JPH10175042A - 金属中空管連続鋳造用鋳型部構造 - Google Patents

金属中空管連続鋳造用鋳型部構造

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JPH10175042A
JPH10175042A JP33380296A JP33380296A JPH10175042A JP H10175042 A JPH10175042 A JP H10175042A JP 33380296 A JP33380296 A JP 33380296A JP 33380296 A JP33380296 A JP 33380296A JP H10175042 A JPH10175042 A JP H10175042A
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core
mold
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hollow tube
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JP33380296A
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Yasuyori Kondo
康順 近藤
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属中空管を連続鋳造する際に用いる鋳型の
通路に中子を結合するに当たり、鋳型の外形を大きくせ
ず、中子が結合する鋳型の通路部分等に必要な強度を持
たせて、中子を鋳型の通路の中心に位置を合わせて確実
に結合すること。 【解決手段】 鋳造する金属中空管15の内径に対応す
る外径の中子本体11bの端部に嵌合部11aを形成し
て、金属中空管15の外径に対応する内径の本通路部9
bよりも鋳込口5寄りの通路9箇所に、中子11の嵌合
部11aが嵌合される大径部9cを本通路部9bよりも
大きい内径で形成すると共に、この大径部9cよりも鋳
込口5寄りの通路9箇所に雌ねじ部9aを大径部9cよ
りも大きい内径で形成し、この雌ねじ部9aに雄ねじ部
材13を螺着して締め付けることにより、雄ねじ部材1
3によって溶湯の通流方向Xにおける下流側に中子11
の嵌合部11aが押圧されて、通路9の大径部9cに圧
接される構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原材料の溶湯を通
流させつつ固化させて金属中空管を連続鋳造する際に用
いる鋳型の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属中空管の製造法の1つである連続鋳
造法では、原材料の金属溶湯を溶けた状態に保持する保
持炉の下部に、金属中空管の外形に対応する輪郭の通路
を有する鋳型を、保持炉下部の鋳込口と通路とが連通す
るように取り付け、中空部の輪郭に対応する外形の中子
を通路内に、この通路と中心の位置を合わせて配設し、
この中子と通路との間に画成される環状の隙間に、保持
炉内の溶湯を通流させて、鋳込口からある程度離れた鋳
型部分を外側から冷却して通路内の溶湯を冷却固化さ
せ、通路の終端から鋳型の外方に突出する固化後の環状
金属を引き出すことで、金属中空管を連続して得てい
る。
【0003】そして、前記中子の鋳型に対する取付結合
は一般に、溶湯の流入圧に耐えるために、鋳込口を介し
て溶湯が流入する保持炉下部への連結側において、所
謂、片持ちの状態でなされ、その一例としては、特開平
8−33949号公報に示すように、中子の端部外周面
に形成した大径の雄ねじ部の周面を一部切欠し、この雄
ねじ部を鋳型の通路の雌ねじ部に螺着させて、中子を通
路に結合させたものがある。
【0004】しかし、この中子をねじ結合により鋳型の
通路に取り付ける構成では、鋳型の通路の雌ねじ部と中
子の雄ねじ部との間に、これら雌雄のねじ部の径方向及
び軸方向にそれぞれ生じるクリアランスにより、中子が
通路内で傾く等して、中子の中心と鋳型の通路の中心と
がずれてしまう可能性があり、万一、そのような通路と
中子との中心ずれが発生すると、鋳造される金属中空管
の肉厚がこの金属中空管の周方向においてばらついて、
必要な強度が得られなくなってしまったり、商品として
の価値を失ってしまうことになってしまう。
【0005】そこで、特開昭64−40142号公報に
示すように、中子の端部外周面の180°位相をずらし
た2箇所から突設した突片を鋳型の通路内周面部分とこ
れに交わる段差面とに係合させて、この突片が係合する
鋳型の端部寄り外周面部分に雄ねじを形成し、この雄ね
じに外側から雌ねじを有する略環状の取付体をねじ嵌合
して、この取付体により中子の突片を段差面に押し当て
て固定するようにすることが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開昭64−40142号公報の従来技術では、中子
の突片が係合される鋳型の通路の端部寄り外周面部分に
雄ねじを形成し、この雄ねじに取付体の雌ねじをねじ嵌
合する関係上、中子の突片と、雄ねじが形成された鋳型
部分と、雌ねじが形成された取付体部分とが、中子の径
方向に並んで配置されることから、中子の径方向におけ
る突片の寸法を大きくしてこの突片の周囲から鋳型の通
路内に流入する溶湯の量を増やそうとすると、鋳型の外
形を大きくしない限り、雄ねじが形成された鋳型部分
や、雌ねじが形成された取付体部分の、中子の径方向に
おける寸法、つまり、肉厚を小さくせざるを得ないの
で、これらの部分に必要な強度を持たせることが困難と
なる不具合があった。
【0007】本発明は前記事情に鑑みなされたもので、
本発明の目的は、金属中空管を連続鋳造する際に用いる
鋳型の通路に、原材料の溶湯の流入側端部において中子
を結合するに当たり、鋳型の外形を大きくせず、しか
も、中子が結合する鋳型の通路部分等に必要な強度を持
たせつつ、中子を鋳型の通路の中心に位置を合わせて確
実に結合することができる金属中空管連続鋳造用鋳型部
構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に記載した本発明の金属中空管連続鋳造用鋳型
部構造は、金属中空管の外形に対応する輪郭で形成され
該金属中空管の原材料の溶湯が流入し固化する通路を有
する鋳型に、前記金属中空管の中空部の輪郭に対応する
外形で形成され、前記通路と中心の位置を合わせて配置
される中子を取り付けて構成された金属中空管連続鋳造
用鋳型部の構造であって、前記中子の一端に形成され、
前記金属中空管の中空部の輪郭よりも大きい外形の結合
凸部と、前記通路で前記溶湯の流入側の端部に形成さ
れ、前記結合凸部の外径よりも大きい内径で形成された
雌ねじ部と、前記雌ねじ部よりも前記通路内での前記溶
湯の通流方向における下流側の通路部分に形成され、前
記結合凸部に対応する輪郭で形成された結合凹部と、前
記雌ねじ部に螺着される雄ねじ部材とを備え、前記雄ね
じ部材を前記雌ねじ部に螺着させて前記結合凸部を前記
結合凹部に結合させた状態で、前記通路と中子との間に
画成される前記溶湯の通流路を前記鋳型の外方に連通さ
せる通孔を、前記通流方向に沿って前記結合凸部及び前
記雄ねじ部材にそれぞれ貫設したことを特徴とする。
【0009】また、請求項2に記載した本発明の金属中
空管連続鋳造用鋳型部構造は、前記結合凸部が、前記通
流方向における上流側から下流側に至るにつれて前記結
合凸部の外形が次第に小さくなるテーパ面を有してお
り、前記結合凹部が、前記通流方向における上流側から
下流側に至るにつれて前記結合凹部の輪郭が、前記結合
凸部の前記テーパ面に対応して次第に小さくなるテーパ
面を有しているものとした。
【0010】請求項1に記載した本発明の金属中空管連
続鋳造用鋳型部構造によれば、中子の結合凸部を通路の
結合凹部に結合させた状態で、この結合凹部よりも溶湯
の通流方向における上流側の通路端部部分に雌ねじ部が
位置し、この雌ねじ部に雄ねじ部材が螺着されて、雌ね
じ部に対して雄ねじ部材を締め付けることにより、雄ね
じ部材が溶湯の通流方向における下流側の結合凹部側に
移動して、中子の結合凸部が通路の結合凹部側に押圧さ
れる。
【0011】従って、結合凸部の結合凹部への結合によ
り通路の中心に対して中心が合致するように配置された
中子を、雄ねじ部材の雌ねじ部への締め付けにより、雄
ねじ部材と雌ねじ部とのねじ嵌合部分のクリアランスに
よるガタつきの影響を受けずに、中子を鋳型の通路に強
固に、且つ、確実に結合させることができ、その上で、
中子の結合凸部や鋳型の通路の結合凹部と、鋳型の通路
の雌ねじ部や雄ねじ部材との、溶湯の通流方向における
位置をずらして、この通流方向と交わる方向における鋳
型の外形を大きくすることなく、溶湯の通流方向と交わ
る方向における鋳型の雌ねじ部や雄ねじ部材の寸法を、
それらの部分に必要な強度が備わる寸法に設定すること
が可能となる。
【0012】しかも、溶湯の通流方向と交わる方向にお
ける鋳型の雌ねじ部や雄ねじ部材の寸法を、鋳型の外形
を大きくすることなく、ある程度の寸法に設定できるこ
とから、鋳造する金属中空管の内径によって外形が定ま
ってしまう結合凸部以外の中子部分と、この結合凸部と
の、溶湯の通流方向と交わる方向における寸法差を大き
く設定して、その分、溶湯を通流させる通孔を大きい寸
法で形成し、溶湯を迅速に通路内に流入させることが可
能となる。
【0013】また、請求項2に記載した本発明の金属中
空管連続鋳造用鋳型部構造によれば、通路のテーパ面や
中子のテーパ面により、通路の結合凹部の輪郭や中子の
結合凸部の外形が、通路に中子を挿入する際の挿入方向
上流側となる、溶湯の通流方向における上流側の方が、
反対の下流側よりも大きい寸法となるため、中子のテー
パ面を、その外形が小さい側から、通路のテーパ面の輪
郭が大きい側に挿入することとなり、従って、中子の結
合凸部を通路の結合凹部に簡単、且つ、確実に挿入する
ことが可能となる。
【0014】しかも、通路の結合凹部や中子の結合凸部
にテーパ面を形成することにより、結合凸部と結合凹部
との接触面積が大きくなり、しかも、通路の雌ねじ部へ
の締め付けにより雄ねじ部材を溶湯の通流方向における
下流側に移動させると、この通流方向の下流側よりも上
流側の方が、中子の結合凸部の外形や通路の結合凹部の
輪郭が共に大きいことから、結合凸部と結合凹部との間
にくさび作用が発生することとなり、このくさび作用に
よって、結合凹部への結合凸部の嵌合、ひいては、通路
や鋳型に対する中子の取り付けをより一層強固にするこ
とが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態による金
属中空管連続鋳造用鋳型部構造を図面に基づいて説明す
る。
【0016】まず、図1の要部断面図を参照して、本発
明の金属中空管連続鋳造用鋳型部構造が適用される金属
中空管の連続鋳造装置の概略構成について説明する。
【0017】そして、図1中引用符号1で示す連続鋳造
装置は、原材料の金属溶湯を溶けた状態に保持する保持
炉3と、この保持炉3の下部に形成された鋳込口5と、
この鋳込口5が形成された保持炉3の下部に一端が取り
付けられる鋳型7と、この鋳型7の他端側部分の周囲に
巻装され内部を冷却水が通流する冷却器14とを備えて
いる。
【0018】そして、前記連続鋳造装置1では、金属中
空管15の原材料である保持炉3内の銅や銅合金等の溶
湯が、保持炉3の下部の鋳込口5から鋳型7内に一端側
から流入し、図1中引用符号Xで示す溶湯の通流方向に
沿ってこの鋳型7内を他端側に通流する際、冷却器14
によって冷却される鋳型7部分において溶湯が冷却、固
化されて、鋳型7の内部形状に応じた形状の金属中空管
15に成形され、鋳型7の他端側から外方に突出する金
属中空管15部分を、不図示の一対の引き出し用ローラ
により鋳型7から離間する向きに引き出すことで、金属
中空管15が連続して製造される。
【0019】次に、本発明の第1実施形態に係る鋳型に
ついて、図2乃至図4を参照して説明する。
【0020】図2は図1の連続鋳造装置の鋳型の構造と
して適用可能な本発明の第1実施形態に係る鋳型部構造
の拡大断面図、図3は図2の中子のA矢視図、図4は図
2の雄ねじ部材のA矢視図である。
【0021】そして、前記鋳型7に適用可能な本発明の
第1実施形態に係る鋳型部構造は、鋳型7に貫設されこ
の鋳型7を前記保持炉3に取り付けた状態で一端が前記
鋳込口5に連通する通路9と、図2に示すように、この
通路9内の一端側に配設される中子11と、この中子1
1を通路9内に固定する雄ねじ部材13とを備えて構成
されている。
【0022】前記鋳型7は、グラファイト等により形成
されており、この鋳型7に貫設される前記通路9は、通
路9の一端側に形成され鋳型7を保持炉3の下部に取り
付けた状態で鋳込口5に連通する雌ねじ部9aと、通路
9の他端側に形成された本通路部9bと、この本通路部
9bと雌ねじ部9aとの間の通路9部分に形成された、
雌ねじ部9a側の大径部9cを有している。
【0023】前記雌ねじ部9aは、鋳込口5と略同一の
内径で形成されており、前記本通路部9bは、前記鋳込
口5よりも雌ねじ部9aのねじ山の高さ分だけ小さく、
且つ、前記連続鋳造装置1で製造する円筒状の金属中空
管15(図1参照)の外径に対応する内径で形成されて
おり、前記大径部9c(結合凹部に相当)は、前記雌ね
じ部9aより若干小さく、且つ、前記本通路部9bより
も十分大きい内径で形成されている。
【0024】そして、前記通路9は、本通路部9bで通
路9の他端寄り部分が、冷却器14によりこれが巻装さ
れた鋳型7部分を介して冷却されるように構成されてい
る。
【0025】前記中子11は、前記通路9の大径部9c
に対応する外形で円柱状の嵌合部11aと、この嵌合部
11aの中心から嵌合部11aの軸方向に突設された中
子本体11bとを有している。前記嵌合部11a(結合
凸部に相当)には、図3に示すように、中子本体11b
の外方に位置する部分に、嵌合部11aの周方向に3つ
に区切った通孔11cが形成されており、中子本体11
bは、前記金属中空管15の内径に対応する外径で形成
されている。
【0026】そして、前記中子11は、図2に示すよう
に、中子本体11b側から通路9の大径部9cに挿入
し、この中子本体11bを大径部9cからさらに通路9
の本通路部9bに挿入しつつ、嵌合部11aを大径部9
cに嵌合することで、嵌合部11aの端面及び外周面が
大径部9cの内周面及び本通路部9bとの段差面にそれ
ぞれ略密接すると共に、中子本体11bと通路9の大径
部9c及び本通路部9bとが同心上に位置し、中子本体
11bの先端が、通路9の他端よりも一端側寄りの本通
路部9b部分に位置するように構成されている。
【0027】前記雄ねじ部材13は、図4に示すよう
に、前記通路9の雌ねじ部9aに螺着できる寸法で形成
され、この雄ねじ部材13の中央には同心円上の通孔1
3aが形成されていて、全体が略環状を呈しており、こ
の雄ねじ部材13の一方の端面には、雄ねじ部材13の
周方向に180゜位相をずらして、通路9の雌ねじ部9
aに螺合するために雄ねじ部材13を回転させる際に用
いる不図示の治具用の治具孔13b,13bが形成され
ている。
【0028】そして、前記雄ねじ部材13は、上述した
ように中子11の嵌合部11aを通路9の大径部9cに
嵌合し、雄ねじ部材13を通路9の雌ねじ部材9aに螺
着した状態で、図2に示すように、雄ねじ部材13の端
面が中子11の嵌合部11aの端面に互いの中心の位置
を合わせて当接し、且つ、通孔13aの内側に前記嵌合
部11aの3つの通孔11cが露出するように構成され
ている。
【0029】このような構成による第1実施形態の鋳型
部構造においては、連続鋳造装置1の保持炉3の鋳込口
5から流出する溶湯が、鋳型7の内部において、雄ねじ
部材13の通孔13aを通り、さらに、中子11の嵌合
部11aの各通孔11cを通って、通路9の本通路部9
bと中子11の中子本体11bとの間に画成される環状
の通流路W(図2参照)に流入する。
【0030】そして、第1実施形態の鋳型7において
は、中子11の嵌合部11aを通路9の大径部9cに嵌
合し、さらに、通路9の雌ねじ部9aに雄ねじ部材13
を螺着して、治具孔13b,13bに係合した前記不図
示の治具により締め付けることにより、雌ねじ部9aに
対して雄ねじ部材13が溶湯の通流方向Xにおける下流
側に移動して、雄ねじ部材13の端面が中子11の嵌合
部11aの対向する端面を前記通流方向Xに押圧し、こ
れにより、嵌合部11aの反対側の端面が、大径部9c
と本通路部9bとの段差面に圧接される。
【0031】このように、第1実施形態の鋳型部構造に
よれば、保持炉3の下部の鋳込口5が形成された部分に
取り付けられる鋳型7において、保持路3に取り付けた
状態で一端が鋳込口5に連通する溶湯通流用の通路9を
鋳型7に貫設し、この通路9内に中子11を配設するに
当たり、次のような構成を採用した。
【0032】即ち、鋳造する金属中空管15の内径に対
応する外径の中子本体11bの端部に嵌合部11aを形
成して、金属中空管15の外径に対応する内径の本通路
部9bよりも鋳込口5寄りの通路9箇所に、中子11の
嵌合部11aが嵌合される大径部9cを本通路部9bよ
りも大きい内径で形成すると共に、この大径部9cより
も鋳込口5寄りの通路9箇所に雌ねじ部9aを大径部9
cよりも大きい内径で形成し、この雌ねじ部9aに雄ね
じ部材13を螺着して締め付けることにより、雄ねじ部
材13によって溶湯の通流方向Xにおける下流側に中子
11の嵌合部11aが押圧されて、通路9の大径部9c
に圧接される構成とした。
【0033】このため、嵌合部11aの大径部9cへの
嵌合により通路9の中心に対して中子本体11bの中心
が合致するように配置された中子11を、通路9の雌ね
じ部9aに対する雄ねじ部材13の締め付けにより、雄
ねじ部材13と雌ねじ部9aとのねじ嵌合部分におけ
る、雄ねじ部材13の径方向及び前記通流方向Xに関す
るクリアランスによるガタつきの影響を受けずに、中子
11を鋳型7の通路9に強固に、且つ、確実に結合させ
ることができる。
【0034】そして、その上で、中子11の嵌合部11
aと通路9の雌ねじ部9aとの位置を溶湯の通流方向X
にずらすと共に、雄ねじ部材13と通路9の大径部9c
との位置を通流方向Xにずらしたので、この通流方向X
と直交する通路9や雄ねじ部材13の径方向における鋳
型7の外形を大きくすることなく、この周方向における
鋳型7の雌ねじ部9aや雄ねじ部材13の寸法を、それ
らの部分に必要な強度が備わるように、ある程度の肉厚
となる寸法に設定することができる。
【0035】また、上述したように、中子11の嵌合部
11aと通路9の雌ねじ部9aとの位置や、雄ねじ部材
13と通路9の大径部9cとの位置が、溶湯の通流方向
Xにずれることから、鋳造する金属中空管15の内径に
よって外径が定まってしまう中子本体11bと嵌合部1
1aとの、通路9や雄ねじ部材13の径方向における寸
法差を大きく設定して、その分、溶湯を通流させる中子
11や雄ねじ部材13の通孔11c,13aを大きい寸
法で形成し、溶湯を迅速に通路9内に流入させることが
できる。
【0036】次に、本発明の第2実施形態に係る鋳型に
ついて、図5を参照して説明する。
【0037】図5は図1の連続鋳造装置の鋳型の構造と
して適用可能な本発明の第2実施形態に係る鋳型部構造
の拡大断面図である。
【0038】そして、前記鋳型7に適用可能な本発明の
第1実施形態に係る鋳型部構造は、図5に示すように、
通路9の大径部9cの内周部に、本通路部9bよりも大
きい内径で、且つ、溶湯の通流方向Xにおける下流側か
ら上流側に至るにつれて内径が次第に大きくなる略円錐
台状のテーパ面9dを形成した点と、中子11の嵌合部
11aの外周部に、中子本体11bからその軸方向に離
間するにつれて次第に外径が大きくなり、通路9のテー
パ面9dに対応する略円錐台状のテーパ面11dを形成
した点とが、第1実施形態の鋳型部構造とは構成が異な
っており、その他の点については、第1実施形態の鋳型
部構造と同様に構成されている。
【0039】このような構成による第2実施形態の鋳型
部構造によっても、第1実施形態の鋳型部構造と同様の
作用、効果を得ることができる。
【0040】そして、第2実施形態の鋳型部構造によれ
ばさらに、通路9のテーパ面9dや中子11のテーパ面
11dにより、大径部9cの内径や嵌合部11aの外径
が、通路9に中子11を挿入する際の挿入方向上流側と
なる、溶湯の通流方向Xにおける上流側の方が、反対の
下流側よりも大きい寸法となるため、中子11のテーパ
面11dを、その外径が小さい側から、通路9のテーパ
面9dの内径が大きい側に挿入することとなり、従っ
て、中子11の嵌合部11aを通路9の大径部9cに簡
単、且つ、確実に挿入することができる。
【0041】しかも、通路9の大径部9cや中子11の
嵌合部11aにテーパ面9d,11dを形成することに
より、嵌合部11aと大径部9cとの接触面積が大きく
なり、しかも、雌ねじ部9aへの締め付けにより雄ねじ
部材13を溶湯の通流方向Xにおける下流側に移動させ
ると、この通流方向Xの下流側よりも上流側の方が嵌合
部11aの外径や大径部9cの内径が共に大きいことか
ら、嵌合部11aと大径部9cとの間にくさび作用が発
生することとなり、このくさび作用によって、大径部9
cへの嵌合部11aの嵌合、ひいては、通路9や鋳型7
に対する中子11の取り付けをより一層強固にすること
ができる。
【0042】尚、上述した第1及び第2の両実施形態で
は、中子11の嵌合部11aの通孔11cが、中子本体
11bの外方に位置する嵌合部11a部分に形成されて
いるものとしたが、嵌合部11aの外周縁から、或は、
中子本体11bの周方向に間隔をおいた嵌合部11aの
複数の外周縁箇所から中子本体11bの径方向に略向け
てスリット(図示せず)を形成する等、中子11の嵌合
部11aに形成する溶湯通過用の通孔の形状は、第1及
び第2実施形態において説明した形状に限定されず任意
であることは言うまでもない。
【0043】また、第1及び第2実施形態では、円筒状
の金属中空管15を連続鋳造する連続鋳造装置1で用い
る鋳型7を例に取って説明したが、本発明は、断面が円
環状でない、例えば、断面略多角形状や文字、記号状の
金属中空管を連続鋳造する連続鋳造装置で用いる鋳型に
も適用できることは言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載した
本発明の金属中空管連続鋳造用鋳型部構造によれば、金
属中空管の外形に対応する輪郭で形成され該金属中空管
の原材料の溶湯が流入し固化する通路を有する鋳型に、
前記金属中空管の中空部の輪郭に対応する外形で形成さ
れ、前記通路と中心の位置を合わせて配置される中子を
取り付けて構成された金属中空管連続鋳造用鋳型部の構
造であって、前記中子の一端に形成され、前記金属中空
管の中空部の輪郭よりも大きい外形の結合凸部と、前記
通路で前記溶湯の流入側の端部に形成され、前記結合凸
部の外径よりも大きい内径で形成された雌ねじ部と、前
記雌ねじ部よりも前記通路内での前記溶湯の通流方向に
おける下流側の通路部分に形成され、前記結合凸部に対
応する輪郭で形成された結合凹部と、前記雌ねじ部に螺
着される雄ねじ部材とを備え、前記雄ねじ部材を前記雌
ねじ部に螺着させて前記結合凸部を前記結合凹部に結合
させた状態で、前記通路と中子との間に画成される前記
溶湯の通流路を前記鋳型の外方に連通させる通孔を、前
記通流方向に沿って前記結合凸部及び前記雄ねじ部材に
それぞれ貫設する構成とした。
【0045】このため、中子の結合凸部を通路の結合凹
部に結合させた状態で、この結合凹部よりも溶湯の通流
方向における上流側の通路端部部分に雌ねじ部が位置
し、この雌ねじ部に雄ねじ部材が螺着されて、雌ねじ部
に対して雄ねじ部材を締め付けることにより、雄ねじ部
材が溶湯の通流方向における下流側の結合凹部側に移動
して、中子の結合凸部が通路の結合凹部側に押圧され
る。
【0046】従って、結合凸部の結合凹部への結合によ
り通路の中心に対して中心が合致するように配置された
中子を、雄ねじ部材の雌ねじ部への締め付けにより、雄
ねじ部材と雌ねじ部とのねじ嵌合部分のクリアランスに
よるガタつきの影響を受けずに、中子を鋳型の通路に強
固に、且つ、確実に結合させることができ、その上で、
中子の結合凸部や鋳型の通路の結合凹部と、鋳型の通路
の雌ねじ部や雄ねじ部材との、溶湯の通流方向における
位置をずらして、この通流方向と交わる方向における鋳
型の外形を大きくすることなく、溶湯の通流方向と交わ
る方向における鋳型の雌ねじ部や雄ねじ部材の寸法を、
それらの部分に必要な強度が備わる寸法に設定すること
ができる。
【0047】しかも、溶湯の通流方向と交わる方向にお
ける鋳型の雌ねじ部や雄ねじ部材の寸法を、鋳型の外形
を大きくすることなく、ある程度の寸法に設定できるこ
とから、鋳造する金属中空管の内径によって外形が定ま
ってしまう結合凸部以外の中子部分と、この結合凸部と
の、溶湯の通流方向と交わる方向における寸法差を大き
く設定して、その分、溶湯を通流させる通孔を大きい寸
法で形成し、溶湯を迅速に通路内に流入させることがで
きる。
【0048】また、請求項2に記載した本発明の金属中
空管連続鋳造用鋳型部構造によれば、前記結合凸部が、
前記通流方向における上流側から下流側に至るにつれて
前記結合凸部の外形が次第に小さくなるテーパ面を有し
ており、前記結合凹部が、前記通流方向における上流側
から下流側に至るにつれて前記結合凹部の輪郭が、前記
結合凸部の前記テーパ面に対応して次第に小さくなるテ
ーパ面を有している構成とした。
【0049】このため、通路のテーパ面や中子のテーパ
面により、通路の結合凹部の輪郭や中子の結合凸部の外
形が、通路に中子を挿入する際の挿入方向上流側とな
る、溶湯の通流方向における上流側の方が、反対の下流
側よりも大きい寸法となるため、中子のテーパ面を、そ
の外形が小さい側から、通路のテーパ面の輪郭が大きい
側に挿入することとなり、従って、中子の結合凸部を通
路の結合凹部に簡単、且つ、確実に挿入することができ
る。
【0050】しかも、通路の結合凹部や中子の結合凸部
にテーパ面を形成することにより、結合凸部と結合凹部
との接触面積が大きくなり、しかも、通路の雌ねじ部へ
の締め付けにより雄ねじ部材を溶湯の通流方向における
下流側に移動させると、この通流方向の下流側よりも上
流側の方が、中子の結合凸部の外形や通路の結合凹部の
輪郭が共に大きいことから、結合凸部と結合凹部との間
にくさび作用が発生することとなり、このくさび作用に
よって、結合凹部への結合凸部の嵌合、ひいては、通路
や鋳型に対する中子の取り付けをより一層強固にするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属中空管連続鋳造用鋳型部構造が適
用される金属中空管の連続鋳造装置の概略構成を示す要
部断面図である。
【図2】図1の連続鋳造装置の鋳型の構造として適用可
能な本発明の第1実施形態に係る鋳型部構造の拡大断面
図である。
【図3】図2の中子のA矢視図である。
【図4】図2の雄ねじ部材のA矢視図である。
【図5】図1の連続鋳造装置の鋳型の構造として適用可
能な本発明の第2実施形態に係る鋳型部構造の拡大断面
図である。
【符号の説明】
7 鋳型 9 通路 9a 雌ねじ部 9c 大径部(結合凹部) 9d,11d テーパ面 11 中子 11a 嵌合部(結合凸部) 11c,13a 通孔 13 雄ねじ部材 15 金属中空管 W 溶湯通流路 X 溶湯通流方向

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属中空管の外形に対応する輪郭で形成
    され該金属中空管の原材料の溶湯が流入し固化する通路
    を有する鋳型に、前記金属中空管の中空部の輪郭に対応
    する外形で形成され、前記通路と中心の位置を合わせて
    配置される中子を取り付けて構成された金属中空管連続
    鋳造用鋳型部の構造であって、 前記中子の一端に形成され、前記金属中空管の中空部の
    輪郭よりも大きい外形の結合凸部と、 前記通路で前記溶湯の流入側の端部に形成され、前記結
    合凸部の外径よりも大きい内径で形成された雌ねじ部
    と、 前記雌ねじ部よりも前記通路内での前記溶湯の通流方向
    における下流側の通路部分に形成され、前記結合凸部に
    対応する輪郭で形成された結合凹部と、 前記雌ねじ部に螺着される雄ねじ部材とを備え、 前記雄ねじ部材を前記雌ねじ部に螺着させて前記結合凸
    部を前記結合凹部に結合させた状態で、前記通路と中子
    との間に画成される前記溶湯の通流路を前記鋳型の外方
    に連通させる通孔を、前記通流方向に沿って前記結合凸
    部及び前記雄ねじ部材にそれぞれ貫設した、 ことを特徴とする金属中空管連続鋳造用鋳型部構造。
  2. 【請求項2】 前記結合凸部は、前記通流方向における
    上流側から下流側に至るにつれて前記結合凸部の外形が
    次第に小さくなるテーパ面を有しており、前記結合凹部
    は、前記通流方向における上流側から下流側に至るにつ
    れて前記結合凹部の輪郭が、前記結合凸部の前記テーパ
    面に対応して次第に小さくなるテーパ面を有している請
    求項1記載の金属中空管連続鋳造用鋳型部構造。
JP33380296A 1996-12-13 1996-12-13 金属中空管連続鋳造用鋳型部構造 Withdrawn JPH10175042A (ja)

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