JPWO2006006497A1 - インジウム吸着剤及びインジウムの分別方法 - Google Patents

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Abstract

インジウムを吸着させることができるインジウム吸着剤、及びインジウムを含有する塩酸溶液から高純度のインジウムを分離・回収するための簡便かつ安価なインジウムの分別方法を提供する。スチレンもしくはアクリルアミドとジビニルベンゼンとの共重合による架橋構造と、4級アンモニウム基及び3級アンモニウム基のうち少なくともいずれか一方と、を有すると共に酸吸着性能を備えたアニオン交換樹脂を主成分とする。アニオン交換樹脂にインジウムを含有する塩酸を主成分とする酸溶液を接触させて、インジウムをアニオン交換樹脂に吸着させる。

Description

本発明は、インジウムを吸着するインジウム吸着剤、及びインジウムを含有する塩酸を主成分とする酸溶液からインジウムを分別するインジウム分別方法に関する。
近年、日本において、インジウムの多くはインジウム・スズ酸化物(Indium Tin Oxide、以下、ITOと称する)もしくはインジウム・亜鉛酸化物(indium Zinc Oxide、以下、IZOと称する)として透明導電膜に用いられ、インジウムの市場全体の約70%を占めている(リサイクルされたものを含めると、80%近くになる)。
一方、透明導電膜が使用されるフラットパネルディスプレイ(以下、FPDと称する)産業においては、パソコンの液晶ディスプレイに加えて、薄型・大型テレビの大幅な需要の伸びは近年目覚しいものがある。さらに今後は、EUにおける鉛規制強化によってインジウムを含む低融点合金からなる無鉛ハンダのニーズが高まり、需要が増えることが見込まれる。
このような市場の動向により、インジウムの価格は高騰の様相を示しているとともに、原料の確保のため「争奪戦」とも言うべき状況になることさえ予想される。
このような背景の中で、インジウムをリサイクルする機運が高まっており、インジウムのリサイクルは単なる環境技術というよりも重要な経済性を有する「素材回収」技術と言うべきものである。
インジウムをリサイクルする技術としては、従来、ITOターゲット等を酸に溶出させた後、硫化物法(例えば、特許文献1参照)、もしくは水酸化物法(例えば、特許文献2参照)やキレート樹脂(例えば、特許文献3参照)によって夾雑金属イオンを除去したり、溶媒抽出(例えば、特許文献4参照)することによって、インジウムを分離、回収する方法が知られている。
そして、上記方法によって分離、回収したインジウムは、さらに電界精錬法(例えば、特許文献5参照)等によって精製する。
特開2000−169991号公報 特開2002−69684号公報 特開2002−308622号公報 特開2000−212658号公報 特開平6−248370号公報
しかし、前記従来の方法では、インジウムを分離、回収する際にpH調整を行うため多くのアルカリ剤が必要となる。また、上記の通り分離、回収したインジウムは、リサイクルするためには別途精製する必要がある。
しかも、従来の方法は、主にITOターゲット等の未使用分やスパッタリング装置付着分を回収する技術であって、使用後の製品や製造工程における不良品等のガラス基板からの回収はほとんど見られない。特に、スパッタリング装置付着分においては、付着物をスパッタリング装置やチャンバーから擦り取って回収するため、その際に不純物が混入するという問題もあった。
一方、FPDパネルや導電膜のエッチング廃液からの分離、回収、リサイクルは、ほとんどこれまで行われておらず、商品価値の高い有価物としてリサイクルするためには高純度のインジウムが要求されている。
本発明は上記問題に鑑み案出されたものであり、インジウムを吸着させることができるインジウム吸着剤、及びインジウムを含有する塩酸を主成分とする酸溶液から高純度のインジウムを分離・回収するための簡便かつ安価なインジウムの分別方法を提供することを解決すべき課題とするものである。
上記目的を達成するための本発明に係るインジウム吸着剤の特徴構成は、スチレンもしくはアクリルアミドとジビニルベンゼンとの共重合による架橋構造と、4級アンモニウム基及び3級アンモニウム基のうち少なくともいずれか一方と、を有すると共に酸吸着性能を備えたアニオン交換樹脂を主成分とする点にある。
つまり、この構成によれば、インジウムを含有する塩酸を主成分とする酸溶液に接触させることにより、インジウムを選択的に吸着し、分別することができる。
したがって、本発明に係るインジウム吸着剤によって、簡便かつ安価にインジウムを分別することができる。
また、上記目的を達成するための本発明に係るインジウムの分別方法の第1特徴手段は、スチレンもしくはアクリルアミドとジビニルベンゼンとの共重合による架橋構造と、4級アンモニウム基及び3級アンモニウム基のうち少なくともいずれか一方と、を有すると共に酸吸着性能を備えたアニオン交換樹脂に、インジウムを含有する塩酸を主成分とする酸溶液を接触させて、インジウムを前記アニオン交換樹脂に吸着させる点にある。
つまり、この手段によれば、インジウムは前記アニオン交換樹脂に吸着させることができるため、インジウムを含有する塩酸を主成分とする酸溶液を前記アニオン交換樹脂に接触させることにより前記アニオン交換樹脂に吸着しないものと分別することができる。
これにより、インジウムを含有する酸溶液から、簡便かつ安価にインジウムを分別することが可能となる。
本発明に係るインジウムの分別方法の第2特徴手段は、インジウムを前記アニオン交換樹脂に吸着させた後、前記アニオン交換樹脂を水に接触させることにより、前記アニオン交換樹脂からインジウムを脱離させて、インジウム回収液を得る点にある。
つまり、この手段によれば、インジウムを吸着させた前記アニオン交換樹脂は、水に接触させることにより前記アニオン交換樹脂からインジウムを脱離させることができるため、インジウムをインジウム回収液として得ることができる。
これにより、インジウムを含有する塩酸を主成分とする酸溶液から、簡便かつ安価にインジウムを分別することが可能となる。
本発明に係るインジウムの分別方法の第3特徴手段は、前記アニオン交換樹脂を接触させた後の流出水の酸濃度を測定し、その濃度変化値に基づいて、酸回収液と前記インジウム回収液とを分別する点にある。
つまり、この手段によれば、酸濃度を測定することにより、インジウム濃度の高いインジウム回収液を分別することができるため、容易にインジウムを回収することができる。また、インジウムの回収に加え、酸も酸回収液として、回収、再利用することができるため、より安価な回収方法とすることができる。
本発明に係るインジウムの分別方法の第4特徴手段は、前記インジウム回収液のpHを調整し、水酸化インジウムとして回収する点にある。
つまり、この手段によれば、前記アニオン交換樹脂に吸着する金属がインジウムの他に混入している場合であっても、pHを調整することにより分別することが可能であるため高純度なインジウムを容易に回収することができる。
本発明に係るインジウムの分別方法の第5特徴手段は、前記回収した水酸化インジウムを乾燥もしくは酸に溶出させる点にある。
つまり、この手段によれば、高純度で、かつ取扱いが容易なインジウムとして提供することができる。
本発明に係るインジウムの分別方法の第6特徴手段は、前記酸溶液は、フラットパネルディスプレイの導電膜、スパッタリングにより生じるITO付着物またはIZO付着物、インジウムを含む無鉛ハンダのうち少なくともいずれかを塩酸を主成分とする酸に溶出させたもの、前記導電膜のエッチング廃液、チャンバーの洗浄廃液のうち、少なくとも1つである。
つまり、この手段によれば、夾雑物が多いため、これまで困難であったフラットパネルディスプレイの導電膜やスパッタリングにより生じるITO付着物やIZO付着物、無鉛ハンダ、導電膜のエッチング廃液、チャンバーの洗浄廃液等からのインジウムの回収を簡便かつ安価に行うことができる。
本発明に係るインジウムの分別方法の第7特徴手段は、前記酸溶液は硝酸を含む混酸溶液である点である。
つまり、この手段によれば、インジウム回収液におけるインジウム濃度を高めることができるため、インジウムの回収効率をより高くすることができる。
本発明に係るインジウムの分別方法の第8特徴手段は、前記酸回収液を、前記フラットパネルディスプレイの導電膜、スパッタリングにより生じるITO付着物またはIZO付着物、インジウムを含む無鉛ハンダのうち少なくともいずれかを溶出させるため、もしくはチャンバーを洗浄するために使用する点にある。
つまり、この手段によれば、酸回収液をインジウムの分別に使用することができるため、インジウムの分別をより安価に行うことができる。
本発明に係るインジウム吸着剤は、スチレンもしくはアクリルアミドとジビニルベンゼンとの共重合による架橋構造と、4級アンモニウム基及び3級アンモニウム基のうち少なくともいずれか一方と、を有すると共に酸吸着性能を備えたアニオン交換樹脂を主成分とするものである。
また、本発明に係るインジウムの分別方法は、スチレンもしくはアクリルアミドとジビニルベンゼンとの共重合による架橋構造と、4級アンモニウム基及び3級アンモニウム基のうち少なくともいずれか一方と、を有すると共に酸吸着性能を備えたアニオン交換樹脂に、インジウムを含有する塩酸を主成分とする酸溶液を接触させて、インジウムを前記アニオン交換樹脂に吸着させるものである。そして、さらにインジウムを前記アニオン交換樹脂に吸着させた後、前記アニオン交換樹脂を水に接触させることにより、前記アニオン交換樹脂からインジウムを脱離させる。
これにより、インジウムを含有する塩酸を主成分とする酸溶液から高純度のインジウムを分離、回収することができる。
本発明者らは、インジウムを含有する塩酸を主成分とする酸溶液を、スチレンもしくはアクリルアミドとジビニルベンゼンとの共重合による架橋構造と、4級アンモニウム基及び3級アンモニウム基のうち少なくともいずれか一方と、を有すると共に酸吸着性能を備えたアニオン交換樹脂に接触させることにより、インジウムを前記アニオン交換樹脂に吸着できることを見出した。そして、鋭意検討を重ねた結果、図1(a)に示すようにインジウムは、塩酸を主成分とする酸溶液中において、アニオンの特性を持ったインジウムと塩素からなるインジウム塩素錯体(Indium chloro complex)となり、前記アニオン交換樹脂に特異的に吸着することを導き出した。
そして、インジウムが吸着したアニオン交換樹脂を水と接触させることにより、インジウムは脱離するが、上記の通りインジウムは塩素錯体として吸着しているため、まず強酸性の塩酸が脱離し、その後にインジウムが脱離する。すなわち、インジウム塩素錯体は、図2に示すように塩酸の脱離に伴い、塩素濃度が低下することにより配位子が塩素イオンから水分子に置換され、インジウム・アクオ・クロロコンプレックス(Indium aquo chlorocomplex)となって、カチオン化し、アニオン交換樹脂と反発して(吸着能が低下して)脱離する。このためインジウム及び酸が吸着したアニオン交換樹脂を接触させた後の水の酸濃度を連続的に測定し、その濃度変化値に基づいて、酸濃度の高い酸回収液とインジウム濃度の高いインジウム回収液とを分別することが可能となる。
なお、図2においては、インジウム・アクオ・クロロコンプレックスがカチオン化してアニオン交換樹脂から脱離する場合を示したが、インジウム・アクオ・クロロコンプレックスは、必ずしもカチオン化する必要はなく、例えばイオン的に中性の場合であっても、アニオン交換樹脂とのイオン結合力が低下するため脱離することは可能となる。
また、インジウムは、塩酸溶液中であっても硝酸が存在する場合には、図1(b)に示すように硝酸イオンの影響により配位子の塩素イオンの一部が水分子に置換されたインジウム・アクオ・クロロコンプレックスとして存在している。このため、塩酸が脱離した後は、配位子の塩素イオンから水分子への置換が促進され、インジウム回収液におけるインジウムの濃度をさらに高めることができる。このような観点から、インジウムを含有する塩酸を主成分とする酸溶液は、硝酸を含む混酸溶液であることが好ましい。なお、硝酸を含む混酸溶液の場合には、塩酸と硝酸との割合はインジウムの吸着及び脱離の容易さの観点から、塩酸100molに対して硝酸1〜15molが望ましい。
本発明に係るインジウム吸着剤は、スチレンもしくはアクリルアミドとジビニルベンゼンとの共重合による架橋構造と、4級アンモニウム基及び3級アンモニウム基のうち少なくともいずれか一方と、を有すると共に酸吸着性能を備えたアニオン交換樹脂を主成分とするものであれば、特に限定されるものではなく任意に選択可能である。架橋構造としては、スチレンもしくはアクリルアミドとジビニルベンゼン以外のものを含んでいてもよく、またゲル型であるとポーラス型であるとを問わない。4級アンモニウム基及び3級アンモニウム基は酸吸着性能を有する官能基であり、いずれか一方を含んでいれば前記アニオン交換樹脂に酸吸着性能を好ましく付与することができる。4級アンモニウム基としては、トリメチルアンモニウム基、ジメチルエタノールアンモニウム基等、3級アンモニウム基としては、ジメチルアンモニウム基等が好ましく適用することができるが、これに限定されるものではなく、4級アンモニウム基及び3級アンモニウム基のうち1種類または複数種類を導入することができる。また、前記アニオン交換樹脂のイオン形はCl形もしくはOH形が好ましい。
酸吸着性能の観点から、樹脂の平均粒径は、150〜250±25μm程度が好ましく、総交換容量は、1meq/mL以上あることが好ましく、1.2meq/mL以上あることがより好ましい。
インジウムを脱離させるためにアニオン交換樹脂を接触させる水は、特に限定されず、浄水、純水、イオン交換水等の中性水やアルカリ水等であってもよい。すなわち、アニオン交換樹脂と接触させてインジウムが脱離できるものであれば何ら構わない。
本発明に係るインジウム吸着剤を用いて、インジウムを分別する方法の一実施形態として、FPDパネルのITO導電膜からのインジウムを分離、回収する方法を例にとって、図面を参照して説明する。
FPDパネルからのインジウムの回収は、図3に示すようにインジウム吸着工程とインジウム回収工程とを有している。以下、各工程について説明する。
(インジウム吸着工程)
インジウム吸着工程は、FPDパネル中のインジウムをインジウム吸着剤に吸着させる工程である。
まず、FPDパネルを10mm以下、好ましくは1mm以下の大きさに裁断もしくは粉砕し(S1)、FPDパネル中のITO導電膜を、塩酸を主成分とする酸に溶出させる(S2)。そして、溶液中のガラス、フィルム等の不溶物はろ過等により除去する(S3)。
このときに行うFPDパネルの裁断または粉砕は、ITO導電膜を酸に溶出させ易くするためのものであり、導電膜が酸に溶出できれば、裁断または粉砕するFPDパネルの大きさは特に限定されるものではない。尚、前記裁断および粉砕は、従来公知の方法によって行うことができる。
FPDパネルを溶出させる塩酸を主成分とする酸は、ITOを溶出できるものであれば、特に制限はなく、塩酸のみ、もしくは硝酸、硫酸、過塩素酸、リン酸、フッ酸、有機酸等との混酸であってもよい。なお、上述の通りインジウムを効率よく脱離させるという観点からは、硝酸を含む混酸が好ましい。
また、酸濃度についても任意に選択可能であり、例えば、FPDパネルを溶出させる場合には、安全性の観点から酸濃度が10〜25%程度の溶液として用いることが好ましい。酸の温度は高い方が溶出させ易いが、安全性、取り扱い易さの観点からは、30〜90℃程度で溶出させることが好ましく、40〜80℃程度がより好ましい。なお、硝酸を含む混酸を用いる場合には高温域では不動態を形成する虞があるため、特に40〜60℃程度が好ましい。
このようにして得られたFPDパネルを構成していたITO及び夾雑金属を含有する酸溶液を、本発明のインジウム吸着剤を充填したカラムに通す。インジウムは酸及びスズとともに本発明のインジウム吸着剤に吸着し、アルミニウム等の夾雑金属は金属塩としてカラムを通過する。これによりインジウム及びスズと夾雑金属とを分離することができる。
そして、カラムを通過させた夾雑金属を含有する溶液は、水酸化ナトリウム等のアルカリを添加し、pHを8程度に調整することにより(S4)、夾雑金属を水酸化物等のスラッジとして沈殿させることができる。また、固液分離(S5)によりスラッジを除去した溶液は、そのまま放流したり、後のインジウム回収工程において用いることができる(S6)。
(インジウム回収工程)
インジウム回収工程は、インジウム吸着剤からインジウムを脱離させ、回収する工程である。
インジウム吸着工程で処理したインジウム吸着剤を充填したカラムに対し、インジウム吸着工程において溶液を通した方向と同じ方向から水を通す。これによりインジウム吸着剤に吸着している酸を溶出させることができる。まず、カラムを酸回収ラインにつなげ、カラムを通過させた回収液の酸濃度を電気伝導率計等により連続的に測定しつつ(S7)、酸濃度の高い酸回収液を分別回収する。回収した酸回収液はFPDパネル等を溶出させるための酸として再利用することができる(S8)。そして、酸濃度の変化値が一定の値より大きくなったところで(S7)、カラムを酸回収ラインからインジウム回収ラインにつなぎかえてインジウム回収液を回収する。また、その後さらにラインをつなぎかえてインジウムが低濃度の弱酸回収液を別途分別回収してもよい。この場合、弱酸回収液はこの工程においてカラムに通すための水として再利用することができる。
なお、酸回収液は必ずしも分別する必要はなく、カラムに通過させたものを最初からインジウムを回収するためのインジウム回収液として回収することもできる。
インジウム回収液には、インジウム及びスズを含有しているため、まず、インジウム回収液に水酸化ナトリウム等のアルカリを添加してpHを1.5〜2.5程度に調整する(S9)。これによりスズを水酸化スズのスズスラッジとして沈殿させ、固液分離することができる(S10)。
そして、スズスラッジを除去した後、インジウム回収液のpHを4.5〜5.5程度に調整する(S11)。これにより高純度の水酸化インジウムのインジウムスラッジを得ることができる。得られたインジウムスラッジは、固液分離した(S12)後、洗浄水で洗浄、脱水後、乾燥するか、もしくは再び酸に溶出して、5%程度のインジウム溶液として回収する。インジウムスラッジを除去した後の溶液は、そのまま放流したり、インジウム回収に用いることができる(S13)。
上記の方法は、FPDパネルのITO導電膜からインジウムを分別する方法について説明したが、これに限定されず、例えば前記酸溶液として、FPDパネルのITO導電膜の代わりに、IZO導電膜やスパッタリングにより生じるITO付着物やIZO付着物、インジウムを含む無鉛ハンダを、酸に溶出させたもの、導電膜のエッチング廃液、チャンバーの洗浄廃液等を用いることができる。特にスパッタリングの際に機器やガラス等に付着するITO付着物やIZO付着物は、擦り取ると、その他の金属やガラス等の不純物が混入してしまうため、このようなITO付着物等からインジウムを分別する場合にも、本発明に係るインジウム吸着剤及びインジウムの分別方法を好ましく適用することができる。なお、ITO付着物等を、ITO導電膜の場合と同様の条件で溶出させる場合には、粒が大きいためさらに時間がかかる。
IZO導電膜やIZO付着物等の亜鉛を含有する酸溶液からインジウムを分別する場合には、S7において回収するインジウム回収液には亜鉛も含有しているため、インジウム回収液からインジウムを回収した後、または回収する前にpHを9程度に調整することにより、亜鉛を水酸化亜鉛の亜鉛スラッジとして沈殿させ、固液分離することができる。
(実施例)
以下、本発明に係るインジウム分別方法の実施例について説明する。
(実施例1、比較例1〜4)
(吸着メカニズム解析)
液晶パネルを約5mmの大きさに裁断粉砕したカレット1000gを、それぞれ塩酸(3.5%HCl)500mL、硫酸(9.8%HSO)500mL、硝酸(6%HNO)500mLの中に入れて80℃で60分間攪拌した後、不溶物をろ過しITOが溶出した酸性溶液を得た。この酸性溶液、及びITO導電膜のエッチング廃液を、スチレンとジビニルベンゼンとの共重合による架橋構造とトリメチルアンモニウム基とを有するゲル型アニオン交換樹脂を60g充填したカラム(φ20mm×250mmH)にそれぞれLV=1.5m/hの速度で通した後、カラムに対して溶液を通した方向と同じ方向から純水を通した。そして、溶液及び水を通液させた後のイオン濃度を測定し、それぞれ図4〜図8に示した。
図4〜6は、それぞれITOの塩酸溶液、硫酸溶液、硝酸溶液をアニオン交換樹脂に接触させた場合のインジウムと酸との挙動を示している。図7は、ITOの塩酸溶液をアニオン交換樹脂に接触させた場合のケイ酸と酸との挙動を示している。図8は、エッチング廃液をアニオン交換樹脂に接触させた場合の鉄と酸との挙動を示している。
その結果、図4に示すようにインジウムを塩酸に溶出させたものは、塩酸溶液を通液させることにより、アニオン交換樹脂に吸着し、その後に水を通液することによって良好に脱離することが分かった。そして、塩酸が脱離した後にインジウムが脱離するというこの挙動は、図7に示すケイ酸の挙動に類似しているのに対し、硫酸に溶出させたものは、図5に示すようにインジウムは硫酸と略同時に脱離しており、図8に示す塩酸と鉄との挙動と類似している。また、硝酸に溶出させたものは、図6に示すようにアニオン交換樹脂に吸着しておらず、一般的な金属塩の挙動と類似している。
すなわち、インジウムは、硫酸溶液中では、一般に知られている塩酸溶液中での鉄の挙動と同様に、硫酸と硫酸塩(In(SO)を形成しているものと考えられる。また、硝酸溶液中では、一般に金属は水錯体を形成することが知られており、インジウムも硝酸溶液中では、アクオ錯体([In(HO)]3+、1≦n≦6、但しnは整数)を形成し、Inが吸着されないものと推定される。そして、これに対し、塩酸溶液中では、インジウムは、ケイ酸の挙動と同様の挙動を示していることから、アニオン化してインジウムの塩素錯体([In(Cl)]3−n、1≦n≦6、但しnは整数)を形成しているものと推察でき、塩酸溶液中ではこの形状となるからこそ、インジウムは、塩酸を主成分とする酸溶液に溶出させた場合のみ、酸吸着性能を有するアニオン交換樹脂に特異的に吸着し得るものと考えられる。
(実施例2)
液晶パネルを約5mmの大きさに裁断粉砕したカレット100gを、塩酸(3.5%HCl)500mLの中に入れ、温度をそれぞれ30、40、50、60、70、80、90℃にして90分間攪拌した時の塩酸溶液のインジウム含有量を調べた。
その結果、図9に示すように塩酸溶液中に回収される回収率は、30℃以上で攪拌すると35%以上となり、60℃以上で攪拌すると50%以上となった。また、90℃では塩化水素ガスが発生した。したがって、回収率を50%以上とするためには、特に60〜80℃で溶出させることが好ましいことが分かった。
(実施例3)
液晶パネルを約5mmの大きさに裁断粉砕したカレット100gを、塩酸(3.5%HCl)500mLの中に入れて80℃で90分間攪拌した後、不溶物をろ過しITOを含有した塩酸溶液を得た。この塩酸溶液を、スチレンとジビニルベンゼンとの共重合による架橋構造とトリメチルアンモニウム基とを有するゲル型アニオン交換樹脂を60g充填したカラム(φ20mm×250mmH)にLV=1.5m/hの速度で通した。その後、カラムに対して塩酸溶液を通した方向と同じ方向から純水を通し、カラムを通過した溶液を5mL毎にサンプリングし、酸濃度を示す塩素イオン濃度およびインジウムイオン濃度を測定した。その結果、図10に示す通り、酸濃度が大きく低下し始めると、インジウムの濃度が高くなることが分かった。すなわち、酸濃度を測定することにより、カラムを通過した溶液は酸回収液とインジウム回収液とを分別できることが分かった。
(実施例4)
液晶パネルを約5mmの大きさに裁断粉砕したカレット200gを濃塩酸(35%HCl)500mLの中に入れて80℃で60分間攪拌した後、不溶物をろ過しITOを含有した塩酸溶液を得た。この塩酸溶液を用いて、実施例1と同様の手順により、塩酸溶液及び水を通液させた後のイオン濃度を測定した。その結果、図11に示す通り、濃塩酸溶液中のインジウムであっても良好に分別できることが分かった。
但し、濃塩酸溶液の場合には、若干、アルミニウムの吸着も見られるため、希塩酸溶液を使用する方がより好ましい。
(実施例5)
実施例3で得たインジウム回収液のpHを1から10に変化させた場合のインジウム回収液中のインジウムイオン濃度およびスズイオン濃度の変化を測定した。その結果、図12に示す通り、pHが2より大きくなるとスズは水酸化スズとして沈殿し、pHが4より大きくなるとインジウムが水酸化インジウムとして沈殿し始めることが分かった。pHを調整することにより、インジウムとスズとを分離できることが分かった。
(実施例6)
液晶パネルを約5mmの大きさに裁断粉砕したカレット100gを、塩酸(3.5%HCl)500mLの中に入れて80℃で60分間、ロータリーエバポレーターで攪拌した後、不溶物をろ過しITOを含有した塩酸溶液を得た。この塩酸溶液にさらに前記カレット100gずつ加えて、同様の操作を9回繰り返した。このようにして得られた塩酸溶液の組成を表1に示した通りである。
Figure 2006006497
この塩酸溶液を実施例3と同様の方法で処理し、インジウム回収液を得た。このインジウム回収液の組成を測定したところ、表2の通りであった。
Figure 2006006497
このインジウム回収液に水酸化ナトリウムを添加し、pHを2に調整して30分間攪拌した。その後、高分子凝集剤を添加し、得られた沈殿物をろ過により除去した。ろ液にさらに水酸化ナトリウムを添加し、pHを5に調整して30分間攪拌した。得られた沈殿物をろ過により回収し、乾燥後、その組成を調べた。その結果、表3に示すように高純度のインジウムが得られることが分かった。
Figure 2006006497
(実施例7)
液晶パネルを約5mmの大きさに裁断粉砕したカレット200gを、混酸(5mol/LHCl+0.25mol/L HNO)500mLの中に入れて80℃で60分間、ロータリーエバポレーターで攪拌した後、不溶物をろ過しITOを含有した混酸溶液を得た。この混酸溶液にさらに前記カレット200gずつ加えて、同様の操作を5回繰り返した。このようにして得られた混酸溶液の組成を表4に示した通りである。
Figure 2006006497
この混酸溶液を用いて、実施例1と同様の手順により、混酸溶液及び水を通液させた後のイオン濃度を測定した。その結果、図13に示す通り、混酸溶液を用いた場合には溶液を通水する際や水を通水する初期にはインジウムが脱離せず、塩酸溶液を用いた図3に比べてインジウムが良好に分離できることが分かった。
このインジウム吸着及び脱離率を実施例1と比較すると表5のとおりであった。すなわち、混酸ではインジウムの分離性能がよく酸回収にはインジウムは殆ど含まれておらず、不純物であるAlの含有率も低下していることが分かった。
なお、全脱離率が100%を超えているのは、実験誤差のためと推定している。
Figure 2006006497
(実施例8)
IZO200mgを混酸(5mol/L HCl+0.25mol/L HNO)200mLの中に入れて、実施例7と同様の方法により混酸溶液を得た。この混酸溶液を用いて、実施例1と同様の手順により、混酸溶液及び水を通液させた後のイオン濃度を測定した。その結果、図14に示す通り、亜鉛もインジウムと同様の曲線を示し、インジウムと同様に塩素錯体として吸着脱離が行われていることが分かった。
(実施例9)
IZO200mgを混酸(5mol/L HCl+0.25mol/L HNO)200mLの中に入れて、実施例7と同様の方法により混酸溶液を得た。この混酸溶液のpHを3から9に変化させた時のIZO混酸溶液中のインジウムイオン濃度および亜鉛イオン濃度の変化を測定した。
その結果、図15に示す通り、pHが4.5より高くなるとインジウムは水酸化インジウムとして沈殿し始めpHが5.5に達すると全て沈殿した。そして、pHが8.5より高くなると亜鉛が水酸化亜鉛として沈殿し始め、pHが9.5に達すると全て沈殿した。
以上により、溶液のpHを調整することにより、ITOの場合と同様にインジウムと亜鉛とを分離でき、インジウムを高純度で回収できることが分かった。
本発明は、塩酸を主成分とする酸溶液からのインジウム回収に適用できる。特にFPDパネルに使用されている透明導電膜やスパッタリングにより生じるITO付着物及びIZO付着物、インジウムを含む無鉛ハンダ等の酸溶液、導電膜のエッチング廃液、チャンバーの洗浄廃液からのインジウムの回収に利用可能である。さらに、酸の回収にも利用することができる。
インジウムの吸着メカニズムを説明する図 インジウムの脱離メカニズムを説明する図 インジウムの回収方法の一実施形態を説明する図 塩酸溶液中におけるインジウムの挙動を示すグラフ 硫酸溶液中におけるインジウムの挙動を示すグラフ 硝酸溶液中におけるインジウムの挙動を示すグラフ 塩酸溶液中におけるケイ酸の挙動を示すグラフ 塩酸溶液中における鉄の挙動を示すグラフ 温度と回収率との関係を示すグラフ 酸濃度とインジウムイオン濃度との関係を示すグラフ 濃塩酸中におけるインジウムの挙動を示すグラフ pHとインジウムイオン濃度との関係を示すグラフ 混酸溶液中におけるインジウムの挙動を示すグラフ 混酸溶液中におけるインジウムの挙動を示すグラフ pHとインジウムイオン濃度及び亜鉛イオン濃度との関係を示すグラフ

Claims (17)

  1. スチレンもしくはアクリルアミドとジビニルベンゼンとの共重合による架橋構造と、4級アンモニウム基及び3級アンモニウム基のうち少なくともいずれか一方と、を有すると共に酸吸着性能を備えたアニオン交換樹脂を主成分とするインジウム吸着剤。
  2. スチレンもしくはアクリルアミドとジビニルベンゼンとの共重合による架橋構造と、4級アンモニウム基及び3級アンモニウム基のうち少なくともいずれか一方と、を有すると共に酸吸着性能を備えたアニオン交換樹脂に、インジウムを含有する塩酸を主成分とする酸溶液を接触させて、インジウムを前記アニオン交換樹脂に吸着させるインジウムの分別方法。
  3. インジウムを前記アニオン交換樹脂に吸着させた後、前記アニオン交換樹脂を水に接触させることにより、前記アニオン交換樹脂からインジウムを脱離させて、インジウム回収液を得る請求項2に記載のインジウムの分別方法。
  4. 前記アニオン交換樹脂を接触させた後の流出水の酸濃度を測定し、その濃度変化値に基づいて、酸回収液と前記インジウム回収液とを分別する請求項3に記載のインジウムの分別方法。
  5. 前記インジウム回収液のpHを調整し、水酸化インジウムとして回収する請求項3に記載のインジウムの分別方法。
  6. 前記インジウム回収液のpHを調整し、水酸化インジウムとして回収する請求項4に記載のインジウムの分別方法。
  7. 前記回収した水酸化インジウムを乾燥もしくは酸に溶出させる請求項5に記載のインジウムの分別方法。
  8. 前記回収した水酸化インジウムを乾燥もしくは酸に溶出させる請求項6に記載のインジウムの分別方法。
  9. 前記酸溶液は、フラットパネルディスプレイの導電膜、スパッタリングにより生じるITO付着物またはIZO付着物、インジウムを含む無鉛ハンダのうち少なくともいずれかを塩酸を主成分とする酸に溶出させたもの、前記導電膜のエッチング廃液、チャンバーの洗浄廃液のうち、少なくとも1つである請求項2に記載のインジウムの分別方法。
  10. 前記酸溶液は、フラットパネルディスプレイの導電膜、スパッタリングにより生じるITO付着物またはIZO付着物、インジウムを含む無鉛ハンダのうち少なくともいずれかを塩酸を主成分とする酸に溶出させたもの、前記導電膜のエッチング廃液、チャンバーの洗浄廃液のうち、少なくとも1つである請求項3に記載のインジウムの分別方法。
  11. 前記酸溶液は、フラットパネルディスプレイの導電膜、スパッタリングにより生じるITO付着物またはIZO付着物、インジウムを含む無鉛ハンダのうち少なくともいずれかを塩酸を主成分とする酸に溶出させたもの、前記導電膜のエッチング廃液、チャンバーの洗浄廃液のうち、少なくとも1つである請求項4に記載のインジウムの分別方法。
  12. 前記酸溶液は、フラットパネルディスプレイの導電膜、スパッタリングにより生じるITO付着物またはIZO付着物、インジウムを含む無鉛ハンダのうち少なくともいずれかを塩酸を主成分とする酸に溶出させたもの、前記導電膜のエッチング廃液、チャンバーの洗浄廃液のうち、少なくとも1つである請求項5に記載のインジウムの分別方法。
  13. 前記酸溶液は、フラットパネルディスプレイの導電膜、スパッタリングにより生じるITO付着物またはIZO付着物、インジウムを含む無鉛ハンダのうち少なくともいずれかを塩酸を主成分とする酸に溶出させたもの、前記導電膜のエッチング廃液、チャンバーの洗浄廃液のうち、少なくとも1つである請求項6に記載のインジウムの分別方法。
  14. 前記酸溶液は、フラットパネルディスプレイの導電膜、スパッタリングにより生じるITO付着物またはIZO付着物、インジウムを含む無鉛ハンダのうち少なくともいずれかを塩酸を主成分とする酸に溶出させたもの、前記導電膜のエッチング廃液、チャンバーの洗浄廃液のうち、少なくとも1つである請求項7に記載のインジウムの分別方法。
  15. 前記酸溶液は、フラットパネルディスプレイの導電膜、スパッタリングにより生じるITO付着物またはIZO付着物、インジウムを含む無鉛ハンダのうち少なくともいずれかを塩酸を主成分とする酸に溶出させたもの、前記導電膜のエッチング廃液、チャンバーの洗浄廃液のうち、少なくとも1つである請求項8に記載のインジウムの分別方法。
  16. 前記酸溶液は、硝酸を含む混酸溶液である請求項3〜15のいずれか一項に記載のインジウムの分別方法。
  17. 前記酸回収液を、前記フラットパネルディスプレイの導電膜、スパッタリングにより生じるITO付着物またはIZO付着物、インジウムを含む無鉛ハンダのうち少なくともいずれかを溶出させるため、もしくはチャンバーを洗浄するために使用する請求項4に記載のインジウムの分別方法。
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