JP3721913B2 - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、封入された非圧縮性流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に係り、特に互いに異なる周波数域の振動に対して有効な防振効果が発揮されるようにそれぞれチューニングされた第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路を選択的に利用することによって、入力振動に応じて防振特性を調節することの出来る流体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、防振装置の一種として、互いに異なるチューニングが施された第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路を選択的に利用することによって、内部に封入された流体の流動作用や圧力変化等を利用して得られる防振効果を、入力振動等に応じて変更調節することが出来るようにした流体封入式防振装置が知られている。このような防振装置は、例えば、特開平8−270718号公報や特開平9−280304号公報等に記載されているように、第一の取付金具を、略円筒形状を有する第二の取付金具の軸方向一方の開口部側に離間して配設せしめて、それら第一の取付金具と第二の取付金具を本体ゴム弾性体で連結することにより、第二の取付金具の軸方向一方の開口部を本体ゴム弾性体で流体密に覆蓋すると共に、第二の取付金具の軸方向他方の開口部を可撓性膜で流体密に覆蓋せしめて、非圧縮性流体が封入された流体室を形成した構造とされている。また、第二の取付金具によって支持された仕切部材で流体室を仕切ることにより、振動が入力される受圧室と、容積変化が容易に許容される平衡室とが形成されていると共に、互いに異なるチューニングが施された第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路によって、それら受圧室と平衡室が相互に連通されている。更に、可撓性膜を挟んで平衡室と反対側にアクチュエータを配設し、このアクチュエータで可撓性膜を変位させて仕切部材における第二のオリフィス通路の開口部に当接/離間させることにより、第二のオリフィス通路を遮断/連通せしめて、防振特性を制御するようになっている。
【0003】
ところで、このような従来の流体封入式防振装置では、第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路の各チューニング周波数域で、それらのオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づく防振効果が有効に発揮されるが、特に第二のオリフィス通路のチューニング周波数域よりも更に高周波数域の振動入力時には、何れのオリフィス通路も流体流通抵抗が著しく大きくなって防振特性が大幅に低下する傾向があった。そのために、より広い周波数域、特に高周波数域で防振特性が要求される場合等において、更なる改良が望まれていたのである。
【0004】
なお、かかる要求に対処するために、例えば、仕切部材によって小変位可能に支持せしめた可動板の両側面に受圧室の圧力と平衡室の圧力を作用せしめて、それら両室間での圧力差に伴う可動板の変位に基づいて、高周波振動の入力時における受圧室の圧力変動を吸収,低減する液圧吸収機構を設けることにより、高周波数域における防振装置の低動ばね化を図ることも考えられる。ところが、第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路が形成された仕切部材に、更に可動板を配設しようとすると、仕切部材の大型化や構造の複雑化が避け難く、有効な液圧吸収効果を発揮し得る程の大きさの可動板の配設スペースを、如何にして確保するかが大きな問題となる。
【0005】
特に、仕切部材における可動板の配設位置によっては、第一及び第二のオリフィス通路の通路断面積や通路長さ等のチューニング自由度が制限されるおそれがある。また、それに加えて、第二のオリフィス通路の開口部に対して当接/離間せしめられる可撓性膜の変位箇所の設定も制限されることとなり、該可撓性膜の変位箇所によっては可撓性膜の耐久性や変位性等に重大な悪影響が及ぼされるおそれもあり、例えば、可撓性膜の外周部分を第二のオリフィス通路の開口部に接近/離隔させて第二のオリフィス通路を遮断/連通させると、可撓性膜に応力集中等が発生して可撓性膜の耐久性ひいては防振装置の流体密性を十分に得ることが難しいという不具合があった。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、第一及び第二のオリフィス通路のチューニング自由度、特に第二のオリフィス通路において十分な通路断面積と通路長さを確保することができると共に、仕切部材において可動板の配設スペースを効率的に得ることが出来、それによって、広い周波数域の振動に対して優れた防振効果を得ることのできる流体封入式防振装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様における構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載の発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0008】
すなわち、本発明の第一の態様は、第一の取付部材を、略円筒形状を有する第二の取付部材の軸方向一方の開口部側に離間して配設し、それら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめて、該第二の取付部材の軸方向一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の軸方向他方の開口部を可撓性膜で流体密に覆蓋し、それら本体ゴム弾性体と可撓性膜の間に仕切部材を配設して該第二の取付部材で固定的に支持せしめることにより、該仕切部材と該本体ゴム弾性体の対向面間に振動が入力される受圧室を形成すると共に、該仕切部材と該可撓性膜の間に容積可変の平衡室を形成し、更に、それら受圧室と平衡室を相互に連通する第一のオリフィス通路と、該第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路とを、それぞれ該仕切部材に形成する一方、前記可撓性膜を挟んで前記平衡室と反対側にアクチュエータを配設し、該アクチュエータにより該可撓性膜を変位させて該仕切部材における前記第二のオリフィス通路の開口部に当接/離間させることにより、該第二のオリフィス通路を遮断/連通するようにした流体封入式防振装置において、前記オリフィス部材の中央部分に位置して、前記受圧室と前記平衡室の対向方向に略直角に広がる可動板を小変位可能に配設すると共に、該可動板の一方の面側を前記受圧室に他方の面側を前記平衡室にそれぞれ連通せしめる流体流路を形成して、該可動板の両面に及ぼされる受圧室と平衡室の圧力差に基づく該可動板の変位に基づいて該流体流路を通じての実質的な流体流動を許容する一方、前記第二のオリフィス通路を前記仕切部材の外周部分に沿って周方向に形成すると共に、該第二のオリフィス通路の周方向一端側に対して、前記可動板の前記平衡室側を内周側に向かって延びて該仕切部材の略中央に設けた中央開口を通じて平衡室に開口する延出通路を設けて、前記流体流路における前記平衡室側の開口部を、かかる第二のオリフィス通路における延出連通路の回りを周方向に延びる円弧形状をもって形成したことを、特徴とする。
【0009】
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置では、仕切部材の中央部分において、流体流路における可動板の収容領域と、第二のオリフィス通路における延出通路を軸方向で重ね合わせた状態で形成したことにより、可動板の収容領域を大きく設定することが出来ると共に、第二のオリフィス通路の平衡室側への開口部を仕切部材の略中央に位置せしめることが出来るのである。
【0010】
それ故、可動板の有効面積を十分に大きく確保することが出来ると共に、該可動板が配設された流体流路の受圧室側の開口面積が、仕切部材の上面中央で大きく確保され得るのであり、また、かかる流体流路の平衡室側の開口面積も、延出通路の周囲において有利に確保され得ることとなり、その結果、可動板の変位に基づく流体の流動量が十分に確保されて、可動板の液圧吸収作用に基づく防振効果を有効に得ることが出来るのである。
【0011】
しかも、可撓性膜の中央部分をアクチュエータで変位させて第二のオリフィス通路を開閉せしめることが出来ることから、可撓性膜の局部的な変形や応力の集中が軽減乃至は回避されて耐久性が有利に確保されると共に、可撓性膜を仕切部材に当接させた状態下でも、可撓性膜の外周部分によって、平衡室の容積可変性が有利に確保され得て、第一のオリフィス通路による防振効果等が有効に発揮され得るのである。
【0012】
さらに、第二のオリフィス通路を、仕切部材の外周部分で周方向に形成したことにより、仕切部材の中央部分において可動板の配設スペースを十分に確保しつつ、第二のオリフィス通路の通路長さの設定自由度も十分に確保することが出来るのであり、それによって、仕切部材の全体として、極めて優れたスペース効率をもって、第二のオリフィス通路と可動板を設けることが可能となるのである。
【0013】
なお、本態様において、仕切部材としては、作用圧力に耐え得るように、金属や合成樹脂等の硬質材で形成されたものが好適に採用される。また、可撓性膜としては、流体を透過しないものであって、例えば、必要に応じて帆布等で補強した薄肉のゴム膜や変形容易な樹脂膜等が好適に採用される。更にまた、アクチュエータとしては、可撓性膜を往復変位せしめ得るものであれば良く、例えば、密閉された空気室を備え、該空気室の空気圧変化に伴う壁部の変位を出力として取り出すようにした空気圧式アクチュエータや、電磁力や磁力の作用に基づいて変位せしめられる出力部材を備えた電磁式乃至は電気式のアクチュエータ等が、何れも採用可能である。また、アクチュエータの出力部材を可撓性膜に固着乃至は一体形成しておくことによって、アクチュエータの出力部材と可撓性膜の擦れ等による可撓性膜の損傷を防止することも可能である。更にまた、可動板としては、例えば、仕切部材によって直接支持されていない板体を、流体流路上に形成された収容領域で板厚方向に自由に小変位可能に配設することも可能であるが、その他、弾性変形可能な弾性板を、その外周縁部において仕切部材によって挟持せしめて配設し、該ゴム板の中央部分の弾性変形によって変位が許容されるようにしても良い。
【0014】
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置において、前記第一のオリフィス通路を、前記第二のオリフィス通路に対して軸方向に重なるようにして、前記仕切部材の外周部分に沿って周方向に形成したことを、特徴とする。このような本態様においては、第二のオリフィス通路だけでなく、第一のオリフィス通路も、仕切部材の外周縁部に沿って周方向に形成されることにより、仕切部材や防振装置の大型化を伴うことなく、その流路長さを有利に確保することが可能となる。
【0015】
また、本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置において、前記仕切部材の外周面に開口して周方向に延びる凹溝を前記第二の取付部材で覆蓋することによって、前記第二のオリフィス通路を形成したことを、特徴とする。このような本態様においては、第二のオリフィス通路を、仕切部材と第二の取付部材を巧く利用して簡単な構造で容易に形成することが出来る。なお、第一のオリフィス通路も、同様に形成することが可能である。また、第一及び/又は第二のオリフィス通路を、仕切部材の周方向に一周以上の長さで螺旋状形態等をもって形成することも可能であり、それによって、オリフィス通路の長さの設定自由度が一層有利に確保され得る。
【0016】
更にまた、本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式防振装置において、前記アクチュエータが、空気圧の作用によって前記仕切部材に対する接近/離間方向に駆動せしめられるピストン部材を備えた空気圧式アクチュエータによって構成されており、該ピストン部材で前記可撓性膜を変位させるようにしたことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、簡単で且つ軽量なアクチュエータが有利に実現される。特に、自動車用の防振装置では、内燃機関の吸気系に生ぜしめられる負圧と大気を利用してアクチュエータを駆動せしめることによって、特別な空気圧源を必要とすることなく、防振装置の特性を一層有利に切換制御することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の代表的な実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0018】
先ず、図1には、本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウント10が、示されている。このエンジンマウント10は、互いに所定距離を隔てて同軸上に配された第一の取付部材としての第一の取付金具12および第二の取付部材としての第二の取付金具14が、それらの間に介装された本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結された構造を有しており、第一の取付金具12および第二の取付金具14が、図示しない車体側およびパワーユニット側の各一方に取り付けられることにより、パワーユニットを車体に対して防振支持せしめるようになっている。また、自動車への装着時には、パワーユニット重量が及ぼされて本体ゴム弾性体16が弾性変形することにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14が互いに接近する方向に所定量だけ変位せしめられると共に、防振を目的とする主たる振動が、図中の略上下方向に入力されるようになっている。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図1における上下方向をいう。
【0019】
より詳細には、第一の取付金具12は、略円板形状を有しており、中央部分には、軸方向上方に向かって突出する取付ボルト18が固設されている。また、第一の取付金具12の下面中央には、下方に向かって突出する中空の略逆円錐台形状を有する支持体20が固設されており、この支持体20の先端ロッド部に対して、軸直角方向外方に広がる傘金具22がかしめ固定されている。そして、この第一の取付金具12は、取付ボルト18によって、図示しないパワーユニット側に固定的に取り付けられるようになっている。なお、第一の取付金具12の材質としては、例えば、金属などの剛性を有するものが好適に用いられる。
【0020】
一方、第二の取付金具14は、大径の略円筒形状の筒状部24を有しており、上側開口部の開口周縁部には、所定幅をもって径方向外方に広がる上側フランジ状部26が一体形成されている。そして、筒状部24の上端部に離間して略同軸上で第一の取付金具12が配設されており、これら第一の取付金具12と筒状部24の間に、本体ゴム弾性体16が介装されている。この本体ゴム弾性体16は、略円錐台形状を有しており、小径側端面が第一の取付金具12の下面中央部分に加硫接着されていると共に、大径側端部外周面に対して筒状部24の上側開口部分の内周面が加硫接着されている。また、かかる本体ゴム弾性体16の大径側端面には、筒状部24内に開口する大径の凹所28が形成されている。更にまた、本体ゴム弾性体16の外周縁部には、軸方向下方に向かって突出する略円筒形状のシールゴム29が一体形成されており、このシールゴム29が第二の取付金具14の内周面に加硫接着されることにより、第二の取付金具14の内周面の全体が、本体ゴム弾性体16とシールゴム29で覆われている。そして、本体ゴム弾性体16は、第一取付金具12と筒状部24が加硫接着された一体加硫成形品30として形成されており、本体ゴム弾性体16によって、筒状部24の上側開口部が流体密に覆蓋されているのである。また、第一の取付金具12に固設された支持体20は、本体ゴム弾性体16を軸方向に貫通して凹所28内に突出しており、凹所28内に傘金具22が位置せしめられている。
【0021】
さらに、筒状部24には、軸方向中間部分において軸方向下方に向かって拡開する段差が形成されていると共に、筒状部24の下側開口部には、上側フランジ状部26よりも大きな幅で径方向外方に広がる下側フランジ状部32が一体形成されていると共に、この下側フランジ状部32の外周縁部には、軸方向下方に延び出すかしめ部52が一体形成されている。そして、一体加硫成形品30に対して、仕切部材34と覆蓋部材35が、筒状部24の軸方向下側の開口部側からそれぞれ組み付けられて、筒状部24と同軸上に位置するようにして配設されている。なお、筒状部24の材質としては、例えば、金属などの剛性を有するものが好適に用いられる。
【0022】
そこにおいて、覆蓋部材35は、薄肉のゴム膜からなる可撓性膜としてのダイヤフラム44と、このダイヤフラム44の外周側に配された円筒形状の支持金具38によって構成されており、ダイヤフラム44の外周面に支持金具38の内周面が加硫接着された一体加硫成形品として形成されている。要するに、覆蓋部材35は、円筒形状の支持金具38の内孔が、ダイヤフラム44によって流体密に閉塞された構造とされているのであり、ダイヤフラム44は、変形が容易に許容されるように、波打って弛んだ形状とされている。また、支持金具38には、径方向外方に向かって広がる円環板部42が一体形成されており、この円環板部42が、第二の取付金具14の下側フランジ状部32に重ね合わされて、かしめ部52によってかしめ固定されている。そして、このように第二の取付金具14に覆蓋部材35が組み付けられることにより、第二の取付金具14の軸方向下側の開口部が、ダイヤフラム44で流体密に覆蓋されており、以て、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム44の対向面間において、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油などの非圧縮性流体が封入された流体室が形成されている。なお、第二の取付金具14の下側フランジ状部32と支持金具38の円環板部42の間には、シールゴム29と一体形成されたシールゴム層が挟圧配置されており、流体室の流体密性が十分に確保されるようになっている。
【0023】
そして、かかる流体室内には、全体として略円盤形状を有する仕切部材34が収容配置されており、仕切部材34の外周面が、第二の取付金具14の内周面に被着されたシールゴム29の内周面に対して流体密に圧接されている。言いかえれば、第二の取付部材14に対して、シールゴム29を間に挟むようにして、仕切部材34が内挿されている。以て、本体ゴム弾性体16に形成され該凹所28の開口部が、仕切部材34によって流体密に覆蓋されており、これにより、上記流体室の内部が仕切部材34によって流体密に仕切られている。そして、仕切部材34の軸方向上側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成された受圧室46が形成されている一方、仕切部材34の軸方向下側には、壁部の一部がダイヤフラム44で構成された平衡室48が形成されている。要するに、これら受圧室46と平衡室48には、それぞれ、非圧縮性流体が封入されているのである。なお、かかる封入流体として、特に好適には、後述する流体の共振作用に基づく防振効果が有利に発揮されるように、0.1Pa・s以下の粘度を有する低粘性流体が採用される。
【0024】
また、受圧室46は、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への振動入力時に、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて圧力変化が生ぜしめられるようになっている一方、平衡室48は、ダイヤフラム44の変形が容易に生ぜしめられることにより、容積変化が容易に許容されるようになっている。なお、受圧室46や平衡室48への流体の封入は、例えば、仕切部材34や覆蓋部材35を、非圧縮性流体中において、一体加硫成形品30を構成する第二の取付金具14に対して、軸方向下側の開口部から内挿固定すること等によって、容易に為され得る。
【0025】
更にまた、受圧室46内には傘金具22が収容配置されており、マウント装着状態下で入力されるパワーユニットの支持荷重にて本体ゴム弾性体16が弾性変形せしめられて、受圧室46内の略中央に傘金具22が位置せしめられることにより、傘金具22の外周面と受圧室46の内周面の対向面間に円環状の狭窄部50が形成されるようになっており、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への振動入力時、受圧室46内で傘金具22が軸方向に加振されることにより、受圧室46内において、狭窄部50を通じての流体流動が生ぜしめられるようになっている。特に、本実施形態では、この狭窄部50を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、こもり音等の高周波振動に対して有効な防振効果が発揮されるように、狭窄部50の大きさ等がチューニングされている。
【0026】
さらに、仕切部材34は、図2〜4に示されているように、全体として凹型の厚肉の円板形状を有する蓋部材56と、全体として凸型の厚肉の円板形状を有するオリフィス部材本体54が、互いに軸方向に重ね合わされることによって構成されている。なお、これらオリフィス部材本体54と蓋部材56は、何れも、金属や合成樹脂等の剛性材で形成されている。
【0027】
オリフィス部材本体54は、図5〜6に単体図も示されているように、中央部分が上方に突出し、且つ、外周縁部が下方に突出する状態で厚肉化されており、この下方に突出した下側円環状突部58に対して、外周面に開口して周方向に一周弱の長さで延びる凹溝としての下側周溝60が形成されている。そして、この下側周溝60が、仕切部材34に外挿された第二の取付金具14により、シールゴム29を介して、流体密に覆蓋されることによって、オリフィス部材本体54の外周縁部に沿って周方向に一周弱の長さで延びる第二のオリフィス通路62が形成されている。なお、オリフィス部材本体54の中央部分には、厚さ方向略中央部分において、外周面から径方向内方に向かって略中心部分まで延びる延出連通路70が形成されており、この延出連通路70の径方向外側端部が、下側周溝60の周方向一方の端部に連通されていることによって、かかる延出連通路70を含んで、第二のオリフィス通路62が形成されており、該第二のオリフィス通路62が、延出連通路70の径方向内側端部において、オリフィス部材本体54の下面中央に開口して形成された中央開口としての円形の貫通孔72を通じて、平衡室48側に開口,連通せしめられている。
【0028】
また一方、蓋部材56は、図7に単体図も示されているように、外周縁部が上方に突出する状態で厚肉化されており、この上方に突出した上側円環状突部64に対して、外周面に開口して周方向に一周弱の長さで延びる上側周溝66が形成されている。そして、この上側周溝66が、仕切部材34に外挿された第二の取付金具14により、シールゴム29を介して、流体密に覆蓋されることによって、蓋部材56の外周縁部に沿って周方向に一周弱の長さで延びる第一のオリフィス通路68が形成されている。なお、上側円環状突部64の外径は、第二の取付金具14への組付けを容易とするために、蓋部材56の外径よりも僅かに小さくされているが、上側円環状突部64の突出先端面がが本体ゴム弾性体16の大径側端面に圧接されることによって、上側周溝66が流体密に覆蓋されている。
【0029】
ここにおいて、第二のオリフィス通路62は、その一方の端部が延出連通路70から、オリフィス部材本体54の底壁部中央に貫設された円形の貫通孔72を通じて、オリフィス部材本体54の中央部分において平衡室46に連通せしめられている。また、第二のオリフィス通路62における他方の端部は、蓋部材56の外周縁部に貫設された略扇形の貫通孔74を通じて、受圧室46に連通せしめられている。これにより、受圧室46と平衡室48が第二のオリフィス通路62で相互に連通されており、以て、それら両室46,48間での第二のオリフィス通路62を通じての流体流動が許容されるようになっている。
【0030】
また一方、第一のオリフィス通路68は、その周方向一方の端部が、貫通孔74の周方向一方の端面に開口して形成された第一の連通孔76を通じて受圧室46に連通されている一方、周方向他方の端部が、第二の連通孔78を通じて、オリフィス部材本体54における第二のオリフィス通路62の形成されていない外周縁部分から、平衡室48に連通せしめられている。これにより、受圧室46と平衡室48が第一のオリフィス通路68で相互に連通されており、以て、それら両室46,48間での第一のオリフィス通路68を通じての流体流動が許容されるようになっている。
【0031】
特に、本実施形態では、第一のオリフィス通路68よりも第二のオリフィス通路62の方が、流路断面積:Aと流路長さ:Lの比:A/Lの値が大きく設定されている。そして、第一のオリフィス通路68は、例えばシェイク等の低周波振動に対して有効な防振効果(例えば減衰効果)を発揮し得るようにチューニングされていると共に、第二のオリフィス通路62は、例えばアイドリング振動等の中周波振動に対して有効な防振効果(例えば低動ばね特性による振動絶縁効果)を発揮し得るようにチューニングされている。
【0032】
また、オリフィス部材本体54には、その中央部分において、上面に開口する円形の収容凹所80が形成されている。この収容凹所80は、十分に大きな内径寸法を有しており、特に本実施形態では、下側周溝60の内径寸法よりも大きな内径寸法であって、蓋部材56における上側環状突部64の内径寸法よりも僅かに小さい程度の内径寸法をもって形成されている。更に、この収容凹所80には、収容凹所80の内径寸法と略同じ外径寸法の平板形状を有する、ゴム弾性体からなる可動板としてのゴム弾性板82が収容配置されていると共に、かかる収容凹所80の開口部が蓋部材56で覆蓋されている。
【0033】
このゴム弾性板82は、収容凹所80の深さ寸法より薄肉の平板形状を有していると共に、外周縁部には、両面側に突出する突出縁部84が一体形成されており、該突出縁部84が収容凹所80の底面と蓋部材56の間で挟持されることにより、ゴム弾性板82が、収容凹所80内の深さ方向中間部分に位置して展張状態で広がって、該収容凹所80内を底部側と開口部側とに流体密に仕切る状態で配設されている。また、ゴム弾性板82が収容配置された収容凹所80は、蓋部材56に形成されて受圧室側に開口する通孔86と、収容凹所80の底壁部に形成されて平衡室側に開口する円弧状連通孔88を通じて、受圧室46と平衡室48を相互に連通する流体流路を構成しており、かかる収容凹所80内に配設されたゴム弾性板82の下面と上面に対して、平衡室48の内圧と受圧室46の内圧がそれぞれ及ぼされるようになっている。そして、それら両室46,48の圧力差に基づいてゴム弾性板82が弾性変形することに伴って、該ゴム弾性板82の弾性変形量に相当する流体量だけ、受圧室46と平衡室48の間での実質的な流体流動が、通孔86と収容凹所80と円弧状連通路88を含んで構成された流体流路を通じて生ぜしめられるようになっている。
【0034】
ここにおいて、円弧状連通路88は、延出連通路70の周りを、可能な限り大きな面積で取り囲むように、延出連通路70と下側周溝60の間を、出来るだけ大きな幅で周方向に延びる円弧形状を有している。また、本実施形態では、通孔86は、ゴム弾性板82の受圧室46側への大きな膨出変形を阻止し得るように、収容凹所80の開口部分を十文字状の平面形状の部分を残して形成された4つの分割孔構造をもって形成されている(図7参照)。
【0035】
そして、かかる流体流路としての収容凹所80は、こもり音等の高周波振動の入力時に、第一及び第二のオリフィス通路68,62を通じての流体流通抵抗が著しく大きくなった状態下において、受圧室46と平衡室48の間でゴム弾性板82の弾性変形に基づく実質的な流体流動を許容することにより、受圧室46の圧力増大を軽減乃至は解消して著しい高動ばね化を回避し、良好な防振効果(振動絶縁効果)が維持され得るようにチューニングされている。なお、円弧状連通孔88が、延出連通路70の周りの出来るだけ大きな面積で形成されていることによって、高周波数域の振動入力時においても収容凹所80を通じての流体流動が安定して許容されるようになっており、収容凹所80を含んで構成された流体流路が、第一及び第二のオリフィス通路68,62よりも十分に大きな断面積:Aと長さ:Lの比(A/L)をもって形成されている。
【0036】
なお、特に本実施形態では、かかる収容凹所80を含んで構成された流体流路を通じての流体流動抵抗も著しく増大する程の、より高周波数域の振動入力時には、受圧室46内で狭窄部50を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて有効な防振効果(振動絶縁効果)が発揮されるように、かかる狭窄部50の流路断面積や長さ等が調節されている。
【0037】
さらに、本実施形態のエンジンマウント10においては、ダイヤフラム44の下方に位置して、アクチュエータとしての負圧式アクチュエータ90が配設されており、第二の取付金具14の軸方向下側開口部に対して固定的に取り付けられている。この負圧式アクチュエータ90は、合成樹脂や金属等の剛性材で形成された略円板形状を有する外壁部材92の軸方向上側に、略円板形状を有するゴム弾性壁94が重ね合わされた構造を有しており、外壁部材92の外周縁部に係止された金属スリーブ96が、ゴム弾性壁94の外周縁部に加硫接着された固定スリーブ100に外挿固定されている。それにより、外壁部材92とゴム弾性壁94の外周縁部同士が流体密に圧接されており、以て、それら外壁部材92とゴム弾性壁94の対向面間に、外部空間に対して密閉された作用空気室102が形成されているのである。また、金属スリーブ96のフランジ状部98が、支持金具38の円環板部42の下面に重ね合わせられて、該円環板部42と共に、第二の取付金具14のかしめ部52でかしめ固定されることにより、金属スリーブ96が第二の取付金具14に対して固定されている。
【0038】
また、ゴム弾性壁94の中央部分には、略逆カップ形状を有するピストン部材としての押圧金具104が埋設状態で加硫接着されていると共に、作用空気室102の中央部分には、付勢手段としてのコイルスプリング106が、押圧金具104内に挿入された状態で収容配置されて、外壁部材92とゴム弾性壁94の対向面間に配設されている。そして、このコイルスプリング106の付勢力によって、ゴム弾性壁94に固着された押圧金具104が、常時、外壁部材92から軸方向上方に離間する方向に付勢されている。
【0039】
更にまた、外壁部材92の中央部分には、作用空気室102内に突出する中空円筒形状の中央突部108が一体形成されていると共に、この中央突部108の底壁中央から中空部内に突出して延びるポート110が一体形成されている。そして、このポート110に図示しない外部管路が接続されており、この外部管路上に配設された図示しない切換バルブの切換作動に基づいて、作用空気室102が、該外部管路を通じて、図示しない負圧源と大気中とに択一的に接続されるようになっている。これにより、作用空気室102に大気圧が及ぼされた状態下では、コイルスプリング106の付勢力で押圧金具104が上方に突出して位置せしめられる一方、作用空気室102に負圧が及ぼされた状態下では、コイルスプリング106の付勢力に抗して、押圧金具104が下方(外壁部材92側)に引き下げられて保持されるようになっている。なお、外壁部材92における中央突部108の上底部に対向位置せしめられた押圧金具104の下底部には、中央突部108側に向かって突出する緩衝ストッパゴム112が形成されており、負圧吸引による押圧金具104の引き下げ時における該押圧金具104の変位量が緩衝的に制限されるようになっている。
【0040】
そして、かくの如き負圧式アクチュエータ90は、図1に示されている如きエンジンマウント10への組付状態下において、押圧金具104の上底部が、ダイヤフラム44を挟んで、オリフィス部材本体54の中央部分に形成された第二のオリフィス通路62(延出連通路70)の平衡室48側の開口部(円形の貫通孔72)に対して、対向配置されている。
【0041】
それにより、負圧式アクチュエータ90の作用空気室102に大気圧が及ぼされた状態下では、図1に示されているように、コイルスプリング106の付勢力に基づいて、押圧金具104でダイヤフラム44の中央部分がオリフィス部材36の下面に押し付けられて、第二のオリフィス通路62(延出連通路70)の開口部(円形の貫通孔72)の周囲に密接されることにより、第二のオリフィス通路62が遮断状態に維持されるようになっている。一方、負圧式アクチュエータ90の作用空気室102に負圧が及ぼされた状態下では、押圧金具104が、コイルスプリング106の付勢力に抗して下方に引き下げられて、押圧金具104およびダイヤフラム44がオリフィス部材本体54から離間されることにより、円形の貫通孔72が開口状態とされ、第二のオリフィス通路62(延出連通路70)が平衡室48に接続されて、第二のオリフィス通路62が連通状態に維持されるようになっている。
【0042】
すなわち、負圧式アクチュエータ90の作用空気室102に大気圧を及ぼした状態下では、第二のオリフィス通路62が遮断されることにより、振動入力時において、受圧室46と平衡室48の間で第一のオリフィス通路68を通じての流体流動が有効に生ぜしめられて、かかる流体の共振作用に基づいてシェイク等の低周波大振幅振動に対する有効な防振効果が発揮されると共に、高周波小振幅振動の入力時には、ゴム弾性板82の弾性変形に伴う、受圧室46と平衡室48の間での通孔86と凹部88を通じての実質的な流体流動に基づいて、受圧室46の圧力変動が吸収,軽減されて、低動ばね化による防振効果が発揮されることとなる。なお、本実施形態では、より高周波数域の入力振動に対しても、受圧室46内での狭窄部50を通じての流体流動に基づいて、有効な防振効果が発揮され得る。
【0043】
また一方、負圧式アクチュエータ90の作用空気室102に負圧を及ぼした状態下では、受圧室46と平衡室48の間で、第一のオリフィス通路68よりも流通抵抗が十分に小さい第二のオリフィス通路62を通じての流体流動が有効に生ぜしめられることから、かかる流体の共振作用に基づいて、アイドリング振動等の中周波中振幅振動に対する有効な防振効果が発揮されることとなる。
【0044】
それ故、車両の走行状態等に応じ、負圧式アクチュエータ90の作用空気室102に対して大気圧と負圧を択一的に及ぼすことによって、エンジンマウント10の防振特性を切換制御することが出来るのであり、それ故、エンジンマウント10に対して、入力される振動に最適な防振特性を、選択的に付与せしめることが可能となるのである。なお、負圧式アクチュエータ90を構成する金属スリーブ96と固定スリーブ100の重ね合わせ部位には、径方向内外に貫通する連通孔114が設けられており、この連通孔114を通じて、ダイヤフラム44とゴム弾性壁94の対向面間に形成されて、ダイヤフラム44の変形を許容する変形許容空間116が、外部空間に連通されている。
【0045】
そして、上述の如き構造とされたエンジンマウント10においては、仕切部材34の中央で平衡室48側に開口して半径方向に延びる延出連通路70を、ゴム弾性板82が配設された収容凹所80の下側に形成せしめて、オリフィス部材本体54の外周縁部を周方向に延びる下側周溝60の周方向一方の端部に連通させて、第二のオリフィス通路62を形成したことにより、ゴム弾性板82の配設領域を有効に確保しつつ、第二のオリフィス通路62の通路断面積と通路長さ、ひいては第二のオリフィス通路62のチューニング自由度を有利に確保することができるのである。
【0046】
またその結果、ゴム弾性板82の弾性変形に伴う流体流動に基づく高周波数域の振動に対する防振効果を十分に確保しながら、第二のオリフィス通路62による中周波数域の振動に対する防振効果を有利に得ることができるのであり、以て、広い周波数域に亘る防振効果の向上が達成され得るのである。
【0047】
さらに、本実施形態では、第一のオリフィス通路68が、蓋部材56の外周縁部において、第二のオリフィス通路62と軸方向に重なるようにして形成されていることから、それら第一のオリフィス通路68と第二のオリフィス通路62の何れをも、十分な流路長さをもって形成することができるのであり、第一のオリフィス通路68においても、第二のオリフィス通路62の形成スペースやゴム弾性板82の配設スペースを削ることなく、通路断面積や通路長さを有利に確保することができ、第一のオリフィス通路68のチューニング自由度も十分に確保され得るのである。
【0048】
また、第二のオリフィス通路62(延出連通路70)の平衡室48側の開口部(円形の貫通孔72)が、オリフィス部材本体54の下面中央に設けられており、ダイヤフラム44の中央部分を開口部(円形の貫通孔72)に当接/離間させて開閉することができることから、第二のオリフィス通路62の開口部を開閉するに際してのダイヤフラム44における局部的な応力集中が回避されてダイヤフラム44の耐久性が有利に確保され得ると共に、ダイヤフラム44を開口部(円形の貫通孔72)に当接させた状態下でも、ダイヤフラム44の中央部分の変形が拘束されるだけで、ダイヤフラム44の外周部分の変形が有利に許容され得ることから、平衡室48の容積可変性も十分に維持され得るのである。しかも、負圧式アクチュエータ90においても、ダイヤフラム44を駆動するための出力部材たる押圧金具104を中央部分に位置せしめることができることから、簡単な構造で優れた出力特性や作動の安定性が有利に実現され得るのである。
【0049】
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
【0050】
例えば、収容凹所の大きさやゴム弾性板のばね剛性等は、要求される防振特性等に応じて適宜に設定されるものであって、何等、限定されるものでない。
【0051】
また、本実施形態において採用されている傘金具等は、本発明において必須のものでない。
【0052】
更にまた、仕切部材やアクチュエータの第二の取付金具に対する取付構造等は、本実施形態に示されている如き底部材を用いて、第二の取付金具によりかしめ固定されたものに限定されるものでなく、各種の構造が採用可能である。
【0053】
また、本実施形態では通孔は4箇所であったがその数や形状は、何等、限定されるものではない。
【0054】
更に、本実施形態では第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路共に、外周壁部が本体ゴム弾性体により構成されていたが、第二の取付部材で構成されていても(本体ゴム弾性体を間に挟まなくても)良いことは言うまでもない。
【0055】
また、第一及び第二のオリフィス通路は、本実施形態のように仕切部材の周方向に一周弱の長さである必要はなく、一周以上の長さで螺旋状形態等をもって形成されていてもよい。
【0056】
更にまた、平衡室の壁部を構成する可撓性膜とアクチュエータの出力部材を一体的に形成することも可能であり、例えば、前記実施形態において、ダイヤフラムとゴム弾性壁を一体加硫成形したり、或いは、ダイヤフラムとゴム弾性壁または押圧金具を接着等にて固着することも可能である。
【0057】
また、空気圧式アクチュエータとしても、例示の負圧のものに限定されることなく、正圧のものでも良いし、その構造も各種のものが採用可能であり、更にまた、電磁式や電気式のアクチュエータ等も採用可能であることは、言うまでもない。
【0058】
更にまた、前記実施形態では、本発明を自動車用エンジンマウントに適用したものの具体例について説明したが、本発明は、自動車用ボデーマウント等、或いは自動車以外の各種装置における防振装置に対して、同様に適用可能であることは、勿論である。
【0059】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0060】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置にあっては、第二のオリフィス通路を仕切部材の外周部分を周方向に延びるように形成して十分な長さを確保する一方、該第二のオリフィス通路の一方の端部を径方向内方に延び出させて仕切部材の中央で平衡室側に開口せしめたことにより、かかる開口部を開閉せしめる可撓性膜の耐久性を有利に確保することが可能となったのである。しかも、仕切部材の中央部分において、第二のオリフィス通路における径方向内方への延出連通路と軸方向で重なるようにして、可動板が配設された流体流路を形成したことにより、流体流路における可動板の配設領域を十分に大きく確保して、かかる流体流路を流動せしめられる流体の流動作用に基づく高周波数域の振動に対する防振効果も有利に得ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面説明図であって、図7におけるI−I断面に相当する図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントを構成する仕切部材の正面図であって、図5におけるII−II矢視図である。
【図3】図1に示されたエンジンマウントを構成する仕切部材を示す縦断面図であって、図5におけるIII −III 断面に相当する図である。
【図4】図1に示されたエンジンマウントを構成する仕切部材を示す縦断面図であって、図5におけるIV−IV断面に相当する図である。
【図5】図1に示されたエンジンマウントを構成するオリフィス部材本体を単体で示す平面図である。
【図6】図5に示されたオリフィス部材本体の底面図である。
【図7】図1に示されたエンジンマウントを構成する蓋部材を単体で示す平面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
24 筒状部
34 仕切部材
44 ダイヤフラム
46 受圧室
48 平衡室
54 オリフィス部材本体
56 蓋部材
62 第二のオリフィス通路
68 第一のオリフィス通路
70 延出連通路
82 ゴム弾性板
86 通孔
88 凹部
90 負圧式アクチュエータ

Claims (4)

  1. 第一の取付部材を、略円筒形状を有する第二の取付部材の軸方向一方の開口部側に離間して配設し、それら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめて、該第二の取付部材の軸方向一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の軸方向他方の開口部を可撓性膜で流体密に覆蓋し、それら本体ゴム弾性体と可撓性膜の間に仕切部材を配設して該第二の取付部材で固定的に支持せしめることにより、該仕切部材と該本体ゴム弾性体の対向面間に振動が入力される受圧室を形成すると共に、該仕切部材と該可撓性膜の間に容積可変の平衡室を形成し、更に、それら受圧室と平衡室を相互に連通する第一のオリフィス通路と、該第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路とを、それぞれ該仕切部材に形成する一方、前記可撓性膜を挟んで前記平衡室と反対側にアクチュエータを配設し、該アクチュエータにより該可撓性膜を変位させて該仕切部材における前記第二のオリフィス通路の開口部に当接/離間させることにより、該第二のオリフィス通路を遮断/連通するようにした流体封入式防振装置において、
    前記仕切部材の中央部分に位置して、前記受圧室と前記平衡室の対向方向に略直角に広がる可動板を小変位可能に配設すると共に、該可動板の一方の面側を前記受圧室に他方の面側を前記平衡室にそれぞれ連通せしめる流体流路を形成して、該可動板の両面に及ぼされる受圧室と平衡室の圧力差に基づく該可動板の変位に基づいて該流体流路を通じての実質的な流体流動を許容する一方、前記第二のオリフィス通路を前記仕切部材の外周部分に沿って周方向に形成すると共に、該第二のオリフィス通路の周方向一端側に対して、前記可動板の前記平衡室側を内周側に向かって延びて該仕切部材の略中央に設けた中央開口を通じて平衡室に開口する延出連通路を設けて、前記流体流路における前記平衡室側の開口部を、かかる第二のオリフィス通路における延出連通路の回りを周方向に延びる円弧形状をもって形成したことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記第一のオリフィス通路を、前記第二のオリフィス通路に対して軸方向で重なるようにして、前記仕切部材の外周部分に沿って周方向に形成した請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記仕切部材の外周面に開口して周方向に延びる凹溝を設けて、該凹溝を前記第二の取付部材で覆蓋することによって、前記第二のオリフィス通路を形成した請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記アクチュエータが、空気圧の作用によって前記仕切部材に対する接近/離間方向に駆動せしめられるピストン部材を備えた空気圧式アクチュエータによって構成されており、該ピストン部材で前記可撓性膜を変位させるようにした請求項1乃至3の何れかに記載の流体封入式防振装置。
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