JP6051802B2 - クラッチ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クラッチディスクの摩擦材の摩耗を補償する摩耗補償機構を有するクラッチ装置に関する。
車両においては、エンジン始動時や変速時などにおいてエンジンの回転動力を変速機に伝達しないようにするために、エンジンと変速機との間の動力伝達系路上にクラッチ装置が設けられている。クラッチ装置は、クラッチレバー、クラッチペダル等の操作機構のマニュアル操作(手動操作、踏込操作等)により、油圧機構、リンク機構等のレリーズ機構を介してクラッチ操作力が伝達されて、エンジンと変速機とが断続可能になっている。クラッチ装置は、一般的に、変速機に回転動力を伝達するクラッチディスクを、エンジンの回転動力が伝達されるフライホイールに対して、プレッシャプレートで押付ける機構を有する。プレッシャプレートは、レリーズ機構によって操作可能なダイヤフラムスプリングによってクラッチディスク側に付勢されている。ダイヤフラムスプリングは、支点にて、フライホイールに固定されたクラッチカバーに揺動可能に支持されている。
クラッチ装置は、クラッチディスクの摩擦面に設けられた摩擦材(フェーシング)の摩耗に伴ってダイヤフラムスプリングの姿勢が変化するため、当該摩擦材が摩耗するとクラッチ装置を非係合状態にするために必要な操作力、すなわちクラッチカバーにかかる荷重が増大する。このため、摩擦材の摩耗を補償(追従)する機構を備えたものがある。
例えば、特許文献1に記載の摩耗追従クラッチ装置では、プレッシャプレートの他方の面側に設けられてダイヤフラムスプリングの外周側を支持する支持部材と、プレッシャプレートに取付けられるとともに摩擦部材の摩耗量に応じて支持部材の軸方向への移動量を規制する規制機構と、前記規制機構と前記支持部材との軸方向の相対位置を調整可能な調整機構と、前記規制機構により規制された移動量だけ前記支持部材を前記ダイヤフラムスプリング側に突出させる支点移動機構と、を備えるものが開示されている。規制機構は、規制部材とセンサプレートと規制補助部材とから構成され、規制部材が軸方向上方に向かって移動する際、規制部材のテーパ面と規制補助部材の斜面との楔作用によりセンサプレートの側面がプレッシャプレートの孔の内周面に押圧されて、規制部材が軸方向上方に移動するのを規制する。
特開平11−336789号公報
以下の分析は、本願発明者により与えられる。
特許文献1に記載の摩耗追従クラッチ装置の規制機構では、楔作用のために、規制部材にテーパ面が形成されるとともに、規制補助部材に斜面が形成されているため、特殊形状に加工することに伴うコストがかかってしまう。また、特許文献1に記載の摩耗追従クラッチ装置の規制機構は、センサプレートの側面がプレッシャプレートの孔の内周面に押圧されたときの摩擦力に係る摩擦係数という不確定要素に依存する構造となっているため、規制機構の性能を満足するための条件の設定が厳しくなる可能性がある。
本発明の主な課題は、製造コストを抑えつつ高い信頼性を確保できる摩耗補償機構を有するクラッチ装置を提供することである。
本発明の一視点においては、クラッチ装置において、クラッチディスクの摩擦材をフライホイール側に押し付けるプレッシャプレートと、バネ力を用いて前記プレッシャプレートへの押付荷重を調整する押付荷重調整機構と、前記プレッシャプレートと前記押付荷重調整機構との間の間隔を調整することにより前記摩擦材の摩耗量を補償することが可能な摩耗補償機構と、前記摩擦材の摩耗量を検出及び記憶するとともに、記憶した摩耗量に相当する量の前記摩耗補償機構作動を許容する摩耗量検出記憶機構と、を備え、前記摩耗量検出記憶機構は、前記押付荷重調整機構側から前記フライホイール及び前記摩耗補償機構の一方又は両方と当接することが可能なセンサ部材と、前記センサ部材と軸方向に所定のクリアランスをもって螺合するとともに、前記プレッシャプレートと一体的に移動する部材によって軸方向の移動が規制されるメネジ部材と、前記センサ部材を前記フライホイール側に付勢する付勢部材と、前記メネジ部材を前記フライホイール側に移動するように回転力を発生する回転力発生部材と、を備えることを特徴とする。
本発明の前記クラッチ装置において、前記フライホイールに固定されたクラッチカバーを備え、前記押付荷重調整機構は、前記摩耗補償機構を前記フライホイール側に押し付けることが可能なレリーズプレートと、前記クラッチカバーに支持されるとともに前記レリーズプレートを前記摩耗補償機構に向けて付勢する弾性部材と、を備えることが好ましい。
本発明の前記クラッチ装置において、前記センサ部材は、前記弾性部材と当接する部分を有することが好ましい。
本発明の前記クラッチ装置において、前記フライホイールに固定されたクラッチカバーを備え、前記押付荷重調整機構は、環状の皿ばね部から径方向内側に複数のレバー部が延在するとともに、前記皿ばね部にて前記摩耗補償機構を前記フライホイール側に付勢することが可能なダイヤフラムスプリングと、前記クラッチカバーに支持されるとともに、前記ダイヤフラムスプリングの前記レバー部の揺動の支点となる支点部材と、を備えることが好ましい。
本発明の前記クラッチ装置において、前記摩耗補償機構は、前記押付荷重調整機構側の面に複数の傾斜面を有するロアウェッジと、前記ロアウェッジ側の面に前記傾斜面と対応する他の傾斜面を有するとともに、前記ロアウェッジに対して周方向の一方に回転することにより軸方向の一方に移動可能なアッパウェッジと、前記ロアウェッジに対して前記アッパウェッジを周方向の一方に付勢する他の弾性部材と、を備えることが好ましい。
本発明の前記クラッチ装置において、前記ロアウェッジは、前記摩耗量検出記憶機構を兼ねており、前記摩耗量検出記憶機構として機能する部分において、前記付勢部材を支持する支持部と、前記センサ部材を挿通する穴部と、を備え、前記センサ部材を挿通する他の穴部を有するとともに、前記センサ部材の一部、前記メネジ部材、及び、前記回転力発生部材を覆うようにして前記ロアウェッジに固定されたケースを備え、前記回転力発生部材は、前記ロアウェッジ又は前記ケースに支持されることが好ましい。
本発明の前記クラッチ装置において、前記プレッシャプレートは、前記摩耗量検出記憶機構を兼ねており、前記摩耗量検出記憶機構として機能する部分において、前記付勢部材を支持する支持部と、前記センサ部材を挿通する穴部と、前記センサ部材の一部、前記メネジ部材、及び、前記回転力発生部材を収納する凹部と、を備え、前記センサ部材を挿通する他の穴部を有するとともに、前記凹部を覆うようにして前記プレッシャプレートに固定されたカバー部材を備え、前記回転力発生部材は、前記プレッシャプレートに支持されることが好ましい。
本発明の前記クラッチ装置において、前記センサ部材の周囲に配されるとともに、前記メネジ部材に対して軸方向の一方又は両側に隣接して配置された摺動部材を備えることが好ましい。
本発明の前記クラッチ装置において、前記クラッチディスクは、前記摩擦材間にシートスプリングを有する構成となっていることが好ましい。
本発明の前記クラッチ装置において、前記摩耗補償機構と前記プレッシャプレートとの間に配されたクッションスプリングを備えることが好ましい。
本発明によれば、摩耗量検出記憶機構において構成部品が少なく、かつ、特殊材を用いる必要がないため、従来の構成よりも低コストで摩耗量検出記憶機能を達成することができる。また、センサ部材上の付勢部材の付勢力によって摩耗補償機構の動作を規制するため、従来の構成よりも、設計自由度が高く、かつ、摩擦力のような不確定要素が少なく、高い信頼性を確保できる。また、弾性部材の設計自由度が高いため、従来の構成よりも、振動に耐えうる十分大きな付勢力を加えることができ、高い耐震性を確保できる。
本発明の実施例1に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した軸方向から見た部分切欠平面図である。 本発明の実施例1に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した図1のX−X´間の断面図である。 本発明の実施例1に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した図1のY−Y´間の断面図である。 本発明の実施例1に係るクラッチ装置の動作を模式的に示した部分断面図であり、(A)はクラッチディスクの摩擦材が摩耗する前の図、(B)はクラッチディスクの摩擦材が摩耗した瞬間の図である。 本発明の実施例1に係るクラッチ装置の動作を模式的に示した図4に続く部分断面図であり、(A)はクラッチディスクの摩擦材の摩耗量を記憶するとき図、(B)は記憶した摩耗量に基づいて摩耗を補償するときの図である。 本発明の実施例2に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の実施例3に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の実施例4に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の実施例5に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した軸方向から見た部分切欠平面図である。 本発明の実施例5に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した図9のX−X´間の断面図である。 本発明の実施例5に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した図9のY−Y´間の断面図である。 本発明の実施例5に係るクラッチ装置の動作を模式的に示した図10に続く断面図であり、クラッチディスクの摩擦材が摩耗した瞬間の図である。 本発明の実施例5に係るクラッチ装置の動作を模式的に示した図12に続く断面図であり、レリーズプレートを切り上げた瞬間の図である。 本発明の実施例5に係るクラッチ装置の動作を模式的に示した図13に続く断面図であり、記憶した摩耗量に基づいて摩耗を補償するときの図である。
[実施形態の概要]
本発明の実施形態に係るクラッチ装置では、クラッチディスク(図2の2)の摩擦材をフライホイール(図2の10)側に押し付けるプレッシャプレート(図2の19)と、バネ力を用いて前記プレッシャプレートへの押付荷重を調整する押付荷重調整機構(図2の13、14に相当)と、前記プレッシャプレートと前記押付荷重調整機構との間の間隔を調整することにより前記摩擦材の摩耗量を補償することが可能な摩耗補償機構(図2の3)と、前記摩擦材の摩耗量を検出及び記憶するとともに、記憶した摩耗量に相当する量の前記摩耗補償機構作動を許容する摩耗量検出記憶機構(図2の4)と、を備え、前記摩耗量検出記憶機構は、前記押付荷重調整機構側から前記フライホイール及び前記摩耗補償機構の一方又は両方と当接することが可能なセンサ部材(図2の31)と、前記センサ部材と軸方向に所定のクリアランスをもって螺合するとともに、前記プレッシャプレートと一体的に移動する部材(図2では16、36に相当)によって軸方向の移動が規制されるメネジ部材(図2の33)と、前記センサ部材を前記フライホイール側に付勢する付勢部材(図2の32)と、前記メネジ部材を前記フライホイール側に移動するように回転力を発生する回転力発生部材(図2の35)と、を備える。
なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。以下、実施例について図面を参照しつつ説明する。
本発明の実施例1に係るクラッチ装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した軸方向から見た部分切欠平面図である。図2は、本発明の実施例1に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した図1のX−X´間の断面図である。図3は、本発明の実施例1に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した図1のY−Y´間の断面図である。
クラッチ装置1は、エンジン(図示せず)から変速機(図示せず)への回転動力を断接可能に伝達する装置である(図1、図2参照)。クラッチ装置1は、レリーズプレート14を軸方向の変速機側(図2の上側)へ移動させてエンジンから変速機への回転動力を遮断状態にするレリーズ装置(例えば、レバー機構、油圧ピストン機構、アクチュエータ等)によって操作可能である。クラッチ装置1は、クラッチカバー11とフライホイール10との間に弾性部材13、レリーズプレート14、アッパウェッジ15、ロアウェッジ16、クッションスプリング18、プレッシャプレート19、クラッチディスク2が積層した構成となっている。
クラッチ装置1は、クラッチディスク2の摩擦材20、21の摩耗に伴って弾性部材13の姿勢が変化することによる操作力の変化を抑えるために、クラッチディスク2の摩擦材20、21の摩耗量を補償する摩耗補償機構3を有する。また、クラッチ装置1は、摩耗補償機構3の作動を適正化(過剰な作動を規制)するために、クラッチディスク2の摩擦材20、21の摩耗量を検出及び記憶し、記憶した摩耗量に相当する量の摩耗補償機構3の作動を許容する摩耗量検出記憶機構4を有する。
摩耗補償機構3は、プレッシャプレート19とレリーズプレート14との間の間隔(回転軸5の方向の間隔)を調整することにより、クラッチディスク2の摩擦材20、21の摩耗量を補償することが可能な機能を有する(図2参照)。摩耗補償機構3は、プレッシャプレート19とレリーズプレート14との間において、プレッシャプレート19側から順に、クッションスプリング18、ロアウェッジ16、アッパウェッジ15が積層して配置されている。
摩耗補償機構3は、ロアウェッジ16に対してアッパウェッジ15が周方向の一方に回転することにより、プレッシャプレート19と摩擦材20との当接面から、レリーズプレート14とアッパウェッジ15との当接部分までの長さ(回転軸5の方向の長さ)を長くするように、ロアウェッジ16とアッパウェッジ15とが係合している。摩耗補償機構3は、ロアウェッジ16においてアッパウェッジ15との当接面にて周方向の一方の変化に伴い軸方向の一方に変化する鋸刃状の複数の傾斜面16aを設け、アッパウェッジ15においてロアウェッジ16の傾斜面16aに対応する鋸刃状の複数の傾斜面15aを設け、傾斜面16a、15a同士のスライド可能な係合を利用して、プレッシャプレート19と摩擦材20との当接面から、レリーズプレート14とアッパウェッジ15との当接部分までの長さ調整を行うようにすることができる。なお、摩耗補償機構3は、傾斜面16a、15a同士のスライド可能な係合を利用する形式以外にも、ロアウェッジ16とアッパウェッジ15とのねじ係合を利用して、ロアウェッジ16に対してアッパウェッジ15を周方向の一方に回転させて長さ調整を行うようにしてもよい。また、ロアウェッジ16及びアッパウェッジ15は、周方向に分割された円弧状の部材であってもよく、周方向に接する接線方向に相対移動するように配置された直線状の部材であってもよい。
摩耗補償機構3は、クラッチディスク2の摩擦材20、21の摩耗により、アッパウェッジ15の切欠部15bと摩耗量検出記憶機構4におけるセンサ部材31のストッパ部31bとの間に隙間(回転軸5の方向のガタ)ができたときに、当該隙間を詰めるようにロアウェッジ16に対してアッパウェッジ15が弾性部材17によって周方向の一方に付勢されている。摩耗補償機構3は、レリーズプレート14の軸方向の一方(図2の上側)の移動により、アッパウェッジ15の切欠部15bと摩耗量検出記憶機構4におけるセンサ部材31のストッパ部31bとの間の隙間詰めを行うことで長さ調整を行う。なお、摩耗補償機構3の詳細な構成及び動作については、後述する。
摩耗量検出記憶機構4は、クラッチディスク2の摩擦材20、21の摩耗量に相当するセンサ部材31に対するロアウェッジ16の変位を検出する機能を有する(図1、図2参照)。摩耗量検出記憶機構4は、センサ部材31とロアウェッジ16とが変位した状態でネジ機構4aを作動させることによってセンサ部材31とロアウェッジ16との相対位置を記憶(固定)する機能を有する。摩耗量検出記憶機構4は、センサ部材31とロアウェッジ16との相対位置を記憶した状態のときに、センサ部材31のストッパ部31bと摩耗補償機構3におけるアッパウェッジ15の切欠部15bとの間に発生した隙間の量(摩擦材20、21の摩耗量に相当)の摩耗補償機構3の作動を許容する機能を有する。なお、摩耗量検出記憶機構4の詳細な構成及び動作については、後述する。
クラッチ装置1は、主な構成部として、フライホイール10と、クラッチカバー11と、ボルト12と、弾性部材13と、レリーズプレート14と、アッパウェッジ15と、ロアウェッジ16と、弾性部材17と、クッションスプリング18と、プレッシャプレート19と、センサ部材31と、付勢部材32と、メネジ部材33と、摺動部材34と、回転力発生部材35と、ケース36と、クラッチディスク2と、を有する。
フライホイール10は、動力源(例えば、エンジン)の回転動力が伝達される環状の慣性体である(図2、図3参照)。フライホイール10は、外周部分にて複数のボルト12によってクラッチカバー11が取付固定されており、クラッチカバー11と一体に回転する。
クラッチカバー11は、クラッチディスク2の外周部分をカバーするように形成された環状の部材である(図1〜図3参照)。クラッチカバー11は、外周部分にて複数のボルト12によってフライホイール10に取付固定されており、フライホイール10と一体に回転する。クラッチカバー11は、内周部分にてフライホイール10から離間しており、クラッチディスク2の外周部分をカバーしている。クラッチカバー11は、内周部分にて、弾性部材13の内周端部を支持している。
弾性部材13は、レリーズプレート14をフライホイール10側に付勢する弾性を有する環状の部材であり、バネ力を用いてプレッシャプレート19への押付荷重を調整する押付荷重調整機構の構成部である(図1、図2参照)。弾性部材13には、例えば、皿ばね、板ばね、コイルスプリング等を用いることができる。弾性部材13は、内周端部にてクラッチカバー11に支持されており、外周端部にてレリーズプレート14に圧接している。弾性部材13がレリーズプレート14をフライホイール10側に押し付ける力は、アッパウェッジ15、ロアウェッジ16、クッションスプリング18、及び、プレッシャプレート19を介してクラッチディスク2をフライホイール10に押し下げる力となる。弾性部材13がレリーズプレート14をフライホイール10側に押し付ける押付荷重は、レリーズプレート14に変速機側(図2の上側)への力を加えることにより、一部又は全部が相殺されて、プレッシャプレート19へと伝わる荷重を減少させる。その結果、プレッシャプレート19がクラッチディスク2を押し付ける力が減少し、フライホイール10からクラッチディスク2への回転動力の伝達トルクを調整することができる。つまり、弾性部材13は、プレッシャプレート19への押付荷重を調整する押付荷重調整部材の構成部となる。
レリーズプレート14は、弾性部材13とアッパウェッジ15との間に配された環状で板状の部材であり、押付荷重調整機構の構成部である(図1〜図3参照)。レリーズプレート14は、内周部分にて、レリーズ装置(図示せず)によって回転軸5の方向に移動可能に操作される。レリーズプレート14は、外周部分にて、アッパウェッジ15と接離可能に当接する。レリーズプレート14は、弾性部材13によってフライホイール10側(図2の下側)に押し付けられている。レリーズプレート14は、弾性部材13の押付力からレリーズ装置(図示せず)によって変速機側(図2の上側)に加えられた力を相殺した分の押付荷重をアッパウェッジ15、ロアウェッジ16、及び、クッションスプリング18を介してプレッシャプレート19に伝達する。つまり、レリーズプレート14は、プレッシャプレート19への押付荷重を調整する押付荷重調整部材の構成部となる。
アッパウェッジ15は、レリーズプレート14とロアウェッジ16との間に配された環状の部材であり、摩耗補償機構3の構成部である(図2、図3参照)。アッパウェッジ15は、変速機側(図3の上側)の端面にてレリーズプレート14と接離可能に当接し、レリーズプレート14からの押付荷重を受ける。アッパウェッジ15は、ロアウェッジ16側(図3の下側)の端面に複数の傾斜面15aが形成されている。傾斜面15aは、周方向の一方の変化に伴い軸方向の一方に変化する傾斜面であり、ロアウェッジ16の傾斜面16aと対応する。傾斜面15aは、ロアウェッジ16の傾斜面16aとスライド可能に係合する。これにより、ロアウェッジ16に対してアッパウェッジ15を周方向の一方に回転させると、アッパウェッジ15をロアウェッジ16から離れるように変位させることができる。アッパウェッジ15は、弾性部材17の一端が揺動可能に接続されており、弾性部材17によって周方向の一方に付勢されている。
アッパウェッジ15には、変速機側(図3の上側)の端面からロアウェッジ16側(図3の下側)に切り欠いた切欠部15bを有する。切欠部15bは、変速機側(図3の上側)の端面の一部にて摩耗量検出記憶機構4におけるセンサ部材31のストッパ部31bと軸方向において接離可能に当接し、ストッパ部31bによってアッパウェッジ15がロアウェッジ16から離れるように変位するのを規制するためのものである。切欠部15bの周方向の両側にある壁面は、アッパウェッジ15が周方向に所定の角度で回転してもストッパ部31bと抵触しないように所定の間隔を空けて配される。
アッパウェッジ15は、軸方向において、切欠部15bとストッパ部31bとの間に隙間(ガタ)ができ、かつ、アッパウェッジ15の変速機側(図3の上側)の端面とレリーズプレート14との間に隙間(ガタ)ができたときに、隙間(切欠部15bとストッパ部31bとの間の隙間、又は、アッパウェッジ15とレリーズプレート14との間に隙間)を詰めるように弾性部材17によって周方向の一方に回転する。
ロアウェッジ16は、アッパウェッジ15とクッションスプリング18との間に配された環状の部材であり、摩耗補償機構3及び摩耗量検出記憶機構4の構成部である(図1〜図3参照)。ロアウェッジ16は、環状のプレート部分のプレッシャプレート19側(図2の下側)の面にクッションスプリング18と当接(固定、回転不能に係合していても可)している。ロアウェッジ16は、クッションスプリング18が軸方向に圧縮された状態のときにクッションスプリング18によってプレッシャプレート19から離れる方向に付勢される。
ロアウェッジ16は、摩耗補償機構3として機能する部分において、環状のプレート部分からアッパウェッジ15側(図2の上側)に突出した部分の端面に複数の傾斜面16aが形成されている。傾斜面16aは、周方向の一方の変化に伴い軸方向の一方に変化する傾斜面であり、アッパウェッジ15の傾斜面15aと対応する。傾斜面16aは、アッパウェッジ15の傾斜面15aとスライド可能に係合する。これにより、ロアウェッジ16に対してアッパウェッジ15を周方向の一方に回転させると、アッパウェッジ15をロアウェッジ16から離れるように変位させることができる。ロアウェッジ16は、弾性部材17の他端が揺動可能に接続されており、弾性部材17によって周方向の他方に付勢されている。
ロアウェッジ16は、摩耗量検出記憶機構4として機能する部分において、支持部16b及び穴部16cを有する。支持部16bは、ロアウェッジ16における環状のプレート部分の外周部分から変速機側(図2の上側)に突出して先端部が径方向内側に突出した形状に形成されている。支持部16bは、センサ部材31をエンジン側(図2の下側)に付勢する付勢部材32の一端を支持する。穴部16cは、ロアウェッジ16における環状のプレート部分に形成された貫通穴である。穴部16cには、センサ部材31のピン部31aが挿通されている。ロアウェッジ16は、メネジ部材33の軸方向のフライホイール10側(図2の下側)への移動を規制する。ロアウェッジ16は、メネジ部材33の回転力(回転方向の付勢力)を発生させる回転力発生部材35の他端を支持(固定、係合でも可)する。ロアウェッジ16には、摺動部材34及びメネジ部材33並びに回転力発生部材35を収容するケース36が固定されている。
弾性部材17は、ロアウェッジ16に対してアッパウェッジ15を周方向の一方に付勢する部材であり、摩耗補償機構3の構成部である(図2、図3参照)。弾性部材17には、例えば、コイルスプリング、板ばね等を用いることができる。弾性部材17は、一端が揺動可能にロアウェッジ16に接続(固定)され、他端が揺動可能にアッパウェッジ15に接続(固定)され、圧縮力が発生するように自由長よりも伸ばされた状態になっている。
クッションスプリング18は、ロアウェッジ16とプレッシャプレート19との間に配された弾性部材である(図2、図3参照)。クッションスプリング18には、例えば、ウェーブスプリング、シートスプリング、皿ばね等を用いることができる。クッションスプリング18は、ロアウェッジ16とプレッシャプレート19とに挟まれて圧縮した状態のときにプレッシャプレート19をロアウェッジ16から離れるように付勢する。クッションスプリング18は、ロアウェッジ16及びプレッシャプレート19の一方又は両方と固定(係合)されていてもよい。
プレッシャプレート19は、クラッチディスク2の摩擦摺動部分をフライホイール10に押付ける環状のプレートである(図2、図3参照)。プレッシャプレート19は、エンジン側(図2の下側)の面がクラッチディスク2の摩擦材20と摩擦摺動する摩擦面となっている。プレッシャプレート19は、変速機側(図2の上側)の面にてクッションスプリング18と当接(固定、回転不能に係合していても可)している。プレッシャプレート19は、クッションスプリング18が軸方向に圧縮された状態のときにクッションスプリング18によってロアウェッジ16から離れる方向に付勢される。また、プレッシャプレート19は、弾性部材13によってレリーズプレート14、アッパウェッジ15、ロアウェッジ16、クッションスプリング18を介してフライホイール10側に付勢される。
センサ部材31は、クラッチディスク2の摩擦材20、21の摩耗量に相当するセンサ部材31に対するロアウェッジ16の変位を検出する部材であり、摩耗量検出記憶機構4(ネジ機構4aを含む)の構成部である(図1〜図3参照)。センサ部材31は、押付荷重調整機構(レリーズプレート14)側からフライホイール10及び摩耗補償機構3(アッパウェッジ15)の一方又は両方と当接することが可能な構成となっている。センサ部材31は、付勢部材32によって軸方向のフライホイール10側(図2の下側)に付勢されている。センサ部材31は、軸方向に延在したピン部31aを有する。ピン部31aは、ケース36の穴部36a、及び、ロアウェッジ16の穴部16cに挿通されている。ピン部31aは、軸方向のフライホイール10側(図2の下側)の先端部にてフライホイール10と接離可能に接している。この場合、フライホイール10とクラッチカバー11とは一体化されており、ピン部31aは、フライホイール10と一体物である、例えば、クラッチカバー11の内壁の一部と接離可能に接する構成としても良い。ピン部31aは、穴部36aと穴部16cとの間の部位においてオネジ部31cを有する。オネジ部31cは、少なくとも軸方向に所定のクリアランス(ガタ、隙間)をもってメネジ部材33と螺合している。ピン部31aは、軸方向の変速機側(図2の上側)の部分から径方向内側に延在したストッパ部31bを有する。ストッパ部31bは、アッパウェッジ15の切欠部15bの変速機側(図3の上側)の端面の一部と接離可能に当接し、アッパウェッジ15がロアウェッジ16から離れるように変位するのを規制するためのものである。ストッパ部31bは、アッパウェッジ15が周方向に所定の角度で回転しても切欠部15bの周方向の両側にある壁面と抵触しないように所定の間隔を空けて配される。
付勢部材32は、センサ部材31を軸方向のフライホイール10側(図2の下側)に付勢する部材であり、摩耗量検出記憶機構4の構成部である(図2参照)。付勢部材32には、例えば、コイルスプリング、皿ばね、板ばねを用いることができる。付勢部材32は、一端がロアウェッジ16の支持部16bに支持(固定でも可)され、他端がセンサ部材31と当接し、センサ部材31をフライホイール10に押し付けるように圧縮した状態になっている。付勢部材32により、摩耗補償機構3の弾性部材17の荷重により発生したアッパウェッジ15が変速機側(図2の上側)へと移動するのを、センサ部材31を介して抑制する。
メネジ部材33は、摩擦材20、21の摩耗により変動したセンサ部材31とロアウェッジ16との相対位置を記憶(固定)する部材であり、摩耗量検出記憶機構4(ネジ機構4aを含む)の構成部である(図1〜図3参照)。メネジ部材33には、例えば、ナットを用いることができる。メネジ部材33は、プレッシャプレート10と一体的に移動する部材(ここではロアウェッジ16及びケース36)によって軸方向の移動が規制される。メネジ部材33は、ロアウェッジ16とケース36とで囲まれた空間内において、回転可能に収納されており、センサ部材31の一部、摺動部材34、及び、回転力発生部材35とともに収納される。メネジ部材33は、ロアウェッジ16及び摺動部材34と摺動可能に接している。メネジ部材33は、ロアウェッジ16と摺動部材34との軸方向の間において軸方向に微小のガタツキをもって移動可能であってもよい。メネジ部材33は、少なくとも軸方向に所定のクリアランス(ガタ、隙間)をもってセンサ部材31のオネジ部31cと螺合している。メネジ部材33は、オネジ部31cを軸に一方に回転することによりフライホイール10側(図2の下側)に移動する。メネジ部材33は、回転力発生部材35の一端に固定(係合でも可)されており、回転力発生部材35によってオネジ部31cを軸に一方に回転するように付勢されている。
摺動部材34は、ケース36とメネジ部材33との軸方向の間(ロアウェッジ16とメネジ部材33との軸方向の間でも可)に配された環状の部材であり、摩耗量検出記憶機構4の構成部である(図2参照)。摺動部材34には、例えば、ワッシャを用いることができる。摺動部材34は、ロアウェッジ16とケース36とで囲まれた空間内において、回転可能に収納されており、センサ部材31の一部、メネジ部材33、及び、回転力発生部材35とともに収納される。摺動部材34の内周側には、センサ部材31のピン部31aが挿通されている。摺動部材34は、センサ部材31のオネジ部31cを軸に回転可能なメネジ部材33、及び、ケース36に対して摺動可能である。摺動部材34は、ケース36とメネジ部材33との軸方向の間において軸方向に微小のガタツキをもって移動可能であってもよい。
回転力発生部材35は、メネジ部材33を一方に回転させる回転力を発生させる部材であり、摩耗量検出記憶機構4の構成部である(図2参照)。回転力発生部材35には、例えば、トーションスプリングを用いることができる。メネジ部材33は、ロアウェッジ16とケース36とで囲まれた空間内において、センサ部材31の一部、メネジ部材33、及び、摺動部材34とともに収納される。回転力発生部材35は、一端がメネジ部材33に固定(係合でも可)され、他端がロアウェッジ16の支持部16b(ケース36でも可)に支持(固定、係合でも可)され、センサ部材31のオネジ部31cと螺合するメネジ部材33をフライホイール10側(図2の下側)へと進む回転トルクを発生できるように自由長よりも伸びた状態になっている。
ケース36は、センサ部材31の一部、メネジ部材33、摺動部材34、及び、回転力発生部材35を覆う部材であり、摩耗量検出記憶機構4の構成部である(図1、図2参照)。ケース36は、ロアウェッジ16に固定される。ケース36は、センサ部材31のピン部31aを挿通するための穴部36aを有する。ケース36は、メネジ部材33及び摺動部材34の軸方向の変速機側(図2の上側)への移動を規制する。なお、ケース36は、ロアウェッジ16と一体に構成されていてもよい。
クラッチディスク2は、フライホイール10とプレッシャプレート19との間に配された円形でディスク状の組立体である(図2、図3参照)。クラッチディスク2は、外周部分にてライニングプレート22の両面に摩擦材20、21が取付固定(例えば、リベットによるかしめ、接着等)された摩擦摺動部分を有し、当該摩擦摺動部分にてフライホイール10とプレッシャプレート19との間に挟み込まれている。クラッチディスク2は、ライニングプレート22の内周部分にて複数のリベット25によってサイドプレート23、24に取付固定されており、サイドプレート23、24間にハブ部材28が配されており、サイドプレート23、24とハブ部材28との間の捩れ(トルク変動)を弾性部材27の弾性力により緩衝(吸収)するダンパ部2aを有する。クラッチディスク2は、サイドプレート23とハブ部材28との間にスラスト部材29が配されており、サイドプレート24とハブ部材28との間にスラスト部材30が配されている。クラッチディスク2は、ハブ部材28の内周にて変速機(図示せず)の入力軸(図示せず)に対して回転不能かつ軸方向移動可能にスプライン係合している。
次に、本発明の実施例1に係るクラッチ装置の動作(摩耗補償動作)について図面を用いて説明する。図4は、本発明の実施例1に係るクラッチ装置の動作を模式的に示した部分断面図であり、(A)はクラッチディスクの摩擦材が摩耗する前の状態の図、(B)はクラッチディスクの摩擦材が摩耗した瞬間の状態の図である。図5は、本発明の実施例1に係るクラッチ装置の動作を模式的に示した図4に続く部分断面図であり、(A)はクラッチディスクの摩擦材の摩耗量を記憶するとき図、(B)は記憶した摩耗量に基づいて摩耗を補償するときの図である。
図4(A)を参照すると、クラッチディスク(図2の2)の摩擦材20、21が摩耗する前では、センサ部材31は、フライホイール10及びアッパウェッジ15の両方と接触している。つまり、摩耗前は、付勢部材32によってセンサ部材31がフライホイール10側(図4の下側)に付勢されることで、センサ部材31のピン部31aがフライホイール10と接触し、かつ、センサ部材31のストッパ部31bがアッパウェッジ15の切欠部15bと接触している。このとき、アッパウェッジ15とセンサ部材31が接触することで、弾性部材(図2の17)の弾性力によってロアウェッジ16に対してアッパウェッジ15が変速機側(図4の上側)へ移動しようとするのを、センサ部材31のストッパ部31bが押さえ付け、アッパウェッジ15の動きが規制される。
図4(B)を参照すると、図4(A)の状態からクラッチディスク(図2の2)の摩擦材20、21が摩耗した瞬間では、弾性部材(図2の13)の付勢力によってレリーズプレート14及びアッパウェッジ15を介してロアウェッジ16がフライホイール10側(図4の下側)へ移動するが、付勢部材32によって付勢されたセンサ部材31のピン部31aがフライホイール10と接触しているため、センサ部材31自体はフライホイール10側(図4の下側)には移動しない。その結果、センサ部材31のオネジ部31cとメネジ部材33とが螺合している部分における軸方向のクリアランス分までロアウェッジ16はフライホイール10側(図4の下側)へ移動できる。その際、メネジ部材33の軸力が開放され、メネジ部材33の回転方向の反力が0となる。また、センサ部材31のストッパ部31bとアッパウェッジ15の切欠部15bとの間の接触がなくなり、弾性部材(図2の17)の弾性力によってロアウェッジ16に対してアッパウェッジ15が変速機側(図4の上側)へ移動しようとする力はレリーズプレート14からの荷重のみで規制することになる。
図5(A)を参照すると、図4(B)の状態からクラッチディスク(図2の2)の摩擦材20、21の摩耗量を記憶するときでは、図4(B)の状態のときにメネジ部材33の回転方向の反力がなくなったため、メネジ部材33は回転力発生部材35の力でフライホイール10側(図5の下側)に回転しながら進む。メネジ部材33がセンサ部材31のオネジ部31cの下面、及び、ロアウェッジ16と接触する状態になると、メネジ部材33の回転に対して反力が発生し、メネジ部材33の回転は止まる。これにより、クラッチディスク(図2の2)の摩擦材20、21の摩耗量が記憶された状態となる。なお、アッパウェッジ15は、図4(B)の状態と同様に、レリーズプレート14によって移動が規制されたままである。
図5(B)を参照すると、記憶した摩擦材20、21の摩耗量に基づいて摩耗を補償するときでは、図5(A)の状態により摩耗が記憶されると、レリーズプレート14を変速機側(図5の上側)に切り上げてセンサ部材31がフライホイール10から離れても、付勢部材32の荷重はセンサ部材31のオネジ部31c、及び、メネジ部材33を介してロアウェッジ16で受け持つため、センサ部材31が元の状態(図4(A)の状態)に戻ることはない。レリーズプレート14を変速機側(図5の上側)に切り上げる過程で、レリーズプレート14からの荷重が減少し、弾性部材(図2の17)の弾性力によってロアウェッジ16に対してアッパウェッジ15が変速機側(図5の上側)へ移動しようとする力がレリーズプレート14からの荷重に勝ると、アッパウェッジ15がセンサ部材31と接触するまで回転しながら変速機側(図5の上側)へ移動する。
実施例1によれば、摩耗量検出記憶機構4において構成部品が少なく、かつ、特殊材を用いる必要がないため、低コストで摩耗量検出記憶機能を達成することができる。また、実施例1によれば、センサ部材31上の付勢部材32の付勢力によって、弾性部材17の弾性力によってロアウェッジ16に対してアッパウェッジ15が変速機側(図2の上側)へ移動しようとする動作を規制するため、設計自由度が高く、かつ、摩擦力のような不確定要素が少なく、高い信頼性を確保できる。また、実施例1によれば、弾性部材17の設計自由度が高いため、振動に耐えうる十分大きな付勢力を加えることができ、高い耐震性を確保できる。さらに、実施例1によれば、摩耗補償機構3及び摩耗量検出記憶機構4がサビ等で固着した場合でも、メネジ部材33の上面に摺動部材34を当て、かつ、弾性部材13からの大きな荷重を加えることで、固着面を乖離させることができ、摩耗追従機能を喪失することがない。
本発明の実施例2に係るクラッチ装置について図面を用いて説明する。図6は、本発明の実施例2に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した断面図である。
実施例2は、実施例1の変形例であり、クラッチカバー(図2の11)及び弾性部材(図2の13)並びにレリーズプレート(図2の14)の代わりに、テコ式用のクラッチカバー40及びダイヤフラムスプリング43並びに支点部材41、42を用い、クッションスプリング(図2の18)を用いるのをやめ、ライニングプレート(図2の22)の代わりにシートスプリング44を用いたものである。その他の構成は、実施例1と同様である。
クラッチカバー40は、クラッチディスク2の外周部分をカバーするように形成された環状の部材である(図6参照)。クラッチカバー40は、外周部分にてボルト(図1の12に相当)によってフライホイール10に取付固定されており、フライホイール10と一体に回転する。クラッチカバー40は、内周部分にてフライホイール10から離間しており、クラッチディスク2の外周部分、及びプレッシャプレート19をカバーしている。クラッチカバー40は、内周端部にて、ダイヤフラムスプリング43の中間部の両側を挟むように配された2つの支点部材41、42を支持するかしめ部40aを有する。かしめ部40aは、ダイヤフラムスプリング43のレバー部43a間における複数の空所にて2つの支点部材41、42をかしめて支持している。かしめ部40aは、支点部材41、42を支点にダイヤフラムスプリング43を揺動可能に支持する。
ダイヤフラムスプリング43は、環状の皿ばね部43bから径方向内側に複数のレバー部43aが延在した弾性部材であり、押付荷重調整機構の構成部である(図6参照)。ダイヤフラムスプリング43は、中間部分にて、クラッチカバー40のかしめ部40aに支持された2つの支点部材41、42の間に揺動可能に挟持されている。ダイヤフラムスプリング43は、支点部材41、42を支点としたレバー部材となる。ダイヤフラムスプリング43は、皿ばね部43bの外周部分のエンジン側(図6の下側)の面にて、アッパウェッジ15と接離可能に当接している。ダイヤフラムスプリング43は、レバー部43aの内周部分の変速機側(図6の上側)の面にて、レリーズベアリング(図示せず)と当接している。ダイヤフラムスプリング43は、支点部材41、42を支点に傾くことで、皿ばね部43bがアッパウェッジ15、ロアウェッジ16を介してプレッシャプレート19をフライホイール10側に付勢するとともに、レバー部43aがレリーズベアリング(図示せず)を変速機側(図6の上側)に付勢する。ダイヤフラムスプリング43は、アッパウェッジ15、ロアウェッジ16を介してプレッシャプレート19を付勢することで、クラッチディスク2の摩擦材20、21の部分をフライホイール10に圧接させる。ダイヤフラムスプリング43は、レバー部43aをレリーズベアリング(図示せず)によってフライホイール10側に押付けることで、皿ばね部43bがフライホイール10から離れるように変位し、プレッシャプレート19のフライホイール10側への付勢を解除する。
支点部材41、42は、ダイヤフラムスプリング43のレバー部43aの揺動の支点となる環状の部材であり、押付荷重調整機構の構成部である(図6参照)。支点部材41、42は、ダイヤフラムスプリング43の中間部分の両側に配され、ダイヤフラムスプリング43のレバー部43a間の複数の空所にてクラッチカバー40のかしめ部40aによってかしめられて支持されている。
シートスプリング44は、摩擦材20、21間に配された弾性部材である(図6参照)。シートスプリング44は、摩擦材20、21間に挟まれて圧縮した状態のときに摩擦材20を摩擦材21から離れるように付勢する。シートスプリング44は、内周部分にてサイドプレート23、24間に挟み込まれており、複数のリベット25によってサイドプレート23、24に取付固定されている。
実施例2によれば、実施例1と同様な効果を奏する。
本発明の実施例3に係るクラッチ装置について図面を用いて説明する。図7は、本発明の実施例3に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した断面図である。
実施例3は、実施例2の変形例であり、摩耗量検出記憶機構4をロアウェッジ47上に設けるのをやめてプレッシャプレート45に設け、ケース(図6の36)の代わりにカバー部材46を用いたものである。その他の構成は、実施例2と同様である。
プレッシャプレート45は、クラッチディスク2の摩擦摺動部分をフライホイール10に押付ける環状のプレートであり、摩耗量検出記憶機構4の構成部である(図7参照)。プレッシャプレート45は、エンジン側(図7の下側)の面がクラッチディスク2の摩擦材20と摩擦摺動する摩擦面となっている。プレッシャプレート45は、変速機側(図2の上側)の面にてロアウェッジ47と当接(固定、回転不能に係合していても可)している。プレッシャプレート45は、ダイヤフラムスプリング43によってアッパウェッジ15、ロアウェッジ16を介してフライホイール10側に付勢される。また、プレッシャプレート45は、シートスプリング44が軸方向に圧縮された状態のときにシートスプリング44によって摩擦材20を介してロアウェッジ16側に付勢される。
プレッシャプレート45は、摩耗量検出記憶機構4として機能する部分において、凹部45a及び支持部45b並びに穴部45cを有する。凹部45aは、プレッシャプレート45における摩擦材20よりも径方向外側の部分の変速機側(図7の上側)から凹んだ部分である。凹部45aには、センサ部材31の一部、メネジ部材33、摺動部材34、及び、回転力発生部材35とともに収納されている。凹部45aには、摺動部材34を覆うようにカバー部材46が装着されている。支持部45bは、プレッシャプレート45の外周部分から変速機側(図7の上側)に突出して先端部が径方向内側に突出した形状に形成されている。支持部45bは、センサ部材31をエンジン側(図7の下側)に付勢する付勢部材32の一端を支持する。穴部45cは、プレッシャプレート45における凹部45aの底部に形成された貫通穴である。穴部45cには、センサ部材31のピン部31aが挿通されている。プレッシャプレート45は、メネジ部材33の軸方向のフライホイール10側(図7の下側)への移動を規制する。プレッシャプレート45は、メネジ部材33の回転力(回転方向の付勢力)を発生させる回転力発生部材35の他端を支持(固定、係合でも可)する。
カバー部材46は、プレッシャプレート45の凹部45aにてセンサ部材31の一部、メネジ部材33、摺動部材34、及び、回転力発生部材35を覆う部材であり、摩耗量検出記憶機構4の構成部である(図7参照)。カバー部材46は、プレッシャプレート45の凹部45aに固定される。カバー部材46は、センサ部材31のピン部31aを挿通するための穴部46aを有する。カバー部材46は、メネジ部材33及び摺動部材34の軸方向の変速機側(図7の上側)への移動を規制する。
ロアウェッジ47は、アッパウェッジ15とプレッシャプレート45との間に配された環状の部材であり、摩耗補償機構3の構成部である(図7参照)。ロアウェッジ47は、プレッシャプレート45側の端面にてプレッシャプレート45と当接(固定、回転不能に係合していても可)している。
ロアウェッジ47は、摩耗補償機構3として機能する部分において、アッパウェッジ15側(図7の上側)の端面に複数の傾斜面47aが形成されている。傾斜面47aは、周方向の一方の変化に伴い軸方向の一方に変化する傾斜面であり、アッパウェッジ15の傾斜面15aと対応する。傾斜面47aは、アッパウェッジ15の傾斜面15aとスライド可能に係合する。これにより、ロアウェッジ47に対してアッパウェッジ15を周方向の一方に回転させると、アッパウェッジ15をロアウェッジ47から離れるように変位させることができる。ロアウェッジ47は、弾性部材17の他端が揺動可能に接続されており、弾性部材17によって周方向の他方に付勢されている。
実施例3によれば、実施例2と同様な効果を奏する。
本発明の実施例4に係るクラッチ装置について図面を用いて説明する。図8は、本発明の実施例4に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した断面図である。
実施例4は、実施例1の変形例であり、クラッチカバー(図2の11)及び弾性部材(図2の13)並びにレリーズプレート(図2の14)の代わりに、テコ式用のクラッチカバー40及びダイヤフラムスプリング43並びに支点部材41、42を用いたものである。クラッチカバー40及びダイヤフラムスプリング43並びに支点部材41、42は、実施例2と同様なものである。その他の構成は、実施例1と同様である。
実施例4によれば、実施例1と同様な効果を奏する。
本発明の実施例5に係るクラッチ装置について図面を用いて説明する。図9は、本発明の実施例5に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した軸方向から見た部分切欠平面図である。図10は、本発明の実施例5に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した図9のX−X´間の断面図である。図11は、本発明の実施例5に係るクラッチ装置の構成を模式的に示した図9のY−Y´間の断面図である。なお、図10は、クラッチディスクの摩擦材が摩耗する前の図である。
実施例5は、実施例1の変形例であり、レリーズプレート14に切欠部14aを形成し、センサ部材31のストッパ部31bに凸部31dを形成し、凸部31dを、切欠部14aを通して弾性部材13と接触するようにしたものである。その他の構成は、実施例1と同様である。
次に、本発明の実施例5に係るクラッチ装置の動作(摩耗補償動作)について図面を用いて説明する。図12は、本発明の実施例5に係るクラッチ装置の動作を模式的に示した図10に続く断面図であり、クラッチディスクの摩擦材が摩耗した瞬間の図である。図13は、本発明の実施例5に係るクラッチ装置の動作を模式的に示した図12に続く断面図であり、レリーズプレートを切り上げた瞬間の図である。図14は、本発明の実施例5に係るクラッチ装置の動作を模式的に示した図13に続く断面図であり、記憶した摩耗量に基づいて摩耗を補償するときの図である。
図10を参照すると、クラッチディスク2の摩擦材20、21が摩耗する前では、センサ部材31は、フライホイール10及びアッパウェッジ15の両方と接触している。つまり、摩耗前は、付勢部材32によってセンサ部材31がフライホイール10側(図10の下側)に付勢されることで、センサ部材31のピン部31aがフライホイール10と接触し、かつ、センサ部材31のストッパ部31bがアッパウェッジ15の切欠部15bと接触している。このとき、アッパウェッジ15とセンサ部材31が接触することで、弾性部材17の弾性力によってロアウェッジ16に対してアッパウェッジ15が変速機側(図10の上側)へ移動しようとするのを、センサ部材31のストッパ部31bが押さえ付け、アッパウェッジ15の動きが規制される。また、このとき、センサ部材31の凸部31dとレリーズプレート14とが同じ高さで弾性部材13と接触している。
図12を参照すると、図10の状態からクラッチディスク2の摩擦材20、21が摩耗した瞬間では、弾性部材13の付勢力によってレリーズプレート14及びアッパウェッジ15を介してロアウェッジ16がフライホイール10側(図12の下側)へ移動するが、付勢部材32によって付勢されたセンサ部材31のピン部31aがフライホイール10と接触しているため、センサ部材31自体はフライホイール10側(図12の下側)には移動しない。その結果、センサ部材31のオネジ部31cとメネジ部材33とが螺合している部分における軸方向のクリアランス分までロアウェッジ16はフライホイール10側(図12の下側)へ移動できる。その際、メネジ部材33の軸力が開放され、メネジ部材33の回転方向の反力が0となる。また、センサ部材31のストッパ部31bとアッパウェッジ15の切欠部15bとの間の接触がなくなり、弾性部材17の弾性力によってロアウェッジ16に対してアッパウェッジ15が変速機側(図12の上側)へ移動しようとする力はレリーズプレート14からの荷重のみで規制することになる。また、このとき、センサ部材31の凸部31dの頂面がレリーズプレート14よりも変速機側(図12の上側)に変位し、凸部31dが弾性部材13を変速機側(図12の上側)に押し上げて、弾性部材13における凸部31dとの接触部分を変形させる。
図12の状態からクラッチディスク2の摩擦材20、21の摩耗量を記憶するときでは、図12の状態のときにメネジ部材33の回転方向の反力がなくなったため、メネジ部材33は回転力発生部材35の力でフライホイール10側(図12の下側)に回転しながら進む。メネジ部材33がセンサ部材31のオネジ部31cの下面、及び、ロアウェッジ16と接触する状態になると、メネジ部材33の回転に対して反力が発生し、メネジ部材33の回転は止まる。これにより、クラッチディスク2の摩擦材20、21の摩耗量が記憶された状態となる。
図13を参照すると、クラッチディスク2の摩擦材20、21の摩耗量を記憶した状態からレリーズプレート14を変速機側(図13の上側)に切り上げた瞬間では、弾性部材13の大きな荷重によってセンサ部材31の凸部31dがフライホイール10側(図13の下側)に押し付けられ、アッパウェッジ15とロアウェッジ16とが軸方向に切り離される。このとき、レリーズプレート14の変速機側(図13の上側)への切り上げによってセンサ部材31がフライホイール10から離れても、付勢部材32の荷重はセンサ部材31のオネジ部31c、及び、メネジ部材33を介してロアウェッジ16で受け持つため、センサ部材31が元の状態(図10の状態)に戻ることはない。
図14を参照すると、記憶した摩擦材20、21の摩耗量に基づいて摩耗を補償するときでは、図13のようにアッパウェッジ15とロアウェッジ16とが軸方向に切り離された状態から、弾性部材17の弾性力によってロアウェッジ16に対してアッパウェッジ15が、アッパウェッジ15とロアウェッジ16とが傾斜面15a、16aで接触するまで回転する。
実施例5によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、摩耗時にセンサ部材31が上昇し、センサ部材31が弾性部材13と接触することで、切り上げ時に弾性部材13がセンサ部材31、メネジ部材33を介してロアウェッジ16を押し下げることができ、容易にアッパウェッジ15とロアウェッジ16と徒の間に隙間を作ることができる。そのため、アッパウェッジ15を動かすために必要な荷重が小さくなり、付勢部材32の付勢力を小さくすることができ、付勢部材32を小さな構成とすることができ、コストを低減させることができる。
なお、本発明の全開示(請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
1 クラッチ装置
2 クラッチディスク
2a ダンパ部
3 摩耗補償機構
4 摩耗量検出記憶機構
4a ネジ機構
5 回転軸
10 フライホイール
11 クラッチカバー
12 ボルト
13 弾性部材(押付荷重調整機構)
14 レリーズプレート(押付荷重調整機構)
14a 切欠部
15 アッパウェッジ
15a 傾斜面
15b 切欠部
16 ロアウェッジ
16a 傾斜面
16b 支持部
16c 穴部
17 弾性部材
18 クッションスプリング
19 プレッシャプレート
20、21 摩擦材
22 ライニングプレート
23、24 サイドプレート
25 リベット
27 弾性部材
28 ハブ部材
29、30 スラスト部材
31 センサ部材
31a ピン部
31b ストッパ部
31c オネジ部
31d 凸部
32 付勢部材
33 メネジ部材
34 摺動部材
35 回転力発生部材
36 ケース
36a 穴部
40 クラッチカバー
40a かしめ部
41、42 支点部材(押付荷重調整機構)
43 ダイヤフラムスプリング(押付荷重調整機構)
43a レバー部
43b 皿ばね部
44 シートスプリング
45 プレッシャプレート
45a 凹部
45b 支持部
45c 穴部
46 カバー部材
46a 穴部
47 ロアウェッジ
47a 傾斜面

Claims (10)

  1. クラッチディスクの摩擦材をフライホイール側に押し付けるプレッシャプレートと、
    バネ力を用いて前記プレッシャプレートへの押付荷重を調整する押付荷重調整機構と、
    前記プレッシャプレートと前記押付荷重調整機構との間の間隔を調整することにより前記摩擦材の摩耗量を補償することが可能な摩耗補償機構と、
    前記摩擦材の摩耗量を検出及び記憶するとともに、記憶した摩耗量に相当する量の前記摩耗補償機構作動を許容する摩耗量検出記憶機構と、
    を備え、
    前記摩耗量検出記憶機構は、
    前記押付荷重調整機構側から前記フライホイール及び前記摩耗補償機構の一方又は両方と当接することが可能なセンサ部材と、
    前記センサ部材と軸方向に所定のクリアランスをもって螺合するとともに、前記プレッシャプレートと一体的に移動する部材によって軸方向の移動が規制されるメネジ部材と、
    前記センサ部材を前記フライホイール側に付勢する付勢部材と、
    前記メネジ部材を前記フライホイール側に移動するように回転力を発生する回転力発生部材と、
    を備えることを特徴とするクラッチ装置。
  2. 前記フライホイールに固定されたクラッチカバーを備え、
    前記押付荷重調整機構は、
    前記摩耗補償機構を前記フライホイール側に押し付けることが可能なレリーズプレートと、
    前記クラッチカバーに支持されるとともに前記レリーズプレートを前記摩耗補償機構に向けて付勢する弾性部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載のクラッチ装置。
  3. 前記センサ部材は、前記弾性部材と当接する部分を有することを特徴とする請求項2記載のクラッチ装置。
  4. 前記フライホイールに固定されたクラッチカバーを備え、
    前記押付荷重調整機構は、
    環状の皿ばね部から径方向内側に複数のレバー部が延在するとともに、前記皿ばね部にて前記摩耗補償機構を前記フライホイール側に付勢することが可能なダイヤフラムスプリングと、
    前記クラッチカバーに支持されるとともに、前記ダイヤフラムスプリングの前記レバー部の揺動の支点となる支点部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載のクラッチ装置。
  5. 前記摩耗補償機構は、
    前記押付荷重調整機構側の面に複数の傾斜面を有するロアウェッジと、
    前記ロアウェッジ側の面に前記傾斜面と対応する他の傾斜面を有するとともに、前記ロアウェッジに対して周方向の一方に回転することにより軸方向の一方に移動可能なアッパウェッジと、
    前記ロアウェッジに対して前記アッパウェッジを周方向の一方に付勢する他の弾性部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のクラッチ装置。
  6. 前記ロアウェッジは、前記摩耗量検出記憶機構を兼ねており、前記摩耗量検出記憶機構として機能する部分において、前記付勢部材を支持する支持部と、前記センサ部材を挿通する穴部と、を備え、
    前記センサ部材を挿通する他の穴部を有するとともに、前記センサ部材の一部、前記メネジ部材、及び、前記回転力発生部材を覆うようにして前記ロアウェッジに固定されたケースを備え、
    前記回転力発生部材は、前記ロアウェッジ又は前記ケースに支持されることを特徴とする請求項5記載のクラッチ装置。
  7. 前記プレッシャプレートは、前記摩耗量検出記憶機構を兼ねており、前記摩耗量検出記憶機構として機能する部分において、前記付勢部材を支持する支持部と、前記センサ部材を挿通する穴部と、前記センサ部材の一部、前記メネジ部材、及び、前記回転力発生部材を収納する凹部と、を備え、
    前記センサ部材を挿通する他の穴部を有するとともに、前記凹部を覆うようにして前記プレッシャプレートに固定されたカバー部材を備え、
    前記回転力発生部材は、前記プレッシャプレートに支持されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載のクラッチ装置。
  8. 前記センサ部材の周囲に配されるとともに、前記メネジ部材に対して軸方向の一方又は両側に隣接して配置された摺動部材を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載のクラッチ装置。
  9. 前記クラッチディスクは、前記摩擦材間にシートスプリングを有する構成となっていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載のクラッチ装置。
  10. 前記摩耗補償機構と前記プレッシャプレートとの間に配されたクッションスプリングを備えることを特徴する請求項1乃至8のいずれか一に記載のクラッチ装置。
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