JP2001146583A - 反応性ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents

反応性ホットメルト接着剤組成物

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JP2001146583A
JP2001146583A JP2000103639A JP2000103639A JP2001146583A JP 2001146583 A JP2001146583 A JP 2001146583A JP 2000103639 A JP2000103639 A JP 2000103639A JP 2000103639 A JP2000103639 A JP 2000103639A JP 2001146583 A JP2001146583 A JP 2001146583A
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Takeo Kuroda
健夫 黒田
Masanori Matsuda
正則 松田
Takeshi Miyake
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融温度が低く、比較的低温で貼り合わせる
ことができ、硬化後の硬化物の耐熱性に優れた反応性ホ
ットメルト接着剤組成物を得る。 【解決手段】 1分子あたり、下記の式(1)の構造を
有するカチオン重合反応性基を平均1以上有するカチオ
ン重合性化合物と、6フッ化リンを対アニオンとして有
する芳香族スルホニウム塩からなるカチオン重合開始剤
とを含む反応性ホットメルト接着剤組成物。 (式(1)において、m、nは、0、1または2、
1 、R2 、R3 及びR4は、メチル基、エチル基、イ
ソプロピル基、イソアミル基、フェニル基または水素原
子を示し、これらは同一であってもよく、異なっていて
もよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱溶融されて塗
工され、活性エネルギー線の照射により硬化が進行する
反応性ホットメルト接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】製本、包装、繊維加工、家具木工、弱
電、輸送などの各種分野において、紙、繊維、木材、ガ
ラス、プラスチックあるいは金属などの各種材料を接着
するために、ホットメルト接着剤が幅広く用いられてい
る。ホットメルト接着剤は、使用に際し、アプリケータ
ー内で通常70〜200℃程度の温度にて加熱溶融され
る。そして、溶融されたホットメルト接着剤は、溶融状
態で被着体に塗工する、もしくはホットメルト接着剤を
被着体、離型フィルム等に塗布し巻き取る、あるいは押
出塗布加工機で押し出すことにより、フィルム状に加工
し、別の被着体あるいは被着体同士の間に挟んで加熱プ
レスすることにより貼り合わせる。該ホットメルト接着
剤が冷却固化することにより被着体同士が接着される。
【0003】ホットメルト接着剤では、被着体を貼り合
わせてから接着強度を発現するまでの時間が、通常1分
以内であり、非常に短い。従って、接着作業を非常に短
時間で行うことができる。
【0004】しかしながら、ホットメルト接着剤は、ア
プリケーター内で70〜200℃程度の高温で加熱溶融
されるが、溶融に時間を要する。従って、通常、ホット
メルト接着剤の実施容量よりも多量のホットメルト接着
剤をアプリケータータンク内で溶融するのが普通であ
る。このような場合、ホットメルト接着剤は高温に長時
間維持されることになる。
【0005】また、アプリケーターのホース、ガン内部
及び加熱ロール上でホットメルト接着剤が高温で長時間
維持されることもある。これらの場合、ホットメルト接
着剤が熱により劣化し、分解、架橋、炭化あるいは表面
皮貼り現象などにより、アプリケーターのガンを詰まら
せたり、塗布量の変動を起こしたりすることがあった。
また、塗布後の接着性能が低下することもあった。
【0006】上記のような問題を解決するために、ホッ
トメルト接着剤に少量の安定剤を添加することが試みら
れている。しかしながら、湿気で反応する反応性ホット
メルト接着剤に対しては、このような効果のある安定剤
があまり存在せず、また、安定剤の添加により塗布後の
接着性能が影響を受ける可能性があるため、湿気硬化型
の反応性ホットメルト接着剤では、安定剤はほとんど用
いられていない。
【0007】他方、特開平7−252344号公報に
は、接着剤とは異なり、粉末塗料組成物であるが、紫外
線により架橋され得る固体エポキシ樹脂組成物が開示さ
れている。ここでは、露光前の貯蔵安定性及び紫外線照
射による架橋反応性を良好に保つために、1級、2級も
しくは3級窒素原子を含む化合物を含まないか、または
そのような化合物をモル濃度に基づいて多くともカチオ
ン重合用光開始剤の量の50%のみを付加することによ
り、露光前の貯蔵安定性が高められるとされている。し
かしながら、上記固体エポキシ樹脂組成物においても、
130℃以上の温度で長時間保持されると、ゲル化が生
じ、高粘度化し、良好な流動性を得ることはできなかっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来の反応性ホットメルト接着剤の欠点を解消し、
溶融温度が低く、比較的低温で貼り合わせることがで
き、かつ熱による劣化が生じ難く、良好な接着性を有
し、かつ溶融温度が低いにもかかわらず、硬化後の硬化
物の耐熱性に優れた反応性ホットメルト接着剤組成物を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る反応性ホッ
トメルト接着剤組成物は、1分子あたり、下記の式
(1)の構造を有するカチオン重合反応性基を平均1以
上有するカチオン重合性化合物と、6フッ化リンを対ア
ニオンとして有する芳香族スルホニウム塩からなるカチ
オン重合開始剤とを含むことを特徴とする。
【0010】
【化4】
【0011】(式(1)において、m、nは、0、1ま
たは2、R1 、R2 、R3 及びR4は、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、イソアミル基、フェニル基また
は水素原子を示し、これらは同一であってもよく、異な
っていてもよい。) 上記カチオン重合開始剤としては、好ましくは、下記の
式(2)で示される構造または下記の式(3)で示され
る構造を有するものが用いられる。
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】(なお、式(2)及び(3)において、R
5 は水素原子、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシメ
トキシ基またはヒドロキシエトキシ基を示す。) 好ましくは、ポリエステルがさらに含まれる。
【0015】また、本発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物の特定の局面では、1分子中に硫黄原子とフ
ェノール基とを有する化合物を含む安定剤がさらに含ま
れる。
【0016】以下、本発明の詳細を説明する。 (カチオン重合性化合物)本発明で用いられるカチオン
重合性化合物は、上述した式(1)の構造のカチオン重
合反応性基を平均1以上有する有機化合物であれば、特
に限定されず、モノマー、オリゴマーまたはポリマーの
いずれであってもよい。また、炭素、水素、酸素、窒
素、イオウ、リンなどの有機化合物構成原子を含んでい
てもよく、カチオン重合反応性基は分子骨格の末端に存
在していてもよく、側鎖に存在していてもよく、分子骨
格内に存在していてもよく、その構造や分子量について
も特に限定されるものではない。
【0017】上記カチオン重合性化合物は、それ自身が
ホットメルト型樹脂であってもよい。また、カチオン重
合性化合物は、常温で液状であってもよく、この場合に
は、液状カチオン重合性化合物と固形の熱可塑性樹脂と
を混合することにより、固形の樹脂として提供すること
ができる。
【0018】上記カチオン重合性化合物としては、より
具体的には、例えば、(エポキシ化合物、オキセタン化
合物あるいはオキソラン化合物などの)環状エーテル化
合物、環状エステル化合物、ビニルエーテル化合物など
を挙げることができ、中でも、カチオン重合性に優れて
いるので、エポキシ化合物が好適に用いられる。本発明
では、上記カチオン重合性化合物は2種以上併用されて
もよい。
【0019】また、1分子あたりの「平均」のカチオン
重合反応性基の数は、カチオン重合性化合物中のカチオ
ン重合反応性基の数を存在するカチオン重合性化合物の
総数によって除算することにより求められる値である。
【0020】(6フッ化リンを対アニオンとして有する
芳香族スルホニウム塩からなるカチオン重合開始剤)本
発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物では、上記
カチオン重合性化合物と、6フッ化リンを対アニオンと
して有する芳香族スルホニウム塩からなるカチオン重合
開始剤とを含む。
【0021】上記のように6フッ化リンを対アニオンと
して有する芳香族スルホニウム塩からなるカチオン重合
開始剤は、例えば、米国特許第4,256,828号に
開示されている。
【0022】好ましくは、上記6フッ化リンを対アニオ
ンとして有する芳香族スルホニウム塩化合物として、式
(2)または(3)で示される構造を有する芳香族スル
ホニウム塩化合物が用いられる。このような化合物とし
ては、ユニオン・カーバイド社製、商品名:サイラキュ
アーUVI−6990、旭電化工業社製、商品名:オプ
トマーSP−150などが市販されている。
【0023】上記6フッ化リンを対アニオンとして有す
る芳香族スルホニウム塩をカチオン重合開始剤として含
有させることにより、反応性ホットメルト接着剤組成物
は、200〜400nmの波長の光を含む活性エネルギ
ー線の照射により速やかに硬化が進行し得るものとな
り、かつ反応性ホットメルト接着剤組成物を保存する際
の貯蔵安定性や反応性ホットメルト接着剤組成物を製造
したり加熱溶融塗工したりする際の加熱時安定性等が高
められる。
【0024】上記カチオン重合開始剤は、紫外領域以外
の光ではカチオンを生成しないが、芳香族アミンや着色
芳香族多環式炭化水素などの公知の増感剤を併用するこ
とにより、近紫外領域や可視光領域の光でもカチオンを
生成する。
【0025】カチオン重合開始剤の有効な配合量は、活
性エネルギー線の種類や強度、カチオン重合性化合物及
び必要に応じて含有される熱可塑性樹脂の種類や配合
量、カチオン重合開始剤の種類等によって異なり、特に
限定されるものではないが、一般的には、カチオン重合
性化合物100重量部に対し、カチオン重合開始剤0.
01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜10
重量部であることがより好ましい。
【0026】カチオン重合開始剤の配合量が0.01重
量部未満であると、反応性ホットメルト接着剤組成物に
活性エネルギー線を照射しても硬化が十分に進行しない
ことがあり、逆にカチオン重合開始剤の添加量が10重
量部を超えると、活性エネルギー線を照射された反応性
ホットメルト接着剤組成物の硬化が速くなり過ぎて、可
使時間が短くなり過ぎ、被着体同士を貼り合わせるのが
困難となることがある。
【0027】(ポリエステル)本発明の反応性ホットメ
ルト樹脂組成物には、必要に応じてポリエステルがさら
に含まれる。上記ポリエステルとしては、芳香族環を平
均1以上有し、数平均分子量が200〜50000の範
囲にあるものが好適に用いられる。
【0028】通常、ポリエステルは、分子内に2個以上
のカルボン酸基を有する多価カルボン酸のカルボン酸基
と、分子内に2個以上の水酸基を有する多価アルコール
の水酸基との縮合反応により合成される。
【0029】芳香族環を有する多価カルボン酸として
は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタ
ル酸、4,4′−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4′−ジフ
ェニルチオエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニ
ルアミンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸等が挙げられる。
【0030】芳香族環を有する多価アルコールとして
は、例えば、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノ
ン、2,5−ジヒドロキシトルエン、2,6−ジヒドロ
キシトルエン、3,4−ジヒドロキシトルエン、1,3
−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフ
タレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2′−ジヒ
ドロキシジフェニル、2,3−ジヒドロキシジフェニ
ル、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビスフェノー
ルA、4−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルヒド
ロキノン、フロログリシノール等が挙げられる。
【0031】上記多価カルボン酸及び/または多価アル
コールをポリエステルの原料として用い、得られるポリ
エステルの分子量から計算して、芳香族環を平均1以上
有する量であれば、脂肪族の多価カルボン酸及び/また
は多価アルコールを、ポリエステルの原料として用いる
ことが可能である。
【0032】上記脂肪族多価カルボン酸としては、例え
ば、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ド
デカンジカルボン酸、イタコン酸等が挙げられる。
【0033】上記脂肪族多価アルコールとしては、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−
プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8
−オクタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジ
オール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカ
ンジオール、グリセリン等が挙げられる。
【0034】上記芳香族及び脂肪族多価カルボン酸、芳
香族及び脂肪族多価アルコールはそれぞれ、単独で用い
られてもよく、2種以上併用されてもよい。なお、上記
ポリエステルの配合割合については、カチオン重合性化
合物の種類や量に応じて異なるが、通常、カチオン重合
性化合物100重量部に対し、5〜5000重量部の割
合で用いられる。ポリエステルの配合割合が5重量部未
満の場合には、PET等への基材の密着性が劣ることが
あり、5000重量部を超えると、カチオン重合性化合
物の反応による架橋が少なくなり、耐熱性が劣ることが
ある。
【0035】(安定剤)本発明に係る反応性ホットメル
ト接着剤組成物では、好ましくは、1分子中に硫黄原子
とフェノール基を有する化合物よりなる安定剤がさらに
含まれる。カチオン重合開始剤からは、活性エネルギー
線が照射されなくても、加熱溶融時に少量のカチオンが
発生し、カチオン重合性化合物が徐々に重合すると考え
られるが、上記安定剤を含有させることにより、加熱溶
融時にもカチオン重合開始剤からは全くカチオンが発生
せず、良好な加熱安定性が得られる。この安定剤は、窒
素原子を含んでいてもよく、含んでいなくとも良い。
【0036】上記安定剤として用いられる化合物の例と
しては、硫黄原子とフェノール基とを有する安定剤、例
えばヒンダードフェノール系もくしはヒンダードアミン
系安定剤などが挙げられ、より具体的には、チバガイギ
ー社製、商品名:イルガノックス1520L、イルガノ
ックス565などが挙げられる。
【0037】上記安定剤の配合割合については、照射さ
れる光の種類や強度、カチオン重合性化合物の種類及び
配合割合、並びにカチオン重合開始剤の種類及び配合割
合などにより異なるが、好ましくは、カチオン重合性化
合物100重量部に対し、0.001〜10重量部の割
合とされる。さらに好ましくは、0.001〜5重量部
である。安定剤の配合割合が0.001重量部未満の場
合には、加熱溶融時の劣化を防止する効果が十分に得ら
れないことがあり、10重量部を超えると、光照射後の
硬化反応性が低下することがある。
【0038】(添加し得る他の成分)本発明に係る反応
性ホットメルト接着剤組成物には、必要に応じて、ヒド
ロキシル化合物を含有させてもよい。使用し得るヒドロ
キシル化合物は、液体であってもよく、固体であっても
よい。もっとも、少なくとも1個、好ましくは2個のヒ
ドロキシル基を有するヒドロキシル化合物が用いられ
る。ヒドロキシル基は、化合物の末端に存在してもよ
く、ポリマーもしくはコポリマーの側鎖に存在していて
もよい。
【0039】上記ヒドロキシル化合物としては、例え
ば、アルキレングリコール、ポリヒドロキシルアルカ
ン、ポリオキシアルキレンポリオールなどを挙げること
ができるが、これらに限定されるものではない。また、
ヒドロキシル化合物は、単独で用いられてもよく、2種
以上併用されてもよい。
【0040】さらに、本発明に係る反応性ホットメルト
接着剤組成物には、必要に応じて、密着向上剤(シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤など)、増感
剤、脱水剤、老化防止剤、安定剤、可塑剤、ワックス、
充填剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、防カビ剤、粘度
調整剤などの成分を添加してもよい。もっとも、添加し
得る成分はこれらに限定されるわけではない。また、こ
れらの添加成分は2種以上併用されてもよい。さらに、
これらの成分は、先に述べた成分に予め添加されていて
もよい。
【0041】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、配合
すべき各成分の所定量を均一に混練し得る限り、如何な
る方法を採用しても良いが、各成分が溶融し得る適度な
加熱条件下で製造する必要がある。また、製造に際して
の各成分の混練は無溶媒で行っても良く、例えば芳香族
炭化水素、酢酸エステル、ケトン等のような不活性溶媒
中で行っても良いが、不活性溶媒中で行った場合には、
混練後に減圧及び/または加熱により不活性溶媒を除去
する必要がある。具体的には、ダブルヘリカルリボン浴
もしくはゲート浴、バタフライミキサー、プラネタリミ
キサー、三本ロール、ニーダールーダー型混練機、エク
ストルーダー型混練押出機等の1種もしくは2種以上を
用いて各成分の混練を行い得るが、各成分を混練する装
置については、これらに限定されるものではない。
【0042】また、各成分の混合分散に際しては、大気
圧下あるいは必要ならば大気圧以上もしくは大気圧以下
で行うことが好ましい。さらに、各成分の仕込み順序
は、特に限定されるものではないが、溶融時間を短縮し
たり、得られる反応性ホットメルト接着剤組成物の劣化
を防止するために、溶融し難い成分や溶融時の熱や機械
的剪断力により劣化を受け難いものから順に仕込むこと
が望ましい。特に、カチオン重合開始剤は熱により分解
もしくは劣化し易いので、最後に仕込むことが望まし
い。尚、上記製造においては、硬化開始に有効な活性エ
ネルギー線を遮断した状態で行うことが必要である。
【0043】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物の貯蔵方法は、硬化開始に有効な活性エネルギー線
を遮断し得る限り、特に限定されるものではないが、好
ましい貯蔵容器としては、ペール缶、ブリキ缶、ドラム
缶、カートリッジ、離型箱、離型トレー、段ボール容
器、紙袋、プラスチック製の袋(例えばアルミ箔をサン
ドイッチした複合フィルム)等のような硬化開始に有効
な活性エネルギー線に対して不透明な各種容器が挙げら
れ、好適に用いられるが、これらの容器に限定されるも
のではなく、また、これらの容器の材質についても、活
性エネルギー線を遮断し得る限り、特に限定されるもの
ではない。
【0044】さらに、本発明による反応性ホットメルト
接着剤組成物は、貯蔵されることなく、製造直後に直ち
に使用されても勿論良い。上述した本発明の反応性ホッ
トメルト接着剤組成物を用いて接着を行うには、該ホッ
トメルト接着剤組成物を加熱溶融し、溶融状態で被着体
の一方または両方に塗工し、被着体同士の貼り合わせ前
もしくは貼り合わせ後に、塗工された反応性ホットメル
ト接着剤組成物に活性エネルギー線を照射し、被着体同
士を圧着する、もしくはホットメルト接着剤を被着体、
離型フィルム等に塗布し巻き取る、あるいは押出塗布加
工機で押し出すことによりフィルム状に加工し、別の被
着体あるいは被着体同士の間に挟んで加熱プレスするこ
とにより貼り合わせる。
【0045】上記反応性ホットメルト接着剤組成物を加
熱溶融して塗工する方法としては、特に限定されるわけ
ではないが、例えば、通常のホットメルトアプリケータ
ーやホットメルトコーター等を用いて、加熱溶融状態に
ある反応性ホットメルト接着剤組成物を被着体の一方も
しくは両方に塗布する方法、加熱溶融状態にある反応性
ホットメルト接着剤組成物中に被着体の一方もしくは両
方を浸漬する方法、ホットメルトエアーガンなどを用い
て、加熱溶融状態にあるホットメルト接着剤組成物を被
着体の一方もしくは両方に噴霧する方法、押出機などを
用いて、加熱溶融状態にある反応性ホットメルト接着剤
組成物を被着体の一方もしくは両方の表面に押出塗工す
る方法等が挙げられ、いずれの方法も好適に採用され
る。
【0046】さらに、反応性ホットメルト接着剤組成物
は、ペールアンローダーやカートリッジディスペンサー
等を用いてホットメルトアプリケーター等の塗布装置へ
供給しても良いし、スティック、ペレット、スラッグ、
ブロック、ピロー、ビレット等の各種形状でホットメル
トアプリケーター等の塗布装置へ供給しても良い。
【0047】さらにまた、加熱溶融については、反応性
ホットメルト接着剤組成物全体を加熱溶融しても良い
し、加熱体の近傍のみで部分的に加熱溶融しても良い。
上記反応性ホットメルト接着剤組成物の塗工厚みは、所
望の接着強度が得られる厚みであれば良く、被着体の種
類や塗工方法等によって適宜設定されれば良いが、照射
した活性エネルギー線が接着剤層の内部まで十分に到達
し得る厚みであることが好ましい。
【0048】上記いずれの溶融塗工方法を用いる場合で
も、反応性ホットメルト接着剤組成物を被着体に塗工し
た後、被着体同士を貼り合わせる迄の塗り置き時間を十
分に長く設定したい時には、硬化開始に有効な活性エネ
ルギー線を遮断した状態で溶融塗工を行い、貼り合わせ
直前に活性エネルギー線の照射を行うことが望ましい。
また、活性エネルギー線の照射は、塗工された反応性ホ
ットメルト接着剤組成物が溶融状態にある時に行っても
良いし、塗工された反応性ホットメルト接着剤組成物が
冷却固化した後に行っても良い。
【0049】反応性ホットメルト接着剤組成物を硬化さ
せるための活性エネルギー線としては、前記カチオン重
合開始剤からカチオンを生成し得るものであれば良く、
特に限定されるものではない。活性エネルギー線の種類
は、カチオン重合開始剤の種類に応じて適宜選択されれ
ば良いが、好ましくは紫外線が用いられ、特に、200
〜400nmの波長の光を含む活性エネルギー線を用い
ることが望ましい。
【0050】上記活性エネルギー線の照射方法として
は、反応性ホットメルト接着剤組成物に対し直接照射し
ても勿論良いし、透明もしくは半透明の被着体または保
護フィルムを通して反応性ホットメルト接着剤組成物に
対し間接的に照射しても良い。
【0051】また、活性エネルギー線の照射源として
は、特に限定されるものではないが、炭素アーク、水銀
蒸気アーク、蛍光ランプ、アルゴングローランプ、ハロ
ゲンランプ、白熱ランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超
高圧水銀灯、フラッシュUVランプ、ディープUVラン
プ、キセノンランプ、タングステンフィラメントラン
プ、太陽光等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以
上が好適に用いられる。
【0052】上記活性エネルギー線の照射量は、反応性
ホットメルト接着剤組成物を構成する各成分の種類や
量、塗工厚み、活性エネルギー線の照射源等によっても
異なるため、一義的には定め得ないが、カチオン重合開
始剤からカチオンを生成するのに有効な波長の照射量を
0.001〜10J/cm2 の範囲とすることが望まし
い。もっとも、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤
組成物は、低照射エネルギーで硬化するため、200μ
程度の厚みであれば1000mJ以上であれば十分であ
る。
【0053】被着体同士の貼り合わせと圧着は、活性エ
ネルギー線を照射された反応性ホットメルト接着剤組成
物が溶融状態にある時に行っても良いし、活性エネルギ
ー線を照射された反応性ホットメルト接着剤組成物が冷
却固化した後に行っても良い。この時、反応性ホットメ
ルト接着剤組成物は粘着性を有する状態であっても良い
し、非粘着性の状態であっても良い。
【0054】被着体同士の貼り合わせ方法及び圧着方法
としては、例えば、一方の被着体に反応性ホットメルト
接着剤組成物を塗工した後、他方の被着体を貼り合わ
せ、適宜の圧力及び温度で必要な時間加圧する方法や、
両方の被着体に反応性ホットメルト接着剤組成物を塗工
した後、適宜の圧力及び温度で必要な時間加圧する方法
等が挙げられるが、これらの方法に限定されるものでは
ない。上記方法において、熱プレスや熱ラミネーター等
を用いても良いし、貼り合わせ及び圧着時に、十分に加
熱を行い、反応性ホットメルト接着剤組成物の硬化を完
了させても良い。
【0055】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物は、常温常圧下において上記活性エネルギー線を照
射することにより十分硬化し得るが、さらに硬化時間を
短縮したい場合には、適度な温度に加熱しても良い。こ
の場合、加熱方法としては、反応性ホットメルト接着剤
組成物を構成する各成分の種類や量、被着体の種類や形
状、加熱条件等によっても異なるため一義的には定め得
ないが、例えば、温風を吹き付ける方法、加熱したオー
ブン中に置く方法、ヒーターにて加熱する方法等が挙げ
られ、これらの1種もしくは2種以上の方法が好適に採
用されるが、これらの方法に限定されるものではない。
尚、硬化時間を短縮する場合の加熱温度については、反
応性ホットメルト接着剤組成物自体が軟化する温度より
も低い温度とすることが望ましい。さもないと、反応性
ホットメルト接着剤組成物の軟化により接着部分のズレ
等が生じる恐れがある。
【0056】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物が適用される被着体は、特に限定されるものではな
いが、例えば、鉄、アルミニウム、銅、鉛、錫、亜鉛、
ニッケル、マグネシウム、チタン、金、銀、白金等の金
属もしくは合金またはこれらの塗装体、各種プラスチッ
クまたはプラスチック混合物、ガラス、コンクリート、
石、モルタル、セラミック、陶磁器等の無機材料、木材
や紙等のセルロース系材料、皮革等の広範な材料からな
る各種被着体が挙げられ、好適に適用することができ
る。また、上記各種被着体は、同一材料の被着体が接着
されても良いし、異種材料の被着体が接着されても良
い。
【0057】上記被着体の形状は、板、塊、棒、シー
ト、フィルム、紐、繊維、ハニカム、管、粒子等のいず
れの形状であっても良く、また、同一形状の被着体が接
着されても良いし、異なる形状の被着体が接着されても
良い。
【0058】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物は、通常広く一般に使用されている反応性ホットメ
ルト接着剤としてだけでなく、構造用接着剤や弾性接着
剤としても、また、感圧接着剤、シーリング剤、コーテ
ィング剤等としても、好適に使用することが出来る。こ
のような反応性ホットメルト接着剤組成物の具体的用途
としては、例えば、ドアパネル、間仕切り、雨戸、家
具、黒板、白板、事務機器のハウジング用パネル等のサ
ンドイッチパネルの芯材と表面材との接着;家具、パー
ティション、自動車内装材としてのドアパネルや天井材
等の芯材と表面材との接着;自動車、建材、電気製品等
に緩衝材、遮音材、断熱材等として使用されるポリオレ
フィン樹脂発泡体と各種基材との接着;ランプ用レンズ
の接着;スポンジ研磨材、研磨布紙、タワシ、発泡マッ
トレス、建具、包装材料、座席シート、電気カーペッ
ト、テーブル、デスク、システムキッチン、テレビ、ス
ピーカー等の製作;合板、化粧板等の貼り合わせ;テー
プボンディングやフレキシブルボンディング等への適
用;光学式オーディオ・ビデオディスクや光磁気ディス
ク等の貼り合わせ;自動車のサイドモール、ボディーパ
ネルシーラー、ドア、インパネ周辺部、ヘッドランプ、
テールランプ、窓周辺部等の接着やシーリング等の広範
な用途が挙げられるが、勿論これらの用途に限定される
ものではない。
【0059】また、本発明による反応性ホットメルト接
着剤組成物は、固形状のホットメルト接着剤組成物とし
てのみならず、サポート型またはノンサポート型のフィ
ルム状もしくはテープ状接着剤組成物として用いること
もできる。
【0060】(作用)本発明に係る反応性ホットメルト
接着剤は、上記特定の組成を有し、加熱安定性に優れる
ため、比較的長時間加熱しておいてもゲル化したり劣化
することが極めて少ない。従って、湿気硬化型ホットメ
ルト接着剤のように湿気を遮断したり低温で溶融する必
要がない。また、活性エネルギー線の照射により、カチ
オン重合開始剤が活性化され、カチオン重合化合物中の
カチオン重合性反応性基が反応するので、比較的低温で
被着体に塗布したり、フィルム化したりすることがで
き、かつ貼り合わせと硬化後の双方において優れた耐熱
性を発現する。さらに、必要に応じて含まれる熱可塑性
樹脂として、ポリエステルを用いた場合には、PETへ
の接着性が発現する。
【0061】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明をより詳細に説明する。なお、以下に
おいて、「部」は、特に断わらない限り、「重量部」を
意味する。
【0062】以下に挙げる実施例及び比較例では、下記
の諸原料を用いて反応性ホットメルト接着剤組成物を製
造した。 カチオン重合性化合物1…東亜合成社製のオキセタン、
商品名:「エポフレンドA1020」。
【0063】カチオン重合性化合物2…油化シェルエポ
キシ社製、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、
商品名:「エピコート1001」。 ポリエステル樹脂1…東洋紡社製、数平均分子量250
0のポリエステル、商品名:「バイロン220」。
【0064】ポリエステル樹脂2…東洋紡社製、数平均
分子量25000のポリエステル、商品名:「バイロン
200」。 カチオン重合開始剤1…ユニオン・カーバイド社製、6
フッ化リンを対アニオンとして有する芳香族スルホニウ
ム塩、商品名:「サイラキュアーUVI−6990」。
【0065】カチオン重合開始剤2…旭電化工業社製、
6フッ化アンチモンを対アニオンとして有する芳香族ス
ルホニウム塩、商品名:「オプトマーSP−170」。 安定剤…チバ・ガイギー社製安定剤、商品名:イルガノ
ックス565(融点91〜96℃)、1分子中に硫黄原
子とフェノール基を有する化合物。
【0066】(実施例1) (反応性ホットメルト接着剤組成物の製造)上記カチオ
ン重合性化合物1を50部と、ポリエステル樹脂1を3
0部と、ポリエステル樹脂2を20部と、カチオン重合
開始剤1を1部とを、加熱オイルを循環させ得るジャケ
ットを備えたプラネタリーミキサーに投入し、アルミ箔
で覆った後、160℃にて30rpmで60分混合し、
反応性ホットメルト接着剤組成物を得た。
【0067】(評価) (1)初期状態の評価 上記で得られた反応性ホットメルト接着剤組成物の性能
として、その初期状態の溶融粘度、紫外線照射後の
硬化状態、常態接着性、紫外線照射前のエポキシ転
化率を以下の要領で評価した。なお、実験は全て、特定
波長の紫外線をカットした蛍光灯(松下電器産業社製、
ラピッド白色蛍光灯、品番:FLR40S・W−SD
L.NU./M.40Wのみで照明を施している部屋で
行った。
【0068】溶融粘度…ホットメルト接着剤の150
℃における粘度を、特定波長の紫外線をカットした蛍光
灯(松下電器産業社製、ラピッド白色、品番:FLR4
0L・W−SDL.NU/.M.、40W)のみで照明
されている部屋に配置したBrookfield BM
型粘度計を用い、JIS−K−6862に準じて測定し
た。
【0069】紫外線照射後の硬化状態…ホットメルト
接着剤を、50μmのPET(ポリエチレンテレフタレ
ート)フィルムに約2g滴下し、ホットメルト接着剤上
に、さらに別のPETフィルムの離型処理面を載せ、指
で押しつぶし、しかる後、上方のPETフィルムを取り
除いた。このようにして薄膜状とされたホットメルト接
着剤に、ORK製作所製、高圧水銀灯「ジェットライト
JL2300」を用い、365nmの波長領域における
照度が25mW/cm2 となるように60秒間照射し
た。次に、別のPETフィルムの離型処理面を載せ、7
0℃で10kg/cm2 でプレス後、常温で72時間放
置後、硬化物からPETフィルムを指で取り外し、50
mlのサンプル管に採取し、硬化物重量を測定し、メチ
ルエチルケトン45mlを投入し、24時間放置した。
しかる後、200メッシュの金網で濾過し、110℃で
3時間乾燥し、乾燥重量を測定し、以下の式に基づいて
ゲル分率を算出した。 ゲル分率(%)=(残渣乾燥重量(g)/硬化物重量
(g))×100
【0070】常態接着性 120℃に設定されたホットメルトコーターを用い、反
応性ホットメルト接着剤組成物を厚さ0.05mmの透
明離型PETフィルムの離型面に厚さ0.25mmで塗
布した後、上から厚さ0.05mmの透明離型PETフ
ィルムの離型面を載せ巻き取った。この後、透明離型P
ETフィルムを取り除き、フィルム状の反応性ホットメ
ルト接着剤組成物を得た。このフィルム状の反応性ホッ
トメルト接着剤組成物に、ORK製作所製、高圧水銀灯
「ジェットライトJL2300」を用い、365nmの
波長の光が照度25mW/cm2 となるように紫外線を
60秒間照射した。次に、白色PET(東レ社製、商品
名:「ルミラーE20)2枚の間に挟み込み、70℃で
10kg/cm2 で30秒間プレス後、常温で72時間
放置した。
【0071】得られた複合シートを引張試験機を用い
て、温度23℃、剥離速度50mm/分の条件で180
度剥離試験を行い、接着強度、破壊形態を観察した。破
壊形態がPETシートの材破した時の強度を、その他の
場合は、接着強度の平均値を接着強度とした。
【0072】紫外線照射前のエポキシ転化率 ホットメルト接着剤約1gを秤量した後、50mlサン
プル管に入れ、0.2N塩酸−ジオキサン溶液5mlを
ホールピペットで加え、さらに、エタノール20mlを
添加した。これを24時間静置後、0.1%クレゾール
レッド水溶液を指示薬として数滴添加し、0.1N水酸
化カリウム−エタノール溶液で滴定し、以下の式に基づ
いて、エポキシ転化率を算出した。
【0073】HClabs =(BT−ST)×f×3.6
46/S+酸価×0.64 エポキシ当量=36.46×1000/HClabs エポキシ転化率(%)=(1−EP1/EP2)×10
0 ST:本試験に要した0.1N水酸化カリウム−エタノ
ール溶液の滴定量(ml) BT:空試験に要した0.1N水酸化カリウム−エタノ
ール溶液の滴定量(ml) f:0.1N水酸化カリウム−エタノール溶液のファク
ター S:試料採取量(g) EP1:配合原料のエポキシ当量、酸価から算出される
接着剤組成物の理論エポキシ当量 EP2:実際に配合した接着剤組成物のエポキシ当量
【0074】(2)130℃×24時間後の評価 反応性ホットメルト接着剤組成物を、特定波長の紫外線
をカットした蛍光灯(松下電器産業社製、ラピッド白
色、品番:FLR40S・W−SDL.NU./.
M.、40W)のみで照明されている部屋で、149m
lのマヨネーズ瓶に80ml投入し、130℃に設定し
た熱風乾燥機に入れ、24時間放置した。なお、熱風乾
燥機については、窓及び換気口から光が入らないように
構成した。
【0075】この後、溶融粘度、紫外線照射後の硬
化状態、常態接着性、紫外線照射前のエポキシ転化
率を上記手順に従い評価した。 溶融粘度…上記のように130℃に24時間放置した
後、初期状態における溶融粘度の測定と同様にして13
0℃×24時間後の溶融粘度を130℃で測定した。
【0076】紫外線照射後の硬化状態…上記のように
130℃×24時間放置した後、初期状態の場合と同様
に紫外線を照射し、紫外線照射後の硬化状態として、硬
化後ゲル分率を測定した。結果を下記の表1に示す。
【0077】常態接着性…上記のように130℃×2
4時間放置した後、初期状態の場合と同様にして常態接
着性を評価した。 紫外線照射前のエポキシ転化率…上記のように130
℃×24時間放置した後、初期状態の場合と同様にして
紫外線照射前のエポキシ転化率を測定した。
【0078】(実施例2,3及び比較例1,2)配合組
成を表1に記載のように変更したことを除いては、実施
例1と同様にして反応性ホットメルト接着剤組成物を
得、評価した。結果を下記の表1に示す。なお、表1中
の材破は、材料破壊であることを示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】本発明に係る反応性ホットメルト接着剤
組成物では、活性エネルギー線の照射により、塗り置き
時間や可使時間などを幅広く調節できるので、接着時の
作業性が高められる。特に、カチオン重合開始剤とし
て、6フッ化リンを対アニオンとして有する芳香族スル
ホニウム塩を用いているため、加熱時の安定性に優れて
おり、従って溶融塗工作業を容易にかつ安定に行い得
る。
【0081】また、活性エネルギー線照射後の硬化が暗
反応で行われるので、活性エネルギー線を透過しない被
着体や非透湿性の被着体にも適用し得る。また、硬化後
は、優れた接着強度、耐熱性などの諸物性を発現するの
で、自動車用、電気製品用、建材用などを始め、各種工
業製品用の反応性ホットメルト接着剤として好適に用い
ることができる。
【0082】さらに、本発明に係る反応性ホットメルト
接着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型であり、湿気
硬化型ではないので、湿気を厳密に遮断する必要がな
く、従って、特殊な製造設備や包装材料などを用いる必
要はなく、経済的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 武司 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4J005 AA04 AA07 BB02 4J040 EC001 ED022 ED042 EE031 GA10 HB36 HC06 HD18 JB01 JB02 JB07 KA11 KA29 MA02 MA05 MA09 MA10 NA12 NA16 NA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子あたり、下記の式(1)の構造を
    有するカチオン重合反応性基を平均1以上有するカチオ
    ン重合性化合物と、 6フッ化リンを対アニオンとして有する芳香族スルホニ
    ウム塩からなるカチオン重合開始剤とを含むことを特徴
    とする反応性ホットメルト接着剤組成物。 【化1】 (式(1)において、m、nは、0、1または2、
    1 、R2 、R3 及びR4は、メチル基、エチル基、イ
    ソプロピル基、イソアミル基、フェニル基または水素原
    子を示し、これらは同一であってもよく、異なっていて
    もよい。)
  2. 【請求項2】 前記カチオン重合開始剤が、下記の式
    (2)で示される構造または下記の式(3)で示される
    構造を有する、請求項1に記載の反応性ホットメルト接
    着剤組成物。 【化2】 【化3】 (なお、式(2)及び(3)において、R5 は水素原
    子、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシメトキシ基ま
    たはヒドロキシエトキシ基を示す。)
  3. 【請求項3】 ポリエステルをさらに含む、請求項1ま
    たは2に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 1分子中に硫黄原子とフェノール基とを
    有する化合物を含む安定剤をさらに含むことを特徴とす
    る請求項1〜3に記載の反応性ホットメルト接着剤組成
    物。
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