JP4189232B2 - パターン形成方法および描画方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パターン形成方法および描画方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ビームを用いたパターン形成方法は、光を用いたものに比べてはるかに微細なパターン形成が可能であり、半導体素子の試作等に使用されている。また、電子ビームを用いたパターン形成方法では、光リソグラフィーに用いられるマスクを作成するためにも使用されている。
【0003】
図1に、このような電子ビームを用いた描画装置の構成の例を示す。
【0004】
電子銃1から放出された電子ビームは集束レンズ2で集束され、第1の成形アパーチャ3に照射される。第1の成形アパーチャ3の像は投影レンズ4により第2の成形アパーチャ5に結像される。
【0005】
ここで、投影レンズ4の内側には成形偏向器6が設けられ、この成形偏光器6によって、第2の形成アパーチャ5上で、第1の成形アパーチャで成形された像の位置を調整する。こうすることにより、任意寸法の矩形或いは三角形のビームを得る。
【0006】
第2の成形アパーチャ5によって成形された像は、対物レンズ7により縮小されて、試料である例えばレティクル・マスク8上に結像される。
【0007】
レティクル・マスク8上でのビームの照射位置は、高精度主偏向器9によって、副偏向領域中心にビームを大きく偏向し、さらに高速副偏向器10によって、副偏向領域11内で微調整する。
【0008】
レティクル・マスク8はフレーム12間を移動するステージ・ステップ移動と、フレーム12内で連続的に移動するステージ連続移動を交互に行う。
【0009】
このような電子ビーム描画装置では、近接効果と呼ばれるパターン精度誤差が見られる。以下この近接効果について説明する。
【0010】
図2に示すように、試料13に入射された入射電子14は、試料13内で散乱し、二次電子を発生させる。これら二次電子及び散乱された入射電子のある割合のものが後方散乱電子15として試料13表面に形成されたレジスト16を感光させる。つまり入射電子による照射量に加えて背景照射量が生ずる。この感光の広がりは例えば50keVの装置で半径10μm程度である。
【0011】
また、形成するためのパターンの粗密によって、後方散乱電子15によるレジストの露光量は異なる。レジスト現像後のパターン寸法は、本来の入射電子14による露光と後方散乱電子15による露光を合わせた露光により決まるから、パターンの粗密によって現像後のレジストパターン寸法に変動が見られる。
【0012】
これを近接効果と呼ぶ。近接効果としては更にビームのぼけやレジスト中の電子の散乱等によるものも生ずる。
【0013】
また、電子ビーム描画装置では、遠距離感光作用と呼ばれるパターン精度誤差も見られる。以下この遠距離感光作用について説明する。
【0014】
図3に示すように、試料13面に入射電子14が入射されたとする。入射電子14の一部及び二次電子は試料面から放出されて、装置の対物レンズ17の下面18に戻る。下面18でさらに反射された再反射電子19がレジスト16に戻って感光させる。つまり、背景照射量が生ずる。
【0015】
この現象を遠距離感光作用と呼ぶ。この遠距離感光作用の及ぶ範囲はビーム照射位置から数10mmの領域に亘り、従って、試料表面に、数mm程度の尺度で平均照射量に大きい分布がある場合に、現像後のレジストのパターン寸法は大きな寸法分布を生じる。
【0016】
また、一方でレジストパターンをマスクとして試料をエッチングしてパターンを形成する場合には、主にパターン密度に依存してエッチングの進み方に変動が生じるために、パターン寸法に変動が生ずる。これをローディング効果と呼ぶ。
【0017】
このローディング効果による寸法変動は形成されたレジストパターンのパターン密度に大きく依存する。近接効果の補正後にマイクロローディング効果の補正を行うことが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0018】
【特許文献1】
特許第3074675号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエネルギービーム描画を含むパターン形成方法ではエッチング時にローディング効果によるパターン寸法変動が生ずる問題がある。そして、上記特許文献1では、近接効果の補正後にマイクロローディング効果の補正が行われているが、マイクロローディング効果の補正を行うための照射量は実験的に求められている。しかし、後述するように、ローディング効果は、近接効果および遠距離感光作用と相互に影響しあうため、単に、ローディング効果補正のための補正照射量を決めても精度の良い補正はできない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、精度の良い補正照射量を決定し、パターン密度に依らずできあがり寸法変動が一定となるパターン形成方法および描画方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様によるパターン描画方法は、レジストを塗布した試料上にエネルギービームを照射してパターンを描画するパターン描画方法であって、前記パターンを描画するための描画データ、前記エネルギービームを照射するための基準照射量D、ローディング効果の影響による寸法変動Δの、パターン依存性の分布、およびエネルギービームの前記レジストに与えるエネルギー分布sを記憶する工程と、前記描画領域を格子状に分割し、サブ描画領域を形成する工程と、前記描画データに基づいて、前記サブ描画領域毎のパターン面積密度分布を求める工程と、前記パターン面積密度および前記基準照射量Dに基づいて、前記サブ描画領域内の遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)を計算する工程と、前記描画データおよび前記基準照射量Dに基づいて、前記サブ描画領域内のパターンについて近接効果を補正する照射量DC(x)を計算する工程と、前記遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)、前記近接効果を補正する照射量DC(x)、前記寸法変動Δの、パターン依存性の分布、および前記エネルギービームのエネルギー分布sに基づいて照射量D(x)を求める工程と、前記サブ描画領域のパターンの位置及び形状に関するデータに基づいて前記エネルギービームの照射位置および形状を決定し照射量D(x)となる時間だけ前記エネルギービームを照射する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
なお、前記パターン面積密度分布と、前記ローディング効果の影響による寸法変動Δの、パターン依存性の分布とから、前記サブ描画領域それぞれにおける寸法変動分布Δ(x)を求める工程と、を備え、前記遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)は、前記パターン面積密度分布、前記基準照射量D、および前記寸法変動分布Δ(x)に基づいて計算され、前記近接効果を補正する照射量DC(x)は、前記サブ描画領域のパターンの位置及び形状に関するデータ、前記基準照射量D、前記寸法変動分布Δ(x)および前記エネルギービームのエネルギー分布sに基づいて計算されるように構成しても良い。
なお、前記照射量D(x)は、前記近接効果を補正する照射量DC(x)と前記遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)との積であるように構成しても良い。
なお、前記遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)は前記基準照射量Dであるとして前記照射量D(x)を求めるように構成しても良い。
なお、前記照射量D(x)は、D(x)=DC(x)×DC(x)/(1+(2s(Δ)−1)×(DC(x)×DC(x)/D))により求めても良い。
なお、前記寸法変動Δは、ローディング効果に加えて前記レジストのエッチング速度の非一様性の影響による寸法変動をも含んでいても良い。
なお、前記遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)は前記基準照射量Dであるとして前記照射量D(x)を求めても良い。
【0022】
また、本発明の第2の態様によるパターン形成方法は、上記パターン描画方法を用いて前記レジストにパターンを描画した後、前記レジストを現像し、レジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをマスクとして前記試料をエッチングし、前記試料にパターンを形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
ここで、ローディング効果とは、レジストパターンをマスクとして試料をエッチングしてパターンを形成する場合に、主にパターン密度に依存してエッチングの進み方に変動が生じる効果をいう。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を説明する前に、ローディング効果を考慮した電子ビームの露光量についての本発明者の考察を説明する。
【0025】
図4は、電子ビーム描画装置で描画する場合のパターン端における電子ビームスポットによってレジストに与えられるエネルギー分布を表す図である。
【0026】
図4では、簡単の為、パターン端でのエネルギー分布は線形とする。ここでは、ローディング効果を考えない状態で近接効果の影響を考える範囲で疎パターン領域A及び密パターン領域Bを補正している。二つのパターンは、遠距離感光作用の影響が等しい程度に近い位置にあるとする。
【0027】
疎パターン領域Aの照射量をDr、遠距離感光作用による背景照射量をDB、密パターン領域Bの照射量をDf、近接効果による背景照射量をDBとする。なお、疎パターン領域A及び密パターン領域Bは、遠距離感光作用の影響が等しい程度に近い位置にあると仮定しているので、密パターン領域Bの遠距離感光作用による背景照射量は、疎パターン領域Aの場合と同じくDBとなる。また、この例では簡単の為、疎パターン領域Aでは近接効果の影響は無視できると仮定する。なお、図4において、wは、入射電子によるレジストに与えられるエネルギー分布のパターン端面での広がりの半分の値を示し、これは電子ビームスポットのぼけの半分程度の値を示し、ひろがりの中心すなわち、基準照射量Dの半分の位置がレジストパターンのパターン端となる。
【0028】
疎パターン領域Aの照射量Dr及び密パターン領域Bの照射量Dfはそれぞれ
0.5Dr+DB=0.5D
0.5Df+DB+DB=0.5D
で示す等式を満たすように決める。ここで、近接効果による背景照射量DB及び遠距離感光作用による背景照射量DBはそれぞれマスク全面の積分を用いて
DB=η∫σ(x−x')D(x')dx'
DB=θ∫p(x−x')D(x')dx'
で与えられる。ここで、D(x)は位置xでの入射電子による照射量を表し、ηおよびθは、それぞれ近接効果および遠距離感光作用の影響を示すパラメータである。また、被積分関数σ(x)は近接効果の広がりを表す。また、被積分関数p(x)は遠距離感光作用の広がりを表す。
【0029】
ここで疎パターン領域A及び密パターン領域Bでローディング効果の影響がほぼ等しいと仮定しているので、二つのパターンに同一のローディング効果への影響を補正する照射量DCを加える。
【0030】
図5に示すように、今、疎パターン領域Aに、ローディング効果への影響を補正するための補正照射量DCを加えることにより、パターンの寸法をΔだけ修正できたとする。すなわち、補正照射量DCを加えたときの、疎パターン領域A内の照射量が基準照射量Dの半分の値に等しくなる位置が、補正照射量DCを加える前の疎パターン領域A内の照射量が基準照射量Dの半分の値に等しくなる位置よりも、図面上で右側にΔだけ移動するようにする。
このようにするには、
(Dr+DC)(w−Δ)/2w+(1+DC/DCmf)DB=0.5D
を満たすように補正照射量DCを決めれば良い。また、DCmfは、遠距離感光作用による背景照射量DBを与えた積分領域での平均照射量である。
【0031】
次に、密パターン領域Bに、ローディング効果への影響を補正するための補正照射量DCを加えることによるパターンの寸法変動をΔ'とすると、
(Df+DC)(w−Δ')/2w+(1+DC/Df)DB+(1+DC/DCmf)DB=0.5D
となる。このとき、
DBar=(DC/DCmf)DB
DBaf=(DC/Df)DB+(DC/DCmf)DB
とすると、
図5に示すように、DBar及びDBafは背景照射量の増分を表し、密パターン領域Bでの寸法変動Δ'は疎パターン領域Aよりも大きくなる。
【0032】
今DB=Df/3とし、遠距離感光作用による背景照射量DBを無視し、Δがwに比べて非常に小さいとして計算すると、Δ'〜3Δとなる。すなわち密パターン領域Bの寸法変動Δ'は、疎パターン領域Aの寸法変動Δの約3倍となる。
【0033】
以上のことから、単にローディング効果補正のための一様な補正照射量を決めても精度の良い補正は出来ないことが分かる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、種々変更して用いることができる。
【0034】
図6は、一辺150mmのガラスマスクを示し、このガラスマスクに電子ビーム描画装置によって描画する場合を考える。
【0035】
先ず、図6に示すように、試料表面を両辺がδ、δ(δ〜δ〜1mm)の正方格子(サブ描画領域)に分割する。ここで、δ、δは遠距離感光作用による寸法変動の代表的な大きさ(10mm程度)の数分の1で良い。
【0036】
また、電子ビーム描画装置においては偏向領域の大きさよりも格子の大きさが大きい場合には、格子の大きさを偏向領域の大きさの整数倍にすることが描画効率を高くする上で好ましい。例えば、偏向領域の大きさが500μm角だとすると、格子の大きさを1000μm=1mm角にとる。一辺150mmのガラスマスクのうち描画領域を130mm角とすると、格子の大きさが1mm角であるので、格子の数は130×130=16900個ある。偏向領域は1mm角として説明する。
【0037】
先ず、近接効果と遠距離感光作用及びローディング効果の補正を合わせた各ショットにおける照射量D(x)を
0.5D(x)(w−Δ(x))/w+η∫σ(x−x')D(x')dx'+θ∫p(x−x')D(x')dx'=0.5D・・・・(1)
を満たすように決める。x、x'は、記述の便宜上それぞれ、2次元ベクトルを示すものとする。
【0038】
ここで、η及びθはそれぞれ近接効果及び遠距離感光作用の影響を示すパラメータを示す。また、σ(x)及びp(x)はそれぞれ近接効果及び遠距離感光作用の広がりを与える関数である。これらは実験的に予め求めておく。
【0039】
Δ(x)は、位置xにおけるローディング効果による寸法変動を与える。1mm角程度の領域内では一定として考える。通常、近接効果の広がりσ(x)は10μm程度であり、遠距離感光作用の広がりp(x)は数mm程度である。
【0040】
ここで、方程式(1)において、左辺の積分範囲はマスク全面のパターン領域である。しかし、実用的にはσ(x−x')を含む第1の積分における積分範囲は点xを中心とする、半径数十μm程度の領域に限定し、p(x−x')を含む第2の積分における積分範囲は点xを中心とする、半径30mm程度の領域に限定しても良い。
【0041】
近接効果と遠距離感光作用の補正を行う方法としては、例えば次のような方式が考えられる。
【0042】
D(x)=DC(x)×DC(x)として、遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)の変化が近接効果を補正する照射量DC(x)の変化に比べて緩やかだとすると、方程式(1)は良い近似で
0.5DC(x)DC(x)(w−Δ(x))/w+ηDC(x)∫σ(x−x')DC(x')dx'+θ∫p(x−x')DC(x')DC(x')dx'=0.5D・・・(2)
と表すことができる。
【0043】
今、近接効果を補正する照射量DC(x)を
0.5DC(x)+ηw/(w−Δ(x))∫σ(x−x')DC(x')dx'=0.5・・・(3)
を満たすように決める。この条件下で、残る方程式は
0.5DC(x)+θw/(w−Δ(x))∫p(x−x')DC(x')DC(x')dx'=0.5w/(w−Δ(x))D・・・(4)
となる。この方程式(4)に含まれる積分は、積分を行う領域を1mm角程度にして、その領域内で遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)が一定として求めても大きな誤差はない。この1mm角の領域内に限定すると方程式(4)の積分を含む項は
θw/(w−Δ(x))×Σp(x−x)DC(x)∫DC(x')dx'
となる。ここで、jは領域を示す添え字で、∫は、領域jでの積分を意味する。方程式(4)の積分を含む項は各領域についての積分を含む項の和で表されることとなる。
【0044】
方程式(3)の両辺をこの1mm角程度の領域jのパターンの存在する領域で積分すると、左辺第二項の積分は二重の二次元空間積分
∫σ(x−x')DC(x')dx'dx
となる。
ここで、上記の積分のうち∫σ(x−x’)dxの部分について考える。積分は位置x’を中心とした領域でどの程度パターンが存在するかによって値が変化する。しかしながら、パターンが密であれば、x’が領域jに含まれるならばx’によらずほぼ1と近似してよい。従って、第一の近似としてはこの値を1とする。この場合上記の積分は
DC(x)を上記1mm角の領域jで積分した
DC(x')dx'
となる。結局
(0.5+ηw/(w−Δ(xi)))∫DC(x')dx'=0.5×(領域jでのパターン面積)
が得られる。つまり、
DC(x')dx'=0.5×(領域jでのパターン面積)/(0.5+ηw/(w−Δ(xi))
)となり、方程式(4)は領域iについて
0.5DC(x)+θw/(w−Δ(xi))/(0.5+ηw/(w−Δ(x)))Σp(x−x)DC(x)×0.5×(領域jでのパターン面積)=0.5w/(w−Δ(xi))D・・・・(5)
となる。この方程式(5)をマスク全面の各領域について連立させてDC(x)を求めることができる。
更に近似の精度を高めるにはこの領域j内のパターン密度eをe=(領域j内のパターン面積)/(領域jの面積)と定義して、∫σ(x−x’)dxをeと近似することも出来る。この時には
(0.5+eηw/(w−Δ(xi)))∫DC(x')dx'=0.5×(領域jでのパターン面積)
となるから、方程式(4)は(5)と少し形が変わり
0.5DC(x)+θw/(w−Δ(xi))Σ1/(0.5+eηw/(w−Δ(xi)))p(x−x)DC(x)×0.5×(領域jでのパターン面積)=0.5w/(w−Δ(xi))D・・・・(5’)
となる。
また、(3)から直接DCp(x)を厳密に或いは適当な近似を用いて求め(4)に代入して計算精度を高めることも当然可能である。
【0045】
p(x)の広がりに比べてマスクの大きさは大きいので、方程式(5)のΣについて、全領域ではなく、xを含む領域から例えば半径30mm以内の領域のみ計算することにすれば計算は、より容易となる。
【0046】
ここで方程式(5)、(5’)で述べた方法においては、DC(x)は、近接効果の影響を示すパラメータη、遠距離感光作用の影響を示すパラメータθ、および各領域内のパターン面積が知られていれば、近接効果補正を行うときに必要となる細かいパターン分布は必要としない。
【0047】
遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)を予め求めておき、描画時には描画領域近傍について計算して得られる近接効果を補正する照射量DC(x)を計算して、その領域に与えられる近接効果を補正する照射量DC(x)の値を掛け合わせることにより、近接効果と遠距離感光作用及びローディング効果のすべてを補正できる。
【0048】
ローディング効果に起因する寸法変動Δのパターン密度依存性はパターン密度の異なるレジストパターンをエッチングすることで求められる。
【0049】
ここでは実効的な照射量分布として、最も単純な線形分布を仮定したが、勿論これは他の分布を用いても良い。uをローディング効果に起因する寸法変動Δとし、今一次元的に考えてパターン端でu=0とする。また、照射量分布がD(x)×s(u)で与えられるとする。但し、s(u)は、ビームスポットによってレジストに与えられるエネルギー分布を表し、s(0)=0.5、s(∞)=0、s(−∞)=1とする。
【0050】
先の例(線形分布の場合)は、−w≦u≦wでs(u)=0.5×(w−u)/w、u<−wでs(u)=1、u>wでs(u)=0としたものである。
【0051】
先の説明の方法を用いる場合には、照射量D(x)を与える方程式(1)は次のようになる。
【0052】
D(x)s(Δ)+η∫σ(x−x')D(x')dx'+θ∫p(x−x')D(x')dx'=0.5D・・・・(6)
ここで、先と同じようにD(x)=DC(x)×DC(x)として、
DC(x)+η(1 /s(Δ))∫σ(x−x')DC(x')dx'=0.5・・・(7)
0.5DC(x)+θ(1/s(Δ))∫p(x−x')DC(x')DC(x')dx'=0.5(1/s(Δ))D・・・(8)
を解くことで近接効果を補正する照射量DC(x)、遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)を求めることができる。
【0053】
スポットビームによってレジストに与えられるエネルギー分布s(Δ)は、実験的にレジストパターン寸法変動の照射量依存性から求めることができる。例えば、誤差関数のような適当な関数形を仮定して、テストパターン描画によりパラメータを決めれば良い。
【0054】
矩形パターンを等ピッチでアレイ状に配置し、中央部に、近接効果の影響が及ぶ距離よりも十分大きくかつローディング効果の影響が及ぶ距離よりも小さい領域、例えば200ミクロン角の大きさの領域を取る。この中央部に100ミクロン程度の領域に密度の異なる直線パターンを描画する。ここで、中央のパターンの描画においては近接効果補正及び遠距離感光作用補正を行う。現像後のパターンにおける寸法変動の代表値をその周辺パターン密度に対するローディング効果の影響による寸法変動Δとする。代表値としては例えば、中央のパターンの最も重要な密度付近で平均した寸法変動Δを用いることが望ましい。
【0055】
図8に、上記の補正を実現するシステム構成の例を示す。
【0056】
先ず、システムの記憶手段20には予め、ローディング効果の影響による寸法変動Δのパターン面積密度の依存性、スッポトビームのエネルギー分布を表す関数s(x)の表を記憶しておく。
【0057】
次に、描画データと基準照射量Dを装置のデータ処理計算機の記憶手段21に入力し記憶させておく。
【0058】
次に、記憶手段21に記憶されている描画データに基づいて、演算手段24において、全描画領域を1mm角格子に分割し、この1mm角格子(サブ描画領域)毎のパターン面積密度を求める。
【0059】
次に、このパターン面積密度分布と、記憶手段20に記憶されているローディング効果の影響による寸法変動Δの、パターン面積密度の依存性の表とから、演算手段25において寸法変動Δの寸法変動分布Δ(x)を求め、この寸法変動分布Δ(x)の表を記憶手段26に蓄える。
【0060】
次に、パターン面積密度と、ローディング効果の影響による寸法変動Δの寸法変動分布Δ(x)、基準照射量Dから、遠距離感光作用補正計算機27により方程式(8)を解き、遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)を求め、その表を記憶手段28に蓄える。
【0061】
一方、描画システム22において、描画時にはデータ処理計算機は、記憶手段21に記憶されている全パターンデータのうちサブ描画領域内のパターンデータを取り出して、図形分割回路23に送る。
【0062】
次に、図形分割回路23は、分割して得られたサブ描画領域内の小図形の位置、形状に関するデータを近接効果補正演算回路29に送る。
【0063】
このとき、近接効果補正演算回路29は、ローディング効果の影響による寸法変動分布Δ(x)が記憶されている記憶手段26にサブ描画領域の位置情報を送り、サブ描画領域に対応した寸法変動分布Δ(x)の値を取り出す。
【0064】
さらに、近接効果補正演算回路29は、この寸法変動分布Δ(x)の値を、エネルギービームによってレジストに与えられるエネルギー分布を表す関数sが記憶されている記憶手段に送り対応するs(Δ(x))の値を取り出す。
【0065】
次に、方程式(7)に基づいて、サブ描画領域内の各小図形について近接効果補正に基づく照射量DC(x)を計算し、演算回路30に出力する。
【0066】
次に、演算回路30は、記憶手段28に記憶されている遠距離感光作用補正照射量DC(x)の表から、前記サブ描画領域に対応する遠距離感光作用補正照射量DC(x)の値を取り出し、最終的な補正後の照射量D(x)=DC(x)×DC(x)を求め、各小図形の位置、形状に関するデータとともに描画回路31に出力する。
【0067】
描画回路31は、サブ描画領域内の小図形の位置、形状のデータに基づいて電子ビームの照射位置及び形状を決め、照射量D(x)となる照射時間だけ電子ビームを試料に照射する。これをサブ描画領域内において全ての小図形について描画が終了するまで繰り返す。一つのサブ描画領域内での描画が終了したら、次のサブ描画領域内の描画に移動する。
【0068】
ここでシステムや要求される条件によっては遠距離感光作用を無視して良い場合がありうる。その場合には上記の工程において、遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)を求める工程を省略し、D(x)=DC(x)×Dとすれば良い。
【0069】
上記の方法においては近接効果補正演算における近接効果を示すパラメータはηではなく、ηw/(w−Δ(x))となり、格子毎に異なる値をとる。しかしながら、演算の高速化或いは補正演算回路の構成を考えると近接効果補正におけるパラメータはηとしてマスク全面で一定とする方がシステム構成を容易にできる。そこで、以下のようにすることが可能である。
【0070】
先ず、ローディング効果を考えず、近接効果と遠距離感光作用の補正を合わせて、各ショットにおける照射量D(x)を
0.5D(x)+η∫σ(x−x')D(x')dx'+θ∫p(x−x')D(x')dx'=0.5D・・・・(9)
を満たすように決める。x及びx'の記述は、便宜上それぞれ2次元ベクトルを示すものとする。ここで、η及びθはそれぞれ近接効果及び遠距離感光作用の影響を示すパラメータを示し、σ(x)及びp(x)はそれぞれ近接効果及び遠距離感光作用の広がりを与える関数である。これらは実験的に予め求めておく。
【0071】
通常、近接効果の広がりσ(x)は10μm程度であり、遠距離感光作用の広がりp(x)は数mm程度である。
【0072】
近接効果と遠距離感光作用の補正を行う方法としては例えば次のような方式が考えられる。D(x)=DC(x)×DC(x)として、遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)の変化が近接効果を補正する照射量DC(x)の変化に比べて緩やかだとすると、上記方程式は良い近似で
0.5DC(x)DC(x)+ηDC(x)∫σ(x−x')DC(x')dx'+θ∫p(x−x')DC(x')DC(x')dx'=0.5D・・・(10)
とできる。
【0073】
今、近接効果を補正する照射量DC(x)及び遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)を
0.5DC(x)+η∫σ(x−x')DC(x')dx'=0.5・・・(11)
0.5DC(x)+θ∫p(x−x')DC(x')DC(x')dx'=0.5D・・・(12)
を満たすように決める。方程式(12)に含まれる積分は領域を1mm角程度にしてその領域内でDC(x)が一定として求めても大きな誤差はない。
【0074】
この1mm角の領域内に限定すると方程式(12)の積分を含む項は
θΣp(x−x)DC(x)∫DC(x')dx'
となる。ここで、jは領域を示す添え字で、∫は領域j内での積分を意味し、方程式(12)の積分を含む項は各領域についての積分を含む項の和で表されることとなる。
【0075】
方程式(11)の両辺をこの1mm角程度の領域のパターンの存在する領域で積分すると、第二項の積分は二重の二次元空間積分
∫σ(x−x')DC(x')dx'dx
となる。これは先と同様に近似して
DC(x')dx'
となる。x'での積分領域をこの1mm角の領域とすれば結局
(0.5+η)∫DC(x')dx'=0.5×(領域jのパターン面積)
が得られる。つまり、
DC(x')dx'=(領域jのパターン面積)/(0.5+η)
となり、方程式(12)は領域iについて
0.5DC(x)+θ/(0.5+η)Σp(x−x)DC(x)×(領域jのパターン面積)=0.5D・・・・(13)
となる。この方程式(13)をマスク全面の各領域について連立させてDC(x)を求めることができる。
【0076】
q(x)の広がりに比べてマスクの大きさは大きいので、方程式(13)のΣについて、全領域ではなく、xを含む領域から例えば半径30mm以内の領域のみ計算することにすれば計算はより容易となる。
【0077】
ここで述べた方法においてはDC(x)はθ、η、各領域内のパターン面積が知られていれば、近接効果補正を行うときに必要となる細かいパターン分布は必要としない。
【0078】
遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)のを予め求めておき、描画時にはサブ描画領域近傍について計算して得られる近接効果を補正する照射量DC(x)を計算して、そのサブ描画領域に与えられる遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)の値を掛け合わせることにより、近接効果と遠距離感光作用の双方を補正できる。
【0079】
次に、ローディング効果の補正照射量を求める。ここでは寸法変動はパターン密度に依存してパターン形状によらないと近似する。システムを単純にする為に、パターン密度分布は遠距離感光作用補正の際に用いたものと同じグリッドを用いることが有効である。
【0080】
図4の例で、いずれも寸法がΔだけ変動するとする。この寸法変動を補正する為に図7に示すように照射量を補正する。
【0081】
図4の密パターン領域Bの例で、ローディング効果補正前の照射量をD(x)、この時の近接効果及び遠距離感光作用による実効的な背景照射量をDbとする。補正後の照射量をDa(x)とすると、背景照射量を
Db×Da(x)/D(x)
と近似する。ここで、
Db=0.5(D−D(x))・・・(15)
で与えられる。従って、
Da(x)×(w−Δ)/2w+Db×Da(x)/D(x)=0.5D・・・(16)
となるようにDa(x)を選べば、現像後のレジストの寸法は−Δだけ変動する。エッチングによる寸法変動はΔであるから、二つの寸法変動は相殺されてエッチング後に所望の寸法が得られる。
0.5D(x)+Db(x)=0.5D
だから、方程式(16)を解いて
Da(x)=D(x)/(1−(Δ/w)×D(x)/D)・・・・(17)
が得られる。照射量Da(x)で描画することにより、エッチングプロセス後に所望の寸法が得られる。
【0082】
Δのパターン密度依存性はパターン密度の異なるレジストパターンをエッチングすることで求められる。
【0083】
図7の例では実効的な照射量分布として、最も単純な線形分布を仮定したが、勿論これは他の分布を用いても良い。今一次元的に考えてパターン端の位置をu=0とする。照射量分布がD(x)s(u)であたられるとする。但し、s(0)=0.5、s(∞)=0、s(−∞)=1とする。先の説明の方法を用いる場合には、次のようになる。
【0084】
(Da(x)/D(x))×Db(x)+Da(x)s(Δ)=0.5D ・・・(18)
だから、
Da(x)=D(x)/(1+(2s(Δ)−1)×(D(x)/D)) ・・・(19)
とすれば良い。スポットビームによってレジストに与えられるエネルギー分布s(Δ)は実験的にレジストパターン寸法変動の照射量依存性から求めることができる。例えば誤差関数のような適当な関数形を仮定して、テストパターン描画によりパラメータを決めれば良い。
【0085】
矩形パターンを等ピッチでアレイ状に配置し、中央部に近接効果の影響が及ぶ距離よりも十分大きく、かつ、ローディング効果の影響が及ぶ距離よりも小さい領域、例えば200ミクロン角の大きさの領域を取る。この中央部に100ミクロン程度の領域に密度の異なる直線パターンを描画する。ここで、中央のパターンの描画においては近接効果補正及び遠距離感光作用補正を行う。現像後のパターンの寸法変動の代表値をその周辺パターン密度に対するローディング効果の変動による寸法変動Δとする。代表値としては例えば、中央のパターンの最も重要な密度付近で平均した寸法変動Δを用いることが望ましい。
【0086】
これまで述べた補正方法は例えば、図9に示すようなシステム構成とすることで実現できる。
【0087】
先ず、実験或いはシミュレーションにより、ローディング効果の変動による寸法変動Δのパターン密度依存性とエネルギービームの分布を表す関数s(x)とを求め、その表を記憶手段20に記憶させておく。
【0088】
次に、描画データと基準照射量Dを装置のデータ処理計算機の記憶手段21に入力し記憶させておく。
【0089】
次に、記憶手段21に記憶されている描画データを、演算手段24に入力し、これに基づいて全領域を1mm角のサブ描画領域に分け、各サブ描画領域のパターン面積密度を求める。
【0090】
次に、演算手段32において、各サブ描画領域のパターン面積密度に基づいて方程式(13)を解くことにより基準照射量をDとする時の各サブ描画領域の遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)の表を作り、記憶手段33に蓄える。
【0091】
一方、描画システム22においては、描画開始と共に、記憶手段21から描画データを図形分割回路23に入力し、各描画図形を切り出す。
【0092】
次に、近接効果補正回路34を用いて、サブ描画領域近傍の描画データに基づいて、基準照射量をDとする時の近接効果補正用の照射量DC(x)を、方程式(11)を用いて求める。
【0093】
次に、ローディング効果補正回路35ではサブ描画領域に対応する遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)の値を記憶手段33から取り出して、
D(x)=DC(x)×DC(x)
を求め、次に、パターン密度に対応するローディング効果による寸法変動Δを記憶手段20から取り出す。その後スポットビームに関するエネルギー分布s(Δ)を記憶手段に蓄えたエネルギービームの分布を表す関数s(x)の表から求める。最後にDa(x)=D(x)/(1+(2s(Δ)−1)×(D(x)/D))を求め、照射量Da(x)を描画回路31に送る。
【0094】
描画回路31は与えられた照射量Da(x)によりサブ描画領域の描画を行う。以上の繰り返しを全てのサブ描画領域で行い、全描画領域の描画を行う。表の値は離散的であるから、表に基づいてローディング効果による寸法変動Δ、スポットビームに関するエネルギー分布s(Δ)を求める場合には、補間を用いることが有効である。
【0095】
また、予め遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)の表を求める代わりに描画中に現在描画しているよりも少し先の描画データを求めてパターン密度を演算するようにすれば、パターン密度の計算が描画とほぼ並行して行われるため、遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)の表を作るのに必要な計算時間を除くことが可能となる。
【0096】
これまではローディング効果の補正に限定して来た。しかしながら、本方式はローディング効果以外の寸法変動の補正にも有効である。
【0097】
エッチング装置においては試料面上でエッチング速度が一様であることが理想であるが、現実には若干の分布を持つ。このエッチングの非一様性によるパターンの寸法変動が、パターンの粗密によらず寸法変動Δで与えられるとすると、上記の議論の補正式(10)を用いることで寸法を補正することが可能である。
【0098】
これには予めパターン寸法変動の分布データを用いておき、これを表或いはフィッティングして得られる数式の形で記憶手段に蓄えておき、スポットビームによってレジストに与えられるエネルギー分布s(Δ)を計算する際に寸法変動Δを求めて補正量を計算する。
【0099】
更に、ローディング効果とエッチングの非一様性の両方が存在する場合には、図10に示すように、両者の影響を予め求めておき、ローディングによる寸法変動の分布ΔLと非一様性による寸法変動の分布ΔUとの和ΔL+ΔUを改めてΔとして、補正式(10)を適用することで所望の寸法が得られる。
【0100】
図9との違いは以下のとおりである。本例では実験等により求めたプロセス非一様性の寸法変動の分布ΔU(x)を記憶する手段36を有する。
【0101】
また、図9の例のローディングによる寸法変動Δを、ローディングによる寸法変動の分布ΔLに置き換える。
【0102】
ローディング補正回路37は遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)の表、パターン密度分布の表の記憶手段33と非一様性の寸法変動の分布ΔU(x)の記憶手段38とから、サブ描画領域の遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)、パターン密度、及び非一様性の寸法変動の分布ΔU(x)との値を取り出す。
【0103】
ローディング補正回路37はΔ(x)=ΔL(x)+ΔU(x)を計算する機能を有する。得られたΔ(x)に基づいてs(Δ(x))とD(x)と基準照射量Dとから補正照射量Da(x)を求める。
【0104】
これまで説明しなかったが、よく知られているように、Δの符号はレジストとしてポジを用いるか、ネガを用いるかで異なる。また、エッチングプロセスの条件によっても異なる。
図11(a)に示すように、上述のパターン描画方法を用いて、試料13上に塗布されたレジスト膜16にパターンを描画し、現像することによりレジストパターン16を形成する。このレジストパターン16は、近接効果、遠距離感光作用、およびローディング効果が補正されたパターンとなっている。続いて、図11(b)に示すように、このレジストパターン16をマスクとして試料13をエッチングし、その後、このレジストパターン16を除去することにより、エッチングに伴う寸法変動が高い精度で補正されたパターンを試料13に形成することができる(図11(c)参照)。
【0105】
更に、本方式は電子ビームを用いた転写方式への適用が可能である。転写方式ではパターン形成されたマスクの上を、電子ビームをオンしたまま連続的に或いはオンオフしながらステップ移動させて走査して得られるパターン化された電子ビームを試料上に照射することでパターンを形成する。ここでも、走査する電子ビームの電流密度或いはビーム照射時間を調整することで試料上の照射量密度に分布を持たせて寸法変動を補正することができる。ステップ的に移動させて走査する場合にもビーム位置を重ねて移動させることがパターンの連続性を維持する上で有効である。
【0106】
転写方式では多くの場合は転写パターンがウェファ上の小領域に限定され、一つのマスクパターンで形成される領域よりも広い範囲で遠距離感光作用或いはローディング効果、プロセス非一様性が現れることがある。この場合には先に説明した補正量を計算する際に、パターンデータの周囲における隣接パターンの影響も含めて計算する。
【0107】
以上の説明では電子ビームを用いた描画に限定して説明してきたが、これは例えばレーザービームを用いた描画においても使用できる。この場合には近接効果、遠距離感光作用はビームのぼけ或いは光学系内の漏れビームによるものが主体となると考えられるが、プロセスに起因する寸法変動については電子ビームによるものと同一である。レーザービームは例えば音響光学素子等を用いることでオンオフされて描画されるが、このオン時間を調整することでレーザー光の照射密度調整し、寸法変動を補正する。
【0108】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、エッチングに伴う寸法変動を高い精度で補正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子ビーム描画装置の構成を示す図。
【図2】近接効果を説明する基板の断面図。
【図3】遠距離感光作用を説明する概略図。
【図4】ローディング効果を説明する図。
【図5】ローディング効果の従来の補正方法を説明する図。
【図6】本発明の一実施形態における試料分割の例を示す図。
【図7】本発明の一実施形態によるローディング効果補正方法を説明する図。
【図8】本発明の一実施形態における作業の流れを示すフローチャート。
【図9】本発明の一実施形態における作業の流れを示すフローチャート。
【図10】本発明の実施形態における作業の流れを説明するフローチャート。
【図11】本発明の一実施形態によるパターン形成方法の工程断面図。
【符号の説明】
1 電子銃
2 収束レンズ
3 成形アパーチャ
4 投影レンズ
5 成形アパーチャ
6 成形偏向器
7 対物レンズ
8 レティクル・マスク
9 高精度主偏向器
10 高速副偏向器
11 サブフィールド
12 フレーム
13 試料
14 入射電子
15 後方散乱電子
16 レジスト
17 対物レンズ
18 対物レンズ下面
20 記憶手段
21 記憶手段
22 描画システム
23 図形分割回路
24 演算手段
25 演算手段
26 記憶手段
27 遠距離感光作用補正計算機
28 記憶手段
29 近接効果補正演算回路
30 演算回路
31 描画回路
32 演算回路
33 記憶手段
34 近接効果補正回路
36 記憶手段
37 ローディング補正手段
38 記憶回路

Claims (8)

  1. レジストを塗布した試料上にエネルギービームを照射してパターンを描画するパターン描画方法であって、
    前記パターンを描画するための描画データ、前記エネルギービームを照射するための基準照射量D、ローディング効果の影響による寸法変動Δの、パターン依存性の分布、およびエネルギービームの前記レジストに与えるエネルギー分布sを記憶する工程と、
    前記描画領域を格子状に分割し、サブ描画領域を形成する工程と、
    前記描画データに基づいて、前記サブ描画領域毎のパターン面積密度分布を求める工程と、
    前記パターン面積密度および前記基準照射量Dに基づいて、前記サブ描画領域内の遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)を計算する工程と、
    前記描画データおよび前記基準照射量Dに基づいて、前記サブ描画領域内のパターンについて近接効果を補正する照射量DC(x)を計算する工程と、
    前記遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)、前記近接効果を補正する照射量DC(x)、前記寸法変動Δの、パターン依存性の分布、および前記エネルギービームのエネルギー分布sに基づいて照射量D(x)を求める工程と、
    前記サブ描画領域のパターンの位置及び形状に関するデータに基づいて前記エネルギービームの照射位置および形状を決定し照射量D(x)となる時間だけ前記エネルギービームを照射する工程と、
    を備えたことを特徴とするパターン描画方法。
  2. 前記パターン面積密度分布と、前記ローディング効果の影響による寸法変動Δの、パターン依存性の分布とから、前記サブ描画領域それぞれにおける寸法変動分布Δ(x)を求める工程と、
    を備え、
    前記遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)は、前記パターン面積密度分布、前記基準照射量D、および前記寸法変動分布Δ(x)に基づいて計算され、
    前記近接効果を補正する照射量DC(x)は、前記サブ描画領域のパターンの位置及び形状に関するデータ、前記基準照射量D、前記寸法変動分布Δ(x)および前記エネルギービームのエネルギー分布sに基づいて計算されることを特徴とする請求項1記載のパターン描画方法。
  3. 前記照射量D(x)は、前記近接効果を補正する照射量DC(x)と前記遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)との積であることを特徴とする請求項1または2記載のパターン描画方法。
  4. 前記遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)は前記基準照射量Dであるとして前記照射量D(x)を求めることを特徴とする請求項3記載のパターン描画方法。
  5. 前記照射量D(x)は、D(x)=DC(x)×DC(x)/(1+(2s(Δ)−1)×(DC(x)×DC(x)/D))により求めることを特徴とする請求項1記載のパターン描画方法。
  6. 前記寸法変動Δは、ローディング効果に加えて前記レジストのエッチング速度の非一様性の影響による寸法変動をも含んでいることを特徴とする請求項5記載のパターン描画方法。
  7. 前記遠距離感光作用を補正する照射量DC(x)は前記基準照射量Dであるとして前記照射量D(x)を求めることを特徴とする請求項5記載のパターン描画方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のパターン描画方法を用いて前記レジストにパターンを描画した後、前記レジストを現像し、レジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンをマスクとして前記試料をエッチングし、前記試料にパターンを形成する工程と、
    を備えたことを特徴とするパターン形成方法。
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