JPH01141235A - 同期噛合い式クラッチ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ”の この発明はヨツト、七−タボート、小型魚船等の小型船
舶の逆転機に組込筐れる逆転クラッチとか、トラクタ、
乗用車等の車両の変速機構中に組込まれる変速用クラッ
チとして好適し次同期噛合い式クラッチ装置に関するも
のである。

よシ詳しく言うと、この発明は車両において広く採用さ
れて来ているイナーシャ・ロック型キー式の同期噛合い
クラッチにサーボ効果をもたせた新規な同期噛合い式ク
ラッチ装置に係る。

従来の技術とその問題点 舶用逆転クラッチは、クラッチ出力軸上に遊嵌設置され
エンジンにて回転Ｊ！１に動されている前進歯車及び後
進歯車を選択的にクラッチ出力軸へと結合スるためのも
ので、クラッチ出力軸には慣性質量大ナプロペラが取付
いている。このため逆転クラッチとして従来汎用されて
いるコーン式クラッチとか＊擦多板式メカニカル・クラ
ッチによるときは、魚群の移動に追随して前進と後進を
繰返えしたり、トルク変動の大きい低速回転域で頻繁に
使用される魚船等での過酷な使用条件下でクラッチが、
クラッチ面の摩耗によって耐久性を早期に失ないがちで
ある。

乗用車において選択摺動式とか常時噛合い式の変速機が
有する不具合、つまシ摺動歯車や結合スリーブの周速度
が相手側歯車の周速度と一致していないと噛合せにショ
ックを伴ない騒音を発生し歯車の破損、摩耗を招き易い
といった不具合、を解消すべく一般的に採用されている
変速機用同期クラッチはイナーシャロック型である。そ
してイナーシャロック型同期クラッチとしてＷ通には中
−式（ボルグワーナ式）が採用され、高速且つ短時間で
変速が行なわれるスポーツカー等の特殊自動車ではイナ
ーシャロック型同期クラッチにサーボ効果音も九せたポ
ルシェ式が採用されている。

このうちキー式のイナーシャロック型同期クラッチは、
クラッチハブ外周面のキー溝に摺動自在に支承させたキ
ー部材をクラッチハブにスプライン噛合いするシンクロ
ナイザスリーブによって摺動変位させることで、該キー
部材により同期リングを押させ、同期リングの円錐状ク
ラッチ面をクラッチギヤの円錐状クラッチ面に対しＭ擦
保合させ、シンクロナイザスリーブ内面上のスプライン
のテーパ付は端面と同期リング外面上のスプラインのテ
ーパ付は端面との係合によりンクロナイザスリーブの摺
動変位を阻止しつつ同期回転を得た上で、同スリーブを
同期リングをのジ越えさせ該スリーブのスプラインをク
ラッチギヤのスプラインに対し噛合せることとしたもの
で、部品点敬が少ないと共に可動部材がほぼ専ら摺動運
動全行なう構造であるため、作用が確実であると共に耐
久性が大である。

しかしながらかかるキー式同期噛合いクラッチでも、同
期の際に吸収すべきエネルギーが大きい場合には大きな
操作力を必要とすると共に同期に時間を要し、またギヤ
騒音を発生しがちである。

大きなエネルギーを吸収する大きな同期能力金もたせよ
うとすればクラッチが大型化し、また舶用逆転クラッチ
として用い友としてもエンジンにで回転駆動されている
歯車によって慣性質量大のプロペラが回転せしめられて
行くときの多大のエネルギーを同期リングの円錐状クラ
ッチ面に吸収させることは困難である。

ポルシェ式のイナーシャロック型同期クラッチは周知の
ように割シ溝付きの弾性同期リングを用いるもので、シ
ンクロナイザスリーブの摺動操作で該同期リングが圧縮
され、スリーブと同期リングとの投触部に同期リングの
ばね作用による摩擦力が生ぜしめらｎる。この力は同期
リングの割り溝内に臨ませであるスラストブロック、同
期リングの内面側に設けらｎている半円状の弾性ブレー
キバンド、及びクラッチギヤのボス部外周面の溝入に傾
動可能に支承させてあるアンカブロックへと倍加されつ
つ伝えられ、これらの部材によって同期リングがクラッ
チギヤに対し押付けられることでサーボ作用を伴なった
回転同期が達成される。

サーボ効果をもつポルシェ式同期クラッチは間遠回転域
でも短時間で同期を達成させる長／’１を有する反面、
部品点数が多いと共にクラッチ部材の動きが複雑で、高
価につくと共に保守面でのトラグルが起き易い難点があ
る。１だ主クラッチを切って行なわれる変速操作に際し
同期クラッチの原動側回転数と従勘側回転数とのうちど
ちら゛が高いか一定しない車両変速磯用のものとして、
２個の半円状ブレーキバンドを用いてその何扛か１個宛
を制動トルクの発生に関与させるようＶＣしていること
から、クラッチ面の半分しかサーボ作用にあずからない
こととなって、同期容量ＶＣ％限界がある。

発明課題 そこでこの発明は、作用の確実さと耐久性とが笑績によ
り保証されているキー式のイナーシャロック型同期噛合
いクラッチに円錐状クラッチ面の全面をサーボ作用に関
与させるサーボ機構を、サーボ効果をもつ同期クラッチ
でありながら不測のクラッチ成人が確実に防止されると
共にクラッチ１ｆｒ：確実に切ることができるように組
込んである、新規な同期噛合い式クラッチ装置を提供し
ようとするものである。

課題解決手段 この発明はキー式のイナーシャロック型同期噛合い式ク
ラッチに一般的である、次の基本溝−ａ’を出発点とす
る。

すなわちこの発明はｆｉｌ−１０図及び第１１−１４図
にそれぞれ例ボするように、伝動軸２２（第１−４図）
或は７７（第１１図）と、内周面に円錐状の第１のクラ
ッチ面２９を形成してある一体的なクラッチギヤ２８を
備え上記伝動軸上に遊嵌されている駆動歯１２６．２７
（第１．２図）或は？６，８４．８５．８６　（第１１
図）と、外周面にスプライン３２ｔ−ｆ４し上記伝動軸
上に固定設置されているハブ部０３１と、上記クラッチ
ギヤ２８に対し噛合い可能なスプライン３４を内周面に
有し該スプライン？上記したハブ部材３１のスプライン
３２と噛合せてハブ部材３１上に摺動可能に設置されて
いるスリーブ部材３３と、上記第１のクラッチ面２９に
対し摩擦係合可能な円錐状の第２のクラッチ面３６と上
記したスリーブ部材３３のスプライン３４１ｊｔ噛合せ
得るスプライン３７とを外周面上に備え上記ハブ部材に
形成した径縮小部３１ａＫ摺動可能に支承されている同
期リング３５と、上記ハブ部材３１の外周面に形成した
軸線方向のキー溝３８に摺動可能に嵌合されよ己同期リ
ング方向への搏動変位によ）該同期リング３５を押して
上記した第１及び第２のクラッチ面２９．３６’に摩擦
係合させるキー部材３９であって上記スリーブ部材３３
の内周面に形成された環状凹部４０に嵌合する突起４１
金外面上に備え該突起部分でスリーブ部材３３に対し相
対摺動不能に係合するように放射方向の外向きに移動附
勢されているキー部材３９とを備え、上記スリーブ部材
３３ｔ−中立位置から上記クラッチギヤ方向にシフト操
作しそクラッチギヤ２８に対する同期噛合いを得るよう
にされた同期噛合い式クラッチＲ誼に係る。

かかるクラッチ装置においてこの発明は前述の発明課題
を解決するため、スリーブ部材３３のシフト操作にょ〕
キー部材３９を摺動変位させ、該キー部材３９により同
期リング３５ｔ−押させることで前記したｆ：Ｊｌｌ及
び第２のクラッチ面２９．３６間の初期係合が得られた
後、該両クラッチ面２９゜３６間の摩擦係合度を自動的
且つ迅速に旨めるサーボ作用を得るべく、次のようなカ
ム手段を設ける。

すなわち同期リング３５とハブ部材３１／との対向する
端面間に、クラッチギヤ２８の回転方向に対し傾斜する
カム斜面を備えたカム手段であって、ｌｆｆ１１記した
第１及び第２のクラッチ面２９．３６間の保合によって
生じるハブ部材３１に対する同期リング３５の相対回転
変位により同期りング３５とハブ部材３１間にクラッチ
ギヤ回転方向での保合を生じさせると共に同期リング３
５をクラッチギヤ２８向きに押圧するカム手段を、設け
るのである。

かかるカム手段は第１５図及びｗＳ１６図にそれぞれ例
示するように、同期リング３５とハブ部材３１とにそれ
ぞれクラッチ周方向でみて傾斜するカム斜面１４５Ａ、
１４５Ｂ、１４６Ａ、１４６Ｂｆ：、同期リング３５と
ハブ部材３１間に生じる相対回転変位によりカム斜面同
士が直接に係合し合うようにも設けたものともできる。

しかしこの発明はまたカム手段によって同期りング３５
に対する摺動抵抗が高められないようにすべく　、第１
０図（ａ）の下側の図及び第１３図（ａ）の下側の図に
それぞれ例示するように、上述したような傾斜の内底面
を有するカム溝４５．４６或は４５Ａ、４５Ｂ。

４６Ａ　、４６Ｂを同期リング３５とハブ部材３１とに
形成して、該カム溝にボール４７を収容するように、カ
ム手段を構成することも提案するものである。

クラッチギヤ２８のｉｌのクラッチ面２９と同期リング
３５の第２のクラッチ面３６との保合によって生じる同
期リング３５とハブ部材３１間の相対回転変位によって
作動するカム手段は、該カム手段による同期りング３５
の押圧によって両クラッチ面２９．３６の摩擦係合度が
高められ、それによル同期リング３５の周速度がクラッ
チギヤ２８の周速度に近くなって来ることで該同期リン
グ３５とハブ部材３１間の相対回転変位量が大となって
くるほど、同期リング３５に対する押圧力を高めること
になるから、第１及び第２のクラッチ面２９．３６間の
摩擦係合はサーボ作用を伴なって進行する。

上記したサーボ作用によってクラッチが不測に嵌入した
カフラッチの切りが不確実とならないようにするため、
この発明はさらに次のような機構を設ける。

すなわちクラッチの不測嵌入を防止するためには、第１
０図（ａｌ及び第１３図（ａｔにそれぞれ例示するよう
に同期リング３５の外周面上に、スリーブ部材３３が中
立位置にあるときキー部材３９に対し保合して同期リン
グ３５０回転変位を阻止するストツバ手段４８．４９を
設けると共に、キー部材３９の内面に、該キー部材３９
がクラッチギヤ２８方向に若干量摺動変位するとキー部
材３９に対する上記ストッパ手３２４８，４９の保合を
解除させて同期リング３５の回転変位を許容する凹溝５
Ｏｔ−設ける。

上記ストッパ手段４８．４９はスリーブ部材３３が中立
位置に訃かれているときに、同期りング３５が回転変位
しそれによって前述カム手段が作動して第１のクラッチ
面２９に対する第２のクラッチ面３６の係合が起きるこ
とを、防止する。また上記した凹Ｗ４５０は、クラッチ
嵌入のためにスリーブ部材３３がシフト操作されるとき
のキー部材３９の動きによって同期リング３５の回転変
位を許容するように機能し、ストッパ手段４８．４９が
あっても所要のようにクラッチの嵌入を行なえることと
する。この発明はまた上記ストッパ手段として、スリー
ブ部材３３が中立位置にあるとき同期リング周方向でみ
た一方向及び他方向からキー部材３９に対しそれぞれ係
合する第１の突起４８及び第２の突起４９を設けること
も、提案するものである。

クラッチを確実に切りうるようにするには第１０図（ｋ
）及び第１３図（ｋ）、第１４図ｆｋ）にそれぞれ例示
するように、クラッチギヤ２８側に位置する前記凹溝５
０の内端面に、該凹溝５ｏ内に前記ストッパ手段４８．
４９が臨んでいる状態でキー部材３９がクラッチギヤ反
対方向に摺動変位するときストッパ手段４８．４９を押
し該ストッパ手段が凹溝５０円がら抜出す方向に同期リ
ング３５を回転変位させるカム斜面５１　（第１０図（
ｋ））或は５１Ａ。

５１Ｂ（第１３図（ｋ）、第１４図（ｋ））を設ける。

すなわちサーボ効果をもつクラッチは後述するように切
り操作の途中で再び第１及び第２のクラッチ面２９．３
６間の係合を起し易いが、クラッチ面２９．３６間の再
保合が起きても後述する作用でクラッチの確実ＩＸＩが
得られるように上記のカム斜面を設けるのである。

この発明に係る同期噛合い式クラッチ装置は、クラッチ
機構の一面側でのみ伝動軸上に遊嵌設置されている単一
駆動歯重金伝動軸に対し結合するための片面式クラッチ
にも、ま九クラッチ機構の一面側及び他面側で伝動軸上
に遊嵌設置されている１対の駆動歯車を択一的に伝動軸
に対し結合するための両面式クラッチにも、構成できる
。

クラッチギヤ及び同期リングが１対宛設けられる両面式
クラッチ機構においてこの発明は、両側の同期リング３
５に前述ストッパ手段となる第１及び第２の突起４８．
４９ｉ、ｆｊｒ１１０図げ）及び第１３図（ｆ）、第１
４図（ｆｌにそれぞれ例示するようにそれぞれ、キー部
材３９が一側のクラッチギキ方向に最大限に変位した状
態でも該キー部材３９の端部が他側の第１及びｗ！Ｉ２
の突起４８．４９間に留められるように配置して設ける
ことを、提案する。また第７−９図及び第１２図にそれ
ぞれ例示するように、キー部材３９外面上の前記突起４
１がスリーブ部材３３内面の前記環状凹部４ｏから抜出
しキー部材３９がハブ部材３１のキー溝３８内で放射方
向の内向きに押込１れている状態においてキー部材３９
の軸線方向摺動変位範囲を規制する規制部５４’ｉ、苧
−溝内底面上でハブ部材３１に設けることも、提案する
。

作　　　用 この発明に係る同期噛合い式クラッチ装置は、次のよう
にしてクラツナギヤ２８とスリーブ部材３３間の回転同
期を得させる。

すなわちスリーブ部材３３全中立位段からシ７ト操作す
るとき同方向に摺動変位せしめられるキー部材３９は、
内面の凹溝５０によって同期りング３５の回転変位ｆ：
許容すると共に、該同期りフグ３５ｔ−押してそのクラ
ッチ面３６をクラッチギヤ２８のクラッチ面２９に対し
係合させる。このようにして両クラッチ面２９．３６間
の初期係合が一旦生じるとクラッチギヤ２８から受ける
力で同期リング３５がハブ部材３１に対し相対回転変位
することから、前述したように同期りング３５とハブ部
材３１との対向端面間に設けたカム手段によプ同期リン
グ３５が押圧され、両クラッチ面２９．３６間の摩擦係
合度がサーボ作用により自動的に高められて行き、両ク
ラッチ面２９．３６間の完全係合状態が容易且つ迅速に
得られる。上記カム手段は同時に同期リング３５とハブ
部材３１間にクラッチギヤ回転方向での保合を生じさせ
るから、同期リング３５とハブ部材３１とがクラッチギ
ヤ２Ｂの回転方向に同行回転する。したがって両クラッ
チ面２９．３６が完全係合するに至ったときはクラッチ
ギヤ２８と同期リング３５とハブ部材３１とが同期回転
することになシ、ハブ部材３１とスプライン３２．３４
噛合いして一体回転するスリーブ部材３３０周速度とク
ラッチギヤ２８の周速度が等しくなる回転同期が達成さ
れる。

この回転同期が同期リング３５のスプライン３７端面へ
のスリーブ部材３３のスプライン３４端而の保合により
フラッチギヤ２８方向へのスリーブ部材３３の変位が阻
止されている状態の下で行なわれるのは、従来のキー式
のイナーシャロック型同期噛合いクラッチにおけると変
わシがない。サーボ効果を伴なう回転同期は円錐状クラ
ッチ面２９゜３６の全面で行なわれ同期容量が大で、舶
用逆転クラッチとして用いた場合も慣性質量大のプロペ
ラが回転せしめられて行くときにクラッチ部に生じる多
大のエネルギーを、小型のクラッチで十分に吸収させう
る。

前記のように回転同期が得られた後は、従来のキー式の
イナーシャロック型のものにおけると同様にスリーブ部
材３３のスプライン３４ｆ、同期リング３５のスプライ
ン３７に対し噛合せ得、このようにして同期リング３５
とスリーブ部材３３、したがってハブ部材３１とがスプ
ライン噛合いにより一体回転するように結合されると、
同期りング３５とハブ部材３１の対向端面間に設けた前
記カム手段はもはや作動しなくなる。後はスリーブ部材
３３ｔ−押し続けることによ〕そのスプライン３４がク
ラッチギヤ２８のスプラインに容易噛合いすることも、
従来のイナーシャロック型クラッチにおけると同様であ
る。

スリーブ部材３３をクラッチギヤ２８反対方向に操作し
クラッチを切る過程に２いて第１０図（１）及び第１３
図（１）、第１４図（１）にそれぞれ例示するように、
スリー１部材３３のスプライン３４が同期りング３５の
スプライン３７から外されたとき両クラッチ面２９．３
６が若干でも接触するとかその間に潤滑油、スラッジが
介在するとかで、同期りング３５がクラッチギヤ２８に
対し連れ廻〕することがある。そしてこの発明に係るク
ラッチ装置では前述カム手段を設けているため、上記の
連れＭルによるハブ部材３１に対する同期リング３５の
相対回転変位によりカム手段が作動して、図示のように
両クラッチ面２９．３６の再保合を起させうる。しかし
同期リング３５の上記の相対回転変位によってストッパ
手段ないしストッパ突起４８ないし４９がキー部材３９
の溝穴５０内に臨むこととなるから、スリーブ部材３３
が引続いて操作され該スリーブ部材３３によりキー部材
３９が中立位置方向に動かされるようになってから、第
１θ図（ｋ）及びＴＡ１３図（ｋ）、第１４図（ｋ）に
それぞれ例示するように凹溝５０端のカム斜面５１ない
し５１Ａ或は５１Ｂが上記突起４８或は４９を押すこと
によ）該突起の抜出し方向に同期りフグ３５ｔ−回転変
位させる。この同期りング３５の回転変位方向はカム手
段を作動させる回転変位方向とは逆方向であシカム手段
が非作動とされると共に、同期リング３５がその中立位
置方向に押し戻されろことになって、クラッチが確実に
切られる。

クラッチの中立状態から不測のクラッチ嵌入が行なわれ
ることがキー部材３９とストッパ手段４８゜４９との協
力で確実に防止されるのは、前述した通りである。

両面式クラッチ機構において一側のクラッチギヤ方向に
最大限に変位し次状態でも他側の同期リング３５上の両
突起４８．４９間に一端部が留められるように設けられ
ているキー部材３９は、−側クラッチの嵌入操作中、嵌
入状態及び切り操作中を問わず他側のクラッチの不測嵌
入が起きることを確実に防止する。

また両面クラッチ機構において前述のように設けた規制
部５４（第７−９図及び第１２図）は一側のクラッチが
切られて行く過程において、キー部材３９がスリーブ部
材３３との間に働く摩擦力によって他側の同期リング３
５方向に変位せしめられて行き他側のクラッチ全不測嵌
入させることを確実に防止すると共に、スリーブ部材３
３内面の環状凹部４０に対しキー部材３１外面上の突起
４１が一定した軸線方向位置で嵌合することとする。こ
の嵌合はキー部材３１に作用させてある放射方向外向き
の附勢力で行なわれ、回倒ではデテント機構のスプリン
グ４３によって同附勢力ｔ？ｌＵているが、従来のイナ
ーシャロック型同期クラッチに設けられているようなリ
ング状のキースプリングで同附勢力を得るようにしても
よい。

第１−１Ｏ図に図示のクラッチ装置では、クラッチ操作
時にクラッチ原動側の回転数がクラッチ従動側の回転数
よシも必らず高いトランスミッションに用いられるもの
としてこの発明に従い、前述カム手段に２けるカム斜面
を一方向のみに傾斜させると共に、キー部材３９の前述
カム斜面５１ヲ単一のものとしている。これに対し第１
１−１４図に図示のクラッチ装置では、クラッチ操作時
にクラッチ原動側の回転数とクラッチ従動側の回転数と
の間で何れの方も高い場合があシうるトランスミッショ
ンに用いられるものとしてこの発明に従い、前述カム手
段におけるカム斜面として−及び他の方向に傾斜させた
斜面を設けると共に、キー部材３９の前述カム斜面とし
て互に傾斜方向を異にする２８１の斜面５１Ａ、５１Ｂ
’ｉ設けている。

第１−１０図に図示のクラッチ装置が利用対象トスるよ
うなトランスミッションにおいても、第１１−１４図に
図示のようなりラッチ装置を用いることができる。しか
し第１−１０図に図示の構造の方が、７１１部材３１に
対する同期リング３５の相対回転変位量を大きくとり、
これによって同期リング３５の軸線方向変位＋ｉを大き
くし両クラッチ面２９．３６間の間隔を大きく設定して
、クラッチギヤ２８に対する同期リング３５の不必要な
つれ廻りが起きにくくできる点で、有利である。

また男１−１０図に図示の構造は、クラッチ部材の加工
が楽である点でも有利である。

実　　施　　例 第１−１０図が第１の実施例を示し、同第１の実施例は
第１図に図示のような舶用減速逆転機においてこの発明
を実施した例に係る。

第１図に２いて２０はヨツト、モータボート、魚船等の
小型船舶の船尾部に据付けられる逆転ケースであり、こ
の逆転ケース２０には前方向きに突出する入力軸２１と
後方向きに突出する出力軸２２とを、互に平行させて口
伝自在に支持させてある。入力軸２１はその前端で図外
のエンジンのフライホイールに対しダンパ接手を介し接
続するものとされ、また出力軸２２はその後端で、船体
側への延出端にプロペラを装備する図外のプロペラ軸へ
と′ＦＪ１図に図示のカップリング半部２３を備えるカ
ップリングにより接続されるものとされている。

逆転ケース２０内で入力軸２１は一体的な小径の前進歯
車２４及び後進歯車２５を、該両ｍ車間に軸線方向での
間隔をあけた配置で装備している。

出力軸２２上には上記前進歯車２４と噛合された大径の
前進歯ｌｌＩ２６及び上記後進歯車２５に対し噛合され
ている図外の中１１ｆｆｉ歯車と噛合さｎた大径の後進
歯車２７を、それぞれベアリングを介し遊嵌設置してあ
る。したがってこれらの前進歯車２６及び後進歯１２７
はそ扛ぞれ、それが出力軸２２に対し結合されることに
より該出力軸２２を回転駆動することとなる駆動歯車を
構成している。

第１．２図に示すように出力軸２２上の前進歯車２６及
び後進ｍ車２７にはそれぞれ、該歯車よ身も小径で横幅
の小さいクラッチギヤ２８が一体形成され、各クラッチ
ギヤ２８の内周面には円錐状の第１のクラッチ面２９が
形成されている。ま７’（ｖｇｌ−４図に示すように［
ｔ［２６，２７の中間位置で出力軸２２上には１対のキ
ー３０ｔ−用いてハブ部材３１が固定設置され、このハ
ブ部材３１の外周面には第５−９図に示すようにスプラ
イン３２が刻設されている。ハブ部材３１上にはスリー
ブ部材３３を摺動可能に設けてあり、このスリーブ部材
３３は各クラッチギヤ２８に対し噛合い可能なスプライ
ン３４（第５．６図）を内周面に有し、該スプライン３
４を上記スプライン３２と噛合せることによりハブ部材
３１に対し相対回転不能に接続されている。ハブ部材３
１の一端部及び他端部には径縮小部３１ａが形成され、
該谷径縮小部３１ａには同期りング３５を摺動可能に支
承させてある。各同期りング３５はクラッチギヤ２８内
周面の第１のクラッチ面２９に対し摩擦係合可能な円錐
状の第２のクラッチ面３６とスリーブ部材３３内周面の
スプライン３４ｆ：噛合せ得るスプライン３７とを、外
周面上に備える。さらにハブ部材３１の外周面には円周
方向で等間隔２きに配置して３個のキー溝３８を軸線方
向に沿わせ形成してあり、これらの各Φ−溝３８にはキ
ー部材３９ｔ−摺動可能に嵌合してある。以上に述べた
同期クラッチ機構の諸部材は第５図に、分解状態でやや
模式的に斜視図でもって図示されている。

第２図及び第４．５図に示すようにスリーブ部材３３０
内周面には軸線方向の中央部で、前記スプライン３４ｔ
−適当量だけ凹ませることで形成された環状凹部４０が
設けられてお勺、該環状凹部４０に嵌合する突起４１が
各キー部材３９の外面上に一体形成されている。ハブ部
材３１にはキー溝３８に開口する３個の放射方向の穴１
Ｃ３Ｌ承させて３個のデテントピン４２ｔ−設けてあり
、この各ビン４２ｔ−スプリング４３によりキー部材３
９方向に突出附勢し第２図に図示の中立位置にあるキー
部材３９内面のノツチ４４に突入させてキー部材３９及
びスリーブ部材３３の位置拘束を行なうこととされてい
るが、キー部材３９はデテントピン４２がノツチ４４を
外れた位置においても内面に接当する該ビン４２ｔ−介
しスプリング４３の附勢力を受けて放射方向の外向きに
移動附勢され、突起４１はスプリング４３の附勢下で環
状凹部４０内に臨みスリーブ部材３３に対し相対摺動不
能に係合することとされている。環状凹部４０及び突起
４１の両端面は第２図で突起４１について符号４１ａで
指して示すように、キー部材３９の摺動変位が阻止され
ている状態でスリーブ部材３３が摺動変位せしめられて
行ったときに突起４１の環状凹部４０内からの抜出し及
びスリーブ部材３３の逆方向変位時の再嵌合を容易とす
るようにテーパ面に形成されている。

第３−５図及び第１０図（ａ）−第１０図（ｋ）の各下
側の図に示すように各同期リング３５と７１１部材３１
との対向する端面には円周方向で等間隔おきに配置して
３個宛のカム溝４５．４６ｔ−形成してあり、これらの
カム＠４５．４６にはボール４７を収容してある。カム
溝４５．４６の内底面は円周方向に渋い傾斜させたカム
斜面としてあシ、その傾斜方向は、前進歯車２６に附設
のクラッチギヤ２８の回転方向がｒＡ１０図（ａ）の矢
印Ｆ方向、後進！ｌ車２７に附設のクラッチギヤ２８の
回転方向が第１０図（ａ）の矢印Ｒ方向であるのに対し
、同期リング３５がハブ部材３１に対し相対的にクラッ
チギヤ２８の回転方向に回転変位するとクラッチ軸線方
向でみた溝内底面間の間隔が小とされる方向に設定され
ている。

第５図及び第１θ図＜ａ）−第１０１伽）の各下側の図
に明瞭に示すように各同期リング３５の外周面上には、
スリーブ部材３３が第１０図（ａ）に図示の中立位置に
あるときにキー部材３９に対しクラッチギヤ２８の回転
方向の上手側から接当する第１の突起４８及び下手側か
ら接当する第２の突起４９を突設してある。これに対し
各キー部材３９には第２図及びｗｒＩ６−９図に示すよ
うに該部材の内面で左右１対の凹溝５０を形成してあり
、この各凹溝５０は第１０図（ｄ）の下側の図に左側の
凹溝５０について示すように、キー部材３９がクラッチ
ギヤ２８方向に若干量摺動変位するとｗＳｌの突起４８
が突入しうるように配置して設けられ該第１の突起４８
の突入によりフラッチギヤ２８回転方向への同期リング
３５の回転変位を許容するものとされている。凹溝５０
は、その内部に突入した第１の突起４８に対しクラッチ
ギヤ２８側から対面するｊｌｇｌの内端面５１及びクラ
ッチギヤ２８反対側から対面する第２の内端面５２を有
する。このうち第１の内端面５１は特に、第１０図（ｋ
）に示すように第１の突起４８が凹＃＃５０に突入した
状態でキー部材３９がクラッチギヤ２８の反対方向に摺
動変位せしめられると第１の突起４８を押すことによフ
同期リング３５をクラッチギヤ２８の回転方向と反対の
方向に回転変位させる向きで傾斜させ九カム斜面とされ
ている。第１の突起４８には第１の内端面５１の傾斜方
向に治わせた面取、りが施されている。キー部材３９の
長さと突起４８゜４９の形成位置は第１０図（ｆ）に示
すように、キー部材３９が一側のクラッチギヤ２８方向
に最大限に摺動変位した状態でもキー部材３９の端が他
側の同期リング３５上の第１及び第２の突起４８゜４９
間に残るように設定されている。

第７−９図に明瞭に示すように、キー溝３８の内底面上
にはクラッチ軸線方向で間隔をあけて２個の平坦な突隆
５４を設けてあシ、この各突隆５４に１対宛をのせるべ
くした２対の脚５５がキー部材３９の内面に４隅部で設
けられている。突隆５４と脚５５とはクラッチ中立状態
で第８図に示すように、クラッチ軸線方向でみて完全に
重なシ合うように配置されている。ハブ部材３１に対し
キー部材３９が軸線方向で摺動変位するとき脚５５が突
隆５４を外れるとキー部材３９は第９図に示すように、
キー溝３Ｂ内を放射方向の内向きに落込む。突隆５４の
高さは脚５５が突隆５４にのっている状態でキー部材３
９が、外面の前記突起４１をスリーブ部材３３内周面の
前記環状凹部４０へ突入した状態を維持するような放射
方向での位置に留められるように、設定されている。第
９図からみてとれるようにクラッチ軸線方向でみた脚５
５の幅は、両突隆５４間の間隔より小さくされている。

第９図に例示したようなキー部材３９の落込み状態で該
キー部材３９の一方向及び他方向への摺動変位はそれぞ
れ、脚５５と突隆５４間のクリアランスが埋められ脚５
５が突隆５４にクラッチ軸線方向で係合した状態から、
ハブ部材３１によって阻止されることになる。キー部材
３９の全体としてみた形状は放射方向内向きの脚部と両
側の同期リング３５向きに張出す１対の張出し部とを有
し脚部幅が大であるＴの字形であって、キー部材３９は
脚部の一端面及び他端面（以下、第６−９図に符号５９
で指し「押圧面」という。）で−側及び他側の前記同期
リング３５を押すものとされている。前記凹溝５０はキ
ー部材３９の張出し部内面に形成され上記したキー部材
　Ｗ、圧面５９は該凹溝５０の前記第２０内端面５２と
一体に連らなっている。

第２．４図に示すようにハブ部材３１には３個の軸線方
向での貫通穴５７を設けてあり、両端で両側の同期リン
グ３５に掛止めされた３本のリターンばね５８が、該貫
通穴５７全通して設けられている。第１図に示すように
スリーブ部材３３には、該部材３３の外周面の環状溝穴
内に臨むシ７り６０を係合させてある。

スリーブ部材３３のスプライン３４の両端と該スプライ
ン３４が係合して来るところの同期リング３５のスプラ
イン３７端とは、従来の同期クラッチ機構におけると同
様に山形に面取りされてチー　ハ付は端面を有するもの
とされている。クラッチギヤ２８も従来の同期クラッチ
機構におけると同様に、スプラインを形成され、スリー
ブ部材３３のスプライン３４が噛合って来るスプライン
端を山形に面取りされている。第１Ｏ図（ａ）に図示の
中立状態でのハブ部材３１に対する同期リング３５の相
対位相はキー部材３９を収容するキー溝３８と同期リン
グ３５上の突起４８．４９との配置関係で決定されるが
、同相対位相はハブ部材３１のスプライン３２に噛合さ
れたスリーブ部材３３のスプライン３４のテーパ付は端
面と同期リング３５（７）スｆ５イン３７のテーパ付は
端面とが図示のようにクラッチ軸線方向で対向位置し合
うように設定されている。

第１０図（ａ）−石１０図（ｋ）はクラッチ作用を説明
するための図で、これらの各図におい°て上側に掲げた
図はクラッチ機構の半部の縦断面を、また下側に掲げた
図はクラッチ機構の一部を一円筒面に沿って切断した断
面を、それぞれ示している。下側に掲げた図において図
を判シ易くするように、スリーブ部材３３のスプライン
３４は１個のみが、また同期りング３５のスプライン３
７は隣合う２個のみが、それぞれ示されてお〕、クラッ
チギヤ２８については隣合う２個のスプラインのみが示
されている。ハブ部材３１のスプライン３２に対するス
リーブ部材３３のスプライン３４への噛合い関係は、ハ
ブ部材３１の隣合う２個のスプライン３２間の間隙をス
リーブ部材３３のスプライン３４が嵌まる仮想の溝穴と
して画いて示してある。

第１Ｏ図（ａ）がクラッチ中立状態を、また第１０図（
ｇ）が図上で左側のクラッチ機構の完全嵌入状態を、そ
れぞれ示している。第１０図（ｂ）からＴＪｒ１１０図
（ｆ）までが第１０図（ａ）の中立状態から第１０図け
）の嵌入状態にまで図上で左側のクラッチ機構が入れら
れて行く中間過程を示し、第１Ｏ図（ｈ）から第１０図
体）までが第１０１愉）の嵌入状態から第１０図（ａ）
の中立状態にまで上記クラッチ機構が切られて行く中間
過程を示している。

第１０図（ａ）に示す中立状態において、キー部材３９
は第８図に示す位置にあシ突起４１がスリーブ部材３３
内周面の環状凹部４０に突入してお）、またデテントピ
ン４２がスプリング４３の附勢下でノツチ４４に突入し
ている１、キー部材３９の一端部及び他端部は一側及び
他側の同期リング３５の第１及び第２の突起４８．４９
間に臨んでおり、これによってハブ部材３１に対し各回
期りング３５が相対回転することが阻止されている。第
２図に図示の前進歯車２６に附設のクラッチギヤ２８は
前記矢印Ｆ方向に、また第２図に図示の後進歯車２７に
附設のクラッチギヤ２８は前記矢印Ｒ方向に、それぞれ
回転している。

前進歯車２６ｔ−出力軸２２に対し結合するために第１
０図（ａ）の中立状態から第１図に図示のシ７り６０を
用いスリーブ部材３３ｔ−図上で左側にシフト操作する
ときは、突起４１ｆ：環状凹部４０に突入していてスリ
ーブ部材３３に対し相対摺動不能に係合しているキー部
材３９も左方向に摺動変位せしめられて、第１０図（ｂ
）に示すようにキー部材３９の左側の凹溝５０が左側の
同期りング３５の第１及び第２の突起４８．４９間に位
置する状態が得られて、左側の同期りング３５の回転規
制が解除される。仁の状態でスリーブ部材３３のスプラ
イン３４は同期りング３５のスプライン３７と、テーパ
付けされた端面同士で係合関係に入〕、またキー部材３
９の前記押圧面５９（第６−９図）が同期リング３５に
対し接当する。第７−９図に図示のキー部材３９の脚５
５がキー溝内底面の突隆５４から外れるが、スプリング
４３の附勢力はノツチ４４を抜出したデテントビン４２
ｔ−介しなおキー部材３９に作用するから、キー部材３
９はその突起４１がスリーブ部材３３の環状凹部４０に
突入する位置にあってスリーブ部材３３に対し相対摺動
不能に係合したままにある。

Ｍ２Ｏ図（ｂｌの状態からスリーブ部材３３がさらにシ
フト操作されると、それによるキー部材３９の摺動変位
により該部材３９が前記押圧面５９（第６−９図）で同
期りング３５を図上で左方向に押し、第１０図１ｃ）に
示すように同期リング３５に設けた第２のクラッチ面３
６ｔ−クラッチギヤ２８に設けた第１のクラッチ面２９
に対し押付ける。

第１０図（Ｃ）の状態では同期リング３５がハブ部材３
１から左方向に離間することにより、カム溝４５゜４６
間が押拡げられてボール４７が一旦、浮いた状ａｔ（３
５）とる・ 上記のように第２のクラッチ面３６が第１のクラッチ面
２９に対し押付けられると同時に、第１０図（ｄ）に示
すように同期リング３５がクラッチギヤ２８との連れ廻
〕を開始するから、カム溝４５゜４６の内底面間の間隔
が狭められる。したがってボール４７がカム溝４５．４
６の内底面にのり上げ、同期リング３５に作用している
矢印Ｆ方向の回転力の軸線方向分力を生じさせて、同期
り、フグ３５ｔ−クラツチギヤ２８向きに強く押す。こ
れによ〕両クりッチ面２９．３６間の係合度が高められ
クラッチギヤ２８から同期リング３５に加わる回転力が
高められるが、それによりボール４７及びカム溝４５内
底面を介し同期りング３５に作用する押圧力も高められ
るから、クラッチギヤ２８に対する同期リング３５の押
付け、つまり第１のクラッチ面２９に対する第２のクラ
ッチ面３６の摩擦係合は自己サーボ効果を伴なって進行
する。

第１０図ｆｃ）の状態から同期リング３５がクラッチギ
ヤ２８と遅れ廻ることで該同期リング３５がハブ部材３
１及びスリーブ部材３３に対し相対的に図示矢印Ｆ方向
に回転変位するから、第１０図ｆｄ）に示すように、同
期リング３５において回転方向上手側にあったスプライ
ン３７がスリーブ部材；（３のスプライン３４とテーパ
付は端面同士で係合関係に入ると共に、同期リング３５
上の第１の突起４８がキー部材３９の凹溝５０内に入シ
込む。

クラッチギヤ２８に対する同期りング３５の同期回転は
第１のクラッチ面２９に対し第２のクラッチ面３６が完
全に係合することによって得られるが、同期が完了する
までの間はスプライン３４゜３７のテーパ付は端面同士
の係合部におきスズ２４フ３４０図上左向き変位に抵抗
するトルク分力が生じることがらしてスリーブ部材３３
の左向き変位が阻止される。裏１のクラッチ面２９に対
する第２のクラッチ面３６の摩擦係合が前記した自己サ
ーボ作用により進行することから、両クラッチ面２９．
３０間の完全係合による同期りング３５の同期回転は自
動的且つ迅速に得られる。そしてクラッチギヤ２８と同
期回転する同期リング３５の回転はボール４７及びカム
溝４６内底面を介しハブ部材３１へと伝えられるから、
クラッチギヤ２８に対し同期リング３５及びハブ部材３
１が（したがってま友ハブ部材３１とスプライン３２゜
３４係合するスリーブ部材３３も）、等速度で同期回転
する状態が得らｎる。

第１０図（ｄ）の状態で同期回転が得ら几ると、同期リ
ング３５に対しハブ部材３１が矢印Ｆで示された回転方
向ではフリーである、つ１シフリーに先行回転しうろこ
とから、スリーブ部材３３を左向きに押している力によ
って該スリーブ部材３３がハブ部材３１を矢印Ｆ方向に
若干回１区変位させつつ、同スリーブ部材３３のスプラ
イｙ３４が同期リング３５のスプライン３７へと噛合っ
て行き、第１０図１ｅｌに示す噛合い状態が得らｎる。

スリーブ部材３３を第１０図（ｄ）の位置から第１０図
ｔｅｌの位置へと移すとき、キー部材３９は押圧面５９
（第６−９図）が同期リング３５に接当することでもは
や左方向へ変位しえないことからして原位置に残され、
このためスリーブ部材３３内面の環状凹部４０がキー部
材３９外面の突起４１を外れ、キー部材３９が第１０図
（ｅ）に示すようにキー溝３８内で押込まれる。また同
期リング３５に対しノ・プ部材３１が矢印Ｆ方向に若干
量回転変位せしめられることからしてカム溝４５．４６
内底面間の間隔が押拡げられ、ボール４７は第１０図ｔ
ｅｌに示すようにカム溝４５．４６内で浮いた状態をと
る。

クラッチ面２９．３６間の保合が解除された第１０図（
ｅ）の状態からそのままスリーブ部材３３を左向きに押
し続けると、ノ・プ部材３１から出力軸２２ｆ：経てプ
ロペラに至るまでの慣性式量大なりラッチ従動側が既に
クラッチギヤ２８と同期回転していることからして、ス
リーブ部材３３が左方向に移動せしめられつつ該部材３
３のスプライン３４がクラッチギヤ２８ないしそのスプ
ラインへと容易に噛合さｎて第１０図げ）の状伽が得ら
れる。

第１０図（ｅ）　、　（ｆ）に示す過程でボール４７が
カム溝４５．４６内で浮いた状態をとっていることから
、両クラッチ面２９．３０間の再保合が起きるようなこ
とは起きない。

以上によりクラッチギヤ２８の回転がスリーブ部材３３
とハブ部材３１とを介し出力軸２２へと伝えられること
になシ、第２図に図示の前進歯車２６が出力軸２２に対
し結合された関係が得られる。クラッチ完全嵌入状態で
は同期リング３５が伝動にあずからずフリーな状態にあ
ることがら、第１０図（ｇ）に示すように該同期リング
３５はクラッチ面２９．３６間の係合が解除さｎる位置
にあり、また同様に７リーな状■にあるキー部材３９は
第９図に図示の突隆５４と脚５５間のクリアランスの範
囲内で自在な位置、例えば第９図に図示のように脚５５
が突隆５４に対し接当することで第１０図（！ｇ）上で
みてキー部材３９の右方向変位が阻止さｎるような位Ｗ
１をとる。

以上に説明した左側クラッチ機構の嵌入過程の間及び完
全嵌入状態でキー部＠３９の右端部分は常に、右側の同
期リング３５上の第１及び第２の突起４８．４９間に臨
んで該同期りング３５の回転を阻止しており、したがっ
て右側のクラッチ機構の自動的な嵌入が起きるような事
典は生じない。

’Ｅ　ｆｃハブ部材３１の回転により右側のボール４７
が遠心力の作用下でカム溝４５０内底面に係合し、軸線
方向の分力で石ｆｉｌｌの同期リング３５を押し該リン
グ３５を（回転を伴なうことなく）摺動させ右側両クラ
ッチ面２９．３６間の接触を生じさせてクラッチ面２９
．３６の異常摩耗を生じさせることは、前記リターンば
ね５８により同期リング３５の上記摺動が阻止されるこ
とによって防がれる。

次に第１０図（Ｅ）の完全嵌入状態にある左側クラッチ
機構を切）第１０図（ａ）の中立状態へとするクラッチ
ｇＪル過程を、第１０図（ｈ）−第１０図（ｋ）につい
て説明する。

第１図に図示のシフタ６０によりスリーブ部材３３を第
１０回付）に示す位置から右方向に摺動操作すると、第
１０図（ｈ）に示すようにスリーブ部材３３のスプライ
ン３４が先ず左側クラッチギヤ２８との噛合いを解除さ
れる。

スリー１部材３３がさらに右方向に操作され第１０図（
１）の下側の図に示すようにスプライン３４が同期リン
グ３５のスプライン３７間から抜かれるとハブ部材３１
に対し同期リング３５が相対回転できる状態となるから
、同期リング３５が若干でもクラッチギヤ２８に接触す
る限シ、或はその間に多量の潤滑油とかスラッジ等の固
体粒子が存在すると、該同期りング３５がクラッチギヤ
２８と矢印Ｆ方向に遅れｍｎｔ−起こし、これによりカ
ム溝４５，４５の内底面間の間隔が狭められる。

このためボール４７により同期りング３５がクラッチギ
ヤ２８方向に押されて、第１０図（１）の上側の図に示
すように両クラッチ面２９．３６間の摩擦係合が再び起
きうる。

第１０図（ｈ）、（１）に示すようにスリーブ部材３３
を右方向に変位させて行くとき、キー部材３９は第９図
に示すように脚５５がキー溝内底面の突隆５４に対し接
当し右方向変位を阻止されて訃〕、このためスプリング
４３によって放射方向外向きに附勢されているキー部材
３９の外面上の突起４１が、第１０図０）の上側の図に
示す状態を経て第１０図Ｕ）の上側の図に示すようにス
リーブ部材３３の内面の環状凹部４０に嵌合する。この
状態になると脚５５が突隆５４上面側へと持上げられる
から、スリーブ部材３３の右方向変位によりキー部材３
９は一体に右方向に変位せしめらｎることになる。

このようにスリーブ部材３３と共にキー部材が右方向に
変位せしめられて行くと第１０図（ｋ）に示すように、
該キー部材３３の凹溝５０内に突入している同期リング
３５上の第１の突起４８に対し、凹溝５０の第２第１０
内端面（カム斜面）５１が接当するに至る。この状態か
らキー部材３９がスリーブ部材３３によって右方向に移
動せしめられると、第１の内端面５１が前記のように傾
斜させてあることにより該内端面５１に第１の突起４８
を押されて同期リング３５が矢印Ｆの反対方向に回転変
位せしめられる。これによりカム溝４５゜４６円底面へ
のボール４７ののり上げが解除されると共に同期リング
３５がクラッチギヤ２８から引離されて行くから、両ク
ラッチ面２９．３５間の保合が解除される。同期リング
３５が矢印Ｆの反対方向に回転変位せしめられることに
より第１の突起４８がキー部材３９の凹溝５ｏを抜出し
、その後の中立位置までのスリーブ部材３３の変位でキ
ー部材３９Ｆｉ、第１θ図（ａ）に示すように同期リン
グ３５上の第１及び第２の突起４８．４９により挾持さ
れる位置まで摺動変位せしめられる。

以上の左側クラッチ機構の切）過程において、右側クラ
ッチ機構の自動的な嵌入が起きないこと、及び右側の同
期リング３５とクラッチギヤ２８間の接触が起きないこ
とは、クラッチ入シ過程について述べたと同様である。

右側クラッチ機構の入り切りの過程はクラッチギヤ２８
の回転方向が＠記矢印Ｒ方向で逆となっている点を除い
ては、左側クラッチ機構について説明し友のと同様に進
行する。

第１１−１４図が第２の実施例を示し、同第２の実施例
は第１１図に図示のような車両用トランスミッションに
おいてこの発明１ｃ来施し文例に係る。

？ｊＳｌ１図において６５．６６はそれぞれ、トラクタ
において＋ＪＵ後に直列配置され機体の一部を構成して
いるクラッチハウジング及びミッションケースであって
、クラッチハウジング６５内にはミッションケース６６
内へのエンジン動力の伝達を選択的に断つための主クラ
ッチ６７が、またミッションケース６６内には車速制御
用の変速機構が、それぞれ配設されている。

図示の主クラッチ６７は皿ばね式の乾式摩擦クラッチに
構成され、エンジン・フライホイール６８とミッション
ケース６６内へ伝動する駆動軸６９間の接続を選択的に
断つものとされている。すなわちフライホイール６８に
取付けたクラッチカバー７０内において駆動軸６９上に
フライホイール６８に対面するクラッチディスク７１を
相対回転不能に設置すると共に、フライホイール６８反
対側でクラッチカバー７０と共回転するプレッシャプレ
ート７２及びダイヤフラムスワブりング７３を設けて、
スプリング７３によりブレッシャプレート７２を介しク
ラッチディスク７１をフライホイール６８へと圧着する
ようにされている。駆動軸６９上にはクラッチカバー７
０の内外にまたかるレリーズベアリング７４を摺動可能
に設置してあって、図外のクラッチペダルの踏込みによ
りレリーズヨーク７５を介しレリーズベアリング７４を
クラッチカバー７０内への押込み方向に摺動させて、レ
リーズレバ（３５）としても機能するダイヤプラムスプ
リング７３を介しプレッシャプレート７２ｔ−７ライホ
イ一ル６８反対側に遠去けてクラッチ切りを得るように
されている。

駆動軸６９の後端部はミッションケース６６内に臨ませ
て、そこに一体内な入力歯車７６を形成してある。ミッ
ションケース６６内には駆動軸６９の延長線上に位置さ
せ九変速軸７７と、該変速軸７７に平行させて支軸７８
上で設けた中空のカウンタ軸７９とを設けである。カウ
ンタ軸７９はその前端部に一体形成した歯車８０を入力
歯車７６と噛合せることにより、駆動軸６９にて常時回
転駆動されるようにされている。カウンタ軸７９には３
個のカウンタ歯車８１，８２．８３’ｉ一体形成してあ
り、また変速軸７７上には３個の歯車８４゜８５．８６
ｔ−遊嵌設置してある。軸７９．７７上の歯車のうち、
歯車８１．８４と歯車８２　、８５とは図示のように直
接に噛合されており、また歯車８３．８６はミッション
ケース壁にアイドラ軸８７を介し遊転自在に支持させて
あるアイドラ歯車８８を介して噛合されている。

入力歯車７６には変速軸７７の前端部外周位近に臨むク
ラッチギヤ２８を一体形成して附設してあシ、また変速
軸７７上の各歯車８４．８５．８６にもクラッチギヤ２
８を一体形成して附設してある。入力歯車７６のクラッ
チギヤ２８と歯車８４のクラッチギヤ２８とが互に対向
配置され、歯車８５のクラッチギヤ２８と歯車８６のク
ラッチギヤ２８とが互に対向配置されていて、２個宛の
クラッチギヤ２８間にそれぞれ配して第１の実施例に類
似の同期クラッチ機構が設けられている。ミッションケ
ース６６内の変速機構は該クラッチ機構を用いて入力歯
車７６と歯車８４，８５．８６を択一的に変速軸７７へ
と結合して前進３段、後進１段の変速を行なうものとさ
れている。変速軸７７に対し入力歯車７６を結合すると
高速回転が、歯車８４を結合すると中速回転が、歯車８
５を結合すると低速回転が、変速軸７７にそれぞれ得ら
れ、歯車８６を結合すると変速軸７７の低速での後進口
伝が得らｎる。変速軸７７は図外の左右後輪方向へと接
続されている。

以下、ＷＩＪ２の実施例に係る同期クラッチ機構と、そ
の諸部材及び各部について上記のクラッチギヤ２８ｔ−
含め第１の実施例の説明で用いたのと同一の符号により
指称して、説明して行く。

第１１図に示すように両面式の同期クラッチ機構を２組
設けである変速機構において、各組の同期クラッチ機構
は変速軸７７にキー３０止めされたハブ部材３１、この
ハブ部材３１上にスプライｙ同士の噛合いにより摺動自
在ではあるが相対回転不能に設けられたスリーブ部材３
３、ハブ部材３１の径縮小部３１ａＫ摺動可能に支承さ
せてある同期リング３５、ハブ部材３１のキー溝３８（
第１２図）に摺動可能に嵌合されｔキー部材３９といっ
た、第１の実施例で設けたのと同一機能の諸部材を備え
る。第１１．１２図及び第１３図（ａ）に示すようにク
ラッチギヤ２８、スリーブ部材３３は第１の実施例にお
けると全く同様のものとされており、対応する部分には
同一の符号が附されている。

ｉｌの実施例に係る同期クラッチ機構は第１図に図示の
舶用減速逆転機に設けられ、前記出方軸２２の回転方向
が切替えられる場合を含めて同期クラッチ機構の作動前
に必らず、回転方向を含めて考えてクラッチギヤ２８の
回転速度の方が出方軸２２０回転速度よりも大きく、同
期クラッチ機構は出力軸２２側からみて増速結合を行な
うものであった。これに対し第２の実施例に係る同期ク
ラッチ機構は前述のような変速機構に設けられ、前記主
クラッチ６７を切って行なわれる変速操作に際し同期ク
ラッチ機構の作動前には、それまでどの歯車？６．８４
．８多或は８６が変速軸７７に結合されていたか、主ク
ラッチ６７の切シ後の変速操作のタイミングがどのよう
であったか、車両が坂道を昇〕降シしている状態で変速
操作がなされたか等の条件によって、クラッチギヤ２８
の回転速度の方が変速軸７７の回転速度よりも大きい場
合と逆に変速軸７７０回転速度の方がクラッチギヤ２８
の回転速度よｐも大きい場合とがあ夛、同期クラッチ機
構は変速軸７７側からみて増速結合も減速結合も行なう
ものとする必要がある。このため第２の実施例では次の
ような構造が採用されている。

すなわち先ずキー部材３９についてはＷＳｉ２図及び第
１３図（ａ）に示すように、前記凹溝５０同様の凹溝５
０におけるクラッチギヤ２８ｆＦＡに位置するヂ１の内
端面を単一傾斜のものとせず、前記第１の内端面５１と
同方向に傾斜させてある端部部ないしカム斜面５１Ａと
その逆方向に傾斜させてある端部部ないしカム斜面５１
Ｂとでもって形成している。同期リング３５上の第１の
突起４８及びＷＪ２の突起４９のうち、第１の突起４８
は第１の実施例におけると同様のものとされているが、
′？！ｒＪ２の突起４９は第１の実施例におけるよりも
大寸法で第１の突起４８と同程度の寸法とされ、カム斜
面５１Ｂの傾斜方向に浴わせた面取りが施さｎている。

ま７’（第１３図（ａ）に示すように同期リング３５と
ハブ部材３１との対向する端面に形成されるカム溝は、
Ｉｉ′ＩＪ記カム溝４５．４６の内底面と同方向に傾斜
させてある内底面（カム斜面）を有する溝部４５Ａ、４
６Ａとその逆方向に傾斜させてある内底面（カム斜面）
を有する溝部４５Ｂ、４６Ｂとを一体に連らねて形成さ
ｎている。

以上のキー部材３９の凹清円端面形状、同期リング３５
上の両突起４８．４９、及び同期リング３５とハゲ部材
３１のカム溝形状について、左右での区別はなされてい
ない。

第１３図（ａ）に図示の中立状態でのハブ部材３１に対
する同期りング３５の相対位相はキー部材３９を収容す
るキー＃４３８と同期リング３５上の突起４８．４９と
の配置関係で決定されるが、同相対位相はハブ部材３１
のスプライン３２に噛合されたスリーブ部材のスプライ
ン３４が同期リング３５のスプライン３７間に位置する
こととなるような位相に設定されている。

第２の実施例に係る同期クラッチ機構の他の部分の構造
は第１の実施例におけると全く同様であシ、対応する部
分に同一の符号を附して１復した説明を避ける。

第１３図（ａ）−第１３図ｆ１ｇ）は増連結金時及びそ
の後のクラッチ切）過程の作用を説明する友めの図で、
第１０図（ａ）　−ｆｇ）にそれぞれ対応させて同一の
手法テ画かれている。今、図上左側のクラッチギヤ２８
がハブ部材３１に対し相対的に第１３図（ａ）に図示の
矢印Ｆ方向に回転しているとする。

第１３図（ａ）に図示の中立状態から第１３図（ｇ）に
図示の完全嵌入状態に至るまでの増速結合時の作用を説
明すると、第１３図（ｂ）及び第１３図（Ｃ）に図示の
過程は、中立状態でのハブ部材３１に対する同期リング
３５の相対位相が前述のように設定されているためスリ
ーブ部材３３のスプライン３４が同期リング３５のスプ
ライン３７間に位置して該スプライン３７に接触しない
点を除いては、第１０図（ｂ）　、　ｆｃ）について第
１の実施例について説明したのと同様に進行する。

第１３図（Ｃ）の状態に至って同期リング３５がキー部
材３９に押され′Ｆ、１．第２のクラッチ面２９゜３６
間の初期係合が生じ、それにより第１３図ｆｄ）に示す
ように同期リング３５が矢印Ｆ方向に回転すると溝部４
５Ａ、４６Ａの内底面間の間隔が狭められることにより
、第１０図（ｄ）について述べたと同様にスプライン３
７．３４端面間の保合によりスリーブ部材３３の左向き
変位が阻止されている状態の下でボール４７により同期
リング３５が押され、クラッチ面２９．３６間の完全な
保合状態が自動的且つ迅速に達成されて同期リング３５
がクラッチギヤ２８と同期回転する。またそれによりボ
ール４７を介しハブ部材３１も同期回転する。そして車
両では接地する車輪側からの規制でｍｌの実施例におけ
るようにハブ部材３１ｆｃ同期リング３５に対し矢印Ｆ
方向に相対回転変位させることはできないが、主クラッ
チ６７（ｍｌ１図）が切られていることによりフラッチ
ギヤ２８及び同期リング３５がハブ部材３１に対し矢印
Ｆの逆方向でフリーになっているから、名１３図（ｄ）
　ノ状態で同期回転が得られた後、ハゲ部材３１と一体
回転するスリーブ部材３３を図上左向きに押す刀で同期
リング３５が矢印Ｆの逆向きに若干回転変位せしめられ
つつ、第１３図（ｅ）に示すように、スリーブ部材３３
のスプライン；３４が同期リング３５のスプライン３７
と噛合される。上記した同期リング３５０回転変位によ
って、第２の実施例では同期リング３５上の嘔１の突起
４８が第１３図（ｅ）に示すようにキー部材３９の凹溝
５ｏがら抜は出す。

第１３図（ｅ）に示す状態で同期リング３５がフリーと
なり、そのままスリーブ部材゛３３ｔ−左向きに押し続
けるとＷ、１３図（ｆ）に示すようにスプライン３４が
クラッチギヤ２８のスプラインに対し容易噛合いを達成
することは、第１０図げ）について前述し友のと同様で
ある。

第１３図（ｆｆｌに示すクラッチ完全嵌入状態で同期リ
ング３５及びキー部材３９がそれぞれとる位置は、第１
Ｏ図（ｇ）について前述したのと同様である。

第１３図け）の完全嵌入状態から左側クラッチ機構を切
る過程において、主クラッチ６７゛（第１・１図）の切
り後にクラッチギヤ２８がハブ部材３１より高速で回転
し第１３図（ｈ）の矢印Ｆ方向に相対回転しているとす
れば、第１の実施例の場合とほぼ同様にクラッチ切り過
程が進行する。

すなわちスリーブ部材３３の右方向変位操作で第１３図
（ｈ）に示すようにスリーブ部材３３のスプライン３４
がクラッチギヤ２８から外さｎさらに第１３図（１）に
示すように同期リング３５のスプライン３７からも外さ
れると同期リング３５がハブ部材３１に対し相対回転し
えて、第１３図（ｉ）　Ｋ示すようにｆｆｆｌ、第２の
クラッチ面２９．３６間の再保合が起き得る。このとき
はハブ部材３１に対する同期リング３５の矢印Ｆ方向へ
の相対回転変位で該ハブ部材３１上の第１の突起４８が
キー部材３９の凹溝５ＯＦＦ３へ再突入し、月１のカム
斜面５１Ａに向き合うことになる。

しｆＣがって第１３図（ｊ）に示すようにキー部材３９
外面の突起４１がスリーブ部材３３内面の環状凹部４０
へと突入しキー部材３９がスリーブ部＃Ａ３３と一体に
摺動変位せしめらｎる状態となってから、キー部材３９
の右方向変位により第１３図（ｋ）に示すようにカム斜
面５１Ａが第１の突起４８に接当し該突起４８を押して
同期りング３５に矢印Ｆの逆方向の回転変位を生じさせ
、第１０図（ｋ）について前述し友のと同様に第１３図
（ａ）の中立状態への復帰が達成される。第１３図１＋
に示すようなりラッチ面２９．３６間の再係合が起きな
かったとすれば第１の突起４８はクラッチ切り過程に関
与せず、キー部材３９が中立位置でで戻されたとき第２
の突起４９と共にキー部材３９を挾持するのみである。

次に第２の実施例における同期クラッチ機構の減速結合
時及びその後のクラッチ切シ過程の作用を、第１４図（
ｂ）−第１４図（ｋ）について説明する。

これらの第１４図（ｂ）−ｔＪＩＪ１４図（ｋ）は第１
３図（ｂ）−第１３図（ｋ）の下側の図に、それぞれ対
応している。

今、１ｇ１１図に図示の主クラッチ６７の切シ後の変速
軸７７の回転速度の方が第１４図（ｂ）の左手のクラッ
チギヤ２８の回転速度よりも大きく、該クラッチギヤ２
８に対しハブ部材３１がＴｆ１１４図（ｂ）に示す矢印
Ｆ方向に相対回転しているとする。

スリーブ部材３１が第１３図（ａ）の中立位置から左方
向にシフト操作されるとき、第１４図（ｂ）　、　（ｃ
）　１での過程は第１３図（ｂ）　、　（ｃ）に図示の
過程と変わシない。

第１４図（Ｃ１の状態に達すると第１３図（Ｃ）の上側
の図に示すようにクラッチ面２９．３６間の初期係合が
生じ、それにより同期リング３５がクラッチギヤ２８と
連れ廻いする状態となるが、１１１部材３１の回転速度
の方が大きいため該ハブ部材３１に対し同期りング３５
は矢印Ｆの逆方向に相対回転変位する関係となる。

このため第１４図（ｄ）に示すようにカム溝において溝
部４５Ｂ、４６Ｂの内底面間の間隔が狭められ、同期り
ング３５が溝部４５Ｂに作用するボール４７の押圧力で
押されクラッチ面２９．３６の完全係合状態が得られる
。また同期リング３５の上記相対回転変位で、該りフグ
３５上の第２の突起４９がキー部材３９の凹溝５０内に
入る１、この状態に至ると同期リング３５はボール４７
を介しハブ部材３１と等速回転し、藍たクラッチギヤ２
８はクラッチ面２９．３６間の完全係合により同期リン
グ３５と等速回転するから、ハブ部材３１と同期りング
３５とクラッチギヤ２８とが同期口伝し、スリーブ部材
３３を左向きに押し続ける力によってハブ部材３１に対
し回転方向で７リーである同期リング３５が若干回転変
位せしめられつつ、第１４図（ｅ）に示すようにスリー
ブ部材３１のスプライン３４が同期りング３５のスプラ
イン３７へと噛合される。第２の突起４９は同期リング
３５の上記回転変位により、キー部材３９の凹溝５０か
ら抜は出る。

第１４図（ｅ）に示す状態で同期リング３５がフリーと
なり、スリーブ部材３３をさ゛らに押し続けることによ
り第１４図（ｆ）に示すようにスプライン３４がクラッ
チギヤ２８に対し容易噛合いされて行く。

第１４図（ｇ）に図示のクラッチ完全嵌入状態は、第１
３図り）に図示の同状態と変わるところがない。

第１４図Ｃｇ）の完全嵌入状態からの左側クラッチ機構
の切り過程において、主クラッチ６７（第１１図）の切
り後に矢張ジノ１プ部材３１がクラッチギヤ２８よシ高
速で回転し第１４図（ｈ）の矢印Ｆ方向に相対回転して
いるとすれば、スリーブ部材３３のスプライン３４が第
１４図（ｈ）に示すようにクラッチギヤ２８から外され
さらに第１４図（１）に示すよ゛うに同期リング３５の
スプライン３７からも外されたときに、フリーに回転し
得る状態となる同期リング３５がクラッチギヤ２８との
接触等によりハグ部材３１に対し矢印Ｆの逆方向に相対
回転し、それによるボール４７の働きで第１３図（１）
に示したのと同様のクラッチ面２９．３６間の再係合が
起きうる。

このときは第１４図（１）に示すように同期リング３５
上の第２の突起４９がキー部材３９の凹溝５０へと入り
カム斜面５１Ｂに対面するから、第１３図り）　、　ｆ
ｋ）について述べたのと類似して第１４図（ｊ）の状ａ
を経て第１４図（ｋ）の状態に達した後、キー部材３９
のカム斜面５１Ｂが第２の突起４９を押すことにより同
期りング３５がハブ部材３１に対し矢印Ｆ方向に回転変
位せしめられる。したがって第１３図Ｃａ）に図示の中
立状態への復帰が、所要のように達成される。

第１３図（Ｓ）及び第１４図＋ｇ）に図示のクラッチ完
全嵌入状態からのクラッチ切り過程が第１３図（ｈ）−
（ｋ）に図示のように進行するか第１４１Ｎ（ｈ）−（
ｋ）に図ボのように進行するかは、前述したように主ク
ラッチを切った上でクラッチ切り操作を行なうときにク
ラッチギヤ２８とハブ部材３１とのうちの何れがよ〕高
速で慣性回転を行なっているかによって決定され、クラ
ッチ嵌入が第１３図（ｂ）　−（ｑ）の過程によって行
なわｎたかｔＪＩＪ１４図（ｂ）　−（ｑ）の過程によ
って行なわｎたかを問わず車両の登降板等の条件次第で
何れの切り過程も起きつる。

第１１−１４図に図示の第２の実施例の他の作用は、第
１−１０図に図示の第１の実施例のそれと同様である。

第２の実施例に係る同期クラッチ機構は、第１図に図示
のような舶用逆転機においても利用することができる。

その場合には増速結合のみが行なわれることから、同期
リング３５上の第２の突起４９はギ一部材３９と協力し
て同期リング３５の不所望の回転変位を阻止するストッ
パとしてのみ機能し、クラッチ切り過程には関与しない
。

以上の２実施例では同期リング３５とハブ部材３１との
対向端面間に設けるカム手段を、カム溝内底面のカム斜
面に摺接するボール４７を備えたものとした。しかしか
かるカム手段は第１５図及び第１６図にそれぞれ例示す
るように、同期リング３５とハブ部材３１とにそれぞれ
クラッチ周方向でみて傾斜するカム斜面１４５Ａ、１４
５Ｂ。

１４６Ａ、１４６Ｂを、ハブ部材３１に対する同期リン
グ３５の相対回転変位により対応する２力ム斜面が直接
に係合し合うようにも設けることができる。第１５図及
びｗｒＩ１６図に図示の各カム手段は第２の実施例にお
けるカム手段に対応させて、同期りング３５の一方向へ
の相対回転変位により係合し合うカム斜面１４５Ａ、１
４６Ａと他方向への相対回転変位により係合し合うカム
斜面１４５Ｂ　、１４６Ｂとを備えるものとされている
。第１５図に図示のカム手段は同期りング３５に山形の
凹部を、ハブ部材３１に山形の凸部を、それぞれ形成し
て両者を嵌合させておシ、逆に第１６図に図示のカム手
段は同期りング３５に山形の凸部を、ハブ部材３１に山
形の凹部を、それぞれ形成して両者を嵌合させている。

第１５図（ａ）　ｌ　ｗｒ、１６図（ａ）にそれぞれ図
示の中立状態から、第１５図（ｂ）、第１６図（ｂ）に
矢印で示すように同期りング３５が図外のクラッチギヤ
方向に摺動変位せしめられ前記のような第１及び第２の
クラッチ面間の初期係合が生じると、第１５図（Ｃ）、
第１６図（Ｃ）に矢印で示すようにハブ部材３１に対し
同期リング３５が相対回転変位しカム斜面１４５Ａ、１
４６Ａ間の係合が得られる。同期リング３５の相対回転
変位方向が図示矢印とは逆方向であれば、カム斜面１４
５Ｂ、１４６Ｂ間の係合が得られる。

第１５図、第１６図に図示の構造は同期りング３５のカ
ム斜面とハブ部材３１のカム斜面間に働＜＊ｉ力によっ
て同期リング３５の摺動抵抗が高められる点で、好まし
くない。しかし逆に両面式クラッチにおいて一側のクラ
ッチ機構の操作中、他側のクラッチ機構の同期リング３
５の不所望の＠線方向移動が起き難くする。

なおこの発明の同期噛合い式クラッチ装置を、図示実施
例とは異なシ片面式のクラッチにも構成できることは、
ざうまでもない。

発明の効果 この発明の同期噛合い式クラッチ装置は、発明の作用の
項で前述した通り、クラッチギヤ２８の。

周速度とハブ部材３１及びスリーブ部材３３０周速度と
を同調させるためのサーボ効果を伴なった回転同期が、
クラッチギヤ２８と同期リング３５との円錐状クラッチ
面２９．３６の全面で行なわれるものとされているから
、小型のものとしても同期容量が大きくクラッチ面部で
のエネルギー吸収効果が高い。し友がってこの発明によ
れば小型のクラッチで小さな操作力、短時間でギヤ騒音
を伴なうことなく、所期の回転同期を得ることができる
。なお従来舶用逆転クラッチとして汎用されているよう
なコーンクラッチが苛酷な使用条件下で円錐状クラッチ
面の摩耗が甚しく耐久性に雉があったのに対し、この発
明は円錐状クラッチ面２９　、３６″ｆ：回転同期のた
めのみに利用しているから、クラッチ面の摩耗の程度が
ずっと小さいと共に、クラッチ面の摩耗が起きても同期
のための時間が長くなるだけでクラッチギヤ２８とスリ
ーブ部材３３とのスプライン噛合いで得らｔしる通常の
トルク伝達に支障が起きず、クラッチの耐久性が格段Ｖ
ｃＩ￥７ｉめらルる。

それでありながらこの発明は作用の項で前述したように
、クラッチの中立秋頷から不測のクラッチ嵌入が行なわ
れることをキー部材３９と同期リング３５上のストッパ
手［４８，４９との協力で確実九阻止し、またクラッチ
切り過程において両クラッチ面２９．３６の再結合が起
きうるのに対し、同再結合が起きてもキー部材３９に設
けたカム斜面５１或は５１Ａ、５１Ｂにより上記ストッ
パ手段を押させクラッチをＮｉ実に切れることとし友か
ら、高いサーボ効果を備えるクラッチで６りながら確実
な中立保持及び確実な切シを達成させるクラッチを提供
する。

そしてこの発明は作用の確実さと耐久性とが実績により
保証されているキー式のイナーシャロック型同期噛合い
式クラッチの基本構造を踏襲し、同期リング３５とハゲ
部材３１との対向端面間にカム手段を介在させる一方、
中立保持のための構造とクラッチ確実切りのための構造
とを相兼ねさせてや一部材３９と同期リング３５に附加
したかう、構造が簡単でコストが低いと共に作用が確実
、耐久性大といった卑−式同期噛合いクラッチの長所を
、はぼその筐１に備えるクラッチを提供する。

クラッチ操作時にクラッチ原動側の回転数がクラッチ従
動側の回転数よりも必らず高いトランスミッションに利
用するクラッチとしては、作用の項で前述したように同
期りング３５の不必要なつれＪＩ！シが起きにくくでき
る点及び加工が簡単な点で、第２番目の発明（ｔ￥！許
請求の範囲第２項）及び第３番目の発明（同第３項）に
それぞれ従って同期りング３５とハブ部材３１間のカム
手段及びキー部材３９にそれぞれ単一傾斜のカム斜面を
備えさせるのが、有利である。

第４番目の発明（特許請求の範囲第７項）及び第５番目
の発明（同第８項）はそれぞれ、同期リング３Ｓとハブ
部材３１間のカム手段及びキー部材３９に２方向に傾斜
するカム斜面を備えさせるといった単純な構造で、クラ
ッチ操作時にクラッチ原動側の回転数とクラッチ従動側
の回転数との間で何れの方も高い場合があシうるトラン
スミッションに用いられるクラッチ装置を提供している
。

第３番目の発明及び第５番目の発明はそれぞれ両面式ク
ラッチ装置として、−側クラッチの操作中及び作動中を
問わず他側クラッチの不測嵌入が、作゛用の項で前述し
た態様で確実に防止されることとする。

なお両面式クラッチの場合にはこの発明の実施態様に従
いキー部材３９を、軸線方向の中央部の放射方向内向き
の脚部と一側及び他側の同期りング３５・向きに張出す
１対の張出し部とを有する丁字形のものに形成して、上
記脚部の軸線方向での各端面を各同期りフグ３５ｔ−押
すための抑圧面５９に構成すると共に、前記のような１
対の凹溝５０を上記した１対の張出し部の内面に形成す
る構造を採用するのが、好ましい。

すなわち本キー部材構造によれば、キー部材３９を上記
脚部でハブ部材３１のキー溝３８に安定に支承させ、且
つ、押圧面５９により同期リング３５の端面を直接に押
さえる構造で同期リング上に他の突起を設ける必ｉｔ−
無くしつつ、各同期リング３５外面上の２個の突起４８
．４９とキー部材３９内面の凹溝５０と金相関連させた
配置で簡単に形成でき、まｔキー部材３９が一側のクラ
ッチギヤ２８方向に最大限に摺動変位し次状態でも該キ
ー部材３９の端部が他側の同期リング３５０両突起４８
．４９間に留められるようなキー部材長を上記の各張出
し部で簡単に確保できる。

【図面の簡単な説明】

Ｗｃ１図はこの発明の第１の芙施例を装備する舶用減速
機の縦断側面図、ＷＳ２図は第１図の一部分を拡大して
図示し次縦断側面因、第３図はＷ、２図に図示のクラッ
チ機構の一部分を第２図とは異なった切断面に沿って縦
断して゛図示した縦断面図、第４因は第２図のＩＶ−Ｉ
Ｖ線に涜つ友横断面図、第５図は第２因に図示のクラッ
チ機構の諸部材を分解状−態で画いた概略斜視図、第６
図はｍ２図に図′示のクラッチ機構の一部分の一部縦断
斜視図、第７図はｆｊＩＳ２図に図示のクラッチ機構の
一部分の一部縦断分解斜視図、第８図は第７図に図示の
クラッチ機構部分の一部縦断斜視図、第９図は第８図に
図示のキー部材が第８図とは異なった位置に移された状
態での第８図同様の一部縦断斜視図、第１０図ｆａ）−
第１０図（ｋ）はそれぞれ第１の実施例の作用を説明す
るための図で、各上側の図は石２図に図示のクラッチ機
構の半部を縦断側面図でもって、ま九各下側の図は同ク
ラッチ機構の一部分をクラッチ周方向に沿う切断面で切
断してみた断面図でもって、それぞれ示している。 第１１図はこの発明のＷＪ２の′実施例を装備するトラ
クタの要部を示す一部展囲縦断側面図、第１２図は第１
１図に図示のクラッチ機構の一部分を示す一部縦断斜視
図、第１３図ｆａ）−第１３図（ｋ）は第１０図（ａ）
−第１０図ｒｋ）に類似の図で第２の実施例の図で同様
に第２の実施例の作用を説明するためのものである。 第１５図（ａ）　、　Ｉｂ）　、　［ｃ）及び第１６図
軸）　、？ｂ）　、、　（Ｃ）はそれぞれ、第１１−１
４図に図示の第２の実施例に設けられているカム手段の
−及び他の変形例の構造と作用を画い友断面図である。 ２１・・・入力軸、２２・・・出力軸、２４・・・前進
歯車、２５・・・後進歯車、２６・・・前進歯車、２７
・・・後進歯車、２８・・・クラッチギヤ、２９・・・
Ｆｌのクラッチ面、３１・・・ハブ部材、３１ａ・・・
径縮小部、３２・・・スフライン、３３・・・スリーブ
部材、３４・・・スプライン、３５・・・同期リング、
３６・・・第２のクラッチ面、３７・・・スプライン、
３８・・・キー溝、３９・・・キー部材、４０・・・環
状凹部、４１・・・突起、４２・・・デテントピン、４
３・・・スプリング、４４・・・ノツチ、４５．４６・
・・カム溝、４７・・・ボール、４８・・・第１の突起
、４９・・・第２の突起、５０・・・凹溝、５１・・・
第１０内端面（カム斜面）、５４・・・突隆、５５・・
・脚、５８・・・リターンばね、５９・・・押圧面、６
７・・・主クラッチ、６９・・・駆動軸、７６・・・入
力歯車、７７・・・変速軸、７９・・・カウンタ軸、８
ｏ・・・歯車、８１゜８２．８３・・・カウンタ歯車、
８４，８５．８６・・・歯車、８８・・・アイドラ歯車
、４５Ａ、４５Ｂ、４６Ａ、４６Ｂ・°゛（カム）溝部
、５１Ａ、５１Ｂ・・・カム斜面、１４５Ａ、１４５Ｂ
、１４６Ａ、１４６Ｂ・・・カム斜面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、伝動軸と、内周面に円錐状の第１のクラッチ面を形
   成してある一体的なクラッチギヤを備え上記伝動軸上に
   遊嵌されている駆動歯車と、外周面にスプラインを有し
   上記伝動軸上に固定設置されているハブ部材と、上記ク
   ラッチギヤに対し噛合い可能なスプラインを内周面に有
   し該スプラインを上記したハブ部材のスプラインと噛合
   せてハブ部材上に摺動可能に設置されているスリーブ部
   材と、上記第１のクラッチ面に対し摩擦係合可能な円錐
   状の第２のクラッチ面と上記したスリーブ部材のスプラ
   インを噛合せ得るスプラインとを外周面上に備え上記ハ
   ブ部材に形成した径縮小部に摺動可能に支承されている
   同期リングと、上記ハブ部材の外周面に形成した軸線方
   向のキー溝に摺動可能に嵌合され上記同期リング方向へ
   の摺動変位により該同期リングを押して上記した第１及
   び第２のクラッチ面を摩擦係合させるキー部材であつて
   上記スリーブ部材の内周面に形成された環状凹部に嵌合
   する突起を外面上に備え該突起部分でスリーブ部材に対
   し相対摺動不能に係合するように放射方向の外向きに移
   動附勢されているキー部材とを備え、上記スリーブ部材
   を中立位置から上記クラッチギヤ方向にシフト操作して
   クラツチギヤに対する同期噛合いを得るようにされた同
   期噛合い式クラッチ装置において、 前記した同期リング（３５）とハブ部材（３１）との対
   向する端面間に、前記クラッチギヤーの回転方向に対し
   傾斜するカム斜面を備えたカム手段であつて、前記した
   第１及び第２のクラッチ面（２９、３６）の係合によつ
   て生じるハブ部材（３１）に対する同期リング（３５）
   の相対回転変位により同期リングとハブ部材間にクラッ
   チギヤ回転方向での係合を生じさせると共に同期リング
   をクラッチギヤ向きに押圧するカム手段（４５、４６、
   ４７；４５Ａ、４５Ｂ、４６Ａ、４６Ｂ、４７；１４５
   Ａ、１４５Ｂ、１４６Ａ、１４６Ｂ）を設け、 また前記同期リング（３５）の外周面上に、前記スリー
   ブ部材（３３）が中立位置にあるとき前記キー部材（３
   ９）に対し係合して同期リング（３５）の回転変位を阻
   止するストッパ手段（４８、４９）を設けると共に、前
   記キー部材（３９）の内面に、該キー部材が前記クラツ
   チギヤ（２８）方向に若干量摺動変位するとキー部材に
   対する上記ストッパ手段（４８、４９）の係合を解除さ
   せて前記同期リング（３５）の回転変位を許容する凹溝
   （５０）を設け、 さらに前記クラッチギヤ（２８）側に位置する上記凹溝
   （５０）の内端面に、該凹溝内に上記ストッパ手段（４
   ８、４９）が臨んでいる状態で前記キー部材（３９）が
   前記クラッチギヤ反対方向に摺動変位するとき上記スト
   ッパ手段を押し該ストッパ手段が凹溝（５０）内から抜
   出す方向に前記同期リング（３５）を回転変位させるカ
   ム斜面（５１；５１Ａ、５１Ｂ）を形成したことを特徴
   とする同期噛合い式クラッチ装置。 ２、伝動軸と、内周面に円錐状の第１のクラッチ面を形
   成してある一体的なクラッチギヤを備え上記伝動軸上に
   遊嵌されている駆動歯車と、外周面にスプラインを有し
   上記伝動軸上に固定設置されているハブ部材と、上記ク
   ラッチギヤに対し噛合い可能なスプラインを内周面に有
   し該スプラインを上記したハブ部材のスプラインと噛合
   せてハブ部材上に摺動可能に設置されているスリーブ部
   材と、上記第１のクラッチ面に対し摩擦係合可能な円錐
   状の第２のクラッチ面と上記したスリーブ部材のスプラ
   インを噛合せ得るスプラインとを外周面上に備え上記ハ
   ブ部材に形成した径縮小部に摺動可能に支承されている
   同期リングと、上記ハブ部材の外周面に形成した軸線方
   向のキー溝に摺動可能に嵌合され上記同期リング方向へ
   の摺動変位により該同期リングを押して上記した第１及
   び第２のクラッチ面を摩擦係合させるキー部材であつて
   上記スリーブ部材の内周面に形成された環状凹部に嵌合
   する突起を外面上に備え該突起部分でスリーブ部材に対
   し相対摺動不能に係合するように放射方向の外向きに移
   動附勢されているキー部材とを備え、上記スリーブ部材
   を中立位置から上記クラッチギヤ方向にシフト操作して
   クラツチギヤに対する同期噛合いを得るようにされた同
   期噛合い式クラッチ装置において、 前記した同期リング（３５）とハブ部材（３１）との対
   向する端面に、ハブ部材に対し同期リングが前記クラッ
   チギヤ（２８）の回転方向に回転変位すると内底面間の
   間隔を小とするように該内底面を傾斜させてある複数個
   のカム溝（４５、４６）を形成し、これらのカム溝に収
   容してボール（４７）を設け、また前記同期リング（３
   ５）の外周面上に、前記スリーブ部材（３３）が中立位
   置にあるとき前記キー部材（３９）に対し前記クラッチ
   ギヤ（２８）の回転方向の上手側から接当する第１の突
   起（４８）及び下手側から接当する第２の突起（４９）
   を設けると共に、前記キー部材（３９）の内面に、該キ
   ー部材が前記クラッチギヤ（２８）方向に若干量摺動変
   位すると上記第１の突起（４８）の突入によりクラッチ
   ギヤ回転方向への前記同期リング（３５）の回転変位を
   許容する凹溝（５０）を設け、さらに前記クラッチギヤ
   （２８）側に位置する上記凹溝（５０）の内端面（５１
   ）を、前記キー部材（３９）が前記クラッチギヤ反対方
   向に摺動変位するとき上記第１の突起（４８）を押すこ
   とにより前記同期リング（３５）をクラッチギヤ回転方
   向とは逆方向に回転変位させる向きで傾斜するカム斜面
   に構成したことを特徴とする同期噛合い式クラッチ装置
   。 ３、伝動軸と、この伝動軸上に軸線方向での間隔をあけ
   て遊嵌設置された１対の駆動歯車であつてそれぞれが内
   周面に円錐状の第１のクラッチ面を形成してある一体的
   なクラッチギヤを備える駆動歯車と、外周面にスプライ
   ンを有し上記した両駆動歯車のクラッチギヤ間で上記伝
   動軸上に固定設置されているハブ部材と、上記クラッチ
   ギヤの各々に対し噛合い可能なスプラインを内周面に有
   し該スプラインを上記したハブ部材のスプラインと噛合
   せてハブ部材上に摺動可能に設置されているスリーブ部
   材と、上記ハブ部材の一端部及び他端部に形成した１対
   の径縮小部に摺動可能に支承させてある１対の同期リン
   グであつてそれぞれが上記したクラッチギヤの第１のク
   ラッチ面に対し摩擦係合可能な円錐状の第２のクラッチ
   面と上記したスリーブ部材のスプラインを噛合せ得るス
   プラインとを外周面上に備える同期リングと、上記ハブ
   部材の外周面に形成した軸線方向のキー溝に摺動可能に
   嵌合され上記した各同期リング方向への摺動変位により
   該各同期リングを押して上記した各第１及び第２のクラ
   ッチ面を摩擦係合させるキー部材であつて上記スリーブ
   部材の内周面に形成された環状凹部に嵌合する突起を外
   面上に備え該突起部分でスリーブ部材に対し相対摺動不
   能に係合するように放射方向の外向きに移動附勢されて
   いるキー部材とを備え、上記スリーブ部材を中立位置か
   ら上記した各クラッチギヤ方向にシフト操作して各クラ
   ッチギヤに対する同期噛合いを得るようにされた同期噛
   合い式クラッチ装置において、 前記した各同期リング（３５）とハブ部材（３１）との
   対向する端面に、ハブ部材に対し同期リングが前記各ク
   ラッチギヤ（２８）の回転方向に回転変位すると内底面
   間の間隔を小とするように該内底面を傾斜させてある複
   数個のカム溝（４５、４６）を形成し、これらのカム溝
   に収容してボール（４７）を設け、また前記各同期リン
   グ（３５）の外周面上に前記スリーブ部材（３３）が中
   立位置にあるとき前記キー部材（３９）に対し前記各ク
   ラッチギヤ（２８）の回転方向の上手側から接当する第
   １の突起（４８）及び下手側から接当する第２の突起（
   ４９）を、キー部材が一側のクラッチギヤ方向に最大限
   に摺動変位した状態でも該キー部材の端部が他側の第１
   及び第２の突起（４８、４９）間に留められるように配
   置して設けると共に、前記キー部材（３９）の内面に、
   該キー部材が前記各クラッチギヤ（２８）方向に若干量
   摺動変位すると上記第１の突起（４８）の突入により各
   クラッチギヤの回転方向への前記各同期リング（３５）
   の回転変位を許容する１対の凹溝（５０）を設け、 さらに前記したキー部材（３９）の突起（４１）が前記
   したスリーブ部材（３３）の環状凹部（４０）から抜出
   しキー部材が前記キー溝（３８）内で放射方向の内向き
   に押込まれている状態においてキー部材の軸線方向摺動
   変位範囲を規制する規制部（５４）を、キー溝内底面上
   で前記ハブ部材（３１）に設けると共に、前記各クラッ
   チギヤ（２８）側に位置する上記各凹溝（５０）の内端
   面（５１）を、前記キー部材（３９）が各クラッチギヤ
   の反対方向に摺動変位するとき上記各第１の突起（４８
   ）を押すことにより前記各同期リング（３５）を各クラ
   ッチギヤの回転方向とは逆方向に回転変位させる向きで
   傾斜するカム斜面に構成したことを特徴とする同期噛合
   い式クラッチ装置。 ４、特許請求の範囲第３項に記載の同期噛合い式クラッ
   チ装置において、前記キー部材（３９）を、軸線方向中
   央部の放射方向内向きの脚部と一側及び他側の前記同期
   リング（３５）向きに張出す１対の張出し部とを有する
   Ｔ字形のものに形成して、上記脚部の軸線方向での各端
   面を前記各同期リングを押すための押圧面（５９）に構
   成すると共に、前記した１対の凹溝（５０）を上記した
   １対の張出し部の内面に形成したことを特徴とする同期
   噛合い式クラッチ装置。 ５、特許請求の範囲第３項に記載の同期噛合い式クラッ
   チ装置において、前記キー部材（３９）の内面に該キー
   部材の軸線方向中央位置でノッチ（４４）を形成すると
   共に、前記スリーブ部材（３３）が中立位置にあるとき
   上記ノッチに嵌合するデテントピン（４２）と該デテン
   トピンをキー部材向きに附勢するスプリング（４３）と
   を前記ハブ部材（３１）内に設け、上記スプリングを、
   前記キー部材を放射方向の外向きに移動附勢するための
   附勢部材に兼用させたことを特徴とする同期噛合い式ク
   ラッチ装置。 ６、特許請求の範囲第３項に記載の同期噛合い式クラッ
   チ装置において、前記した１対の同期リング（３５）を
   互い方向に移動附勢するリターンばね（５８）を、前記
   ハブ部材（３１）に設けた軸線方向の貫通穴（５７）を
   通し両同期リング間に張設したことを特徴とする同期噛
   合い式クラッチ装置。 ７、伝動軸と、内周面に円錐状の第１のクラッチ面を形
   成してある一体的なクラッチギヤを備え上記伝動軸上に
   遊嵌されている駆動歯車と、外周面にスプラインを有し
   上記伝動軸上に固定設置されているハブ部材と、上記ク
   ラッチギヤに対し噛合い可能なスプラインを内周面に有
   し該スプラインを上記したハブ部材のスプラインと噛合
   せてハブ部材上に摺動可能に設置されているスリーブ部
   材と、上記第１のクラッチ面に対し摩擦係合可能な円錐
   状の第２のクラッチ面と上記したスリーブ部材のスプラ
   インを噛合せ得るスプラインとを外周面上に備え上記ハ
   ブ部材に形成した径縮小部に摺動可能に支承されている
   同期リングと、上記ハブ部材の外周面に形成した軸線方
   向のキー溝に摺動可能に嵌合され上記同期リング方向へ
   の摺動変位により該同期リングを押して上記した第１及
   び第２のクラッチ面を摩擦係合させるキー部材であつて
   上記スリーブ部材の内周面に形成された環状凹部に嵌合
   する突起を外面上に備え該突起部分でスリーブ部材に対
   し相対摺動不能に係合するように放射方向の外向きに移
   動附勢されているキー部材とを備え、上記スリーブ部材
   を中立位置から上記クラッチギヤ方向にシフト操作して
   クラッチギヤに対する同期噛合いを得るようにされた同
   期噛合い式クラッチ装置において、 前記した同期リング（３５）とハブ部材（３１）との対
   向する端面に、ハブ部材に対する同期リングの一方向へ
   の回転変位により内底面間の間隔を小とする溝部（４５
   Ａ、４６Ａ）及び他方向への回転変位によ、内底面間の
   間隔を小とする溝部（４５Ｂ、４６Ｂ）をそれぞれ備え
   た複数個のカム溝を形成し、これらのカム溝に収容して
   ボール（４７）を設け、また前記同期リング（３５）の
   外周面上に、前記スリーブ部材（３３）が中立位置にあ
   るとき前記キー部材（３９）に対し同期リングの周方向
   に沿つた第１の方向から接当する第１の突起（４８）及
   び第２の方向から接当する第２の突起（４９）を設ける
   と共に、前記キー部材（３９）の内面に、該キー部材が
   前記クラッチギヤ（２８）方向に若干量摺動変位すると
   上記した各突起の突入により前記同期リング（３５）の
   上記した第１の方向及び第２の方向への回転変位をそれ
   ぞれ許容する凹溝（５０）を設け、 さらに前記クラッチギヤ（２８）側に位置する上記凹溝
   （５０）の内端面に、前記キー部材（３９）がクラッチ
   ギヤ反対方向に摺動変位するとき上記第１の突起（４８
   ）を押すことにより前記同期リング（３５）を上記第２
   の方向に回転変位させる第１のカム斜面（５１Ａ）及び
   上記第２の突起（４９）を押すことにより前記同期リン
   グ（３５）を上記第１の方向に回転変位させる第２のカ
   ム斜面（５１Ｂ）を設けたことを特徴とする同期噛合い
   式クラッチ装置。 ８、伝動軸と、この伝動軸上に軸線方向での間隔をあけ
   て遊嵌設置された１対の駆動歯車であつてそれぞれが内
   周面に円錐状の第１のクラッチ面を形成してある一体的
   なクラッチギヤを備える駆動歯車と、外周面にスプライ
   ンを有し上記した両駆動歯車のクラッチギヤ間で上記伝
   動軸上に固定設置されているハブ部材と、上記クラッチ
   ギヤの各々に対し噛合い可能なスプラインを内周面に有
   し該スプラインを上記したハブ部材のスプラインと噛合
   せてハブ部材上に摺動可能に設置されているスリーブ部
   材と、上記ハブ部材の一端部及び他端部に形成した１対
   の径縮小部に指動可能に支承させてある１対の同期リン
   グであつてそれぞれが上記したクラッチギヤの第１のク
   ラッチ面に対し摩擦係合可能な円錐状の第２のクラッチ
   面と上記したスリーブ部材のスプラインを噛合せ得るス
   プラインとを外周面上に備える同期リングと、上記ハブ
   部材の外周面に形成した軸線方向のキー溝に摺動可能に
   嵌合され上記した各同期リング方向への摺動変位により
   該各同期リングを押して上記した各第１及び第２のクラ
   ッチ面を摩擦係合させるキー部材であつて上記スリーブ
   部材の内周面に形成された環状凹部に嵌合する突起を外
   面上に備え該突起部分でスリーブ部材に対し相対摺動不
   能に係合するように放射方向の外向きに移動附勢されて
   いるキー部材とを備え、上記スリーブ部材を中立位置か
   ら上記した各クラッチギヤ方向にシフト操作して各クラ
   ッチギヤに対する同期噛合いを得るようにされた同期噛
   合い式クラッチ装置において、 前記した各同期リング（３５）とハブ部材（３１）との
   対向する端面に、ハブ部材に対する各同期リングの一方
   向への回転変位により内底面間の間隔を小とする溝部（
   ４５Ａ、４６Ａ）及び他方向への回転変位により内底面
   間の間隔を小とする溝部（４５Ｂ、４６Ｂ）をそれぞれ
   備えた複数個のカム溝を形成し、これらのカム溝に収容
   してボール（４７）を設け、また前記各同期リング（３
   ５）の外周面上に前記スリーブ部材（３３）が中立位置
   にあるとき前記キー部材（３９）に対し各同期リングの
   周方向に沿つた第１の方向から接当する第１の突起（４
   ８）及び第２の方向から接当する第２の突起（４９）を
   、キー部材が一側の前記クラッチギヤ（２８）方向に最
   大限に変位した状態でも該キー部材の端部が他側の第１
   及び第２の突起（４８、４９）間に留められるように配
   置して設けると共に、前記キー部材（３９）の内面に、
   該キー部材が前記各クラッチギヤ（２８）方向に若干量
   摺動変位すると上記した各突起の突入により前記各同期
   リング（３５）の上記した第１の方向及び第２の方向へ
   の回転変位をそれぞれ許容する１対の凹溝（５０）を設
   け、さらに前記したキー部材（３９）の突起（４１）が
   前記したスリーブ部材（３３）の環状凹部（４０）から
   抜出しキー部材が前記キー溝（３８）内で放射方向の内
   向きに押込まれている状態においてキー部材の軸線方向
   摺動変位範囲を規制する規制部（５４）を、キー溝内底
   面上で前記ハブ部材（３１）に設けると共に、前記クラ
   ツチギヤ（２８）側に位置する上記各凹溝（５０）の内
   端面に、前記キー部材（３９）が各クラッチギヤの反対
   方向に摺動変位するとき上記各第１の突起（４８）を押
   すことにより前記各同期リング（３５）を上記第２の方
   向に回転変位させる第１のカム斜面（５１Ａ）及び上記
   第２の突起（４９）を押すことにより前記各同期リング
   （３５）を上記第１の方向に回転変位させる第２のカム
   斜面（５１Ｂ）を設けたことを特徴とする同期噛合い式
   クラッチ装置。 ９、特許請求の範囲第８項に記載の同期噛合い式クラッ
   チ装置において、前記キー部材（３９）を、軸線方向中
   央部の放射方向内向きの脚部と一側及び他側の前記同期
   リング（３５）向きに張出す１対の張出し部とを有する
   Ｔ字形のものに形成して、上記脚部の軸線方向での各端
   面を前記各同期リングを押すための押圧面（５９）に構
   成すると共に、前記した１対の凹溝（５０）を上記した
   １対の張出し部の内面に形成したことを特徴とする同期
   噛合い式クラッチ装置。 １０、特許請求の範囲第８項に記載の同期噛合い式クラ
   ッチ装置において、前記キー部材（３９）の内面に該キ
   ー部材の軸線方向中央位置でノッチ（４４）を形成する
   と共に、前記スリーブ部材（３３）が中立位置にあると
   き上記ノッチに嵌合するデテントピン（４２）と該デテ
   ントピンをキー部材向きに附勢するスプリング（４３）
   とを前記ハブ部材（３１）内に設け、上記スプリングを
   、前記キー部材を放射方向の外向きに移動附勢するため
   の附勢部材に兼用させたことを特徴とする同期噛合い式
   クラッチ装置。 １１、特許請求の範囲第８項に記載の同期噛合い式クラ
   ッチ装置において、前記した１対の同期リング（３５）
   を互い方向に移動附勢するリターンばね（５８）を、前
   記ハブ部材（３１）に設けた軸線方向の貫通穴（５７）
   を通し両同期リング間に張設したことを特徴とする同期
   噛合い式クラッチ装置。