15.7mmol)およびK2CO3(10.9g、79mmol)の混合物に、1−ブロモ−2−メトキシエタン(4.4mL、47mmol)を、N2下で滴下的に加えた。結果として生じた混合物を一晩40℃で加熱し、次に、セライトパッドを通してろ過した。ろ液をEtOAc(50mL×3)で抽出し、水(100mL)で希釈した。混合した有機層を水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0〜30%の酢酸エチル)によって精製し、tert−ブチル2−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロフェニルカルバマート(95)(3.5g、76%)を茶色の油として得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)311.2。
0℃で、無水THF(15mL)中のNaH(鉱油中の60%分散液、327mg、8.2mmol)の懸濁液に、THF(10mL)中のtert−ブチル2−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロフェニルカルバマート(95)(1.7g、5.4mmol)の溶液を加えた。CH3I(0.5mL、8.1mmol)を滴下的に導入する前に、その混合物を0.5時間0℃で撹拌した。減圧下で濃縮する前に、撹拌を一晩室温で続けた。残留物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(50mL×3)で抽出した。混合した有機層を、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮し、茶色の固形物としてtert−ブチル2−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロフェニル(メチル)カルバミン酸塩(96)(1.8g、質量(quant.))を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)327.2。
THF/EtOH/H2O(16mL/8mL/4mL)中のtert−ブチル2−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロフェニル(メチル)カルバミン酸塩(96)(1.8g、5.5mmol)の溶液に、Fe粉末(1.52g、27mmol)およびNH4Cl(2.94g、55mmol)を加えた。結果として生じた混合物をN2下で7時間50℃で加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をセライトのパッドを通してろ過した。
ろ液をEtOAc(50mL×3)で抽出し、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮し、茶色の固形物としてtert−ブチル5−アミノ−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(97)(1.6g、99%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)297.1。
ジオキサン(50mL)中のtert−ブチル5−アミノ−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(97)(1.6g、5.4mmol)およびTEA(1.5mL、10.8mmol)の溶液に、N,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1)(1.9g、5.4mmol)を加えた。水(100mL)を導入する前に、反応混合物をN2下で一晩70℃で加熱した。結果として生じた混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。混合した有機層を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0−20%酢酸エチル)によって精製し、茶色の油としてtert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(98)(3.3g、98%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)615.1。
THF/EtOH/H2O(24mL/12mL/6mL)中のtert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(98)(3.3g、5.4mmol)の溶液に、Fe粉末(3.0g、54mmol)およびNH4Cl(5.8g、108mmol)を加えた。室温に冷却した後、反応混合物をN2下で4時間50℃で加熱し、反応混合物をセライトのパッドを通してろ過した。ろ液をEtOAc(50mL×3)で抽出し、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮し、茶色の油としてのtert−ブチル5−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(99)(3.0g、96%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)585.2。
0℃およびN2雰囲気下で、無水DCM(50mL)中のtert−ブチル5−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(99)(3.0g、5.1mmol)およびTEA(1.4mL、10mmol)の撹拌された溶液に、無水DCM(10mL)中のトリホスゲン(763mg、2.6mmol)の溶液を1時間にわたって加えた。撹拌を1時間継続した後、反応混合物を水(100mL)でクエンチした。層を分離し、有機層を水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0−20%酢酸エチル)で精製し、茶色の固形物としてtert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(100)(1.9g、61%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)611.3。
MeOH(30mL)中のtert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(100)(800mg、1.3mmol)の混合物に、Pd(OH)2/C(800mg、20wt%)および3滴の濃HClを加えた。H2雰囲気下で一晩60℃で加熱する前に、結果として生じた混合物をH2(2×)でパージした。その混合物を室温に冷却し、セライトパッドを通してろ過し、溶媒を真空内で除去し、白い固形物としてtert−ブチル5−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(101)(527mg、94%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)430.2。
無水DMF(15mL)中のtert−ブチル5−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(101)(527mg、1.2のmmol)および4A MS(300mg)の混合物に、3−メトキシ−4−メチルフェニルボロン酸(612mg、3.7mmol)、Cu(OAc)2(224mg 1.2mmol)およびピリジン(0.6mL、7.2mmol)を加えた。セライトパッドを通してろ過する前に、反応混合物をO2雰囲気下で一晩37℃で加熱した。ろ液を水(50mL)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。混合した有機層を水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中の0−5%のメタノール)によって精製し、茶色の油としてtert−ブチル5−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(102)(122mg、18%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)551.1。
DCM(4mL)中のtert−ブチル5−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(102)(122mg、0.22mmol)の溶液に、TFA(1mL)を滴下的に加えた。濃縮する前に、反応混合物を1時間室温で撹拌した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン(0.3%Et3N)中の0−5%のメタノール))によって精製し、茶色の油として6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−9−(4−(2−メトキシエトキシ)−3−(メチルアミノ)フェニル)7H−プリン−8(9H)−オン(103)(100mg、100%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)451.2。
(COCl)2(0.5mL、5.3mmol)を導入する前に、無水アセトニトリル(5mL)中の(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エン酸塩酸塩(90mg、0.54mmol)の懸濁液に1滴のDMFを加えた。結果として生じた混合物を1時間間室温で撹拌した。溶媒を蒸発させた。生成したばかりの酸塩化物を無水DCM(2mL)に溶かし、DCM(3mL)中の6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−9−(4−(2−メトキシエトキシ)−3−(メチルアミノ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(103)(100mg、0.24mmol)に導入した。MeOH(2mL)でクエンチする前に、反応混合物を1時間室温で撹拌した。溶媒は除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル(塩化メチレン、0.3%Et3N中の0−10%のメタノール)によって前精製し、その後分取HPLC(RP、C18、水(0.2%NH3・H2O)中の10−95%のアセトニトリル)を行い、(E)−N−(5−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(104)(26mg、21%)を白い固形物として得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)562.3。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.08(s,1H),7.63(d,J=8.7Hz,1H),7.57−7.48(m,1H),7.32(d,J=8.4Hz,2H),7.10(s,1H),6.99(d,J=7.8Hz,1H),6.68−6.52(m,1H),5.86(d,J=15.3Hz,1H),5.69(s,2H),4.29−4.09(m,J=5.0Hz,2H),3.80(s,3H),3.62(t,J=4.5Hz,2H),3.27(s,3H),3.13(s,3H),2.92−2.80(m,2H),2.21(s,3H),2.02(s,6H)。
実施例33:(E)−N−(5−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(112)の合成
実施例32に述べられているような同様のやり方で、tert−ブチル2−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロフェニルカルバマート(95)(1.75g)から、茶色の油としてtert−ブチル5−アミノ−2−(2−メトキシエトキシ)フェニルカルバマート(105)(1.58g、100%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)283.1。
実施例32に述べられているような同様のやり方で、tert−ブチル5−アミノ−2−(2−メトキシエトキシ)フェニルカルバマート(105)(1.58g)およびN(N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1)から、茶色の油としてtert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニルカルバマート(106)(3.4g、100%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)601.3。
実施例32に述べられているような同様のやり方で、tert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)− 5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニルカルバマート(106)(3.36g)から、茶色の油としてtert−ブチル5−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニルカルバマート(107)(3.0g、94%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)569.2。
実施例32に述べられているような同様のやり方で、tert−ブチル5−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニルカルバマート(107)(3.0g)から、茶色の油としてtert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニルカルバマート(108)(1.9g、61%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)597.2。
実施例32に述べられているような同様のやり方で、tert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニルカルバマート(108)(800mg)から、茶色の固形物としてtert−ブチル5−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニルカルバマート(109)(462mg、83%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)417。
実施例32に述べられているような同様のやり方で、tert−ブチル5−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニルカルバマート(109)(462mg)および3−メトキシ−4−メチルフェニルボロン酸(553mg)から、茶色の油としてtert−ブチル5−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニルカルバマート(110)(258mg、43%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)537.3。
実施例32に述べられているような同様の方法で、tert−ブチル5−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニルカルバマート(110)(258 mg)から、茶色の油として6−アミノ−9−(3−アミノ−4−(2−メトキシエトキシ)フェニル)−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)7H−プリン−8(9H)−オン(111)(209mg、100%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)437.2。
実施例32に述べられているような同様の方法で、6−アミノ−9−(3−アミノ−4−(2−メトキシエトキシ)フェニル)−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)7H−プリン−8(9H)−オン(111)(209mg)から、白い固形物として(E)−N−(5−(6−アミノ−7−(3−メトキシの−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(112)(31mg、12%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)548.3。1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.25(s,1H),8.31(s,1H),8.07(s,1H),7.36−7.17(m,3H),7.15(s,1H),7.02(d,J=6.2Hz,1H),6.75−6.63(m,1H),6.50(d,J=15.4Hz,1H),5.65(s,2H),4.30−4.18(m,2H),3.80(s,3H),3.76−3.70(m,2H),3.33(s,3H),3.06(d,J=5.7Hz,2H),2.21(s,3H),2.17(s,6H)。
実施例34:(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピルアミノ)ブト−2−エナミド(116)の合成
0℃及びN2雰囲気下で、THF(60mL)中の(E)−メチル4−ブロモブト−2−エノアート(6g、33.5mmol)の溶液に、水(20mL)中の水酸化リチウム一水和物(1.83g、43.6mmol)の溶液を15分間滴下的に加えた。結果として生じた混合物を3時間0℃で撹拌した。その後、冷水(150mL)および石油エーテル(200mL)を導入し、撹拌を0℃で10分間継続した。層を分離した。0℃で、水層を濃HClでpH〜1に酸性化し、DCM(80mL×3)で抽出した。混合した有機抽出物を、Na2SO4で乾燥させ、減圧下でろ過及び蒸発させ、黄色の固形物として(E)−4−ブロモブト−2−エン酸(113)(4.5g、82%収率)を得た。
無水DCM(3mL)中の(E)―4−ブロモブト−2−エン酸(113)(162mg、0.98mmol)および1滴のDMFの溶液に、塩化オキサリル(250mg、1.96mmol)を滴下的に加えた。結果として生たる混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空内で除去し、(E)−4−ブロモブト−2−エノイル塩化物(114)(質量)を得て、次の工程に直接使用した。
0℃で、無水DCM(3mL)中の6−アミノ−9−(3−アミノフェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)7H−プリン−8(9H)−オン(7)(200mg、0.49mmol)に、DCM(2mL)中の、生成されたばかりの(E)−4−ブロモブト−2−エノイル塩化物(114)(179mg、0.98mmol)を滴下的に加えた。MeOH(0.5mL)および水(5mL)でクエンチする前に、結果として生じた混合物を室温で1時間撹拌した。その後、反応混合物をDCM(3mL×3)で抽出した。混合した有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮し、淡黄色の油として(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−ブロモブト−2−エナミド(115)(質量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M/M+2)557.4/559.4。
MeCN(5mL)中の(E)―N―(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−ブロモブト−2−エナミド(115)(273mg、0.49mmol)およびK2CO3(200mg、1.47mmol)の懸濁液に、シクロプロパンアミン(56mg、0.98mmol)を加えた。結果として生じた混合物を一晩室温で撹拌した。固形物懸濁液をろ過し、ろ液を真空内で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM中の0−10%MeOH)によって前精製し、その後分取HPLC精製(RP C18、水(0.2%NH3・H2O)中の10〜95%アセトニトリル))を行い、白い固形物として(E)−N(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピルアミノ)ブト−2−エナミド(116)(29mg、3工程で11%収率)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)534.4。1H NMR(400MHz,DMSO)δ10.25(s,1H),8.34−8.21(m,1H),8.10(s,1H),8.00(s,1H),7.66(s,1H),7.53(d,J=8.8Hz,2H),7.46−7.40(m,3H),7.30(s,1H),7.22−7.11(m,5H),6.88−6.75(m,1H),6.24(d,J=15.4Hz,1H),5.82(s,2H),3.36(d,J=4.2Hz,2H),2.13−2.02(m,1H),0.41−0.30(m,2H),0.28−0.16(m,2H)。
実施例35:(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(118)の合成
実施例34に述べられているような同様の方法で、6−アミノ−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(32)(120mg)から、白い固形物として(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−ブロモ−N−メチルブト−2−エナミド(117)(100mg、62%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M/M+2)571.4/573.4。
実施例34に述べられているような同様の方法で、(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−ブロモ−N−メチルブト−2−エナミド(117)(100mg)から、白い固形物として(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(118)(32mg、34%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)540.2。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.11(s,1H),7.66(d,J=7.9Hz,1H),7.62−7.56(m,2H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),7.43(t,J=7.9Hz,2H),7.34(d,J=8.6Hz,1H),7.18−7.12(m,5H),6.78−6.70(m,1H),6.03(d,J=15.3Hz,1H),5.87(s,2H),3.28(s,3H),3.25−3.17(m,3H),2.01−1.86(m,1H),0.25−0.19(m,2H),0.13−0.04(m,2H).
実施例36:(S、E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル−N−メチル−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エナミド(123)の合成
MeCN(10mL)中の(S)−テトラヒドロフラン−3−アミン塩酸塩(500mg、4mmol)およびK2CO3(830mg、6mmol)の懸濁液に(E)−メチル4−ブロモブト−2−エノアート(663mg、3.9mmol)を加えた。その混合物を3時間室温で撹拌した。固形物をろ過し、ろ液を真空内で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0〜50%の酢酸エチル)によって精製し、淡黄色の油として(S,E)−メチル4−(テトラヒドロフラン−3−イルアミノ)ブト−2−エノアート(119)(500mg、69%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)186.1。
DCM(8mL)中の(S,E)−メチル4−(テトラヒドロフラン−3−イルアミノ)ブト−2−エノアート(119)(400mg、2.16mmol)およびHCHO(38%、854mg、10.8mmol)の溶液に、NaBH(OAc)3(1.37g、6.48mmol)を加えた。水(0.5mL)でクエンチする前に、結果として生じた混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空内で除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0−50%の酢酸エチル)によって精製し、淡黄色の油として(S、E)−メチル4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エノアート(120)(350mg、81%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)200.1。
THF(3mL)中の(S、E)−メチル4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エノアート(120)(350mg、1.76mmol)の攪拌された溶液に、水(2mL)中の水酸化リチウム一水和物(148mg、3.51mmol)の溶液を滴下的に加えた。結果として生じた混合物を1時間室温で撹拌し、続いて濃HClでpH〜1まで酸性化した。溶媒は真空内で直接除去し、LiCl塩と混合した未精製の(S、E)−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エン酸(121)(質量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)186.1。
実施例34に述べられているような同様のやり方で、(S、E)−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エン酸(121)(55mg)から、黄色の固形物として(S、E)−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エノイル塩化物(122)(質量)を得た。
実施例34に述べられているような同様の方法で、6−アミノ−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)―7H−プリン−8(9H)−オン(32)(100mg)から、白い固形物として(S、E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イルフェニル)―N−メチル−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エナミド(123)(22mg、15%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)592.3。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.12(s,1H),7.76−7.54(m,3H),7.54−7.30(m,5H),7.25−7.06(m,5H),6.71−6.60(m,1H),6.12−5.98(m,1H),5.87(br,2H),3.75−3.64(m,1H),3.61−3.55(m,1H),3.54−3.46(m,1H),3.42−3.33(m,1H),3.28(s,3H),3.11−2.90(m,3H),2.01(s,3H),1.90−1.73(m,1H),1.70−1.54(m,1H)。
実施例37:(R、E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチル−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エナミド(129)の合成
実施例36に述べられているような同様の方法で、(E)―メチル4−ブロモブト−2−エノアート(466mg)及び(R)−テトラヒドロフラン−3−アミン4−メチルベンゼンスルフォナート(676mg)から、白い固形物として(R、E)−メチル4−(テトラヒドロフラン−3−イルアミノ)ブト−2−エノアート(124)(330mg、68%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)186.1。
実施例36に述べられているような同様の方法で、(R、E)−メチル4−(テトラヒドロフラン−3−イルアミノ)ブト−2−エノアート(124)(300mg)から、淡黄色の油として(R、E)メチル4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エノアート(125)(320mg、100%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)200.1。
実施例36に述べられているような同様のやり方で、(R、E)メチル4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エノアート(125)(320mg)から、淡黄色油として(R、E)−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エン酸(126)(質量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)186.1。
実施例34に述べられているような同様のやり方で、(R、E)−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エン酸(126)(55mg)から、黄色の固形物として(R、E)−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エノイル塩化物(127)(質量)を得た。
実施例34に述べられているような同様の方法で、6−アミノ−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)―7H−プリン−8(9H)−オン(32)(100mg)から、白い固形物として(R、E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチル−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エナミド(129)(40mg、28%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)592.2。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.14(s,1H),7.74−7.59(m,3H),7.50−7.37(m,5H),7.21−7.14(m,4H),6.70−6.60(m,1H),6.42−6.22(m,1H),5.92(br,2H),4.02−3.75(m,5H),3.67−3.44(m,2H),3.31(s,3H),2.60(s,3H),2.22−1.94(m,2H)。
実施例38:(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−((2−メトキシエチル)(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(134)の合成
実施例36に述べられているような同様の方法で、(E)―メチル4−ブロモブト−2−エノアート(1g)及び2−メトキシエタンアミン(504mg)から、淡黄色の油として(E)−メチル4−(2−メトキシエチルアミノ)ブト−2−エノアート(130)(800mg、82%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)174.1。
実施例36に述べられているような同様の方法で、(E)−メチル4−(2−メトキシエチルアミノ)ブト−2−エノアート(130)(500mg)から、淡黄色の油として(E)−メチル4−(2−メトキシエチル(メチル)アミノ)ブト−2−エノアート(131)(330mg、72%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)188.1。
実施例36に述べられているような同様のやり方で、(E)−メチル4−(2−メトキシエチル(メチル)アミノ)ブト−2−エノアート(131)(330mg)から、白い固形物として(E)−4−(2−メトキシエチル(メチル)アミノ)ブト−2−エン酸(132)(質量)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)172.2。
実施例34に述べられているような同様のやり方で、(E)−4−(2−メトキシエチル(メチル)アミノ)ブト−2−エン酸(132)(133mg)から、黄色の固形物として(E)−4−((2−メトキシエチル)(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル塩化物(133)(質量)を調製した。
実施例34に述べられているような同様の方法で、6−アミノ−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(32)(100mg)から、白い固形物として(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(2−メトキシエチル)(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(134)(32 mg、23%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)580.2。1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.74(s,1H),8.14(s,1H),7.85−7.59(m,3H),7.51−7.37(m,4H),7.23−7.10(m,4H),6.66(dd,J=14.8,7.1Hz,1H),6.36−6.22(m,1H),5.93(br,2H),3.95−3.70(m,2H),3.64−3.44(m,2H),3.31(s,3H),3.27−3.02(m,5H),2.66(s,3H)。
実施例39:(E)−N −(3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(147)の合成
0℃で無水DMF(50mL)中の2−メトキシエタノール(3.58g、47.2mmol)の撹拌された溶液に、NaH(60%、3.14g、78.6mmol)を加えた。その混合物に1,3−ジフルオロ−5−ニトロベンゼン(452mg、2.4mmol)を導入する前に10分間室温で撹拌した。結果として生じた混合物を2時間室温で撹拌した後、反応物を水(100mL)でクエンチし、EA(50mL×3)で抽出した。混合した有機層を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油中の0〜20%酢酸エチル)によって精製し、黄色の油として1−フルオロ−3−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロベンゼン(135)(6.4g、95%)を提供した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)216.1。
DMSO(14mL)中の1−フルオロ−3−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロベンゼン(135)(1g、4.65mmol)の溶液に、K2CO3(1.93g、13.95mmol)を加えた。その混合物をマイクロ波の下で1時間180℃で撹拌し、室温で冷却した後、反応混合物を水(100mL)に注ぎ、EA(30mL×3)で抽出した。混合した有機層をブラインで洗浄し、Na2SO3で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0〜20%酢酸エチル)によって精製し、赤い油としてN−(4−メトキシベンジル)−3−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロアニリン(136)(530mg、35%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)333.2。
N−(4−メトキシベンジル)−3−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロアニリン(136)(3.6g、10.8mmol)をTFA(15mL)中で一晩撹拌した。溶媒を真空内で除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0〜30%の酢酸エチル)によって精製し、黄色の油として3−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロアニリン(137)(1.84g、80%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)213.2。
無水THF(20mL)中の3−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロアニリン(137)(1.83g、8.63mmol)、Et3N(2mL)および(Boc)2O(3.76g、17.26mmol)の溶液に、DMAP(cat.)を加えた。その混合物を、N2下で一晩65℃で撹拌した。反応混合物を室温に冷却した後、溶媒を真空内で除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0〜20%の酢酸エチル)によって精製し、tert−ブチル3−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロフェニルカルバマート(138)(1.78g、66%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)313.2。
実施例32に述べられているような同様の方法で、tert−ブチル3−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロフェニルカルバマート(138)(1.78g)を、オレンジ色の油としてtert−ブチル3−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロフェニル(メチル)カルバミン酸塩(139)(1.25、68%)を調製した。
tert−ブチル3−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロフェニル(メチル)カルバミン酸塩(139)(1.25g、3.8mmol)およびPd/C(125mg)を、MeOH(50mL)中に懸濁した。反応混合物をH2雰囲気下で、室温で2時間撹拌した。その混合物をろ過し、ろ液を真空内で濃縮し、黄色の油としてtert−ブチル3−アミノ−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(140)(1.13g、質量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)297.3。
実施例32に述べられているような同様のやり方で、tert−ブチル3−アミノ−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(140)(1.13g)から、黄色の固形物としてtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(141)(2.0g、85%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)615.2。
実施例32に述べられているような同様のやり方で、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(141)(2.0g)から、黄色の固形物としてtert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(142)(1.35g、25%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)585.3。
実施例32に述べられているような同様のやり方で、tert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(142)(1.35g)から、黄色の固形物としてtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(143)(1.3g、93%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)611.3。
実施例32に述べられているような同様のやり方で、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(143)(1.3g)から、茶色の固形物としてtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(144)(800mg、89%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)431.3。
実施例32に述べられているような同様のやり方で、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(144)(800mg)から、淡黄色固形物としてtert−ブチル3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(145)(660mg、25%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)551.3。
実施例32に述べられているような同様の方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(145)(660mg)から、白い固形物として6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−9−(3−(2−メトキシエトキシ)−5−(メチルアミノ)フェニル)7H−プリン−8(9H)−オン(146)(質量)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)451.2。
実施例32に述べられているような同様の方法で、6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−9−(3−(2−メトキシエトキシ)−5−(メチルアミノ)フェニル)7H−プリン−8(9H)−オン(146)(100mg)から、白い固形物として(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(147)(49mg、40%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)562.3。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.11(s,1H),7.36−7.26(m,2H),7.20(s,1H),7.11(d,J=1.8Hz,1H),7.02−6.95(m,2H),6.64(dt,J=15.2,6.1Hz,1H),6.05(d,J=15.1Hz,1H),5.71(s,2H),4.18−4.11(m,2H),3.80 (s,3H),3.69−3.62(m,2H),3.26(s,3H),2.91(d,J=5.6Hz,2H),2.21(s,3H),2.04(s,6H)。
実施例40:(E)−N−(3−(6−アミノ−7− −(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(151)の合成
DCM中の4−ブロモフェノール(500mg、2.89mmol)、3−フルオロフェニルボロン酸(809mg、5.78mmol)およびEt3N(2mL、14.45mmol)の溶液に、Cu(OAc)2(525mg、2.89mmol)および分子ふるい(molecular sieve)(4A、1g)を加えた。その混合物をO2雰囲気下で一晩室温で撹拌した。その混合物をろ過し、ろ液を真空内で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0−30%の酢酸エチル)によって精製し、黄色の固形物として1−(4−ブロモフェノキシ)−3−フルオロベンゼン(148)(350mg、45%)を得た。
−78℃、N2雰囲気下でTHF(10mL)中の1−(4−ブロモフェノキシ)−3−フルオロベンゼン(148)(345mg、1.3mmol)の溶液に、n−BuLi(2.5M、0.7 mL、1.7mmol)を滴下的に加えた。トリイソプロピルホウ酸塩(0.35mL)を加える前に、その混合物を20分間−78℃で撹拌した。その混合物を室温に温め、3時間撹拌した。その反応物をHCl(1N)でクエンチし、EA(5mL×3)で抽出した。混合した有機層を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を真空内で取り除き、白い固形物として4−(3−フルオロフェノキシ)フェニルボロン酸(149)(150mg、50%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M−1)231.1。
実施例1に述べられているような同様のやり方で、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(24)(525mg)から、黄色の固形物としてtert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(150)(80mg、43%)を調製した。
LC−MS(ESI):m/z(M+1)543.3。
実施例1に述べられているような同様の方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩(150)(80mg)から、白い固形物として(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(151)(26mg、33%)を調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)543.3。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.12(s,1H),7.71−7.56(m,3H),7.51(d,J=8.7Hz,2H),7.44(dd,J=15.3,8.1Hz,1H),7.34(d,J=8.0Hz,1H),7.23(d,J=8.7Hz,2H),7.08−6.95(m,3H),6.75−6.60(m,1H),6.09−5.87(m,3H),3.30(s,3H),3.12(d,J=5.6Hz,2H),2.12(s,3H),1.68−1.51(m,1H),0.36−0.28(m,2H),0.25−0.13(m,2H)。
実施例41:(E)−6−アミノ−9−(4−(4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル)−3,4−ジヒドロ2Hベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(161)の合成
無水DMF(100mL)中の2−アミノ−4−ニトロフェノール(5.0g、32.5mmol)の溶液に、K2CO3(13.4g、97mmol)および1,2−ジブロモエタン(3.3mL、39mmol)を加えた。結果として生じた混合物を、N2下で一晩125℃で撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を濃縮し、水(100mL)で希釈し、EtOAc(50mL×3)で抽出した。混合した有機層を、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0〜30%の酢酸エチル)によって精製し、黄色の固形物として6−ニトロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(152)(2.0g、34%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)181.2。
無水DCM(50mL)中の6−ニトロ−3、4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(152)(2.0g、11.1mmol)の溶液を、Boc2O(6.2g、28.4mmol)、ピリジン(3.6mL、45mmol)および触媒DMAP(40mg)で処理した。その混合物を室温で一晩撹拌し、その後水(100mL)で希釈し、EtOAc(50mL×3)で抽出した。混合した有機層を、10%クエン酸溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0−20%の酢酸エチル)によって精製し、黄色の固形物としてtert−ブチル6−ニトロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−カルボン酸塩(153)(1.0g、32%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)281.1。
THF/MeOH/H2O(24mL/12mL/6mL)中のtert−ブチル6−ニトロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−カルボン酸塩(153)(1.0g、3.6mmol)の溶液に、Fe粉末(2.0g、36mmol)およびNH4Cl(3.9g、72mmol)を加えた。結果として生じた懸濁液をN2下で5時間50℃で加熱した。室温で冷却した後、反応混合物をセライトのパッドを通してろ過した。ろ液をEtOAc(50mL×3)で抽出し、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮し、茶色の油としてtert−ブチル6−アミノ−2Hベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−カルボン酸塩(154)(0.8g、89%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)251.1。
ジオキサン(20mL)中のtert−ブチル6−アミノ−2Hベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−カルボン酸塩(154)(0.8g、3.2mmol)およびTEA(0.9mL、6.4mmol)の溶液に、N,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1)(1.13g、3.2mmol)を加えた。水(100mL)に導入する前に、反応混合物をN2下で一晩70℃で加熱した。結果として生じた混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出し、混合した有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0−20%の酢酸エチル)によって精製し、茶色の油としてtert−ブチル6−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)カルボン酸塩(155)(1.8g、99%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)569.1。
THF/EtOH/H2O(24mL/12mL/6mL)中のtert−ブチル6−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)カルボン酸塩(155)(1.8g、3.2mmol)の溶液に、Fe粉末(1.77g、32mmol)およびNH4Cl(3.46g、64mmol)を加えた。結果として生じた懸濁液をN2下で5時間50℃で加熱した。室温で冷却した後、反応混合物をセライトのパッドを通してろ過した。ろ液をEtOAc(50mL×3)で抽出し、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮し、茶色の油としてtert−ブチル6−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−カルボン酸塩(156)(1.7g、質量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)539.0。
0℃、N2雰囲気下で、無水DCM(50mL)中のtert−ブチル6−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−カルボン酸塩(156)(1.7g、3.2mmol)及びTEA(0.9mL、6.4mmol)の攪拌された溶液に、DCM(10mL)中のトリホスゲン(475mg、1.6mmol)の溶液を1時間にわたって加えた。反応物を水(100mL)でクエンチする前に、1時間撹拌を継続した。層を分離し、有機層を水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0−30%酢酸エチル)によって精製し、茶色の固形物としてtert−ブチル6−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2Hベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−カルボン酸塩(157)(1.5g、85%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)565.2。
MeOH(30mL)中のtert−ブチル6−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2Hベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−カルボン酸塩(157)(0.8g、1.4mmol)の混合物に、Pd(OH)2/C(800mg、20wt%)および3滴の濃HClを加えた。H2雰囲気下で一晩60℃で加熱する前に、結果として生じた混合物をH2(2X)でパージした。反応混合物を室温に冷却し、セライトパッドを通してろ過し、ろ液を真空内で濃縮し、黄色の固形物としてtert−ブチル6−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)カルボン酸塩(158)(0.5g、92%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)385.0。
乾燥DMF(20mL)中のtert−ブチル6−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)カルボン酸塩(158)(0.5g、1.3mmol)及び4A MS(300mg)の混合物に、4−フェノキシフェニルボロン酸(836mg、3.9mmol)、Cu(OAc)2(237mg、1.3mmol)およびピリジン(0.6mL、7.8mmol)を加えた。反応混合物をセライトパッドを通してろ過し、O2雰囲気下で一晩37℃で加熱した。ろ液を水(80mL)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。混合した有機層を、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中の0−5%のメタノール)によって精製し、茶色の油としてtert−ブチル6−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)カルボン酸塩(159)(663mg、92%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)553.2。
DCM(4mL)中のtert−ブチル6−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)カルボン酸塩(159)(663mg、1.2mmol)の溶液に、TFA(1mL)を滴下的に加えた。濃縮する前に、反応混合物を1時間室温で撹拌した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン(0.3%Et3N)中の0−5%のメタノール))によって精製し、茶色の油として6−アミノ−9−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(160)(424mg、78%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)453.1。
無水のアセトニトリル(5mL)中の(E)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エン酸の塩酸塩(169mg、0.88mmol)の懸濁液に、(COCl)2(1.0mL、10.6mmol)を導入する前に、1滴のDMFを加えた。結果として生じた混合物を1時間室温で撹拌した。溶媒を蒸発させた。生成したばかりの酸塩化物を乾燥DCM(2mL)に溶かし、DCM(5mL)中の6−アミノ−9−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(160)(200mg、0.44mmol)の溶液に導入した。MeOH(2mL)でクエンチする前に、結果として生じた混合物を1時間室温で撹拌した。溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル(塩化メチレン(0.3%Et3N)中の0〜10%メタノール)によって前精製し、その後分取HPLC(RP、C18、水(0.2%NH3・H2O)中の10−95%のアセトニトリル))を行い、白い固形物として(E)−6−アミノ−9−(4−(4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−yl)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(161)(19mg、7%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)590.1。1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.60(s,1H),8.13(s,1H),7.52−7.40(m,4H),7.40−7.34(m,1H),7.23−7.11(m,5H),7.08(d,J=8.8Hz,1H),7.02−6.88(m,1H),6.82−6.66(m,1H),5.86(s,2H),4.36(t,2H),4.09−3.89(m,4H),2.88−2.63(m,4H),0.93−0.58(m,4H)。
実施例42:(E)−N−(5−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メトキシフェニル−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)− N−メチルブト−2−エナミド(171)の合成
EtOH(50mL)中の2−メトキシ−5−ニトロアニリン(5.0g、30ミリモル)の溶液に、Boc無水物(13g、60ミリモル)が添加された。N2の雰囲気下で、反応混合物は室温で24時間撹拌された。溶媒は真空中で取り除かれた。残留物は石油エーテルで洗浄され、真空の下で乾燥されて、黄色の固体として、tert−ブチル2−メトキシ−5−ニトロフェニルカルバマート(162)(6.0g、75%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)269.0
摂氏0度の乾燥したTHF(40mL中でNaH(鉱油1.3g、33ミリモル中60%分散)の懸濁液に、tert−ブチル2−メトキシ−5−ニトロフェニルカルバマート(162)(6.0g、22ミリモル)の溶液がTHF(40 mL)に加えられた。CH3I(2.5 mL、37ミリモル)の液滴が加えられる前に、混合物が0.5時間摂氏0℃で撹拌された。撹拌が、室温で夜通し継続され、ついで減圧下で濃縮された。
残留物は水(200mL)で希釈され、EtOAc(80mLx3)で抽出された。結合した有機質層は水と塩水で洗浄され、Na2SO4上で乾燥され、真空中で濃縮され、茶色の固体としてtert−ブチル2−メトキシ−5−ニトロフェニル(メチル)カルバマート(163)(6.3g、質量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)283.2
実施例41に記載されたのと類似した方法で、tert−ブチル5−アミノ−2−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(164)(5.6g、100%)は、tert−ブチル2−メトキシ−5−ニトロフェニル(メチル)カルバマート(163)(6.3g)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)253.1
実施例41に記載されたのと類似した方法で、tert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−2−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(165)(8.0g、63%)が、tert−ブチル5−アミノ−2−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(164)(5.6g)およびN,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1)(7.8g)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)571.2
実施例41に記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル5−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(166)(6.9g、91%)がtert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−2−メトキシフェニル(メチル)−2−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(165)(8.0g)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)541.1
実施例41に記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(167)(6.0g、83%)は、tert−ブチル5−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)カルバマート(166)(6.9g)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)567.0
実施例41に記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル5−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9−(8H)−イル)−2−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(168)(0.5g、92%)は、tert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル−2−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(167)(0.8g)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)387.2
実施例41に記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル5−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(169)(300mg、42%)は、tert−ブチル5−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル−2−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(168)(500mg)および4−フェノキシフェニルボロン酸(832mg)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)555.1
実施例41に記載されたものに類似した方法で、6−アミノ−9−(4−メトキシ−3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4フェノキシフェニル))−7H−プリン−8(9H))オン(170)(217mg、100%)は、tert−ブチル5−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)カルバマート(169)(265mg)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)455.1
実施例41に記載されたものに類似した方法で(E)−N―(5−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メトキシフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(171)(34mg、26%)は、6−アミノ−9−(4−メトキシ−3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オンから出発する白い固体として調製された。(170)(100mg)。LC−MS(ESI):m/z(M+1)592.1 1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.11(s、1H)、7.73−7.63(m、1H)、7.58(s、1H)、7.49−7.40(m、4H)、7.22−7.11(m、5H)、6.71−6.59(m、1H)、6.14(d、J=14.9Hz、1H)、7.34(d、J=9.0Hz、1H)、5.88(s、2H)、3.98−3.88(m、2H)、3.86(s、3H)、3.16(s、3H)、2.78−2.65(m、4H)、0.87−0.67(m、4H).
実施例43:(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−4−フェノキシフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(181)の合成
実施例42に記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル4−メトキシ−3−ニトロフェニルカルバマート(172)(3.2g、100%)は、4−メトキシ−3−ニトロアニリン(2.0g)から出発する黄色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)269.1.
実施例42に記載されているものに類似した方法で、tert−ブチル4−メトキシ−3−ニトロフェニル(メチル)カルバマート(173)(3.4g、100%)は、tert−ブチル4−メトキシ−3−ニトロフェニルカルバマート(172)(3.2g)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)283.2.
実施例41に記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−アミノ−4−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(174)(3.0g、100%)は、tert−ブチル4−メトキシ−3−ニトロフェニル(メチル)カルバマート(173)(3.4g)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)253.0.
実施例41に記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−4−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(175)(6.8g、98%)はtert−ブチル3−アミノ−4−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(174)(3.0g)およびN,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1)(4.25g)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)571.0.
実施例41に記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−4−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(176)(6.1g、94%)は、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−4−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(175)(6.8g)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)541.1.
実施例41に記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−4−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(177)(5.4g、85%)は、tert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−4−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(176)(6.1g)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)567.1.
実施例41に記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−4−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(178)(0.9g、100%)は、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−4−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(177)(1.3 g))から出発する黄色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)387.2.
実施例41に記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−4−メトキシシフェニル(メチル)カルバマート(179)(440mg 34%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−4−メトキシシフェニル(メチル)カルバマート(178)(902 mg)および4−フェノキシフェニルボロン酸(1.5g)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)555.1.
実施例41に記載されたものに類似した方法で、6−アミノ−9−(2−メトキシ−5−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(180)(360mg、100%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−4−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(179)(440 mg)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)455.1.
実施例41に記載されたものに類似した方法で、(E)−N―(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−4−メトキシシフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(181)(35 mg、12%)は、6−アミノ−9−(2−メトキシ−5−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(180)(230mg)から出発する白い固体として調製された。。LC−MS(ESI):m/z(M+1)592.1.1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.32(HCOOH)、8.03(s、1H)、7.52−7.24(m、6H)、7.22−7.09(m、6H)、6.72の−6.58(m、1H、6.02− 5.88(m、1H)、5.86(s、2H)、3.78(s、3H)、3.22(s、3H)、3.10(d,J=6.0Hz、2H)、2.12(s、3H)、1.67−1.54(m、1H)、0.37−0.30、0.26−0.17(m、2H)(m、2H)。
実施例44:(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−4−メチルフェニル)−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(191))の合成
THF(50mL)中の4−メチル−3−ニトロアニリン(5.0g、33ミリモル)の溶液に、Boc無水物(12g、55ミリモル)を添加した。反応混合物は、N2雰囲気下で夜通し還流された。溶媒は真空中で取り除かれた。残留物は、水(100mL)およびDCM(150mL)の間で分割された。層が分離された。有機質層は、10%のクエン酸溶液および塩水で洗浄され、Na2SO4上で乾燥され、真空中で濃縮されて茶色の個体としてtert−ブチル4−メチル−3−ニトロフェニルカルバマート(182)(8.3g、質量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)253.2.
摂氏0度の乾燥したTHF(40mL)中でNaH(鉱油1.98g、49.5ミリモルで60%分散)の懸濁液に、THF(40mL)のtert−ブチル4−メチル−3−ニトロフェニルカルバマート(182)(8.3g、33ミリモル)の溶液が加えられた。CH3I(3.0mL、50ミリモル)の液滴が導入される前に、結果として生じる混合物が摂0℃で0.5時間撹拌された。反応が水(10mL)でクエンチされる前に、攪拌が室温で夜通し継続された。混合物は減圧下で濃縮された。残留物は水(200mL)で処理され、未加工の生成物はEtOAc(80mLx3)で抽出された。結合した有機質層は水と塩水で洗浄され、Na2SO4上に乾燥され、真空中で濃縮した。残留物がカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中0〜30%の酢酸エチル)によって洗浄されて茶色の固体としてtert−ブチルメチル(4−メチル−3−ニトロフェニル)カルバマート(183)(6.7g、77%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)267.2.
THF/MeOH/HO(24mL/12mL/6 mL)中のtert−ブチルメチル(4−メチル−3−ニトロフェニル)カルバマート(183)(3.0g、11.3ミリモル)の溶液に、鉄粉末(6.3g、113ミリモル)とNH4Cl(12.2g、226ミリモル)が追加された。結果として生じる混合物はN2の下で摂氏50℃にて5時間加熱された。室温に冷まされた後、反応混合物はセライトのパッドによってろ過された。濾液はEtOAc(60mLx3)で抽出され、結合した有機抽出物が水と塩水で洗浄され、Na2SO4上で乾燥され、真空中で濃縮されて茶色の固体としてtert−ブチル3−アミノ−4−メチルフェニル(メチル)カルバマート(184)(2.0g、75%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)237.1.
ジオキサン(40mL)中のtert−ブチル3−アミノ−4−メチルフェニル(メチル)カルバマート(184)(2.0g、8.5ミリモル)およびTEA(2.3mL(17ミリモル))の溶液に、N,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1)(3.0g、8.5ミリモル)が追加された。結果として生じる混合物は、N2の下で摂氏70℃にて夜通し加熱された。反応をクエンチするために水(100mL)が導入された。反応混合物はEtOAc(50mLx3)で抽出され、結合した有機質層は塩水で洗浄され、Na2SO4の上で乾燥され、真空中で濃縮した。未加工の生成物はカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中0〜20%酢酸エチル)によって精製され、茶色の油としてtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−4−メチルフェニル(メチル)カルバマート(185)(2.6g、55%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)555.1.
THF/MeOH/H2O(24mL/12mL/6mL)中のtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−4−メチルフェニル(メチル)カルバマート(185)(2.6g、4.7ミリモル)の溶液に、鉄粉末(2.6g、47ミリモル)とNH4Cl(5.0g、94ミリモル)が追加された。結果として生じる懸濁液はN2の下で摂氏50度にて5時間加熱された。室温に冷やされた後、反応混合物はセライトのパッドによってろ過された。濾液はEtOAc(50mLX3)で抽出され、結合した有機質層は水と塩水で洗浄され、Na2SO4の上に乾燥され、真空中で濃縮した。茶色の油としてtert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−4−メチルフェニル(メチル)カルバマート(186)(2.0g、81%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M−1)523.0.
摂氏0度のN2雰囲気下で無水DCM(50mL)中のtert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−4−メチルフェニル(メチル)カルバマート(186)(2.0g、3.8ミリモル)およびTEA(1.1mL、7.6ミリモル)の攪拌された溶液に、無水DCM(10mL)中のトリホスゲン(564mg、1.9ミリモル)の溶液を液滴状に1時間にわたって追加された。攪拌が1時間継続された後、反応は水(100mL)でクエンチされた。層が分離された。有機層は水と塩水で洗浄され、Na2SO4上で乾燥され、真空中で濃縮された。未加工の生成物は、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中0〜30%の酢酸エチル)によって精製され、茶色の固体としてtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−4−メチルフェニル(メチル)カルバマート(187)(2.1g、100%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)551.1.
MeOH(30mL)中でtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−4−メチルフェニル(メチル)カルバマート(187)(0.8g、1.45ミリモル)の混合物に、Pd(OH)2/C(800mg、20重量%)と3滴の濃塩酸を追加した。結果として生じた混合物は、H2雰囲気下で摂氏6度にて夜通し加熱される前にH2(2X)と共に除去された。その混合物は室温まで冷まされ、セライト・パッドを介して濾過された。濾液は真空中で濃縮され黄色の固体としてtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)を与えるために真空中で濃縮された−4−メチルフェニル(メチル)カルバマート(188)(538mg、100%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)371.0.
無水のDMF(20mL)中のtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−4−メチルフェニル(メチル)カルバマート(188)(538mg、1.45ミリモル)と4A MS(300mg)の混合物に4−フェノキシフェニルボロン酸(934mg、4.4ミリモル)、Cu(OAc)2(265mg、1.4ミリモル)およびピリジン0.7mL(8.7ミリモル)が追加された。結果として生じた混合物は、O2雰囲気下において摂氏37℃で夜通し加熱された。混合物がセライト・パッドを介してろ過された後、濾液は水(80mL)でさらに希釈され、EtOAc(30mLx3)で抽出された。結合した有機質層は、水と塩水で洗浄され、Na2SO4の上で乾燥され、濃縮された。残留物は、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中0〜5%のメタノール))によって精製され、茶色の油としてtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−4−メチルフェニル(メチル)カルバマート(189)(300mg、38%))を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)539.1.
DCM(4mL)中のtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−4−メチルフェニル(メチル)カルバマート(189)(300mg、0.56ミリモル)の溶液にTFA(1mL)の液滴を追加した。反応混合物は濃縮される前に室温で1時間撹拌された。残留物は、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン(0.3%Et3N)中0〜5%のメタノール)によって精製され、茶色の油として6−アミノ−9−(2−メチル−5−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)7H−プリン−8(9H)−オン(190)(244mg、100%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)439.1.
無水アセトニトリル(5mL)中の(E)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)but−2−エン酸塩酸塩(230mg、0.92ミリモル)の懸濁液に、DMF1滴を追加し、続いて(COCl)2(1.0mL、10.6ミリモル)を追加した。結果として生じる混合物は室温で1時間撹拌した。溶媒は蒸発させた。新たに生成された酸塩化物は、乾燥したDCM(2mL)に溶かされ、ついでDCM(5mL)中の6−アミノ−9−(2−メチル−5−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(190)(200mg、0.46ミリモル)の溶液に導入された。反応物がMeOH(2mL)でクエンチされる前に、攪拌は室温で1時間継続された。溶媒が取り除かれ、残留物はカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン(0.3%Et3N)0〜10%中のメタノール)によってあらかじめ精製され、続いて(E)予備のHPLC(RP、C18、水(0.2%のNH3.H2O)中10〜95%のアセトニトリル)によって精製され、白い固体として(N)−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−4メチルフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(191)(14mg、5%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)576.1.1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.05(s、1H)、7.54−7.39(m、5H)、7.37−7.30(m、2H)、7.23−7.10(m、5H)、6.72−6.60、6.06−5.93(m、1H)、5.87(s、2H)、3.24(s、3H)、3.11(d、J=6.2Hz、2H)、2.17(s、3H)、2.12(s、3H)、1.63−1.55(m、1H)、0.36−0.29(m、2H)、0.25−0.19(m、2H).
実施例45:(E)−N−(5−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メチルフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(201)の合成
EtOH(60 mL)中の2−メチル−5−ニトロアニリン(5g、32.86ミリモル)の溶液に、(Boc)2O(9.32g、42.72ミリモル)が追加された。その混合物は室温で24時間撹拌された。黄色の沈殿物がろ過によって集められ、石油エーテルでさらに洗浄され、黄色の固体としてtert−ブチル2−メチル−5−ニトロフェニルカルバマート(192)(6.3g、76%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)253.1.
DMF(80mL)中のtert−ブチル2−メチル−5−ニトロフェニルカルバマート(192)(5g、19.8ミリモル)とCs2CO3(12.9g、39.6ミリモル)の攪拌された懸濁液に、MeI(4.22g、29.7ミリモル)が追加された。その混合物は室温にてN2雰囲気下で5時間撹拌された。その反応物は水(100mL)でクエンチされ、結果として生じる混合物はEA(50mLx3)で抽出された。結合した有機質層は、塩水で洗浄され、Na2SO4の上で乾燥され、真空中で濃縮され、黄色の固体としてtert−ブチルメチル(2−メチル−5−ニトロフェニル)カルバマート(193)(5.1g、97%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)267.2.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル5−アミノ−2−メチルフェニル(メチル)カルバマート(194)(2.66g、100%)は、tert−ブチルメチル(2−メチル−5−ニトロフェニル)カルバマート(193)(3.0g)から出発する淡黄色固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)237.2.
実施例44で記載されたものに類似した方法で(tert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ))−2−メチルフェニル(メチル)カルバマート(195)(5.32g、85%)は、tert−ブチル5−アミノ−2−メチルフェニル(メチル)カルバマート(194)(2.66g)およびN,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4アミン(1)から出発する黄色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)555.6.
実施例44で記載されたものに類似した方法で(tert−ブチル5−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ))−2−メチルフェニル(メチル)カルバマート(196)(2.4g、85%)は、tert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−2−メチルフェニル(メチル)カルバマート(195)(3g)から出発する黄色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)525.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メチルフェニル(メチル)カルバマート(197)(2.3g、100%)は、tert−ブチル5−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2−メチルフェニル(メチル)カルバマート(196)(2.2g)から出発する黄色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)551.2.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル5−(6−アミノ−8−オキソ7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メチルフェニル(メチル)カルバマート(198)(1.33g、100%)は、tert−ブチル5−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メチルフェニル(メチル)カルバマート(197)(2.0g))から出発する淡黄色固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)371.2.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル5−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メチルフェニル(メチル)カルバマート(199)(1.4g、70%)は、tert−ブチル5−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メチルフェニル(メチル)カルバマート(198)(1.3g)および4−フェノキシフェニルボロン酸から出発する淡黄色固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)539.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、6−アミノ−9−(4−メチル−3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル−7H−プリン−8(9H)−オン(200)(質量)が、tert−ブチル5−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル−2−メチルフェニル(メチル)カルバマート(199)(1.4g)から出発する黄色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)439.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、(E)−N―(5−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メチルフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(201)(24mg、18%)は、6−アミノ−9−(4−メチル−3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(200)(100mg)から出発する白い固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)576.1.1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.11(s、1H)、7.71−7.33(m、8H)、7.21−7.12(m、5H)、6.77−6.68(m、1H)、5.87(s、3H)、3.17(s、3H)、2.26−2.09(m、4H)、1.01−0.05(m、4H).
実施例46:(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(211)の合成
EtOH(30mL)中の2−メトキシ−5−ニトロアニリン(2.0g、13ミリモル)の溶液に、Boc無水物(8.6g、39ミリモル)が追加された。結果として生じる混合物はN2雰囲気下で室温にて24時間撹拌された。溶媒は真空中で取り除かれた。残留物は石油エーテルで洗浄され、真空の下で乾燥され、黄色の固体としてtert−ブチル3−メチル−5−ニトロフェニルカルバマート(202)(3.3g、質量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)253.0.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチルメチル(3−メチル−5−ニトロフェニル)カルバマート(203)(3.5g、100%)は、tert−ブチル3−メチル−5−ニトロフェニルカルバマート(202)(3.3g)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)267.2.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−アミノ−5−メチルフェニル(メチル)カルバマート(204)(3.1g、99%)は、tert−ブチルメチル(3−メチル−5−ニトロフェニル)カルバマート(203)(3.5g)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)237.2.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ))―5−メチルフェニル(メチル)カルバマート(205)(6.9g、94%)は、tert−ブチル3−アミノ−5−メチルフェニル(メチル)カルバマート(204)(3.1g)およびN,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)555.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ))−5−メチルフェニル(メチル)カルバマート(206)(6.0g、92%)は、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ−5−メチルフェニル(メチル)カルバマート(205)(6.9g)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)525.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニル(メチル)カルバマート(207)(5.1g、81%)は、tert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−メチルフェニル(メチル)カルバマート(206)(6.0g)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)551.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニル(メチル)カルバマート(208)(807mg、100%)は、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニル(メチル)カルバマート(207)(1.2g)から出発する黄色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)371.2.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニル(メチル)カルバマート(209)(420mg、36%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニル(メチル)カルバマート(208)(807mg)および4−フェノキシフェニルボロン酸(1.58g)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)539.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、6−アミノ−9−(3−メチル−5−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−(7H−プリン−8(9H)−オン(210)(293mg、86%)はtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニル(メチル)カルバマート(209)(420 mg)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)439.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(211)(44mg、12%)は、6−アミノ−9−(3−メチル−5−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(210)(293mg)から出発する白い固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)576.1. 1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.26(HCOOH)、8.11(s、1H)、7.53−7.32(m、6H)、7.23−7.09(m、6H)、6.73−6.60(m、1H)、6.01(d、J=15.4Hz、1H)、5.86(s、2H)、3.25(s、3H)、3.12(d、J=6.4Hz、2H)、2.38(s、3H)、2.12(s、3H)、1.65−1.55(m、1H)、0.37− 0.28(m、2H)、0.24−0.16(m、2H).
実施例47:(E)−N−4−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(224)の合成
無水アセトン(20mL)中の3−メトキシ−5−ニトロ安息香酸(2.12g、10.7ミリモル)およびK2CO3(1.68g、12.2ミリモル)の還流溶液に、硫酸ジメチル(2mL)が30分間に亘って液滴状に追加された。反応混合物は夜通し還流され、室温まで冷却された。溶媒は真空中で取り除かれた。結果として生じる固体は水で洗浄され、真空中で乾燥され、黄色の固体としてメチル3−メトキシ−5−ニトロベンゾアート(212)(2.3g、質量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)212.1.
メタノール(20mL)中のメチル3−メトキシ−5−ニトロベンゾアート(212)(2.3g、11ミリモル)の溶液に、水性の水酸化アンモニウム(25mL)が追加された。その混合物は3日間室温にてシールド管内で撹拌され、ついで真空中で濃縮された。結果として生じる固体はろ過され、水で洗浄され、真空中で乾燥され、茶色の固体として3−メトキシ−5−ニトロベンズアミド(213)(2.1g、質量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)197.1.
摂氏0度の水(50mL)のNaOH(6g、150ミリモル)溶液に、ブロモ原液(4.8g、30ミリモル)を液滴の状態で加えた。この調製した水性のNaOBr(21mL)の一部は、メタノール(60mL)中の3−メトキシ−5−ニトロベンズアミド(213)(2.0g、10ミリモル)の溶液にゆっくり移された。攪拌は室温で1.5時間継続された。溶媒は減圧下で取り除かれた。固体の残留物は水(60mL)中のNaHCO3(1.2g)の溶液で再融解され、80°Cで加熱され、2時間撹拌された。3−メトキシ−5−ニトロアニリン(214)(1.0g、59%)を産出するために、オレンジの沈殿物が濾過によって集められた。LC−MS(ESI):m/z(M+1)169.0.
実施例46で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−メトキシ−5−ニトロフェニルカルバマート(215)(710mg、44%)が、3−メトキシ−5−ニトロアニリン(214)(1.0g)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)269.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−メトキシ−5−ニトロフェニル(メチル)カルバマート(216)(733mg、100%)は、tert−ブチル3−メトキシ−5−ニトロフェニルカルバマート(215)(700mg)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)283.2.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−アミノ−5−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(217)(655mg、100%)は、tert−ブチル3−メトキシ−5−ニトロフェニル(メチル)カルバマート(216)(733mg)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)253.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−5−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(218)(800mg、54%)は、tert−ブチル3−アミノ−5−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(217)(655mg)およびN,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4アミン(1)(922mg)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)571.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(219)(750mg、100%)は、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−5−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(218)(800mg)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)541.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(220)(540mg、68%)は、で記載されたものに類似した方法でtert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(219)(750mg)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)567.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(221)(300mg、82%)は、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(220)(540mg)から出発する黄色の固体として調製された 。LC−MS(ESI):m/z(M+1)387.2.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル))−5−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(222)(230mg、54%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(221)(300mg)および4−フェノキシフェニルボロン酸(500mg)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)555.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、6−アミノ−9−(3−メトキシ−5−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(223)(129mg、67%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(222)(230mg)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)455.1.
実施例44で記載されたものに類似した方法で、(E)−N―(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(224)(69mg、12%)は、6−アミノ−9−(3−メトキシ−5−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(223)(129mg)から出発する白い固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)592.1. 1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.27(HCOOH)、7.51−7.39(m、4H)、7.27(s、1H)、7.21− 7.11(m、6H)、6.75− 6.61(m、1H)、6.04(d、J=15.2Hz、1H)、5.87(s、2H)、6.96(s、1H)、8.11(s、1H)、3.80(s、3H)、3.26(s、3H)、3.13(d、J=6.5Hz、2H)、2.12(s、3H)、1.64−1.55(m、1H)、0.38−0.27(m、2H)、0.25−0.16(m、2H).
実施例48:(E)−N(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチル−4−(メチルアミノ)ブト−2−エナミド塩酸塩(229)の合成
摂氏0度のTHF(50mL)中のメタンアミン(MeOH、20mL、56ミリモル、33%)およびK2CO3(11g、80ミリモル)の懸濁液に、(E)−メチル4−ブロモbut−2−エノアート(5g、28ミリモル)が追加された。結果として生じる混合物が3時間の0℃にて撹拌された後、反応溶液がろ過された。濾液は真空中で濃縮され、残留物は、DCM(50mL)、Et3N(7.7mL、56ミリモル)に溶かされ、(Boc)2O(7.32g、33.6ミリモル)が追加された。結果として生じる混合物が、水(50mL)が導入される前に室温で2時間撹拌された。層が分離され、水相はDCM(20mLX2)で抽出された。結合した有機質層は、塩水で洗浄され、Na2SO4の上に乾燥され、真空中で濃縮された。残留物はカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中0〜50の酢酸エチル)によって精製された−黄色の油として(E)−メチル4−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)but−2−エノアート(225)(3g、2工程収量47%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)230.1.
摂氏0度でTHF(60mL)中の(E)−メチル4−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)but−2−エノアート(225)(6.1g、26.6ミリモルの溶液が、N2雰囲気下で水(20mL)における水酸化リチウム一水和物(1.68g、43.6ミリモル)の溶液が15分間液滴状に加えられた。結果として生じる混合物は3時間0℃にて撹拌された。その後、冷水(150mL)および石油エーテル(200mL)が導入され、攪拌が10分間0℃にて継続された。層が分離された。水層は、pH4まで0℃の濃塩酸で注意深く酸性化され、DCM(80mLX3)で抽出された。結合した有機抽出物は、Na2SO4の上で乾かされ、ろ過され、減圧下で蒸発され、黄色の油として(E)−4−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)but−2−エノアート(226)(3.5g、61%産出)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M−1)214.1.
摂氏0度の無水DCM(3mL)中の(E)−4−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)but−2−エノアート(226、200mg、0.93ミリモル)の懸濁液に0℃のDMFの液滴を追加したのち、(COCl)2(0.4 mL、0.93ミリモル)を追加した。結果として生じる混合物は1時間室温で撹拌された。その後、溶媒を蒸発させた。新たに生成された酸塩化物(227)は、無水DCM(2mL)に溶かされ、ついでDCM(3mL)の6−アミノ−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(32)(197mg、0.465ミリモル)の溶液に導入された。反応混合物が1時間室温で撹拌された後、反応はMeOH(2mL)でクエンチされた。溶媒が取り除かれ、残留物は予備のTLC(DCM/MeOH=8/1(v/v))によって精製され、白い固体として(E)−tert−ブチル4−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)(メチル)(アミノ)−4−オキソブート−2−エニル(メチル)カルバマート(228)(120mg、42%の収量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)622.1.
摂氏0度のMeCN(2mL)中の(E)―tert−ブチル4−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)(メチル)(アミノ)―4−オキソbut−2−エニル(メチル)カルバマート(228)(100mg、0.16ミリモル)の溶液に、HCl(濃塩酸0.3mL)が加えられた。その混合物は1時間0℃にて撹拌され、溶媒が真空中で取り除かれ、凍結乾燥によって白い固体として(E)−N(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチル−4−(メチルアミノ)ブト−2−エナミド(229)(75mg、89%の収量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)522.0.1H NMR(400MHz、DMSO)δ9.20(br、2H)、8.33(s、1H)、7.69−7.57(m、3H)、7.51(d、J=8.8Hz、2H)、7.46−7.38(m、3H)、7.23−7.11(m、5H)、6.74−6.64、6.36−6.16(m、1H)、3.60(d,J=5.7Hz、2H)、3.31(s、3H)、2.44−2.35(m、3H).
実施例49:(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(234)の合成
MeCN(40mL)中の4ブロモフェノール(3.7g、21.4ミリモル)およびK2CO3(4g、29.1ミリモル)の懸濁液に、(ブロモメチル)ベンゼン(3.66g、21.4ミリモル)が追加された。結果として生じる混合物は室温で夜通し撹拌された。固体はろ過され、濾液は真空中で濃縮され、黄色の油として未加工の1−(ベンジルオキシ)−4−ブロモベンゼン(230)(5.2g、92%の収量)得た。
−78℃においてN2雰囲気下で攪拌された無水THF(20mL)中の1−(ベンジルオキシ)−4−ブロモベンゼン(230)(1.5g、6ミリモル)の溶液が5分間に亘ってシュリンジによってn−BuLi(2.5M、3.1mL、7.8ミリモル)が追加された。トリイソプロピル・ホウ酸塩(1.5mL)が導入される前に、同一の温度で20分間攪拌が継続された。その後、反応は室温までゆっくり加熱され、3時間にわたって1NのHCl(5mL)でクエンチされた。層が分離された。水層は酢酸エチル(30mLx2)で抽出された。結合した有機質層は塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、蒸発した。残留物はPEとEt2Oで洗浄され、白い固体として4−(ベンジルオキシ)フェニルボロン酸(231)(1g、73%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M−1)227.1.
無水DMF(15mL)中のtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(24)(500mg、1.4ミリモル)および4A MS(500mg)の混合物に、4−(ベンジルオキシ)のフェニルボロン酸(231)(800mg、3.5ミリモル)、Cu(OAc)2(255mg、1.4ミリモル)およびピリジン670 mg、8.4ミリモル)が追加された。反応混合物は、O2雰囲気下で40℃にて夜通し加熱された。反応が終わった後、油浴が除去された。その後、その反応は室温まで冷却された。そして、NH3.H2O(3 mL)でクエンチされた。溶媒は真空中で蒸発させた。残留物はカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中0〜50%の酢酸エチル)によって精製され、黄色の固体としてtert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(232)(365mg、48%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)539.2.
DCM(8mL)中のtert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(ベンジルオキシ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(232)(365mg、0.678ミリモル)の溶液に、TFA(2mL)を液滴状に追加した。残留物が結果として生じた混合物を濃縮される前に1時間室温で撹拌した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル(塩化メチレン(0.3%のEt3N、0〜5%のメタノール)によって精製して、黄色の油として6−アミノ−7−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(233)(質量)を産出した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)439.2.
実施例48で記載されたものに類似した方法で、(E)−N―(3−(6−アミノ−7−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−8−オキソ7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(234)(50mg、38%)が、6−アミノ−7−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)―7H−プリン−8(9H−オン(233)(100mg)から出発する白い固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)576.2.1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.10(s、1H)、7.71−7.55(m、3H)、7.49−7.38(m、6H)、7.37−7.30(m、2H)、7.20(d、J=8.9Hz、2H)、6.68(dt、J=15.1と6.5Hz、1H)、6.00(d、J=14.1Hz、1H)、5.68(br、2H)、5.17(s、2H)、3.27(s、3H)、3.12(d、J=5.6Hz、2H)、2.12(s、3H)、1.67−1.52(m、1H)、0.36−0.29(m、2H)、0.25−0.16(m、2H).
実施例50:(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)―8−オキソ7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(239)の合成
実施例49で記載されたものに類似した方法で、1−(4−ブロモフェノキシ)メチル)−3−メチルベンゼン(235)(3.2g、100%)が4−ブロモフェノール(2g)および1−(ブロモメチル)−3−メチルベンゼン(2.14g)から出発する黄色の油として調製された。
実施例49で記載されたものに類似した方法で、4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニルボロン酸(236)(1.1g、100%)は1−((4−ブロモフェノキシ)メチル)−3−メチルベンゼン(235)(1.5g)から出発する白い固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M−1)241.1.
実施例49で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(237)(370mg、48%)が、3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(24)(500mg)および4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニルボロン酸(236)(850mg)から出発する黄色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M−1)553.2.
実施例49で記載されたものに類似した方法で、6−アミノ−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(238)(100mg、100%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(237)(120mg)から出発する黄色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M−1)453.2.
実施例48で記載されたものに類似した方法で、(E)−N―(3−(6−アミノ−7−(4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)―8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(239)(50 mg、39%)は、6−アミノ−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)―7H−プリン−8(9H)−オン(238)(100mg)から出発する白い固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)590.2.1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.10(s、1H)、7.72−7.54(m、3H)、7.45(d、J=8.9Hz、2H)、7.37−7.23(m、4H)、7.21の−7.11(m、3H)、6.74−6.62、6.08の−5.89(m、1H)、5.68(br、2H)、5.13(s、2H)、3.27(s、3H)、3.12(d、J=5.9Hz、2H)、2.32(s、3H)、2.12(s、3H)、1.64−1.54(m、1H)、0.35−0.29(m、2H)、0.24− 0.16(m、2H).
実施例51:(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニル)―8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4‐(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(244)の合成
実施例49で記載されたものに類似した方法で、1−((4−ブロモフェノキシ))メチル)−3−フルオロベンゼン(240)(3.2g、100%)は、4−ブロモフェノール(2g)および1−(ブロモメチル)−3−フルオロベンゼン(2.2g)から出発する黄色の油として調製された。
実施例49で記載されたものに類似した方法で4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニルボロン酸(241)(400mg、31%)は、1−((4−ブロモフェノキシ)メチル)−3−フルオロベンゼン(240)(1.5g)から出発する淡黄色油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M−1)245.1.
実施例49で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(242)(300mg、39%)は、3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(24)(500mg)および4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニルボロン酸(241)(400mg)から出発する黄色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M−1)557.2.
実施例49で記載されたものに類似した方法で、6−アミノ−9−(3−(フルオロアミノ)フェニル)−7−(4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(243)(100mg、100%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(242)120 mg)から出発する黄色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M−1)457.2.
実施例48で記載されたものに類似した方法で、(E)−N―(3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニル)―8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(244)(50 mg、38%)は、6−アミノ−9−(3−(フルオロアミノ)フェニル)−7−(4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)―7H−プリン−8(9H)−オン(243)(100mg)から出発する白い固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)594.1.1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.10(s、1H)、7.68−7.56(m、3H)、7.51−7.41(m、3H)、7.35−7.28(m、3H)、7.23−7.12、6.73−6.63(m、1H)、6.08−5.92(m、1H)、5.69(s、2H)、5.20(s、2H、3.27(s、3H)、3.11(d、J=6.4Hz、2H)、2.11(s、3H)、1.63−1.56(m、1H)、0.35−0.29(m、2H)、0.23− 0.16(m、2H)。
実施例52:(E)−N(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチル−3−(ピリジン−2−イル)アクリルアミド(247)の合成
ピリジン−2−カルバルデヒド(5.0g、46.7mmol)、マロン酸(4.8g、46.1mmol)、ピリジン(10mL)およびピペリジン(0.05mL)の溶液は2時間100℃で加熱され、ついで室温で10時間攪拌した。その後、反応混合物は6N HClでpH〜4に酸性化した。生成された沈殿物は、濾過によって集められた。冷水で洗浄され、ポンプで乾燥した後、白い固体(2.3g、35%)として(E)−3−(ピリジン−2−イル)アクリル酸(245)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)150.2.
実施例5で記載されたものに類似した方法で、(E)−N―(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)―N−メチル−3−(ピリジン−2−イル)アクリルアミド(247)(52 mg、20%)は、(E)−3−(ピリジン−2−イル)アクリル酸(140 mg)および6−アミノ−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン)(32)(200mg)から出発する淡黄色油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M−1)556.1.1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.53(d、J=4.4Hz、1H)、8.04(s、1H)、7.87−7.78(m、1H)、7.75−7.68(m、2H)、7.66−7.54(m、3H)、7.50(d、J=8.8Hz、2H)、7.45−7.38、7.36、7.30(m、1H)、7.22−7.10(m、5H)、7.07−6.96(m、1H)、5.91(br、2H)、3.35(s、3H)。
実施例53:(E)−N(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニル−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エナミド(255)の合成
THF/MeOH/H2O(24mL/12mL/6 mL)中のtert−ブチル3−メチル−5−ニトロフェニルカルバマート(202)(1.47g、5.8ミリモル)の溶液に、鉄粉末(3.28g、58ミリモル)およびNH4Cl(6.32g、117ミリモル)を追加した。結果として生じる混合物はN2の下で5時間50℃にて加熱された。室温まで冷却した後、反応混合物はセライトのパッドによってろ過された。濾液はEtOAc(50mLx3)で抽出され、結合した有機抽出物は水と塩水で洗浄され、Na2SO4の上に乾燥され、真空中で濃縮され、茶色の固体としてtert−ブチル3−アミノ−5−メチルフェニルカルバマート(248)(0.9g、75%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)223.1.
ジオキサン(30 mL)中のtert−ブチル3−アミノ−5−メチルフェニルカルバマート(248)(0.9g、4.0ミリモル)およびTEA(1.1mL、8ミリモル)の溶液に、N,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1)(1.4g、4.0ミリモル)が追加された。結果として生じる混合物は室温まで冷まされる前に、N2下で70℃にて夜通し加熱され、水(50mL)でクエンチされ、EtOAc(50mLx3)で抽出された。結合した有機抽出物は塩水で洗浄され、Na2SO4の上に乾燥され、真空中で濃縮された。未加工の生成物は、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,石油エーテル中0〜20%の酢酸エチル)によって精製され、茶色の油としてtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−5−メチルフェニルカルバマート(249)(1.8g、82%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)541.1.
THF/MeOH/H2O(24mL/12mL/6mL)中のtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)―5−メチルフェニルカルバマート(249)(1.8g、3.3ミリモル)の溶液に鉄粉末(1.87g、33ミリモル)およびNH4Cl(3.6g、67ミリモル)が追加された。結果として生じる懸濁液はN2下で5時間50℃にて加熱された。室温まで冷まされた後、反応混合物はセライトのパッドによってろ過された。濾液はEtOAc(50mLX3)で抽出され、結合した有機抽出物は水と塩水で洗浄され、Na2SO4の上で乾燥され、また真空中で濃縮された。tert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−メチルフェニルカルバマート(250)(1.56g、92%)は茶色の油として得られた。LC−MS(ESI):m/z(M−1)511.0.
0℃にてN2雰囲気下で無水DCM(10mL)中のtert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−メチルフェニルカルバマート(250)(1.56g、3.0ミリモル)及びTEA(0.85mL(6.1ミリモル)の攪拌された溶液に、無水DCM(20 mL)中のトリホスゲン(456mg、1.5ミリモル)の溶液を液滴状に1時間にわたって追加した。水(100mL)でクエンチされる前に、攪拌が1時間継続された。層が分離された。有機質層は水と塩水で洗浄され、Na2SO4上で乾燥され、真空中で濃縮された。未加工の生成物は、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の0〜30%の酢酸エチル)によって精製され、茶色の固体としてtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニルカルバマート(251)(1.6g、質量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)537.1.
MeOH(30mL)中のtert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニルカルバマート(251)(1.6g、3.0ミリモル)の混合物に、Pd(OH)2/C(1.6g、20重量%)および3滴の濃塩酸が追加された。H2雰囲気下で、60℃まで夜通し加熱される前に、結果として生じた混合物はH2(2X)で除去された。その混合物は室温まで冷却され、セライト・パッドで濾過された。濾液は真空中で濃縮され、黄色の固体としてtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニルカルバマート(252)(1.04g、97%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)357.0.
実施例46で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル))−5−メチルフェニルカルバマート(253)(350mg、46%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニルカルバマート(252)(520mg)および4−フェノキシフェニルボロン酸(938mg)から調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)525.1.
実施例46で記載されたものに類似した方法で、6−アミノ−9−(3−アミノ−5−メチルフェニル−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(254)(230mg、81%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニルカルバマート(253)(350mg)から調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)425.1.
無水アセトニトリル(5mL)中の(E)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)but−2−エン酸塩化水素塩(207mg、1.1ミリモル)の懸濁液にDMFの1滴が追加され、ついで(COCl)2(1.0mL(10.6ミリモル))が追加された。結果として生じる混合物は1時間間室温で撹拌された。溶媒は蒸発させた。新たに生成された酸塩化物は、乾燥したDCM(2 mL)に溶かされ、次に、DCM(5 mL)中の6−アミノ−9−(3−アミノ−5−メチルフェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(254)(230mg、0.54ミリモル)の溶液に導入された。MeOH(2mL)でクエンチされる前に、攪拌は1時間室温で継続された。溶媒が取り除かれ、残留物はカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン(0.3%Et3N)中0〜10%のメタノール)によってあらかじめ精製され、予備のHPLC(RP、C18、水(0.2%NH3.H2O)中10〜95%のアセトニトリル)で精製され、白い固体として(E)−N(3−6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−5‐メチルフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エナミド(255)(45mg、15%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)562.1.1H NMR(400MHz、DMSO)δ10.18(s、1H)、7.56−7.47(m、3H)、7.43(t、J=7.9Hz、2H)、7.24−7.07(m、6H)、6.81−6.70(m、1H)、6.22(d、J=15.3Hz、1H)、8.09(s、1H)、7.77(s、1H)、5.81(s、2H)、3.29−3.25(m、2H)、2.33(s、3H)、2.25(s、3H)、1.77−1.68(m、1H)、0.46−0.38(m、2H)、0.34− 0.27(m、2H).
実施例54:(E)−N(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニル−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エナミド(263)の合成
実施例53で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−アミノ−5−メトキシフェニルカルバマート(256)(2.19g、97%)は、tert−ブチル3−メトキシ−5−ニトロフェニルカルバマート(215)(2.54g)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)239.0.
実施例53で記載されたものに類似した方法で(tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ))−5−メトキシフェニルカルバマート(257)(3.35g、65%)は、tert−ブチル3−アミノ−5−メトキシフェニルカルバマート(256)(2.19g)およびN,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1)(3.3g)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)557.1.
実施例53で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ))−5−メトキシフェニルカルバマート(258)(750mg、100%)は、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イルアミノ)−5−メトキシフェニルカルバマート(257)(800mg)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)527.1.
実施例53で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニルカルバマート(259)(1.2g、37%)は、tert−ブチル3−(5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−メトキシフェニルカルバマート(258)(3.12g)から出発する茶色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)553.1.
実施例53で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニルカルバマート(260)(787mg、97%)は、tert−ブチル3−(6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニルカルバマート(259)(1.2g)から出発する黄色の固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)373.2.
実施例53で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニルカルバマート(261)(236mg、54%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニルカルバマート(260)(300mg)および4−フェノキシフェニルボロン酸(600mg)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)541.1.
実施例53で記載されたものに類似した方法で、6−アミノ−9−(3−アミノ−5−メトキシフェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(262)(192mg、100%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニルカルバマート(261)(236mg)から出発する茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)441.1.
実施例53で記載されたものに類似した方法で、(E)−N―(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エナミド(263)(54 mg、21%)は、6−アミノ−9−(3−アミノ−5−メトキシフェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(262)(192 mg)から出発する白い固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)577.8.1H NMR(400MHz、DMSO)δ10.23(s、1H)、8.10(s、1H)、7.59−7.48(m、3H)、7.47−7.37(m、3H)、7.25−7.07(m、5H)、6.96−6.89、6.82−6.71(m、1H)、6.22(d、J=15.4Hz、1H)、5.82(s、2H)、3.76(s、3H)、3.28の(d、J=6.2Hz、2H)、2.25(s、3H)、1.79−1.66(m、1H)、0.46−0.39(m、2H)、0.34の−0.28(m、2H)。
実施例55:(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(4−(4‐ヒドロキシフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(269)の合成
乾燥したDCM(20mL)中の4−ブロモフェノール(760mg、4.4ミリモル)および4A MS(500mg)の混合物に、4−メトキシフェニルボロン酸(1.0g、6.6ミリモル)、Cu(OAc)2(798mg、4.4ミリモル)およびピリジン(2.1mL、26ミリモル)が追加された。反応混合物は、O2雰囲気下で37℃にて夜通し加熱され、次に、セライト・パッドによってろ過された。濾液は水(80mL)で希釈され、DCM(50mLx3)で抽出された。結合した有機抽出物は、水と塩水で洗浄され、Na2SO4上で乾燥され、濃縮された。残留物は、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,塩化メチレン中0〜10%の酢酸エチル)によって精製され、黄色の固体として1−ブロモ−4−(4−メトキシフェノキシ)ベンゼン(264)(1.2g、質量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M/M2)278.9/276.9。
−78℃においてN2雰囲気下で無水THF(20mL)中の1−ブロモ−4−(4−メトキシフェノキシ)ベンゼン(264)(1.2g、4.3ミリモル)の攪拌された溶液に、30分間液滴状にブチルリチウム(2.2mL、5.6ミリモル、ヘキサン中2.5M)が追加された。トリイソプロピル・ホウ酸塩(2.0mL、8.6ミリモル)が導入される前に、結果として生じる混合物は−78℃にて1時間継続された。攪拌はさらに1時間間継続された。その後、反応は、室温までゆっくりと加熱され、1N HCl(30mL)でクエンチされ、重量の半分まで真空中で濃縮された。結果として生じる混合物はEtOAc(50mLx3)で抽出された。結合した有機抽出物は、塩水で洗浄され、Na2SO4上に乾燥され、真空中で濃縮された。未加工の生成物は石油エーテルで洗浄され、真空下で乾燥され、白い固体として4−(4−メトキシフェノキシ)フェニルボロン酸(265)(1.05g、質量)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M−1)243.0.
実施例5で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−4−(4−メトキシフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(266)(320mg、38%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8オキソ−7H−プリン9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(24)(535 mg、1.5ミリモル)および4−(4−メトキシフェノキシ)フェニルボロン酸(265)(1.05 g)から調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)555.1.
実施例5で記載されたものに類似した方法で、6−アミノ−7−(4−(4−メトキシフェノキシ)フェニル)−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(267)(223mg、85%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(4−メトキシフェノキシ)フェニル)−8−オキソ7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(266)(320 mg)から調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)455.1.
実施例53で記載されたものに類似した方法で、(E)−N―(3−(6−アミノ−7−(4−(4−メトキシフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(268)(230mg、79%)は、6−アミノ−7−(4−(4−メトキシフェノキシ)フェニル)−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)―7H−プリン−8(9H)−オン)から出発する黄色の固体として調製された。(267)(223mg)。LC−MS(ESI):m/z(M+1)592.1.
−78℃のN2雰囲気下で無水DCM(8mL)中の(E)−N―(3−(6−アミノ−7−4−(4−メトキシフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(268)(230 mg、0.39ミリモル)の攪拌された溶液に、液滴状にBBr3(0.19 mL、2.0ミリモル)が追加された。ゆっくり室温まで加熱させる前に、結果として生じる混合物は−78℃で1時間撹拌され、氷水でクエンチされ、pH6〜7まで炭酸ナトリウム溶液で塩基化された。溶液は真空中で濃縮され、残留物は予備のHPLC(RP、C18、水(0.2%のNH3.H2O)中10〜95%のアセトニトリル)によって精製され、白い固体として(E)−N−(3−(6−アミノ−7−4−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(269)(32 mg、14%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)578.1. 1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.23(s、1H)、8.10(s、1H)、7.70−7.53(m、3H)、7.44(d、J=8.8Hz、2H)、7.33(d、J=7.7Hz、1H)、7.10−6.91(m、4H)、6.80(d、J=8.9Hz、2H)、6.74−6.60(m、1H)、6.07−5.91(m、1H)、5.78(s、2H)、3.27(s、3H)、3.11(d、J=6.4Hz、2H)、2.11(s、3H)、1.64−1.54(m、1H)、0.37−0.25(m、2H)、0.25− 0.14(m、2H)。
実施例56:(E)−N(4−(6−アミノ−9−(3−(4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド)フェニル)−8−オキソ−8,9−ジヒドロ−7H−プリン−7−イル)フェニル)ベンズアミド(274)の合成
0℃のN2雰囲気下で無水DCM(30mL)中の4−ブロモアニリン(4.7g、27ミリモル)およびTEA(3.8mL、27ミリモル)の攪拌された溶液に、塩化ベンゾイル(3.8mL、33ミリモル)が液滴状に追加された。MeOH(10mL)でクエンチされる前に、攪拌は室温にて1時間継続された。結果として生じる混合物は真空中で濃縮された。未加工の生成物はエーテルと水で洗浄され、真空中で乾燥され、白い固体としてN−(4−ブロモフェニル)ベンズアミド(270)(7.0g、93%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M/M+2)276.0/278.0。
実施例55で記載されたものに類似した方法で、4−ベンズアミドフェニルボロン酸(271)(0.73g、42%)は、黄色の固体としてN−(4−ブロモフェニル)ベンズアミド(270)(2.0g)から調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)242.1.
実施例5で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−ベンズアミドフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(272)(227mg、73%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(24)(200mg)および4−ベンズアミドフェニルボロン酸(271)(406mg)から調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)552.1.
実施例5で記載されたものに類似した方法で、N−(4−(6−アミノ−9−3−(メチルアミノ)フェニル)−8−オキソ−8、9−ジヒドロ−7H−プリン−7−イル)フェニル)ベンズアミド(273)(186mg、100%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−ベンズアミドフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(272)(227mg)から調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)452.1.
実施例53で記載されたものに類似した方法で、(E)−N―(4−(6−アミノ−9−(3−(4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド)フェニル)−8−オキソ−8、9−ジヒドロ7H−プリン−7−イル)フェニル)ベンズアミド(274)(85mg、35%)は、N―(4−(6−アミノ−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−8−オキソ−8、9−ジヒドロ−7H−プリン−7−イル)フェニル)ベンズアミド(273)(186mg)から出発する白い固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)589.1.1H NMR(400MHz、DMSO)δ10.49(s、1H)、8.03−7.93(m、4H)、7.68(d、J=8.8Hz、1H)、7.64−7.45(m、7H)、7.39−7.29(m、1H)、6.78−6.57(m、1H)、6.01(d、J=14.9Hz、1H)、8.12(s、1H)、5.77(s、2H)、3.28(s、3H)、3.12(d、J=6.2Hz、2H)、2.12(s、3H)、1.66−1.53(m、1H)、0.36−0.29(m、2H)、0.24−0.18(m、2H).
実施例57:(E)−4−(6−アミノ−9−(3−(4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド)フェニル)−8−オキソ−8、9−ジヒドロ−7H−プリン−7−イル)−N−フェニルベンズアミド(280)の合成
SOCl2(40mL)中の4−ブロモ安息香酸(4.02g20ミリモル)の懸濁液は、加熱されて1時間還流した。過剰のSOCl2が減圧下で除去され、0℃の2雰囲気下でDCM(10mL)中のアニリン(1.86g、20ミリモル)およびTEA(1mL)の溶液へ導入される前に、残留物はDCM(10mL)で希釈された。結果として生じる混合物は室温で夜通し撹拌された。ついで、1N NaOH(30mL)で冷却された。層は分離され、有機層は1N HCl(30 mL)(H2O)で洗浄され、Na2SO4上で乾燥され、濃縮され、白い固体として4−ブロモ−N−フェニルベンズアミド(275)(4.47g、81%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M/M+2)274.0/276.0。
ジオキサン(100mL)中の4−ブロモ−N−フェニルベンズアミド(4.47g、16.188ミリモル)、4−ブロモ−N−フェニルベンズアミド(4.11g、16.188ミリモル)、Pd(dppf)Cl2.DCM(397mg、0.486ミリモル)およびKOAc(4.766g、48.564ミリモル)の懸濁液は、N2(3X)でパージされた。その後、反応混合物は、90℃で夜通し撹拌された。溶媒は蒸発され、残留物はフラッシュ・クロマトグラフィー(シリカゲル、PE/DCM(1/1)中0〜10%のEA)によって直接精製され、黄色の固体としてN−フェニル−4−(4、4、5、5−テトラメチル−1、3、2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアミド(276)(5.4g、100%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)324.1.
THF/H2O(40mL/8mL)中のN−フェニル−4−(4、4、5、5−テトラメチル−1、3、2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアミド(1.94g、6ミリモル)の溶液に、NaIO4(7.70g、36ミリモル)が追加された。結果として生じる混合物はEA(30mL)およびH2O(30mL)で希釈される前に夜通し室温で撹拌された。生成物は85%のDCM/IPA(100mL)で抽出された。有機抽出物はNa2SO4上で乾燥された。ろ過され、濃縮された。残留物は、フラッシュ・クロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜50%のEA)によって精製され、4−(フェニルカルバモイル)フェニルボロン酸(277)(816mg、56%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M−1)240.0.
実施例7で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−(フェニルカルバモイル)フェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(278)(225mg、41%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(24)356mg)および4−(フェニルカルバモイル)フェニルボロン酸(241mg)から黄色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)551.8.
実施例7で記載されたものに類似した方法で、(E)−4−(6−アミノ−9−(3−(4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド)フェニル)−8−オキソ−8、9−ジヒドロ−7H−プリン−7−イル)−N−フェニルベンズアミド(280)(75mg、37%)はtert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−(フェニルカルバモイル)フェニル)―7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(278)(225mg)から出発する2つの工程での白い固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)589.1.1H NMR(400MHz、DMSO)δ10.37(s、1H)、9.52(br、1H)、8.21−8.11(m、3H)、7.79(d、J=8.2Hz、2H)、7.71(d、J=8.4Hz、1H)、7.67−7.58(m、4H)、7.43−7.32(m、3H)、7.11(t,J=7.4Hz,1H)、6.70(dt、J=14.9と7.4Hz、1H)、6.48−6.24(m、1H)、6.03(s、2H)、3.94(s、2H)、3.32(s、3H)、2.75(s、4H)、0.94−0.64(m、4H).
実施例58:(E)−N(3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(285)の合成
実施例40で記載されたものに類似した方法で、4−ブロモ−2−メトキシ−1−フェノキシベンゼン(281)(1.6g、78%)は、4−ブロモ−2−メトキシフェノール(1.5g)から調製された。
実施例40で記載されたものに類似した方法で、3−メトキシ−4−フェノキシフェニルボロン酸(282)(488mg、56%)は、4−ブロモ−2−メトキシ−1−フェノキシベンゼン(281)(1.0g)から調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)243.1.
実施例40で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−3−メトキシ−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(283)(342mg、44%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(24)(500mg)および3−メトキシ−4−フェノキシフェニルボロン酸(282)(488mg)から調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)555.2.
実施例40で記載されたものに類似した方法で、6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−フェノキシフェニル)−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(284)(質量)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(283)(170mg)から調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)455.2.
実施例40で記載されたものに類似した方法で、(E)−N―(3−(6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(285)(118 mg、66%)は、6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−フェノキシフェニル)−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7H−プリン−―8(9H)−オン(284)(136mg)から出発する白い固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)592.3.1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.12(s、1H)、7.73−7.53(m、3H)、7.33(d、J=14.1、5.4Hz、4H)、7.15(d、J=8.4Hz、1H)、7.10−7.03(m、2H)、6.73−6.63(m、1H)、6.99(d、J=7.7Hz、2H)、6.06 − 5.92(m、3H)、3.76(s、3H)、3.28(s、3H)、3.12(d、J=5.9Hz、2H)、2.12(s、3H)、1.64− 1.55(m、1H)、0.35の− 0.28(m、2H)および0.24− 0.17(m、2H).
実施例59:(E)−N(3−(6−アミノ−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(290)の合成
実施例55で記載されたものに類似した方法で、1−ブロモ−2−メチル−4−フェノキシベンゼン(286)(8.0g、95%)は、4−ブロモ−3−メチル・フェノール(6.0g)およびフェニルボロン酸(11.7g)から黄色の液体として調製された。
実施例55で記載されたものに類似した方法で2−メチル−4−フェノキシフェニルボロン酸(287)(3.0g、87%)は、1−ブロモ−2−メチル−4−フェノキシベンゼン(286)(4.0g)から白い固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M−1)226.0.
実施例5で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(288)(350mg、52%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(24)(450mg)および2−メチル−4−フェノキシフェニルボロン酸(287)(861mg)から茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)539.1.
実施例5で記載されたものに類似した方法で、6−アミノ−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(289)(195mg、68%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(288)(350mg)から茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)439.1.
実施例53で記載されたものに類似した方法で、(E)−N―(3−(6−アミノ−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(290)(18 mg、7%)は、6−アミノ−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(289)(195mg)から出発する白い固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)576.1.1H NMR(400MHz、DMSO)δ9.46(s、1H)、8.13(s、1H)、7.80−7.53(m、3H)、7.46−7.37(m、3H)、7.24−7.11(m、3H)、7.08(d、J=2.6Hz、1H)、6.96(d、J=8.5、2.8Hz、1H)、6.74−6.63(m、 1H)、6.39−6.23(m、1H)、5.72(s、2H)、4.02−3.85(m、2H)、2.84−2.64(m、4H)、2.16(s、3H)、0.91−0.64(m、4H)、3.31(s、3H).
実施例60:(E)−N(3−(6−アミノ−7−(4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―N−メチルブト−2−エナミド(295)の合成
実施例49で記載されたものに類似した方法で、1−(ベンジルオキシ)−4−ブロモ−2−メトキシベンゼン(291)(1.44g、質量)は、4−ブロモ−2−メトキシフェノール(1g)および(ブロモメチル)ベンゼン(0.93g)から調製された。
実施例49で記載されたものに類似した方法で、4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニルボロン酸(292)(410mg、59%)は1−(ベンジルオキシ)−4−ブロモ−2−メトキシベンゼン(291)(800mg)から調製された。LC−MS(ESI):m/z(M−1)257.1.
実施例7で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(293)(324mg、37%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(24)(550mg)および4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニルボロン酸(292)(400 mg)から調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)569.3.
実施例49で記載されたものに類似した方法で、6−アミノ−7−(4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル)−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(294)(質量)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(293)(170mg)から調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)469.3.
実施例7で記載されたものに類似した方法で、(E)−N―(3−(6−アミノ−7−(4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)―Nメチルブト−2−エナミド(295)(53 mg、29%)は、6−アミノ−7−(4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル)−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)―7H−プリン−8(9H)−オン(294)(140mg)から調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)606.3.1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.10(s、1H)、7.67(d、J=7.9Hz、1H)、7.62−7.57(m、2H)、7.47(d、J=7.3Hz、2H)、7.40(t、J=7.4Hz、2H)、7.33(d、J=5.1Hz、2H)、7.19(d、J=9.9、5.4Hz、2H)、7.05(d、J=8.5、2.3Hz、1H)、6.68(d、J=14.2、7.6Hz、1H)、6.13−5.92(m、1H)、5.73(br、2H)、5.15(s、2H)、3.78(s、3H)、3.27(s、3H)、3.11(d、J=6.0Hz、2H)、2.12(s、3H)、1.68−1.53(m、1H)、0.36−0.15(m、4H).
実施例61:(E)−N(3−(6−アミノ−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エナミド(298)の合成
実施例5で記載されたものに類似した方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニルカルバマート(296)(245mg、31%)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−8オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニルカルバマート(251)(520 mg)および2−メチル−4−フェノキシフェニルボロン酸(287)(995mg)から茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)539.1.
実施例5で記載されたものに類似した方法で、6−アミノ−9−(3−アミノ−5−メチルフェニル)−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(297)(199mg、質量)は、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニルカルバマート(296)(245 mg)から茶色の油として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)439.1.
実施例53で記載されたものに類似した方法で、(E)−N―(3−(6−アミノ−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メチルフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エナミド(298)(17 mg、6%)は、6−アミノ−9−(3−アミノ−5−メチルフェニル)−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−7H−プリン―8(9H)−オン(297)(199mg)から白い固体として調製された。LC−MS(ESI):m/z(M+1)576.1.1H NMR(400MHz、DMSO)δ10.18(s、1H)、8.09(s、1H)、7.77(s、1H)、7.53(s、1H)、7.49−7.36(m、3H)、7.24−7.10(m、4H)、7.07(d、J=2.5Hz、1H)、6.97−6.90(m、1H)、6.81−6.70(m、1H)、6.22(d、J=15.2Hz、1H)、5.62(s、2H)、3.28−3.26(m、2H)、2.34(s、3H)、2.24(s、3H)、2.16(s、3H)、1.75− 1.68(m、1H)、0.47−0.37(m、2H)、0.36−0.25(m、2H)、0.37(m、2H)、0.36−0.25(m、2H).
実施例62:(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エナミド(301)の合成
実施例5に記載されるのと同様の方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニルカルバマート(299)(359mg、50%)を、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニルカルバマート(251)(487mg)および2−メチル−4−フェノキシフェニルボロン酸(287)(895mg)から茶色油として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)555.1。
実施例5に記載されるのと同様の方法で、6−アミノ−9−(3−アミノ−5−メトキシフェニル)−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(300)(243mg、83%)を、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニルカルバマート(299)(359mg)から茶色油として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)455.1。
実施例53に記載されるのと同様の方法で、(E)−N−(3−(6−アミノ−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−5−メトキシフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エナミド(301)(35mg、6%)を、6−アミノ−9−(3−アミノ−5−メチルフェニル)−7−(2−メチル−4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(300)(243mg)から白色固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)593.2。1H NMR(400MHz、DMSO)δ10.23(s、1H)、8.10(s、1H)、7.57−7.50(m、1H)、7.48−7.39(m、4H)、7.24−7.11(m、3H)、7.07(d、J=2.6Hz、1H)、6.98−6.89(m、2H)、6.83−6.70(m、1H)、6.21(d、J=15.4Hz、1H)、5.63(s、2H)、3.76(s、3H)、3.28(d、J=6.2Hz、2H)、2.25(s、3H)、2.16(s、3H)、1.77−1.68(m、1H)、0.45 −0.39(m、2H)、0.34−0.28(m、2H)。
実施例63:(E)−6−アミノ−9−(4−(4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(306)の合成
実施例55に記載されるのと同様の方法で、1−(4−ブロモフェノキシ)−3−フルオロベンゼン(302)(2.5g、96%)を、4−ブロモフェノール(1.7g)および3−フルオロフェニルボロン酸(1.95g)から黄色固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)267.1。
実施例55に記載されるのと同様の方法で、4−(3−フルオロフェノキシ)フェニルボロン酸(303)(1.7g、78%)を、1−(4−ブロモフェノキシ)−3−フルオロベンゼン(302)(2.5g)から黄色固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)231.0。
実施例5に記載されるのと同様の方法で、tert−ブチル6−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−カルボン酸塩(304)(317mg、57%)を、tert−ブチル6−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−カルボン酸塩(158)(372mg)および4−(3−フルオロフェノキシ)フェニルボロン酸(303)(340mg)から茶色油として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)571.0。
実施例5に記載されるのと同様の方法で、6−アミノ−9−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(305)(261mg、質量)を、tert−ブチル6−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−カルボン酸塩(304)(317mg)から茶色油として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)470.9。
実施例5に記載されるのと同様の方法で、(E)−6−アミノ−9−(4−(4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エノイル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(306)(72mg、21%)を、6−アミノ−9−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(305)(261mg)から出発する白色固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)607.6。1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.11(s、1H)、7.55−7.37(m、3H)、7.32(d、J=8.8Hz、1H)、7.22(d、J=8.8Hz、2H)、7.10−6.92(m、4H)、6.84−6.67(m、2H)、5.93(s、2H)、4.39−4.25(m、2H)、4.04−3.87(m、2H)、2.48(s、3H、DMSOと重複)、2.38−1.99(m、3H)、0.60−0.01(m、4H)。
実施例64:(S,E)−N−(3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチル−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エナミド(309)の合成
実施例5に記載されるのと同様の方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(307)(353mg、51%)を、tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(24)(459mg)および4−(3−フルオロフェノキシ)フェニルボロン酸(303)(300mg)から茶色油として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)543.2。
実施例5に記載されるのと同様の方法で、6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(308)(質量)を、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル(メチル)カルバマート(307)(118mg)から茶色油として調製した。
LC−MS(ESI):m/z(M+1)443.2。
実施例5に記載されるのと同様の方法で、(S,E)−N−(3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチル−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エナミド(309)(13mg、9%)を、6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(308)(97mg)および(S,E)−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エン酸(81mg)(121)から出発する白色固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)610.1。1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.11(s、1H)、7.69−7.40(m、6H)、7.34(d、J=8.0Hz、1H)、7.22(d、J=7.8Hz、2H)、7.08−6.92(m、3H)、6.71−6.59(m、1H)、6.12−5.99(m、1H)、5.94(s、2H)、3.73−3.64(m、1H)、3.62−3.46(m、2H)、3.41−3.33(m、1H)、3.27(s、3H)、3.11−2.88(m、3H)、2.00(s、3H)、1.90−1.72(m、1H)、1.70−1.50(m、1H)。
実施例65:(E)−N−(5−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メトキシフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(312)の合成
実施例5に記載されるのと同様の方法で、tert−ブチル5−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(310)(263mg、36%)を、tert−ブチル5−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(168)(500mg)および4−(3−フルオロフェノキシ)フェニルボロン酸(303)(500mg)から茶色油として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)573.1。
実施例5に記載されるのと同様の方法で、6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−9−(4−メトキシ−3−(メチルアミノ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(311)(217mg、質量)を、tert−ブチル5−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(310)(263mg)から茶色油として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)473.1。
実施例5に記載されるのと同様の方法で、(E)−N−(5−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メトキシフェニル)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(312)(29mg、10%)を、6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−9−(4−メトキシ−3−(メチルアミノ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(311)(217mg)および(E)−4−(シクロプロピル(メチル)アミノ)ブト−2−エン酸・塩酸塩(176mg)から出発する白色固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)610.1。1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.09(s、1H)、7.65(d、J=8.7Hz、1H)、7.59−7.37(m、4H)、7.30(d、J=9.1Hz、1H)、7.22(d、J=8.8Hz、2H)、7.10−6.91(m、3H)、6.70−6.56(m、1H)、5.91(s、2H)、5.81(d、J=15.1Hz、1H)、3.83(s、3H)、3.12(s、3H)、3.07(d、J=6.5Hz、2H)、2.10(s、3H)、1.64−1.50(m、1H)、0.31(d、J=4.9Hz、2H)、0.24−0.14(m、2H)。
実施例66:(S,E)−N−(5−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メトキシフェニル)−N−メチル−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エナミド(313)の合成
実施例5に記載されるのと同様の方法で、(S,E)−N−(5−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メトキシフェニル)−N−メチル−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エナミド(313)(8mg、3%)を、6−アミノ−9−(4−メトキシ−3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(170)(200mg)および(S,E)−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エン酸(195mg)(121)から出発する白色固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)622.1。1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.09(s、1H)、7.69−7.61(m、1H)、7.57−7.52(m、1H)、7.51−7.38(m、4H)、7.30(d、J=8.9Hz、1H)、7.19(d、J=7.4Hz、1H)、7.17−7.11(m、4H)、6.67−6.54(m、1H)、5.90−5.75(m、3H、3.83(s、3H)、3.75−3.64(m、1H)、3.62−3.43(m、2H)、3.42−3.31(m、1H)、3.12(s、3H)、3.04−2.84(m、3H)、1.98(s、3H)、1.86−1.73(m、1H)、1.70−1.51(m、1H)。
実施例67:(S,E)−N−(3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エナミド(316)の合成
実施例5に記載されるのと同様の方法で、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニルカルバマート(314)(650mg、65%)を、tert−ブチル5−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)−2−メトキシフェニル(メチル)カルバマート(5)(650mg)および4−(3−フルオロフェノキシ)フェニルボロン酸(303)(880mg)から淡黄色固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)529.2。
実施例5に記載されるのと同様の方法で、6−アミノ−9−(3−アミノフェニル)−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(315)(質量)を、tert−ブチル3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニルカルバマート(314)(650mg)から黄色油として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)429.2。
実施例5に記載されるのと同様の方法で、(S,E)−N−(3−(6−アミノ−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エナミド(316)(21mg、15%)を、6−アミノ−9−(3−アミノフェニル)−7−(4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(315)(100mg)および(S,E)−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エン酸(51mg)(121)から出発する白色固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)596.1。1H NMR(400MHz、DMSO)δ10.28(s、1H)、8.10(s、1H)、8.01(s、1H)、7.67(d、J=7.9Hz、1H)、7.55(d、J=8.6Hz、2H)、7.48−7.40(m、2H)、7.31(d、J=7.7Hz、1H)、7.22(d、J=8.6Hz、2H)、7.15−6.88(m、3H)、6.79−6.72(m、1H)、6.29(d、J=15.7Hz、1H)、3.82−3.70(m、2H)、3.65−3.56(m、1H)、3.52−3.45(m、1H)、3.18−3.08(m、3H)、2.14(s、3H)、2.01−1.90(m、1H)、1.78−1.67(m、1H)。
実施例68:(S,E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エナミド(317)の合成
実施例5に記載されるのと同様の方法で、(S,E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エナミド(317)(10mg、7%)を、6−アミノ−9−(3−アミノフェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(7)(100mg)および(S,E)−4−(メチル(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)ブト−2−エン酸(67mg)(121)から出発する白色固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)578.1。1H NMR(400MHz、DMSO)δ10.26(s、1H)、8.09(s、1H)、8.00(s、1H)、7.71−7.61(m、1H)、7.56−7.35(m、5H)、7.34−7.25(m、1H)、7.23−7.02(m、5H)、6.79−6.70(m、1H)、6.28(d、J=16.1Hz、1H)、5.80(s、2H)、3.87−3.67(m、2H)、3.66−3.55(m、1H)、3.54−3.42(m、1H)、3.20−3.05(m、3H)、2.14(s、3H)、2.02−1.87(m、1H)、1.81−1.65(m、1H)。
実施例69:(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−((2−メトキシエチル)(メチル)アミノ)ブト−2−エナミド(318)の合成
実施例5に記載されるのと同様の方法で、(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−((2−メトキシエチル)(メチル)アミノ)ブト−2−エナミド(318)(36mg、27%)を、6−アミノ−9−(3−アミノフェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(7)(100mg)および(E)−4−((2−メトキシエチル)(メチル)アミノ)ブト−2−エン酸(62mg)から出発する白色固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)566.1。1H NMR(400MHz、DMSO)δ10.29(s、1H)、8.10(s、1H)、8.00(s、1H)、7.68(d、J=8.3Hz、1H)、7.55−7.38(m、5H)、7.31(d、J=8.8Hz、1H)、7.23−7.08(m、5H)、6.74(dt、J=15.4、6.0Hz、1H)、6.29(d、J=15.3Hz、1H)、5.82(br、2H)、3.44(t、J=5.7Hz、2H)、3.27−3.13(m、5H)、2.64−2.53(m、2H)、2.32−2.17(m、3H)。
実施例70:(R,E)−2−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−3−シクロプロピルアクリロニトリル(324)の合成
EtOH(50mL)中のシクロプロパンカルバルデヒド(4g、57mmol)の溶液に,tert−ブチル2−シアノアセテート(319)(8.04g、57mmol)およびピペリジン(628mg、7.4mmol)を加えた。結果として生じた混合物を、N2雰囲気下で2時間85℃で撹拌した。溶媒を、真空下で取り除き、残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中に0乃至5%のEA)によって精製し、(E)−tert−ブチル2−シアノ−3−アクリル酸シクロプロピル(320)(7.7g、100%)を得た。
DCM(30mL)中の(E)−tert−ブチル2−シアノ−3−アクリル酸シクロプロピル(320)(7.7g、40mmol)の溶液に、TFA(30mL)を加えた。結果として生じた混合物を、一晩室温で撹拌した。過剰なTFAを、真空下で取り除いた。残留物を、H2O/MeOH(10:1、10mL X 3)で粉砕した。白色固形物を、ろ過によって収集し、乾燥して、(E)−2−シアノ−3−アクリル酸シクロプロピル(321)(3.7g、68%)を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)136.0。
乾燥したDMF(8mL)中の(R)−tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7H−プリン−9(8H)−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(87)(200mg、0.6mmol)および4A MS(300mg)の混合物に、4−フェノキシフェニルボロン酸(384mg、1.8mmol)、Cu(OAc)2(110mg、0.6mmol)およびピリジン(284μL、3.6mmol)を加えた。反応混合物を、O2雰囲気下で5時間37℃で加熱し、セライトパッドを介してろ過した。濾液を、水(30mL)で希釈し、EtOAc(10mL X 3)で抽出した。混合した有機層を、水およびブラインで洗浄し、Na2SO4によって乾燥し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフイー(シリカゲル、塩化メチレン中に0乃至5%のメタノール)によって精製し、茶色固形物(322)(297mg、99.0%)として(R)−tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩を得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)503。
DCM(8mL)中の(R)−tert−ブチル3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(322)(297mg、0.6mmol)の溶液に、TFA(2mL)を滴下で加えた。反応混合物を、1時間室温で撹拌し、その後濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフイー(シリカゲル、塩化メチレン中に0乃至5%のメタノール(0.3%のEt3N))によって精製して、黄色固形物(323)(227mg、95.4%)として(R)−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−(ピペリジン−3−イル)−7H−プリン−8(9H)−オンを得た。LC−MS(ESI):m/z(M+1)403。
実施例21に記載されるのと同様の方法で、(R,E)−2−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−3−シクロプロピルアクリロニトリル(324)(13mg、11%の収率)を、(R)−3−(4−フェノキシフェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(323)(95mg)および(E)−2−シアノ−3−アクリル酸シクロプロピル(321)(49mg)から出発する白色固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)522.1。1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.12(s、1H)、7.50−7.35(m、4H)、7.26−7.04(m、5H)、6.70−6.55(m、1H)、5.77(s、2H)、4.64−3.39(m、4H)、2.70−2.51(m、1H)、2.02−1.46(m、5H)、1.19−1.09(m、2H)、0.97−0.85(m、2H)。
実施例71:(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−2−シアノ−3−シクロプロピル−N−メチルアクリルアミド(325)の合成
実施例5に記載されるのと同様の方法で、(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−2−シアノ−3−シクロプロピル−N−メチルアクリルアミド(325)(29mg、15%)を、6−アミノ−9−(3−(メチルアミノ)フェニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン(32)(150mg)および(E)−2−シアノ−3−アクリル酸シクロプロピルそして(86mg)(121)から出発する白色固形物として調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)544.0。1H NMR(400MHz、DMSO)δ8.12(s、1H)、7.80−7.55(m、3H)、7.53−7.30(m、5H)、7.25−7.02(m、5H)、6.55(d、J=11.2Hz、1H)、5.89(br、2H)、3.34(s、3H)、1.82−1.62(m、1H)、1.13−1.03(m、2H)、0.80−0.68(m、2H)。
実施例72:(E)−4−アミノ−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチルブト−2−エナミド(326)の合成
(E)−4−アミノ−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチルブト−2−エナミド(326)を、上の手順に記載されるのと同様の方法で調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)508.1。
実施例73:(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチル−3−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)アクリルアミド(327)の合成
(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−N−メチル−3−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)アクリルアミド(327)を、上の手順に記載されるのと同様の方法で調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)559.1。
実施例74:(E)−N−((1s,4s)−4−(6−アミノ−8−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)シクロヘキシル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(328)の合成
(E)−N−((1s,4s)−4−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)シクロヘキシル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチルブト−2−エナミド(328)を、上の手順に記載されるのと同様の方法で調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)542.1。
実施例75:(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(メチルアミノ)ブト−2−エナミド(329)の合成
(E)−N−(3−(6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−9(8H)−イル)フェニル)−4−(メチルアミノ)ブト−2−エナミド(329)を、上の手順に記載されるのと同様の方法で調製した。LC−MS(ESI):m/z(M+1)508.1。
実施例76a:Btkのインビトロでの阻害活性(方法A)
<TR−FRETアッセイ>
本明細書に記載される化合物のBtk IC50を、以下に記載されるような、細胞キナーゼアッセイおよびBCR誘発性のカルシウム流出の細胞機能アッセイの両方において測定する。
Btkキナーゼ活性を、時間分解蛍光共鳴エネルギー転移(TR−FRET)の方法論を用いて測定する。測定を、96ウェルのアッセイプレートを使用して、50μLの反応体積で行う。キナーゼ酵素、阻害剤、ATP(キナーゼに対してkmで)、および1μMのペプチド基質(ビオチン−AVLESEEELYSSARQ−NH2)を、20mMのトリス、50mMのNaCl、MgCl2(キナーゼによって5−25mM)、MnCl2(0−10mM)、1mMのDTT、0.1mMのEDTA、0.01%のウシ血清アルブミン、0.005%のTween−20、および10%のDMSOからなる反応バッファー中で、1時間pH7.4でインキュベートする。反応物を、25μLの1xランスバッファー(Perkin−Elmer)中に(二価カチオンに対する)1.2当量のEDTAを加えることによってクエンチする。1xランスバッファー中のストレプトアビジン−APC(Perkin−Elmer)およびEu標識化したp−Tyr100抗体(Perkin−Elmer)を、25μLの量で加え、それぞれ、100nMおよび2.5nMの最終濃度を得て、混合物を、1時間インキュベートした。TR−FRETシグナルを、330nmの励起波長(λEx)および615nmと665nmの検出波長(λEm)を有するマルチモードプレートリーダー上で測定する。活性を、665nmでの蛍光対615nmの蛍光の比率によって測定する。各化合物に対して、酵素活性を化合物の様々な濃度で測定する。陰性対照の反応を、6連で阻害剤の欠如下で行い、2つの無酵素の対照を、ベースラインの蛍光レベルを決定するために使用する。阻害定数、Ki(app)を、BatchKi (Kuzmic et al. (2000), Anal. Biochem. 286:45−50)を使用して得た。IC50を、以下の方程式によって得る:
IC50={Ki(app)/(1+[ATP]/Km ATP)}+[E]total/2;
すべてのキナーゼに関しては、[ATP]=Km ATP、[Btk]total=0.5nM、および[Lck]total=6nMである。
実施例76b:Btkのインビトロでの阻害活性(方法B)
キナーゼ活性を、電気泳動度移動アッセイを使用して、インビトロで測定する。キナーゼ反応物を、384ウェルのプレートにおいて25μLの全容積で集める。反応物は、100mMのHEPES、pH7.5、5mMのMgCl2、1mMのDTT、0.1%のウシ血清アルブミン、0.01%のTriton X−100、および1%のDMSOからなる反応バッファー中の、BTK酵素(1nM、His6タグ付けのN末端、組換え型、全長、バキュロウイルスSf21昆虫細胞系から精製されたヒトBTK)、阻害剤、ATP(16μM、キナーゼに対する明白なkm)、蛍光に標識化されたペプチド基質(1μM、FAM−GEEPLYWSFPAKKK−NH2)を含む。反応物を、1時間インキュベートし、4μLの停止(termination)バッファー(100mMのHEPES、pH7.5、0.01%のTriton X−100、30mMのEDTA)を加えることによってクエンチする。終了した反応物を、12のチャネルLabChip(登録商標)3000のマイクロ流体検出器機(Caliper Life Sciences)を使用して分析する。ペプチドの酵素のリン酸化は、結果として、実効電荷の変化をもたらし、基質ペプチドからの生成物の電気泳動分離を可能にする。基質および生成物ペプチドが分離されると、蛍光の2つのピークが観察される。基質および生成物のピークの相対的な蛍光強度の変化を、パラメーター測定し、酵素活性が反映される。阻害剤の存在下で、生成物と基質との間の比率は変更され:生成物のシグナルは減少し、一方で、基質のシグナルが増加する。
各サンプル中の活性を、積和比率(product to sum ratio)(PSR):P/(S+P)として測定し:ここでPは生成物ペプチドのピーク高さであり、Sは基質ペプチドのピーク高さである。各化合物に対して、酵素活性を、様々な濃度(3x希釈間隔ごとの化合物の12の濃度)で測定する。陰性対照サンプル(阻害剤の欠如下での0%−阻害)および陽性対照サンプル(20mMのEDTAの存在下での100%−阻害)を、4連で集め、各濃度で各阻害剤に対する%阻害値を計算するために使用する。以下の方程式を使用して、パーセント阻害(Pinh)を測定し:
Pinh=(PSR0%−PSRinh)/(PSR0%−PSR100%)*100、
式中、PSRinhは、阻害剤の存在下での積和比率であり、PSR0%は、阻害剤の不存在下での平均積和比率であり、およびPSR100%は、100%−阻害の対照サンプル中の平均積和比率である。
阻害剤のIC50値を、XLfit4ソフトウェアを使用して、阻害曲線の4つのパラメーターS字結腸の用量反応モデルフィッティング(Pinh対阻害剤の濃度)によって測定する。
実施例76c:Btkのインビトロの阻害活性(方法C)
ヒトBtkキナーゼ(Genbank accession # NP_000052)を、N末端の6X−Hisタグを含む全長コンストラクトとして、昆虫細胞から精製した。Btkキナーゼ活性を、放射測定のフィルター結合アッセイを使用して測定した。測定を、低いμL反応体積の384ウェルのアッセイプレートにおいて実行する。BTK酵素(反応物中に最終的に8nM)、阻害剤(要求された用量での)、および0.2mg/mLのペプチド基質(Poly−Glu−Tyr、4:1の比率)を、20mMのHepes(pH7.5)、10mMのMgCl2、1mMのEGTA、0.02%のBrij35、0.02mg/mlのBSA、0.1mMのNa3VO4、2mMのDTT、1%のDMSOからなる反応バッファー中で15分間インキュベートし、その後1μMのATPを加えて、アッセイを開始する。キナーゼ反応を、室温で120分間行う。反応サンプルをP81カチオン交換紙(Whatman)上にスポットする(spotting)ことによって、反応を中止する。非結合性のリン酸塩を、0.75%のリン酸中のフィルターの広範囲な洗浄によって取り除いた。不活性酵素(飽和しているEDTAを加えることによって)を含む対照反応物に由来するバックグラウンドの除去(subtraction)後に、試験される化合物の各用量に対するキナーゼ活性データを、ビヒクル(ジメチルスルホキシド)反応物と比較した試験サンプル中の残存するキナーゼ活性のパーセントとして表わした。IC50値および曲線適合を、Prism(GraphPadソフトウェア)を使用して得た。
キナーゼのパネルの阻害の程度を、実施例76a、76bおよび76cで概説される方法の1つを使用して測定する。
実施例77:医薬組成物
以下に記載される組成物を、例示目的のために、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物とともに提示する。
実施例77a:非経口組成物
注入による投与に適した非経口医薬組成物を調製するために、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物の100mgの水溶性塩を、DMSO中に溶解し、その後、0.9%の無菌食塩水10mLと混合する。混合物を、注入による投与に適した投与ユニット形態に組み込む。
実施例77b:経口組成物
経口送達のための医薬組成物を調製するために、100mgの式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物を、750mgのスターチと混合する。混合物を、経口投与に適した、硬ゼラチンカプセルなどの経口投与ユニットに組み込む。
実施例77C:舌下(硬ロゼンジ)組成物
硬ロゼンジなどの、口腔送達のための医薬組成物を調製するために、100mgの式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物を、1.6mLのライトコーンシロップ、2.4mLの蒸留水、および0.42mLのミント抽出物と混合した420mgの粉砂糖と混合する。混合物を軽く混ぜ、型に流し込むことで、口腔投与に適したロゼンジを形成する。
実施例77d:吸入用組成物
吸入送達のための医薬組成物を調製するために、20mgの式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物を、50mgの無水クエン酸および0.9%塩の化ナトリウム溶液100mLと混合する。混合物を、吸入投与に適した、噴霧器などの吸入送達用ユニットに組み込む。
実施例77e:直腸ゲル組成物
直腸送達のための医薬組成物を調製するために、100mgの式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物を、2.5gのメチルセルロース(1500mPa)、100mgのメチルパラペン、5gのグリセリン、および100mLの精製水と混合する。その後、結果として生じたゲル混合物を、直腸投与に適した、注射器などの直腸送達用ユニットに組み込む。
実施例77f:局所ゲル組成物
医薬的な局所ゲル組成物を調製するために、100mgの式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物を、1.75gのヒドロキシプロピルセルロース、10mLのプロピレングリコール、10mLのミリスチン酸イソプロピル、および100mLの精製したアルコールUSPと混合する。その後、結果として生じたゲル混合物を、局所投与に適した、チューブなどの容器に組み込む。
実施例77g:点眼溶液組成物
医薬的な点眼溶液組成物を調製するために、100mgの式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物を、100mLの精製水中の0.9gのNaClと混合し、0.2ミクロンのフィルターを用いてろ過する。その後、結果として生じた等張液を、点眼投与に適した、点眼薬容器などの点眼用の送達ユニットに組み込む。
実施例78:式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物の臨床試験および以前に処置されていないB細胞リンパ腫によって高齢患者を処置する際の併用化学療法
この研究の目的は、併用化学療法とともに式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物を与えることが、以前に処置されていないB細胞リンパ腫によって高齢患者を処置する際にどれほど好適に作用するかを測定することである。
<基準>
疾患特性:
・ 侵攻性のB細胞リンパ腫の組織診
・ 以前に処置されていない疾患
・ 第1期IV疾患
・ CD20陽性の疾患
・ 任意の国際予後指標(IPI)スコア
・ 事前の化学療法または放射線治療後に続発性リンパ腫がない
・ 主要なCNSリンパ腫がない
・ 主要な胃腸(MALT)リンパ腫がない
患者特性:
・ ECOGパフォーマンスステータス0−2
・ 平均余命≧3か月
・ リンパ腫に関連しない限り、ASTおよびALT≦3倍正常
・ リンパ腫に関連しない限り、ビリルビン≦2mg/dL
・ リンパ腫に関連しない限り、クレアチニン≦2倍正常
・ 妊娠の可能性のある患者(Fertile patients)は、効果的な避妊法を使用しなければならない
・ 外来タンパク質に対する既知のアレルギー反応がない
・ 全身に投与された抗生物質または抗ウイルス薬を必要とする活動性感染がない
・ 非代償性の心不全がない
・ 拡張型心筋症がない
・ ECG中にST部分下降を有する冠動脈性心疾患がない。
・ 過去6か月の心筋梗塞がない。
・ 低酸素血症を有する慢性肺疾患がない。
・ 重度の非代償性の高血圧症がない
・ 重度の非代償性の真性糖尿病がない
・ 脳機能不全の臨床症状がない。
・ 重度の精神疾患がない
・ 既知のHIV感染がない
・ 活動性慢性肝炎BまたはCの感染がない。
・ 研究プロトコルによって概説されるような治療の適用を除外する他の併発症がない。
・ 事前の臨床試験に関与してから12週間以上経過
・ この研究の事前の関与がない。
・ この癌に関する、ネズミ抗体を含む、事前の治療がない。
・ 事前の臓器移植がない
・ 同時の反応適応性放射線治療(「アイスバーグ放射線治療(iceberg radiotherapy)」)がない。
・ 他の同時抗癌化学療法または他の治験(study medication)がない。
<研究設計>
研究に適格な年齢:61歳乃至80歳;
研究に適格な性別;両方
健康なボランティアの受入れ:なし
患者はすべて以下の処置を受ける。
・ 前処置(Prephase treatment:患者は、−6日目にビンクリスチンを皮下で受け、−6日目乃至0日目に経口のプレドニゾンを受ける。
・ 免疫化学療法および放射線治療:患者は、1日目に15分間にわたってシクロホスファミドIV、塩酸ドキソルビシンIV、およびビンクリスチンIVを含む、CHOP化学療法を受け、1日目乃至5日目に毎日1回、経口のプレドニゾンを受ける。患者はまた、4、18、および32日目にペグフィルグラスチムを皮下で受ける。CHOP化学療法での処置は、疾患進行または受け入れがたい毒性の不存在下で、6コースの間14日ごとに繰り返される。CHOP化学療法の4コース後に反応を示さない患者は、研究から離れて救助療法に移る。
患者を、CHOPの完了の2−4週間後に評価する。初期の巨大腫瘤病(即ち、直径≧7.5cm)または節外性病変を有する、および完全寛解(CR)、未確認のCR(CRu)、または部分寛解を達成する、疾患は、4週間、放射線治療を1週間に5日受ける。
放射線治療の完了の2か月後にCRまたはCRuを達成しない患者は、研究から離れて救助療法に移る。その後、センター、国際予後指標(1−2対3−5)、疾患関与(巨大腫瘤病対節外性病変対節外性病変及び/又は巨大腫瘤病)、年齢(61−70歳対71−80歳)、および性別に従って、患者を階級化する。患者を、2つの治療選択肢の1つに無作為化する。
・ 選択肢I:患者は、105日間毎日1回500mgの、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物を受ける。
・ 選択肢II:35日間毎日1回500mgの、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物の薬物動態ベースの用量。
何人かの患者は、薬物動態研究に関する処置の間および後に、血液サンプル採集を周期的に受ける。
研究処置の完了後、患者は、2年間3ヶ月ごとに、3年間6ヶ月ごとに、およびその年に1回経過観察を受ける。
<一次的評価項目>
・ 薬物動態(異なる様々な式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、または(IIIc)の化合物のスケジュールでの各コホートの最初の20人の患者において)
・ 研究完了の3か月後での安全性および処置に関連する死亡。
・ 研究完了の3か月後に、NCI基準、有害事象、重篤有害事象、プロトコル順守、および処置に関連する死亡によって評価された、毒性
<副次的評価項目>
・ 研究中の2年目に及びその後周期的に評価された治療成功期間
・ 研究中の2年目に及びその後周期的に評価された完全寛解
・ 進行速度
・ 生存期間
・ 無増悪生存率
本明細書に記載される実施例および実施形態が、例示目的のみのものであり、その観点における様々な修正または変更が、当業者に提示され、本出願の精神および範囲、並びに添付の請求項の範囲内に含まれるべきものであることが理解される。
本明細書に引用されるすべての公報、特許、および特許出願は、それら全体がすべての目的のために引用によって本明細書に組み込まれる。