JP4666632B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車、一般産業用機械等に適用され、エンジン等の振動発生部から車体等の振動受部へ伝達される振動を減衰及び吸収する防振装置に関する。
自動車には、エンジンと車体(フレーム)との間に防振装置としてエンジンマウントが配置されている。このようなエンジンマウントとして適用される防振装置の一例としては、特許文献1に示されている液体封入式のものが知られている。この特許文献1に示された防振装置には、外筒、ゴム弾性体及びダイヤフラムにより外部から密閉された液室空間が形成されており、この液室空間は、肉厚円板状の隔壁体によりゴム弾性体を隔壁の一部とする主液室と、ゴム製のダイヤフラムを隔壁の一部とする副液室とにそれぞれ区画され、これらの主液室と副液室とが制限通路であるオリフィスにより繋ぎ合わされている。
ここで、主液室、副液室及びオリフィス内には、水、ポリアルキレングリコール等の液体が充填されている。隔壁体には、外周側に主液室と副液室とを連通させる制限通路であるオリフィスが設けられている。また隔壁体の内部には、オリフィスの内周側に円柱状の空間である収納室が設けられ、この収納室は仕切壁に形成された第1及び第2の開口部を通して主液室及び副液室にそれぞれ連通している。この防振装置では、収納室内にゴム等により円板状に形成された可動プレートが流通制御板として収納されており、この可動プレートは、収納室内で入力振動の振幅方向に沿って振動可能とされている。
上記のように構成された防振装置では、入力振動の周波数が所定の値よりも高い場合には、オリフィスが目詰まり状態となるが、可動プレートが収納室内で入力振動に同期して振動し、第1及び第2の開口部を交互に開閉することにより、収納室を通って主液室と副液室との間で液体の流通が生じるので、主液室内の液圧上昇に伴うゴム弾性体の動ばね定数の上昇を抑えることができ、このような高周波振動の入力時もゴム弾性体の動ばね定数を低く維持し、このゴム弾性体の弾性変形等により高周波振動を効果的に吸収できるようになる。
上記のような防振装置で用いられる隔壁体を装置に組み付ける際には、例えば、隔壁体を外筒における一方の開口端から内周側へ嵌挿し、この隔壁体の下端面を外筒内周面における中間部に形成された段差部へ突き当てると共に、スペーサとなる筒状部材を外筒の内周側へ嵌挿し、筒状部材の下端面を隔壁体の上端面に突き当てた後に、外筒の一方の開口端部に設けられたかしめ部を内周側へかしめる。これにより、外筒の内周側に嵌挿された隔壁体及び筒状部材が段差部とかしめ部との間に挟持されて固定される。
特開平1−193425号公報
ところで、上記のような防振装置では、振動入力時に可動プレートが入力振動の振幅方向に沿って振動し、収納室の内壁面に入力振動の周波数に対応する周期で繰り返し衝突し、可動プレートが収納室内壁へ衝突する際の衝撃力が外筒内に固定された隔壁体に繰り返し作用し、この衝撃力は隔壁体に当接した筒状部材にも伝達される。このため、隔壁体及び筒状部材に可動プレートからの衝撃力が長期的に亘って繰り返し作用すると、この衝撃力により隔壁体と筒状部材とのとの間に微小な隙間(ガタ)が生じ、隔壁体が可動プレートからの衝撃力を受けた際に、隔壁体が筒状部材へ衝突して打音が生じ、この打音が車体を通して車内へ不快な異音として伝達されることがある。
本発明の目的は、上記事実を考慮して、隔壁体に設けられた収納室内に配置された流通制御板が収納室の内壁面へ衝突して生じる衝撃力により隔壁体と筒状部材との間で打音が発生することを長期的に防止できる防振装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る防振装置は、筒状に形成され、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の取付部材と、前記第1の取付部材の内周側に配置され、振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置されたゴム弾性体と、液体が封入され、前記ゴム弾性体を隔壁の一部として該ゴム弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、液体が封入されると共に隔壁の一部がダイヤフラムにより形成され、液圧変化に応じて前記ダイヤフラムが変形して内容積が拡縮する副液室と、前記第1の取付部材の内周側に嵌挿されて、前記主液室と前記副液室との間を区画した隔壁体と、前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路と、前記隔壁体の内部に設けられ、第1の開口部及び第2の開口部を通して前記主液室及び前記副液室にそれぞれ連通した収納室と、前記収納室内に配置され、振動入力時に、該入力振動に同期して振動し、前記第1の開口部及び前記第2の開口部を交互に開閉する流通制御板と、前記第1の取付部材の内周側に嵌挿され、該第1の取付部材内で前記隔壁体の外周縁部に当接する筒状部材と、弾性材料により膜状に形成され、前記筒状部材における前記隔壁体と当接する一端面を被覆するフローティング部材と、前記隔壁体にその外周縁部に沿って前記筒状部材側へ突出すると共に、該筒状部材よりも肉厚が薄くなるように形成され、前記フローティング部材を介して前記筒状部材の一端面における肉厚方向中間部へ突き当てられるリブ状の突起部と、前記第1の取付部材の内周側に設けられ、軸方向外側から前記隔壁体及び該隔壁体に当接した前記筒状部材を挟持して、前記隔壁体及び前記筒状部材の軸方向に沿った移動を拘束する拘束部と、を有することを特徴とする。
上記請求項1に係る防振装置では、弾性材料により膜状に形成されたフローティング部材が、筒状部材における隔壁体と当接する一端面を被覆していることにより、第1の取付部材又は第2の取付部材への振動入力時に、主液室内の液体に生じる圧力波を受けた流通制御板が入力振動の振幅方向に沿って振動し、流通制御板が収納室の内壁面へ衝突して隔壁体へ衝撃力を作用させても、隔壁体と筒状部材との間では隔壁体から伝達される衝撃力によりフローティング部材が弾性変形して、隔壁体と筒状部材との間に隙間できることを防止すると共に、弾性変形したフローティング部材により衝撃力が吸収されるので、流通制御板からの衝撃力により隔壁体と筒状部材との間で打音が発生することを効果的に防止できる。
また上記請求項1に係る防振装置では、隔壁体におけると突起部が、その外周縁部に沿って筒状部材側へ突出すると共に、筒状部材の一端面よりも肉厚が薄くなるように形成され、フローティング部材を介して筒状部材の一端面における肉厚方向中間部へ突き当てられることにより、フローティング部材が筒状部材の一端面における肉厚方向両端部と突起部との間に挟持されることがなくなるので、筒状部材の一端面における肉厚方向両端部が先鋭なエッジ部として形成されていても、フローティング部材が筒状部材の一端面及び隔壁体の突起部からの圧縮荷重及び、隔壁体の突起部からの衝撃荷重を受けて筒状部材の一端面における肉厚方向両端部付近で破断することを長期的に防止できる。
この結果、請求項1に係る防振装置によれば、流通制御板が収納室の内壁面を構成する隔壁体へ衝突して生じる衝撃力により隔壁体と筒状部材との間に隙間が生じることをフローティング部材により防止でき、この隙間が閉じる際に打音が発生することを防止でき、しかもフローティング部材の破損を長期的に防止できるので、隔壁体と筒状部材との間で発生する打音に対する防止効果を長期間に亘って確実に維持できる。
流通制御板が収納室の内壁面の一部を構成する第1の仕切部材へ衝突して生じる衝撃力により隔壁体と筒状部材との間に隙間が生じることを防止できるので、隔壁体と筒状部材との間で打音が発生することを長期的に防止できる。
また本発明の請求項2に係る防振装置は、筒状に形成され、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の取付部材と、前記第1の取付部材の内周側に配置され、振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置されたゴム弾性体と、液体が封入され、前記ゴム弾性体を隔壁の一部として該ゴム弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、液体が封入されると共に隔壁の一部がダイヤフラムにより形成され、液圧変化に応じて前記ダイヤフラムが変形して内容積が拡縮する副液室と、前記第1の取付部材の内周側に嵌挿されて、前記主液室と前記副液室との間を区画した隔壁体と、前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路と、前記隔壁体の内部に設けられ、第1の開口部及び第2の開口部を通して前記主液室及び前記副液室にそれぞれ連通した収納室と、前記収納室内に配置され、振動入力時に、該入力振動に同期して振動し、前記第1の開口部及び前記第2の開口部を交互に開閉する流通制御板と、前記ダイヤフラムの外周縁部が全周に亘って固着されると共に、前記第1の取付部材の内周側に嵌挿され、該第1の取付部材内で前記隔壁体の外周縁部に当接する筒状部材と、弾性材料により膜状に形成され、前記筒状部材における前記隔壁体と当接する一端面を被覆するフローティング部材と、前記隔壁体における前記筒状部材側の一端面外周縁部に、前記肉厚方向外側へ向って他端面側へ傾斜するように形成された面取り部と、前記第1の取付部材の内周側に設けられ、軸方向外側から前記隔壁体及び該隔壁体に当接した前記筒状部材を挟持して、前記隔壁体及び前記筒状部材の軸方向に沿った移動を拘束する拘束部と、を有することを特徴とする。
上記請求項2に係る防振装置では、弾性材料により膜状に形成されたフローティング部材が、筒状部材における隔壁体と当接する一端面を被覆していることにより、第1の取付部材又は第2の取付部材への振動入力時に、主液室内の液体に生じる圧力波を受けた流通制御板が入力振動の振幅方向に沿って振動し、流通制御板が収納室の内壁面へ衝突して隔壁体へ衝撃力を作用させても、隔壁体と筒状部材との間では隔壁体から伝達される衝撃力によりフローティング部材が弾性変形して、隔壁体と筒状部材との間に隙間できることを防止すると共に、弾性変形したフローティング部材により衝撃力が吸収されるので、流通制御板からの衝撃力により隔壁体、筒状部材又は拘束部が変形することを効果的に防止できる。
また上記請求項2に係る防振装置では、隔壁体における筒状部材側の一端面外周縁部に、厚さ方向外側へ向って他端面側へ傾斜するように面取り部が形成されていることにより、フローティング部材が筒状部材の一端面における肉厚方向に沿った外側の端部と隔壁体における一端面外周縁部との間に挟持されることがなくなるので、筒状部材の一端面における外側端部が先鋭なエッジ部として形成されていても、フローティング部材が筒状部材の一端面及び隔壁体の一端面外周縁部からの圧縮荷重及び、隔壁体の一端面外周縁部からの衝撃荷重を受けて筒状部材の一端面における外側端部付近で破断することを長期的に防止できる。
この結果、請求項2に係る防振装置によれば、流通制御板が収納室の内壁面の一部を構成する第1の仕切部材へ衝突して生じる衝撃力により隔壁体と筒状部材との間に隙間が生じることを防止できるので、隔壁体と筒状部材との間で打音が発生することを長期的に防止できる。
本発明の請求項3に係る防振装置は、請求項1又は2記載の防振装置において、前記筒状部材の一端面における肉厚方向に沿った中間部を該肉厚方向と略平行な平面状に形成すると共に、前記筒状部材の一端面における肉厚方向に沿った両端部に、それぞれ前記肉厚方向外側へ向って前記筒状部材の他端側へ傾斜する面取り部を形成したことを特徴とする。
本発明の請求項4に係る防振装置は、請求項1又は2記載の防振装置において、前記筒状部材における一端部を他端側へ折り返して該筒状部材の一端面を肉厚方向に沿ってU字状に湾曲した湾曲面に形成したことを特徴とする。
本発明の請求項5に係る防振装置は、請求項1乃至4の何れか1項記載の防振装置において、前記筒状部材の内周側に前記ダイヤフラムの外周縁部を全周に亘って固着すると共に、前記フローティング部材を前記ダイヤフラムと一体的に形成したことを特徴とする。
以上説明したように本発明の防振装置によれば、隔壁体に設けられた収納室内に配置された流通制御板が収納室の内壁面へ衝突して生じる衝撃力により隔壁体と筒状部材との間で打音が発生することを長期的に防止できる。
以下、本発明の実施形態に係る防振装置について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1には本発明の第1の実施形態に係る防振装置が示されている。この防振装置10は、自動車等の車両における振動発生部であるエンジンを振動受部である車体へ支持するエンジンマウントとして適用されるものである。なお、図1にて符合Sが付された一点鎖線は装置の軸心を示しており、この軸心Sに沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行う。
図1に示されるように、防振装置10は、エンジン側に連結される略肉厚円筒状に形成された内筒金具12と、この内筒金具12の外周側に略同軸的に配置され、車体側へ連結される略薄肉円筒状の外筒金具14と、内筒金具12と外筒金具14との間に配置され、吸振主体となるゴム製のゴム弾性体16とを備えている。内筒金具12は、その上端側が外筒金具14内へ挿入されると共に、下端側が外筒金具14の下端側の開口部を通って外筒金具14の下方まで突出している。外筒金具14には、その軸方向中間部に設けられた段差部18に対して上端側の部分に下端側の部分よりも直径が拡大された拡径部20が形成されている。また外筒金具14には、その下端部に下方へ向って直径がテーパ状に縮小するテーパ部22が屈曲形成されると共に、拡径部20の上端部に装置の組立時に内周側へ屈曲されるかしめ部24が形成されている。
防振装置10には、外筒金具14の下端側が嵌挿固定される略カップ状の連結筒26及び、この連結筒26の下端側が嵌挿固定される略有底円筒状のホルダ金具28が設けられている。外筒金具14は、その下端部が連結筒26の底板部に当接するまで連結筒26内へ挿入されている。またホルダ金具28には、その外周面に複数の脚部30,32が溶接等により固定されており、この脚部30,32の先端側に形成された連結穴33を挿通するボルト(図示省略)により、ホルダ金具28は車体側へ締結固定される。これにより、外筒金具14が、連結筒26及びホルダ金具28を介して車体側へ連結固定される。
内筒金具12の下端側は、連結筒26の底板部に形成された開口部27を通って連結筒26の下方まで突出しており、この内筒金具12の下端部には、ボルト34によりエンジン連結用のブラケット36の基端部が締結固定されている。このブラケット36は、ホルダ金具28の側面部に形成された開口部(図示省略)を通って外周側へ延出しており、ブラケット36の先端側はボルト等によりエンジン(図示省略)側に締結固定される。またブラケット36の基端部には、チューブ状に形成されたストッパゴム38が被せられており、このストッパゴム38の上面部は連結筒26の底板部に圧接している。これにより、ブラケット36の軸方向に沿った過大な変位が防止されると共に、大荷重の入力によりブラケット36が連結筒26又はホルダ金具28へ衝突した際にも衝突音の発生が防止される。
内筒金具12の上端面には、上方へ向って開口する略カップ状に形成された延長金具40の底板部が溶接等により固着されている。延長金具40は、その側板部が底板側から上端側へ向って直径が拡大するテーパ状とされており、この側板部の上端部分には、リング状のフランジ部材42が溶接等により固着され、延長金具40の上端部分から内周側へ延出している。また延長金具40の側板部には、ゴム弾性体16の成形素材となる加硫ゴムを延長金具40内へ充填するための湯道穴44が複数穿設されている。
ゴム弾性体16は、外筒金具14内へ挿入された内筒金具12の上端側及び延長金具40にそれぞれ加硫接着されると共に、外筒金具14の下端側に加硫接着されており、内筒金具12と外筒金具14とを弾性的に連結している。ここで、ゴム弾性体16は、内筒金具12の外周面及び延長金具40の外周面にそれぞれ加硫接着されると共に、湯道穴44を通って延長金具40の内周側に充填され、延長金具40の内周面及び底面部とフランジ部材42の下面側にもそれぞれ加硫接着されている。またゴム弾性体16には、外周側の上端部から上方へ延出する薄肉状の被覆部46が一体的に形成されており、この被覆部46は、外筒金具14内周面に加硫接着され、外筒金具14の内周面における上端側を被覆している。
図1に示されるように、外筒金具14の内周側には、段差部18の上側に全体として略肉厚の円板状に形成された隔壁体100(図3参照)が挿入されており、この隔壁体100下面における外周縁部は、被覆部46を介して段差部18に当接している。また外筒金具14内には、隔壁体100の上側に筒状部材として支持筒52が嵌挿されており、この支持筒52の下端面は、後述するフローティング部材116を介して隔壁体100の上面外周縁部に当接している。これらの隔壁体100及び支持筒52が挿入された外筒金具14は、内外径一定であったかしめ部24が内周側へテーパ状に屈曲される。これにより、隔壁体100、及び支持筒52が外筒金具14内における段差部18とかしめ部24との間に固定される。
図4(A)に示されるように、支持筒52の下端面には、その肉厚方向に沿った中間部に軸直角方向と平行な平面からなる当接面部110が形成されると共に、肉厚方向に沿って当接面部110の両端部にそれぞれ面取り部112が形成されている。一対の面取り部112は、それぞれ肉厚方向外側へ向って支持筒52の上端側へ傾斜する平面(Cカット平面)により形成されている。
図1に示されるように、支持筒52には、その内周面に上方へ向って凸の椀状に形成されたゴム製のダイヤフラム54の外周部が全周に亘って加硫接着されている。ダイヤフラム54の外周部には肉厚円筒状の連結部114が形成されており、この連結部114の外周側は、支持筒52の内周面上端側に全周に亘って加硫接着されている。また連結部114には、支持筒52の下端側を被覆する膜状のフローティング部材116が一体的に形成されている。
フローティング部材116は、その断面が上方へ向って開いた略コ字状に形成されて、支持筒52の下端部に嵌挿された状態で加硫接着されている。このフローティング部材116の内周側の上端部は連結部114の下端部に接合されている。またフローティング部材116は、図4(A)に示されるように、支持筒52下端面における一対の面取り部112の外側では、それぞれCカットにより欠落した部分に対応する分だけ他の部分よりも肉厚になっている。
図2に示されるように、隔壁体100は、略肉厚円板状に形成された仕切部材48及び、この仕切部材48の上面部に密着する略ハット状の蓋金具50を備えている。仕切部材48は、例えば、アルミ合金等の金属材料を素材として鋳造等の方法で成形されている。また蓋金具50は、仕切部材48よりも高強度の鋼板、ステンレス板等を素材としてプレス等の方法により成形されている。
防振装置10内には、外筒金具14、ゴム弾性体16及びダイヤフラム54により外部から密閉された液室空間が形成されており、この液室空間は、隔壁体100によりゴム弾性体16を隔壁の一部とする主液室56と、ダイヤフラム54を隔壁の一部とする副液室58とに区画されている。防振装置10では、副液室58の隔壁の一部を形成するダイヤフラム54の外側が大気空間とされており、これにより、ダイヤフラム54は、副液室58内の液圧変化に応じて副液室58の内容積を拡縮するように変形可能とされている。また主液室56は、その内容積がゴム弾性体16の弾性変形に伴って拡縮する。
仕切部材48には、その外周面に周方向へ延在する凹状の溝部60が設けられている。図2(B)に示されるように、溝部60は軸心Sを中心とする周方向に沿ってC字状に延在しており、仕切部材48には、溝部60の一端部から下方へ向って溝部60の下部側が切り欠かれて連通口62が形成されると共に、溝部60の他端部から上方へ向って溝部60の上部側が切り欠かれて連通口64が形成されている。ここで、溝部60は、図1に示されるように、その外周側が被覆部46を介して外筒金具14の内周面により閉止されることにより、主液室56と副液室58とを連通させる細長い制限通路であるオリフィス66を形成している。
主液室56、副液室58及びオリフィス66内には、水、エチレングリコール等の液体が充填されており、この液体はオリフィス66を通して主液室56と副液室58との間で流通可能とされている。ここで、オリフィス66は、その路長及び断面積がシェイク振動の振幅及び周波数に適合するように設定(チューニング)されている。
仕切部材48には、図2(A)に示されるように、その上面中央部に円形の凸状の肉厚部68が形成されると共に、肉厚部68の中央部に円形の凹部70が形成されている。また仕切部材48には、下面中央部に凹部70よりも大径とされた円形凹状の逃げ部72が形成されており、この逃げ部72の頂面と凹部70の底面との間には厚さが略一定の底板部90が設けられている。逃げ部72内には、軸方向に沿って底板部90との間に隙間を空けつつ、延長金具40及びゴム弾性体16の上端部が挿入されている。ここで、底板部90と延長金具40及びゴム弾性体16との間の隙間は、ブラケット36にエンジンが連結され、このエンジンの重量に起因する荷重がブラケット36に入力した状態では、図1に示した状態よりも拡大されて十分な幅となるので、振動が入力しても延長金具40及びゴム弾性体16が底板部90に接することは無い。
図2に示されるように、仕切部材48は、その上面部における凹部70の外周側が平面状のフランジ面84とされている。また蓋金具50には、その中央部に仕切部材48の凹部70と略等しい内径を有する円形凸状の隔室部74が形成されると共に、この隔室部74の下端部から外周側へ延出する環状のフランジ部76が一体的に形成されている。このフランジ部76の外径は、フランジ面84の外径と略等しくなっている。また蓋金具50のフランジ部76には、図2(B)に示されるように、外周端から内周側へ向って略矩形状に切り欠かれた切欠部82が形成されている。
図2(B)に示されるように、蓋金具50には、その外周縁部に沿って上方へ突出すると共に、支持筒52の下端面における肉厚方向に沿った幅よりも肉厚が薄くなるようにリブ状の突起部118が形成されている。この突起部118は、蓋金具50の周縁縁部における切欠部82を除く部分に設けられ、軸心Sを中心とする周方向に沿ってC字状に延在している。ここで、突起部118における外径と内径との平均径は、支持筒52の下端面における外径と内径との平均径と実質的に一致している。
隔壁体100には、仕切部材48のフランジ面84と蓋金具50のフランジ部76との間に介装されるリング状のパッキン部材102が設けられている。パッキン部材102は、NR、NBR、シリコーンゴム等のゴム組成物により厚さが一定とされた薄肉のプレート状に成形されており、その径方向に沿った幅がフランジ部76の幅と等しくなっている。パッキン部材102には、蓋金具50の切欠部82及び仕切部材48の連通口64にそれぞれ対応する部位に切欠部106が形成されている。
仕切部材48、蓋金具50及びパッキン部材102からなる隔壁体100を組み立てる際には、先ず、パッキン部材102をフランジ面84上に密着するように載置すると共に、仕切部材48の凹部70内に後述する流通制御板94を挿入した後、仕切部材48上に蓋金具50を載置し、パッキン部材102を介して蓋金具50のフランジ部76を仕切部材48のフランジ面84へ突き当てる。これにより、装置における構成部品としての隔壁体100の組立が完了し、この隔壁体100及びダイヤフラム54が加硫接着された支持筒52が外筒金具14の内周側へ嵌挿され、外筒金具14のかしめ部24が内周側へかしめられる。
防振装置10では、外筒金具14の内周側に隔壁体100及び支持筒52が嵌挿され、外筒金具14のかしめ部24が内周側へかしめられると、図1に示されるように、蓋金具50の突起部118先端面がフローティング部材116を介して支持筒52下端面へ圧接し、突起部118の先端面と支持筒52下端面との間でフローティング部材116が軸方向へ圧縮変形した状態とされる。このとき、図4(A)に示されるように、突起部118の先端面は、フローティング部材116を介して支持筒52下端面における当接面部110の肉厚方向中央部へ突き当てられている。
図3(A)に示されるように、隔壁体100では、仕切部材48の凹部70と蓋金具50の隔室部74との間に軸方向に沿った肉厚が略一定の肉厚円板状の空間が形成され、この空間は主液室56及び副液室58からそれぞれ区画された収納室80とされる。またオリフィス66は、連通口64、パッキン部材102の切欠部106及び蓋金具50の切欠部82を通して副液室58に連通し、連通口62を通して主液室56に連通する。
図2(B)に示されるように、蓋金具50には、その頂板部78に内周部から外周側へ向って周方向に沿った寸法が広がる扇状の開口部88が複数個(本実施形態では、4個)穿設されている。この開口部88を通して収納室80は副液室58と互いに連通している。また仕切部材48の底板部90にも、蓋金具50の開口部88と同様の形状及び開口面積を有する開口部92が複数個(本実施形態では、4個)穿設されている。この開口部92を通して収納室80は、主液室56へ連通している。
図3(A)に示されるように、収納室80内にはゴム、樹脂等を素材として円板状に形成された流通制御板94が配置されている。この流通制御板94は、全体として厚さが略一定の薄肉円板状に形成されており、その外径が収納室80の内径よりも若干小さくなっている。
流通制御板94は、その厚さPT(図3(A)参照)が収納室80の軸方向に沿った寸法ST(図3(A)参照)よりも所定寸法短くなっている。具体的には、例えば、流通制御板94の厚さPTと収納室80の厚さSTとの差は、入力振動のうち相対的に低周波域の振動であるシェイク振動の振幅よりも短く、かつ相対的に高周波域の振動であるアイドル振動の振幅よりも長くなるように設定されている。これにより、収納室80内では、流通制御板94の底板部90及び頂板部78との間に軸方向に沿って低周波域の振動と高周波域の振動との振幅差に対応する幅の隙間が形成される。これにより、収納室80内に収納された流通制御板94は、低周波振動と高周波振動との振幅差に対応する振幅で軸方向に沿って往復移動(振動)することが可能になる。
次に、上記のように構成された本発明の第1の実施形態に係る防振装置10の動作及び作用について説明する。防振装置10では、エンジン又は車体側からの振動入力時に、この振動により吸振主体であるゴム弾性体16が弾性変形する。これにより、ゴム弾性体16の内部摩擦等によって入力振動が減衰吸収される。
また防振装置10では、エンジン又は車体側からの振動入力時に、この振動入力に同期してゴム弾性体16が弾性変形すると、主液室56の内容積が拡縮すると共に液圧が変化する。この液圧変化に伴って、オリフィス66を通して主液室56と副液室58との間に液体が相互に流通すると共に、主液室56に連通した収納室80内に収納された流通制御板94には、入力振動に同期して周期的に変化する液圧(圧力波)が作用し、この圧力波を受けた流通制御板94は、収納室80内で軸方向に沿って振動し、その上面部及び下面部を蓋金具50の頂板部78及び仕切部材48の底板部90に対して当接及び離間する動作を繰り返す。
防振装置10では、流通制御板94が下方へ移動して底板部90に当接すると、流通制御板94の下面部により底板部90に開口する開口部92が閉塞され、流通制御板94が底板部74から上方へ離間すると、開口部92が開放される。また流通制御板94が上方へ移動して頂板部78に当接すると、流通制御板94の上面部により頂板部78に開口する開口部88が閉塞される。
防振装置10では、入力振動の周波数が低く、その振幅が所定値以上の場合に、主液室56内の液圧が副液室58内に液圧に対して実質的に変化(上昇及び低下)している期間には、流通制御板94が底板部90及び頂板部78の一方に交互に密着した状態となって開口部88,92の一方が閉塞され、収納室80内を通って液体が主液室56と副液室58との間を実質的に流通することがなくなり、オリフィス66のみを通して主液室56と副液室58との間で液体が相互に流通する。
具体的には、防振装置10では、入力振動の周波数がシェイク振動の周波数(例えば、8〜12Hz)以下である場合、主液室56内の液圧が副液室58内の液圧に対して変化(上昇及び低下)している期間には、流通制御板94により開口部88,92の一方が閉塞される。これにより、シェイク振動の入力時には、収納室80内を通って液体が主液室56と副液室58との間を実質的に流通することがなくなり、オリフィス66のみを通して主液室56と副液室58との間で液体が相互に流通する。
この結果、防振装置10によれば、入力振動がシェイク振動である場合には、オリフィス66を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じ、この液柱共振の作用によって入力振動を特に効果的に減衰できる。
また防振装置10では、入力振動の周波数がシェイク振動の周波数よりも高く、その振幅が小さい場合、例えば、入力振動がアイドル振動(例えば、20〜30Hz)である場合には、シェイク振動に適合するようにチューニングされたオリフィス66が目詰まり状態となり、オリフィス66には液体が流れ難くなるが、流通制御板94が収納室80内で入力振動に同期して振動することにより、主液室56内の液圧が副液室58内に液圧に対して実質的に変化している期間に、流通制御板94と底板部90及び頂板部78の一方との間に隙間が形成され、開口部88,92が実質的に開放された状態となるので、収納室80を通って主液室56と副液室58との間で液体の流通が生じる。
この結果、防振装置10によれば、シェイク振動よりも高い周波数を有する高周波振動の入力時には、オリフィス66が目詰まり状態となり、オリフィス66には液体が流れ難くなるが、主液室56内の液圧上昇が抑制されるように、収納室80を通って主液室56内の液体が副液室58へ流出することから、主液室56内の液圧上昇に起因する装置の動ばね定数の上昇を抑えることができ、このような高周波振動(アイドル振動やこもり音)の入力時もゴム弾性体16の動ばね定数を低く維持し、このゴム弾性体16の弾性変形により高周波振動も効果的に吸収できる。
また防振装置10では、ゴム材料により膜状に形成されたフローティング部材116が、支持筒52における隔壁体100と当接する下端面を被覆していることにより、外筒金具14又は内筒金具12への振動入力時に、主液室56内の液体に生じる圧力波を受けた流通制御板94が入力振動の振幅方向に沿って振動し、流通制御板94が収納室80の内壁面へ衝突して隔壁体100へ衝撃力を作用させても、隔壁体100と支持筒52との間では隔壁体100から伝達される衝撃力によりフローティング部材116が弾性変形して、隔壁体100と支持筒52との間に隙間できることを防止すると共に、弾性変形したフローティング部材116により衝撃力が吸収されるので、流通制御板94からの衝撃力により隔壁体100と支持筒52との間で打音が発生することを効果的に防止できる。
また防振装置10では、隔壁体100におけると突起部118が、その外周縁部に沿って上方へ突出すると共に、支持筒52の下端面よりも肉厚が薄くなるように形成され、フローティング部材116を介して支持筒52下端面における当接面部110へ突き当てられることにより、フローティング部材116が支持筒52の下端面両端部にそれぞれ形成された面取り部112と突起部118の先端面との間に圧縮状態で挟持されることがなくなるので、フローティング部材116が支持筒52の先端面及び隔壁体100の突起部118からの圧縮荷重及び、隔壁体100の突起部118からの衝撃荷重を受けて、支持筒52下端面における応力集中が生じ易い肉厚方向両端部(面取り部112)付近で破断することを長期的に防止できる。
この結果、本実施形態に係る防振装置10によれば、流通制御板94が収納室80の内壁面を構成する隔壁体100へ衝突して生じる衝撃力により隔壁体100と支持筒52との間に隙間が生じることをフローティング部材116により防止でき、この隙間が閉じる際に打音が発生することを防止でき、しかもフローティング部材116の破損を長期的に防止できるので、隔壁体100と支持筒52との間で発生する打音に対する防止効果を長期間に亘って確実に維持できる。
また防振装置10では、支持筒52の下端面における肉厚方向に沿った中間部に当接面部110が形成されると共に、支持筒52の下端面両端部にそれぞれ面取り部112が形成されていることにより、支持筒52の下端面両端部付近で支持筒52の下端面と突起部118の先端面との間で圧縮されるフローティング部材116に生じる応力集中を緩和できると共に、支持筒52の面取り部112の外側でフローティング部材116の肉厚を他の部分よりも厚くできるので、支持筒52の下端面両端部が先鋭なエッジ部のままである場合と比較し、フローティング部材116が支持筒52下端面における応力集中が生じ易い肉厚方向両端部(面取り部112)付近で破断することを効果的に防止できるようになる。
なお、本実施形態に係る防振装置10では、図4(A)に示されるように、支持筒52の下端面両端部にそれぞれ面取り部112を形成することにより、フローティング部材116に生じる応力集中を緩和していたが、図4(B)に示されるように、支持筒52における下端部を上端側へ折り返して支持筒52の下端部に折返し部120を形成することにより、支持筒52の下端面を肉厚方向に沿ってU字状に湾曲した湾曲面に形成するようにしても良い。これによっても、支持筒52の下端面両端部付近で支持筒52の下端面と突起部118の先端面との間で圧縮されるフローティング部材116に生じる応力集中を緩和できると共に、支持筒52の下端面両端部の外側でフローティング部材116の肉厚を他の部分よりも厚くできるので、支持筒52の下端面両端部が先鋭なエッジ部のままである場合と比較し、フローティング部材116が支持筒52下端面における応力集中が生じ易い肉厚方向両端部(面取り部112)付近で破断することを効果的に防止できるようになる。
(第2の実施形態)
図5には本発明の第2の実施形態に係る防振装置が示されている。この防振装置130は、第1の実施形態に係る防振装置10と同様に、自動車等の車両における振動発生部であるエンジンを振動受部である車体へ支持するエンジンマウントとして適用されるものである。なお、本実施形態に係る防振装置130において、第1の実施形態に係る防振装置10と同一の部分については同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る防振装置130が第1の実施形態に係る防振装置10と異なる点は、蓋金具50の外径に対して蓋金具132の外径が被覆部46の厚さに対応する寸法だけ拡大されており、被覆部46を介すことなく蓋金具132の外周端が外筒金具14の内周面に対向している点と、蓋金具132の上面外周縁部にリブ状の突起部118が形成されておらず、突起部118に代わって、蓋金具132の上面外周縁部に面取り部134が形成されている点である。面取り部134は、外周側へ向って下方へ傾斜する平面(Cカット平面)により形成されており、例えば、面打ち加工、研削加工等の加工方法により形成されている。これ以外の点では、本実施形態に係る防振装置130の構成と第1の実施形態に係る防振装置10の構成は基本的に同一になっている。
次に、本発明の第2の実施形態に係る防振装置130の作用について説明する。本実施形態に係る防振装置130によれば、防振装置10と同様に、入力振動がシェイク振動である場合には、オリフィス66を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じ、この液柱共振の作用によって入力振動を特に効果的に減衰でき、また入力振動がアイドル振動である場合には、オリフィス66が目詰まり状態となるが、主液室56内の液圧上昇が抑制されるように、収納室80を通って主液室56内の液体が副液室58へ流出することから、主液室56内の液圧上昇に起因する装置の動ばね定数の上昇を抑えることができ、このような高周波振動(アイドル振動やこもり音)の入力時もゴム弾性体16の動ばね定数を低く維持し、このゴム弾性体16の弾性変形により高周波振動も効果的に吸収できる。
また防振装置130でも、防振装置10と同様に、外筒金具14又は内筒金具12への振動入力時に、流通制御板94が収納室80の内壁面へ衝突して隔壁体100へ衝撃力を作用させても、隔壁体100と支持筒52との間では隔壁体100から伝達される衝撃力によりフローティング部材116が弾性変形して、隔壁体100と支持筒52との間に隙間できることを防止すると共に、弾性変形したフローティング部材116により衝撃力が吸収されるので、流通制御板94からの衝撃力により隔壁体100と支持筒52との間で打音が発生することを効果的に防止できる。
また防振装置10では、図5(B)に示されるように、蓋金具132における上面外周縁部に面取り部134が形成されていることにより、フローティング部材116が支持筒52下端面における外側の端部と蓋金具132における上端面外周縁部との間に挟持されることがなくなるので、フローティング部材116が支持筒52の下端面及び蓋金具132の上面外周縁部からの圧縮荷重及び、蓋金具132の上面外周縁部からの衝撃荷重を受けて、支持筒52下端面における応力集中が生じ易い外側の端部(外側の面取り部112)付近で破断することを長期的に防止できる。
このとき、フローティング部材116には、支持筒52下端面における内側の端部(内側の面取り部112)付近でも当接面部110付近と比較すると、若干、応力集中が生じ易いが、支持筒52下端面における外側の端部付近では、外筒金具14の内周面により外周側への弾性変形が制限されることから、応力集中が極めて生じ易い。このため、面取り部134が存在しない場合には、支持筒52下端面における外側の端部付近がフローティング部材116に最も破断が生じ易い部位であるが、面取り部134により外筒金具14の内周面との間に隙間Gが形成され、フローティング部材116が隙間Gにより外周側への変形が許容されるようになるので、フローティング部材116の支持筒52下端面における外側の端部付近での応力集中を効果的に緩和できる。
この結果、本実施形態に係る防振装置130によれば、流通制御板94が収納室80の内壁面を構成する隔壁体100へ衝突して生じる衝撃力により隔壁体100と支持筒52との間に隙間が生じることをフローティング部材116により防止でき、この隙間が閉じる際に打音が発生することを防止でき、しかもフローティング部材116の破損を長期的に防止できるので、隔壁体100と支持筒52との間で発生する打音に対する防止効果を長期間に亘って確実に維持できる。
本発明の第1の実施形態に係る防振装置の構成を示す側面断面図である。 図1に示される防振装置における隔壁体を分解した状態を示す側面断面図及び斜視図である。 図1に示される防振装置における隔壁体の構成を示す側面断面図及び斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る防振装置における支持筒と突起部との圧接部分の構成を示す拡大図である。 (A)は本発明の第2の実施形態に係る防振装置の構成を示す側面断面図、(B)は本発明の第2の実施形態に係る防振装置における支持筒と突起部との圧接部分の構成を示す拡大図である。
符号の説明
10 防振装置
12 内筒金具(第2の取付部材)
14 外筒金具(第1の取付部材)
16 ゴム弾性体
18 段差部(拘束部)
24 かしめ部(拘束部)
46 被覆部
48 仕切部材(隔壁体)
50 蓋金具(隔壁体)
52 支持筒(筒状部材)
54 ダイヤフラム
56 主液室
58 副液室
66 オリフィス(制限通路)
88 開口部
92 開口部
94 流通制御板
100 隔壁体
110 当接面部
112 面取り部
116 フローティング部材
118 突起部
120 折返し部
130 防振装置
132 蓋金具(隔壁体)
134 面取り部

Claims (5)

  1. 筒状に形成され、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の取付部材と、
    前記第1の取付部材の内周側に配置され、振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材と、
    前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置されたゴム弾性体と、
    液体が封入され、前記ゴム弾性体を隔壁の一部として該ゴム弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、
    液体が封入されると共に隔壁の一部がダイヤフラムにより形成され、液圧変化に応じて前記ダイヤフラムが変形して内容積が拡縮する副液室と、
    前記第1の取付部材の内周側に嵌挿されて、前記主液室と前記副液室との間を区画した隔壁体と、
    前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路と、
    前記隔壁体の内部に設けられ、第1の開口部及び第2の開口部を通して前記主液室及び前記副液室にそれぞれ連通した収納室と、
    前記収納室内に配置され、振動入力時に、該入力振動に同期して振動し、前記第1の開口部及び前記第2の開口部を交互に開閉する流通制御板と、
    前記第1の取付部材の内周側に嵌挿され、該第1の取付部材内で前記隔壁体の外周縁部に当接する筒状部材と、
    弾性材料により膜状に形成され、前記筒状部材における前記隔壁体と当接する一端面を被覆するフローティング部材と、
    前記隔壁体にその外周縁部に沿って前記筒状部材側へ突出すると共に、該筒状部材よりも肉厚が薄くなるように形成され、前記フローティング部材を介して前記筒状部材の一端面における肉厚方向中間部へ突き当てられるリブ状の突起部と、
    前記第1の取付部材の内周側に設けられ、軸方向外側から前記隔壁体及び該隔壁体に当接した前記筒状部材を挟持して、前記隔壁体及び前記筒状部材の軸方向に沿った移動を拘束する拘束部と、
    を有することを特徴とする防振装置。
  2. 筒状に形成され、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の取付部材と、
    前記第1の取付部材の内周側に配置され、振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材と、
    前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置されたゴム弾性体と、
    液体が封入され、前記ゴム弾性体を隔壁の一部として該ゴム弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、
    液体が封入されると共に隔壁の一部がダイヤフラムにより形成され、液圧変化に応じて前記ダイヤフラムが変形して内容積が拡縮する副液室と、
    前記第1の取付部材の内周側に嵌挿されて、前記主液室と前記副液室との間を区画した隔壁体と、
    前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路と、
    前記隔壁体の内部に設けられ、第1の開口部及び第2の開口部を通して前記主液室及び前記副液室にそれぞれ連通した収納室と、
    前記収納室内に配置され、振動入力時に、該入力振動に同期して振動し、前記第1の開口部及び前記第2の開口部を交互に開閉する流通制御板と、
    前記ダイヤフラムの外周縁部が全周に亘って固着されると共に、前記第1の取付部材の内周側に嵌挿され、該第1の取付部材内で前記隔壁体の外周縁部に当接する筒状部材と、
    弾性材料により膜状に形成され、前記筒状部材における前記隔壁体と当接する一端面を被覆するフローティング部材と、
    前記隔壁体における前記筒状部材側の一端面外周縁部に、外周側へ向って他端面側へ傾斜するように形成された面取り部と、
    前記第1の取付部材の内周側に設けられ、軸方向外側から前記隔壁体及び該隔壁体に当接した前記筒状部材を挟持して、前記隔壁体及び前記筒状部材の軸方向に沿った移動を拘束する拘束部と、
    を有することを特徴とする防振装置。
  3. 前記筒状部材の一端面における肉厚方向に沿った中間部を該肉厚方向と略平行な平面状に形成すると共に、前記筒状部材の一端面における肉厚方向に沿った両端部に、それぞれ前記肉厚方向外側へ向って前記筒状部材の他端側へ傾斜する面取り部を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の防振装置。
  4. 前記筒状部材における一端部を他端側へ折り返して該筒状部材の一端面を肉厚方向に沿ってU字状に湾曲した湾曲面に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の防振装置。
  5. 前記筒状部材の内周側に前記ダイヤフラムの外周縁部を全周に亘って固着すると共に、前記フローティング部材を前記ダイヤフラムと一体的に形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の防振装置。
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