JPH0415527Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車等におけるドアウエストモー
ルデイングの取付け構造に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、第１図のドアアウタパネル上端縁のド
ア開口部に沿う部分におけるドアウエストモー
ルデイングの取付け構造は、第２図に示すように
構成されている。すなわちドアアウタパネル１の
上端部には金属板の屈曲により、その縦断面がΩ
字形状の挟持部３ａとほぼＵ字状のＵ字部３ｂと
を一体化した形状によるクリツプ３が、上記の挟
持部３ａによる挟着をもつて取付けられている。
このクリツプ３のＵ字部３ｂの位置には次に示す
ドアウエストモールデイング４が取付けられてい
る。この部分のモールデイング４は次のように構
成されている。すなわちこのモールデイング４
は、金属板をほぼ逆Ｊ字状に屈曲して、その上部
後端から窓ガラス２の方向には軟質ポリ塩化ビニ
ル樹脂のような可撓性に富む合成樹脂材により上
向きの防水用リツプ４ａを突出し、またこの上部
後端の前後金属面は上記と同じ樹脂材によりこの
前後面を被包して保持部４ｂを形成するととも
に、その反対側の外側金属面は上記と同じ樹脂材
により被包して被い部４ｃを形成する態様をもつ
て押出成形により一括体に成形されたモールデイ
ング４が、上記の保持部４ｂをクリツプ３のＵ字
部３ｂに嵌入し、内側における爪１０の止着をも
つて一体的に取付けるように構成されている。な
お、モールデイング４の取付けにあつては、モー
ルデイング４にクリツプ３を取付け、この状態で
クリツプ３側をパネル１の上端に嵌着するように
モールデイング４を押圧する。

しかし上記によるモールデイング４の各端末部
Ｃ（第１図のａ，ｂ，ｃ，ｄ部分）は、車体パネ
ルとの干渉を防止するためにこの位置のリツプ４
ａ、保持部４ｂ部分（第３図および第４図にＢ部
として示す部分）が切除されて、この切除部分の
モールデイング４はこの位置のドアアウタパネル
１に直接取付けられることになる。このモールデ
イング４の各端末部Ｃにおける従来の取付け構造
としては第８図に示すものがある。すなわち上記
と同等の各端末部Ｃの位置にあたるドアアウタパ
ネル１の立面部にはビス９の挿通が可能となる孔
１ｂが貫設されたのち、この位置のモールデイン
グ４内には個別の樹脂成形により、上記孔１ｂと
同心位置に段付穴７ａが形成され、かつその内奥
部に上記ビス９の螺挿が可能となるナツト８が一
体成形によりインサートして成る結合体７が、上
記モールデイング４の端部に係合するように収納
されている。そして車体の内側からドアアウタパ
ネル１の孔１ｂを介して結合体７のナツト８に対
するビス９の螺挿とその締付けにより、上記モー
ルデイング４の各端末部Ｃを取付けるように構成
した。

〔考案が解決しようとする問題点〕 上記の構成により、従来におけるドアウエスト
モールデイングの取付け構造には次のような問題
点があつた。

(1) 各端末部Ｃの取付けに結合体７、ナツト８、
ビス９等による多数の部品とその取付け工数を
要してこの種の取付け構造がコスト高になつ
た。

(2) また上記のナツト８、ビス９等は車外に位置
するため、錆等が発生して上記構造の耐久寿命
が短縮された。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、ドアアウタパネルの上端縁にドア開
口部に沿つて取付けられるドアウエストモールデ
イングの取付け構造であつて、上記ドアウエスト
モールデイングを、上記ドアアウタパネル上端縁
の車室側に位置して窓ガラス方向に突出するリツ
プが形成された保持部と、この保持部から車外側
に延在するとともに、長手方向端末部において上
記保持部が切除されて成る被い部とを有して、か
つ保持部が切除された部分の被い部の裏面にフツ
クを形成する如く構成し、上記フツクを上記ドア
アウタパネルに形成された係合孔に係合するよう
にした。

〔作用〕

本考案によるドアウエストモールデイングの取
付け構造は、上記モールデイングの中間体を従来
と同様に、ドアアウタパネルに挟持させたクリツ
プのＵ字部に対する保持部の挟着をもつて確実に
かつ安定的に取付けることができるうえ、上記モ
ールデイングの保持部が切除された位置の各端末
部にあたるエンドキヤツプにはフツクがそれぞれ
一体状に設けられているため、このフツクをドア
アウタパネルに設けた孔に嵌入することにより、
簡単な作業のもとに円滑迅速にかつ確実な防水と
防錆の態様をもつて取付けることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。なお従来技術のものと同一または相当す
る部分には同一の符号を用いる。

第３図から第５図までは本考案の一実施例を示
すものである。本実施例におけるドアウエストモ
ールデイングの取付け構造におけるドアウエスト
モールデイング４は、第１図に示すような自動車
Ａの窓側端部に位置して、ドアアウタパネル１の
上端を挟持する挟持部３ａと窓ガラス２側に設け
たＵ字部３ｂとから成るクリツプ３と、上記ドア
アウタパネル１の内側に位置して窓ガラス２の方
向に突出するリツプ４ａを有しかつ上記のＵ字部
３ｂにより挟持されてその各端部が上記リツプ４
ａと共に切除された保持部４ｂと上記ドアアウタ
パネル１の外側に位置する被い部４ｃとを有し、
各端末部ａ，ｂ，ｃ，ｄにおける上記リツプ４
ａ、保持部４ｂが切除されたＢ部分の位置にはそ
の上部に樹脂製による断面コ字形のエンドキヤツ
プ５Ａが、この位置の被い部４ｃとの一体化によ
り付設されている。（第４図、第５図参照）また
上記Ｂ部分の側端から下部にかけては樹脂製によ
るほぼＬ字形のエンドキヤツプ５Ｂが付設されて
いる。（第３図参照）そして上記した下部におけ
るエンドキヤツプ５Ｂの一部にはこの位置の上記
ドアアウタパネル１に形成された係合孔１ａに嵌
入が可能となる下向きに突出して挟持空間６ａを
有するフツク６が、この位置の上記エンドキヤツ
プ５Ｂとの一体化により設けられている。すなわ
ち、上記フツク６は、上記Ｂ部分の被い部４ｃの
裏面に設けられる。（第４図、第５図参照）なお
上記のエンドキヤツプ５Ａ、エンドキヤツプ５
Ｂ、フツク６は、前述した押出成形後における上
記モールデイング４の各端末部Ｃに対してインジ
エクシヨン成形等により後付けで一体的に成形さ
れている。ここで、ドアアウタパネル１は上端１
ｍが下部１ｎよりも窓ガラス方向に位置し、これ
で段部１ｆが形成され、上記孔１ａは段部１ｆか
ら下部１ｎにかけて形成される。これにより、モ
ールデイング４を上端１ｍ方向に押圧したときフ
ツク６を孔１ａ内に容易に嵌入でき、このフツク
６でモールデイング端末の浮き上りを防止でき
る。

上記の構成により、窓ガラス２の位置における
ドアアウタパネル１の上端にモールデイング４を
取付ける場合、モールデイング４にクリツプ３を
取付けた上でモールデイング４を下側に押し込む
と、このモールデイング４の中間帯は、クリツプ
３を介して固定される。

また、このときにフツク６が孔１ａを介して下
方に移動するので、フツク６の挟持空間６ａに段
部１ｆより下部１ｎのパネル１ｎの一部が挟持さ
れる。すなわち、クリツプ３とフツク６とでモー
ルデイング全体を固定できる。

第６図および第７図は本考案の他の実施例を示
すものである。すなわちこの両実施例ともモール
デイング４の中間帯では前記の実施例と同様に構
成されているが、上記モールデイング４の各端末
部Ｃにおけるフツク６を、弾性に富む合成樹脂に
より第６図ではあらかじめ別体により成形して、
下端側のエンドキヤツプ５Ｂの一部に接着剤等を
もつて一体的に付設し、また第７図では上記と同
様に別体に成形したフツク６を上記のエンドキヤ
ツプ５Ｂの成形時に、インサートによりエンドキ
ヤツプの樹脂をフツクの表面側にまで延長して押
付けるように一体化したものである。

上記２例の実施例によるモールデイング４も、
前記した実施例と同様に、良好な防水状態のもと
で各ドアアウタパネル１の上端に簡単に取付ける
ことができる。

〔考案の効果〕

本考案は、ドアウエストモールデイングを、ド
アアウタパネル上端縁の車室側に位置して窓ガラ
ス方向に突出するリツプが形成された保持部と、
この保持部から車外側に延在するとともに、長手
方向端末部において上記保持部が切除されて成る
被い部とを有して、かつ保持部が切除された部分
の被い部の裏面にフツクを形成する如く構成し、
上記フツクを上記ドアアウタパネルに形成された
係合孔に係合するようにしたので、上記のモール
デイング全体を他の部品の参加や工具等を要する
ことなく、上記による簡単な作業のもとに円滑迅
速にかつ確実な防水と防錆の態様をもつて取付け
ることができる等の効果がある。また、モールデ
イングをドアアウタパネルの上方から押込むだけ
で簡単に取付けられしかも端末部が車体パネルに
固定されるので、端末部の浮き上がり、ガタツキ
をほぼ完全に防止できるものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はモールデイング取付け構造の対象とな
る自動車の斜視図、第２図は第１図の部分にお
けるモールデイングの取付け構造の要部断面図、
第３図は第１図のｂ，ｄ位置における本考案のモ
ールデイング取付け構造の一実施例を示す部分斜
視図、第４図は同構造を同一位置で合接して示す
縦断側面図、第５図は同構造のフツク部分の位置
に限定して示すモールデイングの縦断側面図、第
６図は本考案の他の実施例によるモールデイング
を第５図と同様の位置で示す縦断側面図、第７図
は本考案のさらに他の実施例によるモールデイン
グを第５図と同様の位置で示す縦断側面図、第８
図は従来例によるモールデイング取付け構造の端
部構成を示す縦断側面図である。 １……ドアアウタパネル、１ａ……係合孔、２
……窓ガラス、３……クリツプ、３ａ……挟持
部、３ｂ……Ｕ字部、４……ドアウエストモール
デイング、４ａ……リツプ、４ｂ……保持部、４
ｃ……被い部、５Ａ，５Ｂ……エンドキヤツプ、
６……フツク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ドアアウタパネルの上端縁にドア開口部に沿
   つて取付けられるドアウエストモールデイング
   の取付け構造であつて、 上記ドアウエストモールデイングは、上記ド
   アアウタパネル上端縁の車室側に位置して窓ガ
   ラス方向に突出するリツプが形成された保持部
   と、この保持部から車外側に形成されるととも
   に、長手方向端末部において上記保持部が切除
   されてドアアウタパネルの下端へ向けて延在す
   る被い部とを有し、かつ保持部が切除された部
   分の被い部の先端側裏面にはフツクを形成して
   成り、 上記ドアアウタパネルの窓側端部は、段部を
   介して上記被い部とほぼ平行に立ち上がつて窓
   ガラス方向に位置する如く形成され、上記ドア
   アウタパネルにおける段部から下側のパネルに
   かけて係合孔を形成し、上記フツクをパネル外
   面側より上記係合孔に嵌合して上記段部より下
   側のパネル内面に係止したことを特徴とするド
   アウエストモールデイングの取付け構造。 (2) フツクはドアウエストモールデイングに一体
   化された硬質合成樹脂より成ることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のドアウ
   エストモールデイングの取付け構造。 (3) フツクはドアウエストモールデイングの端部
   にインジエクシヨン成形により一体化されるエ
   ンドキヤツプに取付けられて成ることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載のドア
   ウエストモールデイングの取付け構造。