JP4348553B2 - 流体封入式防振装置およびその製造方法 - Google Patents

流体封入式防振装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に係り、特に、内部に仕切部材を配設して複数の流体室を形成し、それら複数の流体室を流体流路等を通じて相互に連通せしめた流体封入式防振装置などに関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振支持体や防振連結体等の防振装置として、内部に封入された非圧縮性流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置が知られている。この流体封入式防振装置の一種として、特許文献1(特開2002−174288号公報)に示されているように、第一の取付金具を筒状の第二の取付金具の一方の開口部側に配設すると共に、これら第一の取付金具と第二の取付金具を本体ゴム弾性体で弾性連結せしめた構造のものがあり、例えば自動車用のエンジンマウント等として用いられている。
ところで、このような流体封入式防振装置では、一般に、内部に複数の流体室が設けられていると共に、それら複数の流体室を連通する流体流路が設けられている。そして、流体流路の流路長さや断面積を適当に調節することにより、防振すべき周波数域の振動に対して、流体流路を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果が発揮されるようになっている。
かかる複数の流体室と流体流路を形成する構造の一種として、上記特許文献1にも示されているように、第二の取付部材に内挿固定される仕切部材を利用したものが提案されている。この仕切部材には、軸方向外方に開口する凹所が形成されており、この凹所の開口がゴム弾性板で覆蓋されている。そして、かかる仕切部材が第二の取付部材の筒状部に嵌着固定されることで、仕切部材と本体ゴム弾性体の間に主液室が形成されていると共に、仕切部材の凹所に副液室が形成されている。また、それら主液室と副液室を連通する流体流路が、仕切部材を利用して形成されている。
さらに、仕切部材における凹所の開口側端面に固定部材を重ね合わせて配設し、この固定部材でゴム弾性板を外側から覆うことにより、ゴム弾性板を挟んで副液室と反対側に作用空気室を形成することも提案されている。このような作用空気室を形成すれば、ゴム弾性体の弾性変形を許容しつつ、ゴム弾性板の他部材への緩衝を防止してゴム弾性体板を保護することが出来る。また、例えば作用空気室の空気圧を適当に調節することで、ゴム弾性板で壁部の一部が構成された副液室の壁ばね剛性ひいては防振特性を調節することも可能となる。更に、例えば特許文献1にも示されているように、仕切部材を挟んで作用空気室と反対側に容積可変の平衡室を形成するためのスペースも効率的に確保することが可能となる。
ところが、このような従来構造の流体封入式防振装置では、流体流路のチューニング特性が安定して発揮され難く、製品間で防振特性のばらつきが発生し易いという問題の存在が、新たに本発明者によって確認された。
かかる問題の原因を本発明者が検討したところ、副液室の特性、特に副液室の壁ばね剛性が、製品間でばらつき易いことに大きな原因が存在するのであろうという知見を得るに至った。そこで、更なる検討を加えた結果、防振装置の製造工程において、副液室の壁部の一部を構成する可動ゴム膜に対して、予測できない歪や応力が及ぼされており、たとえ組付け前の可動ゴム膜のばね特性が一定であったとしても、組付け後にはそのばね特性が大きくばらつくおそれのあることがわかった。
すなわち、可動ゴム膜は、その外周縁部を仕切部材の凹所開口部に固定して副液室を形成するに際して、可動ゴム膜の一方の側に形成される副液室と他方の側に形成される作用空気室において、何れも、充分な流体密性を確保する必要がある。そこで、特許文献1に記載の従来構造では、予め可動ゴム膜の外周面にリング状の取付金具を固着しておき、この取付金具を仕切部材と固定部材に対して流体密に嵌着固定している。具体的には、固定部材において仕切部材の凹所に向かって突出する係止突部が形成されており、この係止突部に対して、可動ゴム膜の外周面に固着した取付金具の軸方向一方の開口端縁部が外嵌固定されている。そして、この固定部材を仕切部材に重ね合わせる際に、可動ゴム膜の外周面に固着した取付金具を仕切部材の凹所の開口部に圧入固定せしめた構造とされている。その後、このように可動ゴム膜を組み込んだ仕切部材と固定部材は、第二の取付部材の筒状部に挿入配置された状態下、該筒状部に縮径加工が加えられて一体的に第二の取付部材に対して嵌着固定されているのである。
しかしながら、仕切部材と固定部材を第二の取付部材に対して嵌着固定する際、もともと別部品である仕切部材と固定部材の同軸度を維持することが困難である。それ故、第二の取付部材の筒状部に縮径加工を施すことによって、仕切部材と固定部材が軸直角方向で相互に位置ずれすることがある。そのために、仕切部材と固定部材に対してそれぞれ嵌着固定された取付金具は、両部材の軸直角方向の位置ずれに伴って変形してしまう。その結果、仕切部材や固定部材に対する取付金具の嵌着部位におけるシール性が低下して副液室や作用空気室の流体密性が充分に確保できなくなるおそれがあると共に、取付金具の変形が可動ゴム膜に及ぼされて可動ゴム膜に変形や応力が発生することで目的とするばね特性が発揮されなくなるおそれがあるのである。
特開2002−174288号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、ゴム弾性板と仕切部材および固定部材との間のシール性を安定して得ることが出来ると共に、ゴム弾性板における所期のばね特性も安定して得ることが出来、それによって、目的とする防振効果が有効に発揮され得る、新規な構造の流体封入式防振装置とかかる流体封入式防振装置の新規な製造方法を提供することにある。
以下、前述の課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明の特徴とするところは、第一の取付部材が筒状の第二の取付部材の一方の開口部側に配されると共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されて該第二の取付部材の該一方の開口部が流体密に閉塞されている一方、該第二の取付部材の軸方向中間部分に仕切部材が嵌め込まれて固定的に支持せしめられ、該本体ゴム弾性体と該仕切部材の間に壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された主液室が形成されていると共に、該仕切部材において該主液室と反対側に開口する凹所が設けられて該凹所の開口がゴム弾性板で覆蓋されることにより壁部の一部が該ゴム弾性板で構成された副液室が形成されており、それら主液室と副液室に非圧縮性流体が封入されていると共に、該主液室と該副液室を相互に連通する流体流路が形成されている一方、該仕切部材における該凹所の開口側の軸方向端面に重ね合わされて該仕切部材と共に該第二の取付部材に嵌め込まれて該第二の取付部材の縮径加工により嵌着固定される固定部材が設けられており、該固定部材で該ゴム弾性板が覆われることにより該ゴム弾性板を挟んで該副液室と反対側に作用空気室が形成されている流体封入式防振装置において、前記ゴム弾性板の外周面に環状の取付金具が固着されており、該取付金具の軸方向一方の端部には径方向外方に広がるフランジ状部が形成されて該フランジ状部を含む該取付金具の最大外径寸法が前記仕切部材の前記凹所の内径寸法よりも小さくされていると共に、該取付金具の軸方向両端部が該ゴム弾性板から外方に延び出しており、該取付金具の軸方向一方の端部には該フランジ状部から軸方向外方に突出するシールゴム突部が設けられていると共に、該取付金具の軸方向他方の内周面にはシールゴム層が被着形成されている一方、前記固定部材には該仕切部材の該凹所に向かって突出する係止用突部が形成されており、該係止用突部に対して該取付金具の軸方向他方の端部が該シールゴム層を挟んで流体密に外嵌固定されて該仕切部材の該凹所に該取付金具が嵌め入れられ、該取付金具の軸方向一方の端部に突設された該シールゴム突部が全周に亘って該仕切部材に対して軸方向で流体密に押しつけられた状態で、且つ該取付金具の該フランジ状部と該シールゴム突部との何れにおいても該仕切部材の該凹所の内周面との間に径方向の隙間が残存した状態で、該仕切部材および該固定部材が前記第二の取付部材に対して嵌着固定されている流体封入式防振装置にある。
本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、仕切部材と取付金具の間の流体密性が、取付金具から軸方向に突設されたシールゴム突部を仕切部材に対して軸方向に押し付けることで確保されている。併せて、取付金具およびシールゴム突部と仕切部材の凹所内面との径方向対向面間には、何れも、隙間が設けられている。而して、これら軸方向シール構造と径方向隙間構造とを互いに組み合わせて採用した本発明においては、仕切部材と固定部材を第二の取付部材に対して組み付ける際に、第二の取付部材の筒状部に対する縮径加工によって仕切部材と固定部材が軸直角方向で相対的な位置ずれを生じた場合でも、かかる位置ずれが、取付金具と仕切部材の凹所内面との径方向対向面間に設定された隙間によって吸収される。
それ故、製造工程において仕切部材と固定部材が軸直角方向で相対変位せしめられたとしても、取付金具の変形が回避されるのであり、ゴム弾性板に対して変形や応力が及ぼされることもない。しかも、取付金具の固定部材に対する外嵌固定部位には、大きな外力が及ぼされることがなく良好なシール性が安定して維持され得る。また、取付金具と仕切部材の間では、軸方向のシール構造が採用されていることに加えて、最終的な組付状態下でもシールゴム突部の外周面と仕切部材の凹所内面との径方向対向面間には隙間が残存していることから、シールゴム突部において安定した弾性変形が許容され得る。
すなわち、仕切部材の凹所内において、取付金具が凹所内面に当接して変位規制されることもないばかりか、シールゴム突部が仕切部材と取付金具の間で径方向および軸方向に充填状態となって変形規制されることもないのである。これにより、第二の取付部材の縮径加工に際して仕切部材と固定部材の軸直角方向の相対的な位置ずれが発生した場合でも、シールゴム突部の弾性変形に基づいてシール状態が安定して維持され得ることとなり、副液室を含む流体封入領域において流体密性の高い信頼性が実現される。
また、このように取付金具とシールゴム突部が、何れも、固定部材の凹所内周面に対して径方向隙間をもって組み付けられていることから、第二の取付部材の縮径加工に際して仕切部材と固定部材の軸直角方向の相対的な位置ずれが発生した場合でも、取付金具と固定部材の嵌着固定部位に対して外力が及ぼされることを可及的に回避することが出来る。従って、取付金具の軸方向他方の端部と固定部材の係止用突部との嵌着部位におけるシール性も安定して維持され得ることとなり、作用空気室においても流体密性の高い信頼性が実現され得るのである。加えて、取付金具に対する外力の作用が回避されて、取付金具の変形も可及的に回避され得る結果、ゴム弾性板に対して外力や変形が及ぼされて、予測できない応力や歪が発生するようなことも、可及的に回避され得るのである。
従って、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、副液室および作用空気室における流体密性が安定して維持され得ると共に、ゴム弾性板のばね特性も安定して発揮され得る。これにより、目的とする防振性能と信頼性が高度に安定して実現可能となるのである。
また、本発明に係る流体封入式防振装置では、前記取付金具における筒状部の軸方向中間部分で外径寸法が変化せしめられており、前記シールゴム突部が突出形成された軸方向一方の端部の外径寸法が、軸方向他方の外径寸法よりも大きくされている構成が、好適に採用される。このような取付金具を採用することにより、シールゴム突部の取付金具による軸方向における支持面積や支持強度を一層有利に確保することが出来、シールゴム突部の軸方向圧縮力ひいてはシール性能を一層向上させることが可能となる。
なお、取付金具の筒状部における外径寸法の変化態様は、段差状であっても良いが、テーパ形状であっても良い。また、かかる外径寸法の変化部位は、筒状部の軸方向において全長に亘っていても良いし、部分的でも良い。更に、かかる外径寸法の変化部位は、最終的な流体封入式防振装置において設けられていれば良く、組付前には外径寸法が全長に亘って一定の取付金具を、例えば係止用突部への嵌着に際して軸方向において該係止用突部の嵌着側端部だけを縮径加工することによって、最終的な組付状態で外径寸法の変化部位を備えさせるようにしても良い。
また、本発明に係る流体封入式防振装置おいては、前記作用空気室に対して外部から空気圧を及ぼす空気通路を形成しても良い。このような空気通路を形成すれば、防振特性の制御が可能となる。具体的には、例えば空気通路を通じて作用空気室の空気圧を、防振すべき振動の変化等に応じて静的に変化させることで、ゴム弾性板のばね特性を作用空気室の空気ばねの作用で調節して、防振すべき振動の変化に対応して防振特性を切り換えることが出来る。或いは、例えば防振すべき振動周波数に対応した周期の空気圧変動を空気通路を通じて作用空気室に及ぼして、ゴム弾性板を通じて加振力を生ぜしめることにより、防振すべき振動に対して相殺的乃至は積極的な防振効果を得ることも可能となる。なお、空気通路は、例えば、固定部材の内部を貫通して延びて、第二の取付部材から外れて或いは第二の取付部材に設けられた窓部を通じて、直接に外部空間に露出した固定部材の表面上で外部開口するようにして形成され、この外部開口に対して、外部に設けられた別の空気管路に接続可能とされた構造をもって、有利に形成される。
また、前述の流体封入式防振装置では、前記取付金具の軸方向他方の端部の開口部には、径方向内方に突出する環状係止突起が一体形成されている一方、前記固定部材の前記係止用突部の外周面には全周に亘って延びる係止溝が形成されており、該取付金具の該環状係止突起が該係止溝に入り込んで係止されることにより、該取付金具の該係止用突部からの抜け出しが防止されている構造が、好適に採用される。このよう係止構造を採用することにより、ゴム弾性板に対して流体圧や空気圧が作用せしめられた際のゴム弾性板の抜け出しを確実に阻止することが可能となり、製品信頼性の向上が図られ得る。しかも、シールゴム層を介して、取付金具を固定部材の係止用突部に対して一層確実に外嵌固定することが出来るから、かかる外嵌固定部位におけるシール性ひいては作用空気室の流体密性を一層高度に確保することが可能となる。
また、本発明に係る流体封入式防振装置においては、前記第二の取付部材の他方の開口部側に可撓性膜が配設されて、前記副液室を挟んで前記主液室と反対側には、壁部の一部が該可撓性膜で構成された平衡室が形成されており、該平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、該平衡室を前記主液室に連通せしめる第一のオリフィス通路が形成されている構造が、好適に採用される。このような構造に従えば、平衡室と第一のオリフィス通路をコンパクトに形成することが出来、例えば流体流路と異なるチューニングを第一のオリフィス通路に施すことにより、第一のオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、流体流路による防振効果が発揮される周波数とは異なる周波数域での防振性能の向上を図ることが可能となる。
また、前述の流体封入式防振装置では、前記副液室を前記平衡室に連通せしめる第二のオリフィス通路が形成されており、該第二のオリフィス通路が前記第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされている構造が、好適に採用される。かかる構造においては、第一のオリフィス通路と第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路を通じての各流体流動作用に基づいて、複数の乃至は広い周波数域の振動に対してより一層優れた防振効果が発揮され得る。
さらに、前述の流体封入式防振装置において、前記流体流路を通じての流体流動量を制限する手段が設けられている構造が、好適に採用される。このような構造によれば、第一のオリフィス通路または第二のオリフィス通路を通じての流体流動量が充分に確保されることから、それら流体流動作用による防振効果の更なる向上が図られ得る。
また、そのような平衡室と第一のオリフィス通路を形成するに際しては、例えば、前記固定部材の軸方向一方の端部に対して前記第二の取付部材が外嵌固定されている一方、該固定部材の軸方向他方の端部が該第二の取付部材から軸方向外方に突出しており、この突出した軸方向他方の端部に対して、前記可撓性膜の外周縁部に加硫接着された環状の固定金具が嵌着固定されてなる構造が、好適に採用される。このような構造に従えば、固定部材に対して可撓性膜を容易に且つ良好なシール性をもって組み付けることが出来る。
さらに、本発明は、上述の如き本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置の好適な製造方法であって、次の(a)〜(d)の工程を含む流体封入式防振装置の製造方法も、特徴とする。
(a)前記シールゴム突部と前記シールゴム層を一体的に有すると共に、前記取付金具に対して加硫接着された前記ゴム弾性板を加硫成形することにより、該ゴム弾性板の一体加硫成形品を準備する工程。
(b)該ゴム弾性板の一体加硫成形品における前記取付金具を、別途に準備した前記固定部材における前記係止用突部に外挿した状態下で、該取付金具に縮径加工を施して、該取付金具の軸方向他方の端部を該係止用突部に嵌着固定する工程。
(c)前記仕切部材に対して前記凹所の開口部側から前記固定部材を重ね合わせて、該取付部材に固定された前記ゴム弾性板の一体加硫成形品を該仕切部材の該凹所に差し入れると共に、該取付金具の軸方向一方の端部に突設された前記シールゴム突部を該仕切部材に対して軸方向に押しつけるゴム弾性板の組付工程。
(d)互いに軸方向で重ね合わされた前記仕切部材と前記固定部材を、前記第二の取付部材の筒状部に嵌め入れた状態で、該第二の取付部材の筒状部を縮径加工することにより、それら仕切部材と固定部材を該第二の取付部材に対して同時に固定する工程。
このような本発明方法に従えば、部品点数や製造工程の増加、或いは製造作業の困難化などを伴うことなく、副液室および作用空気室の流体密性と、ゴム弾性板のばね特性とを、何れも高い信頼性のもとで安定して得ることが出来る。それ故、目的とする流体封入式防振装置を、安定した防振性能や耐久性能をもって容易に製造することが可能となるのである。
また、本発明方法においては、前記本体ゴム弾性体の一体加硫成形品における前記第二の取付部材の筒状部に対して前記仕切部材と前記固定部材を嵌め入れる前に、該仕切部材と該固定部材を互いに軸方向で重ね合わせた状態で相互に固定することが、一層望ましい。このように予め仕切部材と固定部材を仮にでも固定することで、両部材間にゴム弾性板を安定した組み込むことが出来ると共に、ゴム弾性板を組み込んだ仕切部材と固定部材を、簡単な操作で第二の取付部材に対して組み付けることが可能となる。これにより、目的とする流体密性や防振性能の安定性と共に、組立作業性も、更なる向上が図られ得る。
また、本発明方法では、例えば第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体に対して加硫接着されることにより、該第二の取付部材の軸方向一方の開口部が該本体ゴム弾性体で流体密に閉塞された一体加硫成形品を準備し、この一体加硫成形品における第二の取付部材の他方の開口部から前記仕切部材や前記固定部材を嵌め入れて組み付けることが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1〜2には、本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で連結された構造とされている。第一の取付金具12がパワーユニット側に取り付けられると共に、第二の取付金具14が車両ボデー側に取り付けられることにより、パワーユニットがボデーに対して防振支持されるようになっている。
なお、図1では、自動車に装着する前のエンジンマウント10の単体での状態が示されているが、本実施形態では、装着状態において、パワーユニットの分担支持荷重がマウント軸方向(図1中、上下)に入力される。従って、マウント装着状態下では、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づき第一の取付金具12と第二の取付金具14が軸方向で互いに接近する方向に変位する。また、かかる装着状態下、防振すべき主たる振動は、略マウント軸方向に入力されることとなる。以下の説明中、特に断りのない限り、上下方向は、マウント軸方向となる図1中の上下方向をいう。
より詳細には、第一の取付金具12は、下方に開口する略カップ形状を呈している。第一の取付金具12の上底部の中央部分には、上方に開口する螺子穴を備えたナット部18が、上方に突出して一体形成されている。
一方、第二の取付金具14は、大径の略段付き円筒形状を有しており、軸方向中間部分に形成された段差部20を挟んで、上方が大径筒部22とされていると共に、下方が大径筒部22よりも径寸法が小さな小径筒部24とされている。また、第一の取付金具12が第二の取付金具14の一方(図1中、上)の開口部側に離隔配置されて、両金具12,14の中心軸が略同一線上に位置せしめられていると共に、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間には、本体ゴム弾性体16が配されている。
本体ゴム弾性体16は、大径の略円錐台形状を有しており、その小径側端面には、第一の取付金具12が、ナット部18を除く略全体を埋設された状態で加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面には、第二の取付金具14の大径筒部22および段差部20が、内周面において加硫接着されている。
要するに、本体ゴム弾性体16が、第一の取付金具12と第二の取付金具14を備えた一体加硫成形品として形成されている。これにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16によって相互に弾性的に連結されていると共に、第二の取付金具14の大径筒部22側における一方(図1中、上)の開口部が本体ゴム弾性体16で流体密に閉塞されている。
また、本体ゴム弾性体16の大径側端面には、下方に開口する略すり鉢形状の大径凹所26が形成されている。更に、第二の取付金具14の小径筒部24の内周面には、本体ゴム弾性体16と一体形成されたシールゴム層28が、略一定の厚さ寸法で、全体に亘って被着形成されている。
さらに、第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品には、第二の取付金具14の他方(小径筒部24側であって、図1中、下)の開口部側から仕切部材30が組み付けられている。
仕切部材30は、図3〜4にも示されているように、全体として逆カップ形状を有している。本実施形態では、硬質の合成樹脂材を用いて形成されている。その外径寸法は、第二の取付金具14の小径筒部24の内径寸法よりも小さくされている。仕切部材30には、凹所としての下面中央に開口する大径の中央凹所32が設けられている。また、中央凹所32の周壁部の内周面には、軸方向(深さ方向)の中間部分に位置して、軸直角方向外方に広がる円環形状の段差部34が形成されている。即ち、中央凹所32は、段差部34を挟んだ上底部側(図1中、上)の内径寸法が、段差部34を挟んだ開口部側(図1中、下)の内径寸法よりも小さくされている。
また、仕切部材30の周壁部には、外周面に開口して周方向に所定長さ(例えば、本実施形態では一周弱)で延びる、周溝36が形成されている。周溝36の一方の端部は、仕切部材30の上端部に形成された切欠き状の連通窓38を通じて上方に開口している。周溝36の他方の端部は、仕切部材30の下端部に貫設された連通孔40を通じて下方に開口している。更に、周溝36の周方向他方の端部は、上方に延びており、仕切部材30の周壁部に貫設された連通路42を通じて中央凹所32の周壁部内面に連通されている。
さらに、仕切部材30の上壁部の上面には、上方に開口する浅底の上凹所が形成されている。この上凹所の内径は、仕切部材30の中央凹所32の内径と略同じとされており、上凹所の周壁部は、上方に向かって突出する円環形状の環状突部44とされている。仕切部材30の上底部には、上方から蓋部材46が重ね合わされており、この蓋部材46で、仕切部材30の上凹所が覆蓋されている。
蓋部材46は、浅底の逆皿形状を有しており、合成樹脂材料等の硬質材で形成されている。蓋部材46は、仕切部材30の上面に対して、互いの凹所の開口を位置合わせして重ねられており、仕切部材30の上凹所の外周壁部と蓋部材46の外周壁部との各先端面が互いに重ね合わせられて、溶着や接着等で固着されている。仕切部材30の上凹所の底面と蓋部材46の上底面とが、円形の平坦面をもって上下方向で所定距離を隔てて平行に対向位置せしめられており、これらの対向面間において中空の拘束配設領域48が形成されている。
また、拘束配設領域48の上下壁部を構成する仕切部材30の上凹所の底壁部と蓋部材46の凹所の上底部には、何れも、多数の小孔からなる透孔50が形成されている。これらの透孔50を通じて、拘束配設領域48が、軸方向上下の外部領域に連通せしめられている。即ち、本実施形態では、これら拘束配設領域48と上下底壁部に形成された透孔50,50で協働して、後述する主液室116を後述する副液室120に連通せしめる流体流路が構成されている。
更に、拘束配設領域48には、可動部材としての可動板52が、軸直角方向に広がって収容配置されている。可動板52は、薄肉の略円板形状を有しており、ゴム弾性材料を用いて形成されている。特に本実施形態では、可動板52の上下両面において、それぞれ、複数の凹凸或いは複数の凹凸条が設けられていることにより、目視出来る程度に大きな起伏面とされている。可動板52の厚さ寸法は、拘束配設領域48の上下壁部の対向面間距離よりも小さくされている。また、可動板52の外径寸法は、拘束配設領域48の内径の内法寸法よりも小さくされている。更に、可動板52の中央部分には、軸方向両側に突出する一対の中央軸部54,54が一体形成されている。各中央軸部54が、仕切部材30と蓋部材46の各中心軸上に貫設された挿通孔56に対して、それぞれ変位可能に内挿されている。
これにより、可動板52が、拘束配設領域48の略中央に位置せしめられて、可動板52の厚さ寸法と拘束配設領域48の高さ寸法との差に対応した距離だけ、拘束配設領域48内で軸方向で変位可能とされている。また、可動板52の軸方向の変位量は、拘束配設領域48の上下内面に当接することで制限されるようになっている。なお、かかる可動板52の当接時には、それ自体の弾性に基づいて緩衝機能が発揮されて打音が衝撃が抑えられるようになっている。
仕切部材30の中央凹所32の開口部周りの外周部分の下端面は、軸直角方向に広がる平坦面とされており、ここに係止突起58が下方に向かって突出するように一体形成されている。特に本実施形態では、3つの係止突起58,58,58が、仕切部材30の下端面の幅方向中央部分において、周方向で略等間隔に離隔して設けられている。また、係止突起58は、仕切部材30の下端部と一体形成された基端部から下方に向かって略一定のL字屈曲断面で延びる脚部60と、該脚部60の先端部分から仕切部材30の軸直角方向で略平板形状に広がって脚部60の先端を覆う頭部62を含んで構成されている。これにより、係止突起58の軸方向断面が、全体としてカギ状を呈している。
また、仕切部材30には、軸方向下方から固定部材64が重ね合わされて組み付けられている。固定部材64は、図5〜6にも示されているように、仕切部材30と略同じ外径寸法を有する略円板形状とされている。この固定部材64には、下面中央に開口する下側凹所66が形成されている。また、固定部材64の上端面の中央には、係止用突部としての浅底皿状の中央突部68が一体形成されている。
中央突部68の外周面には、基端部分を周方向の全周に亘って連続して延びる係止溝としての嵌着溝70が形成されている。固定部材64の上端面は、中央突部68の外周側の前面に亘って軸直角方向に広がる平坦面とされている。また、固定部材64の外周部分には、仕切部材30に重ね合わされた際に連通孔40の開口部に対応する位置において、軸方向に貫通する連通孔72が形成されている。この連通孔72は、軸方向両側において、固定部材64の上端面と、下側凹所66の内面とに、それぞれ開口せしめられている。
さらに、固定部材64の外周面には、軸方向上端近くを周方向の全周に亘って連続して延びる凹溝状の上側嵌着溝74が形成されている。また、固定部材64の外周面の軸方向下端近くには、周方向の全周に亘って連続して延びる凹溝状の下側嵌着溝76が形成されている。
また、固定部材64の中央突部68の外周側に広がる円環形状の上端面には、仕切部材30に重ね合わされた際に各係止突起58に対応する位置において、それぞれ、係止孔78が形成されている。これらの係止孔78は、固定部材64を軸方向に貫通しており、下側凹所66の内面に開口せしめられている。各係止孔78は、固定部材64の周方向に所定長さで延びており、係止孔78に対して係止突起58が挿入され、更に周方向に所定量だけ相対変位せしめられ得るように、係止孔78の形状と大きさが設定されている。
さらに、係止孔78の外周縁部における周方向一方の端部には、係止孔78内に部分的に突出するようにして延び出した外周壁部80が一体形成されている。後述するように、この外周壁部80は、係止孔78に挿通された係止突起58が、周方向に相対変位せしめられることで係止されるようになっている。
更にまた、固定部材64における各係止孔78の下方には、係止孔78の開口を下方から覆うようにしてカバー部82が一体形成されている。カバー部82は、係止孔78の開口周縁部から下方に向かって略一定の矩形枠状断面に延びる立上壁部84と、立上壁部84の先端部分から固定部材64の径方向に屈曲して略平板形状に広がる蓋壁部86を含んで構成されている。
また、固定部材64の中央突部68には、ゴム弾性板としての調圧用ゴム板88が組み付けられている。調圧用ゴム板88は、図7,8にも拡大して示されているように、薄肉の略円板形状を呈している。本実施形態では、調圧用ゴム板88の両面に複数の凹凸や溝或いは突条等が形成されており、厚さ寸法が異ならされている。また、調圧用ゴム板88の外周縁部(本実施形態では外周面)には、取付金具としての嵌着リング90が加硫接着されている。
嵌着リング90は、薄肉の略円筒形状を呈しており、鉄やアルミニウム合金等の金属材料によって形成されている。嵌着リング90の軸方向一方(図7中、上)の端部には、全周に亘って径方向外方に拡がるフランジ状部92が一体形成されていると共に、嵌着リング90の軸方向他方(図7中、下)の端部には、全周に亘って径方向内方に拡がる環状係止突起としての係止突起94が一体形成されている。即ち、フランジ状部92が一体形成された軸方向一方の端部の外径寸法が、係止突起94が一体形成された軸方向他方の端部の外径寸法よりも大きくされている。
また、本実施形態では、嵌着リング90における調圧用ゴム板88の加硫接着部位が、嵌着リング90の軸方向中央よりも上方に偏倚せしめられている。そして、嵌着リング90の軸方向下端部が、調圧用ゴム板88の外周面から軸方向下方に向かって延び出している。この延び出した嵌着リング90の下端部には、内周面を弾性に亘って覆うようにして薄肉のシールゴム層96が被着形成されている。シールゴム層96の内周面は、係止突起94の内周面と略同じ内径寸法とされている。
さらに、嵌着リング90の軸方向上端部には、軸方向上方に向かって突出するシールゴム突部としてのシールリップ98が被着形成されている。シールリップ98は調圧用ゴム板88と一体形成されており、全周に亘って略一定の断面形状で周方向に連続して形成されている。また、シールリップ98は、嵌着リング90のフランジ状部92の軸方向上端面において形成されており、特に本実施形態では、シールリップ98の外周面が、フランジ状部92の外径寸法よりも僅かに小さく、軸方向に延びる垂直な面形状とされている。一方、シールリップ98の内周面は、傾斜面で径方向内方に延び出しており、軸方向において係止突起94の上にまで延び出して形成されている。なお、本実施形態では、調圧用ゴム板88やシールゴム層96、シールリップ98が嵌着リング90と共に一体加硫成形されることによって、流体封入式防振装置の製造方法に係る調圧用ゴム板88の一体加硫成形品を準備する工程が完了することとなる。
このような嵌着リング90は、その軸方向下端部が固定部材64の中央突部68に外挿されている。更に、嵌着リング90の軸方向中間部分から下側部分に対して八方絞り等の縮径加工が施されて、係止突起94が中央突部68の嵌着溝70に係止固定されている。これにより、シールゴム層96が嵌着リング90と中央突部68の間で径方向に圧縮変形されて流体密にシールされていると共に、嵌着リング90の中央突部68からの抜け出しが防止されるようになっている。なお、この嵌着リング90の下部に対する縮径加工により、嵌着リング90の上端部の外径寸法は、下端部の外径寸法に比して一層大きく設定されている。また、嵌着リング90を縮径加工により中央突部68の嵌着溝70に係止固定されることによって、本実施形態の流体封入式防振装置の製造方法に係る嵌着リング90の軸方向他方(図7中、下)の端部を中央突部68に嵌着固定する工程が完了することとなる。
そして、中央突部68の開口上方部分が調圧用ゴム板88で覆われており、中央突部68の底部と調圧用ゴム板88の間に作用空気室100が形成されている。即ち、中央突部68と調圧用ゴム板88の組付部位における流体密性がシールゴム層96で高度に確保されて、作用空気室100の流体密性が維持されている。
また、固定部材64の内部には、空気通路102が貫通して形成されている。この空気通路102の一方の端部が、中央突部68の上面に開口せしめられて作用空気室100に接続されていると共に、空気通路102の他方の端部が、固定部材64の外周面に開口せしめられている。この空気通路102の外周面の開口部位は、外周面に開口する円形の凹所内に円筒形状をもって突出形成されたポート部104とされている。
さらに、仕切部材30の下面に固定部材64が重ね合わされることにより、固定部材64に組み付けられた嵌着リング90は、仕切部材30の中央凹所32に対して嵌め入れられている。また、嵌着リング90のフランジ状部92は、シールリップ98を、中央凹所32の段差部34に対して軸方向に押し付けている。これにより、嵌着リング90と仕切部材30の間は、全周に亘って、シールリップ98により、軸方向で流体密にシールされている。また、本実施形態に係る流体封入式防振装置の製造方法において、嵌着リング90の軸方向一方(図7中、上)の端部に突設されたシールリップ98を仕切部材30に対して軸方向に押し付ける調圧用ゴム板88の組付工程が完了することとなる。特に本実施形態では、仕切部材30の中央凹所32の全周に亘って形成された段差部34の面に対して、嵌着リング90のフランジ状部92の上端面が、シールリップ98を介して、充分に大きな面積領域で軸方向に挟圧されている。
このような仕切部材30と固定部材64の軸方向での重ね合わせ状態で、各係止突起58が各係止孔78に挿通されて中心軸回りに仕切部材30と固定部材64が相対的回動される。これにより、各係止突起58が外周壁部80を備えた係止孔78に係止されている。これにより、図9にも示されているように、仕切部材30と固定部材64が軸方向に重ね合わせ状態に保持されており、シールリップ98がフランジ状部92と段差部34の間で軸方向に圧縮変形した状態が保持されている。即ち、シールリップ98の弾性力により、仕切部材30と固定部材64の係止状態が保持され得るだけの摩擦力が及ぼされている。
また、本実施形態では、仕切部材30と固定部材64が相対的に回動されて、係止突起58や係止孔78、外周壁部80を含んでなる係止機構により両部材30,64の重ね合わせ状態が保持される際に、仕切部材30の連通孔40や固定部材64の連通孔72が、中心軸回りの周方向位置を相互に合わされるようになっている。即ち、かかる係止機構が、仕切部材30と固定部材64の周方向での相対的な位置決め手段としても機能している。
而して、このように軸方向で重ね合わせられた仕切部材30と固定部材64が、第二の取付金具14の小径筒部24側(図1中、下)に対して嵌め入れられ、嵌着固定されて組み付けられている。それによって、本実施形態に係る流体封入式防振装置の製造方法において、第二の取付金具14に仕切部材30と固定部材64を嵌め入れる前に、仕切部材30と固定部材64を互いに軸方向で重ね合わせた状態で相互に固定する工程が完了することとなる。
これら仕切部材30と固定部材64の第二の取付金具14に対する組付けは、以下のように行われる。即ち、仕切部材30と予め調圧用ゴム板88を装着した固定部材64とを、上述の如く重ね合わせ状態で相互に固定的に組み付けた後、第二の取付金具14の開口部から軸方向に差し入れる。そして、第二の取付金具14の下開口端部に形成された内フランジ状の嵌着突部106を、固定部材64の上側嵌着溝74の外周面に位置せしめる。
この際、固定部材64は、軸方向上端部だけが第二の取付金具14に嵌め入れられた状態となり、軸方向中央部分から下端部は、第二の取付金具14から軸方向外方に突出して外部空間に露出されている。この外部空間に露出された固定部材64の外周面には、ポート部104が設けられた凹所が開口せしめられている。
次に、第二の取付金具14の小径筒部24に対して、八方絞り等の縮径加工を施す。これにより、小径筒部24の内周面に被着形成されたシールゴム層28を、仕切部材30の外周面と、固定部材64の上端部外周面に対して密着させる。同時に、仕切部材30の外周面と、固定部材64の上端部外周面に対して、シールゴム層28を介して、小径筒部24を外嵌固定する。また、固定部材64の嵌着突部106を固定部材64の上側嵌着溝74に嵌め入れて係止することで、固定部材64および仕切部材30を、第二の取付金具14の筒壁部を構成する小径筒部24に対して軸方向で位置決め固定する。これにより、固定部材64の軸方向一方(図1中、上)の端部に第二の取付金具14が外嵌固定されている。また、上述の説明からも明らかなように、本実施形態に係る流体封入式防振装置の製造方法において、仕切部材30固定部材64を第二の取付金具14に対して同時に固定する工程が完了するようになっている。
一方、第二の取付金具14から露出せしめられた仕切部材30の下端部には、可撓性膜としてのダイヤフラム108が組み付けられている。ダイヤフラム108は、中央部分に十分な弛みをもたせて変形容易とした薄肉の略円板形状のゴム弾性膜によって構成されている。
ダイヤフラム108の外周縁部(本実施形態では、外周面)には、大径の円筒形状の固定金具110が加硫接着されている。固定金具110の上端開口部には、全周に亘ってフランジ状に延びる嵌着突部112が一体形成されている。固定金具110の内周面には、ダイヤフラム108と一体形成された薄肉のシールゴム層が被着形成されており、ダイヤフラム108は、固定金具110から下方に向かって延び出している。
このような固定金具110が軸方向上端部から固定部材64に外挿されて、その後、固定金具110に縮径加工が施されている。これにより、固定金具110の上端部分の内周面が、シールゴム層を介して、第二の取付金具14から軸方向外方に突出した固定部材64の軸方向他方(図1中、下)の端部の外周面に対して、固定的に外嵌固定されている。また、固定金具110の嵌着突部112は、固定部材64の下側嵌着溝76に係止固定されている。
これにより、固定部材64の下側凹所66の開口がダイヤフラム108で流体密に覆蓋されている。また、第二の取付金具14の他方の開口部(図1中、下)は、ダイヤフラム108で流体密に閉塞されている。更に、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム108の軸方向(図1中、上下)の対向面間には、仕切部材30と固定部材64が、配設されている。
上述の如く、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム108の対向面間は、外部空間に対して密閉されており、そこに非圧縮性流体が封入された流体室114が形成されている。封入流体としては、例えば水やアルキレングリコール, ポリアルキレングリコール, シリコーン油等が採用されるが、特に流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。
また、流体室114への非圧縮性流体の封入は、例えば、第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対して、上述の仕切部材30,固定部材64,ダイヤフラム108の組み付けを、非圧縮性流体中で行うことによって、有利に実現される。
より具体的には、かかる非圧縮性流体の封入工程は、例えば、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対して、仕切部材30と固定部材64の組付体を嵌め入れて第二の取付金具14を縮径加工する工程と、固定部材64にダイヤフラム108を組み付けて固定金具110を縮径加工する工程とを、何れも、非圧縮性流体中に行うことによって、実現され得る。或いは、仕切部材30と固定部材64の組付体を嵌め入れて第二の取付金具14を縮径加工するまでは、大気中で行い、その後に、非圧縮性流体中で、固定部材64にダイヤフラム108を組み付けることによっても実現可能である。また、予め仕切部材30と固定部材64の組付体に対してダイヤフラム108を大気中で組み付けておいてから、非圧縮性流体中で、かかる仕切部材30と固定部材64,ダイヤフラム108の組付体を第二の取付金具14に嵌め入れて流体封入することも可能である。
また、流体室114は、その内部に仕切部材30および固定部材64が軸直角方向に拡がるように配設されていることによって、これら仕切部材30と固定部材64の組付体を挟んで軸方向上下に二分されている。この仕切部材30等の組付体を挟んだ軸方向一方(図1中、上)の側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への振動入力時に、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて圧力変動が生ぜしめられる主液室116が形成されている。一方、仕切部材30等の組付体を挟んだ軸方向他方(図1中、下)の側には、壁部の一部がダイヤフラム108で構成されて、該ダイヤフラム108の弾性変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室118が形成されている。
なお、平衡室118においては、仕切部材30に形成された係止突起58が固定部材64のカバー部82で覆われている。これにより、ダイヤフラム108の係止突起58への干渉に起因する損傷が回避されている。
さらに、仕切部材30と固定部材64の重ね合わせ面間には、仕切部材30の中央凹所32が固定部材64で覆蓋されることによって内部空所が形成されており、この内部空所が、更に、調圧用ゴム板88で仕切られている。また、調圧用ゴム板88の外周縁部は、仕切部材30と固定部材64に対して、何れも流体密に組み付けられている。
これにより、仕切部材30の中央凹所32の開口が調圧用ゴム板88で覆蓋されて、中央凹所32には、調圧用ゴム板88の上方に位置する副液室120が形成されていると共に、調圧用ゴム板88の下方に位置する作用空気室100が形成されている。換言すると、副液室120を挟んで主液室116と反対側には、平衡室118が形成されていると共に、作用空気室100が副液室120と平衡室118の間に形成されている。そして、副液室120には、主液室116や平衡室118と同じく、非圧縮性流体が封入されている。また、作用空気室100は、空気通路102を通じて後述する外部の空気管路126に接続されるようになっている。
更にまた、主液室116と副液室120を仕切る隔壁部分を構成する仕切部材30の上底部には、前述の如く、拘束配設領域48が形成されて可動板52が板厚方向(図1中、上下)に所定量だけ変位可能に収容配置されている。この可動板52の上面と下面には、各複数の透孔50を通じて主液室116と副液室120の圧力がそれぞれ及ぼされるようになっている。そして、振動入力時には、これら主液室116と副液室120の相対的な圧力差の変動に基づいて、主液室116の圧力変動を副液室120に逃がすようになっている。なお、可動板52の変位量ひいては主液室116から副液室120に逃がされる圧力変動の大きさは、仕切部材30や蓋部材46への当接で可動板52の変位量が制限されることに基づいて、制限されることとなる。上述の説明からも明らかなように、拘束配設領域48や複数の透孔50からなる流体流路を通じての流体流動量を制限する手段が、可動板52を含んで構成されている。
また、仕切部材30の周溝36が、第二の取付金具14の小径筒部24の内周面に被着されたシールゴム層28を挟んで小径筒部24で流体密に覆蓋されることにより、第一のオリフィス通路122が形成されている。第一のオリフィス通路122の一方の端部は、仕切部材30の連通窓38を通じて、主液室116に接続されている。また、第一のオリフィス通路122の他方の端部は、仕切部材30の連通孔40と固定部材64の連通孔72を通じて平衡室118に接続されている。これにより、主液室116と平衡室118が第一のオリフィス通路122で相互に接続されており、それら両室116,118間で、第一のオリフィス通路122を通じての流体流動が許容されるようになっている。
さらに、仕切部材30の周溝36の他方の端部に接続された連通路42が、周溝36と共に第二の取付金具14の小径筒部24によって流体密に覆蓋されている。これら周溝36と連通路42が協働して第二のオリフィス通路124を形成している。第二のオリフィス通路124の一方の端部が連通路42を介して副液室120に接続されていると共に、第二のオリフィス通路124の他方の端部が仕切部材30の連通孔40および固定部材64の連通孔72を通じて平衡室118に接続されている。これにより、副液室120と平衡室118が第二のオリフィス通路124で相互に連通されており、それら両室118,120間で、第二のオリフィス通路124を通じての流体流動が許容されるようになっている。上述の説明からも明らかなように、本実施形態では、第一のオリフィス通路122や第二のオリフィス通路124が、仕切部材30と固定部材64によって協働して形成されている。なお、連通路42が周溝36の一部と接続されていることによって、第二のオリフィス通路124が第一のオリフィス通路122の一部と協働して形成されているが、第一のオリフィス通路122と第二のオリフィス通路124では、そもそも通路長さが大きく異なることから、各別に後述する適当な周波数域にチューニングされている。即ち、本実施形態に係るエンジンマウント10では、図10にもモデル的に示されているように、非圧縮性流体が封入される流体室114が主液室116や平衡室118、副液室120を含んで構成されており、主液室116と副液室120が拘束配設領域48および複数の透孔50からなる流体流路を通じて相互に連通されていると共に、主液室116と平衡室118が第一のオリフィス通路122を通じて相互に連通されており、更に副液室120と平衡室118が第二のオリフィス通路124を通じて相互に連通されているのである。
特に本実施形態では、第一のオリフィス通路122を流動せしめられる流体の共振周波数が、該流体の共振作用に基づいてエンジンシェイク等に相当する10Hz前後の低周波数域の振動に対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるようにチューニングされている。また、第二のオリフィス通路124を流動せしめられる流体の共振周波数が、該流体の共振作用に基づいてアイドリング振動等に相当する20〜40Hz程度の中周波数域にチューニングされている。これにより、第二のオリフィス通路124が、第一のオリフィス通路122よりも高周波数域にチューニングされていると共に、中周波数域の振動入力時に、第二のオリフィス通路124を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて有効な防振効果(低動ばねによる振動絶縁効果)が発揮されるようになっている。なお、第一及び第二のオリフィス通路122,124のチューニングは、例えば、主液室116や平衡室118,副液室120の各壁ばね剛性、即ちそれら流体室114を単位容積だけ変化させるのに必要な圧力変化量に対応する本体ゴム弾性体16やダイヤフラム108、可動板52、調圧用ゴム板88の各弾性変形量に基づく特性値を考慮しつつ、それぞれのオリフィス通路122,124の通路長さと通路断面積を調節することによって行うことが可能であり、一般に、オリフィス通路122,124を通じて伝達される圧力変動の位相が変化して略共振状態となる周波数を、当該オリフィス通路122,124のチューニング周波数として把握することが出来る。
また、第一の取付金具12のナット部18が図示しない固定ボルトを用いてパワーユニット側の取付部材に螺着固定されると共に、第二の取付金具14の大径筒部22等が図示しないアウタブラケットに固着されて、アウタブラケットが車両ボデー側の取付部材にボルト等で固定されるようになっている。これにより、エンジンマウント10が、パワーユニットと車両ボデーの間に装着されて、パワーユニットを車両ボデーに防振支持せしめるようになっている。
かかる装着状態下において、仕切部材30に形成された空気通路102のポート部104に空気管路126が接続され、空気管路126を通じて、作用空気室100が切換バルブ128に接続されている。切換バルブ128は、例えば電磁バルブ等によって構成されており、作用空気室100を、大気中と所定の負圧源とに択一的に連通せしめるようになっている。また、切換バルブ128は、図示しない制御装置と接続されている。制御装置では、自動車に備え付けられた各種センサ等から、自動車の速度やエンジン回転数、減速機選択位置、スロットル開度など、自動車の状態を表す各種情報のうち、必要なものが入力されるようになっており、かかる情報に基づいて、予め設定されたプログラムに従って、マイクロコンピュータのソフトウエア等により、切換バルブ128を切換作動させるようになっている。そして、切換バルブ128を、自動車の走行状態等の各種条件下で入力される振動に応じて適当に切換制御することにより、目的とする防振効果を得るための作用空気室100の圧力制御が行われる。
ここでエンジンマウント10における具体的な作動態様の一つを示す。防振すべき振動として、(1)低周波大振幅振動であるエンジンシェイクや(2)高周波小振幅振動である走行こもり音、(3)中周波中振幅振動であるアイドリング振動の3種類の振動を考慮することとし、各振動に対する防振効果を以下に説明する。
(1)エンジンシェイクに対する防振効果
エンジンシェイク等の低周波大振幅振動の入力時には、主液室116に対して非常に大きな振幅の圧力変動が惹起されることとなる。この圧力変動に際して可動板52が変位するが、可動板52の許容された可動距離範囲の変位では主液室116の圧力変動が吸収され難いように、可動板52の可動距離が設定されている。これにより、可動板52の圧力吸収作用は実質的に機能し得ず、主液室116には有効な圧力変動が生ぜしめられることとなる。
すなわち、低周波大振幅振動の入力に際しては、可動板52や副液室120が殆ど機能し得ない。そして、かかる振動入力時に主液室116と平衡室118の間に生ぜしめられる相対的な圧力変動により第一のオリフィス通路122を通じての流体流動量が効果的に確保されて、第一のオリフィス通路122を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、エンジンシェイクに対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるのである。
なお、作用空気室100は、大気中と負圧源の何れに接続されていても良い。尤も、調圧用ゴム板88を作用空気室100の底面(固定部材64の上端面)に吸引吸着させることで調圧用ゴム板88は機能しなくなり、副液室120は容積不変となる。その結果、副液室120による液圧吸収がなくなり、第一のオリフィス通路122を通じての流体流動量が一層有利に確保される。
(2)走行こもり音等に対する防振効果
第二のオリフィス通路124のチューニング周波数よりも高い走行こもり音等の高周波小振幅振動の入力時には、主液室116に対して小さな振幅の圧力変動が惹起されることとなる。この圧力変動に際して可動板52は有効に変位して、可動板52の可動距離範囲の変位によって、主液室116の圧力変動が副液室120に対して効率的に伝達され、副液室120において調圧用ゴム板88の弾性変形に基づく液圧吸収作用が発揮されるようになっている。要するに、高周波小振幅振動の入力時には、可動板52と副液室120と調圧用ゴム板88の協働作用による液圧吸収機能がはたらいて、主液室116の圧力変動が副液室120で吸収されることにより、マウント10の著しい高動ばね化が回避されることとなる。
なお、高周波小振幅振動の入力に際して、それよりも低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路122や第二のオリフィス通路124は、何れも、***振的な作用によって流体流通抵抗が著しく大きくなって、実質的に閉塞状態とされる。
すなわち、かかる状態下では、主液室116とその圧力が逃がされた副液室120は、何れも、平衡室118から独立した遮断状態となるが、副液室120の壁部の一部を構成する調圧用ゴム板88は、その背後に形成された作用空気室100が大気中に解放されていることにより、弾性変形が比較的容易に許容された状態とされる。特に、調圧用ゴム板88には、走行こもり音等の高周波小振幅振動の入力時に惹起される副液室120の圧力変動の程度はその弾性変形に基づいて十分に吸収せしめ得る程度に柔らかいばね特性が設定されている。それ故、第一及び第二のオリフィス通路122,124の実質的な閉塞化に起因する著しい高動ばね化が回避されて、高周波小振幅振動に対する良好な防振効果(低動ばね特性に基づく振動絶縁効果)が発揮されるのである。
(3)アイドリング振動に対する防振効果
第一のオリフィス通路122のチューニング周波数よりも高いアイドリング振動等の中周波中振幅振動の入力時には、主液室116に対して或る程度の振幅の圧力変動が惹起されることとなる。この圧力変動に際して可動板52が変位して、可動板52の可動距離範囲の変位によって、主液室116の圧力変動が副液室120に伝達されるようになっている。なお、中周波中振幅振動の入力に際して、それよりも低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路122は、***振的な作用によって流体流通抵抗が著しく大きくなって、実質的に閉塞状態とされる。
かかる状態下では、主液室116と同様に有効な圧力変動が惹起される副液室120と容積可変の平衡室118が、中周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路124を通じて接続された構成となる。それ故、振動入力時に主液室116および副液室120と平衡室118の間に生ぜしめられる相対的な圧力変動により第二のオリフィス通路124を通じての流体流動量が効果的に確保され得て、第二のオリフィス通路124を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、アイドリング振動に対して有効な防振効果(低動ばね特性に基づく振動絶縁効果)が発揮され得るのである。
なお、本実施形態では、第二のオリフィス通路124のチューニング周波数域の振動入力時において、作用空気室100は、大気中に接続されていても良いし、負圧源に接続されていても良い。要求される防振特性に応じて設定できるし、それらを適宜に切り替えるようにしても良い。
すなわち、本実施形態では、作用空気室100が大気中に接続されている場合と負圧源に接続されている場合とで、副液室120の壁部を構成する調圧用ゴム板88のばね特性が変化する。先ず、作用空気室100を大気中に接続した状態では、調圧用ゴム板88が非拘束状態とされて、柔らかいばね特性が発揮される。一方、作用空気室100を負圧源に接続した状態では、調圧用ゴム板88が作用空気室100側に負圧吸引変形されたり、更に強く吸引されて調圧用ゴム板88が作用空気室100の底面に重ね合わせられることによって変形拘束されて硬いばね剛性が発揮される。それ故、作用空気室100が大気中に接続されている場合と負圧源に接続されている場合では、副液室120の壁ばね剛性が異なり、その結果、第二のオリフィス通路124のチューニング周波数が変化して、有効な防振効果が発揮される周波数が変化する。なお、このことから明らかなように、調圧用ゴム板88のばね特性は、ダイヤフラム108程には柔らかくなく、その弾性変形に基づいてアイドリング振動等の中周波中振幅の振動の入力時に惹起される副液室120の圧力変動は吸収し得ずに副液室120に対して、第二のオリフィス通路124を通じての流体流動を生ぜしめ得るに十分な圧力変動が惹起され得る程度のばね剛性を有している。
従って、例えば通常のアイドリング状態と始動時やエアコン作動時等のファーストアイドリング状態とで切換バルブ128を切り換えて、作用空気室100を大気中と負圧源に選択的に接続することにより、中周波数域の領域でも数Hz〜数十Hzの範囲で周波数の異なるアイドリング振動に対して、より高度に第二のオリフィス通路124をチューニングさせて、一層優れた防振効果を得ることが可能となる。
尤も、このようにアイドリング振動の発生周波数域で、車両状態に応じて切換バルブ128を切換作動させて第二のオリフィス通路124のチューニングを変更設定することは、本発明において必須ではない。例えば、アイドリング振動の変化量が比較的小さい場合などにおいては、アイドリング状態下で、常時、作用空気室100が負圧源に接続されるようにして、かかる状態下で、第二のオリフィス通路124を通じての流体流動量が一層有利に確保され得て、アイドリング振動に対して一層効果的な防振効果を発揮し得るようにチューニングしておくことにより、より高度な防振効果を得ることが可能である。
さらに、本実施形態のエンジンマウント10においては、流体室114、特に副液室120と作用空気室100の流体密性が高度に且つ安定して確保され得ると共に、調圧用ゴム板88のばね特性も安定して発現され得るように、特定構造が採用されている。
すなわち、嵌着リング90の最大外径寸法となるフランジ状部92の外径寸法は、それが配設されることとなる、仕切部材30の中央凹所32の段差部34を挟んだ中央凹所32の開口部側の内径寸法よりも小さくされている。また、シールリップ98の内外径寸法は、段差部34の段付面に対して軸方向で重ね合わされるように段差部34の内外径寸法を考慮して設定されている。
これにより、前述の如く予め嵌着リング90を係止固定して調圧用ゴム板88が組み付けられた固定部材64を仕切部材30に組み付けるに際して、嵌着リング90が中央凹所32に差し入れられる際、径方向隙間が存在していることで容易に軸方向に差し入れることが出来るようになっている。また、前述の如く仕切部材30と固定部材64が係止固定されることにより、シールリップ98がフランジ状部92と段差部34の間で挟圧されて軸方向に圧縮変形せしめられる。この際、図11にも示されているように、三角状断面のシールリップ98は、径方向外方、即ちフランジ状部92の外周側に向かって傾斜するようにして圧縮変形する。
また、互いに組み付けられた嵌着リング90と中央凹所32の開口側の周壁部の間には、径方向隙間130が形成される。特に本実施形態では、仕切部材30および固定部材64が同一中心軸上に位置せしめられた状態下で第二の取付金具14に対して組み付けられた状態で、フランジ状部92と中央凹所32の周壁部の径方向対向面間に、周方向の全周に亘って略一定の大きさ:δの隙間130とされている。なお、仕切部材30および固定部材64の第二の取付金具14に対する組み付け後において、径方向隙間130の大きさ:δは、周方向で異なっていても良い。
更にまた、かかる嵌着リング90の中央凹所32への組付状態下において、嵌着リング90のフランジ状部92と中央凹所32の段差部34の間で軸方向に挟圧変形せしめられたシールリップ98においても、該シールリップ98の外周側には、中央凹所32の内周面との間に、径方向で所定大きさの隙間が全周に亘って残存している。要するに、中央凹所32に嵌着リング90が嵌め入れられて、嵌着リング90に突設されたシールリップ98が全周に亘って仕切部材30の段差部34に対して軸方向で流体密に押し付けられた状態であると共に、嵌着リング90のフランジ状部92とシールリップ98との何れにおいても中央凹所32の周壁部の内周面との間に径方向の隙間130が残存した状態で、仕切部材30と固定部材64が第二の取付金具14に嵌着固定されている。
このような構造とされた自動車用エンジンマウント10においては、嵌着リング90が仕切部材30の中央凹所32に内挿されると共に、嵌着リング90に突設されたシールリップ98が、中央凹所32の段差部34に当接して軸方向に圧縮変形して、仕切部材30と嵌着リング90の軸方向対向面間がシールされる。
特に本実施形態では、仕切部材30と固定部材64が第二の取付金具14の軸方向に重ね合わせられた際に、シールリップ98が、仕切部材30と固定部材64の間で挟み込まれる弾性材として機能し得る。シールリップ98の弾性復元力に基づき、仕切部材30と固定部材64に軸方向で相互に離隔する方向の作用力(反力)を与えて、係止突起58と係止孔78(外周壁部80)の係止作用が一層大きくされている。それ故、仕切部材30と固定部材64の組み付け状態が安定して、取り扱い性が向上され得る。
また、本実施形態に係る自動車用エンジンマウント10では、中央凹所32の周壁部と嵌着リング90の間に設けられた隙間130の存在により、周壁部と嵌着リング90の相対変位による当接が抑えられ、また、当接しても嵌着リング90に大きな歪みや応力集中が生じることが回避される。それ故、例えば第二の取付金具14の縮径加工に際して仕切部材30と固定部材64が軸直角方向に相対変位せしめられても、その程度のずれは、かかる隙間130で吸収され得る。
従って、嵌着リング90と仕切部材30や固定部材64の間に大きな力が作用することがないのであり、嵌着リング90と仕切部材30および固定部材64との間の流体密性が高度に安定して確保され得るのである。
また、本実施形態では、固定部材64のカバー部82が、平衡室118側に突出する係止突起58を略全体に亘って覆っている。従って、たとえば係止突起58が何等かの原因で欠損したとしても、係止突起58の平衡室118内への落下がカバー部82で防止される。これにより、平衡室118に落下した係止突起58の破片等で、ダイヤフラム108が損傷したり、オリフィス通路122,124が目詰まりする等の問題が回避され得る。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、本体ゴム弾性体16の外周面に固定筒金具を加硫接着し、この固定筒金具を第二の取付金具14の上側開口部に圧入等することで、第二の取付金具14に対して別体形成された本体ゴム弾性体16を流体密に組み付け可能とする一方、第二の取付金具14の下側開口部に対してゴムダイヤフラムの外周縁部を加硫接着し、好適にはこのゴムダイヤフラムをシールゴム層28と一体成形することも可能である。このような構造の第二の取付金具14を採用すれば、仕切部材30や固定部材64を、第二の取付金具14の上側開口部(本体ゴム弾性体16で閉塞される方の開口部)側から嵌め入れて組み付けることが可能となる。
また、本発明において、仕切部材30と固定部材64は、第二の取付金具14に対する組み付け前に予め軸方向で仮固定することは必須でない。ここにおいて、両部材30,64を予め仮固定するに際しても、軸方向で重ね合わせ状態に仮固定する構造は、溶着やボルト,ピン等の各種構造を採用することが出来る。尤も、そのような仕切部材と固定部材の仮固定構造は、本発明において必須のものではない。
また、第一のオリフィス通路122や第二のオリフィス通路124、主液室116、平衡室118、副液室120における形状や大きさ、構造、位置、数などの形態は、要求される防振特性や製作性などに応じて設定変更されるものであり、例示の如きものに限定されるものでない。例えば、第一のオリフィス通路122や第二のオリフィス通路124、平衡室118は、本発明において必須ではない。
仮に、平衡室118を形成しない場合には、第一のオリフィス通路122だけでなく第二のオリフィス通路124も形成しないで、拘束配設領域48や透孔50,50からなる流体流路や流体流動量制限手段としての可動板52からなる液圧吸収機構だけを採用するようにしても良い。また、本発明において、可動板52は必須でない。
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用エンジンマウント10に適用したものの具体例について説明したが、本発明は、自動車用ボデーマウントやデフマウント等の他、自動車以外の各種振動体の防振マウントに対して、何れも、適用可能である。
本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面図であって、図2のI−I断面に相当する図。 図1のII−II断面図。 同自動車用エンジンマウントを構成する仕切部材の側面図。 図3の仕切部材の底面図。 同自動車用エンジンマウントを構成する固定部材の平面図。 図5の固定部材の底面図。 同自動車用エンジンマウントを構成する調圧用ゴム板88を拡大して示す縦断面図であって、図8のVII−VII断面に相当する図。 図7の調圧用ゴム板の平面図。 同自動車用エンジンマウントの一製造工程を拡大して示す縦断面図。 同自動車用エンジンマウントにおける流体室の構造をモデル的に示す説明図。 同自動車用エンジンマウントの要部を拡大して示す縦断面図。
符号の説明
10:自動車用エンジンマウント、12:第一の取付金具、14:第二の取付金具、16:本体ゴム弾性体、24:小径筒部、30:仕切部材、32:中央凹所、64:固定部材、68:中央突部、88:調圧用ゴム板、90:嵌着リング、98:シールリップ、116:主液室、120:副液室、122:第一のオリフィス通路、124:第二のオリフィス通路、130:隙間

Claims (10)

  1. 第一の取付部材が筒状の第二の取付部材の一方の開口部側に配されると共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されて該第二の取付部材の該一方の開口部が流体密に閉塞されている一方、該第二の取付部材の軸方向中間部分に仕切部材が嵌め込まれて固定的に支持せしめられ、該本体ゴム弾性体と該仕切部材の間に壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された主液室が形成されていると共に、該仕切部材において該主液室と反対側に開口する凹所が設けられて該凹所の開口がゴム弾性板で覆蓋されることにより壁部の一部が該ゴム弾性板で構成された副液室が形成されており、それら主液室と副液室に非圧縮性流体が封入されていると共に、該主液室と該副液室を相互に連通する流体流路が形成されている一方、該仕切部材における該凹所の開口側の軸方向端面に重ね合わされて該仕切部材と共に該第二の取付部材に嵌め込まれて該第二の取付部材の縮径加工により嵌着固定される固定部材が設けられており、該固定部材で該ゴム弾性板が覆われることにより該ゴム弾性板を挟んで該副液室と反対側に作用空気室が形成されている流体封入式防振装置において、
    前記ゴム弾性板の外周面に環状の取付金具が固着されており、該取付金具の軸方向一方の端部には径方向外方に広がるフランジ状部が形成されて該フランジ状部を含む該取付金具の最大外径寸法が前記仕切部材の前記凹所の内径寸法よりも小さくされていると共に、該取付金具の軸方向両端部が該ゴム弾性板から外方に延び出しており、該取付金具の軸方向一方の端部には該フランジ状部から軸方向外方に突出するシールゴム突部が設けられていると共に、該取付金具の軸方向他方の内周面にはシールゴム層が被着形成されている一方、前記固定部材には該仕切部材の該凹所に向かって突出する係止用突部が形成されており、該係止用突部に対して該取付金具の軸方向他方の端部が該シールゴム層を挟んで流体密に外嵌固定されて該仕切部材の該凹所に該取付金具が嵌め入れられ、該取付金具の軸方向一方の端部に突設された該シールゴム突部が全周に亘って該仕切部材に対して軸方向で流体密に押しつけられた状態で、且つ該取付金具の該フランジ状部と該シールゴム突部との何れにおいても該仕切部材の該凹所の内周面との間に径方向の隙間が残存した状態で、該仕切部材および該固定部材が前記第二の取付部材に対して嵌着固定されていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記取付金具は、その筒状部の軸方向中間部分で外径寸法が変化せしめられており、前記シールゴム突部が突出形成された軸方向一方の端部の外径寸法が、軸方向他方の外径寸法よりも大きくされている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記作用空気室に対して外部から空気圧を及ぼす空気通路が形成されている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記取付金具の軸方向他方の端部の開口部には、径方向内方に突出する環状係止突起が一体形成されている一方、前記固定部材の前記係止用突部の外周面には全周に亘って延びる係止溝が形成されており、該取付金具の該環状係止突起が該係止溝に入り込んで係止されることにより、該取付金具の該係止用突部からの抜け出しが防止されている請求項1乃至3の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記第二の取付部材の他方の開口部側に可撓性膜が配設されて、前記副液室を挟んで前記主液室と反対側には、壁部の一部が該可撓性膜で構成された平衡室が形成されており、該平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、該平衡室を前記主液室に連通せしめる第一のオリフィス通路が形成されている請求項1乃至4の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記副液室を前記平衡室に連通せしめる第二のオリフィス通路が形成されており、該第二のオリフィス通路が前記第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされている請求項5に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記流体流路を通じての流体流動量を制限する手段が設けられている請求項5又は6に記載の流体封入式防振装置。
  8. 前記固定部材の軸方向一方の端部に対して前記第二の取付部材が外嵌固定されている一方、該固定部材の軸方向他方の端部が該第二の取付部材から軸方向外方に突出しており、この突出した軸方向他方の端部に対して、前記可撓性膜の外周縁部に加硫接着された環状の固定金具が嵌着固定されている請求項5乃至7の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の流体封入式防振装置を製造するに際して、
    前記シールゴム突部と前記シールゴム層を一体的に有すると共に、前記取付金具に対して加硫接着された前記ゴム弾性板を加硫成形することにより、該ゴム弾性板の一体加硫成形品を準備する工程と、
    該ゴム弾性板の一体加硫成形品における前記取付金具を、別途に準備した前記固定部材における前記係止用突部に外挿した状態下で、該取付金具に縮径加工を施して、該取付金具の軸方向他方の端部を該係止用突部に嵌着固定する工程と、
    前記仕切部材に対して前記凹所の開口部側から前記固定部材を重ね合わせて、該取付部材に固定された前記ゴム弾性板の一体加硫成形品を該仕切部材の該凹所に差し入れると共に、該取付金具の軸方向一方の端部に突設された前記シールゴム突部を該仕切部材に対して軸方向に押しつけるゴム弾性板の組付工程と、
    互いに軸方向で重ね合わされた前記仕切部材と前記固定部材を、前記第二の取付部材の筒状部に嵌め入れた状態で、該第二の取付部材の筒状部を縮径加工することにより、それら仕切部材と固定部材を該第二の取付部材に対して同時に固定する工程と
    を、含むことを特徴とする流体封入式防振装置の製造方法。
  10. 前記第二の取付部材の筒状部に対して前記仕切部材と前記固定部材を嵌め入れる前に、該仕切部材と該固定部材を互いに軸方向で重ね合わせた状態で相互に固定する請求項9に記載の流体封入式防振装置の製造方法。
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