JP5292360B2 - モータ - Google Patents
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Description
特許文献1においては、ティースの周りに形成されたスロット内に、導線を巻回したコイルを、径方向の内側から外側に向かって挿入するときに、挿入しやすくするため、導線の幅やコイル傾斜角度を工夫することが提案されている。
一方、特許文献2においては、スロット内に挿入される導線を重ね巻きしてコイルを構成し、それを挿入治具に装着し、挿入治具をステータコア内に配置し、挿入治具からステータコアのスロットに、コイルを挿入する方法が開示されている。
また、特許文献3には、分布巻きコイルにおいて、挿入する先端部を軸心側に折り曲げることが開示されている。
すなわち、特許文献1のように、各ティースに対して、各別にコイルを挿入する方法では、ティース数に応じた回数の挿入を行わなければならず、挿入に時間がかかる問題があった。また、挿入装置が複雑化し、大型化する問題があった。
また、特許文献2のように、挿入治具を用いた場合には、挿入はうまくいったとしても、挿入治具内で弾性変形されていたコイルをスロット内に挿入した後で、コイルがスプリングバックにより変形し、導線の一部がスロットから外に飛び出す問題があった。
しかし、集中巻きのコイルならば、挿入する先端部を軸心側に折り曲げれば、残りの部分をスロット内に挿入することは容易であるが、分布巻きコイルでは、折り曲げる部分の形状が複雑であり、折り曲げること自体が困難であるという問題があった。
分布巻きコイルで、挿入する先端部を折り曲げる技術として、特許文献3の技術が開示されているが、特許文献3の技術では、折り曲げ箇所の異なる複数の導体を、個別に製造して、組み合わせていくため、製造に時間がかかり、コストが高い問題があった。
(1)平角導線を用いた分布巻きコイルと、ティース間にスロットが形成されたステータコアとを備えるステータと、中心軸を備えるロータとを有するモータにおいて、(a)スロットは、U相第1スロット、U相第2スロット、V相第1スロット、V相第2スロット、W相第1スロット、W相第2スロットを一組とする組ブロックが、順次形成されており、第1組ブロックの隣に第2組ブロックが形成され、(b)第1組ブロックのU相第1スロット内の前記平角導線が、第2組ブロックのU相第2スロット内の前記平角導線と第1ループを形成していること、(c)第1組ブロックのU相の第2スロット内の平角導線が、第2組ブロックのU相第1スロット内の平角導線と第2ループを形成していること、(d)第2ループが、第1ループの内側に配置されていること、(e)第2ループの一端のコイルエンド部、及び第1ループの一端のコイルエンド部が、ステータコアのスロット内導線部に対して、ロータ側に折り曲げられていること、(f)第2ループの一端のコイルエンド部、及び第1ループの一端のコイルエンド部が、ステータコアの内周面よりロータの軸心側に位置すること、(g)前記第1ループ、及び前記第2ループが、所定数の平角導線を同時に折り曲げ加工した基準ユニットにより形成されていること、を特徴とする。
(4)(1)乃至(3)の何れか一つに記載するモータにおいて、前記一端のコイルエンド部を構成する基準ユニットが、折り曲げられる前には、ずれた状態であり、折り曲げられることにより、前記基準ユニットの平角導線が、径方向に一致して重なり合う状態となること、を特徴とする。
(1)平角導線を用いた分布巻きコイルと、ティース間にスロットが形成されたステータコアとを備えるステータと、中心軸を備えるロータとを有するモータにおいて、(a)スロットは、U相第1スロット、U相第2スロット、V相第1スロット、V相第2スロット、W相第1スロット、W相第2スロットを一組とする組ブロックが、順次形成されており、第1組ブロックの隣に第2組ブロックが形成され、(b)第1組ブロックのU相第1スロット内の前記平角導線が、第2組ブロックのU相第2スロット内の前記平角導線と第1ループを形成していること、(c)第1組ブロックのU相の第2スロット内の平角導線が、第2組ブロックのU相第1スロット内の平角導線と第2ループを形成していること、(d)第2ループが、第1ループの内側に配置されていること、(e)第2ループの一端のコイルエンド部、及び第1ループの一端のコイルエンド部A側が、ステータコアのスロット内導線部に対して、ロータ側に折り曲げられていること、(f)第2ループの一端のコイルエンド部A側、及び第1ループの一端のコイルエンド部A側が、ステータコアの内周面よりロータの軸心側に位置すること、(g)第1ループ、及び第2ループが、所定数の平角導線を同時に折り曲げ加工した基準ユニットにより形成されていること、を特徴とするので、一端のコイルエンド部A側を先頭として、ステータのスロットに対して、軸心側からコイルを挿入しようとするときに、一端のコイルエンドA側は、ステータコアの内周面の内側を通過するため、コイルを軸心方向からスロット内に容易に挿入することができる。挿入するときに、コイルを弾性変形させることがないので、スプリングバックにより、コイルの一部がスロット内から飛び出すことがない。また、複数の平角導線を重ね巻きしたものを、重ね巻きした状態で複数本(基準ユニット)同時に折り曲げるため、製造工程を単純化でき、コストを低減することができる。
平角導体でループを形成したコイルをステータコアに挿入する場合、平角導体をステータコアの端面に平面的に並べることになる。この場合、ステータコアの端面は面積が限られる為、コイルのターン数を多くする為に平角導体の数を増やすことは難しい。そして、コイルを分布巻きとして構成する場合、同心巻きのコイル同士が干渉する為、コイルエンド部にレーンチェンジ部分を必要とする。このレーンチェンジ部で、コイルの幅は問題となりやすい。
そこで、本発明の構成のように第1ループの内周側に第2ループを形成する2重コイルの構造とすることで、ステータコアの端面を立体的に利用することができる。この結果、コイルのターン数を増やすことが可能で、ターン数が増えた場合にもレーンチェンジ部において隣り合うコイル同士の干渉を防ぐことが可能となる。
コイルの第1ループと第2ループを重ねて2重のコイルを形成しているため、コイルエンドの厚みをそれ程増やすことなく、スロットの深いステータコアを採用することが可能となる。その結果、ステータの占積率の向上と小型化の要求を満足することが可能となる。
具体的に言えば、スロット内に挿入される平角導体をスロット内導線部と定義すると、一方のスロット内導線部が第1組のU相第1スロットに挿入されるU相のコイルの第1ループは、他方のスロット内導線部が第2組のU相第2スロットに挿入される。そして、その隣に来るのは、一方のスロット内導線部が第1組のV相第1スロットに挿入され、他方のスロット内導線部が第2組のV相第2スロットに挿入されたV相のコイルの第1ループである。
また、V相のコイルの第1ループは、第1組のU相第1スロットに挿入される部分において、U相のコイルの第1ループの下側に、第2組のU相第2スロットに挿入される部分において、U相コイルの第1ループの上側に来る必要がある。
このように必要となるレーンチェンジ部分は、ステータコアの端面に平面的に平角導体が配置されると1スロット分しか使用できない。しかし、本発明では2重コイルとしていることで、このレーンチェンジ部分が2倍の2スロット分使用することが可能であり、曲げ半径の関係で極力広い幅を用意することが好ましい。
ここでいう「2スロット分の領域」とは、スロットとティースを1スロット分としてスロット2つとティース2つ分の幅のことを指している。
これは、占積率を上げる為には平角導体の断面積を大きくすることが有効であるためで、断面積が大きくなれば相対的に曲げ半径も大きくなるからである。このため、本発明によって占積率の高いステータを構成することが可能となる。
(4)(1)乃至(3)の何れか一つに記載するモータにおいて、前記一端のコイルエンド部を構成する基準ユニットが、折り曲げられる前には、ずれた状態であり、折り曲げられることにより、前記基準ユニットの平角導線が、径方向に一致して重なり合う状態となること、を特徴とするので、基準ユニットの平角導線を同時に折り曲げた後で、一端のコイルエンド部A側の複数の平角導線を重ね合わせて、径方向において一致させることができる。
図1に、5本の平角導線を同時に成形した外周基準ユニット11の斜視図を示す。図2に、図1の外周基準ユニット11の正面図を示し、図3に図2を上から見た平面図を示し、図4に図2の右側面図を示す。
外周基準ユニット11は、スロット内に配置されるスロット内導線部SA、スロット内導線部SBを備える。
図1に示すように、スロット内導線部SAは、5本の平角導線が長辺面(フラットワイズ面)を接触させて重ね合わされたもので、第1スロット内導線部SA1、第2スロット内導線部SA2、第3スロット内導線部SA3、第4スロット内導線部SA4、及び第5スロット内導線部SA5の集合体を示している。また、図4に示すように、スロット内導線部SBは、5本の平角導線が長辺面(フラットワイズ面)を接触させて重ね合わされたもので、第1スロット内導線部SB1、第2スロット内導線部SB2、第3スロット内導線部SB3、第4スロット内導線部SB4、及び第5スロット内導線部SB5の集合体を示している。
スロット内導線部SAの上端には、折り曲げ部IAが形成されている。平角導線は、折り曲げ部IAで、図2に示すように、凸状部Gの方向に折り曲げられている。凸状部Gとスロット内導線部SAとの間には、傾斜部EAが形成されている。折り曲げ部IAは、図3に示すように、5本の平角導線の折り曲げ部IA1、IA2、IA3、IA4、IA5の集合体を示している。傾斜部EAは、図4に示すように、5本の平角導線の傾斜部EA1、EA2、EA3、EA4、EA5の集合体を示している。
傾斜部EA、傾斜部EB、及び凸状部Gにおいては、5本の平角導線が、図4に示すように、スロット内導線SAと同様に、径方向(図4の左右方向)に重ね合わされている。
傾斜部EBにおいては、5本の平角導線が、図3に示すように、スロット内導線SBと同様に、径方向(図3の上下方向)に重ね合わされている。
スロット内導線部SAの下端には、折り曲げ部JAが形成されている。平角導線は、折り曲げ部JAで、図4に示すように、90度内周側(図の左方向)に折り曲げられている。折り曲げ部JAは、図1示すように、5本の平角導線の折り曲げ部JA1、JA2、JA3、JA4、JA5の集合体を示している。
また、スロット内導線部SBの下端には、折り曲げ部JBが形成されている。平角導線は、折り曲げ部JBで、図4に示すように、90度内周側(図の左方向)に折り曲げられている。図4に示すように、5本の平角導線の折り曲げ部JB1、JB2、JB3、JB4、JB5の集合体を示している。
半円部Hは、図1、図2に示すように、5本の平角導線の半円部H1、H2、H3、H4、H5の集合体を示している。半円部Hは、図3(平面図)に示すように、上から見ると、半円形状を示し、図2(正面図)に示すように、正面から見ると、水平部FBと水平部FAをつなぐ段差を形成している。この段差の大きさは、水平部FA(水平部FB)の厚みよりも大きく形成されている。
水平部FAは、図2に示すように、5本の平角導線の水平部FA1、FA2、FA3、FA4、FA5の集合体を示している。また、水平部FBは、図2に示すように、5本の平角導線の水平部FB1、FB2、FB3、FB4、FB5の集合体を示している。
ここで、水平部FA、水平部FB、及び半円部Hは、5本の平角導線がフラットワイズ面を密着させた状態で、図2に示すように、軸心方向(図2の上下方向)に重ね合わされている。
内周基準ユニット12の構造は、外周基準ユニット11と同じであり、内周基準ユニット12は、外周基準ユニット11の内側に配置されるため、寸法が全体的に小さくされているのみなので、同じ部分には、同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
図9に、基準ユニット11,12の製造工程のうち、巻取り工程により巻き取られたコイル21の平面図を示す。使用している平角導線は、断面が約1mm×約10mmである。平角導線の材質は、銅であり、外周にニクロムメッキ層が形成されている。
コイル21は、両端子M、Nを有し、突状部Gは、フラットワイズ方向に重ね合わされて巻かれている。スロット内導線部SA及びスロット内導線部SBは、下に行くほど、少し外側ずれて巻かれている。半円部H、水平部FA、及び水平部FBは、平角導線のフラットワイズ方向の長さ(約10mm)づつ、ずらせて巻かれている。
図11、図12に、基準ユニット11,12の製造工程のうち、外周形成工程を示す。図12は、図11の右側面図である。
巻取り工程で、平角導線を5周分巻き取った第1中間コイル21を、図11に示す金型30の外周位置にセットする。傾斜部EAに対向する位置に、治具34が配置されている。凸状部Gに対向する位置に、治具37が配置されている。傾斜部EBに対抗する位置に、治具33が配置されている。
また、スロット内導線部SAに対向する位置に、治具32が配置されている。スロット内導線部SBに対向する位置に、治具31が配置されている。水平部FBに対向する位置に、治具35が配置されている。半円部Hと水平部FAに対向する位置に、治具36が配置されている。
次に、図11、図12に示す位置まで、治具31、32、33、34、35、36、37が移動することにより、図10に示す第2中間コイル22が形成される。第2中間コイル22においては、半円部H及び水平部FAは、図12に示すように、各平角導線が、フラットワイズ方向の長さ(約10mm)ずれて形成される。
図14に示すように、下型38と一対の上型39に、コイル22を挟み込んで、円弧状となるように緩やかな曲げを形成する。これにより、図13に示す第3中間コイル23が形成される。
次に、レーンチェンジ部形成工程について説明する。図13に示す第3中間コイル23の凸状部Gに、レーンチェンジ部GA、レーンチェンジ部GBを形成する工程である。図16に示すように、下型41、下型44と、段差のある上型42、上型43とで、コイル23を挟み込むことにより、レーンチェンジ部GAとレーンチェンジ部GBとを同時に形成する。すなわち、下型41と上型42とで挟持されたコイル23部分に対して、下型44と上型43とで挟持されたコイル23部分を上下方向に移動することにより、レーンチェンジ部GA、GBが形成される。
図15にレーンチェンジ部GA、GBが形成されたコイル24を示す。
図17に示すように、移動型51に、コイル24を把持させる。移動型51は、固定型52に対して、移動可能に保持されている。次に移動型51が固定型52に対して移動することにより、図18に示すように、折り曲げ部JAと折り曲げ部JBが形成される。
図15に示すコイル24においては、半円部Hと水平部FAとは、フラットワイズの長さ分ずれている。また、スロット内導線部SAと水平部FAとのなす角度は、平角導線毎に異なる角度で形成されている。
これらのずれ、異なる角度があることにより、折り曲げ部JA、JBが形成された後では、図1−図4に示すように、半円部Hと水平部FAとは、重ね合わされて、径方向において一致した位置に形成される。
図19、20に示すように、内周基準ユニット12は、外周基準ユニット11の内側に位置している。すなわち、内周基準ユニット12の凸状部12G、傾斜部12EA、傾斜部12EBは、外周基準ユニット11の凸状部11G、傾斜部11EA、傾斜部11EBの軸心方向で内側(ステータコアに近い方)に位置している。また、内周基準ユニット12のスロット内導線部12SA、スロット内導線部12SBは、外周基準ユニット11のスロット内導線部11SA、スロット内導線部11SBの内周側に位置している。
また、図21に示すように、内周基準ユニット12の半円部12H、水平部12FA、水平部12FBは、外周基準ユニット11の半円部11H、水平部11FA、水平部11FBの径方向で外周側(ステータコアを基準にすると、内側)に位置している。
図23に、U、V、W、3相の二重基準ユニット13U、13V、13Wを組み合わせた状態である組立体16を示す。すなわち、U相の第1外周基準ユニット11(U1)、U相の第1内周基準ユニット12(U1)、V相の第1外周基準ユニット11(V1)、V相の第1内周基準ユニット12(V1)、W相の第1外周基準ユニット11(W1)、W相の第1内周基準ユニット12(W1)を重ね合わせた組立体16を斜視図で示す。
U相の第1外周基準ユニット11(U1)、U相の第1内周基準ユニット12(U1)、V相の第1外周基準ユニット11(V1)、V相の第1内周基準ユニット12(V1)、W相の第1外周基準ユニット11(W1)、W相の第1内周基準ユニット12(W1)の傾斜部11(U1)EB、12(U1)EB、11(V1)EB、12(V1)EB、11(W1)EB、12(W1)EBにおいては、5本の平角導線(EB1〜EB5)が、ステータコア15(ロータ)の径方向に重ね合わされている。
すなわち、隣り合うスロット内に配置される、U相の第1外周基準ユニット11(U1)、U相の第1内周基準ユニット12(U1)、V相の第1外周基準ユニット11(V1)、V相の第1内周基準ユニット12(V1)、W相の第1外周基準ユニット11(W1)、W相の第1内周基準ユニット12(W1)の傾斜部11(U1)EB、12(U1)EB、11(V1)EB、12(V1)EB、11(W1)EB、12(W1)EBは、時計回りで、順次直前の傾斜部EBの軸心方向で下側に位置して重ね合わされている。
U相の第1内周基準ユニット12(U1)の傾斜部12(U1)EAは、U相の第1外周基準ユニット11(U1)の傾斜部11(U1)EAに対して、軸心方向で上側(ステータコア15の反対方向)に重ね合わされている。同様に、V相第1外周基準ユニット11(V1)の傾斜部11(V1)EAは、U相の第1内周基準ユニット12(U1)の傾斜部12(U1)EAの軸心方向の上側に重ね合わされている。
すなわち、隣り合うスロット内に配置される、U相の第1外周基準ユニット11(U1)、U相の第1内周基準ユニット12(U1)、V相の第1外周基準ユニット11(V1)、V相の第1内周基準ユニット12(V1)、W相の第1外周基準ユニット11(W1)、W相の第1内周基準ユニット12(W1)の傾斜部11(U1)EA、12(U1)EA、11(V1)EA、12(V1)EA、11(W1)EA、12(W1)EAは、時計回りで、順次直前の傾斜部EAの軸心方向で上側に位置して重ね合わされている。
U相の第1内周基準ユニット12(U1)の水平部12(U1)FBは、U相の第1外周基準ユニット11(U1)の水平部11(U1)FBに対して、径方向で時計回りに外周の位置(ステータコアを基準にすると、内側)で重ね合わされている。V相第1外周基準ユニット11(V1)の水平部11(V1)FBは、U相の第1内周基準ユニット12(U1)の水平部12(U1)FBに対して、径方向で時計回りに外周の位置で重ね合わされている。
すなわち、図23、27に示すように、隣り合うスロット内に配置される、U相の第1外周基準ユニット11(U1)、U相の第1内周基準ユニット12(U1)、V相の第1外周基準ユニット11(V1)、V相の第1内周基準ユニット12(V1)、W相の第1外周基準ユニット11(W1)、W相の第1内周基準ユニット12(W1)においては、水平部11(U1)FB、12(U1)FB、11(V1)FB、12(V1)FB、11(W1)FB、12(W1)FBは、時計回りで、順次直前の水平部FBの径方向で時計回りに外周の位置(ステータコアを基準にすると、内側)で重ね合わされている。
U相の第1内周基準ユニット12(U1)の水平部12(U1)FAは、U相の第1外周基準ユニット11(U1)の水平部11(U1)FAに対して、径方向で時計回りに内周の位置で重ね合わされている。V相第1外周基準ユニット11(V1)の水平部11(V1)FAは、U相の第1内周基準ユニット12(U1)の水平部12(U1)FAに対して、径方向で時計回りに内周の位置で重ね合わされている。
すなわち、図23、27に示すように、隣り合うスロット内に配置される、U相の第1外周基準ユニット11(U1)、U相の第1内周基準ユニット12(U1)、V相の第1外周基準ユニット11(V1)、V相の第1内周基準ユニット12(V1)、W相の第1外周基準ユニット11(W1)、W相の第1内周基準ユニット12(W1)においては、水平部11(U1)FA、12(U1)FA、11(V1)FA、12(V1)FA、11(W1)FA、12(W1)FAは、時計回りで、順次直前の水平部FAの径方向で時計回りに内周の位置で重ね合わされている。
図27に示すように、U相の第1外周基準ユニット11(U1)の凸状部11(U1)G、V相の第1外周基準ユニット11(V1)の凸状部11(V1)G、及びW相の第1外周基準ユニット11(W1)の凸状部11(W1)Gは、径方向にずれた位置に配置されている。
また、U相の第1外周基準ユニット11(U1)の半円部11(U1)H、V相の第1外周基準ユニット11(V1)の半円部11(V1)H、及びW相の第1外周基準ユニット11(W1)の半円部11(W1)Hは、径方向にずれた位置に配置されている。
コイル籠14の構成を、図24に斜視図で示す。本実施の形態のモータのステータのステータコアは、48個のスロット、48個のティースを有している。
外周基準ユニット11及び内周基準ユニット12は、各々2個のスロット内導線部SA、SBを有しており、スロット内導線部SAとスロット内導線部SBとは、図27に示すように、径方向で5本の平角導線の厚み分レーンチェンジして位置している。
第1組ブロックB1のU相第1スロットSU1の内周側には、U相の第1外周基準ユニット11(U1)のスロット内導線11(U1)SBが挿入される。また、U相第2スロットSU2の内周側には、U相の第1内周基準ユニット12(U1)のスロット内導線部12(U1)SBが挿入される。
同様に、第1組ブロックB1のV相第1スロットSV1の内周側には、V相の第1外周基準ユニット11(V1)のスロット内導線11(V1)SBが挿入される。また、V相第2スロットSV2の内周側には、V相の第1内周基準ユニット12(V1)のスロット内導線部12(V1)SBが挿入される。
同様に、第1組ブロックB1のW相第1スロットSW1の内周側には、W相の第1外周基準ユニット11(W1)のスロット内導線11(W1)SBが挿入される。また、W相第2スロットSW2の内周側には、W相の第1内周基準ユニット12(W1)のスロット内導線部12(W1)SBが挿入される。
同様に、第2組ブロックB2のV相第1スロットSV1の外周側には、V相の第1内周基準ユニット12(V1)のスロット内導線12(V1)SAが挿入される。また、V相第2スロットSV2の外周側には、V相の第1外周基準ユニット11(V1)のスロット内導線部11(V1)SAが挿入される。
同様に、第2組ブロックB2のW相第1スロットSW1の外周側には、W相の第1内周基準ユニット12(W1)のスロット内導線12(W1)SAが挿入される。また、W相第2スロットSW2の外周側には、W相の第1外周基準ユニット11(W1)のスロット内導線部11(W1)SAが挿入される。
最後は、第8組ブロックB8のU相第1スロットSU1の内周側には、U相の第8外周基準ユニット11(U8)のスロット内導線11(U8)SBが挿入される。また、U相第2スロットSU2の内周側には、U相の第8内周基準ユニット12(U8)のスロット内導線部12(U8)SBが挿入される。
同様に、第8組ブロックB8のV相第1スロットSV1の内周側には、V相の第8外周基準ユニット11(V8)のスロット内導線11(V8)SBが挿入される。また、V相第2スロットSV2の内周側には、V相の第8内周基準ユニット12(V8)のスロット内導線部12(V8)SBが挿入される。
同様に、第8組ブロックB8のW相第1スロットSW1の内周側には、W相の第8外周基準ユニット11(W8)のスロット内導線11(W8)SBが挿入される。また、W相第2スロットSW2の内周側には、W相の第8内周基準ユニット12(W8)のスロット内導線部12(W8)SBが挿入される。
同様に、第1組ブロックB1のV相第1スロットSV1の外周側には、V相の第8内周基準ユニット12(V8)のスロット内導線12(V8)SAが挿入される。また、V相第2スロットSV2の外周側には、V相の第8外周基準ユニット11(V8)のスロット内導線部11(V8)SAが挿入される。
同様に、第1組ブロックB1のW相第1スロットSW1の外周側には、W相の第8内周基準ユニット12(W8)のスロット内導線12(W8)SAが挿入される。また、W相第2スロットSW2の外周側には、W相の第8外周基準ユニット11(W8)のスロット内導線部11(W8)SAが挿入される。
U、V、Wの3相で各8個の外周基準ユニット11と、各8個の内周基準ユニット12の、計各16個の基準ユニットを有するため、合計48個の基準ユニットを有している。
1つのスロット内には、1組5本の平角導線が、2組(計10本)挿入されている。
図25に示すように、U相の第1外周基準ユニット11(U1)、U相の第1内周基準ユニット12(U1)、V相の第1外周基準ユニット11(V1)、V相の第1内周基準ユニット12(V1)、W相の第1外周基準ユニット11(W1)、W相の第1内周基準ユニット12(W1)の、半円部11(U1)H、12(U1)H、11(V1)H、12(V1)H、11(W1)H、12(W1)H、水平部11(U1)FB、12(U1)FB、11(V1)FB、12(V1)FB、11(W1)FB、12(W1)FB、及び水平部11(U1)FA、12(U1)FA、11(V1)FA、12(V1)FA、11(W1)FA、12(W1)FAは、ステータコア15のティース15a先端の内周面15bよりも、ステータ10の中心線側に位置している。
ここで、例えば、第1組ブロックB1のU相第1スロットSU1の内周側に、U相の第1外周基準ユニット11(U1)の5本のスロット内導線部11(U1)SB(SB1〜SB5)が挿入される。もう一方のスロット内導線11(U1)SA(SA1〜SA5)は、第2組ブロックB2のU相第2スロットSU2の外周側に挿入される。
同様に、第2組ブロックB2のU相第2スロットSU2の内周側には、図示しない第2組のU相の内周基準ユニット12(U2)の5本のスロット内導線部12(U2)SB(SB1〜SB5)が挿入される。これにより、第2組ブロックB2のU相第2スロットSU2には、スロット内導線部11(U1)SA(SA1〜SA5)と、スロット内導線部12(U2)SB(SB1〜SB5)の計10本の平角導線が挿入される。
図28に示すように、半円部H、水平部FB、及び水平部FAの位置が、ステータコア15の端面から距離を設けてあるのは、コイル籠14の影響をロータが受けないようにするためである。
図26には、コイル籠14の一部のみを示しているが、図26の状態まで、コイル籠14が挿入されることにより、ステータコア15へのコイル籠14の組立が完了する。その後、スロットS内にスロット内導線部SA、SBが挿入されている状態における空間部に、伝熱性能に優れた樹脂をモールドする。また、端子M、NをU相、V相、W相毎に順次バスバーで接続する。これにより、ステータ10が完成する。
図29に、ステータ10の中央断面図を示す。ステータコア15にコイル籠14が組み込まれている。この状態で、ステータ10の図29の上側では、ステータコア15のティース15aの内周面15bより内側には、コイル籠14は、存在しない。一方、ステータ10の図29の下側では、コイル籠14の折り曲げ部である半円部H、水平部FA、及び水平部FBが、ステータコア15のティース15aの内周面15bより内側に位置している。
一方、モータのロータ42は、中心軸41の外周にロータ部43が形成されている。
ロータ42は、ステータ10の下側から挿入することはできないが、ステータの上側から軸心に沿って挿入することが可能である。ロータ42をステータ10に挿入した状態を図30に示す。
図30に示すように、ロータ42の中心軸41は、コイル籠14の半円部Hの内周面で形成される中心孔から外に突出している。
ここでいう「2スロット分の領域」とは、スロットとティースを1スロット分としてスロット2つとティース2つ分の幅のことを指している。
本実施例では2重コイルとしていることで、このレーンチェンジ部分が2倍の2スロット分使用することが可能であり、曲げ半径の関係で極力広い幅を用意することが好ましい平角導線に対応できる。すなわち、占積率を上げる為には平角導体の断面積を大きくすることが有効であるためで、断面積が大きくなれば相対的に曲げ半径も大きくなるからである。このため、本実施例によって占積率の高いステータを構成することが可能となる。
平角導体でループを形成したコイルをステータコア15に挿入する場合、平角導体をステータコア15の端面に平面的に並べることになる。この場合、ステータコア15の端面は面積が限られる為、コイルのターン数を多くする為に平角導体の数を増やすことは難しい。そして、コイルを分布巻きとして構成する場合、同心巻きのコイル同士が干渉する為、コイルエンド部にレーンチェンジ部分Gを必要とする。このレーンチェンジ部Gで、コイルの幅は問題となりやすい。
そこで、本実施例の構成のように外周基準ユニット11の内周側に内周基準ユニット12を形成する2重コイルの構造とすることで、ステータコアの端面を立体的に利用することができる。この結果、コイルのターン数を増やすことが可能で、ターン数が増えた場合にもレーンチェンジ部Gにおいて隣り合うコイル同士の干渉を防ぐことが可能となる。
コイルの外周基準ユニット11と内周基準ユニット12を重ねて2重のコイルを形成しているため、コイルエンドの厚みをそれ程増やすことなく、スロットの深いステータコア15を採用することが可能となる。その結果、ステータの占積率の向上と小型化の要求を満足することが可能となる。
本実施例では2重コイル(外周基準ユニット11と内周基準ユニット12)としていることで、このレーンチェンジ部分Gが、図27に示すように、2スロット分使用することが可能であり、曲げ半径の関係で極力広い幅を用意することが好ましい。
これは、占積率を上げる為には平角導体の断面積を大きくすることが有効であるためで、断面積が大きくなれば相対的に曲げ半径も大きくなるからである。このため、本実施例によって占積率の高いステータを構成することが可能となる。
また、一端のコイルエンド部A側では、外周基準ユニット11、及び内周基準ユニット12の複数の平角導線が、ロータ42の軸心方向に重ね合わされていること、他端のコイルエンド部B側では、外周基準ユニット11、及び内周基準ユニット12の複数の平角導線が、ロータ42の径方向に重ね合わされていること、を特徴とするので、他端のコイルエンド部B側では、径方向に重ね合わされているため、コイルエンドの軸心方向の寸法を小さくすることができ、同時に、一端のコイルエンド部A側では、軸心方向に重ね合わされているため、折り曲げられたコイルエンドの径方向の寸法を小さくすることができる。
すなわち、他端のコイルエンド部B側では、外周基準ユニット11、及び内周基準ユニット12では、平角導線を径方向に重ね合わせると共に、複数の基準ユニットを軸心方向に重ね合わせているため、立体的に平角導線をまとめることができ、他端のコイルエンドの体積を小さくすることができる。
同時に、一端のコイルエンド部A側では、外周基準ユニット11、及び内周基準ユニット12では、平角導線を軸心方向に重ね合わせると共に、複数の基準ユニットを径方向に重ね合わせているため、立体的に平角導線をまとめることができ、他端のコイルエンドの体積を小さくすることができる。
また、一端のコイルエンド部を構成する外周基準ユニット11、及び内周基準ユニット12が、折り曲げられる前には、ずれた状態であり、折り曲げられることにより、外周基準ユニット11、及び内周基準ユニット12の平角導線が、径方向に一致して重なり合う状態となること、を特徴とするので、外周基準ユニット11、及び内周基準ユニット12の平角導線を同時に折り曲げた後で、一端のコイルエンド部A側の複数の平角導線を重ね合わせて、径方向において一致させることができる。
例えば、本実施例では、スロットSが48個あるモータについて説明したが、スロットSの数は変更しても良い。
11 外周基準ユニット
12 内周基準ユニット
13 二重基準ユニット
14 コイル籠
15 ステータコア
16 組立体
41 中心軸
42 ロータ
43 ロータ部
11Un 第n組ブロックのU相の外周基準ユニット
11Vn 第n組ブロックのV相の外周基準ユニット
11Wn 第n組ブロックのW相の外周基準ユニット
12Un 第n組ブロックのU相の内周基準ユニット
12Vn 第n組ブロックのV相の内周基準ユニット
12Wn 第n組ブロックのW相の内周基準ユニット
G 凸状部
H 半円部
SA、SB スロット内導線部
EA、EB 傾斜部
FA、FB 水平部
JA、JB 折り曲げ部
Claims (4)
- 平角導線を用いた分布巻きコイルと、ティース間にスロットが形成されたステータコアとを備えるステータと、中心軸を備えるロータとを有するモータにおいて、
前記スロットは、U相第1スロット、U相第2スロット、V相第1スロット、V相第2スロット、W相第1スロット、W相第2スロットを一組とする組ブロックが、順次形成されており、第1組ブロックの隣に第2組ブロックが形成され、
前記第1組ブロックのU相第1スロット内の前記平角導線が、前記第2組ブロックのU相第2スロット内の前記平角導線と第1ループを形成していること、
前記第1組ブロックのU相の第2スロット内の前記平角導線が、前記第2組ブロックのU相第1スロット内の前記平角導線と第2ループを形成していること、
前記第2ループが、前記第1ループの内側に配置されていること、
前記第2ループの一端のコイルエンド部、及び前記第1ループの一端のコイルエンド部が、前記ステータコアのスロット内導線部に対して、前記ロータ側に折り曲げられていること、
前記第2ループの前記一端のコイルエンド部、及び前記第1ループの前記一端のコイルエンド部が、前記ステータコアの内周面より前記ロータの軸心側に位置すること、
前記第1ループ、及び前記第2ループが、所定数の平角導線を同時に折り曲げ加工した基準ユニットにより形成されていること、
を特徴とするモータ。 - 請求項1に記載するモータにおいて、
前記一端のコイルエンド部では、前記基準ユニットの複数の前記平角導線が、前記ロータの軸心方向に重ね合わされていること、
前記他端のコイルエンド部では、前記基準ユニットの複数の前記平角導線が、前記ロータの径方向に重ね合わされていること、
を特徴とするモータ。 - 請求項1または請求項2に記載するモータにおいて、
前記一端のコイルエンド部を構成する基準ユニットでは、片側の前記スロット内導線部との接続部であるR部のR半径が、折り曲げられる前には、平角導線毎に相違すること、を特徴とするモータ。 - 請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載するモータにおいて、
前記一端のコイルエンド部を構成する基準ユニットが、折り曲げられる前には、ずれた状態であり、折り曲げられることにより、前記基準ユニットの平角導線が、径方向に一致して重なり合う状態となること、
を特徴とするモータ。
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