JP3046594B1 - 振動流動攪拌を活用した金属の陽極酸化処理システム - Google Patents
振動流動攪拌を活用した金属の陽極酸化処理システムInfo
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Abstract
化、省エネルギー化するとともに、皮膜生成効率を向上
させ、複雑な形状をもつ物品の場合でも焼けのない高品
質で均一な陽極酸化膜を形成する方法を提供の点。 【解決手段】金属の陽極酸化工程において、(A)振動
モーターを含む振動発生手段、それに連係して撹拌槽内
で振動する振動棒に一段または多段に固定した振動羽根
を振幅0.5〜3.0mm、振動数200〜800回/
分で振動流動を発生させる振動流動撹拌手段、振動モー
ターを10〜500Hzの間の任意の振動を発生できる
ように制御するためのインバーター、および振動発生手
段と前記振動流動撹拌手段との接続部に振動応力分散手
段を設けた処理浴に対する振動流動撹拌装置、(B)処
理浴に対するエアレーション装置として、気孔径が10
〜400μm、気孔率が30〜40%であるセラミツク
製散気管を用いたエアレーション装置、を同時に作動さ
せることを特徴とする金属の陽極酸化処理システム。
Description
酸化処理システムに関する。
属の陽極酸化は、エネルギー多消費型産業であるため、
エネルギー消費の削減と生産性の向上が求められてい
る。なかでも陽極酸化工程の高速化、皮膜生成効率の向
上、省エネルギー時代に適応するための高温浴あるいは
室温浴の実現および高温浴または室温浴による陽極酸化
の高速化が強く求められている。
は、陽極酸化膜を10〜15μmという薄い膜とする程
度でも、その工程に非常に時間がかかる点である。例え
ば、アルミニウムを原料として、アルマイト窓枠サッシ
を連続工程で製造しようとすると、1列の流れ作業のな
かで、アルミニウムの陽極酸化工程だけは、他の工程よ
り10〜15倍も処理時間が長いので、この工程部分の
みは10〜15列としないかぎり流れ作業が滞るという
のが実状である。
化工程において、50〜80μのミクロの気泡を連続的
にアルミニウム処理面に接触させることにより従来法よ
り2〜3倍早く陽極酸化できることを発明し、提案して
きた。しかし、これでもまだ早さの点や処理温度の点で
は不充分であった。
は、陽極酸化にあたり、被処理物を振動発生機たとえば
電磁式振動発生機、偏心回転振動機あるいは空圧振動機
などにより10〜200Hzの振動を与えることによ
り、エアレーションにより発生する気泡を揺動させなが
ら浮上させることにより、陽極酸化の効率を高める旨記
載されている。この方法は本発明における(B)と
(C)の組み合せに関する技術であるが、発生する酸素
は、気泡化してその酸化能力が低下するのみならず、ど
んどん系外に放出されるため酸化膜の形成に有効に寄与
しないという点は(B)のみを使用する場合と大差な
く、到底「処理の高速化」と「処理温度を室温程度の比
較的高い温度で実施する」という課題を達成できるもの
ではない。また、このような酸素の気泡化に伴い、電気
抵抗が被処理物表面で大きくなり、高電圧が必要とな
り、その結果大容量の電気量となって高発熱を伴うこと
になり、エネルギーロスが大きい。しかも、電流密度は
せいぜい2〜3A/dm2どまりであった。
ニウムなどの金属の陽極酸化を高速化、省エネルギー化
するとともに、皮膜生成効率を向上させ、複雑な形状を
もつ物品の場合でも焼けのない高品質で均一な陽極酸化
膜を形成する方法を提供する点にある。
陽極酸化工程において、(A)振動モーターを含む振動
発生手段、それに連係して撹拌槽内で振動する振動棒に
一段または多段に固定した振動羽根を振幅0.5〜3.
0mm、振動数200〜800回/分で振動流動を発生
させる振動流動撹拌手段、振動モーターを10〜500
Hzの間の任意の振動を発生できるように制御するため
のインバーター、および振動発生手段と前記振動流動撹
拌手段との接続部に振動応力分散手段を設けた処理浴に
対する振動流動撹拌装置、(B)処理浴に対するエアレ
ーション装置として、気孔径が10〜400μm、気孔
率が30〜40%であるセラミック製散気管を用いたエ
アレーション装置、を同時に作動させることを特徴とす
る金属の陽極酸化処理システムに関する。
撹拌と(B)のエアレーションを組合せて陽極酸化を行
うことにより、従来のエアレーション(B)のみの技術
に較べて、容易に電流密度を上げて陽極酸化処理がで
き、従来法の約2〜3A/dm 2という電流密度が約1
0〜15A/dm2になり、結果として処理時間の驚く
べき短縮化が実現した。
エネルギーコストと酸化膜の品質のうえで極めて重要な
因子である。従来のエアレーション(B)のみの方法で
は、硬質アルマイトを形成させるためには−5〜0℃の
処理温度が必要であり、一般アルマイトでも20℃以下
の温度がのぞましいのに対して、本発明における(A)
の振動流動撹拌と(B)のエアレーションの併用方法に
よれば、硬質アルマイトを形成する場合でも10〜20
℃でよく、また、一般アルマイトの場合には30〜35
℃で充分であり、冷却エネルギーの面で大幅な省エネル
ギーになるとともに、酸化膜の品質の点でも、従来法よ
り処理温度が高くても良好であるという驚くべき結果が
得られるのである。
公報、特開平6−220697号公報においてめっき浴
に振動流動撹拌装置の使用を提案した。めっき浴におい
ては、めっきされる金属は陰極を形成しており、めっき
される金属イオンは、この陰極表面に析出するものであ
るが、めっきの場合は必然的に水が電気分解され、陰極
表面では水素が発生するが、従来法では陰極表面に存在
する水素が気泡化して電気抵抗を増大させ、電流効率を
著しく低下させ、その結果金属イオンの析出が遅く、め
っきに長時間を要したのに対し、本発明者の前記特公平
6−71544号公報の技術においては、めっき浴を振
動流動撹拌することを提案している。この時振動流動撹
拌装置の作用は、陰極表面に存在する水素の気泡を効率
よく除去して、金属イオンの析出を水素の気泡が妨害す
るのを効率的に阻止する点にある。これに対して陽極酸
化は、水の電気分解によって陽極に集ってくる水酸基イ
オンが放電によって分解し酸素になり、この酸素が陽極
を形成している金属表面を酸化するのであるから、酸素
は気泡の状態にしろ、できるだけ陽極表面に存在してい
なければならないことになる。ところが、めっき浴にお
ける振動流動撹拌装置の作用は、陰極表面に存在する水
素の気泡を除去する働きをしていたのであるから、陽極
酸化における振動流動撹拌装置の使用は、陽極表面に残
存する必要のある酸素気泡ガスを除去してしまうことが
予想されるから、その使用はタブーと考えていた。しか
るに、実際にテストしてみたところ、全く予想外のこと
がおこったのである。すなわち電気分解により発生した
酸素が実質的に気泡化せず、発生機の酸素の状態で極め
て効率的に金属と反応しているものと推測され、これに
より従来より迅速にち密で均一な酸化膜を形成したので
ある。これはまさに驚くべきことである。
いて、(A)振動モーターを含む振動発生手段、それに
連係して撹拌槽内で振動する振動棒に一段または多段に
固定した振動羽根を振幅0.5〜3.0mm、振動数2
00〜800回/分で振動流動を発生させる振動流動撹
拌手段、振動モーターを10〜500Hzの間の任意の
振動を発生できるように制御するためのインバーター、
および振動発生手段と前記振動流動撹拌手段との接続部
に振動応力分散手段を設けた処理浴に対する振動流動撹
拌装置、(B)処理浴に対するエアレーション装置とし
て、気孔径が10〜400μm、気孔率が30〜40%
であるセラミック製散気管を用いたエアレーション装
置、(C)被処理物が吊り下がっている電極バーを介し
て、インバーターにより10〜60Hzに調節した振動
モーターを用いて振幅0.5〜1.0mm、振動数10
0〜300回/分の振動を与えるための振動装置、を同
時に作動させることを特徴とする金属の陽極酸化処理シ
ステムに関する。
いて、(A)振動モーターを含む振動発生手段、それに
連係して撹拌槽内で振動する振動棒に一段または多段に
固定した振動羽根を振幅0.5〜3.0mm、振動数2
00〜800回/分で振動流動を発生させる振動流動撹
拌手段、振動モーターを10〜500Hzの間の任意の
振動を発生できるように制御するためのインバーター、
および振動発生手段と前記振動流動撹拌手段との接続部
に振動応力分散手段を設けた処理浴に対する振動流動撹
拌装置、(B)処理浴に対するエアレーション装置とし
て、気孔径が10〜400μm、気孔率が30〜40%
であるセラミック製散気管を用いたエアレーション装
置、(D)被処理物が吊り下がっている電極バーを介し
て、揺動巾10〜100mm、揺動数10〜30回/分
の揺動を与えるための揺動装置、を同時に作動させるこ
とを特徴とする金属の陽極酸化処理システムに関する。
いて、(A)振動モーターを含む振動発生手段、それに
連係して撹拌槽内で振動する振動棒に一段または多段に
固定した振動羽根を振幅0.5〜3.0mm、振動数2
00〜800回/分で振動流動を発生させる振動流動撹
拌手段、振動モーターを10〜500Hzの間の任意の
振動を発生できるように制御するためのインバーター、
および振動発生手段と前記振動流動撹拌手段との接続部
に振動応力分散手段を設けた処理浴に対する振動流動撹
拌装置、(B)処理浴に対するエアレーション装置とし
て、気孔径が10〜400μm、気孔率が30〜40%
であるセラミック製散気管を用いたエアレーション装
置、(C)被処理物が吊り下がっている電極バーを介し
て、インバーターにより10〜60Hzに調節した振動
モーターを用いて振幅0.5〜1.0mm、振動数10
0〜300回/分の振動を与えるための振動装置、
(D)被処理物が吊り下がっている電極バーを介して、
揺動巾10〜100mm、揺動数10〜30回/分の揺
動を与えるための揺動装置、を同時に作動させることを
特徴とする金属の陽極酸化処理システムに関する。
が陽極酸化システムである以上、当然従来法と同じく、
反応温度をコントロールするための加熱装置(冬場とか
寒冷地では必要)と陽極酸化浴で発生するジュール熱を
除去するため陽極酸化浴用冷却装置を設けている。
発生して陰極を形成している被めっき物にこの金属イオ
ンが沈着して金属被膜を形成するのに対して、本発明は
陽極酸化であるから、被処理物はめっきの場合と反対に
陽極を形成しており、この陽極から発生する酸素により
自己酸化され、陽極であるアルミニウムまたはその合金
などの金属表面に酸化膜を形成するものである。このよ
うに両者の技術思想は根本的に異なっている。
る振動流動撹拌装置としては、振動モーターを含む振動
発生手段、それで連係して撹拌槽内で振動する振動棒に
一段または多段に固定した振動羽根を振幅0.5〜3.
0mm、振動数200〜800回/分で振動流動を発生
させる振動流動撹拌手段、振動モーターを10〜500
Hzの間の任意の振動、好ましくは30〜60Hz、さ
らに好ましくは30〜40Hzの任意の振動を発生でき
るように制御するためのインバーター、および振動発生
手段と前記振動流動撹拌手段との接続部に振動応力分散
手段よりなるものであることが好ましい。振動モーター
の出力(W数)は処理浴の液量により適切な出力のもの
を選択することができる。詳細は本出願人の特開平8−
173785号公報〔0016〕を参照されたい。
ション装置としては、セラミック製散気管を用いる。こ
れにより系中に発生したジュール熱を放散させることが
できる。この点からエアレーションの機能は高いほど好
都合である。PVCのような合成樹脂パイプに気孔径1
mm程度の孔を多数設けたレベルの散気管ではエアー粒
子が大きすぎて、効果的な電解熱の除去ができず、また
電気抵抗にバラツキが生じていたが、本発明に使用する
エアレーション装置は散気管としてセラミック製多孔質
管を用いることにより、前述の問題点を解消した。前記
セラミック製多孔質管としては、商品名アランダムのよ
うなアルミナ質グレーンを骨材とした高温焼成セラミッ
ク管が好ましく、セラミック製散気管の気孔径としては
10〜400μm、とくに10〜120μmが好適であ
り、気孔率(表面積に対する割合)は30〜40%程度
が好ましい。セラミック製散気管の内径は通常50〜1
00mmのもので、長さは、処理槽の長さにもよるが、
通常1000〜1500mm程度のものである。設置方
法にとくに制限はないが、複数本使用する場合は、エア
レーションにより発生する気泡が被処理物を均一に取り
囲むようにセラミック製散気管をとりつける。散気管と
散気管を平行に並べるときの間隔は100〜120mm
が好ましい。散気管と被処理物との間の垂直方向の間隔
は通常100〜300mmとすることが好ましい。諸条
件の設定をうまくすれば、従来のエアレーションの2倍
程度まで、エアレーションを強化することができる。
与えるための振動モーターのHz数は、(A)の振動モ
ーターのHz数に対して50〜65%であることが好ま
しく、そのHz数は10〜60Hz、好ましくは20〜
35Hzであり、振幅は0.5〜1.0mmである。こ
の振動は被処理物を振動させるためのものであり、処理
液に流動を与えるためのものではない。
がっている電極バーを介して被処理物に与える揺動は、
揺動巾10〜100mm、好ましくは20〜60mm、
揺動数10〜30回/分程度とすることが好ましい。
ニウム、その合金マグネシウム、その合金、チタン、そ
の合金、ニオブ、その合金、タンタル、その合金、ジル
コニウム、その合金、鉛、その合金などを挙げることが
できる。本発明におけるアルミニウム合金は、陽極酸化
により陽極酸化膜が形成される合金であればなんでもよ
い。具体例としては、Al−Si、Al−Mg、Al−
Mg−Si、Al−Znなどの合金を挙げることができ
る。
公知の前処理工程を設ける。前処理工程としては、下記
の6種類を例示することができる。 (1)脱脂−水洗 (2)脱脂−水洗(−エッチング−水洗)−スマット除
去−水洗 (3)機械研摩−脱脂−水洗 (4)機械研摩−脱脂−水洗−エッチング−水洗−スマ
ット除去−水洗 (5)脱脂−水洗−電解研摩または化学研摩−水洗−酸
化物除去またはスマット除去−水洗 (6)機械研摩−脱脂−水洗−電解研摩または化学研摩
−水洗−酸化物除去またはスマット除去−水洗
ための前処理および後処理を含む各処理工程、試薬、処
理条件の1例を下記表1に示す。
(A)、(B)、(C)の各装置、(A)、(B)、
(D)の各装置あるいは(A)、(B)、(C)、
(D)の各装置は、少なくとも陽極酸化工程において使
用するものであるが、好ましくは陽極酸化工程の前処理
工程および/または後処理工程の少なくとも1つの工程
においても(A)のみ、または前記各装置の組合せで使
用することが好ましく、とくに前処理工程の1つである
脱脂工程および後処理工程の1つである封孔処理工程で
はこれを使用することが好ましい。
動流動攪拌装置により、液中の表面張力をいちじるしく
低下させることができ、その結果、被処理体表面に発生
する活性酸素は極めて効率的に陽極である被処理物と接
触し、ほとんど気泡化することなく、陽極自体を酸化し
て従来より数倍例えば5倍位の高速で一層均一な陽極酸
化膜を形成する。
る微細な多量の泡が被処理物全体をつつむようにセラミ
ック製散気管を配置し、このような状態の泡が系中を上
昇し、処理浴外に放出されるから、被処理物より発生す
る電解熱(ジュール熱)を効果的にうばって迅速に被処
理物を冷却するとともに、被処理物の微細孔より除去さ
れた空気やゴミも効果的に除去することができるので、
被処理物にヤケやコゲを生じることなく、均一な酸化膜
が形成できる。陽極酸化膜生成にともなって発生するジ
ュール熱を放出させるため、セラミック製散気管による
エアレーション量は、処理槽160リットルに対して1
20リットル/分程度と多くすることが好ましい。
ク製散気管が、散気管として最も高性能のものである
が、この高性能散気管をもってしても、一本の長さは1
500mmが限度であり、これ以上長くすると、エアー
を均一に噴出することができなくなる。
は、図19のように散気管を配置することにより、セラ
ミック製散気管の長手方向のエアレーションの均一化を
計ることができる。
は、r1およびr2とも100〜120mm程度とする
ことが好ましい。p1はほヾ50mm以上とすることが
好ましい。これにより処理槽内のエアレーションをほヾ
均一化することができる(図19参照)。
う反応熱が発生するため、処理液をある程度冷却してや
らないと、処理液の温度を一定に保つことができない。
また、アルミニウムまたはその合金の表面を形成するγ
−Al2O3・H2Oの被覆は、処理液の温度が上るに
つれて形成される膜の性質が悪化し、また低温すぎても
酸化膜に割れやヒビがはいることが知られている。本発
明によれば、従来技術のものに較べて、同じ温度の陽極
酸化膜で較べればはるかに優れた膜を形成できる。ま
た、本発明によれば、従来法に較べて処理温度を10〜
15℃高くしても従来法により得られた酸化膜に優ると
も劣らない酸化膜を形成できる。
化膜を形成したいときは、通常35℃以下、好ましくは
30℃前後の室温で陽極酸化を行うことができ、またア
ルミニウム合金の一般の酸化膜を形成したいときは、通
常20℃以下、好ましくは15℃前後で処理を行うこと
ができる。さらに硬質酸化膜を形成したいときは、通常
10〜15℃で陽極酸化を行うことができる。
の冷却装置を設ける。冷却装置としては通常冷却用熱交
換機を用い、処理液はこの冷却装置を通して循環するの
が好ましい。
る各種金属の陽極酸化処理液は、通常知られているクロ
ム酸、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、硫酸、りん酸、し
ゅう酸、ベンゼンスルフォン酸、スルファミン酸、クエ
ン酸、酒石酸、ぎ酸、コハク酸およびこれらの組み合せ
による酸溶液が使用される。
処理するいわゆる封孔処理が行われるが、本発明におい
ても、同様の封孔処理(昭和46年7月25日 日刊工
業新聞社発行、「めっき技術便覧」第597〜600頁参
照)を行うことが好ましい。本発明における封孔処理と
しては、例えば水蒸気による封孔処理、金属塩による封
孔処理、電着塗装による封孔処理、染料、顔料を用いた
封孔処理あるいはこれらを組み合せた封孔処理を行うこ
とができる。
図1〜3に示す。図1は側面図、図2は正面図、図3は
上面図であり、1は処理槽、4は振動モーター、16は
振動棒、17は振動羽根であり、5は陰極、6は陽極で
あり、12がエアレーションを行うためのセラミック製
散気管である。
すものである。勿論、請求項に対応して(C)および/
または(D)の装置を必要に応じてストップすれば、請
求項1や請求項2の装置としても使用できる。請求項3
の装置として用いる場合、揺動装置は、揺動モーター
3、揺動モーターの動きにより揺動する揺動用受枠2、
および揺動用受枠2に陰極棒受け13により固定された
陰極兼用吊り下げ具が設けられており、被処理物は前記
陰極兼吊り下げ具5に電気的にも物理的にもしっかりと
接続固定されている。とくに被処理物が軽い場合には、
陽極に電気的に接続した支持枠を設け、その支持枠に導
線により被処理物を固定するなどの固定化手段の活用が
好ましい。
受枠2に振動を与えるための振動モーター14を固定
し、この振動モーター14の振動が揺動用受枠2を振動
させ、これが被処理物に伝達される仕組になっている。
揺動受枠2に伝え、これにより陽極自体を揺動させる。
このときの揺動は10〜100mm、好ましくは20〜
60mmの振幅で、10〜30回/分の割合でゆっくり
揺動するものである。この具体例においては、揺動方向
は図4や図5の左右方向である。
7、8に示したが、振動流動撹拌装置自体はこの例に限
るものではなく、本発明者の出願にかかる特開平6−3
04461号、特開平6−312124号、特開平6−
330395号、特開平8−173785号、特開平9
−40482号公報および特公平6−71544号公報
記載の振動流動撹拌装置を使用することができる。
段は、例えば、振動発生装置と振動棒の接続部におい
て、振動棒の周りに設けられるゴム質リングであり、そ
の長さは振動棒の直径より長く、通常、振動棒の直径の
3〜8倍であり、かつその太さは振動棒の直径より1.
3〜3.0倍とくに約1.5〜2.5倍大きいものが好
ましい。別の見地から述べれば、振動棒の径が10〜1
6mmの丸棒であるときは、ゴム質リングの肉厚は10
〜15mmが好ましく、振動棒(丸棒)の直径が20〜
25mmのときは、ゴム質リングの肉厚は20〜30m
mが好ましい。ゴム質リングを使用しないケースにおい
ては、振動応力が振動伝達部材と振動棒との接合部分近
辺に集中し、振動棒が折れ易いという問題点があるが、
ここにゴム質リングを挿着することにより、完全に解消
することができる。
は薄い金属、弾力のある合成樹脂、ゴム等が使用できる
が、その厚みは振動モーターの上下の振動により、少な
くとも羽根板の先端部分がフラッター現象(波を打つよ
うな状態)を呈する厚みとすることもでき、これにより
系に振動に加えて流動を与えることができる。金属の振
動羽根板の材質としてチタン、アルミニウム、銅、鉄
鋼、ステンレス鋼、これらの合金が使用できる。合成樹
脂としては、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂、ポ
リプロピレンなどが使用できる。振動エネルギーを伝え
て振動の効果を上げるため厚みは特に限定されないが一
般に金属の場合は0.2〜2mm、プラスチックの場合
は0.5〜10mmが好ましい。過度に厚くなると振動
流動撹拌の効果が減少する。
脂、ゴム等を使用する場合には、厚みは特に限定されな
いが一般に1〜5mmが好ましいが、金属たとえばステ
ンレスの場合は0.2〜1mmたとえば0.5mmのも
のが好ましい。また、振動板の振幅は、2〜30mm、
好ましくは5〜10mmである。
取り付けることができる。振動羽根は、処理液の深さに
応じて複数枚を使用することができる。多段の段数を増
加する場合、振動モーターの負荷を大きくすると振動巾
が減少し、振動モーターが発熱する場合がある。
直角にとりつけてもよいが、振動棒の直角方向を0°と
したとき(+)または(−)の方向に5〜30°、好ま
しくは10〜20°傾斜してとりつけることが好ましい
(図7、図9参照)。また、振動羽根固定部材と振動羽
根は振動軸の側面からみて一体的に傾斜および/または
わん曲していることができる。わん曲している場合で
も、全体として5〜30度とくに10〜20度の傾斜を
もたせることが好ましい。
面から挾みつけて振動棒に固定することにより振動羽根
部を形成することができる。具体的には前記振動羽根
は、振動棒にねじ切りをしておき、ビスによってしめつ
けて固定することもできるが、図9に示すように振動羽
根17を上下からはさみつけるように補助的に振動羽根
固定部材18,18を用いて抑え、この振動羽根固定部
材18,18をビス24,24でしめつけ、振動羽根1
7を固定することが好ましい。
与えた場合には、多数の振動羽根部のうち、下位の1〜
2枚を下向きの傾斜および/またはわん曲とし、それ以
外のものを上向きの傾斜および/またはわん曲とするこ
ともできる。このようにすると、処理槽底部の撹拌を充
分行うことができ、下部に溜りが発生するのを防止する
ことができる。
場合には、前記下向きわん曲の振動羽根を取りはずすこ
とにより対処できる。たとえば沈殿物などの不要成分を
下部に溜めて、これを拡散させることなく、下部より取
り出す場合には好都合である。また、発生した気体を早
く放出させないために、振動羽根板をすべて下向きの角
度またはわん曲とすることができる。
すように処理槽の一端に設けるだけでもよいが、図1〜
5に示すように処理槽の両端に設けることにより大型槽
に対応させ槽内を均一に流動撹拌させることができる。
また、振動流動撹拌装置として今まで説明したものは、
いずれも上下に振動羽根を振動させるタイプのものであ
るが、本出願人の出願にかかる特開平6−304461
号公報や図10、図11に示すように振動方向を水平方
向とし、振動羽根17を処理槽1の底部に付設するやり
方もある。この場合、図11の左側に設置した振動モー
ター27を中心とする左側の重さと右側の重さのバラン
スを取るため、左側の重みと釣り合いのとれた重みをも
つバランサー26を設けることが好ましい。また、振動
流動攪拌装置を処理槽の片側に寄せて設置する場合に
は、振動羽根の長さは、浴槽が広い方向は長く、浴槽が
狭い方向は短くして、流動の強さを調節することができ
る。
ることもできるが、本発明者の発明にかかる特開平6−
304461号公報や特開平6−330395号公報記
載のように振動モーターの振動を振動枠を介して振動棒
に伝えられる形式を採用することもできる。
動羽根固定部材18、18との間にふっ素系ポリマーフ
ィルム23,23を介在させると長期使用における振動
羽根の破損率が大幅に低減するので好ましい。ふっ素系
ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FF)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTF
E)、ポリふっ化ビニリデン(PVDF)、ポリふっ化
ビニル、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体
(ETFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン
共重合体、プロピレン/テトラフルオロエチレン共重合
体などを挙げることができるが、とくにふっ素系ゴムの
ものが好ましい。
記(A)、(B)の装置、前記(A)、(B)、(C)
の装置、前記(A)、(B)、(D)の装置または前記
(A)、(B)、(C)、(D)の装置を設け、そこを
被処理物が一定時間毎に各処理浴を移動する連続および
/または自動システムを採ることができる。また前処理
や後処理のための各処理槽の所望の槽には、少なくとも
前記(A)の装置を使用することが好ましいが、(A)
+(B)、(A)+(B)+(C)、(A)+(B)+
(D)あるいは(A)+(B)+(C)+(D)の組合
せを用いることも勿論有効である。
(A)+(B)+(C)、(A)+(B)+(D)また
は(A)+(B)+(C)+(D)の装置を前処理工程
や後処理工程の所望工程で使用することができるが、と
りわけ脱脂工程、電解研摩および化学研摩よりなる群か
ら選ばれた研摩工程、熱水封孔処理工程の少なくとも1
つの工程において使用することが好ましい。いずれの工
程において使用しても、それぞれの工程の効率を高める
ことができる。
置を使用しない場合は、浴組成として通常 H3PO4(89%水溶液) 600g/リットル H2SO4 400g/リットル グリセリン 10g/リットル のものを用いると、電流密度は10〜16A/dm2、
電圧5〜20V、処理温度90〜100℃で、約10〜
15分が必要であるが、電解研摩に(A)の振動流動撹
拌装置を用いる場合には、浴組成を H3PO4(89%) 300g/リットル H2SO4 200g/リットル グリセリン 10g/リットル といったように、濃度を低くすることができるうえ、処
理温度も50〜60℃で充分であり、かつ処理時間も7
〜11分で済むので、大へん経済的である。かつこのよ
うな電解研摩工程を採用した場合には、得られた酸化膜
の外観、光沢も向上していた。
合とほぼ同様の傾向が認められ、処理温度を大幅に低減
できるとともに、得られた酸化膜の外観、光沢を向上す
ることができた。
本発明はこれにより何ら限定されるものではない。本実
施例は、いずれも図17に示すシステムを利用した。勿
論図1〜3の装置を使用するときは、図17における
(C)と(D)は存在しない状態であるには作動させな
い状態で使用する。なお、試験板あるいは試験片が小さ
いときは、陽極に接続した支持枠などに導線により試験
板あるいは試験片を固定した。(C)と(D)の装置は
支持枠に対して作動させる。
に(A)の振動撹拌装置と(B)のエアレーション装置
を取りつけた。また、各装置のサイズ、能力、などは下
記に示すとおりである。また、処理液の温度を一定に保
つため、処理液をくみ出してそこを通過させて冷却する
ことのできる冷却用熱交換機と循環ポンプをパイプで処
理槽と連結するようにした。 (1)陽極酸化槽:耐熱性塩化ビニル系樹脂製 幅500m、長さ750m、高さ550mm (2)振動撹拌機:図1〜2にみられる構造のものであ
り、日本テクノ(株)、超振動α−撹拌機3型、250
W×200V×3相、振動モーターはユーラスバイブレ
ーターKEE3.5−2B型250w、インバーター
(0.4kw)付、振動羽根:有効面積300×100
mmのもの、厚さ0.5mm5枚、α=15°(下部の
1段のみは下向、その他は上向) 振動羽根の振幅 1.5mm (3)散気管 :日本テクノ(株)セラミックス製ミ
クロエアレーターBM−100、(内径50mm、外径
75mm、長さ450mm) 気孔率33〜38%、気孔径50〜60μm、嵩比重
2.2〜2.5 (4)散気管エアーブロー:ロータリーエアポンプ、出
力150W、空気噴出量120リットル/分 (5)陽極酸化浴:収容液量160リットル 硫酸200g/リットル、アルミニウム4g/リットル (6)陰極板 :アルミニウム板4枚、幅60mm、
肉厚20mm、長さ500mm (7)試験板 :被処理物に相当する純アルミニウム
板(A1100P、JISH400、Si+Fe:1.
0%以下、Cu:0.05〜0.20%、Mn:0.0
5%以下、Zn:0.10%以下、Al:99.00%
以上)、横100mm、縦100mm、肉厚1.5mm (8)試験板吊具:陽極枠内にアルミニウム線を用いて
試験板を固定 (9)冷却用熱交換器:クールライナー自動直冷式急速
冷却装置 4010Kcal/h、電動機1.5kw、口径25A
(株)昭和鉛鉄 (10)熱交換器用循環ポンプ:マグネットポンプ 最大注量120リットル/分、Max Head8.6
m、200V、出力265w、1.27A、(イワキ
MD−100RM) (11)整流器 :Hi−MiNi直流電源装置 定格60V−100A、6.0kw、交流入力200
V、21.2A、7.34KVA(株)中央製作所 M
B7C−600−01 (12)極間距離:100mm
→水洗槽→陽極酸化槽→水洗槽→封孔処理槽→乾燥槽 (注)エッチング浴:苛性ソーダ50g/リットル、R
T5分 デスマット浴:硝酸5%、RT1分 封孔処理浴 :イオン交換した水の沸騰水15分
37Hz(振動モーター250W×200V×3相、イ
ンバーター0.4kw)とし、浴の振動流動撹拌を行
い、前述のエアレーション条件下において図20に示す
ような電流密度で陽極電圧20V、処理浴の温度20℃
とし、8分間の陽極酸化処理を行った。これにより20
μmの陽極酸化膜が得られ、この膜はち密で、表面状態
は光沢があって良好であった。これらの結果を表1に示
す。
と同様にして、陽極酸化膜の膜厚が実施例1と同じ20
μmになるまで処理した。そのための所要時間は40分
であった。その結果を表2に示す。
2のとおりである。
拠したうず電流式測定法による。 *2 硬度:JIS H8682−1988のビッカー
ス硬度計(HV)による硬質被膜試験 *3 耐蝕性キャス試験:JIS−H8681−198
8、レーテングNo.9に準拠 *4 染料性:食品水溶性染料赤色0.5%、JIS
H8685−1988 *5 耐摩耗性:JIS−H8682−1988(往復
運動平面摩耗試験)に準拠、たゞし、荷重は一般陽極酸
化膜の場合は400±10gf(3.92±0.09
N)、硬質陽極酸化膜の場合は2000±50gf(1
9.6±0.49N)とする。
に対し、実施例1は電流密度が10A/dm2まであが
り、そのため実施例1の方が比較例1に較べて陽極酸化
の速度が約5倍になり、かつ陽極酸化膜の硬度、防食
性、染色性、耐摩耗性のいずれの点においても比較例1
より実施例1のデータが向上している。10μm、15
μmの陽極酸化膜についてもほぼ同じ結果が得られた。
にして図1〜3の装置により下記の陽極酸化条件で陽極
酸化を行った。 <陽極酸化条件>振動撹拌のHzは37Hz(振動モー
ター150W×200V×3相、インバーター0.4k
w)とし、浴の振動流動撹拌を行い、前述のエアレーシ
ョン条件下において陽極電圧15V、処理浴の温度30
℃とし、5分間の陽極処理を行った。これらの結果を表
3に示す。
と同様にして、陽極酸化を5分間行った(比較例2−
1)。また、同様にして陽極酸化膜の膜厚が実施例2と
同じになるまで陽極酸化を行った(比較例2−2)。こ
れらの結果を表3に示す。
で陽極酸化が達成でき、光沢のある充分実用に耐える酸
化膜が形成されたが、従来法である比較例2−1や2−
2では、処理浴温度が30℃になると実用性のある陽極
酸化膜は得られない。
(A5052P、JISH400、Si:0.25%以
下、Fe:0.04%以下、Cu:0.01%、Mn:
0.01%以下、Mg:2.2〜2.8%、Cr:0.
15〜0.35%、Zn:0.1%以下)とした以外
は、実施例1を、繰り返し、膜厚20μmの陽極酸化膜
を作った。その結果を表4に示す。
と同様にして、膜厚が20μmの陽極酸化膜が得られる
まで、陽極酸化を行った。その結果を表4に示す。
較べて、約4倍の速さで同一厚みの酸化膜が形成でき、
その酸化膜の特性も、外観、硬度、染色性、耐摩耗性の
すべての点で優れていた。
052を用い、電流密度8A/dm2で陽極酸化処理浴
の浴温をいろいろと変化させ、膜厚15μmの陽極酸化
膜をつくり、その膜厚硬度を測定した。その結果を図1
6に示す。○印が実施例4である。
を繰り返した(電流密度1.5A/dm2)。その結果
を図16に示す。・印が比較例4である。
すべて実施例4の方が被膜の硬度が高いことが判る。し
たがって、比較例と同一硬度の酸化膜が得たい場合は、
比較例より処理浴温度を高くすることができるので、冷
却エネルギー、処理時間の点ではるかに本発明が有利で
ある。
品(約150×120×40mmであり、そこに幅3〜
15mm、深さ約15〜20mmの凹みが不規則に多数
存在する)を陽極酸化し15μm厚の陽極酸化膜を作っ
た。その結果を表5に示す。
を繰り返した。その結果を表5に示す。
る。 *8 奥の部分とは、鋳造品の凹みの底部分である。
一に酸化膜が形成されているが、比較例5の方は、実施
例5の4倍もの時間処理したにもかかわらず凹み部分の
酸化膜が他の部分よりもかなり薄く、全体として膜厚が
不均一であり、かつ膜に実施例5のような光沢がない。
本発明によれば、幅10nm、深さ10〜15mmの凹
みをもつような製品に対しても有効である。また実施例
5は、比較例5に較べて処理時間が約1/4であった。
の空気噴出量を240リットル/分としたこと以外は実
施例6を繰り返した。酸化処理膜が15μmとなるまで
の所要時間は、わずか5分であった。このような条件で
陽極酸化ができれば、前処理から後処理までコンベアー
ラインで連続的に処理することが可能であり、タクト方
式を採用せず電着塗装などと同様に取扱うことができ
る。
を繰り返した。酸化膜は極めて不均一で凹凸が多く、実
用性のないものであった。
2〜14に示すように、小型のシステムを用いるケース
である。陽極酸化槽に(A)振動撹拌装置、(B)エア
レーション装置、(C)被処理物の吊り下げ具に揺動を
与えるための装置および(D)被処理物に吊り下げ具を
介して振動を与える装置を取りつけた。また、処理液の
温度を一定に保つため、処理液をくみ出してそこを通過
させて冷却することのできる冷却用熱交換機と循環ポン
プをパイプで処理槽と連結するようにした。その他の条
件は下記のとおりにして、実験を行い、その結果を表6
にまとめた。
ット槽(○)→水洗槽→陽極酸化槽(◎)→水洗槽→封
止処理槽(○)→乾燥槽。 ◎印の槽には前記(A)、(B)、(C)、(D)の各
装置をとりつけた。○印の槽には前記(A)のみをとり
つけた。なお、水洗槽は水道水(常温)を用いた。
m)1枚 陽極と陰極間の距離:100mm <陰極> 純アルミニウム板(500mm×60mm×20mm)
8枚 なお、陽極と陰極の位置関係は、処理槽の中央部に陽極
をセットし、その両側に陽極から100mmはなれた位
置に陰極を4本づつセットした(図15参照)。陽極の
上部は液面より70mm下にあり、下部は槽底より70
mm上になるようにセットしてある。 <陽極酸化のための処理槽> 槽サイズ(内寸):巾500mm×750mm×550
mm(約168リツトル) 振動撹拌機 振動モーター :250W×200V×3相(商品名ユ
ーラスバイブレータ):1台 振動羽根 :有効面積300×150mmのもの、
厚さ0.6mm6枚、α=15°(下部の1段のみは下
向、その他は上向) 振動羽根の振幅:1.5mm 振動周波数 :37Hz(インバーターにより調節) エアレーション装置 セラミック製散気管は外径75mm、内径50mm、長
さ450mm、気孔径約200μmのもの3本を用い
た。1本当り気孔率40%で、空気吹出量約120リッ
トル/分、出力150Wのロータリーエアーポンプを使
用した。 揺動装置 ギァーモーター又はシリンダーモーターにより20回/
分で前後に40mmの幅の揺動を与える。 揺動装置に付設する振動装置 揺動用受枠2の適宜箇所に振動モーター(40W)14
を固定し、インバーターを介して振動モーター14を3
0Hz、振幅0.8mmで振動させる。
400mm)の組成と陽極酸化条件 硫酸 :200g/リットル アルミニウム含有量:約4g/リットル 処理条件 :表1に示すとおり
−2、能力:4010Kcal/hr、1.5KW 使用環境ポンプ 最大流量120リットル/分、265W、1.27A
0mm、幅×長さ×高さ) 炭酸水素系脱脂剤:テクノクリーンS800(ナフテン
系石油溶剤)使用 浴温と時間 40℃、5分
ットル リン酸(s.g.1.74) 100ミリリットル/リ
ットル 無水クロム酸 30g/リットル 浴温と時間 65℃、10分
させいない以外は実施例7−1を繰り返した。その結果
を表6に示す。
00に準拠
装置(B)、被処理物振動装置(C)および揺動装置
(D)を備えた処理装置を用いた。 陽極酸化処理槽:500mm×1250mm×750m
m(幅×長さ×高さ) 陽極酸化浴 :約340リットル 陰極板 :アルミニウム板(500mm×60m
m×20mm)10本を縦長にして用いた。 陽極板 :被処理体として500mm×200m
m×10mmのアルミニウムを用いた。 陰極板と陽極板の位置関係:処理槽の中央部に陽極をセ
ットし、その両側に陽極から100mmはなれた位置に
陰極を5本づつセットした(図15参照)。陽極の上部
は液面より70mm下にあり、下部は槽底より70mm
上になるようにセットしてある。 振動撹拌装置(A): 振動モーター :400W×200V×3相(商品名ユ
ーラスバイブレータ)、2台 振動羽根 :有効面積300×150mmのもの、
厚さ0.6mm6枚、取付角度15° 振動羽根の振幅:1.5mm 振動周波数 :37Hz(インバーターによりコント
ロール) エアレーション装置(B):セラミック質散気管外径7
5mm、内径50mm、長さ800mm、気孔径200
μmのもの3本を用いた。1本当り気孔率40%で、噴
出空気量約200リットル/分。 被処理物を振動させるための振動装置(C):揺動用受
枠2の適宜個所に振動モーター(40w)14を固定
し、インバーターを介して振動モーター14を30H
z、振幅0.8mmで振動させる。 揺動装置(D):ギァーモーターまたはシリンダーモー
ターにより20回/分で前後に40mmの幅の揺動を与
える。 冷却用熱交換機: クールライナー自動冷式急速冷却装置 4010Kcal/h、電動機1.5kw、口径25A 熱交換器用循環ポンプ: マグネットポンプ 最大流量120リットル/分、Max Head8.6
m、200V 出力 265W、1.27A 整流器: Hi−Hi直流電源装置 60V、100A、6.0k
w交流入力、200V、21.2A、7.35KVA 工程:表1のとおりに配置 なお、本実施例の装置は、脱脂槽と封孔処理槽にも付設
した。その結果を表7に示す。
ほかは実施例8−1を繰り返した。その結果を表7に示
す。
は、アルミニウム(A5052板)(サイズ500×2
00×10mm)を用い、陽極酸化条件は、実施例8の
硫酸浴を用い、処理温度7℃、電流密度15A/cm2
で10分陽極酸化を行った。
図18に示すように区分し、その各中央部分の酸化膜厚
(μm)と硬度測定した。
ョン装置の2つのみを作動させた以外は、実施例9−1
を繰り返した。得られたアルミニウム表面の酸化膜厚と
硬度はつぎのとおりである。
請求項1の発明にかかる前記(A)と(B)の装置を作
動させた実施例9−2に較べて、前記(A)、(B)、
(C)、(D)の各4つの装置を作動させた請求項4の
発明にかかる実施例9−1は、同一温度で、同一時間陽
極酸化を行ったにもかかわらず、膜厚は2割厚く、か
つ、一層均一であり、またビッカース硬度は約3割高い
数値が得られており、請求項4の優位性は明白である。
スである。 (1)陽極酸化槽:耐熱性塩化ビニル系樹脂製 幅700m、長さ1000m、高さ700mm (2)振動撹拌機:図1〜2にみられる構造のものであ
り、日本テクノ(株)、超振動α−撹拌機α−5型、振
動モーターはユーラスバイブレーターKEE10−2B
型750w1台、インバーター(1kw)付、 振動羽根 有効面積300×150mmのもの、厚さ
0.6mm6枚、α=15°(下部の1段のみは下向、
その他は上向) 振動羽根の振幅 1.5mm (3)散気管 :日本テクノ(株)ミクロエアレータ
ー(BM−100)3本、 散気管の間隔(内径50mm、外径750mm、長さ7
00mm) 気孔率33〜38%、気孔径50〜60μm、嵩比重
2.2〜2.5(1本当り) (4)散気管エアーブロー:ロータリーエアポンプ、出
力150W、空気噴出量120リットル/分 (5)陽極酸化浴:収容液量420リットル 硫酸200g/リットル、アルミニウム4g/リットル (6)陰極板 :アルミニウム板10枚 (7)試験体 :被処理物に相当するアルミニウム 鋳造自動車部分(凹凸多数) 大きさ:250mm×750mm×500mm (8)冷却用熱交換器:クールライナー自動直冷式急速
冷却装置 4010Kcal/h、電動機1.5kw、口径25A
(株)昭和鉛鉄 (9)熱交換器用循環ポンプ:マグネットポンプ 最大注量120リットル/分、Max Head8.6
m、200V、出力265w、1.27A、(イワキ
MD−100RM) (10)整流器 :Hi−MiN直流電源装置 定格60V−100A、6.0kw、交流入力200
V、21.2A、7.34KTA(株)中央製作所 M
D7C−600−01 (11)極間距離:100mm
→水洗槽→陽極酸化槽→水洗槽→封止処理槽→乾燥槽 (注)エッチング浴:苛性ソーダ50g/リットル、R
T5分 デスマット浴:硝酸5%、RT1分 封孔処理浴 :イオン交換した水の沸騰水30分 電流密度:5A/dm2
120リットル/分、振動流動攪拌のHz数は40H
z、処理時間8分で、平均膜厚20μmの均一な陽極酸
化膜を得た。振動流動攪拌装置(A)を使用しない場合
は、ヤケやコゲが発生し、良好な陽極酸化膜が得られ
ず、電圧が200Vから250V位まで上昇する。
変更した。 (1)陽極酸化槽:700mm×1000mm×700
mm(高さ) (2)試験体 :100mm×500mm×300m
m(高さ) (3)散気管 :日本テクノ(株)B−100、気孔
率33〜38%、気孔径50〜60μm空気吐出量12
0リットル/分 、50mmφ(内径)70mm
(外径)、長さ500mm3本 散気管間隔 120mm 陽極酸化処理浴温30℃、全エアー吐出量120リット
ル/分で実施したところ、所要時間5分間で、膜厚15
μmで、凹部のいずれの個所いおいても均一な膜厚のも
のが得られた。振動流動攪拌装置(A)を使用しない場
合は、エアー噴出量が60リットル/分以上になると、
陽極酸化膜が不均一になるので、これ以上のエアー噴出
量とすることができず、またヤケやコゲがでるので電流
密度も上げることができなかった。
が発生しないで、かつ3〜5倍の高速化処理が実現で
き、陽極酸化のための処理時間を大幅に短縮できた。こ
のため同時に省エネルギー化も達成できた。また、請求
項5〜7のシステムを採用すれば全体の処理時間を一層
短縮できた。 (2)本発明により、陽極酸化膜のビッカース硬度を大
幅に向上できた。 (3)本発明により、均一性の高い陽極酸化膜が得られ
た。そのため本発明は感光ドラム(OPCドラム)など
の製造に有利である。 (4)したがって、従来と同程度の品質の酸化膜を得る
ためであれば、陽極酸化処理浴の温度を従来法の場合よ
り5〜10℃高くてもよいというメリットが生じ、冷却
機の能力も小さくてよい。具体的には、硬質酸化膜形成
の場合、従来は−5℃〜5℃であったものが、本発明で
は10〜15℃でよく、また一般酸化膜形成の場合、従
来は20℃前後であったものが、本発明では30〜35
℃でよい。 (5)多数の凹凸のある物品や10mm以下の小孔(貫
通孔や袋孔)がある物品あっても、その凹部や小孔のな
かまで充分陽極酸化ができ、凹部や小孔内も均一な酸化
膜が形成できた。このため、凹凸のある金属板の陽極酸
化処理、エンジン関連部品、熱交換器などの複雑な形状
をもつ物品の陽極酸化処理に有利である。 (6)本発明により得られた酸化膜は、従来法により同
一処理温度で得られた酸化膜に較べて光沢があり、硬度
が高く、そのため耐摩耗性、防食性、耐候性であり、ま
た酸化膜の均一性が高い。 (7)エアレーションにおけるエアー噴出量は、ある程
度以上多くなると陽極酸化膜が不均一になるため限界が
あったが、本発明では振動流動攪拌手段を併用したこと
により、今までのエアー噴出量の限界値を大幅に上げる
ことができ、その結果、浴の温度を一層下げることがで
き、併せて電流密度も向上することができた。 (8)本発明により得られた酸化膜は染色性がよい。
すための側面図である。
すための側面図である。
部分断面図である。
の平面図である。
度と得られた酸化膜のビッカース硬度との関係を示すグ
ラフである。
ートである。(A)〜(D)は特許請求の範囲で用いた
記号に対応している。
図である。
す図である。
電流密度の変化状態を示すグラフである。
る) 2 揺動用受枠 3 揺動用受枠を揺動させるための揺動モーター 4 振動撹拌装置のための振動モーター 5 陰極 6 陽極 7 スライド式電極受 8 揺動枠用受台 9 装置受台 10 散気管に送るための圧縮空気入口 11 ヒーター 12 散気管 13 陰極棒受 14 揺動用受枠を振動させるための振動モーター 16 振動棒 17 振動羽根 18 振動羽根固定部材 19 振動応力分散手段 20 スプリング 21 上部支持枠 22 下部支持枠 23 ふっ素系ポリマーフィルム 24 ビス 25 振動伝達枠 26 バランサー 27 スプリング付支持棒 28 ヒーター 29 エアレーション用空気圧縮機 30 陰極ブースバー受け
Claims (7)
- 【請求項1】 金属の陽極酸化工程において、(A)振
動モーターを含む振動発生手段、それに連係して撹拌槽
内で振動する振動棒に一段または多段に固定した振動羽
根を振幅0.5〜3.0mm、振動数200〜800回
/分で振動流動を発生させる振動流動撹拌手段、振動モ
ーターを10〜500Hzの間の任意の振動を発生でき
るように制御するためのインバーター、および振動発生
手段と前記振動流動撹拌手段との接続部に振動応力分散
手段を設けた処理浴に対する振動流動撹拌装置、(B)
処理浴に対するエアレーション装置として、気孔径が1
0〜400μm、気孔率が30〜40%であるセラミッ
ク製散気管を用いたエアレーション装置、を同時に作動
させることを特徴とする金属の陽極酸化処理システム。 - 【請求項2】 金属の陽極酸化工程において、(A)振
動モーターを含む振動発生手段、それに連係して撹拌槽
内で振動する振動棒に一段または多段に固定した振動羽
根を振幅0.5〜3.0mm、振動数200〜800回
/分で振動流動を発生させる振動流動撹拌手段、振動モ
ーターを10〜500Hzの間の任意の振動を発生でき
るように制御するためのインバーター、および振動発生
手段と前記振動流動撹拌手段との接続部に振動応力分散
手段を設けた処理浴に対する振動流動撹拌装置、(B)
処理浴に対するエアレーション装置として、気孔径が1
0〜400μm、気孔率が30〜40%であるセラミッ
ク製散気管を用いたエアレーション装置、(C)被処理
物が吊り下がっている電極バーを介して、インバーター
により10〜60Hzに調節した振動モーターを用いて
振幅0.5〜1.0mm、振動数100〜300回/分
の振動を与えるための振動装置、を同時に作動させるこ
とを特徴とする金属の陽極酸化処理システム。 - 【請求項3】 金属の陽極酸化工程において、(A)振
動モーターを含む振動発生手段、それに連係して撹拌槽
内で振動する振動棒に一段または多段に固定した振動羽
根を振幅0.5〜3.0mm、振動数200〜800回
/分で振動流動を発生させる振動流動撹拌手段、振動モ
ーターを10〜500Hzの間の任意の振動を発生でき
るように制御するためのインバーター、および振動発生
手段と前記振動流動撹拌手段との接続部に振動応力分散
手段を設けた処理浴に対する振動流動撹拌装置、(B)
処理浴に対するエアレーション装置として、気孔径が1
0〜400μm、気孔率が30〜40%であるセラミッ
ク製散気管を用いたエアレーション装置、(D)被処理
物が吊り下がっている電極バーを介して、揺動巾10〜
100mm、揺動数10〜30回/分の揺動を与えるた
めの揺動装置、を同時に作動させることを特徴とする金
属の陽極酸化処理システム。 - 【請求項4】 金属の陽極酸化工程において、(A)振
動モーターを含む振動発生手段、それに連係して撹拌槽
内で振動する振動棒に一段または多段に固定した振動羽
根を振幅0.5〜3.0mm、振動数200〜800回
/分で振動流動を発生させる振動流動撹拌手段、振動モ
ーターを10〜500Hzの間の任意の振動を発生でき
るように制御するためのインバーター、および振動発生
手段と前記振動流動撹拌手段との接続部に振動応力分散
手段を設けた処理浴に対する振動流動撹拌装置、(B)
処理浴に対するエアレーション装置として、気孔径が1
0〜400μm、気孔率が30〜40%であるセラミッ
ク製散気管を用いたエアレーション装置、(C)被処理
物が吊り下がっている電極バーを介して、インバーター
により10〜60Hzに調節した振動モーターを用いて
振幅0.5〜1.0mm、振動数100〜300回/分
の振動を与えるための振動装置、(D)被処理物が吊り
下がっている電極バーを介して、揺動巾10〜100m
m、揺動数10〜30回/分の揺動を与えるための揺動
装置、を同時に作動させることを特徴とする金属の陽極
酸化処理システム。 - 【請求項5】 金属の陽極酸化処理工程に加えて、その
前処理工程および/またはその後処理工程の少なくとも
1つの工程において、前記(A)の装置のみを作動させ
るか、前記(A)、(B)の装置を同時に作動させる
か、前記(A)、(B)および(C)の装置を同時に作
動させるか、前記(A)、(B)および(D)の装置を
同時に作動させるか、あるいは前記(A)、(B)、
(C)および(D)の装置を同時に作動させることを特
徴とする金属の陽極酸化処理システム。 - 【請求項6】 前記前処理工程および後処理工程が脱脂
工程、電解研摩および化学研摩よりなる群から選ばれた
研摩工程、熱水封孔処理工程の少なくとも1つの工程で
ある請求項5記載の金属の陽極酸化処理システム。 - 【請求項7】 金属よりなる被処理物がスリット状部の
最短幅または孔径が10mm未満である凹み又は貫通孔
を有するものである請求項1〜6いずれか記載の金属の
陽極酸化処理システム。
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