JP4667222B2 - クラッチカバー組立体 - Google Patents

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Description

本発明は、クラッチカバー組立体、特に、エンジンのフライホイールにクラッチディス組立体の摩擦部材を押し付け及び押し付け解除するためものに関する。
クラッチカバー組立体は、一般に、エンジンのフライホイールに装着され、エンジンの駆動力をトランスミッション側に伝達するために用いられている。このようなクラッチカバー組立体は、主に、フライホイールに固定されるクラッチカバーと、フライホイールとの間でクラッチディスク組立体の摩擦部材を挟持するためのプレッシャープレートと、プレッシャープレートをフライホイール側に押圧するためのダイヤフラムスプリングとから構成されている。ダイヤフラムスプリングは、環状弾性部と、環状弾性部の内周縁から径方向内側に延びる複数のレバー部とからなる。ダイヤフラムスプリングは、プレッシャープレートを押圧する機能とともに、プレッシャープレートへの押圧を解除するためのレバー機能も有している。
ここで、クラッチカバー組立体の押付荷重特性を説明する。押付荷重特性とは、ダイヤフラムスプリングの荷重特性において押付荷重としての使用領域を表すものである。例えば図6に示すように、押付荷重特性20において、クラッチカバー組立体の有効使用領域(摩耗代)は、一定の押付荷重が得られる領域(新品のセットライン25から、摩擦部材が摩耗限界まで達したウェアーライン26まで)である。
次に、クラッチカバー組立体のレリーズ荷重特性について説明する。レリーズ荷重特性とは、レリーズレバーの作動量(レバーストローク量)と、レリーズレバー先端に作用する荷重(レリーズ荷重)の関係を表すものである。例えば、図9に示すように、レリーズ荷重特性60は、レバー作動量ゼロから直線的に増大していく第1部分61と、なだらかに小さくなっていく第2部分62とを有しており、両者の接点がピークである荷重バランス点63となっている。第1部分61はダイヤフラムスプリングのレバー剛性を表しており、第2部分62は押付荷重特性におけるセットラインから図右側への変化に対応している。
押付荷重特性20は、図6に示すように、ダイヤフラムスプリングの変位量がゼロから大きくなるにつれて、一定の割合で増大していくが、たわみ量がある点(ピーク点)を越えると以後はなだらかに減少していき、さらにあるたわみ量を超えるとなだらかに増大していく。このため、有効使用領域内では、山部分21(上側に凸となる部分)となっており、摩擦部材の摩耗が大きくなるにつれて(セットラインが図の左側に移動するにつれて)押付荷重が大きくなる。すなわち、摩擦部材が摩耗すると、レリーズ荷重が大きくなり、さらにはクラッチペダル踏力が大きくなってしまう。
そこで従来より、摩擦部材が摩耗した場合にダイヤフラムスプリングの姿勢を初期状態に戻すことで、押付荷重特性においてセットラインを一定に維持するための摩耗補償機構が用いられている(例えば、特許文献1を参照。)。摩耗補償機構は、主に、クラッチカバーとダイヤフラムスプリングとの間に配置されたファルクラムリングと、ファルクラムリングをプレッシャープレートから離れる方向に付勢する付勢機構と、ファルクラムリングがプレッシャープレートから離れるのを防ぐとともに摩擦フェーシングに摩耗が生じた場合に摩耗量だけファルクラムリングがプレッシャープレートから軸方向に移動するのを許容する規制機構とを有している。
摩擦部材におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化を説明する。クッショニング機能がない場合は、図9のレリーズ荷重特性において、レリーズ荷重特性60は、荷重バランス点63までは線形に変化し、そこからなだらかに小さくなっていき、またなだらかに大きくなっていく。また、荷重バランス点63まではプレッシャープレートの切れ量はゼロである。摩擦部材がクッション機能を有している場合は、クッションの反発力によってレリーズ開始と同時にプレッシャープレートの移動が始まり荷重バランス点63においてはある程度移動している。このことは荷重バランス点での押付荷重が図6の右方向にシフトしていることを意味している。その結果、図9において荷重バランス点63におけるレリーズ荷重は、クッショニング機能がない場合に比べ大幅に小さくなる。以上の結果が得られる理由は、図6の押付荷重特性において、プレッシャープレートがレリーズ動作中に負勾配部分を移動するからである。したがって、摩擦部材の摩耗によってセットラインの位置が変われば平坦部分や正勾配部分を移動することも考えられる。その場合は、摩擦部材におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化は得られない。
また、摩耗補償機構を用いた構造では、摩擦部材が摩耗してもダイヤフラムスプリングの姿勢は一定に維持される。このことはセットラインが一定に維持されることを意味している。この場合、最も高い荷重が得られるようにダイヤフラムスプリングをセットすることが有利となる。しかし、レリーズ動作中にプレッシャープレートがピーク部分を移動することになり、荷重勾配が平坦になるため摩擦部材におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化は十分に得られない。
そこで、摩擦部材の摩耗によってセットラインの位置が変わっても、摩擦部材におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化を実現するために、特許文献1に記載のクラッチカバー組立体ではさらに低レリーズ荷重特性実現機構を備えている。
特願2004−322373号
図17に特許文献1に記載の低レリーズ荷重特性実現機構230を備えたクラッチカバー組立体の縦断面概略図、図18に特許文献1に記載の低レリーズ荷重特性実現機構230の縦断面概略図を示す。この低レリーズ荷重特性実現機構230は、支持ボルト231と、ホルダー232と、第1支持部材233と、スナップリング234と、第2支持部材235と、1対の第1コーンスプリング236と、第2コーンスプリング237と、支持リング238と、第2アジャストスプリング239とから構成されている。
図18に示すように、第2アジャストスプリング239は、支持ボルト231の頭部231cに固定されたスプリングホルダー243に巻かれており、ホルダー232の摩擦部材253と軸方向反対側(図17ではホルダー32の右側)に配置されている。そのため、第2アジャストスプリング239、支持ボルト231の頭部231cおよびスプリングホルダー243がクラッチカバー202の摩擦部材253と軸方向反対側に大きく突出し、クラッチカバー組立体の軸方向寸法が増大する。
また図18に示すように、この低レリーズ荷重特性実現機構230では第2アジャストスプリング239や支持ボルト231および第2支持部材235の螺合部がクラッチカバー202の外側に露出している。そのため、螺合部へのダストの侵入や各部材の錆等を考慮してダストカバー250を取り付ける必要がある。この結果、部品点数が増加するとともにクラッチカバー組立体の軸方向寸法がさらに増大する。
本発明の課題は、摩耗補償機構および低レリーズ荷重機構を備えたクラッチカバー組立体の軸方向寸法を短縮することにある。
本発明の別の課題は、摩耗補償機構および低レリーズ荷重機構を備えたクラッチカバー組立体の部品点数を削減することにある。
請求項1に記載のクラッチカバー組立体は、エンジンのフライホイールにクラッチディスク組立体のクッショニング機能付き摩擦部材を押し付け及び押し付け解除するためのものであって、クラッチカバーと、プレッシャープレートと、ダイヤフラムスプリングと、第1摩耗補償機構と、低レリーズ荷重機構とを備えている。クラッチカバーはフライホイールに固定されている。プレッシャープレートは、クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、フライホイールとの間で摩擦部材を挟むための部材である。ダイヤフラムスプリングは、クラッチカバーに支持され、プレッシャープレートをフライホイール側に付勢する。第1摩耗補償機構は摩擦部材の摩耗に対してダイヤフラムスプリングの姿勢を維持するための機構である。低レリーズ荷重機構は、第1弾性部材と、第2摩耗補償機構とを有している。第1弾性部材は、クラッチカバーに支持され、レリーズ動作中にダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、摩擦部材のクッショニング機能によってダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、プレッシャープレートへの押付荷重を減らしていくための部材である。第2摩耗補償機構は、摩擦部材の摩耗に対して第1弾性部材を摩耗前の姿勢に復帰させることで第1弾性部材の姿勢を維持するための機構であり、支持部材と、支持係合部材と、第2弾性部材とを有している。支持部材はプレッシャープレートからクラッチカバー側に延びる部材である。支持係合部材は支持部材の外周側に螺合し第1弾性部材から摩擦部材側と軸方向反対側に荷重を受けるための部材である。第2弾性部材は、支持係合部材が摩擦部材側と軸方向反対側に移動する方向に回転するよう支持係合部材に常時トルクを負荷するための部材である。第2弾性部材は支持係合部材の軸方向摩擦部材側に配置されている。
このクラッチカバー組立体では、第2弾性部材が支持係合部材の軸方向摩擦部材側に配置されているため、第2弾性部材がクラッチカバーの外部へ突出しない。これにより、低レリーズ荷重現機構がクラッチカバーから突出するのを抑制することができ、クラッチカバー組立体の軸方向寸法を大幅に短縮することができる。
請求項2に記載のクラッチカバー組立体は、第2弾性部材がクラッチカバーとプレッシャープレートとの軸方向間に配置されている。
このクラッチカバー組立体では、第2弾性部材がクラッチカバーとプレッシャープレートとの軸方向間に配置されているため、第2弾性部材がクラッチカバーの外側へ突出しない。これにより、低レリーズ荷重現機構がクラッチカバーから突出するのを抑制することができ、クラッチカバー組立体の軸方向寸法をさらに短縮することができる。
請求項3に記載のクラッチカバー組立体では、請求項1または2において、支持係合部材が支持部材の端部を覆っている。
このクラッチカバー組立体では、支持係合部材が支持部材の端部を覆っているため、支持部材のねじ部を支持係合部材によりカバーすることができる。すなわち、支持係合部材がダストカバーの役割を果たしている。これにより、従来必要であったダストカバーが不要となり、部品点数を削減することができるとともに軸方向寸法をさらに短縮することができる。
請求項4に記載のクラッチカバー組立体は、エンジンのフライホイールにクラッチディスク組立体のクッショニング機能付き摩擦部材を押し付け及び押し付け解除するためのものであって、クラッチカバーと、プレッシャープレートと、ダイヤフラムスプリングと、第1摩耗補償機構と、低レリーズ荷重機構とを備えている。クラッチカバーはフライホイールに固定されている。プレッシャープレートは、クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、フライホイールとの間で摩擦部材を挟むための部材である。ダイヤフラムスプリングは、クラッチカバーに支持され、プレッシャープレートをフライホイール側に付勢する。第1摩耗補償機構は摩擦部材の摩耗に対してダイヤフラムスプリングの姿勢を維持するための機構である。低レリーズ荷重機構は、第1弾性部材と、第2摩耗補償機構とを有している。第1弾性部材は、クラッチカバーに支持され、レリーズ動作中にダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、摩擦部材のクッショニング機能によってダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、プレッシャープレートへの押付荷重を減らしていくための部材である。第2摩耗補償機構は、摩擦部材の摩耗に対して第1弾性部材を摩耗前の姿勢に復帰させることで第1弾性部材の姿勢を維持するための機構であり、支持部材と、支持係合部材と、第2弾性部材とを有している。支持部材はプレッシャープレートからクラッチカバー側に延びる部材である。支持係合部材は支持部材の外周側に螺合し第1弾性部材から摩擦部材側と軸方向反対側に荷重を受けるための部材である。第2弾性部材は、支持係合部材が摩擦部材側と軸方向反対側に移動する方向に回転するよう支持係合部材に常時トルクを負荷するための部材である。支持係合部材は支持部材の端部を覆っている。
請求項5に記載のクラッチカバー組立体は、請求項1から4のいずれかにおいて、支持係合部材が支持部材の外周側と螺合する筒状の支持係合部材本体と、支持係合部材本体の一端に形成され第2弾性部材からのトルクを受ける環状の係合部と、支持係合部材本体の他端を閉じる頭部とを有している。
このクラッチカバー組立体では、支持係合部材が頭部を有しているため、支持部材のねじ部を確実にカバーすることができる。
請求項6に記載のクラッチカバー組立体は、請求項5において、頭部の軸方向断面の外形が多角形である。
このクラッチカバー組立体では、頭部の軸方向断面の外形が多角形であるため、工具で頭部をつかみやすい。これにより、支持係合部材を支持部材に対して工具により容易に締め込むことができ、摩耗補償機構の組付作業が容易となる。
請求項7に記載のクラッチカバー組立体は、請求項1から6のいずれかにおいて、摩耗補償機構が支持係合部材と第2弾性部材との軸方向間に第2弾性部材の軸方向クラッチカバー側端部の半径方向位置を規制するガイドプレートをさらに有している。
このクラッチカバー組立体では、ガイドプレートにより第2弾性部材の端部の半径方向位置が規制されるため、支持係合部材と第2弾性部材との組付作業が容易となり、摩擦補償機構の組付作業が容易となる。
請求項8に記載のクラッチカバー組立体は、請求項1から7のいずれかにおいて、第1摩耗補償機構がプレッシャープレートに設けられダイヤフラムスプリングに対する支点として機能するファルクラム部材と、ファルクラム部材をダイヤフラムスプリング側に付勢する付勢機構と、プレッシャープレートの切れ量を制限するための制限機構とを有している。
このクラッチディスク組立体では、第1摩耗補償機構が制限機構を有しているため、確実に摩耗補償機能を実現することができる。
請求項9に記載のクラッチカバー組立体は、請求項8において、制限機構が低レリーズ荷重機構に設けられている。
請求項10に記載のクラッチカバー組立体は、請求項8または9において、制限機構がクラッチカバーに固定されプレッシャープレートの軸方向摩擦部材と反対側への移動を規制する制限部材を有している。
このクラッチカバー組立体では、制限機構が制限部材を有しているため、確実に摩耗補償機能を実現することができる。
請求項11に記載のクラッチカバー組立体は、請求項10において、制限部材が支持係合部材および第1弾性部材の少なくともいずれか一方の軸方向摩擦部材と反対側に軸方向に当接可能なように配置されている。
このクラッチカバー組立体では、支持係合部材および第1弾性部材の少なくともいずれか一方の軸方向摩擦部材と反対側への移動を制限部材により制限することができる。すなわち、プレッシャープレートの軸方向への移動を制限することができる。
請求項12に記載のクラッチカバー組立体は、請求項10において、制限部材がプレッシャープレートの軸方向摩擦部材と反対側に軸方向に当接可能なように配置されている。
このクラッチカバー組立体では、プレッシャープレートの軸方向摩擦部材と反対側への移動を制限部材により制限することができる。
本発明に係るクラッチカバー組立体では、第2弾性部材の配置や支持係合部材の形状を変更することで、軸方向寸法を短縮することができる。
また本発明に係るクラッチカバー組立体では、第2弾性部材の配置や支持係合部材の形状を変更することで部品点数を削減することができる。
(1)クラッチカバー組立体の全体構造
図1〜図4に示すプルタイプのダイヤフラムスプリング式クラッチカバー組立体1は、エンジンのフライホイール51に対してクラッチディスク組立体52の摩擦部材53を押し付けてクラッチを連結し、あるいは押し付けを解除してクラッチを切断するための装置である。なお、摩擦部材53は、摩擦フェーシング53aとクッショニングプレート53bとを有し、軸方向に所定範囲内でたわみ可能なクッショニング機能を有している。
図1に示すO−O線が、フライホイール51及びクラッチカバー組立体1の回転軸線である。以下、図の左側を軸方向エンジン側といい、図の右側を軸方向トランスミッション側という。図2に示す矢印R1方向がクラッチ装置の回転方向であり、矢印R2方向がその反対方向である。なお、図1、3及び4における各部材の位置及び姿勢はクラッチディスク組立体52の摩擦部材53に摩耗が生じていない初期段階でクラッチが連結された状態である。
クラッチカバー組立体1は、フライホイール51のトルクをクラッチディスク組立体52に伝達又は遮断するための装置であり、主に、クラッチカバー2と、プレッシャープレート3と、ダイヤフラムスプリング4とから構成されている。
クラッチカバー2は、概ね皿形状のプレート部材であり、外周部が例えばボルトによりフライホイール51に固定されている。クラッチカバー2は、フライホイール51の外周部に対して軸方向に隙間をあけて対向する円板状部分を有している。
プレッシャープレート3は、クラッチカバー2の内周側において、クラッチディスク組立体52の摩擦フェーシング53aとクラッチカバー2との軸方向間に配置された環状の部材である。プレッシャープレート3には、フライホイール51に対向する側に環状でかつ平坦な押圧面3aが形成されている。プレッシャープレート3の第2軸方向側にはクラッチカバー2と対向する第2軸方向面3bが形成されている。押圧面3aとフライホイール51との間には、クラッチディスク組立体52の摩擦部材53が配置される。プレッシャープレート3は、複数のストラッププレート7によって、クラッチカバー2に対して、軸方向には移動可能であるが相対回転不能に連結されている。具体的には、各ストラッププレート7のR2側端はボルト56によりプレッシャープレート3の外周部に固定され、R1側端は図示しないリベットによりクラッチカバー2に固定されている。この連結によって、プレッシャープレート3は、クラッチカバー2とともにR1側に回転するようになっている。また、クラッチ連結状態においてストラッププレート7は軸方向にたわんでおり、プレッシャープレート3に対して軸方向トランスミッション側に付勢力を与えている。
ダイヤフラムスプリング4は、プレッシャープレート3とクラッチカバー2との間に配置された円板状部材であり、環状弾性部4aと、環状弾性部4aの内周部から径方向内側に延びる複数のレバー部4bとから構成されている。環状弾性部4aの内周部は、ファルクラムリング12(後述)に当接している。環状弾性部4aの外周部はワイヤリング5を介してクラッチカバー2に支持されている。この状態で環状弾性部4aは、第1摩耗補償機構8(後述)を介して、プレッシャープレート3をフライホイール51側に付勢している。ダイヤフラムスプリング4のレバー部4b間はスリットになっており、そのスリットの外周部には小判状の孔4cが形成されている。ダイヤフラムスプリング4のレバー部4bの先端にはプルタイプのレリーズ装置(図示せず)が係合している。このレリーズ装置は、レリーズベアリング等から構成されている。
(2)第1摩耗補償機構
次に、第1摩耗補償機構8について説明する。図3に詳細に示すように、第1摩耗補償機構8は、クラッチディスク組立体52の摩擦フェーシング53aが摩耗した後にダイヤフラムスプリング4の姿勢を初期の状態に復帰させること、すなわちダイヤフラムスプリング4からプレッシャープレート3への押付荷重を一定に保つことを目的としている。
第1摩耗補償機構8は、主に、ファルクラムリング12と、付勢機構9とから構成されている。第1摩耗補償機構8はプレッシャープレート3に設けられており、ファルクラムリング12はプレッシャープレート3側の部材として第2ネジ部材14に支持されている。ダイヤフラムスプリング4に支持されている。また、付勢機構9はファルクラムリング12に対してプレッシャープレート3から離れる側に荷重を付与している。
ファルクラムリング12は、環状のリング部材であって、軸方向に長い筒形状である。ファルクラムリング12は、プレッシャープレート3の軸方向トランスミッション側に配置されている。
付勢機構9は、プレッシャープレート3の第2軸方向面3bに配置された複数の機構からなる。各付勢機構9は、円周方向に並んでおり、第1ネジ部材13と、第2ネジ部材14と、第1アジャストスプリング15から構成されている。第1ネジ部材13は、軸方向に伸びる棒状の部材であり、外周面全体にネジ13aが形成されている。第1ネジ部材13は、軸方向エンジン側部分がプレッシャープレート3のネジ孔3dに螺合しており、軸方向トランスミッション側部分がプレッシャープレート3からさらに軸方向トランスミッション側に延びている。第2ネジ部材14は、第1ネジ部材13に対応して配置されている。第2ネジ部材14は、円柱状の本体14aを有するナット部材であり、軸方向エンジン側に第1ネジ部材13に螺合するネジ14d(ネジ孔)が形成されている。このねじ螺合部によって、第2ネジ部材14が第1ネジ部材13に対して回転方向の一方側に回転させられると軸方向トランスミッション側に移動する第1送りネジ機構58が構成されている。なお、図3に示す初期状態で第2ネジ部材14の軸方向エンジン側端は、プレッシャープレート3の第2軸方向面3bに当接又は近接している。さらに、第2ネジ部材14は、本体14aの軸方向エンジン側端から外周側に延びるフランジ14bを有している。フランジ14bは、ファルクラムリング12を支持するための部分であり、軸方向エンジン側に筒状に延びており、その先端には外周側に延びる環状の支持部14cを有している。図2及び図3から明らかなように、ファルクラムリング12は、軸方向エンジン側端が第2ネジ部材14の支持部14cに支持され(支持部14cの一部にのみ当接している)、軸方向トランスミッション側端がダイヤフラムスプリング4の環状弾性部4aの内周部に支持されている。支持部14cは、ファルクラムリング12を軸方向に支持しており、フランジ14bはファルクラムリング12を半径方向に支持している。つまり、ファルクラムリング12は、複数の第2ネジ部材14によって軸方向に支持されており、クラッチ中心を軸に相対回転可能であるがそれは必要条件ではない。また、各第2ネジ部材14は、自らの中心を軸にファルクラムリング12に対して相対回転可能である。
第1アジャストスプリング15は、第2ネジ部材14に回転方向一方側への付勢力を与えることで、第2ネジ部材14を軸方向トランスミッション側に移動させるための部材である。第1アジャストスプリング15は、コイル部15aと第1アーム部15bと第2アーム部15cとを有している。コイル部15aは、第2ネジ部材14の本体14aの回りに配置されている。第1アーム部15bはその先端が第2ネジ部材14に形成された孔14fに挿入されている。第2アーム部15cはその先端がプレッシャープレート3の孔3cに挿入されている。
第2ネジ部材14の軸方向トランスミッション側端面には、六角孔14eが形成されている。六角孔14eは、ダイヤフラムスプリング4の孔4c及びクラッチカバー2の孔16に対応している。孔16は、孔4cより大きな円形状である。以上より、工具を六角孔14eに挿入して回転させることで、第2ネジ部材14の軸方向位置を調整できる。特に、クラッチディスク組立体52の摩擦フェーシング53aが摩耗して交換した場合に、再びクラッチカバー組立体1を使用する場合にはこの作業が必要である。
以上をまとめると、この第1摩耗補償機構8では、ファルクラムリング12の高さ調整を送り送りネジ機構で行っているため、製作が容易であり、そのため少量生産にも適している。特に、従来のようにファルクラムリングとプレッシャープレート側の両方に複数の傾斜面を設けていた構造に比べて、製作が容易であり、精度を維持したまま加工が容易になる。その結果、コストも低い。また、送りネジ機構を用いているため、衝撃等が入力されても付勢機構がファルクラムリングの軸方向の位置を変化させにくい。
また、送りネジ機構が小型化しているため、各部材の加工が容易である。そのため、コストが低くなるとともに、精度も向上する。さらに、ネジ螺合部が構造的にカバーするのが容易でありこの実施形態でも外部に対して開かれていないため、螺合部にゴミが入りにくいし、錆が生じにくい。
(3)低レリーズ荷重特性実現機構
図2及び図3を用いて、低レリーズ荷重特性実現機構30について説明する。低レリーズ荷重特性実現機構30は、摩擦部材53におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化を、摩擦部材53が摩耗した状態でも実現するためのレリーズ補助用機構である。最初に、図9を用いて、摩擦部材におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化を説明する。クッショニング機能がない場合は、レリーズ荷重特性60は、ピークすなわち荷重バランス点63までは線形に変化し、そこからなだらかに小さくなっていき、またなだらかに大きくなっていく。また、荷重バランス点63まではプレッシャープレートの切れ量65はゼロである。摩擦部材がクッション機能を有している場合は、レリーズ時のプレッシャープレートの動きが早くなり、プレッシャープレートの切れ量65はクッショニングプレートがない場合に比べて早く大きくなる。また、図9において荷重バランス点63におけるピークが大幅に小さくなり、低レリーズ荷重特性が実現される。以上の結果が得られるのは、プレッシャープレートの位置がレリーズ動作中において、図6の押付荷重特性において負の勾配方向(右方向)に移動するからである。したがって、摩擦部材の摩耗によってセットラインの位置が変わればプレッシャープレートはレリーズ動作中において平坦部分や正勾配部分を移動することも考えられる。しかし、本発明の実施形態では、第1摩耗補償機構8によって、セットラインは変化しない。また設計目的により、セットラインの初期設定を平坦部分や正勾配の部分に設定する場合においても本発明の実施形態では低レリーズ荷重特性実現機構30の働きにより、レリーズ時に強制的に負の荷重勾配を創出するのでクラッチディスクのクッショニング機能の効果も相まって低レリーズ荷重を実現することができる。
低レリーズ荷重特性実現機構30は、図2に示すように、第1摩耗補償機構8の各付勢機構9と同一半径方向位置に交互に並んで配置されている。低レリーズ荷重特性実現機構30は本実施形態においては合計4カ所に配置されている。各機構30は、図4に示すように、支持ボルト31(支持部材)と、ホルダー32(支持係合部材)と、第1支持部材33と、スナップリング38aと、中間部材38bと、第2支持部材35と、3枚の第1コーンスプリング36(第1弾性部材)と、第2コーンスプリング37(第1弾性部材)と、支持リング38と、第2アジャストスプリング39(第2弾性部材)とから構成されている。
支持ボルト31は、プレッシャープレート3の第2軸方向面3bから軸方向トランスミッション側に延びている。支持ボルト31は、胴部31aと、ネジ部31bとを有している。胴部31aは、ダイヤフラムスプリング4の小判状の孔4cを軸方向に貫通している。胴部31aの外周側には、第2アジャストスプリング39(第2弾性部材)が巻かれている(後述)。ネジ部31bは、表面にネジが螺旋状に形成された部分であり、クラッチカバー2に形成された孔11内に配置されている。孔11は概ね円形の形状を有している。
ホルダー32は、第1コーンスプリング36および第2コーンスプリング37から摩擦部材53側と軸方向反対側に荷重を受けるための部材であり、ホルダー本体32a(支持係合部材本体)と、フランジ部32b(係合部)と、頭部32cとから構成されている。ホルダー本体32aは、軸方向に延びる筒状の部分であり、内周面にネジ部31bに螺合するネジ32dが形成されている。ホルダー本体32aは支持ボルト31のネジ部31bと螺合している。なお、図4の状態ではネジ部31bは、ホルダー本体32aより軸方向トランスミッション側にも形成されている。
フランジ部32bはホルダー本体32aの軸方向エンジン側の端部から外周側に延びる環状の部分であり、ホルダー本体32aと一体成形されている。フランジ部32bには軸方向に貫通する複数の孔32e(第1孔)が形成されている。第2アジャストスプリング39の第1係合端39aは孔32eを貫通しており、フランジ部32bは第2アジャストスプリング39からのトルクを受ける部分である。
頭部32cはホルダー本体32aの軸方向トランスミッション側の端部を閉じるように形成された部分であり、軸方向断面の外形が六角形を有している。なお、頭部32cの外形は六角形以外の多角形であってもよい。図4に示すように、ホルダー32は、支持ボルト31のネジ部31bに螺合した状態で支持ボルト31の端部を覆っている。
第1支持部材33は、筒状の部材であり、ホルダー32の外周側に配置されている。ホルダー32の軸方向エンジン側の端部の外周面にはスナップリング38aがはめられており、第1支持部材33の端部とスナップリング38aとの間には中間部材38bが挟み込まれている。すなわち、第1支持部材33はホルダー32に対して、わずかな隙間を保った状態で、軸方向に移動不能に保持されている。なお、第1支持部材33の内周面とホルダー32の外周面との間には半径方向隙間が確保されており、そのため両者は相対回転可能である。第2支持部材35は、環状の部材であり、第1支持部材33の軸方向トランスミッション側部分の外周面に溶接又はかしめ等により固定されている。以上に述べたように、ホルダー32と第1支持部材33と第2支持部材35は、軸方向に一体に動く1つの組立体となっている。
3枚の第1コーンスプリング36は並列に作用するように重ねて配置されている。第1コーンスプリング36の内周縁は第2支持部材35に軸方向エンジン側から当接しており、外周縁がクラッチカバー2の孔11に形成された環状突起11aに軸方向トランスミッション側から当接している。第2コーンスプリング37は、内周縁が第1支持部材33の環状突起33aに軸方向トランスミッション側から当接しており、外周縁が第1コーンスプリング36に軸方向エンジン側から当接している。すなわち、第1コーンスプリング36と第2コーンスプリング37との軸方向間にはスペーサが配置されていない。
以上より、第1コーンスプリング36は、ホルダー32等からなる構造体に対して軸方向トランスミッション側への荷重を与えることが可能であり、第2コーンスプリング37はホルダー32等からなる構造体に対して軸方向エンジン側への荷重を与えることが可能である。第1および第2コーンスプリング36,37は、クラッチ連結時にはホルダー32等にほとんど荷重を付与していないが、クラッチレリーズ動作中にはホルダー32等に軸方向トランスミッション側に荷重を与えて、レリーズ荷重を低下させる。つまり、第1コーンスプリング36の荷重が第2コーンスプリング37の荷重より大きいことになる。
第2アジャストスプリング39は、捩りコイルスプリングであって、クラッチカバー2とプレッシャープレート3との軸方向間、より詳細にはホルダー32の軸方向エンジン側(摩擦部材53側)に配置されている。第2アジャストスプリング39とホルダー32との軸方向間には、円形のプレート部材であるガイドプレート34が配置されている。第2アジャストスプリング39は、支持ボルト31の胴部31aの外周側に巻かれており、第2アジャストスプリング39の第1係合端39a(一端)はガイドプレート34の孔32e(第2孔)を貫通してホルダー32の孔32eに挿入されている。また第2アジャストスプリング39の第2係合端39bは支持ボルト31の孔31cに嵌め込まれ、第2アジャストスプリング39が支持ボルト31に装着されている。すなわち、第2アジャストスプリング39が巻き上げられた状態では、第2アジャストスプリング39がホルダー32に対して回転方向片側にほぼ一定の荷重を与えている。この場合、第2アジャストスプリング39からの荷重付与方向は、ホルダー32がネジ部31bに沿って軸方向トランスミッション側に移動していく方向である。
以上の構成から明らかなように、第2アジャストスプリング39がクラッチカバー2とプレッシャープレート3との軸方向間、そしてホルダー32の軸方向エンジン側に配置されているため、第2アジャストスプリング39がクラッチカバー2の外側(より詳細にはクラッチカバー2の軸方向トランスミッション側)へ突出しない。これにより、低レリーズ荷重特性実現機構30がクラッチカバー2から突出するのを抑制することができ、クラッチカバー組立体1の軸方向寸法を大幅に短縮することができる。
またこのクラッチカバー組立体1では、ホルダー32が支持ボルト31の端部を覆っているため、支持ボルト31のねじ部をホルダー32によりカバーすることができる。すなわち、ホルダー32がダストカバーの役割を果たしている。これにより、従来必要であったダストカバーが不要となり、部品点数を削減することができるとともにクラッチカバー組立体の軸方向寸法をさらに短縮することができる。また、ホルダー32が頭部32cを有しているため、支持ボルト31のねじ部を確実にカバーすることができる。
ここで、低レリーズ荷重特性実現機構30の動作について説明する。図7に示すように、第1コーンスプリング36の特性43は正側(軸方向トランスミッション側)に向けて荷重を発生するようになっており、第2コーンスプリング37の特性44は負側(軸方向エンジン側)に向けて荷重を発生するようになっている。第1コーンスプリング36の特性43は谷部と山部の差が大きくて勾配が大きく、第2コーンスプリング37の特性44は谷部と山部の差が小さくて勾配が小さい。合成特性45は、谷部がクラッチエンゲージ位置に配置され、そこでの荷重がゼロになっている。なお、合成特性45の谷荷重はゼロ以下になるように設計されることが好ましい。荷重ゼロから最大レリーズ位置側に移動すると、荷重は正側に徐々に大きくなっていく。これを図8のセット荷重特性でみると、セットラインを荷重特性のピーク位置に設定した場合でもレリーズ動作を行うと、摩擦部材53におけるクッション機能によってセットラインが変位量大側にライン47のようにシフトする。つまり、押付特性において負勾配が必ず確保されており、したがってクッション機能による低レリーズ荷重化が確実に実現される。
クラッチ連結状態では、第2アジャストスプリング39によりホルダー32を回転させる力(トルク)とコーンスプリング36,37の合成荷重(軸方向荷重)によるねじ面の摩擦力とが釣り合っており、そのためこの状態で支持ボルト31にかかる軸方向荷重はゼロよりわずかに大きい値になっている。摩擦部材53が摩耗すると、支持ボルト31、ホルダー32等は軸方向エンジン側に移動する。すると、コーンスプリング36,37の変形が進み、それら部材の荷重が低下し荷重のバランスが崩れる。そのとき、第2アジャストスプリング39がホルダー32を回転させて軸方向エンジン側に移動させる。すると、コーンスプリング36,37による軸方向の合成荷重が増加し、それに正比例してねじ面の摩擦力が増加するため、第2アジャストスプリング39のトルクによりホルダー32を回転させることが不可能になり、そこでホルダー32の軸方向移動が停止する。このように、摩擦部材53が摩耗しても、低レリーズ荷重特性実現機構30におけるコーンスプリング36,37の姿勢は、元の状態に復帰する。つまり、低レリーズ荷重特性実現機構30において第2摩耗補償機構が実現されており、その結果、コーンスプリング36,37の姿勢は摩擦部材53が摩耗しても維持され、低レリーズ荷重特性実現機構30の荷重は一定に維持される。
なお、図5に示すように、クラッチ連結状態において、第1コーンスプリング36と支持リング41との間には隙間42が確保されている。より具体的には、支持リング41の内周部と第1コーンスプリング36との間にはプレッシャープレートの切れ代に相当する隙間が確保されている。一方、第1コーンスプリング36は、内周側が外周側より軸方向エンジン側に位置するような円錐形状となっているため、隙間42は外周側から内周側に向けて徐々に大きくなっている。レリーズ動作では、プレッシャープレート3、支持ボルト31及びホルダー32等が軸方向トランスミッション側に移動するため、コーンスプリング36の内周部が軸方向トランスミッション側に引き上げられる。やがて、ホルダー32が支持リング41の内周部に当接すると、プレッシャープレート3やホルダー32等の軸方向移動が停止する。このように、支持リング41とホルダー32とによって、プレッシャープレートの移動量を制限するストッパー機構55が形成されている。このように、低レリーズ荷重特性実現機構30が第1摩耗補償機構8のストッパー機構55の機能を有しているため、構成が簡単になり、部品点数が少なくなる。さらに、レリーズ状態では、低レリーズ荷重特性実現機構30において支持ボルト31からホルダー32に対して軸方向の荷重が作用しているが、ネジ螺合によって軸方向に大きな荷重が発生するため、第1摩耗補償機構8におけるオーバーアジャストが生じにくい。
さらに、摩擦部材53が摩耗した場合であっても、前述したように、低レリーズ荷重特性実現機構30における第1および第2コーンスプリング36,37の姿勢は、元の状態に復帰する。つまり、摩擦部材53が摩耗してもストッパー機構55における隙間42の大きさは一定に保たれる。
(4)低レリーズ荷重特性実現機構30の組付作業
ここで低レリーズ荷重特性実現機構30の組付作業について図4を用いて説明する。
まず、あらかじめ第1コーンスプリング36、第2コーンスプリング37、第1支持部材33および第2支持部材35からなるコーンスプリング組立体40が組み付けられる。具体的には、第1支持部材33の外周側に1枚の第2コーンスプリング37と3枚の第1コーンスプリング36とが組み付けられる。そして第2支持部材35が第1支持部材33に挿嵌され、第1支持部材33および第2支持部材35の軸方向間に第1コーンスプリング36および第2コーンスプリング37が挟み込まれる。そして第1コーンスプリング36および第2コーンスプリング37が圧縮された状態で第2支持部材35が第1支持部材33に対して例えば溶接により固定される。この結果、第1コーンスプリング36、第2コーンスプリング37、第1支持部材33および第2支持部材35からなるコーンスプリング組立体40が組み上がる。
一方、支持ボルト31がプレッシャープレート3にねじ込まれる。第2アジャストスプリング39が支持ボルト31の胴部31aに差し込まれ、第2アジャストスプリング39の第2係合端39bが胴部31aの孔31cに嵌め込まれる。そしてガイドプレート34の孔34a(第2孔)に第2アジャストスプリング39の第1係合端39aが挿入される。
次に第2アジャストスプリング39およびガイドプレート34が支持ボルト31に組み付けられた状態で、ホルダー32がネジ部31bにねじ込まれる。このとき、ホルダー32の軸方向エンジン側に第2アジャストスプリング39が配置されているため、従来に比べてホルダー32のねじ込み作業が容易となる。また前述のようにホルダー32の頭部32cの軸方向断面の外形が六角形を有しているため、レンチ等で容易に32をねじ込むことができ、低レリーズ荷重特性実現機構30の組付作業が容易となる。
ホルダー32がネジ部31bにねじ込まれると、ホルダー32がプレッシャープレート3側へ移動していき、やがて第1係合端39aとホルダー32のフランジ部32bとが軸方向に接触する。このとき、ガイドプレート34の孔34aに第2アジャストスプリング39の第1係合端39aを挿入しているため、第1係合端39aの半径方向位置が決まる。それに加えて、フランジ部32bの孔32eの半径方向位置とガイドプレート34の孔34aの半径方向位置とが実質的に同一であるため、第2アジャストスプリング39の第1係合端39aとフランジ部32bの孔32eとの半径方向位置が概ね一致する。したがって、ガイドプレート34がない場合に比べて、第2アジャストスプリング39の第1係合端39aをホルダー32の孔32eに引っかけやすくなり、ホルダー32と第2アジャストスプリング39との組付作業が容易となる。第2アジャストスプリング39をホルダー32の軸方向エンジン側に配置するのを実現するために、第2アジャストスプリング39の巻き上げ作業やホルダー32への取り付け作業が困難となるおそれがあるが、上記のようにガイドプレート34によりこれらの問題が解消される。
第2アジャストスプリング39の第1係合端39aをホルダー32の孔32eに引っかけた状態で、さらにホルダー32がねじ込まれる。ホルダー32が支持ボルト31に対して所定の軸方向位置までねじ込まれた状態で、コーンスプリング組立体41および中間部材38bが第1支持部材33の外周側に嵌め込まれる。そしてホルダー32の外周側にスナップリング38aが嵌め込まれ、コーンスプリング組立体41がホルダー32に組み付けられる。
以上に述べたように、このクラッチカバー組立体1では、第2アジャストスプリング39およびホルダー32の配置やガイドプレート34の設置等により、低レリーズ荷重特性実現機構30の組付作業性が大幅に向上する。
(5)クラッチ連結・レリーズ動作
このクラッチカバー組立体1では、図示しないレリーズ装置がダイヤフラムスプリング4のレバー部4bの先端をトランスミッション側に引き出すと、ワイヤリング5を支点としてダイヤフラムスプリング4の環状弾性部4aの内周部が軸方向トランスミッション側に引き上げられる。これにより、環状弾性部4aがプレッシャープレート3を押圧しなくなり、プレッシャープレート3はストラッププレート7により摩擦部材53から引き離され、最後に摩擦部材53がフライホイール51から離れる(クラッチ解除状態)。
図示しないレリーズ装置がダイヤフラムスプリング4のレバー部4bの先端に荷重を与えていない状態で、環状弾性部4aはプレッシャープレート3に押圧荷重を与えている。その結果、クラッチディスク組立体52の摩擦部材53がフライホイール51に押し付けられ、クラッチディスク組立体52にトルクが伝達される(クラッチ連結状態)。
この状態で摩擦フェーシング53aが摩耗すると、エンゲージ状態においてプレッシャープレート3がフライホイール51側に移動する。そのため、低レリーズ荷重特性実現機構30において、支持ボルト31、ホルダー32等も軸方向エンジン側に移動する。その結果、コーンスプリング36,37が変形し、それらと支持リング41との間の隙間42が大きくなる。しかしコーンスプリング荷重とアジャストスプリングのトルクにより発生するホルダー32の軸力とのバランスが崩れるので第2アジャストスプリング39のトルクでホルダー32が回転しコーンスプリング36,37の姿勢は元に戻り、隙間42も元に戻り一定値が保たれる。同時にこの状態ではプレッシャープレート3は摩擦部材53の摩耗分だけフライホイール51側に変位しており、その結果ダイヤフラムスプリング4の先端高さも変化している。本発明においてはレリーズ量は最大レリーズ時のダイヤフラムスプリング4の内径端(レバー部4bの先端)の位置で規定されており、具体的にはフライホイール51からの距離、もしくは図示しないクラッチハウジングの特定部分よりの距離で定めている。そのためダイヤフラムスプリング4をレリーズすると結果的に摩擦部材53の摩耗前よりレリーズ量が増えることになりファルクラムリング12と接触しているダイヤフラムスプリング4の環状弾性部4aも余分に移動する。しかし、図10に示すように、プレッシャープレート3の移動量は隙間42で一定に保たれるので、結果としてファルクラムリング12とダイヤフラムスプリング4の環状弾性部4aとの間に隙間Aを生じ、その隙間を埋める形で第1アジャストスプリング15のトルクで第2ネジ部材14が回転する。これで第1摩耗補償機構8の作動が完了する。
(6)第1摩耗補償機構および低レリーズ荷重特性実現機構の別の実施形態
図11〜図15を用いて、本発明の第1摩耗補償機構および第2実施形態に係る低レリーズ荷重特性実現機構130について説明する。図11に本発明の本実施形態に係るクラッチカバー組立体の平面図、図12に図11のA−A断面図、図13に第1摩耗補償機構108の縦断面概略図、図14に図12のB−B断面図、図15に低レリーズ荷重特性実現機構130の縦断面概略図をそれぞれ示す。図11〜15はクラッチ連結状態を示している。本実施形態に係るクラッチカバー組立体101は前述の実施形態とは異なり、プッシュタイプである。
図11〜図15に示すように、本実施形態に係るクラッチカバー組立体101は、第1摩耗補償機構108と、低レリーズ荷重特性実現機構130とを備えている。第1摩耗補償機構108および低レリーズ荷重特性実現機構130は、前述の実施形態の機構8および30と同様の機能を実現するための機構である。
図13に示すように、第1摩耗補償機構108は主に、ファルクラムリング112と、複数のスプリング115とから構成されている。ファルクラムリング112は、環状のリング部材であり、プレッシャープレート103の軸方向トランスミッション側に配置されている。ファルクラムリング112を介してプレッシャープレート103はダイヤフラムスプリング104により摩擦部材153側へ付勢されている。
ファルクラムリング112のプレッシャープレート103側には、複数の支持凹部112aと、収容部112bとが形成されている。支持凹部112aはファルクラムリング112の外周側に形成された円弧状に窪んだ部分であり、円周方向に連続して形成されている。プレッシャープレート103には軸方向に突出する円柱形状の複数の支持突起103cが固定されている。各支持突起103cは各支持凹部112aに嵌め込まれている。
また図14に示すように、支持凹部112aおよび支持突起103cが軸方向に当接している面は、それぞれ円周方向に傾斜しているテーパ形状を有している。ファルクラムリング112とプレッシャープレート103とが相対回転すると、ファルクラムリング112はプレッシャープレート103に対して軸方向に相対移動する。
収容部112bは、ファルクラムリング112のプレッシャープレート103側の面に形成された環状に窪んだ部分であり、複数のスプリング115が円周方向に弾性変形可能に収容されている。
スプリング115はプレッシャープレート103とファルクラムリング112とを回転方向に弾性的に連結している。具体的には、スプリング115の一端は、プレッシャープレート103から突出した第1固定部103eに引っかけられている。またスプリング115の他端は、ファルクラムリング112の収容部112bの内部に配置され軸方向に延びる第2固定部112cに引っかけられている。スプリング115は、円周方向に延びた状態でセットされており、スプリング115によりファルクラムリング112とプレッシャープレート103とは円周方向に引っ張られている。これにより、例えばファルクラムリング112がプレッシャープレート103に対して図14の左方向に相対回転すると、ファルクラムリング112はプレッシャープレート103に対して図14の上側(軸方向トランスミッション側)へ移動する。
以上の構成により、第1摩耗補償機構108の摩耗補償機能が実現されている。
また図15に示すように、低レリーズ荷重特性実現機構130は、支持ボルト131(支持部材)と、ホルダー132(支持係合部材)と、スナップリング135と、中間リング137と、コーンスプリング136(第1弾性部材)と、第2アジャストスプリング139(第2弾性部材)とから構成されている。
支持ボルト131は、前述の実施形態と同様に、胴部131aと、ネジ部131bとを有している。各部の構成は前述の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ホルダー132は、ホルダー本体132a(支持係合部材本体)と、係合部132fと、頭部132bと、環状突起132cとから構成されている。ホルダー本体132aは、軸方向に延びる筒状の部分であり、内周面にネジ部131bに螺合するネジ132dが形成されている。ホルダー本体132aは支持ボルト131のネジ部131bと螺合している。係合部132fはホルダー本体132aの軸方向エンジン側の端部から軸方向に延びる部分であり、第2アジャストスプリング139の係合端139aが係合している。頭部132bはホルダー本体132aの軸方向トランスミッション側の端部を閉じるように形成された部分であり、クラッチカバー102の孔111を軸方向に貫通している。環状突起132cは、頭部132bの外周側に形成された環状の部分である。また頭部132bの軸方向トランスミッション側の中心には六角孔132eが形成されている。
コーンスプリング136は、頭部132bの外周側に配置されている。コーンスプリング136の内周縁は環状突起132cに軸方向エンジン側から当接しており、外周縁がクラッチカバー102の孔111周辺に形成された環状突起11aに軸方向トランスミッション側から当接している。頭部132bの外周側にはスナップリング135が嵌め込まれており、コーンスプリング136の内周縁とスナップリング135との軸方向間には、中間リング137が挟み込まれている。
以上より、コーンスプリング136は、ホルダー132等からなる構造体に対して軸方向トランスミッション側への荷重を与えることが可能である。ただし、前述の実施形態とは異なり、低レリーズ荷重特性実現機構130は第2コーンスプリング37に対応する弾性部材を有していない。したがって、第1実施形態の低レリーズ荷重特性実現機構130の合成荷重特性(図7)に対応する荷重特性は、図16に示すものとなる。この場合、図16に示すように、エンゲージ時(クラッチ連結時)には荷重がゼロとなるように設定されている。また、前述の実施形態と同様に、低レリーズ荷重特性実現機構130は、クラッチレリーズ動作中においてはホルダー132等に対して軸方向トランスミッション側に荷重を与えて、レリーズ荷重を低下させる機能を有している。
また、この低レリーズ荷重特性実現機構130では、前述の実施形態と同様に、ストッパー機構155を備えている。具体的には、支持リング141は概ね皿ばね形状を有しており、支持リング141とコーンスプリング136との軸方向間には隙間142が確保されている。この場合も前述の実施形態と同様にプレッシャープレートの切れ量を制限することができる。
また、この低レリーズ荷重特性実現機構130では1枚の第1コーンスプリング36のみが配置されているため、前述の実施形態に比べてコーンスプリングの数量が3枚少ない。この結果、さらに低レリーズ荷重特性実現機構130の軸方向寸法が短縮され、低レリーズ荷重特性実現機構130がクラッチカバー102から外側へ突出しない。これにより、クラッチカバー組立体の軸方向寸法をさらに短縮することができる。
またコーンスプリングの数量が少ないため、ホルダー132の構造の簡素化を図ることができ、部品点数をさらに削減することができる。
なお、本実施形態の低レリーズ荷重特性実現機構130の動作は、第1実施形態のものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
(7)さらに他の実施形態
実施形態は本発明の一実施例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、実施形態はプルタイプのクラッチカバー組立体であるがプッシュタイプのクラッチカバー組立体にも本発明を適用できる。
また第2実施形態の低レリーズ荷重特性実現機構130は、1枚のコーンスプリングからなるが、第1実施形態のものと同様に複数のコーンスプリングから構成されていてもよい。
本発明の第1実施形態に係るクラッチカバー組立体の縦断面概略図。 本発明の第1実施形態に係るクラッチカバー組立体の平面図。 本発明の第1実施形態に係るクラッチカバー組立体の縦断面概略図。 本発明の第1実施形態に係るクラッチカバー組立体の縦断面概略図。 図4の部分拡大図であり、低レリーズ荷重特性実現機構を説明するための図。 押付荷重特性を説明するための図。 低レリーズ荷重特性実現機構の合成特性を説明するための図。 セット荷重特性において、クッショニング機能が発揮されるときに得られる負勾配特性を説明するための図。 レリーズ荷重特性を説明するための図。 第1摩耗補償機構の動作を説明するためのレリーズ荷重特性及びプレッシャープレートの切れ量の特性図。 本発明の第2実施形態に係るクラッチカバー組立体101の平面図。 図11のA−A断面図。 第1摩耗補償機構108の縦断面概略図。 図11のB−B断面図。 本発明の第2実施形態に係る低レリーズ荷重特性実現機構130の縦断面概略図。 低レリーズ荷重特性実現機構130の荷重特性を説明するための図。 従来のクラッチカバー組立体の縦断面概略図。 従来の低レリーズ荷重特性実現機構の縦断面概略図。
1 クラッチカバー組立体
2 クラッチカバー
3 プレッシャープレート
4 ダイヤフラムスプリング
8 第1摩耗補償機構
9 付勢機構
13 支持ボルト(支持部材)
12 ファルクラムリング
30 低レリーズ荷重特性実現機構(低レリーズ荷重機構)
31 支持ボルト(支持部材)
32 ホルダー(支持係合部材)
33 第1支持部材
34 ガイドプレート
35 第2支持部材
36 第1コーンスプリング(第1弾性部材)
37 第2コーンスプリング(第1弾性部材)
39 第2アジャストスプリング(第2弾性部材)
51 フライホイール
52 クラッチディスク組立体
53 摩擦部材
55 ストッパー機構(制限機構)

Claims (12)

  1. エンジンのフライホイールにクラッチディスク組立体のクッショニング機能付き摩擦部材を押し付け及び押し付け解除するためのクラッチカバー組立体であって、
    前記フライホイールに固定されたクラッチカバーと、
    前記クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、前記フライホイールとの間で前記摩擦部材を挟むためのプレッシャープレートと、
    前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャープレートを前記フライホイール側に付勢するダイヤフラムスプリングと、
    前記摩擦部材の摩耗に対して前記ダイヤフラムスプリングの姿勢を維持するための第1摩耗補償機構と、
    前記クラッチカバーに支持され、レリーズ動作中に前記ダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、前記摩擦部材のクッショニング機能によって前記ダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、前記プレッシャープレートへの押付荷重を減らしていく第1弾性部材を有する低レリーズ荷重機構とを備え、
    前記低レリーズ荷重機構は、前記摩擦部材の摩耗に対して前記第1弾性部材を摩耗前の姿勢に復帰させることで前記第1弾性部材の姿勢を維持するための第2摩耗補償機構をさらに有し、
    前記第2摩耗補償機構は、前記プレッシャープレートから前記クラッチカバー側に延びる支持部材と、前記支持部材の外周側に螺合し前記第1弾性部材から前記摩擦部材側と軸方向反対側に荷重を受ける支持係合部材と、前記支持係合部材が前記摩擦部材側と軸方向反対側に移動する方向に回転するよう前記支持係合部材に常時トルクを負荷する第2弾性部材とを有し、
    前記第2弾性部材は、前記支持係合部材の軸方向前記摩擦部材側に配置されている、
    クラッチカバー組立体。
  2. 前記第2弾性部材は、前記クラッチカバーと前記プレッシャープレートとの軸方向間に配置されている、
    請求項1に記載のクラッチカバー組立体。
  3. 前記支持係合部材は、前記支持部材の端部を覆っている、
    請求項1または2に記載のクラッチカバー組立体。
  4. エンジンのフライホイールにクラッチディスク組立体のクッショニング機能付き摩擦部材を押し付け及び押し付け解除するためのクラッチカバー組立体であって、
    前記フライホイールに固定されたクラッチカバーと、
    前記クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、前記フライホイールとの間で前記摩擦部材を挟むためのプレッシャープレートと、
    前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャープレートを前記フライホイール側に付勢するダイヤフラムスプリングと、
    前記摩擦部材の摩耗に対して前記ダイヤフラムスプリングの姿勢を維持するための第1摩耗補償機構と、
    前記クラッチカバーに支持され、レリーズ動作中に前記ダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、前記摩擦部材のクッショニング機能によって前記ダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、前記プレッシャープレートへの押付荷重を減らしていく第1弾性部材を有する低レリーズ荷重機構とを備え、
    前記低レリーズ荷重機構は、前記摩擦部材の摩耗に対して前記第1弾性部材を摩耗前の姿勢に復帰させることで前記第1弾性部材の姿勢を維持するための第2摩耗補償機構をさらに有し、
    前記第2摩耗補償機構は、前記プレッシャープレートから前記クラッチカバー側に延びる支持部材と、前記支持部材の外周側に螺合し前記第1弾性部材から前記摩擦部材側と軸方向反対側に荷重を受ける支持係合部材と、前記支持係合部材が前記摩擦部材側と軸方向反対側に移動する方向に回転するよう前記支持係合部材に常時トルクを負荷する第2弾性部材とを有し、
    前記支持係合部材は、前記支持部材の端部を覆っている、
    クラッチカバー組立体。
  5. 前記支持係合部材は、前記支持部材の外周側と螺合する筒状の支持係合部材本体と、前記支持係合部材本体の一端に形成され前記第2弾性部材からのトルクを受ける環状の係合部と、前記支持係合部材本体の他端を閉じる頭部とを有している、
    請求項1から4のいずれかに記載のクラッチカバー組立体。
  6. 前記頭部の軸方向断面の外形は、多角形である、
    請求項5に記載のクラッチカバー組立体。
  7. 前記摩耗補償機構は、前記支持係合部材と前記第2弾性部材との軸方向間に前記第2弾性部材の軸方向前記クラッチカバー側端部の半径方向位置を規制するガイドプレートをさらに有している、
    請求項1から6のいずれかに記載のクラッチカバー組立体。
  8. 前記第1摩耗補償機構は、前記プレッシャープレートに設けられ前記ダイヤフラムスプリングに対する支点として機能するファルクラム部材と、前記ファルクラム部材を前記ダイヤフラムスプリング側に付勢する付勢機構と、前記プレッシャープレートの切れ量を制限するための制限機構とを有している、請求項1から7のいずれかに記載のクラッチカバー組立体。
  9. 前記制限機構は、前記低レリーズ荷重機構に設けられている、請求項8に記載のクラッチカバー組立体。
  10. 前記制限機構は、前記クラッチカバーに固定され前記プレッシャープレートの軸方向前記摩擦部材と反対側への移動を規制する制限部材を有している、
    請求項8または9に記載のクラッチカバー組立体。
  11. 前記制限部材は、前記支持係合部材および第1弾性部材の少なくともいずれか一方の軸方向前記摩擦部材と反対側に軸方向に当接可能なように配置されている、
    請求項10に記載のクラッチカバー組立体。
  12. 前記制限部材は、前記プレッシャープレートの軸方向前記摩擦部材と反対側に軸方向に当接可能なように配置されている、
    請求項10に記載のクラッチカバー組立体。
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