JP2010540858A - チェーンおよびスプロケットシステム内の複数の張力低減スプロケット - Google Patents

チェーンおよびスプロケットシステム内の複数の張力低減スプロケット Download PDF

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Abstract

少なくとも2つの共振モードがあるチェーンおよびスプロケットシステムにおいて、2つ以上の張力低減スプロケットが、第1の共振モードで互いに相殺し、その第1の共振モードで張力を増大させる効果がないように向きを合わされる。一方、張力低減スプロケットは、第2の共振モードで張力が低減されるように、互いに向きを合わされる。したがって、2つ以上の張力低減スプロケットを使用して、第1の共振モードでの張力の増加を最小限にしながら、チェーンおよびスプロケットシステムの外部の発生源から生じる第2の共振モードでの張力を低減する。

Description

本願は、米国特許法119条(e)に基づき、2007年9月28日に出願された米国仮特許出願第60/976,399号および2007年10月2日に出願された米国仮特許出願第60/976,977号に対する利益を主張し、これらの特許は、参照によりそれらの全体を本明細書に援用するものとする。
本発明は、プーリおよびスプロケットの分野に関する。より詳細には、本発明は、共振張力を低減するチェーンおよび複数のスプロケットに関する。
チェーンおよびスプロケットシステムは、自動車のエンジンシステムで、シャフト間の回転力伝達にしばしば使用される。例えば、被動シャフト上のスプロケットは、チェーンによってアイドルシャフト上のスプロケットに連結することができる。そのようなチェーンおよびスプロケットシステムでは、被動シャフトおよび被動スプロケットが回転すると、アイドルシャフトおよびアイドルスプロケットがチェーンを介して回転される。自動車のエンジンシステムでは、クランクシャフト上のスプロケットを使用して、1つまたは複数のカムシャフトスプロケットを駆動することができる。
チェーンおよびスプロケットシステムで使用するチェーンは通常、ピンもしくはローラに連結された複数のリンクプレート、または複数のリンクプレートがピンおよび/もしくはリンクで連結された係合歯を有するチェーンを含む。スプロケットは通常、周縁部のまわりに配置された複数の歯を有する円形プレートを含む。ほぼ弓形または半円形の外形で、チェーンのピン、ローラ、または歯を受け入れる歯底(root)が、隣接する歯間に配置される。各歯底は歯底円半径を有し、この歯底円半径は、スプロケットの中心からスプロケットの中心に最も近い、歯底に沿った点までの距離である。スプロケットの歯底および/または歯は、チェーンがスプロケットに着座したときの、スプロケットの中心から、チェーン連結部の一部であるピン軸までの距離であるピッチ円半径にも関係する。
従来の(「ストレート(straight)」)スプロケットでは、歯底円半径はすべて実質的に等しく、スプロケットのピッチ円半径も実質的に等しくなっている。しかし、チェーンがストレートスプロケットのまわりを回転するときに、チェーンの歯、チェーンのリンクを連結するピンまたはローラがスプロケットの歯と接触し、スプロケット係合面またはスプロケットの隣接する歯間に配置された歯底に衝撃を与えるので、多くの場合、望ましくない騒音を引き起こす可聴音響周波が発生することが判明した。
チェーンおよびスプロケットシステムの作動により発生した上記の騒音の音響周波数および大きさは通常、チェーンおよびスプロケットの設計、チェーン回転速度、および作動環境での他の音源または騒音源に応じて変わる。チェーンおよびスプロケットシステムの設計において、チェーンのローラ、ピン、または歯がスプロケットと係合するときに発生する騒音レベルを低減するのが望ましいことがある。
チェーンの張力測定において、特定のシステムで、チェーンおよび/またはスプロケット以外の発生源によって発生した特定のチェーン張力は、周期的にまたは反復的に変わることがあり、この周期性または反復性を張力誘導事象と関連づけできることが多い。例えば、自動車のタイミングチェーンシステムでは、各スプロケットの歯または歯底とチェーンとの係合および分離により、張力変化が繰り返されることがチェーン張力測定で観測された。これらのチェーン張力変化は、ピストンシリンダの点火などの、張力を誘導する可能性のある事象と互いに関係付けることができる。チェーンに作用するこれらの張力および力を小さくすることが、米国特許出願第10/379,669号明細書に記載のセラミック要素などのように鋼の特性をもたない要素をチェーンが含む場合に特に重要になることがある。
基準周期に関連して発生する張力事象の回数、および事象ごとの張力変化量を観測することができる。例えば、自動車のタイミングチェーンシステムにおいて、スプロケットまたはクランクシャフトの回転に関連したチェーンの張力変化の回数または頻度、およびチェーンの張力変化の大きさを観測することができる。シャフトまたはスプロケットの1回転につき1回発生する張力事象は、「1」次事象と考えられ、シャフトまたはスプロケットの1回転ごとに4回発生する事象は、「4」次事象と考えられる。システムと、関連する基準周期、すなわち、クランクシャフトまたはスプロケットの回転(または他の基準)とに応じて、チェーンおよびスプロケット以外の1つまたは複数の張力源によって生じる、かかるシステムのクランクシャフトまたはスプロケット回転での事象の多重「次数」があり得る。同様に、スプロケット回転の特定の次数は、2つ以上の張力事象の累積効果を含むかまたは反映することがある。本明細書において、スプロケット(またはクランクシャフト)の回転中に発生する張力事象のそのような次数は、スプロケット(もしくはクランクシャフト)の次数、またはスプロケット次数(もしくはクランクシャフト次数)と称することもある。
ストレートスプロケットでは、測定可能な張力は通常、ピッチ次数としても公知の、スプロケットの歯数と同じスプロケット次数でチェーンに付与される。したがって、19歯のスプロケットでは、張力は19次で、すなわちスプロケット1回転につき19回チェーンに付与されることになる。これは係合次数である。スプロケット以外が発生源の、ストレートスプロケットでの張力事象は通常、ほぼ等しい張力変化または振幅で、スプロケット回転に対応した等しい時間間隔で発生する。
「ランダム」スプロケットは通常、スプロケットの周りで変動する歯底円半径および/またはピッチ円半径を有する、すなわち、ランダムスプロケットはストレートスプロケットではない。ランダムスプロケットは通常、ストレートスプロケットと比較した場合に、対照的に、その歯底円またはピッチ円半径が異なるために、異なる張力特性を有する。チェーンがランダムスプロケットのまわりを回転するときに、各半径が異なるために、通常、異なる張力事象がチェーンにもたらされる。例えば、ローラチェーンのローラが、第1の歯底円半径の歯底と係合する場合、チェーンのローラが第1の歯底円半径よりも大きい第2の歯底円半径の歯底と係合する場合とは異なる張力をチェーンに付与することができる。さらに、異なる歯底円半径に対応して位置が決まるために、ランダムスプロケットによってチェーンに張力変化をもたらすこともできる。同じ歯底円半径を有する、隣接する歯底間をローラが移動すると、異なる歯底円半径を有する、隣接する歯底間をローラが移動するのとは異なるチェーン張力変化となり得る。
歯底円および/またはピッチ円半径に対応して位置が決まることにより、ランダムスプロケットによってもたらされるチェーン張力の変化は、スプロケットが3つ以上の異なる歯底円またはピッチ円半径を有する場合にさらに拡大することができる。例えば、順次大きくなる、第1、第2、および第3の歯底円半径を有するランダムスプロケットでは、チェーンローラが第1の歯底円半径を有する歯底から第2の歯底円半径を有する歯底に移動する場合よりも、第1の歯底円半径を有する歯底から第3の歯底円半径を有する歯底に移動する場合に、チェーンに付与される張力を大きくすることができる。
主に騒音を低減するために設計されたランダムスプロケットは、ストレートスプロケットによってチェーンに付与される最大張力と比較して、チェーン張力および張力変化の増大をもたらすことが多い。例えば、ランダムスプロケット設計は、スプロケットのピッチ次数を減らすことで、チェーン騒音またはチェーン音(chain whine)を低減することができる。しかし、スプロケットのピッチ次数を減らすと、スプロケットによってチェーンに付与される張力をスプロケット次数の低い方に集中させる恐れがある。これらの低い次数では、チェーン駆動共振が励起されることがある。これにより、ランダムスプロケットの低い方の次数に対応するチェーン張力が増大することが多い。
低いスプロケット次数でチェーン張力がそのように増大することで、多くの場合、チェーンおよびスプロケットに作用する最大チェーン張力全体が増大する。その結果として、そのような張力がかかるチェーンおよびスプロケットシステムでは、通常、低い次数での張力の集中により、摩耗が大きくなり、障害が生じる機会が増え、さらには他の悪影響も受ける。
最近登録された、「張力低減ランダムスプロケット(TENSION−REDUCING RANDOM SPROCKET)」と題した、トッド(Todd)による米国特許第7,125,356号明細書では、歯底円および/またはピッチ円半径の繰り返しパターンを使用して、チェーン張力を低減する1つの手法について記載している。この特許は、システムの最大チェーン張力に関係するシステムの作動時に、最大チェーン張力を低減するようにチェーンに張力を付与するのに有効なパターンまたは配列について説明している。トッドによる米国特許第7,125,356号明細書の開示は、本開示に全面的に書き入れたのと同様に本明細書に援用される。
一般的に言って、エンジンのチェーンおよびスプロケットシステムでチェーン張力が最大限または「スパイク波形状」になった場合は共振状態に入っており、この共振状態またはモードは通常、所与のシステム振動周波数に対応する。米国特許第7,123,356号明細書から分かるように、スプロケットを囲む張力低減用ピッチ円半径または歯底円半径パターンを設けた張力低減スプロケットを利用して、共振状態でそのような最大張力を低減することができる。
システムによっては、システム振動周波数域にわたって2つ以上の共振モードと、対応する張力「スパイク」があり得る。1つまたは複数のシステム周波数と相互作用する、チェーンおよびスプロケットシステム以外から生じる複数の張力事象があるか、システムを形成する複数のチェーンおよびスプロケットがあるか、または複数の共振モードをもたらす、システムに作用する他の励起がある場合に、上記の複数の共振状態またはモードが起こり得る。複数の共振モードが存在すると、チェーンの全張力を低減する作用力を複雑にすることがある。例えば、2つ以上の被動スプロケットを有する、かかるシステムは、第1の共振モードおよび第2の共振モードを有することができる。第2の共振モードで張力を低減するように設計され、ストレートスプロケットとともにシステムに配置された張力低減スプロケットは、第1の共振モードでチェーン張力を増大させることがある。さらに、第2の張力低減スプロケットが、第2の(または他の)共振モードの張力を低減するようにシステムに配置された場合、同様の結果となることがある。
いずれかの理論によって束縛されることを意図しないが、チェーンおよびスプロケットシステムは、比較的低い周波数のシステム振動で、張力スパイクを伴って共振モードに入ることがある。チェーンおよびスプロケットシステムは、より高いシステム振動周波数で他の(または2つ以上の)共振モードに入ることがある。共振モードの数量およびそれらの対応するシステム周波数は、チェーン剛性、システムで使用されるスプロケットの数量およびタイプ、スプロケットおよびチェーン構成、ならびにシステムに作用する外部励起の特性および周波数などの、システムの特性および構成によって決まる。
この場合も、理論によって束縛されることを意図することなく、低い共振モードでの各システム振動は、同じ方向になる傾向がある。より高い振動周波数では、システムの一部は、システムの他の部分とは反対の方向に振動する傾向があり、その結果、第2または他の共振モードになる。駆動システムによっては、比較的高いシステム振動周波数での共振モードは、最大チェーン張力全体に十分な張力をもたらさないので、チェーン耐久性に対する懸念とはならない。高慣性システムなどの他の駆動システムでは、そのようなより高いシステム振動周波数で共振モードにあるチェーン張力が重要になることがある。さらに、そのようなより高い振動周波数で共振モードにある張力、すなわち、より高い共振モードの張力を小さくすることにより、特に、第1のモードで最大張力を低減するために張力低減スプロケットがすでに適用されている場合に、駆動効率を改善することができる。
本明細書で説明するスプロケットシステムでは、2つ以上の張力低減スプロケットは互いに対して向きを合わされ、2つ以上の共振モードを有するチェーンおよびスプロケットシステムの最大チェーン張力を協同して低減し、場合によっては相殺する歯底円またはピッチ円半径パターンを付与される。1つの態様では、少なくとも2つの張力低減スプロケットは歯底またはピッチ配列を形成し、他方の共振モードでチェーンおよびスプロケットシステム以外の励起源による張力励起効果を大幅に高めることなく、そのようなシステムでストレートスプロケットを使用した場合の一方の共振モードでの張力に比べて、そのモードでチェーン張力を低減するように向きを合わされる。別の態様では、張力低減スプロケットは、第1の共振モードで最大チェーン張力を、20%を超えて大幅に増大させることなく、好ましくは10%以下、最も好ましくは約0%以下として、1つまたは複数のストレートスプロケットを使用した場合の第2の(または高い方の)共振モードでの張力に比べて、そのモードで張力を低減するように互いに向きを合わされる。したがって、2つ以上の張力低減スプロケットを使用して、他方の(または複数の)共振モードで張力増大を最小限にしながら、チェーンおよびスプロケットシステム以外の励起源によって発生する一方の共振モードで張力を低減することができる。
さらに別の態様では、2つの独立した各カムシャフト上の1つの張力低減スプロケットなどの、(駆動スプロケットに相対するものとしての)被動スプロケットである2つの張力低減スプロケット用いて、張力を低減することができる。駆動スプロケットと併用されるそのような二重張力低減スプロケットの構造は、同様のレベルのチェーン張力を発生させるように所定の大きさに作られるべきであり、それらのスプロケットが発生させた張力が、駆動の第1の共振モードで実質的に互いに相殺するように向きを合わされるべきである。次に、2つの張力低減スプロケットからの張力分担分が第2の共振モードで加わり、第1の共振モードの張力を増大することなく、第2のモードの張力を相殺するか、または大幅に低減する張力を発生させる。この態様では、チェーン張力は、第1の共振モードで約20%を超えて増大することはなく、好ましくは約10%以下、約0%以下が最も好ましい。さらに別の態様では、張力低減スプロケットを特定の相対的向きにすることで、スプロケットが他の相対的向きとされた場合の第1および第2のモードでの張力と比較すると、第1のモードで張力が20%を超えて増加することなく、第2のモードで張力を低減することができる。さらに別の態様では、第3の張力低減スプロケットをシステムに組み入れて、第1の共振モードで張力を低減するように、システムの張力を低減することができる。
下記にさらに完全に説明するように、本明細書で説明するチェーンおよびスプロケットシステムに対して、2つの張力低減スプロケット、例えば、各カムシャフト上のスプロケットを使用して、第1のモードの張力を相殺することができる。第2のモード用の歯底円および/またはピッチ円半径パターンを1つのスプロケット上で第1のモード用パターンと組み合わせることができるが、第1の共振モードの張力から生じた張力が、ローラシステムおよびサイレントチェーンシステムの両方で、上記に説明したように約0%〜約20%を超えて増大することはない。さらに、張力を低減するために、多重次数用の2つ以上の歯底円および/またはピッチ円半径の繰り返しパターンを1つのスプロケットに含むことができる。
先行技術によるストレートスプロケットを示す側面図を示している。 先行技術によるランダムスプロケットを示す側面図である。 チェーンがスプロケットに最初に接触し、最後に接触する巻角を示している。 実質的に4次のスプロケットを示している。 ランダムスプロケットを示す側面図である。 図1〜3のスプロケットの最大チェーン張力をエンジン回転数と比較したグラフである。 隣接するスプロケット歯間にあるサイレントチェーンの歯を示すスプロケットの詳細図である。 巻角変化と、チェーンがスプロケットから離れる際に図1Cとは異なった形で最初にスプロケットと係合する結果として、巻角がどのように変わり得るかとを示している。 3次の張力低減スプロケットを2つ備えたチェーンおよびスプロケットシステムを示している。 エンジン回転数(rpm)対ストランド張力のグラフであり、図7の張力低減スプロケットの基本グラフである。 チェーン巻付部の中央で最大半径部に巻き付いたチェーンを示している。 図7dに示すように、張力低減スプロケットの最大半径部が16°進んだ場合の張力グラフを示している。 16°進んだ、張力低減スプロケットの最大半径部を示している。 図7fに示すように、張力低減スプロケットの最大半径部が39°遅れた場合の張力グラフを示している。 39°遅れた、張力低減スプロケットの最大半径部を示している。 図7hに示すように、張力低減スプロケットの最大半径部が55°遅れた場合にチェーン張力がどうなるかを示している。 55°遅れた、張力低減スプロケットの最大半径部を示している。 2つの張力低減スプロケットを備えた4スプロケットシステムを示している。 図8のスプロケットがすべてストレートスプロケットである場合の、図8の4スプロケットシステムの張力を示している。 図8のスプロケットシステムが、図8に示すシャフト1上に単一の張力低減スプロケットを有する場合の、図8の4スプロケットシステムの張力を示している。 図8のスプロケットシステムが、図8に示すシャフト3上に単一の張力低減スプロケットを有する場合の、図8の4スプロケットシステムの張力を示している。 外部的に発生する張力がない場合の、図8のシャフト1上にあって、半径振幅が1.0mmでかつ最大半径が0°に位置する張力低減スプロケットに基づく張力変動を示している。 外部的に発生する張力がない場合の、図8のシャフト3上にあって、半径振幅が1.0mmでかつ最大半径が0°に位置する張力低減スプロケットに基づく張力変動を示している。 図8のシャフト1上に0°で1.0mmの張力低減スプロケットがあり、シャフト3上に−20°で1.15mmの張力低減スプロケットがあり、外部的に発生する張力がない場合の、様々なエンジン回転数での張力変動を示している。 図8のシャフト1上に0°で1.0mmの張力低減スプロケットがあり、シャフト3上に−20°で1.15mmの張力低減スプロケットがあり、外部的に発生する張力がない場合の、クランク角に対応した個々のチェーンストランドの張力変動を示している。 図8のシャフト1上に0°で1.0mmの張力低減スプロケットがあり、シャフト3上に−20°で1.15mmの張力低減スプロケットがあり、第2の共振モードで外部的に張力が発生する場合の、クランク角に対応した個々のチェーンストランドの張力変動を示している。 シャフト1上にあって、半径振幅が1.0mmの張力低減スプロケットと、シャフト3上にあって、半径振幅が1.15mmの張力低減スプロケットとを備えた、図8に示すシステムに対して外部的に発生する張力のみの基本形を示している。 シャフト1上にあって、半径振幅が1.0mmで、9°回転した張力低減スプロケットと、シャフト3上にあって、半径振幅が1.15mmで、−11°回転した張力低減スプロケットとを備えた、図8に示すシステム用の、外部的に発生する張力を含むチェーンおよびスプロケットシステムの張力変動を示している。 シャフト1上にあって、半径振幅が1.0mmで、17°回転した張力低減スプロケットと、シャフト3上にあって、半径振幅が1.15mmで、−3°回転した張力低減スプロケットとを備えた、図8に示すシステム用の、外部的に発生する張力を含むチェーンおよびスプロケットシステムの張力変動を示している。 スプロケットの両バンクを駆動するV8エンジン用の7スプロケットシステムを示している。 図13のスプロケットシステムに示すスプロケットがすべてストレートスプロケットである場合の、第1および第2の共振モードにおける図13に示す7スプロケットシステムのチェーンストランド1の張力を示している。 図13のスプロケットシステムに示すスプロケットがすべてストレートスプロケットである場合の、第1および第2の共振モードにおける図13に示す7スプロケットシステムのチェーンストランド2の張力を示している。 図13のスプロケットシステムに示すスプロケットがすべてストレートスプロケットである場合の、第1および第2の共振モードにおける図13に示す7スプロケットシステムのチェーンストランド3の張力を示している。 図13に示すスプロケットシステム内でシャフト2上にある張力低減スプロケットが、18°の位置にある0.5mmの最大半径振幅を有し、図13のスプロケットシステム内に示すシャフト5上の張力低減スプロケットが、−112°の位置にある1.3mmの最大半径振幅を有する場合の、第1および第2の共振モードにおける図13に示す7スプロケットシステムのチェーンストランド1の張力を示している。 図13に示すスプロケットシステム内でシャフト2上にある張力低減スプロケットが、18°の位置にある0.5mmの最大半径振幅を有し、図13のスプロケットシステム内に示すシャフト5上の張力低減スプロケットが、−112°の位置にある1.3mmの最大半径振幅を有する場合の、第1および第2の共振モードにおける図13に示す7スプロケットシステムのチェーンストランド2の張力を示している。 図13に示すスプロケットシステム内でシャフト2上にある張力低減スプロケットが、18°の位置にある0.5mmの最大半径振幅を有し、図13のスプロケットシステム内に示すシャフト5上の張力低減スプロケットが、−112°の位置にある1.3mmの最大半径振幅を有する場合の、第1および第2の共振モードにおける図13に示す7スプロケットシステムのチェーンストランド3の張力を示している。 エンジン回転数(rpm)対ストランド張力(ニュートン)を表す、図7に示すシステムの張力グラフを示し、各スプロケットがストレートスプロケットであり、外部励起がシステムに加えられる(この場合は、クランクねじり、さらに、変動バルブ列/カムトルク負荷)場合のチェーン張力を示している。 エンジン回転数(rpm)対ストランド張力(ニュートン)を表す、図7に示すシステムの張力グラフを示し、2つの3次張力低減被動スプロケットを備えた図7dに示すシステムのチェーン張力グラフである。 図7に示し、説明するシステムの各張力低減スプロケットの向き間の相対角と、図7dに示す2張力低減被動スプロケットシステムによって発生する最大チェーン張力との間の関係を示すグラフである。張力低減スプロケットの向きは、カム°を単位としてチェーン巻付部の中央を基準とされる。相対角のマイナス符号が反転され、例えば、図7a〜7hの歯底角−16.5は、16.5°と表されている。 1つの駆動スプロケットと2つの被動スプロケットとを備えたシステムを示しており、このシステムでは、すべてをストレートスプロケットにして使用してもよいし、または被動スプロケットとしての張力低減スプロケットと、駆動スプロケットとしての張力低減スプロケットとを使用してもよい。 エンジン回転数(rpm)対ストランド張力(ニュートン)を表す、図17に示すシステムの張力グラフを示し、各スプロケットがストレートであり、外部励起がシステムに加えられる(この場合は、クランクねじり、さらに、変動バルブ列/カムトルク負荷)場合のチェーン張力を示している。一方のグラフはストランド別の最小および最大チェーン張力を示し、他方のグラフは、エンジンサイクル次数(およびクランク次数)別のストランド3の張力成分を示している。 エンジン回転数(rpm)対ストランド張力(ニュートン)を表す、図17に示すシステムの張力グラフを示し、被動スプロケットおよび駆動スプロケットとして張力低減スプロケットを使用した場合の最大チェーン張力のグラフを示している。一方のグラフはストランド別の最小および最大チェーン張力を示し、他方のグラフは、エンジンサイクル次数(およびクランク次数)別のストランド3の張力成分を示している。 1つの駆動スプロケットと、外部励起がかかる2つの被動スプロケットを備えたシステムを示している。このシステムでは、すべてをストレートスプロケットにして使用してもよいし、または張力低減被動スプロケットと、スプロケットを一周する二重次数のピッチパターンを設けた張力低減駆動スプロケットとを使用してもよい。 エンジン回転数(rpm)対ストランド張力(ニュートン)を表す、図19のシステムの張力グラフを示し、各スプロケットがストレートであり、外部励起がシステムに加えられる(この場合は、クランクねじり、さらに、変動バルブ列/カムトルク負荷)場合のチェーン張力を示している。一方のグラフはストランド別の最小および最大チェーン張力を示し、他方のグラフは、エンジンサイクル次数(およびクランク次数)別のストランド3の張力成分を示している。 エンジン回転数(rpm)対ストランド張力(ニュートン)を表す、図19のシステムの張力グラフを示し、被動スプロケットとしての張力低減スプロケットと、二重次数のピッチパターンを備えた張力低減駆動スプロケットとを使用した場合の最大チェーン張力を示している。一方のグラフはストランド別の最小および最大チェーン張力を示し、他方のグラフは、エンジンサイクル次数(およびクランク次数)別のストランド3の張力成分を示している。 エンジン回転数(rpm)対ストランド張力(ニュートン)を表す、図19のシステムの張力グラフを示し、上記のストレートスプロケットを備えた図19に示すシステムを、上記の一重次数の張力低減スプロケットと上記の二重次数の駆動スプロケットとを使用したシステムと比較した張力グラフを示している。外部励起は、図20aおよび図20bで使用したものから変更されている。一方のグラフはストランド別の最小および最大チェーン張力を示し、他方のグラフは、エンジンサイクル次数(およびクランク次数)別のストランド3の張力成分を示している。 エンジン回転数(rpm)対ストランド張力(ニュートン)を表す、図19のシステムの張力グラフを示し、上記のストレートスプロケットを備えた図19に示すシステムを、上記の一重次数の張力低減スプロケットと上記の二重次数の駆動スプロケットとを使用したシステムと比較した張力グラフを示している。外部励起は、図20aおよび図20bで使用したものから変更されている。一方のグラフはストランド別の最小および最大チェーン張力を示し、他方のグラフは、エンジンサイクル次数(およびクランク次数)別のストランド3の張力成分を示している。 V6エンジンチェーン駆動システムに適用された、図8に示し、上記に説明したシステムがもたらした、ストレートスプロケットシステムと比較した張力低減を様々な動作条件でまとめたものである。(通常は共振モードで発生する)最大チェーン張力は、様々な異なる動作条件に対してY軸に沿ってニュートン単位で示される。動作条件は、X軸に沿って行をなして示される。第1の行の条件は、バルブタイミング(ベース、ミッド、およびフル)、チェーンの伸び(0%、0.35%、0.70%)、およびスロットル(20%およびWOT(スロットル全開))である。
ランダムスプロケットは、エンジンタイミングシステムで使用するなど、自動車のチェーンおよびスプロケットシステムで使用することができる。チェーンおよびランダムスプロケットは、可変速度でチェーンおよびスプロケットを作動させる内燃機関に連結される。共振モードが1つの単純なチェーンおよびスプロケットシステムでは、スプロケットは、巻角をなしてチェーンに連結される歯底円またはピッチ円半径の繰り返しパターンを有し、スプロケットに対するチェーンの巻角とパターンとは、チェーンに付与される張力を低減するのに有効である。チェーン巻角、スプロケット次数、および歯底円またはピッチ円半径パターンは、特に共振時にチェーンの張力を低減し、チェーンがスプロケットと接触するときに発生する騒音を低減するように選択される。
1つの態様では、本明細書で説明する多重スプロケットシステムは、少なくとも1つの駆動スプロケットと、少なくとも2つの被動スプロケットとを有する。スプロケットの少なくとも2つは張力低減スプロケットであり、様々な組み合わせで使用することができる。例えば、駆動スプロケットは、1つまたは複数の被動スプロケットと組み合わせて使用される張力低減スプロケットとすることができる。他の例では、被動スプロケットは、張力低減スプロケットとすることができ、駆動スプロケットおよび他のスプロケットは、ストレートスプロケットとすることができる。
この態様では、少なくとも2つの張力低減スプロケットは、歯底円半径もしくはピッチ円半径パターン、または歯底円もしくはピッチ円半径の繰り返しパターンを模擬的に再現したピッチ円もしくは歯底円半径配列を有し、これらのパターンまたは配列は、スプロケット以外が発生源の少なくとも1つの繰り返し張力事象がある場合に、少なくとも2つの張力低減スプロケットの360°回転にわたってチェーンの全張力を低減する。少なくとも2つの張力低減スプロケットのスプロケット次数、チェーン巻角、およびピッチ円半径もしくは歯底円半径パターンは、チェーンシステムとともに作動する場合、スプロケットが、チェーンシステムとともに作動するストレートスプロケットである場合と比較して、少なくとも2つの張力低減スプロケットの作動時に最大チェーン張力を低減するのに有効であるように調整される。(1)模擬的なピッチ円もしくは歯底円半径配列、または(2)平均ピッチ円半径もしくは平均歯底円半径からの変動量の配列に関する、ピッチ円もしくは歯底円半径対スプロケット上の位置、を表す曲線を生成するフーリエ級数によって、共振状態でチェーンの全張力を低減するのに有効であるピッチ円または歯底円半径の繰り返しパターンを有する同じ次数のスプロケットに合った、次数に対応する振幅が得られる。さらに、チェーンの巻角はまた、パターンまたは配列が張力を低減するのに有効であるかどうかに関して影響を与える。
本明細書で説明する多重スプロケットシステムの別の態様では、システムは、少なくとも1つの駆動スプロケット、少なくとも2つの被動張力低減スプロケット、および少なくとも2つの共振モードを有する。少なくとも2つの張力低減スプロケットは、歯底円半径もしくはピッチ円半径パターン、または歯底円もしくはピッチ円半径の繰り返しパターンを模擬的に再現したピッチ円もしくは歯底円半径配列を有し、これらのパターンまたは配列は、スプロケット以外が発生源の少なくとも1つの繰り返し張力事象がある場合に、少なくとも2つの張力低減スプロケットの360°回転にわたってチェーンの全張力を低減する。少なくとも2つの張力低減スプロケットのスプロケット次数、チェーン巻角、およびピッチ円半径もしくは歯底円半径パターンは、第2の共振モード状態でチェーンシステムとともに作動する場合、スプロケットが、第2のモードの共振状態で作動するチェーンシステムとともに作動するストレートスプロケットである場合と比較して、少なくとも2つの張力低減スプロケットの作動時に最大チェーン張力を低減するのに有効であるように調整される。(1)模擬的なピッチ円もしくは歯底円半径の配列、または(2)平均ピッチ円半径もしくは平均歯底円半径からの変動量の配列に関する、ピッチ円もしくは歯底円半径対スプロケット上の位置、を表す曲線を生成するフーリエ級数によって、共振状態でチェーンの全張力を低減するのに有効であるピッチ円または歯底円半径の繰り返しパターンを有する同じ次数のスプロケットに合った、次数に対応する振幅が得られる。さらに、チェーンの巻角はまた、パターンまたは配列が張力を低減するのに有効であるかどうかに関して影響を与える。
本明細書で説明する多重スプロケットシステムで使用される張力低減スプロケットを形成するために、スプロケットの次数およびチェーンの巻角は、チェーンおよびスプロケットアセンブリの共振張力が、共振状態で最小化されるように選択される。一方、少なくとも2回繰り返す、少なくとも1つの変動歯底円またはピッチ円半径パターンを形成するように設計されるスプロケットおよびチェーンで、特定の平均チェーン巻角を使用してはならないことが判明した。本明細書で説明する巻角において、歯底円もしくはピッチ円半径の繰り返しパターンと、歯底円またはピッチ円半径によってもたらされる張力のタイミングとは、共振状態でチェーンシステムとともに作動する場合、スプロケットが、共振状態でチェーンシステムとともに作動されるストレートスプロケットである場合と比較して、張力低減スプロケットの作動時に最大チェーン張力を低減するのに特に有効である。最大チェーン張力を最も良好に低減するには、下記に示す式によって定義される平均巻角以外の平均巻角を使用してはならない。
平均巻角=360N/次数±120/次数
式中、N=1,2,...,次数−1であり、
さらに、次数=チェーンおよび/またはスプロケット以外が発生源の張力事象の結果としてのスプロケット次数である。
平均巻角は、チェーンが最初にスプロケットと接触する位置から、チェーンが最後にスプロケットと接触する位置までの、スプロケット中心の周りの角度の平均である。平均巻角は、チェーン係合角とチェーン分離角との間の角距離平均差分である。スプロケットが係合されるか、または分離されるたびに巻角が変化するので、本明細書では平均角を使用する。
上記のように、1つの態様では、本明細書で説明する多重スプロケットシステムは、少なくとも1つの駆動スプロケットおよび少なくとも2つの被動スプロケットを有し、スプロケットの少なくとも2つは張力低減スプロケットである。本明細書で説明する多重張力低減スプロケットシステムのこの態様では、少なくとも2つの張力低減スプロケットは、チェーンおよびスプロケットシステム以外の張力源によって生じた張力を、ストレートスプロケットを使用するシステムの最大チェーン張力と比べて小さくするのに有効なように、互いに対して向きを合わされる。
別の態様では、本明細書で説明する多重張力低減スプロケットシステムには、少なくとも3つのスプロケットがあり、2つは被動張力低減スプロケットであり、1つは駆動スプロケットである。本明細書で説明する多重張力低減スプロケットシステムでは、少なくとも2つの被動張力低減スプロケットは、システムに関連する第1の共振モードで約0%〜約20%を超えてチェーン張力を増大させないまま、張力低減スプロケットに関連する第2の共振モードで、チェーンおよびスプロケットシステム以外の張力源によって発生する張力を低減するのに有効なように、互いに対して向きを合わされる。
スプロケット間の向きは、スプロケットを他のスプロケットに対して所定の向きに維持するように配置され、スプロケットの一部を構成する取付連結器(または位置決め構造体)を用いて容易に維持することができる。この取付連結器(または位置決め構造体)は、キーおよびキー溝、各スプロケットを取り付けるための公知の穴パターン、止めねじもしくはボルトシステム、シャフトもしくは他のスプロケットに対する永久固定手法(例えば、溶接または鋳造)、または他の公知のスプロケット位置決め手法とすることができる。
理論によって束縛されるものではなく、本発明を限定するのものではないが、エンジンチェーン駆動に第2の共振モードがあるエンジンにとって、少なくとも2つの被動スプロケットおよび1つの駆動スプロケットがなければならない。上記のように、この場合も、理論によって束縛されることを意図するものではないし、または本発明に対する限定として意図するものでもないが、第1の共振モードにおいて、2つの被動スプロケットは一体となって振動すると考えられる。2つの被動スプロケットは同方向に同時に振動して、角速度が変動する。第1の共振モードの張力に対処し、これを低減するのに張力低減スプロケットを適用する場合、張力低減スプロケットは、被動もしくは駆動スプロケットとするか、または2つの張力低減スプロケットの組み合わせとすることができる。これらのスプロケットは、最大半径がチェーン巻付部の中央(チェーンが最初にスプロケットと係合する位置からチェーンがスプロケットから分離する位置までを測定したときのチェーンの中央)にある状態で張力が加わるように向きを合わされる。第1の共振モードでチェーンおよびスプロケットシステム以外から発生した張力を相殺するためには、スプロケットの向きを合わせなければならないが、スプロケットが再度向きを合わされる場合、スプロケットは一緒に回転するので、スプロケット間の相対角は同じままである。
多重張力低減スプロケットシステムにおいて、第2のモードで張力を低減するために、第1のスプロケットのチェーン巻付部の中央に最大スプロケット半径があり、1つの張力低減スプロケットの最小スプロケット半径は、第2の張力低減スプロケットのチェーン巻付部の中央にある。次に、張力低減スプロケットは、第2の共振モードでチェーンおよびスプロケットシステム以外から発生した張力を低減するために再度向きを合わされるが、それでも、第1の共振モードの張力が0%〜20%以下で増大するのを防ぐ。サイレントおよび/またはローラチェーンを使用する多重張力低減チェーンおよびスプロケットシステムで使用される張力低減スプロケットが、以下にさらに詳細に説明され、公知のランダムおよびストレートスプロケットと比較される。一般的に、第1の共振モードは、上記した低いシステム振動周波数で発生し、第2、第3などの共振モードは、上記した高いシステム振動周波数で発生する。しかし、「第1の」および「第2の」という表現は、関連する共振モードに対する限定として意図されるものではなく、適切には、異なるシステム振動周波数で発生する共振状態を指す。
図1Aは、典型的な先行技術のスプロケット10を示している。スプロケット10は、図3に示すチェーン80のリンク82などのチェーンのリンクと係合するように、ほぼ円形の周縁部に配置された、半径方向に突出する19個の歯12を有する。スプロケット10などのストレートスプロケットは、様々な寸法とすることができ、例えば、スプロケット10の中心から歯12の先端までを測定した外径を約3.0915cmとすることができる。
本明細書では、共振と、共振状態にあるチェーンの張力の全体的な低減とについて言及する場合、通常、ねじれ共振を指す。ねじれ共振では、チェーンストランドはスプリングとして作用し、スプロケットおよびシャフトは、慣性または質量として作用する。1つの被動スプロケットと2つのチェーンストランドを用いた単純なチェーン駆動には1つのねじれモードがあり、単純なスプリング−質量系の回転版のようにふるまう。チェーン駆動には、スプロケットの外部の力に対する(シャフト角速度および張力変動を含む)応答を増幅する共振周波数がある。このねじれ共振は、共振周波数と同じ周波数でシャフトに加えられた(カムトルクなどの)周期性のトルク変動によって励起され得る。共振はまた、(クランクなどの)駆動シャフトの角速度変動、またはチェーンとスプロケットとの係合やチェーンおよびスプロケット形状のばらつきによって引き起こされる内部張力変動によって励起され得る。
大部分のチェーン駆動では、この第1のねじれ共振は、100Hz〜400Hzで発生する。これは、係合によって励起されるには低すぎるが、ランダムスプロケットによって導入される低次数で容易に励起することができる。チューン駆動には、横共振および縦共振もあり得る。横共振では、チェーンストランドはギターの弦のように振動する。横振動は、張力変動やストランド端部の運動によって励起され得る。チェーン張力変動を低減することで、横共振運動を弱めることができるが、ピッチ円半径の変動は、横共振運動を励起し得る。縦共振では、チェーンストランドはスプリングとして作用し、スプロケットは、(回転の対語として)平行移動質量として作用する。典型的なチェーン駆動では、チェーンおよびスプロケットに悪影響をもたらす大きな縦共振運動はない。エンジンチェーンおよびスプロケット駆動では、駆動におけるねじれ共振が最も重要である。
スプロケット歯底円半径14は、隣接する歯12間に画定されて、チェーン80のリンク82を連結するピンまたはローラ84を受け入れる。歯底14は、チェーンのピン84との係合を容易にするほぼ弓形の外形を有する。各歯底14は、スプロケット10の中心から、スプロケット中心に最も近い、歯底14に沿った点までの距離と定義される歯底円半径R(図3または図1AのRRを参照のこと)を有する。示した図1Aのスプロケット10では、歯底円半径RRは、スプロケット10の中心から歯底14に沿った最も内側の点までを測定して、約2.57685cmである。図1Aのスプロケット10は、歯底円半径RRがすべて互いに等しく、一般的には「ストレート」スプロケットとして公知である。したがって、各歯底12の深さは、参照数字1で示すように同じであり、この種のスプロケット10の第1の(そして唯一の)歯底円半径RRに対応する。
(スプロケット10に対しては示していない)チェーンに作用する様々な張力事象が、スプロケットの各回転中に周期性をもって繰り返されることがある。上記のように、スプロケットの外部の力によって起こる所与の張力事象がスプロケットの1回転中に繰り返される回数は、スプロケット回転に対する「次数」と称することができる。例えば、スプロケットの各回転中に1回起こるチェーンの張力事象は、1次事象と称することができ、スプロケット1回転中に2回起こる事象は、2次事象と称することができる。
システムの作動時に、チェーン80の張力を観測すると、チェーン80の張力の増大が、スプロケット10の回転の特定の次数で起こることがある。図1Aのスプロケット10のようなストレートスプロケットでは、チェーン張力の唯一の大きなピークが、上記のようにピッチ次数としても公知の、スプロケット10の歯12の数量に一致するスプロケット10の次数で発生し得る。
したがって、19個の歯12を有するスプロケット10のまわりを回転するチェーンには、スプロケット回転に対して19次で、すなわち、スプロケット10の1回転ごとに19回の、スプロケットによってチェーンに付与される張力のピークがある。スプロケット10によってチェーンに付与される張力のピークは、スプロケット歯12の数量のほかに、他の要因に起因することもある。例えば、正確な中心の周りに回転しないスプロケット10は、スプロケットの1次で、すなわち、スプロケット1回転ごとに1回、チェーンに張力を付与することができる。
上記のように、チェーンと、スプロケット10の歯底14および歯12との間の接触によって発生する騒音を低減するために、複数の異なる歯底円半径を備えた「ランダム」スプロケットが開発された。例えば、ランダムスプロケットは、騒音を減らすように選択された所定のパターンで配置された2つの異なる歯底円半径を有することができる。ランダムスプロケットはまた、チェーン80とスプロケットとの係合によって発生する騒音をさらに減らすために、所定のパターンで配置された3つの異なる歯底円半径を組み入れるように構成することもできる。歯底円半径は、特定のシステムおよびスプロケット設計に基づいて変えることができる。
図1Bに示すランダムスプロケット20は、(スプロケット20に対しては示していない)チェーンとスプロケット20との係合によって発生する騒音を減らすように構成されている。ランダムスプロケット20は、図1Aのストレートスプロケット10に類似しているが、3つの異なる歯底円半径R1、R2、R3があり、したがって、3つの異なる歯底深さ1〜3がある。図1Bに示すスプロケット20では、スプロケット20の中心から歯底24の最も内側の点までを測定して、第1の歯底円半径R1が約2.54685cmであり、第2の歯底円半径R2が約2.57685cmであり、第3の歯底円半径R3が約2.60685cmである。
歯底深さ1〜3は、騒音の発生を減らすために、チェーンのピンと、スプロケット20の隣接する歯22間の歯底24との間の係合周波数を変調するように選択されたパターンで配置されている。チェーンのピンがスプロケット22の隣接する歯底24間を移動するときに、ピンが着座する半径方向位置が、最大半径、標準半径、および最小半径の間で変わる。図1Bの騒音低減スプロケット20では、歯底24の深さパターンは、タイミングマークTから始めて、2、2、3、3、2、1、1、2、2、3、2、1、1、2、1、2、1、1、1である。
騒音を低減するように選択されたパターンで配置された3つ以上の異なるピッチ円半径を有する図1Bのランダムスプロケット20では、スプロケット次数1次、2次、3次、および4次が、特に共振によって増幅された場合に、残りのスプロケット次数と比べて、比較的大きな張力をチェーンに付与することができる。低いスプロケット次数に対応したチェーン張力がこのように増加すると、最大チェーン張力全体が増大し、チェーンおよび/またはスプロケットの全体寿命が短くなるという望ましくない効果を及ぼすことがある。
本明細書で説明したように、チェーン巻角、スプロケット次数、および歯底円半径またはピッチ円半径パターンまたは配列を調整することで、ランダムスプロケットを用いてチェーン張力を低減することが可能である。複数の異なる歯底円またはピッチ円半径が、本明細書で説明した巻角と併用される。その半径は、1つまたは複数の選択されたスプロケット次数で発生するチェーン張力を、チェーンに伝達される、スプロケット上の外力によって低減することを可能にするのに有効な、1つまたは複数のパターンで配置される。歯底円またはピッチ円半径パターンまたは配列は、先行技術のランダムチェーンの欠点をなくして、チェーンの騒音または音を低減するように選択することもできる。
本明細書で説明したように使用されるスプロケットのピッチ円半径または歯底円半径は、チェーンリンクの寸法および構成、チェーン連結ピンの寸法および間隔、ならびに/またはスプロケット歯の数量、歯の構成、およびスプロケットの寸法から定まる最大半径および最小歯底円半径を基準として選択される。歯底円半径はまた、通常は最大半径と最小半径との中間点である標準歯底円またはピッチ円半径を基準として選択することができる。
異なる歯底円半径または異なるピッチ円直径を選択することで、チェーンがスプロケットの歯/歯底と接触することによって発生するピッチ張力を全体的に低減することができる。これは、スプロケット歯底の深さが異なる結果、異なる時刻に、異なる張力レベルで、チェーンピン(または等価のチェーン要素)がスプロケットの歯/歯底と接触するためであると考えられる。
図1Cは、スプロケットの周りの巻角を示し、また、チェーンが最初にスプロケットと接触し、最後にスプロケットと接触する位置を示しており、その接触点が巻角αを画定する。図1Cおよび図6に示した巻角を比較することで、チェーンがスプロケットと係合している状態によって、図6にβとして概略的に示した角度など、チェーン巻角がどのように変わり得るかが分かる。上記のように、これが、平均巻角を本明細書で説明したように使用する理由である。
1つの態様では、歯底円半径またはピッチ円半径は、少なくとも2回繰り返すパターンで配置されるが、繰り返しは、スプロケット外周一周で複数回とすることができる。この周縁部は、スプロケット歯の外縁によって画定されるほぼ円形の周縁外形を有する。歯底円またはピッチ円半径のパターンは通常、1つまたは複数のセット、または多数の不均一なまたはランダムな歯底円またはピッチ円半径を含む。各半径セットは通常、同じ長さを有し、同じ順序で配置された同数の歯底円またはピッチ円半径を含む。1つの態様では、パターンは、例えば、1、2、3、4、4、3、2、1、1、2、3、4、4、3、2、1など、ピッチ円半径または歯底円半径を昇順および降順で配置して繰り返すことができる。したがって、この態様では、パターンは、最小ピッチ円半径から次第に大きくなり、次いで、最大ピッチ円半径から最小ピッチ円半径まで次第に小さくなることができる。さらに、1つのパターンで1つのピッチ円または歯底円半径が欠落している場合に有益な結果が得られることがある。「概ね繰り返す」という表現を使用する場合、これは、1つの歯底円またはピッチ円半径が、歯底円またはピッチ円半径の繰り返しパターンから欠落してもよいことを意味する。他の態様では、多数の繰り返しパターンがあり、2つ以上のパターンを欠落させることができる場合に、チェーン巻角を調整する半径、次数、およびパターンにより、特に共振時に、ストレートスプロケットの場合よりチェーン張力を低減することができる。さらに、異なる歯底円半径セットは、長さ、数量、および配置が異なる半径を有することができる。
そのようなパターン、あるいは、スプロケットの周縁に沿って上記のパターンを模擬的に再現した配列として繰り返されるランダムな歯底円半径を使用することで、特定のスプロケット次数(または適用可能な基準に基づく他の次数)に対して張力を相殺するかまたは低減することができる。その際に、張力相殺の累積効果により、スプロケットによって特定のスプロケット次数(または他の基準次数)でシステムに導入されたチェーン張力を計画的に全体として低減することができる。
不均一なまたはランダムな歯底円またはピッチ円半径のパターンと、歯底円半径の長さとを選択することにより、さらに、半径の主パターン、および副パターンもしくはサブパターンを使用することが可能になる。そのような主および副パターンは、複数のスプロケット次数(または他の適用可能な次数)に対して様々な大きさでチェーン(またはシステム全体)に付与される全張力を低減するのに有効である。これは、所与の次数でのチェーン巻角の選択とともに、システム内の複数の張力源を相殺し、かつ/または他の張力源の有無にかかわらず、チェーンおよびスプロケットに作用する全張力のバランスをとるために、スプロケット歯底円半径およびパターンを選択する際にさらなる自由度をもたらす。
図2は、本発明の一態様によるスプロケット30を示しており、ランダムスプロケット30は、所定のスプロケット次数でチェーン張力を低減するとともに、チェーン80とスプロケット30との係合によって発生する騒音も低減するために提供される。図1Aのストレートスプロケット10および図1Bの主に騒音低減用に設計されたランダムスプロケット20と同様に、スプロケット30は、そのほぼ円形の外周の周りに配置されて、チェーン80のピン84と係合する、半径方向に突出した複数の歯32(図3)を有する。歯底34は、隣接する歯32間に画定されて、チェーン80のリンク82を連結するピン84を受け入れる。
図3に示すように、図3の張力低減スプロケット2は、最大歯底円半径R3、標準歯底円半径R2、および最小歯底円半径R1を有する。上記のように、最大および最小歯底円半径は通常、リンク寸法およびピン間隔、スプロケット歯の形状などによって決まる。図2および図3のスプロケット30の歯底パターンは、図1Bのスプロケット20の歯底パターンとは異なっている。
図2は、歯底円半径R1、R2、R3がそれぞれ約2.54685cm、約2.57685cm、約2.60685cmのスプロケットを示している。歯底深さのパターンは、タイミングマークTから始めて、2、3、3、2、1、2、3、3、2、1、2、3、3、2、1、2、3、3、2である。スプロケット30の歯底円半径パターンは、スプロケット30の周縁の周りで4回概ね繰り返される(1つの歯底が欠落し、最後が完全なパターンよりも少なくなっている)パターン、すなわち2、3、3、2、1を含む。
本明細書で説明した次数でチェーン巻角を使用し、張力低減スプロケットの説明で本明細書に示したような歯底円またはピッチ円半径のパターンセットにグループ分けされた歯底円またはピッチ円半径のランダムパターンを使用することで、スプロケット30の4次でチェーン80の低次数張力を効果的に集めて相殺するのに使用できる繰り返しパターンが得られる。共振モードが1つの単純なシステムでは、これは、スプロケット30と、チェーン張力を発生させる、スプロケットにかけられた外力とによって、チェーン80に付与される最大張力全体を低減する。これらのチェーン張力は、シャフトおよび/またはピストンなどの、スプロケットの外部の自動車エンジンシステムの様々な部品によってチェーン80に付与することができる。
外部源は、上記の例のスプロケット20、30によってチェーン80に付与される張力に加えて、チェーン80に張力事象を付与することができる。これらの外部張力事象は、スプロケット回転の次数に対応する間隔で起こり得る。特定の次数と、チェーン巻角、ランダム歯底円半径、および繰り返し歯底円半径パターンとをすべて組み合わせて使用することで、スプロケット30によってチェーン80に付与される張力が相殺され、ストレートスプロケットに比べて最大チェーン張力全体が低減され、さらに、特に、可変速度で作動する(内燃機関などの)エンジンとともに共振状態にあるときに、チェーンの騒音または音が低減される。
張力低減スプロケットの歯底円半径やピッチ円半径の構成は、張力全体を低減するためにチェーン張力を集中させることが望ましいスプロケット次数に等しい回数だけ、半径パターンを概ね繰り返すということに基づいて選択することができる。2次張力事象に起因する最大張力を低減するためには、通常では、パターンは、2回繰り返して全張力を低減する2次パターンであろうと予想される。別の例では、本発明のスプロケット30によってチェーン80に付与される張力を4次以上のスプロケット次数で集中させるために、歯底円半径の構成は、スプロケット30一周で4回以上概ね繰り返すパターンを含むことができる。
上記のように、繰り返し半径パターンおよびチェーン巻角により、スプロケット30によってチェーン80に付与される最大張力全体を低減する一方で、スプロケット30とチェーン80との間の接触によって発生する騒音も低減するという利益を得ることができる。内燃ピストン機関に関して、本発明のランダムスプロケット30の、予測される最大張力全体の低減効果が図4に示されている。図1〜3のスプロケット10、20、30によってチェーンに付与される予測最大張力が、対応する内燃機関回転数で、特に、回転数が4000rpm付近などで共振状態にある場合を、図4に比較されている。
図4に示すように、図1のストレートスプロケット10は、様々なエンジン回転数にわたるが特に共振状態で、騒音の低減だけのために設計されたランダムスプロケット20と比べて、かなり低い最大張力をチェーン80に付与している。特に、主に騒音低減のために設計されたランダムスプロケット20によってチェーン80に付与される最大張力は、エンジン回転数4000rpm付近でより高くなると予測され、一方、ストレートスプロケット10は、同じエンジン回転数に対して、はるかに低い最大張力をチェーンに付与するであろう。
騒音低減および最大チェーン張力の低減をどちらも目的として設計されたランダムスプロケット30によってチェーン80に付与される最大張力は、主に騒音を低減するために設計されたランダムスプロケット20に対してよりもかなり低くなると予想される。実際上、張力低減スプロケット30は、図4に示したエンジン回転数において、ストレートスプロケット10と同等の、場合によってはこれよりも低い最大張力をチェーン80に付与することができる。したがって、図4は、本発明の改良されたランダムスプロケット設計30が、最大チェーン張力全体を低減し、従来のランダムスプロケット設計では得られない効果をもたらすと予測されることを示している。
図2および図3の例に対して4次が選択されているが、下記の表に記載しているようなスプロケット回転の他の次数でチェーン張力を集中させることもできる。例えば、スプロケット回転の3次でチェーン張力を集中させるのに有効な歯底円またはピッチ円半径パターンを選択することができる。そのようなパターンは、上記のチェーン巻角とともに、スプロケットの周囲一周で3回概ね繰り返される歯底円半径パターンを含むことができる。例えば、スプロケット次数3次でチェーン張力を集中させる歯底深さパターンは、1、2、3、3、3、2、1、2、3、3、3、2、1、2、3、3、3、2、1とすることができ、この場合に、歯底深さパターン、すなわち、1、2、3、3、2は、スプロケットの1回転ごとに3回概ね繰り返される。
スプロケットによってチェーン80に付与される張力は、2つ以上のスプロケット次数で集中させることもできる。例えば、スプロケットの各回転ごとに2回繰り返す主歯底円半径パターンと、各主パターン内で2回繰り返す副パターンとを有する歯底円またはピッチ円半径パターンを選択することができる。したがって、この態様では、主繰り返しパターン内で副パターンを繰り返す形で、主および副半径が設けられる。適切なチェーン巻角とともに、選択された次数で主および副繰り返しパターンを両方有することの利点は、スプロケット次数をさらに再分散させ、スプロケットによってチェーン80に付与される張力を低減することができることである。したがって、そのようなパターンを有するスプロケットの各回転に対して、主半径パターンは、2つの張力事象をもたらすのに有効であり、一方、副半径パターンは、4つの張力事象をもたらすのに有効である。副半径パターンによってもたらされる張力事象は、主半径パターンによってもたらされる張力事象よりも小さい振幅とすることができる。
1つの共振モードが対象である単純なチェーンおよびスプロケットシステムのチェーン全張力を低減するために、スプロケット30のものと同様な、巻角と、ランダムでかつ繰り返す歯底円またはピッチ円半径パターンとによってチェーン80に付与される張力は、スプロケット30およびチェーン80の外部の張力源によってチェーン80にかけられる張力を少なくとも部分的に相殺するように選択される。1つの態様では、外部源に起因するチェーン張力、およびスプロケット30に起因するチェーン張力のピークに対応するスプロケット回転の次数が求められる。次いで、外部源に起因するチェーン張力が最大になるスプロケット次数でチェーン張力を相殺するようにスプロケット30を構成する。これは、スプロケット30に起因するチェーン張力および外部源に起因するチェーン張力の両方が、共振のために最大限となった場合に発生し得るようなチェーン80の全張力を低減する潜在能力をもたらす。例えば、外部張力がスプロケット30の1回転ごとに4回発生する場合、スプロケット30の歯底円半径は、共振状態でチェーンに付与される外部張力を少なくとも部分的に相殺するように位相をシフトしたスプロケット次数で、スプロケット30によってチェーン80に付与される最大張力を集中させるように、本明細書で説明した巻角を使用して構成することができる。このように、チェーン80の全張力を低減し、チェーン80およびスプロケット30の両方の寿命を延ばすために、チェーン80のスプロケット張力によってチェーン80の外部張力を少なくとも部分的に相殺することができる。
図5は、スプロケットと係合するチェーン歯を有するサイレントチェーン90と併用する張力低減スプロケット100を示している。サイレントチェーンは、スプロケット歯の側面すなわち歯面などでスプロケット歯と駆動(被動)係合する歯を有し、さらに、通常、スプロケットと駆動的に係合しないが、チェーンがスプロケット内に整列するのを助けることができる外側リンクプレートを有する。サイレントチェーン90は、それぞれが1つまたは複数の歯96を有し、連結器94の周りに互いに対して回転可能な複数のリンクプレート92を含む。サイレントチェーン90が、スプロケット100の周りに回転するときに、チェーン90の歯96は、スプロケット100の歯102と係合する。スプロケット100は、スプロケット100の中心から、スプロケット100の歯102間に着座する歯96を有するリンクプレート92間の連結器94まで測定した、3つの異なるピッチ円半径PR1、PR2、PR3を有する。図5は、ピッチ円半径R1、R2、R3に対応するチェーン連結器94の中心を通る円弧PA1、PA2、PA3を示している。ピッチ円半径PR1、PR2、PR3は、スプロケット100の回転の1つまたは複数の所定の次数で、スプロケット100によってチェーン90に付与される張力を分散させるのに有効なパターンに配置される。
繰り返しパターンを模擬的に再現した半径パターンまたは配列は、チェーン巻角で調整されなければならない。2次、3次または最大8次まであるスプロケットの例として、上記の式(1)を適用して巻角が求められている。この例で、下記の表Iは、2次から最大8次までのそれぞれに対して使用されるべき巻角を示している。
表で上記に示した巻角は、スプロケットまたはプーリの半径変動が駆動共振で十分な張力変動を発生させて、外部源によって発生した張力を相殺するように使用される。これらの値以外の巻角では、半径変動により発生する張力が不十分なものとなる。避けるべき巻角を下記に表IIで示すが、Nおよび次数は上記の式1に示されている。
張力低減スプロケットのスプロケットパターン次数は、測定した、または予測されるチェーン張力に基づいて選択される。一手順では、正確な歯数、ピッチ長、および半径振幅を備えたスプロケットを囲んでチェーンが着座した場合にピン位置を出すことができる。一定のピッチ長と、上記の式(1)によって定義される巻角とを維持しながら、正確なピッチ円半径変動振幅を確保してピンの位置を特定する。次いで、外部励起のないスプロケットで動的システムシミュレーションを実行する。張力低減スプロケットにより生じるストランド張力を、ストレートスプロケットおよび外部励起のシミュレーションから求めたストランド張力と比較する。スプロケットの張力が外部張力と位相がずれるように、張力低減スプロケットの向きを調整する。張力低減スプロケットと外部励起がある場合の動的システムシミュレーションを実行する。必要に応じて、張力低減スプロケットの向きおよび振幅を調整する。スプロケットが確実に常に有効であるようにするために、様々な条件でシミュレーションを実行する。CADに基づくプログラムまたは同様のソフトウェアを使用して、ピン位置を実際のスプロケット外形に変換する。次いで、プロトタイプのスプロケットを作製し、性能を確認するためにエンジンに搭載して試験を行う。本明細書で説明したように張力低減スプロケットを設計した後、これらの張力低減スプロケットは、下記に説明する多重張力低減スプロケットシステムの一部になる。
実施例1−第1のモード時に、スプロケットの向きが2つの張力低減スプロケットの性能にどのように影響するか
図7は、第1のモードの共振を相殺する(各カムシャフト上にある)2つの3次張力低減スプロケット202、204を備えたシステム200を示している。外部から付与された張力はない。システム内の他の2つのスプロケットとして、スプロケット206および駆動スプロケット208がある。ストランド210を有するチェーンは、排気張力低減スプロケット202と駆動スプロケット208との間を走行する。チェーンストランド212またはストランド4は、駆動スプロケット208とスプロケット206との間を走行する。ストランド214またはストランド3は、スプロケット206と張力低減スプロケット204との間を走行する。ストランド216またはストランド2は、(吸気側にある)張力低減スプロケット204と張力低減スプロケット202との間を走行する。
図7に示す初期の向きでは、最大半径は、両方のスプロケットに対して218および220で示したチェーン巻付部の中央に配置される。排気スプロケット202を回転させて、相対的なスプロケットの向きを変えた。張力低減スプロケットによって発生する第1のモードの張力を最大化することは、チェーンおよびスプロケットシステム以外によって生じた第1のモードの張力を相殺する最も有効な方法である。図7、図7b、図7d、図7f、図7hに記載した歯底1の角度は、シリンダ番号1(通常は、エンジン前部に最も近いシリンダ)に対して、上死点でエンジンが点火したときの、水平線から最大スプロケット半径までの(反時計方向回りの)角度である。
図7aは、エンジン回転数(rpm)対ストランド張力(ニュートン)のグラフを示している。図7aは、チェーンが巻き付き、図7bに218、220で示すように、同時に最大半径となった張力低減スプロケット202、204の基本グラフを示している。図7aを図7c、図7e、図7gと比較するとわかるように、張力低減スプロケットがともに、チェーンがスプロケットに巻き付いたチェーン巻付部の中央に最大半径点が近接する向きになったときに、最大張力が発生する。したがって、この実施例のシステムにとって、実際上、最適状態は、最大半径が2つとも同時にチェーン巻付部の中央にあるときであると思われる。両方のスプロケットは、同じ回転方向で同時に加速されているので、ストランド1、4間で交互に現れる張力を発生させる。これは、外部源によって生じる第1のモードの張力を相殺するのに最良の相対的向きである。なお、単一のチェーンストランドに対して2つの曲線を示している図7および他の図において、一方の曲線は、様々なエンジン回転数でのストランドの最大張力であり、他方は、同じストランドの最小張力である。
図7c、図7e、および図7gに示した傾向から概ね分かるように、一方の張力低減スプロケットは、最大半径がチェーン巻付部の中央にあり、他方は、最小半径がチェーン巻付部の中央にあるように、張力低減スプロケットが向きを合わされた場合、2つの張力低減スプロケット202、204によって発生する張力は、第1のモードの共振状態で互いに相殺する。スプロケットは、反対方向に加速されているので、増大および減少が同時に起こるストランド1、4の張力を発生させる。その結果、この相対的向きでは、外部源によって発生する第1のモードの張力に及ぼす効果がほとんどない。一方、ストランド1、4の張力は、第2のモードで増大と減少が同時に起こるので、この向きは、外部源(または第1のモードの張力低減スプロケット)によって生じる第2のモードの張力を相殺するのに最適である。図7cは、図7dに示すように、張力低減スプロケット202の最大半径が−16°進んだ場合にチェーン張力がどうなるかを示している。図7eは、図7fに示すように、張力低減スプロケットの最大半径が39°遅れた場合にチェーン張力がどうなるかを示している。最後に、図7gは、図7hに示すように、張力低減スプロケットの最大半径が55°遅れた場合にチェーン張力がどうなるかを示している。
実施例2−高回転数で第2のモードの共振が大きいシステム
図8は、2つの張力低減スプロケット302、304が、それぞれシャフト1、3上にある2つの張力低減スプロケット302、304間のスプロケット306とともに、駆動スプロケット308によって駆動される、4スプロケットシステム300を示している。チェーンストランド310またはストランド1は、張力低減スプロケット302とシャフト0上の駆動スプロケット308との間を走行する。チェーンストランド312は、駆動スプロケット308と張力低減スプロケット304との間を走行する。ストランド314またはストランド3は、張力低減スプロケット304とシャフト2上のスプロケット306との間を走行し、ストランド316またはストランド2は、スプロケット306と張力低減スプロケット302との間を走行する。図8aは、すべてのスプロケットがストレートスプロケットである場合に、図8のシステム300で発生する張力を示している。図8Aは、図8に示すシステムにおいて、すべてのスプロケットがストレートスプロケットであり、そのストレートスプロケットシステムが外部的に発生した張力を含むとした場合の張力を示しており、共振状態で第2のモードの大きな張力がある。図8bは、図8に示すシステムが、半径振幅が1.0mmで、最大半径が0°に位置し、外部的に発生する張力がない単一の張力低減スプロケットをシャフト1(スプロケット302)に有するとした場合の張力を示しており、第1のモードの大きな共振張力がある。図8cは、図8に示したシステムが、半径振幅が1.0mmで、最大半径が0°に位置し、外部的に発生する張力がない単一の張力低減スプロケットをシャフト3(スプロケット304)に有するとした場合の張力を示しており、第1のモードの大きな共振張力がある。
また、第1のモードの共振で、シャフト3(スプロケット304)により発生した張力は、シャフト1(スプロケット302)による張力よりも約15%だけ大きいことが分かる。これらの2つの振幅を近似させることが望ましい。このために、シャフト1(スプロケット302)の半径変動振幅は、シャフト3(スプロケット304)の半径変動振幅よりも15%だけ大きくなければならない。
第1のモードの共振で、右バンク(RB)の張力低減スプロケット(スプロケット302)に起因するストランド312(ストランド4)の張力ピークは、左バンク(LB)の張力低減スプロケット(304)に起因するストランド312(ストランド4)のピーク間の中間で発生するのが好ましい。これを達成するために、右バンクの張力低減スプロケット302の向きは、クランクで約40°(カムで約20°)進められる。この進みは、図9aおよび図9bに示されている。図9aは、シャフト1上(スプロケット302)の半径振幅が1.0mmで、外部的に発生する張力がなく、最大半径が0°に位置する張力低減スプロケットの場合の張力変動を示している。図9bは、シャフト3上(スプロケット304)の半径振幅が1.0mmで、外部的に発生する張力がなく、最大半径が0°に位置する張力低減スプロケットの場合の張力変動のほかに、右バンク(RB)のピークの望ましい位置を示している。
図9a、図9bに示すデータを作製することで、2つの張力低減スプロケット間の相対的な半径振幅が得られ、第1のモードの共振が励起されず、第2の共振モードで張力が発生しないことを確認するシステムのシミュレーション試験を通じて、スプロケットの相対的な角度方向を求める出発点が得られる。この実施例では、図8のシャフト1上のスプロケット(スプロケット302)が1.0mmで0°に位置し、図8のシャフト3上のスプロケット(スプロケット304)が1.15mmで−20°に位置し、外部的に発生する張力はないとしてシミュレーション試験を実行する(図10を参照のこと)。図10から分かるように、両方の張力低減スプロケットで、第1の共振モードの張力は相殺し、第2の共振モードでより多くの励起がある。これらの結果は、2つの張力低減スプロケットは第1のモードで他方の張力を相殺し、互いに加わって第2のモードの共振張力を励起することを裏付ける。したがって、スプロケットの向きを互いに対して合わせる際に次にすべきことは、第2の共振モードで外部的に発生する張力を相殺するために、張力低減スプロケットの振幅および向きを調整することである。通常、半径振幅は、張力低減スプロケットが、第2のモードで外部的に発生する張力と同じ張力レベルを発生させるように調整される。張力低減スプロケットの向きは、張力低減スプロケットから生じるストランド312(ストランド4)の張力のピークが、外部張力源(場合によっては、第1のモードの張力低減スプロケット)から生じるストランド312(ストランド4)の張力ピークの間の中間で発生するように調整される(両方のスプロケットが同じ量シフトされる)。図10a(この場合、外部的に発生する張力はない)および図10b、特に、第2のモードで外部的に発生する張力を含む図10bを参照すると、クランク角(°)対7500rpmでのストランド張力(N)のグラフで、右バンク(スプロケット302)が左にシフトされている。図10で概ね示すように、この結果は、各張力低減スプロケットは、第1のモードで他方の張力を相殺し、互いに加わって第2のモードを励起することを裏付ける。
両方の張力低減スプロケットに起因するストランド4(312)の張力ピークは、基本システムから生じるストランド4(312)の張力ピークの間の中間で発生することが望ましい。初期の評価では近接していた。両方の張力低減スプロケットは、クランクで約20°(カムで10°)進められるべきである。通常、両方の張力低減スプロケットに起因するストランド4の最大張力は、基本形から生じるストランド4の最大張力と一致するのが好ましい。この場合に、張力低減スプロケットの半径振幅はすでにかなり大きく、望ましくないストランドの振動を引き起こす恐れがある。ストランド振動に対する励起を制限するのに、半径変動はそのままに維持され、部分的にのみ第2のモードの張力を相殺する。したがって、2つの張力低減スプロケットが第2のモードの張力を部分的に相殺することを確認しなければならない。
図8に示したシステムに対して外部的に発生する張力のみの基本形が図11に示されており、シャフト1は、1.0mmのスプロケット(スプロケット302)を有し、シャフト3(スプロケット304)は、1.15mmのスプロケットを有する。図11aに示すように、シャフト1(スプロケット302)が、9°回転した1.0mmのスプロケットを有し、スプロケット304が1.15mmで−11°回転した場合、張力低減スプロケットは、第1のモードで張力を大幅に増大させることなく、高回転数で第2のモードの張力を大幅に低減する。出発点としてこれを使用して、システムの最大張力のさらなる低減を図るために、引き続き張力低減スプロケットの向きを変えるさらなるシミュレーションを行うことができる。シャフト1(スプロケット302)が1.00mmで、17°回転し、シャフト3(スプロケット304)が1.15mmで、−3°回転し、外部的に発生する張力をシステムが有する場合のシミュレーションにより、第2の共振モードでさらに張力が低減されるが、第1の共振モードでわずかに張力が増大することが分かり、これを図12に示している。
実施例3−両方のエンジンバンクを駆動するV8チェーンでの張力低減
図13は、7スプロケットシステムを示し、シャフト0上の駆動スプロケット402が、チェーンストランド1(416)、2(418)によって、シャフト1上のスプロケット404に連結されている。シャフト1上のスプロケット404は、チェーンストランド3(420)によって、シャフト6上のスプロケット414に連結され、シャフト2上のスプロケット406は、チェーンストランド9(432)、8(430)によって、スプロケット414に連結されている。シャフト2上のスプロケット406は、チェーンストランド4(422)によってシャフト3上のスプロケット408に連結されている。スプロケット408は、チェーンストランド5(424)によってシャフト4上のスプロケット410に連結されている。スプロケット410は、チェーンストランド6(426)によって、シャフト5上のスプロケット412に連結されている。最後に、スプロケット412は、チェーンストランド7(428)によって、スプロケット404に連結されている。図13a、図13b、図13cは、第1および第2の共振モードで、すべてのスプロケットがストレートスプロケットである場合の、チェーンストランド1、2、3の張力をそれぞれ示している。
スプロケット406、412が3次の張力低減スプロケットに変わると、第1の共振モードで張力が増大することなく、第2の共振モードで張力を大幅に低減することができる。シャフト2上のスプロケット406の最大半径振幅が0.5mmで、18°に位置し、シャフト5上のスプロケット412の最大半径振幅が1.3mmで、−112°に位置する場合の、チェーンストランド1、2、3の張力をそれぞれ図14a、14b、14cに示している。
実施例4−ストレートスプロケットと比較した、張力低減スプロケットの第1のモードの張力に及ぼす効果
図15a、図15bは、エンジン回転数(rpm)対ストランド張力(ニュートン)を表す、図7に示したシステム200の張力グラフを示している。グラフ15aはチェーン張力を示し、各スプロケットはストレートスプロケットであり、外部励起がシステムに加えられている(この場合は、クランクねじれ、さらに、変動バルブ列/カムトルク負荷)。上記のように、システム内の他のスプロケットには、スプロケット206および駆動スプロケット208(この場合はストレートスプロケット)がある。チェーンは、排気スプロケット202(この場合はストレートスプロケット)と駆動スプロケット208との間を走行するストランド210またはストランド1を有する。チェーンストランド212またはストランド4は、駆動スプロケット208とスプロケット206との間を走行する。ストランド214またはストランド3は、スプロケット206とスプロケット204(この場合ストレートスプロケット)との間を走行する。ストランド216またはストランド2は、スプロケット204とスプロケット202との間を走行する。図15aに示すように、第1の共振モードにおいて、各チェーンストランドに非常に大きな張力の増大またはスパイク波形がある。
図15bは、上記の実施例1で説明した2つの3次張力低減スプロケットを備えた、図7に示すシステムのチェーン張力グラフである。(各カムシャフト上の)張力低減スプロケット202、204は、図7dで示し、説明したように、すなわち、最大半径が16°進むように向けられる。図15bに示すように、ストレートスプロケットシステムと比較して、第1のモードの共振張力が大幅に低減され、その第1のモードで発生する最大チェーン張力も大幅に低減されている。
図16は、実施例1で説明したシステムの張力低減スプロケットの向き間の相対角と、実施例1で説明した2張力低減スプロケットシステムによって発生した最大チェーン張力との間の関係を示している(図7a〜7hを参照して説明した外部励起はない)。張力低減スプロケットの向きは、カム°を単位としてチェーン巻付部の中央を基準とされる。この図16において、相対角のマイナス符号が反転され、例えば、図7a〜7hの歯底角−16.5は、図16では16.5°と表される。
実施例5−駆動および被動スプロケットで使用される張力低減スプロケットの効果
図17は、1つの駆動スプロケットと2つの被動スプロケットとを備えたシステム500を示している。この実施例において、ストレートスプロケットを使用し、外部励起を受けるこのシステム500で発生したチェーン張力が、張力低減スプロケットを使用し、同じ外部励起を受けるシステム500と比較される。張力低減スプロケットを使用するシステム500は、ストレートスプロケット502(この実施例では、排気カムスプロケットである被動スプロケット)と、張力低減スプロケット504(この実施例では、吸気カムスプロケットである被動スプロケット)と、張力低減スプロケット508(この実施例では、クランクスプロケットである駆動スプロケット)とを使用する。ストランド510またはストランド1を有するチェーンは、排気張力低減スプロケット502と張力低減駆動スプロケット508との間を走行する。チェーンストランド512またはストランド3は、駆動スプロケット508と張力低減吸気スプロケット504との間を走行する。ストランド514またはストランド2は、吸気スプロケット504と排気スプロケット502との間を走行する。
各張力低減スプロケットには、スプロケットの各回転で繰り返すピッチ円半径パターンが設けられる。さらに、チェーンピッチ長(リンクピン軸間の距離)が、確実にほぼ一定の長さに維持されるように、ピッチ円半径の角度変動が調整され、チェーンがスプロケットと係合する。
張力低減スプロケット504(吸気側)には、同じ寸法および歯数のストレートスプロケットが一定のピッチ円半径であるのに対して、最大約1mmの半径振幅が付与される。この実施例では、張力低減スプロケットの半径振幅は、張力低減スプロケットのピッチ円半径をその等価のストレートスプロケットのピッチ円半径から下記に表1で示す量だけ変えることによって得られる。ピッチ円半径パターンも下記に表1で示されている。このピッチ円半径パターンは、スプロケット次数3次およびエンジンサイクル次数3次での張力低減に対処する。張力低減スプロケット504(吸気側)は、歯底1の角度を約5°に合わされる。
張力低減スプロケット508(駆動用、クランクスプロケット)には、同じ寸法および歯数のストレートスプロケットのピッチ円半径と比較して、最大約0.2mmの半径振幅が付与されている。張力低減スプロケットの半径振幅は、張力低減スプロケットのピッチ円半径をその等価のストレートスプロケットのピッチ円半径から下記に表2で示す量だけ変えることによって得られる。ピッチ円半径パターンも下記に表2で示されている。ピッチ円半径パターンは、スプロケット次数3次およびエンジンサイクル次数6次での張力低減に対処する。張力低減スプロケット508(駆動用、クランクスプロケット)は、歯底1の角度を約40°に合わされる。
図18aおよび図18bは、エンジン回転数(rpm)対ストランド張力(ニュートン)を表す、図17に示したシステム500の張力グラフを示している。グラフ18aはチェーン張力を示し、各スプロケットはストレートであり、外部励起がシステムに加えられている(この場合は、クランクねじれ、さらに、変動バルブ列/カムトルク負荷)。各図において、一方のグラフは、ストランドによる最小および最大チェーン張力を示し、他方のグラフは、エンジンサイクル次数(およびクランク次数)別のストランド3(ストランド510)の張力成分を示している。図18aに示すように、ストレートスプロケットシステムの場合、第1の共振モードで、各ストランドに非常に大きな張力の増大またはスパイク波形がある。ストランド3の全張力には、全次数的に、そして共振モードの6次で、非常に大きな増大およびピークがあった。さらに、3次に張力の増大が見られ、他の次数も上昇傾向にある。
図18bに示すように、被動スプロケット(吸気スプロケット506)としての張力低減スプロケットと駆動スプロケット(クランクスプロケット508)とを使用した場合の最大チェーン張力は、ストレートスプロケットシステムと比較して、各ストランドで大幅に低減されている。同様に、ストランド3の全張力は、全次数的に、そして6次および3次できわめて大幅に低減した。この実施例では、すべての第2の共振モードは、図18aおよび図18bのグラフとはかかわりのない高いエンジン回転数に存在する。
実施例6−駆動および被動スプロケットで使用される、二重次数の張力低減スプロケットを用いた張力低減スプロケットの効果
図19は、1つの駆動スプロケットおよび2つの被動スプロケットを備えたシステム600を示している。この実施例において、ストレートスプロケットを使用し、外部励起を受けるこのシステム600で発生したチェーン張力が、張力低減スプロケットを使用し、同じ外部励起を受けるシステム600の張力と比較されている。張力低減スプロケットを使用するシステム600では、ストレートスプロケット602(この実施例では、排気カムスプロケットである被動スプロケット)と、張力低減スプロケット604(この実施例では、吸気カムスプロケットである被動スプロケット)と、張力低減スプロケット608(この実施例では、クランクスプロケットである駆動スプロケット)とを使用した。ストランド610またはストランド1を有するチェーンは、排気張力低減スプロケット602と張力低減スプロケット608との間を走行する。チェーンストランド612またはストランド3は、駆動スプロケット608と張力低減吸気スプロケット604との間を走行する。ストランド614またはストランド2は、吸気スプロケット604と排気スプロケット602との間を走行する。
各張力低減スプロケットには、スプロケットの各回転で繰り返すパターンをもたらすピッチ円半径配列が設けられる。さらに、チェーンのピッチ長(リンクピン軸間の距離)が、確実にほぼ一定の長さに維持されるように、ピッチ円半径の角度変動が調整され、チェーンはスプロケットと係合する。
張力低減スプロケット604(吸気側)には、同じ寸法および歯数のストレートスプロケットの半径振幅と比較して最大約1mmの半径振幅が付与される。この実施例でも、張力低減スプロケットの半径振幅は、張力低減スプロケットのピッチ円半径をその等価のストレートスプロケットのピッチ円半径から下記に表3で示す量だけ変えることによって得られる。ピッチ円半径パターンも下記に表3で示されている。ピッチ円半径パターンは、スプロケット次数3次およびエンジンサイクル次数3次での張力低減に対処する。張力低減スプロケット604(吸気側)は、歯底1の角度を約5°に合わされる。
張力低減スプロケット608(駆動用、クランクスプロケット)には、スプロケットを一周する二重次数のピッチパターンが設けられる。二重次数のパターンは、所定の次数のパターンを含む第1のピッチ円半径配列および歯底1の角度と、所定の他の次数のパターンを含む第2のピッチ円半径配列および第2の歯底1の角度(第1のピッチ配列の歯底1の角度と同じでもよいし、異なっていてもよい)とを定めることによって得られる。次いで、ピッチ円半径配列は、同じ寸法および歯数のストレートスプロケットの半径振幅と比較して、各ピッチ円半径配列の半径振幅に累積変動を含むピッチパターンを形成するために実際に重ねられる、または結合される。パターンが実際に重ねられると、ピッチ配列の歯底1の角度の差に合わせて角変位される。
この実施例では、第1のピッチ円半径配列は、同じ寸法および歯数のストレートスプロケットの半径振幅と比較して最大約0.2mmの半径振幅を有する。この実施例では、第1のピッチ配列の半径振幅は、張力低減スプロケットのピッチ円半径をその等価のストレートスプロケットのピッチ円半径から下記に表4で示す量だけ変えることによって得られる。ピッチ円半径配列のパターンも下記に表4で示されている。ピッチ円半径配列は、スプロケット次数3次およびエンジンサイクル次数6次での張力低減に対処する。このピッチ円半径配列は、歯底1の角度を約30°に合わされる。
第2のピッチ円半径配列は、同じ寸法および歯数のストレートスプロケットの半径振幅と比較して最大約0.05mmの半径振幅を有する。第2のピッチ円半径配列の半径振幅は、張力低減スプロケットのピッチ円半径をその等価のストレートスプロケットのピッチ円半径から下記に表5で示す量だけ変えることによって得られる。ピッチ円半径配列のパターンも下記に表5で示されている。ピッチ円半径配列は、スプロケット次数2次およびエンジンサイクル次数4次での張力低減に対処する。このピッチ円半径配列は、歯底1の角度を約−12.14°に合わされる。
駆動スプロケット608(クランク)に最終的な二重次数のピッチパターンをもたらす、組み合わせピッチ円半径配列が下記に表6で示されている。見て分かるように、二重次数パターンは、スプロケットを一周して繰り返す。(1)2つのピッチ円半径パターンを組み合わせた模擬的配列または(2)組み合わせたパターンの平均ピッチ円半径もしくは平均歯底円半径からの変動量の配列に関する、ピッチ円または歯底円半径対スプロケット上の位置、を表す曲線を生成する、二重次数パターンのフーリエ級数を使用して、チェーンの全張力の低減に有効である上記のピッチ円または歯底円半径の繰り返しパターンの組み合わせと同じ次数のスプロケットに合った、次数に対応する振幅を得ることもできる。
図20aおよび図20bは、エンジン回転数(rpm)対ストランド張力(ニュートン)を表す、図19に示したシステム600の張力グラフを示している。グラフ20aはチェーン張力を示し、各スプロケットはストレートであり、外部励起がシステムに加えられている(この場合は、クランクねじれ、さらに、変動バルブ列/カムトルク負荷)。各図において、一方のグラフは、ストランドによる最小および最大チェーン張力を示し、他方のグラフは、エンジンサイクル次数(およびクランク次数)別のストランド3(ストランド610)の張力成分を示している。図20aに示すように、ストレートスプロケットシステムの場合、第1の共振モードで、各ストランドに非常に大きな張力の増大またはスパイク波形がある。ストランド3の全次数張力には、全次数的に、そして共振モードの6次で、非常に大きな増大およびピークがあった。さらに、3次および4次に張力の増大が見られ、他の次数も上昇傾向にある。
図20bに示すように、被動スプロケット(吸気スプロケット606)としての張力低減スプロケットと、二重次数パターンを備えた張力低減駆動スプロケット(クランクスプロケット608)とを使用した場合の最大チェーン張力は、ストレートスプロケットシステムと比較して、各ストランドで大幅に低減されている。同様に、ストランド3の全張力は、全次数的に、そして6次、4次および3次で非常に大きく低減した。この実施例では、すべての第2の共振モードは、図20aおよび図20bのグラフとはかかわりのない高いエンジン回転数に存在する。
図20cおよび図20dは、上記のストレートスプロケットを備えたシステム600を、上記の一重次数の張力低減被動スプロケット606(吸気側)および上記の二重次数の駆動スプロケット608(クランクスプロケット)を使用したシステムと比較した張力グラフを示している。この実施例では、外部励起が変更されている。図20cに示すように、ここでも、ストレートスプロケットシステムの場合に、第1の共振モードで、各ストランドに非常に大きな張力の増大またはスパイク波形がある。ストランド3の全張力には、全次数的に、そして共振モードの6次で、非常に大きな増大およびピークがあった。さらに、3次および4次に張力の増大が見られ、他の次数も上昇傾向にある。
図20dに示すように、今度も、一重次数の被動スプロケット606(吸気側)と二重次数の駆動スプロケット608(クランク)とを使用した場合の最大チェーン張力は、ストレートスプロケットシステムと比較して、各ストランドで低減されている。同様に、ストランド3の全張力は、全次数的に、そして6次、4次および3次で非常に大きく低減した。この実施例では、すべての第2の共振モードは、図20cおよび図20dとはかかわりのない高いエンジン回転数に存在する。
実施例7−様々な動作条件における、被動スプロケットで使用される張力低減スプロケットの効果
図21のグラフは、V6エンジンチェーン駆動システムに適用された、図8に示し、上記および実施例2で説明したシステムがもたらした、ストレートスプロケットシステムと比較した張力低減を様々な動作条件でまとめたものである。上記のように、張力低減スプロケットは被動スプロケットであり、この実施例では、スプロケット302、304である。(通常は共振モードで発生する)最大チェーン張力は、様々な異なる動作条件に対してY軸に沿ってニュートン単位で示されている。動作条件は、X軸に沿って行をなして示されている。第1の行での条件は、バルブタイミング(ベース、ミッド、およびフル)、チェーンの伸び(0%、0.35%、0.7%)、およびスロットル(20%およびWOT(スロットル全開))である。
バルブタイミングとは、排気バルブタイミングがエンジンサイクルの最も早い時点に進められ、吸気バルブタイミングがエンジンサイクルの最も遅い時点に設定されたベース設定を指す。フルバルブタイミングとは、吸気バルブタイミングがエンジンサイクルの最も早い時点に進められ、排気バルブタイミングがエンジンサイクルの最も遅い時点に設定された場合である。ミッドタイミングは、フルタイミング設定とベースタイミング設定のほぼ中間点にある。チェーンの伸びはチェーンの摩耗状態に関連し、チェーンは、約0%、約0.35%、約0.70%伸びる。約0.35%の条件は、中程度から重度の摩耗のチェーンに相当し、約0.7%の条件は、実用寿命付近かまたはその終わりを過ぎたチェーンに相当する。スロットル条件では、スロットルは最大値の20%と、最大スロットル設定であるWOT(スロットル全開)設定とに設定される。
図21に示すように、張力低減スプロケットの使用により、様々な動作条件で最大チェーン張力が大幅に低減された。この実施例では、張力低減スプロケットは、様々な動作条件全体で、チェーン張力を約2500Nにすることを目的に、「ミッド」バルブタイミング条件および約0.35%のチェーン摩耗条件に特有の、外部励起状態に起因する張力を低減するように設計された。図21に示すように、ストレートスプロケットに代えて、実施例2で上記に説明した張力低減スプロケットを使用することにより、上記の様々な動作条件で、この実施例の許容できないレベル(2500Nよりもかなり大きい)から許容できるレベルである約2500Nにチェーン張力が低減された。
さらに、張力低減スプロケットは、ストレートスプロケットの張力が許容範囲内またはそれ未満であった場合の動作条件で、ストレートスプロケットシステムと比べてチェーン張力を増大させることはない。図21に示すように、低減が最小限の場合(すなわち、フルバルブタイミング、チェーン伸び0.35%、スロットル20%において)、ストレートスプロケットシステムとほぼ同じチェーン張力が、張力低減スプロケットを備えたシステムにかかった。また、システム状態および外部励起の変化に合わせて、張力低減スプロケットのピッチパターンを修正し、特定の動作条件または動作条件範囲で張力低減の利益を得ることができる。

Claims (35)

  1. 少なくとも1つの駆動スプロケット、少なくとも2つの張力低減スプロケット、および少なくとも2つの共振モードを有するチェーンおよびスプロケットシステムであって、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、共振状態で前記チェーンの最大張力全体を低減する歯底円もしくはピッチ円半径の繰り返しパターンを有するか、または前記張力低減スプロケットは、前記繰り返しパターンを、前記チェーンの全張力を低減する歯底円もしくはピッチ円半径の配列で模擬的に再現した歯底円もしくはピッチ円半径の配列を有し、その低減は、前記スプロケット以外が発生源の少なくとも1つの繰り返し張力事象がある場合に、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットの360°回転にわたって起こり、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、前記システムに関連する第2の共振モードで前記チェーンおよびスプロケットシステム以外の張力源からの張力を低減する一方で、前記システムに関連する第1の共振モードでチェーン張力を、0%〜20%を超えて増大させないために有効なように互いに対して向きを合わされる、チェーンおよびスプロケットシステム。
  2. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、チェーンの全張力を低減する歯底円またはピッチ円半径の繰り返しパターンを有する、請求項1に記載のチェーンおよびスプロケットシステム。
  3. 前記ピッチ円半径パターンは、最小ピッチ円半径から最大ピッチ円半径まで次第に大きくなり、次いで、最大ピッチ円半径から最小ピッチ円半径まで次第に小さくなる、請求項2に記載のチェーンおよびスプロケットシステム。
  4. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、繰り返しパターンを、前記チェーンの全張力を低減する歯底円もしくはピッチ円半径の配列で模擬的に再現した歯底円半径もしくはピッチ円半径の配列を有し、前記ピッチ円または歯底円半径の前記配列のフーリエ級数により、共振状態で前記チェーンの全張力を低減するのに有効な歯底円またはピッチ円半径の繰り返しパターンを有する同じ次数のスプロケットに合った、前記ピッチ円または歯底円半径の次数に対応する振幅が得られる、請求項1に記載のチェーンおよびスプロケットシステム。
  5. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、前記システムに関連する前記第2の共振モードで前記チェーンおよびスプロケットシステム以外の張力源からの張力を低減する一方で、前記システムに関連する前記第1の共振モードでチェーン張力を、約0%を超えて増大させないために有効なように互いに対して向きを合わされる、請求項2に記載のチェーンおよびスプロケットシステム。
  6. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、前記システムに関連する前記第2の共振モードで前記チェーンおよびスプロケットシステム以外の張力源からの張力を低減する一方で、前記システムに関連する前記第1の共振モードでチェーン張力を約0%を超えて増大させないために有効なように互いに対して向きを合わされる、請求項4に記載のチェーンおよびスプロケットシステム。
  7. 少なくとも1つの駆動スプロケット、少なくとも2つの張力低減スプロケット、および少なくとも2つの共振モードと、
    前記スプロケットに巻き付くチェーンとを有し、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットが、回転中心軸とスプロケット係合面を有する複数の歯とを含む、チェーンおよびスプロケットシステムであって、
    前記少なくとも2つの張力低減スプロケットのそれぞれの前記歯および前記スプロケット係合面は、前記スプロケットの周縁部の周りに離間し、前記張力低減スプロケットの前記スプロケット係合面は、ピン中心軸を有する連結器で相互連結されたリンクを備えたチェーンと係合するように配置され、
    前記少なくとも2つの張力低減スプロケットのそれぞれの前記スプロケット係合面は、前記スプロケット中心軸と、前記スプロケット係合面が係合するチェーンリンクの前記ピン軸との間の距離によって定義されるピッチ円半径で前記チェーンを配置するために、前記スプロケット中心軸から所定の距離離れて配置され、
    前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、次数と、前記チェーンの全張力を低減する歯底円またはピッチ円半径の繰り返しパターンとを有するか、または前記張力低減スプロケットは、前記繰り返しパターンを、前記チェーンの全張力を低減する歯底円またはピッチ円半径の配列で模擬的に再現した歯底円またはピッチ円半径の配列を有し、その低減は、前記スプロケット以外が発生源の少なくとも1つの繰り返し張力事象がある場合に、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットの360°回転にわたって起こり、
    共振状態でチェーンとともに作動する場合に、前記スプロケットが共振状態で作動するチェーンとともに作動するストレートスプロケットである場合と比べて、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットの作動時に最大チェーン張力を低減するのに有効であるように、前記スプロケット次数、ピッチ円半径または歯底円半径の繰り返しパターンまたは配列が調整され、前記ピッチ円もしくは歯底円半径の前記模擬的配列、または平均ピッチ円半径もしくは平均歯底円半径からの変動量の配列のフーリエ級数により、共振状態で前記チェーンの全張力を低減するのに有効な歯底円またはピッチ円半径の繰り返しパターンを有する同じ次数のスプロケットに合った、前記次数に対応する前記振幅が得られ、
    前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、前記システムに関連する第2の共振モードで前記チェーンおよびスプロケットシステム以外の張力源からの張力を低減する一方で、前記システムに関連する第1の共振モードでチェーン張力を、約0%〜20%を超えて増大させないために有効なように互いに対して向きを合わされる、チェーンおよびスプロケットシステム。
  8. 前記ピッチ円半径パターンは、最小ピッチ円半径から最大ピッチ円半径まで次第に大きくなり、次いで、最大ピッチ円半径から最小ピッチ円半径まで次第に小さくなる、請求項7に記載のチェーンおよびスプロケットシステム。
  9. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、繰り返しパターンを、前記チェーンの全張力を低減する歯底円もしくはピッチ円半径の配列で模擬的に再現した歯底円もしくはピッチ円半径の配列を有し、前記ピッチ円または歯底円半径の配列のフーリエ級数により、共振状態でチェーンの全張力を低減するのに有効な歯底円またはピッチ円半径の繰り返しパターンを有する同じ次数のスプロケットに合った、前記ピッチ円または歯底円半径の次数に対応する振幅が得られる、請求項7に記載のチェーンおよびスプロケットシステム。
  10. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、前記システムに関連する前記第2の共振モードで、前記チェーンおよびスプロケットシステム以外の張力源からの張力を低減する一方で、前記システムに関連する前記第1の共振モードでチェーン張力を、0%を超えて増大させないために有効なように互いに対して向きを合わされる、請求項7に記載のチェーンおよびスプロケットシステム。
  11. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、前記システムに関連する前記第2の共振モードで、前記チェーンおよびスプロケットシステム以外の張力源からの張力を低減する一方で、前記システムに関連する前記第1の共振モードでチェーン張力を、0%を超えて増大させないために有効なように互いに対して向きを合わされる、請求項9に記載のチェーンおよびスプロケットシステム。
  12. 前記係合面は、各前記スプロケットと係合するリンクの隣接するピン軸間の距離を実質的に一定に維持する、請求項7に記載のスプロケットおよびチェーンシステム。
  13. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットのそれぞれの前記歯底円またはピッチ円半径の繰り返しパターンは、前記スプロケットの各回転で少なくとも3回実質的に繰り返す、請求項7に記載のスプロケットおよびチェーンシステム。
  14. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットの前記歯底円またはピッチ円半径の繰り返しパターンは、前記スプロケットの各回転で少なくとも4回実質的に繰り返す、請求項7に記載のスプロケットおよびチェーンシステム。
  15. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットの少なくとも1つの前記ピッチ円半径パターンは、完全なピッチ円半径パターンを含み、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットの少なくとも1つは、完全ではないピッチ円半径パターンを有し、前記完全ではないパターンには、前記完全なパターンにはあるが、前記完全ではないパターンから欠落している1つのピッチ円半径がある、請求項7に記載のスプロケットおよびチェーンシステム。
  16. 前記完全なパターンのピッチ円半径にはピッチ円半径の順序があり、前記完全なパターンの前記順序の最後のピッチ円半径は、前記完全でないパターンには存在しない、請求項15に記載のスプロケットおよびチェーンシステム。
  17. チェーンおよびスプロケットが可変速度で作動し、前記スプロケットを囲んでループを形成するリンクを有する前記チェーンに付与される張力を分散させる方法であって、
    少なくとも1つの駆動スプロケット、少なくとも2つの被動張力低減スプロケットを提供する工程であって、前記張力低減スプロケットは、中心軸、複数のスプロケット歯、および複数のスプロケット係合面を有し、前記スプロケット係合面は、前記スプロケット中心軸と、前記スプロケット係合面が係合するチェーンリンクのピン軸との間の距離によって定義されるピッチ円半径で前記チェーンを配置するために、前記中心軸から所定の距離だけ離間する工程と、
    少なくとも1つの最小ピッチ円半径、少なくとも1つの最大ピッチ円半径、およびそれらの間の少なくとも1つの中間ピッチ円半径からなるパターンを形成するために、前記少なくとも2つの張力低減スプロケット内に、スプロケット次数と、前記チェーンと係合する係合面とを提供する工程であって、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットの前記スプロケット係合面は、前記スプロケット係合面と係合するリンクの隣接するピン軸間の距離を一定に維持する工程と、
    前記チェーンおよびスプロケットシステムに付与される前記張力を分散させ、前記チェーンに加わる最大張力を、前記スプロケットがストレートスプロケットの場合のチェーンおよびスプロケットシステムの最大張力と比べて小さくするために、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットの前記スプロケット係合面を配置して、前記パターンが少なくとも2回連続的に繰り返し現れるように、異なるピッチ円半径からなるパターンを形成し、式:
    巻角=360N/次数±120/次数
    (式中、N=1,2,...,次数−1であり、次数はチェーンおよび/またはスプロケット以外が発生源の張力事象の結果としての次数を意味する)
    によって定義される平均巻角で前記チェーンを前記張力低減スプロケットに巻き付ける工程と、
    共振状態でチェーンとともに作動する場合に、前記スプロケットが、共振状態で作動するチェーンとともに作動するストレートスプロケットである場合と比べて、前記スプロケットの作動時に最大チェーン張力を低減するのに有効であるように、前記巻角、前記ピッチ円半径パターン、および前記スプロケットの次数を調整し、
    前記システムに関連する第2の共振モードで前記チェーンおよびスプロケットシステム以外の張力源からの張力を低減する一方で、前記システムに関連する第1の共振モードでチェーン張力を、約0%〜20%を超えて増大させないために有効なように、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットの向きを互いに対して合わせる、チェーンに付与される張力を分散させる方法。
  18. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、前記システムに関連する前記第2の共振モードで前記チェーンおよびスプロケットシステム以外の張力源からの張力を低減する一方で、前記システムに関連する前記第1の共振モードでチェーン張力を、約0%を超えて増大させないために有効なように互いに対して向きを合わされる、請求項17に記載のチェーンに付与される張力を分散させる方法。
  19. 前記ピッチ円半径パターンは、最小ピッチ円半径から最大ピッチ円半径まで次第に大きくなり、次いで、最大ピッチ円半径から最小ピッチ円半径まで次第に小さくなる、請求項17に記載のチェーンに付与される張力を分散させる方法。
  20. チェーンおよびスプロケットが可変速度で作動し、前記スプロケットを囲んでループを形成するリンクを有する前記チェーンに付与される張力を分散させる方法であって、
    少なくとも1つの駆動スプロケットおよび少なくとも2つの被動張力低減スプロケットを提供する工程であって、前記張力低減スプロケットは、中心軸、複数のスプロケット歯、および複数のスプロケット係合面を有し、前記スプロケット係合面は、前記スプロケット中心軸と、前記スプロケット係合面が係合するチェーンリンクのピン軸との間の距離によって定義されるピッチ円半径で前記チェーンを配置するために、前記中心軸から所定の距離だけ離間する工程と、
    前記チェーンの全張力を低減する歯底円またはピッチ円半径の繰り返しパターンを模擬的に再現した歯底円またはピッチ円半径の配列を形成するために、前記チェーンと係合するスプロケット係合面を前記少なくとも2つの張力低減スプロケットに提供する工程であって、前記低減は、前記スプロケット以外が発生源の少なくとも1つの繰り返し張力事象がある場合に、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットの360°回転にわたって起こり、前記張力低減スプロケットはそれぞれ次数を有し、前記スプロケット次数、前記模擬的なピッチ円半径または歯底円半径配列は、共振状態でチェーンとともに作動する場合に、前記スプロケットが、共振状態で作動するチェーンとともに作動するストレートスプロケットである場合と比べて、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットの作動時に最大チェーン張力を低減するのに有効であるように調整され、前記模擬的なピッチ円もしくは歯底円半径の配列、または平均ピッチ円半径もしくは平均歯底円半径からの変動量の配列のフーリエ級数により、共振状態で前記チェーンの全張力を低減するのに有効な前記ピッチ円または歯底円半径の繰り返しパターンを有する同じ次数のスプロケットに合った、前記次数に対応する振幅が得られ、前記模擬的な配列は、前記チェーンおよびスプロケットシステムに付与される前記張力を分散し、前記チェーンに加わる最大張力を、前記スプロケットがストレートスプロケットの場合のチェーンおよびスプロケットシステムの最大張力と比べて小さくする工程と、
    前記少なくとも2つのスプロケットは、前記システムに関連する第2の共振モードで、前記チェーンおよびスプロケットシステム以外の張力源からの張力を低減する一方で、前記システムに関連する第1の共振モードでチェーン張力を、約0%〜20%を超えて増大させないために有効なように互いに対して向きを合わされる、チェーンに付与される張力を分散させる方法。
  21. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、前記システムに関連する前記第2の共振モードで前記チェーンおよびスプロケットシステム以外の張力源からの張力を低減する一方で、前記システムに関連する前記第1の共振モードでチェーン張力を、約0%を超えて増大させないために有効なように互いに対して向きを合わされる、請求項20に記載のチェーンに付与される張力を分散させる方法。
  22. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、式:
    巻角=360N/次数±120/次数
    (式中、N=1,2,...,次数−1であり、次数はチェーンおよび/またはスプロケット以外によって発生する張力事象の結果としての次数を意味する)
    によって定義される平均巻角で前記張力低減スプロケットに巻き付いた前記チェーンを有し、
    共振状態でチェーンとともに作動する場合に、前記スプロケットが、共振状態で作動するチェーンとともに作動するストレートスプロケットである場合と比べて、前記スプロケットの作動時に最大チェーン張力を低減するのに有効であるように、前記巻角、前記ピッチ円半径パターンまたは配列、および前記スプロケットの次数を調整する、請求項1に記載のチェーンおよびスプロケットシステム。
  23. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、式:
    巻角=360N/次数±120/次数
    (式中、N=1,2,...,次数−1であり、次数はチェーンおよび/またはスプロケット以外が発生源の張力事象の結果としての次数を意味する)
    によって定義される平均巻角で前記張力低減スプロケットに巻き付いた前記チェーンを有し、
    共振状態でチェーンとともに作動する場合に、前記スプロケットが、共振状態で作動するチェーンとともに作動するストレートスプロケットである場合と比べて、前記スプロケットの作動時に最大チェーン張力を低減するのに有効であるように、前記巻角、前記ピッチ円半径パターンまたは配列、および前記スプロケットの次数を調整する、請求項7に記載のチェーンおよびスプロケットシステム。
  24. チェーンおよびスプロケットシステムのチェーンに対して駆動される関係で係合するように構成された少なくとも2つの張力低減スプロケットであって、前記システムは、前記スプロケット以外の発生源から少なくとも1つの繰り返し張力事象を受け、前記スプロケットはそれぞれ、前記スプロケットを他方の前記スプロケットに対して所定の向きに維持するように配置された取付連結器と、前記スプロケットがそれぞれストレートスプロケットである場合のシステムの最大チェーン張力と比較して、最大チェーン張力全体を低減するように、かかるスプロケットの向きで協同して機能するピッチ円もしくは歯底円半径の繰り返しパターンまたは歯底円もしくはピッチ円半径配列とを有する、少なくとも2つのスプロケット。
  25. 前記スプロケットの向きと、前記歯底円もしくはピッチ円半径の繰り返しパターンまたは配列とは、共振状態で最大チェーン張力全体を協同して低減する、請求項24に記載の少なくとも2つのスプロケット。
  26. 各スプロケットの前記歯底円半径もしくはピッチ円半径の繰り返しパターンまたは配列は、前記システムに関連する第2の共振モードで最大チェーン張力を低減する一方で、前記システムに関連する第1の共振モードで、前記スプロケットがそれぞれストレートスプロケットである場合のシステムの最大チェーン張力と比較して、チェーン張力を約0%〜約20%を超えて増大させないように、前記所定のスプロケットの向きで協同して機能する、請求項24に記載の少なくとも2つのスプロケット。
  27. 前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、共振状態で最大チェーン張力を低減するのに有効な歯底円またはピッチ円半径の繰り返しパターンを有する、請求項24に記載の少なくとも2つのスプロケット。
  28. 前記繰り返しパターンは、最小ピッチ円半径から最大ピッチ円半径まで次第に大きくなり、次いで、最大ピッチ円半径から最小ピッチ円半径まで次第に小さくなるピッチ円半径によって形成される、請求項27に記載の少なくとも2つのスプロケット。
  29. 各スプロケットの歯底円半径またはピッチ円半径配列は、フーリエ級数によって繰り返しパターンを歯底円またはピッチ円半径の配列で模擬的に再現し、前記ピッチ円または歯底円半径は、最大チェーン張力を低減するように、かかる所定のスプロケットの向きで協同して機能する、請求項24に記載の少なくとも2つのスプロケット。
  30. 各スプロケットの歯底円半径またはピッチ円半径配列により、歯底円またはピッチ円半径の繰り返しパターンを有する同じ次数のスプロケットに合った、スプロケット次数成分の振幅が得られる、請求項29に記載の少なくとも2つのスプロケット。
  31. 少なくとも1つの駆動スプロケット、少なくとも2つの張力低減スプロケットを有するチェーンおよびスプロケットシステムであって、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、共振状態で前記チェーンの最大張力全体を低減する歯底円もしくはピッチ円半径の繰り返しパターンを有するか、または前記張力低減スプロケットは、前記繰り返しパターンを、前記チェーンの全張力を低減する歯底円もしくはピッチ円半径の配列で模擬的に再現した歯底円もしくはピッチ円半径の配列を有し、その低減は、前記スプロケット以外が発生源の少なくとも1つの繰り返し張力事象がある場合に、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットの360°回転にわたって起こり、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、共振状態で前記チェーンおよびスプロケットシステム以外の張力源からの張力を低減するのに有効なように、互いに対して向きを合わされる、チェーンおよびスプロケットシステム。
  32. 少なくとも1つの駆動スプロケット、少なくとも2つの張力低減スプロケットを有するチェーンおよびスプロケットシステムであって、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、ストレートスプロケットを使用するシステムに比べて、最大チェーン張力全体を低減する歯底円もしくはピッチ円半径の繰り返しパターンを有するか、または前記張力低減スプロケットは、前記繰り返しパターンを、前記チェーンの全張力を低減する歯底円もしくはピッチ円半径の配列で模擬的に再現した歯底円もしくはピッチ円半径の配列を有し、その張力低減は、前記スプロケット以外が発生源の少なくとも1つの繰り返し張力事象がある場合に、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットの360°回転にわたって起こり、前記少なくとも2つの張力低減スプロケットは、前記チェーンおよびスプロケットシステム以外の張力源からの張力を低減するのに有効なように互いに対して向きを合わされる、チェーンおよびスプロケットシステム。
  33. 1つの張力低減スプロケットは駆動スプロケットであり、少なくとも1つの張力低減スプロケットは被動スプロケットである、請求項32に記載のチェーンおよびスプロケットシステム。
  34. 少なくとも1つの張力低減スプロケットは、前記スプロケットを一周して繰り返す二重次数のピッチパターンを有する、請求項33に記載のチェーンおよびスプロケットシステム。
  35. 張力の低減は、バルブタイミング、チェーンの伸び、およびスロットルの様々な条件で起こる、請求項32に記載のチェーンおよびスプロケットシステム。
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