JP5392546B2 - 相間絶縁シート - Google Patents

相間絶縁シート Download PDF

Info

Publication number
JP5392546B2
JP5392546B2 JP2009084264A JP2009084264A JP5392546B2 JP 5392546 B2 JP5392546 B2 JP 5392546B2 JP 2009084264 A JP2009084264 A JP 2009084264A JP 2009084264 A JP2009084264 A JP 2009084264A JP 5392546 B2 JP5392546 B2 JP 5392546B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil end
phase
end portion
circumferential
axial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009084264A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010239737A (ja
Inventor
祐三 堀田
和也 倉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP2009084264A priority Critical patent/JP5392546B2/ja
Publication of JP2010239737A publication Critical patent/JP2010239737A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5392546B2 publication Critical patent/JP5392546B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Windings For Motors And Generators (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)

Description

本発明は、回転電機用電機子が備える複数相のコイル間の相間絶縁を確保するための相間絶縁シートに関する。
モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び、必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータなどの回転電機において、回転磁界を作るために電機子が設けられる。一般的な回転電機用電機子の一つとして、軸方向に延びる複数のスロットが周方向に分散配置されるとともに各スロットが径方向内方側に開口する内周開口部を有して構成された円筒状のコアと、複数のスロットに分布巻きの形態で巻装される複数相のコイルとを備えるものがある。また、コイルの材料として細い導線を用いるのが一般的である。例えば、コアにU相、V相、W相の3相のコイルが巻装される場合、同相の複数本の導線が各スロットに巻回されてコアの軸方向両端部に引き出され、スロット間の渡り部として束にされる。コアの軸方向両端部には複数相のコイルの渡り部があり、コアの全周にわたって配置される各相のコイルの渡り部によりコイルエンド部が形成される。そして、異なる相の渡り部間の相間絶縁を確保するための相間絶縁シートが設けられる。
特許文献1に記載された相間絶縁シートは、束にされた渡り部の一部を覆う三次元形状の部材を有する。その三次元形状の部材はコイルエンド部の全周にわたる帯状部材に複数個接着される。つまり、特許文献1では、スロットに巻装される複数本の細い導線が束にされた渡り部を相間絶縁の対象としているため、相間絶縁シートの形状も渡り部の形状に見合った複雑な形状となる。例えば、特許文献1に記載の相間絶縁シートは、渡り部を軸方向、径方向及び周方向の何れの方向からも覆うような複雑な形状になっている。
特開2007−74773号公報
従来のように細い導線をコアに巻回するのではなく、角型導線を用いてコイルを予め成型しておき、その予備成型されたコイルをコアに組み付けて製作される回転電機用電機子が提案されている。コイルを予備成型するとき、リード線が引き出されるのとは逆側の端部のコイルエンド部が、径方向内方側に屈曲形成される。屈曲形成された屈曲コイルエンド部を先頭にして、予備成型されたコイルをコアに対して軸方向に挿入することで、コアとコイルエンド部(屈曲コイルエンド部)との干渉を回避できる。
このタイプの回転電機用電機子では、屈曲コイルエンド部における各相のコイルは、規則正しく整列して予備成型されており、従来の渡り部の形状とは全く異なる。そのため、相間絶縁シートの形状も必然的に異なるものとなり、特許文献1に記載のような従来の相間絶縁シートを流用することはできない。例えば、屈曲コイルエンド部において、各相のコイルが軸方向に沿って規則的に積層されている場合、軸方向に対して直交する面に相間絶縁シートを挿入することで、各相の相間絶縁を確保する必要がある。つまり、相間絶縁シートの形状は、従来のように導線の束で構成される渡り部を軸方向、径方向及び周方向の何れの方向からも覆うような形態ではなく、角型導線が整列して配置された屈曲コイルエンド部(渡り部)に対して一方向から添えるような形態となる。そのため、相間絶縁シートの装着位置を決め難いという問題、位置を決めて組み付けたとしてもコアへのコイルの挿入が完了するまではワニスで固定できずに位置ずれが生じるという問題が起こり得る。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数相のコイル間の相間絶縁を確実に行え、且つ、屈曲コイルエンド部への安定した装着を容易に行える相間絶縁シートを提供する点にある。
この目的を達成するための、本発明に係る、コイルエンド部が予め予備成型された複数相のコイルを軸方向に沿ってコアに挿入して構成される回転電機用電機子が備える複数相のコイル間の相間絶縁を確保するための相間絶縁シートの特徴構成は、略円筒状の前記コアに巻装される前記コイルにおける前記コアから軸方向に突出する少なくとも一方の端部が、径方向内方側へ屈曲形成されているとともに異なる相の前記コイルエンド部が軸方向及び周方向に整列配置されてなる屈曲コイルエンド部とされている回転電機用電機子の前記屈曲コイルエンド部に装着され、前記複数相の内の一つの相の前記コイルエンド部を対象相コイルエンド部として、周方向に沿って所定間隔で配置された前記対象相コイルエンド部と隣接する異なる相の前記コイルエンド部との間の相間絶縁を確保すべく、周方向に沿って所定間隔で配置された複数の絶縁部と周方向に隣接する2つの絶縁部間を連結する連結部とを備え、前記絶縁部は、前記対象相コイルエンド部に軸方向から対面するように配置された平面絶縁部と、当該平面絶縁部の周方向両端縁を軸方向に屈曲して形成された側面絶縁部と、を有し、前記平面絶縁部は、前記対象相コイルエンド部における異なる相の前記コイルエンド部と軸方向に対向する部分を覆い、前記側面絶縁部は、前記対象相コイルエンド部における異なる相の前記コイルエンド部と周方向に対向する部分の少なくとも一部を覆う点にある。
なお、本願では、「軸方向」、「径方向」及び「周方向」の各方向は、略円筒状のコアを基準として定めるものとする。このとき、コイルについての各方向は、コイルがスロットに巻装された状態での方向として規定するものとする。また、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び、必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
上記の特徴構成によれば、平面絶縁部が、対象相コイルエンド部の一部分である、異なる相のコイルエンド部と軸方向に対面する部分を覆う。それにより、軸方向に対面して隣接する上記対象相コイルエンド部と上記異なる相のコイルエンド部との絶縁が確実になる。
また、側面絶縁部が、対象相コイルエンド部における、異なる相のコイルエンド部と周方向に対面する部分の少なくとも一部を覆うので、対象相コイルエンド部が側面絶縁部によって周方向から挟まれる。それにより、対象相コイルエンド部に対する絶縁部(即ち、平面絶縁部及び側面絶縁部)の周方向への相対移動が阻止される。ここで、一つの対象相コイルエンド部に装着される絶縁部のみについて考えた場合、その絶縁部は対象相コイルエンド部に対して径方向へ相対移動する可能性がある。つまり、複数の絶縁部が互いに連結されていなければ、各絶縁部は径方向に移動する可能性がある。ところが、本特徴構成によれば、各絶縁部は連結部により互いに連結されて一体として同じ方向に移動することしか許容されないため、各絶縁部が径方向に移動することはできない。よって、対象相コイルエンド部に対する相間絶縁シートの径方向への相対移動も阻止される。
更に本特徴構成によれば、予め、絶縁部の形状が、対象相コイルエンド部の軸方向の1面と周方向の2面とを覆う形状に成形されている。よって、相間絶縁シートを屈曲コイルエンド部に装着するときの位置合わせが容易になり且つ安定した状態で装着できる。
したがって、複数相のコイル間の相間絶縁を確実に行え、且つ、屈曲コイルエンド部への安定した装着を容易に行える相間絶縁シートを提供できる。
また、前記回転電機用電機子は、軸方向に延びる複数のスロットが周方向に分散配置されるとともに各スロットが径方向内方側に開口する内周開口部を有して構成された前記コアと、前記複数のスロットに分布巻きの形態で巻装される第一相と第二相と第三相とで構成される3相のコイルとを備え、前記屈曲コイルエンド部を構成する各相のコイルエンド部は、前記各スロット内に配置されているコイル辺部から屈曲されて径方向に延びる径方向導体部と、前記内周開口部よりも径方向内方側で一対の前記径方向導体部間を接続するように周方向に延びる周方向導体部とを備え、前記第二相の前記コイルエンド部の前記周方向導体部は、周方向における中間部分において軸方向に段差部を有するとともに、前記段差部よりも周方向一方側であって軸方向内方側に位置する内方側部分と前記段差部よりも周方向他方側であって軸方向外方側に位置する外方側部分とを有し、前記第一相の前記コイルエンド部は、前記第二相のコイルエンド部の前記内方側部分に対して軸方向外方側に隣接し、且つ、前記第二相のコイルエンド部の前記外方側部分に対して周方向に隣接して配置してあり、前記第三相の前記コイルエンド部は、前記第二相のコイルエンド部の前記外方側部分に対して軸方向内方側に隣接し、且つ、前記第二相のコイルエンド部の前記内方側部分に対して周方向に隣接して配置してあり、前記第一相のコイルエンド部又は前記第三相のコイルエンド部を前記対象相コイルエンド部とする構成とすると好適である。
この構成によれば、3相のコイルのうち、第一相又は第三相のコイルエンド部を対象相コイルエンド部として、それぞれ第二相との間の相間絶縁シートによる相間絶縁を行うことができる。そして、第一相及び第三相の双方を対象コイルエンド部とすれば、3相のうちの2相のコイルのコイルエンド部に対して相間絶縁の対策が施されるので、3相間の相間絶縁が確実に行われる。
また、前記第一相のコイルエンド部を前記対象相コイルエンド部とする場合には、前記平面絶縁部が前記第一相のコイルエンド部の軸方向内方側を覆い、前記側面絶縁部が前記第一相のコイルエンド部の周方向側部の少なくとも一部分を覆い、及び、前記連結部が前記第二相のコイルエンド部の前記外方側部分の軸方向外方側を通るように配置され、
前記第三相のコイルエンド部を前記対象相コイルエンド部とする場合には、前記平面絶縁部が前記第三相のコイルエンド部の軸方向外方側を覆い、前記側面絶縁部が前記第三相のコイルエンド部の周方向側部の少なくとも一部分を覆い、及び、前記連結部が前記第二相のコイルエンド部の前記内方側部分の軸方向内方側を通るように配置される構成とすると好適である。
この構成によれば、第一相のコイルエンド部と第二相のコイルエンド部との位置関係、及び、第三相のコイルエンド部と第二相のコイルエンド部との位置関係は、軸方向に直交する面を基準として対称となっている。つまり、第一相のコイルエンド部を対象相コイルエンド部とするような相間絶縁シートと、第三相のコイルエンド部を対象相コイルエンド部とするような相間絶縁シートとを、1種類の形状の相間絶縁シートにより実現できる。
また、前記側面絶縁部は、前記コイルエンド部の周方向側部の全体を覆うことのできる大きさである構成とすると好適である。
この構成によれば、コイルエンド部の周方向側部の相間絶縁を確実に行える。
また、円環状シート部材を複数箇所で屈曲成形してなる構成とすると好適である。
この構成によれば、相間絶縁シートを一つの部材で形成することで、部品点数を最小にできる。
また、互いに同一形状又は異なる形状の複数の円弧帯状部材を周方向に接続して円環状にするとともに複数箇所で屈曲成形してなる構成とすると好適である。
この構成によれば、相間絶縁シートを複数の部材で形成することで、一部の部材に形状不良などの不具合が生じてもその不具合のある部材のみが使用不能な部材となり、他の部材は別の部材と組み合わせて使用できる。よって、相間絶縁シート全体としての歩留まりを向上させることができる。また、絶縁が必要な部位のみを覆う形状とすることが容易となる。よって、相間絶縁シートの材料の使用量を節約して低コスト化を図ることができる。
また、外周縁の径が前記コアの内周面の径よりも小径とされている構成とすると好適である。
この構成によれば、各相のコイルが屈曲コイルエンド部を先頭にしてスロットに対して軸方向に挿入されて巻装されるとき、相間絶縁シートは、各コイル相間に挿入された状態でコアの内部空間を通過可能になる。
また、前記コアが、軸方向に延びる複数のスロットが周方向に分散配置されるとともに各スロットが径方向内方側に開口する内周開口部を有して構成されている場合、当該相間絶縁シートは、その外周縁における、前記各スロットの内周開口部に対応する位置に突部が設けられている構成であると好適である。
この構成によれば、相間絶縁シートのうちの突部についてはスロットの内部を通過可能である。よって、相間絶縁シートのうちの突部以外の部分について、外周縁の径がステータコアの内周面の径よりも小径であれば、相間絶縁シートは、各コイル相間に挿入された状態でコアの内部空間を通過可能になる。
また、外周縁の径が前記コアの内周面の径よりも大径とされるとともに、前記外周縁の径を小径化可能な伸縮部を有する構成とすると好適である。
この構成によれば、相間絶縁シートの外周縁の径がコアの内周面よりも大径であっても、各相のコイルが屈曲コイルエンド部を先頭にしてスロットに対して軸方向に挿入されて巻装されるとき、相間絶縁シートが各コイル相間に挿入され且つ相間絶縁シートの外周縁の径が伸縮部によって小径化された状態でコアの内部空間を通過可能になる。
回転電機の全体構成を示す断面図である。 ステータの全体構成を示す斜視図である。 (a)はステータコアの一部分の平面図であり、(b)はステータコアにコイルが巻装された状態を説明する一部断面図である。 ステータコアに巻装されるU相のコイルを示す斜視図である。 ステータコアに巻装されるV相のコイルを示す斜視図である。 ステータコアに巻装されるW相のコイルを示す斜視図である。 ステータコアに3相のコイルを巻装して得られるステータを屈曲コイルエンド部側から見た平面図である。 図7のVIII−VIII断面(ステータの周方向断面)を模式的に示す図である。 図7のIX−IX断面(ステータの径方向断面)図である。 ステータコアに各相のコイルを挿入する工程を説明する斜視図である。 相間絶縁シートの斜視図である。 相間絶縁シートの平面図である。 各相のコイル間に相間絶縁シートが設けられた状態を模式的に示すステータの周方向断面図である。 各相のコイル間に相間絶縁シートが設けられた状態を示すステータの径方向断面図である。 各相のコイル間における相間絶縁シートの配置状態を説明する斜視図である。 各相のコイル間における相間絶縁シートの配置状態を説明する斜視図である。 各相のコイル間における相間絶縁シートの配置状態を説明する斜視図である。 各相のコイル間における相間絶縁シートの配置状態を説明する斜視図である。 別実施形態の相間絶縁シートの斜視図である。 別実施形態の相間絶縁シートの斜視図である。 別実施形態の相間絶縁シートの斜視図である。 別実施形態の相間絶縁シートの斜視図である。 別実施形態の相間絶縁シートの斜視図である。 別実施形態の相間絶縁シートの斜視図である。
本発明に係る相間絶縁シートの実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態においては、本発明に係る相間絶縁シートを回転電機の電機子(以下、「ステータ」と記載する)において用いた場合を例として説明する。先ず、相間絶縁シートが設けられていない形態の回転電機の構成について説明し、その後、相間絶縁シートが設けられた形態の回転電機の構成について説明する。
図1は、回転電機の全体構成を示す断面図であり、図2は、ステータの全体構成を示す斜視図である。図3(a)はステータコアの一部分の平面図であり、図3(b)はステータコアにコイルが巻装された状態を説明する一部断面図である。
1.回転電機の全体構成
図1に示すように、回転電機1は、ステータ2、ロータ3及びケース5を備えている。ステータ2はコイル21を備えており、当該コイル21に電流を流すことで磁界を発生させることができる。本実施形態においては、ステータ2が本発明における「回転電機用電機子」に相当する。ステータ2は、ケース5の内周面に固定されている。ステータ2の構成については後に詳細に説明する。また、ステータ2の径方向内方側には、永久磁石(図示せず)を備えた界磁としてのロータ3が、ロータ軸4を回転軸としてステータ2に対して相対回転可能に配置されている。すなわち、本実施形態における回転電機1は、電機子としてのステータ2を備えたインナーロータ型の回転電機とされている。ケース5は、軸方向の一方の端部に端壁5aが設けられた円筒形状に形成されている。ケース5は軸方向他端側に開口しており、当該開口を塞ぐようにケース5にカバー6が取り付けられている。そして、ケース5の端壁5a及びカバー6の径方向中央部に軸受7が設けられており、ロータ3及びロータ軸4は軸受7を介してケース5及びカバー6に対して回転可能に支持されている。
2.ステータの構成
図2及び図3に示すように、ステータ2は、ステータコア11及びコイル21を備えている。ステータコア11は、複数枚の中空円板状の電磁鋼板を積層して構成されており、略円筒形状に形成されている。ステータコア11の内周面には、その軸方向Lに延びる複数のスロット12が周方向Cに分散配置される。加えて、各スロット12は径方向内方側:R1側に開口する内周開口部13を有する。本実施形態においては、このステータコア11が本発明における「コア」に相当する。各スロット12は互いに同じ断面形状であって、所定の周方向幅及び径方向深さを有している。本実施形態においては、ステータコア11には、その全周で計48個のスロット12が設けられている。本実施形態においては、コイル21は、その断面が略矩形状の単一の角型導線を用いた線状導体31により構成されている。
図3(a)に示すように、ステータコア11の互いに隣接するスロット12(U相スロット12u、V相スロット12v、W相スロット12w)間には、ティース15が設けられている。ティース15の径方向内方側の端部には、周方向に突出する突出部16がティース15の周方向の両側に設けられている。本実施形態では、突出部16は、軸方向に直交する断面の形状が略矩形状であって、軸方向に連続するように、ティース15と一体的に形成されている。そして、隣接する2つのティース15のそれぞれに設けられた周方向に対向する2つの突出部16間に、内周開口部13が形成されている。また、スロット12における内周開口部13よりも径方向外方側の空間は、スロット内部14とされる。
上記のとおり、隣接する2つのティース15のそれぞれに設けられた周方向に対向する2つの突出部16間に、内周開口部13が形成されている。したがって、本実施形態におけるステータコア11が有するスロット12は、径方向内方側に開口する内周開口部13の周方向幅W1がスロット内部14の周方向幅W3よりも狭く形成されたセミオープンスロットとなっている。スロット内部14には、コイル21を構成する線状導体31が配置されて、スロット12にコイル21が巻装される。このとき、スロット12とコイル21との間にはスロット内絶縁シート(図示せず)が配置される。
ステータ2は、複数の互いに異なる相のコイル21を備えている。本実施形態においては、ステータ2は三相交流で駆動される回転電機1に用いられるステータとされている。よって、ステータ2は、複数のスロット12に分布巻きの形態で巻装されるU相、V相、及びW相の三相のコイル21(本発明における「第一相と第二相と第三相とで構成される3相のコイル」を備える。本実施形態では、スロット12のサイズとの関係においてコイル21の占積率を最大化させるべく、コイル21を構成する線状導体31の周方向幅W5はスロット内部14の周方向幅W3と略等しくなるように形成されている。より具体的には、線状導体31の周方向幅W5は、線状導体31を用いて形成されるコイル21が物理的にスロット内部14に挿入可能であるという前提条件の下で、スロット内部14の周方向幅W3と略等しい値に設定される。これにより、コイル21の占積率を向上させることで回転電機1のエネルギ効率の向上が図られている。上記のとおり、本実施形態においては、ステータコア11が有するスロット12はセミオープンスロットとなっており、内周開口部13の周方向幅W1はスロット内部14の周方向幅W3よりも狭い。したがって、スロット内部14の周方向幅W3と略等しい周方向幅を有する線状導体31の周方向幅W5は、スロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも広く形成されることになる。そこで、本実施形態においては、各コイル21における屈曲コイルエンド部24の径方向導体部25は、その周方向幅W7がスロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも狭い幅狭凹部32を備えた構成とされている。詳細については後述する。
2.1 コイルの構成
次に、各相のコイル21(21u、21v、21w)について説明する。
図4はステータコアに巻装されるU相のコイルを示す斜視図であり、図5はステータコアに巻装されるV相のコイルを示す斜視図であり、図6はステータコアに巻装されるW相のコイルを示す斜視図である。図7はステータコアに3相のコイルを巻装して得られるステータを屈曲コイルエンド部側から見た平面図である。図8は、図7のVIII−VIII断面(ステータの周方向断面)を模式的に示す図であり、図9は、図7のIX−IX断面図(ステータの径方向断面図)である。なお、上述したように、ここではコイル21の構成を説明することが目的であるので、相間絶縁シートは図示していない。
先ず、図4〜図6を参照して、各相のコイル21の形状について説明する。その後、図7〜図9を参照して、屈曲コイルエンド部の構造について説明する。
図4はU相コイル21uであり、図5はV相コイル21vであり、図6はW相コイル21wである。本実施形態において、各相のコイル21(21u、21v、21w)は、図4〜図6に示すように、全体として略円筒状の波型形状に形成されている。各相のコイル21は、スロット12内に配置されるコイル辺部22と、異なるスロット12内に配置される一対のコイル辺部22間をステータコア11の軸方向Lの両端部において接続するコイルエンド部23と、を備えている。コイル辺部22は、それぞれスロット内部14の形状に対応して軸方向Lに沿って延びるように直線状に形成されている。コイルエンド部23は、それぞれ異なるスロット12に配置される一対のコイル辺部22の間を接続して周方向Cに沿って延びるように形成されている。各コイルエンド部23は、図2に示すように、ステータコア11の軸方向Lの両端部からステータコア11の軸方向L1、L2にそれぞれ突出して配置されている。そして、図4〜図6に示すように、コイル21は、軸方向Lに延びて複数のスロット12内に順次配置される各コイル辺部22を、軸方向一端側:L2側のコイルエンド部23と軸方向他端側:L1側のコイルエンド部23(屈曲コイルエンド部24)とで交互に接続して、ステータコア11の周方向Cを巡回する波形に形成されている。このように、各相のコイル21は、各コイル辺部22がそれぞれ対応するスロット12内に配置された状態で、ステータコア11に波巻で巻装される形状となるように予め形成されている。
また、本実施形態においては、コイル21は、同じスロット12内に配置される2本のコイル辺部22を一組として形成されている。2本一組のコイル辺部22は、連続する一本の線状導体31を、ステータコア11の周方向Cに二巡回させて形成されている。また、同相のコイル21を構成する2本一組のコイル辺部22の二組が、互いに隣接するスロット12内に配置されるように周方向Cに並列して配置されている。二組のコイル辺部22は、コイルエンド部23の所定位置で連続するように接続されている。したがって、図4〜図6に示されるコイル21は、連続する一本の線状導体31を、ステータコア11の周方向Cを四巡回させて形成されている。本実施形態においては、図4〜図6に示される形状と略同様の形状を有するコイル21が、同じスロット12内に径方向Rに隣接して三組配置される。したがって、隣接する2つのスロット12のそれぞれについて、6本のコイル辺部22がスロット12内において径方向Rに並んで、一列に整列して配置される。
図3(b)に示すように、ステータコア11には、互いに隣接する2つのU相スロット12uと、互いに隣接する2つのV相スロット12vと、互いに隣接する2つのW相スロット12wとが、順次繰り返して形成されている。そして、図4〜図6に示される形状のU相コイル21u、V相コイル21v、及びW相コイル21wの各コイル辺部22が、周方向Cに二スロット分ずつ順次ずれながら、それぞれU相スロット12u、V相スロット12v、及びW相スロット12wに配置される。
2.2 屈曲コイルエンド部の構成
次に、図7〜図9を参照して、屈曲コイルエンド部の構成について説明する。
各相のコイル21のうち、ステータコア11から軸方向Lに突出する少なくとも軸方向他端側:L1側のコイルエンド部23は、径方向内方側:R1側へ屈曲形成されているとともに異なる相のコイルエンド部が軸方向及び周方向に整列配置されてなる屈曲コイルエンド部24とされている。屈曲コイルエンド部24は、図9に示すように、屈曲部34においてコイル辺部22に対して略直角に径方向内方側:R1側へ屈曲している。屈曲コイルエンド部24を構成する各相のコイルエンド部23は、図3(b)、図7及び図9などに示すように、各スロット12内に配置されているコイル辺部22から屈曲されて径方向Rに延びる径方向導体部25と、内周開口部13よりも径方向内方側:R1側で一対の径方向導体部25間を接続するように周方向Cに延びる周方向導体部26とを備える。
径方向導体部25を構成する線状導体31は、コイル辺部22からステータコア11の軸方向Lに延出した後、径方向内方側:R1側に屈曲されるように形成されている。上記のとおり、コイル辺部22を構成する6本の線状導体31は、スロット12内において径方向Rに一列に整列して配置されているので、径方向導体部25では、6本の線状導体31は、一列に並んだ状態を保ちながら、軸方向Lに略平行な状態から径方向内方側:R1側に屈曲され、径方向Rに略平行な状態になるように整列配置されている。これにより、径方向導体部25は軸方向Lに順に並べて配置された構成となっている。また、径方向導体部25は、少なくともステータコア11の内周面よりも径方向Rの内側に延出している。なお、本実施形態では、屈曲コイルエンド部24を構成する線状導体31のうち、コイル辺部22と周方向Cの位置が同じ部分を径方向導体部25としている。
周方向導体部26を構成する線状導体31は、一方のスロット12に対応する径方向導体部25から他方のスロット12に対応する径方向導体部25へ向かって周方向Cに屈曲しながら延出された後、径方向外方側:R2側に屈曲されて他方のスロット12に対応する径方向導体部25につながるように形成されている。上記のとおり、径方向導体部25は少なくともステータコア11の内周面よりも径方向Rの内側に延出しているので、周方向導体部26はステータコア11の内周面よりも径方向Rの内側に配置される。
図8に示すように、屈曲コイルエンド部24は、U相、V相及びW相のコイルエンド部23を一組として構成され、複数組(本実施形態では三組)の屈曲コイルエンド部24が軸方向Lに並んで配置される。具体的には、図8の上から1層目及び2層目のU相、V相及びW相のコイルエンド部23によって一組の屈曲コイルエンド部24が構成される。また、3層目及び4層目のU相、V相及びW相のコイルエンド部23によって別の一組の屈曲コイルエンド部24が構成される。更に、5層目及び6層目のU相、V相及びW相のコイルエンド部23によって更に別の一組の屈曲コイルエンド部24が構成される。
図9に示すように、スロット12内において径方向Rに一列に整列配置されている6本の線状導体31のうち、径方向外方側:R2側に配置されている2本の線状導体31が、屈曲コイルエンド部24の周方向導体部26として径方向Rに2列に整列して配置されている。また、周方向に隣接する同じ相の2つのスロット12に着目すると、そのそれぞれにおいて径方向外方側:R2側に配置されている2本の線状導体31を併せて計4本の線状導体31が、周方向導体部26として径方向Rに4列に整列して配置されている。この径方向外方側:R2側に配置されている計4本の線状導体31により構成されるのが、図8の上から1層目及び2層目のU相、V相及びW相のコイルエンド部23によって構成される一組の屈曲コイルエンド部24である。
また、スロット12内において径方向Rに一列に整列配置されている6本の線状導体31のうち、径方向内方側:R1側に配置されている2本の線状導体31が、屈曲コイルエンド部24の周方向導体部26として径方向Rに2列に整列して配置されている。また、周方向に隣接する同じ相の2つのスロット12に着目すると、そのそれぞれにおいて径方向内方側:R1側に配置されている2本の線状導体31を併せて計4本の線状導体31が、周方向導体部26として径方向Rに4列に整列して配置されている。この径方向内方側:R1側に配置されている計4本の線状導体31により構成されるのが、図8の上から5層目及び6層目のU相、V相及びW相のコイルエンド部23によって構成される一組の屈曲コイルエンド部24である。
更に、スロット12内において径方向Rに一列に整列配置されている6本の線状導体31のうち、残余の2本の線状導体31が、屈曲コイルエンド部24の周方向導体部26として径方向Rに2列に整列して配置されている。また、周方向に隣接する同じ相の2つのスロット12に着目すると、そのそれぞれにおける残余の2本の線状導体31を併せて計4本の線状導体31が、周方向導体部26として径方向Rに4列に整列して配置されている。この計4本の線状導体31により構成されるのが、図8の上から3層目及び4層目のU相、V相及びW相のコイルエンド部23によって構成される一組の屈曲コイルエンド部24である。
2.2(1) V相コイルの屈曲コイルエンド部
図5及び図8に示すように、一組の屈曲コイルエンド部24に着目すると、V相コイル21vの屈曲コイルエンド部24は、線状導体31が軸方向外方側:L1側で周方向及び径方向に隣接して整列している外方側部分26aと、線状導体31が軸方向内方側:L2側で周方向及び径方向に隣接して整列している内方側部分26bと、外方側部分26a及び内方側部分26bの間の段差部26cとを有する。
具体的には、V相の屈曲コイルエンド部24における周方向導体部26は、周方向Cにおける中間部分において軸方向Lに屈曲した段差部26cを有する。また、周方向導体部26は、段差部26cよりも周方向一方側:C1側であって軸方向内方側:L2側に位置する内方側部分26bと、段差部26cよりも周方向他方側:C2側であって軸方向外方側:L1側に位置する外方側部分26aとを有する。つまり、図5及び図8に示したように、V相の屈曲コイルエンド部24における周方向導体部26の外方側部分26aでは、4本の線状導体31が軸方向外方側:L1側で整列し、内方側部分26bでは、4本の線状導体31が軸方向内方側:L2側で整列する。
更に説明すると、スロット12の径方向外方側:R2側にあったV相コイル21vの2本の線状導体31は屈曲部34において屈曲されたときには軸方向外方側:L1側に位置し、スロット12の径方向内方側:R1側にあったV相コイル21vの別の2本の線状導体31は屈曲部34において屈曲されたときには軸方向内方側:L2側に位置する。そして、周方向導体部26の外方側部分26aでは、軸方向内方側:L2側に位置する2本の線状導体31が、軸方向外方側:L1側の2本の線状導体31に対して周方向C及び径方向Rに隣接して整列するように、外周側軸方向段差部27を形成しながら軸方向外方側:L1側へ屈曲される。また、周方向導体部26の内方側部分26bでは、軸方向外方側:L1側に位置する2本の線状導体31が、軸方向内方側:L2側の2本の線状導体31に対して周方向C及び径方向Rに隣接して整列するように、外周側軸方向段差部27を形成しながら軸方向内方側:L2側へ屈曲される。
2.2(2) U相コイルの屈曲コイルエンド部
図4及び図8に示すように、U相の屈曲コイルエンド部24における周方向導体部26では、4本の線状導体31が軸方向外方側:L1側で整列する。具体的には、U相の屈曲コイルエンド部24は、V相の屈曲コイルエンド部24の内方側部分26bに対して軸方向外方側:L1側に隣接し、且つ、V相の屈曲コイルエンド部24の外方側部分26aに対して周方向Cに隣接して配置されている。
具体的には、スロット12の径方向外方側:R2側にあったU相コイル21uの2本の線状導体31は屈曲部34において屈曲されたときには軸方向外方側:L1側に位置し、スロット12の径方向内方側:R1側にあったU相コイル21uの別の2本の線状導体31は屈曲部34において屈曲されたときには軸方向内方側:L2側に位置する。そして、屈曲コイルエンド部24では、軸方向内方側:L2側に位置する2本の線状導体31が、軸方向外方側:L1側の2本の線状導体31に対して周方向C及び径方向Rに隣接して整列するように、外周側軸方向段差部27を形成しながら軸方向外方側:L1側へ屈曲される。
2.2(3) W相コイルの屈曲コイルエンド部
図6及び図8に示すように、W相のコイルエンド部23における周方向導体部26では、4本の線状導体31が軸方向内方側:L2側で整列する。具体的には、W相の屈曲コイルエンド部24は、V相の屈曲コイルエンド部24の外方側部分26aに対して軸方向内方側:L2側に隣接し、且つ、V相の屈曲コイルエンド部24の内方側部分26bに対して周方向に隣接して配置されている。
具体的には、スロット12の径方向外方側:R2側にあったW相コイル21wの2本の線状導体31は屈曲部34において屈曲されたときには軸方向外方側:L1側に位置し、スロット12の径方向内方側:R1側にあったW相コイル21wの別の2本の線状導体31は屈曲部34において屈曲されたときには軸方向内方側:L2側に位置する。そして、屈曲コイルエンド部24では、軸方向外方側:L1側に位置する2本の線状導体31が、軸方向内方側:L2側の2本の線状導体31に対して周方向C及び径方向Rに隣接して整列するように、外周側軸方向段差部27を形成しながら軸方向外方側:L1側へ屈曲される。
2.3 径方向導体部の構成
次に、各コイル21における屈曲コイルエンド部24の径方向導体部25の構成について説明する。図3(b)及び図4に示すように、径方向導体部25は、その周方向幅W7がスロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも狭い幅狭凹部32を備えている。幅狭凹部32は、径方向導体部25におけるスロット12の内周開口部13に対応する径方向Rの特定部位に設けられている。なお、径方向導体部25における幅狭凹部32以外の部分の周方向幅は、コイル21を構成する線状導体31の周方向幅W5に等しく、したがってスロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも広く形成されている。つまり、径方向導体部25には、スロット12の内周開口部13に対応する径方向Rの特定部位に、径方向導体部25の当該位置以外の部分に対して窪んだ形状の幅狭凹部32が形成されている。
この幅狭凹部32は、軸方向Lから見たときに、その外形が、ステータコア11のティース15の径方向内方側:R1側の端部に設けられた突出部16の外形に対応するように形成されている。すなわち、径方向導体部25には、スロット12の内周開口部13に対応する特定部位付近のみを窪ませて幅狭凹部32が形成されている。この際、幅狭凹部32の周方向幅W7は、スロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも狭くなるように形成されている。このようにして、径方向導体部25におけるスロット12の内周開口部13に対応する特定部位にのみ、周方向幅W7が内周開口部13の周方向幅W7よりも狭い幅狭凹部32が形成されている。なお、径方向導体部25の所定位置のみを幅狭凹部32としているため、コイル21の加工部位が内周開口部13に対応する特定部位のみとなり、加工が容易となる。
このように、径方向導体部25が、スロット12の内周開口部13に対応する特定部位に、突出部16の外形に対応する形状の幅狭凹部32を備えているため、ステータコア11のティース15の径方向内方側:R1側の端部に設けられた突出部16と、コイル21を構成する線状導体31とは、軸方向Lから見たときに重複部分がない構成となる。したがって、本実施形態のように、セミオープンスロット型のステータコア11と、ステータコア11のスロット内部14の周方向幅W3と略等しい周方向幅W5を有する線状導体31で構成したコイル21とを用いてステータ2を構成する場合であっても、幅狭凹部32をステータコア11が有するスロット12の内周開口部13を通過させることで、スロット12に対して、コイル21を屈曲コイルエンド部24の側から軸方向Lに挿入することが可能となっている。
ここで、本実施形態においては、幅狭凹部32は、径方向導体部25のうち径方向Rに延びる部分を周方向Cに圧縮し且つ軸方向Lに伸展して形成された伸展突起部33とされている。径方向導体部25は、図7及び図9に示すように、伸展突起部33において周方向Cに圧縮されるとともに軸方向Lに伸展されている。伸展突起部33は、軸方向Lに並べて配置されている。本実施形態においては、伸展突起部33は、その径方向Rの全体に亘って、当該伸展突起部33におけるコイル21の通電方向に直交する断面の断面積が、伸展突起部33以外の部位における断面の断面積と略等しくなるように、周方向Cに圧縮されつつ軸方向Lに伸展されている。これにより、コイル21全体に亘って通電方向に直交する断面の断面積が略一定に保たれるので、伸展突起部33における電気抵抗値を、伸展突起部33以外の部位における電気抵抗値と略等しくすることができる。したがって、伸展突起部33において局所的に発熱量が増大する等の不都合が生じるのを抑制することができる。
また、伸展突起部33が軸方向Lに伸展されて形成されるとともに、伸展突起部33のうち軸方向Lに伸展した部分が軸方向Lに並べて配置されることにより、図9に示すように、当該伸展突起部33のうち軸方向Lに伸展した部分どうしが軸方向Lに当接して相互に斥け合う。その結果、図4〜図6及び図9を参照して理解できるように、屈曲コイルエンド部24の伸展突起部33以外の部位においては、特にスペーサ等を設けなくても軸方向Lに隣接する線状導体31間の軸方向間隔Dが大きくなる。これにより、例えば屈曲コイルエンド部24を冷却するために線状導体31間に冷媒を流す場合には、当該冷媒が線状導体31間を流れやすくなって熱交換効率が高まるため、冷却効率が向上する。
3. ステータの組み立て方法
図10は、ステータコアに各相のコイルを挿入する工程を説明する斜視図である。図示するように、径方向導体部25における幅狭凹部32としての伸展突起部33と、ステータコア11が有するスロット12の内周開口部13とを対応させた状態で、コイル21を屈曲コイルエンド部24の側からスロット12内に軸方向Lに挿入する。
具体的には、各相のコイル21は、各コイル辺部22がそれぞれ対応するスロット12内に配置可能な波巻形状となるように予め形成されている。このように、各相のコイル21を所定形状に予め形成しておくことで、コイル21をスロット12に軸方向Lに容易に挿入することができる。このとき、本実施形態においては、図10に示すように、U相、V相、及びW相の各コイル21を組み合わせて一つのユニットを形成し、各コイル辺部22がそれぞれ対応するスロット12に配置されるように位置合わせした状態で、当該ユニットを一体的にスロット12内に挿入する。
4. 相間絶縁シートの構成
図11は相間絶縁シートの斜視図である。具体的には、図11(a)は相間絶縁シート40Aの斜視図であり、図11(b)は相間絶縁シート50の斜視図である。図12は相間絶縁シート40Aの屈曲状態を説明する平面図である。図13は、各相のコイル間に相間絶縁シートが設けられた状態を模式的に示すステータの周方向断面図であり、図14は、各相のコイル間に相間絶縁シートが設けられた状態を示すステータの径方向断面図である。
図11(a)に示す相間絶縁シート40Aは、屈曲コイルエンド部24のうち、U相及びW相のコイルエンド部23を相間絶縁の対象とする対象相コイルエンド部とした場合に用いるものである。つまり、相間絶縁シート40Aは、一組の屈曲コイルエンド部24の内部において、対象相コイルエンド部としてのU相及びW相のコイルエンド部23(屈曲コイルエンド部24)に装着される。相間絶縁シート40Aの材料としては樹脂シートや紙材など、例えばアラミド繊維とポリエチレンテレフタラートを貼り合わせたもの等の電気的絶縁性及び耐熱性の高い材料で形成したシート等を用いることができる。
相間絶縁シート40Aは、円環状シート部材Sを複数箇所で屈曲成形したものであり、周方向に沿って所定間隔で配置された複数の絶縁部41と周方向Cに隣接する2つの絶縁部41の間を連結する連結部42とを備える。絶縁部41は、対象相コイルエンド部としてのU相及びW相のコイルエンド部23に軸方向Lから対面するように配置された平面絶縁部41aと、その平面絶縁部41aの周方向両端縁を軸方向Lに屈曲して形成された側面絶縁部41bとを有する。
図12には相間絶縁シート40Aの屈曲形態を例示する。具体的には、図12(a)に示す場合、連結部42と側面絶縁部41bとの間は円環状シート部材Sの中心点から放射状に延びる第1線B1上で屈曲され、側面絶縁部41bと平面絶縁部41aとの間は上記第1線B1に平行な第2線B2上で屈曲される。このように屈曲させることで、第1線B1と第2線との間隔、即ち、図11(a)に示した相間絶縁シート40Aの軸方向Lの高さが径方向Rの全体で一定となる。なお、図12(b)に示すように、連結部42と側面絶縁部41bとの間を円環状シート部材Sの中心点から放射状に延びる第1線B1上で屈曲させ、側面絶縁部41bと平面絶縁部41aとの間を円環状シート部材Sの中心点から放射状に延びる第3線B3上で屈曲させてもよい。
図13に示すように、対象相コイルエンド部としてのU相のコイルエンド部23に相間絶縁シート40Aを装着した場合、周方向Cに沿って所定間隔で配置されたU相のコイルエンド部23と、そのU相のコイルエンド部23に対して軸方向Lに隣接するV相及びW相のコイルエンド部23との間の相間絶縁を確保できる。具体的には、平面絶縁部41aは、U相のコイルエンド部23における、V相のコイルエンド部23及びW相のコイルエンド部23(本発明における「異なる相のコイルエンド部」)と軸方向Lに対向する部分を覆う。
側面絶縁部41bは、U相のコイルエンド部23における、V相のコイルエンド部23のコイルエンド部23と周方向に対向する部分の少なくとも一部を覆う形状であればよい。つまり、側面絶縁部41bが、U相のコイルエンド部23における、V相のコイルエンド部23と周方向Cに対面する部分の少なくとも一部を覆うので、U相のコイルエンド部23が側面絶縁部41bによって周方向Cから挟まれる。それにより、U相のコイルエンド部23に対する絶縁部41(即ち、平面絶縁部41a及び側面絶縁部41b)の周方向Cへの相対移動が阻止される。但し、本実施形態において、側面絶縁部41bは、U相のコイルエンド部(対象コイルエンド部)の周方向Cの側部の全体を覆うことのできる大きさである。それにより、U相のコイルエンド部23の周方向Cの側部での相間絶縁を確実に行える。
以上のように、U相のコイルエンド部23を対象相コイルエンド部とする場合には、平面絶縁部41aがU相のコイルエンド部23の軸方向内方側:L2側を覆い、側面絶縁部41bがU相のコイルエンド部23の周方向Cの側部の少なくとも一部分を覆い、及び、連結部42がV相のコイルエンド部23の外方側部分26aの軸方向外方側:L1側を通るように配置される。その結果、U相のコイルエンド部23と、それに軸方向Lに隣接する異なる相(V相及びW相)のコイルエンド部23との絶縁が確実にされる。
W相のコイルエンド部23を対象相コイルエンド部とした場合も同様であり、平面絶縁部41aがW相のコイルエンド部23の軸方向外方側:L1側を覆い、側面絶縁部41bがW相のコイルエンド部23の周方向Cの側部の少なくとも一部分を覆い、及び、連結部42がV相のコイルエンド部23の内方側部分26bの軸方向内方側:L2側を通るように配置される。その結果、W相のコイルエンド部23と、それに軸方向に隣接する異なる相(U相及びV相)のコイルエンド部23との絶縁が確実にされる。
図11(b)に示す相間絶縁シート50は、屈曲コイルエンド部24の各組の間に設けられる。上述したように、径方向導体部25における径方向Rの特定部位には、軸方向Lに伸展した伸展突起部33を、複数組の屈曲コイルエンド部24を構成する複数のコイルエンド部23の間で軸方向Lに整列して形成してある。相間絶縁シート50は、外周縁の径がステータコア11の内周面の径よりも小径とされている環状部51と、その環状部51から部分的に径方向外方側:R2に突出して伸展突起部33の組によって挟まれる少なくとも一つの突出部52とを有する。そして、図14に示すように、相間絶縁シート50の突出部52は、軸方向Lに隣接する伸展突起部33の組によって挟持される。相間絶縁シート50の材料としては樹脂シートや紙材など、例えばアラミド繊維とポリエチレンテレフタラートを貼り合わせたもの等の電気的絶縁性及び耐熱性の高い材料で形成したシート等を用いることができる。
相間絶縁シート40A及び相間絶縁シート50は何れも、外周縁の径がステータコア11の内周面の径よりも小径とされている。よって、各相のコイル21が屈曲コイルエンド部24を先頭にしてスロット12に対して軸方向Lに挿入されて巻装されるとき、相間絶縁シート40A、50は、各コイル相間に挿入された状態でステータコア11の内部空間を通過可能になる。
また、図14に示すように、対象相コイルエンド部としてのU相及びW相の屈曲コイルエンド部24(コイルエンド部23)は、径方向外方側:R2側の部分の周方向全域にわたって軸方向の段差を有する外周側軸方向段差部27を備えている。そして、平面絶縁部41aの径方向外方側:R2側の部分が、対象相コイルエンド部の外周側軸方向段差部27を覆うように配置される。
図15〜図18は、各相のコイル間における相間絶縁シートの配置状態を説明する斜視図である。なお、図15〜図18は、各相のコイル21及び相間絶縁シート40A、50がどのような位置関係で配置されているのかを理解し易いように描いたものであり、各相のコイルの配置形態は実際とは異なり、一部の線状導体を省略している。
図15には、一組の屈曲コイルエンド部24の軸方向外方側:L1側に相間絶縁シート50が配置された状態を示し、図16には、その相間絶縁シート50の軸方向外方側:L1側にW相コイル21wが配置された状態を示す。図示するように、相間絶縁シート50の突出部52は、伸展突起部33によって軸方向Lから挟まれている。その結果、相間絶縁シート50の位置ずれは防止される。
図17は、W相コイル21wのコイルエンド部23を対象相コイルエンド部として、相間絶縁シート40Aを配置した状態を示す。図17に示すように、対象相コイルエンド部としてのW相のコイルエンド部23が側面絶縁部41bによって周方向Cから挟まれるので、W相のコイルエンド部23に対する絶縁部41の周方向Cへの相対移動が阻止される。また、W相のコイルエンド部23は径方向Rには絶縁部41によって挟まれていないが、複数の絶縁部41は連結部42により連結されているので、複数の絶縁部41は一体として同じ方向に移動することしか許容されない。よって、各絶縁部41が径方向Rに移動することはできず、W相のコイルエンド部23に対する相間絶縁シート40Aの径方向Rへの相対移動も阻止される。
更に、予め、絶縁部41の形状が、W相のコイルエンド部23の軸方向Lの1面と周方向Cの2面とを覆う形状に成形されているので、相間絶縁シート40Aを屈曲コイルエンド部24に装着するときの位置合わせが容易になり且つ安定した状態で装着できる。
また、図18に示すように、W相のコイルエンド部23を対象相コイルエンド部とする相間絶縁シート40Aの軸方向外方側:L1側にはV相のコイルエンド部23が配置される。その後、U相のコイルエンド部23が配置されるが、その際には、U相のコイルエンド部23を対象相コイルエンド部とする相間絶縁シート40Aが図13に示したように配置される。
以上のように、本発明に係る相間絶縁シート40Aを用いることで、軸方向Lに対面して隣接する上記対象相コイルエンド部23と上記異なる相のコイルエンド部23との絶縁が確実になる。また、側面絶縁部41bが、対象相コイルエンド部23における、異なる相のコイルエンド部23と周方向Cに対面する部分の少なくとも一部を覆うので、対象相コイルエンド部23が側面絶縁部41bによって周方向Cから挟まれる。それにより、対象相コイルエンド部23に対する絶縁部41(即ち、平面絶縁部41a及び側面絶縁部41b)の周方向Cへの相対移動が阻止される。ここで、一つの対象相コイルエンド部23に装着される絶縁部41のみについて考えた場合、その絶縁部41は対象相コイルエンド部23に対して径方向Rへは相対移動する可能性がある。つまり、複数の絶縁部41が互いに連結されていなければ、各絶縁部41は径方向Rに移動する可能性がある。ところが、本発明によれば、各絶縁部41は連結部42により互いに連結されて一体として同じ方向に移動することしか許容されないため、各絶縁部41が径方向Rに移動することはできない。よって、対象相コイルエンド部23に対する相間絶縁シート40Aの径方向Rへの相対移動も阻止される。
更に本発明によれば、予め、絶縁部41の形状が、対象相コイルエンド部23の軸方向Lの1面と周方向Cの2面とを覆う形状に成形されている。よって、相間絶縁シート40Aを屈曲コイルエンド部24に装着するときの位置合わせが容易になり且つ安定した状態で装着できる。加えて、相間絶縁シート40Aは屈曲コイルエンド部24を径方向Rから覆わないので、屈曲コイルエンド部24を冷却するための冷媒が径方向Rから通り易くなる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態においては、相間絶縁シート40Aの形状を例示したが、その形状を適宜改変してもよい。図19〜図24は、別実施形態の相間絶縁シートの斜視図である。
図19に示すように、相間絶縁シート40Bの外周縁には、部分的に径方向外方側:R2側に突出する突部43が設けられている。この突部43の周方向Cの長さは、スロット12の径方向内方側:R1側に開口する内周開口部13(図3を参照)の周方向幅W1と同程度とされている。よって、各相のコイル21が屈曲コイルエンド部24を先頭にしてスロット12に対して軸方向Lに挿入されて巻装されるとき、突部43はスロット12の内部を通過可能である。したがって、相間絶縁シート40Bは、突部43以外の部分の外周縁の径がステータコア11の内周面の径よりも小径であればよい。
図20は、相間絶縁シート40Cが、互いに同一形状又は異なる形状の複数の円弧帯状部材46を、接続部44において周方向Cに接続して円環状にするとともに複数箇所で屈曲成形してなる場合の例である。接続部44における複数の円弧帯状部材46どうしの接続は、円弧帯状部材46が紙材の場合には適当な接着剤による接着を行えばよく、円弧帯状部材46が樹脂材料の場合には適当な接着剤による接着又は溶着などを行えばよい。
相間絶縁シート40Cを複数の円弧帯状部材46で形成することで、一部の部材に形状不良などの不具合が生じてもその不具合のある部材のみが使用不能な部材となり、他の部材は別の部材と組み合わせて使用できる。よって、相間絶縁シート40C全体としての歩留まりを向上させることができる。なお、図20では、相間絶縁シート40Cが連結部42の部分で分割された形態の円弧帯状部材46を示しているが、相間絶縁シート40Cが平面絶縁部41aの部分で分割された形態に変更してもよい。
図21は、相間絶縁シート40Dが、外周縁の径を小径化可能な伸縮部Tを有する場合の例である。具体的には、図21に示した伸縮部Tは、連結部42を波形に複数回折り曲げ形成した折曲部45によって構成される。つまり、折曲部45が周方向Cに折り畳まれた場合には、相間絶縁シート40Dの外周縁の径は小径化する。一方で、折曲部45が周方向Cに引き伸ばされた場合には、相間絶縁シート40Dの外周縁の径は大径化する。相間絶縁シート40Dの実際の外周縁の径がステータコア11の内周面よりも大径であっても、各相のコイル21が屈曲コイルエンド部24を先頭にしてスロット12に対して軸方向Lに挿入されて巻装されるとき、相間絶縁シート40Dの見かけの外周縁の径が折曲部45(伸縮部T)によって小径化された状態でステータコア12の内部空間を通過可能になる。
また、上記伸縮部Tの例としては上述した折曲部45に限定されず、他の形態のものもある。例えば、図20に示した相間絶縁シート40Cにおいて、一つの接続部44の部分で円弧帯状部材46どうしが接続されないようにすれば、そこが伸縮部Tとなる。つまり、円弧帯状部材46どうしが接続されていない部分において周方向Cにおける円弧帯状部材46どうしの重なりを大きくすれば、相間絶縁シートの見かけの外周縁の径を小径化できる。
図22に示す相間絶縁シート40Eは、連結部42の形状が上述した相間絶縁シートと異なっている。具体的には、連結部42の径方向Rの長さが絶縁部41の径方向Rの長さよりも狭くなっている。この場合、絶縁部41を構成する円弧帯状部材と、連結部42を構成する円弧帯状部材とを別々に形成し、接続部44において両者を接続すればよい。つまり、相間絶縁シート40Eは、互いに異なる形状の複数の円弧帯状部材41、42を、接続部44において周方向Cに接続して円環状にするとともに複数箇所で屈曲成形してなる。このように構成することで、連結部42を形成するための材料を少なくできる。
また、図22では、連結部42が絶縁部41の径方向外方側:R2側の端部に接続されているが、図23の相間絶縁シート40Fのように、連結部42を絶縁部41の径方向中間部分に接続してもよい。或いは、連結部42を絶縁部41の径方向内方側:R1側の端部などの他の部分に接続してもよい。
また、図24に示すように、側面絶縁部41bの径方向Rの長さを短くして、側面絶縁部41bが対象相コイルエンド部の周方向Cの側部の一部のみを覆うように構成してもよい。図24に示す相間絶縁シート40Gの例では、側面絶縁部41bの径方向の長さは、図22及び図23のように幅狭に形成された連結部42の径方向Rの長さと同程度に形成されている。
(2)上記の実施形態においては、幅狭凹部32を、コイル21の通電方向に直交する断面の断面積が伸展突起部33以外の部位における断面の断面積と略等しくなるように、周方向Cに圧縮されつつ軸方向Lに伸展されて形成された伸展突起部33とした場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、周方向Cに圧縮されつつ軸方向Lに伸展させて伸展突起部33を形成する場合において、コイル21の通電方向に直交する断面の断面積が伸展突起部33以外の部位における断面の断面積とは異なるように形成された伸展突起部33としての幅狭凹部32を構成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(3)上記の実施形態においては、線状導体31は、その断面が略矩形状の単一の角型導線により構成されており、その周方向幅W5がスロット内部14の周方向幅W3と略等しくなるように形成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、セミオープンスロットを採用する場合、線状導体31の周方向幅W5は、スロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも広ければ良く、内周開口部13の周方向幅W1からスロット内部14の周方向幅W3までの間で任意に設定することができる。また、線状導体31の断面形状についても特に限定されず、例えば丸型、多角形型等、種々の形状を採用することができる。また、その周方向幅W5が内周開口部13の周方向幅W1よりも広く形成されたものであれば、線状導体31として、複数本の導体があたかも一本の導体であるかのように集合されて構成される、集合体からなる導体を用いることもできる。例えば、複数本の導体が縒り集まって一体的に形成される縒線導体等を用いることも可能である。
(4)上記の実施形態においては、スロット12がセミオープンスロット(径方向内方側に開口する内周開口部13の周方向幅W1がスロット内部14の周方向幅W3よりも狭く形成されているスロット)の場合について説明したが、スロット12をオープンスロット(径方向内側に開口する内周開口部13の周方向幅W1がスロット内部14の周方向幅W1と同等以上に形成されているスロット)としてもよい。
(5)上記の実施形態においては、ステータ2が三相交流で駆動される回転電機1に用いられるステータとされている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、ステータ2が二相或いは四相以上の交流電源で駆動される回転電機1に用いられる構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(6)上記の実施形態においては、図4〜図6に示されるような形状を有するコイル21を同じスロット12内に径方向Rに隣接して三組配置し、一スロット当たり6本のコイル辺部22が径方向Rに一列に整列してスロット12内に配置される場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、径方向Rに一列に整列して配置される一スロット12当たりのコイル辺部22の本数は適宜変更することが可能である。また、図4〜図6に示される、予め予備形成されるコイル21の形状はあくまで一例であり、種々の形状を採用することができる。
(7)上記の実施形態においては、本発明に係る回転電機用電機子を回転電機1の固定子としてのステータ2に適用し、回転電機1を、電機子としてのステータ2を備えたインナーロータ型の回転電機とした場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば本発明に係る回転電機用電機子を回転電機1の回転子に適用し、回転電機1を、電機子としての回転子を備えたアウターロータ型の回転電機とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
本発明は、回転電機用電機子が備える複数相のコイル間の相間絶縁を確保するための相間絶縁シートに好適に利用することができる。
1 回転電機
2 ステータ(回転電機用電機子)
11 ステータコア(コア)
12 スロット
13 内周開口部
21 コイル
21u U相コイル(第一相のコイル)
21v V相コイル(第二相のコイル)
21w W相コイル(第三相のコイル)
22 コイル辺部
23 コイルエンド部
24 屈曲コイルエンド部
25 径方向導体部
26 周方向導体部
33 伸展突起部
40A〜40F 相間絶縁シート
41 絶縁部
41a 平面絶縁部
41b 側面絶縁部
42 連結部
43 突部
45 折曲部(伸縮部T)
46 円弧帯状部材
L 軸方向
R 径方向
C 周方向
S 円環状シート部材

Claims (9)

  1. コイルエンド部が予め予備成型された複数相のコイルを軸方向に沿ってコアに挿入して構成される回転電機用電機子が備える複数相のコイル間の相間絶縁を確保するための相間絶縁シートであって、
    略円筒状の前記コアに巻装される前記コイルにおける前記コアから軸方向に突出する少なくとも一方の端部が、径方向内方側へ屈曲形成されているとともに異なる相の前記コイルエンド部が軸方向及び周方向に整列配置されてなる屈曲コイルエンド部とされている回転電機用電機子の前記屈曲コイルエンド部に装着され、
    前記複数相の内の一つの相の前記コイルエンド部を対象相コイルエンド部として、周方向に沿って所定間隔で配置された前記対象相コイルエンド部と隣接する異なる相の前記コイルエンド部との間の相間絶縁を確保すべく、周方向に沿って所定間隔で配置された複数の絶縁部と周方向に隣接する2つの絶縁部間を連結する連結部とを備え、
    前記絶縁部は、前記対象相コイルエンド部に軸方向から対面するように配置された平面絶縁部と、当該平面絶縁部の周方向両端縁を軸方向に屈曲して形成された側面絶縁部と、を有し、
    前記平面絶縁部は、前記対象相コイルエンド部における異なる相の前記コイルエンド部と軸方向に対向する部分を覆い、
    前記側面絶縁部は、前記対象相コイルエンド部における異なる相の前記コイルエンド部と周方向に対向する部分の少なくとも一部を覆う、相間絶縁シート。
  2. 前記回転電機用電機子は、軸方向に延びる複数のスロットが周方向に分散配置されるとともに各スロットが径方向内方側に開口する内周開口部を有して構成された前記コアと、前記複数のスロットに分布巻きの形態で巻装される第一相と第二相と第三相とで構成される3相のコイルとを備え、
    前記屈曲コイルエンド部を構成する各相のコイルエンド部は、前記各スロット内に配置されているコイル辺部から屈曲されて径方向に延びる径方向導体部と、前記内周開口部よりも径方向内方側で一対の前記径方向導体部間を接続するように周方向に延びる周方向導体部とを備え、
    前記第二相の前記コイルエンド部の前記周方向導体部は、周方向における中間部分において軸方向に段差部を有するとともに、前記段差部よりも周方向一方側であって軸方向内方側に位置する内方側部分と前記段差部よりも周方向他方側であって軸方向外方側に位置する外方側部分とを有し、
    前記第一相の前記コイルエンド部は、前記第二相のコイルエンド部の前記内方側部分に対して軸方向外方側に隣接し、且つ、前記第二相のコイルエンド部の前記外方側部分に対して周方向に隣接して配置してあり、
    前記第三相の前記コイルエンド部は、前記第二相のコイルエンド部の前記外方側部分に対して軸方向内方側に隣接し、且つ、前記第二相のコイルエンド部の前記内方側部分に対して周方向に隣接して配置してあり、
    前記第一相のコイルエンド部又は前記第三相のコイルエンド部を前記対象相コイルエンド部とする請求項1に記載の相間絶縁シート。
  3. 前記第一相のコイルエンド部を前記対象相コイルエンド部とする場合には、前記平面絶縁部が前記第一相のコイルエンド部の軸方向内方側を覆い、前記側面絶縁部が前記第一相のコイルエンド部の周方向側部の少なくとも一部分を覆い、及び、前記連結部が前記第二相のコイルエンド部の前記外方側部分の軸方向外方側を通るように配置され、
    前記第三相のコイルエンド部を前記対象相コイルエンド部とする場合には、前記平面絶縁部が前記第三相のコイルエンド部の軸方向外方側を覆い、前記側面絶縁部が前記第三相のコイルエンド部の周方向側部の少なくとも一部分を覆い、及び、前記連結部が前記第二相のコイルエンド部の前記内方側部分の軸方向内方側を通るように配置される請求項2に記載の相間絶縁シート。
  4. 前記側面絶縁部は、前記コイルエンド部の周方向側部の全体を覆うことのできる大きさである請求項1から3の何れか一項に記載の相間絶縁シート。
  5. 円環状シート部材を複数箇所で屈曲成形してなる請求項1から4の何れか一項に記載の相間絶縁シート。
  6. 互いに同一形状又は異なる形状の複数の円弧帯状部材を周方向に接続して円環状にするとともに複数箇所で屈曲成形してなる請求項1から4の何れか一項に記載の相間絶縁シート。
  7. 外周縁の径が前記コアの内周面の径よりも小径とされている請求項1から6の何れか一項に記載の相間絶縁シート。
  8. 前記コアは、軸方向に延びる複数のスロットが周方向に分散配置されるとともに各スロットが径方向内方側に開口する内周開口部を有して構成されており、
    外周縁における、前記各スロットの内周開口部に対応する位置に突部が設けられている請求項1から7の何れか一項に記載の相間絶縁シート。
  9. 外周縁の径が前記コアの内周面の径よりも大径とされるとともに、前記外周縁の径を小径化可能な伸縮部を有する請求項1から6の何れか一項に記載の相間絶縁シート。
JP2009084264A 2009-03-31 2009-03-31 相間絶縁シート Expired - Fee Related JP5392546B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009084264A JP5392546B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 相間絶縁シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009084264A JP5392546B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 相間絶縁シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010239737A JP2010239737A (ja) 2010-10-21
JP5392546B2 true JP5392546B2 (ja) 2014-01-22

Family

ID=43093585

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009084264A Expired - Fee Related JP5392546B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 相間絶縁シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5392546B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6149673B2 (ja) * 2013-10-08 2017-06-21 日産自動車株式会社 モータ用バスリングの製造方法
JP2018064421A (ja) * 2016-10-14 2018-04-19 トヨタ自動車株式会社 回転電機のステータ
JP7354548B2 (ja) * 2019-02-06 2023-10-03 株式会社アイシン 電機子の製造方法
JP7354714B2 (ja) * 2019-09-19 2023-10-03 株式会社デンソー 電機子及びその製造方法
JP6893274B1 (ja) * 2020-07-03 2021-06-23 Dmg森精機株式会社 モータ
CN116914971A (zh) * 2023-09-11 2023-10-20 苏州时代新安能源科技有限公司 电机定子、电机定子的制造方法以及电机

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5388101A (en) * 1977-01-11 1978-08-03 Shibaura Eng Works Ltd Stator for rotor and method of manufacture thereof
JPS58119739A (ja) * 1982-01-08 1983-07-16 Mitsubishi Electric Corp 回転電機の相間絶縁紙
JPS6022435A (ja) * 1983-07-19 1985-02-04 Mitsubishi Electric Corp 電動機の相間絶縁構造
JPH0681453B2 (ja) * 1983-09-16 1994-10-12 株式会社日立製作所 コイル成形装置
JP3928297B2 (ja) * 1999-03-26 2007-06-13 日産自動車株式会社 電動機及びその製造方法
CN1669201B (zh) * 2002-12-26 2010-04-14 三菱电机株式会社 旋转电机的定子及该定子线圈的制造方法
JP2009005464A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Toyota Motor Corp 多相分布巻回転電機の相間相内絶縁紙、相間相内絶縁紙を含む3相分布巻回転電機、相間相内絶縁紙を備える3相分布巻回転電機の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010239737A (ja) 2010-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6609373B2 (ja) 回転電機
WO2010087078A1 (ja) 回転電機用電機子及びその製造方法
JP5365862B2 (ja) 回転電機用電機子
JP5959726B2 (ja) 回転電機の固定子
JP6058146B2 (ja) 回転電機
JP2010239740A (ja) 回転電機用電機子
JP5392546B2 (ja) 相間絶縁シート
JP5948850B2 (ja) 回転電機の波巻き巻線
JP5267595B2 (ja) 回転電機ステータ
JP6044382B2 (ja) マルチギャップ型回転電機
JP2010239798A (ja) 回転電機用電機子
JP5583508B2 (ja) 回転電機
JP2011193600A (ja) 回転電機用電機子
JP5915151B2 (ja) モータコイル
JP2010239739A (ja) 相間絶縁シート
JP2022519096A (ja) アキシャルフラックス電気機械
JP2022136858A (ja) モータ
US20210265887A1 (en) Stator, electric rotating machine, and electric-powered vehicle
JP6089593B2 (ja) 3相回転電機の波巻き巻線
JP3864878B2 (ja) 高電圧回転電機
JP2012029444A (ja) 回転電機用電機子
JP2011182524A (ja) 回転電機用電機子
JP5909790B2 (ja) 回転電機、回転電機用ステータおよび車両
WO2014157621A1 (ja) ステータの構造
JP2012161148A (ja) 回転電機用電機子の製造方法及び回転電機用電機子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130307

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131002

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5392546

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees