JP3793703B2 - 金型用冷却装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ダイカスト鋳造等に使用される金型用冷却装置に関し、特に金型の有底冷却穴に内パイプと外パイプとを同芯状に接続して冷却液の往路と復路とを形成するように構成した金型用冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ダイカスト鋳造等に使用される金型には、キャビティ周辺を冷却するための冷却装置が付設されるのが通例であり、この冷却装置は、金型(中子ピン)の有底冷却穴内に、内パイプと外パイプとを同芯状に挿通して、冷却水の往路と復路とを形成する冷却構造を有している。
【0003】
詳述すると、この冷却装置は、図4に示すように、金型4の中子ピン5に形成されて先端に球面状の底面7を有する有底冷却穴6内に、同芯状に配置された内パイプ2と外パイプ3とのそれぞれの先端開口部を位置させると共に、外パイプ3の先端開口部よりも内パイプ2の先端開口部を前記底面7に接近させて対向配置させたものである。そして、内パイプ2の内部通路8が冷却水の往路をなし、内パイプ2と外パイプ3との相互間のパイプ間通路10が冷却水の復路をなすように冷却水経路が構成される。
【0004】
従って、内パイプ2の内部通路8から有底冷却穴6に流入した冷却水は、底面7に衝突して流れ方向が変換された後、内パイプ2の外周側に存する冷却穴内通路9を経て両パイプ2,3相互間のパイプ間通路10に至り、パイプ間通路10を通過して流出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の金型4(中子ピン5)に形成される有底冷却穴6は、同図に示すように、底面7における軸芯Xを基準とする中央領域が球面7xをなし、その外周領域が先細り状の円錐面7yをなしているのが通例である。
【0006】
しかしながら、このように底面7の中央領域が球面7xであると、内パイプ2からの冷却水が球面7xに衝突してその流れに方向変換が生じた場合には、方向変換後の冷却水中に、球面7xの中心点付近(軸芯X付近)に収束しようとする流れ成分が生成され、この流れ成分が内パイプ2からの冷却水の流れと逆行しつつ衝突することになる。このため、有底冷却穴6の底面7付近において冷却水の流通阻害が生じ、これに起因して冷却水の滞留が発生する。この結果、冷却水の円滑な流出が阻害されるばかりでなく、冷却作用が不足して金型4(中子ピン5)が高温になるため、ダイカスト鋳造品(例えばアルミ鋳造品)の一部が金型4に融着するという不具合が生じる。
【0007】
しかも、底面7の外周領域が先細り状の円錐面7yであると、この円錐面7yに衝突して方向変換した冷却水中にも、軸芯X付近に収束しようとする流れ成分が生成され、この流れ成分が内パイプ2からの冷却水の流れと逆行して衝突することになるため、上述の冷却水の流通阻害、及びこれに起因する金型4へのダイカスト鋳造品の融着が一層顕著となる。
【0008】
一方、従来においては、有底冷却穴6の底面7と内パイプ2の先端との離間寸法Sが、内パイプ2の内径dの約10倍又はそれ以上に設定されているのが通例であり、具体的には、この離間寸法Sは、10mm以上に設定されているのが通例であった。
【0009】
しかしながら、このような設定によれば、前記離間寸法Sが必要以上に長くなるため、内パイプ2から吐出された冷却水が底面7に衝突するまでの間に流速が低下し、底面7の手前で他の冷却水の流れに乗ってパイプ間通路10から流出する虞れがある。従って、これによっても、底面7付近で冷却水の流通阻害が生じて、冷却水が滞留することになるため、上述の場合と同様にして、冷却水の円滑な流出が阻害され、更には、金型4へのダイカスト鋳造品の融着が発生する要因となる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、内パイプ及び外パイプが接続される金型の有底冷却穴における底面周辺形状、或いはその底面と内パイプとの位置関係に改良を加えることにより、底面付近に生じる冷却液の流通阻害を回避して、ダイカスト鋳造品の金型への融着を防止すべく適正な冷却作用を行い得る金型用冷却装置を提供することを技術的課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を達成するためになされた本発明は、金型に設けられて先端に底面を有する有底冷却穴に、同芯状に配置された内パイプ及び外パイプを、外パイプの先端開口部よりも内パイプの先端開口部が前記底面に接近するように接続し、前記内パイプの内部通路を冷却液の往路とし、前記両パイプの相互間のパイプ間通路を冷却液の復路とした金型用冷却装置において、
前記有底冷却穴の底面の中央領域に、平坦面部分を形成すると共に、その外周領域に、前記平坦面部分から有底冷却穴の内周面に連続して連なり且つ冷却液の滞留を生じ難くしてスムーズに冷却液を方向変換させるための湾曲面部分を形成し、前記平坦面部分の径を、前記内パイプの内径よりも大きく設定すると共に、前記有底冷却穴の底面と前記内パイプの先端との離間寸法を、2.0〜5.0mmに設定したことに特徴づけられる。
【0012】
このような構成によれば、有底冷却穴の底面の中央領域に平坦面部分を形成したから、内パイプから吐出された冷却液が平坦面部分に衝突して流れ方向変換が生じた場合には、従来のように軸芯部分に収束しようとする流れ成分が生成されることなく、外周側に向って拡散しようとする多量の流れ成分が生成される。これに起因して、多量の冷却液が底面を外周側に向って流れ、この後、その冷却液は、外周領域の湾曲面部分でスムーズに方向変換し、更に有底冷却穴の内周面に沿って軸芯と平行に底面から離反する方向に流れた後、パイプ間通路を通過して流出する。
【0013】
そして、有底冷却穴内においては、以上のような冷却液の流れが主流となるため、底面付近には、冷却液の流通阻害及びこれに起因する滞留が生じ難くなる。これにより、冷却液の流通が円滑化されて、十分な冷却作用が営まれるため、ダイカスト鋳造品が金型に融着する等の不具合が効果的に回避される。
【0014】
しかも、前記平坦面部分の径(直径)は、前記内パイプの内径よりも大きく設定され、例えば、前記平坦面部分の径が、前記内パイプの内径の1.5〜3.0倍程度に設定される。これにより、内パイプから吐出された冷却液が底面を外周側に向って流れる距離を十分に確保できるため、適度な流速を維持した状態で冷却液が湾曲面部分に至ることになり、好適な冷却液の流通性を得ることが可能となる。なお、前記平坦面部分の径が内パイプの内径の1.5倍未満であると、冷却液が底面を外周側に向って流れる距離を適切に確保できなくなる虞れがあり、逆に3.0倍を超えると、冷却液が平坦面部分から湾曲面部分に到達するまでの間に失速して方向変換する流れ成分が多くなり、湾曲面部分の付近で滞留の発生を招く虞れがある。
【0015】
加えて、前記有底冷却穴の底面と前記内パイプの先端との離間寸法は、2.0〜5.0mmに設定され、好ましくは、2.5〜3.0mmに設定される。すなわち、この離間寸法が2mm未満(或いは2.5mm未満)であると、内パイプから吐出された直後の冷却液の流路面積が小さくなって流通抵抗の増大を招く虞れがある一方、5.0mm超(或いは3.0mm超)であると、内パイプから吐出された冷却液が底面に到達するまでの間に流速が低下して、底面付近に後続の新しい冷却液が供給され難くなる虞れがある。
【0016】
この場合、前記湾曲面部分は、含軸芯断面において略円弧形状を呈していることが好ましい。ここで、「含軸芯断面」とは、軸芯を含む断面を言い、より詳しくは、軸芯に沿って切断した断面を言う。このように構成すれば、底面を外周側に向って流れた冷却液が湾曲面部分で底面から離反する方向に方向変換する際に、流通阻害ないしは流通抵抗増大を可及的抑制できることになり、最適な状態で冷却液の方向変換がなされることになる。
【0017】
また、前記有底冷却穴の底面と前記内パイプの先端との離間寸法は、前記内パイプの内径の5倍以下に設定されることが好ましく、より好ましくは、この離間寸法は、内パイプの内径の3倍以下、または2倍以下に設定される。
【0018】
このようにすれば、有底冷却穴の底面と内パイプの先端との離間寸法が内パイプの内径との関連において従来よりも短くなることから、内パイプから吐出された冷却液は、流速の不足を招くことなく有底冷却穴の底面に到達する。これにより、底面には、常に後続の新しい冷却液が衝突することになり、底面付近での冷却液の滞留が可及的抑制されて、十分な冷却作用が営まれることになるため、冷却不足に起因するダイカスト鋳造品の金型への融着等が効果的に回避される。ここで、前記離間寸法が内パイプの内径の5倍を超えると、従来と同様に底面付近に冷却液の滞留を招く虞れがある。そして、この離間寸法を、内パイプの内径の3倍以下、或いは2倍以下とすることにより、前記滞留の発生確率をより一層低減することができる。
【0019】
なお、前記離間寸法は、何れの場合であっても、内パイプの内径の1倍以上であることが好ましい。これは、1倍未満であると、内パイプの先端開口部と底面との間の隙間が小さくなり過ぎることに起因して、内パイプから吐出された直後の冷却液の流路面積が小さくなって流通抵抗の増大を招く虞れがあることによる。
【0020】
また、前記有底冷却穴の内周面と前記内パイプの外周面との間に形成される冷却穴内通路の流路面積は、前記内パイプの流路面積の1.5〜2倍に設定することが好ましい。このように構成すれば、冷却穴内通路の流路面積が内パイプの流路面積よりも大きいことから、内パイプから吐出されて底面で方向変換された冷却液の流出抵抗(排水抵抗)が過度に大きくならず、しかも冷却穴内通路の流路面積が内パイプの流路面積の1.5〜2倍程度であることから、冷却穴内通路を通過する冷却液の流速が過度に低下することもない。そして、冷却穴内通路の流路面積が内パイプの流路面積の1.5倍未満であると、冷却液の流出抵抗が大きくなり、冷却液の全般に亘る流通性が阻害され、2倍を超えると、流出する冷却液の流速が低下して、この場合にも冷却液の全般に亘る流通性が阻害される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る金型用冷却装置の概略構成を示す断面図、図2は、その要部を示す拡大断面図である。なお、図1及び図2において、既述の図3に示す従来例と共通の構成要件については同一符号を付する。また、図1及び図2において、先端側とは、図面における右側を指し、基端側とは、図面における左側を指す。
【0022】
図1に示すように、金型用冷却装置1は、内パイプ2の外周に外パイプ3を同芯状に配置し、内パイプ2及び外パイプ3のそれぞれの先端開口部を金型4の中子ピン5の有底冷却穴6に連通させた構成とされる。そして、内パイプ2の先端は、有底冷却穴6の先端に存する底面7に接近した位置に開口し、外パイプ3の先端は、有底冷却穴6の基端側の端部位置に開口している。したがって、内パイプ2の内部通路8は、内パイプ2と有底冷却穴6との相互間に存する冷却穴内通路9を介して、内パイプ2と外パイプ3との相互間に存するパイプ間通路10に連通している。そして、内パイプ2の内部通路8が往路になり、パイプ間通路10が復路になるように構成されている。
【0023】
この場合、内パイプ2は,外パイプ3の先端面および基端面に対して先端側および基端側にそれぞれ突出している。外パイプ3の先端部外周には、一または複数(図例では二個)のOリング11でなるシール部材が装着され、これにより有底冷却穴6の冷却穴内通路9が中子ピン5の外部に対してシールされている。
【0024】
図2に示すように、前記有底冷却穴6の底面7には、軸芯Xを基準とする所定径Daの中央領域に平坦面部分7aが形成され、その外周領域に、前記平坦面部分7aから有底冷却穴6の内周面6aに連続して連なる湾曲面部分7bが形成されている。この湾曲面部分7bは、同図に示す断面すなわち含軸芯断面において、略円弧状を呈しており、したがってその湾曲面の立体的形状は球面の一部をなしている。また、有底冷却穴6の内周面6aは、先端部から基端部に亘って略同径の円筒面を呈している。
【0025】
前記底面7の平坦面部分7aの径Daは、内パイプ2の内径dよりも大きく設定され、この実施形態では、平坦面部分7aの径Daが内パイプ2の内径dの約2倍程度とされているが、必要ならば、この両者を略同径としてもよい。また、この実施形態では、内パイプ2の先端が、湾曲面部分7bの形成領域よりも僅かに基端側に位置しているが、必要ならば、内パイプ2の先端を湾曲面部分7bの形成領域の途中に位置させてもよく、或いは内パイプ2の先端と湾曲面部分7bの基端側端部とを略同位置に配置させてもよい。
【0026】
更に、内パイプ2の先端と、これに対向する底面7(この実施形態では平坦面部分7a)との離間寸法Sは、内パイプ2の内径dの5倍以下、例えば約2倍程度に設定されている。具体的には、この離間寸法Sは、2.0〜5.0mmに設定され、好ましくは、2.5〜3.0mmに設定される。また、冷却穴内通路9の流路面積{π(D2−d12)/4}は、内パイプ2の流路面積{πd2/4}の1.5〜2倍に設定されている。なお、中子ピン5の外周壁の肉厚tは、1.0〜2.0mmに設定され、その底壁の肉厚t1は、1.0〜4.0mmに設定されている。また、中子ピン5の底壁の外端面5aは、平坦面とされている。
【0027】
前記内パイプ2及び外パイプ3の基端側における冷却液流通経路の構成は、特に限定されるわけではないが、例えば以下に示すような構成とされている。すなわち、図3に示すように、外パイプ3および内パイプ2の基端部は、ホース接続用の接続ヘッド12に装着され、この接続ヘッド12が金型4の基端側に設けられた押さえ板13に当接して、両パイプ2,3の有底冷却穴6からの抜けが防止されている。外パイプ3の基端部外周には雄ネジ部14が形成され、接続ヘッド12に形成されたパイプ用雌ネジ部15に外パイプ3の雄ネジ部14が螺合されている。接続ヘッド12における外パイプ3との螺合部の基端側には、パイプ用雌ネジ部15に連接する液室16が形成され、この液室16を内パイプ2が貫通している。
【0028】
接続ヘッド12には、液室16に通じるストレートジョイント17が装着され、このストレートジョイント17に形成された雄ネジ部18が、接続ヘッド12に形成された第一配管用雌ネジ部(排水口)19に螺合されている。この場合、第一配管用雌ネジ部19は、軸芯Xと直交する方向に沿って形成されている。なお、ストレートジョイント17の一端部にはホース20が着脱自在に装着されている。
【0029】
内パイプ2の基端部外周には、基端面に内部通路6が開口するように鍔部21が固着一体化され、接続ヘッド12に形成された係合凹部22に、基端側から係脱可能に鍔部21が係合している。接続ヘッド12の液室16と係合凹部22との間の肉部には、内パイプ2がシール部材等によりシールされた状態で抜き挿し可能に嵌合する嵌合孔23が形成されている。接続ヘッド12には、内部通路6の基端部に通じるL字形のエルボージョイント24が装着され、このエルボージョイント24に形成された雄ネジ部25が、接続ヘッド12に形成された第二配管用雌ネジ部(給水口)26に螺合されている。
【0030】
この場合、パイプ用雌ネジ部15と、液室16と、嵌合孔23と、係合凹部22と、第二配管用雌ネジ部26とは、軸芯X上に順次連接されると共に、内パイプ2は、第二配管用雌ネジ部26から、嵌合孔23、液室16、および外パイプ3の内周を貫通して挿入されている。そして、内パイプ2の鍔部21が係合凹部22に係合された状態で、第二配管用雌ネジ部26にエルボージョイント24の雄ネジ部25を螺合させることにより、その雄ネジ部25先端と係合凹部22の端壁面との間に鍔部21が挟持されて、鍔部21および内パイプ2が接続ヘッド12に固定された状態となっている。
【0031】
なお、第二配管用雌ネジ部26は、軸芯X方向に沿って形成されている。また、エルボージョイント24の一端部にはホース27が着脱自在に装着されており、このエルボージョイント24へのホース27の接続方向と上述のストレートジョイント17へのホース20の接続方向とは平行になるように設定されている。
【0032】
以上の構成を備えた金型用冷却装置1によれば、エルボージョイント24から内パイプ2の内部通路(往路)8に送給された冷却液は、内パイプ2の先端開口部から吐出されて有底冷却穴6の底面7付近に至った後、内パイプ2の外周側に存する冷却穴内通路9及び両パイプ2,3間のパイプ間通路(復路)10を通過して液室16に至り、ストレートジョイント17を通じて流出する。このようにして、冷却液が連続して循環することにより、キャビティC内の溶湯(ダイカスト鋳造品)との間で熱交換が行われる。
【0033】
ところで、この冷却液の循環途中において、内パイプ2の先端開口部から有底冷却穴6の底面7に向って冷却液が吐出された場合には、底面7の中央領域に平坦面部分7aが形成されていることから、平坦面部分7aに衝突して流れ方向が変化した冷却液は、従来のように軸芯X付近に収束することなく、多量の流れ成分が外周側に向って拡散しようとする。そして、底面7を外周側に向って流れた冷却液は、外周領域の湾曲面部分7bでスムーズに方向変換して、冷却穴内通路9を軸芯Xと平行に底面7から離反する方向に流れた後、パイプ間通路10を通過して流出する。有底冷却穴6内においては、このような冷却液の流れが主流となるため、底面7付近には、冷却液の流通阻害及びこれに起因する滞留が生じ難くなり、十分な冷却作用が営まれて、キャビティC内のダイカスト鋳造品が金型4(中子ピン5)に融着する等の不具合が回避される。
【0034】
更に、有底冷却穴6の底面7と内パイプ2の先端との離間寸法Sが従来よりも短く設定されていることから、内パイプ2の先端開口部から吐出された冷却液は、流速の不足を招くことなく有底冷却穴6の底面7に衝突し、常に後続の新しい冷却液が底面7付近に存在することになる。したがって、これによっても底面7付近での冷却液の滞留が可及的抑制され、十分な冷却作用が営まれるため、ダイカスト鋳造品の金型4への融着等が回避される。
【0035】
しかも、冷却穴内通路9の流路面積は、内パイプ2の流路面積の1.5〜2倍に設定されていることから、冷却穴内通路9を通過する冷却液の流出抵抗の増大を抑止した上で、冷却液の十分な流速を確保することができ、金型用冷却装置1内の全般に亘る冷却液の流通性が極めて良好になる。
【0036】
なお、この実施形態では、以下に示すような作用効果を得ることもできる。すなわち、図3に示すように、冷却液が接続ヘッド12の内部を通過する間においては、容積室として単一の液室16を通過するのみであり、しかも液室16は、内パイプ2の貫通配列に対応した充分な流路面積および流路長さを有しているため、冷却液の流れが阻害されることはない。したがって、接続ヘッド12の小型・軽量化や配設スペースの狭小化を図りつつ、冷却液のスムーズな流通性を確保することができる。
【0037】
また、接続ヘッド12のパイプ用雌ネジ部15に螺合された外パイプ3、及び係合凹部22に係合される鍔部21が固着一体化された内パイプ2は、螺合解除や係合解除により接続ヘッド12から取外せるのみならず、第一配管用雌ネジ部19に螺合されたストレートジョイント17、および第二配管用雌ネジ部26に螺合されたエルボージョイント24についても、螺合解除により接続ヘッド12から取外すことができる。なお、内パイプ2の取外しは、エルボージョイント24を取外した後に、第二配管用雌ネジ部26を通じて鍔部21および内パイプ2を基端側に向かって引き抜くことにより行われる。したがって、細分化された各構成部品ごとに水垢等の除去作業を行うことができ、作業の容易化および確実化が図られる。また、各構成部品のうちの一部品が破損した場合には、その部品のみを取り換えるだけで済み、他の部品については取り換えを行わずに継続して使用することができ、経済的に有利となる。
【0038】
更に、第二配管用雌ネジ部26に螺合される配管部材として、L字形のエルボージョイント24が使用されているため、ホース27の接続方向を必要に応じて変更でき、これに伴って配管スペースの制約やレイアウトの制約を受け難くなり、外部配管の接続を容易に行うことが可能となる。
【0039】
なお、上記実施形態では、金型の構成要素であるピン部としての中子ピン5を、金型本体とは別体として構成したが、この中子ピン5は、金型本体に一体形成されるピン部であってもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る金型用冷却装置によれば、金型に設けられた有底冷却穴における底面の中央領域に平坦面部分を形成し、その外周領域に前記平坦面部分から有底冷却穴の内周面に連続して連なり且つ冷却液の滞留を生じ難くしてスムーズに冷却液を方向変換させるための湾曲面部分を形成したから、内パイプから吐出された冷却液が平坦面部分に衝突して流れ方向が変化した場合には、従来のように軸芯部分に収束しようとする流れ成分が生成されずに、外周側に向って拡散しようとする多量の流れ成分が生成される。これに伴って、底面を外周側に向って流れた冷却液は、外周領域の湾曲面部分でスムーズに方向変換して、有底冷却穴の内周面に沿って軸芯と平行に底面から離反する方向に流れた後、内パイプと外パイプとの間のパイプ間通路を通過して流出する。そして、有底冷却穴内においては、このような冷却液の流れが主流となるため、底面付近には、冷却液の流通阻害及びこれに起因する滞留が生じ難くなる。この結果、冷却液の流通が円滑化されて、十分な冷却作用が営まれるため、ダイカスト鋳造品の一部が金型に融着する等の不具合が効果的に回避される。
【0041】
更に、前記平坦面部分の径を、前記内パイプの内径よりも大きく設定したことにより(好ましくは、前記平坦面部分の径を、前記内パイプの内径の1.5〜3.0倍程度)、内パイプから吐出された冷却液が底面を外周側に向って流れる距離を十分に確保できるため、適度な流速を維持した状態で冷却液が湾曲面部分に至ることになり、好適な冷却液の流通性を得ることが可能となる。
【0042】
しかも、有底冷却穴の底面と内パイプの先端との離間寸法を、2.0〜5.0mm(好ましくは、2.5〜3.0mm)に設定したから、前記離間寸法が従来に比して好適に短くなり、内パイプから吐出された冷却液は、流速の不足を招くことなく有底冷却穴の底面に到達する。これにより、底面には、常に後続の新しい冷却液が衝突することになり、底面付近での冷却液の滞留が可及的抑制されて、十分な冷却作用が営まれることになるため、冷却不足に起因するダイカスト鋳造品の金型への融着等が効果的に回避される。このような効果は、前記離間寸法を、内パイプの内径の5倍以下、より好ましくは、3倍以下または2倍以下に設定することによっても、同様にして得られる。
【0043】
この場合、前記湾曲面部分の形状を、含軸芯断面において略円弧形状とすれば、底面を外周側に向って流れた冷却液が湾曲面部分で底面から離反する方向に方向変換する際に、流通阻害ないしは流通抵抗増大を可及的抑制できることになり、最適な状態で冷却液の方向変換がなされる。
【0044】
そして、有底冷却穴の内周面と内パイプの外周面との間に形成される冷却穴内通路の流路面積を、内パイプの流路面積の1.5〜2倍に設定すれば、冷却穴内通路を通過する冷却液の流出抵抗の増大を抑止しつつ、冷却液の十分な流速を確保することができ、金型用冷却装置内の全般に亘る冷却液の流通性を効率良く円滑化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る金型用冷却装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る金型用冷却装置の要部を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る金型用冷却装置の一部を示す拡大断面図である。
【図4】従来例を示す金型用冷却装置の断面図である。
【符号の説明】
1 金型用冷却装置
2 内パイプ
3 外パイプ
4 金型
5 中子ピン(金型)
6 有底冷却穴
7 底面
7a 平坦面部分
7b 湾曲面部分
8 内部通路(往路)
9 冷却穴内通路
10 パイプ間通路(復路)
S 離間寸法
X 軸芯
【産業上の利用分野】
本発明は、ダイカスト鋳造等に使用される金型用冷却装置に関し、特に金型の有底冷却穴に内パイプと外パイプとを同芯状に接続して冷却液の往路と復路とを形成するように構成した金型用冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ダイカスト鋳造等に使用される金型には、キャビティ周辺を冷却するための冷却装置が付設されるのが通例であり、この冷却装置は、金型(中子ピン)の有底冷却穴内に、内パイプと外パイプとを同芯状に挿通して、冷却水の往路と復路とを形成する冷却構造を有している。
【0003】
詳述すると、この冷却装置は、図4に示すように、金型4の中子ピン5に形成されて先端に球面状の底面7を有する有底冷却穴6内に、同芯状に配置された内パイプ2と外パイプ3とのそれぞれの先端開口部を位置させると共に、外パイプ3の先端開口部よりも内パイプ2の先端開口部を前記底面7に接近させて対向配置させたものである。そして、内パイプ2の内部通路8が冷却水の往路をなし、内パイプ2と外パイプ3との相互間のパイプ間通路10が冷却水の復路をなすように冷却水経路が構成される。
【0004】
従って、内パイプ2の内部通路8から有底冷却穴6に流入した冷却水は、底面7に衝突して流れ方向が変換された後、内パイプ2の外周側に存する冷却穴内通路9を経て両パイプ2,3相互間のパイプ間通路10に至り、パイプ間通路10を通過して流出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の金型4(中子ピン5)に形成される有底冷却穴6は、同図に示すように、底面7における軸芯Xを基準とする中央領域が球面7xをなし、その外周領域が先細り状の円錐面7yをなしているのが通例である。
【0006】
しかしながら、このように底面7の中央領域が球面7xであると、内パイプ2からの冷却水が球面7xに衝突してその流れに方向変換が生じた場合には、方向変換後の冷却水中に、球面7xの中心点付近(軸芯X付近)に収束しようとする流れ成分が生成され、この流れ成分が内パイプ2からの冷却水の流れと逆行しつつ衝突することになる。このため、有底冷却穴6の底面7付近において冷却水の流通阻害が生じ、これに起因して冷却水の滞留が発生する。この結果、冷却水の円滑な流出が阻害されるばかりでなく、冷却作用が不足して金型4(中子ピン5)が高温になるため、ダイカスト鋳造品(例えばアルミ鋳造品)の一部が金型4に融着するという不具合が生じる。
【0007】
しかも、底面7の外周領域が先細り状の円錐面7yであると、この円錐面7yに衝突して方向変換した冷却水中にも、軸芯X付近に収束しようとする流れ成分が生成され、この流れ成分が内パイプ2からの冷却水の流れと逆行して衝突することになるため、上述の冷却水の流通阻害、及びこれに起因する金型4へのダイカスト鋳造品の融着が一層顕著となる。
【0008】
一方、従来においては、有底冷却穴6の底面7と内パイプ2の先端との離間寸法Sが、内パイプ2の内径dの約10倍又はそれ以上に設定されているのが通例であり、具体的には、この離間寸法Sは、10mm以上に設定されているのが通例であった。
【0009】
しかしながら、このような設定によれば、前記離間寸法Sが必要以上に長くなるため、内パイプ2から吐出された冷却水が底面7に衝突するまでの間に流速が低下し、底面7の手前で他の冷却水の流れに乗ってパイプ間通路10から流出する虞れがある。従って、これによっても、底面7付近で冷却水の流通阻害が生じて、冷却水が滞留することになるため、上述の場合と同様にして、冷却水の円滑な流出が阻害され、更には、金型4へのダイカスト鋳造品の融着が発生する要因となる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、内パイプ及び外パイプが接続される金型の有底冷却穴における底面周辺形状、或いはその底面と内パイプとの位置関係に改良を加えることにより、底面付近に生じる冷却液の流通阻害を回避して、ダイカスト鋳造品の金型への融着を防止すべく適正な冷却作用を行い得る金型用冷却装置を提供することを技術的課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を達成するためになされた本発明は、金型に設けられて先端に底面を有する有底冷却穴に、同芯状に配置された内パイプ及び外パイプを、外パイプの先端開口部よりも内パイプの先端開口部が前記底面に接近するように接続し、前記内パイプの内部通路を冷却液の往路とし、前記両パイプの相互間のパイプ間通路を冷却液の復路とした金型用冷却装置において、
前記有底冷却穴の底面の中央領域に、平坦面部分を形成すると共に、その外周領域に、前記平坦面部分から有底冷却穴の内周面に連続して連なり且つ冷却液の滞留を生じ難くしてスムーズに冷却液を方向変換させるための湾曲面部分を形成し、前記平坦面部分の径を、前記内パイプの内径よりも大きく設定すると共に、前記有底冷却穴の底面と前記内パイプの先端との離間寸法を、2.0〜5.0mmに設定したことに特徴づけられる。
【0012】
このような構成によれば、有底冷却穴の底面の中央領域に平坦面部分を形成したから、内パイプから吐出された冷却液が平坦面部分に衝突して流れ方向変換が生じた場合には、従来のように軸芯部分に収束しようとする流れ成分が生成されることなく、外周側に向って拡散しようとする多量の流れ成分が生成される。これに起因して、多量の冷却液が底面を外周側に向って流れ、この後、その冷却液は、外周領域の湾曲面部分でスムーズに方向変換し、更に有底冷却穴の内周面に沿って軸芯と平行に底面から離反する方向に流れた後、パイプ間通路を通過して流出する。
【0013】
そして、有底冷却穴内においては、以上のような冷却液の流れが主流となるため、底面付近には、冷却液の流通阻害及びこれに起因する滞留が生じ難くなる。これにより、冷却液の流通が円滑化されて、十分な冷却作用が営まれるため、ダイカスト鋳造品が金型に融着する等の不具合が効果的に回避される。
【0014】
しかも、前記平坦面部分の径(直径)は、前記内パイプの内径よりも大きく設定され、例えば、前記平坦面部分の径が、前記内パイプの内径の1.5〜3.0倍程度に設定される。これにより、内パイプから吐出された冷却液が底面を外周側に向って流れる距離を十分に確保できるため、適度な流速を維持した状態で冷却液が湾曲面部分に至ることになり、好適な冷却液の流通性を得ることが可能となる。なお、前記平坦面部分の径が内パイプの内径の1.5倍未満であると、冷却液が底面を外周側に向って流れる距離を適切に確保できなくなる虞れがあり、逆に3.0倍を超えると、冷却液が平坦面部分から湾曲面部分に到達するまでの間に失速して方向変換する流れ成分が多くなり、湾曲面部分の付近で滞留の発生を招く虞れがある。
【0015】
加えて、前記有底冷却穴の底面と前記内パイプの先端との離間寸法は、2.0〜5.0mmに設定され、好ましくは、2.5〜3.0mmに設定される。すなわち、この離間寸法が2mm未満(或いは2.5mm未満)であると、内パイプから吐出された直後の冷却液の流路面積が小さくなって流通抵抗の増大を招く虞れがある一方、5.0mm超(或いは3.0mm超)であると、内パイプから吐出された冷却液が底面に到達するまでの間に流速が低下して、底面付近に後続の新しい冷却液が供給され難くなる虞れがある。
【0016】
この場合、前記湾曲面部分は、含軸芯断面において略円弧形状を呈していることが好ましい。ここで、「含軸芯断面」とは、軸芯を含む断面を言い、より詳しくは、軸芯に沿って切断した断面を言う。このように構成すれば、底面を外周側に向って流れた冷却液が湾曲面部分で底面から離反する方向に方向変換する際に、流通阻害ないしは流通抵抗増大を可及的抑制できることになり、最適な状態で冷却液の方向変換がなされることになる。
【0017】
また、前記有底冷却穴の底面と前記内パイプの先端との離間寸法は、前記内パイプの内径の5倍以下に設定されることが好ましく、より好ましくは、この離間寸法は、内パイプの内径の3倍以下、または2倍以下に設定される。
【0018】
このようにすれば、有底冷却穴の底面と内パイプの先端との離間寸法が内パイプの内径との関連において従来よりも短くなることから、内パイプから吐出された冷却液は、流速の不足を招くことなく有底冷却穴の底面に到達する。これにより、底面には、常に後続の新しい冷却液が衝突することになり、底面付近での冷却液の滞留が可及的抑制されて、十分な冷却作用が営まれることになるため、冷却不足に起因するダイカスト鋳造品の金型への融着等が効果的に回避される。ここで、前記離間寸法が内パイプの内径の5倍を超えると、従来と同様に底面付近に冷却液の滞留を招く虞れがある。そして、この離間寸法を、内パイプの内径の3倍以下、或いは2倍以下とすることにより、前記滞留の発生確率をより一層低減することができる。
【0019】
なお、前記離間寸法は、何れの場合であっても、内パイプの内径の1倍以上であることが好ましい。これは、1倍未満であると、内パイプの先端開口部と底面との間の隙間が小さくなり過ぎることに起因して、内パイプから吐出された直後の冷却液の流路面積が小さくなって流通抵抗の増大を招く虞れがあることによる。
【0020】
また、前記有底冷却穴の内周面と前記内パイプの外周面との間に形成される冷却穴内通路の流路面積は、前記内パイプの流路面積の1.5〜2倍に設定することが好ましい。このように構成すれば、冷却穴内通路の流路面積が内パイプの流路面積よりも大きいことから、内パイプから吐出されて底面で方向変換された冷却液の流出抵抗(排水抵抗)が過度に大きくならず、しかも冷却穴内通路の流路面積が内パイプの流路面積の1.5〜2倍程度であることから、冷却穴内通路を通過する冷却液の流速が過度に低下することもない。そして、冷却穴内通路の流路面積が内パイプの流路面積の1.5倍未満であると、冷却液の流出抵抗が大きくなり、冷却液の全般に亘る流通性が阻害され、2倍を超えると、流出する冷却液の流速が低下して、この場合にも冷却液の全般に亘る流通性が阻害される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る金型用冷却装置の概略構成を示す断面図、図2は、その要部を示す拡大断面図である。なお、図1及び図2において、既述の図3に示す従来例と共通の構成要件については同一符号を付する。また、図1及び図2において、先端側とは、図面における右側を指し、基端側とは、図面における左側を指す。
【0022】
図1に示すように、金型用冷却装置1は、内パイプ2の外周に外パイプ3を同芯状に配置し、内パイプ2及び外パイプ3のそれぞれの先端開口部を金型4の中子ピン5の有底冷却穴6に連通させた構成とされる。そして、内パイプ2の先端は、有底冷却穴6の先端に存する底面7に接近した位置に開口し、外パイプ3の先端は、有底冷却穴6の基端側の端部位置に開口している。したがって、内パイプ2の内部通路8は、内パイプ2と有底冷却穴6との相互間に存する冷却穴内通路9を介して、内パイプ2と外パイプ3との相互間に存するパイプ間通路10に連通している。そして、内パイプ2の内部通路8が往路になり、パイプ間通路10が復路になるように構成されている。
【0023】
この場合、内パイプ2は,外パイプ3の先端面および基端面に対して先端側および基端側にそれぞれ突出している。外パイプ3の先端部外周には、一または複数(図例では二個)のOリング11でなるシール部材が装着され、これにより有底冷却穴6の冷却穴内通路9が中子ピン5の外部に対してシールされている。
【0024】
図2に示すように、前記有底冷却穴6の底面7には、軸芯Xを基準とする所定径Daの中央領域に平坦面部分7aが形成され、その外周領域に、前記平坦面部分7aから有底冷却穴6の内周面6aに連続して連なる湾曲面部分7bが形成されている。この湾曲面部分7bは、同図に示す断面すなわち含軸芯断面において、略円弧状を呈しており、したがってその湾曲面の立体的形状は球面の一部をなしている。また、有底冷却穴6の内周面6aは、先端部から基端部に亘って略同径の円筒面を呈している。
【0025】
前記底面7の平坦面部分7aの径Daは、内パイプ2の内径dよりも大きく設定され、この実施形態では、平坦面部分7aの径Daが内パイプ2の内径dの約2倍程度とされているが、必要ならば、この両者を略同径としてもよい。また、この実施形態では、内パイプ2の先端が、湾曲面部分7bの形成領域よりも僅かに基端側に位置しているが、必要ならば、内パイプ2の先端を湾曲面部分7bの形成領域の途中に位置させてもよく、或いは内パイプ2の先端と湾曲面部分7bの基端側端部とを略同位置に配置させてもよい。
【0026】
更に、内パイプ2の先端と、これに対向する底面7(この実施形態では平坦面部分7a)との離間寸法Sは、内パイプ2の内径dの5倍以下、例えば約2倍程度に設定されている。具体的には、この離間寸法Sは、2.0〜5.0mmに設定され、好ましくは、2.5〜3.0mmに設定される。また、冷却穴内通路9の流路面積{π(D2−d12)/4}は、内パイプ2の流路面積{πd2/4}の1.5〜2倍に設定されている。なお、中子ピン5の外周壁の肉厚tは、1.0〜2.0mmに設定され、その底壁の肉厚t1は、1.0〜4.0mmに設定されている。また、中子ピン5の底壁の外端面5aは、平坦面とされている。
【0027】
前記内パイプ2及び外パイプ3の基端側における冷却液流通経路の構成は、特に限定されるわけではないが、例えば以下に示すような構成とされている。すなわち、図3に示すように、外パイプ3および内パイプ2の基端部は、ホース接続用の接続ヘッド12に装着され、この接続ヘッド12が金型4の基端側に設けられた押さえ板13に当接して、両パイプ2,3の有底冷却穴6からの抜けが防止されている。外パイプ3の基端部外周には雄ネジ部14が形成され、接続ヘッド12に形成されたパイプ用雌ネジ部15に外パイプ3の雄ネジ部14が螺合されている。接続ヘッド12における外パイプ3との螺合部の基端側には、パイプ用雌ネジ部15に連接する液室16が形成され、この液室16を内パイプ2が貫通している。
【0028】
接続ヘッド12には、液室16に通じるストレートジョイント17が装着され、このストレートジョイント17に形成された雄ネジ部18が、接続ヘッド12に形成された第一配管用雌ネジ部(排水口)19に螺合されている。この場合、第一配管用雌ネジ部19は、軸芯Xと直交する方向に沿って形成されている。なお、ストレートジョイント17の一端部にはホース20が着脱自在に装着されている。
【0029】
内パイプ2の基端部外周には、基端面に内部通路6が開口するように鍔部21が固着一体化され、接続ヘッド12に形成された係合凹部22に、基端側から係脱可能に鍔部21が係合している。接続ヘッド12の液室16と係合凹部22との間の肉部には、内パイプ2がシール部材等によりシールされた状態で抜き挿し可能に嵌合する嵌合孔23が形成されている。接続ヘッド12には、内部通路6の基端部に通じるL字形のエルボージョイント24が装着され、このエルボージョイント24に形成された雄ネジ部25が、接続ヘッド12に形成された第二配管用雌ネジ部(給水口)26に螺合されている。
【0030】
この場合、パイプ用雌ネジ部15と、液室16と、嵌合孔23と、係合凹部22と、第二配管用雌ネジ部26とは、軸芯X上に順次連接されると共に、内パイプ2は、第二配管用雌ネジ部26から、嵌合孔23、液室16、および外パイプ3の内周を貫通して挿入されている。そして、内パイプ2の鍔部21が係合凹部22に係合された状態で、第二配管用雌ネジ部26にエルボージョイント24の雄ネジ部25を螺合させることにより、その雄ネジ部25先端と係合凹部22の端壁面との間に鍔部21が挟持されて、鍔部21および内パイプ2が接続ヘッド12に固定された状態となっている。
【0031】
なお、第二配管用雌ネジ部26は、軸芯X方向に沿って形成されている。また、エルボージョイント24の一端部にはホース27が着脱自在に装着されており、このエルボージョイント24へのホース27の接続方向と上述のストレートジョイント17へのホース20の接続方向とは平行になるように設定されている。
【0032】
以上の構成を備えた金型用冷却装置1によれば、エルボージョイント24から内パイプ2の内部通路(往路)8に送給された冷却液は、内パイプ2の先端開口部から吐出されて有底冷却穴6の底面7付近に至った後、内パイプ2の外周側に存する冷却穴内通路9及び両パイプ2,3間のパイプ間通路(復路)10を通過して液室16に至り、ストレートジョイント17を通じて流出する。このようにして、冷却液が連続して循環することにより、キャビティC内の溶湯(ダイカスト鋳造品)との間で熱交換が行われる。
【0033】
ところで、この冷却液の循環途中において、内パイプ2の先端開口部から有底冷却穴6の底面7に向って冷却液が吐出された場合には、底面7の中央領域に平坦面部分7aが形成されていることから、平坦面部分7aに衝突して流れ方向が変化した冷却液は、従来のように軸芯X付近に収束することなく、多量の流れ成分が外周側に向って拡散しようとする。そして、底面7を外周側に向って流れた冷却液は、外周領域の湾曲面部分7bでスムーズに方向変換して、冷却穴内通路9を軸芯Xと平行に底面7から離反する方向に流れた後、パイプ間通路10を通過して流出する。有底冷却穴6内においては、このような冷却液の流れが主流となるため、底面7付近には、冷却液の流通阻害及びこれに起因する滞留が生じ難くなり、十分な冷却作用が営まれて、キャビティC内のダイカスト鋳造品が金型4(中子ピン5)に融着する等の不具合が回避される。
【0034】
更に、有底冷却穴6の底面7と内パイプ2の先端との離間寸法Sが従来よりも短く設定されていることから、内パイプ2の先端開口部から吐出された冷却液は、流速の不足を招くことなく有底冷却穴6の底面7に衝突し、常に後続の新しい冷却液が底面7付近に存在することになる。したがって、これによっても底面7付近での冷却液の滞留が可及的抑制され、十分な冷却作用が営まれるため、ダイカスト鋳造品の金型4への融着等が回避される。
【0035】
しかも、冷却穴内通路9の流路面積は、内パイプ2の流路面積の1.5〜2倍に設定されていることから、冷却穴内通路9を通過する冷却液の流出抵抗の増大を抑止した上で、冷却液の十分な流速を確保することができ、金型用冷却装置1内の全般に亘る冷却液の流通性が極めて良好になる。
【0036】
なお、この実施形態では、以下に示すような作用効果を得ることもできる。すなわち、図3に示すように、冷却液が接続ヘッド12の内部を通過する間においては、容積室として単一の液室16を通過するのみであり、しかも液室16は、内パイプ2の貫通配列に対応した充分な流路面積および流路長さを有しているため、冷却液の流れが阻害されることはない。したがって、接続ヘッド12の小型・軽量化や配設スペースの狭小化を図りつつ、冷却液のスムーズな流通性を確保することができる。
【0037】
また、接続ヘッド12のパイプ用雌ネジ部15に螺合された外パイプ3、及び係合凹部22に係合される鍔部21が固着一体化された内パイプ2は、螺合解除や係合解除により接続ヘッド12から取外せるのみならず、第一配管用雌ネジ部19に螺合されたストレートジョイント17、および第二配管用雌ネジ部26に螺合されたエルボージョイント24についても、螺合解除により接続ヘッド12から取外すことができる。なお、内パイプ2の取外しは、エルボージョイント24を取外した後に、第二配管用雌ネジ部26を通じて鍔部21および内パイプ2を基端側に向かって引き抜くことにより行われる。したがって、細分化された各構成部品ごとに水垢等の除去作業を行うことができ、作業の容易化および確実化が図られる。また、各構成部品のうちの一部品が破損した場合には、その部品のみを取り換えるだけで済み、他の部品については取り換えを行わずに継続して使用することができ、経済的に有利となる。
【0038】
更に、第二配管用雌ネジ部26に螺合される配管部材として、L字形のエルボージョイント24が使用されているため、ホース27の接続方向を必要に応じて変更でき、これに伴って配管スペースの制約やレイアウトの制約を受け難くなり、外部配管の接続を容易に行うことが可能となる。
【0039】
なお、上記実施形態では、金型の構成要素であるピン部としての中子ピン5を、金型本体とは別体として構成したが、この中子ピン5は、金型本体に一体形成されるピン部であってもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る金型用冷却装置によれば、金型に設けられた有底冷却穴における底面の中央領域に平坦面部分を形成し、その外周領域に前記平坦面部分から有底冷却穴の内周面に連続して連なり且つ冷却液の滞留を生じ難くしてスムーズに冷却液を方向変換させるための湾曲面部分を形成したから、内パイプから吐出された冷却液が平坦面部分に衝突して流れ方向が変化した場合には、従来のように軸芯部分に収束しようとする流れ成分が生成されずに、外周側に向って拡散しようとする多量の流れ成分が生成される。これに伴って、底面を外周側に向って流れた冷却液は、外周領域の湾曲面部分でスムーズに方向変換して、有底冷却穴の内周面に沿って軸芯と平行に底面から離反する方向に流れた後、内パイプと外パイプとの間のパイプ間通路を通過して流出する。そして、有底冷却穴内においては、このような冷却液の流れが主流となるため、底面付近には、冷却液の流通阻害及びこれに起因する滞留が生じ難くなる。この結果、冷却液の流通が円滑化されて、十分な冷却作用が営まれるため、ダイカスト鋳造品の一部が金型に融着する等の不具合が効果的に回避される。
【0041】
更に、前記平坦面部分の径を、前記内パイプの内径よりも大きく設定したことにより(好ましくは、前記平坦面部分の径を、前記内パイプの内径の1.5〜3.0倍程度)、内パイプから吐出された冷却液が底面を外周側に向って流れる距離を十分に確保できるため、適度な流速を維持した状態で冷却液が湾曲面部分に至ることになり、好適な冷却液の流通性を得ることが可能となる。
【0042】
しかも、有底冷却穴の底面と内パイプの先端との離間寸法を、2.0〜5.0mm(好ましくは、2.5〜3.0mm)に設定したから、前記離間寸法が従来に比して好適に短くなり、内パイプから吐出された冷却液は、流速の不足を招くことなく有底冷却穴の底面に到達する。これにより、底面には、常に後続の新しい冷却液が衝突することになり、底面付近での冷却液の滞留が可及的抑制されて、十分な冷却作用が営まれることになるため、冷却不足に起因するダイカスト鋳造品の金型への融着等が効果的に回避される。このような効果は、前記離間寸法を、内パイプの内径の5倍以下、より好ましくは、3倍以下または2倍以下に設定することによっても、同様にして得られる。
【0043】
この場合、前記湾曲面部分の形状を、含軸芯断面において略円弧形状とすれば、底面を外周側に向って流れた冷却液が湾曲面部分で底面から離反する方向に方向変換する際に、流通阻害ないしは流通抵抗増大を可及的抑制できることになり、最適な状態で冷却液の方向変換がなされる。
【0044】
そして、有底冷却穴の内周面と内パイプの外周面との間に形成される冷却穴内通路の流路面積を、内パイプの流路面積の1.5〜2倍に設定すれば、冷却穴内通路を通過する冷却液の流出抵抗の増大を抑止しつつ、冷却液の十分な流速を確保することができ、金型用冷却装置内の全般に亘る冷却液の流通性を効率良く円滑化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る金型用冷却装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る金型用冷却装置の要部を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る金型用冷却装置の一部を示す拡大断面図である。
【図4】従来例を示す金型用冷却装置の断面図である。
【符号の説明】
1 金型用冷却装置
2 内パイプ
3 外パイプ
4 金型
5 中子ピン(金型)
6 有底冷却穴
7 底面
7a 平坦面部分
7b 湾曲面部分
8 内部通路(往路)
9 冷却穴内通路
10 パイプ間通路(復路)
S 離間寸法
X 軸芯
Claims (4)
- 金型に設けられて先端に底面を有する有底冷却穴に、同芯状に配置された内パイプ及び外パイプを、外パイプの先端開口部よりも内パイプの先端開口部が前記底面に接近するように接続し、前記内パイプの内部通路を冷却液の往路とし、前記両パイプの相互間のパイプ間通路を冷却液の復路とした金型用冷却装置において、
前記有底冷却穴の底面の中央領域に、平坦面部分を形成すると共に、その外周領域に、前記平坦面部分から有底冷却穴の内周面に連続して連なり且つ冷却液の滞留を生じ難くしてスムーズに冷却液を方向変換させるための湾曲面部分を形成し、前記平坦面部分の径を、前記内パイプの内径よりも大きく設定すると共に、前記有底冷却穴の底面と前記内パイプの先端との離間寸法を、2.0〜5.0mmに設定したことを特徴とする金型用冷却装置。 - 前記湾曲面部分は、含軸芯断面において略円弧形状を呈していることを特徴とする請求項1または2に記載の金型用冷却装置。
- 前記有底冷却穴の底面と前記内パイプの先端との離間寸法を、前記内パイプの内径の5倍以下に設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の金型冷却装置。
- 前記有底冷却穴の内周面と前記内パイプの外周面との間に形成される冷却穴内通路の流路面積を、前記内パイプの流路面積の1.5〜2倍に設定したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の金型用冷却装置。
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