JP3070344B2 - プレス用切板ワークの清浄装置 - Google Patents

プレス用切板ワークの清浄装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス加工に先立って
プレス用切板ワークに付着している異物を取り除くため
の清浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】予め所定形状に切断された切板ワークに
プレス加工を行う際には、その表面に埃や切屑等の異物
が付着していると、プレス加工時に疵が付いたり加工不
良を生じたりするため、プレス加工に先立ってそれ等の
異物を取り除く必要がある。切板ワークには、切断時に
切削油が付着したり防錆用の油が塗布されたりしている
ため、切断時の切屑や大気中の塵,埃などが付着し易
く、そのままプレス加工ラインまで来てしまうのであ
る。そして、かかる異物を取り除くための清浄装置とし
ては、プレス装置のプレスサイクルタイムに合わせて切
板ワークを送り込む必要性から、切板ワークを搬送しな
がら洗浄油およびブラシロールで表面を研磨洗浄する形
式のものが広く用いられている。実開昭62−5877
号公報に記載されている装置はその一例である。
【0003】図44は、かかる従来の清浄装置の一具体
例であり、この清浄装置200には、ベルトフィーダ2
02によって図の左側から切板ワーク204が1枚ずつ
送り込まれるようになっている。清浄装置200は、切
板ワーク204の出入りを許容するように左右の側壁に
開口が設けられたケース206を備えており、ケース2
06内には、その入口側から順番にピンチローラ20
8、ブラシロール210、オイルカットロール212,
214がそれぞれ上下に一対ずつ配設されているととも
に、それ等の間および両端の出入口には切板ワーク20
4を案内するガイド216が設けられている。下側のピ
ンチローラ208,オイルカットロール212,214
は、図示しない共通の駆動モータによって右まわりに等
速で回転駆動されるようになっている一方、上側のピン
チローラ208,オイルカットロール212,214
は、図示しないエアシリンダによって下方へ押圧されて
おり、切板ワーク204はこれ等のローラおよびロール
に挟まれて右方向へ搬送され、プレス装置のローディン
グステーション218へ送り出される。一対のブラシロ
ール210は、切板ワーク204の上下両面を研磨洗浄
するためのもので、外周部にナイロンブラシ等を備えて
いて切板ワーク204に押圧されるようになっていると
ともに、図示しない共通の駆動モータによって切板ワー
ク204の搬送方向と逆まわりに回転駆動されるように
なっている。
【0004】上記ブラシロール210の両側には複数の
塗油ノズルが配置され、油圧回路220から供給される
洗浄油を吐出するようになっている。油圧回路220
は、クリーン槽222内の洗浄油をポンプ224により
汲み上げて上記塗油ノズルに圧送するように構成されて
おり、その塗油ノズルからの吐出量は調整弁226によ
り調整され、流量計228によって流量表示されるとと
もに、ポンプ224は、前記ベルトフィーダ202に配
置された光電管230による切板ワーク204の検出時
を基準として作動させられ、切板ワーク204の通過時
だけ洗浄油を吐出するようになっている。吐出された洗
浄油は、ケース206の底部からフィルタ232を介し
てダーティ槽234へ回収されるとともに、そのダーテ
ィ槽234から中間槽236へ溢れ出た洗浄油は、濾過
用ポンプ238により濾過機240へ供給され、その濾
過機240で濾過された洗浄油が上記クリーン槽222
へ戻される。クリーン槽222から溢れ出た洗浄油は、
中間槽236へ流入するようになっている。
【0005】上記研磨洗浄により多量の洗浄油が付着し
た切板ワーク204をそのままプレス装置に供給する
と、絞り加工等において適度な張力が得られずプレス成
形不良を招くため、前記オイルカットロール212,2
14により余分な油を除去する。これ等のオイルカット
ロール212,214は不織布等にて構成され、切板ワ
ーク204の表面に押圧されつつ回転させられることに
より、余分な油を吸着して除去するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに洗浄油を用いてブラシロールで異物を洗い流す方法
では、切板ワークの搬送速度が速い場合に十分な清浄効
果が得られないとともに、洗浄後においても切板ワーク
の表面に油膜が存在しているため、埃などの異物が再付
着し易いという問題があった。ブラシロールに付いた異
物が切板ワークに再付着する恐れもある。なお、洗浄油
の吐出量を多くすれば清浄効果が向上するが、オイルカ
ットロールでの油除去が十分にできなくなるため、吐出
量を多くするにも限界がある。また、洗浄油の飛散や落
下によって作業環境が悪くなるとともに、洗浄油を回収
して再使用するために地下に大きな回収タンクを埋設し
たり濾過機を設けたりしなければならないなど、装置が
大掛かりで大きな据付スペースが必要になるという別の
問題も含んでいる。また、近年車両の外板としてアルミ
板を使用する場合があるが、アルミ板のような軟質の切
板ワークについては、ブラシロールによって研磨洗浄す
る際に疵が付き易く、かかる疵付きを防止するためにブ
ラシロールの押圧力を低くすると、十分な清浄効果が得
られなくなる。
【0007】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、優れた清浄効果が得
られるとともに清浄後も異物が付着し難く、作業環境が
クリーンで据付スペースが小さいプレス用切板ワークの
清浄装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するためには、洗浄油を用いることなく乾式で異物を粘
着除去するようにすれば良く、第1発明は、プレス加工
を行うために予め所定形状に切断された切板ワークの表
面に付着している異物をそのプレス加工に先立って取り
除くための清浄装置であって、(a)前記切板ワークを
1枚ずつ連続的に搬送する搬送装置と、(b)前記切板
ワークの搬送方向における上流側部分に配設され、その
切板ワークの表面に押圧されつつその切板ワークの移動
に伴って回転させられることにより、その切板ワークの
表面に付着している油分を吸着除去するオイルカットロ
ールと、(c)前記切板ワークの搬送方向において前記
オイルカットロールよりも下流側に配設され、その切板
ワークの表面に押圧されつつその切板ワークの移動に伴
って回転させられることにより、その切板ワークの表面
に付着している異物を粘着して除去する粘着ロールとを
有することを特徴とする。
【0009】
【作用】このようなプレス用切板ワークの清浄装置にお
いては、切板ワークが搬送装置によって1枚ずつ連続的
に搬送される過程で、先ず、オイルカットロールにより
その切板ワークに付着している油分を吸着除去し、続い
て粘着ロールにより切板ワーク表面の異物を粘着除去す
る。切断時に付着した切削油や防錆用の油が予めオイル
カットロールで除去されるため、その後の粘着ロールに
よる異物除去が効果的に為されるようになるとともに、
埃等の異物の再付着が軽減される。
【0010】
【第1発明の効果】このように、本発明の清浄装置は粘
着作用で異物を除去するものであるため、洗浄油を用い
て研磨洗浄する従来装置に比較して作業環境が大幅に改
善されるとともに、洗浄油の回収タンクや濾過機等が不
要で装置がコンパクトとなり、据付スペースが節減され
る。また、洗浄油で研磨洗浄する場合に比較して清浄効
果が高く、切板ワークの搬送速度が速くても十分な清浄
効果が得られる一方、粘着ロールで除去した異物が切板
ワークに再付着する恐れがないとともに、切板ワークに
油が付着していないことから清浄後における埃などの再
付着も少なくなる。アルミ板のように軟質の切板ワーク
に対しても、これを疵付けることなく十分に清浄化でき
る。
【0011】
【課題を解決するための第2の手段】第2発明は、上記
第1発明の清浄装置において、前記切板ワークの搬送方
向において前記粘着ロールよりも下流側に塗油装置を設
け、その搬送方向と交差する方向に配置された複数の塗
油ノズルのうちの任意のものから油を噴射して切板ワー
クの任意の部位に油を付着するようにしたことを特徴と
する。
【0012】
【第2発明の作用および効果】すなわち、上記第1発明
では乾式で切板ワークから異物を除去しているため、こ
れをそのままプレス装置に供給して絞り加工等を行う場
合、適度な滑りが得られなくて破断等のプレス成形不良
を生じる恐れがあるが、本発明では清浄装置の下流側部
分に塗油装置を配設し、切板ワークの搬送過程で必要な
部分、例えばしわ押え部分等に油を塗布するようにした
のであり、これによりプレス成形不良が回避される。ま
た、必要部分のみに油を塗布すれば良いため、従来の清
浄装置のように切板ワークの全面に油膜を残す場合に比
較して埃等の異物の付着が少ないなど、清浄装置として
の作用効果は前記第1発明と同じである。
【0013】
【課題を解決するための第3の手段】第3発明は、前記
第1発明または第2発明の清浄装置において、前記切板
ワークの搬送方向において前記オイルカットロールと前
記粘着ロールとの間の部位に配設され、その切板ワーク
の表面に付着している異物を吸引して除去する吸引装置
を有することを特徴とする。
【0014】
【第3発明の作用および効果】このようなプレス用切板
ワークの清浄装置によれば、粘着ロールによる異物の粘
着除去に先立って吸引装置により異物を吸引除去するた
め、粘着ロールで粘着除去する異物の量が極めて少なく
なり、粘着ロールによる優れた異物除去効果が長期間に
亘って得られるようになるとともに、粘着ロールの粘着
力低下に伴う交換或いは洗浄の周期が長くなる。
【0015】
【課題を解決するための第4の手段】第4発明は、上記
第3発明の清浄装置において、前記吸引装置は、(a)
前記切板ワークの搬送方向と交差するように設けられた
吸込口がその搬送方向において凹凸を有するクリーナー
ヘッドと、(b)前記吸込口が開口する前記クリーナー
ヘッドの先端部であってその吸込口の凹凸の少なくとも
凹部分に、前記搬送方向と直角な軸まわりの回転可能に
配設され、外周面が前記切板ワークと接触させられてそ
の切板ワークをそのクリーナーヘッドから所定量だけ離
間した位置に位置決めする複数のガイドローラとを有す
るものであることを特徴とする。
【0016】
【第4発明の作用および効果】このようなプレス用切板
ワークの清浄装置は、吸引装置の吸込口が搬送方向にお
いて凹凸を有するとともに、その凹凸の少なくとも凹部
分にはガイドローラが設けられ、クリーナーヘッドから
所定量だけ離間した位置に切板ワークを位置決めするよ
うになっているため、吸引装置による吸引力で切板ワー
クが吸込口に吸い寄せられてクリーナーヘッドと干渉し
たり異物の吸引除去性能が低下したりすることが良好に
回避される。すなわち、所定の吸引力および風量が得ら
れるように、クリーナーヘッドは切板ワークとの間に極
僅かな隙間を有する状態で配置されるが、例えば薄板の
切板ワークやアルミ等の軟質の切板ワークの場合、吸引
装置の吸引力で吸込口に吸い寄せられ、搬送方向の先端
部がクリーナーヘッドに引っ掛かって変形したり、中間
部分がクリーナーヘッドに摺接しつつ送られて表面に疵
が付いたりすることがあるとともに、クリーナーヘッド
と切板ワークとの間の隙間が狭くなって外部からの流入
空気量が減少し、十分な風量が得られずに異物の吸引除
去性能が低下したりすることがあるのに対し、上記のよ
うに吸込口がワーク搬送方向において凹凸を有するとと
もに、その凹凸の少なくとも凹部分に位置決め用のガイ
ドローラを設け、切板ワークを所定量だけ離間した位置
に位置決めする本発明の吸引装置によれば、そのような
問題が解消するのである。また、このように切板ワーク
とクリーナーヘッドとの干渉が防止されることから、吸
引装置の吸引力を高めて清浄能力をアップすることも可
能である。上記ガイドローラは、搬送装置と同じ搬送速
度で切板ワークを送るように回転駆動されても良いし、
切板ワークの通過に伴って連れ廻りするように回転自在
に設けられても良い。
【0017】なお、吸込口が搬送方向と交差する一直線
上に設けられている場合に、その吸込口の内部にガイド
ローラを設けて切板ワークを位置決めすることも考えら
れるが、その場合はガイドローラが配置された部分の異
物を吸引除去できないため、異物の取り残しを生じて好
ましくない。
【0018】
【課題を解決するための第5の手段】第5発明は、前記
第3発明または第4発明の清浄装置において、前記吸引
装置の吸込口近傍において前記切板ワークに圧縮空気を
噴射するエアーブロー装置を設けたことを特徴とする。
【0019】
【第5発明の作用および効果】このようなプレス用切板
ワークの清浄装置は、エアーブロー装置により吸引装置
の吸込口近傍において圧縮空気が切板ワークに噴射され
るため、上記第4発明と同様に、吸引装置による吸引力
で切板ワークが吸込口に吸い寄せられることが防止さ
れ、吸引装置との干渉による変形や疵付き、異物の吸引
除去性能の低下が良好に回避される。また、圧縮空気が
噴射されることによって切板ワークの表面に付着してい
る塵埃等の異物や油が飛ばされるため、清浄効果が一層
向上する。飛ばされた異物や油が吸引装置の吸込口に吸
い込まれるように、圧縮空気の噴射位置や噴射方向等を
定めておけば、それ等が外部に飛散して作業環境を損な
うこともない。
【0020】
【課題を解決するための第6の手段】第6発明は、前記
第1発明乃至第5発明の何れかの清浄装置において、前
記粘着ロールが、前記切板ワークの搬送方向と直角な軸
まわりの回転自在に配設され、その切板ワークの通過に
伴って連れ廻りさせられるものである場合に、(a)前
記切板ワークの通過時における前記粘着ロールの回転速
度を検出する回転検出手段と、(b)その回転速度に基
づいて前記粘着ロールの劣化を診断する劣化診断手段と
を有することを特徴とする。
【0021】
【第6発明の作用および効果】このようなプレス用切板
ワークの清浄装置は、切板ワークの通過に伴って連れ廻
りさせられる粘着ロールの回転速度を回転検出手段によ
って検出し、その回転速度に基づいて劣化診断手段によ
り粘着ロールの劣化、すなわち異物や油分の付着に伴う
粘着力の低下を診断する。粘着ロールは、その粘着力に
より切板ワークの通過に伴って連れ廻りさせられるた
め、異物等が付着して粘着力が低下すると、切板ワーク
との間のスリップ量が大きくなり、回転速度が遅くな
る。このため、例えば前記搬送装置によって切板ワーク
が一定の搬送速度で搬送される場合には、粘着ロールの
回転速度がその搬送速度より遅い予め定められた劣化判
定値を下回ったか否かによって劣化診断を行うことがで
きる。また、切板ワークの実際の搬送速度をピンチロー
ラなどで検出し、その搬送速度と粘着ロールの回転速度
との速度差が所定値以上となったか否か、或いは1枚の
切板ワークの通過に伴う粘着ロールの回転数(ワーク1
枚当たりの回転速度)が、切板ワークの長さ寸法に応じ
て予め定められた劣化判定値を下回ったか否か、などに
よって劣化診断を行うこともできる。劣化の程度を段階
的に診断することも可能である。
【0022】そして、上記劣化診断手段により、所定の
異物除去作用が得られない劣化状態である旨の診断が為
された場合に、溶剤やアルコール等で粘着ロールの表面
を洗浄して粘着力を回復したり、或いは粘着ロールを交
換したりするようにすれば、例えば切板ワークが所定枚
数に達する毎に粘着ロールの洗浄や交換を行う場合に比
較して、常に適切なタイミングで粘着ロールの洗浄や交
換を行うことができる。すなわち、切板ワークに付着し
ている異物の量は必ずしも一定でないため、所定枚数毎
に洗浄や交換を行う場合には、未だ十分な異物除去作用
が得られるのに洗浄や交換を行うことになったり、十分
な異物除去作用が得られないのにそのまま使用したりす
ることがあるが、本発明によれば、良好な異物除去作用
が得られなくなる適切なタイミングで粘着ロールを洗浄
したり交換したりできるようになるのである。これによ
り、常に良好な清浄作用が得られるようになるととも
に、粘着ロールから切板ワークへの異物の再付着が防止
され、高い清浄度の切板ワークがプレス装置へ送られて
良好なプレス品質が維持される。
【0023】
【課題を解決するための第7の手段】第7発明は、前記
第1発明乃至第5発明の何れかの清浄装置において、
(a)前記粘着ロールを回転駆動するロール駆動手段
と、(b)その粘着ロールに接触させられて連れ廻りさ
せられるチェックロールと、(c)そのチェックロール
の回転速度を検出する回転検出手段と、(d)その回転
速度に基づいて前記粘着ロールの劣化を診断する劣化診
断手段とを有することを特徴とする。
【0024】
【第7発明の作用および効果】このようなプレス用切板
ワークの清浄装置は、ロール駆動手段によって回転駆動
される粘着ロールにチェックロールを接触させて連れ廻
りさせるとともに、そのチェックロールの回転速度を回
転検出手段で検出し、その回転速度に基づいて劣化診断
手段により粘着ロールの劣化を診断する。チェックロー
ルは粘着ロールの粘着力に基づいて連れ廻りさせられる
ため、粘着力が低下すればチェックロールの回転速度は
遅くなり、前記第6発明と同様に、粘着ロールの回転速
度より遅い予め定められた劣化判定値を下回ったか否
か、粘着ロールとの回転速度差が所定値以上となったか
否か、粘着ロールの所定回転数に対してチェックロール
の回転数が予め定められた劣化判定値を下回ったか否
か、などによって劣化診断を行うことができ、常に適切
なタイミングで粘着ロールを洗浄したり交換したりでき
るようになる。
【0025】なお、上記ロール駆動手段は、粘着ロール
を回転駆動しながら切板ワークを通過させて異物を粘着
除去するように、粘着ロールを常時回転駆動するもので
あっても良いが、粘着ロールの劣化を診断する場合にの
み、切板ワークの通過時以外の時間に粘着ロールを回転
駆動するもので、切板ワークの通過時には前記第6発明
と同様に粘着ロールは連れ廻りさせられるようになって
いても良い。
【0026】
【課題を解決するための第8の手段】第8発明は、前記
第1発明乃至第5発明の何れかの清浄装置において、前
記搬送装置は、前記切板ワークを予め定められた搬送速
度で搬送する搬送用駆動モータを備えているもので、
(a)その搬送用駆動モータの負荷トルクを検出するト
ルク検出手段と、(b)その負荷トルクに基づいて前記
粘着ロールの劣化を診断する劣化診断手段とを有するこ
とを特徴とする。
【0027】
【第8発明の作用および効果】このようなプレス用切板
ワークの清浄装置は、切板ワークを予め定められた搬送
速度で搬送する搬送用駆動モータの負荷トルク、例えば
負荷電流をトルク検出手段によって検出し、その負荷ト
ルクに基づいて劣化診断手段により粘着ロールの劣化を
診断する。すなわち、切板ワークは粘着ロールの粘着力
によって粘着するため、粘着ロールの粘着力が高い場合
には、切板ワークを通過させるのに大きなトルクが必要
で搬送用駆動モータの負荷トルクは比較的大きいが、粘
着力の低下に伴ってその負荷トルクは小さくなるため、
その負荷トルクの大きさから粘着ロールの劣化の程度を
診断できるのである。したがって、この場合にも前記第
6発明,第7発明と同様に、常に適切なタイミングで粘
着ロールを洗浄したり交換したりできるようになる。ま
た、第7発明のようにチェックロールを用いる場合に比
較して装置が簡単かつ安価に構成される。
【0028】ここで、粘着ロールが駆動源を備えておら
ず、切板ワークの通過に伴って連れ廻りさせられる場合
には、少なくともその粘着ロール部分を通過させる搬送
用駆動モータの負荷トルクに基づいて劣化診断を行えば
良い。また、粘着ロールがロール駆動モータで回転駆動
される場合、すなわち粘着ロールが搬送装置としても機
能し、ロール駆動モータが搬送用駆動モータとしても機
能している場合には、そのロール駆動モータの負荷トル
クに基づいて劣化診断を行えば良い。粘着ロールがロー
ル駆動モータで回転駆動される場合、粘着ロールの粘着
力が高い間は粘着ロールによって切板ワークが良好に搬
送されるため、その粘着ロール部分を通過させるロール
駆動モータ以外の搬送用駆動モータの負荷トルクは比較
的低くなるが、粘着ロールの粘着力が低下すると、その
粘着ロールによる切板ワークの搬送作用が低下し、その
分だけ搬送用駆動モータの負荷トルクは大きくなるた
め、その負荷トルクの大きさから粘着ロールの劣化の程
度を診断することもできる。
【0029】
【課題を解決するための第9の手段】第9発明は、前記
第1発明乃至第5発明の何れかの清浄装置において、前
記粘着ロールは、ロール駆動モータにより予め定められ
た搬送速度で前記切板ワークを通過させるように回転駆
動されるもので、(a)そのロール駆動モータの負荷ト
ルクを検出するトルク検出手段と、(b)その負荷トル
クに基づいて前記切板ワークの通過所要時間を検出する
通過時間検出手段と、(c)その通過所要時間に基づい
て前記粘着ロールの劣化を診断する劣化診断手段とを有
することを特徴とする。
【0030】
【第9発明の作用および効果】このようなプレス用切板
ワークの清浄装置は、切板ワークを予め定められた搬送
速度で通過させるように粘着ロールを回転駆動するロー
ル駆動モータの負荷トルクをトルク検出手段によって検
出するとともに、その負荷トルクに基づいて通過時間検
出手段により切板ワークの通過所要時間を検出し、その
通過所要時間に基づいて劣化診断手段により粘着ロール
の劣化を診断する。ロール駆動モータは、切板ワークが
存在しない時には略無負荷で負荷トルクは小さいが、切
板ワークの通過時には負荷トルクが大きくなるため、そ
の負荷トルクの大きさから切板ワークの有無を判断で
き、通過所要時間を検出することができる。また、粘着
ロールの粘着力が高い間は、粘着ロールと切板ワークと
の間のスリップ量は少ないが、粘着力が低下するとスリ
ップ量は増加し、切板ワークの通過所要時間は長くなる
ため、この通過所要時間から粘着ロールの劣化の程度を
診断できる。したがって、この場合にも前記第6発明乃
至第8発明と同様に、常に適切なタイミングで粘着ロー
ルを洗浄したり交換したりできるようになる。
【0031】なお、この第9発明の清浄装置は、上記粘
着ロールが搬送装置の一部を構成しているとともに、粘
着ロールのみで切板ワークを搬送する範囲が存在し、そ
の範囲では粘着ロールの粘着力の低下に伴って切板ワー
クの搬送速度が遅くなるのである。また、粘着力が低下
するとロール駆動モータの負荷トルクも低くなるが、切
板ワークが存在しない略無負荷の場合よりは負荷が大き
いため、粘着力が低下してもその負荷トルクから通過所
要時間を検出できる。
【0032】
【課題を解決するための第10の手段】第10発明は、
前記第1発明乃至第9発明の何れかの清浄装置におい
て、(a)前記粘着ロールを回転駆動するロール駆動手
段と、(b)前記粘着ロールに接近離間可能に配設され
た洗浄パッドと、(c)その洗浄パッドに洗浄液を供給
する洗浄液供給手段とを備え、前記洗浄パッドを前記粘
着ロールに押圧した状態でその粘着ロールを回転駆動し
てその粘着ロールを洗浄する洗浄装置を有することを特
徴とする。
【0033】
【第10発明の作用および効果】このようなプレス用切
板ワークの清浄装置は、洗浄液供給手段によって洗浄パ
ッドに洗浄液を供給するとともに、その洗浄パッドを粘
着ロールに押圧した状態でロール駆動手段により粘着ロ
ールを回転駆動することにより、その粘着ロールを洗浄
する洗浄装置を備えているため、粘着ロールが劣化した
場合などに、粘着ロールを清浄装置から取り外すことな
く容易に洗浄できる。
【0034】
【課題を解決するための第11の手段】第11発明は、
前記第1発明乃至第10発明の何れかの清浄装置におい
て、前記粘着ロールによって異物を粘着除去する複数の
粘着ロール装置が、それぞれ前記切板ワークの搬送経路
上の清浄位置と、その清浄位置から離間した待機位置と
への移動可能に配設されていることを特徴とする。
【0035】
【第11発明の作用および効果】このようなプレス用切
板ワークの清浄装置によれば、複数の粘着ロール装置が
それぞれ清浄位置と待機位置とへの移動可能に配設され
ているため、使用中の粘着ロール装置が劣化して十分な
異物除去作用が得られなくなった場合には、他の粘着ロ
ール装置に切り換えて作業を続行できるとともに、その
間に劣化して待機位置へ移動させられた粘着ロール装置
の粘着ロールを、上記第10発明の洗浄装置などで洗浄
したり新たな粘着ロールと交換したりすることができ
る。すなわち、粘着ロールの交換や洗浄のためにプレス
ラインを停止させる必要がなく、或いは粘着ロール装置
の切換えのために必要な最小限の時間だけ一時停止すれ
ば良いのであり、プレスラインを停止して粘着ロールの
洗浄や交換を行う場合に比較して、プレスラインの稼働
率が大幅に向上する。また、切板ワークに付着している
異物の量が多い場合など、必要に応じて複数の粘着ロー
ル装置を清浄位置へ移動させることにより、異物の粘着
除去性能を高めることも可能である。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は本発明の一実施例である清浄装置1
0の全体構成を示す概略図で、図2はかかる清浄装置1
0の制御系統を説明するブロック線図である。図1にお
いて、プレス加工を行うために予め所定形状に切断され
た切板ワーク14は、ベルトフィーダ16の下方に平積
みされており、出力ロッドの先端にバキュームカップ1
8が取り付けられた複数のエアシリンダ20により1枚
ずつ持ち上げられて、ベルトフィーダ16に受け渡され
る。ベルトフィーダ16は、搬送ベルト22を挟んで切
板ワーク14を磁力により吸着するマグネットキャリア
24を備えており、上記バキュームカップ18による吸
引が解除された後に搬送ベルト22が回転駆動されるこ
とにより、切板ワーク14を略水平な姿勢で図の右方向
へ搬送して清浄装置10内へ送り込む。この切板ワーク
14の送り込みは、ベルトフィーダ16の右端部に設け
られた光電管26によって検知され、切板ワーク14の
後端が光電管26を通過すると、エアシリンダ20が作
動させられて次の切板ワーク14の持上げ動作を開始す
る。上記切板ワーク14は、本実施例では自動車の外板
等に用いられるメッキ鋼板で、防錆用の油は塗布されて
いないが切断装置等の切削油が付着しており、この切削
油に埃や塵,切屑等の異物が付き易いのである。なお、
切板ワーク14がアルミ等の磁石に付かないものである
場合には、例えば多数の貫通孔が設けられた搬送ベルト
22を用いて、バキュームポンプによる空気の吸引で切
板ワーク14を搬送ベルト22に吸着するようにすれば
良い。
【0037】清浄装置10は、切板ワーク14の出入り
を許容するように左右の側壁に開口が設けられたケース
28を備えている。このケース28は仕切り板30によ
って2室に分離されており、前記ベルトフィーダ16側
に位置する入口側の大きな第1室32内には、入口側か
ら順番にオイルカットロール34a,34b、ピンチロ
ーラ36a,36b、クリーナーヘッド38a,38
b、ピンチローラ40a,40b、第1粘着ロール装置
42、第2粘着ロール装置44、ピンチローラ46a,
46bが配設されている一方、出口側の小さな第2室4
8内には上面塗油ノズルユニット50および下面塗油ノ
ズルユニット52が配設されている。また、ケース28
の入口部分、オイルカットロール34a,34bとピン
チローラ36a,36bとの間、第2粘着ロール装置4
4とピンチローラ46a,46bとの間、仕切り板3
0、およびケース28の出口部分には、それぞれ切板ワ
ーク14を案内するガイド54が設けられている。
【0038】下側に設けられたオイルカットロール34
aおよびピンチローラ36a,40a,46aは、それ
ぞれ上端縁が略水平な一平面に位置する状態で軸心まわ
りの回転可能にケース28に配設されているとともに、
共通の搬送用駆動モータ56(図2参照)により図示し
ないベルトおよびプーリを介して互いに同じ周速度で右
まわりに回転駆動されるようになっている。また、上記
各ロールおよびローラの上側に設けられたオイルカット
ロール34bおよびピンチローラ36b,40b,46
bは、それぞれエアシリンダ58,60,62の出力ロ
ッドが下方へ突き出されることにより、上記各ロール3
4a,ローラ36a,40a,46aとの間で切板ワー
ク14を挟圧するようになっており、切板ワーク14は
これ等のロールおよびローラに挟まれて右方向へ搬送さ
れ、プレス装置のローディングステーション64へ送り
出される。上記搬送用駆動モータ56の回転速度、すな
わち切板ワーク14の搬送速度は、プレス装置のプレス
サイクルタイムと同じサイクルタイムで切板ワーク14
を1枚ずつローディングステーション64へ送り出せる
ように、搬送距離を考慮して予め定められている。前記
ベルトフィーダ16のワーク送り速度は、この清浄装置
10の搬送速度と略同じかそれより遅い速度である。本
実施例では、オイルカットロール34a,34b、ピン
チローラ36a,36b,40a,40b,46a,4
6b、および搬送用駆動モータ56を含んで搬送装置が
構成されている。
【0039】上記エアシリンダ58,60,62は、図
示しないエア回路の電磁バルブが図2のコントローラ6
6によって切り換えられることにより、それぞれ出力ロ
ッドを突出し,引込み駆動するようになっており、プレ
スラインの稼働時には常時出力ロッドを下方へ突き出し
てロール34bおよびローラ36b,40b,46bを
ロール34aおよびローラ36a,40a,46aに押
圧するようになっている。搬送用駆動モータ56も、プ
レスラインの稼働時には常時回転駆動される。また、ピ
ンチローラ36b,40bは、クリーナーヘッド38b
と共にエアシリンダ60によって上下駆動される。
【0040】前記搬送装置による切板ワーク14の搬送
方向において最も上流側、すなわち入口側である図1の
左側に配設されたオイルカットロール34a,34b
は、外周部が不織布等にて構成され、切板ワーク14の
表面に押圧されつつ回転させられることにより、その切
板ワーク14を搬送しつつ表面に付着している切削油を
吸着して除去する。オイルカットロール34a,34b
は、切板ワーク14が存在しない時にも外周面が互いに
密着させられて切板ワーク14の搬送方向へ回転駆動さ
れるため、ベルトフィーダ16から切板ワーク14が送
り込まれた時には、その切板ワーク14を引き込むよう
にして両ロール間で挟み込む。これにより、切板ワーク
14の先端がオイルカットロール34a,34bに当接
する際に、そのオイルカットロール34a,34bの外
周面を疵付けることが良好に回避される。前記ピンチロ
ーラ36a,36b,40a,40b,46a,46b
は、単に切板ワーク14を搬送するだけのもので、その
切板ワーク14の疵付きを防止する上でメッキローラ,
ウレタンローラ等が用いられる。
【0041】切板ワーク14の搬送方向において上記オ
イルカットロール34a,34bよりも下流側に配設さ
れたクリーナーヘッド38a,38bは、切板ワーク1
4の表面に付着している埃や塵,切断時の切屑等を吸引
して除去するためのものである。上側のクリーナーヘッ
ド38bは、図3および図4に示されているように、前
記ピンチローラ36b,40bと共に一対の軸受ガイド
ブロック68に取り付けられ、前記エアシリンダ60に
よって上下駆動される。軸受ガイドブロック68の下降
端位置は高さ調整ボルト70によって規定され、その軸
受ガイドブロック68に位置固定に配設されたクリーナ
ーヘッド38bにより切板ワーク14に付着している異
物を最も効率良く吸引できるように、クリーナーヘッド
38bの開口面72と切板ワーク14の上面との間の隙
間Sが、例えば1〜2mm程度の所定の寸法となるよう
に切板ワーク14の板厚寸法を考慮して調整されてい
る。クリーナーヘッド38bの両側に配設されたピンチ
ローラ36b,40bは、それぞれ僅かな上下動可能に
軸受ガイドブロック68に取り付けられているととも
に、スプリング74,76によって下方へ付勢されてお
り、このスプリング74,76の付勢力に従って切板ワ
ーク14の上面に押圧されるとともに、通板時にはスプ
リング74,76の付勢力に抗して押し上げられるよう
になっている。クリーナーヘッド38bは、切板ワーク
14の有無に拘らず一定の高さに維持される。
【0042】上記クリーナーヘッド38bの開口面72
には、それぞれ切板ワーク14の上面に接するようにブ
ラシロール78およびワイパーゴム80が配設されてい
る。ブラシロール78はナイロンブラシ等にて構成さ
れ、切板ワーク14の搬送方向において吸込口82より
も上流側部分、すなわちピンチローラ36b側の部分に
回転自在に取り付けられており、切板ワーク14の移動
に伴って連れ廻りさせられることにより表面に付着して
いる異物を吸込口82側へ跳ね上げるようになってい
る。また、ワイパーゴム80は、吸込口78よりも下流
側部分すなわちピンチローラ40b側の部分に取り付け
られ、切板ワーク14の上面に密着させられている。こ
れ等のブラシロール78,ワイパーゴム80は、汚れた
時の交換が容易なようにそれぞれブロック84,86を
介してクリーナーヘッド38bに着脱可能に取り付けら
れている。ブロック84,86は、クリーナーヘッド3
8bの開口面72に設けられた取付溝88,90内に押
し込まれ、スプリングによって付勢されたボール92,
94が係合溝93,95に係合させられることにより、
クリーナーヘッド38bに離脱不能に取り付けられる一
方、クリーナーヘッド38bに形成された工具挿入孔9
6,98にピンが挿入されてボール92,94が押し下
げられ、そのボール92,94と係合溝93,95との
係合が解除されることにより、取付溝88,90から抜
き出すことが許容される。上記ブラシロール78,ワイ
パーゴム80,およびブロック84,86は、それぞれ
切板ワーク14の幅方向において複数に分割されてい
る。
【0043】下側のクリーナーヘッド38a,およびピ
ンチローラ36a,40aは、上記クリーナーヘッド3
8b,ピンチローラ36b,40bと向き合うように、
取付ブロック100を介してケース28に位置固定に取
り付けられている。取付ブロック100は、クリーナー
ヘッド38aの開口面と切板ワーク14の下面との間の
隙間が前記隙間Sと一致するように、ケース28に位置
決めされており、ピンチローラ36a,40aは、上端
縁が切板ワーク14の下面と一致するように取付ブロッ
ク100に移動不能に配設されている。また、クリーナ
ーヘッド38aの開口面には、上記クリーナーヘッド3
8bと同様にしてブラシロールおよびワイパーゴムが取
り付けられている。なお、前記高さ調整ボルト70は、
取付ブロック100の上端面に立設されている。
【0044】上記クリーナーヘッド38bの吸込口82
は、図5に示されているように切板ワーク14の幅方
向、すなわち搬送方向と直角な方向において仕切り板に
より3つに分離されている。また、クリーナーヘッド3
8aの吸込口102も3つに分離されており、相対向す
る吸込口82aと102a、82bと102b、82c
と102cは、それぞれ配管104a,104b,10
4cによって互いに連通させられているとともに、別々
のバキュームクリーナー106a,106b,106c
に接続されている。バキュームクリーナー106a,1
06b,106cは真空ポンプやフィルタ等を含んで構
成されており、これ等のバキュームクリーナー106
a,106b,106cが前記コントローラ66により
独立に作動させられることにより、幅寸法が異なる切板
ワーク14に対しても良好な吸引作用が得られる。切板
ワーク14の種類に応じて選択されたバキュームクリー
ナー106a,106b,106cは、プレスラインの
稼働時には切板ワーク14の有無に拘らず常時作動させ
られる。本実施例では、上記クリーナーヘッド38a,
38bおよびバキュームクリーナー106a,106
b,106cを含んで吸引装置が構成されている。
【0045】切板ワーク14の搬送方向において上記ク
リーナーヘッド38a,38bよりも下流側、すなわち
図1の右側に配設された第1粘着ロール装置42および
第2粘着ロール装置44は、図6に示されているよう
に、それぞれ一対の粘着ロール110aおよび110
b、112aおよび112bとガイド114、116と
を備えて構成されている。粘着ロール110a,110
b,112a,112bは、何れも円筒パイプの外周面
に粘着性合成ゴムを焼き付けて表面を研磨したもので、
合成ゴムのスプリング硬さはJIS規格で10〜20度
程度、厚さは10mm程度である。第1粘着ロール装置
42は、図7に示されているように、一対の昇降ブロッ
ク118を介してエアシリンダ120により上下駆動さ
れるようになっており、ガイド114は昇降ブロック1
18の下端部に位置固定され、取り付けられている一
方、一対の粘着ロール110a,110bは軸受ブロッ
ク122を介して昇降ブロック118に取り付けられて
いる。上記エアシリンダ120は、図示しないエア回路
の第1粘着ロール上下切換バルブ123(図2参照)が
コントローラ66によって切り換えられることにより、
昇降ブロック118を上下駆動する。また、ガイド11
4の配設位置は、昇降ブロック118が上昇端位置へ移
動させられた時に、切板ワーク14の搬送高さと略一致
するように定められている。なお、図7は切板ワーク1
4の搬送方向の上流側から見た斜視図で、切板ワーク1
4は図の右側から送り込まれる。
【0046】一対の粘着ロール110a,110bは、
切板ワーク14の板厚より0.2mm程度狭い隙間、例
えば切板ワーク14の板厚が0.7〜0.8mm程度で
あれば0.5〜0.6mm程度の隙間d(図6参照)だ
け上下に離間して軸受ブロック122にそれぞれ軸心ま
わりの回転可能に配設されており、昇降ブロック118
が下降端位置へ移動させられた状態において、一対の粘
着ロール110a,110b間を切板ワーク14が通過
させられるようになっている。これにより、粘着ロール
110a,110bは、その外周部が僅かに弾性変形す
る状態で切板ワーク14の上下両面に押圧され、この状
態で切板ワーク14の移動に伴って回転させられること
により、切板ワーク14の表面に付着している異物を粘
着して除去する。これ等の粘着ロール110a,110
bは、図8に示されているように、軸受ブロック122
に設けられた第1粘着ロール駆動モータ124によりベ
ルト126を介して互いに反対方向、すなわち切板ワー
ク14の搬送方向へ、その切板ワーク14の搬送速度と
略同じ速度で回転駆動されるようになっており、切板ワ
ーク14の先端が粘着ロール110a,110bに当接
する際に、その粘着ロール110a,110bの外周面
を疵付けることが防止される。上記ベルト126は、テ
ンションローラ128によって所定の張力が付与される
ようになっている。
【0047】上記軸受ブロック122は、昇降ブロック
118に固設されたガイド部材130により上方への抜
き出し可能にその昇降ブロック118に配設されてお
り、軸受ブロック122の昇降ブロック118に対する
配設位置は、高さ調整ボルト132によって調整され
る。また、軸受ブロック122の上端面には、吊りボル
トを取り付けるためのねじ穴134が設けられており、
粘着ロール110a,110bの表面が汚れて粘着力が
低下した時には、そのねじ穴134に吊りボルトを取り
付けて粘着ロール110a,110bを軸受ブロック1
22と共に抜き出し、その表面を溶剤等によって洗浄し
たり粘着ロール110a,110bを取り替えたりでき
るようになっている。
【0048】第2粘着ロール装置44は、上記第1粘着
ロール装置42と全く同様に構成されており、第2粘着
ロール上下切換バルブ136がコントローラ66によっ
て切り換えられることにより、エアシリンダ138によ
って上下駆動されるとともに、一対の粘着ロール112
a,112bは第2粘着ロール駆動モータ140によっ
て切板ワーク14の搬送方向へ回転駆動されるようにな
っている。2組の第1粘着ロール装置42および第2粘
着ロール装置44が配設されているのは、粘着ロール1
10a,110bまたは112a,112bが汚れた時
に、清浄装置10やプレスラインを停止することなく洗
浄したり交換したりできるようにするためで、図1は、
第2粘着ロール装置44を用いて切板ワーク14の異物
を粘着除去する場合である。エアシリンダ120,13
8によってそれぞれ上下駆動される粘着ロール装置4
2,44の下降端位置は清浄位置に相当し、上昇端位置
は待機位置に相当する。第1粘着ロール駆動モータ12
4および第2粘着ロール駆動モータ140は、使用する
粘着ロール装置42または44に応じてコントローラ6
6により回転制御され、図1の状態では第2粘着ロール
駆動モータ140のみが回転駆動される。これ等の粘着
ロール駆動モータ124または140は、プレスライン
の稼働時には常時回転駆動されるようになっている。
【0049】前記ケース28の第2室48に配設されて
いる上面塗油ノズルユニット50および下面塗油ノズル
ユニット52は、図9に示されている塗油装置142の
一部を構成しており、それぞれ切板ワーク14の幅方向
すなわち搬送方向と直角な方向に5つずつの塗油ノズル
50a〜50e、52a〜52eを備えている。それ等
の塗油ノズル50a〜50e、52a〜52eには、プ
ランジャポンプユニット144からフィルタ146、分
岐マニホルド148を介して高圧の潤滑油が供給される
ようになっており、一次エア源150からレギュレータ
152、分岐マニホルド154、上面塗油用電磁バルブ
ユニット156または下面塗油用電磁バルブユニット1
58を介して圧力エアが供給され、各塗油ノズル50a
〜50e、52a〜52eの図示しないスプール弁がそ
のエア圧によって開かれることにより、それぞれ潤滑油
を切板ワーク14の上下両面に向かって噴射する。プラ
ンジャポンプユニット144は、一次エア源160から
レギュレータ162を介して圧力エアが供給される高圧
ポンプ164によりオイルタンク166から潤滑油を汲
み上げて圧送するもので、高流量を得るとともにサージ
圧を吸収するためのフィルター内蔵アキュムレータ16
8、および油圧を調整するための圧力調整弁170を備
えている。塗油ノズル50a〜50e、52a〜52e
から噴射される潤滑油の量や粒子の大きさは、圧力調整
弁170によって調整される油圧によって変化し、切板
ワーク14に塗布すべき油膜の厚さ等を考慮して油圧が
調整される。また、塗油ノズル50a〜50eから切板
ワーク14の上面までの距離A、および塗油ノズル52
a〜52eから切板ワーク14の下面までの距離Bは、
それぞれ塗油範囲が僅かにオーバーラップするように上
記油圧等を考慮して定められている。
【0050】上記上面塗油用電磁バルブユニット156
および下面塗油用電磁バルブユニット158は、それぞ
れ5つの開閉電磁バルブを備えて構成されており、それ
等の開閉電磁バルブがそれぞれ前記コントローラ66に
よって開閉制御されることにより、上記塗油ノズル50
a〜50eおよび52a〜52eの任意のものが開閉さ
れ、切板ワーク14の任意の部位に潤滑油が塗布され
る。例えば、図10に示されているように塗油ノズル5
0b,50c,50dを開閉すれば、図11に斜線で示
されているように切板ワーク14の周縁部のみに潤滑油
を塗布することができるのであり、塗油ノズル50bお
よび50dの開き(ON)時間t1 ,t5は、切板ワー
ク14の長さ寸法Lおよび搬送速度に基づいて定めら
れ、塗油ノズル50cの開き(ON)時間t2 は塗油幅
1 および搬送速度に基づいて定められ、塗油ノズル5
0cの閉じ(OFF)時間t3 は非塗油幅W2 および搬
送速度に基づいて定められ、塗油ノズル50cの開き
(ON)時間t4 は塗油幅W3 および搬送速度に基づい
て定められる。また、各塗油ノズル50b,50c,5
0dの開き制御を開始する時間は、前記光電管26によ
り切板ワーク14の先端が検出された時間Tに基づいて
制御され、時間Tから開き制御を開始するまでのタイミ
ング時間t0 は、光電管26から塗油ノズルユニット5
0,52までの距離および搬送速度に基づいて定められ
る。なお、図11の切板ワーク14は、図9の切板ワー
ク14よりも幅寸法が小さく、3つの塗油ノズル50
b,50c,50dだけで潤滑油を塗布できるものであ
る。また、電磁バルブユニット156,158の各開閉
電磁バルブを切換制御した後、実際に塗油ノズル50a
〜50e,52a〜52eが開閉されるまでには遅れ時
間があるため、上記タイミング時間t0 や時間t1 〜t
5 は予め実験等を行って設定することが望ましい。
【0051】図2のコントローラ66は、CPU,RA
M,ROM,入出力インタフェース回路等を含んで構成
されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROM
に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、
前記搬送用駆動モータ56やバキュームクリーナー10
6a,106b,106c、粘着ロール駆動モータ12
4,140、粘着ロール上下切換バルブ123,13
6、塗油用電磁バルブユニット156,158、および
エアシリンダ58,60,62の作動を切り換える図示
しない切換バルブ等を駆動制御する。このコントローラ
66には、表示器および設定器の機能を備えたタッチパ
ネル172が接続されており、各部の作動状態や異常な
どを表示したり、切板ワーク14の種類すなわち部品番
号毎に使用するバキュームクリーナー106a,106
b,106cの選択、使用する粘着ロール装置42,4
4の選択、使用する塗油ノズル50a〜50e,52a
〜52eの選択および塗油時間を設定したりできるよう
になっている。コントローラ66にはまた、光電管26
から切板ワーク14の先端の通過を表す信号が供給され
るとともに、プレス装置174からプレス金型の種類す
なわち部品番号を表す信号が供給されるようになってい
る。なお、前記タイミング時間t0 等は、水晶振動子等
のクロック信号を計数するタイマによって計測される。
【0052】図12は、上記タッチパネル172の表示
画面の一例で、右側操作部の「選択部」がタッチ操作さ
れて選択用のデータ入力画面が表示された場合であり、
この状態で「No1粘着ロール」または「No2粘着ロー
ル」の表示部をタッチ操作することにより、使用する粘
着ロール装置42または44を選択する。バキュームク
リーナー106a,106b,106cについては、
「11」,「12」,「13」の表示部をタッチ操作す
ることによって任意に選択でき、塗油ノズル50a〜5
0e,52a〜52eについては、「21」〜「2
5」,「31」〜「35」の表示部をタッチ操作するこ
とにより任意に選択できる。タッチ操作毎に使用、不使
用が切り替わり、使用の場合には点灯表示となり、不使
用の場合は消灯する。これ等の選択を終了した後に、右
側操作部の「データ書込み」をタッチ操作すると、この
選択データが画面右上に表示されている「部品番号」毎
にRAMに記憶される。
【0053】また、図13は、右側操作部の「調整部」
がタッチ操作されて調整用のデータ入力画面が表示され
た場合であり、この状態で塗油ノズル50a〜50e,
52a〜52eの塗油時間を設定する。左側の「設定項
目」の「ノズル21,31」,「ノズル22,32」等
は前記図12の「潤滑油ノズル」の欄の数字に対応し、
「起動ON」は1回目のノズル開き時間、「OFF」は
ノズル閉じ時間、「ON」は2回目のノズル開き時間を
設定する項目である。これ等の「設定項目」の選択は、
テンキーの「▽」および「△」表示部をタッチ操作する
ことにより下または上に移動し、点灯表示で表される。
そして、各選択項目についてテンキーにより時間を数字
入力し、「書込」表示部をタッチ操作することにより、
その値が「現在値」に設定される。例えば、前記図10
の場合を例として説明すると、塗油ノズル50bに対応
する「ノズル22,32起動ON」に時間t1 を設定
し、塗油ノズル50cに対応する「ノズル23,33起
動ON」に時間t2 、「ノズル23,33 OFF」に
時間t3 、「ノズル23,33 ON」に時間t4 を設
定し、塗油ノズル50dに対応する「ノズル24,34
起動ON」に時間t5を設定し、その他の項目は「0.
000」とする。かかる「現在値」の設定に際しては、
実際に清浄装置10を作動させて切板ワーク14に対す
る塗油範囲を確認し、所望する部位に塗油できるように
「現在値」を変更する。そして、各項目の設定を終了し
た後に「現在値ティーチ」をタッチ操作すると、その
「現在値」が「設定値」に設定され、更に「データ書込
み」をタッチ操作することにより、その「設定値」が
「部品番号」毎にRAMに記憶される。「設定値」には
従来の値が表示されており、初期設定の場合は「0.0
00」となっている。なお、この塗油時間は上下の塗油
ノズルについて設定されるが、実際に開き制御されるの
は図12において選択された塗油ノズルだけであり、切
板ワーク14の上面のみ或いは下面のみに塗油を行うこ
ともできる。また、前記タイミング時間t0 (図10参
照)は、予め別個に設定される。
【0054】そして、実際の作動に際しては、プレス機
械174から供給される「部品番号」に従って選択デー
タおよび設定データを読み込み、粘着ロール装置42,
44については、使用する粘着ロール装置42または4
4を下降端位置に保持するとともに不使用の粘着ロール
装置44または42を上昇端位置に保持するように、上
下切換バルブ123および136を切換制御するととも
に、使用する粘着ロール装置42または44の駆動モー
タ124または140を回転駆動し、切板ワーク14の
表面に付着している異物を粘着除去する。また、使用す
るバキュームクリーナー106a,106b,106c
に駆動電源を供給してバキューム動作を行わせ、切板ワ
ーク14の表面に付着している異物を吸引除去する。塗
油ノズル50a〜50e,52a〜52eについては、
塗油用電磁バルブユニット156,158の各電磁バル
ブを開閉制御することにより、選択された塗油ノズルか
ら予め定められた塗油時間だけ潤滑油を噴射させ、切板
ワーク14の所定の部位に潤滑油を塗布する。
【0055】ここで、かかる本実施例の清浄装置10に
おいては、オイルカットロール34a,34bにより切
板ワーク14に付着している油分を吸着除去した後、バ
キュームクリーナー106a,106b,106cによ
り異物を吸引除去するとともに、粘着ロール装置42ま
たは44により異物を粘着除去するようにしているた
め、洗浄油を用いて研磨洗浄する図44の従来装置に比
較して作業環境が大幅に改善されるとともに、洗浄油の
回収タンクや濾過機等が不要で装置がコンパクトとな
り、据付スペースが節減される。切板ワーク14として
アルミ板のように軟質のものを用いる場合でも、ブラシ
ロールで研磨洗浄する場合のように表面に疵を付けるこ
となく十分に清浄化できる。
【0056】また、切断時に付着した切削油を予めオイ
ルカットロール34a,34bで除去するようになって
いるため、その後のバキュームクリーナー106a,1
06b,106cや粘着ロール装置42,44による異
物除去が効果的に為され、洗浄油で研磨洗浄する場合に
比較して優れた清浄効果が得られるようになり、切板ワ
ーク14の搬送速度が速くても十分な清浄効果が得られ
る一方、切板ワーク14に油が付着していないことから
清浄後における埃などの再付着も少なくなる。ブラシロ
ールで異物を除去する場合に比較して、バキュームクリ
ーナー106a,106b,106cや粘着ロール装置
42,44で除去した異物が切板ワーク14に再付着す
る恐れも少ない。バキュームクリーナー106a,10
6b,106cや粘着ロール装置42,44で除去した
異物を分析することにより、異物の発生源対策を行うこ
とも可能である。
【0057】また、バキュームクリーナー106a,1
06b,106cで異物を吸引除去した後、そのバキュ
ームクリーナー106a,106b,106cでは除去
できなかった異物を粘着ロール装置42または44によ
り粘着除去するようにしているため、その粘着ロール装
置42または44で粘着除去する異物の量は極めて少な
く、粘着ロール110a,110bまたは112a,1
12bによる優れた異物除去効果が長期間に亘って得ら
れるようになるとともに、その交換或いは洗浄周期が長
くなる。本実施例では、2組の粘着ロール装置42およ
び44が設けられ、プレスラインの稼働中に不使用の粘
着ロール110a,110bまたは112a,112b
を洗浄したり交換したりできるようになっているため、
プレスラインの稼働率が向上する。
【0058】一方、清浄化された切板ワーク14をその
ままプレス装置に供給して絞り加工等を行うと、適度な
滑りが得られなくて破断等のプレス成形不良を生じる恐
れがあるが、本実施例の清浄装置10は、その下流側部
分に塗油装置142が配設され、切板ワーク14の搬送
過程で必要な部分、例えばしわ押え部分等に潤滑油を塗
布するようになっているため、これによりプレス成形不
良が回避される。また、必要部分のみに潤滑油が塗布さ
れるため、従来の清浄装置のように切板ワークの全面に
油膜を残す場合に比較して、その後の埃等の異物の付着
が少ない。
【0059】また、本実施例ではバキュームクリーナー
106a,106b,106cや粘着ロール装置42,
44、塗油ノズル50a〜50e,52a〜52eの選
択、塗油時間の設定等をタッチパネル172で行うよう
になっているため、専用の設定器や表示器,表示ランプ
等を必要としていた従来装置に比較してコンパクトに構
成されるとともに、それ等の設定操作が容易になる利点
がある。
【0060】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。例えば、上記実施例では一対のオイルカットロ
ール34a,34bで切板ワーク14の表面に付着して
いる油分を吸着除去するようになっていたが、防錆用の
油が塗布されている切板ワークを用いる場合など、必要
に応じてオイルカットロールを2組以上配設することも
できる。オイルカットロールの芯に吸引通路を設け、不
織布等に吸い取られた油をバキュームにより吸引するこ
ともできるし、オイルカットロールによる吸着除去に先
立ってブロワ等で油を吹き飛ばしても良い。
【0061】また、上記オイルカットロール34aは搬
送用駆動モータ56によって回転駆動されるようになっ
ていたが、切板ワーク14の通過に伴って連れ廻りさせ
られるようにしても良い。切板ワーク14の先端が当接
する時だけ別個の駆動モータを用いて回転駆動すること
もできる。
【0062】また、上記実施例ではクリーナーヘッド3
8a,38bにブラシロール78およびワイパーゴム8
0が取り付けられていたが、これ等は必ずしも必要でな
いとともに、これとは別に磁石を開口面72の近傍に配
設して磁力により切屑等を吸引除去するように構成する
こともできる。ブラシロール78をモータにより回転駆
動して異物を吸込口82に掻き込むようにすることもで
きるし、異物の吸引除去効果を高めるためにクリーナー
ヘッドを2組以上配設することも可能である。異物の量
が少ない場合には、このクリーナーヘッドを含む吸引装
置を省略しても差し支えない。
【0063】また、上記実施例のクリーナーヘッド38
a,38bの吸込口82,102は3つに分離され、バ
キュームクリーナー106a,106b,106cに独
立に接続されていたが、複数種類の切板ワーク14の幅
寸法に応じて更に細かく分離することもできるし、幅寸
法が略一定であれば分離する必要はない。複数の吸込口
82a〜82c,102a〜102cを単一のバキュー
ムクリーナーに接続するとともに、その配管に開閉バル
ブ等を設けて吸気回路の切換えを行うこともできる。
【0064】また、上記実施例では2組の粘着ロール装
置42および44が設けられ、その何れか一方を用いて
異物を粘着除去する場合について説明したが、2組の粘
着ロール装置42,44を用いて異物を粘着除去するこ
ともできる。その場合には、粘着ロールの洗浄や交換を
考慮して粘着ロール装置を3組以上配設することが望ま
しい。3組以上の粘着ロール装置を用いて異物を粘着除
去するように構成することも可能である。
【0065】また、上記粘着ロール装置42,44の粘
着ロール110a,110b,112a,112bは駆
動モータ124,140によって回転駆動されるように
なっていたが、切板ワーク14の通過に伴って連れ廻り
させられるようにしても良い。切板ワーク14の先端が
当接する時だけ駆動モータ124,140を用いて回転
駆動することもできる。
【0066】また、上記粘着ロール110aおよび11
0bは軸受ブロック122に変位不能に配設されていた
が、両者が互いに接触しないことを条件として、上側の
粘着ロール110bをピンチローラ36b,40bと同
様にスプリングにより下方へ付勢するとともに、そのス
プリングの付勢力に抗して上方への後退可能とすること
もできる。粘着ロール112bについても同様である。
【0067】また、上記粘着ロール装置42,44には
板状のガイド114,116が備えられ、不使用時には
そのガイド114または116によって切板ワーク14
を案内するようになっていたが、一対のガイドローラを
回転可能に配設してその間を切板ワーク14が通過させ
られるようにしても良い。
【0068】また、上記実施例の清浄装置10は塗油装
置142を備えていたが、その後のプレス加工の種類に
よっては必ずしも塗油装置142を設ける必要はない
し、プレス装置の金型に油路を設けてしわ押え部分等に
潤滑油が供給されるようにすることも可能である。塗油
装置142における塗油ノズルユニット50,52の塗
油ノズルの数は適宜設定される。
【0069】また、上記実施例では光電管26による切
板ワーク14の先端検出時を基準として塗油ノズル50
a〜50e,52a〜52eを開閉制御するようになっ
ていたが、光電管26をケース28内に配設しても差支
えないし、光電管26の代わりに近接スイッチ等の他の
検出手段を用いることも可能である。
【0070】また、上記実施例ではピンチローラ46a
が一定の回転速度で回転させられるようになっていた
が、上記塗油装置142を備えていない場合等には、独
立の駆動モータを設けて切板ワーク14の後端が粘着ロ
ール装置44を通過した後に高速送りを行うことによ
り、その切板ワーク14の清浄時間を短縮することも可
能である。切板ワーク14の後端が粘着ロール装置44
を通過したか否かは、光電管等の検出手段を粘着ロール
装置44とピンチローラ46aとの間に設ければ良い。
【0071】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前記実施例と共通する部分に
は同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0072】図14〜図17は吸引装置の別の例を示す
図で、図14はクリーナーヘッド300および302を
示す斜視図、図15はその縦断面図、図16は上側のク
リーナーヘッド300の底面図、図17はバキュームク
リーナー304を示す正面図であり、これ等のクリーナ
ーヘッド300,302およびバキュームクリーナー3
04によって吸引装置が構成されている。前記ピンチロ
ーラ36a,36b、40a,40bは、クリーナーヘ
ッド300,302とは別個にケース28に配設され、
切板ワーク14を所定の搬送速度で搬送するようになっ
ている。また、クリーナーヘッド300とクリーナーヘ
ッド302は同じ構成で上下対称に配設されており、以
下の説明では上側のクリーナーヘッド300について詳
しく説明し、下側のクリーナーヘッド302については
主要部材に同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0073】クリーナーヘッド300は、耐圧ホース3
06を介してバキュームクリーナー304に接続される
配管308と、4本の接続管路310を介して配管30
8に並列に接続された4つのフード部材312と、その
フード部材312に固設されて吸込口314を構成して
いる一対のプレート316と、その一対のプレート31
6にそれぞれ固設された一対のガイド板318とを備え
ている。4つのフード部材312は一列に並んだ状態で
一対のチャンネル320に固設されており、そのチャン
ネル320がブラケット322を介して前記ケース28
に取り付けられることにより、切板ワーク14の搬送方
向と交差する方向、具体的には切板ワーク14の先端縁
と平行になるワーク搬送方向と直角な方向に配置される
ようになっている。両端のフード部材312に接続され
た接続管路310には、管路を開閉する切換ボール弁3
24がそれぞれ設けられ、切板ワーク14の幅寸法が狭
い場合には管路を閉じることができるようになってい
る。切換ボール弁324は、手動操作で切り換えられる
ものであっても良いが、エアシリンダなどのアクチュエ
ータによりコントローラからの信号に従って自動で切り
換えられるものを採用することもできる。なお、図14
は、切板ワーク14の搬送方向の上流側から見た斜視図
で、切板ワーク14は図の右下側から送り込まれる。
【0074】吸込口314を構成している一対のプレー
ト316は、切板ワーク14の搬送方向と直角な方向に
配置された4つのフード部材312に跨がって配設され
ているとともに、図16から明らかなように山形の凹凸
形状を成しており、吸込口314は切板ワーク14の搬
送方向において凹凸を有する。一対のプレート316の
両側部は、一対の側板326によってそれぞれ閉塞され
ている。また、前記ガイド板318は、上記凹凸形状を
成すプレート316の下端に略水平、すなわち切板ワー
ク14と略平行となる姿勢で固設されており、前記ピン
チローラ36a,36bによって送り込まれる切板ワー
ク14は、上下のクリーナーヘッド300,302のガ
イド板318に案内されつつそれ等の間を通過させられ
る。ガイド板318には、切板ワーク14に疵を付ける
ことを防止するためにメッキ処理が施されている。
【0075】ガイド板318とフード部材312との間
には、吸込口314を挟んで両側に2列ずつ、計4列で
ガイドローラ328,330,332,334が配設さ
れており、その外周部の一部はガイド板318に設けら
れた切欠から突き出している。ワーク搬送方向の最も上
流側および下流側のガイドローラ328,334は、吸
込口314の凹凸形状の凸部分に配設されているととも
に、それ等の間のガイドローラ330,332は、吸込
口314の凹凸形状の凹部分に配設されている。これ等
のガイドローラ328,330,332,334は、何
れも切板ワーク14の搬送方向と直角な軸まわりの回転
可能に設けられており、切板ワーク14は、上下のクリ
ーナーヘッド300,302のガイドローラ328,3
30,332,334の間で位置決めされつつ高い直進
性で搬送方向へ通過させられ、それに伴ってガイドロー
ラ328,330,332,334は連れ廻りさせられ
る。その場合に、ガイドローラ330,332は、切板
ワーク14の幅方向において吸込口314が部分的に位
置する部位、すなわち吸込口314の凹凸形状の凹部分
に配設されているため、バキュームクリーナー304に
よる吸引力で切板ワーク14が吸込口314に吸い寄せ
られることがない。上記ガイドローラ328,330,
332,334のガイド板318からの突き出し量、す
なわちガイド板318と切板ワーク14との間の隙間S
は、外部から所定量の空気が流入して十分な異物の吸引
除去性能が得られるように、例えば0.5〜0.7mm
程度に設定される。この隙間Sが前記第1実施例の場
合、すなわち1〜2mm程度より小さいのは、本実施例
ではブラシロール78やワイパーゴム80が設けられて
いないからである。ガイドローラ328,330,33
2,334は、切板ワーク14の疵付きを防止する上で
メッキローラ,ウレタンローラ等が用いられる。
【0076】クリーナーヘッド300,302は、チャ
ンネル320の両端部に配設される共通の一対のブラケ
ット322を介してケース28に配設されるようになっ
ており、ブラケット322は、下側のクリーナーヘッド
302に配設されたガイドローラ328,330,33
2,334の上端縁が、ピンチローラ36a,36b、
40a,40b等によって搬送される切板ワーク14の
下面の高さと略一致するようにノックピン336で位置
決めされ、複数のボルトによってケース28に固設され
る。下側のクリーナーヘッド302は、水平レベルを調
整できるようにブラケット322に固定されている一
方、上側のクリーナーヘッド300は、チャンネル32
0に形成された長穴により上下動可能にブラケット32
2に取り付けられており、ブラケット322にねじ込ま
れた高さ調整ボルト338により高さ位置や水平レベル
を調整できるようになっている。クリーナーヘッド30
0の高さ位置は、ガイドローラ328,330,33
2,334が切板ワーク14の上面に接するように、切
板ワーク14の板厚に応じて調整される。高さ調整ボル
ト338は、ワーク搬送方向に離間して一つのブラケッ
ト322に一対設けられており、それぞれ高さ調整でき
るようになっている。なお、これ等のクリーナーヘッド
300,302は、耐圧ホース306を介してバキュー
ムクリーナー304に接続されているため、ブラケット
322のボルトを外してケース28から簡単に取り外す
ことができ、ヘッド部内の清掃作業等を容易に行うこと
ができる。
【0077】図17のバキュームクリーナー304は、
第1架台フレーム340上に複数の防振ゴム342を介
して配置された第2架台フレーム344上に配設されて
おり、モータ346によって駆動されるブロワ348を
備えている。ブロワ348の吸入側には、フレキシブル
ジョイント350,配管352,フィルタ354,チェ
ック弁356,配管358を介して耐圧ホース360が
接続されており、その耐圧ホース360の先端部にはY
字管362が取り付けられ、前記クリーナーヘッド30
0,302の配管308に接続された耐圧ホース306
の他端がそれぞれ接続されるようになっている。また、
ブロワ348の吐出側には、排気音低減のためにフレキ
シブルジョイント380を介して吐出サイレンサ382
が接続されている。
【0078】ブロワ348には真空安全弁364および
バキューム圧力計366が設けられており、配管352
には軟質チューブを介して圧力スイッチ368が接続さ
れている。圧力スイッチ368は配管352内の負圧を
検知するもので、例えば500mmH2 O以下か否かを
検知する低圧用、および3000mmH2 O以上か否か
を検知する高圧用を備えており、何れの場合も異常信号
をコントローラ370に出力する。負圧が500mmH
2 O以下の場合は、モータ346とブロワ348との間
の伝動ベルト372の切断等の異常が存在すると考えら
れ、負圧が3000mmH2 O以上の場合は、配管35
2より先の部分で全閉等の異常が存在すると考えられる
のであり、上記異常信号が供給されたコントローラ37
0はモータ346を緊急停止する。コントローラ370
はマイクロコンピュータ等を含んで構成されており、予
め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことに
より、モータ346の作動を制御する。
【0079】フィルタ354は、比較的希薄な粉塵や油
分を回収するためのもので、そのフィルタ354の前後
には軟質チューブを介して差圧スイッチ374が接続さ
れ、フィルタ354の目詰まりを検知するようになって
いる。差圧スイッチ374は、例えば0〜200mmH
2 Oの間で判定値を可変設定できるようになっており、
差圧がその設定された判定値、例えば80mmH2 O以
上となった時にコントローラ370に異常信号を出力す
る。この場合にも、コントローラ370はモータ346
を緊急停止するようになっている。なお、本実施例の場
合、フィルタ354が新品の時には上記差圧は5mmH
2 O程度である。
【0080】チェック弁356は、空気の逆流を防止す
るためのものである。配管358は、耐圧ホース360
を簡単に取外しできるように複数の締付けレバー376
によって耐圧ホース360を接続している。Y字管36
2は、分岐した部分に風力調整用のプレートダンパ37
8を備えており、切板ワーク14の幅寸法に応じて上下
のクリーナーヘッド300,302の風力,風圧をそれ
ぞれ独立に増減できるようになっている。条件により、
上側のクリーナーヘッド300または下側のクリーナー
ヘッド302のみを用いて、切板ワーク14の上面また
は下面のみの異物を吸引除去することもできる。この実
施例では、手動でプレートダンパ378を操作するよう
になっているが、コントローラ370により自動で調整
できる自動ボール弁等を用いることも可能である。
【0081】コントローラ370には、前記実施例のコ
ントローラ66と同様に前記光電管26やプレス装置1
74から所定の信号が供給されるようになっており、前
記搬送用駆動モータ56と同時にモータ346を駆動開
始して常時バキュームクリーナー304を作動させるこ
とにより、一対のクリーナーヘッド300,302間を
通過させられる切板ワーク14の表面の異物を吸引除去
する。バキュームクリーナー304は常時作動させら
れ、ブロワ348等が高温となるため、人的接触を防止
するための保護カバー等が必要に応じて設けられるとと
もに、設置場所についても適宜定められる。
【0082】ここで、本実施例のクリーナーヘッド30
0,302の吸込口314はワーク搬送方向において凹
凸を有するとともに、その凹部、すなわち切板ワーク1
4の搬送方向と直角な方向において吸込口314が部分
的に位置する部位を含めて複数のガイドローラ328,
330,332,334が設けられ、切板ワーク14を
吸込口314の開口部から隙間Sだけ離間した位置に保
持して通過させるようになっているため、バキュームク
リーナー304による吸引力で切板ワーク14が吸込口
314に吸い寄せられてプレート316やガイド板31
8と干渉したり異物の吸引除去性能が低下したりするこ
とが良好に回避される。すなわち、これ等のガイドロー
ラ328〜334、特にガイドローラ330,332を
設けないと、切板ワーク14が極薄の板材やアルミ等の
軟質材である場合、吸引力で吸込口314に吸い寄せら
れて、搬送方向の先端部が吸込口314に引っ掛かって
変形したり、中間部分がガイド板318に摺接しつつ送
られて表面に疵が付いたりすることがあるとともに、ク
リーナーヘッド300,302と切板ワーク14との間
の隙間Sが狭くなって外部からの流入空気量が減少し、
十分な風量が得られずに異物の吸引除去性能が低下した
りすることがあるのに対し、上記のように搬送方向と直
角な方向において吸込口314が部分的に位置する部位
を含めてガイドローラ328〜334を設け、切板ワー
ク14を隙間Sだけ離間した位置に位置決めする本実施
例の吸引装置によれば、そのような問題が解消するので
ある。
【0083】また、このように切板ワーク14とクリー
ナーヘッド300,302との干渉が防止されることか
ら、バキュームクリーナー304の吸引力を高めて清浄
能力をアップすることも可能で、下流側のピンチローラ
40a,40bの汚れを一層軽減できるとともに、第1
粘着ロール装置42,第2粘着ロール装置44で粘着除
去する異物の量を少なくでき、粘着ロール110a,1
10b,112a,112bによる異物除去効果が長期
間に亘って得られるようになる。一方のクリーナーヘッ
ド300または302のみにより切板ワーク14の上面
または下面の異物を吸引除去する場合にも、切板ワーク
14が吸込口314に吸い寄せられることがなく、良好
に異物を除去できる。
【0084】また、切板ワーク14はガイドローラ32
8〜334によって案内されつつ通過させられるため、
吸引装置による異物の除去が不要の場合には単にバキュ
ームクリーナー304の作動を停止させるだけで良く、
前記第1実施例のようにブラシロール78やワイパーゴ
ム80による疵付きを防止するためにクリーナーヘッド
を離間させる必要がない。
【0085】なお、連続したプレス鋼板のコイル材の異
物を吸引除去する場合でも、吸引力を高くするとコイル
材が吸込口に吸い寄せられて疵付いたり摩耗したりする
ことがあるが、本実施例のクリーナーヘッド300,3
02によれば、コイル材を吸い寄せて疵付けることなく
大きな吸引力で異物を効果的に除去できる。
【0086】また、上記実施例では吸込口314の両側
に計4列でガイドローラ328〜334が配設されてい
たが、凹凸形状を成す吸込口314の凹部に配設されて
いる中間部の2列のガイドローラ330,332だけ、
更には吸込口314より上流側のガイドローラ330だ
けでも本発明の効果が得られる。吸込口314の一つの
凹部に複数のガイドローラを配設することも可能であ
る。また、吸込口314の凹凸形状は必ずしも山形であ
る必要はなく、例えば図19の吸込口394のように波
形の凹凸であっても良い。
【0087】また、上記クリーナーヘッド300,30
2の両側に位置するピンチローラ36a,36b、40
a,40bの外周面に対向するように吸込口が設けられ
たクリーナーヘッドをクリーナーヘッド300,302
とは別個に配設し、バキュームクリーナー304からの
配管を分岐して接続するとともに、クリーナーヘッド3
00,302の不使用時には切換バルブなどで管路を切
り換えてピンチローラ36a,36b、40a,40b
の外周面の異物を吸引除去するように構成することもで
きる。
【0088】また、上記実施例では吸込口314がワー
ク搬送方向と直角な方向に形成されていたが、切板ワー
ク14の先端縁が斜めになっている場合は、その先端縁
形状に合わせて斜めにしても良いなど、吸込口314の
形状は、少なくともワーク搬送方向において凹凸を有す
るものであれば適宜変更され得る。
【0089】次に、吸引装置の更に別の態様を説明す
る。図18および図19は、前記図15および図16に
対応するもので、この実施例のクリーナーヘッド39
0,392は前記クリーナーヘッド300,302と同
様に配設されて用いられるものであるが、先端部分の構
造が相違する。すなわち、吸込口394は波形の凹凸形
状を成しているとともに、その吸込口394より上流側
のみに前記ガイドローラ328,330が配設され、下
流側には、前記ガイドローラ332が設けられていた部
位すなわち吸込口394の凹部分に、切板ワーク14に
向かって圧縮空気を噴射する一対のエアーノズル396
が設けられている。エアーノズル396は、切板ワーク
14の搬送方向と逆方向に向かって搬送面から5°〜3
0°程度の角度範囲で角度調整可能に配設されており、
噴射された圧縮空気が切板ワーク14の表面に付着して
いる塵埃等の異物や油分を吹き飛ばすとともに、それ等
の異物や油分と共に吸込口394内へ吸引されるように
予め調整される。エアーノズル396を予め所定の傾斜
角度で位置固定に配置するようにしても良い。そして、
複数のエアーノズル396は、何れもワッタッチで着脱
できるワンタッチ式カプラ398を介して樹脂チューブ
400に接続され、圧縮空気供給装置402から圧縮空
気が供給されるようになっている。エアーノズル396
は、切板ワーク14の幅寸法に応じて必要なもののみワ
ンタッチ式カプラ398により樹脂チューブ400に接
続すれば良い。圧縮空気供給装置402は、風量コント
ローラ付きの高圧ブロワやコンプレッサ等を備えて構成
され、切板ワーク14の前端が前記ピンチローラ36
a,36b部分を通過したこと、および切板ワーク14
の後端が前記ピンチローラ40a,40b部分を通過し
たことを、それぞれ光電管や近接スイッチ等によって検
出することにより、切板ワーク14がクリーナーヘッド
390,392間を通過する間だけ圧縮空気を送り出す
ようになっている。この圧縮空気供給装置402および
エアーノズル396を含んでエアーブロー装置が構成さ
れている。
【0090】このようなクリーナーヘッド390,39
2においては、吸込口394より上流側部分にはガイド
ローラ328,330が配設されて切板ワーク14を位
置決めするようになっているとともに、吸込口394よ
り下流側にはエアーノズル396が配設され、切板ワー
ク14に圧縮空気を噴射するようになっているため、バ
キュームクリーナー304による吸引力で切板ワーク1
4が吸込口394に吸い寄せられることが防止され、ク
リーナーヘッド390,392との干渉による変形や疵
付き、吸引除去性能の低下が良好に回避されるなど、前
記クリーナーヘッド300,302と同様の効果が得ら
れる。また、圧縮空気が噴射されることによって切板ワ
ーク14の表面に付着している塵埃等の異物や油分が飛
ばされるため、清浄効果が一層向上するとともに、飛ば
された異物や油分は吸込口394から吸い込まれるよう
になっているため、外部に飛散して作業環境を損なうこ
ともない。
【0091】なお、上記実施例では吸込口394が凹凸
形状を成し、その下流側の凹部分にエアーノズル396
が配設されていたが、吸込口が切板ワーク14の先端縁
形状に合わせて例えばワーク搬送方向と略直角な一直線
上に設けられている場合に、その吸込口の内部にエアー
ノズルを配置して切板ワーク14に圧縮空気を噴射する
ようにしても良い。吸込口394より上流側にエアーノ
ズルを取り付けるとともに下流側にガイドローラを配設
したり、エアーノズル396を1箇所に1つずつ設ける
ようにしたり、複数のエアーノズル396を設ける代わ
りに1本のノズル管から線状に圧縮空気を噴射するエア
ーノズルを吸込口394に沿って配設したりすることも
可能である。
【0092】また、上記実施例では切板ワーク14の幅
寸法に応じて必要なエアーノズル396のみを樹脂チュ
ーブ400に接続するようになっていたが、エア回路を
切り換える切換バルブなどを切板ワーク14の種類に応
じてコントローラで自動で切換制御することにより、所
望するエアーノズル396に圧縮空気を供給するように
しても良い。
【0093】次に、図20〜図28を参照しつつ、粘着
ロール装置の別の態様を説明する。図20は粘着ロール
装置410の近傍を示す概略構成図で、図21は、ワー
ク搬送方向の上流側から粘着ロール装置410および一
対の洗浄装置412,414を見た斜視図である。粘着
ロール装置410は、前記切板ワーク14の板厚より
0.2mm程度小さい所定の隙間を有する状態でケース
28に回転自在に配設された一対の粘着ロール416,
418を備えており、ピンチローラ420a,420
b、422a,422bにより切板ワーク14が図20
の右方向へ搬送される際に、粘着ロール416,418
は切板ワーク14の下面および上面にそれぞれ接触させ
られ、その切板ワーク14の通過に伴って連れ廻りされ
つつ表面の異物を粘着除去する。粘着ロール416,4
18は、それぞれ軸受ブロック424,426を介して
ケース28に上下動可能に配設されており、調整ダイヤ
ル428,430が回転操作されることにより送りねじ
等によって高さ位置が調整される。下側のピンチローラ
420a,422aは、切板ワーク14を予め定められ
た一定の搬送速度で搬送するように、前記搬送用駆動モ
ータ56により伝動ベルト432(図22参照)を介し
て同期回転させられる一方、上側のピンチローラ420
b,422bは、それぞれエアシリンダ434,436
によって下側のピンチローラ420a,422aに押圧
される。上記粘着ロール418,ピンチローラ420b
の軸端部にはそれぞれ歯車が取り付けられ、その歯車の
回転に伴ってパルスを発生する回転速度センサ438,
440により、それ等粘着ロール418,ピンチローラ
420bの回転速度Nn,Npが検出されるようになっ
ている。上記回転速度センサ438,440は、歯車の
歯を検出する近接スイッチや光電スイッチ等にて構成さ
れるが、ロータリエンコーダ等の他の回転検出手段を用
いることもできる。この実施例では、搬送用駆動モータ
56およびピンチローラ420a,420b、422
a,422bを含んで搬送装置が構成されている。
【0094】上記ピンチローラ420bは、図22に示
されているように、ケース28に上下動可能に配設され
た軸受ブロック442に回転自在に取り付けられてお
り、その軸受ブロック442がエアシリンダ434によ
って上下駆動されるようになっている。軸受ブロック4
42には、ブラケット444を介して上下スライド44
6が配設されており、その上下スライド446には中間
ローラ448が回転自在に配設されている。中間ローラ
448は、上下スライド446に上下動可能に設けられ
ているとともに、常にはスプリング450により上端位
置に保持されており、軸受ブロック442がエアシリン
ダ434により上昇端位置まで移動させられると、ピン
チローラ420a,粘着ロール416の軸にそれぞれ固
定されたローラ452,454にスプリング450の付
勢力に従って接触させられるようになっている。上下ス
ライド446のブラケット444に対する配設高さは、
軸受ブロック442の上昇時に中間ローラ448が確実
にローラ452,454に接触するように、調整ねじ4
56によって調整される。これにより、ピンチローラ4
20bが上昇端位置に保持されている時には、前記搬送
用駆動モータ56によって粘着ロール416を回転駆動
できる。ローラ454は、粘着ロール418の軸に固定
されたローラ458と予め歯車等で噛み合わされてお
り、粘着ロール418も粘着ロール416の回転に伴っ
て回転させられる。中間ローラ448およびローラ45
2,454は、滑り止めのためにウレタンローラを用い
たり接触面にローレット加工を施したりするか、或いは
歯車などで噛み合うように構成される。なお、図22は
ワーク搬送方向の下流側から見た斜視図で、切板ワーク
14は図の左上から送り込まれる。
【0095】図21に戻って、前記洗浄装置414は粘
着ロール418の上部に配設されている。この洗浄装置
414は粘着ロール418を洗浄するためのもので、洗
浄ヘッド460と、その洗浄ヘッド460をワーク搬送
方向と直角な方向の移動可能に保持しているガイドプレ
ート462と、そのガイドプレート462を上下駆動す
るエアシリンダ464とを備えており、エアシリンダ4
64は、エア抜けによる落下を防止するためにロックシ
リンダ466によりロックされるようになっている。エ
アシリンダ464によってガイドプレート462が下降
させられると、洗浄ヘッド460は粘着ロール418の
外周面に押圧され、ガイドプレート462が上昇させら
れると、洗浄ヘッド460は粘着ロール418から離間
する。洗浄ヘッド460と粘着ロール418との間に
は、洗浄ヘッド460に付着した異物などが落下して粘
着ロール418に再付着することを防止するカバー46
8が配設されている。このカバー468は、エアシリン
ダ470によって粘着ロール418の外周部を回動させ
られるようになっており、洗浄時には図23に示されて
いるように粘着ロール418の横(ワーク搬送方向にお
ける上流側)へ退避させられる。エアシリンダ470を
用いる代わりに、上記エアシリンダ464によるガイド
プレート462の下降に連動してカバー468が回動す
るように構成することもできる。また、粘着ロール41
8を保持している前記軸受ブロック426には、洗浄ヘ
ッド460をガイドプレート462から引き抜いて交換
できるように切欠472が設けられており、例えば粘着
ロール416,418で切板ワーク14の異物を粘着除
去する清浄装置の作動中でも洗浄ヘッド460を交換す
ることができる。洗浄ヘッド460にラックを設けると
ともに軸受ブロック426にピニオンを取り付けて、洗
浄ヘッド460を自動で交換するように構成することも
できる。
【0096】上記洗浄ヘッド460は、図23から明ら
かなように、複数のボルトによって一体的に組み付けら
れた液送プレート480,中間プレート482,ベース
プレート484と、そのベースプレート484にクラン
プ486によって取り付けられた洗浄パッド488とか
ら成り、中間プレート482の両側部に設けられたフラ
ンジ490が前記ガイドプレート462に形成された溝
491に係合させられることにより、そのガイドプレー
ト462にワーク搬送方向と直角な方向の移動可能に保
持されている。液送プレート480には溶剤やアルコー
ル等の洗浄液492を圧送する流路が形成されており、
その洗浄液492は、中間プレート482に設けられた
連通路を介してベースプレート484の長手方向に多数
設けられたノズル孔494から吐出され、洗浄パッド4
88にしみ込む。液送プレート480と中間プレート4
82との間、中間プレート482とベースプレート48
4との間には、洗浄液492の流路部分を除いてそれぞ
れシートパッキン496,498が介在させられてお
り、洗浄液492の液漏れを防止している。洗浄パッド
488は、例えばフェルト,不織布等の繊維質材料製で
洗浄液492を保持するようになっており、前記エアシ
リンダ464により図23のように粘着ロール418の
外周面に押圧された状態で、その粘着ロール418が搬
送用駆動モータ56により中間ローラ448を介して回
転駆動されると、粘着ロール418の外周面に付着して
いる油分が洗浄液492によって分解されるとともに、
洗浄パッド488によって異物が拭い取られる。搬送用
駆動モータ56はロール駆動手段としても機能している
のであり、この搬送用駆動モータ56を含んで洗浄装置
414は構成されている。粘着ロール418の近傍に
は、その粘着ロール418と略平行にエアーノズル50
0が配設され、圧縮空気を粘着ロール418に吹きつけ
て速く乾燥させるようになっている。
【0097】図21に戻って、他方の洗浄装置412は
下側の粘着ロール416を洗浄するためのもので、その
粘着ロール416の下方に配設されている。この洗浄装
置412は、前記カバー468を備えていない点を除い
て洗浄装置414と同一の構成で上下対称に配設されて
おり、詳しい説明を省略する。
【0098】上記洗浄装置412,414は、例えば図
24の回路によって洗浄ヘッド460に洗浄液492が
供給されるとともに、エアーノズル500から圧縮空気
が噴射されるようになっている。図24において、一次
エア源502からストップバルブ504,フィルタ50
6,レギュレータ508,残圧抜きバルブ510,プレ
ッシャスイッチ512を経て圧送された圧力エアは、エ
アーノズル500側と洗浄液492を圧送する側とに分
かれ、切換バルブ514から上下のエアーノズル500
に圧送されるとともに、レギュレータ516,残圧抜き
バルブ518を経てタンク520に導入される。所定の
エア圧がタンク520に導入されることにより、洗浄液
492はタンク520から押し出され、切換バルブ52
2からホース524,カプラ526を介して上下の洗浄
ヘッド460へ圧送される。図は、幅寸法の異なる切板
ワーク14を取り扱う場合に、粘着ロール416,41
8の汚れた部分のみを洗浄できるように、エアーノズル
500や洗浄ヘッド460の流路がワーク幅方向におい
て複数に分割して設けられている場合で、複数の切換バ
ルブ514,522を選択的に切換制御できるようにな
っている。また、タンク520はステンレス製(SUS
304)で、一対の液面検知スイッチ528,530が
取り付けられ、洗浄液492の量が上限および下限とな
った場合にランプやブザーで知らせるようになってい
る。カプラ526は、洗浄ヘッド460の交換時等にホ
ース524を容易に着脱できるようにするためのもの
で、切り離した際の液漏れを防止するチェック弁を内蔵
している。かかる回路のうち、洗浄液492を洗浄ヘッ
ド460へ圧送するのに必要な一次エア源502,タン
ク520,ホース524等が洗浄液供給手段532を構
成している。なお、洗浄液492の圧送圧力は単一のレ
ギュレータ516によって制御されるが、配管長さの違
いによる圧損を考慮して、複数の切換バルブ522のタ
ンク520側にそれぞれ流量調整弁を取り付けても良
い。また、洗浄液492として溶剤を使用する場合、バ
ルブのパッキンやシール部材、ホース類がゴム製である
と溶損するため、フッ素系樹脂,エポキシ系樹脂等を使
用することが望ましい。
【0099】かかる清浄装置は、図25に示すコントロ
ーラ534により制御されるようになっている。コント
ローラ534は、前記コントローラ66と同様に装置全
体を制御するものであるが、ここでは粘着ロール418
の劣化判定および洗浄装置412,414による洗浄に
ついて具体的に説明する。コントローラ534には、回
転速度センサ438,440、光電管26の出力信号が
供給されるとともに、前記ローディングステーション6
4に設けられた光電管536から切板ワーク14の通過
を表す信号が供給され、予め定められたプログラムに従
って信号処理を行うことにより、ベルトフィーダ16、
搬送用駆動モータ56、洗浄装置412,414、エア
シリンダ434を上下駆動する切換弁538をそれぞれ
制御する。また、タッチパネル172により各種の設定
値等が入力されるとともに、プレス装置174から切板
ワーク14の種類、すなわち部品番号を表す信号が供給
される。
【0100】図26は、上記コントローラ534により
粘着ロール418の劣化、すなわち粉塵等の異物や油分
の付着による粘着力の低下を診断するフローチャート
で、ステップS1では、光電管26からの信号に基づい
て切板ワーク14がベルトフィーダ16から供給された
か否かを判断する。光電管26により切板ワーク14の
先端が通過したことが検出されるとステップS1の判断
はYESとなり、ステップS2においてタイマTim1が
リセットされる。次のステップS3では、タイマTim1
の計時時間すなわち切板ワーク14の先端が光電管26
を通過してからの経過時間が予め設定された時間t1
達したか否かを判断し、時間t1 に達すると、ステップ
S4で粘着ロール418の回転速度Nnが予め設定され
た劣化判定値α1 以上か否かを判断する。そして、Nn
≧α1 の場合にはステップS5を実行するが、Nn<α
1 の場合にはステップS6で劣化判定を行い、ランプや
ブザーなどで粘着ロール418の劣化を知らせる。ステ
ップS5では、タイマTim1の計時内容が上記時間t1
に時間t2 を加算した時間(t1 +t2 )に達したか否
かを判断し、時間(t1 +t2 )に達するまでステップ
S4を繰り返し実行する。上記回転速度Nnを、劣化判
定値α1 と共にタッチパネル172等に表示するように
しても良い。
【0101】ここで、上記時間t1 ,t2 は、ベルトフ
ィーダ16から供給され且つピンチローラ420a,4
20b等によって一定の搬送速度で搬送される切板ワー
ク14が、粘着ロール装置410によって異物が粘着除
去される位置を通過中に上記ステップS4の判断を行う
ようにするためのもので、光電管26から粘着ロール装
置410までの距離や切板ワーク14の長さ寸法、ワー
ク搬送速度に基づいて、切板ワーク14の種類すなわち
部品番号毎に予めタッチパネル172により設定され、
RAM等に記憶している。また、粘着ロール418は、
切板ワーク14の通過に伴って連れ廻りするものである
ため、切板ワーク14が粘着ロール装置410に到達す
るまでは回転速度Nnは0であるが、通過中は所定の回
転速度で回転させられ、図28のように変化する。図2
8の時間Tは、光電管26によって切板ワーク14の供
給が検知された時間、すなわちステップS1の判断がY
ESとなった時間である。劣化判定値α1 は、粘着ロー
ル418の粘着力が低下して十分な異物除去作用が得ら
れなくなった時の回転速度Nnで、ワーク搬送速度に基
づいてそれより小さい値が切板ワーク14の種類毎に予
めタッチパネル172により設定され、RAM等に記憶
している。粘着ロール418は、その粘着力により切板
ワーク14の通過に伴って連れ廻りするため、異物等が
付着して粘着力が低下すると、切板ワーク14との間の
スリップ量が大きくなって回転速度Nnは遅くなり、上
記劣化判定値α1 によって粘着ロール418の劣化を診
断できるのである。コントローラ534による一連の信
号処理のうちステップS4およびS6を実行する部分は
第6発明の劣化診断手段に相当し、粘着ロール418の
回転速度Nnを検出する回転速度センサ438は回転検
出手段に相当する。
【0102】なお、ピンチローラ420bの回転速度N
pについても、予め定められたワーク搬送速度と比較す
ることにより、伝動ベルト432のベルト切れなどの搬
送異常を監視することができる。粘着ロール418の劣
化診断に際しては回転速度Npは必ずしも必要でなく、
前記回転速度センサ440を省略しても差し支えない
が、例えば前記ステップS4の判断がNOの場合でも、
回転速度Npが所定値以下の場合は搬送異常と判断し
て、ステップS6の劣化判定を禁止するようにしても良
い。
【0103】上記ステップS6に続いて実行するステッ
プS7では、例えば図27のフローチャートに従って粘
着ロール416,418を洗浄装置412,414で洗
浄する。上記劣化判定は、粘着ロール418の回転速度
Nnに基づいて行われるが、粘着ロール418が劣化し
ている場合には粘着ロール416も同様に劣化している
と見做して同時に洗浄する。粘着ロール416について
も、その回転速度を検出して同様に劣化診断を行うこと
も可能である。
【0104】図27のステップR1では、光電管536
からの信号に基づいて切板ワーク14がローディングス
テーション64へ完全に搬出されたか否か、すなわち切
板ワーク14の後端が清浄装置から抜け出たか否かを判
断し、切板ワーク14が清浄装置から抜け出ると、ステ
ップR2でベルトフィーダ16および搬送用駆動モータ
56の作動を停止する。ステップR3では、切換弁53
8を切り換えてエアシリンダ434によりピンチローラ
420bを上昇させ、切板ワーク14の搬送を不能にす
るとともに、搬送用駆動モータ56により粘着ロール4
16,418を回転駆動できるようにする。ステップR
4では、洗浄装置414のカバー468をエアシリンダ
470により退避させ、ステップR5で粘着ロール41
6,418を洗浄する。
【0105】ステップR5では、両洗浄装置412,4
14の洗浄ヘッド460をそれぞれエアシリンダ464
によって粘着ロール416,418の外周面に押圧し、
洗浄液供給手段532により洗浄ヘッド460に洗浄液
492を供給するとともに、エアーノズル500に圧力
エアを供給しながら、搬送用駆動モータ56を低速回転
させて粘着ロール416,418を回転駆動することに
より、その粘着ロール416,418の表面を洗浄す
る。そして、粘着ロール416,418の洗浄が例えば
予め定められた所定時間だけ行われると、洗浄液492
および圧力エアの供給を停止するとともに搬送用駆動モ
ータ56を停止し、両洗浄装置412,414の洗浄ヘ
ッド460をそれぞれエアシリンダ464によって粘着
ロール416,418から離間させる。次のステップR
6では、洗浄装置414のカバー468をエアシリンダ
470によって元の位置まで戻し、ステップR7では、
切換弁538を切り換えてエアシリンダ434によりピ
ンチローラ420bを下降させ、粘着ロール416,4
18への動力伝達経路を遮断するとともに、ピンチロー
ラ420bをピンチローラ420aに押圧する。そし
て、ステップR8でベルトフィーダ16,搬送用駆動モ
ータ56の作動を再開する。
【0106】ここで、本実施例の清浄装置は、切板ワー
ク14の通過に伴って連れ廻りさせられる粘着ロール4
18の回転速度Nnが劣化判定値α1 を下回ったか否か
により、粘着ロール418の劣化すなわち異物を粘着除
去する粘着力の低下を判断し、劣化判定が為された場合
には、洗浄装置412,414で粘着ロール416,4
18を洗浄するようにしているため、例えば切板ワーク
14の処理枚数が所定値に達する毎に粘着ロール41
6,418を洗浄する場合に比較して、常に適切なタイ
ミングで粘着ロール416,418を洗浄できる。すな
わち、切板ワーク14に付着している異物の量は必ずし
も一定でないため、所定枚数毎に洗浄する場合には、未
だ十分な異物除去作用が得られるのに洗浄することにな
ったり、十分な異物除去作用が得られないのにそのまま
使用したりすることがあるが、本実施例によれば、良好
な異物除去作用が得られなくなる適切なタイミングで粘
着ロール416,418を洗浄できるのである。これに
より、常に良好な清浄作用が得られるようになるととも
に、粘着ロール416,418から切板ワーク14への
異物の再付着が防止され、高い清浄度の切板ワーク14
がプレス装置174へ送られて良好なプレス品質が維持
される。
【0107】また、本実施例の清浄装置は洗浄装置41
2,414を一体的に備えているため、粘着ロール41
6,418を取り外すことなく容易且つ迅速に洗浄する
ことができる。特に、本実施例では粘着ロール416,
418の劣化判定が為された場合に自動で洗浄するよう
になっているため、作業者の負担が少ないとともに、搬
送用駆動モータ56を用いて粘着ロール416,418
を回転駆動するようにしているため、装置が簡単且つコ
ンパクトに構成される利点がある。
【0108】なお、上例ではステップS4の判断がNO
の場合に直ちにステップS6の劣化判定を行うようにな
っているが、例えば所定枚数の切板ワーク14について
連続してステップS4の判断がNOとなった場合に劣化
判定を行うなど、劣化判定を行う判断基準は適宜変更で
きる。劣化判定値を段階的に設定して、劣化の程度を段
階表示することも可能である。
【0109】また、上記実施例では粘着ロール418の
回転速度Nnと劣化判定値α1 とを比較して劣化診断を
行っていたが、粘着ロール418の回転速度Nnとピン
チローラ420bの回転速度Npとに基づいて、径寸法
の相違を補正した両者の回転速度差が予め定められた判
定値以上となったか否か、切板ワーク14の通過に伴う
粘着ロール418の回転数が切板ワーク14の長さ寸法
に応じて定められた劣化判定値を下回ったか否か、など
によって劣化診断を行うこともできる。
【0110】また、図26の劣化診断は必ずしも毎回行
う必要はなく、例えば切板ワーク14が所定枚数通過す
る毎に行うようにしても良い。
【0111】図29〜図32の実施例は粘着ロール装置
の更に別の態様であり、前記ケース28に上下方向の移
動可能に配設されたベースプレート540には、2組の
粘着ロール装置542,544が配設されている。粘着
ロール装置542,544は全く同じ構成で、それぞれ
一対の粘着ロール546,548、搬送装置による搬送
速度と同じ速度で切板ワーク14を通過させるように粘
着ロール546,548を常時回転駆動するロール駆動
モータ550、粘着ロール546と548との間の隙間
を調整する調整ダイヤル552を備えており、両粘着ロ
ール装置542と544との間には切板ワーク14を案
内するガイド554が設けられている。調整ダイヤル5
52は、送りねじ等により1回転で1〜2mm程度粘着
ロール548を上下動させるもので、外周面には10等
分した間隔(36°間隔)で目盛り兼レバー穴が設けら
れており、そのレバー穴にレバーを挿して回転操作する
ことにより、粘着ロール546,548が切板ワーク1
4の下面および上面に接触させられるようにロール間の
隙間を微調整できるようになっている。電動モータ等を
用いて調整ダイヤル552を回転駆動することにより、
切板ワーク14の板厚に応じてロール間の隙間が自動調
整されるようにすることも可能である。ベースプレート
540は、エアシリンダ555によって上昇端位置と下
降端位置とそれ等の間の中間位置とへ移動させられ、上
昇端位置では下側の粘着ロール装置542が切板ワーク
14の搬送高さと一致する清浄位置に位置させられると
ともに上側の粘着ロール装置544が待機位置に位置さ
せられ、下降端位置では上側の粘着ロール装置544が
切板ワーク14の搬送高さと一致する清浄位置に位置さ
せられるとともに下側の粘着ロール装置542が待機位
置に位置させられる。また、中間位置ではガイド554
が切板ワーク14の搬送高さに位置させられ、搬送装置
によって搬送される切板ワーク14を案内するようにな
っている。エアシリンダ555は、ストロークが異なる
一対のシリンダを備えており、上記3位置でベースプレ
ート540を位置決めできるようになっているととも
に、メカロックシリンダにより各位置でベースプレート
540の落下を防止するようになっている。図29,3
0は何れもベースプレート540が上昇端位置に位置さ
せられた状態である。なお、上記ガイド554の代わり
にウレタンロールを用いて切板ワーク14を案内するよ
うにしても良い。
【0112】上記各粘着ロール装置542,544の上
部にはチェックロール556が配設されている。チェッ
クロール556は、例えばアルミパイプ等の軽量で回転
負荷が小さいパイプ材の外周面を研磨したもので、図3
1から明らかなように、ガイドレール558を介して前
記ベースプレート540に水平方向の移動可能に配設さ
れたスライド部材560に粘着ロール548と平行な軸
まわりの回転自在に取り付けられており、エアシリンダ
562によって粘着ロール548に接触する診断位置と
粘着ロール548から離間する待機位置とへ移動させら
れる。スライド部材560には切欠564が設けられ、
チェックロール556の下端部はスライド部材560か
ら下方に突き出して粘着ロール548に接触するように
なっている。粘着ロール548に対するチェックロール
556の接触代は、切板ワーク14と粘着ロール548
との接触代と略同じで、例えば0.1mm程度に設定さ
れており、粘着ロール548の回転に伴って連れ廻りさ
せられる。チェックロール556の長さ寸法は粘着ロー
ル548より短く、切板ワーク14の幅寸法の相違に拘
らず切板ワーク14と接触させられる粘着ロール548
の略中央部分に接触させられるようになっている。ま
た、チェックロール556の軸端部にはロータリエンコ
ーダ566が配設され、その回転速度Ncを検出するよ
うになっているとともに、粘着ロール548の軸端部に
はロータリエンコーダ568が配設され、その回転速度
Nnを検出するようになっており、それぞれ回転速度N
c,Nnを表す信号をコントローラ569に出力する。
【0113】上記チェックロール556は一方向クラッ
チ570を介して駆動モータ572の出力軸に連結さ
れ、前記連れ廻り方向と同じ方向へ回転駆動されるよう
になっているとともに、チェックロール556の近傍に
は、図示しないエアシリンダによってチェックロール5
56に押圧される洗浄ヘッド574が配設されており、
洗浄ヘッド574を押圧しつつチェックロール556を
回転駆動することにより、チェックロール556の表面
を洗浄するようになっている。一方向クラッチ570を
介して連れ廻り時と同じ方向へ回転駆動されるため、駆
動モータ572の停止時でも、チェックロール556は
粘着ロール548の回転に伴って良好に連れ廻りさせら
れる。洗浄ヘッド574は、前記実施例における洗浄ヘ
ッド460と同様に洗浄パッドを有して構成され、洗浄
液供給手段から洗浄液が供給されるようになっている。
【0114】また、図30に示されているように、ベー
スプレート540が上昇端位置に位置させられた状態に
おける粘着ロール装置544に対向する位置には洗浄装
置576の一対の洗浄ヘッド578が配設され、それぞ
れエアシリンダ580によって粘着ロール装置544の
粘着ロール546,548に押圧されるようになってい
るとともに、ベースプレート540が下降端位置に位置
させられた状態における粘着ロール装置542に対向す
る位置には洗浄装置582の一対の洗浄ヘッド584が
配設され、それぞれエアシリンダ586によって粘着ロ
ール装置542の粘着ロール546,548に押圧され
るようになっている。洗浄装置576,582は、前記
実施例の洗浄装置412,414と同様に洗浄パッドを
有して構成され、洗浄液供給手段から洗浄液が供給され
るようになっており、洗浄ヘッド578,584をそれ
ぞれ粘着ロール546,548に押圧した状態で、ロー
ル駆動モータ550により粘着ロール546,548が
回転駆動されることにより、それ等の粘着ロール54
6,548が洗浄される。粘着ロール装置544,54
2を挟んで上記洗浄ヘッド578,584と反対側に
は、それぞれエアーノズル588,590が配設され、
粘着ロール546,548に圧縮空気を噴射して速やか
に乾燥させるようになっている。なお、上側の洗浄装置
576には、洗浄液が流下することを防止するカバーな
どが必要に応じて設けられる。
【0115】前記コントローラ569は、前記実施例と
同様にオンラインで粘着ロール548の劣化診断を行
い、必要に応じて粘着ロール546,548を洗浄す
る。図32は劣化診断を説明するフローチャートで、ス
テップS11では前記光電管536からの信号に基づい
て切板ワーク14がローディングステーション64へ搬
出されたか否かを判断し、ローディングステーション6
4へ搬出されると、ステップS12でタイマTim2をリ
セットし、ステップS13で現在使用中の粘着ロール装
置542または544の粘着ロール548にエアシリン
ダ562によってチェックロール556を押圧する。使
用中の粘着ロール装置542または544は、切板ワー
ク14の有無に拘らずライン作動中は常時粘着ロール5
46,548を回転駆動するようになっているため、粘
着ロール548に押圧されたチェックロール556は連
れ廻りさせられる。ステップS14では、ロータリエン
コーダ566によって検出されるチェックロール556
の回転速度Ncが、粘着ロール548の回転速度すなわ
ちワーク搬送速度に基づいて予め設定された劣化判定値
α2 を下回ったか否かにより劣化判断を行い、Nc≧α
2 の時にはステップS15を実行するが、Nc<α2
場合にはステップS18で劣化判定を行い、ランプやブ
ザーなどで粘着ロール548の劣化を知らせる。ステッ
プS15では、タイマTim2の計時時間が予め設定され
た診断時間tc を経過したか否かを判断し、診断時間t
c を経過するまでステップS14を繰り返す。この診断
時間tc は、プレス装置174によるプレス時間すなわ
ち切板ワーク14を間欠送りするサイクルタイムより短
い時間に設定される。回転速度Ncを、劣化判定値α2
と共にタッチパネル172等に表示するようにしても良
い。
【0116】上記ステップS14の劣化判断は、粘着ロ
ール548に異物が付着して粘着力が低下するとチェッ
クロール556との間のスリップ量が増大し、チェック
ロール556の回転速度Ncが遅くなることに基づくも
ので、基本的には前記実施例と同じ原理である。粘着ロ
ール548の回転速度Nnが所定値以下の場合は、ベル
ト切れ等の異常と見做してステップS18の劣化判定を
禁止するようにしても良い。コントローラ569による
一連の信号処理のうちステップS14およびS18を実
行する部分は第7発明の劣化診断手段に相当し、チェッ
クロール556の回転速度Ncを検出するロータリエン
コーダ566は回転検出手段に相当し、ロール駆動モー
タ550はロール駆動手段に相当する。
【0117】そして、Nc≧α2 のまま診断時間tc が
経過すると、ステップS16でエアシリンダ562によ
りチェックロール556を粘着ロール548から離間さ
せ、ステップS17で、洗浄ヘッド574をチェックロ
ール556に押圧しつつ駆動モータ572でチェックロ
ール556を回転駆動して洗浄する。一方、前記ステッ
プS14の判断がNOとなり、ステップS18で劣化判
定が為されると、ステップS19でエアシリンダ555
により使用する粘着ロール装置542,544を切り換
えるとともに、劣化判定が為されて不使用となった粘着
ロール装置542または544の粘着ロール546,5
48を洗浄装置582または576によって洗浄する。
粘着ロール装置542,544が切り換えられるとステ
ップS11以下が実行され、不使用となった粘着ロール
装置542または544の粘着ロール546,548の
洗浄は、プレスラインを停止することなく行われる。な
お、粘着ロール装置542,544の切換えやロール駆
動モータ550の回転立上りに時間がかかる場合には、
一時的にベルトフィーダ16,搬送用駆動モータ56の
作動を停止するようにしても良い。
【0118】このように本実施例では、ロール駆動モー
タ550によって回転駆動される粘着ロール548にチ
ェックロール556を接触させて連れ廻りさせ、そのチ
ェックロール556の回転速度Ncが劣化判定値α2
下回ったか否かにより粘着ロール548の劣化診断を行
うようにしているため、粘着ロール装置542,544
の切換えや粘着ロール546,548の洗浄が常に適切
なタイミングで行われる。また、本実施例では2組の粘
着ロール装置542,544が配設され、劣化判定が為
された場合には使用する粘着ロール装置542,544
を切り換えるとともに、劣化判定が為されて不使用とな
った粘着ロール装置542または544の粘着ロール5
46,548を洗浄するようになっているため、プレス
ラインを停止させる必要がなく、プレス装置174の稼
働率が向上する。2組の粘着ロール装置542,544
の粘着ロール546,548をそれぞれ洗浄する洗浄装
置582,576を一体的に備えているため、粘着ロー
ル546,548を取り外すことなく容易に洗浄できる
ことは前記実施例と同様である。
【0119】なお、所定枚数の切板ワーク14について
連続してステップS14の判断がNOとなった場合に劣
化判定を行うなど、劣化判定を行う判断基準は適宜変更
できるし、切板ワーク14が所定枚数通過する毎に図3
2の劣化診断を行うようにしても良い。劣化判定値を段
階的に設定して、劣化の程度を段階表示することも可能
である。
【0120】また、チェックロール556の回転速度N
cと粘着ロール548の回転速度Nnとに基づいて、径
寸法の相違を補正した両者の回転速度差が予め定められ
た判定値以上となった否かなどによって劣化診断を行う
こともできるし、切板ワーク14が通過中にチェックロ
ール556を粘着ロール548に接触させて劣化診断を
行うことも可能である。
【0121】図33のコントローラ600は、上記図2
9〜図31の実施例において、チェックロール556を
用いて粘着ロール546,548の劣化診断を行う代わ
りに、切板ワーク14を搬送する搬送用駆動モータ56
の負荷電流Ipや、粘着ロール546,548を回転駆
動するロール駆動モータ550の負荷電流Inに基づい
て、粘着ロール546,548の劣化診断を行うもので
ある。モータ56,550は何れも3相交流モータで、
一定の搬送速度で切板ワーク14を通過させるように、
ロータリエンコーダ614,616の回転位置信号に基
づいてフィードバック制御されるようになっている。切
板ワーク14の通過時には非通過時(略無負荷の時)に
比べてモータの負荷トルクは大きくなり、負荷電流I
p,Inは例えば図34のように変化するが、このワー
ク通過時の負荷トルクは粘着ロール546,548の粘
着力によって変化するため、負荷トルクに対応する負荷
電流Ip,Inの大きさから粘着力の低下、すなわち粘
着ロール546,548の劣化を診断できる。この場合
のロール駆動モータ550は、切板ワーク14を所定の
搬送速度で搬送するための搬送用駆動モータとしても機
能している。図34において、負荷電流Inが増大して
いる範囲Tnは切板ワーク14が粘着ロール装置部分を
通過している時間で、負荷電流Ipが増加している範囲
Tpは切板ワーク14が粘着ロール装置を含む清浄装置
内を通過している時間である。なお、ここでは図29〜
図31の実施例を用いて説明するが、前述した他の実施
例についても搬送用駆動モータやロール駆動モータの負
荷電流から劣化診断を行うことができる。
【0122】図33において、搬送用駆動モータ56の
負荷電流Ipは変流器(CT)602によって検出さ
れ、変換器604によりDC4〜20mAの直流信号に
変換されるとともに、A/Dコンバータ606によりデ
ジタル信号に変換されてコントローラ600に供給され
る。また、ロール駆動モータ550の負荷電流Inは変
流器(CT)608によって検出され、変換器610に
よりDC4〜20mAの直流信号に変換されるととも
に、A/Dコンバータ612によりデジタル信号に変換
されてコントローラ600に供給される。上記変流器6
02,608は、モータの負荷トルクを検出するトルク
検出手段に相当する。コントローラ600は、前記各実
施例におけるコントローラ66,534,569と同様
に清浄装置全体を制御するもので、タッチパネル172
により各種の設定値等が入力されるとともに、プレス装
置174から切板ワーク14の種類、すなわち部品番号
を表す信号が供給されるようになっている。
【0123】図35〜図37は、ロール駆動モータ55
0の負荷電流Inに基づいて劣化診断を行う場合のフロ
ーチャートで、この場合には搬送用駆動モータ56の負
荷電流Ipの検出は必ずしも必要でない。図35のステ
ップQ1−1では、プレス装置174から供給される部
品番号を表す信号に基づいて切板ワーク14の種類が変
更されたか否かを判断し、変更されていない場合には直
ちにステップQ1−3以下を実行するが、変更された場
合にはステップQ1−2を実行する。切板ワーク14の
種類については、タッチパネル172等により作業者が
入力するようにしても良い。切板ワーク14の種類が変
更された場合に実行するステップQ1−2では、切板ワ
ーク14の種類に応じてカウンタ上限値Cn0 ,無負荷
上限値In0 ,劣化判定値Inmin を読み出す。カウン
タ上限値Cn0 は、切板ワーク14の通過時に予め定め
られたサンプリング周期で負荷電流Inを検出する際の
最大検出回数で、切板ワーク14の長さ寸法,ワーク搬
送速度,およびサンプリング周期に基づいて、切板ワー
ク14の種類毎に予めタッチパネル172により設定さ
れ、RAM等に記憶している。無負荷上限値In0 は、
切板ワーク14が通過中か否かを負荷電流Inに基づい
て判断するためのもので、粘着ロール546,548が
空回りしている非通板時の負荷電流Inの上限値であ
り、切板ワーク14の種類毎に予めタッチパネル172
により設定され、RAM等に記憶している。前記一対の
粘着ロール546と548との間の隙間が切板ワーク1
4の種類に拘らず一定である場合に、板厚が異なる複数
種類の切板ワーク14を処理する場合には、その板厚に
よって通板時の負荷トルクすなわち負荷電流Inは異な
るし、切板ワーク14の大きさすなわち重量によっても
通板時の負荷トルクは異なるため、切板ワーク14の種
類毎に無負荷上限値In0 は設定されているが、切板ワ
ーク14の種類に拘らず一定の値が設定されても良い。
また、劣化判定値Inmin は、粘着ロール546,54
8の粘着力が低下して良好な異物除去作用が得られなく
なった場合の平均負荷電流Inavの下限値であり、切板
ワーク14の種類すなわち材質の相違による滑り易さや
板厚,大きさなどに応じて予めタッチパネル172によ
り設定され、RAM等に記憶している。粘着ロール54
6,548の粘着力が低下すると、通板時の負荷トルク
も低下し、この負荷トルクの低下に伴って負荷電流In
が低下するのである。
【0124】次のステップQ1−3では、ロール駆動モ
ータ550に対する駆動信号の出力状態から粘着ロール
装置が作動中か否かを判断し、ステップQ1−4では、
タイマ等によりロール駆動モータ550の起動後予め定
められた所定時間が経過したか否かを判断する。この実
施例では2組の粘着ロール装置542,544を備えて
いるが、各粘着ロール装置542,544のロール駆動
モータ550について、それぞれフィードバック制御す
るとともに負荷電流Inを検出するようになっている。
ロール駆動モータ550は、搬送用駆動モータ56と共
にプレス装置174の起動スイッチ操作などによって作
動を開始するが、起動当初は負荷電流Inが一時的に大
きくなるため、起動後所定時間を経過して負荷電流In
が定常状態となってからステップQ1−5以下を実行す
る。ステップQ1−5では、ベルトフィーダ16に対す
る駆動信号の出力状態からベルトフィーダ16が起動し
たか否か、すなわちベルトフィーダ16から切板ワーク
14が搬入されるか否かを判断し、ベルトフィーダ16
が起動すると図36のステップQ1−6を実行する。ス
テップQ1−5では、前記光電管26の出力信号に基づ
いて切板ワーク14の搬入を判断するようにしても良
い。
【0125】ステップQ1−6ではカウンタCnの計数
内容をクリアして「0」とし、ステップQ1−7では負
荷電流Inを検出する。この負荷電流Inの検出は、予
め定められたサンプリング周期、例えば0.01秒程度
の周期で行われ、負荷電流Inはそのサンプリング周期
の間の積算値である。このサンプリング周期について
も、切板ワーク14の種類毎に予めタッチパネル172
等により設定することができる。ステップQ1−8では
検出した負荷電流Inが無負荷上限値In0 より大きい
か否か、言い換えれば切板ワーク14の通過中か否かを
判断し、In≦In0 の場合にはステップQ1−9を実
行する。ステップQ1−9ではカウンタCnの計数内容
が「0」か否かを判断し、Cn=0の場合、すなわち切
板ワーク14が未だ粘着ロール装置まで到達していない
場合にはステップQ1−7へ戻る。切板ワーク14が粘
着ロール装置まで到達してロール駆動モータ550の負
荷トルクが高くなり、負荷電流Inが無負荷上限値In
0 を越えるとステップQ1−10を実行し、その時の負
荷電流Inを記憶するとともに、ステップQ1−11で
カウンタCnの計数内容に「1」を加算する。また、次
のステップQ1−12では、カウンタCnの計数内容が
カウンタ上限値Cn0 に達したか否かを判断し、Cn<
Cn0 の場合にはステップQ1−7以下を繰り返す。前
記ステップQ1−5がYESとなった後、所定時間を経
過してもステップQ1−8がYESとならない場合に
は、伝動ベルト432のベルト切れなどの搬送異常と判
断して異常表示を行うようにすることも可能である。
【0126】切板ワーク14が通過して負荷電流Inが
低下し、上記ステップQ1−8の判断がNOとなった場
合、或いはカウンタCnの計数内容がカウンタ上限値C
0に達した場合には、ステップQ1−13を実行す
る。ステップQ1−13では、ステップQ1−10で記
憶した総ての負荷電流Inを加算してカウンタCnの計
数値で割り算することにより通板時の平均負荷電流In
avを算出するとともに、その値を前記タッチパネル17
2等に表示する。前記ステップQ1−7で検出する負荷
電流Inについても、無負荷上限値In0 と共にタッチ
パネル172等に表示するようにしても良い。なお、ス
テップQ1−10で記憶した負荷電流Inの記憶データ
は、例えば次のサイクル時にステップQ1−6等でクリ
アされる。
【0127】次に、図37のステップQ1−14を実行
し、平均負荷電流Inavが劣化判定値Inmin より小さ
いか否か、言い換えれば粘着ロール546,548の粘
着力が良好な異物除去作用が得られない程度まで低下し
たか否かを判断する。そして、Inav≧Inmin であれ
ばステップQ1−1以下の実行を繰り返すが、Inav
Inmin であればステップQ1−15で劣化判定を行
い、タッチパネル172等に劣化表示を行う。また、次
のステップQ1−16ではベルトフィーダ16,搬送用
駆動モータ56,ロール駆動モータ550を停止し、ス
テップQ1−17では、前記エアシリンダ555により
使用する粘着ロール装置542,544を切り換えると
ともに、劣化判定が為されて不使用となった粘着ロール
装置542または544の粘着ロール546,548を
洗浄装置582または576によって洗浄する。エアシ
リンダ555によって粘着ロール装置542,544が
切り換えられると、直ちにステップQ1−18を実行
し、ベルトフィーダ16,搬送用駆動モータ56,新た
な粘着ロール装置のロール駆動モータ550の作動を再
開し、不使用となった粘着ロール装置542または54
4の粘着ロール546,548の洗浄は、実質的に清浄
装置の作動再開後に行われる。
【0128】本実施例でも、粘着ロール546,548
の劣化が適正に診断され、粘着ロール装置542,54
4の切換えが適切なタイミングで行われるとともに、プ
レスラインを停止させることなく、或いは粘着ロール装
置542,544の切換えに必要な最小限の時間だけ一
時停止させるだけで良く、プレス装置174の稼働率が
向上するなど、前記実施例と同様の効果が得られる。ま
た、本実施例ではロール駆動モータ550の負荷電流I
nに基づいて劣化診断を行うようになっているため、前
記実施例のようにチェックロール556を用いて劣化診
断を行う場合に比較して、装置が簡単かつ安価に構成さ
れる利点がある。コントローラ600による一連の信号
処理のうちステップQ1−14,Q1−15を実行する
部分は、第8発明の劣化診断手段に相当する。
【0129】図38および図39は、ロール駆動モータ
550の負荷電流Inに基づいて劣化診断を行う別の態
様で、通板時における負荷電流Inの最大値である最大
負荷電流Inmax を用いて粘着ロール546,548の
劣化診断を行う場合であり、上記図35〜図37の実施
例と実質的に共通する部分については詳しい説明を省略
する。図38において、切板ワーク14の種類が変更さ
れた場合に実行するステップQ2−2では、切板ワーク
14の種類に応じて無負荷上限値In0 および劣化判定
値Inmax0を読み出す。劣化判定値Inmax0は、粘着ロ
ール546,548の粘着力が低下して良好な異物除去
作用が得られなくなった場合の最大負荷電流Inmax
下限値であり、切板ワーク14の種類すなわち材質の相
違による滑り易さや板厚,大きさなどに応じて予めタッ
チパネル172により設定され、RAM等に記憶してい
る。粘着ロール546,548の粘着力が低下すると、
通板時の負荷トルクも低下し、この負荷トルクの低下に
伴って最大負荷電流Inmax が低下するのである。
【0130】ベルトフィーダ16が起動した後に実行す
る図39のステップQ2−6では負荷電流Inを検出
し、ステップQ2−7では、その負荷電流Inが無負荷
上限値In0 より大きいか否か、言い換えれば切板ワー
ク14の通過中か否かを判断する。検出した負荷電流I
nを、無負荷上限値In0 と共にタッチパネル172等
に表示するようにしても良い。In≦In0 の場合、す
なわち切板ワーク14が未だ粘着ロール装置まで到達し
ていない場合にはステップQ2−6を繰り返すが、切板
ワーク14が粘着ロール装置まで到達してロール駆動モ
ータ550の負荷トルクが高くなり、負荷電流Inが無
負荷上限値In0 を越えるとステップQ2−8を実行
し、ステップQ2−6において所定のサンプリング周期
で繰り返し検出される負荷電流Inの変化量ΔInを算
出する。すなわち、前回のサンプリング時の負荷電流I
n-1 を記憶しておいて、今回の負荷電流Inn から前
回の負荷電流Inn-1 を引き算して変化量ΔInを求め
るのである。そして、次のステップQ2−9では、その
変化量ΔInが正か否かを判断し、ΔIn>0の場合は
ステップQ2−6以下を繰り返すが、ΔIn≦0の場合
にはステップQ2−10を実行し、前回の負荷電流In
n-1 を最大負荷電流Inmax とする。この最大負荷電流
Inmax を、劣化判定値Inmax0と共にタッチパネル1
72等に表示するようにしても良い。
【0131】ステップQ2−11では、上記最大負荷電
流Inmax が劣化判定値Inmax0より小さいか否か、言
い換えれば粘着ロール546,548の粘着力が良好な
異物除去作用が得られない程度まで低下したか否かを判
断する。そして、Inmax ≧Inmax0であれば、ステッ
プQ2−13でタッチパネル172等に粘着ロール正常
表示を行った後前記ステップQ2−1以下の実行を繰り
返すが、Inmax <Inmax0であればステップQ2−1
2で劣化判定を行い、タッチパネル172等に劣化表示
を行うとともに、図37のステップQ1−16〜Q1−
18と同様のステップを実行した後ステップQ2−1へ
戻る。
【0132】この実施例でも、粘着ロール546,54
8の劣化が適正に診断され、前記実施例と同様の効果が
得られるが、最大負荷電流Inmax は粘着ロール54
6,548の粘着力変化に伴う変動が大きいため、平均
負荷電流Inavを用いる場合よりも粘着力の低下を高い
精度で診断できる。コントローラ600による一連の信
号処理のうちステップQ2−11,Q2−12を実行す
る部分は、第8発明の劣化診断手段に相当する。
【0133】図40および図41は、搬送用駆動モータ
56の負荷電流Ipに基づいて粘着ロール546,54
8の劣化診断を行う場合のフローチャートで、この場合
にはロール駆動モータ550の負荷電流Inの検出は必
ずしも必要でない。図40において、切板ワーク14の
種類が変更された場合に実行するステップQ3−2で
は、切板ワーク14の種類に応じてカウンタ上限値Cp
0 ,無負荷上限値Ip0,劣化判定値Ipmax を読み出
す。カウンタ上限値Cp0 は、切板ワーク14の搬送時
に予め定められたサンプリング周期で負荷電流Ipを検
出する際の最大検出回数で、切板ワーク14の長さ寸
法,ワーク搬送速度,およびサンプリング周期に基づい
て、切板ワーク14の種類毎に予めタッチパネル172
により設定され、RAM等に記憶している。無負荷上限
値Ip0 は、切板ワーク14の搬送時か否かを負荷電流
Ipに基づいて判断するためのもので、ワーク非搬送時
の負荷電流Ipの上限値であり、切板ワーク14の種類
毎に予めタッチパネル172により設定され、RAM等
に記憶している。また、劣化判定値Ipmax は、粘着ロ
ール546,548の粘着力が低下して良好な異物除去
作用が得られなくなった場合の平均負荷電流Ipavの上
限値であり、切板ワーク14の種類すなわち材質の相違
による滑り易さや板厚,大きさなどに応じて予めタッチ
パネル172により設定され、RAM等に記憶してい
る。本実施例のように粘着ロール装置がロール駆動モー
タ550を備えていてワーク搬送機能を有する場合に
は、その搬送作用により搬送用駆動モータ56の負荷ト
ルクは低減されるが、粘着ロール546,548の粘着
力が低下するとロール駆動モータ550によるワーク搬
送作用が低下するため、搬送用駆動モータ56の負荷ト
ルクすなわち負荷電流Ipはその分だけ増大するのであ
る。
【0134】ステップQ3−3では、搬送用駆動モータ
56に対する駆動信号の出力状態から搬送装置が作動中
か否かを判断し、ステップQ3−4では、搬送用駆動モ
ータ56の起動後所定時間が経過したか否かを判断する
が、これは前記図35のステップQ1−3,Q1−4と
実質的に同じである。また、ベルトフィーダ16が起動
した後ステップQ3−6以下を実行し、図41のステッ
プQ3−13で平均負荷電流Ipavを算出するが、これ
等のステップも図36のステップQ1−6〜Q1−13
と実質的に同じである。そして、ステップQ3−14に
おいて、平均負荷電流Ipavが劣化判定値Ipmax より
大きいか否かを判断し、Ipav>Ipmax であればステ
ップQ3−15で劣化判定を行って、前記実施例と同様
に粘着ロール装置542,544を切り換えるとともに
洗浄を行う。この場合には、コントローラ600による
一連の信号処理のうちステップQ3−14,Q3−15
を実行する部分が、第8発明の劣化診断手段に相当す
る。
【0135】ここで、粘着ロール546,548の劣化
に伴って負荷電流Ipが変動するのは、切板ワーク14
が粘着ロール装置部分を通過する時、すなわち前記図3
4の時間Tnの範囲であるため、前記図26のようにタ
イマを用いたり、ロール駆動モータ550の負荷電流I
nの変化を監視したりして、時間Tnの間だけ負荷電流
Ipを検出して劣化診断を行うようにしても良い。
【0136】また、粘着ロール装置がロール駆動モータ
550を備えておらず、図20の実施例のように粘着ロ
ールが切板ワーク14の通過に伴って連れ廻りさせられ
る場合には、搬送用駆動モータ56の負荷電流Ipは粘
着ロールの劣化に伴って低下するため、図35〜図37
の実施例と同様に、平均負荷電流Ipavが予め定められ
た下限値を下回ったか否かにより劣化診断を行うことが
できる。
【0137】図42および図43は、切板ワーク14が
粘着ロール装置部分を通過する際に、切板ワーク14が
粘着ロール546,548のみで搬送される範囲が存在
する場合、すなわち前記ピンチローラ420,422が
切板ワーク14の長さ寸法よりも広く離間して配設され
ているか、粘着ロール装置の上流側または下流側のみに
配設されているような場合に、切板ワーク14が粘着ロ
ール装置部分を通過する所要時間に基づいて劣化診断を
行うものである。図42において、切板ワーク14の種
類が変更された場合に実行するステップQ4−2では、
切板ワーク14の種類に応じて無負荷上限値In0 およ
び劣化判定値Twmax を読み出す。劣化判定値Twmax
は、粘着ロール546,548の粘着力が低下して良好
な異物除去作用が得られなくなった場合のワーク通過時
間Twの上限値であり、切板ワーク14の種類すなわち
材質の相違による滑り易さや板厚,大きさなどに応じて
予めタッチパネル172により設定され、RAM等に記
憶している。粘着ロール546,548のみで切板ワー
ク14を搬送する範囲が存在する場合には、粘着ロール
546,548の粘着力が低下すると、切板ワーク14
との間のスリップ量が増大してワーク搬送速度が遅くな
り、ワーク通過時間Twが長くなるのである。
【0138】ベルトフィーダ16が起動した後に実行す
る図43のステップQ4−6では、カウンタCnの計数
内容をクリアして「0」とし、ステップQ4−7では負
荷電流Inを検出する。ステップQ4−8では検出した
負荷電流Inが無負荷上限値In0 より大きいか否か、
言い換えれば切板ワーク14の通過中か否かを判断し、
In≦In0 の場合にはステップQ4−9を実行する。
ステップQ4−9ではカウンタCnの計数内容が「0」
か否かを判断し、Cn=0の場合、すなわち切板ワーク
14が未だ粘着ロール装置まで到達していない場合には
ステップQ4−7へ戻る。切板ワーク14が粘着ロール
装置まで到達してロール駆動モータ550の負荷トルク
が高くなり、負荷電流Inが無負荷上限値In0 を越え
るとステップQ4−10を実行し、カウンタCnの計数
内容に「1」を加算する。次のステップQ4−11で
は、上記カウンタCnの計数内容にステップQ4−7に
おける負荷電流Inのサンプリング周期ts を掛け算し
てワーク通過時間Twを算出するとともに記憶する。
【0139】ステップQ4−12では、そのワーク通過
時間Twが劣化判定値Twmax 以上か否かを判断し、T
w<Twmax の場合にはステップQ4−7以下を繰り返
す。ステップQ4−11で記憶したワーク通過時間Tw
に関するデータは、例えば次のサイクル時にステップQ
4−10等でクリアされる。そして、ステップQ4−8
の判断がNOとなる前、言い換えれば切板ワーク14が
通過して負荷電流Inが低下する前に、Tw≧Twmax
となってステップQ4−12の判断がYESになると、
ステップQ4−13で劣化判定を行い、前記実施例と同
様に粘着ロール装置542,544を切り換えるととも
に洗浄を行う。また、ステップQ4−12の判断がNO
のままでステップQ4−8の判断がNOとなった場合に
は、ステップQ4−9に続いてステップQ4−14を実
行し、ステップQ4−11で求めた最後のワーク通過時
間Twをタッチパネル172等に表示する。
【0140】この実施例でも、粘着ロール546,54
8の劣化が適正に診断され、前記各実施例と同様の効果
が得られる。コントローラ600による一連の信号処理
のうち、ステップQ4−8,Q4−10,Q4−11を
実行する部分は第9発明の通過時間検出手段に相当し、
ステップQ4−12,Q4−13を実行する部分は劣化
診断手段に相当する。
【0141】なお、上記実施例ではサンプリング周期t
p からワーク通過時間Twを算出して劣化診断を行うよ
うになっていたが、そのサンプリング周期tp ,ワーク
搬送速度,切板ワーク14の長さ寸法に基づいて、ワー
ク通過時のサンプリング回数すなわちカウンタCnの計
数内容に関する上限値を劣化判定値として設定し、実際
のワーク通過時におけるカウンタCnの計数値がその上
限値を越えたか否かによって劣化診断を行うようにして
も良い。
【0142】また、所定枚数の切板ワーク14について
連続して劣化判定が為された場合に最終的な判断を下す
ようにするなど、劣化判定を行う判断基準は適宜変更で
きるし、切板ワーク14が所定枚数通過する毎に劣化診
断を行うようにしても良い。劣化判定値を段階的に設定
して、劣化の程度を段階表示することも可能である。負
荷電流InまたはIpを検出して粘着ロール546,5
48の劣化診断を行う他の実施例についても同様であ
る。
【0143】以上、本発明の実施例を詳細に説明した
が、本発明はこれ等の実施例に限定して解釈されるもの
ではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を
加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるプレス用切板ワークの
清浄装置の概略構成図である。
【図2】図1の清浄装置の制御系統を説明するブロック
線図である。
【図3】図1の清浄装置のクリーナーヘッド部分を示す
斜視図である。
【図4】図3のクリーナーヘッドの開口部近傍を示す断
面図である。
【図5】図1の清浄装置における上下のクリーナーヘッ
ドの吸込口とバキュームクリーナーとの接続回路を示す
図である。
【図6】図1の清浄装置における2組の粘着ロール装置
の要部を示す図である。
【図7】図1の清浄装置に備えられている2組の粘着ロ
ール装置の一方を示す斜視図である。
【図8】図7の粘着ロール装置の回転駆動機構を示す図
である。
【図9】図1の清浄装置における塗油装置の回路図であ
る。
【図10】図9の塗油装置により図11の斜線部に塗油
を行う場合の塗油ノズルの開閉制御を説明するタイムチ
ャートである。
【図11】図9の塗油装置の塗油ノズルが図10のタイ
ムチャートのように開閉制御された場合の塗油状態を示
す図である。
【図12】図1の清浄装置に備えられているタッチパネ
ルの表示画面の一例で、切板ワークの種類に応じて粘着
ロール等の使用、不使用を選択する画面である。
【図13】図1の清浄装置に備えられているタッチパネ
ルの表示画面の一例で、切板ワークの種類に応じて塗油
ノズルの開閉時間を設定する画面である。
【図14】吸引装置の他の実施例におけるクリーナーヘ
ッド部分を示す斜視図である。
【図15】図14のクリーナーヘッドの吸込口近傍を示
す縦断面図である。
【図16】図14のクリーナーヘッドの吸込口形状を示
す底面図である。
【図17】図14のクリーナーヘッドに接続されるバキ
ュームクリーナーの一例を示す正面図である。
【図18】吸引装置の更に別の実施例におけるクリーナ
ーヘッドの吸込口近傍を示す縦断面図である。
【図19】図18のクリーナーヘッドの吸込口形状を示
す底面図である。
【図20】粘着ロール装置の別の実施例を説明する概略
構成図である。
【図21】図20の粘着ロール装置を示す斜視図であ
る。
【図22】図20の粘着ロール装置の粘着ロールを回転
駆動する動力伝達経路を説明する斜視図である。
【図23】図21に示されている洗浄装置の洗浄ヘッド
部分を示す縦断面図である。
【図24】図23の洗浄ヘッドおよびエアーノズルに接
続されている空液供給回路を示す回路図である。
【図25】図20の粘着ロール装置を有する清浄装置の
制御系統を説明するブロック線図である。
【図26】図25のコントローラによって行われる粘着
ロールの劣化診断を説明するフローチャートである。
【図27】図26におけるステップS7の具体的内容を
説明するフローチャートである。
【図28】図26の時間t1 ,t2 を粘着ロールの回転
速度変化と関連して説明するタイムチャートである。
【図29】粘着ロール装置の更に別の実施例を説明する
概略正面図である。
【図30】図29の粘着ロール装置の粘着ロールと洗浄
装置の洗浄ヘッドとの位置関係を説明する図である。
【図31】図29の粘着ロール装置に配設されたチェッ
クロールを示す斜視図である。
【図32】図29の粘着ロール装置の劣化診断を説明す
るフローチャートである。
【図33】搬送用駆動モータ,ロール駆動モータの負荷
電流Ip,Inを検出する回路図である。
【図34】図33の負荷電流Ip,Inの切板ワーク通
過時における変動を説明するタイムチャートである。
【図35】図33のコントローラにより負荷電流Inに
基づいて粘着ロール劣化診断を行う場合の一例を説明す
るフローチャートである。
【図36】図35の続きを説明するフローチャートであ
る。
【図37】図36の続きを説明するフローチャートであ
る。
【図38】図33のコントローラにより負荷電流Inに
基づいて粘着ロール劣化診断を行う場合の別の例を説明
するフローチャートである。
【図39】図38の続きを説明するフローチャートであ
る。
【図40】図33のコントローラにより負荷電流Ipに
基づいて粘着ロール劣化診断を行う場合の一例を説明す
るフローチャートである。
【図41】図40の続きを説明するフローチャートであ
る。
【図42】図33のコントローラにより負荷電流Inに
基づいてワーク通過時間を求めて粘着ロール劣化診断を
行う場合の一例を説明するフローチャートである。
【図43】図42の続きを説明するフローチャートであ
る。
【図44】従来の清浄装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
10:清浄装置 14:切板ワーク 34a,34b:オイルカットロール 36a,36b,40a,40b,46a,46b:ピ
ンチローラ 38a,38b:クリーナーヘッド 42,44:粘着ロール装置 50,52:塗油ノズルユニット 50a〜50e,52a〜52e:塗油ノズル 56:搬送用駆動モータ 106a,106b,106c:バキュームクリーナー 110a,110b,112a,112b:粘着ロール 142:塗油装置 300,302:クリーナーヘッド 304:バキュームクリーナー 314:吸込口 328,330,332,334:ガイドローラ 390,392:クリーナーヘッド 394:吸込口 396:エアーノズル 402:圧縮空気供給装置 410:粘着ロール装置 412,414:洗浄装置 416,418:粘着ロール 420a,420b,422a,422b:ピンチロー
ラ 438:回転速度センサ(粘着ロールの回転検出手段) 488:洗浄パッド 492:洗浄液 532:洗浄液供給手段 534:コントローラ 542,544:粘着ロール装置 546,548:粘着ロール 550:ロール駆動モータ(ロール駆動手段,搬送用駆
動モータ) 556:チェックロール 566:ロータリエンコーダ(チェックロールの回転検
出手段) 569:コントローラ 576,582:洗浄装置 600:コントローラ 602,608:変流器(トルク検出手段) Nn:粘着ロールの回転速度 Nc:チェックロールの回転速度 In,Ip:負荷電流(負荷トルク) Tw:ワーク通過時間(通過所要時間) ステップS4,S6:劣化診断手段(第6発明) ステップS14,S18:劣化診断手段(第7発明) ステップQ1−14,15:劣化診断手段(第8発明) ステップQ2−11,12:劣化診断手段(第8発明) ステップQ3−14,15:劣化診断手段(第8発明) ステップQ4−8,10,11:通過時間検出手段 ステップQ4−12,13:劣化診断手段(第9発明)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅井 昭夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 実開 昭59−123587(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 43/00 B08B 1/00 - 1/04 B21D 43/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プレス加工を行うために予め所定形状に切
    断された切板ワークの表面に付着している異物を該プレ
    ス加工に先立って取り除くための清浄装置であって、 前記切板ワークを1枚ずつ連続的に搬送する搬送装置
    と、 前記切板ワークの搬送方向における上流側部分に配設さ
    れ、該切板ワークの表面に押圧されつつ該切板ワークの
    移動に伴って回転させられることにより、該切板ワーク
    の表面に付着している油分を吸着除去するオイルカット
    ロールと、 前記切板ワークの搬送方向において前記オイルカットロ
    ールよりも下流側に配設され、該切板ワークの表面に押
    圧されつつ該切板ワークの移動に伴って回転させられる
    ことにより、該切板ワークの表面に付着している異物を
    粘着して除去する粘着ロールとを有することを特徴とす
    るプレス用切板ワークの清浄装置。
  2. 【請求項2】前記切板ワークの搬送方向において前記粘
    着ロールよりも下流側に配設され、該搬送方向と交差す
    る方向に配置された複数の塗油ノズルのうちの任意のも
    のから油を噴射して該切板ワークの任意の部位に油を付
    着させる塗油装置を有する請求項1に記載のプレス用切
    板ワークの清浄装置。
  3. 【請求項3】前記切板ワークの搬送方向において前記オ
    イルカットロールと前記粘着ロールとの間の部位に配設
    され、該切板ワークの表面に付着している異物を吸引し
    て除去する吸引装置を有する請求項1または2に記載の
    プレス用切板ワークの清浄装置。
  4. 【請求項4】前記吸引装置は、 前記切板ワークの搬送方向と交差するように設けられた
    吸込口が該搬送方向において凹凸を有するクリーナーヘ
    ッドと、 前記吸込口が開口する前記クリーナーヘッドの先端部で
    あって該吸込口の凹凸の少なくとも凹部分に、前記搬送
    方向と直角な軸まわりの回転可能に配設され、外周面が
    前記切板ワークと接触させられて該切板ワークを該クリ
    ーナーヘッドから所定量だけ離間した位置に位置決めす
    る複数のガイドローラとを有するものである請求項3に
    記載のプレス用切板ワークの清浄装置。
  5. 【請求項5】前記吸引装置の吸込口近傍において前記切
    板ワークに圧縮空気を噴射するエアーブロー装置を有す
    る請求項3または4に記載のプレス用切板ワークの清浄
    装置。
  6. 【請求項6】前記粘着ロールは、前記切板ワークの搬送
    方向と直角な軸まわりの回転自在に配設され、該切板ワ
    ークの通過に伴って連れ廻りさせられるもので、 前記切板ワークの通過時における前記粘着ロールの回転
    速度を検出する回転検出手段と、 該回転速度に基づいて前記粘着ロールの劣化を診断する
    劣化診断手段とを有する請求項1乃至5の何れかに記載
    のプレス用切板ワークの清浄装置。
  7. 【請求項7】前記粘着ロールを回転駆動するロール駆動
    手段と、 該粘着ロールに接触させられて連れ廻りさせられるチェ
    ックロールと、 該チェックロールの回転速度を検出する回転検出手段
    と、 該回転速度に基づいて前記粘着ロールの劣化を診断する
    劣化診断手段とを有する請求項1乃至5の何れかに記載
    のプレス用切板ワークの清浄装置。
  8. 【請求項8】前記搬送装置は、前記切板ワークを予め定
    められた搬送速度で搬送する搬送用駆動モータを備えて
    いるもので、 該搬送用駆動モータの負荷トルクを検出するトルク検出
    手段と、 該負荷トルクに基づいて前記粘着ロールの劣化を診断す
    る劣化診断手段とを有する請求項1乃至5の何れかに記
    載のプレス用切板ワークの清浄装置。
  9. 【請求項9】前記粘着ロールは、ロール駆動モータによ
    り予め定められた搬送速度で前記切板ワークを通過させ
    るように回転駆動されるもので、 該ロール駆動モータの負荷トルクを検出するトルク検出
    手段と、 該負荷トルクに基づいて前記切板ワークの通過所要時間
    を検出する通過時間検出手段と、 該通過所要時間に基づいて前記粘着ロールの劣化を診断
    する劣化診断手段とを有する請求項1乃至5の何れかに
    記載のプレス用切板ワークの清浄装置。
  10. 【請求項10】前記粘着ロールを回転駆動するロール駆
    動手段と、 前記粘着ロールに接近離間可能に配設された洗浄パッド
    と、 該洗浄パッドに洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを備
    え、前記洗浄パッドを前記粘着ロールに押圧した状態で
    該粘着ロールを回転駆動して該粘着ロールを洗浄する洗
    浄装置を有する請求項1乃至9の何れかに記載のプレス
    用切板ワークの清浄装置。
  11. 【請求項11】前記粘着ロールによって異物を粘着除去
    する複数の粘着ロール装置が、それぞれ前記切板ワーク
    の搬送経路上の清浄位置と、その清浄位置から離間した
    待機位置とへの移動可能に配設されている請求項1乃至
    10の何れかに記載のプレス用切板ワークの清浄装置。
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