JPS626884Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のドア構造、とくにドアガラ
スを支持するドアサツシユ部の構造上の改良に関
するものである。

第１図に示すように、自動車のドア１の窓枠部
の構造としては、従来、第２図に示すように、ド
アアウタパネル２とインナパネル３とを外周部４
において直接に接続する一方、内周部５において
は、断面逆Ｕ字形状のガイドパネル６を両パネル
２，３の間に介在させたうえで、ガイドパネル６
の両側面に夫々両パネル２，３を夫々接続してド
アサツシユ７を形成し、ガイドパネル６にランチ
ヤンネル部材８を嵌合してドアガラス９を支持す
るようにした構造が一般に採用されている（例え
ば実開昭55−58419号公報参照）。

しかしながら、上記従来の構造では、ガイドパ
ネル６を別部品として必要とするうえ、ランチヤ
ンネル部材８の支持を確実にするためには、ドア
アウタパネル２およびインナパネル３とガイドパ
ネル６の各々の接合部に、ランチヤンネル部材８
の折り返し部８ａ，８ｂを嵌合させる必要がある
ため、ドア表面とドアガラス９との間に大きな段
差Ｄを生ずるといつた問題があつた。

本考案は、かかる従来の問題に鑑みてなされた
ものであつて、ランチヤンネル部材の支持強度を
損ねることなしに、ガイドパネルを省略すること
ができ、しかもドア表面とドアガラスとの間の段
差を可及的に小さくすることができる自動車のド
ア構造を提供することを目的としている。

このため、本考案においては、ドアアウタパネ
ルとインナパネルとを内周側において直接に接続
することによつてドアサツシユを形成するととも
に、内部に上記チヤンネル部と上記クリツプ部と
に連続して一体成形された心金を挿入し、かつド
アサツシユの内周側接続フランジに挾着可能なク
リツプ部を一体に形成したランチヤンネル部材を
設け、このランチヤンネル部材を、チヤンネル部
を外側にしてクリツプ部によりドアサツシユに固
定するようにしたことを特徴としている。

以下、より具体的に図示の実施例について本考
案を説明する。

第３図において、１１はドアアウタパネル本体
１２と一体のアウタパネル、１３はドアインナパ
ネル本体（図示せず）と一体もしくは別体のイン
ナパネルで、両パネル１１，１３は両者を接合し
たときに内部に断面ほぼ４角形の空間を画成する
ように対をなして折曲された断面を有し、外周側
においては、フロントウインドガラス１４を支持
するフロントピラー１５の外表面と同一面をなす
ようにフロントピラー１５側に伸びたところで、
アウタパネル１１の外周縁の折返し部１１ａにイ
ンナパネル１３の外周縁１３ａを挾み付けた状態
で固定されている。

一方、両パネル１１，１３の内周側は、ランチ
ヤンネル部材１６のチヤンネル部１６ａを嵌合す
る肩部１８をアウタパネル１１によつて形成した
うえで、アウタパネル１１の内周縁１１ｂとイン
ナパネル１３の内周縁１３ｂとを合せて接合し
て、接続フランジ１９を形成することにより、ド
アガラス２０を取付けるためのドアサツシユ２１
を形成している。

上記ランチヤンネル部材１６は、ドアガラス２
０を嵌合するための断面逆Ｕ字形状のチヤンネル
部１６ａと、上記接続フランジ１９に嵌合する断
面Ｕ字形状のクリツプ部１６ｂとを、一辺を共通
にして一体形成したラバー製部材であつて、その
内部には図示の如く心金２２を埋込んである。

この心金２２には、クリツプ部１６ｂにおいて
接続フランジ１９を挾持してランチヤンネル部材
１６をドアサツシユ２１に固定することができる
ように、予じめ内向きのバネ性を持せており、チ
ヤンネル部１６ａを外側にしてクリツプ部１６ｂ
を接続フランジ１９に嵌合するだけで、ランチヤ
ンネル部材１６をドアサツシユ２１に取付けるこ
とができるようにしている。

なお、図中２３はフロントピラー１５の内側フ
ランジ１５ａに嵌合して取付けたドアパネルとの
間のシールのためのラバー製ウエザーストリツプ
である。

上記のように、ランチヤンネル部材１６に心金
２２を埋込むことにより、ランチヤンネル部材１
６自身は、ドアサツシユ２１に片側が支持された
だけの状態で、ドアガラス２０を保持するのに必
要十分な強度を有することができる。

また、第２図との対比から明らかなように、本
案の構造では、ランチヤンネル部材１６の外側面
をアウタパネル１１の外表面（ドアの外表面）に
一致させることができるので、ドア外表面に対す
るドアガラス２０の段差ｄを十分小さくできる
（ｄ＜Ｄ）。

なお、上記心金２２には、クリツプ部１６ｂに
おいて接続フランジ１９を両側から挾持するた
め、具体的に図示しないが、接続フランジ１９に
向つて伸びる爪部を予じめ設けるようにすれば、
挾持力をより大きくできるので好ましい。

以上説明したように本考案によれば、従来必要
であつたガイドパネルを省略できるので、部品点
数の減少ならびに接合個所の減少を図ることがで
き、ランチヤンネル部材には心金を挿入したので
ドアガラスの保持強度を高めることができ、さら
にクリツプ部でチヤンネル部の外側面をドアパネ
ル外表面に合致させて固定できるので、ドアパネ
ル外表面とドアガラスとの段差を可及的に減少で
きるといつた諸々の利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の側面図、第２図は従来のドア
構造を示す第１図Ａ−Ａ線方向の拡大断面図、第
３図は本考案に係るドア構造を示す第１図Ａ−Ａ
線方向の拡大断面図である。 １１……アウタパネル、１３……インナパネ
ル、１６……ランチヤンネル部材、（１６ａ……
チヤンネル部、１６ｂ……クリツプ部）、１９…
…接続フランジ、２０……ドアガラス、２１……
ドアサツシユ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアアウタパネルにインナパネルを直接に接続
   して形成されたドアサツシユを備え、ドアガラス
   を保持するためのチヤンネル部とドアサツシユの
   内周側接続フランジに挾みつけるためのクリツプ
   部とが一体に形成され、かつ内部に上記チヤンネ
   ル部と上記クリツプ部とに連続して一体成形され
   た心金が挿入されたランチヤンネル部材が、上記
   ドアサツシユの内周側接続フランジにチヤンネル
   部を外側にしてクリツプにより固定されたことを
   特徴とする自動車のドア構造。