JPH115964A - 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法 - Google Patents

反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法

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JPH115964A
JPH115964A JP16711697A JP16711697A JPH115964A JP H115964 A JPH115964 A JP H115964A JP 16711697 A JP16711697 A JP 16711697A JP 16711697 A JP16711697 A JP 16711697A JP H115964 A JPH115964 A JP H115964A
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JP
Japan
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melt adhesive
hot melt
reactive hot
adhesive composition
cationically polymerizable
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JP16711697A
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Inventor
Motohiro Yagi
元裕 八木
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤塗布後、貼り合わせまでの塗り置き時
間を十分長くした場合でも被着体同士を容易に接着する
ことができ、かつ貼り合わせ後、耐熱性を発現するまで
の時間が季節や天候に左右され難い、反応性ホットメル
ト接着剤組成物及び接着方法を提供する。 【解決手段】 カチオン重合性化合物と、光の照射によ
りカチオン重合性化合物を硬化させるためのカチオン重
合開始剤とを含むことを特徴とする反応性ホットメルト
接着剤組成物、並びに該反応性ホットメルト接着剤組成
物を加熱溶融してから被着体の少なくとも一方に溶融状
態で塗布し、活性エネルギーを照射してから被着体同士
を貼り合わせ、常温下または加熱下で圧着する接着方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱溶融塗工によ
り適用され、光の照射により硬化が進行する反応性ホッ
トメルト接着剤組成物及びこれを用いた接着方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】製本、包袋、繊維加工、木工、弱電また
は輸送などの種々の分野において、紙、繊維、木材、ガ
ラス、プラスチックまたは金属などを接着するのにホッ
トメルト接着剤が幅広く用いられている。
【0003】ホットメルト接着剤による接着に際して
は、アプリケーター内においてホットメルト接着剤を通
常100〜200℃程度の温度で加熱溶融する。次に、
溶融状態のホットメルト接着剤を被着体に塗布し、被着
体同士を貼り合わせる。ホットメルト接着剤の冷却固化
により、被着体同士が接着される。
【0004】ホットメルト接着剤では、冷却固化により
接着強度が速やかに高まるため、被着体を貼り合わせて
から十分な接着強度を実現するまでの時間が通常1分以
内と非常に短い。従って、短時間で接着作業を完了する
ことができる。
【0005】しかしながら、ホットメルト接着剤では、
接着剤の固化により接着力が発現されるため、一旦被着
体が接着されたとしても、高温雰囲気下に放置されると
接着硬化物が軟化し、あるいは溶融し、接着力が著しく
低下する。すなわち、接着硬化物の耐熱性が十分でない
という問題があった。
【0006】そこで、上記のような問題を解決するため
に、ウレタンプレポリマーを用いた反応性ホットメルト
接着剤組成物が提案されている(特公昭51−3089
8号公報など)。
【0007】上記反応性ホットメルト接着剤組成物は、
エチレン−酢酸ビニル共重合体と、分子末端にイソシア
ネート基を有するウレタンプレポリマーとを配合してな
る組成を有する。使用に際しては、通常のホットメルト
接着剤と同様に、溶融状態で被着体に塗布する。塗布さ
れたホットメルト接着剤は、冷却固化により被着体同士
を接着するが、さらに、空気中の湿気等とウレタンプレ
ポリマーとが反応し、ウレタンプレポリマーが高分子量
化することにより、接着強度がより一層高められると共
に、接着硬化物の耐熱性も高められる。
【0008】しかしながら、上記ウレタンプレポリマー
を利用した反応性ホットメルト接着剤組成物では、一方
もしくは双方の被着体に接着剤を塗布した後、被着体同
士を貼り合わせるまでの塗り置き時間を長くすると、周
辺の湿気により硬化が進行してしまい、接着できなくな
るという問題があった。すなわち、塗布から貼り合わせ
までの貼り合わせ可能時間が短いため、接着作業を容易
に行えない場所等に適用することが困難であるという問
題があった。加えて、接着してから、接着硬化物が十分
な耐熱性を発現するまでの時間が、季節や天候により大
きく変動するという問題もあった。
【0009】他方、ホットメルト接着剤は、通常、ホッ
トメルトアプリケーターやホットメルトコーターを用い
て塗工されるため、長時間の加熱溶融塗工作業が可能で
あることが強く求められている。
【0010】さらに、反応性ホットメルト接着剤では、
接着剤層の一部に未硬化部分が存在すると十分な耐熱性
を発現しないので、接着剤層全体が均一に硬化すること
が強く求められている。また、反応性ホットメルト接着
剤では、被着体同士を貼り合わせてから耐熱性を発現す
るまでの時間が短いことが強く求められている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、接着
剤を塗布した後、貼り合わせまでの貼り合わせ可能時間
を長くすることができ、すなわち塗り置き時間を十分長
くした場合でも容易に接着することができ、かつ耐熱性
を発現するまでの時間が季節や天候などによってさほど
左右されない、反応性ホットメルト接着剤組成物及び接
着方法を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、接着剤を塗布した
後、貼り合わせまでの貼り合わせ可能時間を長くするこ
とができ、すなわち塗り置き時間を十分長くした場合で
も容易に接着することができ、かつ耐熱性を発現するま
での時間が季節や天候などによってさほど左右されず、
さらに、接着剤層全体が均一に硬化し得る反応性ホット
メルト接着剤組成物及び接着方法を提供することにあ
る。
【0013】本発明のさらに他の目的は、接着剤を塗布
した後、貼り合わせまでの貼り合わせ可能時間を長くす
ることができ、すなわち塗り置き時間を十分長くした場
合でも容易に接着することができ、かつさらに、被着体
同士を貼り合わせてから耐熱性を発現するまでの時間が
短い反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために成されたものであり、請求項1に記載の発
明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、カチオン
重合性化合物と、光の照射によりカチオン重合性化合物
を硬化させるためのカチオン重合開始剤とを含むことを
特徴とする。
【0015】請求項2に記載の発明は、カチオン重合性
化合物と、光の照射によりカチオン重合性化合物を硬化
させるためのカチオン重合開始剤とを含み、空気雰囲気
下で60℃に加熱したときのゲル化時間が1時間以上で
あることを特徴とする。
【0016】請求項3に記載の発明は、カチオン重合性
化合物と、光の照射によりカチオン重合性化合物を硬化
させるためのカチオン重合開始剤とを含み、曇点が18
0℃未満であることを特徴とする。
【0017】請求項4に記載の発明は、カチオン重合性
化合物と、光の照射によりカチオン重合性化合物を硬化
させるためのカチオン重合開始剤とを含み、60℃で6
時間加熱したときの揮発成分が全組成物の5重量%未満
であることを特徴とする。
【0018】請求項5に記載の発明に係る反応性ホット
メルト接着剤組成物は、カチオン重合性化合物と、光の
照射によりカチオン重合性化合物を硬化させるためのカ
チオン重合開始剤とを含み、60℃において粘度が10
0cps以上でありかつ180℃において粘度が100
万cps以下であることを特徴とする。
【0019】また、請求項6に記載の発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物は、カチオン重合性化合物
と、光の照射によりカチオン重合性化合物を硬化させる
ためのカチオン重合触媒とを含み、環球式測定法による
軟化点が40〜180℃であることを特徴とする。
【0020】請求項7に記載の発明に係る反応性ホット
メルト接着剤組成物は、カチオン重合性化合物及び光の
照射によりカチオン重合性化合物を硬化させるためのカ
チオン重合開始剤を含み、1mm厚のシートとしたとき
に、365nmの波長の光の透過率が23℃で1%以
上、100%未満であることを特徴とする。
【0021】また、請求項8に記載の発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物は、カチオン重合性化合物及
び光の照射によりカチオン重合性化合物を硬化させるた
めのカチオン重合開始剤を含み、1mm厚のシートとし
たときに、光照射前の23℃における貯蔵弾性率が1×
103 Pa〜1×109 Paの範囲にあることを特徴と
する。
【0022】請求項1〜8に記載の発明において、好ま
しくは、請求項9に記載のように、上記カチオン重合性
化合物は1分子当たり平均1以上の下記の式(1)の構
造を有する化合物または1分子当たり平均1以上のエポ
キシ基を有するエポキシ化合物である。
【0023】
【化2】
【0024】なお、式(1)において、m、nは、0、
1または2、R1 、R2 、R3 及びR4 は、メチル基、
エチル基、イソプロピル基、イソアミル基、フェニル基
または水素原子である。
【0025】また、上記カチオン重合開始剤としては、
好ましくは、請求項10に記載のように、芳香族ヨード
ニウム塩、芳香族スルホニウム塩及びメタロセン塩から
なる群から選択した少なくとも1種が用いられる。
【0026】また、請求項11に記載の発明は、請求項
1〜10の何れかに記載の反応性ホットメルト接着剤組
成物を加熱溶融し、被着体の一方または両方に溶融状態
で塗布し、塗布された反応性ホットメルト接着剤組成物
に光を照射してから被着体同士を貼り合わせ、圧着する
ことを特徴とする接着方法である。
【0027】以下、本発明の詳細を説明する。 (カチオン重合性化合物)本発明において、上記カチオ
ン重合性化合物は、光の照射によりカチオン重合して高
分子量化し得る部分を有する有機化合物である。カチオ
ン重合性化合物は、モノマー、オリゴマーまたはポリマ
ーの何れであってもよく、また、炭素、水素、酸素、窒
素、硫黄、リンなどの有機化合物構成原子を含んでいて
もよい。
【0028】また、カチオン重合により高分子量化し得
る部分については、分子骨格の末端、側鎖、分子骨格内
の何れに存在していてもよい。さらに、上記カチオン重
合性化合物の具体的な構造や分子量についても特に限定
されるものではない。
【0029】カチオン重合性化合物は、それ自身がホッ
トメルト型樹脂であってもよく、その場合には、後述の
ホットメルト型樹脂を用いずともよい。また、カチオン
重合性化合物は、本発明に係るホットメルト接着剤組成
物中のホットメルト成分を構成する必要も必ずしもな
く、常温で液状の化合物でもよく、その場合には、カチ
オン重合性化合物と後述のホットメルト型樹脂とが混合
される。
【0030】上記カチオン重合性化合物の具体的な例と
しては、(エポキシ化合物、オキセタン化合物、オキソ
ラン化合物などの)環状エーテル化合物、環状エステル
化合物、ビニルエーテル化合物などを挙げることができ
る。また、これらのカチオン重合性化合物は単独で用い
られてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0031】上記カチオン重合性化合物は、好ましく
は、式(1)で示される構造を1分子当たり平均で1以
上有する化合物からなることが望ましい。また、1分子
当たり、式(1)の構造を平均で2以上有する化合物を
用いることがさらに好ましい。
【0032】上記カチオン重合性化合物としては、好ま
しくは、カチオン重合性に優れているため、エポキシ化
合物が用いられる。上記エポキシ化合物としては、カチ
オン重合によって重合可能な少なくとも1個のオキシラ
ン環を有する有機化合物が挙げられ、脂肪族、脂環式及
び芳香族の何れのエポキシ化合物であってもよい。ま
た、上記エポキシ化合物は、好ましくは、1分子当たり
平均1以上のエポキシ基を有し、より好ましくは1分子
当たり平均2以上のエポキシ基を有する。
【0033】なお、1分子当たりの「平均」の式(1)
の構造またはエポキシ基の数は、化合物中の式(1)の
構造またはエポキシ基の数を存在する式(1)の構造を
有する化合物またはエポキシ分子の総数によって除算す
ることにより求められる。
【0034】ポリマーであるエポキシ化合物としては、
末端エポキシ基を有する直鎖状ポリマー(例えば、ポリ
オキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテ
ル)、骨格中にオキシラン単位を有するポリマー(例え
ば、ポリブタジエンポリエポキシド)、及び側鎖にエポ
キシ基を有するポリマー(グリシジル(メタ)アクリレ
ートポリマーまたはコポリマー)等が挙げられる。上記
エポキシ化合物の分子量についても特に限定されるわけ
ではないが、約58〜約10万の範囲に渡り得る。
【0035】上記エポキシ化合物の具体的な例として
は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの芳
香族エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
トなどの脂環式エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテル、2,2−ビス〔4−(2,3
−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル〕プロパンなど
の脂肪族エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレー
トのように分子中にオキシラン環を有する(メタ)アク
リレート重合体もしくは共重合体、エポキシ化ポリブタ
ジエン、及びブタジエンと他のモノマーとの共重合体の
エポキシ化物、これらの各エポキシ樹脂の変性物などを
挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。また、上記エポキシ化合物は、単独で用いられても
よく、2種以上併用されてもよい。
【0036】(カチオン重合開始剤)上記カチオン重合
開始剤としては、カチオン重合性化合物の重合を開始す
るためのカチオンを、光の照射により生成し得るもので
あれば特に限定されるものではないが、好ましくは、芳
香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、及び/ま
たはメタロセン塩が挙げられる。カチオン重合開始剤と
して有効な上記芳香族ヨードニウム塩及び芳香族スルホ
ウニム塩は、例えば米国特許第4,256,828号に
開示されている。また、メタロセン塩については、米国
特許第5,089,536号に開示されている。カチオ
ン重合開始剤の配合量は、光の種類や強度、カチオン重
合性化合物の種類や量、カチオン重合開始剤の種類等に
よって異なるが、好ましくは、カチオン重合性化合物1
00重量部に対して0.01〜10重量部配合される。
【0037】(添加し得る他の成分)本発明に係る反応
性ホットメルト接着剤組成物には、必要に応じて、ヒド
ロキシル化合物を含有させてもよい。使用し得るヒドロ
キシル化合物は液体であってもよく、固体であってもよ
いが、少なくとも1個、好ましくは、少なくとも2個の
ヒドロキシル基を有する。この場合、ヒドロキシル基
は、化合物の末端にあってもよく、また、ポリマーもし
くはコポリマーの側基に存在していてもよい。
【0038】上記ヒドロキシル化合物の例としては、ア
ルキレングリコール、ポリヒドロキシアルカン、ポリオ
キシアルキレンポリオールなどを例示することができる
が、これらに限定されるものではない。また、ヒドロキ
シル化合物は、単独で添加されてもよく、2種以上併用
されてもよい。
【0039】また、本発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物においては、必要に応じて、ホットメルト型
樹脂が添加され得る。すなわち、上記カチオン重合性化
合物自体がホットメルト型樹脂の場合には、他のホット
メルト型樹脂を用いる必要は必ずしもないが、他のホッ
トメルト型樹脂を添加してもよく、さらに、上記カチオ
ン重合性化合物がホットメルト型樹脂でない場合には、
ホットメルト接着剤として用いることを可能とするため
に、ホットメルト型樹脂が添加される。
【0040】上記ホットメルト型樹脂としては、低分子
量のものから高分子量のものまで適宜の分子量のものを
用いることができ、例えば、スチレン系樹脂や石油性樹
脂などの粘着付与樹脂として慣用されている樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂などのポリオレフィン系
樹脂、ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのゴ
ム系樹脂、アクリル系共重合体樹脂、ポリエステル系樹
脂またはこれらのホットメルト型樹脂の各種変成物を例
示することができるが、これらに限定されるものではな
く、またこれらのホットメルト型樹脂については2種以
上併用してもよい。
【0041】さらに、本発明に係る反応性ホットメルト
接着剤組成物には、必要に応じて、(シランカップリン
グ剤やチタンカップリング剤などの)密着性向上剤、増
感剤、脱水剤、老化防止剤、安定剤、可塑剤、ワック
ス、充填剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、防カビ剤、
粘度調整剤などの成分を添加することができるが、添加
し得る他の成分については上記各成分に限定されるわけ
ではない。また、上記添加し得る成分は2種以上添加さ
れていてもよい。
【0042】(請求項2に記載の発明におけるゲル化時
間)請求項2に記載の発明では、反応性ホットメルト接
着剤組成物は、空気雰囲気下で60℃に加熱したときの
ゲル化時間が1時間以上であることを必要とし、好まし
くは、空気雰囲気下で120℃に加熱したときのゲル化
時間が1時間以上、さらに好ましくは、空気雰囲気下で
180℃に加熱したときのゲル化時間が1時間以上とさ
れる。最も好ましくは、空気雰囲気下で150℃に加熱
したときのゲル化時間で、24時間程度とされる。
【0043】本明細書において、ゲル化時間とは、ブリ
キ缶に入れた組成物を所定温度のオイルバスにより加熱
し、ステンレス棒で攪拌し、ゲル化するまでの時間を測
定することにより得られた値である。空気雰囲気下で6
0℃に加熱したときのゲル化時間が1時間未満である
と、加熱溶融中に除々に組成物がゲル化し、長時間の溶
融塗工作業が困難となる。
【0044】(請求項3に記載の発明における曇点)請
求項3に記載の発明に係る反応性ホットメルト接着剤組
成物では、曇点が180℃未満であり、好ましくは12
0℃未満であり、さらに好ましくは60℃未満である。
曇点とは、2成分以上の成分からなる配合物を透明な相
溶状態となるまで高温に加熱してから放冷した際に、配
合物が相分離し、不透明になる温度をいうものとする。
上記曇点が180℃以上であると、加熱溶融中に除々に
組成物が分離するため、長時間の溶融塗工作業が困難と
なる。
【0045】(請求項4に記載の発明における加熱時の
揮発成分の割合)請求項4に記載の発明に係る反応性ホ
ットメルト接着剤組成物は、60℃で6時間加熱したと
きの揮発成分が全組成物の5重量%、好ましくは120
℃で6時間加熱したときの揮発成分が全組成物の5重量
%未満、さらに好ましくは180℃で6時間加熱したと
きの揮発成分が全組成物の5重量%未満であることを特
徴とする。
【0046】上記揮発成分の量は、JIS K7235
に準じて測定された値である。60℃で6時間加熱した
ときの揮発成分が、全組成物の5重量%以上の場合に
は、加熱溶融中に組成物中の成分が徐々に揮発し、増粘
あるいは発泡といった組成物の変質や性能低下が生じ、
作業雰囲気も汚染されるため、長時間の溶融塗工作業が
困難となる。
【0047】(請求項5に記載の発明における粘度)請
求項5に記載の発明に係る反応性ホットメルト接着剤組
成物は、60℃において粘度が100cps以上、18
0℃において粘度が100万cps以下であることを特
徴とする。好ましくは、90℃において粘度が100c
ps以上でありかつ150℃における粘度が100万c
ps以下であり、さらに好ましくは90℃における粘度
が1000cps以上でありかつ150℃における粘度
が10万cps以下である。
【0048】なお、本明細書における粘度は、JIS
K6862に準じて測定される値である。60℃におけ
る粘度が100cps未満では、ビード塗布を行った場
合に接着剤が流れてしまい、ビード形状を保つことがで
きなくなる。また、180℃における粘度が100万c
psを超えると、塗布作業が極めて困難となる。
【0049】(請求項6に記載の発明における軟化点)
請求項6に記載の発明に係る反応性ホットメルト接着剤
組成物では、環球式測定法による軟化点が40〜180
℃の範囲、好ましくは60〜150℃、さらに好ましく
は60〜120℃の範囲にある。環球式測定法による軟
化点は、JISK6863に準じて測定される値であ
る。
【0050】上記環球式測定法による軟化点が40℃未
満の場合には、ビード塗布を行った場合に接着剤が冷却
固化する時間が長くなり、その間にビード形状が変形し
たり、次の作業を直ちに行うことができなかったりし、
十分な初期接着強度を得ることができなくなる。また、
軟化点が180℃を超えると、溶融粘度が極めて高くな
り、塗布作業が困難となったり、あるいは塗布をし易く
するために温度を上げると接着剤の熱劣化や作業者の火
傷などを引き起こし易くなる。
【0051】(請求項7に記載の発明における光の透過
率)請求項7に記載の発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物では、1mm厚のシートとしたときに、36
5nmの波長の光の透過率が23℃で1%以上、100
%未満で、好ましくは5〜100%、さらに好ましくは
10〜100%となるように構成されている。
【0052】1mm厚シートの活性エネルギーの透過率
は、カチオン重合開始剤によりカチオン種を生成するた
めの光を、上記組成物からなる1mm厚のシートに照射
した際の、入射光強度に対する透過光強度の比で表され
る値である。1mm厚シートの光の透過率が23℃で1
%未満であると、光がシート内部まで十分に到達せず、
内部でカチオン種があまり生成されず、カチオン重合性
化合物の重合が遅くなり、十分な耐熱性を有する接着硬
化物を得ることができなくなる。また、内部まで光を到
達させるためには、光の強度を高めることも考えられる
が、単に光の強度を高めると、反応性ホットメルト接着
剤組成物よりなるシート表面近傍で、カチオン重合性化
合物の重合が速く進行しすぎ、光照射後に被着体同士を
貼り合わせても接着できなくなることがある。他方、上
記1mm厚のシートとは、本発明に係る反応性ホットメ
ルト接着剤組成物を溶融塗工し、1mm厚の層としたも
のをいうものとする。
【0053】(請求項8に記載の発明における貯蔵弾性
率)請求項8に記載の発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物では、光照射前の23℃における貯蔵弾性率
が、1×103 Pa〜1×109 Paの範囲、好ましく
は、1×103 Pa〜1×108 Pa、より好ましくは
1×105 Pa〜1×108 Paの範囲にある。
【0054】本明細書において、23℃における貯蔵弾
性率は、JIS K7198に準じて測定されるもので
あり、周波数10Hz、昇温速度3℃/分でA法(引張
振動法)で測定を行ったときの23℃における動的貯蔵
弾性率をいうものとする。
【0055】上記23℃における貯蔵弾性率が1×10
9 Paより大きいと、23℃におけるカチオン重合性化
合物の分子運動が小さくなり、カチオン重合の速度が遅
くなり、被着体同士を貼り合わせてから耐熱性が発現す
るまでに長い時間を必要とする。また、1×103 Pa
より小さいと、重合速度は高められるものの、被着体同
士を貼り合わせた直後の接着強度が小さくなる。
【0056】(反応性ホットメルト接着剤組成物の製造
方法)反応性ホットメルト接着剤組成物の製造方法につ
いても、配合する各成分を混合し、均一に分散し得る限
り、如何なる方法を採用してもよいが、使用材料が溶融
し得る適度な加熱条件下で製造する必要がある。また、
製造に際しての各成分の混合分散は無溶媒で行ってもよ
く、不活性溶媒中で行ってもよい。具体的には、ダブル
ヘリカルリボン浴もしくはゲート浴、プラネタリミキサ
ー、三本ロール、ニーダールーダー型混練機またはエク
ストルーダー型混練押出機などの1種または2種以上を
用いて行い得る。もっとも、各成分を混練する装置につ
いては、これらに限定されるわけではない。
【0057】何れの設備を用いて各成分を混合分散する
場合においても、カチオン重合を阻害する成分である水
分の混入が少なくなるので無水条件下で混合分散するこ
とが好ましく、特に、所望でない反応を防止するために
は、不活性ガス下、例えば窒素気流中にて混練すること
が好ましい。
【0058】また、各成分の混合分散に際しては、大気
圧下、あるいは必要ならば大気圧以上もしくは大気圧以
下で混合分散を行う。なお、本発明に係る反応性ホット
メルト接着剤組成物を製造するに際しては、硬化開始に
有効な光を遮断した状態で行うことが必要である。上記
のようにして得られる本発明に係る反応性ホットメルト
接着剤組成物は、この状態で粘着性を有していてもよ
く、非粘着性であってもよい。
【0059】反応性ホットメルト接着剤組成物の貯蔵方
法については、硬化開始に有効な光を遮断し得る限り、
特に限定されるわけではないが、好ましい貯蔵容器とし
ては、ペール缶、ブリキ缶、ドラム缶、カートリッジ、
離型箱、段ボール容器、紙袋などの硬化開始に有効な光
に対して不透明な容器などを挙げることができる。もっ
とも、これらの容器に限定されるわけではなく、またこ
れらの容器の材質についても、光を遮断し得る限り、特
に限定されるものではない。また、本発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物は、貯蔵されることなく、製
造直後に直ちに使用されてもよい。
【0060】(接着方法)請求項11に記載の発明に係
る接着方法は、上記反応性ホットメルト接着剤組成物を
加熱溶融し、被着体の一方または双方に溶融状態で塗布
し、塗布された反応性ホットメルト接着剤組成物に光を
照射してから被着体を貼り合わせ、圧着することにより
接着を行う。
【0061】上記反応性ホットメルト接着剤組成物を加
熱溶融して塗布する方法については、特に限定されるわ
けではないが、例えば、通常のホットメルトアプリケ
ーターやホットメルトコーターなどにより加熱溶融した
ホットメルト接着剤組成物を被着体に塗布する方法、
加熱溶融した反応性ホットメルト接着剤組成物中に被着
体を浸漬する方法、ホットメルトエアーガンなどによ
り、加熱溶融しているホットメルト接着剤組成物を被着
体に噴霧する方法、押出機などにより加熱溶融したホ
ットメルト接着剤組成物を被着体表面に押出する方法な
どが挙げられる。
【0062】請求項5,6に記載の発明に係る反応性ホ
ットメルト接着剤組成物を用いた場合、上記のように、
60℃における粘度が100cps以上かつ180℃に
おける粘度が100万cps以下、または環球式測定法
による軟化点が40〜180℃の範囲にあるため、何れ
の塗工方法を用いた場合であっても、被着体に加熱溶融
された反応性ホットメルト接着剤組成物を均一にかつ容
易に塗布することができる。
【0063】また、ペールアンローダー、カートリッジ
ディスペンサーなどを用いて、ホットメルトアプリケー
ターにホットメルト接着剤組成物を供給してもよく、ス
ティック、ペレット、スラッグ、ブロック、ピロー、ビ
レットなどの形態で、塗布装置にホットメルト接着剤組
成物を供給してもよい。
【0064】加熱については、反応性ホットメルト接着
剤組成物全体を加熱溶融してもよく、あるいは加熱体の
近傍のみで加熱溶融してもよい。何れの溶融塗工方法を
用いる場合においても、溶融塗工に際しては、硬化開始
に有効な光を遮断した状態で行うことが望ましい。
【0065】光としては、上記カチオン重合開始剤から
カチオンを生成し得る限り、適宜の光を用いることがで
き、光の種類については、カチオン重合開始剤の種類に
応じて適宜選択され、好ましくは、紫外線が用いられ
る。好ましくは、200〜600nmの波長を含む光が
用いられ、特に、カチオン重合開始剤として芳香族ヨー
ドニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン塩など
を用いる場合には、200〜400nmの波長を含む光
を用いることが望ましい。
【0066】上記光の照射量についても、カチオン重合
開始剤の種類や反応性ホットメルト接着剤組成物の塗布
されている部分の厚みや量によっても異なるため、一義
的には定め得ないが、0.001J〜10Jの範囲とす
ることが望ましい。光の線源として、紫外線を用いる場
合には、蛍光ランプ、高圧水銀灯などの紫外線の照射源
として一般的に用いられているものを使用することがで
きる。
【0067】被着体の貼り合わせ及び圧着方法について
は、一方の被着体に反応性ホットメルト接着剤組成物
を塗布した後、他方の被着体を貼り合わせ、適宜の圧力
及び温度で必要な時間加圧する方法、両方の被着体に
反応性ホットメルト接着剤組成物を塗布した後、適宜の
圧力及び温度で必要な時間加圧する方法などを例示する
ことができる。
【0068】本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組
成物は、常態条件下において上記光の照射により十分硬
化し得るが、さらに硬化時間を短縮したい場合には、適
当な温度に加熱してもよい。この場合、加熱方法は、反
応性ホットメルト接着剤組成物の種類、被着体の形状や
性質、加熱条件などに応じて異なるため一義的には定め
得ないが、例えば、温風を吹き付ける方法、加熱し
たオーブン中に置く方法、ヒーターにて加熱する方法
などを用いることができる。もっとも、上記加熱方法に
ついては、上記方法に限定されるものではない。なお、
硬化時間を短縮する場合の加熱温度については、反応性
ホットメルト接着剤組成物自体が軟化する温度よりも低
い温度とすることが望ましい。さもないと、組成物の軟
化により接着部分のズレ等が生じるおそれがある。
【0069】(適用される被着体)本発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物が適用される被着体、並びに
本発明に係る接着方法で用いる被着体としては、特に限
定されるものではないが、例えば、鉄、アルミニウムな
どの金属もしくは合金、プラスチックまたはプラスチッ
ク混合物、ガラス、コンクリート、石、モルタル、セラ
ミックなどの無機材、木材や紙などのセルロース系材
料、皮革など広範な材質からなる被着体に適用すること
ができる。また、被着体の形状についても、板、塊、
棒、シート、紐、繊維、ハニカム、管、粒子など適宜の
形態であってよく、また、異なる形態の被着体の貼り合
わせに用いることも可能である。
【0070】(用途)本発明に係る反応性ホットメルト
接着剤組成物は、反応性ホットメルト接着剤として、特
に、弾性接着剤、構造用接着剤、感圧接着剤、シーリン
グ材などとして使用することができる。このような反応
性ホットメルト接着剤組成物は、例えば、ドアパネル、
間仕切り、雨戸、家具、黒板、白板、事務機器のハウジ
ング用パネルなどのサンドイッチパネルの芯材と表面材
との接着、家具、パーティション、自動車内装材のドア
パネルや天井材などにおける芯材と表面材との接着など
の用途に好ましく用いられる。もっとも、反応性ホット
メルト接着剤の用途については、上記用途に限定される
わけではない。
【0071】作用 請求項1〜8に記載の発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物は、加熱により溶融し、軟化するため、通常
のホットメルト接着剤と同様にして被着体に適用するこ
とができる。また、被着体への塗布後に、光を照射する
ことによりカチオン重合開始剤がカチオンを生成し、該
カチオンによりカチオン重合性化合物が重合し、高分子
量化して硬化が進行するので耐熱性に優れた接着硬化物
を得ることができる。
【0072】従って、上記光の照射によってのみ硬化が
開始するため、被着体に反応性ホットメルト接着剤組成
物を塗布した後、貼り合わせのタイミングに応じて光を
照射することにより、貼り合わせ前に硬化が進行するこ
とを防止することができる。すなわち、光照射のタイミ
ングを図ることにより、塗り置き時間を十分な長さに設
定することができる。加えて、光の照射により硬化が進
行するため、接着してから耐熱性を発現するまでの時間
が、周辺雰囲気の湿度に影響されることもない。
【0073】また、請求項2に記載の発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物では、空気雰囲気下で60℃
に加熱したときのゲル化時間が1時間以上であり、請求
項3に記載の発明に係るホットメルト接着剤組成物では
曇点が180℃未満であり、請求項4に記載の発明に係
る反応性ホットメルト接着剤組成物では、60℃で6時
間加熱したときの揮発成分が全組成物の5重量%未満と
されているため、それぞれ、加熱溶融中に反応性ホット
メルト接着剤組成物がゲル化、分離もしくは変質などを
引き起こさない。従って、作業雰囲気を汚染することも
ないため、長時間の加熱溶融塗工作業が可能となる。
【0074】また、後述の実施例から明らかなように、
請求項5に記載の発明に係る反応性ホットメルト接着剤
組成物では、60℃における粘度が100cps以上か
つ180℃における粘度が100万cps以下であるた
め、また、請求項6に記載の発明に係る反応性ホットメ
ルト接着剤組成物では、軟化点が40〜180℃の範囲
にあるため、スプレー塗布、ビード塗布、ロール塗布な
どの様々な方法により溶融塗工した場合であっても、接
着剤が剥がれたりすることがなく、例えば、ビード塗布
を行った場合の塗布形状の変化などが生じ難い。また、
請求項6に記載の発明では、溶融粘度が高くならないた
め、塗布作業自体を容易に行い得る。
【0075】さらに、請求項7に記載の発明に係る反応
性ホットメルト接着剤組成物では、1mm厚のシートと
した場合に、365nmの波長の光の透過率が23℃で
1%以上、100%未満の範囲となるように反応性ホッ
トメルト接着剤組成物が構成されており、照射された光
が反応性ホットメルト接着剤組成物の内部まで十分に到
達する。従って、内部においてもカチオン種が十分に生
成され、未硬化部分を生じることなく、接着剤層全体が
均一に硬化する。
【0076】さらに、請求項8に記載の発明に係る反応
性ホットメルト接着剤組成物では、上記23℃における
貯蔵弾性率が1×103 Pa以上であるため、カチオン
重合性化合物の分子運動が大きくなり、重合速度が速め
られ、貼り合わせ後、耐熱性が発現するまでの時間を短
くすることができ、かつ1×109 Pa以下であるた
め、貼り合わせ直後の接着強度も十分な値となる。
【0077】請求項9に記載の発明では、上記カチオン
重合性化合物が、1分子当たり平均1以上のエポキシ基
を有するエポキシ化合物または1分子当たり平均1以上
の式(1)の構造を有する化合物で構成されているた
め、上記光の照射により、速やかに開環重合し、硬化が
進行する。従って、被着体同士を強固に接着することが
可能となると共に、耐熱性も高められる。
【0078】請求項10に記載の発明では、上記カチオ
ン重合開始剤として、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ス
ルホニウム塩及び/またはメタロセン塩を用いるため、
200〜400nmの波長を含む光を照射することによ
り、硬化を速やかに進行させることができ、かつ貯蔵安
定性に優れた接着剤となる。
【0079】請求項11に記載の発明では、請求項1〜
10の何れかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物
を加熱溶融してから、被着体の一方または双方に溶融状
態で塗布し、塗布された反応性ホットメルト接着剤組成
物に上記光を照射してから被着体を貼り合わせ、常温下
または加熱下にて圧着することにより接着が行われるの
で、塗布した後、光を照射するまでのタイミングを図る
ことにより、塗り置き時間を長くすることができる。す
なわち、塗布から、光の照射までの時間を長くすること
により、塗り置き時間の延長を図ることができ、用途や
接着部分に応じて、最適な塗り置き時間を設定すること
ができる。しかも、反応性ホットメルト接着剤組成物
は、光の照射によってのみ硬化が進行するものであるた
め、周囲の湿度や天候の変動などにより、耐熱性が発現
するまでの時間も変動し難い。
【0080】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。
【0081】(使用したエポキシ樹脂)以下の実施例及
び比較例では、適宜、下記のエポキシ樹脂の1種以上を
用いた。
【0082】エポキシ樹脂1…油化シェルエポキシ社
製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名:エピコ
ート1004、軟化点97℃、エポキシ当量875〜9
75。 エポキシ樹脂2…油化シェルエポキシ社製、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、商品名:エピコート828、常
温液晶、エポキシ当量184〜194。
【0083】エポキシ樹脂3…ダイセル化学工業社製、
エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレン、商品名:
エポフレンドA1020、180℃溶融粘度4170ポ
イズ、ブタジエン/スチレン重量比60/40。
【0084】エポキシ樹脂4…油化シェルエポキシ社
製、脂肪族エポキシ樹脂、商品名:エピコートRXE2
1、常温液状、エポキシ当量約220。 エポキシ樹脂5…ダイセル化学工業社製、脂環式エポキ
シ樹脂、商品名:EHPE3150、軟化点85±10
℃、エポキシ当量170〜200。
【0085】エポキシ樹脂6…住友化学工業社製、反応
性エチレンコポリマー、商品名:ボンドファースト20
M、グリシジルメタクリレート含有量6重量%、アクリ
ル酸メチル含有量30重量%、MFR20g/10分。 エポキシ樹脂7…油化シェルエポキシ社製、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、商品名:エピコート1001、
軟化点=64℃、エポキシ当量=450〜500。
【0086】(実施例1)エポキシ樹脂1(油化シェル
エポキシ社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品
名:エピコート1004、軟化点97℃、エポキシ当量
875〜975)50重量部と、エポキシ樹脂2(油化
シェルエポキシ社製、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、商品名:エピコート828、常温液状、エポキシ当
量184〜194)50重量部と、カチオン重合開始剤
として旭電化工業社製、芳香族スルホニウム塩系のカチ
オン重合触媒、商品名:SP−170(常温液状)1重
量部とを、加熱オイルを循環させ得るジャケットが設け
られたプラネタリーミキサーに投入し、アルミ箔で全体
を覆った後、120℃の温度で、30rpmで30分混
合し、反応性ホットメルト接着剤組成物を調製した。
【0087】(実施例2)エポキシ樹脂1に代えて、熱
可塑性樹脂(ヤスハラケミカル社製、スチレン樹脂、商
品名:YSレジンSX−100、軟化点100℃)50
重量部を用いたことを除いては、実施例1と同様にして
反応性ホットメルト接着剤組成物を調製した。
【0088】(比較例1)比較のために、積水化学工業
社製、湿気反応硬化型の反応性ホットメルト接着剤、商
品名:エスダイン9613(軟化点68℃)を用意し
た。
【0089】(実施例1,2及び比較例1の評価)実施
例1,2及び比較例1の反応性ホットメルト接着剤組成
物を用い、初期接着強度及び耐熱接着強度を下記の要領
で評価し、結果を表1に示した。
【0090】初期接着強度…120℃に設定されたロ
ールコーターを用いて、反応性ホットメルト接着剤組成
物を25mm×125mm×1.6mmのSPCCダル
鋼板に、50〜150μmの厚さで塗布した。しかる
後、塗布した反応性ホットメルト接着剤組成物に、OR
K製作所社製、高圧水銀灯「ジェットライトJL230
0」を用い、照度25mW/cm2 となるように、36
5nmの波長の光を3秒間照射し、さらに、25mm×
125mmの9号綿帆布を重ね、100℃で2分間、
0.5kg/cm2 の圧力を加えて加熱プレスした後、
23℃で2分間、0.5kg/cm2 の圧力を加えて冷
却プレスし、表1に記載の養生なしの条件の接着試験片
を作製した。この接着試験片を作製した直後に、JIS
K6854に準じて23℃において浮動ローラー法剥
離試験を行い、剥離強度を測定し、養生なしの場合の初
期接着強度とした。
【0091】また、上記と同様にして、但し、反応性ホ
ットメルト接着剤組成物をSPCCダル鋼板に塗布した
後、23℃、相対湿度60%で7日間養生してから光を
照射して接着試験片を作製し、養生後条件の場合の初期
接着強度を測定した。
【0092】耐熱接着強度…初期接着強度の評価に
際して作製した接着試験片と同様にして、但し、反応性
ホットメルト接着剤組成物を塗布した後、表1に示す2
3℃、相対湿度30%、3日間または23℃、相対湿度
95%、3日間の2種類の条件で養生してから接着試験
片を作製し、JIS K6854に準じて100℃にお
いて浮動ローラー法剥離試験を行い、剥離強度を測定
し、耐熱接着強度とした。
【0093】
【表1】
【0094】表1から明らかなように、比較例1として
用意した湿気硬化型の反応性ホットメルト接着剤では、
塗布後養生せずに、接着試験片を作製した場合には、初
期接着強度は2.1kg/25.4mmであったのに対
し、23℃で相対湿度60%で7日間養生した後に貼り
合わせた場合には、既に硬化が進行していたため、接着
強度が発現しなかった。
【0095】また、耐熱接着強度評価において、比較例
1の反応性ホットメルト接着剤では、23℃、相対湿度
30%で3日間養生した場合には、周囲の湿度が低いた
めか、耐熱接着強度が0.2kg/25.4mmと低か
った。これは、湿度が比較的低いため、硬化が十分に進
行していなかったためと考えられる。
【0096】これに対して、実施例1,2の反応性ホッ
トメルト接着剤組成物では、ホットメルト接着剤組成物
を溶融塗布した後、養生せずに貼り合わせた場合でも、
あるいは23℃、相対湿度60%の条件で7日間養生し
た後に貼り合わせた場合の何れにおいても、十分な初期
接着強度を示すと共に、耐熱接着強度についても、湿度
条件の異なる雰囲気で養生したとしても、何れの場合に
おいても、十分な耐熱接着強度を示した。
【0097】(実施例3)エポキシ樹脂3(ダイセル化
学工業社製、エポキシ化スチレン/ブタジエン/スチレ
ン、商品名:エポフレンドA1020、180℃溶融粘
度4170ポイズ、ブタジエン/スチレン重量比60/
40)60重量部と、エポキシ樹脂4(油化シェルエポ
キシ社製、脂肪族エポキシ樹脂、商品名:エピコートR
XE21、常温液状、エポキシ当量約220)40重量
部と、カチオン重合開始剤として旭電化工業社製、芳香
族スルホニウム塩系のカチオン重合触媒、商品名:SP
−170(常温液状)1重量部とを、加熱オイルを循環
させ得るジャケットが設けられたプラネタリーミキサー
に投入し、アルミ箔で全体を覆った後、150℃の温度
で、30rpmで30分混合し、反応性ホットメルト接
着剤組成物を調製した。
【0098】(実施例4)エポキシ樹脂3に代えて、エ
ポキシ樹脂5(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ
樹脂、商品名:EHPE3150、軟化点85±10
℃、エポキシ当量170〜200)85重量部とエポキ
シ樹脂4を15重量部とを用いたことを除いては、実施
例3と同様にして反応性ホットメルト接着剤組成物を調
製した。
【0099】(実施例5)エポキシ樹脂3に代えて、エ
ポキシ樹脂6(住友化学工業社製、反応性エチレンコポ
リマー、商品名:ボンドファースト20M、グリシジル
メタクリレート含量6重量%、アクリル酸メチル含量3
0重量%、MFR20g/10分)を70重量部とエポ
キシ樹脂4を30重量部とを用いたことを除いては、実
施例3と同様にして反応性ホットメルト接着剤組成物を
調製した。
【0100】(比較例2)エポキシ樹脂3及び4に代え
て、実施例1で用いたエポキシ樹脂2(油化シェルエポ
キシ社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名:
エピコート828、常温液状、エポキシ当量184〜1
92)92重量部と、アミン化合物としてトリエチレン
テトラミン8重量部とを用いたこと、カチオン重合開始
剤を用いなかったこと、並びに、プラネタリーミキサー
にて常温で30rpmで5分間混合したことを除いて
は、実施例3と同様にして反応性ホットメルト接着剤組
成物を調製した。
【0101】(比較例3)比較例3として、溶剤系接着
剤(積水化学工業社製、クロロプレン系接着剤、商品
名:エスダイン#272、固形分28重量%)を用意し
た。
【0102】(比較例4)比較のために、積水化学工業
社製、湿気反応硬化型の反応性ホットメルト接着剤、商
品名:エスダイン9613(軟化点68℃)を用意し
た。
【0103】(ゲル化時間、曇点及び揮発成分量)上記
のようにして調製された実施例3〜5及び比較例2〜4
の接着剤組成物のゲル化時間、曇点及び揮発成分量を、
以下の要領で測定した。結果を下記の表2に示す。
【0104】ゲル化時間…接着剤組成物をブリキ缶に
入れ、表2に示す各温度でオイルバスにより加熱し、ス
テンレス棒で攪拌しつつ、ゲル化するまでの時間を測定
した。 曇点…接着剤組成物をガラスビンに入れ、200℃の
ギアオーブンで加熱してから放冷し、不透明になった温
度を測定した。 揮発成分量…表2に記載の加熱条件にてJIS K7
235に準じて測定した。
【0105】(実施例3〜5及び比較例2〜4の評価)
実施例3〜5及び比較例2〜4の接着剤組成物を用い、
塗布後の外観性を下記の要領で評価すると共に、初
期接着強度及び耐熱接着強度を実施例1,2と同様に
して評価し、結果を表2に示した。
【0106】塗布後の外観…150℃(但し、比較例
4については120℃)に設定されたロールコーターに
接着剤組成物を投入し、3時間放置し、加熱した後、加
熱された接着剤組成物をSPCCダル鋼板に塗布した。
このときの塗布された接着剤の様子を目視により観察
し、SPCCダル鋼板上に接着剤が均一に塗布されたも
のを○、接着剤成分が分離して塗布されたものについて
△、接着剤が硬化し、塗布できなかったものについて×
を付し、下記の表2に示した。
【0107】
【表2】
【0108】表2から明らかなように、比較例2の接着
剤組成物では、エポキシ樹脂5を92重量部に対しアミ
ン化合物を8重量部配合してなるため、60℃における
ゲル化時間が0.7時間、120℃におけるゲル化時間
が0.1時間と短いためか、塗布後の外観性評価におい
て、3時間加熱しているうちに硬化してしまい、塗布す
ることができなかった。
【0109】比較例3についても、溶剤型接着剤を用い
たため、塗布後の外観評価において、3時間加熱した段
階で硬化していまい、塗布することができなかった。比
較例4では、従来の熱硬化型反応性ホットメルト接着剤
を用いており、塗布後外観評価において、3時間加熱し
た後塗布した場合でもSPCCダル鋼板に均一に塗布す
ることが可能であった。しかしながら、初期接着強度評
価において、塗布を養生せずに接着試験片を作成した場
合には初期接着強度が2.1kg/25.4mmであっ
たのに対し、23℃で相対湿度60%で7日間養生した
後に貼り合わせた場合には、既に硬化が進行していたた
め、接着強度が発現しなかった。また、耐熱接着強度評
価において、23℃及び相対湿度30%で3日間養生し
た場合には、周囲の湿度が低いためか、耐熱接着強度は
0.2kg/25.4mmと低かった。
【0110】これに対して、実施例3〜5に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物では、塗布後外観評価におい
て3時間加熱した後塗布した場合であっても、SPCC
ダル鋼板に均一に塗布することが可能であった。しか
も、溶融塗布後養生せずに貼り合わせた場合でも、ある
いは23℃、相対湿度60%の条件で7日間養生した後
に貼り合わせた場合の何れにおいても、十分な初期接着
強度を示すと共に、耐熱接着強度についても、湿度条件
の異なる雰囲気で養生したとしても、十分な耐熱接着強
度を示した。
【0111】(実施例6)エポキシ樹脂3(ダイセル化
学工業社製、エポキシ化スチレン/ブタジエン/スチレ
ン、商品名:エポフレンドA1020、180℃溶融粘
度4170ポイズ、ブタジエン/スチレン重量比60/
40)60重量部と、エポキシ樹脂4(油化シェルエポ
キシ社製、脂肪族エポキシ樹脂、商品名:エピコートR
XE21、常温液状、エポキシ当量約220)40重量
部と、カチオン重合開始剤として旭電化工業社製、芳香
族スルホニウム塩系のカチオン重合触媒、商品名:SP
−170(常温液状)1重量部とを、加熱オイルを循環
させ得るジャケットが設けられたプラネタリーミキサー
に投入し、アルミ箔で全体を覆った後、150℃の温度
で、30rpmで30分混合し、反応性ホットメルト接
着剤組成物を調製した。
【0112】上記反応性ホットメルト接着剤組成物の粘
度をJIS K6862のB法に準じて60℃、120
℃及び180℃において測定した。その結果、60℃に
おいては固形であり、120℃における粘度が8530
00cps、180℃における粘度が216000cp
sであった。また、上記反応性ホットメルト接着剤組成
物の軟化点を、JIS K6863に準じてシリコーン
オイルを用いて測定したところ、81℃であった。
【0113】(実施例7)エポキシ樹脂3に代えて、エ
ポキシ樹脂5(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ
樹脂、商品名:EHPE3150、軟化点85±10
℃、エポキシ当量170〜200)85重量部とエポキ
シ樹脂4を15重量部とを用いたことを除いては、実施
例6と同様にして反応性ホットメルト接着剤組成物を調
製した。
【0114】上記反応性ホットメルト接着剤組成物の粘
度及び軟化点を実施例6と同様にして測定した。60℃
において固形であり、120℃における粘度は950c
ps、180℃における粘度が100cps以下であっ
た。また、軟化点は64℃であった。
【0115】(実施例8)エポキシ樹脂3に代えて、エ
ポキシ樹脂6(住友化学工業社製、反応性エチレンコポ
リマー、商品名:ボンドファースト20M、グリシジル
メタクリレート含量6重量%、アクリル酸メチル含量3
0重量%、MFR20g/10分)70重量部とエポキ
シ樹脂4を30重量部とを用いたことを除いては、実施
例6と同様にして反応性ホットメルト接着剤組成物を調
製した。
【0116】上記反応性ホットメルト接着剤組成物の粘
度及び軟化点を実施例6と同様にして測定した。60℃
において固形であり、120℃における粘度は1210
000cps、180℃における粘度が149000c
psであった。また、軟化点は93℃であった。
【0117】(比較例5)三井・デュポンポリケミカル
社製、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:エ
バフレックス360、酢酸ビニル含量25重量%、軟化
点185℃)のみをホットメルト接着剤として用意し
た。このホットメルト接着剤の粘度を実施例6と同様に
して測定したところ、60℃、120℃、180℃にお
いて固形であった。
【0118】(比較例6)比較のために、積水化学工業
社製、湿気反応硬化型の反応性ホットメルト接着剤、商
品名:エスダイン9613(軟化点68℃)を用意し
た。
【0119】(実施例6〜8及び比較例5,6の評価)
実施例6〜8及び比較例5,6の反応性ホットメルト接
着剤組成物を用い、塗布後外観を下記の要領で評価す
ると共に、初期接着強度及び耐熱接着強度を実施例
1,2と同様にして評価し、結果を表3に示した。
【0120】塗布後外観…塗布後外観評価について
は、ビード塗布及びスプレー塗布により接着剤組成物を
塗布し評価した。ビード塗布及びスプレー塗布による塗
布後外観評価は以下の要領で行った。
【0121】(ビード塗布)…ノズルタイプのガンが取
り付けられたノードソン社製ホットメルトアプリケータ
ーにより、150℃(但し、比較例5については200
℃、比較例6について120℃)に加熱した接着剤組成
物をビード状となるようにSPCCダル鋼板上に塗布し
た。このときの接着剤の状態を目視により観察し、SP
CCダル鋼板上に接着剤組成物のビードがその形を保っ
て形成されているものについては○印、ビードが形成さ
れなかったものについては×印を付し、下記の表3に結
果を示した。
【0122】(スプレー塗布)…サンツール社製、ハン
ディー型ホットメルトエアーガンにより、150℃(比
較例5については200℃、比較例6については120
℃)に加熱した接着剤組成物を3.5kg/cm2 の圧
力にてSPCCダル鋼板上に噴霧塗布した。このときの
接着剤の状態を目視により観察し、SPCCダル鋼板上
に接着剤を均一にスプレーし得た場合について○印、ス
プレーできなかったものについて×印を付し、下記の表
3に結果を示した。
【0123】
【表3】
【0124】表3から明らかなように、ホットメルト型
樹脂のみを用いた比較例5のホットメルト接着剤組成物
では、軟化点が185℃と高すぎたためか、ビード塗布
した場合の塗布後外観評価においてビードの形状が保た
れず、かつスプレー塗布による塗布後外観評価において
は噴霧塗布することができなかった。
【0125】また、比較例6に係る反応性ホットメルト
接着剤組成物では、120℃における粘度が13000
cpsであり、軟化点が68℃であったため、ビード塗
布及びスプレー塗布の何れによる塗布後外観評価におい
ても、ビードの形状の保持あるいはスプレー塗布が可能
とされていた。しかしながら、塗布後養生せずに、接着
試験片を作製した場合には、初期接着強度は2.1kg
/25.4mmであったのに対し、23℃で相対湿度6
0%で7日間養生した後に貼り合わせた場合には、既に
硬化が進行していたため、接着強度が発現しなかった。
また、耐熱接着強度評価において、23℃、相対湿度3
0%で3日間養生した場合には、周囲の湿度が低いため
か、耐熱接着強度が0.2kg/25.4mmと低かっ
た。これは、湿度が比較的低いため、硬化が十分に進行
していなかったためと考えられる。
【0126】これに対して、実施例6〜8の反応性ホッ
トメルト接着剤組成物では、粘度または軟化点が請求項
5,6に記載の発明に係る範囲とされていたため、ビー
ド塗布及びスプレー塗布の何れによる塗布後外観評価に
おいても、良好な結果を示し、かつホットメルト接着剤
組成物を溶融塗布した後、養生せずに貼り合わせた場合
でも、あるいは23℃、相対湿度60%の条件で7日間
養生した後に貼り合わせた場合の何れにおいても、十分
な初期接着強度を示すと共に、耐熱接着強度について
も、湿度条件の異なる雰囲気で養生したとしても、何れ
の場合においても、十分な耐熱接着強度を示した。
【0127】(請求項7,8に記載の発明に係る実施
例) (実施例9)上記エポキシ樹脂3を60重量部と、エポ
キシ樹脂4を40重量部と、光カチオン重合開始剤(旭
電化工業社製、商品名:SP−170(常温液状))1
重量部とを、加熱オイルを循環させ得るジャケットが設
けられたプラネタリーミキサーに投入し、アルミ箔で全
体を覆った後、150℃の温度で、30rpmで30分
混合し、反応性ホットメルト接着剤組成物を調製した。
【0128】(実施例10)エポキシ樹脂3及び4に代
えて、エポキシ樹脂5を85重量部、エポキシ樹脂4を
15重量部配合したことを除いては、実施例9と同様に
して反応性ホットメルト接着剤組成物を調製した。
【0129】(実施例11)エポキシ樹脂として、エポ
キシ樹脂6を70重量部とエポキシ樹脂4を30重量部
配合したことを除いては、実施例9と同様にして反応性
ホットメルト接着剤組成物を調製した。
【0130】(比較例7)エポキシ樹脂7を34重量部
と、ヒドロキシル化合物(旭電化工業社製ポリエーテル
ポリオール、商品名:G−700、常温液状、OH価=
205〜245mgKOH/g)12重量部と、ホット
メルト型樹脂(ヒュルス社製結晶性ポリエステル樹脂、
商品名:ダイナポールS1402、軟化点=102℃)
53重量部と、カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、
商品名:SP−170)1重量部とを配合した組成を用
いたことを除いては、実施例9と同様にして反応性ホッ
トメルト接着剤組成物を調製した。
【0131】(比較例8)エポキシ樹脂7を100重量
部と、カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、商品名:
SP−170)1重量部とを配合した組成を用いたこと
を除いては、実施例9と同様にして反応性ホットメルト
接着剤組成物を調製した。
【0132】(比較例1)比較のために、積水化学工業
社製、湿気反応硬化型の反応性ホットメルト接着剤、商
品名:エスダイン9613(軟化点68℃)を用意し
た。
【0133】(光透過率)実施例9〜11及び比較例7
で得た各反応性ホットメルト接着剤組成物の光透過率を
以下の要領で測定した。結果を下記の表4に示す。 光透過率の測定…組成物を150℃にて熱プレスし、1
mmのシート状とし、日立製作所社製、分光光度計U−
3500を用い、23℃で365nmの波長における透
過率を測定した。
【0134】(23℃貯蔵弾性率)実施例9〜11及び
比較例8で得た各反応性ホットメルト接着剤組成物の2
3℃貯蔵弾性率を以下の要領で測定した。結果を下記の
表4に示す。
【0135】23℃貯蔵弾性率の測定…得られた各反応
性ホットメルト接着剤組成物を150℃で熱プレスし、
2mmのシート状とし、150℃に加熱された包丁を用
い、5mm×50mm×2mmの短冊状に加工した。得
られた短冊について、岩本製作所社製、動的粘弾性測定
装置VES−F3を用い、周波数10Hz、昇温速度3
℃/分で、JIS K7198のA法(引張振動法)に
準じ、23℃における動的貯蔵弾性率を測定した。
【0136】(実施例9〜11及び比較例1,7の評
価)実施例9〜11及び比較例1,7の反応性ホットメ
ルト接着剤組成物を用い、初期接着強度及び耐熱接
着強度を実施例1,2と同様にして評価し、結果を下記
の表4に示した。
【0137】
【表4】
【0138】表4から明らかなように、比較例1として
用意した湿気硬化型の反応性ホットメルト接着剤では、
塗布後養生せずに、接着試験片を作製した場合には、初
期接着強度は2.1kg/25.4mmであったのに対
し、塗布後23℃で相対湿度60%で7日間養生した後
に貼り合わせた場合には、既に硬化が進行していたた
め、接着強度が発現しなかった。
【0139】また、耐熱接着強度評価において、比較例
1の反応性ホットメルト接着剤では、23℃、相対湿度
30%で3日間養生した場合には、周囲の湿度が低いた
めか、耐熱接着強度が0.2kg/25.4mmと低か
った。これは、湿度が比較的低いため、硬化が十分に進
行していなかったためと考えられる。
【0140】他方、比較例7の反応性ホットメルト接着
剤では、1mm厚のシートとした場合の365nmの波
長の光の透過率が0.5%と低いためか、耐熱接着強度
が、相対湿度30%及び95%の何れにおいて養生した
場合でも発現しなかった。これは、接着剤全部が十分に
硬化しなかったためと考えられる。
【0141】他方、比較例8の反応性ホットメルト接着
剤では、23℃貯蔵弾性率が3×109 Paと大きいた
めか、相対湿度30%及び95%の何れにおいても、3
日間養生しただけでは、耐熱接着強度が発現しなかっ
た。
【0142】これに対して、実施例9〜11の反応性ホ
ットメルト接着剤組成物では、ホットメルト接着剤組成
物を溶融塗布した後、養生せずに貼り合わせた場合で
も、あるいは23℃、相対湿度60%の条件で7日間養
生した後に貼り合わせた場合の何れにおいても、十分な
初期接着強度を示すと共に、耐熱接着強度についても、
湿度条件の異なる雰囲気で養生したとしても、何れの場
合においても、十分な耐熱接着強度を示した。
【0143】
【発明の効果】請求項1〜8に記載の発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物では、被着体に従来のホット
メルト接着剤と同様に加熱溶融により容易に塗布するこ
とができ、かつカチオン重合性化合物の高分子量化によ
り硬化するため、接着硬化物の耐熱性が高められる。加
えて、硬化については、光の照射によりカチオン重合性
化合物の高分子量化が進行するまで進行しないため、反
応性ホットメルト接着剤組成物を塗布した後、光の照射
のタイミングを図ることにより、塗り置き時間を延長す
ることができる。すなわち、塗布後、光の照射までの時
間を延長した場合であっても、光の照射を行うまでは硬
化が進行しないため、被着体同士を容易に貼り合わせる
ことができる。
【0144】従って、用途や接着部分の状況に応じて、
塗り置き時間を最適な時間に設定することができる。加
えて、貼り合わせ後、接着硬化物が耐熱性を発現するま
での時間が、季節や天候に大きく左右されることもな
い。
【0145】また、請求項2に記載の発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物では、空気雰囲気下で60℃
に加熱したときのゲル化時間が1時間以上であるため、
長時間の加熱溶融塗工作業が可能であり、従って、複雑
な接着部分や、連続的に多数の接着部分に無理なく適用
することができ、反応性ホットメルト接着剤の用途を拡
大することができる。
【0146】請求項3に記載の発明に係る反応性ホット
メルト接着剤組成物では、さらに、上記曇点が180℃
未満であるため、長時間の加熱溶融塗工作業が可能であ
り、従って、複雑な接着部分や、連続的に多数の接着部
分に無理なく適用することができ、反応性ホットメルト
接着剤の用途を拡大することができる。
【0147】また、請求項4に記載の発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物では、さらに、60℃で6時
間加熱したときの揮発成分が組成物の5重量%未満であ
るため、やはり、長時間の加熱溶融工程を実施した場合
であっても組成の変動が生じ難いため、長時間の加熱溶
融塗工作業が可能であり、反応性ホットメルト接着剤組
成物の用途を拡大することが可能となる。
【0148】また、請求項5に記載の発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物では、60℃における粘度が
100cps以上であり、かつ180℃における粘度が
100万cps以下であるため、あるいは、請求項6に
記載の発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物で
は、軟化点が40〜180℃の範囲とされているため、
ビード塗布やスプレー塗布などの種々の塗布方法により
被着体に溶融状態で塗工した場合であっても、塗布され
た接着剤の形状を目的とする形状に維持することがで
き、かつ被着体に対して安定かつ均一に塗布することが
できる。従って、様々な塗工方法に好適に用いることが
でき、すなわち塗工方法の種類が制約され難い反応性ホ
ットメルト接着剤組成物を提供することが可能となる。
【0149】さらに、請求項7に記載の発明に係る反応
性ホットメルト接着剤組成物では、1mmシート厚とし
た場合、365nmの波長の光の23℃における透過率
が1%以上とされているため、光が接着剤の内部まで確
実に到達し、内部においてもカチオン重合性化合物の硬
化が確実に進行する。従って、接着剤全体が、未硬化部
分を生じることなく均一に硬化するため、十分な耐熱接
着性を発現し得る。
【0150】また、請求項8に記載の発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物では、活性エネルギー照射前
の23℃における貯蔵弾性率が、上記特定の範囲にある
ため、貼り合わせてから耐熱接着性が発現するまでの時
間が短くなり、従って、耐熱接着性が要求される用途に
好適なホットメルト接着剤組成物を提供することができ
る。
【0151】本発明に係る接着方法では、本発明に係る
反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融してから、
被着体の少なくとも一方に溶融状態で塗布し、塗布され
た反応性ホットメルト接着剤組成物に光を照射してから
被着体同士を貼り合わせ、常温下または加熱下にて圧着
するため、上記塗布から光を照射するまでの時間を調整
することにより、被着体の種類や接着部分に応じて、塗
り置き時間を容易に制御することができ、その場合であ
っても、被着体同士を確実に貼り合わせることができる
と共に、耐熱性に優れた接着硬化物を与えることが可能
となる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン重合性化合物及び光の照射によ
    りカチオン重合性化合物を硬化させるためのカチオン重
    合開始剤を含むことを特徴とする反応性ホットメルト接
    着剤組成物。
  2. 【請求項2】 カチオン重合性化合物と、光の照射によ
    りカチオン重合性化合物を硬化させるためのカチオン重
    合開始剤とを含み、空気雰囲気下で60℃に加熱したと
    きのゲル化時間が1時間以上であることを特徴とする反
    応性ホットメルト接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 カチオン重合性化合物と、光の照射によ
    りカチオン重合性化合物を硬化させるためのカチオン重
    合開始剤とを含み、曇点が180℃未満であることを特
    徴とする反応性ホットメルト接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 カチオン重合性化合物と、光の照射によ
    りカチオン重合性化合物を硬化させるためのカチオン重
    合開始剤とを含み、60℃で6時間加熱したときの揮発
    成分が全組成物の5重量%未満であることを特徴とする
    反応性ホットメルト接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 カチオン重合性化合物及び光の照射によ
    りカチオン重合性化合物を硬化させるためのカチオン重
    合開始剤を含み、60℃において粘度が100cps以
    上であり、かつ180℃において粘度が100万cps
    以下であることを特徴とする反応性ホットメルト接着剤
    組成物。
  6. 【請求項6】 カチオン重合性化合物及び光の照射によ
    りカチオン重合性化合物を硬化させるためのカチオン重
    合開始剤を含み、環球式測定法による軟化点が40〜1
    80℃の範囲にあることを特徴とする反応性ホットメル
    ト接着剤組成物。
  7. 【請求項7】 カチオン重合性化合物及び光の照射によ
    りカチオン重合性化合物を硬化させるためのカチオン重
    合開始剤を含み、1mm厚のシートとしたときに、36
    5nmの波長の光の透過率が23℃で1%以上、100
    %未満であることを特徴とする反応性ホットメルト接着
    剤組成物。
  8. 【請求項8】 カチオン重合性化合物及び光の照射によ
    りカチオン重合性化合物を硬化させるためのカチオン重
    合開始剤を含み、1mm厚のシートとしたときに、光照
    射前の23℃における貯蔵弾性率が1×103 Pa〜1
    ×109 Paの範囲にあることを特徴とする反応性ホッ
    トメルト接着剤組成物。
  9. 【請求項9】 カチオン重合性化合物が1分子当たり平
    均1以上の下記の式(1)の構造を有する化合物または
    1分子当たり平均1以上のエポキシ基を有するエポキシ
    化合物である請求項1〜8の何れかに記載の反応性ホッ
    トメルト接着剤組成物。 【化1】 なお、式(1)において、m、nは、0、1または2、
    1 、R2 、R3 及びR4 は、メチル基、エチル基、イ
    ソプロピル基、イソアミル基、フェニル基または水素原
    子である。
  10. 【請求項10】 前記カチオン重合開始剤が、芳香族ヨ
    ードニウム塩、芳香族スルホニウム塩及びメタロセン塩
    からなる群から選択した少なくとも1種である請求項1
    〜9の何れかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成
    物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れかに記載の反応
    性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融し、被着体の一
    方または両方に溶融状態で塗布し、塗布された反応性ホ
    ットメルト接着剤組成物に光を照射してから被着体同士
    を貼り合わせ、圧着することを特徴とする接着方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001146583A (ja) * 1999-09-06 2001-05-29 Sekisui Chem Co Ltd 反応性ホットメルト接着剤組成物
WO2002055625A1 (fr) * 2001-01-15 2002-07-18 Sekisui Chemical Co., Ltd. Composition d'adhesif thermofusible photoreactif
US7021550B2 (en) 2002-06-19 2006-04-04 Konica Corporation Preparing method of IC card and IC card

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