JP2010200596A - 回転電機用電機子及びその製造方法 - Google Patents

回転電機用電機子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コイルの占積率の向上を図りつつ、渦電流損を低減することができる回転電機用電機子を提供する。
【解決手段】軸方向に延びる複数のスロット12が周方向に分散配置された円筒状のコア11と、スロット12に巻装されるコイル21と、を備えた回転電機用電機子2であって、スロット12は、内周開口部の周方向幅がスロット内部の周方向幅よりも狭く形成されるとともに、コイルを構成する線状導体の周方向幅が内周開口部の周方向幅よりも広く形成され、コイル21のうち軸方向一方側のコイル端部23が径方向導体部25を備え径方向内側へ屈曲形成された屈曲コイル端部24とされ、径方向導体部25における内周開口部に対応する径方向位置に、周方向幅が内周開口部の周方向幅よりも狭くなるように、径方向導体部25の他の部分に対して窪んだ形状の幅狭凹部32を備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、軸方向に延びる複数のスロットが周方向に分散配置された円筒状のコアと、前記スロットに巻装されるコイルと、を備えた回転電機用電機子、及びその製造方法に関する。
一般に、モータ(電動機)やジェネレータ(発電機)等として用いられる回転電機においては、より小さな体格でより大きな出力が可能であるものが求められる。したがって、回転電機のエネルギ効率を高めることは重要な課題の一つである。ここで、回転電機のエネルギ効率を高めるための技術としては、例えば、回転電機の電機子におけるコイルの占積率を向上させるものが従来から知られている。
コイルの占積率を向上させることが記載された文献として、以下の特許文献1が挙げられる。この特許文献1に記載された回転電機用電機子としてのステータでは、断面が略矩形状の平角線導体を用いてコイルを構成することで占積率を向上させ、単位断面積当たりのアンペアターンを高めることで、回転電機の出力の向上を図っている。
なお、この特許文献1に記載された回転電機では、ステータのスロットはオープンスロット(径方向内側に開口する開口部の周方向幅が、コイルが装着される部分の周方向幅と同等以上であるスロット)とされ、連続巻きで所定形状に予備成形されたコイルは、周方向及び軸方向に変形されながら、オープンスロットの開口部から径方向に挿入されてスロットに巻装される。これにより、コイルをスロットに挿入した後において電気的に接続すべき箇所を減らして生産性の向上を図ることが可能とされている。
また、コイルの占積率を向上させることが記載された別の文献として、以下の特許文献2が挙げられる。この特許文献2に記載された回転電機用電機子としてのステータでは、細線を周方向及び径方向に積層して所定形状のコイルが形成される。このとき、スロット内における占積率を高めるべく、スロットの断面形状に応じた断面形状となるように細線が積層されて束ねられる。
なお、この特許文献2に記載された回転電機のステータでは、ステータのコアが備えるスロットが、セミオープンスロット(径方向内側に開口する開口部の周方向幅が、コイルが装着される部分の周方向幅よりも狭いスロット)とされている。これにより、ステータと界磁としてのロータとの間に作用する有効磁束の増大を図ることによっても、回転電機の出力の向上を図っている。ここで、この回転電機のステータでは、セミオープンスロット型のコアを用いるのに伴い、コイルが有する軸方向一方側のコイル端部において前記細線が径方向内側に屈曲されるとともに軸方向に積層された形状に予備成形される。つまり、コイルを構成する細線が径方向に延びる部位においては、細線を周方向には積層しない構成とすることで当該部分の周方向幅がスロットの径方向内側の開口部の幅よりも小さくされ、予備形成されたコイルは、屈曲したコイル端部の側から軸方向に挿入されてコアが有するスロットに巻装される。
特開2008−167567号公報 特許第3798968号公報
しかし、特許文献1に記載された回転電機では、オープンスロットとされているためにスロットの開口部の周方向幅が大きく、かつ、平角線導体のロータ側の表面積が大きい。したがって、ロータが回転したときに永久磁石等からの磁束が前記平角線導体に到達し、そのロータ側の表面に渦電流が発生する。そのため、渦電流損が大きくなり、回転電機のエネルギ効率が却って低下する場合があるという問題があった。
この点、永久磁石等からの磁束が平角線導体に到達する量を減少させて渦電流損を低減するためには、特許文献2に記載されたようなセミオープンスロット型のコアを用いることも考えられる。しかしながら、セミオープンスロット型のコアと平角線導体により構成されるコイルとを用いて回転電機を構成する場合には、平角線導体の周方向幅自体がスロットの開口部の周方向幅よりも広いため、特許文献1に記載されたようにコイルをスロットに径方向内側から挿入することができない。また、軸方向一方側のコイル端部を径方向内側に屈曲させた構成としても、やはり平角線導体の周方向幅自体がスロットの開口部の周方向幅よりも広いため、特許文献2に記載されたようにコイルをスロットに軸方向に挿入することもできない。
このように、その製造自体に困難性があるため、セミオープンスロット型のコアと平角線導体で構成されるコイルとを用いて回転電機を構成することはこれまで行われていなかった。つまり、コイルの占積率の向上と渦電流損の低減との両立を可能とする技術は未だ確立していなかった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、コイルの占積率の向上を図りつつ、渦電流損を低減することができる回転電機用電機子を提供することを目的とする。
この目的を達成するための、本発明に係る軸方向に延びる複数のスロットが周方向に分散配置された円筒状のコアと、前記スロットに巻装されるコイルと、を備えた回転電機用電機子の特徴構成は、前記スロットは、径方向内側に開口する内周開口部の周方向幅が、前記内周開口部よりも径方向外側に位置するスロット内部の周方向幅よりも狭く形成されるとともに、前記コイルを構成する線状導体の周方向幅が前記内周開口部の周方向幅よりも広く形成され、前記コイルは、異なる前記スロット内に配置されるコイル辺部間を前記コアの軸方向両端部において接続するコイル端部を備え、前記スロットの軸方向一方側の前記コイル端部が径方向内側へ屈曲形成された屈曲コイル端部とされ、前記屈曲コイル端部は、前記コイル辺部から径方向に延びる径方向導体部と、前記内周開口部よりも径方向内側で一対の前記径方向導体部間を接続する周方向導体部とを備え、前記径方向導体部における前記内周開口部に対応する径方向位置に、周方向幅が前記内周開口部の周方向幅よりも狭くなるように、前記径方向導体部の他の部分に対して窪んだ形状の幅狭凹部を備えた点にある。
なお、本願では、「軸方向」、「径方向」及び「周方向」の各方向は、円筒状のコアを基準として定めるものとし、「軸方向」は当該コアの中心軸に沿った方向を、「径方向」はコアの中心軸に沿った方向(軸方向)に対して直交する方向を、「周方向」はコアの中心軸回りの周回方向(又はその接線方向)を表すものとする。このとき、コイルについての各方向は、コイルがスロットに巻装された状態での方向として規定するものとする。
また、「線状導体」は、コイルの各ターンを構成する1本の線状部材としての導体を表す概念として用いている。
また、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
上記の特徴構成によれば、コイルを構成する線状導体の周方向幅がスロットの内周開口部の周方向幅よりも広い場合であっても、幅狭凹部をスロットの内周開口部に通過させることで、コアが有するスロットに対して、コイルを屈曲コイル端部の側から軸方向に挿入することが可能となる。
このとき、線状導体の周方向幅を、コイルをスロットに巻装可能な範囲内で自由に設定することができるので、線状導体の周方向幅を例えばスロット内部の周方向幅と略等しく設定することで、コイルの占積率の向上を図ることができる。
また、上記の構成では、コアが有するスロットは、内周開口部の周方向幅がスロット内部の周方向幅よりも狭い、いわゆるセミオープンスロットとなっている。そのため、界磁が備える永久磁石等からの磁束がコイルを構成する線状導体の表面に到達する量を減少させることができる。よって、渦電流の発生を抑制して渦電流損を低減することができる。
したがって、上記の特徴構成によれば、コイルの占積率の向上を図りつつ、渦電流損を低減することができる回転電機用電機子を提供することができる。
ここで、前記幅狭凹部は、前記径方向導体部を周方向に圧縮するとともに、軸方向に伸展して形成された圧縮成形部である構成とすると好適である。
この構成によれば、屈曲コイル端部における径方向導体部の、スロットの内周開口部に対応する径方向位置を周方向に圧縮するだけで、幅狭凹部としての圧縮成形部を容易に形成することができる。なお、軸方向一方側のコイル端部を径方向内側へ屈曲形成して屈曲コイル端部とする際、コイルを構成する線状導体は、その屈曲部において周方向の幅が屈曲前に比べて大きくなる場合がある。そのため、コイルの占積率を高く保ちつつ、コイルをスロットに軸方向に確実に挿入可能とするためには、コイルをスロットに挿入する前に当該屈曲部のうち周方向に膨らんだ部分を周方向に圧縮しておくことが好ましい。上記の構成によれば、屈曲部のうち周方向に膨らんだ部分を周方向に圧縮するのに合わせて幅狭凹部(圧縮成形部)を形成することができるので、幅狭凹部(圧縮成形部)を簡易に形成することができる。
また、この構成によれば、コイル全体に亘ってコイルの通電方向に直交する面の断面積を略一定に保たせることができる。この場合、圧縮成形部における電気抵抗値を、圧縮成形部以外の部分における電気抵抗値と略等しくすることができる。したがって、圧縮成形部において局所的に発熱量が増大する等の不都合が生じるのを抑制することができる。
また、上記の特徴構成において、前記線状導体の延在方向に直交する断面において、前記スロット内で周方向に沿う方向を第一方向とするとともに、当該第一方向に直交する方向を第二方向とし、前記線状導体は、前記第二方向の幅が前記内周開口部の周方向幅よりも狭く形成され、前記幅狭凹部は、前記径方向導体部における前記内周開口部に対応する部位を、前記第二方向が周方向と略平行になるように、前記径方向導体部の他の部分に対して捻じって形成した捻じり成形部である構成とすると好適である。
なお、本願では、「第二方向の幅」は、線状導体の延在方向に直交する断面における第二方向に直交する方向から見たときの当該線状導体の幅を表すものとする。
この構成によれば、径方向導体部における内周開口部に対応する部位を、径方向導体部の他の部分に対して捻じって捻じり成形部を形成することで、幅狭凹部を設けることができる。この際、径方向導体部を局所的に大きく変形させたり、径方向導体部に対して局所的に大きな力を加える必要がないため、線状導体を被覆している絶縁被膜が、幅狭凹部を形成することにより損傷を受けることを抑制することができる。
また、セミオープンスロット型のコアであることの利点をできるだけ大きく享受するためには、内周開口部の周方向幅を、当該内周開口部と線状導体とが干渉しないという条件の下、可能な限り小さくすることが望ましいが、この構成によれば、内周開口部の周方向幅より第二方向の幅が小さい線状導体を採用するだけで、上記の干渉を回避することができる。
また、この構成においても、コイル全体に亘ってコイルの通電方向に直交する面の断面積を略一定に保たせることができるため、圧縮成形部において局所的に発熱量が増大する等の不都合が生じるのを抑制することができる。
また、幅狭凹部が、前記径方向導体部を周方向に圧縮するとともに、軸方向に伸展して形成された圧縮成形部である構成、又は、幅狭凹部が、前記径方向導体部における前記内周開口部に対応する部位を、前記径方向導体部の他の部分に対して捻じって形成した捻じり成形部である構成において、前記コイルは、前記コイル辺部を構成する前記線状導体が前記スロット内において径方向に複数本並べて配置されるとともに、前記屈曲コイル端部を構成する前記線状導体が軸方向に並べて配置され、前記幅狭凹部が軸方向に並べて配置された構成とすると好適である。
幅狭凹部を圧縮成形部として軸方向に伸展させた場合には、これらを軸方向に並べて配置することにより、当該圧縮成形部のうち軸方向に伸展した部分どうしが軸方向に当接して相互に斥け合う。また、幅狭凹部を捻じり成形部として構成した場合には、捻じり成形部における線状導体の軸方向高さは、当該捻じり成形部に隣接する径方向導体部の他の部分よりも高くなる。そのため、幅狭凹部(捻じり成形部)を軸方向に並べて配置することにより、上記の軸方向高さが高くなっている部分どうしが軸方向に当接して相互に斥け合う。その結果、屈曲コイル端部の幅狭凹部以外の部位においては、軸方向に並べて配置される線状導体間の軸方向間隔が大きくなる。これにより、線状導体間に冷媒を流す場合には、当該冷媒が線状導体間を流れやすくなるため冷却効率が向上する。
また、複数の互いに異なる相のコイルを備え、各相の前記コイルのうち、前記周方向導体部を構成する互いに異なる相の前記線状導体が軸方向に並べて配置された構成とすると好適である。
この構成によれば、軸方向に並べて配置される線状導体が互いに異なる相のコイルを構成していたとしても、異なる相のコイル間に一定の距離を確保しやすくなるため、絶縁構造を簡素化することができる。また、コイルに流れる電流の最大値やコイルの両端に印加される電圧の最大値等の条件次第では、特別な構成を付与することなく各相コイル間の電気的絶縁性を確保することも可能となる。したがって、上記の構成を備えた回転電機用電機子に、本発明を有効に適用することができる。
また、前記屈曲コイル端部における前記圧縮成形部の径方向内側において、互いに異なる相の前記線状導体間に、相間絶縁シートが配置された構成とすると好適である。
この構成によれば、相間絶縁シートにより、より適切に各相コイル間の電気的絶縁性を確保することができる。この際、上記のとおり軸方向に並べて配置される線状導体間の軸方向間隔が大きくなることで一定の距離が確保されているので、相間絶縁シートに要求される絶縁性能を低下させることができ、製造コストを低減することができる。また、線状導体間で相間絶縁シートに加わる応力が低減するので、絶縁品質を安定化させることができる。したがって、上記の構成を備えた回転電機用電機子に、本発明を有効に適用することができる。
また、前記コアは、互いに隣接する前記スロット間に位置するティースの径方向内側の端部に、周方向両側に突出して前記内周開口部の周方向両側壁を形成する突出部を備え、前記スロットと前記コイル辺部との間に、前記コイル辺部を周回しつつ前記内周開口部を覆うようにスロット内絶縁シートが配置され、前記スロット内絶縁シートの周回方向の端部が、前記突出部に係止されている構成とすると好適である。
この構成によれば、スロット内絶縁シートにより、コアとコイル辺部との間の電気的絶縁性を適切に確保することができる。また、スロット内絶縁シートは、コイル辺部を周回する方向の端部がコアに設けられた突出部に係止されてスロットの内周開口部を覆うように配置されるので、特別な構成を付与することなく、コイル辺部の径方向内側への抜け出しを有効に抑制することができる。また、コイル辺部と界磁側との間の電気的絶縁性を確保することができる。
本発明に係る、軸方向に延びる複数のセミオープンスロット型のスロットが周方向に分散配置された円筒状のコアと、前記スロットに巻装されるコイルと、を備え、前記コイルを構成する線状導体の周方向幅が前記スロットの径方向内側に開口する内周開口部の周方向幅よりも広く形成され、前記コイルが、異なる前記スロット内に配置されるコイル辺部間を前記コアの軸方向一端部において接続するとともに径方向内側へ屈曲形成された屈曲コイル端部を備えた回転電機用電機子の製造方法の特徴構成は、前記屈曲コイル端部における前記コイル辺部から径方向に延びる径方向導体部の、前記内周開口部に対応する径方向位置に、周方向幅が前記内周開口部の周方向幅よりも狭くなるように、前記径方向導体部の他の部分に対して窪んだ形状の幅狭凹部を形成する幅狭凹部形成工程と、前記幅狭凹部形成工程で形成された幅狭凹部を前記内周開口部の位置に合わせた状態で、前記コイルを前記屈曲コイル端部の側から前記スロット内に軸方向に挿入する挿入工程と、を有する点にある。
この特徴構成によれば、軸方向一方側に屈曲コイル端部を備えたコイルにおいて、幅狭凹部形成工程により、径方向導体部におけるスロット(セミオープンスロット)の内周開口部に対応する径方向位置に、径方向導体部の他の部分に対して窪んだ形状を有するとともに、周方向幅が内周開口部の周方向幅よりも狭い幅狭凹部が形成される。そのため、コイルを構成する線状導体の周方向幅がスロットの内周開口部の周方向幅よりも広い場合であっても、挿入工程において先の幅狭凹部形成工程で形成された幅狭凹部をスロットの内周開口部に通過させることで、コアが有するスロットに対して、コイルを屈曲コイル端部の側から軸方向に挿入することが可能となる。
このとき、線状導体の周方向幅は、コイルをスロットに巻装可能な範囲内で自由に設定することができるので、線状導体の周方向幅を例えばスロット内部の周方向幅と略等しく設定することで、コイルの占積率の向上を図ることができる。
また、上記の構成では、コアが有するスロットはセミオープンスロットであり、内周開口部の周方向幅がスロット内部の周方向幅よりも狭い。そのため、界磁が備える永久磁石等からの磁束がコイルを構成する線状導体の表面に到達する量を減少させることができる。よって、渦電流の発生を抑制して渦電流損を低減することができる。
したがって、上記の特徴構成によれば、コイルの占積率の向上を図りつつ、渦電流損を低減することができる回転電機用電機子を製造することができる。
ここで、前記幅狭凹部形成工程は、前記径方向導体部における前記内周開口部に対応する部位を、周方向に圧縮する圧縮工程である構成とすると好適である。
この構成によれば、幅狭凹部形成工程を、径方向導体部における内周開口部に対応する部位を周方向に圧縮するという簡素な工程(圧縮工程)とすることができる。
また、上記の特徴構成において、前記線状導体の延在方向に直交する断面において、前記スロット内で周方向に沿う方向を第一方向とするとともに、当該第一方向に直交する方向を第二方向とし、前記線状導体は、前記第二方向の幅が前記内周開口部の周方向幅よりも狭く形成され、前記幅狭凹部形成工程は、前記径方向導体部における前記内周開口部に対応する部位を、前記第二方向が周方向と略平行になるように、前記径方向導体部の他の部分に対して捻じる捻じり工程である構成とすると好適である。
この構成によれば、幅狭凹部形成工程を、径方向導体部における内周開口部に対応する部位を、径方向導体部の他の部分に対して捻じるという簡素な工程(捻じり工程)とすることができる。この際、径方向導体部を局所的に大きく変形させたり、径方向導体部に対して局所的に大きな力を加える必要がないため、線状導体を被覆している絶縁被膜が、幅狭凹部を形成することにより損傷を受けることを抑制することができる。
また、幅狭凹部形成工程が圧縮工程である構成において、前記圧縮工程では、前記幅狭凹部を形成するのと同時に、前記コイルを構成する前記径方向導体部の屈曲部を更に周方向に圧縮する構成とすると好適である。
軸方向一方側のコイル端部を径方向内側へ屈曲形成して屈曲コイル端部とする際、コイルを構成する線状導体は、その屈曲部において周方向の幅が屈曲前に比べて大きくなる場合がある。そのため、コイルの占積率を高く保ちつつ、コイルをスロットに軸方向に確実に挿入可能とするためには、挿入工程の前に当該屈曲部のうち周方向に膨らんだ部分を周方向に圧縮しておくことが好ましい。この構成によれば、同じ線状導体に近接して設けられる径方向導体部及び屈曲部を単一の工程で共に周方向に圧縮することができるので、製造工程の複雑化を伴うことなく本発明に係る回転電機用電機子を製造することができる。
また、前記コアは、互いに隣接する前記スロット間に位置するティースの径方向内側の端部に、周方向両側に突出して前記内周開口部の周方向両側壁を形成する突出部を備えており、前記挿入工程では、前記スロット内に配置されるスロット内絶縁シートが前記内周開口部よりも径方向内側に延出して開口する状態で、前記スロットに前記コイルが挿入され、前記スロット内絶縁シートの径方向内側に延出した端部を、前記挿入工程後に前記突出部に係止させる係止工程を更に備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、挿入工程において、コアとコイルとの間にスロット内絶縁シートが介挿された状態でスロットにコイルを挿入することができるので、コイルを構成する線状導体を被覆している絶縁被膜を傷つけることなくスロットにコイルを挿入することができる。
また、挿入工程後の係止工程において、スロット内絶縁シートの端部を突出部に係止させることで、特別な構成を付与することなくスロットの内周開口部を覆い、コイルを構成するコイル辺部の径方向内側への抜け出しを有効に抑制することができる。
更に、スロット内絶縁シートにより、コアとコイル辺部との間、及びコイル辺部と界磁側との間の電気的絶縁性を適切に確保することができる。
本発明の第一の実施形態に係る回転電機の全体構成を示す断面図である。 本発明の第一の実施形態に係るステータの全体構成を示す斜視図である。 本発明の第一の実施形態に係るステータを示す平面図である。 本発明の第一の実施形態に係るステータのコイルを示す斜視図である。 本発明の第一の実施形態に係るステータの相間絶縁シートを配置した状態での平面図である。 図5におけるVI−VI断面図である。 図6におけるVII−VII断面図である。 図6におけるVIII−VIII断面図である。 本発明の第一の実施形態に係るステータを製造するための圧縮工程を説明するための説明図である。 本発明の第一の実施形態に係るステータを製造するための挿入工程の一態様を示す斜視図である。 図10における部分拡大図である。 本発明の第一の実施形態に係るステータを製造するための係止工程を説明するための説明図である。 本発明の第二の実施形態に係るステータの一部を示す平面図である。 本発明の第二の実施形態に係るステータの軸方向一部断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る捻じり成形部の拡大図である。 図14におけるXVI−XVI断面図である。 図14におけるXVII−XVII断面図である。 本発明の第二の実施形態に係るステータを製造するための挿入工程の説明図である。
1.第一の実施形態
本発明に係る回転電機用電機子の第一の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態においては、本発明に係る回転電機用電機子を、回転電機1のステータ2に適用した場合を例として説明する。図1は、本実施形態に係る回転電機1の全体構成を示す断面図であり、図2は、本実施形態に係るステータ2の全体構成を示す斜視図である。本実施形態に係るステータ2は、ステータコア11が有するスロット12内におけるコイル21の占積率の向上を図りつつ、渦電流損を低減することを可能とするべく、ステータコア形状とコイル形状との組み合わせに特徴を有する。以下、この回転電機1の各部の構成について詳細に説明する。
1−1.回転電機の全体構成
図1に示すように、回転電機1は、ステータ2、ロータ3、及びケース5を備えている。ステータ2はコイル21を備えており、当該コイル21に電流を流すことで磁界を発生させることができる。本実施形態においては、このステータ2が本発明における「回転電機用電機子」に相当する。ステータ2は、ケース5の内周面に固定されている。ステータ2の構成については後に詳細に説明する。また、ステータ2の径方向内側には、永久磁石(図示はしていない)を備えた界磁としてのロータ3が、ロータ軸4を回転軸としてステータ2に対して相対回転可能に配置されている。すなわち、本実施形態における回転電機1は、電機子としてのステータ2を備えたインナーロータ型の回転電機とされている。ケース5は、軸方向一方側に端壁5aが設けられた円筒形状に形成されている。ケース5は軸方向他方側に開口しており、当該開口を塞ぐようにケース5にカバー6が取り付けられている。そして、ケース5の端壁5a及びカバー6の径方向中央部に軸受7が設けられており、ロータ3及びロータ軸4は軸受7を介してケース5及びカバー6に対して回転可能に支持されている。
1−2.ステータの構成
図2に示すように、ステータ2は、ステータコア11及びコイル21を備えている。ステータコア11は、複数枚の中空円板状の電磁鋼板を積層して構成されており、略円筒形状に形成されている。ステータコア11の内周面には、その軸方向Lに延びる複数のスロット12が、周方向Cに分散配置されて所定の周方向間隔で設けられている。本実施形態においては、このステータコア11が本発明における「コア」に相当する。各スロット12は互いに同じ断面形状であって、所定の幅及び深さを有している。本実施形態においては、ステータコア11には、その全周で計48個のスロット12が設けられている。各スロット12は、ステータコア11の径方向R内側に開口する内周開口部13を備えて構成されている。
図3(a)に示すように、ステータコア11の互いに隣接するスロット12間には、ティース15が設けられている。このとき、互いに隣接するティース15間に、スロット12が設けられていることになる。ティース15の径方向R内側の端部には、周方向Cに突出する突出部16がティース15の周方向C両側に設けられている。本例では、突出部16は、軸方向Lに直交する断面の形状が略矩形状であって、軸方向Lに連続するように、ティース15と一体的に形成されている。そして、隣接する2つのティース15のそれぞれに設けられた周方向Cに対向する2つの突出部16間に、内周開口部13が形成されている。また、スロット12における内周開口部13よりも径方向R外側の空間は、スロット内部14とされる。
上記のとおり、隣接する2つのティース15のそれぞれに設けられた周方向Cに対向する2つの突出部16間に、内周開口部13が形成されている。したがって、本実施形態におけるステータコア11が有するスロット12は、径方向R内側に開口する内周開口部13の周方向幅W1がスロット内部14の周方向幅W3よりも狭く形成されたセミオープンスロットとなっている。スロット内部14にコイル21を構成する線状導体31が配置されて、スロット12にコイル21が巻装される。なお、このとき、詳しくは後述するが、スロット12とコイル21との間にはスロット内絶縁シート42が配置される。
ステータ2は、複数の互いに異なる相のコイル21を備えている。本実施形態においては、ステータ2は三相交流で駆動される回転電機1に用いられるステータとされており、U相、V相、及びW相の三相のコイル21を備えている。ここで、各相のコイル21は線状導体31を用いて形成されている。本実施形態においては、線状導体31は、その断面が略矩形状の単一の平角線により構成されている。また、本例では、スロット12のサイズとの関係においてコイル21の占積率を最大化させるべく、線状導体31の周方向幅W5はスロット内部14の周方向幅W3と略等しくなるように形成されている。より具体的には、線状導体31の周方向幅W5は、線状導体31を用いて形成されるコイル21が物理的にスロット内部14に挿入可能であるという前提条件の下で、スロット内部14の周方向幅W3と略等しい値に設定される。これにより、コイル21の占積率を向上させることで回転電機1のエネルギ効率の向上が図られている。上記のとおり、本実施形態においては、ステータコア11が有するスロット12はセミオープンスロットとなっており、内周開口部13の周方向幅W1はスロット内部14の周方向幅W3よりも狭い。したがって、スロット内部14の周方向幅W3と略等しい周方向幅を有する線状導体31の周方向幅W5は、スロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも広く形成されることになる。そこで、本実施形態においては、各コイル21における屈曲コイル端部24の径方向導体部25は、その周方向幅W7がスロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも狭い幅狭凹部32を備えた構成とされている。詳細については後述する。
各相のコイル21は、所定形状に形成されている。本実施形態においては、コイル21は、図4に示すように、全体として略円筒状の波型形状に形成されている。なお、図4にはU相コイル21uのみを示している。それぞれのコイル21は、スロット12内に配置されるコイル辺部22と、異なるスロット12内に配置される一対のコイル辺部22間をステータコア11の軸方向L両端部において接続するコイル端部23と、を備えている。コイル辺部22は、それぞれスロット内部14の形状に対応して軸方向Lに沿って延びるように直線状に形成されている。コイル端部23は、それぞれ異なるスロット12に配置される一対のコイル辺部22間を接続して周方向Cに沿って延びるように形成されている。各コイル端部23は、図2に示すように、ステータコア11の軸方向L両端部からステータコア11の軸方向Lに突出して配置されている。そして、図4に示すように、コイル21は、軸方向Lに延びて複数のスロット22内に順次配置される各コイル辺部22を、軸方向L一方側のコイル端部23と軸方向L他方側のコイル端部23とで交互に接続して、ステータコア11の周方向Cを巡回する波形に形成されている。このように、各相のコイル21は、各コイル辺部22がそれぞれ対応するスロット12内に配置された状態で、ステータコア11に波巻で巻装される形状となるように予め形成されている。
また、本実施形態においては、コイル21は、同じスロット12内に配置される2本のコイル辺部22を一組として形成されている。2本一組のコイル辺部22は、連続する一本の線状導体31を、ステータコア11の周方向Cに二巡回させて形成されている。また、同相のコイル21を構成する2本一組のコイル辺部22の二組が、互いに隣接するスロット12内に配置されるように周方向Cに並列して配置されている。二組のコイル辺部22は、コイル端部23の所定位置で連続するように接続されている。したがって、図4に示されるコイル21は、連続する一本の線状導体31を、ステータコア11の周方向Cを四巡回させて形成されている。本実施形態においては、図4に示される形状と略同様の形状を有するコイル21が、同じスロット12内に径方向Rに隣接して三組配置される。したがって、隣接する2つのスロット12のそれぞれについて、6本のコイル辺部22がスロット12内において径方向Rに並んで、一列に整列して配置される。
なお、図4にはU相コイル21uのみが示されているが、V相コイル21v及びW相コイル21wも同様の形状を有して構成されている。また、V相コイル21v及びW相コイル21wも、それぞれ同じスロット12内に径方向Rに隣接して三組配置され、隣接する2つのスロット12のそれぞれについて、同じ相の6本のコイル辺部22が径方向Rに並んで、一列に整列してスロット12内に配置される。
図3(b)に示すように、ステータコア11には、互いに隣接する2つのU相スロット12uと、互いに隣接する2つのV相スロット12vと、互いに隣接する2つのW相スロット12wとが、順次繰り返して形成されている。そして、図4に示される形状のU相コイル21u、V相コイル21v、及びW相コイル21wの各コイル辺部22が、周方向Cに二スロット分ずつ順次ずれながら、それぞれU相スロット12u、V相スロット12v、及びW相スロット12wに配置される。
各相コイル21のステータコア11の軸方向L両端部におけるコイル端部23のうち、軸方向L一方側(図2における上側)のコイル端部23は、径方向R内側へ屈曲形成された屈曲コイル端部24とされている。屈曲コイル端部24は、図6に示すように、屈曲部34においてコイル辺部22に対して略直角に径方向R内側へ屈曲している。屈曲コイル端部24は、図3(b)や図4にも示すように、コイル辺部22から径方向Rに延びる径方向導体部25と、スロット12の内周開口部13よりも径方向R内側で一対の径方向導体部25間を周方向Cに接続する周方向導体部26と、を備えている。
本実施形態においては、径方向導体部25を構成する線状導体31は、コイル辺部22からステータコア11の軸方向Lに延出した後、径方向R内側に屈曲されるように形成されている。上記のとおり、コイル辺部22を構成する6本の線状導体31は、スロット12内において径方向Rに一列に整列して配置されているので、径方向導体部25では、6本の線状導体31は、一列に並んだ状態を保ちながら、軸方向Lに略平行な状態から径方向R内側に屈曲され、径方向Rに略平行な状態になるように整列配置されている。これにより、径方向導体部25は軸方向Lに並べて配置された構成となっている。なお、図2及び図3(b)から明らかなように、径方向導体部25は、少なくともステータコア11のスロット12が有する内周開口部13よりも径方向R外側の部分においては、径方向導体部25どうしが周方向Cに重複することなく配置されている。また、径方向導体部25は、少なくともステータコア11の内周面に対して径方向R内側まで延出している。なお、本実施形態では、屈曲コイル端部24を構成する線状導体31のうち、コイル辺部22と周方向C位置が同じ部分を径方向導体部25としている。
周方向導体部26を構成する線状導体31は、一方のスロット12に対応する径方向導体部25から他方のスロット12に対応する径方向導体部25へ向かって周方向Cに屈曲しながら延出された後、径方向R外側に屈曲されて他方のスロット12に対応する径方向導体部25につながるように形成されている。上記のとおり、径方向導体部25は少なくともステータコア11の内周面に対して径方向R内側まで延出しているので、周方向導体部26はステータコア11の内周面に対して径方向R内側に配置される。この際、周方向導体部26では、スロット12内において径方向Rに一列に整列配置されている6本の線状導体31のうち、径方向R外周側に配置されている2本の線状導体31が径方向Rに並んで配置され、隣接する同じ相の2つのスロット12のそれぞれにおいて径方向R外周側に配置されている2本の線状導体31を併せて計4本の線状導体31が径方向Rに並んで配置されている。また、スロット12内において径方向Rに一列に整列配置されている6本の線状導体31のうち、径方向R内周側に配置されている2本の線状導体31が径方向Rに並んで配置され、隣接する同じ相の2つのスロット12のそれぞれにおいて径方向R内周側に配置されている2本の線状導体31を併せて計4本の線状導体31が径方向Rに並んで配置されている。また、スロット12内において径方向Rに一列に整列配置されている6本の線状導体31のうち、残余の2本の線状導体31が径方向Rに並んで配置され、隣接する同じ相の2つのスロット12のそれぞれにおける残余の2本の線状導体31を併せて計4本の線状導体31が径方向Rに並んで配置されている。径方向Rに並んで配置されるこれら三組の4本の線状導体31は、スロット12内において径方向R外側に配置されるコイル辺部22から連続するものほど、軸方向L一方側に配置されている。
また、各相コイル21の屈曲コイル端部24において、互いに異なる相のコイル21を構成する線状導体31は、周方向導体部26において軸方向Lに並び、隣接して配置されている。本例では、図5及び図6に示すように、U相コイル21uを構成する線状導体31は、V相コイル21v及びW相コイル21wを構成する線状導体31に対して軸方向L一方側(図6における右側)に隣接して配置されている。V相コイル21vを構成する線状導体31は、周方向CにおけるW相コイル21wと重複する領域ではW相コイル21wを構成する線状導体31に対して軸方向L一方側に隣接して配置されている。また、V相コイル21vを構成する線状導体31は、周方向CにおけるU相コイル21uと重複する領域ではU相コイル21uを構成する線状導体31に対して軸方向L他方側に隣接して配置されている。W相コイル21wを構成する線状導体31は、U相コイル21u及びV相コイル21vを構成する線状導体31に対して軸方向L他方側に隣接して配置されている。
屈曲コイル端部24において軸方向Lに隣接する、互いに異なる相のコイル21の周方向導体部26を構成する線状導体31の間には、これらの間での電気的絶縁性を確保するため、図5及び図6に示すように、相間絶縁シート41が介挿されて配置されている。相間絶縁シート41は、例えばアラミド繊維とポリエチレンテレフタラートを貼り合わせたもの等の電気的絶縁性及び耐熱性の高い材料で形成したシート等を用いることができる。
1−3.径方向導体部の構成
次に、各コイル21における屈曲コイル端部24の径方向導体部25の構成について説明する。図3(b)及び図4に示すように、径方向導体部25は、その周方向幅W7がスロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも狭い幅狭凹部32を備えている。幅狭凹部32は、径方向導体部25におけるスロット12の内周開口部13に対応する径方向位置に設けられている。なお、径方向導体部25における幅狭凹部32以外の部分の周方向幅は、コイル21を構成する線状導体31の周方向幅W5に等しく、したがってスロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも広く形成されている。つまり、径方向導体部25には、スロット12の内周開口部13に対応する径方向位置に、径方向導体部25の当該位置以外の部分に対して窪んだ形状の幅狭凹部32が形成されている。
この幅狭凹部32は、軸方向Lから見たときに、その外形が、ステータコア11のティース15の径方向R内側の端部に設けられた突出部16の外形に対応するように形成されている。すなわち、径方向導体部25には、スロット12の内周開口部13に対応する径方向位置付近のみを窪ませて幅狭凹部32が形成されている。この際、幅狭凹部32の周方向幅W7は、スロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも狭くなるように形成されている。このようにして、径方向導体部25におけるスロット12の内周開口部13に対応する径方向位置にのみ、周方向幅W7が内周開口部13の周方向幅W1よりも狭い幅狭凹部32が形成されている。なお、径方向導体部25の所定位置のみを幅狭凹部32としているため、コイル21の加工部位が内周開口部13に対応する部位のみとなり、加工が容易となる。
このように、径方向導体部25が、スロット12の内周開口部13に対応する径方向位置に、突出部16の外形に対応する形状の幅狭凹部32を備えているため、ステータコア11のティース15の径方向R内側の端部に設けられた突出部16と、コイル21を構成する線状導体31とは、軸方向Lから見たときに重複部分がない構成となる。したがって、本実施形態のように、セミオープンスロット型のステータコア11と、ステータコア11のスロット内部14の周方向幅W3と略等しい周方向幅W5を有する線状導体31で構成したコイル21とを用いてステータ2を構成する場合であっても、幅狭凹部32をステータコア11が有するスロット12の内周開口部13を通過させることで、スロット12に対して、コイル21を屈曲コイル端部24の側から軸方向Lに挿入することが可能となっている。
ここで、本実施形態においては、線状導体31が単一の平角線で構成されるとともに、線状導体31の周方向幅W5がスロット内部14の周方向幅W3と略等しくなるように形成されているので、例えば複数本の細線状導体を束ねて構成される細線状導体の集合体を用いてコイル21を構成する場合と比較して、スロット内部14におけるコイル21の占積率を向上させることができる。
また、本実施形態では、ステータコア11が有するスロット12は、内周開口部13の周方向幅W1がスロット内部14の周方向幅W3よりも狭い、いわゆるセミオープンスロットとなっている。そのため、ロータ3が回転したときに、ロータ3が備える永久磁石からの磁束がコイル21を構成する線状導体31の表面に到達する量を減少させることができる。よって、線状導体31の表面における渦電流の発生を抑制して、渦電流損を低減することができる。
したがって、本実施形態に係るステータ2の構成によれば、コイルの占積率の向上と渦電流損の低減との両立が可能となっている。
ここで、本実施形態においては、幅狭凹部32は、径方向導体部25のうち径方向Rに延びる部分を周方向Cに圧縮して形成された圧縮成形部33とされている。径方向導体部25は、図4及び図6に示すように、圧縮成形部33において周方向Cに圧縮されるとともに軸方向Lに伸展されている。圧縮成形部33のうち軸方向Lに伸展した部分は、軸方向Lに並べて配置されている。言い換えれば、幅狭凹部32が軸方向Lに並べて配置されている。本実施形態においては、圧縮成形部33は、その径方向Rの全体に亘って、当該圧縮成形部33におけるコイル21の通電方向に直交する断面の断面積が、圧縮成形部33以外の部位における断面の断面積と略等しくなるように、周方向Cに圧縮されつつ軸方向Lに伸展されている。これにより、コイル21全体に亘って通電方向に直交する断面の断面積が略一定に保たれるので、圧縮成形部33における電気抵抗値を、圧縮成形部33以外の部位における電気抵抗値と略等しくすることができる。したがって、圧縮成形部33において局所的に発熱量が増大する等の不都合が生じるのを抑制することができる。
また、圧縮成形部33が軸方向Lに伸展されて形成されるとともに、圧縮成形部33のうち軸方向Lに伸展した部分が軸方向Lに並べて配置されることにより、図6に示すように、当該圧縮成形部33のうち軸方向Lに伸展した部分どうしが軸方向Lに当接して相互に斥け合う。その結果、図7〜図9を参照して理解できるように、屈曲コイル端部24の圧縮成形部以外の部位においては、特にスペーサ等を設けなくても軸方向Lに隣接する線状導体31間の軸方向間隔Dが大きくなる。これにより、例えば屈曲コイル端部24を冷却するために線状導体31間に冷媒を流す場合には、当該冷媒が線状導体31間を流れやすくなって熱交換効率が高まるため、冷却効率が向上する。
上述したように、屈曲コイル端部24において軸方向Lに並んで隣接する、互いに異なる相のコイル21を構成する線状導体31の間には、相間絶縁シート41が介挿されて配置されている。図5及び図6に示すように、相間絶縁シート41は、径方向導体部25に形成された圧縮成形部33に対して、径方向R内側に配置されている。このとき、上記のとおり圧縮成形部33が軸方向Lに伸展されて形成されるとともに、圧縮成形部33のうち軸方向Lに伸展した部分が軸方向Lに並べて配置されることで軸方向Lに並んで隣接する線状導体31間の軸方向間隔Dが大きくなっているので、相間絶縁シート41に要求される絶縁性能を低下させることができ、製造コストを低減することができる。また、軸方向Lにおける線状導体31間で相間絶縁シート41に加わる応力を低減させることができるので、絶縁品質を安定化させることができる。
1−4.ステータの製造方法
次に、本実施形態に係るステータ2の製造方法について説明する。本実施形態に係るステータ2は、コア形成工程、コイル予備形成工程、圧縮工程、挿入工程、及び係止工程を有し、これらの工程を経て製造することができる。以下では、これらの各工程について詳細に説明する。
コア形成工程は、ステータコア11を形成する工程である。コア形成工程では、まず薄板形状の複数枚の電磁鋼板を中空円板状の所定形状(上述したセミオープンスロット型の形状)に形成する。このとき、それぞれの電磁鋼板は、同一形状に形成される。同一形状の複数枚の電磁鋼板は軸方向Lに積層され、円筒状のコアホルダ(不図示)に保持されて固定される。このようにしてステータコア11が形成される。
コイル予備形成工程は、各相のコイル21を予め形成する工程である。コイル予備形成工程では、平角線により構成される一本の線状導体31を用い、所定のコイル形成用治具(不図示)を利用して、所定形状(上述した波巻形状)の各相のコイル21を形成する。なお、このコイル予備形成工程で形成された各相のコイル21においては、軸方向Lに延びるコイル辺部22を径方向R内側に屈曲させて径方向導体部25とし、或いは、径方向R外側に延びる径方向導体部25を軸方向Lに屈曲させてコイル辺部22とする際に、コイル辺部22と屈曲コイル端部24の径方向導体部25とを接続する屈曲部34に、周方向Cに突出する膨出部ができる場合がある。この場合、当該膨出部の周方向幅がコイル21を構成する線状導体31の周方向幅W5よりも大きくなる場合がある。特に本実施形態のように、スロット内部14におけるコイル21の占積率を高めるため、周方向幅W5がスロット内部14の周方向幅W3と略等しく形成された線状導体31を用いてコイル21を構成する場合には、そのような事態が生じやすい。
圧縮工程は、コイル予備形成工程において予め形成された各相のコイル21を構成する線状導体31を、所定形状に圧縮して成形する工程である。本実施形態では、屈曲コイル端部24におけるコイル辺部22から径方向に延びる径方向導体部25の、内周開口部13に対応する径方向位置に、周方向幅が内周開口部13の周方向幅W1よりも狭くなるように、径方向導体部25の他の部分に対して窪んだ形状の幅狭凹部32を形成する幅狭凹部形成工程を、この圧縮工程により行っている。圧縮工程では、各相のコイル21における屈曲部34に生成した膨出部を周方向Cに圧縮して、その周方向幅が線状導体31の周方向幅W5に略等しくなるように成形する。また、圧縮工程では、径方向導体部25におけるステータコア11が有するスロット12の内周開口部13に対応する径方向R位置を周方向Cに圧縮して、その周方向幅W7が内周開口部13の周方向幅W1よりも狭くなるように成形する。言い換えれば、圧縮工程では、径方向導体部25における内周開口部13に対応する部位を、周方向Cに圧縮する。ここで、「径方向導体部25における内周開口部13に対応する部位」とは、「径方向導体部25の部位であって、内周開口部13と径方向位置が対応する部位」を意味する。なお、これにより幅狭凹部32としての圧縮成形部33が形成される。
ここで、屈曲部34はコイル辺部22と径方向導体部25とを接続する部位に位置しており、図4や図9からも明らかなように、径方向導体部25における内周開口部13に対応する径方向R位置と屈曲部34とは、同じ線状導体31上において互いに近接して位置している。また、これらの部位はともに周方向Cに圧縮して成形される。そこで、本実施形態においては、この圧縮工程において屈曲部34に生成した膨出部を周方向Cに圧縮するのに合わせて、これと同時に径方向導体部25における内周開口部13に対応する径方向R位置も周方向Cに圧縮して圧縮成形部33を形成する。言い換えれば、径方向導体部25における内周開口部13に対応する径方向R位置を周方向Cに圧縮して圧縮成形部33を形成するのに合わせて、これと同時に屈曲部34に生成した膨出部も周方向Cに圧縮する。このようにすれば、同じ線状導体31上に近接して設けられる径方向導体部25及び屈曲部34を単一の作業工程でともに周方向Cに圧縮することができるので、作業工程数の増加を伴うことなくステータ2を製造することができる。
なお、径方向導体部25及び屈曲部34を周方向Cに圧縮して成形する際には、例えば互いに平行に対向することになる平面に、ステータコア11のティース15に設けられた突出部16の断面形状に対応した突起が設けられた一対の型(不図示)を用いることができる。すなわち、径方向導体部25及び屈曲部34を構成する線状導体31に対して、周方向C両側から当該型を押し当てて加圧することにより、圧縮成形部33を形成するとともに、屈曲部34の周方向幅を調整することができる。
挿入工程は、圧縮工程を経て所定形状に成形された各相のコイル21を、ステータコア11が有するスロット12内に軸方向Lに挿入する工程である。言い換えれば、挿入工程は、幅狭凹部形成工程で形成された幅狭凹部を内周開口部13の位置に合わせた状態で、コイル21を屈曲コイル端部24の側からスロット12内に軸方向Lに挿入する工程である。ここで、圧縮工程が終了した段階では、径方向導体部25に圧縮成形部33が設けられるとともに屈曲部34の周方向幅が線状導体31の周方向幅W5に略等しくなるように調整されているので、ステータコア11と各相のコイル21を構成する線状導体31とは、軸方向Lから見たときに重複部分がない構成となっている。この挿入工程では、図10及び図11に示すように、径方向導体部25における幅狭凹部32としての圧縮成形部33と、ステータコア11が有するスロット12の内周開口部13とを対応させた状態で、コイル21を屈曲コイル端部24の側からスロット12内に軸方向Lに挿入する。
なお、上記のとおり本実施形態では、各相のコイル21は、各コイル辺部22がそれぞれ対応するスロット12内に配置可能な波巻形状となるように予め形成されている。このように、各相のコイル21を所定形状に予め形成しておくことで、コイル21をスロット12に軸方向Lに容易に挿入することができる。したがって、各相のコイル21をステータコア11に組み付ける際の作業負荷の低減を図ることができる。
このとき、本実施形態においては、図10に示すように、U相、V相、及びW相の各コイル21を組み合わせて一つのユニットを形成し、各コイル辺部22がそれぞれ対応するスロット12に配置されるように位置合わせした状態で、当該ユニットを一体的にスロット12内に挿入する。なお、図4に示される形状を有し、スロット12内において互いに径方向Rの同じ位置に配置されるU相、V相、及びW相の各相のコイル21どうしを組み合わせて三つのサブユニットを形成し、各コイル辺部22がそれぞれ対応するスロット12に配置されるように位置合わせした状態で、順次それぞれ一体的にスロット12内に挿入しても良い。この場合、スロット12内において径方向R外側に配置されるサブユニットから順次挿入される。或いは、図4に示される形状のコイル21毎に、各コイル辺部22がそれぞれ対応するスロット12に配置されるように順次スロット12内に挿入しても良い。この場合には、コイル辺部22がスロット12内において径方向R外側に配置され、屈曲コイル端部24の周方向導体部26が軸方向L一方側に配置されるコイル21から順次挿入される。
また、本実施形態においては、図11及び図12に示すように、スロット12内に配置されるスロット内絶縁シート42がスロット12の内周開口部13よりも径方向R内側に延出して開口する状態で、スロット12内にコイル21が挿入される。すなわち、スロット12内をスロット12の内面に沿って一巡するとともに、その両側の端部42eがともに内周開口部13よりも径方向R内側に突出するようにスロット内絶縁シート42が配置される。なお、スロット内絶縁シート42は、相間絶縁シート41と同様に、例えばアラミド繊維とポリエチレンテレフタラートを貼り合わせたもの等の電気的絶縁性及び耐熱性の高い材料で形成したシート等を用いることができる。そしてその状態で、スロット12の内面に沿って一巡するスロット内絶縁シート42における内周側に、コイル21が挿入される。このようにすれば、挿入工程においてステータコア11とコイル21との間にスロット内絶縁シート42が介挿された状態でスロット12内にコイル21が挿入されるので、コイル21を構成する線状導体31を被覆している絶縁被膜を傷つけることなくスロット12内にコイル21を挿入することができる。
係止工程は、スロット12の内周開口部13よりも径方向R内側に延出するスロット内絶縁シート42の端部42eを、ステータコア11のティース15に設けられた突出部16に係止させる工程である。本実施形態においては、上記のとおり断面略矩形状の突出部16がティース15と一体的に形成されている。そして、突出部16はスロット12の内周開口部13に面する周方向壁部16cと、当該突出部16から見て径方向R外側に位置するスロット内部14に面する外径側壁部16rとを備えている。係止工程では、図12に示すように、スロット内絶縁シート42の両側の端部42eは順次折り畳まれて、突出部16の外径側壁部16rに係止される。このとき、周方向C一方側の端部42eは、周方向C他方側のティース15に設けられた突出部16の外径側壁部16rに係止される。また、周方向C他方側の端部42eは、周方向C一方側のティース15に設けられた突出部16の外径側壁部16rに、スロット内絶縁シート42を介して係止される。なお、端部42eを折り畳む際の作業性を良好なものとするため、スロット内絶縁シート42には予め所定の位置に軸方向Lに沿った折り目をつけておくと好適である。
これにより、スロット12と、コイル21のうちスロット12内に配置されるコイル辺部22との間に、コイル辺部22を周回しつつスロット12の内周開口部13を覆うようにスロット内絶縁シート42が配置されることになる。したがって、スロット内絶縁シート42により、ステータコア11とコイル21を構成するコイル辺部22との間、及びコイル辺部22と界磁としてのロータ3との間の電気的絶縁性を適切に確保することができる。
また、互いに隣接するティース5に設けられた突出部16の外径側壁部16rにスロット内絶縁シート42の両側の端部42eが係止されて、スロット12の内周開口部13が覆われるので、コイル21を構成するコイル辺部22の径方向R内側への抜け出しを有効に抑制することができる。したがって、スロット12の内周開口部13を閉塞するために通常設置される部材(ウエッジ等)を別途設ける必要がなくなり、製造コストを低く抑えることができるとともに、製造工程を簡素化することができる。
その後、溶接等により各相のコイル21をそれぞれ所定位置で接続することにより、本実施形態に係るステータ2が完成する。
2.第二の実施形態
次に、本発明に係る回転電機用電機子の第二の実施形態について説明する。図13は、本実施形態に係るステータ2の一部を示す平面図である。このステータ2が備えるステータコア11は、上記第一の実施形態と同様の構成を有しているが、ステータ2が備えるコイル21の構成、具体的には、コイル21が備える幅狭凹部32の構成が、上記第一の実施形態とは異なっている。以下では、本実施形態に係る回転電機用電機子の構成について、図13〜図18を適宜参照しながら、上記第一の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、特に説明しない点については、上記第一の実施形態と同様とする。また、以下の説明で参照する図面のうち、図13、図14、図18は、それぞれ、上記第一の実施形態で参照した図3(b)、図6、図11に対応する図面である。
2−1.径方向導体部の構成
図13に示すように、本実施形態では上記第一の実施形態と同様、コイル21を形成する線状導体31は、その断面が略矩形状の単一の平角線により構成されており、線状導体31の周方向幅は、スロット内部14の周方向幅W3(図3(a)参照)と略等しくなるように形成されている。ここで、「線状導体の周方向幅」とは、線状導体31の延在方向に直交する断面において、スロット12内で周方向Cに沿う方向(図16、図17に示す第一方向D1)の線状導体31の幅W8を意味する。この線状導体31の第一方向の幅W8(以下、単に「第一方向幅W8」という。)は、線状導体31を用いて形成されるコイル21が物理的にスロット内部14に挿入可能であるという前提条件の下で、スロット内部14の周方向幅W3と略等しい値に設定される。したがって、線状導体31の第一方向幅W8は、スロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも広く形成されることになる。
一方、線状導体31の延在方向に直交する断面において、スロット12内で第一方向D1に交差する方向(図16、図17に示す第二方向D2)の線状導体31の幅W9(以下、単に「第二方向幅W9」という。)は、内周開口部13の周方向幅W1(図3(a)参照)よりも狭く形成されている。なお、図16、図17より明らかなように、本実施形態では、第二方向D2は第一方向D1に直交する方向とされている。
上記の第一の実施形態と同様に、径方向導体部25を構成する線状導体31は、図14にも示すように、コイル辺部22からステータコア11の軸方向Lに延出した後、径方向R内側に屈曲されるように形成されている。そのため、幅狭凹部32の形成箇所を除く径方向導体部25の径方向Rに延びる部分は、周方向Cの幅が線状導体31の第一方向幅W8と等しくなり、軸方向Lの幅が線状導体31の第二方向幅W9と等しくなる(図17参照)。
そして、本実施形態では、径方向導体部25が備える幅狭凹部32は、径方向導体部25における内周開口部13に対応する部位を、第二方向D2が周方向Cと略平行になるように、径方向導体部25の他の部分に対して捻じって形成した捻じり成形部35とされている。具体的には、図15に示すように、幅狭凹部32は、径方向導体部25における内周開口部13に対応する部位を、径方向導体部25を構成する線状導体31の延在方向を軸心として所定の角度だけ捻じって形成された捻じり成形部35とされている。なお、上記のように、本実施形態では、第二方向D2は第一方向D1に直交する方向であるため、上記の所定の角度は90度となる。また、「径方向導体部25における内周開口部13に対応する部位」とは、「径方向導体部25の部位であって、内周開口部13と径方向位置が対応する部位」を意味する。幅狭凹部32をこのように捻じり成形部35とすることで、幅狭凹部32の周方向幅W7(厳密には、幅狭凹部32の周方向幅の最小値)は線状導体31の第二方向幅W9と等しくなる。
ここで、上記のように、線状導体31の第二方向幅W9は、スロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも狭く形成されている。これにより、図13に示すように、軸方向Lから見たときに、幅狭凹部32(捻じり成形部35)の外形が、ステータコア11のティース15の径方向R内側の端部に設けられた突出部16の外形に対応するように形成される。言い換えれば、軸方向Lから見たときに、突出部16と、径方向導体部25を構成する線状導体31とは、重複部分がない構成となる。本例では、捻じり成形部35の周方向幅が最も狭くなっている部分と、内周開口部13の周方向壁部16cとが、径方向Rに重なるように捻じり成形部35が形成されている。従って、径方向導体部25とスロット12の内周開口部13とが干渉することを回避しつつ、スロット12に対して、コイル21を屈曲コイル端部24の側から軸方向Lに挿入することができる。
本実施形態では、幅狭凹部32が、径方向導体部25における内周開口部13に対応する部位を、第二方向D2が周方向Cと略平行になるように、径方向導体部25の他の部分に対して捻じって形成されているため、幅狭凹部32の軸方向高さ(厳密には、幅狭凹部32の軸方向高さの最大値)は、線状導体31の第一方向幅W8と等しくなる(図16参照)。一方、幅狭凹部32の形成箇所を除く径方向導体部25の径方向Rに延びる部分の軸方向高さは、線状導体31の第二方向幅W9と等しくなる(図17参照)。すなわち、幅狭凹部32における線状導体31の軸方向高さは、当該幅狭凹部32に隣接する径方向導体部25の他の部分における線状導体31の軸方向高さよりも高くなっている。そして、図14に示すように、幅狭凹部32は、軸方向Lに並べて配置されているため、幅狭凹部32の軸方向高さが高くなっている部分どうしが軸方向Lに当接して相互に斥け合う。その結果、図14、図16、図17より理解できるように、屈曲コイル端部24の捻じり成形部35以外の部位においては、上記第一の実施形態と同様、特にスペーサ等を設けなくても軸方向Lに隣接する線状導体31間の軸方向間隔Dが大きくなる。
また、本実施形態においては、幅狭凹部32が捻じり成形部35であるため、当然ながら上記第一の実施形態と同様、幅狭凹部32は、その径方向Rの全体に亘って、当該幅狭凹部32におけるコイル21の通電方向に直交する断面の断面積が、幅狭凹部32以外の部位における断面の断面積と略等しくなっている。
ところで、ステータコア11がセミオープンスロット型のコアであることの利点をできるだけ大きく享受するためには、内周開口部13の周方向幅W1を、内周開口部13と線状導体31とが干渉しないという条件の下、可能な限り小さくすることが望ましいが、本実施形態では、内周開口部13の周方向幅W1より第二方向D2の幅が小さい線状導体31を採用するだけで、上記の干渉を回避することが可能となっている。
2−2.ステータの製造方法
本実施形態に係るステータ2の製造方法は、基本的に上記第一の実施形態と同様であるが、「圧縮工程」に替えて「捻じり工程」を備える点で、上記第一の実施形態と相違する。すなわち、本実施形態では、幅狭凹部形成工程を捻じり工程により行っている。
捻じり工程は、径方向導体部25における内周開口部13に対応する部位を、第二方向D2が周方向Cと略平行になるように、径方向導体部25の他の部分に対して捻じる工程である。ここで、「径方向導体部25における内周開口部13に対応する部位」とは、「径方向導体部25の部位であって、内周開口部13と径方向位置が対応する部位」を意味する。そして、この捻じり工程により、幅狭凹部32としての捻じり成形部35が形成される。このように、幅狭凹部形成工程を捻じり工程とすることで、径方向導体部25を局所的に大きく変形させたり、径方向導体部25に対して局所的に大きな力を加える必要がないため、線状導体31を被覆している絶縁被膜(例えば、エナメル等)が、幅狭凹部32を形成することにより損傷を受けることを抑制することができる。
なお、捻じり工程は、例えば、捻じり成形部35を形成する部位に対して線状導体31の延在方向両側に隣接する部位を保持する保持機構と、捻じり成形部35を形成する部位の延在方向における中心部近傍を把持するとともに、把持した部位を線状導体31の延在方向を軸心として所定の角度(本例では90度)だけ回転させる回転機構と、を備える捻じり機構により実行され、図15に示すような捻じり成形部35を形成することができる。また、このような捻じり工程は、上記第一の実施形態における圧縮工程と同様、コイル予備形成工程において予め形成された各相のコイル21を構成する線状導体31に対して行う構成としても良いし、又は、コイル予備形成工程を実行する前の線状導体31に対して行う構成としても良い。
挿入工程は、本実施形態では、図18に示すように、捻じり工程で形成された捻じり成形部35を内周開口部13の位置に合わせた状態で、コイル21を屈曲コイル端部24の側からスロット12内に軸方向Lに挿入する工程である。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の第一の実施形態においては、幅狭凹部32を、径方向導体部25を周方向Cに圧縮して形成した圧縮成形部33とした場合を例として説明した。また、上記の第二の実施形態では、幅狭凹部32を、捻じり成形部35とした場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれらに限定されない。すなわち、幅狭凹部32はその周方向幅W7がスロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも狭くなるように形成されていれば良く、例えば切削加工等により形成した幅狭溝部として幅狭凹部32を構成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(2)上記の第一の実施形態においては、幅狭凹部32を、コイル21の通電方向に直交する断面の断面積が圧縮成形部33以外の部位における断面の断面積と略等しくなるように、周方向Cに圧縮されつつ軸方向Lに伸展されて形成された圧縮成形部33とした場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば周方向Cにのみ圧縮され軸方向Lには伸展されていない圧縮成形部33として幅狭凹部32を構成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。また、周方向Cに圧縮されつつ軸方向Lに伸展させて圧縮成形部33を形成する場合において、コイル21の通電方向に直交する断面の断面積が圧縮成形部33以外の部位における断面の断面積とは異なるように形成された圧縮成形部33として幅狭凹部32を構成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(3)上記の第一の実施形態においては、線状導体31は、その断面が略矩形状の単一の平角線により構成されており、その周方向幅W5がスロット内部14の周方向幅W3と略等しくなるように形成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、線状導体31の周方向幅W5は、スロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも広ければ良く、内周開口部13の周方向幅W1からスロット内部14の周方向幅W3までの間で任意に設定することができる。また、線状導体31の断面形状についても特に限定されず、例えば丸型、多角形型等、種々の形状を採用することができる。また、その周方向幅W5が内周開口部13の周方向幅W1よりも広く形成されたものであれば、線状導体31として、複数本の導体があたかも一本の導体であるかのように集合されて構成される、集合体からなる導体を用いることもできる。例えば、複数本の導体が縒り集まって一体的に形成される縒線導体等を用いることも可能である。
(4)上記の第二の実施形態においては、線状導体31は、その断面が略矩形状の単一の平角線により構成されており、その第一方向幅W8がスロット内部14の周方向幅W3と略等しくなるように形成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、線状導体31の第一方向幅W8は、スロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも広ければ良く、内周開口部13の周方向幅W1からスロット内部14の周方向幅W3までの間で任意に設定することができる。また、線状導体31は、断面形状が略矩形状のものに限定されない。すなわち、第一方向幅W8がスロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも広く、第二方向幅W9がスロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも狭くなるのであれば、例えば楕円型、多角形型等、種々の形状の断面をもつ線状導体31を採用することができる。この場合において、第二方向D2が第一方向D1に直交しない構成としても良い。例えば、第二方向D2を、第一方向D1に交差する方向であって、第二方向幅W9が最小になる方向とすると好適である。また、線状導体31として、複数本の導体があたかも一本の導体であるかのように集合されて構成される、集合体からなる導体を用いることもできる。例えば、複数本の導体が縒り集まって一体的に形成される縒線導体等を用いることも可能である。
(5)上記の第二の実施形態においては、線状導体31が長辺と短辺を有する略矩形状の断面を有し、第一方向D1が長辺に沿う方向であり、第二方向D2が短辺に沿う方向であり、これにより、第二方向D2が第一方向D1に直交する方向である場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、軸方向Lから見たときに、ステータコア11のティース15の径方向R内側の端部に設けられた突出部16と、径方向導体部25を構成する線状導体31との間に重複部分がない構成とできるのであれば、捻じり成形部35において周方向Cに略平行とされる第二方向D2が、略矩形状断面の短辺に沿わない方向である構成とすることができる。例えば、第二方向D2を、第一方向D1に対して90度ではない所定の角度(例えば、70度や80度等)で交差する方向とすることができる。この場合、幅狭凹部32は、径方向導体部25における内周開口部13に対応する部位を、径方向導体部25を構成する線状導体31の延在方向を軸心として上記所定の角度だけ捻じって形成された捻じり成形部35となる。
(6)上記の第二の実施形態においては、捻じり成形部35の周方向幅が最も狭くなっている部分と、内周開口部13の周方向壁部16cとが、径方向Rに重なるように捻じり成形部35が形成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、軸方向Lから見たときに、ステータコア11のティース15の径方向R内側の端部に設けられた突出部16と、径方向導体部25を構成する線状導体31との間に重複部分がない構成とできるのであれば、捻じり成形部35の周方向幅が最も狭くなっている部分以外の部分と、内周開口部13の周方向壁部16cとが、径方向Rに重なるように捻じり成形部35が形成されている構成とすることもできる。
(7)上記の第二の実施形態においては、ステータ2の製造方法が、「圧縮工程」に替えて「捻じり工程」を備える場合、すなわち、「圧縮工程」を備えない場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、ステータ2の製造方法が、捻じり工程の他に、各相のコイル21における屈曲部34を周方向Cに圧縮して、その周方向幅が線状導体31の第一方向幅W8に略等しくなるように成形するための圧縮工程を更に備える構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この実施形態は、コイル辺部22と屈曲コイル端部24の径方向導体部25とを接続する屈曲部34に、周方向Cに突出する膨出部ができる場合に好適に実施できる。
(8)上記の第一の実施形態及び第二の実施形態においては、ステータ2が三相交流で駆動される回転電機1に用いられるステータとされている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれらに限定されない。すなわち、ステータ2が単相交流で駆動される回転電機1に用いられる構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。或いは、二相或いは四相以上の交流電源で駆動される回転電機1に用いられる構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(9)上記の第一の実施形態及び第二の実施形態においては、図4に示されるような形状を有するコイル21を同じスロット12内に径方向Rに隣接して三組配置し、一スロット当たり6本のコイル辺部22が径方向Rに一列に整列してスロット12内に配置される場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれらに限定されない。すなわち、径方向Rに一列に整列して配置される一スロット当たりのコイル辺部22の本数は適宜変更することが可能である。また、図4に示される、予め予備形成されるコイル21の形状はあくまで一例であり、種々の形状を採用することができる。
(10)上記の第一の実施形態及び第二の実施形態においては、屈曲コイル端部24において軸方向Lに並んで隣接する互いに異なる相のコイル21を構成する線状導体31の間に、相間絶縁シート41が介挿されて配置されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれらに限定されない。すなわち、使用条件によってはこのような相間絶縁シート41を設けない構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。上述したように、上記の第一の実施形態及び第二の実施形態では、屈曲コイル端部24において軸方向Lに隣接する線状導体31間の軸方向間隔Dが大きくなっている。したがって、コイル21に流れる電流の最大値やコイル21の両端に印加される電圧の最大値等の条件次第では、相間絶縁シート41を介挿させずに線状導体31の表面を被覆している絶縁被膜のみで各相コイル21間の電気的絶縁性を確保することも可能となるからである。
(11)上記の第一の実施形態及び第二の実施形態においては、突出部16が周方向壁部16cと外径側壁部16rとを備え、その断面形状が略矩形状である場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれらに限定されない。すなわち、突出部16としては種々の形状を採用することが可能であり、例えば、周方向壁部16cを備えず、隣接するティース15において互いに周方向Cに対向するように突出する2つの突出部16間の周方向幅が、内周開口部13から径方向R外側に向かうにしたがって広くなるような、断面略三角形状となっている構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(12)上記の第一の実施形態及び第二の実施形態においては、スロット内絶縁シート42の両側の端部42eを順次折り畳んで突出部16の外径側壁部16rに係止することによりスロット12の内周開口部13を覆い、コイル21を構成するコイル辺部22の径方向R内側への抜け出しを防止している場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれらに限定されない。すなわち、スロット内絶縁シート42の両側の端部42eを突出部16の外径側壁部16rに係止させずに、或いは係止させた上でこれとは別に、ウェッジ等の閉塞部材を設け、スロット12の内周開口部13を閉塞する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(13)上記の第一の実施形態においては、圧縮工程において、径方向導体部25における内周開口部13に対応する径方向R位置を周方向Cに圧縮するのに合わせて、屈曲部34も周方向Cに圧縮する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、各相のコイル21における屈曲部34を周方向Cに圧縮して、その周方向幅が線状導体31の周方向幅W5に略等しくなるように成形する作業工程と、径方向導体部25におけるステータコア11が有するスロット12の内周開口部13に対応する径方向R位置を周方向Cに圧縮して、その周方向幅W7が内周開口部13の周方向幅W1よりも狭くなるように成形する作業工程とを、それぞれ別に行う構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この際、後者の作業工程を、コイル予備形成工程前の線状導体31に対して行う構成としても好適である。
(14)上記の第一の実施形態及び第二の実施形態においては、挿入工程において、スロット12内に配置されるスロット内絶縁シート42がスロット12の内周開口部13よりも径方向R内側に延出して開口する状態で、スロット12内にコイル21が挿入される場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれらに限定されない。すなわち、例えばスロット内絶縁シート42を予めコイル辺部22に周回させた状態で、スロット12内にコイル21を挿入する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(15)上記の第一の実施形態及び第二の実施形態においては、本発明に係る回転電機用電機子を回転電機1の固定子としてのステータ2に適用し、回転電機1を、電機子としてのステータ2を備えたインナーロータ型の回転電機とした場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれらに限定されない。すなわち、例えば本発明に係る回転電機用電機子を回転電機1の回転子に適用し、回転電機1を、電機子としての回転子を備えたアウターロータ型の回転電機とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
本発明は、軸方向に延びる複数のスロットが周方向に分散配置された円筒状のコアと、前記スロットに巻装されるコイルと、を備えた回転電機用電機子に好適に利用することができる。
1 回転電機
2 ステータ(電機子)
11 ステータコア(コア)
12 スロット
13 内周開口部
14 スロット内部
15 ティース
16 突出部
16c 周方向壁部
21 コイル
22 コイル辺部
23 コイル端部
24 屈曲コイル端部
25 径方向導体部
26 周方向導体部
31 線状導体
32 幅狭凹部
33 圧縮成形部
34 屈曲部
35 捻じり成形部
41 相間絶縁シート
42 スロット内絶縁シート
L 軸方向
R 径方向
C 周方向
D1 第一方向
D2 第二方向

Claims (12)

  1. 軸方向に延びる複数のスロットが周方向に分散配置された円筒状のコアと、前記スロットに巻装されるコイルと、を備えた回転電機用電機子であって、
    前記スロットは、径方向内側に開口する内周開口部の周方向幅が、前記内周開口部よりも径方向外側に位置するスロット内部の周方向幅よりも狭く形成されるとともに、前記コイルを構成する線状導体の周方向幅が前記内周開口部の周方向幅よりも広く形成され、
    前記コイルは、異なる前記スロット内に配置されるコイル辺部間を前記コアの軸方向両端部において接続するコイル端部を備え、前記スロットの軸方向一方側の前記コイル端部が径方向内側へ屈曲形成された屈曲コイル端部とされ、
    前記屈曲コイル端部は、前記コイル辺部から径方向に延びる径方向導体部と、前記内周開口部よりも径方向内側で一対の前記径方向導体部間を接続する周方向導体部とを備え、
    前記径方向導体部における前記内周開口部に対応する径方向位置に、周方向幅が前記内周開口部の周方向幅よりも狭くなるように、前記径方向導体部の他の部分に対して窪んだ形状の幅狭凹部を備えた回転電機用電機子。
  2. 前記幅狭凹部は、前記径方向導体部を周方向に圧縮するとともに、軸方向に伸展して形成された圧縮成形部である請求項1に記載の回転電機用電機子。
  3. 前記線状導体の延在方向に直交する断面において、前記スロット内で周方向に沿う方向を第一方向とするとともに、当該第一方向に直交する方向を第二方向とし、
    前記線状導体は、前記第二方向の幅が前記内周開口部の周方向幅よりも狭く形成され、
    前記幅狭凹部は、前記径方向導体部における前記内周開口部に対応する部位を、前記第二方向が周方向と略平行になるように、前記径方向導体部の他の部分に対して捻じって形成した捻じり成形部である請求項1に記載の回転電機用電機子。
  4. 前記コイルは、前記コイル辺部を構成する前記線状導体が前記スロット内において径方向に複数本並べて配置されるとともに、前記屈曲コイル端部を構成する前記線状導体が軸方向に並べて配置され、
    前記幅狭凹部が軸方向に並べて配置された請求項2又は3に記載の回転電機用電機子。
  5. 複数の互いに異なる相のコイルを備え、
    各相の前記コイルのうち、前記周方向導体部を構成する互いに異なる相の前記線状導体が軸方向に並べて配置された請求項4に記載の回転電機用電機子。
  6. 前記屈曲コイル端部における前記圧縮成形部の径方向内側において、互いに異なる相の前記線状導体間に、相間絶縁シートが配置された請求項5に記載の回転電機用電機子。
  7. 前記コアは、互いに隣接する前記スロット間に位置するティースの径方向内側の端部に、周方向両側に突出して前記内周開口部の周方向両側壁を形成する突出部を備え、
    前記スロットと前記コイル辺部との間に、前記コイル辺部を周回しつつ前記内周開口部を覆うようにスロット内絶縁シートが配置され、
    前記スロット内絶縁シートの周回方向の端部が、前記突出部に係止されている請求項1から6のいずれか一項に記載の回転電機用電機子。
  8. 軸方向に延びる複数のセミオープンスロット型のスロットが周方向に分散配置された円筒状のコアと、前記スロットに巻装されるコイルと、を備え、
    前記コイルを構成する線状導体の周方向幅が前記スロットの径方向内側に開口する内周開口部の周方向幅よりも広く形成され、
    前記コイルが、異なる前記スロット内に配置されるコイル辺部間を前記コアの軸方向一端部において接続するとともに径方向内側へ屈曲形成された屈曲コイル端部を備えた回転電機用電機子の製造方法であって、
    前記屈曲コイル端部における前記コイル辺部から径方向に延びる径方向導体部の、前記内周開口部に対応する径方向位置に、周方向幅が前記内周開口部の周方向幅よりも狭くなるように、前記径方向導体部の他の部分に対して窪んだ形状の幅狭凹部を形成する幅狭凹部形成工程と、
    前記幅狭凹部形成工程で形成された幅狭凹部を前記内周開口部の位置に合わせた状態で、前記コイルを前記屈曲コイル端部の側から前記スロット内に軸方向に挿入する挿入工程と、を有する回転電機用電機子の製造方法。
  9. 前記幅狭凹部形成工程は、前記径方向導体部における前記内周開口部に対応する部位を、周方向に圧縮する圧縮工程である請求項8に記載の回転電機用電機子の製造方法。
  10. 前記線状導体の延在方向に直交する断面において、前記スロット内で周方向に沿う方向を第一方向とするとともに、当該第一方向に直交する方向を第二方向とし、
    前記線状導体は、前記第二方向の幅が前記内周開口部の周方向幅よりも狭く形成され、
    前記幅狭凹部形成工程は、前記径方向導体部における前記内周開口部に対応する部位を、前記第二方向が周方向と略平行になるように、前記径方向導体部の他の部分に対して捻じる捻じり工程である請求項8に記載の回転電機用電機子の製造方法。
  11. 前記圧縮工程では、前記幅狭凹部を形成するのと同時に、前記コイルを構成する前記径方向導体部の屈曲部を更に周方向に圧縮する請求項9に記載の回転電機用電機子の製造方法。
  12. 前記コアは、互いに隣接する前記スロット間に位置するティースの径方向内側の端部に、周方向両側に突出して前記内周開口部の周方向両側壁を形成する突出部を備えており、
    前記挿入工程では、前記スロット内に配置されるスロット内絶縁シートが前記内周開口部よりも径方向内側に延出して開口する状態で、前記スロットに前記コイルが挿入され、
    前記スロット内絶縁シートの径方向内側に延出した端部を、前記挿入工程後に前記突出部に係止させる係止工程を更に備えた請求項8から11のいずれか一項に記載の回転電機用電機子の製造方法。
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