JP4231870B2 - 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法 - Google Patents

反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法 Download PDF

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Description

本発明は、加熱溶融塗工により適用され、活性エネルギー線の照射により硬化が進行する反応性ホットメルト接着剤組成物及びこれを用いた接着方法に関し、より詳細には、硬化速度が高められた反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法に関する。
製本、包袋、繊維加工、木工、弱電または輸送などの種々の分野において、紙、繊維、木材、ガラス、プラスチックまたは金属などを接着するのにホットメルト接着剤が幅広く用いられている。
ホットメルト接着剤による接着に際しては、アプリケーター内においてホットメルト接着剤を通常100〜200℃程度の温度で加熱溶融する。次に、溶融状態のホットメルト接着剤を被着体に塗布し、被着体同士を貼り合わせる。ホットメルト接着剤の冷却固化により、被着体同士が接着される。
ホットメルト接着剤では、冷却固化により接着強度が速やかに高まるため、被着体を貼り合わせてから十分な接着強度を実現するまでの時間が通常1分以内と非常に短い。従って、短時間で接着作業を完了することができる。
しかしながら、上記ホットメルト接着剤では、接着剤が固化することにより接着力が発現されるので、一旦被着体同士をホットメルト接着剤を介して接着したとしても、高温雰囲気にさらされるとホットメルト接着剤が軟化したり、溶融したりし、接着力が著しく低減するという問題があった。このような問題を解決するものとして、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、粘着付与樹脂とを含む反応性ホットメルト接着剤が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この先行技術に記載の反応性ホットメルト接着剤においても、片方もしくは双方の被着体にホットメルト接着剤を塗布した後、被着体同士を貼り合わせるまでの塗り置き時間を長くすると、周辺雰囲気中の湿気により硬化が進行し、接着できなくなるという問題があった。また、接着してから接着剤が耐熱性を発現するまでの時間が長く、季節や天候により大きく変化するという問題もあった。
特公昭51−30898号公報
本発明の目的は、接着剤塗布後貼り合わせまでの塗り置き時間を十分に長くした場合であっても、確実に被着体同士を接着することができ、かつ貼り合わせ後耐熱性を発現するまでの時間が短く、該時間が季節や天候により大きく左右され難い反応性ホットメルト接着剤及びこれを用いた接着方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、環球式測定法による軟化点が50〜180℃であるビスフェノール型エポキシ樹脂と、ビスフェノール型エポキシ樹脂以外のエポキシ化合物と、活性エネルギー線の照射によりカチオン重合性化合物を重合し硬化させるためのカチオン重合開始剤とを含む反応性ホットメルト接着剤組成物であって、エポキシ化合物は、末端エポキシ化ポリエーテルポリオールであることを特徴とする。
更に、別の態様の本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックまたはその部分水添物の重合体ブロックとを同一分子内に有するブロック共重合体の共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化してなるエポキシ変成ブロック共重合体と、エポキシ化合物と、活性エネルギー線の照射によりカチオン重合性化合物をカチオン重合し硬化させるためのカチオン重合開始剤とを含むことを特徴とする。
また、上記カチオン重合開始剤としては、好ましくは、請求項2に記載のように、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩及びメタロセン塩からなる群から選択した少なくとも1種が用いられる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1、2のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融し、被着体の一方または両方に溶融状態で塗布し、塗布された反応性ホットメルト接着剤組成物に活性エネルギー線を照射してから被着体同士を貼り合わせ、常温または加熱下にて圧着することを特徴とする接着方法である。
以下に本発明を詳述する。
(別の態様の本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物におけるエポキシ変成ブロック共重合体)
別の態様の本発明における上記エポキシ変成ブロック共重合体は、上記のように、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックまたはその部分水添物の重合体ブロックとを同一分子内に持つブロック共重合体の共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したものであり、カチオン重合性化合物を構成する。
上記ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックを構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3級ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−ジフェニルスチレンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができ、中でもスチレンが好ましい。
また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができ、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。
ここで上記ブロック共重合体とは、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、上記共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体をいうものとする。また、ビニル芳香族系化合物と共役ジエン化合物の共重合比は、重量比で5:95〜70:30の範囲とすることが好ましい。
また、上記ブロック共重合体の重量平均分子量は1万〜40万の範囲とすることが望ましく、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnは10以下が望ましい。
上記ブロック重合体の分子構造については、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。さらに、ブロック重合体の共役ジエン化合物の不飽和結合は部分的に水素添加されたものであってもよい。
上記エポキシ変成ブロック共重合体は、上述したブロック共重合体をエポキシ化することにより得られる。例えば、上記ブロック共重合体を不活性溶媒中でハイドロパーオキサイド類や過酸類などのエポキシ化剤と反応させることにより得ることができる。
上記のような共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化してなるエポキシ変成ブロック共重合体としては、ダイセル化学工業社製、エポキシ化スチレンブタジエンスチレン共重合体(商品名:エポフレンドA1020)などを用いることができる。
(別の態様の本発明のホットメルト接着剤組生物において用いられるエポキシ化合物)
別の態様の本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物では、上記エポキシ化合物として、上述したエポキシ変成ブロック共重合体以外の化合物であり、カチオン重合により重合可能な少なくとも1個のオキシラン環を有する有機化合物からなるものを用いることができ、該エポキシ化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーであってもよく、脂肪族、脂環式及び芳香族の何れのエポキシ化合物であってもよい。また、上記エポキシ化合物は、好ましくは、1分子当たり平均1以上のエポキシ基を有し、より好ましくは1分子当たり平均2以上のエポキシ基を有する。
なお、エポキシ基の1分子当たりの「平均」の数は、エポキシ化合物中のエポキシ基の数を、存在するエポキシ分子の総数によって除算することにより求められる。
ポリマーであるエポキシ化合物としては、末端エポキシ基を有する直鎖状ポリマー(例えば、ポリオキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテル)、骨格中にオキシラン単位を有するポリマー(例えば、ポリブタジエンポリエポキシド)、及び側鎖にエポキシ基を有するポリマー(グリシジル(メタ)アクリレートポリマーまたはコポリマー)等が挙げられる。
上記エポキシ化合物の分子量についても特に限定されるわけではないが、約58〜約10万の範囲に渡り得る。上記エポキシ化合物の具体的な例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの芳香族エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどの脂環式エポキシ樹脂、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,2−ビス〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル〕プロパンなどの脂肪族エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレートのように分子中にオキシラン環を有する(メタ)アクリレート重合体もしくは共重合体、エポキシ化ポリブタジエン、及びブタジエンと他のモノマーとの共重合体のエポキシ化物、これらの各エポキシ樹脂の変性物などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、上記エポキシ化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
また、上記エポキシ化合物は、上述したエポキシ変成ブロック共重合体と均一に相溶するものが好ましく、特に好ましいエポキシ化合物としては、エポキシ化不飽和油やエポキシ化ポリブタジエンを挙げることができる。上記エポキシ化不飽和油としては、エポキシ化アマニ油やエポキシ化大豆油などを挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、上記エポキシ化ポリブタジエンとしては、ポリブタジエンまたは部分的に水素添加したポリブタジエンの不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの;ポリブタジエンまたは部分的に水素添加したポリブタジエン、あるいは完全に水素添加したポリブタジエンの末端にエポキシ基を導入したものを挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
上記エポキシ化合物は、エポキシ変成ブロック共重合体100重量部に対し、5〜400重量部の範囲で配合することが好ましく、より好ましくは10〜200重量部の範囲である。5重量部よりも配合割合が少ない場合には、架橋反応の進行が遅くなり、接着後耐熱性を発現するまでの時間が長くなることがあり、400重量部を超えると、ホットメルト接着剤としての凝集力が低下し、接着直後の接着強度が小さくなることがある。
(請求項1に記載の発明に係るビスフェノール型エポキシ樹脂及びエポキシ化合物)請求項1に記載の発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物では、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂が用いられるが、このビスフェノール型エポキシ樹脂としては、環球式測定法による軟化点が50〜180℃の範囲にある限り、特に限定されるものではなく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などの任意のビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることができる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の軟化点が50℃より低いと、ホットメルト接着剤としての凝集力が低下し、接着直後の接着強度が小さくなる。また、180℃より高いと、溶融粘度が極めて高くなり、接着剤を配合することが困難となり、また配合し易くするために温度を高めると接着剤の熱劣化を引き起こすことになる。
なお、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、2種以上併用してもよい。上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の具体例としては、油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコート1004(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)などを挙げることができる。
請求項1に記載の発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物において、上記エポキシ化合物としては、請求項1に記載の発明に係るエポキシ化合物と同様に、カチオン重合によって重合可能な少なくとも1個のオキシラン環を有する有機化合物からなるものを用いることができる。もっとも、別の態様の発明では、エポキシ化合物としては、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂以外のエポキシ化合物を用いることが必要である。その他の点については、別の態様の本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物において用いられるエポキシ化合物と同様であるため、別の態様の本発明についてのエポキシ化合物の説明を援用することとする。
すなわち、請求項1に記載の発明に係る反応性ホットメルト接着剤においても、上記エポキシ化合物としては、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれでもあってもよく、脂肪族、脂環式、芳香族などの種々の構造のものを用いることができ、かつ好ましくは、1分子あたり1以上のエポキシ基を有し、より好ましくは1分子あたり2以上のエポキシ基を有するものが用いられる。また、ポリマーエポキシ化合物についても、上述したものを用いることができる。
請求項1に記載の発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物では、上記エポキシ化合物は、ビスフェノール型エポキシ樹脂100重量部に対し、5〜400重量部の割合で配合することが好ましく、より好ましくは10〜200重量部の割合で配合される。エポキシ化合物の配合割合が5重量部より少なくと、架橋反応の進行が遅くなり、接着後の耐熱性を発現するまでの時間が長くなることがある。また、400重量部より多いと、ホットメルト接着剤としての凝集力が低下し、接着直後の接着強度が小さくなる。
また、請求項1に記載の発明において、上記エポキシ化合物として特に好ましいものは、末端エポキシ化ポリエーテルポリオールである。末端エポキシ化ポリエーテルポリオールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのようなポリアルキレングリコールの構造を分子内に有するポリオールのグリシジルエーテルであり、分子鎖の末端に少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個のエポキシ基を有するものである。
ここで、上記ポリアルキレングリコールの構造を分子内に有するポリオールは、ポリヒドロキシアルカン(エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなど)、非還元糖と糖誘導体(ソルビトール、ショ糖など)、ポリフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールFなど)、あるいは天然油(ヒマシ油など)のようなヒドロキシル基含有化合物に、アルキレンオキサイドなどを付加させることにより得られる。上記末端エポキシ化ポリエーテルポリオールは2種以上併用されてもよい。
別の態様の発明に係る反応性ホットメルト接着剤におけるポバール及びエポキシ化合物)
別の態様の発明に係る反応性ホットメルト接着剤では、上記のようにポバールが用いられる。ポバールとしては、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られるものである限り、特に限定されないが、ケン化度が0.1〜60%のものが好ましく、1〜40%のものがより好ましい。ケン化度が0.1%より小さい場合、及び60%より大きい場合には、架橋反応の進行が遅くなり、接着後、耐熱性を発現するまでの時間が長くなることがある。なお、「ケン化度」とは、ケン化前のポリ酢酸ビニルの酢酸エステル基の数に対する、ケン化後のヒドロキシル基の数の比をいうものとする。
また、ポバールは、環球式測定法による軟化点が40〜180℃の範囲にあるものであることが望ましい。軟化点が40℃より低いと、ホットメルト接着剤としての凝集力が小さくなり、接着直後の接着強度が小さくなることがあり、180℃より高いと、溶融粘度が極めて高くなり、接着剤の配合が困難となることがあり、また、配合し易くするために温度を高めると、接着剤の熱劣化を引き起こすことがある。上記ポバールについては、2種以上を併用してもよい。また、ポバールは、酸ケン化法、アルカリケン化法のような公知の方法により製造され得る。
別の態様の発明においては、上記エポキシ化合物として、カチオン重合により重合可能な少なくとも1個のオキシラン環を有する有機化合物からなる任意のエポキシ化合物を用いることができる。このようなエポキシ化合物については、別の態様の本発明において用いられるエポキシ化合物と同様のエポキシ化合物を用い得るため、別の態様の本発明におけるエポキシ化合物の説明を援用することとする。
すなわち、別の態様の発明においても、エポキシ化合物としては、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれの形態のものであってもよく、脂肪族、脂環式、芳香族等のいずれの構造を有するものであってもよい。また、好ましくは、1分子あたり1以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物が、より好ましくは1分子あたり2以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物が用いられる。
また、前述したポリマーエポキシ化合物も用いることができ、さらに、エポキシ化合物についても、2種以上併用してもよい。もっとも、好ましくは、別の態様の発明においては、上記エポキシ化合物としてポバールと均一に相溶するものが好ましく、このようなエポキシ化合物としては、油化シェルエポキシ社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名:エピコート828、ユニオンカーバイド社製、脂環式エポキシ樹脂、商品名:ERL4221などを挙げることができる。
上記エポキシ化合物は、ポバール100重量部に対し、5〜400重量部の割合で配合することが好ましく、より好ましくは10〜200重量部の割合で配合することが望ましい。配合割合が5重量部より少ないと、架橋反応の進行が遅くなり、接着後の耐熱性を発現させるまでの時間が長くなることがあり、400重量部より多くなると、ポバールの添加による接着後耐熱性を発現するまでの時間を短縮する効果が十分に得られないことがある。
別の態様の発明に係る反応性ホットメルト接着剤におけるエチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体)
別の態様の発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物では、カチオン重合性化合物として、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体が用いられるが、このエチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、エチレン10〜99.9重量%と、グリシジルアクリレートもしくはグリシジルメタクリレート90〜0.1重量%を含むようにこれらを共重合してなるもの、より好ましくはエチレン50〜99.9重量%とグリシジルアクリレートもしくはグリシジルメタクリレート50〜0.1重量%の割合でこれらを共重合してなるものが用いられる。
エチレン含量が99.9重量%より多くなると、架橋反応の進行が遅くなり、接着後の耐熱性を発現するまでの時間が長くなることがあり、エチレン含量が10重量%未満の場合には、ホットメルト接着剤としての凝集力が低下し、接着直後の接着強度が小さくなることがある。
上記エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体は、環球式測定法による軟化点が40〜180℃の範囲にあるものが好ましい。軟化点が40℃より低いと、ホットメルト接着剤としての凝集力が低下し、接着直後の接着強度が小さくなることがあり、180℃より高くなると、溶融粘度が極めて高くなり、接着剤の配合が困難となり、また、配合をし易くするために温度を高めると接着剤の熱劣化を引き起こすことがある。
上記エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体は、さらに、他のラジカル重合性モノマーが重合された多元共重合体であってもよい。このような共重合可能なラジカル重合性モノマーとしては、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどを挙げることができるが、こられに限定されるものではない。
上記エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体は2種以上併用してもよく、また該エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体は、常用のフリーラジカル重合法のような公知の方法により製造することができる。
上記エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体の具体的な例としては、例えば、住友化学工業社製、商品名:ボンドファーストCG5001(反応性エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体)、同、商品名:ボンドファースト20Mなどを挙げることができる。
別の態様の発明における任意成分としてのヒドロキシル基含有ポリオレフィン)
別の態様の発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物では、好ましくは、ヒドロキシル基含有ポリオレフィンがさらに配合される。ヒドロキシル基含有ポリオレフィンとしては、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体と均一に相溶するものであれば特に限定されず、液体であってもよく、固体であってもよく、少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個のヒドロキシル基を有するものが用いられる。上記ヒドロキシル基は、分子末端にあってもよく、またポリマーもしくはコポリマーの側基であってもよい。
上記ヒドロキシル基含有ポリオレフィンの例としては、末端ヒドロキシル基化した水添ポリブタジエンなどを例示することができるが、これに限定されるものではない。
上記ヒドロキシル基含有ポリオレフィンは、2種以上併用されてもよい。また、該ヒドロキシル基含有ポリオレフィンは、公知の方法により製造され得るものである。
上記ヒドロキシル基含有ポリオレフィンが固形の場合には、環球式測定法による軟化点が100℃以下であることが好ましい。軟化点が100℃より高いと、架橋反応の進行が遅くなり、接着後耐熱性を発現するまでの時間が長くなることがある。
上記ヒドロキシル基含有ポリオレフィンは、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対し、好ましくは5〜400重量部、より好ましくは10〜200重量部の割合で配合される。ヒドロキシル基含有ポリオレフィンの配合割合が5重量部より少ないと、ヒドロキシル基含有ポリオレフィンによる、接着後の耐熱性を発現するまでの時間を短縮する効果が十分に得られないことがあり、400重量部を超えると、架橋反応の進行が遅くなり、接着後の耐熱性を発現するまでの時間が長くなることがある。
(カチオン重合開始剤)
上記カチオン重合開始剤としては、カチオン重合性化合物の重合を開始するためのカチオンを、活性エネルギー線の照射により生成し得るものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、及び/またはメタロセン塩が挙げられる。カチオン重合開始剤として有効な上記芳香族ヨードニウム塩及び芳香族スルホウニム塩は、例えば米国特許第4,256,828号に開示されている。また、メタロセン塩については、米国特許第5,089,536号に開示されている。カチオン重合開始剤の配合量は、活性エネルギー線の種類や強度、カチオン重合性化合物の種類や量、カチオン重合開始剤の種類等によって異なるが、好ましくは、カチオン重合性化合物100重量部に対して0.01〜10重量部配合される。
(添加し得る他の成分)
本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物には、必要に応じて、ヒドロキシル化合物を含有させてもよい。なお、別の態様の発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物では、ヒドロキシル化合物としては、上記ヒドロキシル基含有ポリオレフィン以外のヒドロキシル化合物が必要に応じて含有される。
使用し得るヒドロキシル化合物は液体であってもよく、固体であってもよいが、少なくとも1個、好ましくは、少なくとも2個のヒドロキシル基を有する。この場合、ヒドロキシル基は、化合物の末端にあってもよく、また、ポリマーもしくはコポリマーの側基に存在していてもよい。
上記ヒドロキシル化合物の例としては、アルキレングリコール、ポリヒドロキシアルカン、ポリオキシアルキレンポリオールなどを例示することができるが、これらに限定されるものではない。また、ヒドロキシル化合物は、単独で添加されてもよく、2種以上併用されてもよい。
また、別の態様の発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物では、必要に応じて、エポキシ化合物を含有させてもよい。この場合のエポキシ化合物としては、請求項1〜2に記載の発明において用いられるエポキシ化合物と同様のものを用いることができるため、これらのエポキシ化合物の説明を援用することとする。
また、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物においては、必要に応じて、ホットメルト型樹脂が添加され得る。すなわち、上記カチオン重合性化合物自体がホットメルト型樹脂の場合には、他のホットメルト型樹脂を用いる必要は必ずしもないが、上記カチオン重合性化合物がホットメルト型樹脂でない場合には、ホットメルト接着剤として用いることを可能とするために、ホットメルト型樹脂を添加することが好ましい。
上記ホットメルト型樹脂としては、低分子量のものから高分子量のものまで適宜の分子量のものを用いることができ、例えば、スチレン系樹脂や石油性樹脂、天然系樹脂などの粘着付与樹脂として慣用されている樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのゴム系樹脂、アクリル系共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂またはこれらのホットメルト型樹脂の各種変成物を例示することができるが、これらに限定されるものではなく、またこれらのホットメルト型樹脂については2種以上併用してもよい。
さらに、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物には、必要に応じて、(シランカップリング剤やチタンカップリング剤などの)密着性向上剤、増感剤、脱水剤、老化防止剤、安定剤、可塑剤、ワックス、充填剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、防カビ剤、粘度調整剤などの成分を添加することができるが、添加し得る他の成分については上記各成分に限定されるわけではない。また、上記添加し得る成分は2種以上添加されていてもよい。また、これらの成分は先に述べたホットメルト型樹脂製造時に予め添加されている場合もあり、その場合も許容される。
(反応性ホットメルト接着剤組成物の製造方法)
本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物の製造方法についても、配合する各成分を混合し、均一に分散し得る限り、如何なる方法を採用してもよいが、使用材料が溶融し得る適度な加熱条件下で製造する必要がある。また、製造に際しての各成分の混合分散は無溶媒で行ってもよく、不活性溶媒中で行ってもよい。具体的には、ダブルヘリカルリボン浴もしくはゲート浴、バタフライミキサー、プラネタリミキサー、三本ロール、ニーダールーダー型混練機またはエクストルーダー型混練押出機などの1種または2種以上を用いて行い得る。もっとも、各成分を混練する装置については、これらに限定されるわけではない。
何れの設備を用いて各成分を混合分散する場合においても、カチオン重合を阻害する成分である水分の混入が少なくなるので無水条件下で混合分散することが好ましい。また、各成分の混合分散に際しては、大気圧下、あるいは必要ならば大気圧以上もしくは大気圧以下で混合分散を行う。
また、製造時の各成分の投入順序については特に限定されるわけではないが、溶融時間の短縮あるいは得られた組成物の劣化を低減するには、一般に、溶融し難いもの、あるいは溶融時の熱や機械的剪断力により劣化を受け難いものから順に仕込むことが望ましい。なお、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物を製造するに際しては、硬化開始に有効な活性エネルギー線を遮断した状態で行うことが必要である。
反応性ホットメルト接着剤組成物の貯蔵方法については、硬化開始に有効な活性エネルギー線を遮断し得る限り、特に限定されるわけではないが、好ましい貯蔵容器としては、ペール缶、ブリキ缶、ドラム缶、カートリッジ、離型箱、離型トレー、段ボール容器、紙袋、プラスチック製の袋(例えばアルミ箔をサンドイッチした複合フィルム)などの硬化開始に有効な活性エネルギー線に対して不透明な容器などを挙げることができる。もっとも、これらの容器に限定されるわけではなく、またこれらの容器の材質についても、活性エネルギー線を遮断し得る限り、特に限定されるものではない。また、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、貯蔵されることなく、製造直後に直ちに使用されてもよい。
(接着方法)
請求項3に記載の発明に係る接着方法は、上記反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融し、被着体の一方または双方に溶融状態で塗布し、塗布された反応性ホットメルト接着剤組成物に活性エネルギー線を照射してから被着体を貼り合わせ、常温または加熱下にて圧着することにより接着を行う。
上記反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融して塗布する方法については、特に限定されるわけではないが、例えば、1.通常のホットメルトアプリケーターやホットメルトコーターなどにより加熱溶融したホットメルト接着剤組成物を被着体に塗布する方法、2.加熱溶融した反応性ホットメルト接着剤組成物中に被着体を浸漬する方法、3.ホットメルトエアーガンなどにより、加熱溶融しているホットメルト接着剤組成物を被着体に噴霧する方法、4.押出機などにより加熱溶融したホットメルト接着剤組成物を被着体表面に押出する方法などが挙げられる。
また、ペールアンローダー、カートリッジディスペンサーなどを用いて、ホットメルトアプリケーターにホットメルト接着剤組成物を供給してもよく、スティック、ペレット、スラッグ、ブロック、ピロー、ビレットなどの形態で、塗布装置にホットメルト接着剤組成物を供給してもよい。
加熱については、反応性ホットメルト接着剤組成物全体を加熱溶融してもよく、あるいは加熱体の近傍のみで加熱溶融してもよい。何れの溶融塗工方法を用いる場合においても、溶融塗工に際しては、硬化開始に有効な活性エネルギー線を遮断した状態で行うことが望ましい。
活性エネルギー線としては、上記カチオン重合開始剤からカチオンを生成し得る限り、適宜の活性エネルギー線を用いることができ、活性エネルギー線の種類については、カチオン重合開始剤の種類に応じて適宜選択され、好ましくは、光、特に紫外線が用いられる。好ましくは、200〜600nmの波長の光が用いられ、特に、カチオン重合開始剤として芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン塩などを用いる場合には、200〜400nmの波長の光を用いることが望ましい。
上記活性エネルギー線の照射量についても、カチオン重合開始剤の種類や反応性ホットメルト接着剤組成物の塗布されている部分の厚みや量によっても異なるため、一義的には定め得ないが、0.001J〜10Jの範囲とすることが望ましい。
活性エネルギー線の線源として、紫外線を用いる場合には、蛍光ランプ、高圧水銀灯などの紫外線の照射源として一般的に用いられているものを使用することができる。
また、上記活性エネルギー線の照射方法については、ホットメルト接着剤に直接照射してもよく、あるいは透明もしくは半透明の被着体を通して活性エネルギー線をホットメルト接着剤に有効量照射する方法を採用してもよく、特に限定されるものではない。
被着体の貼り合わせ及び圧着方法については、1.一方の被着体に反応性ホットメルト接着剤組成物を塗布した後、他方の被着体を貼り合わせ、適宜の圧力及び温度で必要な時間加圧する方法、2.両方の被着体に反応性ホットメルト接着剤組成物を塗布した後、適宜の圧力及び温度で必要な時間加圧する方法などを例示することができる。
本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、常態条件下において上記活性エネルギー線の照射により十分硬化し得るが、さらに硬化時間を短縮したい場合には、適当な温度に加熱してもよい。この場合、加熱方法は、反応性ホットメルト接着剤組成物の種類、被着体の形状や性質、加熱条件などに応じて異なるため一義的には定め得ないが、例えば、1.温風を吹き付ける方法、2.加熱したオーブン中に置く方法、3.ヒーターにて加熱する方法などを用いることができ、これらを2種以上併用してもよい。もっとも、上記加熱方法については、上記方法に限定されるものではない。なお、硬化時間を短縮する場合の加熱温度については、反応性ホットメルト接着剤組成物自体が軟化する温度よりも低い温度とすることが望ましい。さもないと、組成物の軟化により接着部分のズレ等が生じるおそれがある。
(適用される被着体)
本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物が適用される被着体、並びに本発明に係る接着方法で用いる被着体としては、特に限定されるものではないが、例えば、鉄、アルミニウムなどの金属もしくは合金、プラスチックまたはプラスチック混合物、ガラス、コンクリート、石、モルタル、セラミックなどの無機材、木材や紙などのセルロース系材料、皮革など広範な材質からなる被着体に適用することができる。また、被着体の形状についても、板、塊、棒、シート、紐、繊維、ハニカム、管、粒子など適宜の形態であってよく、また、異なる形態の被着体の貼り合わせに用いることも可能である。
(用途)
本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、反応性ホットメルト接着剤として、特に、弾性接着剤、構造用接着剤、感圧接着剤、シーリング材などとして使用することができる。このような反応性ホットメルト接着剤組成物は、例えば、ドアパネル、間仕切り、雨戸、家具、黒板、白板、事務機器のハウジング用パネルなどのサンドイッチパネルの芯材と表面材との接着、家具、パーティション、自動車内装材のドアパネルや天井材などにおける芯材と表面材との接着などの用途に好ましく用いられる。もっとも、反応性ホットメルト接着剤の用途については、上記用途に限定されるわけではない。
作用
本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、加熱により溶融し、軟化するため、通常のホットメルト接着剤と同様にして被着体に適用することができる。また、被着体への塗布後に、活性エネルギー線を照射することによりカチオン重合開始剤がカチオンを生成し、該カチオンによりカチオン重合性化合物が重合し、高分子量化して硬化が進行する。すなわち、別の態様の本発明では、上記エポキシ変成ブロック共重合体及びエポキシ化合物が重合し、硬化が進行し、請求項1に記載の発明では、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂及びエポキシ化合物が重合し、硬化が進行し、別の態様の発明では、ポバール及びエポキシ化合物が重合し、硬化が進行し、更に別の態様の発明では、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体が重合し、硬化が進行する。従って、本発明では、耐熱性に優れた接着硬化物を得ることができ、かつホットメルト接着剤の熱による劣化が少ないため、設計通りの接着性能を確実に発現させ得る。
従って、上記活性エネルギー線の照射によってのみ硬化が開始するため、被着体に反応性ホットメルト接着剤組成物を塗布した後、貼り合わせのタイミングに応じて活性エネルギー線を照射することにより、貼り合わせ前に硬化が進行することを防止することができる。すなわち、活性エネルギー線照射のタイミングを図ることにより、塗り置き時間を十分な長さに設定することができる。加えて、活性エネルギー線の照射により硬化が進行するため、接着してから耐熱性を発現するまでの時間が、周辺雰囲気の湿度に影響されることもない。
しかも、別の態様の本発明では、上記エポキシ変成ブロック共重合体及びエポキシ化合物の組み合わせにより、請求項1に記載の発明では、ビスフェノール型エポキシ樹脂及びエポキシ化合物の組み合わせにより、別の態様の発明では、ポバール及びエポキシ化合物の組み合わせにより、更に別の態様の発明では、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体を用いているため、架橋反応の進行が速くなり、貼り合わせてから耐熱性が発現するまでの時間が短くなる。すなわち、上記エポキシ変成ブロック共重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂またはポバールをエポキシ化合物に組み合わせることにより、あるいはエチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体をカチオン重合性化合物として用いることにより、架橋反応の進行が速められる。
請求項2に記載の発明では、上記カチオン重合開始剤として、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩及び/またはメタロセン塩を用いるため、200〜400nmの波長を含む活性エネルギー線としての光を照射することにより、硬化を速やかに進行させることができ、かつ貯蔵安定性に優れた接着剤となる。
請求項3に記載の発明では、本発明の反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融してから、被着体の一方または双方に溶融状態で塗布し、塗布された反応性ホットメルト接着剤組成物に上記活性エネルギー線を照射してから被着体を貼り合わせ、常温下または加熱下にて圧着することにより接着が行われるので、塗布した後、活性エネルギー線を照射するまでのタイミングを図ることにより、塗り置き時間を長くすることができる。すなわち、塗布から、活性エネルギー線の照射までの時間を長くすることにより、塗り置き時間の延長を図ることができ、用途や接着部分に応じて、最適な塗り置き時間を設定することができる。
しかも、上記のように、本発明の反応性ホットメルト接着剤では、接着後架橋が速やかに進行し、耐熱性発現までの時間が短縮されるので、請求項3に記載の発明では、接着後、短時間で十分な耐熱性を発揮する。
加えて、反応性ホットメルト接着剤組成物は、活性エネルギー線の照射によってのみ硬化が進行するものであるため、周囲の湿度や天候の変動などにより、耐熱性が発現するまでの時間も変動し難い。
本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物では、従来のホットメルト接着剤と同様に加熱溶融により容易に塗布することができ、かつ上記エポキシ変成ブロック共重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂もしくはポバールとエポキシ化合物、あるいは上記エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体の高分子量化により硬化するため、接着硬化物の耐熱性が高められると共に、上述した種々のカチオン重合性化合物を用いているため、架橋反応が速やかに進行し、貼り合わせから耐熱性が発現するまでの時間が短縮される。
加えて、硬化については、活性エネルギー線の照射によりカチオン重合性化合物の高分子量化が進行するまで進行しないため、反応性ホットメルト接着剤組成物を塗布した後、活性エネルギー線の照射のタイミングを図ることにより、塗り置き時間を延長することができる。すなわち、塗布後、活性エネルギー線の照射までの時間を延長した場合であっても、活性エネルギー線の照射を行うまでは硬化が進行しないため、被着体同士を容易に貼り合わせることができる。
従って、用途や接着部分の状況に応じて、塗り置き時間を最適な時間に設定することができる。加えて、貼り合わせ後、接着硬化物が耐熱性を発現するまでの時間が、季節や天候に大きく左右されることもない。
本発明に係る接着方法では、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融してから、被着体の少なくとも一方に溶融状態で塗布し、塗布された反応性ホットメルト接着剤組成物に活性エネルギー線を照射してから被着体同士を貼り合わせ、常温下または加熱下にて圧着するため、上記塗布から活性エネルギー線を照射するまでの時間を調整することにより、被着体の種類や接着部分に応じて、塗り置き時間を容易に制御することができ、その場合であっても、被着体同士を確実に貼り合わせることができると共に、耐熱性に優れた接着硬化物を与えることが可能となる。
加えて、上述した種々のカチオン重合性化合物を用いているため、貼り合わせ後架橋が速やかに進行し、耐熱性が発現するまでの時間が短縮される。従って、接着硬化物の耐熱性が要求される用途に好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(使用したエポキシ樹脂)
以下の実施例及び比較例では、適宜、下記のエポキシ樹脂を用いた。
エポキシ樹脂1…ダイセル化学工業社製、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレン、商品名:エポフレンドA1020、180℃溶融粘度4170ポイズ、ブタジエン/スチレン重量比60/40。
エポキシ樹脂2…ダイセル化学工業社製、エポキシ化大豆油、商品名:ダイマックS−300K、常温液状、オキシラン酸素7.0%。
エポキシ樹脂3…日本曹達社製、エポキシ樹脂変性ポリプタジエン、商品名:EPB−1054、常温液状、エポキシ当量361。
エポキシ樹脂4…油化シェルエポキシ社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名:エピコート1004、軟化点97℃、エポキシ当量875〜975。
エポキシ樹脂5…新日本理化社製、ビスフェノールA含有ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、商品名:リカレジンBEO−60E、常温液状、エポキシ当量356。
エポキシ樹脂6…ナガセ化成社製、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、商品名:デナコールEX−861、融点45℃、エポキシ当量587。
エポキシ樹脂7…油化シェルエポキシ社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名:エピコート828、常温液状、エポキシ当量184〜194。
エポキシ樹脂8…ユニオン・カーバイド日本社製、脂環式エポキシ樹脂、商品名:ERL4221、流動点−37℃、エポキシ当量131〜143。
(使用したエチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体)
以下の実施例及び比較例では、以下のエチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体を用いた。
共重合体1…住友化学工業社製、エチレンコポリマー、商品名:ボンドファーストCG5001、グリシジルメタクリレート含量18重量%、MFR350g/10分。共重合体2…住友化学工業社製、反応性エチレンコポリマー、商品名:ボンドファースト20M、グリシジルメタクリレート含量6重量%、アクリル酸メチル含量30重量%、MFR20g/10分。
(参考例1)
エポキシ変成ブロック共重合体としてのエポキシ樹脂1を70重量部と、エポキシ樹脂2を30重量部と、カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、芳香族スルホニウム塩系のカチオン重合触媒、商品名:SP170、常温液状、触媒:溶剤=重量比が50:50)1重量部(触媒量)とを、加熱したオイルを循環させ得るジャケット付きプラネタリーミキサーに、カチオン重合開始剤以外の原料を投入し、180℃にて30rpmで30分混合した後、アルミ箔で覆った後、上記カチオン重合開始剤を投入し、150℃で30rpmで10分間混合し、ホットメルト接着剤を得た。
(参考例2〜4)
下記の表1に示すように、エポキシ変成ブロック共重合体の配合割合及び使用したエポキシ樹脂の種類を変更したことを除いては、参考例1と同様にして反応性ホットメルト接着剤を得た。
参考例5
エポキシ樹脂4を70重量部と、エポキシ樹脂5を30重量部と、加熱したオイルを循環させ得るジャケット付きプラネタリーミキサーに投入し、120℃で30rpmで30分間混合した後、全体をアルミ箔で覆い、参考例1で用いたカチオン重合開始剤1重量部(触媒量)を投入し、120℃にて30rpmで10分間混合し、反応性ホットメルト接着剤を得た。
参考例6、実施例1〜2
エポキシ樹脂の種類及び配合割合を下記の表2に示すように異ならせたことを除いては、参考例5と同様にして反応性ホットメルト接着剤を得た。
参考例7
ポバール(ユニチカ社製、商品名:UMR−10L、ケン化度35.3%、重合度250)70重量部と、エポキシ樹脂7を30重量部とを、加熱したオイルを循環させ得るジャケット付きプラネタリーミキサーに投入し、120℃にて30rpmで30分間混合した後、全体をアルミ箔で覆い、参考例1で用いたカチオン重合開始剤1重量部(触媒量)を投入し、120℃にて30rpmで10分間混合し、反応性ホットメルト接着剤を得た。
参考例8〜10
ポバールの配合割合、及びエポキシ樹脂の種類及び配合割合を下記の表3に示すように変更したことを除いては、参考例7と同様にして反応性ホットメルト接着剤を得た。
参考例11
エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体としての共重合体1を100重量部計り取り、加熱したオイルを循環させ得るジャケット付きプラネタリーミキサーに投入し、180℃で30rpmで30分間混合した後、全体をアルミ箔で覆い、参考例1で用いたカチオン重合開始剤1重量部(触媒量)を投入し、150℃の温度で30rpmで10分間混合し、反応性ホットメルト接着剤を得た。
参考例12〜15
共重合体1を100重量部に代えて、下記の表4に示すように、共重合体1または2及びオレフィン樹脂1または2を用いたことを除いては、参考例1と同様にして反応性ホットメルト接着剤を得た。
なお、オレフィン樹脂1,2は、以下の通りである。
オレフィン樹脂1…三菱化学社製、ポリオレフィン系ポリオール、商品名:ポリテールH、融点60〜70℃、水酸基価45.2KOHmg/g。
オレフィン樹脂2…日本曹達社製、水素添加型ポリブタジエン樹脂、商品名:GI−1000、常温液状、水酸基価65.8KOHmg/g。
(比較例1)
比較例1として、積水化学工業社製、反応性ホットメルト接着剤、商品名:エスダイン9613(湿気反応硬化型、軟化点68℃)を用意した。
(実施例及び比較例の評価)
参考例1〜15、実施例1〜及び比較例1の反応性ホットメルト接着剤組成物を用い、初期接着強度及び耐熱接着強度を下記の要領で評価し、結果を表1〜4に示した。
(1)初期接着強度…150℃(比較例1は120℃)に設定されたロールコーターを用いて、反応性ホットメルト接着剤組成物を25mm×125mm×1.6mmのSPCCダル鋼板に、50〜150μmの厚さで塗布した。しかる後、塗布した反応性ホットメルト接着剤組成物に、ORK製作所社製、高圧水銀灯「ジェットライトJL2300」を用い、照度25mW/cmとなるように、365nmの波長の活性エネルギー線を30秒間照射し、さらに、25mm×125mmの9号綿帆布を重ね、120℃で2分間、0.5kg/cmの圧力を加えて加熱プレスした後、23℃で2分間、0.5kg/cmの圧力を加えて冷却プレスし、表1に記載の養生なしの条件の接着試験片を作製した。この接着試験片を作製した直後に、JIS K6854に準じて23℃において浮動ローラー法剥離試験を行い、剥離強度を測定し、養生なしの場合の初期接着強度とした。
また、上記と同様にして、但し、反応性ホットメルト接着剤組成物をSPCCダル鋼板に塗布した後、23℃、相対湿度60%で7日間養生してから活性エネルギー線を照射して接着試験片を作製し、養生後条件の場合の初期接着強度を測定した。
(2)耐熱接着強度…(1)初期接着強度の評価に際して作製した接着試験片と同様に作製した後、表1に示す23℃、相対湿度30%、3日間または23℃、相対湿度95%、3日間の2種類の条件で養生してから、JIS K6854に準じて100℃において浮動ローラー法剥離試験を行い、剥離強度を測定し、耐熱接着強度とした。
Figure 0004231870
Figure 0004231870
Figure 0004231870
Figure 0004231870
表1〜表4から明らかなように、参考例1〜15、実施例1〜では、養生なしの場合においても、23℃、RH60%で7日間養生した場合においても、十分な接着強度を示した。加えて、耐熱接着強度評価において湿度の高低に係わらず高い接着強度を示した。
これに対して、比較例1の反応性ホットメルト接着剤では、初期接着強度評価において、23℃で相対湿度60%で7日間養生した後に貼り合わせた場合には、すでに硬化が進行していたため接着強度が発現しなかった。耐熱接着強度評価においても相対湿度が30%と低い条件下で養生した場合には、十分な接着強度を得ることができなかった。
本発明によれば、接着剤塗布後貼り合わせまでの塗り置き時間を十分に長くした場合であっても、確実に被着体同士を接着することができ、かつ貼り合わせ後耐熱性を発現するまでの時間が短く、該時間が季節や天候により大きく左右され難い反応性ホットメルト接着剤及びこれを用いた接着方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. 環球式測定法による軟化点が50〜180℃であるビスフェノール型エポキシ樹脂と、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂以外のエポキシ化合物と、活性エネルギー線の照射によりカチオン重合性化合物を重合し硬化させるためのカチオン重合開始剤とを含む反応性ホットメルト接着剤組成物であって、
    前記エポキシ化合物は、末端エポキシ化ポリエーテルポリオールである
    ことを特徴とする反応性ホットメルト接着剤組成物。
  2. 前記カチオン重合開始剤が、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩及びメタロセン塩からなる群から選択した少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
  3. 請求項1記載の反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融し、しかる後被着体の一方または両方に溶融状態で塗布し、塗布された反応性ホットメルト接着剤組成物に活性エネルギー線を照射してから被着体同士を貼り合わせ、常温または加熱下にて圧着することを特徴とする接着方法。
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