JP2004308003A - 金属部材の電気化学的表面処理方法及び金属部材の電気化学的表面処理装置 - Google Patents

金属部材の電気化学的表面処理方法及び金属部材の電気化学的表面処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 常温、常圧で、少量の電解質溶液を使用する金属部材の電気化学的表面処理方法及び金属部材の電気化学的表面処理装置を提供すること。
【解決手段】 電気メッキ装置200では、送気管212から供給されたNガスがメッキ槽101の底部付近に設けたグラスフィルタ213から吐出して界面活性剤を含有するメッキ液103の連続的な気泡層111が形成される。気泡層111は陽極105の表面を経て、被メッキ部材である陰極106に連続的に供給される。メッキ槽101の上部に達した気泡層111は、気泡が壊れてメッキ液103に戻り、ポンプ214により循環配管215を通ってメッキ槽101に供給され、再び気泡層111が形成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、金属部材の電気化学的表面処理方法及び金属部材の電気化学的表面処理装置に関し、より詳しくは、金属部材の電気メッキ等に好適な電気化学的表面処理方法及び金属部材の電気化学的表面処理装置に関する。
従来、金属部材の代表的な電気化学的表面処理方法として知られている電気メッキは、金属部材の表面の装飾、防食、耐食、防錆等の工業的用途において重要な役割を果たしている。電気メッキは、通常、脱脂洗浄や酸洗いを行う前処理工程と、電解質溶液を収容した反応浴中に被表面処理部材を一定時間浸漬し、陽極と被表面処理部材との間に電圧を印加してメッキ処理を行う工程と、メッキ処理を施した部材を水洗し乾燥する後処理工程とを経て行われている。このような多くの工程を経て行われる電気メッキは、複数の設備、大量の水の使用、廃水処理等を必要とし、また、電流密度が低い被処理部材の裏面や凹部の処理には時間を要する等の理由により、生産性が向上しにくい面がある。
近年、超臨界物質を用いた電気メッキ方法が報告されている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、反応槽内に収容した電解質溶液と被メッキ処理板とを収容した反応槽内に、例えば、二酸化炭素を導入し、反応槽内を二酸化炭素の超臨界状態にして電気メッキを行うものである。超臨界物質を用いた電気メッキ方法によれば、メッキ処理後は超臨界物質を気化させて排出することで、洗浄液を要することなく反応槽内や電極を洗浄することができ、作業工程の簡略化と生産性の向上を図ることが可能となる。
WO02/16673号公報
ところで、前述した超臨界物質を用いた電気メッキ方法は、二酸化炭素等を超臨界状態にするために、反応槽内を高温、高圧に保持する必要があり、このため、反応装置が大型にならざるを得ないという問題が挙げられる。また、メッキ処理には、従来の電気メッキにおいて必要とされる量と略同量の電解質溶液が必要とされることから、生産性をさらに向上させたいという要請がある。
本発明は、このような電気メッキを効率的に行う技術を開発する上で生じた要請に応えるべくなされたものである。即ち本発明の目的は、常温、常圧で、少量の電解質溶液を使用する金属部材の電気化学的表面処理方法及び金属部材の電気化学的表面処理装置を提供することにある。
かかる要請に応えるべく、本発明においては、電解質溶液中に界面活性剤を分散させ、これを発泡させることにより微小な気泡からなる連続的の気泡層を形成し、この気泡層中に陽極と陰極とを導入して、電気化学的表面処理を行う構成を採用している。
即ち、本発明が適用される金属部材の電気化学的表面処理方法は、界面活性剤を含有する電解質溶液を調製し、この調製された電解質溶液からなる連続的な気泡層を形成し、形成された連続的な気泡層を被表面処理金属部材に供給し、被表面処理金属部材に所定の電圧を印加することを特徴とするものである。
特に、形成された電解質溶液からなる連続的な気泡層は、被表面処理金属部材に連続的に供給されることが好ましく、これにより、気泡層中に含有される金属イオンが少量の場合でも、効率的に被表面処理金属部材に電気化学的表面処理を施すことができる。
また、本発明が適用される金属部材の電気化学的表面処理方法においては、電解質溶液は、水を溶媒とすることが好ましい。さらに、連続的な気泡層は、電解質溶液と空気又は不活性ガスとから形成されることが好ましい。また、本発明が適用される金属部材の電気化学的表面処理方法においては、被表面処理金属部材を、予め形成された連続的な気泡層中に導入することも可能である。
次に、本発明は、界面活性剤を含有する電解質溶液からなる連続的な気泡層を形成する気泡層形成手段と、気泡層形成手段により形成された連続的な気泡層を被表面処理金属部材に供給する気泡層供給手段と、被表面処理金属部材に所定の電圧を印加する電圧印加手段とを備えることを特徴とする金属部材の電気化学的表面処理装置として捉えることができる。
本発明が適用される金属部材の電気化学的表面処理装置における電圧印加手段は、外部電解と、外部電解の正極側に導通する電極物質と、外部電解の負極側に導通する被表面処理金属部材とを有するものである。
本発明が適用される金属部材の電気化学的表面処理装置における気泡層形成手段は、空気又は不活性ガスにシールされた電解質溶液を攪拌する攪拌装置を有することが好ましい。電解質溶液を攪拌することにより、所望の気泡を形成することができる。
また、気泡層形成手段は、電解質溶液中に空気又は不活性ガスを導入する導入装置を有することも可能である。このような空気又は不活性ガスを導入する導入装置には、電解質溶液中に多孔体を通して所定の圧力の空気又は不活性ガスを導入する送気管を有することが好ましい。多孔体としては、例えば、ガラスフィルタ又は電解質溶液により腐食されにくい材料で形成された焼結多孔体等が用いられる。空気又は不活性ガスが、所定の大きさの細孔を有する多孔体に導入されることにより、微細な電解質溶液の気泡を効率よく生成することができる。
また、本発明が適用される金属部材の電気化学的表面処理装置における気泡層形成手段は、メッキ反応等の電気化学的表面処理が行われる電解質溶液の収容槽内に、予め収容された電解質溶液を攪拌する攪拌装置を有することが好ましい。
さらに、気泡層形成手段は、電気化学的表面処理が行われる電解質溶液の収容槽の外部に設けられた他の収容槽を有することが好ましい。電気化学的表面処理が行われる収容槽の外部に他の収容槽を設け、この他の収容槽内で、所定の方法により、予め電解質溶液の気泡を形成することにより、被表面処理金属部材に気泡を連続的に供給することが容易になる。
かくして本発明によれば、電気メッキ等に好適で、緻密な金属皮膜が形成できる金属部材の電気化学的表面処理方法及び電気化学的表面処理装置が提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について、金属部材の電気メッキ方法を例にして詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される金属部材の電気メッキ方法及び金属部材の電気メッキ装置を説明するための図である。図1(a)は、電気メッキが行われる前の状態を示し、図1(b)は、電気メッキが行われている状態を示している。図1(a)に示された電気メッキ装置100は、メッキ槽101と、メッキ槽101の底部に設けられた攪拌子102と、メッキ槽100の外部に設けられた外部電解である直流電源107と、直流電源107の正極側に導通する電極物質である陽極105と、直流電源107の負極側に導通する電極物質であり且つ被表面処理金属部材である陰極106と、陽極105と陰極106とを直流電源107とそれぞれ接合する導線109及び導線110と、スイッチ108とを有する。
メッキ槽101は、例えば、ステンレス鋼で形成され、内面は、例えば、塩化ビニル樹脂又は硬質ゴム等によりライニングが施され、上部開口部には、蓋体(図示せず)が着脱可能に装着されている。図1(a)に示すように、メッキ槽101中には、メッキ槽101の内容積の50%以下、好ましくは、30%以下を満たす量の電解質溶液であるメッキ液103が収容されている。本実施の形態においては、電解質溶液としてニッケルワット浴等のニッケルメッキ用のメッキ液103が使用されている。メッキ槽101上部の気相部104には、陽極105と陰極106とが収容されている。尚、気相部104は、窒素ガス等の不活性ガスによりシールされている。また、本実施の形態においては、陽極105として純ニッケル板、陰極106としてハルセル試験用真鍮板が使用されている。
直流電源107の給電回路に設けられたスイッチ108は、電気メッキを行うときに接合され、陽極105と陰極106とに通電可能にしている。メッキ槽101の底部に設けられた攪拌子102は、通常、10回/秒程度の速度で回転して、後述する界面活性剤が含有されたメッキ液103を攪拌し、メッキ液103からなる連続的な気泡層を形成する手段及び気泡層を陽極105及び陰極106に供給するための手段として使用される。
一般に、電気メッキ等の電気化学的反応において使用される電解質溶液は、溶媒に、一種又は二種類以上の金属の塩、有機電解質、リン酸等の酸、アルカリ物質等の各種電解質を溶解させたものが用いられる。溶媒は、極性溶媒であれば特に限定されない。具体例として、水;メタノール、エタノール等のアルコール類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の直鎖状カーボネート類、又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。
金属の塩としては、析出させる金属、合金、酸化物の種類等を考慮して適宜選択される。電気化学的に析出させることができる金属としては、例えば、Cu、Zn、Ga、As、Cr、Se、Mn、Fe、Co、Ni、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Ru、Rh、Pd、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、W、Po、Re、Os、Ir、Pt等が挙げられる。また、有機電解質としては、例えば、ポリアクリル酸等の陰イオン系電解質、ポリエチレンイミン等の陽イオン系電解質が挙げられる。
尚、電解質溶液には、上記物質の他に、溶液の安定化等を目的として一種又はそれ以上の物質を含むことができる。具体的には、析出する金属のイオンと錯塩をつくる物質、電解質溶液の導電性を向上させるためのその他の塩、電解質溶液の安定剤、電解質溶液の暖衝材、析出金属の物性を変える物質、陰極の溶解を助ける物質、電解質溶液の性質あるいは析出金属の性質を変える物質、二種以上の金属を含む混合溶液の安定剤等を挙げることができる。
主な電気化学的反応方法における電解質溶液の主成分の具体的な例は、以下の通りである。例えば、銅を析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、結晶硫酸銅及び硫酸、ホウフッ化銅及びホウフッ酸、シアン化銅及びシアン化ソーダ、ピロリン酸銅、ピロリン酸カリウム、及びアンモニア水;ニッケルを析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、硫酸ニッケル、塩化アンモニウム、及びホウ酸、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、及びホウ酸、スルファミン酸ニッケル、塩化ニッケル、及びホウ酸;クロムを析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、クロム酸及び硫酸、クロム酸、酢酸バリウム、及び酢酸亜鉛;亜鉛を析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、硫酸亜鉛、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、ホウ酸、及びデキストリン、酸化亜鉛、シアン化ソーダ、及び苛性ソーダ、酸化亜鉛及び苛性ソーダ。
カドミウムを析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、酸化カドミウム、シアン化ソーダ、ゼラチン、及びデキストリン;スズを析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、硫酸第一スズ、硫酸、クレゾールスルホン酸、β−ナフトール、及びゼラチン、スズ酸カリ及び遊離苛性カリ;銀を析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、シアン化銀及びシアン化カリ;金を析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、金、シアン化カリ、炭酸カリ、及びリン酸水素カリ;白金を析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、塩化白金酸、第二リン酸アンモニウム、及び第二リン酸ソーダ、塩化白金酸及び酢酸塩;ロジウムを析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、濃硫酸及びロジウム、リン酸及びリン酸ロジウム。
ルテニウムを析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、ルテニウム錯体;黄銅を析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、シアン化第一銅、シアン化亜鉛、シアン化ナトリウム、及び炭酸ナトリウム;スズ鉛合金を析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、スズ、鉛、遊離ホウフッ酸、及びペプトン、スズ、鉛、遊離ホウフッ化水素酸、及びペプトン;鉄ニッケル合金を析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、スルファミン酸ニッケル、スルファミン酸第一鉄、及び酢酸ナトリウム;コバルト燐を析出させる場合の電解質溶液の主成分としては、塩化コバルト、亜リン酸、及びリン酸等が挙げられる。
本実施の形態が適用される金属部材の電気メッキ方法において使用するメッキ液103は界面活性剤を含有する。界面活性剤としては、特に限定されず、公知の陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、及び両性イオン性界面活性剤を、必要に応じて、少なくとも一種以上を適宜選択して使用することができる。これらの中でも、非イオン性界面活性剤が好ましい。
具体的には、陰イオン性界面活性剤としては、例えば、石鹸、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、フェニルエーテル硫酸エステル塩、メチルタウリン酸塩、スルホコハク酸塩、エーテルスルホン酸塩、硫酸化油、リン酸エステル、パーフルオロオレフィンスルホン酸塩、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、パーフルオロアルキル硫酸エステル塩、パーフルオロフェニルエーテル硫酸エステル塩、パーフルオロメチルタウリン酸塩、スルホパーフルオロコハク酸塩、パーフルオロエーテルスルホン酸塩等が挙げられる。
尚、これらの陰イオン性アニオン界面活性剤の塩のカチオンとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、テトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、C1〜C25アルキルフェノール系、C1〜C20アルカノール、ポリアルキレングリコール系、アルキロールアミド系、C1〜C22脂肪酸エステル系、C1〜C22脂肪族アミン、アルキルアミンエチレンオキシド付加体、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C25アルコキシ化リン酸(塩)、ソルビタンエステル、スチレン化フェノール、アルキルアミンエチレンオキシド/プロピレンオキシド付加体、アルキルアミンオキサイド、C1〜C25アルコキシ化リン酸(塩)、パーフルオロノニルフェノール系、パーフルオロ高級アルコール系、パーフルオロポリアルキレングリコール系、パーフルオロアルキロールアミド系、パーフルオロ脂肪酸エステル系、パーフルオロアルキルアミンエチレンオキシド付加体、パーフルオロアルキルアミンエチレンオキシド/パーフルオロプロピレンオキシド付加体、パーフルオロアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルジメチルエチルアンモニウム塩、ジメチルベンジルラウリルアンモニウム塩、セチルジメチルベンジルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、ヘキサデシルピリジニウム塩、ラウリルピリジニウム塩、ドデシルピコリニウム塩、ステアリルアミンアセテート、ラウリルアミンアセテート、オクタデシルアミンアセテート、モノアルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライド、エチレンオキシド付加型アンモニウムクロライド、アルキルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチルフェニルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、酢酸モノアルキルアンモニウム。
さらに、イミダゾリニウムベタイン系、アラニン系、アルキルベタイン系、モノパーフルオロアルキルアンモニウムクロライド、ジパーフルオロアルキルアンモニウムクロライド、パーフルオロエチレンオキシド付加型アンモニウムクロライド、パーフルオロアルキルベンジルアンモニウムクロライド、テトラパーフルオロメチルアンモニウムクロライド、トリパーフルオロメチルフェニルアンモニウムクロライド、テトラパーフルオロブチルアンモニウムクロライド、酢酸モノパーフルオロアルキルアンモニウム、パーフルオロアルキルベタイン系等が挙げられる。
両性イオン性界面活性剤としては、例えば、ベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキシドとアルキルアミン又はジアミンとの縮合生成物の硫酸化又はスルホン酸化付加物等が挙げられる。
界面活性剤の使用量は、特に限定されないが、通常、電解質溶液であるメッキ液103中の濃度として、0.0001重量%以上、好ましくは、0.001重量%以上使用する。但し、使用量の上限は、20重量%以下、好ましくは、10重量%である。
本実施の形態が適用される金属部材の電気メッキ方法においては、合金メッキを行い、メッキ膜の色調、磁性、接合性、導電性の向上等を図ることが可能である。適用できる合金メッキとしては、例えば、Au合金、Ag合金、Cu合金等が挙げられる。さらに、Ni−P、Ni−B、Ni−W、Ni−S、Ni−P、Co−Mo、Co−Ti、Fe−Mo、Fe−Cr、Cr−C、Ni−Co−P、Ni−Fe−P、Pd−As等が挙げられる。
本実施の形態が適用される金属部材の電気メッキ方法においては、アルミナや炭化珪素等の微粒末をメッキ液中に分散させ、これらの微粒子をメッキ金属の中へ共析させる複合メッキを行い、メッキ膜の耐磨耗性、潤滑性、耐食性の向上等を図ることが可能である。複合メッキにおいて用いられる微粒末は、特に限定されないが、通常の複合メッキに用いられるものであれば使用することができる。
微粒末の具体例としては、例えば、Al、Cr、Fe、TiO、ZrO、ThO、SiO、CeO、BeO、MgO、CdO、UO、CeO等の金属酸化物;ダイヤモンド、SiC、TiC、WC、VC、ZrC、TaC、Cr、BC、NbC、フッ化黒鉛、黒鉛等の炭素化合物;BN、TiN、Si等の窒化物;MoS、WS、ZnS、CdS等の硫化物;CaF等のフツ化物;BaSO、SrSO等の硫酸塩;さらに、TiH、ZrB、Cr、WSi、ガラス、カオリン、コランダム等が挙げられる。
また、色素を含有することも可能である。色素としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントレッド3等の油溶性染料;C.I.ピグメントブルー15等の有機顔料;エレクトロニクス用色素、記録用色素、環境クロミズム用色素、写真用色素、エネルギー用色素のうちの疎水性化合物等が挙げられる。さらに、例えば、PTFE、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリピロール、ポリアニリン、アセチルセルロース、ポリビニルアセテート、ポリビニールブチラール等の水に不溶なポリマーも使用することができる。
図1(b)に示すように、界面活性剤を含有する電解質溶液のメッキ液103は、攪拌子102の回転により攪拌されて発泡し、界面活性剤を含有する電解質溶液からなる連続的な気泡層111が形成される。形成された連続的な気泡層111は、攪拌子102が継続的に回転することにより、メッキ槽101内の気相部104に収容されている陽極105と被表面処理金属部材である陰極106とに供給される。形成された連続的な気泡層111は、陽極105と被表面処理金属部材である陰極106とに連続的に供給されることが好ましく、これにより、気泡層111中に含有される金属イオンが少量の場合でも、被表面処理金属部材である陰極106に効率的な電気化学的表面処理を施すことができる。尚、図示しないが、メッキ槽101内においては、メッキ液103から連続的に気泡層111が形成されると共に気泡層111の気泡が壊れてメッキ液103にもどる過程と、メッキ反応に消費されたメッキ液103が排除される過程が存在するので、メッキ槽101内の底部にはメッキ液103が残っていることが必要である。
陽極105と被表面処理金属部材である陰極106とに供給される連続的な気泡層111の構成単位の気泡の粒径は、特に限定されないが、通常、0.01mm以上、好ましくは、0.1mm以上である。但し、気泡層111の構成単位の気泡の粒径の上限は、通常、20mm以下、好ましくは、10mm以下、さらに好ましくは、3mm以下である。気泡の粒径が過度に小さい場合は、ピンホールを完全に除去できないおそれがある。また、気泡層111の構成単位の気泡の粒径が過度に大きい場合は、均一にメッキできないおそれがある。
本実施の形態において、気泡層111の構成単位の気泡の粒径を、上述した範囲内に調整する方法は特に限定されないが、通常、以下の方法に従って調整することが好ましい。図4は、気泡の粒径調整方法を説明する図である。図4(a)に示すガラス容器401中には、所定量の界面活性剤を添加したメッキ液403が収容され、所定の大きさの細孔を有するグラスフィルタ413と、ガラス容器401の上部からガラス容器401中に挿入されてグラスフィルタ413と連通する送気管412と、が取り付けられている。次に、図4(b)に示すように、送気管412を介して供給された所定の圧力の窒素ガス(Nガス)がグラスフィルタ413から吐出することにより、界面活性剤を含有する電解質溶液のメッキ液403が発泡し、所定の高さHの連続的な気泡層111が形成される。続いて、図4(c)に示すように、窒素ガス(Nガス)の供給を停止することにより、メッキ液403の発泡が消失し、ガラス容器401内に気相部404が生じて連続的な気泡層111の高さがH/2になるまでの時間(半減期)を測定する。
図4において、グラスフィルタ413のフィルタサイズは特に限定されないが、通常、5μm〜100μmである。窒素ガス(Nガス)の供給圧力は特に限定されないが、通常、1kPa〜100kPaである。メッキ液403に添加される界面活性剤の濃度は、前述した範囲内において適宜調整される。半減期は、特に限定されないが、通常、10秒以下、好ましくは、3秒以下である。但し、通常、0.1秒以上である。半減期が過度に小さいと、メッキに必要な大きさの気泡を得ることが困難であるため好ましくない。また、半減期が過度に大きいと、メッキにより形成されるメッキ膜中のピンホールを低減できないので好ましくない。
尚、界面活性剤を含有する電解質溶液であるメッキ液103を発泡させ、連続的な気泡層111を形成する手段としては、例えば、メッキ槽101の底部から、細かいフィルターを通して不活性ガスを供給する方法、超音波振動を用いる方法等が挙げられ、適宜選択することができる。また、界面活性剤を含有する電解質溶液からなる連続的な気泡層111を供給する手段としては、例えば、メッキ槽101の外部に界面活性剤を含有する電解質溶液を調製するための収容槽を設け、その収容槽内において連続的な気泡層111を形成し、適当な供給ラインを介してメッキ槽101内に供給する方法を採用することも可能である。さらに、例えば、工業的に、電気亜鉛メッキラインにおいて行われているように、鋼板等の被表面処理金属部材を、電解質溶液からなる気泡層111に満たされた電気メッキ槽中に連続的に供給し、電気メッキを行うこともできる。
本実施の形態が適用される金属部材の電気メッキ方法における電気メッキの条件は、電気メッキを行う金属の種類により適宜選択され、特に限定されないが、例えば、ニッケルメッキでワット浴を用いる場合、通常、使用する電解質溶液であるメッキ液103の濃度は、260g/1〜490g/1、好ましくは、300g/1〜400g/1である。また、電解質溶液であるメッキ液103のpHは、通常、1.5〜5.0、好ましくは、3.0〜4.8である。電気メッキの温度は、通常、40℃〜70℃、好ましくは、45℃〜60℃である。
本実施の形態が適用される金属部材の電気メッキ方法によれば、電気メッキにより形成されたメッキ膜は、析出した金属の結晶粒子の粒子径が小さくなる。具体的には、従来行われているメッキ液を用い、同一の電気メッキを行う条件により金属部材表面にメッキ膜を形成した場合と比較して、析出した結晶粒子の粒子径が、少なくとも80%以下となる。また、メッキ膜表面の結晶粒子の粒子径が細径化することに加えて、同時にメッキ膜表面に存在するピンホールが圧倒的に減少する。このため、メッキ膜の厚さが小さい場合でも、耐食性にすぐれた表面性能が得られる。さらに、例えば、ステンレスのように、予め、化学メッキにより表面処理を施し、その後電気メッキを行う必要があった金属部材の表面に、直接電気メッキを行うことが可能となり、メッキ処理を行う上で工程の簡略化を図ることができる。
また、本実施の形態が適用される金属部材の電気メッキ方法によれば、界面活性剤を含有するメッキ液103からなる連続した気泡層111中で電気メッキを行うので、電気メッキ終了後、被メッキ体を気泡層111中から引き上げた際のメッキ液103の汲み上げ量が少ないことから、電気メッキ工程の大幅なコストダウン等、省資源化が可能となる。
本実施の形態が適用される金属部材の電気メッキ方法により、このように、メッキ膜を構成する金属の結晶粒子が微粒子化し、また、メッキ膜表面に存在するピンホールが圧倒的に減少する理由は明確ではないが、以下のように考えられる。即ち、界面活性剤を含有するメッキ液103からなる連続した気泡層111中で電気メッキを行う場合、電気メッキは、電解液によって形成された個々の気泡の気泡壁が被表面処理金属部材の表面上を流動しながら接触することにより行われる。また、気泡層111を構成する一つ一つの気泡の壁に含まれる金属イオンの量は少ないので、個々の気泡が被表面処理金属部材の表面に接触し、還元される金属イオンの量は限定され、その結果、金属部材の表面に析出する金属粒子の粒子径が小さくなる。
また、従来の電気メッキのように、メッキ液の液体中で電気メッキが行われる場合と比較して、電気分解によって生じる気体の微細な気泡がメッキ液103の大きな気泡に吸収されやすく、その結果、メッキ膜の表面にピンホールが生じる機会が大幅に減少する。このような現象は、電気メッキの場合に限られず、例えば、電解研磨、陽極酸化の場合も同様な現象が起こると考えられる。
次に、本実施の形態が適用される金属部材の電気メッキ方法及び金属部材の電気メッキ装置において、連続的に気泡層を形成する他の手段の一つについて具体的に説明する。図2は、電気メッキ装置の他の実施形態を説明する図である。図1に示した電気メッキ装置100と同様な部分については共通の符号を使用し、説明を省略する。図2に示した電気メッキ装置200は、メッキ槽101の底部付近に設けられ、所定の大きさの細孔を有するグラスフィルタ213と、メッキ槽101の上部からメッキ槽101中に挿入されてグラスフィルタ213と連通する送気管212と、メッキ槽101の上部と下部とを、ポンプ214を介して連通する循環配管215と、を備えている。また、直流電源107の正極側に導通する電極物質である陽極105がグラスフィルタ213の上側に設けられ、さらに、直流電源107の負極側に導通する電極物質であり且つ被表面処理金属部材である陰極106は、メッキ槽101の上部に取り付けられている。
グラスフィルタ213は、所定の細孔を有し、細孔の孔径は特に限定されないが、通常、5μm〜100μm程度、好ましくは10μm〜30μm程度である。送気管212を介してグラスフィルタ213に送気される気体は、特に限定されないが、通常、空気又は窒素ガス等の不活性ガスが用いられる。グラスフィルタ213に送気される気体の圧力は、通常、1kgf/cm以下である。
図2に示すように、メッキ槽101中に予め収容されている界面活性剤を含有する電解質溶液のメッキ液103は、送気管212を介して供給された窒素ガス(Nガス)がグラスフィルタ213から吐出することにより発泡し、界面活性剤を含有する電解質溶液からなる連続的な気泡層111が形成される。形成された気泡層111は、グラスフィルタ213から吐出するNガスの流れとともに、メッキ槽101底部に設けられている陽極105の表面を経て、被表面処理金属部材である陰極106に連続的に供給される。気泡層111は、メッキ槽101の上部に達して気泡が壊れてメッキ液103に戻る。メッキ液103は、ポンプ214により、循環配管215中を通ってメッキ槽101の底部から再びメッキ槽101中に供給される。
図2に示すように、本実施の形態が適用される電気メッキ装置200は、界面活性剤を含有する電解質溶液の連続的な気泡層111を形成する気泡層形成手段として、外部からメッキ槽101内にNガスを供給する送気管212と、送気管212の先端に取り付けられたグラスフィルタ213とを備えている。グラスフィルタ213が陽極105の下側になるように配置され、メッキ液103がグラスフィルタ213から吐出するNガスにより発泡することにより、界面活性剤を含有する電解質溶液の連続的な気泡層111が、陽極105の上流側から、常に、陽極105に供給され、さらに陰極106に供給されることになる。
このように、界面活性剤を含有する電解質溶液の連続的な気泡層111が、陽極105の上流側から、常に、陽極105に供給されることにより、被表面処理金属部材である陰極106の電気化学的表面処理の効率をさらに向上させることができる。
図3は、多槽式の電気メッキ装置を説明する図である。図1に示した電気メッキ装置100及び図2に示した電気メッキ装置200と同様な部分については共通の符号を使用し、説明を省略する。図3には複数のメッキ槽を有する多槽式の電気メッキ装置が示されている。図3に示すように、多槽式の電気メッキ装置300は、中央部に設けられた陰極槽106aと、陰極槽106aの両側にそれぞれ3個ずつ積層して配置された6個のメッキ槽301a,301b,301c,301d,301e及び301fと、電気メッキ装置300の側面に取り付けられ、各メッキ槽にNガスを供給する2本の送気管212と、電気メッキ装置300の両側にそれぞれ配置されたポンプ214により、陰極槽106aの下部に溜まるメッキ液303を各メッキ槽に供給する循環配管215と、を備えている。
図3に示すように、陰極槽106aには、導線110により直流電源107に接続された被表面処理金属部材である陰極106が取り付けられている。各メッキ槽301a,301b,301c,301d,301e及び301fには、それぞれのメッキ層の下部に、導線109により直流電源107に接続された陽極105a,105b,105c,105d,105e及び105fが配置されている。送気管212の先端部には、それぞれ、グラスフィルタ213a,213b,213c,213d,213e及び213fが取り付けられている。
図3に示すように、各メッキ槽301a,301b,301c,301d,301e及び301f中に予め収容されている界面活性剤を含有する電解質溶液のメッキ液は、送気管212を介して供給された窒素ガス(Nガス)がグラスフィルタ213a,213b,213c,213d,213e及び213fから吐出することにより発泡し、界面活性剤を含有する電解質溶液からなる連続的な気泡層111が形成される。形成された気泡層111は、Nガスの流れとともに、各陽極105a,105b,105c,105d,105e及び105fの表面を経て、各メッキ槽301a,301b,301c,301d,301e及び301fの上部の出口から押し出され、陰極槽106aに取り付けられた陰極106に連続的に供給される。気泡層111は、陰極106をメッキ処理しながら陰極槽106a中を降下し、気泡が消失したメッキ液303は、ポンプ214により、循環配管215中を通って、各メッキ槽301a,301b,301c,301d,301e及び301f中に、再びそれぞれ供給される。
図3に示すように、本実施の形態が適用される多槽式の電気メッキ装置300は、縦長の陰極槽106aを備えることにより、縦長の被表面処理金属部材のメッキ処理を効率よく行うことができる。また、界面活性剤を含有する電解質溶液からなる連続した気泡層111による電気メッキ処理が、比較的小さい容積である陰極槽106a内で行われるので、電気メッキ工程の大幅なコストダウン等、省資源化がさらに向上する。
尚、本実施の形態が適用される金属部材の電気化学的表面処理方法及び金属部材の電気化学的表面処理装置によれば、電気メッキ以外に、電鋳、陽極酸化被膜の形成、電解研磨、電解加工、電気泳動塗装、電解精錬、化成処理等の電気化学的表面処理を簡便に行うことが可能となる。
以下、実施例に基づき本実施の形態についてさらに詳述する。但し、本実施の形態はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例又は比較例中の部及び%は、特にことわらない限り、総て重量基準である。
(1)メッキ液の調製
(i)水1000部に、硫酸ニッケル370部、塩化ニッケル90部及び硼酸50部を溶解し、硫酸を添加してpH5.0に調整した後、界面活性剤(ライオン株式会社製ライオノール)を3%添加してニッケルメッキ液を調製した(メッキ液1)。
(ii)界面活性剤を添加しない以外は、メッキ液1の場合と同じ操作を行ってニッケルメッキ液を調製した(メッキ液2)。
(2)電気メッキ処理
陽極に純ニッケル板、陰極に真鍮板又は銅板を用い、前述したメッキ液1及びメッキ液2をそれぞれ用いて、50℃において、電流密度2.5mA/dmの条件で、所定時間、電気メッキ処理を行い、真鍮板又は銅板の表面にニッケルのメッキ膜を形成した。
(3)メッキ膜のピンホールの観察
電気メッキ処理により、真鍮板の表面に、厚さ約30μmのニッケルのメッキ膜を形成し、その表面を光学顕微鏡(倍率450倍)により観察し、以下の基準によりピンホールの有無を評価した。
○:径 1μm以上のピンホールが観察されない。
△:径 1μm以上のピンホールがわずかに観察される。
×:径 1μm以上のピンホールが無数に観察される。
(4)メッキ膜表面の平滑性の評価
電気メッキ処理により、真鍮板の表面に、厚さ約30μmのニッケルのメッキ膜を形成し、その表面を超深度形状測定顕微鏡を用いて面粗度を測定した。数値が小さいほど、メッキ膜表面の平滑性が良好である(単位:nm)
(5)メッキ膜の硬度
電気メッキ処理により、真鍮板の表面に、厚さ約300μmのニッケルのメッキ膜を形成し、その表面を、JIS Z 2244に準拠して、ビッカース硬さ計を用いてメッキ膜の硬さを測定した。数値が大きいほどメッキ膜の硬さが大きい(単位:Hv)。
(6)メッキ膜を形成する結晶粒子の粒径の測定
電気メッキ処理により、銅板の表面に、厚さ約3μmのニッケルのメッキ膜を形成し、次に、基板の銅板を研磨して除去した後、イオンガンから傾斜角度10°でイオンを照射してイオンエッチングを行て作成した超薄切片を、透過形電子顕微鏡を用いて観察して、メッキ膜上に析出したニッケルの結晶粒子径を測定した。数値が小さいほど、微細な結晶粒子によりメッキ膜が形成されている(単位:nm)。
(実施例1、2)
底部に攪拌装置を備えた内容積200ccのメッキ槽内に、予め調製したメッキ液1を40ccを導入し、次に、メッキ槽の気相中に、陽極の純ニッケル板と陰極の真鍮板とを固定した。続いて、メッキ槽の底部に備えた攪拌装置によりメッキ液1を攪拌して発泡させ、メッキ液1の液面の上部に、粒径0.1〜2mmの気泡からなる高さ約6cmの連続した気泡層を形成し、メッキ槽の気相中に固定されている陽極の純ニッケル板と陰極の真鍮板とを気泡層中に埋没させた。続いて、両極間に電圧を印加して、所定時間、真鍮板の表面に電気メッキを行った。電気メッキが終了後、真鍮板を取り出し、真鍮板の表面に形成されたニッケルのメッキ膜について、ピンホールの有無、平滑性、硬さを測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
陰極を銅板にした以外は、実施例1の場合と同様な操作により電気メッキを行い、銅板の表面に形成されたニッケルのメッキ膜について、結晶粒子径の測定を行った。結果を表1に示す。
(比較例1、2)
底部に攪拌装置を備えた内容積200ccのメッキ槽内に、予め調製したメッキ液2を180ccを導入し、メッキ液2中に、陽極の純ニッケル板と陰極の真鍮板とを浸漬した。次に、攪拌装置によりメッキ液2を攪拌し、両極間に電圧を印加して、所定時間、電気メッキを行った。電気メッキが終了後、真鍮板を取り出し、真鍮板の表面に形成されたニッケルのメッキ膜について、ピンホールの有無、平滑性、硬さを測定した。結果を表1に示す。
(比較例3)
陰極を銅板にした以外は、比較例1の場合と同様な操作により電気メッキを行い、銅板の表面に形成されたニッケルのメッキ膜について、結晶粒子径の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2004308003
表1の結果から、界面活性剤を含有するニッケルメッキ液からなる連続した気泡層を形成し、この気泡層中に真鍮板を接触させて行った電気メッキにより形成されたニッケルのメッキ膜は(実施例1〜実施例3)、メッキ膜表面にはピンホールが観察されず、平滑且つ緻密な表面が形成されている(実施例1)。また、ニッケルのメッキ膜の硬さが増大し(実施例2)、さらに、メッキ膜を構成しているニッケルの結晶粒子は細径化している(実施例3)ことが分かる。
これに対して、従来の手法により電気メッキを行って得られたニッケルのメッキ膜(比較例1〜比較例3)は、メッキ膜表面にピンホールが観察され、表面の平滑性が向上しない(比較例1)。また、ニッケルのメッキ膜の硬さが低く(比較例2)、さらに、メッキ膜を構成しているニッケルの結晶粒子径が大きい(比較例3)ことが分かる。
本実施の形態が適用される金属部材の電気メッキ方法及び金属部材の電気メッキ装置を説明するための図である。図1(a)は、電気メッキが行われる前の状態を示し、図1(b)は、電気メッキが行われている状態を示している。 電気メッキ装置の他の実施形態を説明する図である。 多槽式の電気メッキ装置を説明する図である。 気泡の粒径調整方法を説明する図である。
符号の説明
100,200,300…電気メッキ装置、101,301a,301b,301c,301d,301e,301f…メッキ槽、102…攪拌子、103,303,403…メッキ液、104,404…気相部、105,105a,105b,105c,105d,105e,105f…陽極、106…陰極、106a…陰極槽、107…直流電源、108…スイッチ、109,110…導線、111,411…気泡層、212,412…送気管、213,213a,213b,213c,213d,213e,213f,413…グラスフィルタ、214…ポンプ、215…循環配管、401…ガラス容器

Claims (11)

  1. 界面活性剤を含有する電解質溶液を調製し、
    前記調製された電解質溶液からなる連続的な気泡層を形成し、
    前記形成された連続的な気泡層を被表面処理金属部材に供給し、
    前記被表面処理金属部材に所定の電圧を印加することを特徴とする金属部材の電気化学的表面処理方法。
  2. 前記電解質溶液は、水を溶媒とすることを特徴とする請求項1記載の金属部材の電気化学的表面処理方法。
  3. 前記連続的な気泡層は、前記電解質溶液と空気又は不活性ガスとから形成されることを特徴とする請求項1記載の金属部材の電気化学的表面処理方法。
  4. 前記被表面処理金属部材を、予め形成された前記連続的な気泡層中に導入することを特徴とする請求項1記載の金属部材の電気化学的表面処理方法。
  5. 界面活性剤を含有する電解質溶液からなる連続的な気泡層を形成する気泡層形成手段と、
    前記気泡層形成手段により形成された連続的な気泡層を被表面処理金属部材に供給する気泡層供給手段と、
    前記被表面処理金属部材に所定の電圧を印加する電圧印加手段とを備えることを特徴とする金属部材の電気化学的表面処理装置。
  6. 前記電圧印加手段は、外部電解と、前記外部電解の正極側に導通する電極物質と、当該外部電解の負極側に導通する前記被表面処理金属部材とを有することを特徴とする請求項5記載の金属部材の電気化学的表面処理装置。
  7. 前記気泡層形成手段は、空気又は不活性ガスにシールされた前記電解質溶液を攪拌する攪拌装置を有することを特徴とする請求項5記載の金属部材の電気化学的表面処理装置。
  8. 前記気泡層形成手段は、前記電解質溶液中に空気又は不活性ガスを導入する導入装置を有することを特徴とする請求項5記載の金属部材の電気化学的表面処理装置。
  9. 前記気泡層形成手段は、前記電解質溶液中に多孔体を通して所定の圧力の空気又は不活性ガスを導入する送気管を有することを特徴とする請求項5記載の金属部材の電気化学的表面処理装置。
  10. 前記気泡層形成手段は、前記電解質溶液の収容槽内に収容された当該電解質溶液を攪拌する攪拌装置を有することを特徴とする請求項5記載の金属部材の電気化学的表面処理装置。
  11. 前記気泡層形成手段は、前記電解質溶液の収容槽の外部に設けられた他の収容槽を有することを特徴とする請求項5記載の金属部材の電気化学的表面処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008223059A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Nokodai Tlo Kk めっき部材の製造方法及び電気めっき装置
JP2009084671A (ja) * 2007-10-03 2009-04-23 Yoshiji Ichihara 電気めっき方法
JP2011173063A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Kyocera Corp 気泡発生用部材およびこれを用いた気泡発生装置並びに気泡発生方法
JP2013249525A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Yoshiji Ichihara 部分めっき装置及び部分めっき方法

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