JPH07291057A - 自動車用ドアガラスシール構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車のドア開口上縁に沿って、ウエザスト
リップとモールとを設けたドアガラスシール構造におい
て、構造を簡素化して生産性を上げるとともに、取付作
業性をよくし、かつコストダウンをはかることである。 【構成】 ウエザストリップ７Ａと、モール７Ｂとを一
体押出成形体で構成するとともに、一体押出成形体の取
付基部７１を両面接着テープ８によりドア開口上縁に貼
着固定する構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車のドア開口上縁
に沿うドアガラスシール構造、特にモールが付設された
ドア開口上縁に沿うドアガラスシール構造に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】図４に示すように、自動車のドア開口上
縁１には、これに沿ってドア閉時にサッシュレスドア２
のドアガラス２０により押付けられるウエザストリップ
７Ａが取付けられている。また、ドア開口上縁１にはウ
エザストリップの外側に、ウエザストリップの車外面の
上部または全部を覆う意匠モール（以下、単にモールと
いう）４が取付けられている（実開平１−６８２１８
号）。

【０００３】即ち、図５に示すように、ウエザストリッ
プ７Ａは一般に、取付基部７１がリテーナ５に嵌合され
てドア開口上縁１に固定されている。モール７Ｂは基端
７１が、図例ではリテーナ５と重ねられて、図略のビス
等でドア開口上縁１に固定されている。モール７Ｂは、
ルーフサイドに取付けられる場合もある。なお、６はド
ア開口縁のほぼ全周にわたってフランジ１１に取付ける
オープニングトリムである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明はモールが付設
されたドア開口縁のドアガラスシール構造について、構
造を簡素化するとともに、モールおよびウエザストリッ
プの生産性を向上し、かつ取付作業性を改善することを
課題としてなされたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明はウエザストリッ
プとモールを一体押出成形体で構成するとともに、この
一体押出成形体をドア開口上縁に両面接着テープで貼着
する構造とする。

【０００６】即ち図１に例示するように、ウエザストリ
ップ７Ａとモール７Ｂは一体押出成形体で構成され、そ
の取付基部７１が、ドア開口上縁１に両面接着テープ８
で貼着せしめてある。一体押出成形体はシール部７２，
７３を有し、ドアガラス２０により押付けられる。取付
けにはビス９やクリッブを併用してもよい。また、モー
ル７Ａは図３に示すように、上記取付基部７１に一体に
埋設された板状芯金７６の延出部で形成することができ
る。

【０００７】

【作用】ウエザストリップ７Ａとモール７Ｂが一体押出
成形で形成できるから生産性がよい。また両者を一体で
ドア開口上縁１に固定できるから取付作業性がよい。ま
たリテーナを不要とする簡素な構造であり、コスト的に
有利である。

【０００８】

【実施例】図１に本発明の第１の実施例を示す。図にお
いて７Ａはウエザストリップ、７Ｂはモールである。ウ
エザストリップ７Ａはドアガラス２０を受け入れる断面
ほぼコ字形をなす取付基部７１と、基部７１の車外側の
端部に形成された中空状の第１のシール部７２と、車内
側の先端に形成され、根元部が中空で、その先端からシ
ールリップ７３１が伸び出す第２のシール部７３を備え
ている。第１のシール部７２は、二股状に分岐した分岐
部の先端間がシール壁７２１によりつながれて形成され
ている。

【０００９】モール７Ｂは、ウエザストリップ７Ａの取
付基部７１の車外側の先端から起立するように形成され
ている。モール７Ｂ内には外面側にステンレススチール
等の光輝部材７０が埋設されている。なお６は、ウエザ
ストリップ７Ａの内側に沿うように、ドア開口上縁１の
フランジ１１に取付けられたオープニングトリムであ
る。

【００１０】上記ウエザストリップ７Ａおよびモール７
Ｂは、ウエザストリップ７Ａの第１のシール部７２のシ
ール壁７２１および第２のシール部７３をスポンジゴム
とし、他の部分をソリッドゴムとして一体押出しするこ
とにより得られる。

【００１１】この一体押出成形体は、取付基部７１の基
底部を両面接着テープ８を介して自動車のドア開口上縁
１の平板状の取付面に貼着固定される。なお、ビス９等
の固定具を併用することもできる。

【００１２】上記の構造において、ウエザストリップ７
Ａとモール７Ｂは一体であり、一体押出成形され得るの
で生産性がよい。また、ドア開口上縁１への取付けは、
ウエザストリップ取付基部７１の基底部のみで行うので
取付作業性がよい。また取付手段である両面接着テープ
８が取付部のシール作用をなす。本取付構造では従来の
リテーナが不要であって、重量およびコストの低減がな
される。

【００１３】図２に本発明の第２の実施例を示す。本実
施例はウエザストリップ７Ａは一つのシール部７４を備
えている。シール部７４はウエザストリップ７Ａの取付
基部７１の車内側の端部に一連に形成されており、ソリ
ッドゴムの内壁部７４１と外壁をなすスポンジゴムのシ
ール壁７４２とで中空体を形成している。

【００１４】内壁部７４１には、シール部７４の先端位
置にコ字形の溝７４３が形成してあり、一方、ウエザス
トリップ７Ａの基部７１の車外側の端部内面には突起７
４４が形成してある。

【００１５】そして、シール部７４は上記溝７４３を上
記突起７４４に嵌合することで、取付基部７１の車外側
の端部と連結されるようになっている。連結された状態
でシール部７４はシール壁７４２を外側として断面ほぼ
コ字形の取付基部７１の開口を閉じる。他の構造は第１
の実施例と実質的に同じである。

【００１６】本実施例では、一体成形体を取付けると
き、シール部７４を開いた状態とすることで、ビス９の
締付け作業を容易に行うことができる。

【００１７】図３に本発明の第３の実施例を示す。本実
施例は光輝金属板のモールを備えている。図３（Ａ）に
示すように、ウエザストリップ７Ａは断面ほぼコ字形
で、ほぼＬ字形の取付基部７１と、基部７１の先端から
伸びて基部７１の基底部と対向するシール壁７５を有し
ている。取付基部７１には同じくＬ字形の板状芯金７６
が埋設してある。芯金７６は取付基部７１から断面Ｖ字
形に延出しており、その車外側の起立部でモール７Ｂを
形成している。上記シール壁７５の先端はＶ字形の底部
となるモール７Ｂの下端に接続され、ウエザストリップ
７Ａは全体として中空状となっている。

【００１８】ウエザストリップ７Ａはスポンジゴムから
なり、芯金７６を兼用するモール７Ｂはステンレススチ
ール板からなり、これ等は一体押出成形される。そし
て、芯金７６が埋設された基底部は両面接着テープ８を
介して、自動車のドア開口上縁１の取付面にクリップ９
０で固定せしめられる。

【００１９】ウエザストリップ７Ａに埋設された芯金７
６には、図３（Ｂ）に示すようにクリップ止め部に２条
のビード７６１が形成してあって、剛性を高めクリップ
９０による締付け力を強化している。断面Ｌ字形をなす
芯金７６の一方の面には、長手方向に所定の間隔をおい
て切欠き７６２が形成してある。モール７Ｂ付きウエザ
ストリップ７Ａは、取付け時に自動車のルーフサイドか
らフロントピラーへ移る部分、およびルーフサイドから
リヤピラーへ移る部分でドア開口縁のコーナ部に沿って
湾曲形状に曲げられる。上記切欠き７６２を形成するこ
とで芯金７６が曲げやすくなる。

【００２０】なお、図示は省略したが、芯金７６を埋設
したウエザストリップ７Ａの基底部、両面接着テープ８
およびドア開口上縁１のボデーパネルに形成したクリッ
プ孔は長孔で、楕円形のクリップ頭部を外部からウエザ
ストリップ内へ上記長孔に挿し込み、クリップ９０全体
をほぼ９０°回転させることでクリップ締めがなされ
る。なお、図において１０は天井室内面を覆う天井トリ
ムである。

【００２１】本実施例では、光輝モールを備えた一体押
出成形のガラスシール構造が実現される。

【００２２】

【発明の効果】本発明では、自動車のドア開口の上縁に
沿って取付けるウエザストリップとモールを一体押出成
形体で構成したから、自動車のドアガラスシール構造の
生産性が大きく向上する。またウエザストリップとモー
ルの取付けは両者共通の取付け手段でなされ得るから取
付作業性が良好となる。また、両面接着テープで取付け
ることにより、従来のリテーナを不要とし、コストおよ
び重量の低減がなされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の図４のＡ−Ａ線に沿う
断面図である。

【図２】本発明の第２の実施例の上記と同位置での断面
図である。

【図３】図３（Ａ）は本発明の第３の実施例の上記と同
位置での断面図、図３（Ｂ）はモール兼用芯金の要部斜
視図である。

【図４】本発明が適用される自動車の側面図である。

【図５】従来のシール構造の図４のＡ−Ａ線に沿う位置
での断面図である。

【符号の説明】

１ ドア開口上縁 ２０ ドアガラス ５ リテーナ ７Ａ ウエザストリップ ７１ 取付基部 ７２，７３，７４ シール部 ７Ｂ モール ７６ 板状芯金 ８ 両面接着テープ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車のドア開口上縁に沿って取付けら
   れ、ドア閉時にドアガラスによって押付けられるウエザ
   ストリップと、上記ドア開口上縁に沿って取付けられ、
   上記ウエザストリップの車外面を覆うモールを備えたド
   アガラスシール構造において、上記ウエザストリップと
   モールを一体押出成形体で構成するとともに、該押出成
   形体の取付基部を両面接着テープにより上記ドア開口上
   縁に貼着固定してなる自動車用ドアガラスシール構造。
2. 【請求項２】 上記押出成形体の取付基部に埋設された
   板状芯金の一端を取付基部外へ延出せしめ、該延出部に
   より上記モールを形成した請求項１記載の自動車用ドア
   ガラスシール構造。