そのため、特許文献1に記載された回転電機用ステータでは、各相コイルの接続端子を比較的近接させて集約配置したとしても、各相の第1コイル部及び第2コイル部が周方向の異なる位置で中性点接続金具に接続されることになり、その結果、中性点接続金具の周方向長さは長くならざるを得ない。そのため、回転電機用ステータ、ひいては回転電機全体の大型化を招いてしまうという問題があった。また、周方向における中性点接続金具と各相コイルとの間の接合箇所の数が増大してしまい、作業効率の低下やコストの増大を招くという問題があった。
また、各相の第1コイル部の端部と第2コイル部の端部とが周方向の異なる位置で中性点接続金具に接続されるため、中性点接続金具の電気抵抗によって第1コイル部の一端と第2コイル部の一端との間に電位差が生じてしまう場合がある。このような電位差が生じると、電位の高いコイル部から電位の低いコイル部に向かう内部電流(所謂、循環電流)が流れる。その結果、当該循環電流による銅損(ジュール熱による損失)が発生して回転電機の効率の低下につながるという問題があった。
そこで、それぞれ2つの構成コイルが並列接続されて構成され、略円筒状のコアに巻装される複数相のコイルと、当該複数相のコイルを互いにスター結線するように接続する接続導体と、を備えた回転電機用電機子において、低コストで回転電機の小型化及び効率改善を可能とする技術の実現が望まれる。
本発明に係る、周方向に分散配置された複数のスロットを有する略円筒状のコアと、前記スロットに巻装される複数相のコイルと、当該複数相のコイルの端部を互いにスター結線するように接続する接続導体と、を備えた回転電機用電機子の特徴構成は、各相の前記コイルは、それぞれ並列接続される2つの構成コイルを有し、2つの前記構成コイルの中性点側の端部である中性端がコア径方向に並べて配置され、各相について、コア径方向に並べて配置された2つの前記中性端が、前記接続導体をコア径方向の両側から挟んだ状態でそれぞれ前記接続導体に接続されている点にある。
なお、本願では、「コア径方向」は、円筒状のコアを基準として規定される径方向を意味するものとする。同様に、「周方向」及び「軸方向」の各方向も、円筒状のコアを基準として規定される方向を意味するものとする。このとき、各相のコイルや接続導体についての各方向は、各相のコイルがスロットに巻装され、かつ、接続導体が各相のコイルに接続された状態での方向として規定するものとする。
また、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
上記の特徴構成によれば、並列接続される各相の2つの構成コイルが中性端をコア径方向に並べて配置された状態で接続導体に接続されるので、接続導体の周方向長さを短く抑えることができる。よって、回転電機用電機子、ひいては回転電機全体を小型化することができる。また、各相の2つの中性端が接続導体をコア径方向の両側から挟んだ状態で接続導体に接続されるので、各相コイルの2つの中性端に関して、接続導体との接合を周方向の一箇所でまとめて行なうことができる。よって、全体として周方向における接続導体と各相コイルとの間の接合箇所の数を少なく抑えることができる。その結果、作業効率を向上させると共にコストの低減を図ることができる。
また、各相の2つの構成コイルの中性端が、接続導体のコア径方向の両側で接続導体に接続されるので、これら2つの中性端の間の距離を接続導体のコア径方向の幅と同等にまで短くすることができる。よって、各相の2つの構成コイルの中性端の間に電位差が生じるのを効果的に抑えることができ、これらの間で循環電流が流れるのを抑制することができる。その結果、循環電流による銅損の発生を抑制して、回転電機のエネルギ効率を向上させることができる。
従って、上記の特徴構成によれば、それぞれ2つの構成コイルが並列接続されて構成され、略円筒状のコアに巻装される複数相のコイルと、当該複数相のコイルを互いにスター結線するように接続する接続導体と、を備えた回転電機用電機子において、低コストで回転電機の小型化及び効率改善が可能となる。
ここで、各相の前記構成コイルは、前記コアから軸方向に突出する一方側の端部に、周方向の位置が異なる2つの前記スロット内に配置された2つのコイル辺部を周方向に接続する渡り部を備え、コア径方向の同じ位置に配置された互いに異なる二相のコイルの前記渡り部が周方向に所定間隔を空けて並べて配置されることにより、当該2つの渡り部の間に異相間隙間が形成され、各相の前記中性端が、前記異相間隙間を通って軸方向に引き出されて前記接続導体に接続されている構成とすると好適である。
この構成によれば、コイル辺部と渡り部とにより各相の構成コイルを適切に構成することができる。また、コア径方向の同じ位置において、異相間隙間を挟んで互いに異なる二相のコイルの渡り部が周方向に所定間隔を空けて並べて配置されるので、当該異相間隙間を利用して各相の中性端を軸方向に引き出し、これらを接続導体に接続する構成とすることで、コア径方向で当該コアが占める範囲内において、各相の中性端を渡り部と干渉することなく接続導体に接続させることができる。よって、構成コイルのコアから突出する部分(所謂、コイルエンド部)の大型化を抑制しつつ、適切にスター結線を行なうことができる。
また、それぞれの前記構成コイルに関して、同一の前記スロット内で2つの前記コイル辺部がコア径方向に並べて配置されると共に、2つの前記コイル辺部から連続して延びる2つの前記渡り部が軸方向視で重ねて配置されている構成とすると好適である。
この構成によれば、各構成コイルにおいて、コア径方向に並べて配置される2つのコイル辺部が、これらからそれぞれ延びる渡り部が軸方向視で重ねて配置されるので、各構成コイルの渡り部のコア径方向に隣接して、コイル1本分の幅に相当するだけの空間が形成される。よって、その空間を利用して互いに異なる相の渡り部をコア径方向に並べて配置させて、コイルエンド部をコンパクトに構成することができる。また、上記異相間隙間を通って中性端を軸方向に引き出す際に、中性端を引き出すための空間を確保することが容易となる。
また、各相について、2つの前記中性端から連続して延びる前記コイル辺部が、同一の前記スロット内において前記コイル1本分の間隔を空けてコア径方向に並べて配置されると共に、前記接続導体が、前記コイルのコア径方向幅と略等しい幅を有して構成されている構成とすると好適である。
この構成によれば、同一のスロット内にコイル1本分の間隔を空けて配置される2つのコイル辺部から連続して延びる部位を、そのままの間隔を維持しつつ中性端として引き出して、接続導体に接続することができる。その際、曲げ加工を行う必要がある場合にも、少ない曲げ回数で軸方向に引き出すことができる。よって、各相のコイルをスター結線する際の製造性を良好なものとすることができる。
また、各相の前記構成コイルは断面略矩形状の線状導体からなり、各相の2つの前記中性端が、互いに対向する対向面が略平行となるように配置され、前記接続導体は、板状部材からなると共に、コア径方向の両面が前記対向面と略平行となるように少なくとも周方向の二箇所で屈曲された形状を有する構成とすると好適である。
この構成によれば、各相の中性端がコア径方向に並んだ向きに合わせて接続導体を少なくとも周方向の二箇所で屈曲させることで、板状部材からなる接続導体と断面略矩形状の線状導体からなる中性端とを、これらが面接触する状態で接続することができる。よって、接続導体と各相の中性端との接合を良好に行なうことができる。
また、前記接続導体は、各相の前記中性端との接続部位におけるコア径方向の両面に、当該接続導体の他の部分に対して僅かに窪ませた形状の凹部を複数備え、それぞれの前記凹部に、当該凹部の深さに応じたコア径方向幅を有する蝋材を介在させた状態で、前記接続導体と各相の前記中性端とを抵抗蝋付により接合してなる構成とすると好適である。
この構成によれば、接続導体と中性端との間に不要な応力を作用させることなく蝋材を介在させた状態で、接続導体と各相の中性端とを抵抗蝋付により接合することができる。その際、中性端との接続部位における接続導体のコア径方向幅が他の部位に対して薄くなっているので、当該接続部位の熱容量を小さくすることができ、凹部を備えない場合と比較して抵抗蝋付を行うために投入する電気エネルギを小さくすることができる。よって、より穏やかな条件で抵抗蝋付を行なうことができるので、接合強度を一定レベルに保ちつつ、接続導体の凹部以外の部位への熱影響を低く抑えることができる。
本発明に係る回転電機用電機子の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態においては、本発明に係る回転電機用電機子を、回転電機1のステータ2に適用した場合を例として説明する。図1〜3に示すように、ステータ2は、周方向に分散配置された複数のスロット12を有する略円筒状のステータコア11と、スロット12に巻装される複数相のコイル21と、当該複数相のコイル21の端部を互いにスター結線するように接続する中性導体41と、を備えている。このような構成において、本実施形態に係るステータ2は、各相のコイル21が、それぞれ並列接続される2つの構成コイル22、23を有し、2つの構成コイル22、23の中性点N側の端部である中性端24がコア径方向に並べて配置され、各相について、コア径方向に並べて配置された2つの中性端24が、中性導体41をコア径方向の両側から挟んだ状態でそれぞれ中性導体41に接続されている(図5及び図6を参照)点に特徴を有する。これにより、低コストで回転電機1の小型化及び効率改善を図ることが可能となっている。以下、この回転電機1の各部の構成について詳細に説明する。なお、本実施形態においては、ステータ2が本発明における「回転電機用電機子」に相当し、ステータコア11が本発明における「コア」に相当する。また、中性導体41が本発明における「接続導体」に相当する。
1.回転電機の全体構成
図1に示すように、回転電機1は、ステータ2、ロータ3、及びケース5を備えている。ステータ2はコイル21を備えており、当該コイル21に電流を流すことで磁界を発生させることができる。ステータ2は、ケース5の内周面に固定されている。ステータ2の構成については後に詳細に説明する。また、ステータ2のコア径方向内側には、永久磁石(不図示)を備えた界磁としてのロータ3が、ロータ軸4を回転軸としてステータ2に対して相対回転可能に支持されて配置されている。すなわち、本実施形態における回転電機1は、電機子としてのステータ2を備えたインナーロータ型の回転電機とされている。ケース5は、軸方向一方側に端壁5aが設けられた円筒形状に形成されている。ケース5は軸方向他方側に開口しており、当該開口を塞ぐようにケース5にカバー6が取り付けられている。そして、ケース5の端壁5a及びカバー6のコア径方向中央部に軸受7が設けられており、ロータ3及びロータ軸4は軸受7を介してケース5及びカバー6に対して回転可能に支持されている。
2.ステータの構成
図2に示すように、ステータ2は、ステータコア11と、コイル21と、中性導体41と、を備えている。ステータコア11は磁性材料を用いて構成されており、略円筒形状に形成されている。ステータコア11は、その内周面に、周方向に分散配置された複数のスロット12を有する。複数のスロット12は、所定の周方向間隔で、それぞれ軸方向に延びるように設けられている。各スロット12は、軸方向に直交する面における断面が互いに同じ断面形状に形成されている。本例では、スロット12のコア径方向内側に開口する開口幅(周方向幅)がスロット12の内部の周方向幅よりも狭く形成されており、スロット12は所謂セミオープンスロットとされている。また、本実施形態においては、ステータコア11には、その全周で計48個のスロット12が設けられている。ステータコア11の各スロット12には、複数相(本例ではU相、V相、及びW相の三相)のコイル21が波巻・分布巻の形態で巻装されている。そして、本実施形態に係るステータ2は、三相交流で駆動される回転電機1に用いられるステータとされている。なお、以下では、コイル21を構成する各部材について、特にU相、V相及びW相の各相を区別する必要がある場合には、例えば21u、21v及び21wのように、各部材を示す符合の後に小文字の「u」、「v」及び「w」を付して説明するものとする。
また、本実施形態においては、図3に示すように、各相のコイル21は、それぞれ2つの構成コイル22、23を有し、これら2つの構成コイル22、23が並列接続されて構成されている。すなわち、U相接続端子TuにはU相第一構成コイル22uとU相第二構成コイル23uとがそれぞれ接続されると共に、これらの構成コイル22u、23uの中性点N側の端部である2つの中性端24u(図5を参照)が、それぞれ中性導体41に接続されている。V相接続端子TvにはV相第一構成コイル22vとV相第二構成コイル23vとがそれぞれ接続されると共に、これらの構成コイル22v、23vの中性点N側の端部である2つの中性端24v(図5を参照)が、それぞれ中性導体41に接続されている。W相接続端子TwにはW相第一構成コイル22wとW相第二構成コイル23wとがそれぞれ接続されると共に、これらの構成コイル22w、23wの中性点N側の端部である2つの中性端24w(図5を参照)が、それぞれ中性導体41に接続されている。なお本願では、「中性端24」は、各構成コイル22、23を構成する導体のうち、中性導体41に接続される部分であって、ステータコア11よりも軸方向他方側に突出する部分全体を指すものとする。このように結線された各相のコイル21には、各相の接続端子Tから互いに所定の位相差を有する三相の励磁電流がそれぞれ供給される。これにより、ステータ2は回転磁界を発生させてロータ3を回転させる。
本実施形態では、各相の構成コイル22、23は、長手方向(通電方向に等しい)に直交する面における断面形状が略矩形状の線状導体で構成されている。この線状導体を構成する材料は、例えば銅やアルミニウム等とすることができる。線状導体の表面は、接合が必要となる中性導体41との接続部位や接続渡り部33(図2を参照)における接続部位を除き、樹脂等からなる絶縁被膜により被覆されている。図4は、本実施形態に係る構成コイル22、23の一部を示す斜視図である。本実施形態に係る構成コイル22、23は、図4に示す単位コイルCが2つ、直列に接続されて構成されている。つまり、本実施形態に係る各相のコイル21は、図3に示すように、2つの単位コイルCがそれぞれ直列に接続されて構成される2つの構成コイル22、23が、並列に接続されて構成されている。
直列接続された2つの単位コイルCからなる各相の構成コイル22、23は、スロット12内に配置されるコイル辺部31と、周方向の位置が異なる2つのスロット12内に配置された同相のコイル辺部31をステータコア11の軸方向両端部において周方向に接続する渡り部32と、を備えている。各構成コイル22、23を構成する単位コイルCにおいては、2つのコイル辺部31がコア径方向に並べて配置されると共に、コア径方向に並べて配置された2つのコイル辺部31が二組、周方向に並べて配置されている。ここで、構成コイル22、23は、各コイル辺部31がステータコア11の内周面に設けられた複数のスロット12の位置に対応して周方向に所定間隔で分散配置されて、全体として略円筒状に形成されている。各相の構成コイル22、23はコア径方向に並べて配置され、これにより各相のコイル21も全体として略円筒状に形成されている。これらの各相のコイル21がステータコア11に巻装された状態では、互いに隣接する2つのスロット12において、それぞれ同一のスロット12内で2つのコイル辺部31がコア径方向に並べて配置される。
本実施形態においては、ステータコア11の軸方向一方側(図2における下側、図4における上側)における渡り部32は、コア径方向内側に屈曲形成された屈曲渡り部34とされている。各相の屈曲渡り部34は、コイル辺部31から連続してコア径方向に屈曲して延びる径方向導体部34aと、周方向の位置が異なる2つの径方向導体部34aを周方向に接続する周方向導体部34bと、を備えている。ここでは詳細な説明は省略するが、三相のコイル21が組み合わされた状態で、屈曲渡り部34では全周に亘って三相のうちの二相分の周方向導体部34bが軸方向に並べて配置されている。また、本実施形態では、ステータコア11に巻装された状態で、各相の構成コイル22、23の径方向導体部34aの、スロット12のコア径方向内側の開口部に対応する位置には、当該開口部の周方向幅よりも狭い幅狭凹部35が形成されている。これにより、三相のコイル21をステータコア11に軸方向一方側から挿入して、セミオープン形状のスロット12に巻装することが可能とされている。
一方、ステータコア11の軸方向他方側(図2における上側、図4における下側)における渡り部32は、コア径方向内側に屈曲形成されることはなく、周方向の位置が異なる2つのコイル辺部31の軸方向外側(軸方向他方側)で、周方向導体部32bによりこれらをそのまま周方向に接続している。本実施形態においては、図2に示すように、渡り部32では全周に亘って三相のうちの二相分の周方向導体部32bがコア径方向に並べて配置されている。より詳細には、図5及び図6に示すように、V相コイル21vの構成コイル22v、23vを構成する周方向導体部32bvは、その周方向中央部にコア径方向の段差部を有し、周方向一方側の部位が周方向他方側の部位に対してコア径方向外側にオフセットされている。そして、V相コイル21vを構成する周方向導体部32bvの周方向一方側の部位のコア径方向内側にはW相コイル21wを構成する周方向導体部32bwの周方向他方側の部位が配置されている。また、V相コイルを構成する周方向導体部32bvの周方向他方側の部位のコア径方向外側にはU相コイル21uを構成する周方向導体部32buの周方向一方側の部位が配置されている。更に、U相コイル21uを構成する周方向導体部32buの周方向他方側の部位のコア径方向内側にはW相コイル21wを構成する周方向導体部32bwの周方向一方側の部位が配置されている。
また、ステータコア11の軸方向他方側には、通常の渡り部32とは別に、各構成コイル22、23において、2つの単位コイルCを直列に接続するための接続渡り部33が備えられている。本実施形態においては、各相のコイル21を構成する単位コイルC(図4を参照)が、各相について4つずつコア径方向に並べられた状態でステータコア11に巻装されている。そして、各相の接続渡り部33により、第一構成コイル22においては、4つの単位コイルCのうち、コア径方向で最外周側に配置される単位コイルCとコア径方向で最内周側に配置される単位コイルCとが直列接続されている。また、もう1つの接続渡り部33により、残余の2つの単位コイルCを直列接続するように、これらの単位コイルCどうしが接続されて第二構成コイル23が構成されている。
各相の接続渡り部33は、渡り部32の軸方向外側(軸方向他方側)に配置されており、コア径方向の異なる位置に配置された2つの単位コイルCを構成するコイル辺部31であって、周方向の位置が異なる2つのスロット12内に配置されたコイル辺部31を、コア径方向及び周方向に接続している。そのような構成を実現するため、接続渡り部33は、径方向導体部33aと周方向導体部33bと軸方向導体部33cとを備えて構成されている。また、本実施形態では、2つの単位コイルCの端部をそれぞれ引き出して接合することにより接続渡り部33が構成されるものとされていることから、これらの接合のためのスペースを確保するため、また、絶縁性を適切に確保し易い構成を実現するため、それぞれの接続渡り部33は、中性端24や他の接続渡り部33と所定間隔を空けて配置されている。そのため、それぞれの接続渡り部33は、図5及び図6に示すように、コア径方向、周方向、及び軸方向に複雑に屈曲して延びる形態で、コア径方向及び周方向の異なる位置に配置された2つのコイル辺部31を接続している。
ところで、ステータコア11の軸方向他方側では、2つのコイル辺部31から連続して延びる2つの渡り部32が、軸方向視で重ねて配置されている。上記のとおり、各構成コイル22、23において、2つのコイル辺部31は同一のスロット12内でコア径方向に並べて配置されている。よって、各相の構成コイル22、23について見た場合、渡り部32を構成する周方向導体部32bの部分においては、そのコア径方向に隣接して、構成コイル22、23を構成する線状導体1本分のコア径方向幅に相当する空間が生じることになる。この空間を利用して、上記したように他相の周方向導体部32bが配置されるのである。
本実施形態では、各相の第一構成コイル22及び第二構成コイル23について、それぞれコア径方向の内周側に配置される単位コイルCに含まれるコイル辺部31から連続して延びる導体部分が、各相の中性端24とされている。なお、各単位コイルCにおいては、2つのコイル辺部31が同一のスロット12内でコア径方向に並べて配置されており、各相2つの中性端24から連続して延びるコイル辺部31も、同一のスロット12内においてコイル21を構成する線状導体1本分の間隔(線状導体のコア径方向幅に相当)を空けてコア径方向に並べて配置されている。そして、本実施形態では、各相それぞれ2つの中性端24は、ステータコア11の軸方向他方側においてそれぞれ同様の曲げ加工により軸方向に引き出されて、線状導体1本分の間隔を保ったままで中性導体41に接続されている。
中性導体41は、各相のコイル21の端部(中性端24)を互いにスター結線するように接続するための導体である。本実施形態では、中性導体41は板状部材により構成されている。この中性導体41を構成する材料は、例えば銅やアルミニウム等とすることができる。中性導体41の表面は、接合が必要となる各相の中性端24との接続部位を除き、樹脂等からなる絶縁被膜により被覆されている。本実施形態に係る中性導体41は、コイル21を構成する線状導体のコア径方向幅と略等しい径方向幅を有して構成されている。これにより、各相それぞれ2つの中性端24の間に過不足なく収まる形態で中性導体41が各中性端24に接続されている。また、本実施形態では、2つの構成コイル22、23が並列接続されていることに対応して、中性導体41は、コイル21を構成する線状導体の周方向幅の2倍と略等しい軸方向幅を有して構成されている。つまり、中性導体41における通電方向(周方向に略等しい)に直交する面の断面積が、各相の構成コイル22、23における通電方向に直交する面の断面積の和に略等しくなるように、中性導体41のコア径方向幅及び軸方向幅が設定されている。
3.中性導体と各相の中性端との接続構造
次に、本発明の要部である、中性導体41と各相の中性端24との接続構造について説明する。図5及び図6は、本実施形態に係るステータ2の中性導体11の周辺をそれぞれ異なる方向から見た拡大斜視図である。また、図7は、本実施形態に係るステータ11の各相のコイル21を軸方向外側(軸方向他方側)から見た、各相のコイル21の配置を示す模式図である。なお、図7においては、縦に8つ並べて配置された一点鎖線で示される「□」が、同一のスロット12内においてコア径方向に並べて配置された8つのコイル辺部31を表している。これらは、視認性を考慮して、コア径方向に所定の間隔を空けて並べて配置されている。
上記のとおり、本実施形態では、各構成コイル22、23を構成する単位コイルCにおいては、2つのコイル辺部31が同一のスロット12内においてコア径方向に並べて配置されると共に、コア径方向に並べて配置された2つのコイル辺部31が二組、周方向に並べて配置されている。そして、それぞれの単位コイルCにおいて、上記周方向に並べて配置される二組の2つのコイル辺部31から連続して延びる計4つの渡り部32が、軸方向視で重ねて配置されている。よって、各相の構成コイル22、23について見た場合、渡り部32を構成する周方向導体部32bの部分においては、そのコア径方向に隣接して、構成コイル22、23を構成する線状導体1本分のコア径方向幅に相当する空間が生じている。
このようにして生じる空間には、他の二相の周方向導体部32bが配置されている。具体的には、U相の渡り部32uを構成する周方向導体部32buのコア径方向内側に隣接して、V相の渡り部32vを構成する周方向導体部32bvとW相の渡り部32wを構成する周方向導体部32bwとが配置されている。また、V相の渡り部32vを構成する周方向導体部32bvのコア径方向に隣接して、U相の渡り部32uを構成する周方向導体部32buとW相の渡り部32wを構成する周方向導体部32bwとが配置されている。ここでは、V相の渡り部32vを構成する周方向導体部32bvの周方向一方側では、コア径方向内側に隣接してW相の渡り部32wを構成する周方向導体部32bwが配置され、V相の渡り部32vを構成する周方向導体部32bvの周方向他方側では、コア径方向外側に隣接してU相の渡り部32uを構成する周方向導体部32buが配置されている。更に、W相の渡り部32wを構成する周方向導体部32bwのコア径方向外側に隣接して、U相の渡り部32uを構成する周方向導体部32buとV相の渡り部32vを構成する周方向導体部32bvとが配置されている。
そして、コア径方向の同じ位置に配置された互いに異なる二相のコイル21の渡り部32が周方向に所定間隔を空けて並べて配置されることにより、当該2つの渡り部32の間に異相間隙間Sが形成されている。本例では、V相の渡り部32vを構成する周方向導体部32bvはその周方向中央部にコア径方向の段差部を有し、周方向一方側の部位が周方向他方側の部位に対してコア径方向外側にオフセットされていることから、このような異相間隙間Sは、図5〜図7に示すように、W相の渡り部32wの周方向一方側の端部とV相の渡り部32vの周方向他方側の端部との間、V相の渡り部32vの段差部とW相の渡り部32wの周方向他方側の端部との間、及びV相の渡り部32vの周方向一方側の端部とU相の渡り部32uの周方向他方側の端部との間、に形成されている。また、異相間隙間Sは、各相の渡り部32を挟んで、およそ線状導体1本分の幅に相当する間隔を空けてコア径方向に並んで形成されている。なお、このような異相間隙間Sは、図7を参照してよく理解できるように、軸方向における立体的な障害のない空間となっている。
各相の2つの中性端24は、このようにして形成された異相間隙間Sを通って軸方向に引き出されている。すなわち、図5〜図7に示すように、同一のスロット12内において、コイル21を構成する線状導体1本分の間隔(線状導体のコア径方向幅に相当)を空けてコア径方向に並べて配置された2つのコイル辺部31(ここでは、U相コイル21u及びV相コイル21vではコア径方向で内側から2番目と4番目のコイル辺部31、W相コイル21wではコア径方向で内側から1番目と3番目のコイル辺部31)は、それぞれ同様の曲げ加工によりコア径方向及び周方向に所定形状に屈曲された後、同じくおよそ線状導体1本分の幅に相当する間隔を空けてコア径方向に並んで形成された2つの異相間隙間Sを通って軸方向に引き出されて中性端24を構成している。従って、この構成では、各相の2つの構成コイル22、23の中性点N側の端部である中性端24は、およそ線状導体1本分の幅に相当する間隔を空けてコア径方向に並べて配置されることになる。
各相について、およそ線状導体1本分の幅に相当する間隔を空けてコア径方向に並べて配置された2つの中性端24は、軸方向に延びつつ中性導体41をコア径方向の両側から挟んだ状態で、それぞれ中性導体41に接続されている。つまり、本実施形態では、各相の2つの中性端24が、それぞれ周方向の異なる位置となるように配置された状態で中性導体41に接続されるのではなく、それぞれ周方向の同じ位置で中性導体41に接続される構成が採用されている。これにより、中性導体41の周方向長さを短く抑えることが可能となり、ステータ2、ひいては回転電機1全体を小型化することが可能となっている。また、各相の2つの中性端24が中性導体41をコア径方向の両側から挟んだ状態で中性導体41に接続されるので、各相コイル21の2つの中性端24に関して、中性導体41との接合を周方向の一箇所でまとめて行なうことができる。よって、全体として周方向における中性導体41と各相コイル21との間の接合箇所の数を少なく抑えることができる。その結果、作業効率を向上させると共にコストの低減を図ることができる。
また、各相の2つの構成コイル22、23の中性端24が、線状導体1本分の幅に相当する間隔を空けて中性導体41のコア径方向の両側で中性導体41に接続されているので、これら2つの中性端24の間の距離が短くなっており、各相の2つの構成コイルの中性端24の間に電位差が生じるのを効果的に抑えることができる。よって、これらの間で循環電流が流れるのを抑制することができる。その結果、循環電流による銅損の発生を抑制して、回転電機1のエネルギ効率を向上させることが可能となっている。
ここで、本実施形態においては、図5、図6及び図8に示すように、中性導体41は、各相の中性端24との接続部位におけるコア径方向の両面に、当該中性導体41の他の部分に対して僅かに窪ませた形状の凹部42を複数備えている。本例では、各相2つずつ計6つの中性端24に対応して、中性導体41には6つの凹部42が形成されている。これら6つの凹部42は、6つの中性端24に対応する周方向位置に形成されている。なお、それぞれの凹部42のコア径方向の深さをW3(図8(b)を参照)とする。また、それぞれの凹部42のコア径方向の底面が、それぞれ中性端24との中性導体41側の接合面43a〜43fとなる。これらの接合面43a〜43fは、中性導体41の他の部分におけるコア径方向の両面に平行となるように形成されている。
また、各相の2つの中性端24は、互いに対向する接合面25が略平行となるように配置されている。ここでは、U相の2つの中性端24uの互いに対向する接合面25aと25bとが略平行となるように配置され、V相の2つの中性端24vの互いに対向する接合面25cと25dとが略平行となるように配置され、W相の2つの中性端24wの互いに対向する接合面25eと25fとが略平行となるように配置されている。なお、本実施形態においては、接合面25aと25b、接合面25cと25d、接合面25eと25fの各組が本発明における「互いに対向する対向面」を構成している。そして、板状部材からなる中性導体41は、少なくとも周方向の二箇所で屈曲された形状を有して構成されている。本例では、中性導体41は周方向の三箇所に屈曲部44を有している。より具体的には、周方向におけるU相の中性端24uとV相の中性端24vとの間の第一屈曲部44a及び第二屈曲部44b、V相の中性端24vとW相の中性端24wとの間の第三屈曲部44c、の三箇所で屈曲された形状を有して中性導体41が構成されている。これにより、中性導体41のコア径方向の両面及び接合面43a〜43fが、各相の中性端24の接合面25a〜25fと略平行となる形状に形成されている。よって、板状部材からなる中性導体41と断面略矩形状の線状導体からなる中性端24とを、これらの接合面43a〜43f、25a〜25fがそれぞれ面接触する状態で接合することができ、これらの接合を良好に行なうことが可能となっている。
更に、本実施形態においては、中性導体41と各相の中性端24とを接合するに際しては、図8(a)に示すように、中性導体41に形成された6つの凹部42のそれぞれに当該凹部42のコア径方向の深さW3に応じたコア径方向幅を有する蝋材51を介在させた状態で、各相の中性端24をコア径方向の両側から電極52でクランプした後通電させ、中性導体41と各相の中性端24とを抵抗蝋付により接合させる。このようにすれば、中性導体41と中性端24との間に不要な応力を作用させることなく蝋材51を介在させた状態で、中性導体41と各相の中性端24とを抵抗蝋付により接合することができる。その際、各相のコイル21を構成する線状導体及び中性導体41のコア径方向幅をW1とすると、コア径方向両側の凹部42により、中性端24との接続部位における中性導体41のコア径方向幅W2が薄くなっている(W2=W1−2×W3、図8(b)を参照)ので、当該接続部位の熱容量を小さくすることができ、凹部42を備えない場合と比較して抵抗蝋付を行うために投入する電気エネルギを小さくすることが可能となっている。よって、より穏やかな条件で抵抗蝋付を行なうことができるので、接合強度を一定レベルに保ちつつ、中性導体41の凹部42以外の部位への熱影響を低く抑えることが可能となっている。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態においては、各相の2つの中性端24が、コア径方向の同じ位置に配置された互いに異なる二相のコイル21の渡り部32が周方向に所定間隔を空けて並べて配置されることにより当該2つの渡り部32の間に形成される異相間隙間Sを通って、軸方向に引き出されてそれぞれ中性導体41に接続されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、そのようにして形成される異相間隙間Sを通ることなく、例えば各相の2つの中性端24が、コア径方向に並べて配置された複数の渡り部32のコア径方向内側、或いはコア径方向外側を通って軸方向に引き出されてそれぞれ中性導体41に接続される構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(2)上記の実施形態においては、中性導体41が、コイル21を構成する線状導体のコア径方向幅と略等しいコア径方向幅を有すると共に、コイル21を構成する線状導体の周方向幅の2倍と略等しい軸方向幅を有して構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、各相について、コア径方向に並べて配置された2つの中性端24が、中性導体41をコア径方向の両側から挟んだ状態でそれぞれ中性導体41に接続されている限り、中性導体41のコア径方向幅は任意に設定することが可能である。この場合にあっては、中性導体41における通電方向(周方向に略等しい)に直交する面の断面積が、各相の構成コイル22、23における通電方向に直交する面の断面積の和に略等しくなるように、コア径方向幅に応じて中性導体41の軸方向幅が設定されると好適である。また、中性導体41のコア径方向幅に合わせて、各相の中性端24を異相間隙間Sを通って軸方向に引き出しつつ、渡り部32の軸方向外側(軸方向他方側)でコア径方向に適宜曲げ加工を行う構成とすると好適である。
(3)上記の実施形態においては、板状部材からなる中性導体41が、周方向の三箇所で屈曲された形状を有して構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、中性導体41のコア径方向の両面及び接合面43a〜43fが、各相の中性端24の接合面25a〜25fと略平行となっていればこれらの接合を良好に行なうことができるので、例えば周方向の二箇所、又は周方向の四箇所以上で屈曲された形状に形成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。或いは、中性導体41全体を、ステータコア11の形状に沿った略円弧状に形成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(4)上記の実施形態においては、中性導体41が、各相の中性端24との接続部位におけるコア径方向の両面に、当該中性導体41の他の部分に対して僅かに窪ませた形状であって、コア径方向の深さW3を有する凹部42を備えている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば中性導体41が、各相の中性端24との接続部位におけるコア径方向の片面に、当該中性導体41の他の部分に対して僅かに窪ませた形状であって、2×W3に相当するコア径方向の深さを有する凹部を備える構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、中性導体41のコア径方向の両面の、凹部が形成された面及び凹部が形成されていない面の双方に、コア径方向幅がW3の蝋材51を介在させた状態で、各相の中性端24をコア径方向の両側から電極52でクランプした後通電させ、中性導体41と各相の中性端24とを抵抗蝋付により接合させる構成とすると好適である。
また、中性導体41がそのような凹部を備えておらず、中性導体41の両面が均一な平面とされていることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(5)上記の実施形態においては、中性導体41と各相の中性端24とが、抵抗蝋付により接合されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、抵抗蝋付以外にも、例えば溶接、カシメ、半田付け、接続部材を用いた接続等、各種の接続方法を採用することが可能である。
(6)上記の実施形態においては、各相の構成コイル22、23が、長手方向(通電方向に等しい)に直交する面における断面形状が略矩形状の線状導体で構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、各相の構成コイル22、23の長手方向に直交する面における断面形状を、例えば多角形状、レーストラック状、円形状等とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。或いは、各相の構成コイル22、23を、全体としてその断面形状が上記したような所定形状となるように複数の細導線を束ねて構成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(7)上記の実施形態においては、各相のコイル21がそれぞれ2つの構成コイル22、23を有し、これら2つの構成コイル22、23が並列接続されて構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、各相のコイル21がそれぞれ3つ以上の構成コイルを有し、これらが並列接続された構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。また、上記の実施形態においては、各相の構成コイル22、23が、それぞれ2つの単位コイルCが直列に接続されて構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、各相の構成コイルがそれぞれ3つ以上の単位コイルCを有し、これらが直列接続された構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。或いは、各相の構成コイルが単一の単位コイルCにより構成されることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(8)上記の実施形態においては、各相の構成コイル22、23が、それぞれ2つの単位コイルCが直列に接続されて構成されている場合において、コア径方向に並べて配置される4つの単位コイルCのうち、最外周側の単位コイルCと最内周側の単位コイルCとが接続渡り部33により接続され、残余の2つの単位コイルCがもう1つの接続渡り部33により接続されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば外周側の2つの単位コイルC及び内周側の2つの単位コイルCがそれぞれ接続渡り部33により接続される構成としたり、或いは、外周側から1番目と3番目の2つの単位コイルC及び外周側から2番目と4番目の2つの単位コイルCがそれぞれ接続渡り部33により接続される構成としたりすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(9)上記の実施形態においては、本発明に係る回転電機用電機子を回転電機1のステータ2に適用し、当該回転電機1を、電機子としてのステータ2を界磁としてのロータ3のコア径方向外側に配置して備えたインナーロータ型の回転電機とした場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、上記の構成において本発明に係る電機子を回転電機の回転子に適用し、当該回転電機を、電機子としての回転子を備えたアウターロータ型の回転電機とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
また、本発明に係る電機子を回転電機1のステータ2に適用し、当該回転電機1を、電機子としてのステータ2を界磁としてのロータ3のコア径方向内側に配置して備えたアウターロータ型の回転電機とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。更にこの場合において、本発明に係る電機子を回転電機の回転子に適用し、当該回転電機を、電機子としての回転子を備えたインナーロータ型の回転電機とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。