JP2006000978A - シリコン基板加工方法、光学素子用金型、光学素子用金型母型、光学素子及び回折格子 - Google Patents

シリコン基板加工方法、光学素子用金型、光学素子用金型母型、光学素子及び回折格子 Download PDF

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Abstract

【課題】 シリコン基板の表面にミクロンサイズ以下の三次元形状を精度よく加工できるシリコン基板加工方法を提供する。この加工方法を用いて加工された光学素子用金型及び光学素子用金型母型、更に光学素子用金型により加工された光学素子及び回折格子を提供する。
【解決手段】 このシリコン基板加工方法は、シリコン基板上にレジストを塗布し、レジストを三次元形状に形成し、レジストをマスクとしてドライエッチングによりシリコン基板を加工しシリコン基板の表面に三次元形状を形成し、ドライエッチングの終点をレジストマスクの消失の程度に基づいて決める。
【選択図】 図1


Description

本発明は、シリコン基板表面の微細加工が可能なシリコン基板加工方法、この加工方法を用いて加工された光学素子用金型、光学素子用金型母型、光学素子及び回折格子に関する。
従来の精密切削加工は、サブミクロン構造以下のパターンおよび広範囲のパターン加工には限界がある。また、平面基板上でかつ同心円形状パターンを加工する場合には従来の精密切削加工は適しているが、曲面基板や非対称構造を加工することは困難である。
また、マスク露光・現像とプラズマエッチングを組み合わせた加工は、バイナリー構造を加工するには適するが、サブミクロン以下の三次元の複雑な微細構造を加工するには不向きである。
通常のICPプラズマ条件(封入ガス圧が1Pa以上、プラズマ密度1010〜1019cm−3、電子温度数eVから数十eVで比較的プラズマが明るく光る条件)でのエッチングでは、マスクが無くなってから長い時間基板をプラズマにさらすと、パターン側壁や角部分が容易に削られ形状を崩してしまうため、微細な三次元形状を形成することが困難であった。
下記特許文献1に開示された電子ビーム描画による三次元パターン形成の精度はかなり高いが、作成パターンの高さに限界がある(4μm程度)ため、それ以上の高さパターンを形成することが電子ビーム描画単体では困難である。
特開2004−107793
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、シリコン基板の表面にミクロンサイズ以下の三次元形状を精度よく加工できるシリコン基板加工方法を提供することを目的とする。また、この加工方法を用いて加工された光学素子用金型及び光学素子用金型母型を提供することを目的とし、更に光学素子用金型により加工された光学素子及び回折格子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によるシリコン基板加工方法は、シリコン基板上にレジストを塗布する工程と、前記レジストを三次元形状に形成する工程と、前記レジストをマスクとしてドライエッチングにより前記シリコン基板を加工し前記シリコン基板の表面に三次元形状を形成する工程と、を含み、前記ドライエッチングの終点を前記レジストマスクの消失の程度に基づいて決めることを特徴とする。
このシリコン基板加工方法によれば、基板表面にレジストマスクを三次元形状に形成してからドライエッチングを行うことで、レジストマスクの三次元形状に対応した三次元形状をシリコン基板に形成できる。このとき、ドライエッチングの終点をレジストマスクの消失の程度により決めることでシリコン基板表面にミクロンサイズ以下の三次元形状を精度よく形成することができる。
上記シリコン基板加工方法において前記レジストの三次元形状の形成工程を電子ビーム描画・現像法によって行うことが好ましく、精度よくレジストの三次元形状を形成できる。
また、前記ドライエッチングの終点を決める際に前記レジストマスクが全てなくなることを基準とすることができる。この基準でドライエッチングの終点を決めることで、シリコン基板において簡単にかつ精度よく三次元形状を加工できる。
また、前記ドライエッチングにおいてフッ素系ガスまたはフッ素系ガスと酸素の混合ガスを用い、前記レジストマスクがなくなってから前記ドライエッチングを更に行うことで前記シリコン基板の表面をフッ素化することが好ましい。レジストマスクの消失後、数nmから数十nmの深さまでドライエッチングを行うことで、シリコン基板の表面をフッ素化することができ、これにより、表面離型性の良好な成形金型を得ることができる。
また、異方性ドライエッチングにより前記ドライエッチングを行い、前記シリコン基板に形成される三次元形状のパターン高さの微調整は前記レジストマスクと前記シリコン基板との選択比を制御することで行われるようにできる。
また、前記ドライエッチングをプラズマエッチングで行う際のプラズマ中の電子温度は6〜15eVの範囲内であり、プラズマ密度は10〜1011cm−3の範囲内であり、ガス封入圧力は1Pa未満であることが好ましい。
また、前記ドライエッチングは誘導結合プラズマ(ICP)を用い、前記選択比の最終的な微調整は、前記シリコン基板に印加する高周波電圧またはバイアス電圧のみを調整することで行うことができる。
また、前記シリコン基板に形成される三次元形状の側壁保護のために前記ドライエッチングのときHBrとOを添加することが好ましい。または、側壁保護効果を有する成膜プロセスと前記ドライエッチングとを交互に行うことで、三次元形状の側壁保護を行うことができる。これらの側壁保護効果により、更に複雑かつ微細な三次元形状をシリコン基板上に加工することが可能となる。
また、前記ドライエッチングで寸法及び特徴が異なる形状を同一のシリコン基板上に同時に加工することができる。例えば、階段状構造(エシェロン構造)及びのこぎり型構造(ブレーズ構造)などの寸法及び特徴が異なる形状を同一のシリコン基板に同時に加工することができる。
本発明による光学素子用金型母型は、シリコン基板加工方法により加工されたシリコン基板から構成されたものである。
また、本発明による光学素子用金型は、上述のシリコン基板加工方法により加工されたシリコン基板から構成されたものであり、また、上述の光学素子用金型母型を用いて加工されたものである。
本発明による光学素子は、上述の金型を用いて加工されたものである。本発明による回折格子は、光通信波長帯域用エシェロン構造を有し、上述の金型または金型母型を用いて加工されたものである。
本発明のシリコン基板加工方法によれば、シリコン基板の表面にミクロンサイズ以下の三次元形状を精度よく加工できる。
本発明の光学素子用金型によれば、精度のよい三次元形状の微細な構造を有する光学素子を製造できる。本発明の光学素子用金型母型によれば、精度のよい三次元形状の微細な構造を有する光学素子を製造可能な光学素子用金型を得ることができる。
本発明の光学素子は精度のよい三次元形状の微細な構造を有する。また、本発明の回折格子は、精度のよい光通信波長帯域用エシェロン回折構造を有する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。図1は本実施の形態によるシリコン基板加工方法を説明するためのフローチャートである。図2は図1のシリコン基板加工方法によりシリコン基板に形成されるエシュロン回折構造の一部を示す断面図である。図3は図1のシリコン基板加工方法のドライエッチングを行うICP(誘導結合プラズマ)装置を概略的に示す図である。
本実施の形態によるシリコン基板加工方法は、図1のフローチャートに示すように、三次元微細加工精度の良い電子ビーム描画法と、シリコン基板のエッチング実績のあるドライエッチングプロセスとを組み合わせることでシリコン基板上に微細な三次元形状を形成するものである。
電子ビーム描画法により、シリコン基板上に形成したレジスト樹脂層に対して電子ビームを走査しながら照射し、その走査ドーズ量を変化させることで、種々の三次元形状の例えば階段状のエシュロン回折構造の形成のための微細パターンをレジスト樹脂層に描画し、所定の現像液で現像し、その後、ドライエッチングにより、レジスト樹脂の三次元形状に基づいて所望の三次元形状を例えば図2のような幅wが40μm、高さhが16μm程度の4段の階段状のエシュロン回折構造をシリコン基板上に形成する。
かかる電子ビーム描画法は、本発明者等が、例えば、上記特許文献1や特開2004−54218等で提案した後述の図6乃至図14で説明する電子ビーム描画装置により行うことができる。これにより、例えば図2のエシュロン回折構造形成のための所望の描画パターンを電子ビームによる3次元描画でサブミクロンオーダーの高精度で形成できる。
ドライエッチングは、図3に示すようなICP(誘導結合プラズマ)装置200により行うことができる。図3のICP装置200は、真空プラズマチャンバ211内に、プラズマ生成用高周波電源212に接続された一対の高周波電極213,214が配置され、高周波電極213,214に対向する側にシリコン基板210を保持する基板ホルダ215が配置されて構成される。高周波電源212から高周波電極213,214に高周波電圧が印加されることで真空プラズマチャンバ211内のプラズマ生成領域AAにプラズマが形成され、エッチングガスをチャンバ211内に流しながらシリコン基板210をドライエッチングすることができる。また、基板ホルダ215には加工形状制御用バイアス高周波電源216が接続され、基板ホルダ215のバイアス電極に印加されるバイアス電圧によってシース領域BBが形成される。
次に、シリコン基板に図2のようなエシュロン回折構造を形成するための加工方法を更に図4,図5を参照して説明する。図4は図1のシリコン基板加工方法により、シリコン基板上に形成したレジストからシリコン基板にエシュロン回折構造を形成する工程(a)、(b)、(c)を模式的に示す側面図である。図5は図3のICP装置200におけるバイアス電力と選択比の関係を示すグラフである。
図1のように、まず、各種条件を決定するために予備的に次の各工程S01乃至S05を実行する。即ち、シリコン基板にレジスト樹脂を塗布し(S01)、そのレジスト樹脂層に電子ビーム描画を行い(S02)、現像してから描画形状を観察し(S03)、ドライエッチングを行う(S04)。エッチング形状を観察して、よいか否かを判断し(S05)、エッチング形状がよくない場合は、形状データを見直し、描画制御プログラムを修正し、再度工程S01乃至S05を実行する。
以上の予備工程である工程S01乃至S05でエッチング選択比・レジスト樹脂層の厚さ・描画制御プログラムの各条件が決定されると、その決定された条件の下で、シリコン基板にレジスト樹脂を塗布し(S11)、そのレジスト樹脂層に電子ビーム描画を行い(S12)、現像してから描画形状を観察し(S13)、レジスト樹脂層を図4(a)のような3次元形状のレジストパターン220とする。このレジストパターン220は図2の階段状のエシュロン回折構造に対応した形状となっているが、例えば最も高い部分の高さh1は、図4(c)目標とする高さh2よりも低くなっている。これは、電子ビーム描画は深さ方向(高さ方向)の描画に限界があるためである。
次に、図4(a)の3次元形状のレジストパターン20が形成されたシリコン基板210を図3のICP装置200の真空プラズマチャンバ211内の基板ホルダ15に取り付けてチャンバ11内に形成したプラズマによりドライエッチングを行う(S14)。このドライエッチングにより、図4(b)のように、レジストパターン220の薄い部分からシリコン基板210の表面210aが加工され、レジストパターン220の厚い部分の加工は遅れる。
そして、図4(c)のようにレジストパターン220がすべてなくなるまでドライエッチングをし、無くなってから数秒から数分程度(数nmから数十nmの深さ)でドライエッチングプロセスを停めることで、ドライエッチング終点を判断する。これにより、図4(c)のようにレジストパターン220が完全に消失し、階段状のエシュロン回折構造部221をシリコン基板210の表面210aに形成できる。
この場合、例えば選択比を4とし、図4において、h2/h1=4から、h1を4μmとすると、h2=16μmの階段状のエシュロン回折構造部221とすることができる。かかる選択比は図3のICP装置200のバイアス高周波電源216において図5のようにバイアス電力を設定することで所望の値にでき、例えば選択比が4の場合は、バイアス電力を3Wに設定しシリコン基板210に印加する。このようにして、シリコン基板に印可するバイアス電力のみをパラメータとして選択比を調整することができる。かかる方法は、レジストパターンを1対1や拡大・縮小して忠実にかつ高精度にシリコン基板に転写するのに有効である。
次に、エッチング形状を観察して、よいか否かを判断し(S15)、エッチング形状がよくない場合には工程S11に戻り、よい場合は、シリコン基板210の加工が完成する(S14)。
以上のように、本実施の形態のシリコン基板加工方法によれば、ドライエッチングの終点をレジストマスクが完全に消失することを基準にして決めることでシリコン基板210の表面にミクロンサイズ以下の三次元形状を精度よく簡単に形成することができる。
上述のようにしてエシュロン回折構造が形成されたシリコン基板から金型母型を得ることができる。そして、かかる母型を用いて、電鋳処理を施すことで、光学素子用の成形金型の素材が転写されるので、これを脱型し、裏打ち部材と組み合わせることで、光学素子用の成形金型を得ることができる。また、エシュロン回折構造が形成されたシリコン基板から直接に光学素子用の成形金型をつくることもできる。
図4(c)のように形成されたエシュロン回折構造部221を有するシリコン基板210は、上述のように、光学レンズや光通信用レンズや回折格子や回折レンズ等の光学素子のための金型または金型母型として利用されるため、離型性の良いことが望まれる。このため、フッ素系ガスまたはフッ素系ガスと酸素の混合ガスを用い、レジストパターン220が無くなってから数秒〜数分(数nm〜数十nmの深さ)程度オーバーエッチングすることで、シリコン基板の表面がフッ素化し離型性の良い金型を得ることができる。
また、微細なパターンをある程度の深さに加工するため、エッチング中のレジスト及びシリコン基板のサイドエッチングやパターン角部の損傷は無視できない。そこで、エッチングは異方性エッチングによりサイドエッチングを軽減しつつ、かつ物理的エッチングを制御して角部の損傷を低下させることが好ましい。このため、エッチングガスは、シリコン基板を等方的にエッチングするSFに側壁保護効果をもったOを加えた混合ガスを基本として使用し、形状を見ながらガスの混合比を変更することが好ましい。
ドライエッチングは、図3のように、プラズマを形成する高周波電極(アンテナ電極)と基板に入射するプラズマ量、エネルギーを制御できるバイアス電極を有するICPを基本とした装置を使用して行うことが好ましい。アンテナ電極とバイアス電極を別々に制御し、アンテナ電極によって形成されるプラズマは、プラズマ密度が低く(10〜1011cm−3)、電子温度が6〜15eV、封入ガスの圧力も1Pa未満の条件を使うことで、微細パターン形状を崩さずにシリコン基板上に転写することが可能になる。
また、上記プラズマ条件にHBrガスを添加することで、HBrとOがつくるポリマーによってシリコン基板の側壁保護効果が高まり、より微細かつ複雑な構造を加工できる。
また、CF系ガスをつかって基板表面にポリマーを形成する行程と上記条件でのエッチングを交互に行っても側壁保護効果が得られ、より微細な形状をシリコン基板上に加工できる。
階段状のエシェロン形状を加工すると、段によって若干エッチング選択比や形状が変化してしまうが、これは、深さやパターン幅によってプラズマの到達量や到達エネルギーが微妙に違うためと考えられる。そこで、形状を電子ビーム描画にフィードバックさせて、形状を補正することが好ましく、これを数回繰り返し微小な形状を整えることができる。また、最終的な高さ寸法は、上述のようにエッチング時のバイアス電力を制御することで調整できる。大まかな高さは先の形状調整以前に行っておき、最終的な調整は±5%程度の範囲内において可能である。この程度であれば、先に微調整した形状を崩すことはない。
電子ビーム描画では、同一基板上に形状の異なる三次元レジストパターンを形成することが可能である。上記エッチング方法では、複数の異なる三次元形状を同一のプロセス条件で加工できるので、例えば、エシェロン回折構造とブレーズ回折構造が複合したような回折レンズや回折格子等の光学素子を加工することも可能である。
次に、上述のシリコン基板加工法における電子ビーム描画方法を実行可能な電子ビーム描画装置について図6乃至図14を参照して説明する。図6は、電子ビーム描画装置の全体構成を示す説明図である。
図6に示す電子ビーム描画装置1は、大電流で高解像度の電子線プローブを形成して高速に描画対象の基材2上を走査するものであり、高解像度の電子線プローブを形成し、電子ビームを生成してターゲットに対してビーム照射を行う電子ビーム生成手段である電子銃12と、この電子銃12からの電子ビームを通過させるスリット14と、スリット14を通過する電子ビームの前記基材2に対する焦点位置を制御するための電子レンズ16と、電子ビームが出射される経路上に配設されたアパーチャー18と、電子ビームを偏向させることでターゲットである基材2上の走査位置等を制御する偏向器20と、偏向を補正する補正用コイル22と、を含んで構成されている。なお、これらの各部は、鏡筒10内に配設されて電子ビーム出射時には真空状態に維持される。
さらに、電子ビーム描画装置1は、描画対象となる基材2を載置するための載置台であるXYZステージ30と、このXYZステージ30上の載置位置に基材2を搬送するための搬送手段であるローダ40と、XYZステージ30上の基材2の表面の基準点を測定するための測定手段である測定装置80と、XYZステージ30を駆動するための駆動手段であるステージ駆動手段50と、ローダを駆動するためのローダ駆動装置60と、鏡筒10内及びXYZステージ30を含む筐体11内を真空となるように排気を行う真空排気装置70と、これらの制御を司る制御手段である制御回路100と、を含んで構成されている。
なお、電子レンズ16は、高さ方向に沿って複数箇所に離間して設置される各コイル17a、17b、17cの各々の電流値によって電子的なレンズが複数生成されることで各々制御され、電子ビームの焦点位置が制御される。
測定装置80は、基材2に対してレーザーを照射することで基材2を測定する第1のレーザー測長器82と、第1のレーザー測長器82にて発光されたレーザー光(第1の照射光)が基材2を反射し当該反射光を受光する第1の受光部84と、前記第1のレーザー測長器82とは異なる照射角度から照射を行う第2のレーザー測長器86と、前記第2のレーザー測長器86にて発光されたレーザー光(第2の照射光)が基材2を反射し当該反射光を受光する第2の受光部88と、を含んで構成されている。
ステージ駆動手段50は、XYZステージ30をX方向に駆動するX方向駆動機構52と、XYZステージ30をY方向に駆動するY方向駆動機構54と、XYZステージ30をZ方向に駆動するZ方向駆動機構56と、XYZステージ30をθ方向に駆動するθ方向駆動機構58と、を含んで構成されている。これによって、XYZステージ30を3次元的に動作させたり、アライメントを行うことができる。すなわち、XYZステージ30上に基材2を載置すれば、ビーム照射源としての電子銃12との相対位置を任意に変更できるため、上述したステップ・アンド・リピート方式で描画を行える。
制御回路100は、電子銃12に電源を供給するための電子銃電源部102と、この電子銃電源部102での電流、電圧などを調整制御する電子銃制御部104と、電子レンズ16(複数の各電子的なレンズを各々)を動作させるためのレンズ電源部106と、このレンズ電源部106での各電子レンズに対応する各電流を調整制御するレンズ制御部108と、を含んで構成される。
さらに、制御回路100は、補正用コイル22を制御するためのコイル制御部110と、偏向器20にて成形方向の偏向を行う成形偏向部112aと、偏向器20にて副走査方向の偏向を行うための副偏向部112bと、偏向器20にて主走査方向の偏向を行うための主偏向部112cと、成形偏向部112aを制御するためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高速D/A変換器114aと、副偏向部112bを制御するためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高速D/A変換器114bと、主偏向部112cを制御するためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高精度D/A変換器114cと、を含んで構成される。
さらに、制御回路100は、偏向器20における位置誤差を補正する、乃ち、位置誤差補正信号などを各高速D/A変換器114a、114b、及び高精度D/A変換器114cに対して供給して位置誤差補正を促すあるいはコイル制御部110に対して当該信号を供給することで補正用コイル22にて位置誤差補正を行う位置誤差補正回路116と、これら位置誤差補正回路116並びに各高速D/A変換器114a、114b及び高精度D/A変換器114cを制御して電子ビームの電界を制御する電界制御手段である電界制御回路118と、描画パターンなどを前記基材2に対して生成するためのパターン発生回路120と、を含んで構成される。
また、制御回路100は、第1のレーザー測長器82を上下左右に移動させることによるレーザー照射位置の移動及びレーザー照射角の角度等の駆動制御を行う第1のレ−ザー駆動制御回路130と、第2のレーザー測長器86を上下左右に移動させることによるレーザー照射位置の移動及びレーザー照射角の角度等の駆動制御を行う第2のレ−ザー駆動制御回路132と、第1のレーザー測長器82でのレーザー照射光の出力(レーザーの光強度)を調整制御するための第1のレーザー出力制御回路134と、第2のレーザー測長器86でのレーザー照射光の出力を調整制御するための第2のレーザー出力制御回路136と、第1の受光部84での受光結果に基づき、測定結果を算出するための第1の測定算出部140と、第2の受光部88での受光結果に基づき、測定結果を算出するための第2の測定算出部142と、を含んで構成される。
さらに、制御回路100は、ステージ駆動手段50を制御するためのステージ制御回路150と、ローダ駆動装置60を制御するローダ制御回路152と、上述の第1、第2のレーザー駆動回路130、132・第1、第2のレーザー出力制御回路134、136・第1、第2の測定算出部140、142・ステージ制御回路150・ローダ制御回路152を制御する機構制御回路154と、真空排気装置70の真空排気を制御する真空排気制御回路156と、測定情報を入力するための測定情報入力部158と、入力された情報や他の複数の情報を記憶するための記憶手段であるメモリ160と、各種制御を行うための制御プログラムを記憶したプログラムメモリ162と、これらの各部の制御を司る例えばCPUなどにて形成された制御部170と、を含んで構成されている。
上述のような構成を有する電子ビーム描画装置1において、ローダ40によって搬送された基材2がXYZステージ30上に載置されると、真空排気装置70によって鏡筒10及び筐体11内の空気やダストなどを排気したした後、電子銃12から電子ビームが照射される。
電子銃12から照射された電子ビームは、電子レンズ16を介して偏向器20により偏向され、偏向された電子ビームB(以下、この電子レンズ16を通過後の偏向制御された電子ビームに関してのみ「電子ビームB」と符号を付与することがある)は、XYZステージ30上の基材2の表面、例えば曲面部(曲面)2a上の描画位置に対して照射されることで描画が行われる。
この際に、測定装置80によって、基材2上の描画位置(描画位置のうち少なくとも高さ位置)、もしくは後述するような基準点の位置が測定され、制御回路100は、当該測定結果に基づき、電子レンズ16のコイル17a、17b、17cなどに流れる各電流値などを調整制御して、電子ビームBの焦点深度の位置、すなわち焦点位置を制御し、当該焦点位置が前記描画位置となるように移動制御される。
あるいは、測定結果に基づき、制御回路100は、ステージ駆動手段50を制御することにより、前記電子ビームBの焦点位置が前記描画位置となるようにXYZステージ30を移動させる。また、本例においては、電子ビームの制御、XYZステージ30の制御のいずれか一方の制御によって行っても、双方を利用して行ってもよい。
(測定装置)
次に、測定装置80について、図7〜図9を参照しつつ説明する。測定装置80は、より詳細には、図7に示すように、第1のレーザー測長器82、第1の受光部84、第2のレーザー測長器86、第2の受光部88などを有する。
第1のレーザー測長器82により電子ビームと交差する方向から基材2に対して第1の光ビームS1を照射し、基材2を透過する第1の光ビームS1の受光によって、第1の光強度分布が検出される。
この際に、図7に示すように、第1の光ビームS1は、基材2の底部2cにて反射されるため、第1の強度分布に基づき、基材2の平坦部2b上の(高さ)位置が測定算出されることになる。しかし、この場合には、基材2の曲面部2a上の(高さ)位置を測定することができない。
そこで、本例においては、さらに第2のレーザー測長器86を設けている。すなわち、第2のレーザー測長器86によって、第1の光ビームS1と異なる電子ビームとほぼ直交する方向から基材2に対して第2の光ビームS2を照射し、基材2を透過する第2の光ビームS2が第2の受光部88に含まれるピンホール89を介して受光されることによって、第2の光強度分布が検出される。
この場合、図8(A)〜(C)に示すように、第2の光ビームS2が曲面部2a上を透過することとなるので、前記第2の光強度分布に基づき、基材2の平坦部2bより突出する曲面部2a上の(高さ)位置を測定算出することができる。
具体的には、第2の光ビームS2がXY基準座標系における曲面部2a上のある位置(x、y)の特定の高さを透過すると、この位置(x、y)において、図8(A)〜(C)に示すように、第2の光ビームS2が曲面部2aの曲面にて当たることにより散乱光SS1、SS2が生じ、この散乱光分の光強度が弱まることとなる。このようにして、図8に示すように、第2の受光部88にて検出された第2の光強度分布に基づき、位置が測定算出される。
この算出の際には、図9に示すように、第2の受光部88の信号出力Opは、図10に示す特性図のような、基材の高さとの相関関係を有するので、制御回路100のメモリ160などにこの特性、すなわち相関関係を示した相関テーブルを予め格納しておくことにより、第2の受光部88での信号出力Opに基づき、基材の高さ位置を算出することができる。そして、この基材の高さ位置を、例えば描画位置として、前記電子ビームの焦点位置の調整が行われ描画が行われることとなる。
(描画位置算出の原理の概要)
次に、電子ビーム描画装置1における、描画を行う場合の原理の概要について、説明する。
先ず、基材2は、例えば、樹脂等による光学素子例えば対物レンズの成形用金型を形成するための母型の素材であり、断面略平板状の平坦部2bと、この平坦部2bより突出形成された曲面をなす曲面部2aと、を含んで構成されている。この曲面部2aの曲面は、球面に限らず、非球面などの他のあらゆる高さ方向に変化を有する自由曲面であってよい。
このような基材2において、予め基材2をXYZステージ30上に載置する前に、基材2上の複数例えば3個の基準点P00、P01、P02を決定してこの位置を測定しておく(第1の測定)。これによって、例えば、基準点P00とP01によりX軸、基準点P00とP02によりY軸が定義され、3次元座標系における第1の基準座標系が算出される。ここで、第1の基準座標系における高さ位置をHo(x、y)(第1の高さ位置)とする。これによって、基材2の厚み分布(基材の3次元形状を示す座標データ)の算出を行うことができる。
一方、基材2をXYZステージ30上に載置した後も、同様の処理を行う。すなわち、図11(A)に示すように、基材2上の複数例えば3個の基準点P10、P11、P12を決定してこの位置を測定しておく(第2の測定)。これによって、例えば、基準点P10とP11によりX軸、基準点P10とP12によりY軸が定義され、3次元座標系における第2の基準座標系が算出される。
さらに、これらの基準点P00、P01、P02、P10、P11、P12により第1の基準座標系を第2の基準座標系に変換するための座標変換行列などを算出して、この座標変換行列を利用して、第2の基準座標系における前記Ho(x、y)に対応する高さ位置Hp(x、y)(第2の高さ位置)を算出して、この位置を最適フォーカス位置、すなわち描画位置として電子ビームの焦点位置が合わされるべき位置とすることとなる。これにより、上述の基材2の厚み分布の補正を行うことができる。なお、上述の第2の測定は、電子ビーム描画装置1の第1の測定手段である測定装置80を用いて測定することができる。
そして、第1の測定は、予め別の場所において他の測定装置を用いて測定しおく必要がある。このような、基材2をXYZステージ30上に載置する前に予め基準点を測定するための測定装置としては、上述の測定装置80と全く同様の構成の測定装置(第2の測定手段)を採用することができる。
この場合、測定装置からの測定結果は、例えば図6に示す測定情報入力部158にて入力されたり、制御回路100と接続される不図示のネットワークを介してデータ転送されて、メモリ160などに格納されることとなる。もちろん、この測定装置が不要となる場合も考えられる。
上記のようにして、描画位置が算出されて、電子ビームの焦点位置が制御されて描画が行われることとなる。
具体的には、図11(C)に示すように、電子ビームの焦点深度FZ(ビームウエストBW)の焦点位置を、3次元基準座標系における単位空間の1フィールド(m=1)内の描画位置に調整制御する(この制御は、上述したように、電子レンズ16による電流値の調整もしくはXYZステージ30の駆動制御のいずれか一方又は双方によって行われる)。なお、電子ビームは図12に示されるように深い焦点深度を有しており、電子レンズ16により絞り込まれた電子ビームは、ほぼ一定の太さのビームウエストBWを形成する。ここで焦点深度FZとは、この太さが一定のビームウエストの電子ビーム進行方向における長さをいう。なお前述の焦点位置はこのビームウエストの電子ビーム進行方向における中央位置を指している。また、電子ビームBの場合、図12に示すように、電子レンズ16の幅D、電子レンズ16よりビームウエスト(ビーム径の最も細い所)BWまでの深さfとすると、D/fは、0.01程度であり、例えば50nm程度の解像度を有し、焦点深度は例えば数十μ程度ある。
そして、図11(C)に示すように、例えば1フィールド内をY方向にシフトしつつ順次X方向に走査することにより、1フィールド内の描画が行われることとなる。さらに、1フィールド内において、描画されていない領域があれば、当該領域についても、上述の焦点位置の制御を行いつつZ方向に移動し、同様の走査による描画処理を行うこととなる。
次に、1フィールド内の描画が行われた後、他のフィールド、例えばm=2のフィールド、m=3のフィールドにおいても、上述同様に、測定や描画位置の算出を行いつつ描画処理がリアルタイムで行われることとなる。このようにして、描画されるべき描画領域について全ての描画が終了すると、基材2の表面における描画処理が終了することとなる。
さらに、上述のような各種演算処理、測定処理、制御処理などの処理を行う処理プログラムは、プログラムメモリ162に予め制御プログラムとして格納されることとなる。
(ドーズ分布)
図13は、上記電子ビーム描画装置の制御系の機能ブロック図である。同図に示すように、電子ビーム描画装置1のメモリ160には、形状記憶テーブル161を有し、この形状記憶テーブル161には、例えば基材2の曲面部2aに回折格子を傾けて各ピッチ毎に形成する際の走査位置に対するドーズ量分布を予め定義したドーズ分布の特性などに関するドーズ分布情報161a、各ピッチ毎に表面反射防止用の凹凸を形成する際に、当該凹凸部分のドーズ量に関するドーズ分布情報161b、ドーズ分布を補正演算したドーズ分布補正演算情報161c、その他の情報161dなどが格納されている。なお、ドーズ分布補正演算情報161cとは、ドーズ量などを算出するためのもととなるテーブルないしは演算情報である。
また、プログラムメモリ162には、これらの処理を行う処理プログラム163a、前記ドーズ分布情報161a、161bやドーズ分布補正演算情報161cなどの情報をもとに、曲面部2a上の所定の傾斜角度におけるドーズ分布特性など演算により算出するためのドーズ分布演算プログラム163b、その他の処理プログラム163cなどを有している。
このような構成を有する制御系において、ドーズ分布情報は予めメモリ160の形状記憶テーブル161などに格納され、処理プログラム163aに基づいて、描画時に当該ドーズ分布情報を抽出し、そのドーズ分布情報によって種々の描画が行われることとなる。
あるいは、制御部170は、処理プログラム163aにより所定の描画アルゴリズムを実行しつつ、ドーズ量を算出するルーチンに至ると、ドーズ分布演算プログラム163bを実行し、傾斜角度に応じたドーズ分布を算出するためのある程度の基本的情報、すなわち、ドーズ分布情報161a、161b、ドーズ分布補正演算情報161cなど格納したテーブルを参照しつつ、対応するドーズ分布特性情報を算出したのち、この算出したドーズ分布特性情報を前記メモリ160の所定の一時記憶領域に格納し、そのドーズ分布特性情報を参照しつつドーズ量を算出して描画を行うといった手法であってもよい。
(制御系の具体的構成)
次に、前記円描画を正多角形で近似して直線的に走査する場合の各種処理を行なうための制御系の具体的構成について、図14を参照しつつ説明する。図14には、図6の電子ビーム描画装置の制御系の詳細な構成が開示されている。
電子ビーム描画装置の制御系300は、図14に示すように、例えば円描画時に正多角形(不定多角形を含む)に近似するのに必要な(円の半径に応じた)種々のデータ(例えば、ある一つの半径kmmの円について、その多角形による分割数n、各辺の位置各点位置の座標情報並びにクロック数の倍数値、さらにはZ方向の位置などの各円に応じた情報等)、さらには円描画に限らず種々の曲線を描画する際に直線近似するのに必要な種々のデータ、各種描画パターン(矩形、三角形、多角形、縦線、横線、斜線、円板、円周、三角周、円弧、扇形、楕円等)に関するデータを記憶する描画パターン記憶手段である描画パターンデータメモリ301と、を含んで構成される。
また、制御系300は、前記描画パターンデータメモリ301の描画パターンデータに基づいて、描画条件の演算を行う描画条件演算手段310と、前記描画条件演算手段310から(2n+1)ライン((n=0、1、2・・)である場合は(2n+1)であるが、(n=1、2、・・)である場合は(2n−1)としてもよい)乃ち奇数ラインの描画条件を演算する(2n+1)ライン描画条件演算手段311と、(2n+1)ライン描画条件演算手段311に基づいて1ラインの時定数を設定する時定数設定回路312と、(2n+1)ライン描画条件演算手段311に基づいて1ラインの始点並びに終点の電圧を設定する始点/終点電圧設定回路313と、(2n+1)ライン描画条件演算手段311に基づいてカウンタ数を設定するカウンタ数設定回路314と、(2n+1)ライン描画条件演算手段311に基づいてイネーブル信号を生成するイネーブル信号生成回路315と、奇数ラインの偏向信号を出力するための偏向信号出力回路320と、を含んで構成されている。
さらに、制御系300は、前記描画条件演算手段310から(2n)ライン乃ち偶数ラインの描画条件を演算する(2n)ライン描画条件演算手段331と、(2n)ライン描画条件演算手段331に基づいて1ラインの時定数を設定する時定数設定回路332と、(2n)ライン描画条件演算手段331に基づいて1ラインの始点並びに終点の電圧を設定する始点/終点電圧設定回路333と、(2n)ライン描画条件演算手段331に基づいてカウンタ数を設定するカウンタ数設定回路334と、(2n)ライン描画条件演算手段331に基づいてイネーブル信号を生成するイネーブル信号生成回路335と、偶数ラインの偏向信号を出力するための偏向信号出力回路340と、描画条件演算手段310に基づいて、次の等高線に移動するときなどにブランキングを行うブランキングアンプ350と、描画条件演算手段310での描画条件と、奇数ラインの偏向信号出力回路320並びに偶数ラインの偏向信号出力回路340からの情報とに基づいて、奇数ラインの処理と偶数ラインの処理とを切り換える切換回路360と、を含んで構成されている。
奇数ラインの偏向信号出力回路320は、走査クロックCL1と、カウンタ数設定回路314からの奇数ラインカウント信号CL6と、イネーブル信号発生回路315のイネーブル信号とに基づいてカウント処理を行う計数手段であるカウンタ回路321と、カウンタ回路321からのカウントタイミングと、始点/終点電圧設定回路313での奇数ライン描画条件信号CL3とに基づいて、DA変換を行うDA変換回路322と、このDA変換回路322にて変換されたアナログ信号を平滑化する処理(偏向信号の高周波成分を除去する等の処理)を行う平滑化回路323と、を含んで構成される。
偶数ラインの偏向信号出力回路340は、走査クロックCL1と、カウンタ数設定回路334からの偶数ラインカウント信号CL7と、イネーブル信号発生回路335のイネーブル信号とに基づいてカウント処理を行う計数手段であるカウンタ回路341と、カウンタ回路341からのカウントタイミングと、始点/終点電圧設定回路333での偶数ライン描画条件信号CL5とに基づいて、DA変換を行うDA変換回路342と、このDA変換回路342にて変換されたアナログ信号を平滑化する処理を行う平滑化回路343と、を含んで構成される。
なお、これらの制御系300を構成する各部は、いずれも図6に示すCPU等の制御部170(制御手段)にて制御可能な構成としている。また、これら制御系300は、X偏向用の制御系とY偏向用の制御系を各々形成する構成としてもよい。
また、描画パターンデータメモリ301と描画条件演算手段310などを含む制御系300で、「演算手段」を構成できる。この「演算手段」は、走査される走査ライン上に、DA変換器の最小時間分解能の整数倍の時間に対応する距離に相当する少なくとも2点の各位置を演算する機能を有する。この場合、制御部170の「制御手段」は、前記演算手段にて演算された各位置間を前記電子ビームによりほぼ直線的に走査するように制御することとなる。また、同様にして、他の態様の「演算手段」では、略円状に走査される走査ライン上に、DA変換器の最小時間分解能の整数倍の時間に対応する距離を一辺とする多角形の各頂点位置を算出する機能を有する。また、制御手段は、演算手段にて演算された各位置間を前記電子ビームによりほぼ直線的に走査するのは同様である。
次に、本発明によるシリコン基板加工方法におけるドライエッチングについて実施例により更に具体的に説明する。
各実施例1〜3におけるエッチング装置名およびエッチングプロセス条件は次のとおりであった。
実施例1:
装置:株式会社アルバック
型式・装置名:CE300I ICPエッチング装置
プロセスガス:SF×5sccm、O×5sccm、HBr×5sccm
ガス圧:0.6Pa
高周波アンテナ出力:110W
バイアス出力:6W
実施例2:
装置:Surface Technology Systems, Inc.
装置名:STS Multiplex ICPエッチング装置
型式 :STS MULTIPLEX-ICP
(1)ポリマー形成条件
プロセスガス:C×80sccm
ガス圧:1.33Pa
高周波アンテナ出力:400W
(2)エッチング条件
プロセスガス:SF×5sccm、O×5sccm
ガス圧:0.6Pa
高周波アンテナ出力:150W
バイアス出力:10W
実施例3:
装置:株式会社アルバック
型式・装置名:CE300I ICPエッチング装置
(1)ポリマー形成条件
プロセスガス:C×30sccm
ガス圧:1.33Pa
高周波アンテナ出力:300W
(2)エッチング条件
プロセスガス:SF×5sccm、O×5sccm
ガス圧:0.6Pa
高周波アンテナ出力:110W
バイアス出力:6W
実施例1でシリコン基板に複数形成したエシュロン形状の走査型電子顕微鏡写真を図15(a)、(b)に示す。シリコン基板上に複数のエシュロン構造を精度よく形成できた。
以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、本発明によるシリコン基板加工方法は、本実施の形態のようなエシュロン構造を形成するだけではなく、ブレーズ回折構造等の他の微細構造の形成に適用できることは勿論である。
また、シリコン基板加工方法におけるドライエッチングの終点をレジストマスクの完全な消失を基準にして判断したが、本発明はこれに限定されずに、レジストマスクの消失の程度に基づいて判断でき、例えば、部分的なレジストマスクの消失を基準にしてもよい。
本実施の形態によるシリコン基板加工方法を説明するためのフローチャートである。 図1のシリコン基板加工方法によりシリコン基板に形成されるエシュロン回折構造の一部を示す断面図である。 図1のシリコン基板加工方法のドライエッチングを行うICP(誘導結合プラズマ)装置を概略的に示す図である。 図1のシリコン基板加工方法により、シリコン基板上に形成したレジストからシリコン基板にエシュロン回折構造を形成する工程(a)、(b)、(c)を模式的に示す側面図である。 図3のICP装置におけるバイアス電力と選択比の関係の一例を示すグラフである。 図1のシリコン基板加工法における電子ビーム描画方法を実行可能な電子ビーム描画装置の全体の概略構成を示す説明図である。 図6の測定装置の原理を説明するための説明図である。 図8図(A)〜(C)は、図7の測定装置で基材の面高さを測定する手法を説明するための説明図である。 図7の測定装置の投光と受光との関係を示す説明図である。 図7において信号出力と基材の高さとの関係を示す特性図である。 図11図(A)(B)は、図6の電子ビーム描画装置にて描画される基材を示す説明図であり、同図(C)は、描画原理を説明するための説明図である。 図6の電子ビーム描画装置におけるビームウエストを説明するための説明図である。 図6の電子ビーム描画装置において、所定のドーズ分布にて描画を行うための制御系の詳細を示す機能ブロック図である。 図6の電子ビーム描画装置のさらに詳細な制御系の構成を示す機能ブロック図である。 図15(a)、(b)は実施例1でシリコン基板に複数形成したエシュロン形状の走査型電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1 電子ビーム描画装置
200 ICP(誘導結合プラズマ)装置
210 シリコン基板
210a 表面
211 真空プラズマチャンバ
212 プラズマ生成用高周波電源
212 高周波電源
213,214 高周波電極
215 基板ホルダ
216 バイアス高周波電源
220 シリコン基板
220 レジストパターン
221 エシュロン回折構造部

Claims (15)

  1. シリコン基板上にレジストを塗布する工程と、
    前記レジストを三次元形状に形成する工程と、
    前記レジストをマスクとしてドライエッチングにより前記シリコン基板を加工し前記シリコン基板の表面に三次元形状を形成する工程と、を含み、
    前記ドライエッチングの終点を前記レジストマスクの消失の程度に基づいて決めることを特徴とするシリコン基板加工方法。
  2. 前記レジストの三次元形状の形成工程を電子ビーム描画・現像法によって行う請求項1に記載のシリコン基板加工方法。
  3. 前記ドライエッチングの終点を決める際に前記レジストマスクが全てなくなることを基準とする請求項1または2に記載のシリコン基板加工方法。
  4. 前記ドライエッチングにおいてF系ガスまたはF系ガスと酸素の混合ガスを用い、
    前記レジストマスクがなくなってから前記ドライエッチングを更に行うことで前記シリコン基板の表面をフッ素化する請求項3に記載のシリコン基板加工方法。
  5. 異方性ドライエッチングにより前記ドライエッチングを行い、前記シリコン基板に形成される三次元形状のパターン高さの微調整は前記レジストマスクと前記シリコン基板との選択比を制御することで行われる請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシリコン基板加工方法。
  6. 前記ドライエッチングをプラズマエッチングで行う際のプラズマ中の電子温度は6〜15eVの範囲内であり、プラズマ密度は10〜1011cm−3の範囲内であり、ガス封入圧力は1Pa未満である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシリコン基板加工方法。
  7. 前記ドライエッチングは誘導結合プラズマ(ICP)を用い、前記選択比の最終的な微調整は、前記シリコン基板に印加する高周波電圧またはバイアス電圧のみを調整することで行う請求項5に記載のシリコン基板加工方法。
  8. 前記シリコン基板に形成される三次元形状の側壁保護のために前記ドライエッチングのときHBrとOを添加する請求項4乃至7のいずれか1項に記載のシリコン基板加工方法。
  9. 側壁保護効果を有する成膜プロセスと前記ドライエッチングとを交互に行う請求項4乃至7のいずれか1項に記載のシリコン基板加工方法。
  10. 前記ドライエッチングで寸法及び特徴が異なる形状を同一のシリコン基板上に同時に加工する請求項4乃至9のいずれか1項に記載のシリコン基板加工方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシリコン基板加工方法により加工されたシリコン基板から構成された光学素子用金型母型。
  12. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシリコン基板加工方法により加工されたシリコン基板から構成された光学素子用金型。
  13. 請求項11に記載の光学素子用金型母型を用いて加工された光学素子用金型。
  14. 請求項12または13に記載の金型を用いて加工された光学素子。
  15. 請求項12または13に記載の金型を用いて加工された光通信波長帯域用エシェロン構造型の回折格子。

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