JP2005337299A - 空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント - Google Patents

空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント Download PDF

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Abstract

【課題】 簡単な構造をもって複数の乃至は広い周波数域の振動に対する防振効果が有利に発揮され得ると共に、自動車への装着が容易とされる改良された構造の空気圧切換型の流体封入式エンジンマウントを提供することにある。
【解決手段】 第二のオリフィス通路102を空気圧式アクチュエータ108によって開閉制御する一方、可動仕切部材64の中央部に可動板としての中央可動板部92を、外周部に可動膜としての外周可動ゴム膜部84を配すると共に、該可動仕切部材64を挟んで受圧室34と反対側に常時大気に連通せしめられた空気室72を形成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車においてパワーユニットを車両ボデーに対して防振支持せしめるエンジンマウントに係り、特に内部に封入された非圧縮性流体の流動作用を利用してエンジンシェイクやアイドリング振動等の複数の乃至は広い周波数域の振動に対して有効な防振効果が発揮され得る、改良された構造の流体封入式エンジンマウントに関するものである。
従来から、自動車用のエンジンマウントの一種として、パワーユニットと車両ボデーの各一方に取り付けられる第一の取付金具と第二の取付金具を本体ゴム弾性体で相互に連結させて、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と変形容易な可撓性膜で壁部の一部が構成された平衡室を形成し、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、両室を相互に連通させるオリフィス通路を設けた流体封入式のエンジンマウントが知られている。
ところで、自動車用のエンジンマウントにおいては、走行状態等に応じて防振すべき振動の周波数が異なる場合が多いが、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づいて発揮される防振効果は、予めオリフィス通路がチューニングされた比較的に狭い周波数域に限られる。
そこで、本願出願人は、先に特開平8−270718号公報(特許文献1)において、防振すべき一つの振動の周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路と該第一のオリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域において防振すべき別の振動の周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路を設けると共に、第二のオリフィス通路を連通/遮断せしめる弁手段を設けて、更に外部から及ぼされる空気圧を利用して弁手段を駆動する空気圧式アクチュエータを設けた空気圧切換型の流体封入式エンジンマウントを提案した。かかるエンジンマウントにおいては、空気圧式アクチュエータに対して外部から大気圧を及ぼすことによって第二のオリフィス通路が遮断状態に、また外部から負圧を及ぼすことによって第二のオリフィス通路が連通状態になるように弁手段を駆動して、防振すべき振動に応じて第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路を選択的に機能させることによって、目的とする防振効果が発揮されるようになっている。
ところが、近年では、一層高度な防振性能が要求されるようになってきており、上述の特許文献1に示されるエンジンマウントであっても、要求される防振性能が未だ十分に発揮され難い場合があった。その一つの要求特性が、走行時に問題となる走行こもり音等の高周波振動に対する防振性能である。別のもう一つの要求特性が、走行時に問題となるエンジンシェイク等の低周波振動に対する防振性能である。更に、後者の低周波振動に関しては、段差乗り越え等に際して問題となる低周波大振幅振動と通常走行時に問題となる低周波小振幅振動との二種類の振動に対する防振性能が要求される。
そこで、先ず、高周波振動に対する防振性能の要求特性に対処するために、高周波数域で問題となる振動が一般に小振幅であることに着目し、例えば本願出願人の先願に係る実開平2−25749号公報(特許文献2)に示されているように、受圧室と平衡室を仕切る隔壁部分に硬質の可動板を微小距離だけ変位可能に配設して、第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路のチューニング周波数域を越えた高周波数域の振動入力時における受圧室の圧力変動を可動板の微小な変位で吸収させて、低動ばね化を図ることが考えられる。
ところが、このような可動板を採用した場合に、低周波数域の小振幅振動の入力時等にまで、受圧室の圧力変動が可動板の変位で吸収されてしまうおそれがあり、それによって、低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路を通じての流体流動量が十分に確保され難くなり、低周波小振幅振動に対して十分な減衰作用が発揮され難くなる問題がある。しかも、硬質の可動板では、その微小変位を許容するために可動板の外周側に隙間を設ける必要があることから、この隙間を通じて受圧室から平衡室への圧力の漏れが発生し易いことに起因して、低周波小振幅振動や中周波中振幅振動の入力時における受圧室の圧力変動が漏れてしまって、第一及び第二のオリフィス通路を通じての流体流動量が十分に確保され難くなり、エンジンシェイクの低振幅成分やアイドリング振動の中振幅成分に対する防振性能が低下してしまうという問題があった。
なお、上述の如き問題に鑑みて、本願出願人の先願に係る特開平9−310732号公報(特許文献3)に記載されているように、硬質の可動板に代えて薄肉のゴム膜からなる可動膜を配設して、該可動膜の弾性変形に基づく液圧吸収作用によって、二つのオリフィス通路のチューニング周波数域を越えた高周波数域の振動に対する低動ばね化を図ることが考えられる。
しかしながら、このような可動膜を採用すると、前述の可動板と同様に、低周波小振幅振動や中周波中振幅振動の入力時にまで受圧室の圧力変動が可動膜の弾性変形によって吸収されてしまうおそれがあり、エンジンシェイクやアイドリング振動等に対する防振効果が有効に発揮され難いという問題があった。
因みに、上述の問題に対処するために、例えば本願出願人の先願に係る特開平5−118375号公報(特許文献4)にも示されているように、可動膜を挟んで受圧室と反対側に作用空気室を設けて、該作用空気室に外部から負圧を及ぼすことに伴い可動膜を拘束変形せしめてその弾性変形量を制限することが考えられる。蓋し、エンジンシェイクやアイドリング振動が入力された際に、可動膜の弾性変形量を制限して受圧室の圧力変動の吸収を抑えることによって、第一のオリフィス通路や第二のオリフィス通路を通じての流体流動量が大きく確保されることに基づいて、エンジンシェイクやアイドリング振動等に対する防振効果が有利に発揮されるからである。
しかしながら、特許文献4に係る流体封入式エンジンマウントにおいては、可動膜の弾性変形量を制限するに際して、位相差や可動膜の自由長、作用空気室の大きさ等を考慮して作用空気室に負圧を及ぼして、可動膜が高度に拘束変形されるようになっていることから、マウントの制御系や全体構造が複雑となる。それ故、かかるエンジンマウントでは、製造効率や製造コスト等の負担が大きくなることに加えて、自動車に対して容易に装着され難いという問題を内在していたのである。
特開平8−270718号公報 実開平2−25749号公報 特開平9−310732号公報 特開平5−118375号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、簡単な構造をもって複数の乃至は広い周波数域の振動に対する防振効果が有利に発揮され得ると共に、自動車への装着が容易とされる改良された構造の空気圧切換型の流体封入式エンジンマウントを提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(本発明の態様1)
本発明の態様1の特徴とするところは、(a)パワーユニット側部材と車両ボデー側部材の一方に取り付けられる第一の取付部材と、(b)それらパワーユニット側部材と車両ボデー側部材の他方に取り付けられる第二の取付部材と、(c)前記第一の取付部材と前記第二の取付部材を弾性的に連結する本体ゴム弾性体と、(d)該本体ゴム弾性体によって壁部の一部が構成されて振動が入力される、非圧縮性流体が封入された受圧室と、(e)壁部の一部が可撓性膜で構成されて容積変化が容易に許容される、非圧縮性流体が封入された平衡室と、(f)前記受圧室と前記平衡室を相互に連通せしめる、エンジンシェイクに略相当する低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路と、(g)前記受圧室と前記平衡室を相互に連通せしめる、アイドリング振動に略相当する中周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路と、(h)該第二のオリフィス通路を連通/遮断する弁手段と、(i)外部から及ぼされる空気圧で作動せしめられて前記弁手段を駆動する空気圧式アクチュエータと、(j)中央部分が硬質の中央可動板部とされていると共に、外周部分が変形容易な外周可動ゴム膜部とされており、該外周可動ゴム膜部の外周縁部が前記第二の取付部材で流体密に支持されることにより該中央可動板部および該外周可動ゴム膜部における変位乃至は変形が許容されるように配設されて、前記受圧室の壁部の別の一部を構成する可動仕切部材と、(k)該可動仕切部材を挟んで前記受圧室と反対側に形成されて、常時大気に連通せしめられた空気室とを、有する空気圧切換型の流体封入式エンジンマウントにある。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式エンジンマウントにおいては、例えば段差乗越え時に発生するエンジンシェイク等に相当する低周波大振幅振動が入力される際に、中央可動板部と外周可動ゴム膜部からなる可動仕切部材の変位乃至は変形による液圧吸収が追従し得ずに受圧室には有効な圧力変動が惹起されることとなって、受圧室と平衡室の間に相対的な圧力変動が有効に生ぜしめられる。それ故、第二のオリフィス通路を弁手段で遮断状態に維持することによって、第一のオリフィス通路を通じての流体流動が十分に確保されて、第一のオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づく高減衰効果が発揮されることから、優れた防振性能が発揮され得る。
また、例えば通常走行時に発生するエンジンシェイク等に相当する低周波小振幅振動が入力されるに際しては、中央可動板部の外周側における流体密性が外周可動ゴム膜部によって確保されていることと中央可動板部が硬質とされて可動仕切部材の変形量が抑えられていることによって、可動仕切部材による受圧室の圧力吸収が抑えられることとなり、受圧室には未だ十分に有効な圧力変動が惹起されることとなる。それ故、上述の低周波大振幅振動の場合と同様に、第二のオリフィス通路を弁手段で遮断状態にすれば、第一のオリフィス通路を通じての流体流動量が有利に確保され得て、第一のオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づく高減衰効果が発揮されて、優れた防振性能が発揮され得る。
さらに、例えば走行時に発生する走行こもり音等に相当する高周波微小振幅振動が入力される際には、受圧室の圧力変動が非常に小さいことから、可動仕切部材の変位乃至は変形に基づいて受圧室の圧力変動が軽減され得る。特に、可動仕切部材の中央可動板部が中央部分に形成されていることによって中央可動板部の有効面積が有利に確保されていると共に、該可動板部の外周縁部を流体密に支持せしめる外周可動ゴム膜部が変形容易とされていることから、受圧室における高周波数域の振動に対して追従するように変位乃至は変形されて、受圧室の圧力変動が有利に抑えられる。それ故、高周波数域の振動入力時には、第一及び第二のオリフィス通路が実質的に閉塞された状態下にあっても、受圧室の著しい圧力変動が可動仕切部材によって回避されて、低動ばね特性に基づく有効な振動絶縁作用により、優れた防振性能が発揮され得る。
更にまた、例えば停車時に発生するアイドリング振動等に相当する中周波中振幅振動が入力された際には、可動仕切部材による受圧室の圧力吸収が懸念されるが、硬質の中央可動板部が可動仕切部材の中央部分に設けられていることに基づいて可動仕切部材の変形量が抑えられるようになっていると共に、中央可動板部の外周側に外周可動ゴム膜部が設けられて受圧室の流体密性が確保されていることに基づいて受圧室から平衡室への圧力漏れが回避されるようなっていることから、受圧室には未だ十分に圧力変動が惹起されることとなる。それ故、空気圧式アクチュエータを作動せしめて第二のオリフィス通路を連通状態とすることによって、第二のオリフィス通路を通じての流体流動量が十分に確保され得て、該第二のオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づく高減衰効果が発揮されて、優れた防振性能が発揮され得る。なお、第二のオリフィス通路の連通状態下では、第一のオリフィス通路も連通状態にあるが、第一のオリフィス通路のチューニング周波数を超えた周波数域となる中周波の入力振動に対しては、第一のオリフィス通路を通じての流体の***振的な作用に起因して第一のオリフィス通路が実質的に閉塞された状態とされることから、当該第二のオリフィス通路を通じての流体流動量が有効に確保されることとなる。
すなわち、本態様に係る流体封入式エンジンマウントにおいては、中央可動板部と外周可動ゴム膜部からなる可動仕切部材が採用されていることによって、例えば上述の高周波微小振幅振動等の入力に対して、可動仕切部材による液圧吸収作用が有効に機能されることにより、受圧室の高動ばね化を抑えて優れた振動絶縁効果が発揮され得る一方、例えば低周波小振幅振動や中周波中振幅振動等の入力に対して、可動仕切部材の変形量が抑えられると共に受圧室の流体密性が確保されていることにより、受圧室に有効な圧力変動が惹起されることから、第二のオリフィス通路を遮断状態と連通状態に選択的に切り換え作動せしめることによって、各オリフィス通路を通じての流体流動作用に基づく振動減衰効果が有利に発揮され得る。
それ故、本態様では、斯くの如き可動仕切部材が採用されていることによって、比較的に簡単な構造で複数の乃至は広い周波数域の振動に対して目的とする防振効果が発揮されることから、製造効率やコストパフォーマンスに優れたエンジンマウントが有利に実現され得るのである。
しかも、本態様のエンジンマウントにおいては、防振すべき振動周波数域に応じて可動仕切部材の変位乃至は変形量を制御する構造を特に用いる必要がないことから、制御系統が簡略化されることとなり、自動車に対する組み付け作業が容易とされると共に、マウントに係る稼動コストの削減が有利に図られ得る。
(本発明の態様2)
本発明の態様2の特徴とするところは、本発明の前記態様1に係る空気圧切換型の流体封入式エンジンマウントにおいて、前記第一の取付部材を筒状の前記第二の取付部材の軸方向一方の開口部側に離隔配置してそれら第一の取付部材と第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結せしめて該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に覆蓋し、更にそれら本体ゴム弾性体と可撓性膜の間に隔壁部材を配設して該第二の取付部材に支持させることにより、該隔壁部材を挟んだ両側に前記受圧室と前記平衡室を形成して、該隔壁部材の該受圧室に面する側に前記可動仕切部材を配設すると共に、該隔壁部材における該可動仕切部材の背後に前記空気室を形成して該空気室から延びて該第二の取付部材を貫通して外周面に開口する空気通路を形成する一方、前記第一のオリフィス通路を該隔壁部材の外周部分を周方向に延びるように形成し、更に前記第二のオリフィス通路を該隔壁部材における該可動仕切部材の外周側で軸方向に所定長さで延び、該隔壁部材の内部を軸直角方向内方に延びるように形成して、該第二のオリフィス通路の受圧室側の開口部を該隔壁部材における該可動仕切部材の外周側に形成すると共に、該第二のオリフィス通路の平衡室側の開口部を該隔壁部材の中央部分に形成して、該平衡室側の開口部に該可撓性膜を重ね合わせることによって前記弁手段を構成し、該弁手段を前記アクチュエータで駆動せしめて該第二のオリフィス通路の平衡室側の開口部を開閉させることに基づいて該第二のオリフィス通路を連通/遮断制御せしめるようにすると共に、該第二のオリフィス通路における該平衡室側への開口部から軸直角方向外方に向かって延びる部分を、軸直角方向外方に行くに従って次第に周方向の幅寸法が大きくなるように広がった形状としたことにある。
このような本態様においては、受圧室と平衡室を仕切る隔壁部材を利用して第一及び第二のオリフィス通路が形成されていると共に、可動仕切部材や空気室が配設されていることから、それら各部材が機能的に配置されることとなり、全体構造がコンパクトに実現され得る。
また、本態様に係る流体封入式エンジンマウントでは、第二のオリフィス通路の平衡室側の開口部から軸直角方向外方に向かって延びる部分が、軸直角方向外方に行くに従って次第に周方向の幅寸法が大きくなるように広がった形状とされていることによって、隔壁部材における第一のオリフィス通路や空気室、可動仕切部材等の設計自由度が良好に保持されつつ、第二のオリフィス通路の容積を大きく確保することが可能となる。そして、受圧室に対して有効な圧力変動が惹起される防振特性が要求される際に、可動仕切部材による受圧室の圧力吸収が所定量だけ生ぜしめられる場合であっても、第二のオリフィス通路の容積が大きくされていることによって、第二のオリフィス通路を流動せしめられる流体の流動量が十分に大きく確保されることから、該第二のオリフィス通路を通じての流体流動作用に基づいて所期の防振効果(高減衰効果)が得られるのである。
(本発明の態様3)
本発明の態様3の特徴とするところは、本発明の前記態様1又は2に係る空気圧切換型の流体封入式エンジンマウントにおいて、前記可動仕切部材における前記中央可動板部の外周縁部分に弾性当接突部を突出形成し、前記第二の取付部材又は該第二の取付部材によって支持せしめた変位規制部材に対して該弾性当接突部を当接させることによって、該中央可動板部の変位量を緩衝的に制限する変位量制限手段を設けたことにある。
このような本態様においては、変位量制限手段が設けられていることにより、低周波大振幅振動は勿論、低周波小振幅振動の入力時における受圧室の圧力変動が可動仕切部材によって吸収されてしまうことを一層効果的に抑えることが可能となる。そして、第一のオリフィス通路を流動せしめられる流体の流動量の増大を図って、かかる流体の共振作用に基づく減衰効果の更なる向上と、それに伴う低周波振動に対する防振性能の更なる向上が図られ得る。更に、中央可動板部の支持ばね特性を、弾性当接突部の変位規制部材に対する当接によって調節することが可能となることから、中央可動板部の固有振動数を調節して走行こもり音等に相当する高周波の振動周波数域にあわせることにより、かかる中央可動板部の共振作用を利用して、高周波数域における受圧室の圧力吸収に基づく防振性能の更なる向上を図ることも可能となる。なお、弾性当接突部が当接せしめられる変位規制部材は、例えば、第二の取付部材によって固定的に支持されることによって有利に構成され得、具体的には、第二の取付部材によって固定的に支持されて受圧室と平衡室を仕切る前述の隔壁部材を利用すること等によって有利に構成され得る。
(本発明の態様4)
本発明の態様4の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至3の何れかに係る空気圧切換型の流体封入式エンジンマウントにあって、前記空気圧式アクチュエータにおいて、自動車の走行状態下で外部から略大気圧が及ぼされることによって前記第二のオリフィス通路が遮断状態となるように前記弁手段が駆動せしめられる一方、自動車の停車状態下で外部から負圧が及ぼされることによって該第二のオリフィス通路が連通状態となるように該弁手段が駆動せしめられるようになっていることにある。
このような本態様においては、自動車の内燃機関の吸気系から得られる負圧を巧みに利用して第二のオリフィス通路を連通/遮断状態に切り換えることが可能となる。また、本態様では、空気圧式アクチュエータに対して空気圧を給排, 制御するだけでも、第二のオリフィス通路を連通/遮断状態に切換作動させることに伴い各種の防振性能が選択的に発揮されるようになっていることから、全体的な制御の簡略化が有効に図られ得る。
(本発明の態様5)
本発明の態様5の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至4の何れかに係る空気圧切換型の流体封入式エンジンマウントにおいて、前記可動仕切部材における前記中央可動板部に硬質の拘束プレートを配設し、該拘束プレートの外周縁部に対して前記外周可動ゴム膜部を接着せしめたことにある。
このような本態様においては、拘束プレートが採用されることにより、中央可動板部における不必要な変形に起因する低乃至中周波数域の振動入力時における受圧室の圧力変動の吸収が一層確実に抑えられる。それによって、第一のオリフィス通路や第二のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づく目的とする防振効果がより効果的に安定して発揮され得るのである。なお、拘束プレートとしては、硬質の合成樹脂材料や金属などからなる薄肉の板材が好適に採用される。また、中央可動板部は、かかる拘束プレートだけで構成し、その外周縁部に外周可動ゴム膜部を接着することによって構成することも可能であり、或いは、例えば、中央可動板部の実質的に全体に亘って広がるゴム弾性膜の中央部分に拘束プレートを接着せしめて、該ゴム弾性膜の中央部分に中央可動板部を形成すると共に、該ゴム弾性膜の外周縁部によって外周可動ゴム膜部を形成するようにしても良い。
(本発明の態様6)
本発明の態様6の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至5の何れかに係る空気圧切換型の流体封入式エンジンマウントにおいて、前記第一の取付部材と前記第二の取付部材の間に及ぼされる入力振動が±0.05mm以下の微小振幅振動の場合には前記受圧室に惹起される圧力変動を実質的に吸収し得るが、該第一の取付部材と該第二の取付部材の間に及ぼされる入力振動が±0.1mm前後の小振幅振動や±1.0mm以上の大振幅振動の場合には該受圧室に惹起される圧力変動を実質的に吸収し得ないように、前記可動仕切部材における変位乃至は変形の特性が設定されていることにある。
このような本態様においては、車種等によって相違するものの、一般に多くの自動車において問題となる、(1)10Hz前後の低周波数域で、±1.0mm前後の大振幅の振動として作用せしめられる、段差乗り越え等に起因するエンジンシェイク等の低周波大振幅振動と、(2)10Hz前後の低周波数域で、±0.1mm前後の小振幅振動として作用せしめられる、通常走行時に問題となるエンジンシェイク等の低周波小振幅振動とに、対するそれぞれ高減衰作用による優れた防振性能と共に、(3)50Hzから数百Hzの高周波数域で、±0.05mm以下の微小振幅振動として作用せしめられる、走行時に問題となるこもり音等の高周波振動に対する低動ばね作用による優れた防振性能が、何れも、より有効に実現され得る。なお、上述の如き可動仕切部材における変位乃至は変形の特性の設定には、例えば可動仕切部材の固有振動数を±0.05mm以下の微小振幅振動の周波数域にチューニングして該可動仕切部材の共振作用を利用したり、或いは本発明の態様3に係る変位量制限手段を採用したりすること等によって有利に実現される。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた空気圧切換型の流体封入式エンジンマウントにおいては、中央可動板部と外周可動ゴム膜部からなる可動仕切部材が採用されていることによって、比較的に簡単な構造で複数の乃至は広い周波数域の振動に対して目的とする防振効果が発揮され得ると共に、製造効率やコストパフォーマンスが有利に向上され得るのであり、加えて、全体の制御系統も簡略化されることから、自動車に対する組み付け作業が容易とされると共に、稼動コストが有利に低減され得る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。先ず、図1には、本発明の一実施形態としての自動車用防振マウント10が示されている。この防振マウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結された構造とされており、第一の取付金具12がパワーユニット側に取り付けられる一方、第二の取付金具14がブラケット18を介して自動車のボデー側に取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向は、原則として、図1における上下方向をいう。
より詳細には、第一の取付金具12は、略逆円錐台形のブロック形状を有している。また、その大径側端面には、軸方向上方に突出するようにして取付ボルト20が一体形成されている。
一方、第二の取付金具14は、全体として大径の略円筒形状を有している。また、第二の取付金具14は、その軸方向上側端部にくびれ部22を備えている。このくびれ部22は、径方向内方に凹んで周方向の全周に延びており、かかるくびれ部22によって、第二の取付金具14の軸方向上側開口部分が上方に向かって次第に拡開する逆テーパ形状とされている。また、第二の取付金具14には、その上部開口側に離隔して、第一の取付金具12が略同一中心軸上に配設されている。そして、これら第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に本体ゴム弾性体16が配設されており、この本体ゴム弾性体16によって第一の取付金具12と第二の取付金具14が弾性的に連結されている。
本体ゴム弾性体16は、全体として略円錐台形状を有しており、第一の取付金具12が小径側端面から差し込まれるようにして本体ゴム弾性体16に加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面には、第二の取付金具14の軸方向上側の開口部分が重ね合わされて加硫接着されている。これにより、第一の取付金具12におけるテーパ状の外周面と第二の取付金具14のくびれ部22における逆テーパ状の内周面とが互いに対向位置せしめられて、かかる対向面間に本体ゴム弾性体16が介在せしめられている。なお、本実施形態では、本体ゴム弾性体16が、第一の取付金具12と第二の取付金具14を備えた一体加硫成形品とされている。
また、このように第二の取付金具14の開口部が本体ゴム弾性体16の外周面に加硫接着されることにより、第二の取付金具14の軸方向上側の開口部が本体ゴム弾性体16によって流体密に閉塞されている。なお、本体ゴム弾性体16の大径側端面には、すり鉢状の大径凹所24が形成されて、第二の取付金具14内に開口せしめられている。
更にまた、第二の取付金具14の内周面には、シールゴム層26が被着形成されている。このシールゴム層26は、本体ゴム弾性体16と一体形成されており、かかるシールゴム層26によって第二の取付金具14の内周面が略全面に亘って覆われている。
さらに、第二の取付金具14には、その軸方向下方の開口部から、隔壁部材としての仕切部材28と、可撓性膜としてのゴムダイヤフラム30が、順次に嵌め込まれて、第二の取付金具14に対して嵌着固定されている。なお、ゴムダイヤフラム30の外周縁部には、円筒形状の固定筒金具32が加硫接着されており、この固定筒金具32が第二の取付金具14の下端開口部に嵌着固定されることによって、第二の取付金具14の下端開口が流体密に覆蓋されている。
これにより、仕切部材28を挟んだ一方(図1中、上)には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成された受圧室34が形成されていると共に、仕切部材28を挟んだ他方(図1中、下)には、壁部の一部がゴムダイヤフラム30で構成された平衡室36が形成されている。また、これら受圧室34および平衡室36は、外部空間に対して流体密に仕切られており、それぞれ、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等の非圧縮性流体が封入されている。そして、受圧室34においては、振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて積極的な圧力変動が生ぜしめられるようになっている一方、平衡室36では、ゴムダイヤフラム30の変形が容易に許容されて容積可変とされることにより、圧力変動が速やかに吸収されるようになっている。
ここにおいて、仕切部材28は、図2〜4に示されている如き厚肉の略円板形状を有する仕切ブロック38を備えている。かかる仕切ブロック38には、その上端面と下端面の各中央部分において、上側中央凹所40と下側中央凹所42が、それぞれ略円形の凹陥形状をもって形成されている。
また、仕切ブロック38には、外周面に開口して周方向に屈曲等して延びる周方向凹溝44が形成されており、この周方向凹溝44の両端部が軸方向各一方の面に開口せしめられている。更にまた、仕切ブロック38には、外周面に開口して軸方向に所定長さで直線的に延びる軸方向凹溝46が形成されており、この軸方向凹溝46の上端部が周方向凹溝44の一端部を利用して仕切部材28の上面に開口している。
また、軸方向凹溝46の下端部が、トンネル状で径方向に延びる連通孔48を通じて下側中央凹所42に接続されている。即ち、連通孔48は、その一方の端部が、仕切ブロック38の中央部分に形成された略側面視矩形状の開口部50を通じて下側中央凹所42に開口していると共に、その他方の端部が軸方向凹溝46の開口端面を介して仕切ブロック38の外周面に開口している。
また、特に本実施形態では、連通孔48の周方向の幅寸法が、下側中央凹所42に接続された開口部50から仕切部材28の外周面に向かって径方向(軸直角方向)外方に行くに従って次第に大きくされている。これにより、連通孔48における開口部50から軸方向凹溝46に向かって延びる径方向の断面積が、当該開口部50から径方向外方に行くに従って周方向に次第に広がるように大きくされた形状を呈している。
更にまた、仕切ブロック38の上側中央凹所40は、深さ方向中間部分に段差面52が設けられて、底部側の小径凹部54と開口側の大径凹部56からなる段付円形凹所とされている。また、段差面52には、幅方向の中間部分を周方向の全周に亘って連続して延びる略平面視円環形状の環状凹所58が形成されていると共に、かかる環状凹所58が、内周壁部の適数箇所(本実施形態では二箇所)に形成された連通溝60によって、小径凹部54に接続されている。更に、小径凹部54の周壁には、仕切ブロック38を径方向に貫通して延びる空気通路62が形成されている。そして、この空気通路62の内方端部が小径凹部54に連通せしめられている一方、空気通路60の外方端部が仕切ブロック38の外周面において外部に開口せしめられている。
そして、かかる大径凹部56に対して、可動仕切部材としての可動部材64が組み付けられていると共に、可動部材64の上方から、蓋板金具66が仕切ブロック38の上面に重ね合わされて組み付けられている。
可動部材64は、図5,6にも単品図が示されているように、円形の略薄板形状のゴム弾性板68を有しており、ゴム弾性板68の外周面に対して円形の嵌着金具70が加硫接着されている。そして、この嵌着金具70が仕切ブロック38の大径凹部56に対して圧入固定されていることにより、上側中央凹所40の開口が可動部材64によって流体密に覆蓋されており、以て、可動部材64の上方に受圧室34が形成されている一方、可動部材64の下方には、空気室72が形成されている。かかる空気室72は、仕切ブロック38に形成された空気通路62や第二の取付金具14およびブラケット18の周壁部を貫通して形成された貫通孔を通じて常時大気に連通されている。
また、ゴム弾性板68は、仕切ブロック38における段差面52の略内周縁部上に位置せしめられる部分において、周方向に連続して若しくは不連続に延びる環状の弾性突部74が一体形成されている。また、かかる弾性突部74における周上の適数箇所(本実施形態では、四箇所)には、更に大きく上下両面に突出する略台地形状の当接支持部76が一体形成されている。なお、本実施形態では、ゴム弾性板68における上下両方の弾性突部74,74の突出先端面間の寸法が、嵌着金具70の軸方向寸法よりも僅かに小さく設定されていると共に、上下両方の当接支持部76,76の突出先端面間の寸法が、嵌着金具70の軸方向寸法と同じか僅かに大きく設定されている。
更にまた、可動部材64には、ゴム弾性板68の中央部分に対して金属や合成樹脂からなる硬質の拘束プレート78が埋設状態で固着されている。この拘束プレート78は、図7に示されているように、中央部分が僅かに凹んだ略浅皿形状とされており、薄肉ながら変形剛性の向上が図られている。また、拘束プレート78は、仕切ブロック38の上側中央凹所40の内径寸法よりも大きな外径寸法を有しており、拘束プレート78の外周縁部が、段差面52にまで延び出している。
なお、拘束プレート78の外周縁部には、上下の当接支持部76,76に対応する複数箇所に、それぞれ切欠き80が設けられており、当接支持部76,76の形成部位を逃げるようにして拘束プレート78がゴム弾性板68に被着されている。また、拘束プレート78の中心には、円形孔82が貫設されて可動部材64を構成するゴム材料によって覆蓋されている。この円形孔82が形成されていることにより、拘束プレート78の両面へのゴム材料の回りが良好とされて、ゴムの拘束プレート78に対する固着強度の向上も図られ得る。しかも、この円形孔82の大きさや、該円形孔82を閉塞するゴム膜の肉厚寸法を適当に調節することにより、可動部材64の弾性変形特性を適宜に調節することも出来る。
さらに、ゴム弾性板68の外周部分は、弾性突部74と嵌着金具70との間に位置する部分が薄肉とされている。これにより、外周可動ゴム膜部84が、所定幅で周方向に延びる円環板形状をもって形成されている。そして、この外周可動ゴム膜部84が、仕切ブロック38の段差面52に形成された環状凹所58の開口部上に位置せしめられている。
一方、蓋板金具66は、図8にも示されているように、全体として薄肉の略円板形状を有しており、径方向中間部分に僅かな段差部86が形成されて、外周縁部に対して中央部分が下方に突出せしめられている。そして、蓋板金具66は、仕切ブロック38の上面に重ね合わされて、段差部86が、仕切ブロック38の上側中央凹所40の開口部に嵌め込まれることにより、径方向に位置決めされて組み付けられている。
また、蓋板金具66には、中央部分に円形の中央透孔88が貫設されていると共に、該中央透孔88の回りには、所定幅で周方向に延びる複数の外周透孔90が貫設されている。そして、蓋板金具66が仕切ブロック38に組み付けられた際、中央透孔88を通じて、拘束プレート78で補強されたゴム弾性板68の中央可動板部92が受圧室34に臨むようになっていると共に、外周透孔90を通じて、外周可動ゴム膜部84が受圧室34に臨むようになっている。
更にまた、蓋板金具66の外周縁部には、周上の一箇所に切欠き窓94が設けられており、この切欠き窓94が仕切ブロック38に設けられた周方向凹溝44と軸方向凹溝46の共通する上側開口部に位置合わせされている。なお、切欠き窓94と凹溝44,46の上側開口部を相互に位置合わせするために、仕切ブロック38の上端面には周上の適当な部位に位置決め突起96が突設されていると共に、蓋板金具66の対応する部位に位置決め孔98が形成されており、それら位置決め突起96と位置決め孔98の係合作用で周方向の位置決めが実現されるようになっている。
而して、上述の如きゴム弾性板68および蓋板金具66の仕切ブロック38への組み付け状態下、ゴム弾性板68の各当接支持部76は、図9に拡大して示されているように、各先端面が、仕切ブロック38の段差面52または蓋板金具66の下面に対して当接されており、必要に応じて適当に圧縮されている。また、弾性突部74は、図10に拡大して示されているように、仕切ブロック38の段差面52または蓋板金具66の下面に対して僅かな隙間をもって位置せしめられている。そして、ゴム弾性板68に対して受圧室34の圧力変動が及ぼされた際には、ゴム弾性板68の上下面に及ぼされる受圧室34と空気室72の圧力差に基づいて、ゴム弾性板68の変位乃至は変形が生ぜしめられるようになっている。
ここにおいて、ゴム弾性板68における中央可動板部92は、埋設固着せしめられた拘束プレート78によってその変形が規制されており、主として当接支持部76,76の弾性変形に基づいて許容される変位が生ぜしめられるようになっている。一方、外周可動ゴム膜部84は、薄肉とされて弾性変形が容易に許容されるようになっており、変形による変位が生ぜしめられるようになっている。なお、中央可動板部92の背後の空間と外周可動ゴム膜部84の背後の空間が、連通溝60によって連通状態に安定して維持されており、実質的に単一の空気室として作用するようになっている。
また、仕切ブロック38の外周面に形成された周方向凹溝44および軸方向凹溝46の開口部は、何れも、第二の取付金具14で流体密に覆蓋されている。そして、周方向凹溝44が覆蓋されることにより、受圧室34と平衡室36を相互に連通する第一のオリフィス通路100が、常時、連通せしめられた状態で形成されている。また、軸方向凹溝46が覆蓋されることにより、仕切ブロック38の連通孔48から下側中央凹所42を通じて平衡室36に開口せしめられて、該平衡室36を受圧室34に連通せしめる第二のオリフィス通路102が形成されている。
この第二のオリフィス通路102は、第一のオリフィス通路100に比して略同じ通路断面積と短い通路長さで形成されている。これにより、第一のオリフィス通路100よりも第二のオリフィス通路102の方が高周波数域にチューニングされている。具体的には、第一のオリフィス通路100を通じて流動せしめられる流体の共振周波数が、該流体の共振作用に基づき、例えば±0.1mm程度で10Hz前後のエンジンシェイク等の低周波小振幅振動および±1.0mm程度で10Hz前後のエンジンシェイク等の低周波大振幅振動に対して高減衰特性が発揮されるようにチューニングされている。また、第二のオリフィス通路102を通じて流動せしめられる流体の共振周波数が、該流体の共振作用に基づき、例えば±0.1〜0.25mm程度で20〜40Hzのアイドリング振動等の中周波中振幅振動に対して低動ばね効果が発揮されるようにチューニングされている。更に、可動部材64の固有振動数が、該可動部材64の変位乃至は変形に基づき、例えば±0.01〜0.02mm程度で60〜120Hzの走行こもり音等の高周波微小振幅振動に対して可動部材64に共振現象が有効に生ぜしめられるようにチューニングされている。
特に本実施形態では、第二のオリフィス通路102の一部を構成する連通孔48の径方向断面積が、仕切ブロック38の中央部分に形成された開口部50から径方向外方に行くに従って周方向に次第に広がるように大きくされていることから、第二のオリフィス通路102の容積が、当該連通孔の径方向断面積が開口部から径方向外方に向かって略一定の大きさで延びることによって全長に亘ってストレートな形状とされた構造の第二のオリフィス通路の容積に比して大きくされている。
そして、上述のように、第一の取付金具12と第二の取付金具14を有する本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対して仕切部材28とゴムダイヤフラム30を組み付けて構成されたマウント本体には、更に、ブラケット18が組み付けられている。かかるブラケット18は、全体として大径で深底の略有底円筒形状を有しており、第二の取付金具14に対して外嵌固定されている。また、ブラケット18が、大径の略円筒形状を有する固着筒金具104に圧入固定されており、該固着筒金具104が自動車用ボデーにボルト固定されることにより、第二の取付金具14が、ブラケット18を介して、自動車用ボデーに取り付けられるようになっている。
また、ブラケット18は、第二の取付金具14に対して十分に深底とされており、第二の取付金具14が嵌着固定された状態下、ブラケット18の底部には十分な大きさの内部空所106が形成されている。そして、この内部空所106によって、ゴムダイヤフラム30の膨出変形が十分に大きく許容されるようになっている。
さらに、ブラケット18の底部には、空気圧式アクチュエータ108が装備されている。この空気圧式アクチュエータ108は、ブラケット18の底部をベースハウジング110に利用しており、かかるベースハウジング110に対して、弁手段としての出力部材112がブラケット18の内部に位置するようにして組み付けられている。
かかる出力部材112は、全体として略ハット形状を有する仕切ゴム114を備えており、該仕切ゴム114の中央部分が逆カップ形状の出力部116とされていると共に、その外周部分が、該出力部116の下端開口周縁部から斜め下方に広がるテーパ付き鍔状の弾性周壁部118とされている。また、出力部116には、金属や合成樹脂で形成された硬質の補強部材120が埋設固着されている一方、弾性周壁部118の外周縁部には、環状の圧入金具122が加硫接着されている。
そして、圧入金具122がブラケット18の底部周壁に対して圧入固定されることにより、仕切ゴム114の外周縁部がブラケット18で形成されたベースハウジング110の底面に対して流体密に当接されている。これにより、出力部材112の開口がベースハウジング110の底壁部で覆蓋されて内部に調圧空気室124が形成された空気圧式アクチュエータ108が構成されている。
なお、本実施形態では、調圧空気室124に圧縮コイルスプリング126が収容されて組み付けられていることにより、出力部116とベースハウジング110の間に離隔方向の付勢力が常時及ぼされるようになっている。また、ベースハウジング110の底部中央を貫通してエアポート128が設けられている。そして、このエアポート128を通じて、外部から、調圧空気室124の圧力を制御することが出来るようになっている。
すなわち、防振マウント10の装着状態下において、このエアポート128に対して外部の空気圧管路130が接続されており、かかる空気圧管路130を通じて切換弁132が接続されている。そして、切換弁132の切り換え作動に従って、調圧空気室124に大気中と負圧源134が選択的に接続されるようになっている。
そして、調圧空気室124が大気中に接続された状態下では、弾性周壁部118の弾性と、圧縮コイルスプリング126の弾性が出力部116に作用することにより、出力部116が上方に弾性的に突出せしめられて、ゴムダイヤフラム30を上方に付勢せしめて、仕切部材28における仕切ブロック38の中央下面に対して押し付けた状態に保持されるようになっている。ここにおいて、出力部116の外形は、仕切ブロック38の中央下面に形成された下側中央凹所42の開口径よりも大きなものとされていることから、ゴムダイヤフラム30の中央部を下側中央凹所42の開口部に押し付けて、実質的に流体密に覆蓋することとなり、これによって、下側中央凹所42を通じて平衡室36に開口せしめられる第二のオリフィス通路102を遮断するようになっている。
一方、調圧空気室124が負圧源134に接続された状態下では、弾性周壁部118の弾性と圧縮コイルスプリング126の弾性に抗して、該調圧空気室124内に及ぼされる負圧と外部大気圧との圧力差に基づいて出力部116が調圧空気室124の内方に吸引され、軸方向下方に変位せしめられることとなる。それ故、ゴムダイヤフラム30が下側中央凹所42の開口部から離隔せしめられて、第二のオリフィス通路102が開口、連通状態とされる。
ここにおいて、本実施形態では、切換弁132が制御装置136により、自動車の走行状態と、停車状態によって切り換えられるようになっている。すなわち、走行状態下では、調圧空気室124が大気中に接続される一方、停車状態下では、調圧空気室124が負圧源134に接続されるようになっている。なお、かかる制御装置136としては、例えば、加速度センサ等によって、切換弁132を構成する電磁ソレノイドに駆動制御信号を出力することによって有利に構成される。
従って、上述の如き構造とされた防振マウント10では、その走行時の段差の乗り越え等において入力される低周波大振幅振動に対して、中央可動板部92と外周可動ゴム膜部84からなる可動部材64の変位乃至は変形による液圧吸収が追従し得ずに受圧室34には有効な圧力変動が惹起され得ることとなる。これにより、受圧室34と平衡室36の間に相対的な圧力変動が有効に生ぜしめられる。それ故、第二のオリフィス通路102を出力部材112で遮断状態に維持すれば、第一のオリフィス通路100を通じての流体流動量が有利に確保され得て、該第一のオリフィス通路100を通じて流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づく高減衰効果が発揮され、優れた防振性能が実現され得ることとなる。
また、その通常走行状態下において入力される低周波小振幅振動に対しては、上述の低周波大振幅振動の場合と同様に、第二のオリフィス通路102を出力部材112で遮断状態に維持すれば、第一のオリフィス通路100を通じての流体流動量が有利に確保され得て、該第一のオリフィス通路100を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づく高減衰効果が発揮され、優れた防振性能が実現され得ることとなる。なお、可動部材64による受圧室34の圧力吸収が懸念されるが、本実施形態では、中央可動板部92の外周側における流体密性が外周可動ゴム膜部84によって確保されていることと、中央可動板部92が硬質とされて可動部材64の変形量が抑えられるようになっていることから、受圧室34には未だ十分に有効な圧力変動が惹起されることとなる。
さらに、走行時に入力される高周波微小振幅振動に対しては、受圧室34の圧力変動が非常に小さいことから、可動部材64の変位乃至は変形によって受圧室34の圧力変動が有効に吸収乃至は軽減され得る。特に、可動部材64の中央可動板部92は、中央部分に形成されて有効面積を有利に確保することが出来ると共に、その外周縁部を流体密に支持せしめる外周可動ゴム膜部84が変形容易とされていることから、受圧室34における高周波数域の圧力変動に対して有利に追従変位し得て、受圧室34の圧力変動を抑えることが出来るのである。しかも、可動部材64の固有振動数が防振すべき振動の高周波数域にチューニングされていることから、かかる高周波振動が入力された際に、可動部材64が共振作用に基づいて一層有利に追従変位される。それ故、当該高周波数域の振動入力時には、第一及び第二のオリフィス通路100,102が実質的に閉塞状態となった状態下においても、受圧室34の著しい圧力変動が可動部材64によって回避され得て、低動ばね特性に基づく有効な振動絶縁作用により優れた防振性能が発揮され得ることとなる。
更にまた、停車時に入力される中周波中振幅振動に対しては、可動部材64による受圧室34の圧力吸収が懸念されるが、本実施形態では、硬質の中央可動板部92が可動部材64の中央部分に設けられていることに基づいて可動部材64の変形量が抑えられるようになっていると共に、中央可動板部92の外周側に外周可動ゴム膜部84が設けられて受圧室34の流体密性が確保されていることに基づいて受圧室34から平衡室36への圧力漏れが回避されるようなっていることから、受圧室34には未だ十分に圧力変動が惹起されることとなる。それ故、空気圧式アクチュエータ108を作動せしめて第二のオリフィス通路102を連通状態とすることによって、第二のオリフィス通路102を通じての流体流動量が十分に確保され得て、該第二のオリフィス通路102を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づく高減衰効果が発揮されて、優れた防振性能が発揮され得る。なお、第二のオリフィス通路102の連通状態下では、第一のオリフィス通路100も連通状態にあるが、第一のオリフィス通路100のチューニング周波数を超えた周波数域となる中周波の入力振動に対しては、第一のオリフィス通路100を通じての流体の***振的な作用に起因して第一のオリフィス通路100が実質的に閉塞された状態とされることから、当該第二のオリフィス通路102を通じての流体流動量が有効に確保されることとなる。
従って、本実施形態に係る防振マウント10においては、防振すべき振動の周波数や振幅に応じて、第一のオリフィス通路100や第二のオリフィス通路102、可動部材64が、それぞれ、効率的に機能されることによって、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して優れた防振効果が発揮され得る。
そこにおいて、本実施形態では、中央可動板部92と外周可動ゴム膜部84からなる可動部材64が採用されていることによって、可動部材64による受圧室34の液圧吸収を抑えて受圧室34に圧力変動を有効に惹起させる形態が要求される、例えば上述の低周波小振幅振動や中周波中振幅振動等の入力時に、可動部材64の中央に硬質の中央可動板部92が形成されて可動部材64の変形量が抑えられていることと、中央可動板部92の外周側の流体密性が外周可動ゴム膜部84で確保されていることに基づいて、受圧室34に有効な圧力変動が惹起される。それ故、第一のオリフィス通路100または第二のオリフィス通路102を通じての各流体流動量が十分に確保されることから、第二のオリフィス通路102を遮断状態と連通状態に選択的に切り換え作動せしめることによって、各オリフィス通路100,102を通じての流体流動作用に基づく防振効果が有利に発揮され得るのである。
その結果、例えば空気室72に外部から空気圧(負圧または正圧)を及ぼして可動部材64を拘束変形させて、その液圧吸収作用を抑える構造を採用しなくとも、可動部材64の構造によって変形乃至は変位量が抑えられて受圧室34に圧力変動が有効に惹起されることに基づき目的とする防振効果が発揮されることから、全体構造が機能的に実現されて、製造効率が有利に向上され得ることに加え、切換弁132や制御装置136、空気圧管路130等の構造が簡略化されることから、製造コストや稼動コストの低減化が有利に図られ得ると共に、自動車への装着が容易に為されるのである。
また、本実施形態では、第二のオリフィス通路102の一部を構成する連通孔48が、仕切ブロック38の中央部分に形成された開口部50から径方向外方に行くに従って次第に周方向の幅寸法が大きくなるように広がった形状とされていることによって、第二のオリフィス通路102の容積が大きく確保されることとなる。その結果、受圧室34に対して有効な圧力変動が惹起される防振特性が要求される際に、可動部材64による受圧室34の圧力吸収が所定量だけ生ぜしめられる場合であっても、第二のオリフィス通路102を流動せしめられる流体の流動量が十分に大きく確保されることから、該第二のオリフィス通路102を通じての流体流動作用に基づいて目的とする防振効果(高減衰効果)が有利に発揮され得る。
また、本実施形態では、可動部材64に弾性当接突部としての弾性突部74および当接支持部76を突出形成することによって、可動部材64の変位量を制限して、低周波小振幅振動の入力時の可動部材64による圧力吸収を一層効果的に抑えることができる。
また、本実施形態の防振マウント10では、可動部材64の中央可動板部92に拘束プレート78が埋設状態で固設されていることから、中央可動板部92における不必要な変形に起因する低〜中周波数域の振動入力時における受圧室34の圧力変動の吸収が一層確実に抑えられ得ることとなり、第一のオリフィス通路100や第二のオリフィス通路102における流体流動による防振効果が効果的に発揮される。
因みに、上述の如き本実施形態に従う構造とされた防振マウント10について、その防振性能(動的絶対ばね定数)の周波数特性を実測した結果を、実施例1として図11に示す。また、第二のオリフィス通路の一部を構成する連通孔の径方向断面積が仕切ブロックの中央部分に形成された開口部から径方向外方に向かって略一定の大きさで延びることによって全長に亘ってストレートな形状とされた構造の防振マウント(図示せず)について、実施例1と同様にその防振性能の周波数特性を測定した結果を、実施例2として図11に併せ示す。なお、連通孔48において仕切ブロック38の外周面に開口する、略側面視長手矩形状の開口部の軸方向断面積を実施例1では225mm2 に、実施例2では147mm2 に設定した。また、第二のオリフィス通路102における開口部50から径方向外方に向かって延び、仕切ブロック38の外周面に開口された開口部に至る流路長さを実施例1では40mmに、実施例2では41mmに設定した。それによって、実施例1に係る第二のオリフィス通路102の容積が、実施例2に係る第二のオリフィス通路の容積に比して大きくされている。また、測定に際しては、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に、パワーユニットの分担支持荷重に相当する1000Nの静的な初期荷重を加えて、エンジンシェイク(小振幅)やアイドリング振動に近い0.25mmの振幅(変位)の振動を加えた。
図11に示された結果からも、実施例1及び2に係る防振マウントにおいては、防振すべき振動周波数域の一つである20〜40Hzの中周波数域の振動に対して、何れも封入流体の共振現象が有効に発生しており、当該周波数域で流体の共振作用等の流動作用に基づく防振性能の向上効果が充分に期待できることが認められる。
加えて、図11の結果からも、実施例1の防振マウント10にあっては、実施例2の防振マウントに比して、中周波数域の振動に対する高減衰作用が一層有利に発揮され得ることが認められることから、第二のオリフィス通路102の容積が大きく確保されることに基づいてかかる周波数域での防振性能が向上されたものと考えられる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であり、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、前記実施形態においては、硬質の拘束プレート78を埋設することによって、中央可動板部92を補強しているが、この拘束プレート78は無くても良い。すなわち、ゴム弾性板68を、例えば必要に応じて厚肉化することによって、十分に硬質とすることで、拘束プレート78等によって補強することなく中央可動板部92としての機能を発揮させることも可能である。
また、前記実施形態では、下側中央凹所42の開口部に押圧するための付勢手段として圧縮コイルスプリング126を用いていたが、付勢手段は、前記実施形態のものに限定されるものではない。具体的には、例えば、仕切ゴム114の弾性だけを利用して、当接状態に保持せしめることも可能であり、或いは、圧縮コイルスプリング126に代えて板バネ等を用いることも可能である。
また、可動部材64における中央可動板部92や外周可動ゴム膜部84の形状や大きさ、構造、更には可動部材64の仕切部材28に対する配設位置等は、例示の如きものに限定されるものでなく、要求される防振特性や製作性等に応じて、適宜に設定変更され得る。例えば、前記実施形態では、可動部材64の外周縁部が、そこに加硫接着された嵌着金具70の仕切部材28への圧入によって、第二の取付金具14に対して仕切部材28を介して流体密に支持されていたが、その他、例えば、可動部材64の外周縁部に嵌着金具(70)を被着することなく、可動部材64の外周縁部を形成する外周縁ゴム部を軸方向で流体密に挟圧することによって、可動部材64の外周縁部を、必要に応じて仕切部材28を介して、第二の取付金具14に対して固定的に組み付けるようにしても良い。
また、前記実施形態では、連通孔48における開口部50から軸方向凹溝46に向かって延びる径方向の断面積が、開口部50から軸方向凹溝46に向かって、即ち径方向外方に行くに従って周方向に次第に大きく広がる形状とされていたが、例えば連通孔48の径方向の断面積に代えて或いは加えて、連通孔48の軸方向の断面積が、径方向外方に行くに従って軸方向に次第に大きく広がる形状としても良い。
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用のエンジンマウントに適用したものの具体例を示したが、その他、本発明は、自動車以外のエンジンマウント装置に対しても、有利に適用され得るものであることは勿論である。
本発明の一実施形態としての防振マウントを示す縦断面説明図であって、図2におけるI−I断面に相当する図である。 図1における防振マウントの一部を構成する仕切ブロックを示す平面説明図である。 図2における仕切ブロックを示す底面説明図である。 図2における仕切ブロックを示す斜視説明図である。 図1における防振マウントの一部を構成する可動部材を示す平面説明図である。 図5における可動部材を示す底面説明図である。 図1における防振マウントの一部を構成する拘束プレートを示す平面説明図である。 図1における防振マウントの一部を構成する蓋板金具を示す平面説明図である。 図1における防振マウントの一つの要部を拡大して示す縦断面説明図である。 図1における防振マウントの別の要部を拡大して示す縦断面説明図である。 図1における防振マウントの動的特性を測定した結果を実施例1として示すと共に、図1における防振マウントの第二のオリフィス通路と異なる構造の第二のオリフィス通路を備えた防振マウントの動的特性を測定した結果を実施例2として併せ示すグラフである。
符号の説明
10 防振マウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
34 受圧室
36 平衡室
64 可動部材
72 空気室
84 外周可動ゴム膜部
92 中央可動板部
100 第一のオリフィス通路
102 第二のオリフィス通路
108 空気圧式アクチュエータ
112 出力部材

Claims (6)

  1. パワーユニット側部材と車両ボデー側部材の一方に取り付けられる第一の取付部材と、
    それらパワーユニット側部材と車両ボデー側部材の他方に取り付けられる第二の取付部材と、
    前記第一の取付部材と前記第二の取付部材を弾性的に連結する本体ゴム弾性体と、
    該本体ゴム弾性体によって壁部の一部が構成されて振動が入力される、非圧縮性流体が封入された受圧室と、
    壁部の一部が可撓性膜で構成されて容積変化が容易に許容される、非圧縮性流体が封入された平衡室と、
    前記受圧室と前記平衡室を相互に連通せしめる、エンジンシェイクに略相当する低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路と、
    前記受圧室と前記平衡室を相互に連通せしめる、アイドリング振動に略相当する中周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路と、
    該第二のオリフィス通路を連通/遮断する弁手段と、
    外部から及ぼされる空気圧で作動せしめられて前記弁手段を駆動する空気圧式アクチュエータと、
    中央部分が硬質の中央可動板部とされていると共に、外周部分が変形容易な外周可動ゴム膜部とされており、該外周可動ゴム膜部の外周縁部が前記第二の取付部材で流体密に支持されることにより該中央可動板部および該外周可動ゴム膜部における変位乃至は変形が許容されるように配設されて、前記受圧室の壁部の別の一部を構成する可動仕切部材と、
    該可動仕切部材を挟んで前記受圧室と反対側に形成されて、常時大気に連通せしめられた空気室と
    を、有することを特徴とする空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント。
  2. 前記第一の取付部材を筒状の前記第二の取付部材の軸方向一方の開口部側に離隔配置してそれら第一の取付部材と第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結せしめて該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に覆蓋し、更にそれら本体ゴム弾性体と可撓性膜の間に隔壁部材を配設して該第二の取付部材に支持させることにより、該隔壁部材を挟んだ両側に前記受圧室と前記平衡室を形成して、該隔壁部材の該受圧室に面する側に前記可動仕切部材を配設すると共に、該隔壁部材における該可動仕切部材の背後に前記空気室を形成して該空気室から延びて該第二の取付部材を貫通して外周面に開口する空気通路を形成する一方、前記第一のオリフィス通路を該隔壁部材の外周部分を周方向に延びるように形成し、更に前記第二のオリフィス通路を該隔壁部材における該可動仕切部材の外周側で軸方向に所定長さで延び、該隔壁部材の内部を軸直角方向内方に延びるように形成して、該第二のオリフィス通路の受圧室側の開口部を該隔壁部材における該可動仕切部材の外周側に形成すると共に、該第二のオリフィス通路の平衡室側の開口部を該隔壁部材の中央部分に形成して、該平衡室側の開口部に該可撓性膜を重ね合わせることによって前記弁手段を構成し、該弁手段を前記アクチュエータで駆動せしめて該第二のオリフィス通路の平衡室側の開口部を開閉させることに基づいて該第二のオリフィス通路を連通/遮断制御せしめるようにすると共に、該第二のオリフィス通路における該平衡室側への開口部から軸直角方向外方に向かって延びる部分を、軸直角方向外方に行くに従って次第に周方向の幅寸法が大きくなるように広がった形状とした請求項1に記載の空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント。
  3. 前記可動仕切部材における前記中央可動板部の外周縁部分に弾性当接突部を突出形成し、前記第二の取付部材又は該第二の取付部材によって支持せしめた変位規制部材に対して該弾性当接突部を当接させることによって、該中央可動板部の変位量を緩衝的に制限する変位量制限手段を設けた請求項1又は2に記載の空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント。
  4. 前記空気圧式アクチュエータにおいて、自動車の走行状態下で外部から略大気圧が及ぼされることによって前記第二のオリフィス通路が遮断状態となるように前記弁手段が駆動せしめられる一方、自動車の停車状態下で外部から負圧が及ぼされることによって該第二のオリフィス通路が連通状態となるように該弁手段が駆動せしめられるようになっている請求項1乃至3の何れかに記載の空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント。
  5. 前記可動仕切部材における前記中央可動板部に硬質の拘束プレートを配設し、該拘束プレートの外周縁部に対して前記外周可動ゴム膜部を接着せしめた請求項1乃至4の何れかに記載の空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント。
  6. 前記第一の取付部材と前記第二の取付部材の間に及ぼされる入力振動が±0.05mm以下の微小振幅振動の場合には前記受圧室に惹起される圧力変動を実質的に吸収し得るが、該第一の取付部材と該第二の取付部材の間に及ぼされる入力振動が±0.1mm前後の小振幅振動や±1.0mm以上の大振幅振動の場合には該受圧室に惹起される圧力変動を実質的に吸収し得ないように、前記可動仕切部材における変位乃至は変形の特性が設定されている請求項1乃至5の何れかに記載の空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント。
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