JP2017531584A - サイプ成形部材用補剛材 - Google Patents

Abstract

本発明の実施形態は、製造作業中に生じるサイプ成形部材（１０）の変形を低減する方法と、サイプ形成部（１２）及びサイプ形成部に沿って離間した複数の補剛部材（２０）を備えるサイプ成形部材（１０）と、を含む。サイプ形成部（１２）は、サイプ成形部材（１０）の長さの方向に延びる長さ、成形空間の深さに延びるように構成された高さ、ならびに該長さ及び該高さの両方に対して垂直に延びる厚さを有する。サイプ成形部材（１０）は、サイプ形成部の厚さに相応する厚さ、サイプ形成部の長さの少なくとも一部により形成される長さ、及びサイプ形成部の高さの少なくとも一部により形成される深さを有するサイプを形成するように構成されている。複数の補剛部材（２０）の各々はサイプ形成要素の厚さから外方に延びる。さらなる実施形態は、成形タイヤトレッドを形成する方法を含む。

Description

発明の背景
本発明は、一般に、サイプ成形部材及びそれから形成されるタイヤトレッドに関し、より具体的には、補剛材を有するサイプ成形部材及びそれから形成されるタイヤトレッドに関する。

サイプ（「ラメラ」とも称される）は、成形要素（本明細書において「サイプ成形部材」とも称される）を用いて共通して形成され、薄い部材を使用して成形作業中にサイプを形成するサイプは非常に狭い、または薄い空隙またはスリットであり、その結果、タイヤ作動中にサイプの対向する側面は互いに接し、または当接する。サイプは横溝または縦溝などの空隙と区別可能であり、そのため空隙はタイヤ作動中に空隙の対向する側面が互いに離間し、かつ接しないようにサイズ決めされる。これにより、空隙は、水、泥、雪またはトレッド及び道路面などの意図するタイヤ作動面間の牽引を容易にするための任意の他の材料を受容することが可能である。

金属製品は、例えば金属レーザー焼結などの形成作業中に意図しない変形を生じることが知られている。変形は、加熱及び冷却時の不安定さに起因して生じ得る。したがって、結果として生じる製品は元の製品設計と寸法が異なる可能性がある。例えば、サイプ成形要素に関して、このような変形により不完全な寸法のサイプ成形部材を生じる可能性があるだけでなく、タイヤトレッド中に不完全な寸法のサイプを生じる場合があり、その結果、タイヤの性能に影響を与える可能性がある。変形の低減に役立つ技術は知られているが、こうした技術は別の材料との交換を必要とし、あるいは力やスピードなどのプロセスパラメータの変更が必要である。したがって、レーザー焼結中に適用される任意の力に対して（すなわち適用される力に関係なく）、動作のプロセスパラメータを変更せずに任意の所望の材料について製品形成作業中の変形を低減する方法を提供することが必要である。

本発明の特定の実施形態は、サイプ形成部と、サイプ形成部に沿って離間した複数の補剛部材と、を備えるサイプ成形部材を含む。サイプ形成部材は、サイプ成形部材の長さの方向に延びる長さ、成形空間の深さに延びるように構成された高さ、ならびに当該長さ及び高さの両方に垂直に延びる厚さを有する。サイプ成形部材は、サイプ形成部の厚さに相応する厚さ、サイプ形成部の長さの少なくとも一部により形成される長さ、及びサイプ形成部の高さの少なくとも一部により形成される深さを有するサイプを形成するように構成される。複数の補剛部材の各々は、サイプ形成要素の厚さから外方に延びる。

本発明のさらなる実施形態は、製造作業中に生じるサイプ成形部材の変形を低減する方法を含む。本方法の特定の実施形態は、タイヤトレッド中にサイプを形成するように構成されたサイプ成形部材を形成するステップを含む。特定の実施形態において、サイプ成形部材は上記のサイプ成形部材を備える。

本発明のまたさらなる実施形態は、成形タイヤトレッドを形成する方法を含む。特定の実施形態において、本方法は、上記のサイプ成形部材などのタイヤトレッド中にサイプを形成するように構成されたサイプ成形部材を提供するステップを含む。さらなるステップは、金型内にサイプ成形部材を配置して、少なくともタイヤトレッドを成形するステップであって、タイヤトレッドは、サイプ成形部材により形成されるサイプを含む。

同様の符号が本発明の同様の部品を表す添付図に図示するように、本発明の前記その他の物体、特徴及び利点は、本発明の特定の実施形態に関する下記の詳細図から明らかである。

本発明の実施形態によるサイプ形成部の起伏間に、サイプ成形部材のサイプ形成部から、かつそれに沿って外方に延びる複数の補剛材を有するサイプ成形部材の斜視図である。 断面２−２に沿って切り取った図１のサイプ成形部材の側面斜視図である。 本発明の別の実施形態によるサイプ形成部の起伏間に、サイプ成形部材のサイプ形成部から、かつそれに沿って外方に延びる複数の補剛材を有するサイプ成形部材の斜視図である。 断面４−４に沿って切り取った図３のサイプ成形部材の下断面図である。 は、本発明の別の実施形態による、サイプ形成部から、かつその間に延びる複数の補剛材、及びサイプ成形部材の埋設された空隙形成部を有するサイプ成形部材の斜視図である。 断面６−６に沿って切り取った図５のサイプ成形部材の側断面図である。 断面７−７に沿って切り取った図５のサイプ成形部材の上断面図である。 図７のサイプ成形部材の代替的実施形態によるサイプ成形部材の上断面図であり、サイプ形成部の対向する側面上にある補剛材は、サイプ成形部材の長さに沿って互い違いにあり、またはオフセットされる。 代替的実施形態によるサイプ成形部材の斜視図であり、サイプ形成部は、非直線経路に沿ってサイプ形成部の高さの方向に延びる。 断面１０−１０に沿って切り取った図９のサイプ成形部材の側断面図である。

本発明の実施形態は、サイプ成形部材の形成（製造）作業中にサイプ成形部材の変形に耐え、それによりサイプ成形部材及びその設計の寸法一体性を保持及び維持する複数の補剛部材を含むサイプ成形部材を備える。したがって、本発明の特定の実施形態は、サイプ成形部材の製造中に生じるサイプ成形部材の変形を低減する方法であって、本明細書で論じられる複数の補剛材を備えるサイプ成形部材を形成することを含む、方法を含む。さらなる実施形態は、サイプ成形部材を形成する方法と、サイプ成形部材により各々形成される１つ以上のサイプを有するタイヤトレッドまたはタイヤを形成する方法とを含む。

特定の実施形態において、サイプ形成要素は、サイプ成形部材の長さの方向に延びる長さ、成形空間の深さに延びるように構成された高さ、ならびに当該長さ及び高さの両方に垂直に延びる厚さを有するサイプ形成部を備える。サイプ成形部材は、サイプ形成部の厚さに相応する厚さ、サイプ形成部の長さの少なくとも一部により形成される長さ、及びサイプ形成部の高さの少なくとも一部により形成される深さを有するサイプを形成するように構成される。上記のように、サイプは、非常に狭い、または薄い空隙またはスリットであり、その結果タイヤ作動中にサイプの対向する側面は互いに接し、または当接する。横または縦溝などの空隙は、タイヤ作動中に空隙の対向する側面が互いに離間し、かつ接しないようにサイズ決めされる。これにより、空隙は、水、泥、雪またはトレッド及び道路面などの意図するタイヤ作動面間の牽引を容易にするための任意の他の材料を受容することが可能である。

サイプ形成部の厚さは、サイプ形成部の高さ及び長さの両方に対して横方向に延びる。厚さは、一定または可変であり得る。サイプ形成部の長さ及び／または高さは、例えば弓形または起伏であり得る任意の直線または非直線経路に沿って延び得ると理解される。「起伏のある」は、経路が例えば複数の山及び谷を生じる方向に複数の変化間で互い違いになっていることを意味する。すなわち、起伏のある経路は、２つ以上の山または谷（すなわち、頂点及び溝）を提供するように複数のインスタンスを前後にジグザグに進む。例示的な起伏のある経路は、正弦波、ノコギリ波または矩形波経路を含む。したがって、非直線経路は曲線であり得、または複数の直線区画またはその任意の組み合わせを含み得ると考えられる。

サイプ形成要素は、サイプ形成部に沿って離間した複数の補剛部材をさらに備え、複数の補剛部材の各々は、サイプ形成要素の厚さから外方に延びる。サイプ形成部に沿って離間するとき、複数の補剛部材（本明細書中で「補剛材」とも称される）は、サイプ形成部の厚さの任意の一側または両側においてサイプ形成部の高さ及び／または長さの方向などの任意の方向に（任意の方向または方向の組み合わせ、あるいは両方向を意味する）離間し得る。例えば、サイプ形成部の高さまたは長さの方向に、または各方向に延びるように補剛材のアレイを配置し得る。外方に延びるとき、補剛材部材は、サイプ形成部の厚さの方向に外方に延び、それによりサイプ形成部の局所の厚さを増すと言える。サイプ形成部の長さ及び／または高さに沿って離間した補剛部材を提供することにより、サイプ形成部は、サイプ成形部材の変形により耐えるように曲げ係数を増したサイプ形成部になる。また、補剛材は、加熱及び冷却サイクル中にサイプ成形部材に沿ってよりバランスよく、またはより均一に応力を配置し、それによりサイプ成形部材の変形を低減し、または変形をなくしもする、マスバランスを改善したサイプ成形部材を提供する。

特定の実施形態において、補剛材は、サイプ形成部の高さの方向に延びる高さを有する。その際、補剛材の高さは、（１）サイプ形成部の高さを画定するサイプ形成部の高さの方向に全体に（すなわち、完全に）延び、つまりサイプ形成部の長さに対して垂直な方向に延び、または（２）補剛材の高さが２つ以上のベクトル成分に延びる方向をパースするとき、ベクトル成分のうちの１つがサイプ形成部の高さを画定するサイプ形成部の高さの方向に延びるように一部高さの方向に延びる。サイプ形成部の任意の高さに沿って延びるように任意の補剛材を配置し得ると理解される。例えば、補剛材の高さは、サイプ形成部の高さの高さ全体または任意の一部高さに延び得る。したがって、特定の実施形態において、複数の補剛材の各々は、空隙形成部からサイプ形成部の末端に、またはその下に位置する末端に対してサイプ形成部の高さの方向に外方に延びる。特定の実施形態において、金型取付部は、本明細書でさらに論じられるサイプ形成部の末端から延びると理解される。

特定の実施形態において、補剛材は、サイプ形成部の長さの方向に延びる長さを有する。その際、補剛材の長さは、（１）サイプ形成部の長さを画定するサイプ形成部の長さの方向に全体に（すなわち、完全に）延び、つまりサイプ形成部の高さに対して垂直な方向に延び、または（２）補剛材の長さが２つ以上のベクトル成分に延びる方向をパースするとき、ベクトル成分のうちの１つがサイプ形成部の長さを画定するサイプ形成部の長さの方向に延びるように一部長さの方向に延びる。サイプ形成部の任意の長さに沿って延びるように任意の補剛材を配置し得ると理解される。例えば、補剛材の長さは、サイプ形成部の長さの長さ全体または任意の一部長さに延び得る。

また、補剛材は、補剛材の長さに対して垂直に延びる平面に沿ってなど、外部から断面での任意の所望の形状を含み得ると理解される。例えば、補剛材の外形は、一部円錐、円柱または円盤であり得、あるいは長方形または正方形を含み得る。また、補剛材は中空または固形であり得ると理解される。

特定の実施形態において、サイプ成形部材は、サイプ成形部材の長さの方向に、またはサイプ成形部材の任意の他の方向、あるいはサイプ形成部に関連する任意の方向に延びる長さを有する空隙形成部をさらに備える。これらの実施形態において、サイプ形成部の高さは、空隙形成部から外方に延びる。空隙形成部は、例えば横または縦溝などの任意の所望の空隙を形成し得ると理解される。また、空隙形成部は、トレッド厚さの任意の位置に空隙を形成するように構成され得ると理解される。例えば、一定の実施形態において、空隙形成部は、トレッドの地面係合側からトレッド厚さ内に埋設された空隙を形成するように構成された沈水形成部である。埋設された空隙形成部を有するサイプ成形部材は、涙滴型サイプとして業界内で既知のものを形成し、サイプの高さは、埋設された空隙からトレッドの地面係合側に向かって外方に延びる。当然ながら、空隙形成部はトレッドの地面係合側に沿って空隙を形成するように配置され得、その結果、空隙は沈水せず、かつサイプ形成部により形成されるサイプは、トレッドの地面係合側の下のトレッド厚さ内に沈水し、サイプは空隙のトレッド厚さに延びると理解される。沈水するとき、空隙またはサイプはトレッドの地面係合側の下でオフセットされる。

任意のサイプまたは空隙は、トレッド長さ及び／または幅の方向になど、トレッド厚さに対して横方向の任意の方向に延びる長さを有し得ると理解される。例えば、サイプまたは溝は、縦または横サイプまたは溝であり得る。縦溝またはサイプは一般に、タイヤ周りに周方向に延び得るトレッドの長さの方向に延びる。また、縦溝またはサイプは、タイヤの周方向に対して付勢される角度で延び得ると考えられる。横溝またはサイプは一般に、トレッドの幅の方向に延び、横溝またはサイプは一般に、（トレッドの長さの方向に延びる）トレッドの縦方向の中心線に対して垂直な方向に、または縦方向の中心線に対して付勢される角度で延びる。任意の空隙またはサイプの長さは、必要に応じて任意の直線または非直線経路に沿って延び得、非直線経路は本明細書により完全に記載されると理解される。さらに、本明細書に別段記載しない限り、本明細書で論じられる任意の溝は横または縦溝を含み得、かつ任意のサイプは横または縦サイプを含み得る。したがって、本明細書に別段記載しない限り、空隙形成部は、それぞれ縦溝または横溝を形成するように構成された縦または横空隙形成部であり得る。同様に、本明細書に別段記載しない限り、サイプ形成部は、それぞれ縦または横サイプを形成するように構成された縦または横サイプ形成部であり得る。

補剛材は埋設された空隙形成部から離間し得るが、一定の例において、複数の補剛部材は埋設された空隙形成部の長さに沿って離間し、複数の補剛部材の各々は埋設された空隙形成部及びサイプ形成部の各々から、かつその間に延びるように配置されると理解される。

特定の実施形態において、サイプ形成部はサイプ形成部の高さの方向に起伏した非直線経路に沿って延び、複数の補剛材の各々は、起伏間に、またはサイプ形成部のうちの１つの起伏から別の起伏に延びる。その際、複数の補剛部材は、隣接する起伏間のサイプ形成部の高さの方向に整列し得、または隣接する起伏間のサイプ形成部の長さの方向に互い違いになり得る。他の実施形態において、サイプ形成部はサイプ形成部の長さの方向に起伏した非直線経路に沿って延び、複数の補剛材の各々はサイプ形成部の起伏間（すなわち、１組の起伏部）に延びる。その際、複数の補剛材は隣接する起伏間のサイプ形成部の長さの方向に整列し得、または隣接する起伏間のサイプ形成部の高さの方向に互い違いになり得る。

特定の実施形態において、複数の補剛材が配置され、複数の補剛材のうちの１つ以上は、サイプ形成部の各対向する側面に沿って、すなわちサイプ形成部の厚さの対向する側面上に配置される。また、複数の補剛材はサイプ形成部の一側上にのみ配置され得ると理解される。補剛材がサイプ形成部の両側上に配置される例において、補剛材は任意の左右の相対関係で配置され得る。１例において、サイプ形成部の厚さの対向する側面のうちの第１の側面に沿って配置される複数の補剛材のうちの１つ以上は、サイプ形成部の厚さの対向する側面のうちの第２の側面に沿って配置される複数の補剛材のうちの１つ以上に対向して配置される。別の例において、サイプ形成部の厚さの対向する側面のうちの第１の側面に沿って配置される複数の補剛材のうちの１つ以上は、サイプ形成部の厚さの対向する側面のうちの第２の側面に沿って配置される複数の補剛材のうちの１つ以上に対してサイプ形成部の長さに沿って互い違いの関係で配置される。

上記のように、本発明の特定の実施形態は、サイプ成形部材の製造中に生じるサイプ成形部材の変形を低減する方法であって、本明細書で考慮される任意の実施形態による複数の補剛材を備えるサイプ成形部材を形成することを含む、方法を含む。本明細書に記載される任意の実施形態において、サイプ成形部材は任意の既知プロセスにより形成され得ると理解される。例えば、特定の実施形態において、サイプ成形部材は、直接または選択的レーザー焼結などの任意の既知のレーザー焼結プロセスにより形成されるレーザー焼結製品である。さらなる例により、サイプ成形部材は、他の三次元印刷方法、成形または鋳造により形成され得る。また、複数の補剛材は、接着剤、溶接または締結具などの補剛材を取付ける任意の既知手段を用いて既存のサイプ成形部材に加えられ得ると理解される。サイプ成形部材は、任意の既知材料または組成物から形成され得ると理解される。例示的組成物は、任意の金属または金属組成物を含む。

本発明のさらなる実施形態は、サイプ成形部材により各々形成される１つ以上のサイプを有するタイヤトレッドまたはタイヤを形成する方法を含む。サイプ成形部材を形成及び提供した後、サイプ成形部材は、金型内に配置され、金型は少なくともタイヤトレッドを成形するように構成された成形空間を有し、サイプ成形部材のサイプ形成部は成形空間内に配置される。金型内へのサイプ成形部材の取付けを容易にするために、サイプ成形部材は、先行技術のうちの１つとして知られる任意の構造または機構を含み得る金型取付部を備える成形空間は、後退動作でのタイヤカーカス、またはタイヤトレッドを含むタイヤにレーザーを適用するためのトレッドを形成するときなどに、タイヤトレッドを成形するように構成される。任意の事象において、成形空間は、タイヤトレッドの地面係合側または面を形成するように構成された最外成形面により少なくとも一部画定される。また、最外成形面は、金型または成形空間の地面係合成形面または部分とも称され得る。最外成形面は、略環状または周面形状である外部空間側に沿って配置される。したがって、金型またはタイヤトレッドの任意の特徴を最外成形面と関連付けると、外部空間側を最外成形面と置き換えることで外部空間側に対して同じ関係を形成または描画し得る。サイプ成形部材が空隙形成要素を備える例において、サイプ成形部材のサイプ形成部及び空隙形成部の各々は成形空間内に配置される。サイプ成形部材は、先行技術のうちの１つとして知られる任意の手段を用いて金型に取付けまたは固着され得ると理解される。例えば、特定の実施形態において、サイプ成形部材は、要素を金型に取付けるのに使用される金型取付部を備える。

本方法のさらなる実施形態は、金型内に未硬化タイヤトレッドを配置して、金型内でタイヤトレッドを硬化させるステップを含む。成形プロセス中、トレッドは一般に、天然または人工ゴム、もしくはその他の任意のポリマー材料などの硬化性エラストマー材料から形成されるため、トレッドは硬化する。こうしたステップにおいて、金型は上でさらに論じられるようなタイヤトレッド金型またはタイヤ金型であり得ると想定される。

上で論じられるサイプ成形部材及び方法の特定の実施形態を、サイプ成形部材及び方法の性能の例示的実施形態を提供する本明細書に添付の図に関連して下記にさらに詳述する。

図１及び２を参照して、サイプ成形部材１０を例示的実施形態により示す。サイプ成形部材１０は、サイプを形成するように構成されたサイプ形成部１２と、サイプ成形部材の金型への取付けを容易にするように構成された金型取付部１６と、を備える。サイプ成形部材は金型取付部を備える場合、または備えない場合があると理解され、また、金型取付部を備える場合、先行技術のうちの１つとして知られる金型を取付けるための任意の１つ以上の金型取付部を配置し得ると理解される。例えば、図の金型取付１６はサイプ形成部より厚い。また、他のバリエーションにおいて、金型取付部材は、サイプ成形部の厚さと同じ、またはより薄い厚さを有し得ると理解される。また、金型取付部材の厚さは一定または可変であり得、かつ任意の直線または非直線経路に沿って長さまたは高さの方向に延び得る。

図１及び２において、サイプ形成部１２は高さＨ₁₂及び長さＬ₁₂を有し、高さは起伏のある非直線経路に沿って延びる。これは、図２により明確に示される。また、サイプ形成部１２は、同様の厚さのサイプを形成するように構成された厚さＴ₁₂を有する。厚さＴ₁₂から、複数の補剛材２０は、各々厚さＴ₂₀でサイプ形成部１２から外方に延びる。サイプ形成部の長さに沿って剛性を増すために、複数の補剛材２０はサイプ形成部１２の長さＬ₁₂に沿って離間する。また、各補剛材２０は、サイプ形成部の一部の高さＨ₁₂に延びる高さＨ₂₀を有する。また、各補剛材２０は、サイプ形成部１２の起伏１４から、かつその間に延びる。

図３及び４の別の例示的実施形態を参照すると、サイプ形成部１２は、起伏のある非直線経路に沿って延びる長さＬ₁₂を有する。これは、図４により明確に示される。複数の補剛材２０は、厚さＴ₂₀でサイプ形成部１２から外方に延び、かつサイプ形成部の起伏１４から、かつその間に延びるサイプ形成部の長さＬ₁₂に沿って離間する。また、サイプ形成部１２の各側上の補剛材２０は、起伏間からサイプの長さの方向に互いに一列に（すなわち、整列して）配置されるとも言える。

図５及び６に示す例示的実施形態において、図のサイプ成形部材１０は空隙形成部１８を備える。特に、空隙形成部は、タイヤトレッドの地面係合側の下でオフセットされる溝を形成するように構成された埋設された空隙形成部である。本実施形態において、補剛材２０の各々は、空隙形成部１８及びサイプ形成部１２の各々から、かつその間に延びる。各補剛材の厚さＴ₂₀は空隙形成部１８の厚さＴ₁₈内に延びるが、他のバリエーションにおいて、各補剛材の厚さが空隙形成部の厚さを超えて延びる場合があるとさらに留意される。

上記のように、補剛材は、サイプ形成部の対向する側面上に任意の関係で配置され得る。例えば、図７に示す実施形態において、サイプ形成部１２の一側上に配置される各補剛材２０は、サイプ形成部の他側及びサイプ形成部の厚さＴ₁₂上に配置される補剛材２０と整列する（すなわち、対向して整列する）。図８に示す別の実施形態において、サイプ形成部１２の一側上に配置される各補剛材２０は、サイプ形成部の他側及びサイプ形成部の厚さＴ₁₂上に配置される補剛材と整列する（すなわち、対向して整列する）。図９及び１０の例示的実施形態を参照すると、補剛材２０は１組の起伏１４から、かつさらにその間に延びるように配置され、起伏は互いに隣接するが、一定の補剛材は、空隙形成部１８及びサイプ形成部１２の起伏から、かつその間にも延びる。また、サイプ形成部１２の各側上の補剛材２０は、起伏間からサイプ形成部の高さの方向に互いに一列に（すなわち、整列して）配置されるとも言える。

さらに上記のように、補剛材は任意の形状を含んでよいと理解される。例えば、図５、６に示す実施形態を参照すると、補剛材２０は角錐または楔形であり、図１、２、９、及び１０に示す実施形態において、補剛材は円柱形状である。

本明細書及び請求項において使用される「備える」、「含む」、及び「有する」という用語は、記載されない他の要素を含み得るオープングループを示すと見なすものとする。「１つ」という用語及び単語の単数形は、その用語が１つ以上のものを提供することを意味するように、同じ単語の複数形を含むと見なすものとする。「少なくとも１つ」及び「１つ以上」という用語はほとんど同じ意味で使用される。「単一の」という用語は、１つ及び１つのもののみを意図することを示すのに使用されるものとする。同様に、「２つ」などの他の特定の整数値は、ものの特定の数字を意図するときに使用される。「好ましくは」、「好ましい」、「好む」、「任意に」、「あり得る」、及び同様の用語は、参照される物品、条件、またはステップが本発明の任意の（すなわち、必須でない）特徴であることを示すのに使用される。「ａ〜ｂ」と記載される範囲は、別段記載がない限り、「ａ」及び「ｂ」の値を含む。

本発明はその特定の実施形態を参照して記載されるが、本記載は例示のためだけであり、本発明の請求項の範囲を限定するものと解釈すべきでないものと理解されるものとする。したがって、本発明の範囲及び内容は、下記の請求項の用語によってのみ画定される。さらに、本明細書で論じられるいずれの特定の実施形態の特徴も、別段記載されない限り、本明細書で論じられるまたは考慮される任意の１つ以上の実施形態のうちの１つ以上の特徴と組み合わせ可能であると理解される。

Claims (18)

1. サイプ成形部材であって、
   前記サイプ成形部材の長さの方向に延びる長さ、成形空間の深さに延びるように構成された高さ、ならびに前記長さ及び前記高さの両方に対して垂直に延びる厚さを有するサイプ形成部であって、前記サイプ成形部材は、前記サイプ形成部の前記厚さに相応する厚さ、前記サイプ形成部の前記長さの少なくとも一部により形成される長さ、及び前記サイプ形成部の前記高さの少なくとも一部により形成される深さを有するサイプを形成するように構成された、サイプ形成部と、
   前記サイプ形成部に沿って離間した複数の補剛部材であって、前記複数の補剛部材の各々はサイプ形成要素の前記厚さから外方に延びる、複数の補剛部材と、を備える、サイプ成形部材。
2. 前記サイプ成形部材の長さの方向に延びる長さを有する空隙形成部をさらに備え、
   前記サイプ形成部の前記高さは前記空隙形成部から外方に延び、
   前記複数の補剛部材は前記空隙形成部の前記長さに沿って離間し、前記複数の補剛部材の各々は、前記空隙形成部及び前記サイプ形成部の各々から、かつその間に延びるように配置される、請求項１に記載のサイプ成形部材。
3. 前記空隙形成部は、トレッド厚さ内に埋設された空隙を形成するように構成された埋設された空隙形成部であり、前記埋設された空隙は前記トレッドの地面係合側の下に配置される、請求項２に記載のサイプ成形部材。
4. 前記サイプ形成部は、前記空隙形成部から前記空隙形成部の末端まで外方に延びて前記サイプ形成部の高さを画定し、前記複数の補剛材の各々は、前記空隙形成部から前記サイプ形成部の高さの方向に、前記空隙形成部の末端にまたは末端の下に位置する末端まで外方に延びる、請求項２〜３のいずれか一項に記載のサイプ成形部材。
5. 前記サイプ形成部は起伏のある非直線経路に沿って前記高さの方向に延び、前記複数の補剛材の各々は前記サイプ形成部の起伏から、かつその間に延びる、請求項１〜４のいずれか一項に記載のサイプ成形部材。
6. 前記サイプ形成部は起伏のある非直線経路に沿って前記長さの方向に延び、前記複数の補剛材の各々は前記サイプ形成部の起伏から、かつその間に延びる、請求項１〜５のいずれか一項に記載のサイプ成形部材。
7. 前記複数の補剛材のうちの１つ以上は前記サイプ形成部の厚さの各対向する側面に沿って配置される、請求項１〜６のいずれか一項に記載のサイプ成形部材。
8. 前記サイプ形成部の厚さの前記対向する側面のうちの第１の側面に沿って配置される前記複数の補剛材のうちの前記１つ以上は、前記サイプ形成部の厚さの前記対向する側面のうちの第２の側面に沿って配置される前記複数の補剛材のうちの前記１つ以上に対向して配置される、請求項７に記載のサイプ成形部材。
9. 前記サイプ形成部の厚さの前記対向する側面のうちの第１の側面に沿って配置される前記複数の補剛材のうちの前記１つ以上は、前記サイプ形成部の厚さの前記対向する側面のうちの第２の側面に沿って配置される前記複数の補剛材のうちの前記１つ以上に対して、前記サイプ形成部の前記長さに沿って互い違いの関係で配置される、請求項７に記載のサイプ成形部材。
10. 前記複数の補剛材の各々は中空である、請求項１〜９のいずれか一項に記載のサイプ成形部材。
11. 前記サイプ成形部材はレーザー焼結製品である、請求項１〜１０のいずれか一項に記載のサイプ成形部材。
12. 前記サイプ成形部材は金型内に配置され、前記金型は少なくともタイヤトレッドを成形するように構成された成形空間を有し、前記サイプ成形部材の前記サイプ形成部は前記成形空間内に配置される、請求項１〜１１のいずれか一項に記載のサイプ成形部材。
13. 前記サイプ成形部材は金型内に配置され、前記金型は少なくともタイヤトレッドを成形するように構成された成形空間を有し、前記サイプ成形部材の前記サイプ形成部及び前記空隙形成部の各々は前記成形空間内に配置される、請求項１〜１１のいずれか一項に記載のサイプ成形部材。
14. 前記金型はタイヤ金型である、請求項１２〜１３のいずれか一項に記載のサイプ成形部材。
15. 製造作業中に生じるサイプ成形部材の変形を低減する方法であって、
    タイヤトレッドにサイプを形成するように構成されたサイプ成形部材を形成することを含み、前記サイプ成形部材は、
    前記サイプ成形部材の長さの方向に延びる長さ、成形空間の深さに延びるように構成された高さ、ならびに前記長さ及び前記高さの両方に対して垂直に延びる厚さを有するサイプ形成部であって、前記サイプ成形部材は、前記サイプ形成部の前記厚さに相応する厚さ、前記サイプ形成部の前記長さの少なくとも一部により形成される長さ、及び前記サイプ形成部の前記高さの少なくとも一部により形成される深さを有するサイプを形成するように構成された、サイプ形成部と、
    前記サイプ形成部に沿って離間した複数の補剛部材であって、前記複数の補剛部材の各々は前記サイプ形成要素の前記厚さから外方に延びる、複数の補剛部材と、を備える、方法。
16. 前記サイプ成形部材はレーザー焼結により形成される、請求項１５に記載の方法。
17. 成形タイヤトレッドを形成する方法であって、
    タイヤトレッドにサイプを形成するように構成されたサイプ成形部材を提供するステップであって、前記サイプ成形部材は、
    サイプ成形部材の長さの方向に延びる長さ、成形空間の深さに延びるように構成された高さ、ならびに前記長さ及び前記高さの両方に対して垂直に延びる厚さを有するサイプ形成部であって、前記サイプ成形部材は、前記サイプ形成部の前記厚さに相応する厚さ、前記サイプ形成部の前記長さの少なくとも一部により形成される長さ、及び前記サイプ形成部の前記高さの少なくとも一部により形成される深さを有するサイプを形成するように構成された、サイプ形成部と
    前記サイプ形成部に沿って離間した複数の補剛部材であって、前記複数の補剛部材の各々は前記サイプ形成要素の前記厚さから外方に延びる、複数の補剛部材と、を備える、ステップと、
    前記サイプ成形部材を金型内に配置して、少なくともタイヤトレッドを成形するステップであって、前記タイヤトレッドは前記サイプ成形部材により形成されるサイプを含む、ステップと、を含む、方法。
18. 前記金型はタイヤ金型である、請求項１７に記載の方法。

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