JPH11116929A - 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法 - Google Patents

反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法

Info

Publication number
JPH11116929A
JPH11116929A JP28196197A JP28196197A JPH11116929A JP H11116929 A JPH11116929 A JP H11116929A JP 28196197 A JP28196197 A JP 28196197A JP 28196197 A JP28196197 A JP 28196197A JP H11116929 A JPH11116929 A JP H11116929A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot melt
melt adhesive
adhesive composition
reactive hot
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP28196197A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Miyake
武司 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP28196197A priority Critical patent/JPH11116929A/ja
Publication of JPH11116929A publication Critical patent/JPH11116929A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱溶融状態における劣化が生じ難く、塗布
トラブルを低減することができ、光照射後の硬化性も損
なわれ難い反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方
法を提供する。 【解決手段】 カチオン重合性化合物と、光の照射によ
りカチオン重合性化合物を硬化させるためのカチオン重
合開始剤と、1分子中に硫黄原子とフェノール基を有す
る化合物よりなる安定剤とを含むことを特徴とする反応
性ホットメルト接着剤組成物、並びに該反応性ホットメ
ルト接着剤組成物を加熱溶融してから被着体の少なくと
も一方に溶融状態で塗布し、光エネルギーを照射してか
ら被着体同士を貼り合わせ、常温下または加熱下で圧着
する接着方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱溶融塗工によ
り適用され、光の照射により硬化が進行する反応性ホッ
トメルト接着剤組成物及びこれを用いた接着方法に関
し、より詳細には、加熱溶融状態における劣化を低減す
ることが可能とされた反応性ホットメルト接着剤組成物
及び接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製本、包袋、繊維加工、木工、弱電また
は輸送などの種々の分野において、紙、繊維、木材、ガ
ラス、プラスチックまたは金属などを接着するのにホッ
トメルト接着剤が幅広く用いられている。
【0003】ホットメルト接着剤による接着に際して
は、アプリケーター内においてホットメルト接着剤を通
常70〜200℃程度の温度で加熱溶融する。次に、溶
融状態のホットメルト接着剤を被着体に塗布し、被着体
同士を貼り合わせる。ホットメルト接着剤の冷却固化に
より、被着体同士が接着される。
【0004】ホットメルト接着剤では、冷却固化により
接着強度が速やかに高まるため、被着体を貼り合わせて
から十分な接着強度を実現するまでの時間が通常1分以
内と非常に短い。従って、短時間で接着作業を完了する
ことができる。
【0005】しかしながら、ホットメルト接着剤は、ア
プリケーター内において高温下すなわち100〜200
℃程度の温度下で加熱溶融されるが、溶融に時間を要す
るため、実使用量よりも多量のホットメルト接着剤をア
プリケーター内で溶融しておく必要があった。そのた
め、ホットメルト接着剤は、アプリケーター内において
高温に長時間保たれるのが普通であった。
【0006】また、アプリケーターのホース、ガン内部
及び加熱ロール上において、ホットメット接着剤が高温
下に長時間保たれることもあった。これらの場合、溶融
状態にあるホットメルト接着剤が熱により劣化し、分
解、架橋、炭化もしくは表面皮貼りなどの現象により、
アプリケーターのガンを詰まらせたり、塗布量の変動を
引き起こしたりすることがあった。加えて、塗布後の接
着性能が低下することもあった。
【0007】そこで、従来、溶融状態における劣化を防
止するために、ホットメルト接着剤に少量の安定剤を添
加する方法が試みられている。しかしながら、湿気で硬
化する反応性ホットメルト接着剤では、十分な効果を発
揮する安定剤があまりなく、塗布後の接着性能に悪影響
を及ぼす可能性もあるため、実際には安定剤はほとんど
用いられていなかった。
【0008】また、別用途ではあるが、粉末塗料として
用いられる紫外線架橋型固体組成物であって、照射前の
貯蔵安定性が高められたものが知られている(特開平7
−252344号公報)。この先行技術では、ガラス転
移点Tgが35℃より高いエポキシ系化合物と、光カチ
オン重合開始剤と、多官能求核性連鎖移動剤とを含む固
体エポキシ樹脂組成物が開示されており、露光前の貯蔵
安定性が高められるとともに、130℃より低い温度に
おける流動性が良好に保たれ、かつ十分な反応性が維持
されるとされている。
【0009】しかしながら、上記固体エポキシ樹脂組成
物においても、130℃以上の温度で長時間保持される
と、ゲル化が生じ、高粘度化し、良好な流動性を得るこ
とはできなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
加熱溶融時に劣化が生じ難く、かつ溶融塗布に際しての
流動性が良好であり、光照射時には、速やかに硬化反応
を引き起こす反応性ホットメルト接着剤及びこれを用い
た接着方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために成されたものであり、請求項1に記載の発
明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、カチオン
重合性化合物、光の照射によりカチオン重合性化合物を
硬化させるためのカチオン重合開始剤、及び1分子中に
硫黄原子とフェノール基を有する化合物よりなる安定剤
を含むことを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の発明は、上記安定剤が、
1分子中に芳香族に直結した硫黄原子とフェノール基を
有する化合物により構成されていることを特徴とする。
請求項1または2に記載の発明においては、好ましく
は、請求項3に記載のように、上記カチオン重合性化合
物として、1分子当たり平均1以上の下記の式(1)の
構造を有する化合物または1分子当たり平均1以上のエ
ポキシ基を有するエポキシ化合物が用いられる。
【0013】
【化2】
【0014】なお、式(1)において、m、nは、0、
1または2、R1 、R2 、R3 及びR4 は、メチル基、
エチル基、イソプロピル基、イソアミル基、フェニル基
または水素原子である。
【0015】また、上記カチオン重合開始剤としては、
好ましくは、請求項4に記載のように、芳香族ヨードニ
ウム塩、芳香族スルホニウム塩及びメタロセン塩、アリ
ールシラノール・アルミニウム錯体からなる群から選択
した少なくとも1種が用いられる。
【0016】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
〜4の何れかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物
を加熱溶融し、被着体の一方または両方に溶融状態で塗
布し、塗布された反応性ホットメルト接着剤組成物に光
を照射してから被着体同士を貼り合わせ、圧着すること
を特徴とする接着方法である。以下、本発明の詳細を説
明する。
【0017】(カチオン重合性化合物)本発明におい
て、上記カチオン重合性化合物は、カチオン重合により
高分子量化し得る部分を有する有機化合物である。カチ
オン重合性化合物は、モノマー、オリゴマーまたはポリ
マーの何れであってもよく、また、炭素、水素、酸素、
窒素、硫黄、リンなどの有機化合物構成原子を含んでい
てもよい。
【0018】また、カチオン重合により高分子量化し得
る部分については、分子骨格の末端、側鎖、分子骨格内
の何れに存在していてもよい。さらに、上記カチオン重
合性化合物の具体的な構造や分子量についても特に限定
されるものではない。
【0019】カチオン重合性化合物は、それ自身がホッ
トメルト型樹脂であってもよく、その場合には、後述の
ホットメルト型樹脂を用いずともよい。また、カチオン
重合性化合物は、本発明に係るホットメルト接着剤組成
物中のホットメルト成分を構成する必要も必ずしもな
く、常温で液状の化合物でもよく、その場合には、カチ
オン重合性化合物と後述のホットメルト型樹脂とが混合
される。
【0020】上記カチオン重合性化合物の具体的な例と
しては、(エポキシ化合物、オキセタン化合物、オキソ
ラン化合物などの)環状エーテル化合物、環状エステル
化合物、ビニルエーテル化合物などを挙げることができ
る。また、これらのカチオン重合性化合物は単独で用い
られてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0021】上記カチオン重合性化合物は、好ましく
は、式(1)で示される構造を1分子当たり平均で1以
上有する化合物からなることが望ましい。また、1分子
当たり、式(1)の構造を平均で2以上有する化合物を
用いることがさらに好ましい。
【0022】上記カチオン重合性化合物としては、好ま
しくは、カチオン重合性に優れているため、エポキシ化
合物が用いられる。上記エポキシ化合物としては、カチ
オン重合によって重合可能な少なくとも1個のオキシラ
ン環を有する有機化合物が挙げられ、モノマー、オリゴ
マー、ポリマーであってもよく、脂肪族、脂環式及び芳
香族の何れのエポキシ化合物であってもよい。また、上
記エポキシ化合物は、好ましくは、1分子当たり平均1
以上のエポキシ基を有し、より好ましくは1分子当たり
平均2以上のエポキシ基を有する。
【0023】なお、式(1)の構造またはエポキシ基の
1分子当たりの「平均」の数は、化合物中の式(1)の
構造またはエポキシ基の数を、存在する式(1)の構造
を有する化合物またはエポキシ分子の総数によって除算
することにより求められる。
【0024】ポリマーであるエポキシ化合物としては、
末端エポキシ基を有する直鎖状ポリマー(例えば、ポリ
オキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテ
ル)、骨格中にオキシラン単位を有するポリマー(例え
ば、ポリブタジエンポリエポキシド)、及び側鎖にエポ
キシ基を有するポリマー(グリシジル(メタ)アクリレ
ートポリマーまたはコポリマー)等が挙げられる。
【0025】上記エポキシ化合物の分子量についても特
に限定されるわけではないが、約58〜約10万の範囲
に渡り得る。上記エポキシ化合物の具体的な例として
は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの芳
香族エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
トなどの脂環式エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテル、2,2−ビス〔4−(2,3
−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル〕プロパンなど
の脂肪族エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレー
トのように分子中にオキシラン環を有する(メタ)アク
リレート重合体もしくは共重合体、エポキシ化ポリブタ
ジエン、及びブタジエンと他のモノマーとの共重合体の
エポキシ化物、これらの各エポキシ樹脂の変性物などを
挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。また、上記エポキシ化合物は、単独で用いられても
よく、2種以上併用されてもよい。
【0026】(カチオン重合開始剤)上記カチオン重合
開始剤としては、カチオン重合性化合物の重合を開始す
るためのカチオンを、光の照射により生成し得るもので
あれば特に限定されるものではないが、好ましくは、芳
香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、及び/ま
たはメタロセン塩、アリールシラノール・アルミニウム
錯体が挙げられる。カチオン重合開始剤として有効な上
記芳香族ヨードニウム塩及び芳香族スルホウニム塩は、
例えば米国特許第4,256,828号に開示されてい
る。また、メタロセン塩については、米国特許第5,0
89,536号に開示されている。カチオン重合開始剤
の配合量は、光の種類や強度、カチオン重合性化合物の
種類や量、カチオン重合開始剤の種類等によって異なる
が、好ましくは、カチオン重合性化合物100重量部に
対して0.01〜10重量部配合される。
【0027】(安定剤)本発明においては、加熱溶融状
態における劣化を防止するために、上記安定剤が配合さ
れている。この安定剤は、1分子中に硫黄原子とフェノ
ール基を有する化合物であり、好ましくは、1分子中に
芳香族に直結した硫黄原子とフェノール基を有する化合
物である。この安定剤は、窒素原子を含んでいてもよ
く、含んでおらずともよいが、加熱溶融安定性と塗布後
の硬化反応性を良好に保つには、上記のように1分子中
に芳香族に直結した硫黄原子とフェノール基を有する化
合物であることが望ましい。
【0028】上記安定剤として用いられる化合物の例と
しては、ヒンダードフェノール系、リン系などが挙げら
れ、より具体的には、1分子中に硫黄原子とフェノール
基を有する化合物としては、チバガイギー社製、商品
名:イルガノックス1520Lや、1分子中に芳香族に
直結した硫黄原子とフェノール基を有する化合物とし
て、チバガイギー社製、商品名:イルガノックス565
などを挙げることができる。
【0029】上記安定剤の配合割合については、照射さ
れる光の種類や強度、カチオン重合性化合物の種類及び
配合割合、並びにカチオン重合開始剤の種類などにより
異なるが、好ましくは、カチオン重合性化合物100重
量部に対し、0.01〜10重量部の割合とされる。安
定剤の配合割合が0.01重量部未満の場合には、加熱
溶融時の劣化を防止する効果が十分に得られないことが
あり、10重量部を超えると、塗布後の硬化反応性が低
下することがある。
【0030】(添加し得る他の成分)本発明に係る反応
性ホットメルト接着剤組成物には、必要に応じて、ヒド
ロキシル化合物を含有させてもよい。使用し得るヒドロ
キシル化合物は液体であってもよく、固体であってもよ
いが、少なくとも1個、好ましくは、少なくとも2個の
ヒドロキシル基を有する。この場合、ヒドロキシル基
は、化合物の末端にあってもよく、また、ポリマーもし
くはコポリマーの側基に存在していてもよい。
【0031】上記ヒドロキシル化合物の例としては、ア
ルキレングリコール、ポリヒドロキシアルカン、ポリオ
キシアルキレンポリオールなどを例示することができる
が、これらに限定されるものではない。また、ヒドロキ
シル化合物は、単独で添加されてもよく、2種以上併用
されてもよい。
【0032】また、本発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物においては、必要に応じて、ホットメルト型
樹脂が添加され得る。すなわち、上記カチオン重合性化
合物自体がホットメルト型樹脂の場合には、他のホット
メルト型樹脂を用いる必要は必ずしもないが、他のホッ
トメルト型樹脂を添加してもよく、さらに、上記カチオ
ン重合性化合物がホットメルト型樹脂でない場合には、
ホットメルト接着剤として用いることを可能とするため
に、ホットメルト型樹脂が添加される。
【0033】上記ホットメルト型樹脂としては、低分子
量のものから高分子量のものまで適宜の分子量のものを
用いることができ、例えば、スチレン系樹脂や石油性樹
脂、天然系樹脂などの粘着付与樹脂として慣用されてい
る樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などのポリ
オレフィン系樹脂、ブタジエン−スチレンブロック共重
合体などのゴム系樹脂、アクリル系共重合体樹脂、ポリ
エステル系樹脂またはこれらのホットメルト型樹脂の各
種変成物を例示することができるが、これらに限定され
るものではなく、またこれらのホットメルト型樹脂につ
いては2種以上併用してもよい。
【0034】さらに、本発明に係る反応性ホットメルト
接着剤組成物には、必要に応じて、(シランカップリン
グ剤やチタンカップリング剤などの)密着性向上剤、増
感剤、脱水剤、老化防止剤、安定剤、可塑剤、ワック
ス、充填剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、防カビ剤、
粘度調整剤などの成分を添加することができるが、添加
し得る他の成分については上記各成分に限定されるわけ
ではない。また、上記添加し得る成分は2種以上添加さ
れていてもよい。また、これらの成分は先に述べたホッ
トメルト型樹脂製造時に予め添加されている場合もあ
り、その場合も許容される。
【0035】(反応性ホットメルト接着剤組成物の製造
方法)本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物の
製造方法についても、配合する各成分を混合し、均一に
分散し得る限り、如何なる方法を採用してもよいが、使
用材料が溶融し得る適度な加熱条件下で製造する必要が
ある。また、製造に際しての各成分の混合分散は無溶媒
で行ってもよく、不活性溶媒中で行ってもよい。具体的
には、ダブルヘリカルリボン浴もしくはゲート浴、バタ
フライミキサー、プラネタリミキサー、三本ロール、ニ
ーダールーダー型混練機またはエクストルーダー型混練
押出機などの1種または2種以上を用いて行い得る。も
っとも、各成分を混練する装置については、これらに限
定されるわけではない。
【0036】何れの設備を用いて各成分を混合分散する
場合においても、カチオン重合を阻害する成分である水
分の混入が少なくなるので無水条件下で混合分散するこ
とが好ましい。
【0037】また、各成分の混合分散に際しては、大気
圧下、あるいは必要ならば大気圧以上もしくは大気圧以
下で混合分散を行う。また、製造時の各成分の投入順序
については特に限定されるわけではないが、溶融時間の
短縮あるいは得られた組成物の劣化を低減するには、一
般に、溶融し難いもの、あるいは溶融時の熱や機械的剪
断力により劣化を受け難いものから順に仕込むことが望
ましい。
【0038】また、上記安定剤は、溶融時の熱や機械的
剪断力により組成物が劣化することを防止する作用を有
するため、できるだけ早い段階で仕込むことが望まし
く、カチオン重合開始剤は熱や機械的剪断力により分解
や劣化を受け易いため最後に仕込むことが望ましい。
【0039】なお、本発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物を製造するに際しては、硬化開始に有効な光
を遮断した状態で行うことが必要である。反応性ホット
メルト接着剤組成物の貯蔵方法については、硬化開始に
有効な光を遮断し得る限り、特に限定されるわけではな
いが、好ましい貯蔵容器としては、ペール缶、ブリキ
缶、ドラム缶、カートリッジ、離型箱、離型トレー、段
ボール容器、紙袋、プラスチック製の袋(例えばアルミ
箔をサンドイッチした複合フィルム)などの硬化開始に
有効な光に対して不透明な容器などを挙げることができ
る。もっとも、これらの容器に限定されるわけではな
く、またこれらの容器の材質についても、光を遮断し得
る限り、特に限定されるものではない。また、本発明に
係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、貯蔵されるこ
となく、製造直後に直ちに使用されてもよい。
【0040】(接着方法)請求項5に記載の発明に係る
接着方法は、上記反応性ホットメルト接着剤組成物を加
熱溶融し、被着体の一方または双方に溶融状態で塗布
し、塗布された反応性ホットメルト接着剤組成物に光を
照射してから被着体を貼り合わせ、圧着することにより
接着を行う。
【0041】上記反応性ホットメルト接着剤組成物を加
熱溶融して塗布する方法については、特に限定されるわ
けではないが、例えば、通常のホットメルトアプリケ
ーターやホットメルトコーターなどにより加熱溶融した
ホットメルト接着剤組成物を被着体に塗布する方法、
加熱溶融した反応性ホットメルト接着剤組成物中に被着
体を浸漬する方法、ホットメルトエアーガンなどによ
り、加熱溶融しているホットメルト接着剤組成物を被着
体に噴霧する方法、押出機などにより加熱溶融したホ
ットメルト接着剤組成物を被着体表面に押出する方法な
どが挙げられる。
【0042】また、ペールアンローダー、カートリッジ
ディスペンサーなどを用いて、ホットメルトアプリケー
ターにホットメルト接着剤組成物を供給してもよく、ス
ティック、ペレット、スラッグ、ブロック、ピロー、ビ
レットなどの形態で、塗布装置にホットメルト接着剤組
成物を供給してもよい。
【0043】加熱については、反応性ホットメルト接着
剤組成物全体を加熱溶融してもよく、あるいは加熱体の
近傍のみで加熱溶融してもよい。何れの溶融塗工方法を
用いる場合においても、溶融塗工に際しては、硬化開始
に有効な光を遮断した状態で行うことが望ましい。
【0044】光としては、上記カチオン重合開始剤から
カチオンを生成し得る限り、適宜の光を用いることがで
き、光の種類については、カチオン重合開始剤の種類に
応じて適宜選択され、好ましくは、紫外線が用いられ
る。好ましくは、200〜600nmの波長を含む光が
用いられ、特に、カチオン重合開始剤として芳香族ヨー
ドニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン塩など
を用いる場合には、200〜400nmの波長を含む光
を用いることが望ましい。
【0045】上記光の照射量についても、カチオン重合
開始剤の種類や反応性ホットメルト接着剤組成物の塗布
されている部分の厚みや量によっても異なるため、一義
的には定め得ないが、0.001J〜10Jの範囲とす
ることが望ましい。
【0046】光の線源として、紫外線を用いる場合に
は、蛍光ランプ、高圧水銀灯などの紫外線の照射源とし
て一般的に用いられているものを使用することができ
る。また、上記光の照射方法については、ホットメルト
接着剤に直接照射してもよく、あるいは透明もしくは半
透明の被着体を通して光をホットメルト接着剤に有効量
照射する方法を採用してもよく、特に限定されるもので
はない。
【0047】被着体の貼り合わせ及び圧着方法について
は、一方の被着体に反応性ホットメルト接着剤組成物
を塗布した後、他方の被着体を貼り合わせ、適宜の圧力
及び温度で必要な時間加圧する方法、両方の被着体に
反応性ホットメルト接着剤組成物を塗布した後、適宜の
圧力及び温度で必要な時間加圧する方法などを例示する
ことができる。
【0048】本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組
成物は、常態条件下において上記光の照射により十分硬
化し得るが、さらに硬化時間を短縮したい場合には、適
当な温度に加熱してもよい。この場合、加熱方法は、反
応性ホットメルト接着剤組成物の種類、被着体の形状や
性質、加熱条件などに応じて異なるため一義的には定め
得ないが、例えば、温風を吹き付ける方法、加熱し
たオーブン中に置く方法、ヒーターにて加熱する方法
などを用いることができ、これらを2種以上併用しても
よい。もっとも、上記加熱方法については、上記方法に
限定されるものではない。なお、硬化時間を短縮する場
合の加熱温度については、反応性ホットメルト接着剤組
成物自体が軟化する温度よりも低い温度とすることが望
ましい。さもないと、組成物の軟化により接着部分のズ
レ等が生じるおそれがある。
【0049】(適用される被着体)本発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物が適用される被着体、並びに
本発明に係る接着方法で用いる被着体としては、特に限
定されるものではないが、例えば、鉄、アルミニウムな
どの金属もしくは合金、プラスチックまたはプラスチッ
ク混合物、ガラス、コンクリート、石、モルタル、セラ
ミックなどの無機材、木材や紙などのセルロース系材
料、皮革など広範な材質からなる被着体に適用すること
ができる。また、被着体の形状についても、板、塊、
棒、シート、紐、繊維、ハニカム、管、粒子など適宜の
形態であってよく、また、異なる形態の被着体の貼り合
わせに用いることも可能である。
【0050】(用途)本発明に係る反応性ホットメルト
接着剤組成物は、反応性ホットメルト接着剤として、特
に、弾性接着剤、構造用接着剤、感圧接着剤、シーリン
グ材などとして使用することができる。このような反応
性ホットメルト接着剤組成物は、例えば、ドアパネル、
間仕切り、雨戸、家具、黒板、白板、事務機器のハウジ
ング用パネルなどのサンドイッチパネルの芯材と表面材
との接着、家具、パーティション、自動車内装材のドア
パネルや天井材などにおける芯材と表面材との接着など
の用途に好ましく用いられる。もっとも、反応性ホット
メルト接着剤の用途については、上記用途に限定される
わけではない。
【0051】作用 請求項1〜4に記載の発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物は、加熱により溶融し、軟化するため、通常
のホットメルト接着剤と同様にして被着体に適用するこ
とができる。また、加熱溶融状態において上記安定剤の
作用により接着剤の劣化が生じ難いため、加熱溶融状態
で長時間保つことができ、従って、連続使用に際しホッ
トメルト接着剤の熱劣化によるトラブルを低減すること
ができる。さらに、被着体への塗布後に、光を照射する
ことによりカチオン重合開始剤がカチオンを生成し、該
カチオンによりカチオン重合性化合物が重合し、高分子
量化して硬化が進行するので耐熱性に優れた接着硬化物
を得ることができ、かつホットメルト接着剤の熱による
劣化が少ないため、設計通りの接着性能を確実に発現さ
せ得る。
【0052】従って、上記光の照射によってのみ硬化が
開始するため、被着体に反応性ホットメルト接着剤組成
物を塗布した後、貼り合わせのタイミングに応じて光を
照射することにより、貼り合わせ前に硬化が進行するこ
とを防止することができる。すなわち、光照射のタイミ
ングを図ることにより、塗り置き時間を十分な長さに設
定することができる。
【0053】加えて、光の照射により硬化が進行するた
め、接着してから耐熱性を発現するまでの時間が、周辺
雰囲気の湿度に影響されることもない。また、請求項2
に記載の発明では、上記安定剤として、1分子中に芳香
族に直結した硫黄原子とフェノール基を有する化合物を
用いるため、より一層加熱溶融状態におけるホットメル
ト接着剤の安定性が高められ、連続使用時における塗布
トラブルをより効果的に防止することができる。
【0054】請求項3に記載の発明では、上記カチオン
重合性化合物が、1分子当たり平均1以上のエポキシ基
を有するエポキシ化合物または1分子当たり平均1以上
の式(1)の構造を有する化合物で構成されているた
め、上記光の照射により、速やかに開環重合し、硬化が
進行する。従って、被着体同士を強固に接着することが
可能となると共に、耐熱性も高められる。
【0055】請求項4に記載の発明では、上記カチオン
重合開始剤として、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スル
ホニウム塩及び/またはメタロセン塩、アリールシラノ
ール・アルミニウム錯体を用いるため、200〜400
nmの波長を含む光を照射することにより、硬化を速や
かに進行させることができ、かつ貯蔵安定性に優れた接
着剤となる。
【0056】請求項5に記載の発明では、請求項1〜4
の何れかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物を加
熱溶融してから、被着体の一方または双方に溶融状態で
塗布し、塗布された反応性ホットメルト接着剤組成物に
上記光を照射してから被着体を貼り合わせ、常温下また
は加熱下にて圧着することにより接着が行われるので、
塗布した後、光を照射するまでのタイミングを図ること
により、塗り置き時間を長くすることができる。すなわ
ち、塗布から、光の照射までの時間を長くすることによ
り、塗り置き時間の延長を図ることができ、用途や接着
部分に応じて、最適な塗り置き時間を設定することがで
きる。
【0057】しかも、上記安定剤の作用により加熱溶融
状態における熱劣化が生じ難いため、ホットメルト接着
剤組成物を加熱溶融後、被着体に塗布する際のトラブル
を低減することができる。
【0058】加えて、反応性ホットメルト接着剤組成物
は、光の照射によってのみ硬化が進行するものであるた
め、周囲の湿度や天候の変動などにより、耐熱性が発現
するまでの時間も変動し難い。
【0059】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。
【0060】(使用したエポキシ樹脂)以下の実施例及
び比較例では、適宜、下記のエポキシ樹脂の1種以上を
用いた。 エポキシ樹脂1…ユニオン・カーバイド日本社製、脂環
式エポキシ樹脂、商品名:ERL4221、流動点−3
7℃、エポキシ当量131〜143。 エポキシ樹脂2…ダイセル化学工業社製、エポキシ化ス
チレン−ブタジエン−スチレン、商品名:エポフレンド
A1020、180℃溶融粘度4170ポイズ、ブタジ
エン/スチレン重量比60/40。
【0061】(使用した安定剤)以下の実施例及び比較
例では、適宜、下記の安定剤を用いた。 安定剤1…チバ・ガイギー社製安定剤、商品名:イルガ
ノックス1520L(常温液状)、1分子中に硫黄原子
とフェノール基を有する化合物。 安定剤2…チバ・ガイギー社製安定剤、商品名:イルガ
ノックス565(融点91〜96℃)、1分子中に芳香
族に直結した硫黄原子とフェノール基を有する化合物。 安定剤3…チバ・ガイギー社製安定剤、商品名:イルガ
ノックス1010(融点110〜125℃)、1分子中
に硫黄原子非含有であり、フェノール基を有する化合
物。
【0062】(実施例1)エポキシ樹脂1を50重量部
と、粘着付与樹脂(三井石油化学工業社製、水添石油樹
脂、商品名:FTR6125、軟化点125℃)50重
量部と、カチオン重合開始剤として旭電化工業社製、芳
香族スルホニウム塩系のカチオン重合触媒、商品名:S
P−170(常温液状、触媒:溶剤=50:50)0.
5重量部(触媒量)と、安定剤1(チバ・ガイギー社
製、商品名:イルガノックス1520L)0.5重量部
とを、加熱オイルを循環させ得るジャケットが設けられ
たプラネタリーミキサーに投入し、アルミ箔で全体を覆
った後、150℃の温度で、30rpmで60分混合
し、反応性ホットメルト接着剤組成物を調製した。
【0063】(実施例2)安定剤1に代えて、安定剤2
(チバ・ガイギー社製、商品名:イルガノックス56
5)を用いたことを除いては、実施例1と同様にして反
応性ホットメルト接着剤組成物を得た。
【0064】(実施例3)エポキシ樹脂1を40重量
部、エポキシ樹脂2を20重量部、実施例1で用いた粘
着付与樹脂40重量部と、実施例1で用いた光カチオン
重合開始剤0.5重量部及び安定剤2を0.5重量部と
を用い、実施例1と同様の方法に従って反応性ホットメ
ルト接着剤組成物を調製した。
【0065】(比較例1)安定剤を用いなかったことを
除いては、実施例1と同様にして反応性ホットメルト接
着剤組成物を調製した。
【0066】(比較例2)安定剤として、安定剤3(チ
バ・ガイギー社製、商品名:イルガノックス1010)
0.5重量部を用いたことを除いては、実施例1と同様
にして反応性ホットメルト接着剤組成物を得た。
【0067】(比較例3)安定剤2の代わりに、安定剤
3を用いたことを除いては、実施例3と同様にして反応
性ホットメルト接着剤組成物を調製した。
【0068】(評価) 〔1〕初期状態の評価 実施例及び比較例で得た各反応性ホットメルト接着剤組
成物について、その初期状態の150℃における外観
及び溶融粘度を以下の要領で測定した。
【0069】外観…150℃に維持された反応性ホッ
トメルト接着剤組成物を149mlのマヨネーズ瓶に8
0ml投入し、マヨネーズ瓶を傾け、内容物の流動性及
び外観性状を観察した。また、ステンレス製のヘラを内
容物に差し込み、流動性及び外観を観察した。
【0070】溶融粘度…ホットメルト接着剤の150
℃における粘度を、特定波長の紫外線をカットした蛍光
灯(松下電器産業社製、ラピッド白色、品番:FLR4
0L・W−SDL.NU/.M.、40W)のみで照明
されている部屋に配置したBrookfield BM
型粘度計を用い、JIS−K−6862に準じて測定し
た。また、上記150℃に維持された反応性ホットメル
ト接着剤組成物に、以下の要領でUV光を照射し、U
V光照射後の硬化状態を評価した。
【0071】UV光照射後の硬化状態…ホットメルト
接着剤を、50μmのPET(ポリエチレンテレフタレ
ート)フィルムに約2g滴下し、ホットメルト接着剤上
に、さらに別のPETフィルムの離型処理面を載せ、指
で押しつぶし、しかる後、上方のPETフィルムを取り
除いた。このようにして薄膜状とされたホットメルト接
着剤に、蛍光灯(東芝ライテック社製、20Wケミカル
ランプ、品番:FL20S・BL)を用い、365nm
の波長領域における強度が2.7W/cm2 となるよう
に60秒間UV光を照射した。次に、常温で24時間放
置後、硬化物からPETフィルムを指で取り外し、50
mlのサンプル管に採取し、硬化物重量を測定し、メチ
レンクロライド45mlを投入し、24時間放置した。
しかる後、200メッシュの金網で濾過し、110℃で
3時間乾燥し、乾燥重量を測定し、以下の式に基づいて
ゲル分率を算出した。 ゲル分率(%)=(残渣乾燥重量(g)/硬化物重量
(g))×100
【0072】〔2〕150℃×24時間後の評価 反応性ホットメルト接着剤組成物を、特定波長の紫外線
をカットした蛍光灯(松下電器産業社製、ラピッド白
色、品番:FLR40S・W−SDL.NU./.
M.、40Wのみで照明されている部屋で、149ml
のマヨネーズ瓶に80ml投入し、150℃に設定した
熱風乾燥機に入れ、24時間放置した。なお、熱風乾燥
機については、窓及び換気口から光が入らないように構
成した。
【0073】24時間放置後、初期状態おける外観の
観察と同様に、熱風乾燥機からマヨネーズ瓶を取り出
し、熱い状態でマヨネーズ瓶を傾け、内容物の流動性及
び外観性状を観察した。また、ステンレス製のヘラを内
容物に差し込み、流動性及び外観を観察した。
【0074】溶融粘度…上記のように150℃に24
時間放置した後、初期状態における溶融粘度の測定と同
様にして150℃×24時間後の溶融粘度を150℃で
測定した。
【0075】UV光照射後の硬化状態…上記のように
150℃×24時間放置した後、初期状態の場合と同様
にUV光を照射し、UV光照射後の硬化状態として、硬
化後ゲル分率を測定した。結果を下記の表1及び表2に
示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】表2から明らかなように、比較例1では、
安定剤を用いていないため、150℃で24時間放置し
た後に、150℃で固体となっており、溶融粘度の測定
が不可能であり、反応性ホットメルト接着剤としてUV
光を照射して硬化させることができなかった。
【0079】比較例2においても、硫黄を含有していな
い安定剤3を用いたためか、比較例1と同様に、150
℃で24時間放置されると固化し、溶融粘度の測定が不
可能であり、反応性ホットメルト接着剤として用いるこ
とができなかった。
【0080】また、比較例3においても、安定剤3を用
いたためか、150℃で24時間放置した後に、褐色に
変色し、ゲル状となり、溶融粘度が97000cpsと
著しく高くなった。
【0081】これに対して、実施例1,2では、安定剤
1または2を用いたためか、150℃で24時間放置し
た後においても、150℃で液状の状態を維持すること
ができ、UV光の照射によりゲル分率が、それぞれ40
%と50%とすることが可能であった。
【0082】実施例3においても、同様に150℃で2
4時間維持した後においても液状であり、溶融粘度は4
200cpsと比較的低く、従って、反応性ホットメル
ト接着剤として用いることができ、UV光の照射により
ゲル分率60%とすることが可能であった。
【0083】
【発明の効果】請求項1〜4に記載の発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物では、従来のホットメルト接
着剤と同様に加熱溶融により容易に塗布することがで
き、かつカチオン重合性化合物の高分子量化により硬化
するため、接着硬化物の耐熱性が高められる。さらに、
1分子中に硫黄原子とフェノール基を有する化合物から
なる安定剤が配合されているため、加熱溶融状態におけ
る熱劣化が生じ難い。従って、長時間連続使用する場合
においても、ホットメルトアプリケータにおける塗布ト
ラブルが生じ難い。
【0084】よって、長時間連続使用することができ、
かつ塗布時の作業性を高めることが可能となる。加え
て、硬化については、光の照射によりカチオン重合性化
合物の高分子量化が進行するまで進行しないため、反応
性ホットメルト接着剤組成物を塗布した後、光の照射の
タイミングを図ることにより、塗り置き時間を延長する
ことができる。すなわち、塗布後、光の照射までの時間
を延長した場合であっても、光の照射を行うまでは硬化
が進行しないため、被着体同士を容易に貼り合わせるこ
とができる。
【0085】従って、用途や接着部分の状況に応じて、
塗り置き時間を最適な時間に設定することができる。加
えて、貼り合わせ後、接着硬化物が耐熱性を発現するま
での時間が、季節や天候に大きく左右されることもな
い。
【0086】また、請求項2に記載の発明では、上記安
定剤として、1分子中に芳香族に直結した硫黄原子とフ
ェノール基を有するものが用いられるため、加熱溶融状
態におけるホットメルト接着剤の劣化をより効果的に防
止することができ、長時間使用時における塗布トラブル
などをより一層低減することができる。
【0087】本発明に係る接着方法では、本発明に係る
反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融してから、
被着体の少なくとも一方に溶融状態で塗布し、塗布され
た反応性ホットメルト接着剤組成物に光を照射してから
被着体同士を貼り合わせ、常温下または加熱下にて圧着
するため、上記塗布から光を照射するまでの時間を調整
することにより、被着体の種類や接着部分に応じて、塗
り置き時間を容易に制御することができ、その場合であ
っても、被着体同士を確実に貼り合わせることができる
と共に、耐熱性に優れた接着硬化物を与えることが可能
となる。
【0088】加えて、上記安定剤の作用により加熱溶融
時の安定性が高められ、熱劣化が生じ難いため、例え
ば、ホットメルトアプリケーターを用いて塗布する際の
塗布トラブルを低減することができ、長時間の連続使用
が可能となり、光照射後の硬化性も低減しないので、貼
り合わせ品の最終的な耐熱性も発現できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン重合性化合物、光の照射により
    カチオン重合性化合物を硬化させるためのカチオン重合
    開始剤、及び1分子中に硫黄原子とフェノール基を有す
    る化合物よりなる安定剤を含むことを特徴とする反応性
    ホットメルト接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記安定剤が、1分子中に芳香族に直結
    した硫黄原子とフェノール基を有する化合物である請求
    項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 カチオン重合性化合物が1分子当たり平
    均1以上の下記の式(1)の構造を有する化合物または
    1分子当たり平均1以上のエポキシ基を有するエポキシ
    化合物である請求項1または2の何れかに記載の反応性
    ホットメルト接着剤組成物。 【化1】 なお、式(1)において、m、nは、0、1または2、
    1 、R2 、R3 及びR4 は、メチル基、エチル基、イ
    ソプロピル基、イソアミル基、フェニル基または水素原
    子である。
  4. 【請求項4】 前記カチオン重合開始剤が、芳香族ヨー
    ドニウム塩、芳香族スルホニウム塩及びメタロセン塩、
    アリールシラノール・アルミニウム錯体からなる群から
    選択した少なくとも1種である請求項1〜3の何れかに
    記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の反応性ホ
    ットメルト接着剤組成物を加熱溶融し、被着体の一方ま
    たは両方に溶融状態で塗布し、塗布された反応性ホット
    メルト接着剤組成物に光を照射してから被着体同士を貼
    り合わせ、圧着することを特徴とする接着方法。
JP28196197A 1997-10-15 1997-10-15 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法 Withdrawn JPH11116929A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28196197A JPH11116929A (ja) 1997-10-15 1997-10-15 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28196197A JPH11116929A (ja) 1997-10-15 1997-10-15 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11116929A true JPH11116929A (ja) 1999-04-27

Family

ID=17646321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28196197A Withdrawn JPH11116929A (ja) 1997-10-15 1997-10-15 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11116929A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001146583A (ja) * 1999-09-06 2001-05-29 Sekisui Chem Co Ltd 反応性ホットメルト接着剤組成物
WO2002055625A1 (fr) * 2001-01-15 2002-07-18 Sekisui Chemical Co., Ltd. Composition d'adhesif thermofusible photoreactif
JP2007070536A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The シーリング材組成物
JP2007070519A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The シーリング材組成物
WO2022210595A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 株式会社Adeka 重合性組成物、光硬化性接着剤、硬化物の製造方法及び硬化物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001146583A (ja) * 1999-09-06 2001-05-29 Sekisui Chem Co Ltd 反応性ホットメルト接着剤組成物
JP4662598B2 (ja) * 1999-09-06 2011-03-30 積水化学工業株式会社 反応性ホットメルト接着剤組成物
WO2002055625A1 (fr) * 2001-01-15 2002-07-18 Sekisui Chemical Co., Ltd. Composition d'adhesif thermofusible photoreactif
JP2007070536A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The シーリング材組成物
JP2007070519A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The シーリング材組成物
WO2022210595A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 株式会社Adeka 重合性組成物、光硬化性接着剤、硬化物の製造方法及び硬化物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0620259B1 (en) Epoxy/polyester hot melt compositions
CN102782072B (zh) 用于压敏粘合剂的阳离子的可uv交联的丙烯酸聚合物
JP2002513841A (ja) エポキシ/熱可塑性光硬化性接着性組成物
CN114181648B (zh) 可紫外固化半结构胶和可紫外固化半结构胶带
KR20150095811A (ko) 이온화 방사선을 사용하여 에틸렌계 불포화 재료를 중합함으로써 패키징된 점탄성 조성물을 제조하는 방법
KR20150096699A (ko) 이온화 방사선을 사용하여 에틸렌계 불포화 재료를 중합하는 방법
JPH11116929A (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法
JP2001098242A (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物
JPH11140414A (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法
JP3524181B2 (ja) フィルム状接着剤
WO2001030934A1 (fr) Composition reactive d'adhesif thermofusible
JP3746928B2 (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物
JP4662598B2 (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物
JPH11148064A (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法
JPH115964A (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法
JP2000008015A (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法
JPH11158451A (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法
JP4231870B2 (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法
JP4074388B2 (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法
JP2000212540A (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法
JP2000154352A (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法
JPH11302622A (ja) 変色性光硬化型接着剤組成物及び接着方法
JP2000202936A (ja) 積層体及びその製造方法
JPS61145268A (ja) 湿気硬化型粘着剤組成物
JPH11279515A (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050517

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050622

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050822

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070718

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20070921

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761